JP2003220903A - ドア用電線構造 - Google Patents

ドア用電線構造

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JP2003220903A
JP2003220903A JP2002020267A JP2002020267A JP2003220903A JP 2003220903 A JP2003220903 A JP 2003220903A JP 2002020267 A JP2002020267 A JP 2002020267A JP 2002020267 A JP2002020267 A JP 2002020267A JP 2003220903 A JP2003220903 A JP 2003220903A
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door
electric wires
electric wire
electric
wires
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JP2002020267A
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Mitsunori Tsunoda
充規 角田
Kenichi Doshita
憲一 堂下
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Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
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  • Insertion, Bundling And Securing Of Wires For Electric Apparatuses (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)
  • Installation Of Indoor Wiring (AREA)
  • Electric Cable Arrangement Between Relatively Moving Parts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両ボディからドア側の補機類に給電するた
めの複数本の電線の繰り返し屈曲による破損を防止す
る。 【解決手段】 ボディ3側からドア4側に複数本の電線
を配索し、ドアの開閉に伴って複数本の電線Wが屈曲す
る構造のドア用電線構造において、複数本の電線Wを少
なくとも屈曲部10〜13において曲げ剛性の高まるよ
うに相互に密着ないし集合させた。ボディ側の電線固定
部5からドア側の電線可動部9,14を経てドア側の電
線固定部15に至る範囲において、複数本の電線Wを曲
げ剛性の高まるように相互に密着ないし集合させた。複
数本の電線を相互に撚り合わせたり、複数本の電線を柔
軟材の内部に埋め込み、柔軟材を外皮で覆ったり、複数
本の電線を相互に接着ないし溶着したり、複数本の電線
をテープ巻きで相互に密着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の車
両ボディからスライドドア側の電装品等の補機類に電源
電流や信号電流を供給するための複数本の電線の繰り返
し屈曲による破損を防止したドア用電線構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車のスライドドアには、ドア
ロックモータやスピーカ、あるいはドア自動開閉用のス
イッチ等が設けられており、それら補機に電気を供給す
るために、車両ボディ側からスライドドアに複数本の電
線(ワイヤハーネス)が配索されている。
【0003】図5は、従来のスライドドア用電線構造の
一形態として、本出願人が特開2000−264136
号公報で提案した自動車用スライドドアの電線配索構造
を示すものである。
