JP2003213176A - インクジェット記録用インクとインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インクとインクジェット記録方法

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JP2003213176A
JP2003213176A JP2002017065A JP2002017065A JP2003213176A JP 2003213176 A JP2003213176 A JP 2003213176A JP 2002017065 A JP2002017065 A JP 2002017065A JP 2002017065 A JP2002017065 A JP 2002017065A JP 2003213176 A JP2003213176 A JP 2003213176A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色相が確保され、かつ耐候性に優れているイ
ンクジェット記録用インクを提供すること。 【解決手段】特定構造の少なくとも1種のフタロシアニ
ン染料を、水性媒体中に溶解または分散してなり、pH
が4〜10であることを特徴とするインクジェット記録
用インク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録画像の品質が
高く、得られた画像の保存性が優れたインクジェット記
録用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューターの普及に伴いイン
クジェットプリンターがオフィスだけでなく家庭で紙、
フィルム、布等に印字するために広く利用されている。
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を
加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡
を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方
式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式が
ある。これらのインクジェット記録用インクとしては、
水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)イン
クが用いられる。これらのインクのうち、製造、取り扱
い性・臭気・安全性等の点から水性インクが主流となっ
ている。
【0003】これらのインクジェット記録用インクに用
いられる着色剤に対しては、溶剤に対する溶解性が高い
こと、高濃度記録が可能であること、色相が良好である
こと、光、熱、空気、オゾン、水や薬品に対する堅牢性
に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲み
にくいこと、インクとしての保存性に優れていること、
毒性がないこと、純度が高いこと、さらには、安価に入
手できることが要求されている。しかしながら、これら
の要求を高いレベルで満たす着色剤を捜し求めること
は、極めて難しい。特に、良好なシアン色相を有し、オ
ゾン堅牢性に優れた着色剤が強く望まれている。既にイ
ンクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、実
際に使用されているが、未だに全ての要求を満足する着
色剤は、発見されていないのが現状である。カラーイン
デックス(C.I.)番号が付与されているような、従
来からよく知られている染料や顔料では、インクジェッ
ト記録用インクに要求される色相と堅牢性とを両立させ
ることは難しい。
【0004】一方で、インクを調液する際に、その酸
性、塩基性をコントロールすることも重要である。水素
イオン濃度の代表値であるpHの数値において、酸性もし
くは塩基性が強いインクの場合、画像保存性が損なわれ
やすいという問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、色相が良好で、かつ耐候性に優れているイ
ンクジェット記録用インクを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、下記1
〜5項のインクジェット記録用インクならびに6,7項
記載のインクジェット記録方法によって達成された。 (1)下記一般式(I)で表される少なくとも1種の染
料を、水性媒体中に溶解または分散してなり、pHが4以
上10以下であることを特徴とするインクジェット記録用
インク。
【0007】
【化3】
【0008】一般式IにおいてX1、X2、X3およびX4
はそれぞれ独立に−SO−Z、−SO2−Z、−SO2
12、スルホ基、−CONR12、または−CO21
を表す。Zはそれぞれ独立に置換もしくは無置換のアル
キル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換
もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換の
アラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換
もしくは無置換の複素環基を表す。R1、R2はそれぞれ
独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、
置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは
無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキ
ル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは
無置換の複素環基を表す。Y1、Y2、Y3およびY4はそ
れぞれ独立に、一価の置換基を表す。a1〜a4、b1
4は、それぞれX1〜X4、およびY1〜Y4の置換基数
を表す。 a1〜a4はそれぞれ独立に0〜4の数を表す
が、全てが同時に0になることはない。 b1〜b4はそれ
ぞれ独立に0〜4の数を表す。なお、a1〜a4及びb1
〜b4が2以上の数を表す時、複数のX1〜X4、及びY1
〜Y4はそれぞれそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
Mは水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物も
しくはハロゲン化物である。 (2)一般式(I)で表される染料が特に下記一般式
(II)で表される染料であることを特徴とする(1)記
載のインクジェット記録用インク。
【0009】
【化4】
【0010】前記一般式(II)において、X11〜X14
11〜Y18、M1は一般式(I)の中のX1〜X4、Y1
4、Mとそれぞれ同義である。a11〜a14はそれぞれ
独立に1または2の整数を表す。 (3)インク中に界面活性剤を含有することを特徴とす
る(1)又は(2)に記載のインクジェット記録用イン
ク。 (4)前記界面活性剤がノニオン性界面活性剤であるこ
とを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のイン
クジェット記録用インク。 (5)インク中に沸点150℃以上の有機溶剤を含有する
ことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のイ
ンクジェット記録用インク。 (6)(1)〜(5)のいずれかに記載のインクジェッ
ト記録用インクを用いることを特徴とするインクジェッ
ト記録方法。 (7)支持体上に白色無機顔料粒子を含有する受像層を
有する受像材料にインク滴を記録信号に応じて吐出さ
せ、受像材料上に画像を記録するインクジェット記録方
法であって、インク滴が(1)〜(5)のいずれかに記
載のインクジェット記録用インクからなることを特徴と
するインクジェット記録方法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のインクジェット記録用インクにおいて使
用する染料は、フタロシアニン染料であり、中でも一般
式(I)で表されるものが好ましい。フタロシアニン染
料は堅牢な染料として知られていたが、インクジェット
用記録色素として使用した場合、オゾンガスに対する堅
牢性に劣ることが知られている。本発明では、求電子剤
であるオゾンとの反応性を下げるために、フタロシアニ
ン骨格に電子求引性基を導入して酸化電位が1.0V
(vs SCE)よりも貴となることが望ましい。酸化
電位は貴であるほど好ましく、酸化電位が1.1V(v
s SCE)よりも貴であるものがより好ましく、1.
2V(vs SCE)より貴であるものが最も好まし
い。
【0012】酸化電位の値(Eox)は当業者が容易に測
定することができる。この方法に関しては、例えばP.
