JP2003218710A - 高調波除去装置および方法 - Google Patents

高調波除去装置および方法

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JP2003218710A
JP2003218710A JP2002013837A JP2002013837A JP2003218710A JP 2003218710 A JP2003218710 A JP 2003218710A JP 2002013837 A JP2002013837 A JP 2002013837A JP 2002013837 A JP2002013837 A JP 2002013837A JP 2003218710 A JP2003218710 A JP 2003218710A
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harmonic component
signal
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JP2002013837A
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Mitsuru Uesugi
充 上杉
Hiroshi Suzuki
博 鈴木
Kazuhiko Fukawa
和彦 府川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電波を送信する際に、高調波をより一層
抑圧することができ、他の無線システムに対する干渉を
抑えること。 【解決手段】 送信バンドパスフィルタ3の出力信号
(増幅器1の出力信号)から各フィルタ13−1〜13
−(N−1)で2次からN次の高調波成分を抽出する。
抽出した2次からN次の高調波成分は、各直交変調器1
5−1〜15−(N−1)で重み付けされた後、加算器
19で合成される。合成後の高調波合成信号(高調波成
分の推定値)は、移相器21を介して加算器9で、送信
バンドパスフィルタ3の出力信号から差し引かれる。得
られた差分信号は、アンテナ23から無線送信される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線送信機に適用
される高調波除去装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大電力の電波を送信する無線送信
機、たとえば、テレビやラジオ放送の送信機、ならびに
ポケットベル(登録商標)の基地局送信機は、通常、図
6に示すように、入力した変調波を増幅器101で増幅
し、送信バンドパスフィルタ103で不要なスプリアス
を除去または抑圧した後、アンテナ105から送信す
る。
【0003】ここで、スプリアスとは、無線送信機が発
射する電波のうちで、必要周波数帯域外の周波数の電波
のことであり、スプリアスの一つとして、増幅器の非線
形性に起因して発生する高調波がある。高調波は、基本
周波数の整数倍の周波数を持つ成分である。図7は、増
幅器の出力の周波数スペクトルを示している。変調波の
搬送波周波数(基本周波数)をfc とすると、図7に示
すように、fc のN(2以上の整数)倍の位置を中心と
して、元の変調波帯域外にfc ×Nを中心周波数とする
帯域の信号が現れる。これが、N次高調波である。
【0004】なお、電波法により、高調波を含むスプリ
アスは、元の変調波と比べて60dB以下に平均電力が
抑えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
無線送信機においては、テレビやラジオ放送のように大
電力の電波を送信する場合、たとえ60dB以下に抑え
られていたとしても高調波の電力を無視できず、これが
微弱電波を扱う他の無線システムに対して干渉となり、
その伝送特性を大幅に劣化させてしまう可能性がある。
このような場合において、高調波の電力をさらに抑える
ためには、線形性のすぐれた増幅器やスプリアスを十分
に抑圧できる送信バンドパスフィルタが必要となるが、
その技術的な実現には一定の限界がある。
【0006】このように、大電力の電波を送信する従来
の無線送信機においては、実際問題として、増幅器や送
信バンドパスフィルタを改善するだけでは、増幅器の非
線形性に起因して高調波が発生し、これが微弱電波を扱
う他の無線システムに対して干渉となる可能性がある。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、電波を送信する際に、高調波をより一層抑圧す
