JP2003215647A - 平面導波路型光回路及びその製造方法 - Google Patents
平面導波路型光回路及びその製造方法Info
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Abstract
費電力が低減されるとともに、光回路の構成及び製造工
程が簡単化される平面導波路型光回路、及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 基板10上に、第1光導波路11の第1
コア層21と、第2光導波路12の第2コア層22とが
近接して方向性結合器として機能するコア近接部13を
有する導波路パターンでコア層を形成し、さらに、基板
10及びコア層を覆うクラッド層を形成して、平面導波
路型光回路1とする。そして、コア近接部13において
クラッド層に設けられた空洞部内に、クラッド層よりも
大きい屈折率の温度依存性を有する充填材料25を充填
するとともに、光の分岐比を可変に制御するためのペル
チェ素子40をコア近接部13に対して設置する。
Description
形成された光導波路とを有して構成される平面導波路型
光回路、及びその製造方法に関するものである。
的ニーズから、光ファイバ伝送路に多波長の信号光を伝
送させる波長多重(WDM:Wavelength Division Mult
iplexing)伝送システムの開発など、光伝送路網を利用
した大容量高速通信や長距離通信に関する研究開発が盛
んに行われている。また、このような光通信技術の進展
と利用の拡大に伴い、平面導波路型光回路を用いた様々
な光回路の開発が進められている。
れる光導波路の光路長を可変に制御する方法として、熱
光学効果が用いられている。すなわち、光導波路に用い
られる材料中での屈折率は、熱光学効果によって温度に
依存して変化する。したがって、光導波路の温度を調整
することによって屈折率を変化させれば、光導波路の実
効的な光路長を可変に制御することができる。このよう
な熱光学効果を用いた平面導波路型光回路は、例えば、
マッハツェンダ干渉計型の光スイッチ(熱光学スイッ
チ)などに利用されている(文献1「郷隆司 他:NT
T R&D Vol.50No.4, pp.272-279 (2001)」を参
照)。
路長制御を行う上述の光回路では、平面導波路型光回路
において光導波路の材料として通常用いられている石英
ガラスの熱光学効果が小さいため、その消費電力が大き
いという問題がある。
ッチでは、2つの方向性結合器間にある2本のアーム導
波路の少なくとも一方にヒータなどの温度調整手段が設
けられ、アーム導波路の温度を調整することによってア
ーム導波路間での実効的な光路長差を変化させて、光の
分岐比を可変に制御する。
導波路の光路長制御によって光回路のスイッチ動作を実
現するためには、アーム導波路間での光路長差を光の波
長に対して半波長分変化させる必要がある。上記文献1
に記載の熱光学スイッチによれば、このときの消費電力
は0.35〜0.5W程度であり、その消費電力は大き
い。したがって、熱光学スイッチを光回路に複数集積し
た場合を考えると、光回路全体での消費電力は非常に大
きい電力となる。また、このように消費電力が大きくな
ると、光回路からの発熱量も大きくなるので、熱に対し
て弱い発光素子や受光素子などの他の光学素子と、熱光
学スイッチとを平面導波路型光回路に集積することが困
難となる。
断熱溝構造を用いて光路長制御に必要な消費電力を低減
することが記載されているが、この構成でも、その消費
電力は0.13W程度と大きい。また、トレンチを形成
する工程及び断熱溝を形成する工程が必要となるため、
製造工程が複雑化する。
チにおいて、アーム導波路の一部に熱光学効果による屈
折率の温度依存性が石英ガラスよりも大きい材料を用い
た構成が提案されている。例えば、特開2000−29
079号公報(文献2)に記載された熱光学スイッチで
は、アーム導波路の所定部位を横切る溝を形成し、この
溝内に熱光学効果が大きい有機材料を充填している。ま
た、特開2000−66252号公報(文献3)に記載
