JP2003218796A - 光伝送システムおよび光遮断方法 - Google Patents

光伝送システムおよび光遮断方法

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JP2003218796A JP2002011717A JP2002011717A JP2003218796A JP 2003218796 A JP2003218796 A JP 2003218796A JP 2002011717 A JP2002011717 A JP 2002011717A JP 2002011717 A JP2002011717 A JP 2002011717A JP 2003218796 A JP2003218796 A JP 2003218796A
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章 平野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラマン分布増幅を用いた系においても、ファ
イバ断あるいはコネクタ着脱時に自動的かつ速やかに励
起光を遮断する。 【解決手段】 光ファイバ断が起きると、大パワーの励
起光が空中に放出されることになる。このような状態で
は、主信号は、受信器まで到達できず、光受信器1−6
と光信号断検出部1−7とが主信号LOSを検出する。
このとき、直ちに、励起光遮断部1−8により、装置内
にある励起光源1−5を遮断する。従来技術による主信
号光遮断方法(G.664)よりも、およそ半分程度の
プロセスで遮断可能であり、遮断時間も半分程度(数1
00ms程度)にすることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、ラマン分布
増幅技術を用いた光伝送システムおよび光遮断方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】光増幅器の発明と市場への投入により、
信号対雑音比(SNR)に対する要求は大幅に緩和さ
れ、10Gbit/sを超える超高速光伝送システムが
実用化されて、全世界的に導入されている。さらに光増
幅器の広帯域性を利用して、ある波長帯を一括増幅でき
る線形中継器が導入され、さらなる低コスト化が図られ
ている。
【0003】一方、この光増幅器の導入は、自動的に、
光ファイバに入力する光パワーの増大を招いた。単一波
長では通常最大17dBm(50mW)、波長多重の場
合は簡単にその整数倍もの光パワーが光ファイバに入力
される。レーザ安全基準から見ると、光ファイバシステ
ムは、光がファイバ内に閉じ込められていれば本質的に
安全であるが、ひとたびコネクタ着脱やファイバ断など
により、光が漏れてしまう。
【0004】IEC(Internationa1 Electro technica
l Commission)では、IEC60825−2(Safety o
f laser products-part2 Safety of optical fiber com
munication systems)という国際標準勧告を策定し、前
述したような観点より、「ハザードレベル:潜在的な露
光レベル」を定義し、保守・サービス時の危険性を推定
する量として、安全基準を策定している。その中で、コ
ネクタ着脱やファイバ断時に、速やかにパワーを一定量
以下に下げる機能APR(Automatic Power Reductio
n)が要求機能として記述されている。
【0005】この要求を受けて、ITU−T(Internati
onal Telecommunication Union-Telecommunication)で
は、国際標準勧告G.664(Optica1 safety procedu
resand requirements for optical transport system
s)を策定した。この勧告では、システムがコネクタ着
脱やファイバ断時に自動的かつ速やかに主信号光を遮断
するシステムについての手順ALS(Automatic Laser
Shutdown)が示されている。IECおよびITU-Tの
この2つの勧告により、光増幅器を用いた光伝送システ
ムの安全性は確保されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、さらなる長距離
化と低コスト化を目指して、分布増幅システムの研究が
盛んに行われ始めている。特に、伝送路(ファイバ)に
おけるラマン増幅原理を用いて、分布的に増幅する技術