ることができる高調波除去装置および方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)本発明の高調波除
去装置は、変調波を増幅器で増幅して得られた変調波増
幅信号から高調波成分を抽出する抽出手段と、前記抽出
手段によって抽出された高調波成分を重み付け係数によ
り重み付けして合成し高調波合成信号を出力する合成手
段と、前記増幅器の出力である変調波増幅信号を遅延さ
せる遅延手段と、前記遅延手段の出力から前記合成手段
の出力である高調波合成信号を差し引いて差分信号を生
成する生成手段と、を有する構成を採る。
【0009】この構成によれば、変調波増幅信号(変調
波の増幅器出力)から高調波成分を抽出し、抽出した高
調波成分を重み付け合成して(高調波合成信号)、遅延
させた変調波増幅信号から差し引くため(差分信号)、
高調波をより一層抑圧することができる。よって、差分
信号をアンテナから送信することで、高調波がより一層
抑圧された電波を送信することができ、他の無線システ
ムに対する干渉を抑えることができる。
【0010】(2)本発明の高調波除去装置は、上記の
構成において、前記抽出手段によって抽出された高調波
成分および前記生成手段によって生成された差分信号に
基づいて、前記合成手段で用いられる重み付け係数の値
を制御する重み付け係数制御手段、をさらに有する構成
を採る。
【0011】この構成によれば、高調波成分および差分
信号に基づいて適応的に重み付け係数の値を制御するた
め、たとえば、電源投入時の過渡応答や温度特性などで
変動する重み付け係数の最適値に追従することができ、
高調波の抑圧をより高い精度で行うことができる。
【0012】(3)本発明の高調波除去装置は、上記の
構成において、前記重み付け係数制御手段は、前記生成
手段によって生成された差分信号の平均電力が最小にな
るように、前記重み付け係数の制御を行う構成を採る。
【0013】この構成によれば、差分信号の平均電力が
最小になるように重み付け係数の制御を行うため、差分
信号に含まれる高調波成分の平均電力を最小にすること
ができる。
【0014】(4)本発明の高調波除去装置は、上記の
構成において、前記重み付け係数制御手段は、前記生成
手段によって生成された差分信号と前記抽出手段によっ
て抽出された高調波成分との相関がゼロになるように、
前記重み付け係数の制御を行う構成を採る。
【0015】この構成によれば、差分信号と高調波成分
との相関がゼロになるように重み付け係数の制御を行う
ため、差分信号に含まれる高調波成分の平均電力を最小
にすることができる。
【0016】(5)本発明の高調波除去装置は、上記の
構成において、前記生成手段によって生成された差分信
号から高調波成分を抽出する第2抽出手段と、前記抽出
手段によって抽出された高調波成分および前記第2抽出
手段によって抽出された高調波成分に基づいて、前記合
成手段で用いられる重み付け係数の値を制御する重み付
け係数制御手段と、をさらに有する構成を採る。
【0017】この構成によれば、変調波増幅信号から抽
出された高調波成分および差分信号から抽出された高調
波成分に基づいて適応的に重み付け係数の値を制御する
ため、たとえば、電源投入時の過渡応答や温度特性など
で変動する重み付け係数の最適値に追従することがで
き、高調波の抑圧をより高い精度で行うことができる。
また、差分信号から抽出された高調波成分を用いるた
め、重み付け係数を推定する際に、高調波成分ごとに独
立に重み付け係数の値を制御することができ、収束性を
向上することができる。
【0018】(6)本発明の高調波除去装置は、上記の
構成において、前記重み付け係数制御手段は、前記第2
抽出手段によって抽出された高調波成分の平均電力が最
小となるように、前記重み付け係数の制御を行う構成を
採る。
【0019】この構成によれば、差分信号から抽出され
た高調波成分の平均電力が最小になるように重み付け係
数の制御を行うため、差分信号に含まれる高調波成分の
平均電力を最小にすることができる。
【0020】(7)本発明の高調波除去装置は、上記の
構成において、前記重み付け係数制御手段は、前記第2
抽出手段によって抽出された高調波成分と前記抽出手段
によって抽出された高調波成分との相関がゼロになるよ
うに、前記重み付け係数の制御を行う構成を採る。
【0021】この構成によれば、差分信号から抽出され
た高調波成分と変調波増幅信号から抽出された高調波成
分との相関がゼロになるように重み付け係数の制御を行
うため、差分信号に含まれる高調波成分の平均電力を最
小にすることができる。
【0022】(8)本発明の高調波除去装置は、上記の
構成において、前記遅延手段は、アナログ遅延フィルタ
