JP4414783B2 - インクジェット用インク - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット用インクに関し、特に、記録画像の品質が高く、吐出安定性に優れ、しかも得られた画像の保存性が優れ、光・熱・オゾンガス耐久性に優れたインクジェット用インクに関する。
近年、コンピューターの普及に伴いインクジェットプリンターがオフィスだけでなく家庭で紙、フィルム、布等に印字するために広く利用されている。
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。これらのインクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。これらのインクのうち、製造、取り扱い性・臭気・安全性等の点から水性インクが主流となっている。
これらのインクジェット記録用インクに用いられる着色剤に対しては、溶剤に対する溶解性が高いこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、空気、オゾン、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、さらには、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす着色剤を捜し求めることは、極めて難しい。特に、良好なシアン色相を有し、オゾン堅牢性に優れた着色剤が強く望まれている。
既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、実際に使用されているが、未だに全ての要求を満足する着色剤は、発見されていないのが現状である。カラーインデックス(C.I.)番号が付与されているような、従来からよく知られている染料や顔料では、インクジェット記録用インクに要求される色相と堅牢性とを両立させることは難しい。
本発明者らは、染料を用いるインクジェット用インクについて上記問題点の解決のための技術探索を進めてきたが、水性のインクジェットインクは、水溶性であることによって画像耐久性がとくに低くなることが多い。水性インクジェットに適した染料としては、特許文献1〜3に特定構造のフタロシアニン染料が開示されており、これらの開示技術は、色相や堅牢性とを両立させる上では改良されている。しかしながら、インクジェット記録画像にとって色相や堅牢性は、吐出安定性とともに格別に重要な特性であるので、一層の改良が求められている。
特開2003−3086号公報 特開2003−3099号公報 特開2003−3109号公報
本発明が解決しようとする課題は、記録画像の品質が高く、吐出安定性に優れ、しかも得られた画像の保存性が優れ、光・熱・オゾンガス耐久性に優れたインクジェット用インクを提供することである。
本発明は、以下の通りである。
1)少なくとも1種の、ヘテロ環を有し金属イオンを含有する染料を水性媒体中に含有してなるインクジェット用インクにおいて、該インク中に該染料を溶液中で会合促進させる化合物を含有し、前記染料が下記一般式(I)で表される染料の少なくとも1種であり、前記会合促進させる化合物が、メチル基、エチル基、ヒドロキシ基が置換されていてもよいグアニジン;メチル基、エチル基、ヒドロキシ基が置換されていてもよいアミジン;ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したピラジン;ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したピリミジン;またはヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したトリアジンであることを特徴とするインクジェット用インク。
一般式(I)
Figure 0004414783

上記一般式(I)中;
1 、X 2 、X 3 およびX 4 は、それぞれ独立に、−SO 2 −Zを表す。
上記Zは、置換基として水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基又はイオン性親水性基を有するアルキル基を表す。
なお、X 1 〜X 4 のいずれかが複数個存在するとき、それらは、同一でも異なっていてもよい。
Mは、水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。
2)上記Mが金属原子であることを特徴とする上記1)に記載のインクジェット用インク。
3)前記ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したピラジンが、アミノ基の置換したピラジンであり、前記ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したピリミジンが、アミノ基の置換したピリミジンであり、前記ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したトリアジンが、アミノ基の置換したトリアジンであることを特徴とする上記1)又は2)に記載のインクジェット用インク。
4)前記会合促進させる化合物が、グアニジン、アミジン、ジアミノトリアジン、2,5−ジアミノピラジン又は2,5−ジアミノピリミジンであるとともに、
前記染料が、下記式で表されることを特徴とする上記1)〜3)のいずれかに記載のインクジェット用インク。
Figure 0004414783
本発明によれば、取り扱い性、臭気、安全性などの点から有利な水性インクにおいて、記録画像の品質が高く、吐出安定性に優れ、しかも得られた画像の保存性が優れ、光・熱・オゾンガス耐久性に優れたインクジェット用インクを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本発明は、少なくとも1種の、ヘテロ環を有し金属イオンを含有する染料を水性媒体中に含有してなるインクジェット用インクにおいて、該インク中に該染料を溶液中で会合促進させる化合物を含有し、前記染料が上記一般式(I)で表される染料の少なくとも1種であり、前記会合促進させる化合物が、メチル基、エチル基、ヒドロキシ基が置換されていてもよいグアニジン;メチル基、エチル基、ヒドロキシ基が置換されていてもよいアミジン;ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したピラジン;ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したピリミジン;またはヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したトリアジンであることを特徴とするが、その他の事項についても参考のため記載した。