が急速に立ち上がってきている。この技術を用いれば、
高いコストの電気再生中継器が極端に減る可能性があ
り、また高い主信号パワーを光ファイバに注入しなくて
もよくなるので、主信号に対する非線型光学効果などの
好ましくない影響を回避できるというメリットがある。
ラマン分布増幅技術は、受信器側から非常に高い励起光
(通常主信号光波長より100nmほど短波長側であ
る)を光ファイバに注入し、伝送路全体がいわば増幅媒
体になるところに特徴がある。従来の光増幅器では、励
起光(波長1480nmあるいは980nm)は増幅器
内で終端されており、伝送路に励起光が伝播されること
はなかった。
【0007】今のところ、ラマン分布増幅に関するシス
テムの主信号伝送機能は確認されてはいるが、そのシス
テムの安全性についての検討はなされていない。従来の
光増幅器では、出力が1波長あたり50mW程度なのに
対し、ラマン増幅の励起光は、100倍もの1〜2Wに
も達する。このような非常に高い光パワーを有する光フ
ァイバが切断されたり、コネクタが着脱されたりする
と、非常に高い光パワーの光が放出されるという問題が
ある。
【0008】前述したG.664は、主信号のみに関す
る遮断機能を記述しているので、この機能は、励起光が
伝送路を伝播するような分布増幅系には適用できない。
さらに、IEC60825−2によれば、光ファイバに
入力できる最大パワーは、ファイバ断からの光遮断まで
の時間に依存する。ラマン分布増幅のような数Wものフ
ァイバ入力を許容させるには、従来の遮断時間の仕様よ
りも数段厳しい仕様が求められることになる。G.66
4に規定されている遮断時間は、およそ800msから
1秒である。
【0009】このように、ラマン分布増幅に関するシス
テムにおいて、従来技術では、ファイバ断あるいはコネ
クタ着脱時に、自動的かつ速やかに主信号光を遮断する
技術が確立されていないという問題がある。
【0010】この発明は上述した事情に鑑みてなされた
もので、ラマン分布増幅を用いた系においても、ファイ
バ断あるいはコネクタ着脱時に、自動的かつ速やかに励
起光を遮断することができる光伝送システムおよび光遮
断方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るために、請求項1記載の発明では、主信号を送信する
光送信手段と、該主信号が伝搬される光ファイバと、該
光ファイバを伝搬してきた主信号を受信する光受信手段
とを有し、前記光受信器側に、励起光を出力する励起光
源と、該励起光を前記光ファイバに主信号とは逆方向に
注入する励起光注入手段とを有する光伝送路を備える光
伝送システムにおいて、前記光ファイバにおける光信号
ロスを検出する光信号断検出手段と、前記光断検出手段
により光信号ロスが検出されると、前記励起光源による
励起光を遮断する励起光遮断手段とを具備することを特
徴とする。
【0012】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載の光伝送システムにおいて、前記光断検出手段によ
り光信号ロスが検出されると、前記励起光源による励起
光の遮断に加えて、前記光送信器、前記光ファイバおよ
び前記光受信器からなる光伝送路と同一構成、同一機能
を有し、逆向きに設置される他方の光伝送路を介して、
前記光送信手段による主信号を遮断する信号光遮断手段
を具備することを特徴とする。
【0013】また、請求項3記載の発明では、請求項2
記載の光伝送システムにおいて、前記光ファイバに主信
号とは逆方向に励起光を注入する励起光注入手段ととも
に、主信号と同一の方向に注入される励起光を出力する
順方向励起光源と、前記順方向励起光源からの励起光を
主信号と同一の方向に注入する順方向励起光注入手段と
を有し、前記光信号断検出手段により光信号ロスが検出
されると、前記逆方向の励起光源による励起光の遮断に
加えて、前記順方向励起光源による励起光の遮断を行う
順方向励起光遮断手段を具備することを特徴とする。
【0014】また、請求項4記載の発明では、請求項1
ないし3のいずれかに記載の光伝送システムにおいて、
前記光信号断検出手段は、前記光受信手段における光信
号ロスを検出する主信号パワーモニタで構成されること
を特徴とする。
【0015】また、請求項5記載の発明では、請求項1
ないし3のいずれかに記載の光伝送システムにおいて、
前記光信号断検出手段は、前記光受信手段側の光ファイ
バ上に配置され、方向性結合器と励起光反射パワーモニ
タとで構成され、前記光ファイバ断による励起光のフレ
ネル反射を検出することを特徴とする。
