JP2003218791A - 光伝送システム - Google Patents

光伝送システム

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JP2003218791A
JP2003218791A JP2002011874A JP2002011874A JP2003218791A JP 2003218791 A JP2003218791 A JP 2003218791A JP 2002011874 A JP2002011874 A JP 2002011874A JP 2002011874 A JP2002011874 A JP 2002011874A JP 2003218791 A JP2003218791 A JP 2003218791A
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Japan
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optical
signal
light
light emitting
digital
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Application number
JP2002011874A
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English (en)
Inventor
Shigeo Yoshii
重雄 吉井
Toshiya Yokogawa
俊哉 横川
Masahiro Deguchi
正洋 出口
Chiyoujitsuriyo Suzuki
朝実良 鈴木
Hiroyuki Furuya
博之 古屋
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部からの影響を受けにくく、安定性の高い
空間光伝送の手段を提供する。 【解決手段】 光送信器31において、第1発光素子
32は、第1デジタル変調信号51aに応じて直接強度
変調して、第1光デジタル信号52を生成する。第2発
光素子33は、第1デジタル変調信号51aの位相と反
転した位相を有する第2デジタ変調信号51bに応じて
第2光デジタル信号53を生成する。第1光デジタル信
号52と第2光デジタル信号53とは、空気中を伝播し
て、光受信器41に到達する。第1受光素子42は、第
1光デジタル信号52に応じて第1電気信号52aを生
成し、第2受光素子43は、第2光デジタル信号53に
応じて第2電気信号53aを生成する。第1電気信号5
2aと第2電気信号53aとが比較されて、デジタル出
力信号54が再生される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光伝送システムに関
し、特に、空間を介して光を伝播させる光伝送システム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来において、光を用いる通信のシステ
ムとしては、光ファイバーを媒体とする,長距離大容量
の伝送を用途とする手段が多いが、自由空間あるいは空
気中を伝播する光によって、より簡便に短距離の機器間
通信を行う手段もある。従来の空間伝送による光通信の
代表的な規格としては、IrDA (Infrared Data Associat
ion) 規格がある。
【0003】従来の空間を介する光伝送システムの構成
の例について、図7を参照しながら説明する。図7は、
従来の空間を介する光伝送装置の構成を示した図であ
る。
【0004】図7に示すように、従来の空間を介する光
伝送システムでは、発光ダイオード素子102および出
射レンズ103を有する光送信器101と、入射レンズ
112および受光素子113を有する光受信器111と
が用いられる。デジタル変調信号121が光送信器10
1に到達すると、光送信器101では、デジタル変調信
号121に基づいて発光ダイオード素子102が強度変
調し、信号光122が形成される。信号光122は、出
射レンズ103により出射方向を絞られた後、空間中を
伝播して光受信器111に到達する。信号光122は、
光受信器111に到達すると、入射レンズ112により
集光された後に受光素子113に入射する。すると、受
光素子113では、信号光122の入射強度に基づいて
デジタル受信信号123が形成され、デジタル受光信号
123が再生される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
空間を介する光伝送システムにおいては、外乱による影
響が大きいという不具合があった。それについて、図7
を参照しながら説明する。
【0006】まず、受光素子113には、光送信器10
1からの信号光122に加えて、外部からの自然光や照
明光などである外乱光124,外乱光125が入射す
る。すると、受光素子113は、信号光122にオフセ
ットが加わって入射光レベル全体が上昇した入射光を受
光することになる。ここで、信号光122が赤外線であ
る場合には、赤外線透過(可視光吸収)フィルターを用
いると、外乱光124のうち可視光領域にある光をある
程度抑制できるが、可視光領域にある外乱光124のう
ちの一部は受光素子113に到達してしまう。また、赤
外線透過フィルターは、外乱光124のうち赤外線領域
にある光を透過してしまう。
【0007】以上のように光受信器111が受ける入射
光が変化した場合に、通常は、デジタル変調信号121
におけるハイ/ローの出現確率に偏りをなくすため、元
となる信号を加工し、受信時に平均受光レベルを閾値と
して信号レベルのハイ/ロー判別を行う手法などを用い
ることにより外乱の影響を抑制している。この手法は、
通信時において、外乱光124の強度が一定である場合
