JP2003218130A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP2003218130A
JP2003218130A JP2003035083A JP2003035083A JP2003218130A JP 2003218130 A JP2003218130 A JP 2003218130A JP 2003035083 A JP2003035083 A JP 2003035083A JP 2003035083 A JP2003035083 A JP 2003035083A JP 2003218130 A JP2003218130 A JP 2003218130A
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layer
schottky
electrode
cap layer
gate electrode
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JP2003035083A
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English (en)
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Kazuyuki Inoguchi
和之 猪口
誠一 ▲高▼橋
Seiichi Takahashi
Shinichi Hoshi
真一 星
Tadashi Saito
正 齊▲藤▼
Shinsuke Yamamoto
伸介 山本
Yuko Ito
祐子 伊東
Nobumasa Higemoto
信雅 髭本
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面欠陥が生じにくく信頼性の高い半導体装
置を提供する。 【解決手段】 この半導体装置は,ショットキ層118
と,ショットキ層を覆うキャップ層120と,キャップ
層を貫通しショットキ層に到達する下部構造152と,
下部構造よりも拡大した断面を有しキャップ層上に乗り
上げる上部構造154との2段構造を有するショットキ
電極とを含むことを特徴とする。かかる構成によれば,
化学的に不安定なショットキ層がキャップ層に覆われる
とともに,表面欠陥が生じやすい,ショットキ層/キャ
ップ層とショットキ電極との境界領域についても,ショ
ットキ電極の上部構造により,覆われるので,表面欠陥
が生じにくく,したがって高い信頼性を有する半導体装
置を高い歩留まりで製造することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,半導体装置および
その製造方法に関し,特に電界効果トランジスタなどの
ショットキー電極を有する半導体装置の構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来,化合物半導体を用いた電界効果ト
ランジスタ(以下,FETという。)が知られている。
そして,FETの中で,高出力,高効率特性を得ること
ができる素子として,ダブルへテロ(DH)接合型高電
子移動度電界効果トランジスタ(以下,HEMTとい
う。)が注目されている。かかるHEMTについては,
例えば,“High Power Pseudomorp
hic Double−heterojunction
Field Effect Transistors W
ith 26V Gate−drain Breakdo
wn Voltages”, K. Matsunag
a, N. Iwata andM. Kuzuhara,
Inst. Phys. Conf. Ser. No.1
29 Chapter9. pp.749−754(19
92)に記載されている。
【0003】さらに,HEMTの中には,ガリウム砒素
(GaAs)から成る基板と,インジウムガリウム砒素
(InGaAs)から成るチャネル層とを組み合わせる
ものが知られている。かかるHEMT構造は,チャネル
層が,基板として用いられているガリウム砒素(GaA
s)と格子定数が異なるため結晶格子が歪んでいるイン
ジウムガリウム砒素(InGaAs)を含むため,擬格
子(psudomorphic)HEMT(以下,PH
EMTという。)と称されている。また,PHEMTに
おいては,チャネル層のポテンシャル井戸に電子を供給
するための電子供給層としてn形アルミガリウム砒素
(AlGaAs)を用い,ゲート電極のショットキ障壁
高さを大きくするために,ショットキ層として,無添加
(φ)のAlGaAsが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,かかる
PHEMT構造においては,ショットキ層として,化学
的に活性なAl原子を含むφ−AlGaAsを使用する
ため,ショットキ層のφ−AlGaAsがゲート金属に
より完全に覆われずに,露出部分を生じると,後工程で
SiO2やSiNなどの絶縁膜で覆っても,φ−AlG
aAs表面に存在するAl原子が空気中の元素や工程中
に付着した材料や不純物と結合し,電気的に作用する深
い準位を禁制帯中に形成してしまう。これはPHEMT
が動作中に特性が変動する原因となり,素子の信頼性を
著しく損なう結果となっていた。
【0005】本発明は,従来のPHEMTのような半導
体装置が有する上記問題点に鑑みてなされたものであ
り,化学的に活性なショットキ層の表面を化学的に安定
なキャップ層で覆うとともに,キャップ層による覆いが
不完全になり易い領域をゲート電極で埋設することによ
り,表面欠陥が生じにくく,したがって歩留まりが高
く,信頼性の高い,新規かつ改良された半導体装置およ
びその製造方法を提供することを目的としている。
【0006】さらに,本発明の別の目的は,チャネル層
中の二次元電子ガスと向き合うショットキ電極の最下端
面を小さく構成して,高い相互コンダクタンスgm,低
いゲート・ソース間容量Cgsを得ることにより,高い
遮断周波数fTを有する,新規かつ改良されたPHEM
Tのような半導体装置およびその製造方法を提供するこ
とである。
【0007】さらに,本発明の別の目的は,ゲート・ド
レイン間の耐圧特性を低下させることなく,高い相互コ
ンダクタンスgm,低いゲート・ソース間容量Cgsを
得ることにより,高い遮断周波数fTを有する,新規か
つ改良されたPHEMTのような半導体装置およびその
製造方法を提供することである。
【0008】さらに,本発明の別の目的は,ゲート電
極,ソース電極,ドレイン電極を作り込んでから,半導
体装置の特性を最適化することが可能であり,したがっ
て,製造工程における設計の自由度を向上させることが
可能な,新規かつ改良された半導体装置およびその製造
方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,本発明の第1の観点によれば,請求項1に記載のよ
うに,ショットキ層と,ショットキ層を覆うキャップ層
と,キャップ層を貫通しショットキ層の深さ方向の一部
にまで到達する下部構造と,下部構造よりも拡大した断
面を有しキャップ層上に乗り上げる上部構造との2段構
造を有するショットキ電極とを含むことを特徴とする半
導体装置が提供される。かかる構成によれば,化学的に
不安定なショットキ層がキャップ層に覆われるととも
に,表面欠陥が生じやすい,ショットキ層/キャップ層
とショットキ電極との境界領域についても,ショットキ
電極の上部構造により,覆われるので,表面欠陥が生じ
にくく,したがって高い信頼性を有する半導体装置を高
い歩留まりで製造することが可能となる。さらに,チャ
ネル層中の電子と向き合うショットキ電極の最下端面を
小さく構成することが可能となるので,高い相互コンダ
クタンスgm,低いゲート・ソース間容量Cgsを得る
ことにより,高い遮断周波数fTを有する半導体装置を
得ることができる。
【0010】上記課題を解決するために,本発明の第2
の観点によれば,請求項2に記載のように,ショットキ
層と,ショットキ層を覆うキャップ層と,少なくともキ
ャップ層のショットキ電極形成領域に形成されるスペー
サ絶縁層と,キャップ層およびスペーサ絶縁層を貫通し
ショットキ層の深さ方向の一部にまで到達する下部構造
と,下部構造よりも拡大した断面を有しキャップ層に乗
り上げる上部構造との2段構造を有するショットキ電極
とを含むことを特徴とする半導体装置が提供される。か
かる構成によれば,請求項1に記載の発明と同様に,化
学的に不安定なショットキ層がキャップ層に覆われると
ともに,表面欠陥が生じやすい,ショットキ層/キャッ
プ層とショットキ電極との境界領域についても,ショッ
トキ電極の上部構造により,覆われるので,表面欠陥が
生じにくく,したがって高い信頼性を有する半導体装置
を高い歩留まりで製造することが可能となる。また,シ
ョットキ電極の上部構造がスペーサ絶縁層の上に乗って
いるので,ゲート・ソース間容量を軽減することができ
る。
【0011】さらに,請求項3に記載のように,キャッ
プ層は,少なくともショットキ電極が形成される薄層化
領域を含むように構成すれば,ソース抵抗を減少させる
ことにより,ゲート・ソース間容量Cgsをあまり増加
させずに,相互コンダクタンスgmを増加させることが
可能なので,高い遮断周波数fTを得ることできる。
【0012】また,請求項4に記載のように,キャップ
層は,少なくともショットキ電極の上部構造が形成され
る領域の外側部に薄層化領域を含むように構成すれば,
ゲート電極,ソース電極,ドレイン電極を作り込んでか
ら,薄層化領域を調整することにより,半導体装置の特
性を最適化することが可能であり,したがって,製造工
程における設計の自由度を向上させることが可能であ
る。
【0013】さらに,請求項5に記載のように,ショッ
トキ電極は,ソース電極とドレイン電極との間に形成さ
れるゲート電極であり,ゲート電極は,ソース電極側に
オフセットされて形成されれば,ソース抵抗を軽減し,
ゲート・ドレイン間の耐圧特性を向上させることができ
る。
【0014】さらにまた,請求項6に記載のように,シ
ョットキ電極は,ソース電極とドレイン電極との間に形
成されるゲート電極であり,薄層化領域をソース電極側
およびドレイン電極側に対称に形成しても良いし,ある
いは,請求項7に記載のように,薄層化領域をソース電
極側とドレイン電極側に非対称にかつドレイン電極側に
長く形成しても良いし,あるいは請求項8に記載のよう
に,薄層化領域をドレイン電極側にのみ形成しても良
い。特に,後者の場合には,ゲート・ドレイン間の耐圧
特性を低下させずに,高性能の半導体装置を提供するこ
とができる。
【0015】また,請求項9に記載のように,ショット
キ層がAlGaAsから成り,キャップ層がGaAsか
ら成る場合であれば,化学的に活性なショットキ層を化
学的に安定なキャップ層で覆うことにより,高い信頼性
を有する半導体装置を提供することが可能である。
【0016】さらに,請求項10に記載のように,ショ
ットキ層の下層に,少なくとも一対の電子供給層とチャ
ネル層が形成されていれば,高性能で,かつ高い信頼性
を有する高電子移動度電界効果トランジスタを製造する
ことが可能である。
【0017】さらに,請求項11のようにキャップ層が
キャリア密度が1×1016cm―3以下の不純物を有す
るGaAsであることにより,ゲート・ソース間リーク
電流を小さくでき,かつゲート・ドレイン間耐圧を向上
させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照しながら,
本発明にかかる半導体装置を電界効果トランジスタに適
用したいくつかの好適な実施形態について詳細に説明す
ることにする。なお,以下の説明および添付図面におい
て,略同一の機能構成を有する部材については同一符号
を付することにより重複説明を省略することにする。
【0019】(第1の実施の形態)図1には,本発明の
第1の実施形態にかかるPHEMT100の概略的な構
造が示されている。図示のように,PHEMT100