本発明のインクジェット用インクの特徴は、ヘテロ環を有し金属イオンを含有する染料とその会合促進性の化合物とを含有していることであり、両化合物が共存することによって、記録画像の画像品質の高さと光・熱・オゾンガス耐久性などの画像の保存性とが両立し、かつ、吐出安定性にも優れたインクジェット用インクが得られる。
本発明のインクジェット用インクの特徴は、上記染料がフタロシアニン染料である場合、とりわけ一般式(I)で表される特定のフタロシアニン染料である場合に、会合促進性の化合物との共存による記録画像の画像品質の高さと光・熱・オゾンガス耐久性などの画像の保存性との両立性が優れ、かつ、吐出安定性にも優れたインクジェット用インクが得られる。
先ず、本発明で用いられる下記一般式(I)で表される染料について詳細に説明する。
Figure 0004414783
一般式(I)において、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR1R2、スルホ基、−CONR1R2、または−CO2R1を表す。これらの置換基の中でも、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR1R2および−CONR1R2が好ましく、特に−SO2−Zおよび−SO2NR1R2が好ましく、−SO2−Zが最も好ましい。ここで、その置換基数を表すa1〜a4のいずれかが2以上の数を表す場合、X1〜X4の内、複数存在するものは同一でも異なっていても良く、それぞれ独立に上記のいずれかの基を表す。また、X1、X2、X3およびX4は、それぞれ全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX1、X2、X3およびX4が全て−SO2−Zであり、かつ各Zは異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基であってもよく、あるいは互いに異なる置換基を、例えば−SO2−Zと−SO2NR1R2を含んでいてもよい。
上記Zは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を表す。好ましくは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基であり、その中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ましい。
上記R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換の複素環基を表す。なかでも、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、および置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、その中でも水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、および置換複素環基がさらに好ましい。但し、R1、R2がいずれも水素原子であることは好ましくない。
R1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアルキル基としては、炭素原子数が1〜30のアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。中でも水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。なお、アルキル基の炭素原子数は置換基の炭素原子を含まず、他の基についても同様である。
R1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のシクロアルキル基としては、炭素原子数が5〜30のシクロアルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、およびスルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。
この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。
R1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアルケニル基としては、炭素原子数が2〜30のアルケニル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアルケニル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよい。
R1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、分岐のアラルキル基が好ましく、特に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が特に好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。この他、ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよい。
