JP2003219584A - 交流発電機 - Google Patents

交流発電機

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JP2003219584A JP2002009931A JP2002009931A JP2003219584A JP 2003219584 A JP2003219584 A JP 2003219584A JP 2002009931 A JP2002009931 A JP 2002009931A JP 2002009931 A JP2002009931 A JP 2002009931A JP 2003219584 A JP2003219584 A JP 2003219584A
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    • H02K1/00Details of the magnetic circuit
    • H02K1/06Details of the magnetic circuit characterised by the shape, form or construction
    • H02K1/22Rotating parts of the magnetic circuit
    • H02K1/24Rotor cores with salient poles ; Variable reluctance rotors
    • H02K1/243Rotor cores with salient poles ; Variable reluctance rotors of the claw-pole type

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  • Power Engineering (AREA)
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  • Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流出力の低下を抑えつつ、対向する磁極片
間における磁束変動を少なくして磁気音の発生を低減し
た交流発電機を提供する。 【解決手段】 巻線を収納する複数のスロット7を有す
る固定子2と、この固定子2に対向して配置され、複数
交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片11、12を有
する回転子3とを備えた交流発電機1において、複数交
互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片11、12の各々
には、先端部に固定子2の内周面と対向する距離が徐増
する先端面取り部20、21が設けられ、その先端面取
り部20、21は、中心線Cを挟んで回転方向前方側が
相対的に小さく且つ回転方向後方側が相対的に大きく形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば複数の爪状
磁極片で励磁巻線を保持する回転子を具備した交流発電
機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、騒音となる磁気音の発生が、
負荷時の磁束波形の歪による第3次高調波に大きく影響
されていることに着眼し、負荷時の磁束波形を正弦波に
近くなるように、磁束歪を持たせるために爪状磁極片の
形状を予め中心線に対して非対称となるように不等辺台
形状に冷鍛成形してなる回転子を備えた交流発電機(特
公昭61−11066号公報)が知られている。
【0003】また、交流発電機における回転子の各々の
爪状磁極片に対し、回転方向後縁側に回転方向前縁側に
比べて相対的に大きな面取りを施すことにより磁気音を
低減するようにした交流発電機が提案されている(特許
第3223536号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
61−11066号公報に記載された前記従来の交流発
電機においては、爪状磁極片の形状が中心線に対して非
対称であるため、冷鍛成形する際に回転方向の前縁側と
後縁側とで成形圧のアンバランスが大きく、爪状磁極片
の形状が不揃いとなってしまい、爪状磁極片の形状精度
が確保できないという問題点がある。
【0005】一方、特許第3223536号公報に記載
された前記従来の交流発電機では、対向する磁極片間に
おける磁束変動が大きいことが磁気音発生の一因となっ
ているという問題点がある。すなわち、前記従来の交流
発電機では、一方の磁極片における面取りの小さい回転