【0004】この構造は、スライドドア4のドアパネル
17に水平なレール33を設け、レール33にスライダ
14を前後方向スライド自在に係合させ、スライダ14
に一対のリンクアーム9の一端を回動自在に連結させ、
リンクアーム9の他端をレール前端部に回動自在に連結
させ、複数本の電線すなわち回路体Wを一対のリンクア
ーム9に沿って配索固定すると共にスライダ14に固定
させつつ、回路体Wの一方をスライダ14から略U字状
に湾曲させて車両ボディ3側に配索して、車両ボディ側
の回路体37にコネクタ38で接続させ、リンクアーム
9から回路体Wの他方をスライドドア4側の補機(図示
せず)に向けて配索して、補機にコネクタ接続させたも
のである。
【0005】一対のリンクアーム9は中央で回動自在に
連結され、ドア開状態で略逆V字状に起立し、ドア閉状
態で略への字状に開く。スライダ14はドア開状態でレ
ール33の前端寄りに位置し、ドア閉状態でレール33
の後端寄りに位置する。本例のスライドドア4は車両後
方へスライド式に開く形態のものである。
【0006】回路体(複数本の電線)Wは、一対のリン
クアーム9の頂部と一端部と他端部と、スライダ14か
ら車両ボディ3側にかけての渡り部8とにおいて強く屈
曲されている。特に渡り部8において回路体Wはスライ
ダ14の進退動作によって前後に大きく振れら、強く屈
曲される。
【0007】図6(a)はスライドドア4の閉状態、図
6(b)はスライドドア4の開状態をそれぞれ示すもの
であり、スライドドア4は開時に車両ボディ3の外側に
出っ張るように移動し、閉時にドア開口39を塞ぐべ
く、開時とは逆に内向きに移動する。これによっても、
回路体Wは渡り部8において強く屈曲される。
【0008】渡り部8のみならず、図5においてリンク
アーム9が開閉するに伴って、リンクアーム中央の頂部
12において回路体Wが繰り返し屈曲される。また、リ
ンクアーム9の開閉に伴ってリンクアーム9の前後端側
(符号11,13で示す部分)で回路体Wがそれぞれ屈
曲される。
【0009】車両ボディ3側のコネクタ38の近傍で回
路体(複数本の電線)Wが固定されて電線固定部5が構
成され、電線固定部5からスライドドア4側のスライダ
14を経て一対のリンクアーム9に沿う長さの範囲で電
線可動部が構成され、リンクアーム9の前端から上向き
に回路体Wが延長された部分15でスライドドア側の電
線固定部が構成されている。
【0010】図7(a)(b)は、従来のスライドドア
用電線構造の他の形態を示すものである。この構造は、
図7(a)の如くスライドドア41の上部側からボディ
42側にかけて回路体(複数本の電線すなわちワイヤハ
ーネス)43をやや垂れ下げて配索すると共に、回路体
43に沿ってばね部材44を配設し、図7(b)のスラ
イドドア41の閉じ状態で回路体43と一体にばね部材
44を屈曲させるようにしたものである。
【0011】図7(a)のスライドドア41の開状態か
らばね部材44の付勢に抗してスライドドア41を閉じ
ることで、図7(b)の如くばね部材44が回路体43
に張りを持たせつつ屈曲する。
【0012】なお、スライドドア用電線構造は上記リン
クアーム9やばね部材43を用いたものに限らず、例え
ば水平なレールに沿ってスライダを進退させつつ回路体
(複数本の電線)をボックスないしそれに類するプロテ
クタ内で環状ないし円弧状に伸縮させて、回路体の弛み
を吸収させる構造等、種々の形態のものが提案されてい
る。
【0013】また、スライドドア4に限らず、自動車の
回動式のドアにおいても、筒状のプロテクタに沿って回
路体(複数本の電線)を配索し、ドアの開閉に伴ってプ
ロテクタがドア内を進退し、ドア内で回路体が略U字な
いしS字状に屈曲しつつ弛みを吸収させる構造等が提案
されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の各ドア用電線構造にあっては、特にばね部材4
4といった電線付勢部材を用いない場合等において、回
路体(複数本の電線)がドアの開閉に伴って折れ曲がっ
たり、小さな屈曲半径で強く屈曲されるために、ドアの
繰り返し開閉動作によって経時的に電線が傷んだり、最