Delahay著“New Instrumental
Methods in Electrochemist
ry”(1954年 Interscience Pu
blishers社刊)やA.J.Bard他著“El
ectrochemical Methods”(19
80年 JohnWiley & Sons社刊)、藤
嶋昭他著“電気化学測定法”(1984年 技報堂出版
社刊)に記載されている。
【0013】具体的に酸化電位は、過塩素酸ナトリウム
や過塩素酸テトラプロピルアンモニウムといった支持電
解質を含むジメチルホルムアミドやアセトニトリルのよ
うな溶媒中に、被験試料を1×10-4〜1×10-6モル
/リットル溶解して、サイクリックボルタンメトリーや
直流ポーラログラフィーを用いてSCE(飽和カロメル
電極)に対する値として測定する。この値は、液間電位
差や試料溶液の液抵抗などの影響で、数10ミルボルト
程度偏位することがあるが、標準試料(例えばハイドロ
キノン)を入れて電位の再現性を保証することができ
る。なお、電位を一義的に規定する為、本発明では、
0.1moldm-3の過塩素酸テトラプロピルアンモニウ
ムを支持電解質として含むジメチルホルムアミド中(染
料の濃度は0.001moldm-3)で直流ポーラログラ
フィーにより測定した値(vs SCE)を染料の酸化電
位とする。
【0014】Eoxの値は試料から電極への電子の移りや
すさを表わし、その値が大きい(酸化電位が貴である)
ほど試料から電極への電子の移りにくい、言い換えれ
ば、酸化されにくいことを表す。化合物の構造との関連
では、電子求引性基を導入することにより酸化電位はよ
り貴となり、電子供与性基を導入することにより酸化電
位はより卑となる。本発明では、求電子剤であるオゾン
との反応性を下げるために、フタロシアニン骨格に電子
求引性基を導入して酸化電位をより貴とすることが望ま
しい。従って、置換基の電子求引性や電子供与性の尺度
であるハメットの置換基定数σp値を用いれば、スルフ
ィニル基、スルホニル基、スルファモイル基のようにσ
p値が大きい置換基を導入することにより酸化電位をよ
り貴とすることができると言える。このような電位調節
をするために、本発明においては、一般式(I)で表さ
れるフタロシアニン染料を用いる。
【0015】
【化5】
【0016】一般式IにおいてX1、X2、X3およびX4
はそれぞれ独立に−SO−Z、−SO2−Z、−SO2
12、スルホ基、−CONR12、または−CO21
を表す。これらの置換基の中でも、−SO−Z、−SO
2−Z、−SO2NR12、または−CONR12が好ま
しく、特に−SO2−Z、または−SO2NR12が好ま
しく、−SO2−Z が最も好ましい。ここで、前述のよ
うに、その置換基数を表すa1〜a4が2以上の数を表す
時、複数のX1〜X4はそれぞれ同一でも異なっていても
良く、それぞれ独立に上記のいずれかの基を表す。ま
た、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ全く同じ置換
基であっても良く、あるいは例えばX1、X 2、X3およ
びX4が全て−SO2−Zであるが各Zが異なるものを含
む場合のように、同じ種類の置換基であるが部分的に互
いに異なる置換基であっても良い。あるいは例えば−S
2−Zと−SO2NR12が同時に置換した場合のよう
に、互いに異なる置換基を含んでいても良い。
【0017】Zはそれぞれ独立に置換もしくは無置換の
アルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置
換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、
置換もしくは無置換の複素環基を表す。 好ましくは、
置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換
のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基であり、
その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換複素
環基が最も好ましい。
【0018】R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、置
換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の
シクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル
基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは
無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を
表す。好ましくは水素原子、置換もしくは無置換のアル
キル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしく
は無置換の複素環基であり、その中でも水素原子、置換
アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ま
しい。但し、R1、R2がいずれも水素原子であることは
好ましくない。
【0019】R1、R2およびZが表す置換もしくは無置
換のアルキル基としては、炭素原子数が1〜30のアル
キル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を
高めるという理由から、分岐のアルキル基が好ましく、
特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に
好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2
1、Y2、Y3及びY4が更に置換基を持つことが可能な
場合の置換基と同じものが挙げられる。中でも水酸基、
エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホ
ンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるの
で特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性
基を有していても良い。
【0020】R1、R2およびZが表す置換もしくは無置
換のシクロアルキル基としては、炭素原子数が5〜30
のシクロアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やイ
ンク安定性を高めるという理由から、不斉炭素を有する
場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例
としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3及びY 4
が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じも
のが挙げられる。中でも水酸基、エーテル基、エステル
基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会
合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この
他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良
い。
【0021】R1、R2およびZが表す置換もしくは無置
換のアルケニル基としては、炭素原子数が2〜30のア
ルケニル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定
性を高めるという理由から、分岐のアルケニル基が好ま
しく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)
が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1
2、Y1、Y2、Y3及びY4が更に置換基を持つことが
可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。中でも水
酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、
スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上さ
せるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性
親水性基を有していても良い。
【0022】R1、R2およびZが表す置換もしくは無置
換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のア
ラルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定
性を高めるという理由から、分岐のアラルキル基が好ま
しく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)
が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1
2、Y1、Y2、Y3及びY4が更に置換基を持つことが
可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。中でも水
酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、
スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上さ
せるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性
親水性基を有していても良い。
【0023】R1、R2およびZが表す置換もしくは無置
換のアリール基としては、炭素原子数が6〜30のアリ
ール基が好ましい。置換基の例としては、後述のZ、
1、R 2、Y1、Y2、Y3及びY4が更に置換基を持つこ
とが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。中で
も染料の酸化電位を貴とし堅牢性を向上させるので電子
吸引性基が特に好ましい。本発明で用いられる上記の電
子吸引性基は、ハメットの置換基定数σp値が正のもの
を表す。中でも、ハロゲン原子、複素環基、シアノ基、
カルボキシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、
スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、イ
ミド基、アシル基、スルホ基、4級アンモニウム基好ま
しく、シアノ基、カルボキシル基、スルファモイル基、
カルバモイル基、スルホニル基、イミド基、アシル基、
スルホ基、4級アンモニウム基が更に好ましい。
【0024】R1、R2およびZが表す複素環基として
は、5員または6員環のものが好ましく、それらは更に
縮環していてもよい。また、芳香族複素環であっても非
芳香族複素環であっても良い。以下にR1、R2およびZ
で表される複素環基を、置換位置を省略して複素環の形
で例示するが、置換位置は限定されるものではなく、例
えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換するこ
とが可能である。ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピ
リダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナ
ゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロ
ール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェ
ン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベ
ンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベン
ズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソ
チアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、
イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジ
ン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾ
リンなどが挙げられる。中でも芳香族複素環基が好まし
く、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジ
ン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、
ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリ
アゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾ
ール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げら
れる。それらは置換基を有していても良く、置換基の例
としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3及びY4
が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じも
のが挙げられる。好ましい置換基は前記アリール基の置
換基と、更に好ましい置換基は、前記アリール基の更に
好ましい置換基とそれぞれ同じである。
【0025】Y1、Y2、Y3およびY4はそれぞれ独立
に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアル
キル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複
素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ
基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アシルアミノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、
スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド
基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル
基、アルコキシカルボニル基、複素環オキシ基、アゾ
基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオ
キシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニルアミノ基、イミド基、複素環チオ基、ホスホ
リル基、アシル基、カルボキシル基、またはスルホ基を
挙げる事ができ、各々はさらに置換基を有していてもよ
い。
【0026】中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド
基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、
スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキ
シル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハ
ロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、およびスルホ
基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
【0027】Z、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4
更に置換基を有することが可能な基であるときは、以下
に挙げたような置換基を更に有してもよい。
【0028】炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキ
ル基、炭素数7〜18の直鎖または分岐鎖アラルキル
基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルケニル基、
炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルキニル基、炭素
数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルキル基、炭素
数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルケニル基(以
上の各基は分岐鎖を有するものが染料の溶解性およびイ
ンクの安定性を向上させる理由から好ましく、不斉炭素
を有するものが特に好ましい。例えばメチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、sec-ブチル、t−ブチル、2
−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−
フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペン
チル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原
子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチル
フェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、複素環
基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリ
ル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2
−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニ
トロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基
(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキ
シ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ
基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−
t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t
−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシ
カルバモイル)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミ
ド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基
(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フェ
ニルアミノ、2−クロロアニリノ、ウレイド基(例え
ば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブ
チルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、
N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキル
チオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェ
ノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニ
ルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチ
オ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカ
ルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミ
ノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミ
ド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンア
ミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモ
イル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイ
ル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジ
プロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイ
ル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オク
タンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホ
ニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキ
シカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、複素環オキ
シ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキ
シ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例え
ば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピ
バロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プ
ロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、
アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メ
チルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオ
キシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオ
キシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシ
カルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルア
ミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−
フタルイミド)、複素環チオ基(例えば、2−ベンゾチ
アゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−
トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフ
ィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニ
ル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、
オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、ア
リールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボ
ニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプ
ロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例え
ば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基および4級
アンモニウム基)が挙げられる。
【0029】前記一般式(I)で表されるフタロシアニ
ン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有
することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ
基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウ
ム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カ
ルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好まし
く、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボ
キシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であっ
てもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウ
ムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、
ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオ
ン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチ
ルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が
含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好まし
く、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性
を向上させるため特に好ましい。イオン性親水性基の数
としては、フタロシアニン系染料1分子中少なくとも2
個以上有するものが好ましく、特にスルホ基および/ま
たはカルボキシル基を少なくとも2個以上有するものが
特に好ましい。
【0030】a1〜a4、b1〜b4は、それぞれX1
4、およびY1〜Y4の置換基数を表す。 a1〜a4はそ
れぞれ独立に0〜4の数を表すが、全てが同時に0にな
ることはない。 b1〜b4はそれぞれ独立に0〜4の数を
表す。なお、a1〜a4及びb1〜b4が2以上の数を表す
時、複数のX1〜X4、及びY1〜Y4はそれぞれ同一でも
異なっていてもよい。
【0031】a1、b1は、a1+b1=4の関係を満たす
それぞれ独立の0〜4の数を表し、特に好ましいのは、
1が1または2を表し、b1が3または2を表す組み合
わせであり、その中でもa1が1を表し、b1が3を表す
組み合わせが最も好ましい。
【0032】a2,b2、 a3,b3、 a4,b4 の各
組み合わせにおいても、a1,b1と同様の関係であり、
好ましい組み合わせも同様である。
【0033】Mは、水素原子、金属元素またはその酸化
物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。
【0034】Mとして好ましい物は、水素原子、金属原
子としては、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、C
r、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、P
t、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、S
n、Pb、Sb、Bi等が挙げられる。酸化物としては、VO、G
eO等が挙げられる。 また、水酸化物としては、Si(O
H)2、Cr(OH)2、Sn(OH)2等が挙げられる。さらに、
ハロゲン化物としては、AlCl、SiCl2、VCl、VCl2、VOC
l、FeCl、GaCl、ZrCl等が挙げられる。なかでも特に、C
u、Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが最も好ましい。
【0035】また、L(2価の連結基)を介してPc
(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L
-M−Pc)または3量体を形成してもよく、その時の
Mはそれぞれ同一であっても異なるものであってもよ
い。
【0036】Lで表される2価の連結基は、オキシ基−
O−、チオ基−S−、カルボニル基−CO−、スルホニ
ル基−SO2−、イミノ基−NH−、メチレン基−CH2
−、およびこれらを組み合わせて形成される基が好まし
い。
【0037】前記一般式(I)で表される化合物の好ま
しい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少
なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好まし
く、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化
合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基で
ある化合物が最も好ましい。
【0038】前記一般式(I)で表されるフタロシアニ
ン染料の中でも、下記一般式(II)で表される構造のフ
タロシアニン染料が更に好ましい。以下に本発明の一般
式(II)で表されるフタロシアニン染料について詳しく
述べる。
【0039】
【化6】
【0040】前記一般式(II)において、X11〜X14
11〜Y18は一般式(I)の中のX 1〜X4、Y1〜Y4
それぞれ同義であり、好ましい例も同じである。また、
1は一般式(I)中のMと同義であり、好ましい例も
同様である。
【0041】一般式(II)中、a11〜a14はそれぞれ独
立に1または2の整数を表し、特に好ましいのは4≦a
11+a12+a13+a14≦6であり、その中でも特に好ま
しいのはa11=a12=a13=a14=1のときである。
【0042】X11、X12、X13およびX14は、それぞれ
全く同じ置換基であっても良く、あるいは例えばX11
12、X13およびX14が全て−SO2−Zであるが各Z
は互いに異なるものを含む場合のように、同じ種類の置
換基であるが部分的に互いに異なる置換基であっても良
い。あるいは例えば−SO2−Zと−SO2NR12が同
時に置換した場合のように、互いに異なる置換基を含ん
でいても良い。一般式(II)で表されるフタロシアニン
染料の中でも、特に好ましい置換基の組み合わせは、以
下の通りである。
【0043】X11〜X14としては、それぞれ独立に−S
O−Z、−SO2−Z、−SO2NR 12、または−CO
NR12が好ましく、特に−SO2−Z、または−SO2
NR 12が好ましく、−SO2−Zが最も好ましい。
【0044】Zはそれぞれ独立に、置換もしくは無置換
のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換
もしくは無置換の複素環基が好ましく、その中でも置換
アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ま
しい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという
理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体
での使用)が好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向
上させるという理由から、水酸基、エーテル基、エステ
ル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が置換基
中に有する場合が好ましい。
【0045】R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、置
換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の
アリール基、置換もしくは無置換の複素環基が好まし
く、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリー
ル基、置換複素環基が最も好ましい。ただしR1、R2
共に水素原子であることは好ましくない。特に染料の溶
解性やインク安定性を高めるという理由から、置換基中
に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が好まし
い。また、会合性を高め堅牢性を向上させるという理由
から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、ア
ミド基、スルホンアミド基が置換基中に有する場合が好
ましい。
【0046】Y11〜Y18は水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミ
ド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル
基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カル
ボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原
子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、および
スルホ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。a11
14はそれぞれ独立に1または2であることが好まし
く、特に全てが1であることが好ましい。M1は、水素
原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハ
ロゲン化物を表し、特にCu、Ni、Zn、Alが好ましく、な
かでも特に特にCuが最も好ましい。
【0047】前記一般式(II)で表されるフタロシアニ
ン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有
することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ
基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウ
ム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カ
ルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好まし
く、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボ
キシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であっ
てもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウ
ムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、
ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオ
ン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチ
ルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が
含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好まし
く、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性
を向上させるため特に好ましい。イオン性親水性基の数
としては、フタロシアニン系染料1分子中少なくとも2
個以上有するものが好ましく、特にスルホ基および/ま
たはカルボキシル基を少なくとも2個以上有するものが
特に好ましい。
【0048】前記一般式(II)で表される化合物の好ま
しい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少
なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好まし
く、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化
合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基で
ある化合物が最も好ましい。
【0049】本発明のフタロシアニン染料の化学構造と
しては、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイ
ル基のような電子吸引性基を、フタロシアニンの4つの
各ベンゼン環に少なくとも一つずつ、フタロシアニン骨
格全体の置換基のσp値の合計で1.6以上となるように
導入することが好ましい。
【0050】ハメットの置換基定数σp値について若干
説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平
衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために193
5年L.P.Hammettにより提唱された経験則で
あるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメ
ット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があ
り、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことがで
きるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’
s Handbook of Chemistry」第
12版、1979年(Mc Graw−Hill)や
「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、19
79年(南光堂)に詳しい。
【0051】前記一般式(I)で表されるフタロシアニ
ン誘導体は、その合成法によって不可避的に置換基Xn
(n=1〜4)およびYm(m=1〜4)の導入位置お
よび導入個数が異なる類縁体混合物である場合が一般的
であり、従って一般式はこれら類縁体混合物を統計的に
平均化して表している場合が多い。本発明では、これら
の類縁体混合物を以下に示す三種類に分類すると、特定
の混合物が特に好ましいことを見出したものである。す
なわち前記一般式(I)および(II)で表されるフタロ
シアニン系染料類縁体混合物を置換位置に基づいて以下
の三種類に分類して定義する。
【0052】(1)β-位置換型:2及びまたは3位、
6及びまたは7位、10及びまたは11位、14及びま
たは15位に特定の置換基を有するフタロシアニン染
料。
【0053】(2)α-位置換型:1及びまたは4位、5
及びまたは8位、9及びまたは12位、13及びまたは
16位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料
【0054】(3)α,β-位混合置換型:1〜16位に
規則性なく、特定の置換基を有するフタロシアニン染料
【0055】本明細書中において、構造が異なる(特
に、置換位置が異なる)フタロシアニン染料の誘導体を
説明する場合、上記β-位置換型、α-位置換型、α,β
-位混合置換型を使用する。
【0056】本発明に用いられるフタロシアニン誘導体
は、例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行
「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、
C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共
著、VCH発行‘Phthalocyanines−P
roperties and Application
s’(P.1〜54)等に記載、引用もしくはこれらに
類似の方法を組み合わせて合成することができる。
【0057】本発明の一般式(I)で表されるフタロシ
アニン化合物は、世界特許00/17275号、同00
/08103号、同00/08101号、同98/41
853号、特開平10−36471号などに記載されて
いるように、例えば無置換のフタロシアニン化合物のス
ルホン化、スルホニルクロライド化、アミド化反応を経
て合成することができる。この場合、スルホン化がフタ
ロシアニン核のどの位置でも起こり得る上にスルホン化
される個数も制御が困難である。従って、このような反
応条件でスルホ基を導入した場合には、生成物に導入さ
れたスルホ基の位置と個数は特定できず、必ず置換基の
個数や置換位置の異なる混合物を与える。従ってそれを
原料として本発明の化合物を合成する時には、複素環置
換スルファモイル基の個数や置換位置は特定できないの
で、本発明の化合物としては置換基の個数や置換位置の
異なる化合物が何種類か含まれるα,β-位混合置換型
混合物として得られる。
【0058】前述したように、例えばスルファモイル基
のような電子求引性基を数多くフタロシアニン核に導入
すると酸化電位がより貴となり、オゾン耐性が高まる。
上記の合成法に従うと、電子求引性基が導入されている
個数が少ない、即ち酸化電位がより卑であるフタロシア
ニン染料が混入してくることが避けられない。従って、
オゾン耐性を向上させるためには、酸化電位がより卑で
ある化合物の生成を抑えるような合成法を用いることが
より好ましい。
【0059】それに対して、本発明の一般式(II)で表
されるフタロシアニン化合物は、例えば下記式で表され
るフタロニトリル誘導体(化合物P)および/またはジ
イミノイソインドリン誘導体(化合物Q)を一般式(II
I)で表される金属誘導体と反応させるか、或いは下記
式で表される4-スルホフタロニトリル誘導体(化合物
R)と一般式(III)で表される金属誘導体を反応させ
て得られるテトラスルホフタロシアニン化合物から誘導
することができる。
【0060】
【化7】
【0061】上記各式中、Xpは上記一般式(II)にお
けるX11、X12、X13またはX14に相当する。また、
q、Yq`はそれぞれ上記一般式(II)におけるY11
12、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17またはY18に相当
する。化合物Rにおいて、M’はカチオンを表す。M’が
表わすカチオンとしては、Li、Na、Kなどのアルカリ金
属イオン、またはトリエチルアンモニウムイオン、ピリ
ジニウムイオンなどの有機カチオンなどが挙げられる。
【0062】一般式(III):M−(Y)d 一般式(III)中、Mは前記一般式(I)および(II)
のMと同一であり、Yはハロゲン原子、酢酸陰イオン、
アセチルアセトネート、酸素などの1価又は2価の配位
子を示し、dは1〜4の整数である。
【0063】即ち、上記の合成法に従えば望みの置換基
を特定の数だけ導入することができるのである。特に本
発明のように酸化電位を貴とするために電子求引性基を
数多く導入したい場合には、上記の合成法は一般式
(I)の合成法と比較して極めて優れたものである。
【0064】かくして得られる前記一般式(II)で表さ
れるフタロシアニン化合物は、通常、Xpの各置換位置
における異性体である下記一般式(a)−1〜(a)−
4で表される化合物の混合物、すなわちβ-位置換型と
なっている。
【0065】
【化8】
【0066】
【化9】
【0067】
【化10】
【0068】
【化11】
【0069】上記合成法において、Xpとして全て同一
のものを使用すればX11、X12、X1 3およびX14が全く
同じ置換基であるβ位置置換型フタロシアニン染料を得
ることができる。一方、Xpとして異なるものを組み合わ
せて使用すれば、同じ種類の置換基であるが部分的に互
いに異なる置換基をもつ染料や、あるいは、互いに異な
る種類の置換基をもつ染料を合成することができる。一
般式IIの染料の中でも互いに異なる電子吸引性置換基を
持つこれらの染料は、染料の溶解性、会合性、インクの
経時安定性などを調整できる為、特に好ましい。
【0070】本発明では、いずれの置換型においても酸
化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴であることが堅
牢性の向上に非常に重要であることが見出され、その効
果の大きさは前記先行技術から全く予想することができ
ないものであった。また、原因は詳細には不明である
が、中でもα,β-位混合置換型よりはβ-位置換型の方
が色相・光堅牢性・オゾンガス耐性等において明らかに
優れている傾向にあった。
【0071】前記一般式(I)および(II)で表される
フタロシアニン染料の具体例(例示化合物I-1〜I-1
2および101〜190)を下記に示すが、本発明に用いられ
るフタロシアニン染料は、下記の例に限定されるもので
はない。
【0072】
【化12】
【0073】
【化13】
【0074】
【化14】
【0075】
【化15】
【0076】
【化16】
【0077】
【化17】
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
【表7】
【0085】
【表8】
【0086】
【表9】
【0087】
【表10】
【0088】
【表11】
【0089】なお、表8〜11に示される式M-Pc(Xp1)m
(Xp2)nは、以下の構造式を表す。
【0090】
【化18】
【0091】前記一般式(I)で表されるフタロシアニ
ン染料は、前述した特許に従えば合成することが可能で
ある。また、一般式(II)で表されるフタロシアニン染
料は、特開2001-226275号、同2001-96610号、同2001-47
013号、同2001-193638号に記載の方法により合成するこ
とができる。また、出発物質、染料中間体及び合成ル−
トについてはこれらにより限定されるものでない。
【0092】本発明のインクジェット記録用インクは、
前記フタロシアニン染料を好ましくは、0.2〜20質
量%含有し、より好ましくは、0.5〜15質量%含有
する。
【0093】本発明のインクは、インクの溶液pHが4〜1
0の範囲であるという特徴を有する。中でも好ましい範
囲は溶液pHが5〜9の範囲であり、特に好ましくは溶液pH
が5.5〜8.5の範囲である。pHの測定方法は、市販の試験
紙を用いることも可能であるし、飽和塩化カリウムを用
いた電極法による測定も可能である。pHの調節方法とし
ては、塩基性化合物もしくは酸性化合物を添加すること
により調節できる。いずれも無機化合物、有機化合物と
もに使用可能である。塩基性化合物としては水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナト
リウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水
素ナトリウムなどの無機化合物やアンモニア水、メチル
アミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルア
ミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、エチレンジアミン、ピペリジン、ジア
ザビシクロオクタン、ジアザビシクロウンデセン、ピリ
ジン、キノリン、ピコリン、ルチジン、コリジン等の有
機塩基を使用することも可能である。酸性化合物として
は、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、硫酸水素ナトリウ
ム、硫酸水素カリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸
2水素ナトリウム等の無機化合物や、酢酸、酒石酸、安
息香酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、エタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン
酸、サッカリン酸、フタル酸、ピコリン酸、キノリン酸
等の有機化合物を使用することもできる。
【0094】次に、本発明のインクジェット記録用イン
クが含有し得る界面活性剤について説明する。本発明の
インクジェット記録用インクに界面活性剤を含有させ、
インクの液物性を調整することで、インクの吐出安定性
を向上させ、画像の耐水性の向上や印字したインクの滲
みの防止などに優れた効果を持たせることができる。界
面活性剤としては、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ド
デシルオキシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼン
スルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、セチ
ルピリジニウムクロライド、トリメチルセチルアンモニ
ウムクロライド、テロラブチルアンモニウムクロライド
等のカチオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエー
テル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等
のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。中でも特に
ノニオン系界面活性剤が好ましく使用される。
【0095】界面活性剤の含有量はインクに対して0.