R1、R2およびZが表す置換もしくは無置換のアリール基としては、炭素原子数が6〜30のアリール基が好ましい。置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。なかでも、染料の酸化電位を貴とし堅牢性を向上させるので電子吸引性基が特に好ましい。電子吸引性基としては、ハメットの置換基定数σp値が正のものが挙げられる。なかでも、ハロゲン原子、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、イミド基、アシル基、スルホ基、4級アンモニウム基が好ましく、シアノ基、カルボキシル基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、イミド基、アシル基、スルホ基、4級アンモニウム基が更に好ましい。
R1、R2およびZが表す複素環基としては、5員または6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族複素環であっても非芳香族複素環であっても良い。以下にR1、R2およびZで表される複素環基を、置換位置を省略して複素環の形で例示するが、置換位置は限定されるものではなく、例えばピリジンであれば、2位、3位、4位で置換することが可能である。ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。なかでも、芳香族複素環基が好ましく、その好ましい例を先と同様に例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが挙げられる。それらは置換基を有していても良く、置換基の例としては、後述のZ、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられる。好ましい置換基は前記アリール基の置換基と、更に好ましい置換基は、前記アリール基の更に好ましい置換基とそれぞれ同じである。
1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、複素環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、複素環チオ基、ホスホリル基、アシル基、カルボキシル基、またはスルホ基を挙げる事ができ、各々はさらに置換基を有していてもよい。
なかでも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基およびスルホ基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
Z、R1、R2、Y1、Y2、Y3およびY4が更に置換基を有することが可能な基であるときは、以下に挙げる置換基を更に有してもよい。
炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖または分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖または分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐鎖シクロアルケニル基(以上の各基は分岐鎖を有するものが染料の溶解性およびインクの安定性を向上させる理由から好ましく、不斉炭素を有するものが特に好ましい。以上の各基の具体例:例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec-ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、複素環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルバモイルフェノキシ、3−メトキシカルバモイル)、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミドベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、複素環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、複素環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基および4級アンモニウム基)が挙げられる。
前記一般式(I)で表されるフタロシアニン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンのなかでも、アルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。
イオン性親水性基の数としては、フタロシアニン系染料1分子中少なくとも2個有することが好ましく、スルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも2個有することが特に好ましい。
a1〜a4およびb1〜b4は、それぞれX1〜X4およびY1〜Y4の置換基数を表す。a1〜a4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表すが、全てが同時に0になることはない。b1〜b4は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。なお、a1〜a4およびb1〜b4のいずれかが2以上の整数であるときは、X1〜X4およびY1〜Y4のいずれかは複数個存在することになり、それらは同一でも異なっていてもよい。
a1とb1は、a1+b1=4の関係を満たす。特に好ましいのは、a1が1または2を表し、b1が3または2を表す組み合わせであり、そのなかでも、a1が1を表し、b1が3を表す組み合わせが最も好ましい。
a1とb1、a1とb1、a1とb1の各組み合わせにおいても、a1とb1の組み合わせと同様の関係であり、好ましい組み合わせも同様である。
Mは、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表す。
Mとして好ましいものは、水素原子の他に、金属元素として、Li、Na、K、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等が挙げられる。
酸化物としては、VO、GeO等が好ましく挙げられる。また、水酸化物としては、Si(OH)2、Cr(OH)2、Sn(OH)2等が好ましく挙げられる。
