JP2003218635A - 電圧制御発振器 - Google Patents

電圧制御発振器

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JP2003218635A
JP2003218635A JP2002008812A JP2002008812A JP2003218635A JP 2003218635 A JP2003218635 A JP 2003218635A JP 2002008812 A JP2002008812 A JP 2002008812A JP 2002008812 A JP2002008812 A JP 2002008812A JP 2003218635 A JP2003218635 A JP 2003218635A
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啓貴 田中
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  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミリ波帯において安定かつ低位相雑音の電圧
制御発振器を提供する。 【解決手段】 周波数変更可能な同調回路部1と、発振
回路部3とを備え、発振回路部3を、エミッタ又はソー
ス端子が接地された第1のトランジスタ29のコレクタ
又はドレイン端子と、交流的にベース又はゲート端子が
接地された第2のトランジスタ30とを接続したカスコ
ード型トランジスタにより構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話端末など
のマイクロ波、ミリ波帯無線の高周波通信装置などで好
適に使用される電圧制御発振器に関し、特に2つのトラ
ンジスタを直流的に接続したカスコード型トランジスタ
を用いた電圧制御発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】電圧制御発振器は、高周波無線通信機の
局部発振信号を発生させる周波数シンセサイザの発振信
号源として一般に用いられ、電圧によって発振周波数を
変化させる機能を有している。また、通常、これらの電
圧制御発振器においては、発振電力や発振周波数の変動
を抑えることが必要である。
【0003】一般に電圧制御発振器は、発振回路部、同
調回路部、バッファ増幅回路部により構成される。発振
回路部の構成としては、並列帰還型や直列帰還型のもの
がある。また、トランジスタの接地方式についても、エ
ミッタ(ソース)接地、ベース(ゲート)接地、コレク
タ(ドレイン)接地型のものが知られている。
【0004】同調回路部の構成としては、共振回路部と
可変容量素子を用いて構成されることが多く、可変容量
素子の容量値を制御することにより発振周波数を変更可
能としている。
【0005】さらに、通常出力部には、負荷変動を軽減
するためのバッファ増幅回路が設けられる。
【0006】一方、直流電流を消費するトランジスタを
有する発振回路部とバッファ増幅回路部の消費電流を低
減するために、それらの回路の必要な直流電流が、発振
回路部とバッファ増幅回路部に直列に流れるように縦続
接続したカスコード接続型の電圧制御発振器が存在す
る。
【0007】図9は、特開平7−221545号に記載
されている従来のカスコード接続型の電圧制御発振器を
示したものである。この電圧制御発振器10xは、主に
発振回路部101、共振回路部100、バッファ増幅回
路部102により構成され、発振回路部101を構成す
るトランジスタ103に流れた直流電流がバッファ増幅
回路部102を構成するトランジスタ104に流れるよ
うにカスコード接続されている。発振回路部101で
は、容量素子105,106,107により帰還ループ
が形成されており、発振信号は、容量素子108により
バッファ増幅回路部102に入力され、バッファ増幅回
路部102の出力端子109より取り出される。また、
発振器が発振するためには、容量素子105,106,
107を適切に定めることにより所望の周波数におい
て、F点より発振回路部を見た反射係数「tが、負性抵
抗特性(|「t|>1(|「t|は「tの大きさを示
す。))になるようにする必要がある。これは、発振器
が発振するための条件が、 |「r|×|「t|>1 (1) ∠「r+∠「t=2×n×π (2) と表されるためである。ここで、「rは、F点より共振