001〜15質量%、好ましくは0.005〜10質量
%、更に好ましくは0.01〜5質量である。
【0096】本発明のインクジェット記録用インクは、
水性媒体中に前記のフタロシアニン染料と界面活性剤を
溶解および/または分散させることによって作製するこ
とができる。本発明における「水性媒体」とは、水又は
水と少量の水混和性有機溶剤との混合物に、必要に応じ
て湿潤剤、安定剤、防腐剤等の添加剤を添加したものを
意味する。
【0097】本発明において用いることができる水混和
性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−
ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキ
サノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類
(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキ
サンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサ
ントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体
(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、トリエチレングルコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、
エチレングルコールモノメチルエーテルアセテート、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノー
ルアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレン
ジアミン)およびその他の極性溶媒(例えば、ホルムア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビ
ニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、ア
セトン)が挙げられる。尚、前記水混和性有機溶剤は、
2種類以上を併用してもよい。
【0098】前記フタロシアニン染料が油溶性染料の場
合は、該油溶性染料を高沸点有機溶媒中に溶解させ、水
性媒体中に乳化分散させることによって調製することが
できる。本発明に用いられる高沸点有機溶媒の沸点は1
50℃以上であるが、好ましくは170℃以上である。
例えば、フタル酸エステル類(例えば、ジブチルフタレ
ート、ジオクチルフタレート、ジシクロへキシルフタレ
ート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、デシルフタ
レート、ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニ
ル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプロピ
ル)フタレート)、リン酸又はホスホンのエステル類
(例えば、ジフェニルホスフェート、トリフェニルホス
フェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキ
シルジフェニルホスフェート、ジオクチルブチルホスフ
ェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2−
エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェー
ト、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスフェート)、
安息香酸エステル酸(例えば、2−エチルヘキシルベン
ゾエート、2,4−ジクロロベンゾエート、ドデシルベ
ンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベン
ゾエート)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデ
カンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド)、アル
コール類またはフェノール類(イソステアリルアルコー
ル、2,4−ジ−tert−アミルフェノールなど)、
脂肪族エステル類(例えば、コハク酸ジブトキシエチ
ル、コハク酸ジ−2−エチルヘキシル、テトラデカン酸
2−ヘキシルデシル、クエン酸トリブチル、ジエチルア
ゼレート、イソステアリルラクテート、トリオクチルシ
トレート)、アニリン誘導体(N,N−ジブチル−2−
ブトキシ−5−tert−オクチルアニリンなど)、塩
素化パラフィン類(塩素含有量10%〜80%のパラフ
ィン類)、トリメシン酸エステル類(例えば、トリメシ
ン酸トリブチル)、ドデシルベンゼン、ジイソプロピル
ナフタレン、フェノール類(例えば、2,4−ジ−te
rt−アミルフェノール、4−ドデシルオキシフェノー
ル、4−ドデシルオキシカルボニルフェノール、4−
(4−ドデシルオキシフェニルスルホニル)フェノー
ル)、カルボン酸類(例えば、2−(2,4−ジ−te
rt−アミルフェノキシ酪酸、2−エトキシオクタンデ
カン酸)、アルキルリン酸類(例えば、ジ−2(エチル
ヘキシル)リン酸、ジフェニルリン酸)などが挙げられ
る。高沸点有機溶媒は油溶性染料に対して質量比で0.
01〜3倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用
できる。これらの高沸点有機溶媒は単独で使用しても、
数種の混合〔例えばトリクレジルホスフェートとジブチ
ルフタレート、トリオクチルホスフェートとジ(2−エ
チルヘキシル)セバケート、ジブチルフタレートとポリ
(N−t−ブチルアクリルアミド)〕で使用してもよ
い。
【0099】本発明において用いられる高沸点有機溶媒
の前記以外の化合物例及び/またはこれら高沸点有機溶
媒の合成方法は例えば米国特許第2,322,027号、同第2,5
33,514号、同第2,772,163号、同第2,835,579号、同第3,
594,171号、同第3,676,137号、同第3,689,271号、同第
3,700,454号、同第3,748,141号、同第3,764,336号、同
第3,765,897号、同第3,912,515号、同第3,936,303号、
同第4,004,928号、同第4,080,209号、同第4,127,413
号、同第4,193,802号、同第4,207,393号、同第4,220,71
1号、同第4,239,851号、同第4,278,757号、同第4,353,9
79号、同第4,363,873号、同第4,430,421号、同第4,430,
422号、同第4,464,464号、同第4,483,918号、同第4,54
0,657号、同第4,684,606号、同第4,728,599号、同第4,7
45,049号、同第4,935,321号、同第5,013,639号、欧州特
許第276,319A号、同第286,253A号、同第289,820A号、同
第309,158A号、同第309,159A号、同第309,160A号、同第
509,311A号、同第510,576A号、東独特許第147,009号、
同第157,147号、同第159,573号、同第225,240A号、英国
特許第2,091,124A号、特開昭48-47335号、同50-26530
号、同51-25133号、同51-26036号、同51-27921号、同51
-27922号、同51-149028号、同52-46816号、同53-1520
号、同53-1521号、同53-15127号、同53-146622号、同54
-91325号、同54-106228号、同54-118246号、同55-59464
号、同56-64333号、同56-81836号、同59-204041号、同6
1-84641号、同62-118345号、同62-247364号、同63-1673
57号、同63-214744号、同63-301941号、同64-9452号、
同64-9454号、同64-68745号、特開平1-101543号、同1-1
02454号、同2-792号、同2-4239号、同2-43541号、同4-2
9237号、同4-30165 号、同4-232946号、同4-346338号等
に記載されている。上記高沸点有機溶媒は、油溶性染料
に対し、質量比で0.01〜3.0倍量、好ましくは
0.01〜1.0倍量で使用する。
【0100】本発明では油溶性性染料や高沸点有機溶媒
は、水性媒体中に乳化分散して用いられる。乳化分散の
際、乳化性の観点から場合によっては低沸点有機溶媒を
用いることができる。低沸点有機溶媒としては、常圧で
沸点約30℃以上150℃以下の有機溶媒である。例え
ばエステル類(例えばエチルアセテート、ブチルアセテ
ート、エチルプロピオネート、β−エトキシエチルアセ
テート、メチルセロソルブアセテート)、アルコール類
(例えばイソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、セカンダリーブチルアルコール)、ケトン類(例え
ばメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン)、アミド類(例えばジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン)、エーテル類(例えばテト
ラヒドロフラン、ジオキサン)等が好ましく用いられる
が、これに限定されるものではない。
【0101】乳化分散は、高沸点有機溶媒と場合によっ
ては低沸点有機溶媒の混合溶媒に染料を溶かした油相
を、水を主体とした水相中に分散し、油相の微小油滴を
作るために行われる。この際、水相、油相のいずれか又
は両方に、後述する界面活性剤、湿潤剤、染料安定化
剤、乳化安定剤、防腐剤、防黴剤等の添加剤を必要に応
じて添加することができる。乳化法としては水相中に油
相を添加する方法が一般的であるが、油相中に水相を滴
下して行く、いわゆる転相乳化法も好ましく用いること
ができる。
【0102】本発明の乳化分散する際には、種々の界面
活性剤を用いることができる。例えば脂肪酸塩、アルキ
ル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハ
ク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫
酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル
アミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオ
キシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面
活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチ
レンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(A
irProducts&Chemicals社)も好ま
しく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキ
ルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面
活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,63