悪の場合は破断したりするという心配があった。
【0015】本発明は、上記した点に鑑み、電線付勢部
材を用いることなく、簡単な構造でコンパクトに且つ低
コストで複数本の電線の屈曲部の破損を防止することの
できるドア用電線構造を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係るドア用電線構造は、ボディ
側からドア側に複数本の電線を配索し、該ドアの開閉に
伴って該複数本の電線が屈曲する構造のドア用電線構造
において、前記複数本の電線を少なくとも屈曲部におい
て曲げ剛性の高まるように相互に密着ないし集合させた
ことを特徴とする。上記構成により、複数本の電線が少
なくとも屈曲部において高い曲げ強さの故に(曲がり難
さの故に)大きな屈曲半径で張りをもった状態で屈曲す
るから、各電線の折れ曲がりが防止されると共に、各電
線の曲げ応力が低減され、それにより各電線の繰り返し
屈曲による破損が防止される。また、従来の電線付勢部
材が不要であるから、構造が簡素化・コンパクト化・軽
量化・低コスト化される。
【0017】請求項2に係るドア用電線構造は、請求項
1記載のドア用電線構造において、前記ボディ側の電線
固定部から前記ドア側の電線可動部を経て該ドア側の電
線固定部に至る範囲において、前記複数本の電線を曲げ
剛性の高まるように相互に密着ないし集合させたことを
特徴とする。上記構成により、複数本の電線がその可動
部の全範囲で密着ないし集合されて曲げ強さが高められ
るから、複数本の電線の屈曲部は勿論のこと、電線可動
部における外部との擦れ等に起因する電線の曲がりや引
っ掛かり等が防止され、電線の破損防止が一層確実化す
る。
【0018】請求項3に係るドア用電線構造は、請求項
1又は2記載のドア用電線構造において、前記複数本の
電線を相互に撚り合わせたことを特徴とする。上記構成
により、接着剤等を用いることなく低コストで簡単に複
数本の電線を相互に密着させることができる。それによ
り、複数本の電線の曲げ強さが高まり、屈曲半径が増
し、各電線の繰り返し屈曲による破損が防止される。ま
た、各電線が螺旋状に屈曲形成されたことで、たとえ小
さな屈曲半径で屈曲した場合でも、曲げ応力が分散され
て(逃がされて)、各電線が傷みにくくなる。
【0019】請求項4に係るドア用電線構造は、請求項
1又は2記載のドア用電線構造において、前記複数本の
電線を柔軟材の内部に埋め込み、該柔軟材を外皮で覆っ
たことを特徴とする。上記構成により、複数本の電線が
集合して曲げ強さが高まり、複数本の電線の屈曲半径が
増して、各電線の繰り返し屈曲による破損が防止され
る。各電線は柔軟材を介して相互に連結されて一体化す
るが、柔軟材によって各電線の屈曲性が確保される。外
皮は柔軟材を断面円形に保持し、曲げ力(曲げ応力)を
均一化させる。
【0020】請求項5に係るドア用電線構造は、請求項
1〜3の何れか1項に記載のドア用電線構造において、
前記複数本の電線を相互に接着ないし溶着したことを特
徴とする。上記構成により、複数本の電線が隙間や位置
ずれなく強固に密着され、複数本の電線の曲げ強さが一
層高められ、電線の折れ曲がりや屈曲半径の低減が確実
に防止され、各電線の破損が確実に防止される。
【0021】請求項6に係るドア用電線構造は、請求項
1,2,3,5の何れか1項に記載のドア用電線構造に
おいて、前記複数本の電線をテープ巻きで相互に密着さ
せたことを特徴とする。上記構成により、通常のワイヤ
ハーネス製造工程においてテープ巻きをするのと同様に
複数本の電線をテープ巻きすることができるから、設備
が不要で、製造コストが低減される。また、電線自体の
曲げ強さに加えてテープ巻きによる曲げ強さ(曲がり難
さ)が加わるから、電線の屈曲半径が増し、繰り返し屈
曲による各電線の破損が防止される。また、テープによ
って電線表面が外部との擦れや水滴等から保護されて絶
縁性が高まる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。本発明に係るドア用電線構
造の第一の実施形態は、例えば従来の技術の図5で示し