【0016】また、請求項6記載の発明では、請求項1
ないし3のいずれかに記載の光伝送システムにおいて、
前記励起光遮断手段は、前記励起光源の励起電流を制御
することにより、励起光源の光出力を遮断することを特
徴とする。
【0017】また、請求項7記載の発明では、請求項1
ないし3のいずれかに記載の光伝送システムにおいて、
前記励起光遮断手段は、光スイッチにより前記励起光源
の光出力を遮断することを特徴とする。
【0018】また、上述した問題点を解決するために、
請求項8記載の発明では、主信号を送信する光送信手段
と、該主信号が伝搬される光ファイバと、該光ファイバ
を伝搬してきた主信号を受信する光受信手段と、該光フ
ァイバを伝搬してきた励起光を終端する励起光終端手段
とを有し、前記光受信器側に、励起光を出力する励起光
源と、該励起光を前記光ファイバに主信号とは逆方向に
注入する励起光注入手段とを有する光伝送路と、前記光
伝送路と同一構成、同一機能を有し、逆向きに設置され
る他方の光伝送路とを備える光伝送システムにおいて、
前記励起光注入手段により注入された励起光のロスを検
出する光信号断検出手段と、前記光断検出手段により励
起光ロスが検出されると、前記他方の光伝送路の励起光
源による励起光を遮断する励起光遮断手段とを具備する
ことを特徴とする。
【0019】また、請求項9記載の発明では、請求項8
記載の光伝送システムにおいて、前記光断検出手段によ
り励起光ロスが検出されると、前記光送信手段による主
信号を遮断する信号光遮断手段を具備することを特徴と
する。
【0020】また、請求項10記載の発明では、請求項
8または9記載の光伝送システムにおいて、前記光信号
断検出手段は、前記光送信手段側に配置され、前記励起
光終端手段における励起光ロスを検出する励起光パワー
モニタで構成されることを特徴とする。
【0021】また、請求項11記載の発明では、請求項
8または9記載の光伝送システムにおいて、前記励起光
遮断手段は、前記励起光源の励起電流を制御することに
より、励起光源の光出力を遮断することを特徴とする。
【0022】また、請求項12記載の発明では、請求項
8または9記載の光伝送システムにおいて、前記励起光
遮断手段は、光スイッチにより前記励起光源の光出力を
遮断することを特徴とする。
【0023】また、上述した問題点を解決するために、
請求項13記載の発明では、光送信器からの主信号を光
ファイバにより伝搬して光受信器により受信するととも
に、光受信器側の励起光源からの励起光を前記光ファイ
バに主信号とは逆方向に注入する光伝送方法において、
前記光ファイバにおける光信号ロスを監視し、該光信号
ロスが検出されると、前記励起光源による励起光を遮断
することを特徴とする。
【0024】また、請求項14記載の発明では、請求項
13記載の光伝送方法において、前記光信号ロスが検出
されると、前記励起光源による励起光の遮断に加えて、
前記光送信器、前記光ファイバおよび前記光受信器から
なる光伝送路と同一構成、同一機能を有し、逆向きに設
置される他方の光伝送路を介して、前記光送信器による
主信号を遮断することを特徴とする。
【0025】また、請求項15記載の発明では、請求項
13記載の光伝送方法において、前記光信号ロスの監視
に代えて、前記光受信器側における励起光ロスを監視
し、励起光ロスが検出されると、前記光送信器、前記光
ファイバおよび前記光受信器からなる光伝送路と同一構
成、同一機能を有し、逆向きに設置される他方の光伝送
路を介して、前記励起光源による励起光を遮断すること
を特徴とする。
【0026】また、請求項16記載の発明では、請求項
15記載の光伝送方法において、前記励起光ロスが検出
されると、前記励起光源による励起光の遮断に加えて、
前記光送信器による主信号を遮断することを特徴とす
る。
【0027】また、請求項17記載の発明では、請求項
13記載の光伝送方法において、前記励起光源の励起電
流を制御することにより、前記励起光源の光出力を遮断
することを特徴とする。
【0028】また、請求項18記載の発明では、請求項
13記載の光伝送方法において、光スイッチにより前記
励起光源の光出力を遮断することを特徴とする。
【0029】この発明では、光信号断検出手段により、
光ファイバにおける光信号ロスを検出されると、励起光
遮断手段により、励起光源による励起光を遮断する。し
たがって、ラマン分布増幅を用いた系においても、ファ
イバ断あるいはコネクタ着脱時に、自動的かつ速やかに