は,半絶縁性GaAsから成る基板102上に,φ−G
aAsから成る第1バッファ層104,φ−AlGaA
sから成る第2バッファ層106,n+AlGaAsか
ら成る第1電子供給層108,φ−AlGaAsから成
る第1スペーサ層110,φ−InGaAsから成るチ
ャネル層112,φ−AlGaAsから成る第2スペー
サ層114,n+ AlGaAsから成る第2電子供給層
116が順次積層されている。さらに,その第2電子供
給層116上には,φ−AlGaAsから成るショット
キ層118が約500オングストロームの厚みで形成さ
れ,さらにそのショットキ層118の上に,GaAsか
ら成るキャップ層120が,ドナ密度,約3E17cm
−3,厚み,約250オングストロームで形成されてい
る。
【0020】そして,キャップ層120上には,オーム
性電極形成部にn+GaAsから成るn+層122が,ド
ナ密度約4E18cm−3,厚み1000オングストロ
ームで形成され,そのn+層122上に,第1および第
2のオーム性電極124,126が形成されている。な
お,図中,左側の第1オーム性電極124はソース電極
であり,右側の第2オーム性電極126はドレイン電極
として構成されている。さらに,ソース電極124とド
レイン電極126との間には本実施の形態にかかるショ
ットキ電極であるゲート電極150が形成されている。
【0021】図示のようにゲート電極150は,その断
面の下部構造と上部構造とが階段状に形成されており,
その階段部の下部構造152は,キャップ層120を貫
通してショットキ層118にまで到達しており,さらに
上部構造154はキャップ層120上に乗り上げるよう
に構成されている。なお,ゲート電極150の階段部の
段差は,本実施の形態では,例えば500オングストロ
ーム程度にすることができる。また,本実施の形態にお
いては,ゲート電極150はソース124側にオフセッ
トされており,ソース抵抗の低減と,ゲートドレイン間
耐圧の向上が図られている。本実施の形態では, ソー
ス側のn+層122とゲート電極150との間隔は,例
えば,0.6μm程度であり,ドレイン側のn+層12
2とゲート電極150との間隔は,例えば,1.5μm
程度である。
【0022】次に,図2を参照しながら,第1の実施形
態にかかるPHEMT100の動作について説明する。
図示のようにPHEMT100は,ソース電極124が
接地され,ドレイン電極126に正電圧(Vds),ゲ
ート150に負電圧(Vgs)を印加することにより,
発振や増幅などの動作を行うことができる。動作時に
は,図示のように,ソース電極124からは電子がチャ
ネル層112中に供給され,電子は,ソース・ドレイン
間の電界に加速されて,すぐ飽和速度に達し,チャネル
層112中をほぼ飽和速度で走行してドレイン電極12
6に達し,ドレイン電流(Ids)となる。チャネル層
112を走行している高速の電子の一部は,基板102
へ漏れ出したり,ショットキ層118へ飛び込むことが
ある。これらの電子は,FETの構造中に電子トラップ
として作用する深い準位が存在する場合は,そこにトラ
ップされるため,FETとしての動作中に,電荷が蓄積
され,しきい値電圧Vth,相互コンダクタンスgm,
ドレイン電流のIdsの変化を生ずることになり,回路
としての性能を著しく損なう場合がある。しかしなが
ら,本実施の形態にかかるPHEMT100の構造によ
れば,化学的に不安定なAlGaAsから成るショット
キ層118が,導電層であるキャップ層120に全面的
に覆われているため,その表面の不完全性に起因する深
い準位が形成されないので,上記のような性能の劣化は
起こらない。
【0023】また,一般に,FETの高周波動作の周波
数上限は,次式(1)で示される,遮断周波数fTで表
される。
【0024】 fT=gm/(2πCgs) ・・・ (1) なお,式(1)において,gmは相互コンダクタンスで
あり,Cgsはゲート・ソース間容量である。また,ゲ
ート・ソース間容量Cgsは,ゲートとチャネルとの間
の静電容量とゲートとソース側のn+層やオーム性電極
との静電容量の和である。
【0025】上式(1)から分かるように,FETの高
周波性を向上させるためには,ゲート・ソース間容量C
gsを小さくする必要がある。この点,本実施の形態に
かかるゲート電極150の構造によれば,階段状に構成
されたゲート電極150の最下端面は,上部に比較して
小面積でショットキ層118と接しているため,ゲート
・ソース間容量Cgsの主たる部分である,ゲートとチ
ャネル間の容量Cchが小さくなっている。また,ゲー
トの最下端面のソース・ドレイン方向の長さ(ゲート
長:Lg)が短いため,相互コンダクタンスgmが向上
しており,遮断周波数fTはさらに向上する。
【0026】以上のように,この第1の実施形態にかか
るPHEMT100においては,AlGaAsから成る
ショットキ層118の上部にGaAsから成るキャップ
層120を設けて,化学的に活性なAlGaAsの表面
を化学的に安定なGaAsで覆っている。そして,キャ
ップ層120を貫通してショットキ層118に至るくぼ
みをエッチング形成し,そのくぼみに,ゲート電極15
0の階段部の下部152を埋め込むとともに,その階段
部の上部によりキャップ層120を覆うようにして,ゲ
ート電極150を構成しているので,ゲート電極150
形成時にも,化学的に活性なAlGaAs(ショットキ
層118)が表面に露出することない。そのため,信頼
性の高い製品を提供できる。同時に,チャネル層118
中の電子と向き合うゲート電極150の最下端面を小さ
くできるため,高い相互コンダクタンスgmを確保でき
るとともに,ゲート・ソース間容量Cgsを低くするこ
とができ,その結果,遮断周波数fTの高いPHEMT
が実現できる。
【0027】(第2の実施の形態)図3は,本発明の第
2の実施形態にかかるPHEMT200の概略を示す構
造図である。図示のように,PHEMT200において
は,φ−AlGaAsから成るショットキ層218の厚
みは,約500オングストロームであり,その上に,ド
ナ密度,約3E17cm3,のn形のGaAsから成る
キャップ層220が,約500オングストロームの厚み
で形成されている。なお,本実施の形態において特徴的
なのは,キャップ層220のゲート電極形成領域(以
下,薄層化領域と称する。)220aが,ゲート電極2
50に対して略対称にエッチングされて,厚み,約25
0オングストロームに薄層化されている点である。そし
て,ゲート電極250は,この薄層化領域220aにキ
ャップ層220を貫通してショットキ層218に到達す
るように形成されたくぼみに埋め込まれるように形成さ
れる。すなわち,ゲート電極250は,第1の実施形態
と同様に,その断面の下端が階段状になり,その最下端
252は,φ−AlGaAsから成るショットキ層21
8に入り込んでおり,その上段254は,n形のGaA
sから成るキャップ層220に乗り上げている。
【0028】そして,キャップ層220のオーム性電極
形成領域には, n+GaAsから成るn+層222が形
成され,そのn+層222上に,それぞれ,ソース,ド
レインと成るオーム性電極224,226が形成されて
いる。また,第1の実施形態と同様に,ゲート電極25
0は,ソース224側にオフセットされており,ソース
抵抗の低減とゲート・ドレイン間耐圧の向上が図られて
いる。なお,ショットキ層218の下層には,図示は省
略するが,第1の実施形態と同様の構造が作り込まれて
いる。
【0029】次に,この第2の実施形態にかかるPHE
MT200の動作について説明する。この第2の実施形
態にかかるPHEMT200のゲート250の構造は,
第1の実施形態とほぼ同様であるので,第1の実施形態
とほぼ同様に動作する。さらに,PHEMT200にお
いては,キャップ層220に薄層化領域220aを形成
することにより, n+層222を介してソース電極22
4やドレイン電極226が形成されるキャップ層220
の厚みを,第1の実施形態に比較して,相対的に厚く構
成することができるので,ソース抵抗を低減することが
できる。図示の例では,キャップ層220を,第1の実
施形態に比較して,約2倍に厚くしているので,ソース
抵抗が約30%低減している。したがって,相互コンダ
クタンスgmは,約20%向上させることができるのに
対して,ゲート・ソース間容量Cgsは,約5%程度の
微増にとどめることが可能である。さらに,ゲート・ド
レイン間耐圧は,キャップ層220が,第1の実施形態
にかかるキャップ層120の約2倍の厚みになっている
が,ゲート近傍領域220aにおいては薄層化され,第
1の実施例にかかるキャップ層120の厚みと実質的に
同一の厚みなので,数ボルトの低下に止めることができ
る。
【0030】以上のように,第2の実施形態にかかるP
HEMT200によっても,第1の実施形態にかかるP
HEMT100と同様の効果を得ることが可能である。
さらに,第2の実施形態にかかるPHEMT200にお
いては,キャップ層220の厚みを厚くし,ゲート近傍
220aをエッチングして薄層化し,その部分の厚みを
第1の実施形態と同様にしてあるので,相互コンダクタ
ンスgmは大幅に向上させることが可能であるが,ゲー
ト・ソース間容量Cgsの増加は最小限に抑えることが
できるため,遮断周波数fTをさらに向上することがで
きる。
【0031】(第3の実施の形態)図4は,本発明の第
3の実施形態にかかるPHEMT300の概略を示す構
造図である。この第3の実施形態にかかるPHEMT3
00の構造は,ほぼ第2の実施形態にかかるPHEMT
200とほぼ同様である。図示のように,PHEMT3
00においては,φ−AlGaAsから成るショットキ
層318の厚みは,約500オングストロームであり,
その上に,ドナ密度,約3E17cm3,のn形のGa
Asから成るキャップ層320が,約500オングスト
ロームの厚みで形成されている。さらに,キャップ層3
20のゲート電極形成領域(以下,薄層化領域と称す
る。)320aが,第2の実施形態と同様に,エッチン
グされて,厚み,約250オングストロームに薄層化さ
れている。ただし,この第3の実施形態においては,エ
ッチング領域の長さは,ソース側長さ321sは第2の
実施形態と同様であるが,ドレイン側長さ321dは相
対的に大きくとられており,図示の例では,ゲート・ド
レイン間におけるキャップ層220露出部の長さの約半
分を占めている。
【0032】ゲート電極350の構造については,第2
の実施形態とほぼ同様であり,ゲート電極350は,薄
層化領域320aにキャップ層320を貫通してショッ
トキ層318に到達するように形成されたくぼみに埋め
込まれるように形成される。すなわち,ゲート電極35
0は,先の実施形態と同様に,その断面の下端が階段状
になり,その下部構造352は,φ−AlGaAsから
成るショットキ層318に入り込んでおり,その上部構
造354は,n形のGaAsから成るキャップ層320
に乗り上げている。
【0033】そして,キャップ層320のオーム性電極
形成領域には, n+GaAsから成るn+層322が形
成され,そのn+層322上に,それぞれ,ソース電
極,ドレイン電極と成るオーム性電極324,326が
形成されている。また,第1および第2の実施形態と同
様に,ゲート電極350は,ソース324側にオフセッ
トされており,ソース抵抗の低減とゲート・ドレイン間
耐圧の向上が図られている。なお,ショットキ層320
の下層には,図示は省略するが,第1の実施形態と同様
の構造が作り込まれている。
【0034】以上のように構成された第3の実施形態に
かかるPHEMT300において,ゲート電極350か
らソース電極324にかけての構造は,第2の実施形態
とほぼ同様である。したがって,ソース抵抗を約30%
低減させることが可能であり,相互コンダクタンスgm
を約20%向上させることができる一方,ゲート・ソー
ス間容量Cgsは約5%程度の微増にとどめることがで
きる。さらに,第2の実施形態と同様に,キャップ層2
20は,第1の実施形態に比較して約2倍の厚みになっ
ているが,ゲート・ドレイン間の約半分程度までエッチ
