JP2003218819A - ディジタル無線通信システム - Google Patents

ディジタル無線通信システム

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JP2003218819A
JP2003218819A JP2002016201A JP2002016201A JP2003218819A JP 2003218819 A JP2003218819 A JP 2003218819A JP 2002016201 A JP2002016201 A JP 2002016201A JP 2002016201 A JP2002016201 A JP 2002016201A JP 2003218819 A JP2003218819 A JP 2003218819A
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JP2002016201A
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Kazuhiko Miyata
和彦 宮田
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Sharp Corp
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】単一またはより少数の変調処理回路および復調
処理回路で周波数多重通信を行うことができて小型低コ
スト化を実現する。 【解決手段】直列混合部11で並列多重を直列化し、巡
回的に処理されるように順列された多重化データ符号列
は、ベースバンド符号化部12で予め決められたベース
バンドで符号化処理が行われた後に、広帯域内のチャン
ネルのキャリア周波数の差分を周波数変位符号と見なし
て離散符号としてシフト変調符号記憶部13に記憶され
たシフト変調符号を参照しながらシフト変調符号重畳部
15で多重化変調を行う。その後、ブロードバンド変調
部16で基準とするキャリア周波数を用いて一括変換を
行い、帯域整形フィルタ17で不要輻射を除去した上で
データ信号を送出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数回線が設定で
きる広帯域内の無線通信において、1台の無線通信端末
が行う周波数多重通信のチャネル変更動作、多重化通信
動作および多数の通信相手との回線接続を高速かつ小規
模な高周波送受信装置で行うディジタル無線通信システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、同一帯域内に複数の無線接続を可
能とする無線通信方式の一つとして利用されている周波
数分割多重通信(FDM:Frequency Division Multipl
ex)は、通信に従じる無線通信機器に高周波送信装置が
備えられている。この高周波送信装置が、周波数軸上で
固定定義されたそれぞれの狭帯域チャネル内で割り当て
られた搬送波(キャリア)周波数を選択的に生成する発
振器を備えることで、目的とする狭帯域チャネル内で信
号の送出を行い、チャネル方向、つまり周波数方向に同
時に通信を成立させることによって多重化を行ってい
る。
【0003】目的とするキャリア周波数は直接的に生成
されるだけではなく、キャリア周波数の生成が容易な低
周波帯域にて生成しておき、逓倍器や周波数混合器など
によって無線周波数に持ち上げるような間接的な生成方
法が存在するのは良く知られている。この狭帯域チャネ
ルを変更しながら通信する場合には、このキャリア周波
数の発振状態を逐次変更しながら信号を生成することに
なる。
【0004】一つの無線通信機器が同じ広帯域内の狭帯
域チャネルを複数利用して多数の相手と同時に通信を行
う場合や、単一または複数の相手と複数チャネルを束ね
た多重接続(マルチリンク)を行う場合には、同時に利
用するチャネル数に相当する高周波送信装置を複数備
え、それぞれがそれぞれのチャネルの送信を分担担当す
ることで多重化が実現される。
【0005】例えば特開平5−268288号公報に
は、多数のチャネル多重通信を、直交する偏波を生成す
る二つの送受信器同士で行う通信に応用される多重無線
変復調装置が挙げられている。
【0006】一方、受信処理に関しては、通信に従じる
無線通信機器が備える高周波受信装置を、分割されたそ
れぞれの狭帯域チャネルを選択的に受信できる状態に同
調させることによって、他の狭帯域チャネルに放出され
ている信号を分離し、目標とする通信相手の信号のみを
得るようにしている。
【0007】この受信処理の場合も、多重接続を実現す
る際には、目的とする帯域を受信する高周波受信装置を
必要な個数だけ複数個備えることによって実現すること
が可能である。
【0008】放送の分野では、フェージングやマルチパ
スなどによる波形歪みおよび遅延を保証する目的におい
て、伝送信号を低速な部分信号に分割し、これを並列に
束ねることによってシンボル長を長くとり符号間干渉を
避ける通信方式がある。
【0009】この方式では、低速の通信路を多数確保す
るために、予め帯域間でのキャリアの直交性が保証され
るように、キャリアの中心周波数を隣接バンドが零点に
位置するように細かく櫛状に並べて送受信を行う周波数
分割多重通信が行われている。この方式は、直交周波数
分割多重通信(OFDM:Orthogonal Frequency Divis
ion Multiplexing)として知られている。この方式で
は、同時に利用される複数キャリアが一定周波数間隔で
常に固定されて伝送されているため、各帯域(チャネ
ル)に振り当てられるベースバンド符号をチャネル単位
で変調をかけた後に、これを複素スペクトルで表現し、
得られたスペクトル値を周波数軸上に配列した後に、逆