回路側を見込んだ反射係数、|「r|は「rの大きさ、
∠「rは「rの位相、∠「tは「tの位相、nは整数を
それぞれ表している。
【0008】また、共振回路部100の共振周波数は、
所望の発振周波数に設定されており、この共振回路部に
可変容量素子を設けることにより、発振周波数を変更可
能としている。
【0009】このように、従来のカスコード接続型の電
圧制御発振器10xでは、カスコード接続された2つの
トランジスタ103、104のうち、トランジスタ10
3は発振回路部101を、また、トランジスタ104は
バッファ増幅回路部102をそれぞれ個別に構成してい
る。
【0010】しかし、高い周波数、例えば、ミリ波帯
(20〜300GHz)の発振器を構成しようとした場
合、発振回路部をトランジスタ103のみで構成したの
では、そのような周波数帯においてトランジスタ103
の有する利得が小さいために、安定、かつ低位相雑音特
性の発振回路部を構成することが困難になる。
【0011】また、高い周波数になるにしたがい、トラ
ンジスタ103の有する入出力帰還成分のために、トラ
ンジスタ103自身のアイソレーション特性が劣化す
る。その結果、帰還ループを逆流する成分が増し、発振
回路部周辺の回路特性が、位相雑音特性を劣化させた
り、所望の発振周波数や発振出力を得ることが困難にな
る。例えば、電源やバッファ増幅器102の特性変動に
より、トランジスタ103自身の帰還成分を介して、反
射係数「tが変動してしまい、その結果発振周波数およ
び発振出力の変動による不安定動作を招くとともに、所
望の発振周波数での発振条件となる帰還回路を高精度に
設計することが難しくなり、低位相雑音特性を実現する
ことが困難であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明が
解決しようとする技術的課題は、ミリ波帯において安定
かつ低位相雑音の電圧制御発振器を提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用・効果】本発明
は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の電
圧制御発振器を提供する。
【0014】電圧制御発振器は、発振回路部と、周波数
を変更可能な同調回路部とを備えたものである。そし
て、前記発振回路部は、エミッタ又はソースを接地端子
とする第1のトランジスタのコレクタ又はドレインと、
ベース又はゲート端子が交流的に接地された第2のトラ
ンジスタのエミッタ又はソースがカスコード接続され
た、カスコード型トランジスタを備えている。
【0015】上記構成において、発振回路部を構成する
カスコード型トランジスタは、ミリ波帯において高利得
であるため、安定な発振回路部を構成することができ
る。また、2つの第1及び第2のトランジスタを一体と
して使用するため、回路の小型化が容易である。
【0016】さらに、発振回路部を構成するカスコード
型トランジスタは、トランジスタ自身の入出力帰還成分
が小さく、帰還成分を制御することが容易となる。例え
ば、所望の発振周波数で発振条件となる帰還回路を高精
度で設計することが可能であり、高い負荷Q値と低位相
雑音特性を実現することができる。
【0017】また、本発明は、以下の構成の電圧制御発
振器を提供する。
【0018】電圧制御発振器は、発振回路部と、共振回
路部と、電圧供給回路とを備えたものである。そして、
前記発振回路部は、エミッタ又はソースを接地端子とす
る第1のトランジスタのコレクタ又はドレインと、ベー
ス又はゲート端子が交流的に接地された第2のトランジ
スタのエミッタ又はソースがカスコード接続された、カ
スコード型トランジスタを備え、電圧供給回路は、前記
発振回路部の第2のトランジスタのベース又はゲート端
子の直流電位を変更できるように構成されている。
【0019】上記構成において、第2のトランジスタの
ベース電位を変更可能とし、第1のトランジスタ及び第
2のトランジスタにおけるベース−コレクタ接合容量を
制御することにより発振周波数を変更することが可能と
なる。そのため、可変容量素子を別途設ける必要がなく
なり、回路の簡素化が可能である。また、カスコード型
トランジスタに流れる電流は、第1のトランジスタのエ
ミッタ−ベース間電圧によりほぼ決定されるため、第2