ングされて薄層化されているため,ゲート・ドレイン間
耐圧については,第1の実施形態とほぼ同様の値を得る
ことが可能である。すなわち,この第3の実施形態にか
かるPHEMT300によれば,第2の実施形態と同様
の効果を得ることが可能であるとともに,第2の実施形
態の場合に生じていたゲート・ドレイン間耐圧の低下を
最小限に抑えることが可能である。
【0035】(第4の実施の形態)図5は,本発明の第
4の実施形態にかかるPHEMT400の概略を示す構
造図である。この第4の実施形態にかかるPHEMT4
00の構造も,先の実施形態とほぼ同様であり,φ−A
lGaAsから成るショットキ層418の厚みは,約5
00オングストロームであり,その上に,ドナ密度,約
3E17cm3,のn形のGaAsから成るキャップ層
420が,約500オングストロームの厚みで形成され
ている。ゲート電極450の構造については,第1の実
施形態とほぼ同様であり,ゲート電極450は,キャッ
プ層420を貫通してショットキ層418に到達するよ
うに形成されたくぼみに埋め込まれるように形成され
る。すなわち,ゲート電極450は,先の実施形態と同
様に,その断面の下端が階段状になり,その最下端45
2は,φ−AlGaAsから成るショットキ層418に
入り込んでおり,その上段454は,n形のGaAsか
ら成るキャップ層420に乗り上げている。ただし,キ
ャップ層420の厚みは,第1の実施形態の場合に比較
して,約2倍の厚みに構成されているので,ゲート電極
450の最下端が十分にショットキ層418に到達する
ように,階段部の段差は約750オングストロームに構
成されている。
【0036】さらに,本実施の形態に特徴的な点は,キ
ャップ層420の構造である。すなわち,キャップ層4
20のゲート電極形成部分420aにおいては,約50
0オングストロームの厚みが確保されているが,ゲート
電極450の上段部454の外側領域420bが,ゲー
ト電極450に対して対称にエッチングされて,厚み約
250オングストロームに薄層化されている。
【0037】その他の点については,先の実施形態とほ
ぼ同様であり,キャップ層420のオーム性電極形成領
域には, n+GaAsから成るn+層422が形成さ
れ,そのn+層422上に,それぞれ,ソース電極,ド
レイン電極と成るオーム性電極424,426が形成さ
れている。また,第1および第2の実施形態と同様に,
ゲート電極450は,ソース電極424側にオフセット
されており,ソース抵抗の低減とゲート・ドレイン間耐
圧の向上が図られている。なお,ショットキ層420の
下層には,図示は省略するが,第1の実施形態と同様の
構造が作り込まれている。
【0038】以上のように構成された第4の実施形態に
かかるPHEMT400は,ゲート上段部454の下に
厚いキャップ層420aがある点を除けば,第2の実施
形態と同様であるので,第2の実施形態と同様に,ソー
ス抵抗を約30%低減させ,相互コンダクタンスgmを
約20%向上させることができる。さらに,第4の実施
形態においては,ゲート・ソース間容量Cgsについて
も,ゲート電極450周辺のキャップ層420bが掘り
込んであるので,ゲート電極450と接するキャップ層
420に空乏領域を形成できるので,第2の実施形態と
実質的に同一の効果を得ることができる。さらにまた,
ゲート・ドレイン間耐圧も,ゲート電極450周辺のキ
ャップ層420bが掘り込んであるので,第2の実施形
態の場合と実質的に同一である。
【0039】本実施の形態にかかるPHEMT400の
特徴的な点は,ゲート電極450の形成後に,ゲート周
辺のキャップ層420bを掘り込むことが可能な点であ
る。かかる構成により,本実施の形態にかかるPHEM
T400によれば,第2実施形態と同様の効果に加え
て,各種FETの特性,特にゲート・ドレイン耐圧や,
相互コンダクタンスgmを逐一検出しながら,ゲート電
極周辺のキャップ層420bのエッチング量を調整し
て,ゲート・ドレイン耐圧や,相互コンダクタンスgm
を最適値に調整することができる。したがって,製造工
程における設計上の余裕を持たせることができる。もち
ろん,第2の実施形態の場合と同様に,ゲート・ソース
間容量Cgsの増加は最小限に抑えることができるた
め,高い遮断周波数fTも確保することが可能である。
【0040】(第5の実施形態)図6は,本発明の第5
の実施形態にかかるPHEMT500の概略を示す構造
図である。この第5の実施形態にかかるPHEMT50
0の構造は,第4の実施形態とほぼ同様であり,φ−A
lGaAsから成るショットキ層518の厚みは,約5
00オングストロームであり,その上に,ドナ密度,約
3E17cm3,のn形のGaAsから成るキャップ層
520が,約500オングストロームの厚みで形成され
ている。ゲート電極550の構造についても,第4の実
施形態とほぼ同様であり,ゲート電極550は,キャッ
プ層520を貫通してショットキ層518に到達するよ
うに形成されたくぼみに埋め込まれるように形成され
る。すなわち,ゲート電極550は,先の実施形態と同
様に,その断面の下端が階段状になり,その下段552
は,φ−AlGaAsから成るショットキ層518に入
り込んでおり,その上段554は,n形のGaAsから
成るキャップ層520に乗り上げている。ただし,キャ
ップ層520の厚みは,第1の実施形態の場合に比較し
て,約2倍の厚みに構成されているので,ゲート電極5
50の最下端が十分にショットキ層518に到達するよ
うに,階段部の段差は約750オングストロームに構成
されている。
【0041】さらに,本実施の形態に特徴的な点は,キ
ャップ層520の構造である。すなわち,キャップ層5
20は,ゲート電極形成部分520aにおいては,約5
00オングストロームの厚みが確保されているが,ゲー
ト電極550の上段部554のドレイン側領域520b
においては,ゲート電極550に対してエッチングされ
て,厚み約250オングストロームに薄層化されてい
る。
【0042】その他の点については,先の実施形態とほ
ぼ同様であり,キャップ層520のオーム性電極形成領
域には, n+GaAsから成るn+層522が形成さ
れ,そのn+層522上に,それぞれ,ソース電極,ド
レイン電極と成るオーム性電極524,526が形成さ
れている。また,先の実施形態と同様に,ゲート電極5
50は,ソース524側にオフセットされており,ソー
ス抵抗の低減とゲート・ドレイン間耐圧の向上が図られ
ている。なお,ショットキ層520の下層には,図示は
省略するが,第1の実施形態と同様の構造が作り込まれ
ている。
【0043】上記のように構成された第5の実施形態に
かかるPHEMT500によれば,ゲート・ソース間の
全長においてキャップ層520(520a)が厚くなっ
ているため,第1の実施形態に比べて,ソース抵抗を約
35%低減することが可能であり,したがって相互コン
ダクタンスgmを約25%向上させることができる。そ
れに伴い,ゲート・ソース間容量Cgsは,約10%程
度増加する。また,ゲート電極550のドレイン526
側のキャップ層520bが掘り込んであるので,ゲート
・ドレイン間耐圧も第1および第3の実施形態と変わら
ない。
【0044】また本実施の形態にかかるPHEMT50
0は,第4の実施形態と同様に,ゲート電極550形成
後に,ゲート・ソース間のキャップ層520bを掘り込
むことが可能であり,したがって,FETのゲート・ド
レイン耐圧や相互コンダクタンスgmを検出しながら,
キャップ層520bに対するエッチング量を調整して,
ゲート・ドレイン耐圧や相互コンダクタンスgmを最適
値にすることができる。したがって,製造工程において
設計上の余裕を持たせることができる。
【0045】さらに,本実施の形態は,PHEMT50
0のしきい値電圧がより正側である場合,例えば+0.
1Vのエンハンスメントモードの場合に特に有利であ
る。すなわち,かかる場合には,チャネル層の2次元電
子ガスは,表面空乏の影響で減少しやすいことが知られ
ているが,本実施の形態の場合には,ソース524側の
キャップ層520aが,ゲート電極550側面まで厚く
構成されているので,空乏が生じにくく,よって高い相
互コンダクタンスgmの特性が得られる。
【0046】以上のように,第5の実施形態にかかるP
HEMT500によれば,第3の実施形態にかかるPH
EMT300と同様の効果に加えて,ゲート・ソース間
の全長においてキャップ層520aを構成するととも
に,ゲート電極550形成後にゲート電極550のドレ
イン電極526側のキャップ層520bを掘り込んで薄
層化しているので,ゲート・ソース間容量Cgsは微増
するものの,相互コンダクタンスgmおよびゲート・ド
レイン耐圧はともに大きく調整することが可能であり,
所望の特性を有する半導体装置を提供することができ
る。
【0047】(第6の実施の形態)図7には,本発明の
第6の実施形態にかかるPHEMT600が示されてい
る。このPHEMT600も,先の実施形態と同様に,
約500オングストローム厚みの,φ−AlGaAsか
ら成るショットキ層618上に,ドナ密度,約3E17
cm3,の,n形のGaAsから成るキャップ層620
が約250オングストロームの厚みで形成されている。
さらに,キャップ層620のオーム性電極形成領域に
は,ドナ密度,約4E18cm−3のn+GaAsから
成るn+層622が,厚み,約1000オングストロー
ムで形成され,そのn+層622a,622b上に,そ
れぞれ,ソース電極,ドレイン電極と成るオーム性電極
624,626が形成されている。
【0048】さらに,本実施の形態において特徴的な点
は,ソース電極,ドレイン電極が形成されるn+層62
2a,622b間において露出するキャップ層620上
に,SiNなどの絶縁膜から成るスペーサ絶縁膜層66
0が,約250オングストロームの厚みで形成されてい
る点である。そして,ゲート電極650は,スペーサ絶
縁膜層660とキャップ層620を貫通してショットキ
層618に到達するように形成されたくぼみに埋め込ま
れるように形成されている。すなわち,ゲート電極65
0は,先の実施形態と同様に,その断面の下端が階段状
になり,その下段652は,φ−AlGaAsから成る
ショットキ層618に入り込んでおり,その上段654
は,SiNなどの絶縁膜から成るスペーサ絶縁層660
に乗り上げている。なお,ゲート電極650の下段65
2が十分にショットキ層618に到達するように,ゲー
ト電極650の階段部の段差は約750オングストロー
ムに構成されている。また,ショットキ層618の下層
には,図示は省略しているが,第1の実施形態と同様の
構造が形成されている。
【0049】以上のように構成された第6の実施形態に
かかるPHEMT600においては,キャップ層620
の上部にスペーサ絶緑膜層660が形成されており,ゲ
ート電極650の上段654がスペーサ絶縁膜層660
の上に乗っている点を除けば,第1の実施形態と同様で
あるので,第1の実施形態と実質的に同様の効果を奏す
ることができる。さらに,本実施の形態においては,ゲ
ート電極650の上段654がスペーサ絶縁膜層660
の上に乗っているため,ゲート・ソース間容量Cgsを
約5%程度軽減しながら,相互コンダクタンスgm,お
よびゲート・ドレイン間耐圧については,第1の実施形
態とほぼ同様の値を確保することができる。
【0050】(第7の実施の形態)図8には,第7の実
施形態にかかるPHEMT700の概略構成が示されて
いる。このPHEMT700の概略構成は,ほぼ第6の
実施形態と同様である。すなわち,PHEMT700
も,先の実施形態と同様に,約500オングストローム
厚みの,φ−AlGaAsから成るショットキ層718
上に,ドナ密度,約3E17cm3,の,n形のGaA
sから成るキャップ層720が約500オングストロー
ムの厚みで形成されている。さらに,キャップ層720
のオーム性電極形成領域には,ドナ密度,約4E18c
m−3のn+GaAsから成るn+層722が,厚み,約
1000オングストロームで形成され,そのn+層72