励起光を遮断することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。 A.第1実施形態 図1は、本発明の第1実施形態による光伝送システムの
構成を示すブロック図である。図1において、左側から
送信して右側で受信する光伝送システム1と、右側から
送信して左側で受信する光伝送システム2の双方が示さ
れている。しかしながら、第1実施形態に限れば、上下
いずれか片方向の光伝送システムだけでもよい。なお、
本第1実施形態では、励起光源が受信側に配置される、
いわゆるBackward励起方法についてのみ示す
が、送信側に励起光源があるForward励起方法で
も、あるいは両方具備されていてもよい。これらの場合
には、両方向のシステムが必要となる。具体的な遮断機
構については第2実施形態に示す。
【0031】光伝送システム1は、光送信器(ここでは
光増幅器あるいは中継器の送信部でもよい)1−1と励
起光終端部(第1実施形態に限ればなくともよい)1−
2、光ファイバ1−3、励起光注入部(光カップラなど
でもよい)1−4、励起光源1−5、光受信器(ここで
は光増幅器あるいは中継器の受信部でもよい)1−6、
光信号断検出部1−7、励起光遮断部1−8から構成さ
れている。
【0032】同様に、光伝送システム2は、光送信器
(ここでは光増幅器あるいは中継器の送信部でもよい)
2−1と励起光終端部(第1実施形態に限ればなくとも
よい)2−2、光ファイバ2−3、励起光注入部(光カ
ップラなどでもよい)2−4、励起光源2−5、光受信
器(ここでは光増幅器あるいは中継器の受信部でもよ
い)2−6、光信号断検出部2−7、励起光遮断部2−
8から構成されている。
【0033】第1実施形態では、光信号断検出部1−7
(2−7)は、主信号のパワーモニタで構成される。通
常、LOS(Loss of Signal)という警報を発出するた
めに、ほぼ全ての装置では、主信号パワーモニタを有し
ている。第1実施形態は、主信号パワー断の検出時に、
励起光遮断部1−8(2−8)により受信器内にある励
起光源1−5(2−5)を遮断するというものである。
因みに、励起光遮断部1−8(2−8)は、励起電流を
制御することにより、励起光源1−5(2−5)の光出
力を遮断するか、光スイッチにより励起光源の光出力を
遮断するようになっている。
【0034】図2は、本第1実施形態による光ファイバ
断時の遮断プロセスを示す概念図である。ここでは、光
伝送システム1についてのみ説明するが、光伝送システ
ム2についても同様である。光ファイバ断が起きると
(Sa1)、大パワーの励起光が空中に放出されること
になる。このような状態では、主信号は、受信器まで到
達できず、光受信器1−6と光信号断検出部1−7とが
主信号LOSを検出する(Sa2)。このとき、直ち
に、励起光遮断部1−8により、装置内にある励起光源
1−5を遮断する(Sa3)。
【0035】従来技術による主信号光遮断方法(G.6
64)は、1)ファイバ断、2)LOS検出、3)対向
する逆向きの主信号光遮断、4)逆向きのLOS稼出、
5)該当する主信号光遮断、というプロセスをとってい
た。本第1実施形態では、G.664のものよりも、お
よそ半分程度のプロセスで遮断可能であり、遮断時間も
半分程度(数100ms程度)にすることが可能であ
る。
【0036】B.第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態について説明する。図3
は、第2実施形態による光ファイバ断時のプロセスを示
す概念図である。なお、図1に対応する部分には同一の
符号を付けて説明を省略する。図3において、信号光遮
断部1−9は、光信号断検出部1−7によるLOS検出
により、光送信器2−1からの主信号を遮断する。ま
た、信号光遮断部2−9は、光信号断検出部2−7によ
るLOS検出により、光送信器1−1からの主信号を遮
断する。
【0037】本第2実施形態の特徴は、励起光源ととも
に、主信号光をも遮断するところにある。図3におい
て、光ファイバ1−3が断となると(Sb1)、励起光
および主信号光も空中に放出されることになる。通常、
ラマン分布増幅だけではなく、従来の光増幅器をも併用
したハイブリッド構成になる場合が多いと考えられる。
この場合、主信号光だけでも50mWから波長数倍の数
100mW程度のパワーが放出されることになる。ファ
イバ断の状態で、光受信器1−6および光信号断検出部
1−7が主信号のLOSを検出する(Sb2)。次に、
励起光遮断部1−8により、励起光源1−5を遮断し、
速やかに励起光を遮断する(Sb3)。ここで断となっ
た光ファイバ1−3からの励起光の漏れはなくなる。