たスライドドア用の電線構造において、図1の如く複数
本(本形態では二本)の電線1,2を螺旋状に撚り合わ
せて相互に密着させたことを特徴とするものである。
【0023】例えば図5において電線1,2(図1)の
撚り合わせ部は符号Lで示す長さの範囲、すなわち車両
ボディ3側(ボディ側)の電線固定部5(ステップ6の
垂直な後壁7付近で回路体(ワイヤハーネス)Wを固定
している)から渡り部8における回路体Wの略U字状の
大きな屈曲部10を経てスライドドア4側(ドア側)の
一対のリンクアーム9の後端側における屈曲部11と、
一対のリンクアーム9の中央における略逆V字状の屈曲
部12と、リンクアーム9の前端側における略U字状の
屈曲部13までの範囲で形成される。渡り部8からスラ
イダ14を経て一対のリンクアーム9に沿う範囲で電線
可動部(便宜上符号9,14で示す)が構成され、リン
クアーム9の前端から回路体Wが延長された部分15に
おいて電線固定部(便宜上符号15で示す)が構成され
ている。
【0024】電線1,2(図1)の加工作業が困難でな
ければ、回路体W(図5)の各屈曲部、すなわち渡り部
8における第一の屈曲部10と、スライダ14付近の第
二の屈曲部11、リンクアーム9の回動中心付近の第三
の屈曲部12、リンクアーム前端付近の第四の屈曲部1
3において電線1,2(図1)の撚り合わせ部35を形
成してもよい。
【0025】図1において各電線1,2は外側に合成樹
脂(ビニル)製の絶縁被覆を有し、内側に複数本の導電
金属製の細い素線(図示せず)を有したものである。導
線として太い一本の銅線を用いるものであってもよい。
【0026】各電線1,2は接着剤等を用いずに寄り合
わせて螺旋状に塑性変形させることで相互に隙間なく密
着させることが好ましい。電線1,2の本数は二本に限
らず三本以上であってもよく、その場合は例えばJIS
のストランド線等の撚り合わせ形態を適用することがで
きる。複数本の電線1,2を寄り合わせて回路体W1
構成される。二本の電線1,2を寄り合わせたものを一
組として複数組合わせ、ビニルテープ等で結束して回路
体とすることも可能である。
【0027】複数本の電線1,2を撚り合わせて密着さ
せることで、回路体W1の剛性が増し、回路体W1が小さ
な半径で屈曲せずに大きな半径で屈曲するようになるか
ら、各電線1,2に作用する曲げ応力が小さくなり、繰
り返し屈曲による各電線1,2の傷みや破断が防止され
る。
【0028】複数本の電線1,2すなわち回路体W1
寄り合わせた状態のままで車両ボディ3側からスライド
ドア4側のリンクアーム9に配索してもよく、あるいは
コルゲートチューブや網状の樹脂チューブ(図示せず)
で覆って同様に配索してもよい。これら樹脂チューブを
用いれば屈曲半径が一層大きくなって曲げ応力が緩和さ
れると共に、ドアパネル17やドアトリム等との電線表
面の擦れが防止される。
【0029】図2は、ドア用電線構造の第二の実施形態
を示す断面図である。このドア用電線構造は、例えば図
5のスライドドア用電線構造において、複数本の電線1
8〜20を例えば複数本の木綿製の糸で成る弾性の柔軟
材21の内部に埋め込み、柔軟材21の周囲を合成樹脂
(ビニル)ないしゴム製等の柔軟な外皮22で覆ったこ
とを特徴とするものである。
【0030】柔軟材21は木綿に限らずナイロン等の合
成樹脂製の糸であってもよく、要は複数本の糸を集合を
させて低温時においても回路体W2の柔軟性を損なわな
いようにすればよい。複数本の電線18〜20は柔軟材
21の内部で密着ないし接近した状態に集合している。
柔軟材21と外皮22との間に薄い第二の外皮23を配
設して、柔軟材21を集束させてもよい。本例の回路体
2は複数本の電線18〜20と柔軟材21と外皮22
とで構成されている。柔軟材21として糸に代えてウレ
タン等の柔軟で弾性を有する部材を用いることも可能で
ある。また、外皮22として合成樹脂製の網状のチュー
ブを用いることも可能である。
【0031】各電線18〜20は例えば複数本の細い導
電性の素線と、各素線を覆う合成樹脂(ビニル)製の外
皮とで構成されている。複数本の素線に代えて一本の太