2a,722b上に,それぞれ,ソース電極,ドレイン
電極と成るオーム性電極724,726が形成されてい
る。
【0051】さらに,第6の実施形態と同様に,ソース
電極,ドレイン電極が形成されるn+層722a,72
2b間において露出するキャップ層720上に,SiN
などの絶縁膜から成るスペーサ絶縁膜層760が,約2
50オングストロームの厚みで形成されている。そし
て,ゲート電極750は,スペーサ絶縁膜層760とキ
ャップ層720を貫通してショットキ層718に到達す
るように形成されたくぼみに埋め込まれるように形成さ
れる。すなわち,ゲート電極750は,先の実施形態と
同様に,その断面の下端が階段状になり,その下段75
2は,φ−AlGaAsから成るショットキ層718に
入り込んでおり,その上段754は,SiNなどの絶縁
膜から成るスペーサ絶縁層760に乗り上げている。な
お,ゲート電極750の下段752が十分にショットキ
層718に到達するように,ゲート電極750の階段部
の段差は約1000オングストロームに構成されてい
る。また,ショットキ層718の下層には,図示は省略
しているが,第1の実施形態と同様の構造が形成されて
いる。
【0052】この第7の実施形態の特徴的な点は,第6
の実施形態と異なり,ゲート電極750のドレイン電極
726側キャップ層720aがスペーサ絶縁層760と
ともにエッチングされ,厚み,約250オングストロー
ムに薄層化されている点である。
【0053】以上のように構成された第7の実施形態に
かかるPHEMT700においては,キャップ層720
の上部にスペーサ絶緑膜層760が形成されており,ゲ
ート電極750の上段754がスペーサ絶縁膜層720
の上に乗っている点を除けば,第5の実施形態と実質的
に同様であるので,第5の実施形態と同様の効果を奏す
ることが可能である。すなわち,ゲート電極750の上
段754がスペーサ層720上に乗っているため,ゲー
ト・ソース間容量Cgsは,約5%程度減少させること
ができる。また,相互コンダクタンスgmおよびゲート
・ドレイン間耐圧については,第5の実施形態の場合と
ほぼ同様の値を維持することができる。このように,本
実施形態によれば,相互コンダクタンスgmを変化させ
ることなく,ゲート・ソース間容量Cgsを減少させる
ことができるので,遮断周波数fTを向上させることが
できる。
【0054】(第8の実施形態)図9〜図16は,本発
明の第8の実施形態を示す工程フロー図である。この第
8の実施形態は,第1の実施形態にかかるPHEMT1
00とほぼ同様の構造を有する半導体装置800を製造
するための工程である。
【0055】図9に示すように,まず,半絶縁性GaA
s基板802上に分子線エピタキシャル成長法(MBE
法)により,第1の実施形態にかかるPHEMT100
に相当するすべての化合物半導体層をエピタキシャル成
長させたエピウエハ800を製造する。すなわち,図示
の例では,エピウエハ800は,下層から順に,半絶縁
性GaAs基板802,φ−GaAsから成る第1バッ
ファ層804,φ−AlGaAsから成る第2バッファ
層806, n+AlGaAsから成る第1電子供給層8
08,φ−AlGaAsから成る第1スペーサ層81
0,φ−InGaAsから成るチャネル層812,φ−
AlGaAsから成る第2スペーサ層814, n+Al
GaAsから成る第2電子供給層816,φ−AlGa
Asから成るショットキ層818,n−GaAsから成
るキャップ層820を順次積層し,そして,最上層にn
+GaAs層822が積層されている。
【0056】次いで,エピウエハ800上に,図10に
示すように,電子走行領域となる部分の上に,フォトリ
ソグラフィ技術を用いて,必要なレジストを残したパタ
ーン830を形成し,レジストで覆われていない領域
(絶縁領域)832に,酸素イオンを第1および第2バ
ッファ層804,806より深くイオン注入し,絶縁領
域832を形成して,素子間分離を行う。
【0057】次いで,レジスト830を除去した後,図
11に示すように,真空蒸着・リフトオフ法を用いて,
AuGeから成るオーム性電極824,826を形成す
る。
【0058】次いで,フォトリソグラフィ技術を用い
て,図12に示すように,オーム性電極824,826
で挟まれた領域に開口部が形成されるように,レジスト
パターン834を形成し,このレジストパターン834
をマスクとして, n+−GaAs層822を,Cl2を
含む混合ガスを用いた反応性イオンエッチング(RI
E)により除去し,ソース電極およびドレイン電極形成
領域に,それぞれ, n+領域822a,822bを形成
する。
【0059】次いで,レジストパターン834を除去し
た後,ウエハ全面にスペーサ絶縁膜層860としてSi
N膜を堆積する。その後,ホトリソグラフィ技術を用い
て,オーム性電極824,826の上部のみを開口部と
したレジストパターンを形成し(図示せず),不要なS
iN膜を除去し,図13に示す形状を得る。
【0060】次いで,i線レジストFSMR(冨士薬品
工業製)を用い,i線ステッパ露光により,図14に示
すようなオーバーハング形状を有するレジストパターン
836を,スペーサ絶縁層860が露出している領域に
形成する。続いて,SF6ガスを用いたRIE(ウエハ
はカソード電極上に載置される。)により,レジストの
開口部の長さL1,約0.5μmにほぼ等しい長さL
2,約0.55μmにわたり,スペーサ絶縁膜860を
エッチングする。このとき,プラズマ中のFイオンの運
動方向を上下方向に制御し,エッチングの異方性を高め
るために,反応室のガス圧は1pa(パスカル)程度に
調整することが好ましい。
【0061】次いで,Cl2を含むガスに切り替えて,
キャップ層(n−GaAs)820を完全に除去し,さ
らに,ショットキ層(φ−AlGaAs)818の一部
を除去する。次いで,ガスを,再度SF6に戻し,プラ
ズマエッチング(ウエハはアノード電極上に載置され
る。)により,スペーサ絶縁膜層860の開口部に残っ
ていた端部を除去し,図15においてL3で示す領域ま
で後退させる。このときには,プラズマ中のFイオンの
運動方向を等方向に制御するため,反応室のガス圧は2
0Pa程度に調整することが好ましい。以上のようなプ
ラズマエッチングを行うには,通常のRIE装置におい
て,上下の平行平板型電極へのRF電源の配線を逆に切
り替えればよく,ウエハを反応室から出さずに一連の加
工を行うことができ,再現性が高い処理を実現できる。
以上のようにして,長さL3,約1.0μmを有するス
ペーサ絶縁膜層860の開口部860aを得ることがで
きる。
【0062】次いで,ゲート電極850の材料を,真空
蒸着・リフトオフ法により,図16に示すように形成
し,PHEMT800が完成する。このときゲート電極
850の端部の長さL4は,真空蒸着による蒸発物質の
入射角の広がりにより,約0.8μmとなる。ゲート電
極底部852の長さL2は,約0.55μmであるの
で,ゲート電極850の端部854が,n−GaAsキ
ャップ層820に乗り上げる長さL5は,約0.125
μm程度に十分に長く取ることが可能である。
【0063】以上のように,本実施形態においては,ゲ
ート電極850を形成するためのレジスト開口パターン
836をマスクとし,まず,異方性エッチングを用いて
スペーサ絶縁膜層860に同寸法の開口部860aを形
成し,さらに同レジスト開口パターン836を用いて,
n−GaAsキャップ層820を除去し,その下層のシ
ョットキ層818の一部をエッチングし,その後,エッ
チング条件を等法性エッチングに切り替えることによ
り,スペーサ絶縁膜860の端部を除去し,さらに同レ
ジスト開口パターン836を用いて,ゲート電極850
を真空蒸着・リフトオフにより形成している。このよう
に,本実施の形態においては,RIE装置の反応室から
ウエハを大気中に出さずに,連続処理できるため,ウエ
ハ上の反応生成物と大気中の水分等が接触し,エッチン
グを阻害する副産物が発生することがない。したがっ
て,再現性良く,下地加工ができ,また,ゲート電極8
50の上段854がキャップ層(n−GaAs)820
に完全に乗り上げるので,化学的に不安定なショットキ
層(φ−AlGaAs)818を全く露出させない,P
HEMT800を実現することができる。
【0064】(第9の実施形態)図17〜図19に示す
第9の実施形態は,第8の実施形態と同様に,第1の実
施形態とほぼ同様の構造を有するPHEMT100(9
00)を製造するための製造工程である。なお,以下の
工程に関する説明において,実質的に同工程により形成
された構造については,下位の二桁について同一符号を
付することにより重複説明を省略することにする。
【0065】この第9の実施形態においても,第8の実
施形態にかかる製造工程とほぼ同様に,図13に示す構
造を製造した後,図17に示すように,レジスト解像度
が高いi線ポジレジスト(東京応化製THMR)を用い
て,開口部の長さL1が,約0.3μmの第1レジスト
パターン936aを形成する。そして,この第1レジス
トパターン936aを用いて,第8の実施形態と同様
に,スペーサ絶縁膜960をエッチングするとともに,
キャップ層920の除去を行い,さらに,ショットキ層
918の一部をエッチングする。なお,本実施形態の場
合には,キャップ層920とショットキ層918の開口
部の長さL2は,約0.35μmである。
【0066】その後,第1レジストパターン936aを
全部除去し,ウエハを洗浄した後,図18に示すよう
に,i線ネガレジストFSMRを用いて,開口部の長さ
L6,約0.4μmの第2レジストパターン936bを
形成する。そして,第8の実施形態と同様に,スペーサ
絶縁膜層960の端部のエッチングを行った後,ゲート
電極950の材料を,真空蒸着・リフトオフすることに
より,図19に示すようなPHEMT900が完成す
る。なお,図18においては,各部寸法の関係を示すた
めに,真空蒸着後のゲート電極950の形状のみを示し
ており,さらに,図面が繁雑になるのを回避するため
に,第2レジストパターン936b上の堆積金属は示し
ていない。
【0067】図示のように,本実施の形態によれば,ゲ
ート電極950の端部954の寸法L4は,約0.7μ
mとなり,ゲート電極954のキャップ層920への乗
り上げの長さL5は,約0.175μm程度に構成する
ことができる。したがって,第1レジストパターン93
6aと第2レジストパターン936bの合わせずれが,
例えば,最大±0.07μm程度あった場合でも,十分
に対応することが可能である。
【0068】以上のように,本実施形態によれば,ゲー
ト電極950を形成するためのレジストパターン936
(936a,936b)として二種を用い,まず,解像
度の高いポジレジストを用いて第1レジストパターン9
36aを形成した後,任意の微少寸法でキャップ層92
0,ショットキ層918のエッチングを行い,一旦,第
1レジストパターン936aを除去してから,改めてオ
ーバーハング形状が得られるネガレジストを用いて第2
レジストパターン936bを形成し,ゲート電極950
の材料を真空蒸着・リフトオフするようにしている。し
たがって,半導体素子の電気的特性のほとんどを決定す
るゲート電極950の下部952の寸法を,より容易に
小さく加工することが可能である。また,第1レジスト
パターン936aと第2レジストパターン936bの露
光時におけるマスクの合わせずれが生じても,ゲート電
極端部954が,キャップ層(n−GaAs)920上
に完全に乗り上げる構造となっているので,化学的に不
安定なショットキ層(φ−AlGaAs)918を外部
に全く露出させない,高い安定性と信頼性を有するPH
EMT900が実現できる。
【0069】(第10の実施の形態)次に,第10の実
施の形態として,図3に示す第2の実施形態にかかるP
HEMT200の構造を製造するいくつかの製造工程に
ついて説明する。なお,本実施形態においても,先に説
明した実施形態と実質的に同工程により形成された構造
については,下位の二桁に同一符号を付することにより
重複説明を省略することにする。