【0038】同時に、信号光遮断部1−9により、光送
信器2−1を遮断し、反対向きの主信号光をも遮断する
(Sb4)。ここで主信号が光受信器2−6まで到達し
なくなり、反対向き下側の左側にある光受信器2−6お
よび光信号断検出部2−7がLOSを検出する(Sb
5)。このLOSを受けて、励起光遮断部2−8によ
り、反対向きの励起光源2−5を遮断する(Sb6)。
この状態では、下側の光ファイバ2−3は、断ではない
のだが、主信号・励起光ともに遮断される。
【0039】同時に、光信号断検出部2−7のLOS検
出に基づき、信号光遮断部2−9により、上光送信器1
−1を遮断し、段・左側の主信号光を遮断する(Sb
7)。この最後のプロセスをもって、断となった光ファ
イバ1−3からの励起光、主信号光の放出を止めること
ができる。主信号光遮断に比較して、励起光遮断時間が
ほぼ半分となる。主信号光パワー数100mWと比較し
て励起光パワーは数Wであり、本第2実施形態は、パワ
ーと遮断時間に対するIECの要求条件に合致する。
【0040】以上は、励起光源が受信側に配置される、
いわゆるBackward励起方法についての説明であ
るが、前述した通り、送信側に配置されるForwar
d励起方法でも、あるいは両方具備されていてもよい。
両方具備されている場合について簡単に説明する。図3
に示す光送信器1−1と励起光終端部1−2との間に、
励起光注入部が必要で、さらに、この励起光注入部に接
続される励起光源が必要である。励起光源は、信号光遮
断部2−9によるシャットダウン(Sb7)に従って遮
断される構成となる。すなわち、主信号と同時に送信側
に配置された励起光源をも遮断する。同様に、光送信器
2−1と励起光終端部2−2との間に、励起光注入部が
必要で、さらに、この励起光注入部に接続される励起光
源が必要である。励起光源は、信号光遮断部1−9によ
るシャットダウン(Sb4)に従って遮断される構成と
なる。すなわち、主信号と同時に送信側にある励起光源
をも遮断する。
【0041】C.第3実施形態 次に、本発明の第3実施形態について説明する。図4
は、本第3実施形態による光伝送システムの構成を示す
ブロック図である。本第4実施形態で特徴的なのは、光
信号断検出部3−7,4−7が、送信器側に配備される
励起光のパワーモニタを行ない、励起光LOSを検出
し、励起光遮断部3−8,4−8が、光信号断検出部3
−7,4−8による励起光LOSの検出に従って、励起
光源1−5,2−5を遮断する点である。因みに、励起
光遮断部1−8(2−8)は、前述した第1実施形態と
同様に、励起電流を制御することにより、励起光源1−
5(2−5)の光出力を遮断するか、光スイッチにより
励起光源の光出力を遮断するようになっている。
【0042】ここで、図5は、本第3実施形態による光
信号断検出部の具体的な構成例を示すブロック図であ
る。励起光終端部1−2(2−2)は、サーキュレータ
で実現される。光信号断検出部3−7(4−7)は、バ
ンドパスフィルタ5と励起光パワーモニタ6とから構成
されている。ラマン分布増幅系では、自然放出光ASE
(Amplified Spontaneous Emission)が反対側にRaylei
gh散乱され、さらにこの散乱光がラマン増幅されるとい
うDRS(Double Rayleigh Scattering)という効果
が、受信SNを劣化させることが知られている(P.B.Ha
nsen et al., "Rayleigh Scattering limitations in d
istributed Raman pre-amplifiers", IEEE Photon.Tec
hnol., Lett., Vol.10,No.1, 1998)。
【0043】この効果は、多重反射散乱効果を伴うと、
よりシステム性能が劣化するので、通常は励起光終端に
より反射を抑えることが行われている。アイソレータな
どを用いる構成が一般的だが、本発明ではサーキュレー
タを用いて、励起光パワーモニタヘの応用を可能とす
る。本第3実施形態では、光信号断検出時には、反対向
きの光伝送システムの励起光源を遮断する。
【0044】図6は、本第3実施形態による光ファイバ
断のプロセスを示す概念図である。光ファイバ1−3が
断になると(Sc1)、励起光が送信器側にある終端手
段にまで届かなくなる。したがって、光信号断検出部3
−7により、励起光LOSを検出する(Sc2)。この
とき、励起光遮断部3−8により、励起光源2−5を遮
断し、下側に描かれている反対向きの励起光を遮断する