のトランジスタのベース電位を変更した場合の電流値の
変化は小さく、安定した発振出力を得ることができる。
【0020】本発明の電圧制御発振器は、具体的には以
下のように種々の態様で構成することができる。
【0021】上記各構成において、好ましくは、電圧制
御発振器は、前記第1のトランジスタのエミッタ又はソ
ース端子部分に、前記エミッタ又はソース端子を交流的
に設置するための回路をさらに備える。
【0022】上記構成によれば、第1のトランジスタの
接地すべき端子に、所望の周波数において接地となる回
路を付加することにより、接地インダクタンスなどの寄
生成分の影響を低減し、カスコード型トランジスタの利
得の高周波特性を改善することができる。したがって、
高い周波数において用いられる電圧制御発振器を容易に
実現することが可能となる。
【0023】好ましくは、電圧制御発振器は、n次高調
波(nは整数)発生回路又はバッファ増幅回路の少なく
とも1つからなる出力回路部をさらに備える。
【0024】上記構成によれば、n次高調波(nは整
数)を出力部に設けることにより、低位相雑音発振波の
n次高調波を出力することが可能となる。また、バッフ
ァ増幅回路を出力部に設けることにより、発振回路部の
負荷変動の影響を低減し、低位相雑音かつ高安定、高出
力とすることが可能である。
【0025】好ましくは、電圧制御発振器は、前記第1
のトランジスタ又は前記第2のトランジスタの接地端子
部に、先端開放(又は短絡)の伝送線路を備える。
【0026】上記構成によれば、第1のトランジスタ又
は第2のトランジスタの接地端子部分に先端開放(又は
短絡)の伝送線路を設けることにより、所望の周波数に
おいて交流的に接地することが可能であり、接地インダ
クタンスなどの寄生成分による利得の低下を防止するこ
とが可能である。また、前記伝送線路の長さを調節する
ことにより、所望の周波数にて、前記伝送線路の特性を
誘導性や容量性とすることができ、より大きな負性抵抗
が得られるように調整することができる。
【0027】好ましくは、前記第1又は第2のトランジ
スタの少なくとも一方は、へテロ接合バイポーラトラン
ジスタである。
【0028】ヘテロ接合バイポーラトランジスタは、高
周波特性が優れかつ1/f雑音が小さいため、電圧制御
発振器の位相雑音をより低減することができる。さらに
へテロ接合バイポーラトランジスタは電力密度が大き
く、これを用いてカスコード型トランジスタを構成した
場合には、所望の出力を得るための素子サイズが小さく
てすむ。したがって、寄生成分が小さく、より入出力帰
還成分を低減することが可能である。
【0029】好ましくは、本発明の電圧制御発振器は構
成回路を少なくとも部分的に化合物半導体基板上に集積
する。
【0030】上記構成によれば、化合物半導体基板上で
は、高いQ値と低位相雑音特性を得ることが困難である
が、発振回路部をカスコード型トランジスタにより構成
することにより、トランジスタ自身の入出力帰還成分を
低減することができるため、化合物半導体基板上でも低
位相雑音特性を実現することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態に係る
電圧制御発振器について、図面を参照しながら説明す
る。
【0032】図1は、本発明の第1実施形態にかかる電
圧制御発振器の回路構造を示す図である。また、図2は
図1の電圧制御発振器の構成を示すブロック図である。
図1に示すように電圧制御発振器10aは、同調回路部
1と発振回路部3が直列に接続され、さらに同調回路部
1と出力回路部2とが接続されており、前記出力回路部
2の出力端子27より発振出力を取り出す構成である。
ここで、発振回路部3は、後述するように2つのトラン
ジスタが接続された構成を有する。すなわち、図2に示
すように、同調回路部1とカスコード型トランジスタを
用いた発振回路部3とを直列に接続し、さらに、同調回
路部1と出力回路部2とを接続し、前記出力回路部2の
出力端子27より発振出力を取り出す構成である。
【0033】ここで、同調回路部1は、主に長さが概ね
n×λg/4(nは整数、λgは発振信号の波長)であ
る結合線路よりなる共振回路4と可変容量素子5により
構成されている。また、可変容量素子5の一端より引き
出された端子25に所望の電圧を印加することにより、
可変容量素子5の容量を制御し、発振周波数を変更可能