によって構成されている構成を採る。
【0023】この構成によれば、装置の小型化を図るこ
とができる。
【0024】(9)本発明の高調波除去装置は、上記の
構成において、前記遅延手段は、アナログ遅延線によっ
て構成されている構成を採る。
【0025】この構成によれば、容易に微調整を行うこ
とができる。
【0026】(10)本発明の移動局装置は、上記いず
れかに記載の高調波除去装置を有する構成を採る。
【0027】この構成によれば、上記と同様の作用効果
を有する移動局装置を提供することができる。
【0028】(11)本発明の基地局装置は、上記いず
れかに記載の高調波除去装置を有する構成を採る。
【0029】この構成によれば、上記と同様の作用効果
を有する基地局装置を提供することができる。
【0030】(12)本発明の移動通信システムは、上
記いずれかに記載の高調波除去装置を有する構成を採
る。
【0031】この構成によれば、上記と同様の作用効果
を有する移動通信システムを提供することができる。
【0032】(13)本発明の高調波除去方法は、変調
波を増幅器で増幅して得られる変調波増幅信号から高調
波成分を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップで
抽出した高調波成分を重み付け係数により重み付けして
合成し高調波合成信号を出力する合成ステップと、前記
増幅器の出力である変調波増幅信号を遅延させる遅延ス
テップと、前記遅延ステップでの出力から前記合成ステ
ップで出力した高調波合成信号を差し引いて差分信号を
生成する生成ステップと、を有するようにした。
【0033】この方法によれば、変調波増幅信号(変調
波の増幅器出力)から高調波成分を抽出し、抽出した高
調波成分を重み付け合成して(高調波合成信号)、遅延
させた変調波増幅信号から差し引くため(差分信号)、
高調波をより一層抑圧することができる。よって、差分
信号をアンテナから送信することで、高調波がより一層
抑圧された電波を送信することができ、他の無線システ
ムに対する干渉を抑えることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の骨子は、増幅器の出力か
ら高調波成分を抽出し、抽出した高調波成分を重み付け
合成して、遅延させた増幅器の出力から差し引くことで
ある。
【0035】以下、本発明の実施の形態について、図面
を参照して詳細に説明する。
【0036】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1に係る高調波除去装置が搭載された無線送信機の
構成を示すブロック図である。
【0037】図1に示す無線送信機は、増幅器1、送信
バンドパスフィルタ3、カプラ5、遅延回路7、加算器
9、分配器11、(N−1)個のフィルタ13−1〜1
3−(N−1)、(N−1)個の直交変調器15−1〜
15−(N−1)、重み付け係数メモリ17、加算器1
9、180度(π)移相器21、およびアンテナ23を
有する。ここで、Nは、2以上の整数であって、扱う高
調波の最高次数を示している。つまり、本実施の形態で
は、2次からN次までの高調波を扱う。
【0038】図2は、各直交変調器15−1〜15−
(N−1)の構成の一例を示すブロック図である。ここ
では、n(2≦n≦N)番目の直交変調器の構成を示し
ている。図2に示すように、各直交変調器15−1〜1
5−(N−1)は、分配器25、乗算器27、90度
(π/2)移相器29、乗算器31、および加算器33
を有する。なお、制御の精度は低下するが、より簡易な
方法としては、可変アッテネータおよび可変移相器の従
属接続でも同じ機能を実現することができる。
【0039】次いで、上記構成を有する無線送信機の動
作について説明する。
【0040】無線送信機は、まず、入力した変調波を増
幅器1で増幅した後、送信バンドパスフィルタ3でスプ
リアスを抑圧する。送信バンドパスフィルタ3の出力信
号は、カプラ5で、電力比がαと(1−α)の割合で分
岐される。ここで、αは微小な正数である。αの割合で
分岐された送信バンドパスフィルタ出力信号は分配器1
1に送られ、(1−α)の割合で分岐された送信バンド
パスフィルタ出力信号は遅延回路7に送られる。
【0041】αの割合で分岐された送信バンドパスフィ
ルタ出力信号は、さらに分配器11で等電力に分けら
れ、(N−1)個のフィルタ13−1〜13−(N−
1)にそれぞれ出力される。各フィルタ13−1〜13
−(N−1)は、送信バンドパスフィルタ3と異なり、
元の変調波ではなくそれぞれ2次からN次の高調波成分
を抽出するように通過周波数が設定されている。これに