さらに、ハロゲン化物としては、AlCl、SiCl2、VCl、VCl2、VOCl、FeCl、GaCl、ZrCl等が挙げられる。なかでも、Cu、Ni、Zn、Al等が好ましく、Cuが最も好ましい。
また、L(2価の連結基)を介してPc(フタロシアニン環)が2量体(例えば、Pc−M−L-M−Pc)または3量体を形成してもよく、その時のMはそれぞれ同一であっても異なるものであってもよい。
Lで表される2価の連結基は、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、カルボニル基(−CO−)、スルホニル基(−SO2−)、イミノ基(−NH−)、メチレン基(−CH2−)およびこれらを組み合わせて形成される基が好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
前記一般式(I)で表されるフタロシアニン染料のなかでも、下記一般式(II)で表される構造のフタロシアニン染料が更に好ましい。
Figure 0004414783
以下に本発明の一般式(II)で表されるフタロシアニン染料について詳しく述べる。
前記一般式(II)において、X11〜X14、Y11〜Y18は一般式(I)の中のX1〜X4、Y1〜Y4とそれぞれ同義であり、好ましい例も同じである。また、M1は一般式(I)中のMと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(II)中、a11〜a14は、それぞれ独立に、1または2の整数であり、好ましくは4≦a11+a12+a13+a14≦6を満たし、特に好ましくはa11=a12=a13=a14=1のときである。
11、X12、X13およびX14は、それぞれ全く同じ置換基であってもよく、あるいは例えばX1、X2、X3およびX4が全て−SO2−Zであり、かつ各Zは異なるものを含む場合のように、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基であってもよく、あるいは互いに異なる置換基を、例えば−SO2−Zと−SO2NR1R2を含んでいてもよい。
一般式(II)で表されるフタロシアニン染料のなかでも、特に好ましい置換基の組み合わせは、以下の通りである。
11〜X14としては、それぞれ独立に、−SO−Z、−SO2−Z、−SO2NR1R2または−CONR1R2が好ましく、特に−SO2−Zまたは−SO2NR1R2が好ましく、−SO2−Zが最も好ましい。
Zは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、そのなかでも、置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基が最も好ましい。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向上させるという理由から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、そのなかでも、水素原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換複素環基がより好ましい。ただしR1、R2が共に水素原子であることは好ましくない。特に染料の溶解性やインク安定性を高めるという理由から、置換基中に不斉炭素を有する場合(ラセミ体での使用)が好ましい。また、会合性を高め堅牢性を向上させるという理由から、水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基が置換基中に有する場合が好ましい。
11〜Y18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、およびスルホ基が好ましく、特に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、またはスルホ基であることが好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
a11〜a14は、それぞれ独立に、1または2であることが好ましく、全てが1であることが特に好ましい。
1は、水素原子、金属元素またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物を表し、特にCu、Ni、Zn、Alが好ましく、なかでも特に特にCuが最も好ましい。
前記一般式(II)で表されるフタロシアニン染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンのなかでも、アルカリ金属塩が好ましく、特にリチウム塩は染料の溶解性を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。
イオン性親水性基の数としては、フタロシアニン系染料1分子中に少なくとも2個有することが好ましく、スルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも2個有することが特に好ましい。
前記一般式(II)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明のフタロシアニン染料の化学構造としては、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモイル基のような電子吸引性基を、フタロシアニンの4つの各ベンゼン環に少なくとも一つずつ、フタロシアニン骨格全体の置換基のσp値の合計で1.6以上となるように導入することが好ましい。
ハメットの置換基定数σp値について若干説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange's Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。