FFT(Fast Fourier Transform)によって一気に無線
信号を生成している。この手法は発信器によって基準信
号を発振しこれを変調するというものではなく、ディジ
タル信号で直接波形を形作るという全く異なった波形形
成の概念が導入されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】MCA通信または周波
数拡散通信方式の一つに分類されている周波数ホッピン
グ方式の通信では、これらのFDM系の無線通信機の同
調周波数を頻繁に変更する必要がある。
【0011】図7は、MCA(Multi Channel Access;
マルチチャネルアクセス)やFHなどによる通信中に周
波数シフトを伴う無線通信の電波伝送状態を模式的に示
した通信概念図である。
【0012】図7に示すように、無線通信は、伝送デー
タ列101に表されるような不定長のデータ列単位に発
生する。上位層のアプリケーションからの伝送要求によ
り、このデータ列は周波数移動の時間制限枠となるスロ
ット102に合わせて伝送できるブロック長に区切られ
る。この区切られたブロックは使用される無線規格に応
じた方式でスケジューリングされた順に狭帯域チャネル
103に分配されて送信される。つまり、図7の中央部
に図示されているように、周波数方向にスライドしつ
つ、一連の無線パケットが連なって送られる状態にな
る。
【0013】一方、受信側では、送信側と同期してチャ
ネルを切り替えてパケットを順列、組み立てて原データ
列を復元する。なお、図7において、104は受信デー
タ列を示し、105は各データブロックを示している。
【0014】このチャネルの切り替えは、有線結合され
ていない2台以上の端末間において空間的な電磁効果を
用いてデータ列を搬送するためにキャリアと呼ばれる連
続値をとる自然波形に載せて空中に放出される。
【0015】キャリア周波数を発振する局部発振器に
は、LC同調回路からPLL(PhaseLocked Loop)回路
まで様々な方式があるが、どの方式でも目的の周波数の
発振に何らかの調節による遅延が発生する。特に、現在
では、高速通信においては、PLL回路による基準周波
数の発振が一般的に用いられているが、PLL回路方式
では、特に、目的とする位相に同調するまでの遅延時間
を必要としている。
【0016】MCA、FHなどの方式で、多重接続を実
現する場合には、この同調遅延に加えて様々な問題が挙
げられる。
【0017】図8は、多重通信中に周波数上で多重化す
る電波伝送状態を模式的に示した多重接続の概念図であ
る。
【0018】まず、図8に示すように、上位層から同一
または異なる目的で二つの被多重伝送データ列201,
202が与えられた場合、必要ならば時間的調整や空デ
ータを埋めるなどして送信開始、終了時刻が時間方向に
量子化されている。
【0019】同一のスロット203に与えられた複数の
ブロックは同時に複数のチャネルを占有して送出される
ことで、上位層に対してブロック長を越える遅延なしに
効率の良い無線伝送の供給が可能となる。
【0020】図8では、送信先、つまり受信器204,
205(受信器1,2)の異なる2台になっているが、
同一受信器に対してマルチリンクを行うと、仮想的に伝
送速度をk倍(kは同時占有するチャネル)に増速する
効果に期待が持てるはずである。
【0021】しかし、元来これらの無線装置には一つ一
つのチャネルで十分な通信速度を実現できることが期待
されているわけであり、この場合、チャネルの帯域幅は
ある程度幅を必要とし、変調指数は高いものとなってく
る。
【0022】通信速度を確保するために多相PSK(Ph
ase Shift Keying;デジタル位相変調)などを導入すれ
ば、側波帯の電力も大きくなり、チャネル毎に帯域制限
フィルタを設けた大規模なものとなってくる。高周波回
路の規模は実装面積または実装コストから制約を強く受
け、モバイルで利用される小型安価を求められる携帯機
器への搭載を困難にし、また同時に、搭載される高周波
回路の台数が増やせないため、多重化による高速通信や
同時通信への障害となっている。
【0023】また、「Bluetooth」(スウェー
デンのエリクソン社の登録商標)に採用されているFH
(Frequency Hopping;周波数ホッピング)通信では、
ベースバンドの変調実装を抑えるために、簡易な変調回
路で構成できるFSK方式を採用する。このため、小規
模を目指した無線装置を多重化する際には大きな障害と
なっている。
【0024】FH方式では、多数の狭帯域チャネルを用
いて確率的に衝突を低減する必要があるため、帯域内の
チャネル数は十分多くとられているが、音声リンクと映
像リンクを1台で同時に提供するような利用価値を実現
する場合などにおいても、先に述べたような通信の多重
化の技術開発を目指すことは困難になっている。
【0025】実装面積において重大な課題を与えるの
は、隣接する高周波送信回路の送信波または高周波受信
回路の局部発信器の妨害にもある。干渉によるフェージ
ングや通信相手だけでなく、送信機内での直接の回り込
みをどう回避するかなど、複数の高周波回路を実装する
にはこれらの困難な問題の解決が必要となる。
【0026】さらに、複数の小電力無線通信機を搭載す
ると、送信出力を得るための増幅回路などの電力損失が
累積する点も問題の一つとなっている。
【0027】本発明は、上記事情に鑑みて為されたもの
で、単一またはより少数の変調処理回路および復調処理
回路で周波数多重通信を行うことができて小型低コスト
化を実現できるディジタル無線通信システムを提供する
ことを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明のディジタル無線
通信システムは、無線通信中に周波数軸上で使用される
狭帯域チャネルが時間同期して移動、変更される無線通
信方式において、チャネルが取りうる部分帯域または全