より、各フィルタ13−1〜13−(N−1)によって
それぞれ2次からN次の高調波成分が抽出される。各フ
ィルタ13−1〜13−(N−1)の出力信号、つま
り、2次からN次の高調波成分は、それぞれ、対応する
直交変調器15−1〜15−(N−1)に出力される。
【0042】各直交変調器15−1〜15−(N−1)
は、2次からN次の高調波成分をキャリア信号として直
交変調を行う。このとき、n(2≦n≦N)番目の直交
変調器において、変調の同相成分と直交成分はそれぞれ
I,n、WQ,nであり、重み付け係数に相当する。重み付
け係数は、あらかじめ計算しておくことができ、本実施
の形態では、重み付け係数の計算値が重み付け係数メモ
リ17に保存されている。よって、各直交変調器15−
1〜15−(N−1)が必要とする重み付け係数
I,n、WQ,nは、重み付け係数メモリ17から付与され
る。
【0043】n番目の直交変調器において、入力された
高調波成分Xnは、分配器25で等電力に分けられた
後、一方の信号XI,nは直接乗算器27に送られ、他方
の信号は、移相器29でその位相が90度回転された後
(このときの信号をXQ,nで表す)、乗算器31に送ら
れる。乗算器27では、高調波成分XI,nに変調の同相
成分WI,nを乗算し、乗算器31では、90度移相後の
高調波成分XQ,nに変調の直交成分WQ,nを乗算する。各
乗算器27、31の乗算結果は、加算器33で加算され
た後、出力される。したがって、n番目の直交変調器の
出力信号Znは、下記の(式1)で表される。
【数1】 このように、各直交変調器15−1〜15−(N−1)
の動作は、2次からN次の高調波成分に重み付け係数を
乗算し、その位相と振幅を変えることである。
【0044】その後、各直交変調器15−1〜15−
(N−1)の出力信号は、加算器19で加算された後、
高調波合成信号として出力される。この高調波合成信号
は、(1−α)の割合で分岐された送信バンドパスフィ
ルタ出力信号に含まれる高調波成分の推定値に相当す
る。
【0045】加算器19から出力された高調波合成信号
は、移相器21でその位相が180度回転された後、加
算器9に送られ、ここで、(1−α)の割合で分岐され
た送信バンドパスフィルタ出力信号を遅延回路7で遅延
して得られた信号と加算される。これは、送信バンドパ
スフィルタ3の出力信号(つまり、増幅器1の出力であ
る変調波増幅信号)から高調波合成信号(高調波成分の
推定値)を差し引くことに相当する。このように、変調
波増幅信号から高調波成分の推定値を差し引くことによ
り、高調波がより一層抑圧されることになる。ここで、
遅延回路7の遅延時間τは、高調波合成信号を生成する
のに必要な処理時間に相当しており、あらかじめ設定さ
れている。遅延回路7の実現においては、SAW(Surf
ace Acoustic Wave)フィルタなどのアナログ遅延フィ
ルタを用いる方法や、アナログ遅延線を用いる方法があ
る。SAWフィルタは、小型化に適しているが、微調整
が難しい。一方、アナログ遅延線は、小型化は難しい
が、微調整を行うのに適している。
【0046】加算器9の出力信号、つまり、送信バンド
パスフィルタ3の出力信号(変調波増幅信号)と高調波
合成信号との差分信号は、アンテナ23から無線送信さ
れる。
【0047】このように、本実施の形態によれば、送信
バンドパスフィルタ3の出力信号(変調波増幅信号)か
ら高調波成分を抽出し、抽出した高調波成分を重み付け
合成し、得られた高調波合成信号(高調波成分の推定
値)を、遅延させた変調波増幅信号から差し引くため
(差分信号)、高調波をより一層抑圧することができ
る。よって、差分信号をアンテナ23から送信すること
で、高調波がより一層抑圧された電波を送信することが
でき、他の無線システムに対する干渉を抑えることがで
きる。
【0048】(実施の形態2)図3は、本発明の実施の
形態2に係る高調波除去装置が搭載された無線送信機の
構成を示すブロック図である。なお、図3に示す無線送
信機は、図1に示す実施の形態1の無線送信機と同様の
基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符
号を付し、その説明を省略する。
【0049】本実施の形態の特徴は、各直交変調器に付
与される重み付け係数の値を適応的に制御するために、
重み付け係数制御部41を有することである。重み付け
係数制御部41は、2次からN次の高調波成分XI,n
よびその90度移相後の高調波成分XQ,nならびに差分
信号eを入力して重み付け係数の適応制御を行う。ここ
では、高調波成分XI,n、XQ,nを重み付け係数制御部4