には有効である。
【0008】しかし、通信時において、外乱光124の
強度が一定でなく、信号光強度に対して無視できないノ
イズ成分を含む場合、一時的に受光素子113に外部か
ら光が当たる場合、あるいは当たっていた光が遮断され
る場合には、受光素子113への入射光のオフセットレ
ベルが変化するので、光受信器111は信号レベルを判
別できない。例えば、受光素子113に変動する外乱光
125が入射すると、光受信器111の出力信号は、外
乱光125の影響を受けた出力信号126となってしま
い、もとのデジタル変調信号121を再現することがで
きない。受光素子113が外部からの電磁波ノイズを受
けた場合も、同様の影響を被ってしまう。
【0009】さらに、通信時において、光送信器101
と光受信器111との間の距離や相対的な位置関係が変
わることなどによって光送信器101と光受信器111
との光学的結合状態が変化すると、受光素子113が受
光する入射光の振幅が変化してしまい、光受信器111
では信号の再生に失敗する。例えば、光送信器101あ
るいは光受信器111の一方が移動した場合、両者の向
き合う角度がずれた場合、光が伝播する空間の一部を遮
蔽物が横切った場合などでは、光受信器111に伝達す
る入射光の信号レベルが変化する。
【0010】このように信号光122に対する入射光の
強度が変化すると、以下のような不具合が生じてしま
う。例えば、光受信器111において、入射光のハイ/
ローの判別を行う閾値レベルが、信号光122の信号振
幅の1/2のレベルに設定されている場合には、入射光
の強度が信号光122の強度の1/2未満になると、入
射光は全てローレベルと判断されてしまう。つまり、外
乱の影響により変動した後の入射光の強度が、通信の維
持自体には十分な強度を保っていても、外乱の影響を受
ける前の信号光122の強度と比較して変化が大きけれ
ば、光受信器111が平均受光レベルの変化を検知して
閾値を修正するまでの間、正しく信号を再生することが
できない。
【0011】これらの不具合は、信号再生エラーにより
通信が遮断されたり、通信効率が著しく低下する原因と
なる。特に、音声や動画像などのストリーム信号の伝送
において、このような通信の中断や通信状態の劣化は、
アプリケーションのサービス品質を著しく劣化させる。
【0012】ところで、光通信における発光素子として
発光ダイオード素子を用いる場合には、素子の応答速度
が遅く、伝送速度が限定されていた。そのため、従来か
ら、駆動部に微分回路を用いることによって、発光ダイ
オード素子の駆動の高速化が図られていたものの、十分
な効果は得られていなかった。
【0013】本発明の目的は、上述のような課題を解決
することにより、外部からの影響を受けにくく、安定性
の高い空間光伝送の手段を提供することを目的とする。
また、発光ダイオード素子を用いた場合に、伝送速度を
改善することも目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の光伝送システム
は、信号を受けて上記信号に応じて強度変調された第1
光信号を出力する第1発光素子と、上記信号を受け,上
記信号の位相を反転してなる反転信号を生成する手段
と、上記反転信号に応じて強度変調された第2光信号を
出力する第2発光素子とを有する光送信器と、上記第1
光信号を受けて第1信号を生成する第1受光素子と、上
記第2光信号を受けて第2信号を生成する第2受光素子
とを有し、上記第1信号と上記第2信号とを比較した結
果の出力信号を出力する光受信器とを備える。
【0015】これにより、光受信器において、第1受光
素子が生成する第1信号と、第2受光素子が生成する第
2信号とでは、信号に起因する値の位相は反転している
が、外乱に起因する値の位相は反転していないので、第
1信号と第2信号を比較して出力信号を生成することに
より、外乱の影響を抑制することができる。
【0016】上記第1光信号と上記第2光信号とが、気
体中を伝播して上記光受信器に到達することにより、生
じやすい外乱の影響を効果的に抑制することができる。
【0017】上記光送信器において、上記第1光信号と
上記第2光信号とが、1つの出射レンズにより絞られて
出力されることにより、第1光信号と第2光信号との光
軸のずれが抑制され、両者の光結合状態は同等となるた
め、通信時における光結合状態の調整が容易になり、さ
らに、通信の安定化を図ることができる。
【0018】上記光受信器において、上記第1光信号と
上記第2光信号とが、1つの入射レンズにより集光され
ることにより、第1光信号と第2光信号との光軸のずれ
が抑制され、両者の光結合状態は同等となるため、通信
時における光結合状態の調整が容易になり、さらに、通
信の安定化を図ることができる。
【0019】上記光送信器では、上記第1発光素子と上
記第2発光素子とが、上記信号および上記反転信号を微
分する機能を有する駆動回路により駆動されることによ
り、立ち上げ時,立ち下げ時の応答を高速化することが
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下に、本実
施形態の光伝送システムについて、図1を参照しながら
説明する。図1は、第1の実施形態における光伝送シス
テムに用いる装置の構成を示す図である。
【0021】図1に示すように、本実施形態の光伝送シ
ステムでは、遅延回路6,インバータ7,第1発光素子
(発光ダイオード素子)2,第2発光素子(発光ダイオ
ード素子)3,第1出射レンズ4,第2出射レンズ5か
らなる光送信器1と、第1入射レンズ14,第2入射レ
ンズ15,第1受光素子(フォトダイオード素子)1
2,第2受光素子(フォトダイオード素子)13からな
る光受信器11とが用いられる。
【0022】光送信器1にデジタル変調信号21が入射