帯域を単一チャネルと見倣して、一つの広帯域チャネル
の固定帯域無線通信として変調処理および復調処理を行
う変調処理手段および復調処理手段を有するものであ
り、そのことにより上記目的が達成される。
【0029】また、好ましくは、本発明のディジタル無
線通信システムにおける変調処理手段および復調処理手
段は、同一帯域内に単一または複数の通信相手と同時に
複数のチャネルを利用した多重接続を行う場合にも、任
意のチャネルの組み合わせからなる複数の搬送波群を、
一つの周波数変位を表現する伝送符号として、1本の固
定された広帯域チャネルを利用する無線通信として変調
処理および復調処理を行う。
【0030】さらに、好ましくは、本発明のディジタル
無線通信システムにおける変調処理手段は、周波数の移
動、変更に同期したブロックで区切られて入力されるデ
ィジタル信号を変調可能な形式の伝送符号に変換するベ
ースバンド符号化部と、周波数変調と見倣されるチャネ
ルシフトをそのシフトステップに応じて離散的な値をと
る変位符号群で表現しこれをシフト変調符号として予め
記録しておくシフト変調符号記憶部と、チャネルの遷移
に併せてシフト変調符号記憶部から目的のシフト変調符
号を選択するチャネルシフトスケジューラ部と、このチ
ャネルシフトスケジューラ部で選択されたシフト変調符
号とベースバンド符号を重畳し、時系列に目的の周波数
変移の処理が行われたブロードバンド変調信号を得るシ
フト変調符号重畳部と、このシフト変調符号重畳部で得
られたブロードバンド変調信号から広帯域キャリアの変
調を行うブロードバンド変調部と、量子化歪みなどによ
る不要輻射を除去する送信波形整形フィルタ部とを備
え、単一の高周波回路のみで任意の複数チャネルによる
多重送信を行う。
【0031】さらに、好ましくは、本発明のディジタル
無線通信システムにおけるシフト変調符号記憶部および
シフト変調符号重畳部は、シフト変調符号としてブロー
ドバンドのキャリア周波数からの周波数変位量をそのま
ま時間波形で表現し、これをシフト変調符号として用い
る。
【0032】さらに、好ましくは、本発明のディジタル
無線通信システムにおけるシフト変調符号記憶部は、シ
フト変調符号としてブロードバンドのキャリア周波数か
らの周波数変位量を周波数領域で表現しこれをシフト変
調符号として用い、シフト変調符号重畳部は、ベースバ
ンド符号を一旦スペクトル情報に変換した上でシフト変
調符号との重畳を行い、ブロードバンド変調部は、シフ
ト変調符号重畳部で得られたブロードバンド変調信号ス
ペクトルを時間領域に戻して送信波形を得る。
【0033】さらに、好ましくは、本発明のディジタル
無線通信システムにおける復調処理手段は、広帯域で受
信された無線信号から帯域外の不要信号を除去する受信
波形フィルタ部と、ブロードバンド信号を周波数領域に
変換するフーリエ変換部と、周波数軸上で目的の帯域を
固定帯域内にスライドする周波数スライダ部と、固定帯
域からチャネル帯域幅分のスペクトルを取り出す帯域制
限部と、この帯域制限部で得られた単一チャネルからベ
ースバンドの復調を行うベースバンド復調部とを備え、
単一の高周波回路のみで任意の複数チャネルによる多重
受信を行う。
【0034】さらに、好ましくは、本発明のディジタル
無線通信システムにおける復調処理手段は、広帯域で受
信された無線信号から帯域外の不要信号を除去する受信
波形フィルタ部と、受信信号からブロードバンド変調信
号を復調するブロードバンド復調部と、ブロードバンド
復調部で得られたブロードバンド変調信号からベースバ
ンド符号を取り出したいチャネルのまでチャネルの帯域
幅分づつ周波数減算を行う周波数混合部と、帯域制限し
1チャネルを取り出す低域通過フィルタ部と、目標とす
るシフト変調符号に同期する信号をベースバンド符号の
速度に合わせて標本化を行うことにより分離して取り出
すベースバンド復調部とを備え、単一の高周波回路のみ
で任意の複数チャネルによる多重受信を行う。
【0035】上記構成により、本発明は、MCAやFH
通信など、無線通信中に周波数軸上で使用される狭帯域
チャネルが時間同期して移動、変更される無線通信方式
において、複数の連続したチャネル内でのチャネルの移
動を広帯域ブロードバンドの変調信号として取り扱うこ
とによって、高周波送受信装置(変調処理手段および復
調処理手段)の台数を1台またはより少数の台数に低減
することが可能になる。
【0036】また、本発明は、単一の広帯域通信路内に
擬似的に複数の狭帯域チャネルを形成する変調方式を提
案することで、帯域内に落ち込んだベースバンド信号を
束ねた多重無線通信を1台またはより少数台数の高周波
送受信装置(変調処理手段および復調処理手段)で行う
ことが可能となる。
【0037】チャネルが移動する帯域の全体、または連
続する部分帯域を一つの広帯域伝送と見倣して変調処理
を行うことで、キャリア周波数を変更する動作に関わる
遅延を生じることなく、円滑なチャネル移動を行うこと
が可能になる。また、チャネル毎に異なる周波数特性を
広帯域変調の段階で補正し、製品や実装によってばらつ
きの少ない無線通信システムを得ることが可能になる。
【0038】チャネルの連続した広帯域内に落ち込む複
数の通信についても、1台の高周波通信回路(変調処理
手段および復調処理手段)で一括変調(または一括復
調)、一括送信(または一括受信)を行うことが可能と
なる。このため、例えば発振器の近接設置による相互干
渉も排除され、1本のアンテナのみでの同時送受信が容
易に実現する。
【0039】高周波送信装置(変調処理手段)を1本に
集約できるため、実装面積を大幅に削減し、移動体用途
に用いられる小型携帯機器の限られた実装空間に収まる
無線機器を十分な出力と安定性をもって提供することが
容易になり、損失を生じる高周波電力増幅を1部分に集
約することで電力効率の向上も図られる。