方向前縁側と、他方の磁極片における面取りの大きい後
縁側とが対向する状態で交互に噛み合う構造となってい
るために、磁束変動が大きく、これにより磁気音が発生
するという問題がある。さらに、爪状磁極片の回転方向
後縁側全体に大きく面取りが施されることにより、交流
発電機の電流出力が低下するという問題点もある。
【0006】本発明は、電流出力の低下を抑えつつ、対
向する磁極片間における磁束変動を少なくして磁気音の
発生を低減した交流発電機を提供することを解決すべき
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載の交流発電機は、巻線を収納する複
数のスロットを有する固定子と、この固定子に対向して
配置され、複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片
を有する回転子とを備えた交流発電機において、前記複
数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片の各々には、
先端部に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する
先端面取り部が設けられ、その先端面取り部は、中心線
を挟んで回転方向前方側が相対的に小さく且つ回転方向
後方側が相対的に大きく形成されたことを特徴とする。
【0008】従って、複数交互に噛み合う等辺台形状の
爪状磁極片の各々には、先端部に前記固定子の内周面と
対向する距離が徐増する先端面取り部が設けられ、その
先端面取り部は、中心線を挟んで回転方向前方側が相対
的に小さく且つ回転方向後方側が相対的に大きく形成さ
れているので、爪状磁極片の先端部付近の回転方向前方
側の面取りの小さい部分で磁束が急増し、後方側の面取
りの大きい部分で磁束が徐減することとなり、磁気音発
生の一因となる第三高調波の逆位相の磁束変化が生じ、
結果として爪形磁極片を不等辺台形状とした従来の交流
発電機と同様の磁束分布を得ることができ、磁気音が低
減される。
【0009】また、爪状磁極片全体において固定子との
ギャップが大きい部分(面取り形成部分)の占める比率
が小さいので、電流出力の低下が抑制される。
【0010】また、請求項2に記載の交流発電機は、巻
線を収納する複数のスロットを有する固定子と、この固
定子に対向して配置され、複数交互に噛み合う等辺台形
状の爪状磁極片を有する回転子とを備えた交流発電機に
おいて、前記複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極
片の各々には、先端部の前記固定子に対向する面の回転
方向後方側に凹部を形成したことを特徴とする。
【0011】従って、複数交互に噛み合う等辺台形状の
爪状磁極片の各々には、先端部の固定子に対向する面の
回転方向後方側に凹部を形成したので、爪状磁極片の先
端部における凹部が形成されていない回転方向前方側で
磁束が急増し、凹部が形成された後方側で磁束が徐減す
ることとなり、磁気音発生の一因となる第三高調波の逆
位相の磁束変化が生じ、結果として爪形磁極片を不等辺
台形状とした従来の交流発電機と同様の磁束分布を得る
ことができ、磁気音が低減される。
【0012】また、爪状磁極片全体において固定子との
ギャップが大きい部分(凹部)の占める比率が小さいの
で、電流出力の低下が抑制される。
【0013】また、請求項3に記載の交流発電機は、巻
線を収納する複数のスロットを有する固定子と、この固
定子に対向して配置され、複数交互に噛み合う等辺台形
状の爪状磁極片を有する回転子とを備えた交流発電機に
おいて、前記複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極
片の各々には、先端部の前記固定子に対向する面の回転
方向後方側に貫通孔を形成したことを特徴とする。
【0014】従って、複数交互に噛み合う等辺台形状の
爪状磁極片の各々には、先端の固定子に対向する面の回
転方向後方側に貫通孔を形成したので、爪状磁極片の先
端部における貫通孔が形成されていない回転方向前方側
で磁束が急増し、貫通孔が形成された後方側で磁束が徐
減することとなり、磁気音発生の一因となる第三高調波
の逆位相の磁束変化が生じ、結果として爪形磁極片を不
等辺台形状とした従来の交流発電機と同様の磁束分布を
得ることができ、磁気音が低減される。
【0015】また、爪状磁極片全体において固定子との
ギャップが大きい部分(貫通孔)の占める比率が小さい
ので、電流出力の低下が抑制される。
【0016】また、請求項4に記載の交流発電機は、請
求項1乃至3のいずれかに記載の交流発電機において、