としている。
【0034】また、発振回路部3は、主に、エミッタ端
子が接地されたトランジスタ29のコレクタ端子と、ベ
ース端子が容量素子16により交流的に接地されたトラ
ンジスタ30のエミッタ端子とを伝送線路11を介して
直流的に接続したカスコード型トランジスタにより構成
している。
【0035】さらに、前記共振回路の端子4cに、伝送
線路7a及び伝送線路7bを介して、バッファ増幅回
路、又はn次高調波発生回路(nは整数)の少なくとも
1つよりなる出力回路部2が接続され、出力回路部2の
出力端子27より発振出力を取り出す構成としている。
【0036】また、前記カスコード型トランジスタは、
共振回路の端子4aに接続している伝送線路6の一端に
接続された端子24に印加した電圧を、第1のトランジ
スタ29のベース端子に供給し、また、端子26に印加
した電圧を第2のトランジスタ30のコレクタ端子に供
給し、また、端子28に印加した電圧を第2のトランジ
スタ30のベース端子に供給することにより動作する。
【0037】ここで、第1のトランジスタ29と第2の
トランジスタ30よりなるカスコード型トランジスタ、
伝送線路9、伝送線路12及び同調回路部1によって帰
還ループが構成されており、伝送線路9、伝送線路12
及び伝送線路11の長さを調節することにより、所望の
周波数で発振するように位相の調整を行うことができ
る。前記帰還ループを構成するカスコード型トランジス
タは、第1のトランジスタと第2のトランジスタを用い
て構成しているため、2つのトランジスタでの位相変化
を利用することにより前記位相調整のための伝送線路
9,12の長さを短くすることが可能であり、回路の小
型化が可能となる。
【0038】また、帰還ループ内に同調回路部1を備え
ており、所望の周波数で発振させることが可能であると
ともに、位相雑音を低減することができる。
【0039】さらに、カスコード型トランジスタを用い
ることにより、トランジスタ自身が有する入出力帰還成
分を非常に小さくすることが可能であり、前記帰還ルー
プにおいて、信号の流れを一方向化させることができ、
容易に帰還量を制御することができる。そのため、不要
な雑音の発生を抑制することが可能となり、高いQ値と
低位相雑音特性を実現することができる。
【0040】次に図3を参照して本発明の第2実施形態
にかかる電圧制御装置について説明する。図3は、本発
明の第2実施形態にかかる電圧制御装置の回路構造を示
す図である。電圧制御装置10bは、図3に示すよう
に、共振回路部4とカスコード型トランジスタを用いた
発振回路部3とは直列に接続され、さらに共振回路部4
と出力回路部2とを接続し、前記出力回路部2の出力端
子27より発振出力を取り出す構成としている。
【0041】共振回路部4は、長さが概ねn×λg/4
(nは整数、λgは発振信号の波長)である非対称結合
線路により構成され、また、発振回路部3はカスコード
型トランジスタにより構成されている。さらに、前記共
振回路部4の端子4cより取り出された発振出力を、バ
ッファ増幅回路、又は、n次高調波発生回路(nは整
数)の少なくとも1つよりなる出力回路部2の出力端子
27より取り出す構成としている。
【0042】ここで、発振周波数の変更は、端子28に
加える電圧により第2のトランジスタのベース端子に供
給される電圧を制御し、第1のトランジスタ29及び第
2のトランジスタ30における素子内部のベース−コレ
クタ接合容量を変更することにより行われる。このよう
に構成することにより、可変容量素子を別途設ける必要
がなく、回路を簡素化することができる。
【0043】また、カスコード型トランジスタを構成す
る第2のトランジスタ30のベース端子には、所望の発
振周波数において概ねλg/4の長さよりなる先端開放
の伝送線路13が設けられている。この先端開放の伝送
線路13を設けることにより、ベース端子は発振周波数
近傍において接地となるため、接地インダクタンスなど
の寄生成分の影響を小さくすることができる。その結
果、カスコード型トランジスタの利得が向上し、より安
定した発振動作を実現することができ、位相雑音を低減
することができる。また、伝送線路13の長さを調整す
ることにより、発振周波数の微調整を行うことができ
る。
【0044】カスコード型トランジスタを構成する第1
のトランジスタ29のエミッタ端子は接地されている