1に入力するため、各直交変調器43−1〜43−(N
−1)は、図4に示す構成を有する。また、差分信号e
を重み付け係数制御部41に入力するため、カプラ45
を設けて、加算器9の出力信号(差分信号)をαの割合
で重み付け係数制御部41に分岐するようにしている。
ここで、αは上記のように微小な正数である。
【0050】次に、各直交変調器43−1〜43−(N
−1)の構成について、図4を用いて説明する。なお、
この直交変調器43−1〜43−(N−1)は、図2に
示す実施の形態1の直交変調器15−1〜15−(N−
1)と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素
には同一の符号を付している。
【0051】n番目の直交変調器において、入力された
高調波成分Xnは、分配器25で等電力に分けられた
後、一方の信号XI,nは、分配器47でさらに等電力に
分けられた後、一方は乗算器27に送られ、他方は重み
付け係数制御部41に出力される。また、分配器25で
分けられた他方の信号は、移相器29でその位相が90
度回転された後(このときの信号をXQ,nで表す)、分
配器49でさらに等電力に分けられ、一方は乗算器31
に送られ、他方は重み付け係数制御部41に出力され
る。そして、前述のように、乗算器27では、高調波成
分XI,nに変調の同相成分WI,nを乗算し、乗算器31で
は、90度移相後の高調波成分XQ,nに変調の直交成分
Q,nを乗算する。各乗算器27、31の乗算結果は、
加算器33で加算された後、上記(式1)に従って当該
直交変調器の出力信号Znとして加算器19に出力され
る。
【0052】次いで、重み付け係数制御部41の動作に
ついて説明する。なお、最適な重み付け係数は、電源投
入時の過渡応答や温度特性などで変動するため、重み付
け係数の値を適応的に制御すれば、これらの変動に追従
することができ、高調波の抑圧をより高い精度で行うこ
とが可能になる。
【0053】重み付け係数制御部41は、各直交変調器
43−1〜43−(N−1)の出力信号XI,n、X
Q,n(2≦n≦N)、つまり、2次からN次の高調波成
分(90度位相回転後の高調波成分を含む)と、カプラ
45でαの割合で分岐された信号、つまり、差分信号e
とを入力する。差分信号eは、遅延回路7の出力信号を
yとすると、下記の(式2)、
【数2】 で表される。
【0054】ここで、たとえば、差分信号eの平均電力
が最小になるように重み付け係数W I,n、WQ,nを制御す
ると、差分信号eに含まれる高調波成分の平均電力を最
小にすることができる。これが第1の制御法であり、差
分信号eを誤差信号とみなすと、LMS(Least Mean S
quare)やRLS(Recursive Least Squares)などの最
小2乗法のアルゴリズムを適用することができる(S. H
aykin, Adaptive Filter Theory, Prentice-Hall, 199
9)。たとえば、LMSアルゴリズムを適用すると、下
記の(式3)と(式4)に従って、
【数3】
【数4】 重み付け係数WI,n、WQ,nが更新される。ここで、μは
ステップサイズと呼ばれる正の定数である。
【0055】また、たとえば、差分信号eと2次からN
次の高調波成分XI,n、XQ,nとの相関がゼロになるよう
に重み付け係数WI,n、WQ,nを制御すると、差分信号e
は高調波成分XI,n、XQ,nと直交するようになり、上記
した最小2乗法による制御と等価になることが知られて
いる(S. Haykin, Adaptive Filter Theory, Prentice-
Hall, 1999)。これが第2の制御法であり、第1の制御
法と同様に、差分信号eに含まれる高調波成分の平均電
力を最小にすることができる。
【0056】このように、本実施の形態によれば、実施
の形態1の効果に加えて、高調波成分および差分信号に
基づいて適応的に重み付け係数の値を制御するため、た
とえば、電源投入時の過渡応答や温度特性などで変動す
る重み付け係数の最適値に追従することができ、高調波
の抑圧をより高い精度で行うことができる。
【0057】(実施の形態3)図5は、本発明の実施の
形態3に係る高調波除去装置が搭載された無線送信機の
構成を示すブロック図である。なお、図5に示す無線送
信機は、図3に示す実施の形態2の無線送信機と同様の
基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符
号を付し、その説明を省略する。
【0058】本実施の形態の特徴は、カプラ45でαの
割合で分岐された信号(差分信号)をさらに分配器51