すると、デジタル変調信号21は、第1デジタル変調信
号21aと第2デジタル変調信号21bとに分かれる。
第1デジタル変調信号21aは、遅延回路6を介して、
第1発光素子2に到達する。すると、第1発光素子2は
第1デジタル変調信号21aに応じて直接強度変調さ
れ、第1波長を有する第1光デジタル信号22を出射す
る。
【0023】一方、第2デジタル変調信号21bは、イ
ンバータ7に到達して位相が反転してから、第2発光素
子3に到達する。すると、第2発光素子3は直接強度変
調され、第2波長を有する第2光デジタル信号23を出
射する。
【0024】なお、第1光デジタル信号22および第2
光デジタル信号23の波長としては、用途に応じて発光
ダイオード素子を選択することにより、任意の波長を選
択することができる。例えば、第1波長と第2波長とし
て、赤外線領域では、700nmと850nm、850
nmと950nm、可視光−赤外線領域では、600n
mと850nm、可視光領域では、410nmと600
nm、600nmと650nmなどを選択することがで
きる。ここで、第1光デジタル信号22の波長と第2光
デジタル信号23の波長とが20nm以上異なると、光
フィルター等により分離することが容易になる。また、
第1波長および第2波長は、いずれもが300nm以上
1000nm以下であると、本実施形態の光伝送システ
ムを構成することが容易となる。特に、光伝送の形態が
空間伝送である場合には、第1波長および第2波長が、
いずれも700nm以上1000nm以下の領域にある
ことにより、人体の視覚に対して安全であり、また可視
光線の影響抑制を容易にすることができる。また、光伝
送の形態がプラスティック光ファイバーを用いる伝送で
ある場合には、第1波長および第2波長が、いずれも3
00nm以上700nm以下の領域にあることにより、
光伝送効率を良好に保つことが容易となる。
【0025】第1光デジタル信号22および第2光デジ
タル信号23は、それぞれ、第1出射レンズ4および第
2出射レンズ5により絞られた後、外部に放射され、自
由空間中(通常は空気中)を伝播して、光受信器11に
到達する。
【0026】ここで、上記のような出射レンズを設ける
かわりに、各発光素子のパッケージや封止体にレンズの
機能を持たせる方法や、各発光素子の発光面上に、波長
選択性の光フィルターを設ける方法などを用いてレンズ
を省略してもよい。このような方法は、特に、近距離間
の空間光伝送を行なう場合や、プラスチック光ファイバ
ーを突き合わせて結合させる場合に有効である。
【0027】光受信器11において、第1入射レンズ1
4には、第1光デジタル信号22の第1波長の光を透過
しやすく、第2光デジタル信号23の第2波長の光を遮
断しやすいレンズが用いられている。一方、第2入射レ
ンズ15には、第2波長の光を透過しやすく、第1波長
の光を遮断しやすいレンズが用いられている。そのた
め、第1受光素子12には、第1入射レンズ14を通過
した第1光デジタル信号22が主に到達し、第2受光素
子13には、第2入射レンズ15を通過した第2光デジ
タル信号23が主に到達する。
【0028】ここで、上記のような入射レンズを設ける
方法の他に、各受光素子のパッケージや封止体にレンズ
の機能を持たせる方法、各受光素子の入射面上に、波長
選択性の光フィルターを設ける方法および受光素子自身
の波長選択性を利用する方法などを用いてもよい。この
ような方法は、特に、近距離間の空間光伝送を行なう場
合や、プラスチック光ファイバーを突き合わせて結合さ
せる場合に有効である。これらの方法を用いた場合に
も、第1受光素子12および第2受光素子13が検出す
る光の波長に選択性を持たせることができる。ここで、
レンズを用いる方法,光フィルターを用いる方法など、
どの方法においても、第1受光素子12と第2受光素子
13とが検出する第1波長と第2波長の入射光に対する
感度の選択比は、3倍以上にすることが好ましい。
【0029】次に、光受信器11は、第1受光素子12
が生成する第1電気信号22aと、第2受光素子13が
生成する第2電気信号23aとを比較して、その比較結
果に基づいてデジタル出力信号24を生成し、信号再生
を行う。
【0030】ここで、光受信器11における第1電気信
号22aと第2電気信号23aとを比較してデジタル出
力信号24を生成する方法としては、例えば、2つの信
号値の差の値をもとにデジタル出力信号24を出力する
方法や、2つの信号の強弱を比較判定した結果に応じて
デジタル出力信号24を出力する方法などがある。
【0031】上記の2つの方法のうち、まず、2つの信
号値の差の値をもとにデジタル出力信号を出力する方法
について述べる。この方法を用いた場合に、光受信器1
1に外乱の影響が加わった場合には、外乱に対する第1
受光素子12および第2受光素子13の感度が同一であ
れば、外乱に起因する第1電気信号22aの変化と、第
2電気信号23aにおける変化とは同じになる。つま
り、第1電気信号22aと第2電気信号23aとにおい
て、必要な信号の強度変化は互いに相反する変化を示す
のに対し、外乱に起因する不要な信号は同一の変化を示
す。このとき、光受信器11は、各受光素子が生成する
電気信号の差の値を元にしてデジタル出力信号24を再
生するので、外乱に起因する信号は消去される。このと
き、デジタル出力信号24を生成する基礎となる差信号
の振幅レベルは、第1電気信号22aおよび第2電気信
号23aの振幅レベルの約2倍となる。ここで、各受光
素子の外乱に対する感度は、同一でなくても、同程度で
あれば、外乱の影響を十分抑制することができる。
【0032】次に、2つの信号の強弱を比較判定し、そ
の結果に応じてデジタル出力信号24を出力する方法に
ついて述べる。この方法を用いた場合には、上記の方法
と同様の外乱の影響を抑制することができる。それに加