が、周波数が高くなるにしたがって接地インダクタンス
などの寄生成分の影響が大きくなる。よって、所望の発
振周波数において概ねλg/4の長さよりなる先端開放
の伝送線路を設け、交流的にも接地をすることがより好
ましい。
【0045】次に図4及び図5を用いて、本発明の第3
実施形態にかかる電圧制御発振器10cについて説明す
る。図4は、本発明の第3実施形態にかかる電圧制御発
振器の回路構造を示す図である。また、図5は図4の電
圧制御発振器の構成を示すブロック図である。
【0046】電圧制御発振器10cは、図4及び図5に
示すように、同調回路部1とカスコード接続したトラン
ジスタにより構成された発振回路部3を縦続接続し、さ
らに発振回路部3と出力回路部2とを縦続接続し、前記
出力回路部2の出力端子27より発振出力を取り出す構
成である。
【0047】同調回路部1は、主に長さが概ねn×λg
/2(nは整数、λgは発振信号の波長)である伝送線
路44よりなる共振回路とその端子44aに容量素子4
7を介して接続した可変容量素子45a,45bを備え
ている。また、端子25に所望の電圧を印加することに
より、可変容量素子45a,45bの容量を制御し、発
振周波数を変更可能としている。
【0048】発振回路部3は、上記第1実施形態の発振
回路部と同様の構成である。ここで、伝送線路11及び
容量素子16の容量値を調整することにより、端子44
cより発振回路部側をみた反射係数「tの大きさを所望
の周波数において1より大きくすることができ、負性抵
抗特性を実現することができる。なお、帰還回路を別途
設けることによって、負性抵抗特性を実現してもよい。
【0049】発振回路部3の端子44dに、伝送線路7
を介して、バッファ増幅回路又はn次高調波発生回路
(nは整数)の少なくとも1つより構成される出力回路
部2が接続され、出力端子27より所望の発振出力を取
り出すことができるように構成されている。
【0050】発振回路部3を構成するカスコード型トラ
ンジスタは、端子24に印加した電圧を伝送線路44の
端子44bに接続している伝送線路6を介して第1のト
ランジスタ29のベース端子に供給し、また、端子26
に印加した電圧を伝送線路8及び伝送線路7を介して、
第2のトランジスタ30のコレクタ端子に供給し、また
端子28に印加した電圧を第2のトランジスタ30のベ
ース端子に供給することにより動作する。伝送線路44
の端子44bは、伝送線路44のほぼ中心に位置してお
り、伝送線路6、容量素子14、抵抗18、抵抗19よ
りなる給電回路による共振回路44への影響が小さくな
るように構成されている。
【0051】ここで、発振回路部3をカスコード型トラ
ンジスタによって構成することにより、トランジスタ自
身の有する入出力帰還成分を非常に小さくすることが可
能であり、トランジスタ自身のアイソレーション特性を
改善するとともに、発振回路部3の後段に設けた回路
(バッファ増幅器、又はn次高調波発生回路)などの影
響による、端子44cにより発振回路部を見た反射係数
「tの変動を防止することができる。よって、安定した
発振と高い負荷Q値と低位相雑音特性を実現することが
できる。
【0052】また、本実施の形態にかかる電圧制御発振
器10cにおいては、同調回路部1には、長さλg/2
の伝送線路44を用いたが、伝送線路と誘電体共振器と
の組み合わせや、n×λg/4同軸線路共振器(nは整
数)などの共振器を用いて構成してもよい。
【0053】次に図6及び図7を用いて、本発明の第4
実施形態にかかる電圧制御発振器について説明する。図
6は、本発明の第4実施形態にかかる電圧制御発振器の
回路構造を示す図である。また、図7は、図6の電圧制
御発振器の構成を示すブロック図である。
【0054】電圧制御発振器10dの各回路部は、上記
第3実施形態にかかる電圧制御発振器10cの各回路部
と同様の構成を有する。すなわち、発振回路部3、同調
回路部1、バッファ増幅器又はn次高調波発生回路(n
は整数)の少なくとも1つより構成される出力回路2の
接続方法を変更したものである。具体的には、発振回路
部3に同調回路部を縦続接続し、さらに同調回路部1に
出力回路部2を縦続接続し、発振出力を取り出す構成で
ある。
【0055】上記構成の電圧制御発振器においても、第
3実施形態にかかる電圧制御発振器と同様に位相雑音を
低減することができる。
【0056】(実施例)上記電圧制御発振器を用いた高