6号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャー
No.308119(1989年)記載の界面活性剤と
して挙げたものも使うことができる。
【0103】また、乳化直後の安定化を図る目的で、上
記界面活性剤と併用して水溶性ポリマーを添加すること
もできる。水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドやこれらの共
重合体が好ましく用いられる。また多糖類、カゼイン、
ゼラチン等の天然水溶性ポリマーを用いるのも好まし
い。さらに染料分散物の安定化のためには実質的に水性
媒体中に溶解しないアクリル酸エステル類、メタクリル
酸エステル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、
メタクリルアミド類、オレフィン類、スチレン類、ビニ
ルエーテル類、アクリロニトリル類の重合により得られ
るポリビニルやポリウレタン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリウレア、ポリカーボネート等も併用することが
できる。これらのポリマーは−SO2-、−COO-を含
有していること好ましい。これらの実質的に水性媒体中
に溶解しないポリマーを併用する場合、高沸点有機溶媒
の20質量%以下用いられることが好ましく、10質量
%以下で用いられることがより好ましい。
【0104】乳化分散により油溶性性染料や高沸点有機
溶媒を分散させて水性インクとする場合、特に重要なの
はその粒子サイズのコントーロールである。インクジェ
ットにより画像を形成した際の、色純度や濃度を高める
には平均粒子サイズを小さくすることが必須である。体
積平均粒子サイズで好ましくは1μm以下、より好まし
くは5〜100nmである。前記分散粒子の体積平均粒
径および粒度分布の測定方法には静的光散乱法、動的光
散乱法、遠心沈降法のほか、実験化学講座第4版の41
7〜418ページに記載されている方法を用いるなど、
公知の方法で容易に測定することができる。例えば、イ
ンク中の粒子濃度が0.1〜1質量%になるように蒸留
水で希釈して、市販の体積平均粒子サイズ測定機(例え
ば、マイクロトラックUPA(日機装(株)製))で容
易に測定できる。更に、レーザードップラー効果を利用
した動的光散乱法は、小サイズまで粒径測定が可能であ
り特に好ましい。体積平均粒径とは粒子体積で重み付け
した平均粒径であり、粒子の集合において、個々の粒子
の直径にその粒子の体積を乗じたものの総和を粒子の総
体積で割ったものである。体積平均粒径については「高
分子ラテックスの化学」(室井宗一著 高分子刊行
会)」119ページに記載がある。
【0105】また、粗大粒子の存在も印刷性能に非常に
大きな影響を示すことが明らかになった。即ち、粗大粒
子がヘッドのノズルを詰まらせる、あるいは詰まらない
までも汚れを形成することによってインクの不吐出や吐
出のヨレを生じ、印刷性能に重大な影響を与えることが
分かった。これを防止するためには、インクにした時に
インク1μL中で5μm以上の粒子を10個以下、1μ
m以上の粒子を1000個以下に抑えることが重要であ
る。これらの粗大粒子を除去する方法としては、公知の
遠心分離法、精密濾過法等を用いることができる。これ
らの分離手段は乳化分散直後に行ってもよいし、乳化分
散物に湿潤剤や界面活性剤等の各種添加剤を加えた後、
インクカートリッジに充填する直前でもよい。平均粒子
サイズを小さくし、且つ粗大粒子を無くす有効な手段と
して、機械的な乳化装置を用いることができる。
【0106】乳化装置としては、簡単なスターラーやイ
ンペラー撹拌方式、インライン撹拌方式、コロイドミル
等のミル方式、超音波方式など公知の装置を用いること
ができるが、高圧ホモジナイザーの使用は特に好ましい
ものである。高圧ホモジナイザーは、US−45332
54号、特開平6−47264号等に詳細な機構が記載
されているが、市販の装置としては、ゴーリンホモジナ
イザー(A.P.V GAULIN INC.)、マイ
クロフルイダイザー(MICROFLUIDEX IN
C.)、アルティマイザー(株式会社スギノマシン)等
がある。また、近年になってUS−5720551号に
記載されているような、超高圧ジェット流内で微粒子化
する機構を備えた高圧ホモジナイザーは本発明の乳化分
散に特に有効である。この超高圧ジェット流を用いた乳
化装置の例として、DeBEE2000(BEE IN
TERNATIONAL LTD.)があげられる。
【0107】高圧乳化分散装置で乳化する際の圧力は5
0MPa以上であり、好ましくは60MPa以上、更に
好ましくは180MPa以上である。例えば、撹拌乳化
機で乳化した後、高圧ホモジナイザーを通す等の方法で
2種以上の乳化装置を併用するのは特に好ましい方法で
ある。また、一度これらの乳化装置で乳化分散した後、
湿潤剤や界面活性剤等の添加剤を添加した後、カートリ
ッジにインクを充填する間に再度高圧ホモジナイザーを
通過させる方法も好ましい方法である。高沸点有機溶媒
に加えて低沸点有機溶媒を含む場合、乳化物の安定性及
び安全衛生上の観点から低沸点溶媒を除去するのが好ま
しい。低沸点溶媒を除去する方法は溶媒の種類に応じて
各種の公知の方法を用いることができる。即ち、蒸発
法、真空蒸発法、限外濾過法等である。この低沸点有機
溶剤の除去工程は乳化直後、できるだけ速やかに行うの
が好ましい。
【0108】本発明で得られたインクジェット記録用イ
ンクには、インクの噴射口での乾操による目詰まりを防
止するための乾燥防止剤、インクを紙によりよく浸透さ
せるための浸透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘
度調整剤、表面張力調整剤、分散剤、分散安定剤、防黴
剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、キレート剤等の添加
剤を適宜選択して適量使用することができる。
【0109】本発明に使用される乾燥防止剤としては水
より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な
例としてはエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリ
オール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、ト
リメチロールプロパン等に代表される多価アルコール
類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エー
テル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)
エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブ
チル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エ
チルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルス
ルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセ
トンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合
物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリ
ン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好
ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし
2種以上併用してもよい。これらの乾燥防止剤はインク
中に10〜50質量%含有することが好ましい。
【0110】本発明に使用される浸透促進剤としてはエ
タノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)
エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキ
サンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウ
ム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を
用いることができる。これらはインク中に10〜30質
量%含有すれば充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け
(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用す
るのが好ましい。
【0111】本発明で画像の保存性を向上させるために
使用される紫外線吸収剤としては特開昭58−1856
77号公報、同61−190537号公報、特開平2−
782号公報、同5−197075号公報、同9−34
057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合
物、特開昭46−2784号公報、特開平5−1944
83号公報、米国特許第3214463号等に記載され
たベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号
公報、同56−21141号公報、特開平10−881
06号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−
298503号公報、同8−53427号公報、同8−
239368号公報、同10−182621号公報、特
表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン
系化合物、リサーチディスクロージャーNo.2423
9号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサ
ゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発
する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができ
る。
【0112】本発明では、画像の保存性を向上させるた
めに使用される酸化防止剤としては、各種の有機系及び
金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機
の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフ
ェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール
類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、
アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯
体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具
体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643
の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同N
o.18716の650頁左欄、同No.36544の
527頁、同No.307105の872頁、同No.