えて、2つの信号の強度変化が互いに逆となる信号変化
のみ検出する処理を行うことで、第1受光素子12と第
2受光素子13とにおける外乱の影響が異なる場合に
も、光受信器11は、各受光素子が生成する電気信号の
うち互いに逆の変化を示す部分以外は排除してデジタル
出力信号24を再生するため、外乱の影響を抑制するこ
とができる。
【0033】ここで、外部からの光の入射に起因する外
乱の例として、外乱光25が光受信器11に入射する場
合を考える。この場合には、第1受光素子12が生成す
る第1電気信号22aと第2受光素子13が生成する第
2電気信号23aとが変化するが、光受信器11は、こ
れら2つの電気信号を比較してデジタル出力信号24を
再生するため、外乱光25の影響を排除することができ
る。
【0034】なお、外乱光25が可視光線である場合に
は、第1光デジタル信号22および第2光デジタル信号
23の波長を赤外線領域とすることにより、攪乱を効果
的に防ぐことができる。
【0035】また、蛍光灯光などの照明光に対する第1
受光素子12の感度と第2受光素子13の感度との比が
1/2以上でかつ2倍以下であることにより、照明光の
影響を1/2未満に抑制することができる。
【0036】次に、光学的結合の変化に起因する外乱の
例として、光送信器1と光受信器2との間の空間を遮蔽
物が横切ることにより、両者の光学的な結合が急激に1
/2未満となる場合を考える。第1受光素子12および
第2受光素子13に入射する光強度が減少するので、各
受光素子の電気的出力も1/2未満となる。しかし、各
受光素子の電気的出力が同じだけ減少するので、光受信
器2の再生するデジタル出力信号24には外乱の影響が
現れない。つまり、第1受光素子12および第2受光素
子13が受光する光の強度が、通信の維持自体に必要な
強度の最低レベル以上であれば、通信が可能となる。
【0037】さらに、本実施形態においては、信号光の
ハイ/ローレベルの判定は、光受信器11における2つ
の信号光の強度比較により行うことができるため、従来
のように、平均受光レベルをモニターして閾値を設定す
る必要がない。これにより、外乱の影響により信号の強
度が変化しても、ハイ/ロー判定を正確に行うことが可
能となる。また、光受信器11の回路を簡素化でき、従
来には必要であった光送信器1の前段階の変調器と、光
受信器の後段階の復調器とを省略することができる。
【0038】(第2の実施の形態)以下に、本実施形態
の光伝送システムについて、図2を参照しながら説明す
る。図2は、第2の実施形態における光伝送システムに
用いる装置の構成を示す図である。
【0039】図2に示すように、本実施形態の光伝送シ
ステムでは、遅延回路36,インバータ37,第1発光
素子(発光ダイオード素子)32,第2発光素子(発光
ダイオード素子)33,出射レンズ34からなる光送信
器31と、入射レンズ44,第1受光素子42,第2受
光素子43からなる光受信器41とからなる。
【0040】光送信器31にデジタル変調信号51が入
射すると、デジタル変調信号51は、第1デジタル変調
信号51aと第2デジタル変調信号51bとに分かれ
る。第1デジタル変調信号51aは、遅延回路36を介
して、第1発光素子32に到達する。すると、第1発光
素子32は、第1デジタル変調信号51aに応じて直接
強度変調して、第1波長を有する第1光デジタル信号5
2を出射する。
【0041】一方、第2デジタル変調信号51bは、イ
ンバータ37に到達して、位相が反転してから、第2発
光素子33に到達する。すると、第2発光素子33は、
直接強度変調し、第2波長を有する第2光デジタル信号
53を出射する。
【0042】ここで、図2においては、第1発光素子3
2と第2発光素子33とが1mm以下の距離で近接して
設けられていることにより、第1発光素子32の発光領
域と、第2発光素子33の発光領域とは、近似する発光
面を有している。ただし、本発明においては、光結合器
や積層型の発光素子を用いることによって、各発光素子
の発光領域が同一の発光面を有することも可能である。
【0043】次に、第1光デジタル信号52と第2光デ
ジタル信号53とは、出射レンズ34により絞られて放
射され、自由空間中(通常は空気中)を伝播する。ここ
で、上記のような出射レンズを設けるかわりに、各発光
素子の発光面上に、波長選択性の光フィルターを設ける
方法などを用いてレンズを省略してもよい。
【0044】光受信器41に到達した第1光デジタル信
号52および第2光デジタル信号53は、入射レンズ4
4を介して、第1受光素子42および第2受光素子43
に到達する。ここで、第1受光素子42と第2受光素子
43とは、1mm以下の距離で近接して設けられてい
る。これにより、2つの受光素子の受光領域は近似する
受光面を有することになるので、単一の入射レンズ44
を透過する第1光デジタル信号52と第2光デジタル信
号53とを受光することができる。ただし、本発明にお
いては、光結合器や積層型の受光素子を用いることによ
って、各受光素子が同一の受光面を有することも可能で
ある。
【0045】第1受光素子42および第2受光素子43
の入射面には、波長選択性の光フィルターが設けられて
いる。これにより、第1受光素子42では、第1光デジ
タル信号52の第1波長の光に対する感度が第2波長の
光に対する感度より十分に高くなり、第1波長の光を選
択的に受光することができる。一方、第2受光素子43
では、第2光デジタル信号53の第2波長の光に対する
感度が第1波長の光に対する感度より十分高くなり、第
2波長の光を選択的に受光することができる。ここで、
各受光素子の波長選択比は、3倍以上であることが好ま
しい。
【0046】次に、光受信器41は、第1受光素子42
が生成する第1電気信号52aと、第2受光素子43が
生成する第2電気信号53aとを比較して、その比較結