【0070】まず第1の製造方法によれば,第8の実施
形態の工程フローで参照された図9に示す工程におい
て,エピウエハ800のn−GaAsキャップ層820
の厚みを約2倍程度に設定し,図9〜図15に示す工程
と同様の工程を行う。次いで,スペーサ絶縁膜層860
の開口部860aに露出するn−GaAsキャップ層8
20のみをエッチングし,ショットキ層(φ−AlGa
As)818をエッチングしない化学的選択性のあるエ
ッチング液で,エッチング処理を行った後,ゲート電極
材料を真空蒸着・リフトオフすることにより,図3に示
すような第2の実施形態にかかるPHEMT200の構
造を得ることができる。
【0071】また,第2の製造方法によれば,第8の実
施形態の工程フローにおいて参照された図9〜図13の
工程を行った後,図14において参照されたショットキ
層820のエッチング量を少なめに調整する。そして,
図15において参照された構造を作成した後,スペーサ
絶縁膜層860の開口部860aに露出するキャップ層
(n−GaAs)820とショットキ層(φ−AlGa
As)818を両方エッチングする化学的選択性のない
エッチング液で,エッチング処理を行った後,ゲート電
極材料を真空蒸着・リフトオフすることにより,図3に
示すような第2の実施形態にかかるPHEMT200の
構造を得ることができる。
【0072】あるいは,第3の製造方法によれば,第9
の実施形態の工程フローにおける図17に示す工程を行
った後,図18に示すように,第2レジストパターン9
36bを形成し,スペーサ絶縁膜層960の端部のエッ
チングを終了した後,化学的選択性のあるエッチング液
か,または化学的選択性のないエッチング液でエッチン
グ処理を行い,さらに,ゲート電極材料を真空蒸着・リ
フトオフすることにより,図3に示すような第2の実施
形態にかかるPHEMT200の構造を得ることができ
る。
【0073】以上説明したように,本実施形態によれ
ば,第1の実施の形態にかかるPHEMT100に比較
して,エピウエハのn−GaAsキャップ層820(9
20)の厚みを約2倍に設定し,ゲート電極材料を真空
蒸着・リフトオフするために,オーバーハング形状を有
するレジストパターン836(936)を形成し,スペ
ーサ絶縁膜層860(960)の端部をエッチングした
後,さらに露出しているn−GaAsキャップ層820
(920)を約半分の厚みにまでエッチングし,その
後,ゲート電極材料を真空蒸着・リフトオフすることに
より,第2の実施形態にかかるPHEMT200の構造
を実現することができる。
【0074】(第11の実施の形態)次に,図20〜図
22を参照しながら,第11の実施の形態として,図4
に示す第3の実施形態にかかるPHEMT300の構造
を製造するいくつかの製造工程について説明する。な
お,本実施形態においても,先に説明した実施形態と実
質的に同工程により形成された構造については,下位の
二桁に同一符号を付することにより重複説明を省略する
ことにする。
【0075】第3の実施形態にかかるPHEMT300
を製造するにあたっては,まず,第9の実施形態にかか
る工程フローと同様に,n−GaAsキャップ層920
の厚みを第1の実施形態にかかるPHEMT100のn
−GaAsキャップ層820の約2倍に設定し,すでに
説明した工程を経て,図17において参照される工程に
示すような構造を作成する。その後,図20に示すよう
に,i線ポジレジストを用いて,閉口部の長さL6が,
約2.5μmの第1レジストパターン1136aを形成
する。そして,この第1レジストパターン1136aを
用いて,スペーサ絶縁膜層1160のエッチングを行
い,スペーサ絶縁膜層1160の開口部1160aに露
出するn−GaAsキャップ層1120のみをエッチン
グし,ショットキ層(φ−AlGaAs)1118をエ
ッチングしない化学的選択性のあるエッチング液でエッ
チング処理を行う。
【0076】次いで,図21に示すように,i線ネガレ
ジストを用いて,開口部にオーバーハング形状を有する
第2レジストパターン1136bを形成した後,ゲート
電極材料を真空蒸着・リフトオフすることにより,図2
2に示すようなPHEMT1100を実現することがで
きる。
【0077】本実施形態によれば,エピウエハのn−G
aAsキャップ層1120の厚みを,第1の実施形態に
かかるPHEMT構造に比較して,約2倍に設定し,さ
らにゲート電極1150の底部形状を2段構造にするた
めの細い溝を形成し,その溝に対して非対称的にレジス
トの開口部を形成し,露出しているスペーサ絶縁膜層1
160aをエッチングした後,n−GaAsキャップ層
1120を約半分の厚みにエッチングし,それから,ゲ
ート電極材料を真空蒸着・リフトオフすることにより,
第3の実施形態にかかるPHEMT1100を実現する
ことができる。
【0078】(第12の実施の形態)次に,第12の実
施の形態として,図5に示す第4の実施形態にかかるP
HEMT400の構造を製造する製造工程について説明
する。なお,本実施形態においても,先に説明した実施
形態と実質的に同工程により形成された構造について
は,下位の二桁に同一符号を付することにより重複説明
を省略することにする。
【0079】まず,第8の実施形態の工程フローにおけ
る図9に示す構造を作成するにあたり,エピウエハのn
−GaAsキャップ層820の厚みを,第1の実施形態
にかかるPHEMT100に比較して,約2倍に設定
し,図10〜図16において参照される工程を終了した
後,露出しているソース電極824,ゲート電極85
0,ドレイン電極826の各電極を用いて,FET特性
を測定する。この状態では,ソース抵抗は十分小さく,
相互コンダクタンスgmが大きいが,ゲートとドレイン
の間の逆方向耐圧は小さいものとする。次いで,図16
に参照されるように,ゲート電極850とスペーサ絶縁
膜860の間隙部に露出しているn−GaAsキャップ
層820のエッチングを行い,再度FET特性を測定す
る。n−GaAsキャップ層820のエッチングによ
り,ゲートとドレインの間の逆方向耐圧とソース抵抗は
上昇し始め,相互コンダクタンスgmは減少し始める。
このように,エッチングとFET特性測定を繰り返し,
所望のFET特性になったところで工程を終了する。
【0080】以上説明したように,本実施形態によれ
ば,エピウエハのn−GaAsキャップ層820の厚み
を,第1の実施形態にかかるPHEMT100構造に比
較して,約2倍に設定し,ゲート電極端部854とスペ
ーサ絶縁膜860の空隙を利用して,そこに露出してい
るn−GaAsキャップ層820を,FET特性を見な
がらエッチングし,設計値である約半分の厚みに徐々に
調整することができるので,所望の電気的特性を再現性
艮く得ることが出来る。
【0081】(第13の実施の形態)次に,第13の実
施の形態として,図6に示す第5の実施形態にかかるP
HEMT500の構造を製造する製造工程について説明
する。なお,本実施形態においても,先に説明した実施
形態と実質的に同工程により形成された構造について
は,下位の二桁に同一符号を付することにより重複説明
を省略することにする。
【0082】まず,第8の実施形態にかかる工程フロー
と同様に,エピウエハのn−GaAsキャップ層の厚み
を,第1の実施形態にかかるPHEMT100構造の約
2倍に設定し,図9〜図16において参照される工程を
順次終了する。次いで,図23に示すように,レジスト
パターン1338を形成する。その際に,ゲート電極1
350からドレイン電極1326側の一部に,レジスト
パターン1338の開口部を設け,その開口部に露出す
るスペーサ絶縁膜層1360の一部をエッチングして除
去する。次いで,図24に示すように,新たにレジスト
パターン1340を形成し,ゲート電極1350とソー
ス電極1324側のスペーサ絶縁膜1360aの間隙を
覆う。その後,露出しているソース電極1324,ゲ−
ト電極1350,ドレイン電極1326の各電極を用い
て,FET特性を測定する。この状態では,ソース抵抗
は十分小さく,相互コンダクタンスgmは大きいが,ゲ
ートとドレインの間の逆方向耐圧は小さいものとする。
【0083】次いで,図24に示すゲート電極1350
とドレイン電極1326側のスペーサ絶縁膜層1360
との間隙部に露出しているn−GaAsキャップ層13
20のエッチングを行い,再度FET特性を測定する。
n−GaAsキャップ層1320のエッチングにより,
ゲート電極1350とドレイン電極1326間の逆方向
耐圧は上昇し始めるが,ソース抵抗や相互コンダクタン
スgmは変化しない。このエッチングとFET特性測定
を繰り返し,所望のゲートとドレインの間の逆方向耐圧
を有するFET特性になったところで工程を終了する。
【0084】このように,本実施形態によれば,エピウ
エハのn−GaAsキャップ層の厚みを,第1の実施の
形態にかかるPHEMT100に比較して,約2倍に設
定し,ゲート電極1350の端部とスペーサ絶縁膜層1
360との間に形成される空隙を,ドレイン電極132
6側にのみ設け,その空隙を利用して,そこに露出して
いるドレイン電極1326側のn−GaAsキャップ層
1320を,FET特性を見ながらエッチングし,設計
値である約半分の厚みに調整することにより,所望の電
気的特性を再現性良く得ることが出来る。
【0085】(第14の実施形態)第14の実施形態
は,第6の実施形態にかかる構造を有するPHEMT6
00と同様の構造を有する半導体素子を製造するための
工程である。第8の実施形態にかかる工程フローと同様
に,図9〜図14に参照される工程を順次終了する。こ
こで,図14に参照される構造のエッチング領域Aを拡
大すると,図25に示すように,スペーサ絶縁膜層86
0の端部860eとn−GaAsキャップ層820のエ
ッチング領域には,オフセット部分,すなわち,サイド
エッチングによるアンダ−カット部820uが微小なが
ら存在することが分かる。かかるアンダーカット部82
0uは,Cl2を含むガスを用いたエッチングのプラズ
マ運動の等方性成分が微小ながら存在するために生じた
ものである。かかるアンダーカット部820uを放置し
たまま,ゲート金属を蒸着すると,スペーサ絶縁膜層8
60の陰となるアンダーカット部820uには,n−G
aAsキャップ層820の側壁の一部が蒸着されないお
それがある。
【0086】かかる事態を回避するために,図14の工
程終了後,図26に示すように,直ちにRIE装置のガ
スをO2に切り替え,O2プラズマでレジスト1426
を等方的に灰化(アッシング)し,レジストパターン1
426の開口部を長さL8,例えば約0.1μm後退さ
せる。次いで,SF6を用いたRIEにより,レジスト
パターン1436の開口部に等しく,スペーサ絶縁膜層
1460の開口部1460eをエッチングして後退させ
る。次いで,ゲート電極1450の材料を真空蒸着・リ
フトオフ法により,図27に示すように形成し,PHE
MT1400が完成する。なお,本実施の形態において
は,ゲート電極1450の両端部1454間の長さL4
は,約1.0μmとなり,ゲート電極1450底部の長
さL2は,約0.55μmで,第8の実施形態と同じ長
さのままである。
【0087】このように,本実施形態では,ゲート電極
1450を形成するためのレジスト開口パターン143
6をマスクとし,異方性エッチングを用いてスペーサ絶
縁膜1460に同寸法の開口部を設け,さらに同レジス
ト開口パターン1436を用いて,n−GaAsキャッ
プ層1420を除去し,その下のショットキ層1418
の一部をエッチングし,その後レジスト閉口部L8を後
退させ,さらにスペーサ絶縁膜1460の開口部146
0eを後退させ,後退したレジスト開口パターン146
0を用いてゲート電極1450を真空蒸着・リフトオフ
により形成するように構成している。その結果,RIE
装置の反応室からウエハを大気中に出さずに連続的に処
理できるため,ウエハ上の反応生成物と大気中の水分等
が接触し,エッチングを阻害する副産物が発生すること
がないので,再現性良く下地加工ができる。さらにゲー
ト電極端部1454がスペーサ絶縁膜1460に乗り上