【0040】キャリア周波数の変位量を予め固定した物
理定数量として記憶しておくことでアナログ回路を用い
ずにチャネルの変更を実行し、無線周波数に比して遙か
に低い帯域内において、周波数変位量とベースバンド符
号を加え合わせることで帯域重畳処理を軽いものとする
ことが可能になる。
【0041】請求項3の発明は請求項4の発明により一
つの解決方式が与えられる。これは、通信を行うチャネ
ルの違いによるキャリア周波数の変位量を広帯域ブロー
ドバンドのキャリア周波数からの差分としてパターン化
して記憶し、入力信号f(t)との単純な積算を行うだ
けで多重化通信のためのブロードバンド変調信号を得る
ことが可能となる。
【0042】また、同様に、請求項3の発明は請求項5
の発明により更に一つの解決方式が与えられる。これ
は、OFDMに用いられるような周波数領域でのディジ
タルシェイピングを応用することで可能になり、送信す
べきベースバンド信号を周波数帯域内で配置し、得られ
たブロードバンド変調信号のスペクトル表現を離散逆フ
ーリエ変換(逆DFT)または高速逆フーリエ変換など
を用いて時間領域データに変換し、各キャリアの発信器
を用いずにそのまま送信波形を生成することが可能にな
る。
【0043】請求項5の発明と同様に、固定マルチキャ
リアの復調処理に用いられている周波数領域でのディジ
タル同調検波処理をガードバンドを備えた任意個数、任
意チャネル群の周波数多重通信に応用し、周波数軸上で
受信すべき目的のチャネルを帯域通過フィルタによって
取り出し、得られたチャネルについてのみベースバンド
の復調を行うことでチャネルの弁別を可能とする。
【0044】変調処理手段(送信機器)で生成され、ま
たは伝送路上で加算された無線信号を受ける復調処理手
段(受信機器)において、低域チャネル側より1チャネ
ルが通過する固定帯域の低域通過フィルタ部を設けた上
でカットオフ周波数の2倍を越えるナイキスト周波数で
の標本化を行うことで、ベースバンドを取り出し、以降
周波数上で逐次に低周波側に固定帯域幅で周波数の減算
を繰り返すことで、処理するチャネルを切り替え、通過
帯域の変更によらない固定特性のフィルタで同調、復調
処理を容易に行うことを可能とする。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態1〜3の
ディジタル無線通信システムについて図面を参照しなが
ら説明する。 (実施形態1)図1は、本発明の実施形態1におけるデ
ィジタル無線通信システムの無線送信装置の要部構成を
示すブロック図である。
【0046】図1において、FDM一括変調を実現する
ディジタル無線通信システム1の無線送信装置10は、
変調処理手段として、データ直列化手段としての直列混
合部11と、ベースバンド符号化部12と、データベー
スであるシフト変調符号記憶部13と、チャネルシフト
スケジューラ部としてのチャネルシフトスケジューラ1
4と、チャネルシフト変調符号重畳部であるシフト変調
符号重畳部15と、ブロードバンド変調部16と、送信
波形整形フィルタ部としての帯域整形フィルタ部17
と、送信アンテナ18とを有して、単一の高周波回路の
みで任意の複数チャネルによる多重通信を行う。
【0047】直列混合部11は、最大N(Nは自然数)
個の並列入力データを巡回ブロック状に整列させて直列
混合する。
【0048】ベースバンド符号化部12は、周波数の移
動、変更に同期したブロック単位に区切られて直列混合
部11から入力されてくるディジタル信号を、変調可能
な形式の伝送符号に変換する。
【0049】シフト変調符号記憶部13は、周波数変調
と見倣されるチャネルシフトをそのシフトステップに応
じて離散的な値をとる変位符号群で表現しこれをシフト
変調符号として予め記録しておく。
【0050】チャネルシフトスケジューラ14は、繰返
ブロック長(同時入力データ数N)制御信号およびチャ
ネル移動制御信号を入力とし、チャネルの遷移に併せて
シフト変調符号記憶部13から目的のシフト変調符号を
選択する。
【0051】シフト変調符号重畳部15は、ベースバン
ド符号化部12からのベースバンド符号と、チャネルシ
フトスケジューラ14で選択されたシフト変調符号とを
重畳して時系列に目的の周波数変移の処理が行われたブ
ロードバンド変調信号を得るようになっている。
【0052】ブロードバンド変調部16は、シフト変調
符号重畳部15で得られたブロードバンド変調信号から
広帯域キャリアの変調を行う。
【0053】帯域整形フィルタ部17は、ブロードバン
ド変調部16からの出力信号から量子化歪みなどによる
不要輻射を除去する。
【0054】送信アンテナ18は、帯域整形フィルタ部
17からの出力信号を送信する。
【0055】上記構成により、以下その作用について説
明する。
【0056】ここで、多重化を前提としており、ベース
バンド符号化を単一ブロックで処理できるために、前段
から与えられた最大N個の並列入力データは直列混合部
11によって巡回ブロック状に直列に整列される。
【0057】このとき、随時変化する同時入力データ数
n(1≦n≦N)を保存しておく。直列混合部11でブ
ロック単位に直列混合された入力データは、ベースバン
ド符号化部12でブロック単位で、変調可能な形式の伝
送符号に符号化されてシフト変調符号重畳部15に送ら
れる。
【0058】次に、シフト変調符号重畳部15の動作に
ついては、ASK(Amplitude Shift Keying;振幅シフ
トキーイング)またはこれに類する多値ASKなどの振
幅方向に情報を添付するベースバンド符号を例に詳細に
説明する。
【0059】ベースバンド符号列から与えられる変調信
号をf(t)と置くと、単一チャネルでのベースバンド
符号による変調は次式の(数1)で表される。
【0060】
【数1】 説明を簡略化するために位相の定数項θを省略し、ω1
とω2の2つのキャリア周波数を用いた2チャンネルの