い導線を用いることも可能である。各電線18〜20の
外径は種々の寸法に設定されている。本形態は異なる径
の電線18〜20を用いる場合に好適である。
【0032】図2のように複数本の電線18〜20を柔
軟材21や外皮22で包んで断面円形の一本の太い回路
体W2とすることで、各電線18〜20の屈曲部10〜
13(図5)における屈曲半径が大きくなり、各電線1
8〜20に作用する曲げ応力が低減され、それによって
各電線18〜20の繰り返し屈曲による傷みや破断が防
止される。また、複数本の電線18〜20が外皮22で
覆われているから、コルゲートチューブ等で覆う必要が
なく、製造や配索作業も容易化する。
【0033】複数本の電線18〜20を柔軟材21や柔
軟な外皮22で覆う部分は屈曲部10〜13(図5)の
みでもよいが、外部との擦れ等を防止する観点及び製造
上の作業性の観点からは、図5の全ての範囲Lにおいて
複数本の電線18〜20を柔軟材21や柔軟な外皮22
で覆うことが好ましい。
【0034】図3は、ドア用電線構造の第三の実施形態
を示す断面図である。このドア用電線構造は、例えば図
5のスライドドア用電線構造において、複数本の電線2
4〜26を真直に密着させた状態で接着ないし溶着させ
たことを特徴とするものである。
【0035】電線相互の接着は接着剤27を用いて各電
線24〜26の合成樹脂(ビニル)製の外皮28を相互
に接着させることで行われ、溶着は例えば熱風やビーム
照射等の加熱手段で各電線24〜26の合成樹脂(ビニ
ル)製の外皮28を相互に溶かし付けることで行われ
る。溶着の場合、各電線24〜26の導体部29は外側
に露出せず、外皮28で絶縁されていることが必要であ
る。複数本の電線24〜2を接着ないし溶着することで
回路体W3が構成される。
【0036】図3の例では三本の電線24〜26を断面
略三角形状に配置して回路体W3の曲げ剛性を高めて、
屈曲時の屈曲半径を大きくし、各電線24〜26の傷み
や断線を防止している。複数本の電線を並列にフラット
状に接着ないし溶着することは、電線の屈曲半径が大き
くならず、折れ曲がりやすいので不可である。
【0037】電線24〜26の本数は三本に限らず四本
以上であってもよく、その場合には各電線をフラット状
ではなく断面略矩形状ないし略円形状になるように(近
づくように)配置して屈曲半径を増すことが必要であ
る。複数本の電線を接着ないし溶着によりばらけないよ
うに密着させることが必要である。
【0038】電線24〜26の接着部27ないし溶着部
は図5の符号Lの全範囲に限らず、回路体Wの屈曲部1
0〜13にのみ形成してもよい。また、接着ないし溶着
した複数本の電線24〜26は例えばコルゲートチュー
ブ等の保護チューブ内に収容した状態で車両ボディ3か
らスライドドア4に配索してもよい。
【0039】本実施形態によれば、大きな屈曲半径で電
線24〜26の繰り返し屈曲破損が防止されることは勿
論のこと、複数本の電線24〜26を結束するビニルテ
ープ等の部材が不要で、構造が簡素化する。図1の形態
の如く複数の電線1,2を撚った状態で接着ないし溶着
させることも可能である。
【0040】図4は、ドア用電線構造の第四の実施形態
を示すものである。このドア用電線構造は、例えば図5
のスライドドア用電線構造において、複数本の電線3
0,31をビニル等のテープ32で巻いて密着させたこ
とを特徴とするものである。
【0041】テープ32は裏面に粘着剤を有するものが
好ましい。電線30,31が二本の場合は並列に密着さ
せた状態にテープ巻きし、電線が三本の場合は図3のよ
うに断面略三角形状に配置し、四本ないしそれ以上の場
合は断面略矩形状ないし略円形状に配列して密着させ
る。三本以上の電線をフラット状に並列に配列するのは
大きな屈曲半径が得られないので好ましくない。
【0042】図1の如く複数本の電線1,2を寄り合わ
せた状態でテープ巻きしたり、図3の如く接着ないし溶
着した状態でテープ巻きすることも可能である。複数本
の電線30,31をテープ巻きすることで回路体W4
構成される。回路体W4をコルゲートチューブ等の保護