げるため,ゲート電極端部1454が形成するゲート容
量の一部が低減され,かつゲート金属1454がキャッ
プ層(n−GaAs)1420に完全に乗り上げる構成
となるので,不安定なショットキ層(φ−AlGaA
s)1414を全く露出させないPHEMT1400が
実現できる。
【0088】(第15の実施形態)第15の実施形態
は,第7の実施形態にかかる構造を有する半導体素子を
製造するための工程である。第14の実施形態にかかる
工程フローと同様に,図9に示すエピウエハのn−Ga
Asキャップ層の厚みを,第1の実施形態にかかるPH
EMT100の約2倍に設定し,図10から図14にお
いて参照された工程を順次実施する。その後,図26お
よび図27に示す工程を行い,所望のゲート電極145
0を形成する。その後,第13の実施形態にかかる工程
フローと同様に,図23の工程を行い,レジストパター
ン1438を形成し,ゲート電極1450からドレイン
電極1426側の一部にレジストの開口部を設け,その
開口部に露出するスペーサ絶縁膜1460の一部をエッ
チングして除去する。さらにレジストパターン1438
を除去した後,露出しているソース電極1424,ゲー
ト電極1450,ドレイン電極1426の各電極を用い
て,FET特性を測定する。この状態では,ソース抵抗
は十分小さく,相互コンダクタンスgmが大きいが,ゲ
ートとドレインの間の逆方向耐圧は小さいものとする。
【0089】次いで,図示しないが,ゲート電極145
0とドレイン電極1426側のスペーサ絶縁膜層146
0との間隙部に露出しているn−GaAsキャップ層1
420のエッチングを行い,再度FET特性を測定す
る。n−GaAsキャップ層1420のエッチングによ
り,ゲートとドレインの間の逆方向耐圧は上昇し始める
が,ソース抵抗や相互コンダクタンスgmは変化しな
い。このエッチングとFET特性測定を繰り返し,所望
のゲートとドレインの間の逆方向耐圧を有するFET特
性になったところで工程を終了する。
【0090】このように本実施形態によれば,エピウエ
ハのn−GaAsキャップ層の厚みを,第1の実施形態
にかかるPHEMT100に比較して,約2倍に設定
し,ゲート電極1450の端部とスペーサ絶縁膜層14
60との間に形成される空隙を,ドレイン電極1426
側にのみ設け,その空隙を利用して,そこに露出してい
るドレイン電極1426側のn−GaAsキャップ層1
420を,FET特性を見ながらエッチングし,設計値
である約半分の厚みに段階的に調整することができるの
で,少ない工程数で,所望の電気的特性を再現性良く得
ることができる。また,ゲート電極450の端部におい
て形成されるゲート容量の一部を低減することができ
る。
【0091】(第16の実施の形態)図28には,本発
明の第16の実施の形態にかかるPHEMT1500の
概略的な構造が示されている。
【0092】図示のように,PHEMT1500は,半
絶縁性GaAsから成る基板1502上に,φ−GaA
sから成る第1バッファ層1504,φ−AlGaAs
から成る第2バッファ層1506, n+ AlGaAs
から成る第1電子供給層1508,φ−AlGaAsか
ら成る第1スペーサ層1510,φ−InGaAsから
成るチャネル層1512,φ−AlGaAsから成る第
2スペーサ層1514,n+AlGaAsから成る第2
電子供給層1516が順次積層されている。さらに,そ
の第2電子供給層1516上には,φ−AlGaAsか
ら成るショットキ層1518が約500オングストロー
ムの厚みで形成され,さらにそのショットキ層1518
の上に,φ-GaAsから成るキャップ層1520が 厚
み,約250オングストロームで形成されている。ここ
で,φ-GaAsはシリコンのようなN型となる不純物
を添加していないGaAsである。 本実施の形態で使
用する分子線ビームエピタキシー法(MBE法)で工業
的に作られるφ-GaAsはp型であり,正孔密度が1
X1015cm-3位である。
【0093】そして,キャップ層1520上には,オー
ム性電極形成部にn+GaAsから成るn+層1522
が,ドナ密度約4E18cm−3,厚み1000オング
ストロームで形成され,そのn+層1522上に,第1
および第2のオーム性電極1524,1526が形成さ
れている。なお,図中,左側の第1オーム性電極152
4はソース電極であり,右側の第2オーム性電極152
6はドレイン電極として構成されている。さらに,ソー
ス電極1524とドレイン電極1526との間には本実
施の形態にかかるショットキ電極であるゲート電極15
50が形成されている。
【0094】図示のようにゲート電極1550は,その
断面の下部構造と上部構造とが階段状に形成されてお
り,その階段部の下部構造1552は,キャップ層15
20を貫通してショットキ層1518にまで到達してお
り,さらに上部構造1554はキャップ層1520上に
乗り上げるように構成されている。なお,ゲート電極1
550の階段部の段差は,本実施の形態では,例えば5
00オングストローム程度にすることができる。
【0095】また本実施の形態では, ソース側のn+層
1522とゲート電極1550との間隔a1は,例え
ば,0.4μm程度であり,ドレイン側のn+層152
2とゲート電極1550との間隔a2は,例えば,0.
6μm程度である。本実施の形態では,前記各間隔は,
第1の実施の形態のソース側のn+層122とゲート電
極150との間隔及びドレイン側のn+層122とゲー
ト電極150の各間隔に比べて,1/2以下に設定され
ている。
【0096】本実施の形態のPHEMT1500動作に
ついては,第1の実施の形態にかかるPHEMT100
の動作とほぼ同様であるので省略する。
【0097】第1の実施の形態のようにPHEMT15
00は,増幅動作に於いて,ソース電極1524が接地
され,ドレイン電極1526に正電圧(Vds),ゲー
ト150に負電圧(Vgs)が印加される。
【0098】この時,PHMTに要求される特性として
は,相互コンダクタンス gm=d(Ids)/d(V
ds)が大きいこと,オン抵抗Ron=d(Vds)/
d(Ids)が小さいこと,ソース・ゲート間リーク電
流Igsoが小さいこと,ゲート・ドレイン間耐圧BV
gdが大きいことが求められる。ここでdは微少変化分
を示す記号である。
【0099】図29は,オン抵抗Ronの抵抗成分を説
明するための図である。オン抵抗Ronは以下の各抵抗
成分からなっている。
【0100】Ron=Rs1+Rs2+Rch+Rd1
+Rd2Rs1,Rs2はそれぞれソース電極1524
からチャネル層1512までの縦方向の抵抗,ドレイン
電極1526からチャネル層1512までの縦方向の抵
抗である。RS2,Rch,Rd1はチャネル層151
2中の横方向の抵抗である。
【0101】ここで,本実施の形態のキャップ層152
0はφ-GaAsから構成されており,第1の実施の形
態のキャップ層120はn−GaAsから構成されてい
る。本実施の形態に於いて,Rs1,Rd2の一部を構
成するキャップ層1520の抵抗は,第1の実施の形態
のキャップ層120の抵抗に比べて大きい。しかしなが
ら,Rs1,Rd2を構成する各抵抗成分に於いて,シ
ョットキ層1518の抵抗成分がその他の層の抵抗成分
に比べて非常に大きいので,Rs1,Rs2の増加は,
それぞれ5%程度に押さえられる。
【0102】また上記記載の通り,本実施の形態では,
第1の実施の形態と比べて,ソース側のn+層とゲート
電極との間隔a1及びドレイン側のn+層とゲート電極
との間隔a2がそれぞれ1/2以下に設定されている。
よって,本実施の形態では,第1の実施の形態に比べ
て,Rs2,Rd1がそれぞれ60%減少している。よ
って本実施の形態では,第1の実施の形態に比べて,R
onが40%減少している。
【0103】ここで,ソース側のn+層とゲート電極と
の距離,ドレイン側のn+層1524とゲート電極15
50との距離が,本実施の形態と第1の実施の形態とで
同一であると仮定すると,ソースからゲートに流れるソ
ース・ゲート間リーク電流Igsoは本実施の形態の方
が小さくなり,ゲート・ドレイン間耐圧は本実施の形態
の方が高くなる。本実施の形態のソース側のn+層15
24とゲート電極1550との距離が第1の実施の形態
のソース側のn+層124とゲート電極150との距離
の1/2程度で,また本実施の形態のドレイン側のn+
層1526とゲート電極1550との距離が第1の実施
の形態のドレイン側のn+層124とゲート電極150
との距離の1/2程度であることを考慮すると,ソース
・ゲート間リーク電流Igsoは及びゲート・ドレイン
間耐圧は,本実施の形態と第1の実施の形態とでほぼ同
一に維持できる。
【0104】また相互コンダクタンスgmはゲート直下
の真性gm(gm0)とソース抵抗(Rs1+Rs2)
から1/gm=1/gm0+Rs1+Rs2と表わされ
る。ここで本実施の形態では,第1の実施の形態に比べ
てRs1+Rs2は大きく低減されている。よって本実
施の形態のgmは,第1の実施の形態のgmに対して,
20%増加している。
【0105】また,ゲート電極1550がφ-GaAs
キャップ層1520に対して形成する容量は,ゲート電
極150がn―GaAsキャップ層120に対して形成
する容量より小さい。よって,この容量が一部の容量と
なっているゲート・ソース間容量(Cgs)及びゲート
・ドレイン間容量(Cgd)も本実施の形態の方が第1
の形態に比べて,低減できる。
【0106】本実施の形態では,キャップ層として,φ
−GaAsを示したが,本実施の形態で示したソース・
ドレイン間リーク電流Igso又はゲート・ドレイン間
耐圧BVgdの改善が得られるGaAsキャップ層は,
n型,p型に関わらず,キャリア密度1X1016cm―
3以下であれば良い。
【0107】それは,ゲート電極とキャップ層との間で
形成されるショットキ障壁の空乏層の長さLdpが,L
dp=(2εs(Vbi−V−kT/q)/qNx)1/
2(εsはキャップ層の誘電率,Vbiはビルトインポ
テンシャル,Vはソース・ゲート間又はドレイン・ゲー
ト間電圧),kはボルツマン定数,Tは絶対温度,qは
素電荷,Nxはドナ密度又は正孔密度)であらわされ,
V=0として,室温でNx=1016cm-3の時,Ldp
=0.33μm,Nx=1015cm―3の時,Ldp=
1μmであるためである。
【0108】すなわち,Nx=1015cm―3であれ
ば,キャップ層はゲートバイアス0Vで完全に空乏化
し,Nx=1016cm-3であれば,キャップ層はソース
に対して−数ボルトのゲートバイアスで完全に空乏化す
るため,ゲート電極のリーク電流は小さくなり,ゲート
・ドレイン間耐圧は大きくなる。
【0109】以上のように,この第16の実施形態にか
かるPHEMT1500においては,キャップ層152
0をφ-GaAs としたので,ソース・ゲート間リーク
電流Igso やゲート・ドレイン間耐圧BVgdを第
1の実施の形態とほぼ同程度に維持しつつ,ソース電極
・ゲート電極間の距離及びドレイン電極・ゲート電極間
の距離を縮小することができる。よって,オン抵抗Ro
n及び相互コンダクタンスのgmの特性が向上する。
【0110】(第17の実施の形態)図30には,本発
明の第17の実施の形態にかかるPHEMT1600の
概略的な構造が示されている。
【0111】図示のように,PHEMT1600は,半
絶縁性GaAsから成る基板1602上に,φ−GaA
sから成る第1バッファ層1604,φ−AlGaAs
から成る第2バッファ層1606, n+ AlGaAs
から成る第1電子供給層1608,φ−AlGaAsか
ら成る第1スペーサ層1610,φ−InGaAsから
成るチャネル層1612,φ−AlGaAsから成る第
2スペーサ層1614,n+AlGaAsから成る第2
電子供給層1616が順次積層されている。さらに,そ
の第2電子供給層1616上には,φ−AlGaAsか
ら成るショットキ層1618が約250オングストロー
ムの厚みで形成され,さらにそのショットキ層1618
の上に,φ-GaAsから成るキャップ層1620が 厚