果に基づいてデジタル出力信号54を生成し、信号再生
を行なう。信号再生の方法は、第1の実施形態の方法と
同様である。
【0047】以下に、本実施形態の光受信器41の具体
的な構成例について、図3を参照しながら説明する。図
3は、第2の実施形態の光受信器の構成を示す図であ
る。
【0048】図3に示すように、本実施形態の光受信器
41は、入射レンズ44と、第1光フィルター45と、
第1フォトダイオード素子42aと、第1負荷抵抗47
と、第2光フィルター46と、第2フォトダイオード素
子43aと、第2負荷抵抗48と、比較装置49と、波
形成形装置50とから構成されている。ここで、第1光
フィルター45は、第1波長の光を、第2波長の光より
も3倍以上透過しやすい性質を有している。第2光フィ
ルター46は、第2波長の光を、第1波長の光よりも3
倍以上透過しやすい性質を有している。
【0049】第1光デジタル信号52と第2光デジタル
信号53とが光受信器41に到達すると、まず、入射レ
ンズ44を透過する。その後、第1光デジタル信号52
は第1波長を有するので、主に、第1光フィルター45
を透過して第1フォトダイオード素子42aに到達し、
第2光デジタル信号53は第2波長を有するので、主
に、第2光フィルター46を透過して第2フォトダイオ
ード素子43aに到達する。
【0050】第1フォトダイオード素子42aおよび第
2フォトダイオード素子43aは、、それぞれ、第1負
荷抵抗47および第2負荷抵抗48を介して接地されて
おり、通信時には、逆バイアス電圧を印加される。第1
負荷抵抗47および第2負荷抵抗48の電位は、差動増
幅機能を有する比較装置49に入力されて比較される。
比較結果が波形成形装置50に入力されることにより、
デジタル出力信号54が外部に出力される。
【0051】もし、第1負荷抵抗47の電位および第2
負荷抵抗48の電位を各々一度電圧増幅した後に比較す
ると、初期増幅段において外乱光等による共通電位部分
も増幅することになるので、混入する雑音の強度が増大
してしまう。しかし、図3に示すような光受信器におい
ては、比較装置49に各電位が直接入力されて比較さ
れ、共通電位が初段でキャンセルされるので、従来より
も初期増幅に伴う雑音の混入を抑制することができる。
【0052】しかし、本発明においては、例えば第1光
デジタル信号52と第2光デジタル信号53との強度,
伝達効率および受信感度等が異なる場合には、初段で各
電位を電圧増幅することによって両者の電圧振幅を揃え
てから、各電位を比較することで信号再生を安定化して
もよい。
【0053】なお、図3においては、光フィルターによ
り2種類の波長の光の分岐を行っているが、そのかわり
に、波長選択性を有する半反射鏡や光分岐装置を用いて
もよい。その場合には、第1フォトダイオード素子42
aへの入射光と第2フォトダイオード素子43aへの入
射光の光軸を一致させることができる。上記構成は、特
に、光ファイバーを媒体として光伝送する際のファイバ
ー端との光結合に適している。
【0054】本実施形態では、第1の実施形態と同様の
効果を得ることができ、外乱光,光学的結合状態の変化
および電磁ノイズなどによる外部からの影響を抑制し、
安定な光通信を実現することができる。さらに、出射レ
ンズ34および入射レンズ44を単一にすることにより
得られる効果について、第1の実施形態の場合と比較し
ながら説明する。
【0055】まず、第1の実施形態では、光送信器1に
おいて、第1波長の第1光デジタル信号22と、第2波
長の第2光デジタル信号23とを、別の出射レンズを介
して出射する。光受信器11においても、第1光デジタ
ル信号22と第2光デジタル信号23とを、別の入射レ
ンズにより入射する。
【0056】それに対し、本実施形態では、光送信器3
1において、第1発光素子32の発光領域と第2発光素
子33の発光領域とが同一あるいは近似の発光面を有し
ており、単一の出射レンズ34が用いられる。光受信器
41において、第1受光素子42の受光領域と第2受光
素子43の受光領域とが同一または近似の受光面を有し
ており、単一の入射レンズ44が用いられる。これによ
り、第1光デジタル信号52と第2光デジタル信号53
との光放射時と光集光時における光軸のずれが抑制さ
れ、2つの信号光の空間中における伝播経路はほぼ一致
し、両者の光結合状態は同等となっている。このことか
ら、通信時には、2つの光信号の結合状態を調整する必
要がなく、2つの光信号のうちの一方の光結合(あるい
は両者の光結合の和)が通信可能となるように設定する
と、2つの光信号を通信可能とすることができるので、
光結合状態の調整が容易になり、さらに通信が安定化す
る。また、第1の実施の形態と比較して、放射レンズお
よび入射レンズの使用数を少なくすることができる。こ
のことから、本実施形態においては、光軸合わせが容易
となり、部品コストの削減も図ることができる。
【0057】(第3の実施の形態)以下に、本実施形態
の光伝送システムについて、図4を参照しながら説明す
る。図4は、第3の実施形態における光伝送システムに
用いる装置の構成を示す図である。 図4に示すよう
に、本実施形態の光伝送システムでは、遅延回路66,
インバータ67,第1発光素子(発光ダイオード素子)
62,第2発光素子(発光ダイオード素子)63,出射
レンズ64からなる光送信器61と、入射レンズ74,
第1受光素子72,第2受光素子73からなる光受信器
71とからなる。
【0058】光送信器71にアナログ変調信号81が入
射すると、アナログ変調信号81は、第1アナログ変調
信号81aと第2アナログ変調信号81bとに分かれ
る。第1アナログ変調信号81aは、遅延回路66を介
して、第1発光素子62に到達する。すると、第1発光
素子62は、第1アナログ変調信号81aに応じて直接