多重化についてのブロードバンド変調について説明す
る。2つのキャリア周波数ω1,ω2で送信される伝送
波はそれぞれ次式の(数2)および(数3)となる。
【0061】
【数2】
【0062】
【数3】 図2は、チャネル多重化の様子とブロードバンド変調に
おけるキャリア周波数との関係を模式的に示した図であ
る。図2に示すようにブロードバンドにおけるキャリア
周波数ω0、ω1、ω2をそれぞれω0からの変位量△
ω1、△ω2で表現すると、それぞれは次式の(数4)
および(数5)で表される。
【0063】
【数4】
【0064】
【数5】 上記(数4)および(数5)の各式から上記(数2)お
よび(数3)の各式の加算伝送波は、次式の(数6)で
表される。
【0065】
【数6】 上記(数6)の式からキャリアとなるω0の項をくくり
出すと、次式の(数7)となる。
【0066】
【数7】 変位△ωnの項は固定波形パターンとして表現できるの
で、fn(t)との時間領域での積算波形で振幅変調を
行うような回路で実現できることが判る。
【0067】これらのパターンをシフト変調符号として
シフト変調符号記憶部13に格納しておき、チャネルシ
フトスケジューラ14がチャネルの移動制御信号を受け
て必要な△ωnに相当するシフト変調符号を選択し、そ
の選択したシフト変調符号をシフト変調符号重畳部15
で、ベースバンド符号化部12からの符号化された目的
とするブロックに対して加えることによりブロードバン
ド変調信号を得る。
【0068】シフト変調符号重畳部15で得られたブロ
ードバンド変調信号はω0をキャリアとして次段のブロ
ードバンド変調部16で無線信号に変調し、その無線信
号は必要な電力増幅の後に、不要輻射を取り除く帯域整
形フィルタ17を通過させて送信アンテナ18から空中
に送出される。
【0069】無線信号が送出されるタイミングは、図9
に示すように比較的短く設定されたスロットの繰り返し
である。図9は周波数ホッピングにおけるハンドシェイ
クの一例を示しているが、送出されるスロットは遅延を
考慮したマージン(OFDMで言うガードインターバ
ル)が設けられている有限区間の信号である。得られた
信号は絶対可積分であるため、各スロット毎にフーリエ
変換を用いて原データ符号情報を損なうことなく周波数
領域に配置することができる。
【0070】図3は変調の場合を図示したものである
が、復調においてはこの逆を辿ることによって可逆的な
信号処理が保証される。
【0071】受信した無線信号をまず標本化してディジ
タル情報として信号処理を行えば、スロット内のサンプ
リング周波数を調整することによってフーリエ変換には
高速フーリエ変換(FFT)を応用することが可能なこ
とは周知のことであり、周波数軸上の離散スペクトル
は、シフトレジスタなどによって容易に理想フィルタに
よるチャネル帯域抽出が実現できる。
【0072】この信号処理を実現するディジタル無線通
信システムのブロック図を図4に示している。
【0073】図4は、本発明の実施形態1におけるディ
ジタル無線通信システムの無線受信装置の要部構成を示
すブロック図である。ここでは、本発明の無線受信装置
は、FDM一括変調を実現する無線受信装置のうちフー
リエ変換を用いて周波数領域で多重化されたチャネルを
分離する場合を示している。
【0074】図4において、FDM一括変調を実現する
ディジタル無線通信システム1の無線受信装置20は、
復調処理手段として、受信アンテナ21と、受信波形フ
ィルタ部としての受信帯域フィルタ22と、フーリエ変
換部23と、スペクトル一時記憶部24と、周波数スラ
イダ部25と、帯域制限部26と、ベースバンド復調部
を含む逆フーリエ変換/ベースバンド復調部27と、デ
ータ並列化手段としての並列化シフトレジスタ28とを
有して、単一の高周波回路のみで任意の複数チャネルに
よる多重受信を行う。
【0075】受信アンテナ21は、送信アンテナ18か
ら送信された電波を受信する。
【0076】受信帯域フィルタ22は、広帯域で受信さ
れた無線信号から帯域外の不要信号を除去する。
【0077】フーリエ変換部23は、ブロードバンド信
号をフーリエ変換して周波数領域に変換する。
【0078】スペクトル一時記憶部24は、フーリエ変
換部23で得られたスペクトル情報を、同時送信数を束
ねた巡回ブロック内で一時保持する。
【0079】周波数スライダ部25は、同時入力データ
数制御信号およびチャネル移動制御信号を入力とし、周
波数軸上で目的の帯域(チャネル)を固定帯域内にスラ
イドする。
【0080】帯域制限部26は、固定帯域からチャネル
帯域幅分のスペクトルを取り出す。
【0081】逆フーリエ変換/ベースバンド復調部27
は、帯域制限部26で得られた単一チャネルからベース
バンドの復調を行う。
【0082】並列化シフトレジスタ28は、直列の巡回
ブロックを並列に展開して複数チャネル毎の各出力デー
タ1〜Nとして受信情報を分配する。
【0083】上記構成により、以下その作用を説明す
る。
【0084】まず、受信アンテナ21から得られた受信
電波は、ポスト処理として受信帯域フィルタ22で帯域
制限された後に、次段のフーリエ変換部23を通過して
フーリエ変換される。
【0085】次に、多重化を前提としているために各チ
ャネル毎の繰り返し信号処理のため、フーリエ変換部2
3で得られたスペクトル情報はスペクトル一時記憶部2
4に同時送信数を束ねた巡回ブロック内で一時保持さ
れ、必要なチャネルは周波数スライダ部25によって取
り出される。
【0086】さらに、各種信号処理によって生じた不要
帯域成分を除去するために、チャネル帯域幅での帯域制
限部26を通過させた後に、逆フーリエ変換/ベースバ
ンド符号を復調部27により逆フーリエ変換で時間波形
に戻し、ベースバンド符号を復調した後に、並列シフト
レジスタ28にて巡回ブロックを展開して各出力データ