周波通信装置について説明する。図8は、本発明の電圧
制御発振器を用いた高周波通信装置の一例を示すブロッ
ク図である。
【0057】送信機70aは、変調信号源50、ミキサ
51、上記電圧制御発振器より構成される局部発振器5
2、帯域通過フィルタ53、パワーアンプ54、アンテ
ナ55で構成される。また、受信機70bは、アンテナ
56、ローノイズアンプ57、帯域通過フィルタ58、
ミキサ59、上記電圧制御発振器より構成される局部発
振器60、チューナ61により構成される。
【0058】送信機70aの変調信号源50で生成され
る中間周波信号は、ミキサ51の中間周波信号入力端子
に入力される。また、局部発振器52より出力される局
部発振信号は、ミキサ51の局部発振信号用端子に入力
され、ミキサ51により中間周波信号が局部発振信号に
より上昇変換(アップコンバート)される。次いで、ミ
キサ51より発生する信号のうち、所望の高周波信号の
みが帯域通過フィルタ53を通かし、パワーアンプ54
により増幅され、高周波電波62としてアンテナ55よ
り放射される。
【0059】送信機70aから放射された高周波電波6
2は、受信機70bのアンテナ56により受信され、ロ
ーノイズアンプ57で増幅される。さらに、所望の高周
波信号のみが帯域通過フィルタ58を通過し、ミキサ5
9の高周波信号用端子に入力される。一方、局部発振器
60より出力される局部発振信号は、ミキサ59の局部
発振信号用端子に入力される。高周波信号は、ミキサ5
9の内部で局部発振信号と混合され、再び中間周波信号
に下降変換(ダウンコンバート)される。中間周波信号
はチューナ61に入力され、所望の情報に変換される。
【0060】本発明の電圧制御発振器を局部発振器とし
て用いることにより、低位相雑音の局部発振信号を得る
ことが可能であり、ビットエラーレートの小さいデジタ
ル通信システムを容易に構成することが可能である。
【0061】以上説明したように、本発明の電圧制御発
振器の発振回路部は、エミッタ端子を設置した第1のト
ランジスタのコレクタ端子と交流的にベース端子を設置
した第2のトランジスタのエミッタ端子とを接続したカ
スコード型トランジスタにより構成することにより、ミ
リ波帯において安定な発振回路部を構成することができ
るとともに回路を容易に小型化することができる。
【0062】さらに、カスコード型トランジスタは、ト
ランジスタ自身の入出力帰還成分が小さく、所望の発振
周波数で発振条件となる帰還成分を制御することが容易
となり、高い負荷Q値と低位相雑音特性を実現すること
が可能である。
【0063】また、第2のトランジスタのベース電位を
変更可能とし、第1のトランジスタ及び第2のトランジ
スタにおけるベース−コレクタ接合容量を制御すること
により発振周波数を変更することも可能である。このよ
うに構成することによって、可変容量素子を別途設ける
必要がなくなり、回路をより簡素化することができる。
【0064】また、カスコード型トランジスタに流れる
電流は、第1のトランジスタのエミッタ−ベース間電圧
によりほぼ決まるため、第2のトランジスタのベース電
位を変更した場合の電流値の変化は小さく、安定した発
振出力を得ることができる。
【0065】また、第2のトランジスタのベース端子部
に先端開放(又は短絡)の伝送線路を設けることによ
り、より安定した発振出力を得ることが可能である。
【0066】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
【0067】例えば、電圧制御発振器に対して位相同期
ループを構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態にかかる電圧制御発振
器の回路構造を示す図である。
【図2】 図1の電圧制御発振器の構成を示すブロック
図である。
【図3】 本発明の第2実施形態にかかる電圧制御装置
の回路構造を示す図である。
【図4】 本発明の第3実施形態にかかる電圧制御発振
器の回路構造を示す図である。
【図5】 図4の電圧制御発振器の構成を示すブロック
図である。
【図6】 本発明の第4実施形態にかかる電圧制御発振
器の回路構造を示す図である。
【図7】 図6の電圧制御発振器の構成を示すブロック
図である。
【図8】 本発明の電圧制御発振器を用いた高周波通信
装置の一例を示すブロック図である。
【図9】 従来技術によるカスコード接続型トランジス