(Sc3)。下側の光ファイバ2−3は断ではないのだ
が、励起光が遮断されたので、下側・右側にある送信器
側の光信号信号断検出部4−7が、励起光LOSを検出
する(Sc4)。そこで、励起光遮断部4−8により、
速やかに反対の上側のシステムの励起光源1−5を遮断
する(Sc5)。このプロセスによって、光ファイバ断
による励起光の空中放出が回避できる。
【0045】D.第4実施形態 次に、本発明の第4実施形態について説明する。図7
は、本第4実施形態による光伝送システムの構成例およ
び光ファイバ断のプロセスを示すブロック図である。な
お、図4に対応する部分には同一の符号を付けて説明を
省略する。図において、光信号断検出部5−7,6−7
は、送信器側に配備される励起光のパワーモニタを行な
い、励起光LOSを検出する。信号光遮断部5−9,6
−9は、上記光信号断検出部5−7,6−7による励起
光LOSの検出に従って、光送信器1−1,2−1を遮
断する。また、励起光遮断部3−8,4−8は、第3実
施形態と同様に、光信号断検出部3−7,4−8による
励起光LOSの検出に従って、励起光源1−5,2−5
を遮断する。
【0046】図において、光ファイバ1−3が断になる
と(Sd1)、励起光が送信器側にある終端手段にまで
届かなくなる。したがって、光信号断検出部5−7によ
り励起光LOSを検出する(Sd2)。このとき、励起
光遮断部3−8により、励起光源2−5を遮断し、下側
に描かれている反対向きの励起光を遮断する(Sd
3)。同時に、信号光遮断部5−9により、光送信器1
−1を遮断し、直近の主信号光をも遮断する(Sd
3’)。
【0047】励起光遮断により、下側の光ファイバ2−
3は断ではないのだが、下側・右側にある送信器側の光
信号断検出部6−7が、励起光LOSを検出する(Sd
4)。そこで、励起光遮断部4−8により、速やかに反
対の上側のシステムの励起光源1−5を遮断する(Sd
5)。さらに、同時に、信号光遮断部6−9により、光
送信器2−1を遮断し、直近の主信号光をも遮断する。
このプロセスによって、光ファイバ断による励起光およ
び主信号光の空中放出が回避できる。
【0048】E.第5実施形態 次に、本発明の第5実施形態について説明する。図8
は、本第5実施形態の光伝送システムの一部の構成を示
すブロック図である。本第5実施形態では、光伝送シス
テムの構成は、前述した第1もしくは第2実施形態と同
様に、受信器側に光信号断検出部1−7(もしくは2−
7)を配置している。但し、光信号断検出部1−7(2
−7)が、光受信器1−6(2−6)および励起光注入
部1−8(2−8)よりも伝送路側(光ファイバ側)に
配置されているところが異なる。該光信号断検出部1−
7(2−7)は、方向性結合器(あるいは光カプラ)
8、バンドパスフィルタ9および励起光パワーモニタ1
0から構成されている。
【0049】光ファイバ断あるいはコネクタ着脱が起き
ると、励起光が空中に放出されてしまう。特に、コネク
タ着脱時には、光ファイバ1−3のコネクタ端面におい
て励起光がフレネル反射を起こし、送信している励起光
より約14dB減衰した光パワーが受信器側に戻ってく
る。
【0050】通常運用時には、光ファイバ1−3の反射
減衰量は27dBほどであるので、このフレネル反射光
をモニタすれば、コネクタ着脱あるいはファイバ断をモ
ニタ可能である。ゆえに、フレネル反射検出時に速やか
に励起光が遮断され、安全な運用が可能となる。主信号
光をも同時に遮断する方法・構成については図3と同様
である。
【0051】上述した第1ないし第5実施形態によれ
ば、ラマン分布増幅を用いた系においても、ファイバ断
あるいはコネクタ着脱時に、自動的に励起光を遮断する
ことができ、かつ遮断時間を従来の半分以下(数100
ms程度)にすることができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光信号断検出手段により、光ファイバにおける光信号ロ
スを検出されると、励起光遮断手段により、励起光源に
よる励起光を遮断するようにしたので、ラマン分布増幅
を用いた系においても、ファイバ断あるいはコネクタ着
脱時に、自動的かつ速やかに励起光を遮断することがで
きるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態による光伝送システム
の構成を示すブロック図である。
【図2】 本第1実施形態による光ファイバ断時の遮断
プロセスを示す概念図である。
【図3】 第2実施形態による光ファイバ断時のプロセ
スを示す概念図である。
【図4】 本第3実施形態による光伝送システムの構成