1〜Nに受信情報を分配する。
【0087】このようにして、ベースバンドからブロー
ドバンドまで一つの回路実装でFDM多重接続を実現す
る無線通信システム1を得ることができる。
【0088】なお、本実施形態1では、シフト変調符号
重畳部15は、ベースバンド符号化部12からのベース
バンド符号と、チャネルシフトスケジューラ14で選択
されたシフト変調符号とを重畳してブロードバンド変調
信号を得るようにしたが、これに限らず、シフト変調符
号としてブロードバンドのキャリア周波数からの周波数
変位量をそのまま時間波形で表現し、これをシフト変調
符号として用いてもよい。
【0089】この場合、通信を行うチャネルの違いによ
るキャリア周波数の変位量を広帯域ブロードバンドのキ
ャリア周波数からの差分としてパターン化して記憶し、
入力信号f(t)との単純な積算を行うだけで多重化通
信のためのブロードバンド変調信号を得ることができ
る。
【0090】また、別の事例を挙げると、図1におい
て、ディジタル無線通信システム2の無線送信装置10
Aは、変調処理手段として、直列混合部11と、ベース
バンド符号化部12と、シフト変調符号記憶部13A
と、チャネルシフトスケジューラ部14と、シフト変調
符号重畳部15Aと、ブロードバンド変調部16Aと、
送信波形整形フィルタ部としての帯域整形フィルタ部1
7と、送信アンテナ18とを有している。
【0091】シフト変調符号記憶部13Aは、シフト変
調符号としてブロードバンドのキャリア周波数からの周
波数変位量を周波数領域で表現しこれをシフト変調符号
として用いる。また、シフト変調符号重畳部15Aは、
ベースバンド符号を一旦スペクトル情報に変換した上で
シフト変調符号との重畳を行う。さらに、ブロードバン
ド変調部16Aは、得られたブロードバンド変調信号ス
ペクトルを時間領域に戻して送信波形を得る。
【0092】この場合、OFDMに用いられるような周
波数領域でのディジタルシェイピングを応用することで
可能になり、送信すべきベースバンド信号を周波数帯域
内で配置し、得られたブロードバンド変調信号のスペク
トル表現を離散逆フーリエ変換(逆DFT)または高速
逆フーリエ変換などを用いて時間領域データに変換し、
各キャリアの発信器を用いずにそのまま送信波形を生成
することができる。 (実施形態2)本実施形態2では、図1において、角度
変調に対するシフト変調符号を実装する場合である。
【0093】小型化を目標とした発明であるため、角度
変調でも一般的に簡素な回路実装で実現可能なFSK
(Frequency Shift Keying;周波数シフトキーイング)
について、本実施形態2を示している。ここで取り上げ
る無線通信は単チャネルでもサービス提供に従じること
が可能な方式を前提としているため、変調指数が0.1
を越えるような広帯域周波数変調となる。
【0094】単一チャネルでのベースバンド符号による
変調は次式の(数8)および(数9)で表される。
【0095】
【数8】
【0096】
【数9】 位相定数項θを省き、変調信号の瞬時周波数をωmと
し、変調指数をmfと置いてfc(t)を表すと、次式
の(数10)になる。
【0097】
【数10】 fc(t)を複素領域に拡張し、フーリエ級数展開する
と、次式の(数11)で表される。
【0098】
【数11】 F(n)はmfについてn次のベッセル関数として数値
解が与えられており、これをJn(mf)とおくと、実
数部fc(t)は次式の(数12)で表される。
【0099】
【数12】 ベッセル関数の性質を用いて式(数12)を書き直し、
ωをω1と書き換えると上記式(数4)より次式(数1
3)が得られる。
【0100】
【数13】 上記式(数13)において、[ ]内の余弦項について
ω0をくくり出し、nを偶数の場合と奇数の場合とで分
離すれば、次式の(数14)となる。
【0101】
【数14】 上記式(数14)から判るように原信号ωmの高調波成
分を製作する必要はあるが、ディジタル処理としては間
引きによるリサンプリング(または再サンプリング)な
どで容易に実現でき、一定項以上の側波帯nωm(t)
を省略すれば、ベースバンドの変調は比較的簡単に行え
る。結果的に周波数シフトはASKと類似して固定パタ
ーンである△ωnとの時間領域積で生成され、nチャネ
ル重畳されたブロードバンド波形を得る手段を提供する
ことができる。 (実施形態3)本実施形態3では、受信器側においても
チヤネル抽出を時間領域で行う場合である。
【0102】図5は、本発明の実施形態3におけるディ
ジタル無線通信システムの無線受信装置の要部構成を示
すブロック図である。ここでは、本発明の無線受信装置
は、FDM一括変調を実現する無線受信装置のうち時間
領域で多重化されたチャネルを分離する場合を示してい
る。
【0103】図5において、ディジタル無線通信システ
ム3は無線受信装置10と無線受信装置30とを有して
いる。その無線受信装置30は、受信アンテナ31と、
受信波形フィルタ部としての受信帯域フィルタ32と、
ブロードバンド復調部33と、ブロードバンド変調符号
一時記憶部34と、周波数混合部としての周波数混合器
35と、低域通過フィルタ部としての低域通過フィルタ
36と、ベースバンド復調部を含む標本化ベースバンド
復調部37と、データ並列化手段としての並列化シフト
レジスタ38とを有して、単一の高周波回路のみで任意
の複数チャネルによる多重受信を行う。
【0104】受信アンテナ31は、送信アンテナ18か
ら送信された電波を受信する。
【0105】受信帯域フィルタ32は、広帯域で受信さ
れた無線信号から帯域外の不要信号を除去する。
【0106】ブロードバンド復調部33は、受信信号か
らブロードバンド変調信号を復調する。
【0107】ブロードバンド変調符号一時記憶部34
は、そのブロック内に含まれるチャネルの復号化を繰り
返して行うために、ブロードバンド変調符号を一時格納