み,約500オングストロームで形成されている。ここ
で,φ-GaAsはシリコンのようなN型となる不純物
を添加していないGaAsである。工業的に作られるφ
-GaAsはp型であり,正孔密度が1X1015cm-3
位である。
【0112】そして,キャップ層1620上には,n−
AlGaAsであるエッチストップ層1621が,ドナ
密度4E18cm-3,厚み30オングストロームで形成
される。エッチストップ層1621上には,オーム性電
極形成部にn+GaAsから成るn+層1622が,ドナ
密度約4E18cm−3,厚み1000オングストロー
ムで形成され,そのn+層1622上に,第1および第
2のオーム性電極1624,1626が形成されてい
る。なお,図中,左側の第1オーム性電極1624はソ
ース電極であり,右側の第2オーム性電極1626はド
レイン電極として構成されている。さらに,ソース電極
1624とドレイン電極1626との間には本実施の形
態にかかるショットキ電極であるゲート電極1650が
形成されている。
【0113】図示のようにゲート電極1650は,その
断面の下部構造と上部構造とが階段状に形成されてお
り,その階段部の下部構造1652は,エッチストップ
層1621及びキャップ層1620を貫通してショット
キ層1618に接し,さらに上部構造1654はエッチ
ストップ層1621及びキャップ層1620上に乗り上
げるように構成されている。なお,ゲート電極1650
の階段部の段差は,本実施の形態では,例えば530オ
ングストローム程度にすることができる。
【0114】また本実施の形態では, ソース側のn+層
1622とゲート電極1650との間隔は,例えば,
0.4μm程度であり,ドレイン側のn+層1622と
ゲート電極1650との間隔は,例えば,0.6μm程
度である。本実施の形態では,前記各間隔は,第1の実
施の形態のソース側のn+層とゲート電極との間隔及び
ドレイン側のn+層とゲート電極との間隔の各間隔に比
べて,1/2以下に設定されている。
【0115】本実施の形態のPHEMT1600は,
n+層1622とキャップ層1620との間にこれら層
と材料の異なるエッチストップ層1621が形成されて
いるので,製造工程中, n+層1622及びエッチスト
ップ層1621のエッチングを選択的に停止することが
できるので,キャップ層1620の厚みを設計値通りに
することができる為,Cgs,Cgdの安定なPHEM
Tを実現できる。
【0116】(第18の実施の形態)図31には,本発
明の第18の実施形態にかかるPHEMT1700が示
されている。このPHEMT1700も,第16の実施
形態と同様に,約250オングストローム厚みの,φ−
AlGaAsから成るショットキ層1718上に,φ−
GaAsから成るキャップ層1720が約250オング
ストロームの厚みで形成されている。さらに,キャップ
層1720のオーム性電極形成領域には,ドナ密度,約
4E18cm−3のn+GaAsから成るn+層1722
a,bが,厚み,約1000オングストロームで形成さ
れ,そのn+層1722a,1722b上に,それぞ
れ,ソース電極,ドレイン電極と成るオーム性電極17
24,1726が形成されている。
【0117】さらに,本実施の形態において特徴的な点
は,ソース電極,ドレイン電極が形成されるn+層17
22a,1722b間において,キャップ層1720上
に,SiO2であるスペーサ絶縁膜層1760が,約5
00オングストロームの厚みで形成されている点であ
る。そして,ゲート電極1750は,スペーサ絶縁膜層
1760とキャップ層1720を貫通してショットキ層
1718に接するように形成されたくぼみに埋め込まれ
るように形成されている。すなわち,ゲート電極175
0は,第16の実施形態と同様に,その断面の下端が階
段状になり,その下段1752は,φ−AlGaAsか
ら成るショットキ層1718に接しており,その上段1
754は,スペーサ絶縁層1760に乗り上げている。
なお,ゲート電極1750の下段1752が十分にショ
ットキ層1718に到達するように,ゲート電極175
0の階段部の段差は約750オングストロームに構成さ
れている。また,ショットキ層1718の下層には,図
示は省略しているが,第16の実施形態と同様の構造が
形成されている。
【0118】以上のように構成された第18の実施形態
にかかるPHEMT1700においては,キャップ層1
720の上部にスペーサ絶緑膜層1760が形成されて
おり,ゲート電極1750の上段1754がスペーサ絶
縁膜層1760の上に乗っている点を除けば,第16の
実施形態と同様であるので,第16の実施形態と実質的
に同様の効果を奏することができる。さらに,本実施の
形態においては,ゲート電極1750の上段1754
が,比誘電率が13であるGaAsより小さい比誘電率
を持つSiO2(比誘電率4)であるスペーサ絶縁膜層
1760の上に乗っているため,ゲート・ソース間容量
Cgsを約2%程度軽減しながら,相互コンダクタンス
gm,およびゲート・ドレイン間耐圧については,第1
6の実施形態とほぼ同様の値を確保することができる。
【0119】(第19の実施の形態)図32には,本発
明の第19の実施形態にかかるPHEMT1800が示
されている。このPHEMT1800も,第16の実施
形態と同様に,約250オングストローム厚みの,φ−
AlGaAsから成るショットキ層1818上に,φ−
GaAsから成るキャップ層1820が約250オング
ストロームの厚みで形成されている。さらに,キャップ
層1820のオーム性電極形成領域には,ドナ密度,約
4E18cm−3のn+GaAsから成るn+層が,厚
み,約1000オングストロームで形成され,そのn+
層上に,それぞれ,ソース電極,ドレイン電極と成るオ
ーム性電極が形成されている。(図示せず)さらに,
ソース電極,ドレイン電極が形成されるn+層間におい
て露出するキャップ層1820上に,SiO2であるス
ペーサ絶縁膜層1860が,約500オングストローム
の厚みで形成されている点である。そして,ゲート電極
1850は,スペーサ絶縁層1860とキャップ層18
20を貫通してショットキ層1818に接するように形
成されたくぼみに埋め込まれるように形成されている。
すなわち,ゲート電極1850は,第18の実施形態と
同様に,その断面の下端が階段状になり,その下段18
52は,φ−AlGaAsから成るショットキ層181
8に接しており,その上段1854は,スペーサ絶縁層
1860に乗り上げている。なお,ゲート電極1850
の下段1852が十分にショットキ層1818に到達す
るように,ゲート電極1850の階段部の段差は約75
0オングストロームに構成されている。また,ショット
キ層1818の下層には,図示は省略しているが,第1
6の実施形態と同様の構造が形成されている。
【0120】本実施の形態に於いて特徴的な点は,ゲー
ト電極1850に接するキャップ層1820の側壁が4
5°傾いていることである。これにより,ゲート電極と
ショットキ層とが接している部分の長さは,第18の実
施の形態より,500オングストロームだけ短くなって
いる。第18,19の実施の形態に於いて,スペーサ絶
縁膜間のゲート電極の長さを0.55μmと仮定する
と,第18の実施の形態では,ゲート電極がショットキ
層に接している部分の長さ(ゲート長)は0.55μm
であり,本実施の形態ではゲート長が0.5μmとな
る。よって本実施の形態では,第18の実施の形態に対
して,ゲート長が10%短縮されているので,相互コン
ダクタンスgmの10%の増加及びソース・ゲート間容
量Cgsの10%の低減が図れる。
【0121】(第20の実施形態)図33〜図41は,
本発明の第20の実施形態を示す工程フロー図である。
この第20の実施形態は,第16の実施形態にかかるP
HEMT1500とほぼ同様の構造を有する半導体装置
1900を製造するための工程である。
【0122】図33に示すように,まず,半絶縁性Ga
As基板1902上に分子線エピタキシャル成長法(M
BE法)により,第16の実施形態にかかるPHEMT
1500に相当するすべての化合物半導体層をエピタキ
シャル成長させたエピウエハ1900を製造する。すな
わち,図示の例では,エピウエハ1900は,下層から
順に,半絶縁性GaAs基板1902,φ−GaAsか
ら成る第1バッファ層1904,φ−AlGaAsから
成る第2バッファ層1906,n+AlGaAsから成
る第1電子供給層1908,φ−AlGaAsから成る
第1スペーサ層1910,φ−InGaAsから成るチ
ャネル層1912,φ−AlGaAsから成る第2スペ
ーサ層1914,n+AlGaAsから成る第2電子供
給層1916,φ−AlGaAsから成るショットキ層
1918,φ−GaAsから成るキャップ層1920を
順次積層し,そして,最上層にn+GaAs層1922
が積層されている。
【0123】次いで,エピウエハ1900上に,図34
に示すように,電子走行領域となる部分の上に,フォト
リソグラフィ技術を用いて,必要なレジストを残したパ
ターン1930を形成し,レジストで覆われていない領
域(絶縁領域)1932に,酸素イオンを第1および第
2バッファ層1904,1906より深くイオン注入
し,絶縁領域1932を形成して,素子間分離を行う。
【0124】次いで,レジスト1930を除去した後,
図35に示すように,真空蒸着・リフトオフ法を用い
て,AuGeから成るオーム性電極1924,1926
を形成する。
【0125】次いで,フォトリソグラフィ技術を用い
て,図36に示すように,オーム性電極1924,19
26で挟まれた領域に開口部が形成されるように,レジ
ストパターン1934を形成し,このレジストパターン
1934をマスクとして, n+−GaAs層1922
を,Cl2を含む混合ガスを用いた反応性イオンエッチ
ング(RIE)により除去し,ソース電極およびドレイ
ン電極形成領域に,それぞれ, n+領域1922a,1
922bを形成する。
【0126】次いで,レジストパターン1934を除去
した後,ウエハ全面にスペーサ絶縁層1960としてS
iO2膜を堆積する。その後,ホトリソグラフィ技術を
用いて,オーム性電極1924,1926の上部のみを
開口部としたレジストパターンを形成し(図示せず),
不要なSiO2膜を除去し,図37に示す形状を得る。
【0127】次いで,i線レジストFSMR(冨士薬品
工業製)を用い,i線ステッパ露光により,図38に示
すようなオーバーハング形状を有するレジストパターン
1936を,スペーサ絶縁膜1960が露出している領
域に形成する。続いて,CF4を含むガスを用いたRI
E(ウエハはカソード電極上に載置される。)により,
レジストの開口部の長さL1,約0.5μmにほぼ等し
い長さL2,約0.55μmにわたり,スペーサ絶縁膜
1960をエッチングする。このとき,プラズマ中のF
イオンの運動方向を上下方向に制御し,エッチングの異
方性を高めるために,反応室のガス圧は1pa(パスカ
ル)程度に調整することが好ましい。
【0128】次いで,燐酸,過酸化水素水,水の混合液
からなるエッチング液を用いて,キャップ層1920の
エッチングを行うと,図39のようなエッチング速度が
遅い(111)A面が露出し,いわゆる順メサ形状のエ
ッチング溝ができる。ここで,スペーサ絶縁膜1960
の端部がオーバハング形状となるため,O2プラズマを
用いてレジストパターン1936のアッシングを行い,
レジストパターン1936の開口部の長さをL3に広げ
る。次いで,SF6ガスを用いたRIEにより,スペー
サ絶縁膜1960の開口部をエッチングして広げ,図4
0に示すようにスペーサ絶縁膜1960の開口端部をキ
ャップ層1920の開口端部に合わせる。
【0129】次いで,ゲート電極1950の材料を,真
空蒸着・リフトオフ法により,図41に示すように形成
し,PHEMT1900が完成する。このときゲート電
極1950の端部から端部までの長さL4は,真空蒸着
による蒸発物質の入射角の広がりにより,約0.8μm
となる。ゲート電極底部1952の長さL5は,約0.