前記爪状磁極片の各々には、回転方向前縁側に前記固定
子の内周面と対向する距離が徐増する前縁側面取り部
と、回転方向後縁側に前記固定子の内周面と対向する距
離が徐増する後縁側面取り部とが更に設けられ、前記前
縁側面取り部と前記後縁側面取り部とは面取り形状が略
同一であることを特徴とする。
【0017】従って、爪状磁極片の各々には、回転方向
前縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する
前縁側面取り部と、回転方向後縁側に前記固定子の内周
面と対向する距離が徐増する後縁側面取り部とが更に設
けられ、前記前縁側面取り部と前記後縁側面取り部とは
面取り形状が略同一であるので、対向する磁極片間にお
ける磁束の変化が少なく、より一層、磁気音の発生が抑
制される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した交流発
電機の各実施形態について説明する。
【0019】まず、本発明の第1の実施形態について、
図1乃至図6を参照しつつ説明する。尚、図1および図
2は第1の実施形態における回転子の爪状磁極片を示し
た図、図3および図4は固定子と回転子とを示した図、
図5は交流発電機の回転数と磁気音の騒音レベルとの関
係を示したグラフ、図6は変形例における回転子の爪状
磁極片を示した図である。
【0020】交流発電機1は、自動車に搭載され、電機
子を構成する固定子2、および界磁を構成する回転子3
を備える。固定子2は、多数のけい素鋼板を積層した円
環状の電機子鉄心4、およびこの電機子鉄心4を保持す
るヨーク(図示せず)等から構成されている。電機子鉄
心4は、全内周に亘って複数の突条(歯)5が形成さ
れ、これらの突条5間には、三相電機子巻線6が収納さ
れる複数のスロット7が形成されている。なお、複数の
スロット7は、所定のスロットピッチで形成されてい
る。
【0021】回転子3は、エンジンに回転駆動される回
転軸8、およびこの回転軸8の外周に固着されたランデ
ル型ポールコア10等から構成される。ポールコア10
は、冷鍛成形により製造され、一方の爪状磁極片11と
他方の爪状磁極片12とが複数交互に噛み合うように配
列され、中央部に励磁巻線13を巻回するための円筒部
14、15が形成されている。ポールコア10は、励磁
巻線13に電流を流すと、励磁巻線13の起磁力により
一方の爪状磁極片11が全てS極となり、他方の爪状磁
極片12が全てN極となる。
【0022】一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁
極片12は、まず回転方向の前縁側と後縁側とのスロッ
ト7の中心線に対するスキュー角度θF0、θR0が共に等
しくなるように(図1参照)、冷鍛成形により等辺台形
状に形成される。なお、本実施形態では、このスキュー
角度をθF0=θR0= tan-1(τs /L)と規定してい
る。但し、τs :スロットピッチ、L:電機子鉄心の積
層厚さである。そして、冷鍛成形後には、一方の爪状磁
極片11および他方の爪状磁極片12の回転方向の前縁
側となる固定子2との対向面に固定子2との距離が徐増
する第1面取り部16、17が、回転方向の後縁側とな
る固定子2との対向面に固定子2との距離が徐増する第
2面取り部18、19が、磁極片先端部に固定子2との
距離が徐増する第3の面取り部20、21がそれぞれ形
成される。
【0023】第1面取り部16、17は、切削加工また
はサイジング(しごき成形)加工によって施され、スロ
ット7の中心線に対して第1スキュー角度θF (=スキ
ュー角度θF0)を持つように形成されている(図1参
照)。第2面取り部18、19は、切削加工またはサイ
ジング(しごき成形)加工によって施され、スロット7
の中心線に対して第2スキュー角度θR (=スキュー角
度θR0)を持つように形成されている(図1参照)。第
3面取り部20、21は、切削加工またはサイジング
(しごき成形)加工によって施され、第1面取り部1
6、17によって形成される辺線と第3面取り部20、
21によって形成される辺線との交点と先端縁との距離
をt2、第2面取り部18、19によって形成される辺
線と第3面取り部20、21によって形成される辺線と
の交点と先端縁との距離をt1としたとき、t1>t2
となるように形成されている。従って、第3面取り部2
0、21の面積は、一方の爪状磁極片11および他方の
爪状磁極片12の各々の中心線Cを挟んで、回転方向前
方側が相対的に小さく、且つ回転方向後方側が相対的に
大きく設定されている。尚、本実施形態における第3面
取り部の中心線Cを挟んで回転方向前方側の面積と後方
側の面積との比率は約1:2に設定されているが、この