する。
【0108】周波数混合器35は、得られたブロードバ
ンド変調信号からベースバンド符号を取り出したいチャ
ネルまでチャネルの帯域幅分づつ周波数の減算を行う。
【0109】低域通過フィルタ36は、帯域制限して1
チャネルを取り出す。
【0110】標本化ベースバンド復調部37は、目標と
するシフト変調符号に同期する信号をベースバンド符号
の速度に合わせて標本化を行うことにより分離して取り
出す。
【0111】並列化シフトレジスタ38は、直列の巡回
ブロックを並列に展開して複数の各チャネル毎に各出力
データ1〜Nとして受信情報を分配する。
【0112】上記構成により、以下、その作用について
説明する。
【0113】まず、受信アンテナ31で受信した情報
は、フーリエ変換を利用する手法と同様に、受信帯域フ
ィルタ32で帯域制限を受けた後に、ブロードバンド復
調部33でブロードバンド変調信号が取り出される。
【0114】次に、ブロードバンド復調部33で得られ
たブロードバンド変調信号は、そのブロック内に含まれ
るチャネルの復号化を繰り返して行うために、ブロード
バンド変調符号一時記憶部34に一時格納され、ブロッ
ク内の信号処理で参照される。
【0115】その後の信号処理を図6に示している。即
ち、周波数混合器35で△ωの固定幅だけのダウンコン
バートを繰り返しながら、チャネル移動制御信号を参照
して信号のあるチャネル帯域の場合に低域通過フィルタ
36で帯域制した上で、この遮断周波数1/2Tとする
周期で標本化を行って、ディジタル情報に変換した後に
ベースバンド復調部37で信号処理して原信号を復調す
る。
【0116】さらに、復調した原信号に対して、並列化
シフトレジスタ38で巡回ブロックを展開して各出力デ
ータ1〜Nとして受信情報を分配する。
【0117】以上により、本実施形態1〜3によれば、
上記実施形態1の無線送信装置10を例にとって説明す
ると、直列混合部11で並列多重を直列化し、巡回的に
処理されるように順列された多重化データ符号列は、ベ
ースバンド符号化部12で予め決められたベースバンド
で符号化処理が行われた後に、広帯域内のチャンネルの
キャリア周波数の差分を周波数変位符号と見なして離散
符号としてシフト変調符号記憶部13に記憶されたシフ
ト変調符号を参照しながらシフト変調符号重畳部15で
多重化変調を行う。その後、ブロードバンド変調部16
で基準とするキャリア周波数を用いて一括変換を行い、
帯域整形フィルタ17で不要輻射を除去した上でデータ
信号を送出する。この一連の変調処理で広帯域のRF信
号を用いること-によって、広帯域内の任意のチャネ
ル、任意のチャネル数での多重化を、単一の固定キャリ
アの無線通信装置で実現することができる。したがっ
て、多重化するチャネル数の符号化回路および変調・復
調高周波回路をそれぞれ単一に集約することができて、
装置の小型化、低コスト化、不要輻射や装置内の回り込
みを排除し、電波送出出力時の電力損失をも軽減するこ
ともできる。
【0118】なお、上記実施形態1〜3によりディジタ
ル無線通信システム1〜3を構成したが、要は、ディジ
タル無線通信システム1〜3はそれぞれ、無線送信装置
10または10Aなどの変調処理手段と、無線受信装置
20または30などの復調処理手段とで構成されている
が、これらの変調処理手段および復調処理手段は、無線
通信中に周波数軸上で使用される狭帯域チャネルが時間
同期して移動、変更される無線通信方式において、チャ
ネルが取りうる部分帯域または全帯域を単一チャネルと
見倣して、一つの広帯域チャネルの固定帯域無線通信と
して変調処理および復調処理を行うように構成されてい
ればよい。
【0119】さらに、これらの変調処理手段および復調
処理手段は、同一帯域内に単一または複数の通信相手と
同時に複数のチャネルを利用した多重接続を行う場合に
も、任意のチャネルの組み合わせからなる複数の搬送波
群を、一つの周波数変位を表現する伝送符号として、1
本の固定された広帯域チャネルを利用する無線通信とし
て変調処理および復調処理を行うように構成されていれ
ばよい。
【0120】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、チャネ
ルシフト変調符号を用いた疑似広帯域変復調によって、
従来、多重化するチャネル毎に同時利用するチャネル数
分だけ設置することが必要であった符号化、変調および
復調、高周波回路をそれぞれ一点に集約して、回路規模
を小型化し、実装面積を減らして携帯機器などの小型機
器への搭載を容易にすると共に、不要な輻射や装置内の
回り込みを排除した無線装置を実現することができる。
【0121】また、従来では、同時に稼働する送受信器
数に制限されていた多重化数を、一つの無線装置のみに
よって帯域内に設けられる任意のチャネル数を束ねる多
重化通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1におけるディジタル無線通
信システムの無線送信装置の要部構成を示すブロック図
である。
【図2】本発明のチャネル多重化の様子とブロードバン
ド変調におけるキャリア周波数との関係を模式的に示し
た図である。
【図3】本発明の周波数領域のチャネル多重化処理を概
念的に示した図である。
【図4】本発明の実施形態1におけるディジタル無線通
信システムの無線受信装置の要部構成を示すブロック図
である。
【図5】本発明の実施形態3におけるディジタル無線通
信システムの無線受信装置の要部構成を示すブロック図
である。
【図6】時間領域で低域から縮に固定量の周波数スライ
ドでチャネルを分離するステップを模式的に示した図で
ある。
【図7】MCAやFHなどによる通信中に周波数シフト
を伴う無線通信の電波伝送状態を模式的に示した通信概
念図である。
【図8】多重通信中に周波数上で多重化する電波伝送状
態を模式的に示した多重接続の概念図である。