された熱光学スイッチでは、アーム導波路の所定部分に
ついて、熱光学効果が大きいポリマーを材料としてクラ
ッドを形成している。
一部で他の部分とは異なる材料を用いる構成では、通常
の製造工程によって熱光学スイッチを作製した後、さら
に、溝形成などの工程を行う必要があり、製造工程が複
雑化するとともに、光スイッチの製造コストが高くなる
という問題を生じる。このような問題は、光スイッチ以
外の熱光学効果を用いた平面導波路型光回路においても
同様である。
なされたものであり、熱光学効果を用いた光回路におい
て、その消費電力が低減されるとともに、光回路の構成
及び製造工程が簡単化される平面導波路型光回路、及び
その製造方法を提供することを目的とする。
るために、本発明による平面導波路型光回路は、(1)
基板と、(2)基板上に、第1光導波路を構成する第1
コア層、及び第2光導波路を構成する第2コア層を含
み、第1コア層と第2コア層とが近接して方向性結合器
として機能するコア近接部を有する導波路パターンによ
って形成されたコア層と、(3)基板上に、基板及びコ
ア層を覆うように形成され、コア層よりも低い屈折率を
有するクラッド層と、(4)コア近接部に対して設置さ
れ、コア近接部の温度を調整することによって、第1光
導波路と第2光導波路との間での光の分岐比を可変に制
御する温度調整手段とを備えることを特徴とする。
光導波路の温度を調整して熱光学効果によって屈折率を
変化させる温度調整手段を、マッハツェンダ干渉計型光
回路でのアーム導波路などの通常の光導波路部分に対し
て設けるのではなく、2本の光導波路が近接する方向性
結合器の光回路部分に対して温度調整手段を設置してい
る。これにより、温度調整手段による光回路の加熱面積
及び加熱個所数を小さくすることができ、その消費電力
及び光回路からの発熱量を低減することが可能となる。
同時に、光回路の構成及び製造工程が簡単化されるの
で、その製造コストを低くすることができる。
が、コア近接部において第1コア層と第2コア層との間
の所定部位に形成された空洞部を有するとともに、空洞
部内に、クラッド層よりも大きい屈折率の温度依存性を
有する充填材料が充填されていることを特徴とする。
製造方法は、(a)基板上に、第1光導波路を構成する
第1コア層、及び第2光導波路を構成する第2コア層を
含み、第1コア層と第2コア層とが近接して方向性結合
器として機能するコア近接部を有する導波路パターンに
よってコア層を形成するコア層形成工程と、(b)基板
上に、基板及びコア層を覆うとともに、コア近接部にお
いて第1コア層と第2コア層との間の所定部位が空洞部
となるように、コア層よりも低い屈折率を有するクラッ
ド層を形成するクラッド層形成工程と、(c)空洞部内
を、クラッド層よりも大きい屈折率の温度依存性を有す
る充填材料で充填する充填工程と、(d)コア近接部に
対して、コア近接部の温度を調整することが可能な温度
調整手段を設置する設置工程とを備えることを特徴とす
る。
度依存性が大きい材料をコア近接部の空洞部に充填する
ことにより、温度調整手段によるコア近接部での光導波
路の屈折率及び光路長制御の効率を向上することができ
る。これにより、その消費電力及び光回路からの発熱量
をさらに低減することが可能となる。また、クラッド層
の形成と同時に空洞部を形成して、その空洞部に熱光学
効果が大きい材料を充填する製造方法によれば、上記構
成の光回路の製造工程を簡単化することができる。
果が大きい充填材料としては、マッチングオイル、熱硬
化樹脂、または紫外線硬化樹脂の少なくとも1つからな
る材料を用いることが好ましい。これらの材料は、粘性
が比較的低い材料であり、空洞部が狭い場合でも容易か
つ良好に充填することができる。あるいは、これ以外の
有機材料などの材料を用いても良い。
平面導波路型光回路、及びその製造方法の好適な実施形
態について詳細に説明する。なお、図面の説明において
は同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略す