比率は諸条件により適宜変更して設定される。
【0024】次に、この交流発電機1の作動を図3ない
し図4に基づき説明する。励磁巻線13に電流が流され
ると、励磁巻線13の起磁力により一方の爪状磁極片1
1が全てS極となり、他方の爪状磁極片12が全てN極
となる。
【0025】そして、回転子3が所定の回転方向に回転
駆動されて交流発電機1が発電した場合、一方の爪状磁
極片11および他方の爪状磁極片12にそれぞれ形成さ
れた第3面取り部20、21により、一方の爪状磁極片
11および他方の爪状磁極片12の各先端部付近の回転
方向前方側の面取りの小さい部分で磁束が急増し、後方
側の面取りの大きい部分で磁束が徐減することとなり、
磁気音発生の一因となる第三高調波の逆位相の磁束変化
が生じ、結果として爪形磁極片を不等辺台形状とした従
来の交流発電機と同様の磁束分布を得ることができ、磁
気音が低減される。
【0026】また、爪状磁極片の回転方向後縁側に大き
く面取りを施した従来の交流発電機と比較して、各爪状
磁極片11、12全体における固定子2とのギャップの
大きい部分(面取り部分)の占める比率が小さいので、
電流出力の低下が抑制される。
【0027】さらに、一方の爪状磁極片11における回
転方向後縁側の第2面取り部18と、他方の爪状磁極片
12における回転方向前縁側の第1面取り部17とが対
向するように配置されるが、これら第1と第2の面取り
部は面取り形状が同一であるため、対向する磁極片間に
おける磁束の変化が少なく、磁気音の発生が抑制され
る。尚、一方の爪状磁極片11における第3面取り部2
0も、他方の爪状磁極片12における回転方向前縁側の
第1面取り部17に対向しており、両者は面取り形状が
異なっているが、第3面取り部20は一方の爪状磁極片
11の先端部付近のみに形成され、他方の爪状磁極片1
2との対向部分が小さいので、磁束変動を大きくする要
因とはならない。
【0028】また、第1面取り部16、17、第2面取
り部18、19、および第3面取り部20、21は、冷
鍛成形された等辺台形状のポールコア10の一方の爪状
磁極片11および他方の爪状磁極片12に、比較的簡単
な切削加工またはサイジング(しごき成形)加工を施す
ことによって形成できるので、冷鍛成形する際に一方の
爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12の回転方向
の前縁側と後縁側とで成形圧のアンバランスが生ずるこ
とはなく、一方の爪状磁極片11および他方の爪状磁極
片12の形状精度を実装可能な範囲内に容易に確保する
ことができる。
【0029】この実施形態の磁気音の低減効果を図4の
グラフを用いて説明する。このグラフは、上述した第
1、第2、第3の面取り部を一切設けていない従来の等
辺台形状の爪状磁極片を有する回転子Aを採用した交流
発電機と、図1に示される本実施形態の回転子Bを採用
した交流発電機とを、回転数を変化させながら騒音レベ
ルを測定した結果を表している。グラフより、従来の回
転子Aを採用したものと比較して、本実施形態の爪状磁
極片を持つ回転子Bでは、磁気音の騒音レベルが低下し
ていることがわかる。
【0030】本実施形態では、θF 、θR 、t1、t2
の具体的な数値については、磁気音を低減したい交流発
電機の回転数域のねらいどころ、また交流発電機の電機
子のインピーダンスによって適宜最適値が異なるととも
に、励磁力の強さ、ギャップの寸法設計、磁極基本形状
の設計によって多少ずれた最適値となることは言うまで
もない。
【0031】また、前記実施形態では、一方の爪状磁極
片11および他方の爪状磁極片12に、第1面取り部1
6、17、第2面取り部18、19を設けたが、これら
の面取り部を省略して、第3面取り部20、21のみを
設ける構成でも構わない。
【0032】さらに、第1面取り部16、17、第2面
取り部18、19、及び第3面取り部20、21が互い
に辺線によって区切られず連続して形成されていてもよ
い。例えば、図6の変形例に示すように、先端部におい
て回転方向前方側に偏った1本の双曲線状の辺線を形成
する曲線状面取り部22、23を一方の爪状磁極片11
および他方の爪状磁極片12に設ける構成としてもよ
い。要するに、各爪状磁極片111、12の先端部に形
成された面取り部が、中心線Cを挟んで回転方向前方側
が相対的に小さく且つ回転方向後方側が相対的に大きく
設定されていればよいのである。
【0033】次に、本発明の第2の実施形態について、
図7を参照しつつ説明する。尚、第1の実施形態と同様
の部材については共通の符号を付し、説明を省略する。
【0034】第2の実施形態では、上述した第1の実施