タを用いた電圧制御発振器の回路構造を示す図である。
【符号の説明】
1 同調回路部 2 出力回路部 3 発振回路部 4 共振回路部 5 可変容量素子 10a〜10d 電圧制御発振器 6,7,7a,7b,9,11,12 伝送線路 13 先端開放の伝送線路 16 容量素子 18,19 抵抗 24 第1のトランジスタのベース端子へのバイアス供
給端子 25 可変容量素子の制御用バイアス供給端子 26 第2のトランジスタのコレクタ端子へのバイアス
供給端子 27 出力回路部の出力端子 28 第2のトランジスタのベース端子へのバイアス供
給端子 29 第1のトランジスタ 30 第2のトランジスタ 45a,45b 可変容量素子 50 変調信号源 51,59 ミキサ 52,60 局部発振器 53,58 帯域通過フィルタ 54 パワーアンプ 55,56 アンテナ 57 ローノイズアンプ 62 高周波電波 70a 送信機 70b 受信機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J081 AA11 BB01 CC06 CC30 DD03 DD21 DD24 DD25 EE09 EE18 FF03 FF05 FF21 FF23 GG04 JJ27 KK09 KK22 LL05 MM01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振回路部と、周波数を変更可能な同調
    回路部とを備えた電圧制御発振器であって、 前記発振回路部は、エミッタ又はソースを接地端子とす
    る第1のトランジスタのコレクタ又はドレインと、ベー
    ス又はゲート端子が交流的に接地された第2のトランジ
    スタのエミッタ又はソースがカスコード接続された、カ
    スコード型トランジスタを備えていることを特徴とす
    る、電圧制御発振器。
  2. 【請求項2】 発振回路部と、共振回路部と、電圧供給
    回路とを備えた電圧制御発振器であって、 前記発振回路部は、エミッタ又はソースを接地端子とす
    る第1のトランジスタのコレクタ又はドレインと、ベー
    ス又はゲート端子が交流的に接地された第2のトランジ
    スタのエミッタ又はソースがカスコード接続された、カ
    スコード型トランジスタを備え、 電圧供給回路は、前記発振回路部の第2のトランジスタ
    のベース又はゲート端子の直流電位を変更できるように
    構成されていることを特徴とする電圧制御発振器
  3. 【請求項3】 前記第1のトランジスタのエミッタ又は
    ソース端子部分に、前記エミッタ又はソース端子を交流
    的に設置するための回路をさらに備えたことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の電圧制御発振器。
  4. 【請求項4】 n次高調波(nは整数)発生回路又はバ
    ッファ増幅回路の少なくとも1つからなる出力回路部を
    さらに備えたことを特徴とする請求項1〜3いずれか1
    つに記載の電圧制御発振器。
  5. 【請求項5】 前記第1のトランジスタ又は前記第2の
    トランジスタの接地端子部に、先端開放の伝送線路を設
    けたことを特徴とする、請求項1〜4いずれか1つに記
    載の電圧制御発振器。
  6. 【請求項6】 前記第1又は第2のトランジスタの少な
    くとも一方は、へテロ接合バイポーラトランジスタであ
    ることを特徴とする請求項1〜5いずれか1つに記載の
    電圧制御発振器。
  7. 【請求項7】 前記電圧制御発振器は、構成回路を少な
    くとも部分的に化合物半導体基板上に集積したことを特
    徴とする請求項1〜6いずれか1つに記載の電圧制御発
    振器。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7いずれか1つに記載の電圧
    制御発振器を有する高周波通信装置。
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CN103973228A (zh) * 2014-04-18 2014-08-06 南京信息工程大学 一种c波段压控振荡器

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