る。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一
致していない。
の一実施形態の構成を示す平面図である。また、図2
は、図1に示した平面導波路型光回路の断面構造を示す
I−I矢印断面図である。
板10上に所定の導波路パターンで形成された光導波路
とからなる。光回路1の光導波路は、基板10上に形成
されたコア層と、基板10上に基板10及びコア層を覆
うように形成されたクラッド層(オーバクラッド層)と
から構成される。
路11を構成する第1コア層21、及び第2光導波路1
2を構成する第2コア層22を含む導波路パターンによ
って形成されている。第1光導波路11及び第2光導波
路12の2本の光導波路は、図1に示すように、光伝送
方向に対して入力側の端面1a(図中の左側の端面)
と、入力端面1aとは反対側で出力側の端面1b(図中
の右側の端面)との間にそれぞれ設けられている。
12は、入力端面1a及び出力端面1bの間の所定部分
が、第1コア層21と第2コア層22とが近接したコア
近接部13となる導波路パターンによって形成されてい
る。このコア近接部13は、本平面導波路型光回路1に
おいて方向性結合器として機能する光回路部分である。
図2は、このコア近接部13における光回路1の、光伝
送方向に対して垂直な面での断面構造を示している。
び第2コア層22からなるコア層に対して、基板10及
びコア層を覆うようにクラッド層30が形成されてい
る。このクラッド層30はコア層よりも低い屈折率を有
しており、これによって、第1コア層21及び第2コア
層22が、それぞれ第1光導波路11及び第2光導波路
12として機能する。
に、コア近接部13において、第1コア層21と第2コ
ア層22との間にあるクラッド層30の所定部位に、空
洞部31が形成されている。そして、この空洞部31に
は、クラッド層30を構成している材料よりも熱光学効
果による屈折率の温度依存性が大きい充填材料25が充
填されている。
部13の上方に位置する面上には、ペルチェ素子40が
設置されている。このペルチェ素子40は、第1コア層
21、第2コア層22、及び空洞部31に充填された充
填材料25を含むコア近接部13を加熱または冷却し
て、その温度を調整する温度調整手段である。このペル
チェ素子40を用いてコア近接部13の温度を調整する
ことによって、光回路1での方向性結合器として機能す
るコア近接部13において、第1光導波路11と第2光
導波路12との間での光の分岐比が可変に制御される。
果について説明する。
1においては、光導波路の温度を調整して熱光学効果に
よって屈折率を変化させる温度調整手段であるペルチェ
素子40を、2本の光導波路11、12が近接して方向
性結合器として機能するコア近接部13の光回路部分に
対して設置している。
ェンダ干渉計型光回路でのアーム導波路などの通常の光
導波路部分に対して温度調整手段を設ける構成に比べ
て、温度調整手段による光回路の加熱面積及び加熱個所
数を小さくすることができる。また、光導波路の屈折率
を制御することによる第1光導波路11と第2光導波路
12との間での光の分岐比の可変制御を効率的に行うこ
とができるので、その消費電力及び光回路からの発熱量
を低減することが可能となる。同時に、コア近接部13
の温度を制御する構成により、光回路1の構成及び製造
工程が簡単化されるので、その製造コストを低くするこ
とができる。
ハツェンダ干渉計型光回路などの光回路では、一般に、
その光学特性がコア幅の設計からのずれなどの製造誤差
に対して敏感である。このため、このような光回路で
は、基板上に光導波路を作製した後に、光学特性を微調
整するため、コア層に紫外レーザなどを照射して光導波
路の光路長を調整する作業が必要となる場合がある。こ
れに対して、本実施形態の平面導波路型光回路1によれ
ば、方向性結合器であるコア近接部13に対して設けら
れたペルチェ素子40での温度調整によって光学特性を
微調整することが可能である。したがって、光導波路を
作製した後での光路長の調整工程が不要となる。
コア近接部13においてクラッド層30に空洞部31を