強度変調して、第1波長を有する第1光アナログ信号8
2を出射する。
【0059】一方、第2アナログ変調信号81bは、イ
ンバータ67に到達して、位相が反転してから、第2発
光素子63に到達する。すると、第2発光素子63は、
直接強度変調し、第2波長を有する第2光アナログ信号
83を出射する。
【0060】ここで、図4においては、第2の実施形態
と同様に、第1発光素子62と第2発光素子63とが1
mm以下の距離で近接して設けられている。しかし、光
結合器や積層型の発光素子を用いることにより、各発光
素子の発光領域が同一の発光面を有することも可能であ
る。
【0061】次に、第1光アナログ信号82と第2光ア
ナログ信号83とは、出射レンズ64により絞られて放
射され、自由空間中(通常は空気中)を伝播する。ここ
で、出射レンズ64のかわりに、第1光アナログ信号8
2を主に透過するための第1出射レンズと、第2光アナ
ログ信号83を主に透過するための第2出射レンズとを
設けてもよい。また、各発光素子のパッケージや封止材
にレンズとしての機能を備えることにより、出射レンズ
64を省略することもできる。
【0062】第1受光素子72および第2受光素子73
の入射面には、波長選択性の光フィルターが設けられて
いる。これにより、第1受光素子72では、第1光アナ
ログ信号82の第1波長の光に対する感度が第2波長の
光に対する感度より十分に高くなり、第1波長の光を選
択的に受光することができる。一方、第2受光素子73
では、第2光アナログ信号83の第2波長の光に対する
感度が第1波長の光に対する感度より十分高くなり、第
2波長の光を選択的に受光することができる。ここで、
各受光素子の波長選択比は、3倍以上であることが好ま
しい。
【0063】次に、光受信器71は、第1受光素子72
が生成する第1電気信号82aと、第2受光素子73が
生成する第2電気信号83aとを比較して、その比較結
果に基づいてアナログ出力信号84を生成し、信号再生
を行なう。信号再生の方法は、第1の実施形態のデジタ
ル出力信号の再生方法と同様である。
【0064】ここで、光受信器71において、入射レン
ズ74のかわりに、第1光アナログ信号82を主に透過
するための第1入射レンズと、第2光アナログ信号83
を主に透過するための第2入射レンズとを設けてもよ
い。また、各受光素子のパッケージや封止材にレンズと
しての機能を備えることにより、入射レンズ74を省略
することもできる。
【0065】また、以上では、アナログ信号を伝搬する
場合について述べたが、本発明においては、光伝送シス
テムの途中において、アナログ信号をデジタル信号に変
換してもよい。例えば、デジタル信号により変調したア
ナログ信号を本発明の伝送システムを用いて伝送する
と、帯域の異なる複数のデジタル信号やアナログ信号が
混合した信号を伝達することもできる。
【0066】本実施形態では、第1の実施形態と同様の
効果を得ることができ、外乱光,光学的結合状態の変化
および電磁ノイズなどによる外部からの影響を抑制し、
安定な光通信を実現することができる。さらに、単一の
出射レンズ64と単一の入射レンズ74とを用いた場合
には、第2の実施形態と同様の効果を得ることができ、
光軸合わせが容易となり、部品コストの削減が可能にな
り、さらに通信を安定化させることができる。
【0067】(第4の実施の形態)以下に、本実施形態
の光伝送システムについて、図5を参照しながら説明す
る。図5は、第4の実施形態における光送信器の構成を
示す図である。
【0068】図5に示すように、本実施形態の光送信器
91は、信号分岐部95と、遅延回路89と、インバー
タ90と、第1駆動部96と、第2駆動部97と、第1
発光ダイオード素子92と、第2発光ダイオード素子9
3と、出射レンズ94とを備えている。
【0069】光送信器91に到達したデジタル変調信号
98は、信号分岐部95において、第1デジタル変調信
号98aと第2デジタル変調信号98bとに分かれる。
第2デジタル変調信号98bは、インバータ90により
位相が反転する。
【0070】第1駆動部96および第2駆動部97は、
CR(静電容量−抵抗)回路等の微分回路を備えてお
り、入力信号を所定の微分量で微分する機能を有してい
る。この機能により、第1デジタル変調信号98aが第
1駆動部96に入射することにより、ハイ/ロー信号の
立ち上がり時,立ち下がり時にピークを有する(ピーキ
ングされた)電流が、第1発光ダイオード素子92を駆
動する。同様に、第2デジタル変調信号98bが第2駆
動部97に入射することにより、ハイ/ロー信号の立ち
上がり時,立ち下がり時にピークを有する電流が、第2
発光ダイオード素子93を駆動する。
【0071】すると、第1発光ダイオード素子92から
は、第1波長を有する第1光デジタル信号99が放射さ
れ、第2発光ダイオード素子93からは、第2波長を有
する第2光デジタル信号100が放射される。第1光デ
ジタル信号99と第2光デジタル信号100とは、互い
に反転した位相を有しており、いずれも出射レンズ94
によって絞られて外部に放射される。
【0072】放射された第1光デジタル信号99および
第2光デジタル信号100は、例えば、第2の実施形態
の受信器41を用いることによって信号再生をすること
ができる。
【0073】以下に、本発明の光送信器91における第
1駆動部96および第2駆動部97の機能について、従
来と比較しながら説明する。
【0074】従来から、光通信における発光素子として
発光ダイオード素子を用いる場合には、素子の応答速度
の遅さを改善するため、駆動部に微分回路を用いること
によって、発光ダイオード素子の駆動の高速化が図られ
ていた。それについて、以下に、図6(a),(b)を
参照しながら説明する。図6(a),(b)は、微分回
路を用いた場合の光デジタル信号を示したグラフ図であ
る。