を示すブロック図である。
【図5】 本第3実施形態による光信号断検出部の具体
的な構成例を示すブロック図である。
【図6】 本第3実施形態による光ファイバ断のプロセ
スを示す概念図である。
【図7】 本第4実施形態による光伝送システムの構成
例および光ファイバ断のプロセスを示すブロック図であ
る。
【図8】 本第5実施形態の光伝送システムの一部の構
成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 光伝送システム 1−1 光送信器(光送信手段) 1−2 励起光終端部 1−3 光ファイバ 1−4 励起光注入部(励起光注入手段) 1−5 励起光源 1−6 光受信器(光受信手段) 1−7 光信号断検出部(光信号断検出手段) 1−8 励起光遮断部(励起光遮断手段) 1−9 信号光遮断部(信号光遮断手段) 2 光伝送システム(他方の光伝送路) 2−1 光送信器(光送信手段) 2−2 励起光終端部 2−3 光ファイバ 2−4 励起光注入部(励起光注入手段) 2−5 励起光源 2−6 光受信器(光受信手段) 2−7 光信号断検出部(光信号断検出手段) 2−8 励起光遮断部(励起光遮断手段) 2−9 信号光遮断部(信号光遮断手段) 3−7 光信号断検出部(光信号断検出手段) 3−8 励起光遮断部(励起光遮断手段) 4−7 光信号断検出部(光信号断検出手段) 4−8 励起光遮断部(励起光遮断手段) 6 励起光パワーモニタ 5−7 光信号断検出部(光信号断検出手段) 5−9 信号光遮断部(信号光遮断手段) 6−7 光信号断検出部(光信号断検出手段) 6−9 信号光遮断部(信号光遮断手段) 8 方向性結合器 10 励起光パワーモニタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 裕 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5K002 CA13 EA03 EA05 FA01 5K042 CA10 DA17 DA18 FA03 JA03 NA01

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主信号を送信する光送信手段と、該主信
    号が伝搬される光ファイバと、該光ファイバを伝搬して
    きた主信号を受信する光受信手段とを有し、前記光受信
    器側に、励起光を出力する励起光源と、該励起光を前記
    光ファイバに主信号とは逆方向に注入する励起光注入手
    段とを有する光伝送路を備える光伝送システムにおい
    て、 前記光ファイバにおける光信号ロスを検出する光信号断
    検出手段と、 前記光断検出手段により光信号ロスが検出されると、前
    記励起光源による励起光を遮断する励起光遮断手段とを
    具備することを特徴とする光伝送システム。
  2. 【請求項2】 前記光断検出手段により光信号ロスが検
    出されると、前記励起光源による励起光の遮断に加え
    て、前記光送信器、前記光ファイバおよび前記光受信器
    からなる光伝送路と同一構成、同一機能を有し、逆向き
    に設置される他方の光伝送路を介して、前記光送信手段
    による主信号を遮断する信号光遮断手段を具備すること
    を特徴とする請求項1記載の光伝送システム。
  3. 【請求項3】 前記光ファイバに主信号とは逆方向に励
    起光を注入する励起光注入手段とともに、主信号と同一
    の方向に注入される励起光を出力する順方向励起光源
    と、前記順方向励起光源からの励起光を主信号と同一の
    方向に注入する順方向励起光注入手段とを有し、 前記光信号断検出手段により光信号ロスが検出される
    と、前記逆方向の励起光源による励起光の遮断に加え
    て、前記順方向励起光源による励起光の遮断を行う順方
    向励起光遮断手段を具備することを特徴とする請求項2
    記載の光伝送システム。
  4. 【請求項4】 前記光信号断検出手段は、前記光受信手
    段における光信号ロスを検出する主信号パワーモニタで
    構成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の光伝送システム。
  5. 【請求項5】 前記光信号断検出手段は、前記光受信手
    段側の光ファイバ上に配置され、方向性結合器と励起光
    反射パワーモニタとで構成され、前記光ファイバ断によ