形態における第3面取り部20、21に代えて、一方の
爪状磁極片11および他方の爪状磁極片12の先端部の
固定子2に対向する面において、中心線Cより回転方向
後方側に断面略円弧状の凹部24、25がそれぞれ形成
されている。
【0035】そして、回転子3が所定の回転方向に回転
駆動されて交流発電機1が発電した場合、一方の爪状磁
極片11および他方の爪状磁極片12にそれぞれ形成さ
れた凹部24、25により、一方の爪状磁極片11およ
び他方の爪状磁極片12の各先端部付近における凹部2
4、25が形成されていない回転方向前方側で磁束が急
増し、凹部24、25が形成された後方側で磁束が徐減
することとなり、磁気音発生の一因となる第三高調波の
逆位相の磁束変化が生じ、結果として爪形磁極片を不等
辺台形状とした従来の交流発電機と同様の磁束分布を得
ることができ、磁気音が低減される。
【0036】また、爪状磁極片の回転方向後縁側に大き
く面取りを施した従来の交流発電機と比較して、各爪状
磁極片11、12全体における固定子2とのギャップの
大きい部分(凹部24、25)の占める比率が小さいの
で、電流出力の低下が抑制される。
【0037】さらに、上述した第1の実施形態と同様
に、一方の爪状磁極片11における回転方向後縁側の第
2面取り部18と、他方の爪状磁極片12における回転
方向前縁側の第1面取り部17とが対向するように配置
されるが、これら第1と第2の面取り部は面取り形状が
同一であるため、対向する磁極片間における磁束の変化
が少なく、より一層、磁気音の発生が抑制される。
【0038】尚、凹部24、25は、ポールコア10の
冷鍛成形時に凸状部材が当接することにより形成される
が、冷鍛成型後に切削加工等により形成しても構わな
い。また、凹部24、25の断面形状は、略円弧U字状
に限られず、U字状、矩形状、V字状等であってもよ
い。また、凹部は一つの爪状磁極片について1箇所に限
られず、それぞれ2箇所以上に形成してもよい。
【0039】次に、本発明の第3の実施形態について、
図8を参照しつつ説明する。尚、第1の実施形態と同様
の部材については共通の符号を付し、説明を省略する。
【0040】第3の実施形態では、第2の実施形態にお
ける凹部24、25に代えて、一方の爪状磁極片11お
よび他方の爪状磁極片12の先端部の固定子2に対向す
る面において、中心線Cより回転方向後方側に上面と下
面との間を貫通する貫通孔26、27がそれぞれ形成さ
れている。尚、貫通孔26、27は、ポールコア10の
冷鍛成型後に、切削加工等により形成される。
【0041】そして、回転子3が所定の回転方向に回転
駆動されて交流発電機1が発電した場合、一方の爪状磁
極片11および他方の爪状磁極片12にそれぞれ形成さ
れた貫通孔26、27により、一方の爪状磁極片11お
よび他方の爪状磁極片12の各先端部付近における貫通
孔26、27が形成されていない回転方向前方側で磁束
が急増し、貫通孔26、27が形成された後方側で磁束
が徐減することとなり、磁気音発生の一因となる第三高
調波の逆位相の磁束変化が生じ、結果として爪形磁極片
を不等辺台形状とした従来の交流発電機と同様の磁束分
布を得ることができ、磁気音が低減される。
【0042】また、爪状磁極片の回転方向後縁側に大き
く面取りを施した従来の交流発電機と比較して、爪状磁
極片全体における固定子とのギャップの大きい部分(貫
通孔26、27)の占める比率が小さいので、電流出力
の低下が抑制される。
【0043】さらに、上述した第1と第2の実施形態と
同様に、一方の爪状磁極片11における回転方向後縁側
の第2面取り部18と、他方の爪状磁極片12における
回転方向前縁側の第1面取り部17とが対向するように
配置されるが、これら第1と第2の面取り部は面取り形
状が同一であるため、対向する磁極片間における磁束の
変化が少なく、より一層、磁気音の発生が抑制される。
【0044】尚、貫通孔は、一つの爪状磁極片について
1箇所に限られず、それぞれ2箇所以上に形成してもよ
い。
【0045】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々
の変更を施すことが可能である。
【0046】例えば、前記各実施形態では、本発明を自
動車用の交流発電機に適用したが、本発明を他の車両用
の交流発電機や定置式の交流発電機に適用しても良い。
さらに、前記各実施形態では、固定子が電機子を構成
し、回転子が界磁を構成するようにしたが、固定子が界
磁を構成し、回転子が電機子を構成するようにしても良
い。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように本発明の請求項1乃至
3のいずれかに記載の交流発電機によれば、磁気音発生