形成し、空洞部31内に充填材料25を充填している。
このように、熱光学効果が大きい材料25を空洞部31
に充填することにより、温度調整手段によるコア近接部
13での光導波路の屈折率及び光路長制御の効率を向上
することができる。これにより、その消費電力及び光回
路からの発熱量をさらに低減することが可能となる。
層30の空洞部31に充填する熱光学効果が大きい充填
材料25としては、その屈折率が光導波路の材料として
用いられる石英ガラスの屈折率に近い(略等しい)材料
を用いることが好ましい。具体的な材料としては、マッ
チングオイルを用いることができる。この場合のマッチ
ングオイルには、例えば、屈折率nが石英ガラスに略等
しく、かつ、熱光学効果の大きさを示す屈折率nの温度
依存係数dn/dTが石英ガラスよりも30倍程度大き
いものが用いられる。
波長589nmの光に対する25℃での屈折率がn=
1.4587、屈折率の温度依存係数がdn/dT=−
0.0004のマッチングオイルが挙げられる。
折率の温度依存性が大きいポリマー材料でも良く、熱硬
化樹脂または紫外線硬化樹脂を充填材料25として用い
ても良い。
550nmの光に対する室温での屈折率がn=1.49
5のエポキシ系熱硬化樹脂(NTT−AT製)が挙げら
れる。この熱硬化樹脂は、樹脂を空洞部に充填した後、
100℃で2時間の加熱によって硬化させることができ
る。また、紫外線硬化樹脂の具体的な例としては、波長
1550nmの光に対する室温での屈折率がn=1.4
55のUV硬化樹脂(協立化学製)が挙げられる。この
UV硬化樹脂は、樹脂を空洞部に充填した後、UVラン
プからの紫外光を照射することによって硬化させること
ができる。これらの熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂での屈
折率の温度依存係数dn/dTは、一般には石英ガラス
の10〜30倍程度である。
化樹脂などの材料は、粘性が比較的低い材料であり、コ
ア近接部13に形成された空洞部31が狭い場合でも容
易かつ良好に充填することができる。また、熱硬化樹脂
や紫外線硬化樹脂を用いた場合には、上記したように、
粘性が低い状態で空洞部31に充填した後に硬化させる
ことが可能である。
きい有機材料などの材料を充填材料25として用いても
良い。あるいは、このような充填材料25を用いなくて
も光導波路の屈折率及び光路長を充分な範囲で可変に制
御することが可能な場合には、コア近接部13におい
て、充填材料25が充填された空洞部31を設けない構
成としても良い。
導波路型光回路の製造方法の一実施形態を概略的に示す
工程図である。以下、図1〜図3を参照しつつ、平面導
波路型光回路の製造方法について説明する。
ズマCVD法などを用いてコア層となる光導波膜20を
形成する(図3(a))。そして、フォトリソグラフィ
及び反応性イオンエッチング(RIE)などを用い、所
定の導波路パターンによって光導波膜20を加工して、
第1コア層21及び第2コア層22からなるとともにコ
ア近接部13を有するコア層を形成する(図3(b)、
コア層形成工程)。
ア層21及び第2コア層22からなるコア層とを覆うよ
うに、コア層よりも低い屈折率を有するオーバクラッド
となるクラッド層30を、プラズマCVD法などを用い
て形成する(図3(c)、クラッド層形成工程)。この
とき、クラッド層30の形成は、コア近接部13におい
て第1コア層21と第2コア層22との間の所定部位が
空洞部31として残るような条件で行う(文献4「田中
啓之 他:信学技報 TECHNICAL REPORT OF IEICE., EMD9
7-55, pp.1-6 (1997-09)」を参照)。
に形成された空洞部31に対し、クラッド層30よりも
大きい屈折率の温度依存性を有するマッチングオイルな
どの充填材料25を空洞部31内に充填する(図3
(d)、充填工程)。上記した空洞部31は、その大部
分で上面側が閉じているが、長手方向の両端では上面側
に開いた状態で形成される。このため、空洞部31近傍
のクラッド層30の上面に対してマッチングオイルを塗