    る励起光のフレネル反射を検出することを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載の光伝送システム。
  6. 【請求項6】 前記励起光遮断手段は、前記励起光源の
    励起電流を制御することにより、励起光源の光出力を遮
    断することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の光伝送システム。
  7. 【請求項7】 前記励起光遮断手段は、光スイッチによ
    り前記励起光源の光出力を遮断することを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載の光伝送システム。
  8. 【請求項8】 主信号を送信する光送信手段と、該主信
    号が伝搬される光ファイバと、該光ファイバを伝搬して
    きた主信号を受信する光受信手段と、該光ファイバを伝
    搬してきた励起光を終端する励起光終端手段とを有し、
    前記光受信器側に、励起光を出力する励起光源と、該励
    起光を前記光ファイバに主信号とは逆方向に注入する励
    起光注入手段とを有する光伝送路と、前記光伝送路と同
    一構成、同一機能を有し、逆向きに設置される他方の光
    伝送路とを備える光伝送システムにおいて、前記励起光
    注入手段により注入された励起光のロスを検出する光信
    号断検出手段と、 前記光断検出手段により励起光ロスが検出されると、前
    記他方の光伝送路の励起光源による励起光を遮断する励
    起光遮断手段とを具備することを特徴とする光伝送シス
    テム。
  9. 【請求項9】 前記光断検出手段により励起光ロスが検
    出されると、前記光送信手段による主信号を遮断する信
    号光遮断手段を具備することを特徴とする請求項8記載
    の光伝送システム。
  10. 【請求項10】 前記光信号断検出手段は、前記光送信
    手段側に配置され、前記励起光終端手段における励起光
    ロスを検出する励起光パワーモニタで構成されることを
    特徴とする請求項8または9記載の光伝送システム。
  11. 【請求項11】 前記励起光遮断手段は、前記励起光源
    の励起電流を制御することにより、励起光源の光出力を
    遮断することを特徴とする請求項8または9記載の光伝
    送システム。
  12. 【請求項12】 前記励起光遮断手段は、光スイッチに
    より前記励起光源の光出力を遮断することを特徴とする
    請求項8または9記載の光伝送システム。
  13. 【請求項13】 光送信器からの主信号を光ファイバに
    より伝搬して光受信器により受信するとともに、光受信
    器側の励起光源からの励起光を前記光ファイバに主信号
    とは逆方向に注入する光伝送方法において、 前記光ファイバにおける光信号ロスを監視し、該光信号
    ロスが検出されると、前記励起光源による励起光を遮断
    することを特徴とする光伝送方法。
  14. 【請求項14】 前記光信号ロスが検出されると、前記
    励起光源による励起光の遮断に加えて、前記光送信器、
    前記光ファイバおよび前記光受信器からなる光伝送路と
    同一構成、同一機能を有し、逆向きに設置される他方の
    光伝送路を介して、前記光送信器による主信号を遮断す
    ることを特徴とする請求項13記載の光伝送方法。
  15. 【請求項15】 前記光信号ロスの監視に代えて、前記
    光受信器側における励起光ロスを監視し、励起光ロスが
    検出されると、前記光送信器、前記光ファイバおよび前
    記光受信器からなる光伝送路と同一構成、同一機能を有
    し、逆向きに設置される他方の光伝送路を介して、前記
    励起光源による励起光を遮断することを特徴とする請求
    項13記載の光伝送方法。
  16. 【請求項16】 前記励起光ロスが検出されると、前記
    励起光源による励起光の遮断に加えて、前記光送信器に
    よる主信号を遮断することを特徴とする請求項15記載
    の光伝送方法。
  17. 【請求項17】 前記励起光源の励起電流を制御するこ
    とにより、前記励起光源の光出力を遮断することを特徴
    とする請求項13記載の光伝送方法。
  18. 【請求項18】 光スイッチにより前記励起光源の光出
    力を遮断することを特徴とする請求項項13記載の光伝
    送方法。
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