【0075】図6(a)に示すように、従来において
は、発光ダイオード素子におけるハイ/ロー信号の立上
り応答は比較的容易に改善できるものの、立下り応答を
改善することが困難であった。発光が開始する立上げ時
において、発光ダイオード素子に電荷を注入することが
比較的容易であるのに対し、発光が終了する立下げ時に
おいて、発光ダイオード素子から一時的に大電流を引き
抜くことは困難であるからである。発光ダイオード素子
から大電流を引き抜くためには、電流引き抜き用の回路
を設けたり、正負電源を用いたりするなどの複雑な回路
が必要であり、駆動のための消費電力も増大してしま
う。さらに、発光ダイオード素子においては、高電流注
入時(発光時)と、低電流注入時(消光時)とでは電気
的特性が異なり、発光応答時定数も異なるため、立上り
時と立下り時の両方に適応可能である微分回路を設定す
ることも困難である。
【0076】一方、立下り応答を高速化するために、さ
らに微分量を増大すると、図6(b)に示すように、立
ち下がり時における応答はある程度改善されるものの、
立ち上がり時においては、駆動回路の微分量が発光ダイ
オード素子の時定数を超えることによってオーバーシュ
ートして、光応答にピークが発生してしまうおそれが生
じる。
【0077】従来の光送信器においては、光応答にピー
クが発生すると、発光立上りの直後の光出力の強度と、
一定時間経過後の光出力の強度とが異なることから、光
受信器におけるハイ/ロー判別のための閾値設定が困難
になる。例えば、ハイ/ローが交互に送信され、ハイに
立ち上がる回数が通常より著しく多いような状態では、
全体としての平均信号レベルが増加するので、閾値が高
くなってしまう。その後、しばらくの間ハイの状態が続
くと光出力は徐々に低下してしまうので、その信号にお
けるハイ状態をロー状態と誤認識するおそれがある。
【0078】また、ハイ状態の信号が入力されて、立ち
上がり時のピークの減衰時間が1bitの送信時間を超
える場合には、その次にロー状態の信号が入力されても
発光強度が十分立下がらずに、ハイ状態と誤認識される
可能性もある。
【0079】それに対し、本実施形態の光送信器91に
おいては、第1駆動部96と第2駆動部97とに微分回
路が備わっており、第1発光ダイオード素子92と第2
発光ダイオード素子93とが、立ち上がり時,立ち下が
り時にピークを有する第1光デジタル信号99と第2光
デジタル信号100とを生成する。そして、この2つの
光デジタル信号が光受信器に到達すると、2つの光デジ
タル信号を比較することによりハイ/ロー判別が行われ
る。ここでは、従来のように、1つの光信号の強度から
ハイ/ロー判別の閾値を設定する必要がないので、2つ
の光デジタル信号が、図6(b)に示すように、オーバ
ーシュートによるピークを有している場合にも、ハイ/
ロー判別には影響が及ばない。むしろ、オーバーシュー
トによってピークが発生すると、第1光デジタル信号9
9と第2光デジタル信号100との強度差が大きくなる
ので、ハイ/ロー判別が容易となる。以上のことから、
第1駆動部96と第2駆動部97とにおいては、大微分
量の微分を行なうことが可能となるため、立ち上げ時,
立ち下げ時の応答を高速化することができる。さらに、
第1光デジタル信号99と第2光デジタル信号100と
のうちの一方の応答が高速化されておれば、他方の応答
が遅い場合でも、その遅さをカバーすることができる。
なお、以上では、オーバーシュートにより発生するピー
クは、立ち上げ時と立ち下げ時のどちらに発生してもよ
い。
【0080】なお、本実施形態の光送信器91において
は、出射レンズ94のかわりに、第1光デジタル信号9
9を主に透過するための第1出射レンズと、第2光デジ
タル信号100を主に透過するための第2出射レンズと
を設けてもよい。また、各発光ダイオード素子のパッケ
ージや封止材にレンズとしての機能を備えることによ
り、出射レンズ94を省略することもできる。これらの
場合には、第1の実施形態の光受信器11を用いること
によって信号再生を行うことができる。
【0081】また、本実施形態の光送信器91は、デジ
タル信号ではなく、アナログ信号を用いた場合にも適用
することができる。その場合には、第3の実施形態の光
受信器71を用いることによって、信号再生をすること
ができる。
【0082】(その他の実施形態)本発明においては、
外乱の原因として、外乱光の入射や遮蔽物の通過の他
に、光送信器・光受光器の位置関係の変動、屋外におけ
る通信時の雨粒、霧の発生、受光素子への電磁ノイズ侵
入、発光素子駆動部への電磁のノイズ侵入、発光素子の
温度上昇などが考えられ、これらに起因する外乱の影響
を抑制することができる。
【0083】上記のような外乱の原因の中で、特に、受
光素子を外部電磁場からシールドすることは困難であ
り、通信品質の劣化を招く要因であったが、本発明の光
伝送システムを適用することにより、電磁ノイズの影響
を効果的に抑制できる。従って、外部電磁場がある場合
でも、通信の信頼性を向上することができる。
【0084】上記実施形態では、発光素子として発光ダ
イオード素子を用いた空間光伝送について述べたが、本
発明においては、発光素子として、面発光型レーザ素
子、あるいはその他の発光素子を用いても同様の効果を
得ることができる。また、伝送媒体として、プラスチッ
ク光ファイバー、導波路、あるいはその他の媒体を用い
てもよい。
【0085】上記実施形態の光伝送システムは、特に、
空間を介する光伝送に適用することが有効である。それ
は、空間を介する光伝送においては、光の伝送速度は波
長に依存せず同一であり、長距離の通信を行っても信号
到着時刻の差異は発生しないからである。
【0086】また、上記実施形態の光伝送システムは、
光ファイバーを用いた光伝送の場合には、500m以下
の短距離の通信において適用すると、波長分散による到