布するだけで、空洞部31内にマッチングオイルが充填
される。
ルチェ素子40の上に載せることにより、コア近接部1
3に対して温度調整手段であるペルチェ素子40を設置
する(設置工程)。以上により、図1及び図2に示した
構成を有する平面導波路型光回路1が作製される。
においては、クラッド層30の形成と同時に空洞部31
を形成した後、その空洞部31に対して熱光学効果が大
きい充填材料25を充填している。このような製造方法
によれば、通常の製造工程によって光回路を作製した後
に溝形成の工程を行う方法などに比べて、光回路の製造
工程を簡単化することができ、その製造コストを低くす
ることができる。
に用いられる具体的な製造方法に関しては、適宜上記以
外の方法を用いて良い。例えば、基板10上でのコア層
となる光導波膜20の形成については、プラズマCVD
法以外にも、FHD法やスパッタ法などを用いても良
い。
同様に、プラズマCVD法以外にも、ECRプラズマや
常圧などの他のCVD法やFHD法、スパッタ法などを
用いても良い。ここで、プラズマCVD法以外のCVD
法やスパッタ法を用いた場合でのクラッド層の空洞部に
ついては、その成膜レートや原料ガスの種類の選定など
で形成条件を調整することによって、空洞部を形成する
ことが可能である。また、FHD法を用いた場合につい
ては、クラッド層へのB、Pの添加量を低めにし、炉の
温度、焼結時に使用する基板搭載ジグの材質、昇温速
度、ガス流量などの焼結条件を調整することによって、
空洞部を形成することが可能である(文献5:特開平7
−318734号公報を参照)。
は、石英基板以外にもSi(シリコン)基板などを用い
ても良い。ただし、シリコン基板を用いた場合には、最
初に基板上にアンダークラッド層を形成し、アンダーク
ラッド層上にコア層およびオーバクラッド層を形成する
ことが好ましい。
度調整手段については、ペルチェ素子以外のものを用い
ても良い。例えば、クラッド層上にヒータを形成し、温
度調整手段として用いる構成が可能である。この場合、
コア近接部の空洞部内に充填した充填材料がヒータ形成
工程中に揮散しないように、空洞部の両端を封止するこ
とが好ましい。
述したように、方向性結合器に対して設けられた温度調
整手段によって光の分岐比を可変に制御可能な可変光分
岐器として利用することができる。また、このような光
回路1は、光伝送路を切り換える光スイッチとして利用
することができる。
波路11、12のそれぞれの端部について、第1光導波
路11の入力端面1a側の端部を入力ポート16とする
とともに、第2光導波路12の出力端面1b側の端部を
第1出力ポート17、第1光導波路11の出力端面1b
側の端部を第2出力ポート18とする。そして、コア近
接部13に対して設けられたペルチェ素子40によって
コア近接部13の温度を調整すれば、入力ポート16か
ら入力された光について、第2光導波路12の第1出力
ポート17、及び第1光導波路11の第2出力ポート1
8への光の分岐比を可変に制御することが可能となる。
また、これを利用すれば、光回路1を光スイッチとして
動作させることができる。
トでの出力光パワーの温度依存性を示すグラフである。
このグラフにおいて、横軸はペルチェ素子40によって
調整されるコア近接部13の温度(℃)、縦軸は出力光
パワーを示している。また、実線のグラフは、第1出力
ポート17からの出力光パワーの温度依存性を示し、点
線のグラフは、第2出力ポート18からの出力光パワー
の温度依存性を示している。なお、図示している出力光
パワーは、適当に規格化されたものである。
構成を有する平面導波路型光回路を用いた。その具体的
な構成については、コア層の屈折率を1.454、クラ
ッド層の屈折率を1.444、コアサイズを6×6μ
m、コア近接部での2つのコア間の間隔を7μm、コア
近接部の長さを200μm、コア近接部の2つのコア間
でのマッチングオイルの充填幅を5.5μm、充填長を
800μmとした。
構成の光回路1によれば、ペルチェ素子40を用いてコ
ア近接部13の温度を15℃から35℃とわずか20℃