前記一般式(I)で表されるフタロシアニン誘導体は、その合成法によって不可避的に置換基Xn(n=1〜4)およびYm(m=1〜4)の導入位置および入個数が異なる類縁体混合物である場合が一般的であり、従って一般式はこれら類縁体混合物を統計的に平均化して表している場合が多い。本発明では、これらの類縁体混合物を以下に示す三種類に分類すると、特定の混合物が特に好ましいことを見出したものである。すなわち前記一般式(I)および(II)で表されるフタロシアニン系染料類縁体混合物を置換位置に基づいて以下の三種類に分類して定義する。
(1)β-位置換型:2およびまたは3位、6およびまたは7位、10およびまたは11位、14およびまたは15位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料。
(2)α-位置換型:1およびまたは4位、5およびまたは8位、9およびまたは12位、13およびまたは16位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料。
(3)α,β-位混合置換型:1〜16位に規則性なく、特定の置換基を有するフタロシアニン染料。
本明細書中において、構造が異なる(特に、置換位置が異なる)フタロシアニン染料の誘導体を説明する場合、上記β位置換型、α位置換型、α,β位混合置換型を使用する。
本発明に用いられるフタロシアニン誘導体は、例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共著、VCH発行'Phthalocyanines−Properties and Applications'(P.1〜54)等に記載、引用もしくはこれらに類似の方法を組み合わせて合成することができる。
本発明の一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物は、国際公開00/17275号、同00/08103号、同00/08101号、同98/41853号、特開平10−36471号などに記載されているように、例えば無置換のフタロシアニン化合物のスルホン化、スルホニルクロライド化、アミド化反応を経て合成することができる。この場合、スルホン化がフタロシアニン核のどの位置でも起こり得る上にスルホン化される個数も制御が困難である。従って、このような反応条件でスルホ基を導入した場合には、生成物に導入されたスルホ基の置と個数は特定できず、必ず置換基の個数や置換位置の異なる混合物を与える。
従ってそれを原料として本発明の化合物を合成する時には、複素環置換スルファモイル基の個数や置換位置は特定できないので、本発明の化合物としては置換基の個数や置換位置の異なる化合物が何種類か含まれるα,β位混合置換型混合物として得られる。
前述したように、例えばスルファモイル基のような電子求引性基を数多くフタロシアニン核に導入すると酸化電位がより貴となり、オゾン耐性が高まる。上記の合成法に従うと、電子求引性基が導入されている個数が少ない、即ち酸化電位がより卑であるフタロシアニン染料が混入してくることが避けられない。従って、オゾン耐性を向上させるためには、酸化電位がより卑である化合物の生成を抑えるような合成法を用いることがより好ましい。
本発明の一般式(II)で表されるフタロシアニン化合物は、例えば下記式で表されるフタロニトリル誘導体(一般式Pと表記)および/またはジイミノイソインドリン誘導体(一般式Qと表記)を一般式(III)で表される金属誘導体と反応させるか、或いは下記式で表される4-スルホフタロニトリル誘導体(一般式Rと表記)と一般式(III)で表される金属誘導体を反応させて得られるテトラスルホフタロシアニン化合物から誘導することができる。下記反応シキームの右辺の二つのフタロシアニン化合物は、一般式(II)のフタロシアニン化合物を代表している。
Figure 0004414783
上記各式中、Xpは上記一般式(II)におけるX11、X12、X13またはX14に相当する。また、Yq、Yq'は、それぞれ上記一般式(II)におけるY11、Y12、Y13、Y14、Y15、Y16、Y17またはY18に相当する。化合物Rにおいて、M'はカチオンを表す。
M'が表わすカチオンとしては、Li, Na, Kなどのアルカリ金属イオン、またはトリエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオンなどの有機カチオンなどが挙げられる。
一般式(III):M−(Y)d
一般式(III)中、Mは前記一般式(I)および(II)のMと同義であり、Yはハロゲン原子、酢酸陰イオン、アセチルアセトネート、酸素などの1価または2価の配位子を示し、dは1〜4の整数である。
即ち、上記の合成法に従えば、望みの置換基を特定の数だけ導入することができる。特に本発明のように酸化電位を貴とするために電子求引性基を数多く導入したい場合には、上記の合成法は、一般式(I)のフタロシアニン化合物を合成するための既に述べた方法と比較して極めて優れたものである。
かくして得られる前記一般式(II)で表されるフタロシアニン化合物は、通常、Xpの各置換位置における異性体である下記一般式(a)−1〜(a)−4で表される化合物の混合物、すなわちβ位置換型となっている。
Figure 0004414783
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上記合成法において、Xpとして全て同一のものを使用すればX11、X12、X13およびX14が全く同じ置換基であるβ位置換型フタロシアニン染料を得ることができる。一方、Xpとして異なるものを組み合わせて使用すれば、同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基をもつ染料や、あるいは、互いに異なる種類の置換基をもつ染料を合成することができる。一般式(II)の染料のなかでも、互いに異なる電子吸引性置換基を持つこれらの染料は、染料の溶解性、会合性、インクの経時安定性などを調整できるので、特に好ましい。
本発明では、いずれの置換型においても酸化電位が1.0V(vs SCE)よりも貴であることが堅牢性の向上に非常に重要であることが見出され、その効果の大きさは前記先行技術から全く予想することができないものであった。また、原因は詳細には不明であるが、なかでも、α,β位混合置換型よりはβ位置換型の方が色相、光堅牢性、オゾンガス耐性等において明らかに優れている傾向にあった。