チューブで覆って外部との干渉や水滴や塵等から保護す
ることも可能である。また、図5の符号Lの全範囲に渡
って電線30,31にテープ巻きを施すのではなく、屈
曲部10〜13においてのみテープ巻きを施すことも可
能である。
【0043】本実施形態によれば、テープ巻きという通
常のワイヤハーネスで行っている処理をスライドドア用
電線30,31の少なくとも屈曲部10〜13に施すこ
とで、簡単に且つ低コストで複数本の電線30,31の
曲げ剛性を高めて、屈曲半径を増し、各電線30,31
の繰り返し屈曲による傷み等を防止することができる。
【0044】なお、図1〜図4の各実施形態とそれらの
組み合わせ形態は、上記図5のスライドドア用電線構造
に限らず、例えば、アームリンク9を用いずに、水平な
レール33とスライダ14のみで回路体(複数本の電
線)Wをスライドドア4の開閉に伴って進退させ、レー
ル33の上方で回路体Wを揺動自在に支持させた構造
や、同じくレール33の上方で回路体Wを円弧状のレー
ル(図示せず)に沿って移動させる構造や、水平なレー
ル33に沿ってスライダ14を進退させつつ回路体Wを
ボックス(図示せず)ないしそれに類するプロテクタ内
で環状ないし円弧状に伸縮させて、回路体Wの弛みを吸
収させる構造や、レール33を用いずにスライドドア4
内のプロテクタ内に回路体Wを湾曲状に収容すると共
に、板ばね等の付勢部材で回路体Wを持ち上げ方向に付
勢した構造や、スライドドア4に限らず、乗用車の回動
式のドアにおいて、筒状のプロテクタに沿って回路体
(複数本の電線)を配索し、ドアの開閉に伴ってプロテ
クタがドア内を進退し、ドア内で回路体が略U字ないし
S字状に屈曲しつつ弛みを吸収させる構造等、種々の形
態のドア用電線構造において適用可能である。要は、ド
アの開閉に伴って複数本の電線が屈曲する全ての構造に
おいて適用可能である。
【0045】
【発明の効果】以上の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、複数本の電線が少なくとも屈曲部において大きな屈
曲半径で屈曲するから、各電線の繰り返し屈曲による破
損が防止される。それにより、ボディからドアへの電源
電流や信号電流の供給が長期に渡って正確に行われ、給
電の信頼性が向上する。また、従来の電線屈曲部に張り
を持たせるための板ばね等の電線付勢部材が不要である
から、電線構造が簡素化・コンパクト化・軽量化・低コ
スト化され、自動車のスライドドアや回動ドアにおける
省スペース化や組付性向上等が図られる。
【0046】請求項2記載の発明によれば、複数本の電
線の可動部の全範囲で曲げ強さが高められるから、電線
可動部における外部との擦れ等に起因する電線の曲がり
や引っ掛かり等が防止され、各電線の破損が一層確実に
防止される。これにより、請求項1記載の発明の効果が
一層高められる。
【0047】請求項3記載の発明によれば、接着剤等を
用いることなく低コストで簡単に複数本の電線を相互に
密着させることができるから、ドア用電線の生産性が向
上する。また、各電線が螺旋状に屈曲形成されたこと
で、たとえ小さな屈曲半径で屈曲した場合でも、曲げ応
力が分散されて、各電線が繰り返し曲げによっても破損
しにくくなるから、ボディからドアへの給電の信頼性が
一層向上する。
【0048】請求項4記載の発明によれば、複数本の電
線が集合して曲げ強さが高まり、複数本の電線の屈曲半
径が増して、各電線の繰り返し屈曲による破損が防止さ
れると共に、柔軟材によって各電線の屈曲性が確保さ
れ、スムーズな屈曲が可能となるから、ドアの開閉を引
っ掛かりなくスムーズに行うことができ、ドアの開閉操
作性が高まる。
【0049】請求項5記載の発明によれば、複数本の電
線が隙間や位置ずれなく強固に密着されるから、複数本
の電線の曲げ強さが一層高められ、電線の折れ曲がりや
屈曲半径の低減が確実に防止され、各電線の破損が確実
に防止される。
【0050】請求項6記載の発明によれば、通常のワイ
ヤハーネス製造工程において複数本の電線をテープ巻き
することで、製造コストが低減されると共に、電線自体