【図9】周波数ホッピングにおける固定長スロットの分
割通信の様子を示したタイミングチャートである。
【符号の説明】
1〜3 ディジタル無線通信システム 10,10A 無線受信装置 11 直列混合部 12 ベースバンド符号化部 13,13A シフト変調符号記憶部 14 チャネルシフトスケジューラ 15,15A シフト変調符号重畳部 16,16A ブロードバンド変調部 17 帯域整形フィルタ部 20,30 無線受信装置 22,32 受信帯域フィルタ 33 ブロードバンド復調部 34 ブロードバンド変調符号一時記憶部 35 周波数混合器 36 低域通過フィルタ 37 標本化ベースバンド復調部 28,38 並列化シフトレジスタ 23 フーリエ変換部 24 スペクトル一時記憶部 25 周波数スライダ部 26 帯域制限部 27 逆フーリエ変換/ベースバンド復調部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線通信中に周波数軸上で使用される狭
    帯域チャネルが時間同期して移動、変更される無線通信
    方式において、チャネルが取りうる部分帯域または全帯
    域を単一チャネルと見倣して、一つの広帯域チャネルの
    固定帯域無線通信として変調処理および復調処理を行う
    変調処理手段および復調処理手段を有するディジタル無
    線通信システム。
  2. 【請求項2】 前記変調処理手段および復調処理手段
    は、同一帯域内に単一または複数の通信相手と同時に複
    数のチャネルを利用した多重接続を行う場合にも、任意
    のチャネルの組み合わせからなる複数の搬送波群を、一
    つの周波数変位を表現する伝送符号として、1本の固定
    された広帯域チャネルを利用する無線通信として変調処
    理および復調処理を行う請求項1記載のディジタル無線
    通信システム。
  3. 【請求項3】 前記変調処理手段は、周波数の移動、変
    更に同期したブロックで区切られて入力されるディジタ
    ル信号を変調可能な形式の伝送符号に変換するベースバ
    ンド符号化部と、周波数変調と見倣されるチャネルシフ
    トをそのシフトステップに応じて離散的な値をとる変位
    符号群で表現しこれをシフト変調符号として予め記録し
    ておくシフト変調符号記憶部と、チャネルの遷移に併せ
    て該シフト変調符号記憶部から目的のシフト変調符号を
    選択するチャネルシフトスケジューラ部と、該チャネル
    シフトスケジューラ部で選択されたシフト変調符号とベ
    ースバンド符号を重畳し、時系列に目的の周波数変移の
    処理が行われたブロードバンド変調信号を得るシフト変
    調符号重畳部と、該シフト変調符号重畳部で得られたブ
    ロードバンド変調信号から広帯域キャリアの変調を行う
    ブロードバンド変調部と、量子化歪みなどによる不要輻
    射を除去する送信波形整形フィルタ部とを備え、単一の
    高周波回路のみで任意の複数チャネルによる多重送信を
    行う請求項1または2記載のディジタル無線通信システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記シフト変調符号記憶部およびシフト
    変調符号重畳部は、シフト変調符号としてブロードバン
    ドのキャリア周波数からの周波数変位量をそのまま時間
    波形で表現し、これをシフト変調符号として用いる請求
    項3記載のディジタル無線通信システム。
  5. 【請求項5】 前記シフト変調符号記憶部は、シフト変
    調符号としてブロードバンドのキャリア周波数からの周
    波数変位量を周波数領域で表現しこれをシフト変調符号
    として用い、前記シフト変調符号重畳部は、ベースバン
    ド符号を一旦スペクトル情報に変換した上でシフト変調
    符号との重畳を行い、前記ブロードバンド変調部は、前
    記シフト変調符号重畳部で得られたブロードバンド変調
    信号スペクトルを時間領域に戻して送信波形を得る請求
    項3記載のディジタル無線通信システム。
  6. 【請求項6】 前記復調処理手段は、広帯域で受信され
    た無線信号から帯域外の不要信号を除去する受信波形フ
    ィルタ部と、ブロードバンド信号を周波数領域に変換す
    るフーリエ変換部と、周波数軸上で目的の帯域を固定帯
    域内にスライドする周波数スライダ部と、固定帯域から
    チャネル帯域幅分のスペクトルを取り出す帯域制限部
    と、該帯域制限部で得られた単一チャネルからベースバ
    ンドの復調を行うベースバンド復調部とを備え、単一の
    高周波回路のみで任意の複数チャネルによる多重受信を
    行う請求項1または2記載のディジタル無線通信システ
    ム。
  7. 【請求項7】 前記復調処理手段は、広帯域で受信され
    た無線信号から帯域外の不要信号を除去する受信波形フ
    ィルタ部と、受信信号からブロードバンド変調信号を復
    調するブロードバンド復調部と、該ブロードバンド復調
    部で得られたブロードバンド変調信号からベースバンド
    符号を取り出したいチャネルのまでチャネルの帯域幅分
    づつ周波数減算を行う周波数混合部と、帯域制限し1チ
    ャネルを取り出す低域通過フィルタ部と、目標とするシ
    フト変調符号に同期する信号をベースバンド符号の速度
    に合わせて標本化を行うことにより分離して取り出すベ
    ースバンド復調部とを備え、単一の高周波回路のみで任
    意の複数チャネルによる多重受信を行う請求項1または
    2記載のディジタル無線通信システム。
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