前記一般式(I)および(II)で表されるフタロシアニン染料の具体例(例示化合物I−1〜I−12および101〜190)を下記に示すが、本発明に用いられるフタロシアニン染料は、下記の例に限定されるものではない。
Figure 0004414783
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なお、化合物No.146〜190のM−Pc(Xp1)m(Xp2)nで示されるフタロシアニン化合物の構造は下記の通りである。
Figure 0004414783
前記一般式(I)で表されるフタロシアニン染料は、前述した特許に従って合成することが可能である。また、一般式(II)で表されるフタロシアニン染料は、前記した合成方法の他に、特開2001−226275号、同2001−96610号、同2001−47013号、同2001−193638号の各公報に記載の方法により合成することができる。また、出発物質、染料中間体および合成ルートについてはこれらに限定されるものでない。
本発明のインクジェット記録用インクは、前記フタロシアニン染料を好ましくは0.2〜20質量%含有し、より好ましくは0.5〜15質量%含有する。
本発明のインクジェット記録用インクは、水性媒体中に、フタロシアニン染料を溶解および/または分散させることによって作製することができる。本発明における「水性媒体」とは、水または水と少量の水混和性有機溶剤との混合物に、必要に応じて湿潤剤(好ましくは溶解助剤または分散助剤としての界面活性剤)、安定剤、防腐剤等の添加剤を添加したものを意味する。また、インク中に上記一般式(I)又は(II)で表されるフタロシアニン染料以外の公知のシアン染料を副次的に(インク中の全染料の50モル%未満)含有していてもよい。
本発明では、該シアン染料を含むインクに対して、シアン染料の溶液中での会合を促進する化合物をさらに含有していることが特徴である。溶液中での会合を促進する化合物は、溶液中の一般式(I)又は(II)で表されるフタロシアニン染料の吸収スペクトルに会合吸収が現れることによって知ることができる。溶液中での会合を促進する化合物を含有したインクは、描画して得られた画像も、該化合物該染料と会合状態で画像形成されていて、それによって本発明が目的とする光、熱、酸化雰囲気に対する耐性が発現し、しかも色相や階調などの画像品質も損なわれることはない。
会合を促進可能な化合物は、ヒドロキシ基、アミノ基、チオール基を置換してもよいヘテロ環及び鎖状低分子化合物から選択される。
会合を促進可能な化合物として好ましい化合物は、グアニジン、アミジン、アミド類、チオセイカラバジド誘導体などのチオアミド類、チオ尿素、並びにヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したピラゾール、ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したイミダゾール、ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したチアゾール、ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したオキサゾール、ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したトリアゾール、ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したイソチアゾール、ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したイソオキサゾール、ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したチアジアゾール、ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したオキサジアゾール、ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したテトラゾール、ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したピリジン、ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したピリダジン、ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したピラジン、ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したピリミジン、ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したトリアジンなどを挙げることができる。また、上記のグアニジン、アミジン、アミド、チオアミド及びチオ尿素は、メチル基、エチル基、ヒドロキシ基が置換されていてもよい。好ましくは上記に挙げた中でヘテロ環化合物、並びに無置換のアミジン、グアニジン及びチオ尿素である。
会合促進剤のインクへの添加量として好ましい範囲は、染料に対して質量比で0.0001〜100倍、好ましくは0.001〜10倍、特にに好ましくは0.01〜5倍である。
会合促進性化合物の中でも特に好ましい化合物としては、下記の一般式(K)で表される化合物を挙げることができる。

一般式(K): X−NH−C(−Y)=Z

ここで、Xは、水素原子、アミノ基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、C(−P)=Qで表わされる基、(ここでPは水素原子、水酸基、アミノ基、置換されてもよいアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、Qは酸素原子、硫黄原子、置換窒素原子)であり、Yは水素原子、水酸基、アミノ基、置換されてもよいアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル記、アルキニル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基であり、Zは酸素原子、硫黄原子、置換窒素原子である。X、Y、Zはそれぞれ結合形成して環を形成してもよい。