で分けて(N−1)個のフィルタ53−1〜53−(N
−1)に出力し、各フィルタ53−1〜53−(N−
1)で差分信号から各高調波成分を抽出(分離)してい
ることである(高調波成分を抽出する第2抽出手段)。
各フィルタ53−1〜53−(N−1)は、上記各フィ
ルタ13−1〜13−(N−1)と同様のものである。
【0059】この場合、重み付け係数制御部41aは、
最適な重み付け係数WI,n、WQ,nを推定する際に、高調
波成分ごとに独立に重み付け係数WI,n、WQ,nの値を制
御することができる。具体的な制御法は、実施の形態2
で説明した制御法を使用することができる。たとえば、
差分信号から抽出された高調波成分の平均電力が最小に
なるように、または、差分信号から抽出された高調波成
分と変調波増幅信号から抽出された高調波成分との相関
がゼロになるように、重み付け係数の制御を行う。これ
により、いずれの場合においても、差分信号に含まれる
高調波成分の平均電力を最小にすることができる。
【0060】このように、本実施の形態によれば、実施
の形態1の効果に加えて、変調波増幅信号から抽出され
た高調波成分および差分信号から抽出された高調波成分
に基づいて適応的に重み付け係数の値を制御するため、
たとえば、電源投入時の過渡応答や温度特性などで変動
する重み付け係数の最適値に追従することができ、高調
波の抑圧をより高い精度で行うことができる。また、差
分信号から抽出された高調波成分を用いるため、重み付
け係数を推定する際に、高調波成分ごとに独立に重み付
け係数の値を制御することができ、収束性を向上するこ
とができる。
【0061】なお、上記各実施の形態1〜3に係る高調
波除去装置が搭載された無線送信機は、さらに、基地局
装置や移動局装置などの無線通信装置、ひいては移動通
信システムに搭載することができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電波を送信する際に、高調波をより一層抑圧することが
でき、他の無線システムに対する干渉を抑えることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る高調波除去装置が
搭載された無線送信機の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1における直交変調器の構成の一例
を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態2に係る高調波除去装置が
搭載された無線送信機の構成を示すブロック図
【図4】実施の形態2における直交変調器の構成の一例
を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態3に係る高調波除去装置が
搭載された無線送信機の構成を示すブロック図
【図6】従来の無線送信機の構成を示すブロック図
【図7】増幅器の出力の周波数スペクトルを示す図
【符号の説明】
1 増幅器 3 送信バンドパスフィルタ 5、45 カプラ 7 遅延回路 9、19、33 加算器 11、25、47、49、51 分配器 13−1〜13−(N−1)、53−1〜53−(N−
1) フィルタ 15−1〜15−(N−1)、43−1〜43−(N−
1) 直交変調器 17 重み付け係数メモリ 21 180度移相器 23 アンテナ 27、31 乗算器 29 90度移相器 41、41a 重み付け係数制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上杉 充 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 (72)発明者 鈴木 博 東京都世田谷区奥沢6丁目16番4号 (72)発明者 府川 和彦 東京都目黒区東山2丁目16番1−512号室 Fターム(参考) 5K004 AA05 AA08 FF05 JF04 5K060 BB05 CC04 CC11 HH01 HH09 HH34 HH37 JJ16 KK03 KK04 LL30

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変調波を増幅器で増幅して得られた変調
    波増幅信号から高調波成分を抽出する抽出手段と、 前記抽出手段によって抽出された高調波成分を重み付け
    係数により重み付けして合成し高調波合成信号を出力す
    る合成手段と、 前記増幅器の出力である変調波増幅信号を遅延させる遅
    延手段と、 前記遅延手段の出力から前記合成手段の出力である高調
    波合成信号を差し引いて差分信号を生成する生成手段