15162に引用された特許に記載された化合物や特開
昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記
載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる
化合物を使用することができる。
【0113】本発明に使用される防黴剤としてはデヒド
ロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピ
リジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸
エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−
オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク中に
0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。尚、
これらの詳細については「防菌防黴剤事典」(日本防菌
防黴学会事典編集委員会編)等に記載されている。ま
た、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸
ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピ
ルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトー
ル、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾ
トリアゾール等が挙げられる。これらは、インク中に
0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
【0114】本発明では前記した界面活性剤とは別に表
面張力調整剤として、ノニオン、カチオンあるいはアニ
オン界面活性剤が挙げられる。例えばアニオン系界面活
性剤としては脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホ
ン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸
エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、
ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げる
ことができ、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル
アミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオ
キシプロピレンブロックコポリマー等を挙げることがで
きる。アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活
性剤であるSURFYNOLS(AirProduct
s&Chemicals社)も好ましく用いられる。ま
た、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドの
ようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好まし
い。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(3
8)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.30811
9(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも
使うことができる。本発明のインクの表面張力は、これ
らを使用してあるいは使用しないで20〜60mN/m
が好ましい。さらに25〜45mN/mが好ましい。
【0115】本発明に用いられるインクの粘度は30m
Pa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調
整することがより好ましいので、粘度を調製する目的
で、粘度調整剤が使用されることがある。粘度調整剤と
しては、例えば、セルロース類、ポリビニルアルコール
などの水溶性ポリマーやノニオン系界面活性剤等が挙げ
られる。更に詳しくは、「粘度調製技術」(技術情報協
会、1999年)第9章、及び「インクジェットプリンタ用
ケミカルズ(98増補)−材料の開発動向・展望調査−」
(シーエムシー、1997年)162〜174頁に記載されてい
る。
【0116】また本発明では分散剤、分散安定剤として
上述のカチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活性
剤、消泡剤としてフッソ系、シリコーン系化合物やED
TAに代表されるれるキレート剤等も必要に応じて使用
することができる。
【0117】本発明の画像記録方法に用いられる記録紙
及び記録フィルムについて説明する。記録紙及び記録フ
ィルムおける支持体はLBKP、NBKP等の化学パル
プ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CM
P、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等を
からなり、必要に応じて従来の公知の顔料、バインダ
ー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添
加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で
製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の
他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであ
ってもよく、支持体の厚み10〜250μm、坪量は1
0〜250g/m2が望ましい。支持体にそのまま受像
層及びバックコート層を設けて受像材料としてもよい
し、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレス
やアンカーコート層を設けた後、受像層及びバックコー
ト層を設けて受像材料としてもよい。さらに支持体に
は、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレン
ダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよ
い。本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン
(例、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブテンおよび
それらのコポリマー)やポリエチレンテレフタレートで
ラミネートした紙およびプラスチックフイルムがより好
ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料
(例、酸化チタン、酸化亜鉛)または色味付け染料
(例、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加
することが好ましい。
【0118】支持体上に設けられる受像層には、多孔質
材料や水性バインダーが含有される。また、受像層には
顔料を含むのが好ましく、顔料としては、白色顔料が好
ましい。白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸
アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜
鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系ピグメン
ト、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等
の有機顔料等が挙げられる。特に好ましくは、多孔性の
白色無機顔料がよく、特に細孔面積が大きい合成非晶質
シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造
法(気相法)によって得られる無水珪酸及び湿式製造法
によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能である。
【0119】上記顔料を受像層に含有する記録紙として
は、具体的には、特開平10−81064号、同10−
119423号、同10−157277号、同10−2
17601号、同10−348409号、特開2001
−138621号、同2000−43401号、同20
00−211235号、同2000−309157号、
同2001−96897号、同2001−138627
号、特開平11−91242号、同8−2087号、同
8−2090号、同8−2091号、同8−2093
号、同8−174992号、同11−192777号、
特開2001−301314号などに開示されたものを
用いることができる。
【0120】受像層に含有される水性バインダーとして
は、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニル
アルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイ
ン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアル
キレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等
の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アク
リルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。
これらの水性バインダーは単独または2種以上併用して
用いることができる。本発明においては、これらの中で
も特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニ
ルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐
剥離性の点で好適である。
【0121】受像層は、顔料及び水性バインダーの他に
媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、耐ガス性向上剤、界
面活性剤、硬膜剤その他の添加剤を含有することができ
る。
【0122】受像層中に添加する媒染剤は、不動化され
ていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤
が好ましく用いられる。ポリマー媒染剤については、特
開昭48−28325号、同54−74430号、同5
4−124726号、同55−22766号、同55−
142339号、同60−23850号、同60−23
851号、同60−23852号、同60−23853
号、同60−57836号、同60−60643号、同
60−118834号、同60−122940号、同6
0−122941号、同60−122942号、同60
−235134号、特開平1−161236号の各公
報、米国特許2484430号、同2548564号、
同3148061号、同3309690号、同4115
124号、同4124386号、同4193800号、
同4273853号、同4282305号、同4450
224号の各明細書に記載がある。特開平1−1612
36号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤
を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリ
マー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、か
つ画像の耐光性が改善される
【0123】耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、
これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望まし
い。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリ
アミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリ
アミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロラ
イド重合物、カチオンポリアクリルアミド等が挙げられ
る。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の
全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜
10質量%であることが好ましい。
【0124】耐光性向上剤、耐ガス性向上剤としては、
フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、チオ
エーテル化合物、チオ尿素化合物、チオシアン酸化合
物、アミン化合物、ヒンダードアミン化合物、TEMP
O化合物、ヒドラジン化合物、ヒドラジド化合物、アミ
ジン化合物、ビニル基含有化合物、エステル化合物、ア
ミド化合物、エーテル化合物、アルコール化合物、スル
フィン酸化合物、糖類、水溶性還元性化合物、有機酸、
無機酸、ヒドロキシ基含有有機酸、ベンゾトリアゾール
化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物、ヘ
テロ環化合物、水溶性金属塩、有機金属化合物、金属錯
体等が挙げられる。これらの具体的な化合物例として
は、特開平10−182621号、特開2001−26
0519号、特開2000−260519号、特公平4
−34953号、特公平4−34513号、特公平4−
34512号、特開平11−170686号、特開昭6
0−67190号、特開平7−276808号、特開2
000−94829号、特表平8−512258号、特
開平11−321090号等に記載のものが挙げられ
る。
【0125】界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、
スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界
面活性剤については、特開昭62−173463号、同
62−183457号の各公報に記載がある。界面活性
剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機
フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機
フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル
状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素
化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。
有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053
号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同6
2−135826号の各公報に記載がある。
【0126】硬膜剤としては特開平1−161236号
公報の222頁、特開平9−263036号、特開平1
0−119423号、特開2001−310547号、
に記載されている材料等を用いることが出来る。
【0127】その他の受像層に添加される添加剤として
は、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、
防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられ
る。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
【0128】記録紙及び記録フィルムには、バックコー
ト層を設けることもでき、この層に添加可能な成分とし
ては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げ
られる。バックコート層に含有される白色顔料として
は、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サ
チンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシ
ウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダ
ルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化
アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水
ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム
等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメン
ト、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレ
ン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有
機顔料等が挙げられる。
【0129】バックコート層に含有される水性バインダ
ーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレ
ン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シ
ラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオ
ン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニル
ピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテ
ックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が
挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分
としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐
剤、耐水化剤等が挙げられる。
【0130】インクジェット記録紙及び記録フィルムの
構成層(バック層を含む)には、ポリマー微粒子分散物
を添加してもよい。ポリマー微粒子分散物は、寸度安定
化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような
膜物性改良の目的で使用される。ポリマー微粒子分散物
については、特開昭62−245258号、同62−1
316648号、同62−110066号の各公報に記
載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリ
マー微粒子分散物を媒染剤を含む層に添加すると、層の
ひび割れやカールを防止することができる。また、ガラ
ス転移温度が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添
加しても、カールを防止できる。
【0131】本発明では、インクジェットの記録方式に
制限はなく、公知の方式例えば静電誘引力を利用してイ
ンクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力
を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方
式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放
射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット
方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力
を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット
(登録商標))方式等に用いられる。インクジェット記
録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを
小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃
度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や
無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
【0132】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
【0133】(実施例1)下記の成分に脱イオン水を加
え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1
時間撹拌した。その後1mol/lの塩酸もしくは水酸化カリ
ウムを用いてpHを調製し、平均孔径0.25μmのミクロフ
ィルターで減圧濾過してライトシアン用インク液を調製
した。 本発明のシアン色素(例示化合物154) 17.5g/l ジエチレングリコール 150g/l 尿素 37g/l グリセリン 130g/l トリエチレングリコールモノブチルエーテル 130g/l トリエタノールアミン 6.9g/l ベンゾトリアゾール 0.08g/l PROXEL XL2 3.5g/l サーフィノールSTG 10g/l さらに上記処方でシアン色素(例示化合物154)を68gに
増量したシアン用インク液を調製した。これらのシアン
・ライトシアンインクのpHを調節したもの(101-106)、
エプソン社PM-950Cのシアン・ライトシアンインクのpH
を調節したも(107-112)を各6種ずつそろえた(表1
2)。
【0134】
【表12】
【0135】次にこれらのインク101〜112をイン
クジェットプリンターPM770C(EPSON社製)
のカートリッジのシアン・ライトシアンインク部に詰
め、同機にて富士写真フイルム(株)製インクジェット
ペーパーフォト光沢紙EXに画像を印刷し、画像堅牢性
の評価を行った。
【0136】画像保存性については、マゼンタのベタ画
像印字サンプルを作成し、以下の評価を行った。 光堅牢性は印字直後の画像濃度Ciを反射濃度計(X−
Rite310TR)にて測定した後、アトラス社製ウ
ェザーメーターを用い画像にキセノン光(8万5千ルッ
クス)を10日照射した後、再び画像濃度Cfを測定し染
料残存率Cf/Ci*100を求め評価を行った。染料残像率に
ついて反射濃度が1,1.5,2の3点にて評価し、い
ずれの濃度でも染料残存率が70%以上の場合をA、2
点が70%未満の場合をB、全ての濃度で70%未満の
場合をCとした。 熱堅牢性については、80℃70%RHの条件下に1
0日間、試料を保存する前後での濃度を、反射濃度計
(X−Rite310TR)にて測定し染料残存率を求
め評価した。染料残像率について反射濃度が1,1.
5,2の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率
が90%以上の場合をA、2点が90%未満の場合を
B、全ての濃度で90%未満の場合をC、変色などが認
められた場合をDとした。 耐オゾン性については、前記画像を形成したフォト光
沢紙を、オゾンガス濃度が0.5ppmに設定されたボ
ックス内に7日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像
濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて
測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度
は、1、1.5及び2.0の3点で測定した。ボックス
内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモ
ニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定し
た。何れの濃度でも色素残存率が80%以上の場合を
A、1又は2点が80%未満をB、全ての濃度で70%
未満の場合をCとして、三段階で評価した。得られた結
果を表 に示す。
【0137】
【表13】
【0138】本発明のインク(102〜105)は、イ
ンク(107〜112)に比べて耐候性(光、熱、およ
びオゾン堅牢性)のいずれにも優れていることがわか
る。インク液pHの効果も顕著であり、特に熱堅牢性に大
きな影響を与えていることがわかる。また、本発明のイ
ンク(102〜105)は、インク(107〜112)
と同等の色相が得られた。
【0139】
【発明の効果】本発明によれば、取り扱い性、臭気、安
全性などの点から有利な水性インクにおいて、色相も良
好で、耐候性に優れるフタロシアニン色素を含むインク
ジェット記録用インクを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09B 47/073 C09B 47/24 47/24 67/46 A 67/46 B41J 3/04 101Y

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される少なくとも
    1種の染料を、水性媒体中に溶解または分散してなり、
    pHが4以上10以下であることを特徴とするインクジ
    ェット記録用インク。 【化1】 一般式IにおいてX1、X2、X3およびX4はそれぞれ独
    立に−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR12、スル
    ホ基、−CONR12、または−CO21を表す。Zは
    それぞれ独立に置換もしくは無置換のアルキル基、置換
    もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置
    換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル
    基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無
    置換の複素環基を表す。 R1、R2はそれぞれ独立に、
    水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もし
    くは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の
    アルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置
    換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の
    複素環基を表す。Y1、Y2、Y3およびY4はそれぞれ独
    立に、一価の置換基を表す。a1〜a4、b1〜b4は、そ
    れぞれX1〜X4、およびY1〜Y4の置換基数を表す。a
    1〜a4はそれぞれ独立に0〜4の数を表すが、全てが同
    時に0になることはない。 b1〜b4はそれぞれ独立に0
    〜4の数を表す。なお、a1〜a4及びb1〜b4が2以上
    の数を表す時、複数のX1〜X4、及びY1〜Y4はそれぞ
    れそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Mは水素原
    子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロ
    ゲン化物である。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で表される染料が下記一般
    式(II)で表される染料であることを特徴とする請求項
    1項記載のインクジェット記録用インク。 【化2】 前記一般式(II)において、X11〜X14、Y11〜Y18
    1は一般式(I)の中のX1〜X4、Y4〜Y4、M1とそ
    れぞれ同義である。a11〜a14はそれぞれ独立に1また
    は2の整数を表す。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のいずれかに記載のイン
    クジェット記録用インクを用いることを特徴とするイン
    クジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 支持体上に白色無機顔料粒子を含有する
    受像層を有する受像材料にインク滴を記録信号に応じて
    吐出させ、受像材料上に画像を記録するインクジェット
    記録方法であって、インク滴が請求項1又は2に記載の
    インクジェット記録用インクからなることを特徴とする
    インクジェット記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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