着時刻の差異の影響が小さいので、上記のような効果を
得ることができる。
【0087】さらに、光ファイバーを用いた光伝送の場
合で、かつ長距離の通信を行なう場合には、波長が分散
することから光の伝達速度はその光の波長によって異な
り、光受信器への光の到達時刻にも差異が生じてしま
う。しかし、伝送距離に応じて、一方の信号光を遅延さ
せたり逆分散ファイバーを利用することによって信号の
到達時刻を調整すると、上記実施形態を適用した場合
に、効果を得ることができる。
【0088】
【発明の効果】本発明の光伝送システムにおいては、外
乱からの影響を受けにくく、安定性が高く、伝送速度の
速い光伝送システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における光伝送システムに用い
る装置の構成を示す図である。
【図2】第2の実施形態における光伝送システムに用い
る装置の構成を示す図である。
【図3】第2の実施形態の光受信器の構成を示す図であ
る。
【図4】第3の実施形態における光伝送システムに用い
る装置の構成を示す図である。
【図5】第4の実施形態における光送信器の構成を示す
図である。
【図6】(a),(b)は、微分回路を用いた場合の光
信号を示したグラフ図である。
【図7】従来の空間を介する光伝送装置の構成を示した
図である。
【符号の説明】
1 光送信器 2 第1発光素子 3 第2発光素子 4 第1出射レンズ 5 第2出射レンズ 6 遅延回路 7 インバータ 11 光受信器 12 第1受光素子 13 第2受光素子 14 第1入射レンズ 15 第2入射レンズ 21 デジタル変調信号 21a 第1デジタル変調信号 21b 第2デジタル変調信号 22 第1光デジタル信号 23 第2光デジタル信号 24 デジタル出力信号 25 外乱光 31 光送信器 32 第1発光素子 33 第2発光素子 34 出射レンズ 41 光受信器 42 第1受光素子 42a 第1フォトダイオード素子 43 第2受光素子 43a 第2フォトダイオード素子 44 入射レンズ 45 第1光フィルター 46 第2光フィルター 47 第1負荷抵抗 48 第2負荷抵抗 49 比較装置 50 波形成形装置 51 デジタル変調信号 51a 第1デジタル変調信号 51b 第2デジタル変調信号 52 第1光デジタル信号 53 第2光デジタル信号 54 デジタル出力信号 61 光送信器 62 第1発光素子 63 第2発光素子 64 出射レンズ 71 光受信器 72 第1受光素子 73 第2受光素子 74 入射レンズ 81 アナログ変調信号 81a 第1アナログ変調信号 81b 第2アナログ変調信号 82 第1光アナログ信号 83 第2光アナログ信号 84 アナログ出力信号 91 光送信器 92 第1発光ダイオード素子 93 第2発光ダイオード素子 94 出射レンズ 95 信号分岐部 96 第1駆動部 97 第2駆動部 98 デジタル変調信号 98a 第1デジタル変調信号 98b 第2デジタル変調信号 99 第1光デジタル信号 100 第2光デジタル信号
フロントページの続き (72)発明者 出口 正洋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鈴木 朝実良 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 古屋 博之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5K002 AA01 AA03 BA02 BA05 BA14 CA02 DA02 EA03 FA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号を受けて上記信号に応じて強度変調
    された第1光信号を出力する第1発光素子と、上記信号
    を受けて上記信号の位相を反転してなる反転信号を生成
    する手段と、上記反転信号に応じて強度変調された第2
    光信号を出力する第2発光素子とを有する光送信器と、 上記第1光信号を受けて第1信号を生成する第1受光素
    子と、上記第2光信号を受けて第2信号を生成する第2
    受光素子とを有し、上記第1信号と上記第2信号とを比
    較した結果の信号を出力する光受信器とを備える光伝送
    システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光伝送システムであっ
    て、 上記第1光信号と上記第2光信号とが、気体中を伝播し
    て上記光受信器に到達することを特徴とする光伝送シス
    テム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の光伝送システ
    ムであって、 上記光送信器において、上記第1光信号と上記第2光信
    号とが、1つの出射レンズにより絞られて出力されるこ
    とを特徴とする光伝送システム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載
    の光伝送システムであって、 上記光受信器において、上記第1光信号と上記第2光信
    号とが、1つの入射レンズにより集光されることを特徴
    とする光伝送システム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載
    の光伝送システムであって、 上記光送信器では、上記第1発光素子と上記第2発光素
    子とが、上記信号および上記反転信号を微分する機能を
    有する駆動回路により駆動されることを特徴とする光伝
    送システム。
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