の曲げ強さに加えてテープ巻きによる曲げ強さが加わる
から、電線の屈曲半径が増し、繰り返し屈曲による各電
線の破損が確実に防止され、しかもテープによって電線
表面が外部との擦れや水滴等から保護される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドア用電線構造の第一の実施形態
を示す要部斜視図である。
【図2】ドア用電線構造の第二の実施形態を示す断面図
である。
【図3】ドア用電線構造の第三の実施形態を示す断面図
である。
【図4】ドア用電線構造の第四の実施形態を示す要部斜
視図である。
【図5】従来の自動車のスライドドアにおける電線構造
の一形態を示す斜視図である。
【図6】(a)はスライドドアの全閉状態、(b)は同
じく全開状態をそれぞれ示す平面図(上方視説明図)で
ある。
【図7】従来のドア用電線構造の他の形態を示し、
(a)はドア開状態、(b)はドア閉状態をそれぞれ示
す正面図である。
【符号の説明】
1〜2、18〜20、24〜26、30〜31電線 3 車両ボディ(ボディ) 4 スライドドア(ドア) 5 ボディ側の電線固定部 9,14 ドア側の電線可動部 10〜13 屈曲部 15 ドア側の電線固定部 21 柔軟材 22 外皮 32 テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02G 11/00 H02G 3/28 F H05K 7/00 3/26 K Fターム(参考) 4E352 AA09 AA14 BB15 CC02 CC14 CC17 CC18 CC22 CC31 CC51 CC52 CC56 DR01 DR11 DR27 DR31 EE01 GG02 GG20 GG25 GG27 5G309 AA04 5G363 AA07 BA02 BB01 DA13 DC03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボディ側からドア側に複数本の電線を配
    索し、該ドアの開閉に伴って該複数本の電線が屈曲する
    構造のドア用電線構造において、前記複数本の電線を少
    なくとも屈曲部において曲げ剛性の高まるように相互に
    密着ないし集合させたことを特徴とするドア用電線構
    造。
  2. 【請求項2】 前記ボディ側の電線固定部から前記ドア
    側の電線可動部を経て該ドア側の電線固定部に至る範囲
    において、前記複数本の電線を曲げ剛性の高まるように
    相互に密着ないし集合させたことを特徴とする請求項1
    記載のドア用電線構造。
  3. 【請求項3】 前記複数本の電線を相互に撚り合わせた
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のドア用電線構
    造。
  4. 【請求項4】 前記複数本の電線を柔軟材の内部に埋め
    込み、該柔軟材を外皮で覆ったことを特徴とする請求項
    1又は2記載のドア用電線構造。
  5. 【請求項5】 前記複数本の電線を相互に接着ないし溶
    着したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記
    載のドア用電線構造。
  6. 【請求項6】 前記複数本の電線をテープ巻きで相互に
    密着させたことを特徴とする請求項1,2,3,5の何
    れか1項に記載のドア用電線構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009278785A (ja) * 2008-05-15 2009-11-26 Yazaki Corp ワイヤハーネスの配索構造
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JP2020036450A (ja) * 2018-08-29 2020-03-05 矢崎総業株式会社 外装対付きワイヤーハーネス及びその配索構造

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