程度変化させることにより、光回路1の入力ポート16
から入力された光に対する出力ポートが、第1出力ポー
ト17から第2出力ポート18へと切り換えられてい
る。したがって、このような光回路を利用すれば、消費
電力が極めて小さく、かつ、応答速度が速い可変光分岐
器や光スイッチなどの光回路を実現することができる。
の製造方法は、上述した実施形態に限られるものではな
く、様々な変形が可能である。例えば、平面導波路型光
回路の構成については、図1に示した光回路以外にも、
マッハツェンダ干渉計型光回路での方向性結合器の光回
路部分など、様々な光回路において上述した構成を適用
することが可能である。
その製造方法は、以上詳細に説明したように、次のよう
な効果を得る。すなわち、光導波路の温度を調整して熱
光学効果によって屈折率を変化させる温度調整手段を、
2本の光導波路が近接して方向性結合器として機能する
コア近接部に対して設置した平面導波路型光回路によれ
ば、温度調整手段による光回路の加熱面積及び加熱個所
数を小さくすることができ、その消費電力及び光回路か
らの発熱量を低減することが可能となる。同時に、光回
路の構成及び製造工程が簡単化されるので、その製造コ
ストを低くすることができる。
平面図である。
示すI−I矢印断面図である。
概略的に示す工程図である。
パワーの温度依存性を示すグラフである。
端面、10…基板、11…第1光導波路、12…第2光
導波路、13…コア近接部、16…入力ポート、17…
第1出力ポート、18…第2出力ポート、20…光導波
膜、21…第1コア層、22…第2コア層、25…充填
材料、30…クラッド層、31…空洞部、40…ペルチ
ェ素子(温度調整手段)。
Claims (5)
- 【請求項1】 基板と、 前記基板上に、第1光導波路を構成する第1コア層、及
び第2光導波路を構成する第2コア層を含み、前記第1
コア層と前記第2コア層とが近接して方向性結合器とし
て機能するコア近接部を有する導波路パターンによって
形成されたコア層と、 前記基板上に、前記基板及び前記コア層を覆うように形
成され、前記コア層よりも低い屈折率を有するクラッド
層と、 前記コア近接部に対して設置され、前記コア近接部の温
度を調整することによって、前記第1光導波路と前記第
2光導波路との間での光の分岐比を可変に制御する温度
調整手段とを備えることを特徴とする平面導波路型光回
路。 - 【請求項2】 前記クラッド層は、前記コア近接部にお
いて前記第1コア層と前記第2コア層との間の所定部位
に形成された空洞部を有するとともに、前記空洞部内
に、前記クラッド層よりも大きい屈折率の温度依存性を
有する充填材料が充填されていることを特徴とする請求
項1記載の平面導波路型光回路。 - 【請求項3】 前記充填材料は、マッチングオイル、熱
硬化樹脂、または紫外線硬化樹脂の少なくとも1つから
なることを特徴とする請求項2記載の平面導波路型光回
路。 - 【請求項4】 基板上に、第1光導波路を構成する第1
コア層、及び第2光導波路を構成する第2コア層を含
み、前記第1コア層と前記第2コア層とが近接して方向
性結合器として機能するコア近接部を有する導波路パタ
ーンによってコア層を形成するコア層形成工程と、 前記基板上に、前記基板及び前記コア層を覆うととも
に、前記コア近接部において前記第1コア層と前記第2
コア層との間の所定部位が空洞部となるように、前記コ
ア層よりも低い屈折率を有するクラッド層を形成するク
ラッド層形成工程と、 前記空洞部内を、前記クラッド層よりも大きい屈折率の
温度依存性を有する充填材料で充填する充填工程と、 前記コア近接部に対して、前記コア近接部の温度を調整
することが可能な温度調整手段を設置する設置工程とを
備えることを特徴とする平面導波路型光回路の製造方
法。 - 【請求項5】 前記充填材料は、マッチングオイル、熱
硬化樹脂、または紫外線硬化樹脂の少なくとも1つから
なることを特徴とする請求項4記載の平面導波路型光回
路の製造方法。
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