の一因となる第三高調波の逆位相の磁束変化が生じ、結
果として爪形磁極片を不等辺台形状とした従来の交流発
電機と同様の磁束分布を得ることができ、磁気音が低減
されるという効果を奏する。また、爪状磁極片全体にお
いて固定子とのギャップが大きい部分の占める比率が小
さいので、電流出力の低下が抑制されるという効果を奏
する。
【0048】また、請求項4に記載の交流発電機によれ
ば、上述した効果に加えて、前縁側面取り部と後縁側面
取り部とは面取り形状が略同一であるので、対向する磁
極片間における磁束の変化が少なく、より一層、磁気音
の発生が抑制されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の交流発電機におけ
る回転子の爪状磁極片を示した平面図である。
【図2】 回転子の爪状磁極片を示した側面図である。
【図3】 固定子および回転子を示した側面図である。
【図4】 固定子および回転子を示した断面図である。
【図5】 交流発電機の回転数と磁気音の騒音レベルと
の関係を示したグラフである。
【図6】 第1の実施形態の変形例における爪状磁極片
を示した平面図である。
【図7】 第2の実施形態における爪状磁極片を示した
平面図である。
【図8】 第3の実施形態における爪状磁極片を示した
平面図である。
【符号の説明】
1…交流発電機、2…固定子、3…回転子、6…三相電
機子巻線、7…スロット、11…一方の爪状磁極片、1
2…他方の爪状磁極片、16…第1面取り部(前縁側面
取り部)、17…第1面取り部(前縁側面取り部)、1
8…第2面取り部(後縁側面取り部)、19…第2面取
り部(後縁側面取り部)、20…第3面取り部(先端面
取り部)、21…第3面取り部(先端面取り部)、22
…曲線状面取り部(先端面取り部)、23…曲線状面取
り部(先端面取り部)、24…凹部、25…凹部、26
…貫通孔、27…貫通孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 雅雄 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 5H002 AB08 AE02 AE07 5H619 AA10 BB02 BB06 BB17 PP02 PP05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻線を収納する複数のスロットを有する
    固定子と、この固定子に対向して配置され、複数交互に
    噛み合う等辺台形状の爪状磁極片を有する回転子とを備
    えた交流発電機において、 前記複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片の各々
    には、先端部に前記固定子の内周面と対向する距離が徐
    増する先端面取り部が設けられ、その先端面取り部は、
    中心線を挟んで回転方向前方側が相対的に小さく且つ回
    転方向後方側が相対的に大きく形成されたことを特徴と
    する交流発電機。
  2. 【請求項2】 巻線を収納する複数のスロットを有する
    固定子と、この固定子に対向して配置され、複数交互に
    噛み合う等辺台形状の爪状磁極片を有する回転子とを備
    えた交流発電機において、 前記複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片の各々
    には、先端部の前記固定子に対向する面の回転方向後方
    側に凹部を形成したことを特徴とする交流発電機。
  3. 【請求項3】 巻線を収納する複数のスロットを有する
    固定子と、この固定子に対向して配置され、複数交互に
    噛み合う等辺台形状の爪状磁極片を有する回転子とを備
    えた交流発電機において、 前記複数交互に噛み合う等辺台形状の爪状磁極片の各々
    には、先端部の前記固定子に対向する面の回転方向後方
    側に貫通孔を形成したことを特徴とする交流発電機。
  4. 【請求項4】 前記爪状磁極片の各々には、回転方向前
    縁側に前記固定子の内周面と対向する距離が徐増する前
    縁側面取り部と、回転方向後縁側に前記固定子の内周面
    と対向する距離が徐増する後縁側面取り部とが更に設け
    られ、前記前縁側面取り部と前記後縁側面取り部とは面
    取り形状が略同一であることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれかに記載の交流発電機。
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