    と、 を有することを特徴とする高調波除去装置。
  2. 【請求項2】 前記抽出手段によって抽出された高調波
    成分および前記生成手段によって生成された差分信号に
    基づいて、前記合成手段で用いられる重み付け係数の値
    を制御する重み付け係数制御手段、 をさらに有することを特徴とする請求項1記載の高調波
    除去装置。
  3. 【請求項3】 前記重み付け係数制御手段は、前記生成
    手段によって生成された差分信号の平均電力が最小にな
    るように、前記重み付け係数の制御を行うことを特徴と
    する請求項2記載の高調波除去装置。
  4. 【請求項4】 前記重み付け係数制御手段は、前記生成
    手段によって生成された差分信号と前記抽出手段によっ
    て抽出された高調波成分との相関がゼロになるように、
    前記重み付け係数の制御を行うことを特徴とする請求項
    2記載の高調波除去装置。
  5. 【請求項5】 前記生成手段によって生成された差分信
    号から高調波成分を抽出する第2抽出手段と、 前記抽出手段によって抽出された高調波成分および前記
    第2抽出手段によって抽出された高調波成分に基づい
    て、前記合成手段で用いられる重み付け係数の値を制御
    する重み付け係数制御手段と、 をさらに有することを特徴とする請求項1記載の高調波
    除去装置。
  6. 【請求項6】 前記重み付け係数制御手段は、前記第2
    抽出手段によって抽出された高調波成分の平均電力が最
    小となるように、前記重み付け係数の制御を行うことを
    特徴とする請求項5記載の高調波除去装置。
  7. 【請求項7】 前記重み付け係数制御手段は、前記第2
    抽出手段によって抽出された高調波成分と前記抽出手段
    によって抽出された高調波成分との相関がゼロになるよ
    うに、前記重み付け係数の制御を行うことを特徴とする
    請求項5記載の高調波除去装置。
  8. 【請求項8】 前記遅延手段は、アナログ遅延フィルタ
    によって構成されていることを特徴とする請求項1から
    請求項7のいずれかに記載の高調波除去装置。
  9. 【請求項9】 前記遅延手段は、アナログ遅延線によっ
    て構成されていることを特徴とする請求項1から請求項
    7のいずれかに記載の高調波除去装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項9のいずれかに記
    載の高調波除去装置を有することを特徴とする移動局装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項9のいずれかに記
    載の高調波除去装置を有することを特徴とする基地局装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項1から請求項9のいずれかに記
    載の高調波除去装置を有することを特徴とする移動通信
    システム。
  13. 【請求項13】 変調波を増幅器で増幅して得られる変
    調波増幅信号から高調波成分を抽出する抽出ステップ
    と、 前記抽出ステップで抽出した高調波成分を重み付け係数
    により重み付けして合成し高調波合成信号を出力する合
    成ステップと、 前記増幅器の出力である変調波増幅信号を遅延させる遅
    延ステップと、 前記遅延ステップでの出力から前記合成ステップで出力
    した高調波合成信号を差し引いて差分信号を生成する生
    成ステップと、 を有することを特徴とする高調波除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012231365A (ja) * 2011-04-27 2012-11-22 Panasonic Corp 高周波増幅装置
US8489040B2 (en) 2010-02-18 2013-07-16 Telefonaktiebolaget L M Ericsson (Publ) Double clipped RF clock generation with spurious tone cancellation
CN105915196A (zh) * 2016-05-17 2016-08-31 中国电子科技集团公司第三十八研究所 一种cmos宽度有源移相器电路
CN112532271A (zh) * 2020-12-07 2021-03-19 维沃移动通信有限公司 射频电路和电子设备

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