45μmであるので,ゲート電極1950の端部195
4が,n−GaAsキャップ層820に乗り上げる長さ
L6は,約0.1μm程度に十分に長く取ることが可能
である。
【0130】以上のように,本実施形態においては,ゲ
ート電極1950を形成するためのレジスト開口パター
ン1936をマスクとし,まず,異方性エッチングを用
いてスペーサ絶縁膜層1960に同寸法の開口部を形成
し,さらに同レジスト開口パターン1936を用いて,
φ−GaAsキャップ層1920を順メサが現れるよう
にウエットエッチングし,その後,レジストパターンを
アッシングして,開口部を広げ,異方性エッチングをし
て,スペーサ絶縁膜1960の端部の絶縁膜を除去し,
スペーサ絶縁膜1960の端部とφ−GaAsの端部と
を合わせ,さらに同レジスト開口パターン1936を用
いて,ゲート電極1950を真空蒸着・リフトオフによ
り形成している。
【0131】このように,本実施の形態においては,
ゲート電極1950の上段1954がキャップ層(φ−
GaAs)1920に完全に乗り上げるので,化学的に
不安定なショットキ層(φ−AlGaAs)1918を
全く露出させない,PHEMT1900を実現すること
ができる。
【0132】(第21の実施形態)図42〜図46は,
本発明の第21の実施形態を示す工程フロー図である。
この第21の実施形態は,第17の実施形態にかかるP
HEMT1600とほぼ同様の構造を有する半導体装置
2000を製造するための工程である。
【0133】まず,半絶縁性GaAs基板2002上に
分子線エピタキシャル成長法(MBE法)により,第1
7の実施形態にかかるPHEMT1600に相当するす
べての化合物半導体層をエピタキシャル成長させたエピ
ウエハ2000を製造する。すなわち, エピウエハ2
000は,下層から順に,半絶縁性GaAs基板200
2−GaAsから成る第1バッファ層2004,φ−A
lGaAsから成る第2バッファ層2006, n+Al
GaAsから成る第1電子供給層2008,φ−AlG
aAsから成る第1スペーサ層2010,φ−InGa
Asから成るチャネル層2012,φ−AlGaAsか
ら成る第2スペーサ層2014, n+AlGaAsから
成る第2電子供給層2016,φ−AlGaAsから成
るショットキ層2018,φ−GaAsから成るキャッ
プ層2020, n+AlGaAsから成るエッチストッ
プ層2021を順次積層し,そして,最上層にn+Ga
As層2022が積層されている。このエピウエハ20
00に対して,第20の実施の形態の図34,図35に
示す処理と同様な処理を施す。
【0134】次いで,フォトリソグラフィ技術を用い
て,図42に示すように,オーム性電極2024,20
26で挟まれた領域に開口部が形成されるように,レジ
ストパターン2034を形成し,このレジストパターン
2034をマスクとして, n+−GaAs層2022
を, n+AlGaAsに対して選択的にエッチングす
る,Cl2を含む混合ガスAを用いた反応性イオンエッ
チング(RIE)により除去し,ソース電極およびドレ
イン電極形成領域に,それぞれ, n+領域2022a,
2022bを形成する。このとき,エッチングで露出す
る面はn+AlGaAsのエッチストップ層2021で
ある。
【0135】次いで,i線レジストTHMR(東京応化
製)を用い,i線ステッパ露光により,図44に示すよ
うな開口部L1=0.3μmのレジストパターン203
6を形成する。このレジストパターン2036をマスク
として, φ−GaAs及びn+AlGaAsを共にエ
ッチングする,Cl2を含む混合ガスBを用いた反応性
イオンエッチング(RIE)により除去し,エッチスト
ップ層2021及びキャップ層2020の一部をエッチ
ングする。続いて,前記の混合ガスAを用いたRIE
(ウエハはカソード電極上に載置される。)により,レ
ジストの開口部の長さL1,約0.3μmにほぼ等しい
長さL2,約0.35μmにわたり,キャップ層202
0をエッチングする。
【0136】次いで,レジストパターン2034を除去
し,ウエハ2000を洗浄した後,i線レジストFSM
R(冨士薬品工業製)を用い,i線ステッパ露光によ
り,図43に示すような開口部の長さL3=0.4μm
のオーバーハング形状を有するレジストパターン203
8を形成する。
【0137】次いで,ゲート電極2050の材料を,真
空蒸着・リフトオフ法により,図44に示すように形成
する。このときゲート電極2050の端部が,n+Al
GaAsエッチストップ層2021に乗り上がる。
【0138】この後,レジストパターン2038を除去
し,新たに,図45に示すように,n+ GaAs層20
22上に,レジストパターン2040を形成する。この
後,ウエットエッチングを行い,ゲート電極2050で
覆われていないエッチストップ層2021を除去し,レ
ジストパターン2040を除去することにより,図46
に示すPHEMT2000が完成する。
【0139】本実施の形態によれば, n+GaAs層2
022とφ―GaAsであるキャップ層2020との間
にn+AlGaAs層2021とを形成することによ
り, n+GaAs層のエッチングに於いて,φ−GaA
sがエッチストップ層2021によって,エッチングさ
れないので,ゲート・ソース間容量Cgs,ゲート・ド
レイン間容量Cgdが小さく,安定したPHEMTを実
現できる。
【0140】第16の実施の形態のHEMTは,キャッ
プ層をn+GaAsからφGaAsに変更したこと,寸
法を変更した以外は,第1の実施の形態のHEMTと製
造方法と同様であるので説明を省略する。
【0141】また第18の実施の形態のHEMT190
0はスペーサ絶縁膜のエッチングに続いてキャップ層を
異方性エッチングする以外は第19の実施の形態のHE
MTの製造方法と同様であるので説明を省略する。
【0142】
【発明の効果】以上説明したように,本発明にかかる半
導体装置およびその製造方法によれば,化学的に不安定
なショットキ層がキャップ層に覆われるとともに,表面
欠陥が生じやすい,ショットキ層/キャップ層とショッ
トキ電極との境界領域についても,ショットキ電極の上
部構造により,覆われるので,表面欠陥が生じにくく,
したがって高い信頼性を有する半導体装置を高い歩留ま
りで製造することが可能となる。さらに,チャネル層中
の電子と向き合うショットキ電極の最下端面を小さく構
成することが可能となるので,高い相互コンダクタンス
gm,低いゲート・ソース間容量Cgsを得ることによ
り,高い遮断周波数fTを有する半導体装置を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるPHEMTの
概略構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すPHEMTの動作を示す説明図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施形態にかかるPHEMTの
概略構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態にかかるPHEMTの
概略構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態にかかるPHEMTの
概略構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第5の実施形態にかかるPHEMTの
概略構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第6の実施形態にかかるPHEMTの
概略構成を示す断面図である。
【図8】本発明の第7の実施形態にかかるPHEMTの
概略構成を示す断面図である。
【図9】本発明の第8の実施形態にかかるPHEMT製
造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図10】本発明の第8の実施形態にかかるPHEMT
製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図11】本発明の第8の実施形態にかかるPHEMT
製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図12】本発明の第8の実施形態にかかるPHEMT
製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図13】本発明の第8の実施形態にかかるPHEMT
製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図14】本発明の第8の実施形態にかかるPHEMT
製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図15】本発明の第8の実施形態にかかるPHEMT
製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図16】本発明の第8の実施形態にかかるPHEMT
製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図17】本発明の第9の実施形態にかかるPHEMT
製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図18】本発明の第9の実施形態にかかるPHEMT
製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図19】本発明の第9の実施形態にかかるPHEMT
製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図20】本発明の第11の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図21】本発明の第11の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図22】本発明の第11の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図23】本発明の第13の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図24】本発明の第13の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図25】本発明の第8の実施形態にかかるPHEMT
のエッチング部分を拡大して示す断面図である。
【図26】本発明の第14の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図27】本発明の第14の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図28】本発明の第16の実施形態にかかるPHEM
Tの概略構成を示す断面図である。
【図29】図28のPHEMTのオン抵抗の各抵抗成分
を説明するための図である。
【図30】本発明の第17の実施形態にかかるPHEM
Tの概略構成を示す断面図である。
【図31】本発明の第18の実施形態にかかるPHEM
Tの概略構成を示す断面図である。
【図32】本発明の第19の実施形態にかかるPHEM
Tの概略構成を示す断面図である。
【図33】本発明の第20の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図34】本発明の第20の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図35】本発明の第20の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図36】本発明の第20の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図37】本発明の第20の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図38】本発明の第20の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図39】本発明の第20の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図40】本発明の第20の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図41】本発明の第20の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図42】本発明の第21の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図43】本発明の第21の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図44】本発明の第21の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図45】本発明の第21の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【図46】本発明の第21の実施形態にかかるPHEM
T製造の一工程の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
100 PHEMT 102 基板 104 第1バッファ層 106 第2バッファ層 108 第1電子供給層 110 第1スペーサ層 112 チャネル層 114 第2スペーサ層 116 第2電子供給層 118 ショットキ層 120 キャップ層 122 n+層 124 オーム性電極(ソース電極) 126 オーム性電極(ドレイン電極) 150 ショットキ電極(ゲート電極) 152 下部構造 154 上部構造
フロントページの続き (72)発明者 星 真一 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 齊▲藤▼ 正 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 山本 伸介 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 伊東 祐子 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 髭本 信雅 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 Fターム(参考) 4M104 AA05 CC03 EE01 EE17 FF07 FF27 FF31 GG12 HH16 5F102 FA01 GB01 GC01 GD01 GJ05 GK05 GK06 GK08 GL04 GM06 GN05 GN08 GQ03 GR03 GR04 GR06 GR12 GS04 GV08 HC01 HC07 HC11 HC16 HC19 HC29

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無添加のアルミガリウム砒素からなるシ
    ョットキ層と,前記ショットキ層を覆うキャップ層と,
    前記キャップ層を貫通し前記ショットキ層の深さ方向の
    一部にまで到達する下部構造と,前記下部構造よりも拡
    大した断面を有し前記キャップ層上に乗り上げる上部構
    造との2段構造を有するショットキ電極と,を含むこと
    を特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 無添加のアルミガリウム砒素からなるシ
    ョットキ層と,前記ショットキ層を覆うキャップ層と,
    少なくとも前記キャップ層のショットキ電極形成領域に
    形成されるスペーサ絶縁層と,前記キャップ層および前
    記スペーサ絶縁層を貫通し前記ショットキ層の深さ方向
    の一部にまで到達する下部構造と,前記下部構造よりも
    拡大した断面を有し前記キャップ層に乗り上げる上部構
    造との2段構造を有するショットキ電極と,を含むこと
    を特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記キャップ層は,少なくとも前記ショ
    ットキ電極が形成される薄層化領域を含むことを特徴と
    する請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記キャップ層は,少なくとも前記ショ
    ットキ電極の上部構造が形成される領域の外側部に薄層
    化領域を含むことを特徴とする請求項1または2に記載
    の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記ショットキ電極は,ソース電極とド
    レイン電極との間に形成されるゲート電極であり,前記
    ゲート電極は,ソース電極側にオフセットされて形成さ
    れることを特徴とする請求項1,2,3または4のいず
    れかに記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記ショットキ電極は,ソース電極とド
    レイン電極との間に形成されるゲート電極であり,前記
    薄層化領域は,前記ソース電極側および前記ドレイン電
    極側に対称に形成されることを特徴とする請求項3,4
    または5のいずれかに記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記ショットキ電極は,ソース電極とド
    レイン電極との間に形成されるゲート電極であり,前記
    薄層化領域は,前記ソース電極側および前記ドレイン電
    極側に非対称に前記ドレイン電極側に長くなるように形
    成されることを特徴とする請求項3,4または5のいず
    れかに記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記ショットキ電極は,ソース電極とド
    レイン電極との間に形成されるゲート電極であり,前記
    薄層化領域は,前記ドレイン電極側にのみ形成されるこ
    とを特徴とする請求項3,4または5のいずれかに記載
    の半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記ショットキ層はAlGaAsから成
    り,前記キャップ層はGaAsから成ることを特徴とす
    る請求項1,2,3,4,5,6,7または8のいずれ
    かに記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記ショットキ層の下層には,少なく
    とも一対の電子供給層とチャネル層が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7、8
    または9のいずれかに記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】 前記キャップ層は,キャリア密度が1
    ×1016cm-3以下の不純物を有するGaAs層から成
    ることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7
    または8のいずれかに記載の半導体装置。
  12. 【請求項12】 前記スペーサ絶縁層は酸化膜であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  13. 【請求項13】 前記ショットキ電極の下部構造の,前
    記ショットキ層と接する底部の長さは前記下部構造の上
    部の長さより短いことを特徴とする請求項1乃至12い
    ずれかに記載の半導体装置。
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