以下に上記一般式に含まれる化合物の例を挙げるが、本発明に好ましく用いられる会合促進性化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004414783
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本発明のインク液を調液する際には、水溶性インクの場合、まず水に溶解することが好ましい。そのあと、各種溶剤や添加物を添加し、溶解、混合して均一なインク液とする。
このときの溶解方法としては、攪拌による溶解、超音波照射による溶解、振とうによる溶解等種々の方法が使用可能である。中でも特に攪拌法が好ましく使用される。攪拌を行う場合、当該分野では公知の流動攪拌や反転アジターやディゾルバを利用した剪断力を利用した攪拌など、種々の方式が利用可能である。一方では、磁気攪拌子のように、容器底面との剪断力を利用した攪拌法も好ましく利用できる。
本発明において用いることができる水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングルコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)およびその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、アセトン)が挙げられる。尚、前記水混和性有機溶剤は、2種類以上を併用してもよい。
前記フタロシアニン染料が油溶性染料の場合は、該油溶性染料を高沸点有機溶媒中に溶解させ、水性媒体中に乳化分散させることによって調製することができる。
本発明に用いられる高沸点有機溶媒の沸点は150℃以上であるが、好ましくは170℃以上である。
例えば、フタール酸エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロへキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプロピル)フタレート)、リン酸又はホスホンのエステル類(例えば、ジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジオクチルブチルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスフェート)、安息香酸エステル酸(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、2,4−ジクロロベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド)、アルコール類またはフェノール類(イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミルフェノールなど)、脂肪族エステル類(例えば、コハク酸ジブトキシエチル、コハク酸ジ−2−エチルヘキシル、テトラデカン酸2−ヘキシルデシル、クエン酸トリブチル、ジエチルアゼレート、イソステアリルラクテート、トリオクチルシトレート)、アニリン誘導体(N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリンなど)、塩素化パラフィン類(塩素含有量10%〜80%のパラフィン類)、トリメシン酸エステル類(例えば、トリメシン酸トリブチル)、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン、フェノール類(例えば、2,4−ジ−tert−アミルフェノール、4−ドデシルオキシフェノール、4−ドデシルオキシカルボニルフェノール、4−(4−ドデシルオキシフェニルスルホニル)フェノール)、カルボン酸類(例えば、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ酪酸、2−エトキシオクタンデカン酸)、アルキルリン酸類(例えば、ジ−2(エチルヘキシル)リン酸、ジフェニルリン酸)などが挙げられる。高沸点有機溶媒は油溶性染料に対して質量比で0.01〜3倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用できる。
これらの高沸点有機溶媒は単独で使用しても、数種の混合〔例えばトリクレジルホスフェートとジブチルフタレート、トリオクチルホスフェートとジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジブチルフタレートとポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)〕で使用してもよい。
本発明において用いられる高沸点有機溶媒の前記以外の化合物例やこれら高沸点有機溶媒の合成方法は、例えば米国特許第2,322,027号、同第2,533,514号、同第2,772,163号、同第2,835,579号、同第3,594,171号、同第3,676,137号、同第3,689,271号、同第3,700,454号、同第3,748,141号、同第3,764,336号、同第3,765,897号、同第3,912,515号、同第3,936,303号、同第4,004,928号、同第4,080,209号、同第4,127,413号、同第4,193,802号、同第4,207,393号、同第4,220,711号、同第4,239,851号、同第4,278,757号、同第4,353,979号、同第4,363,873号、同第4,430,421号、同第4,430,422号、同第4,464,464号、同第4,483,918号、同第4,540,657号、同第4,684,606号、同第4,728,599号、同第4,745,049号、同第4,935,321号、同第5,013,639号、欧州特許第276,319A号、同第286,253A号、同第289,820A号、同第309,158A号、同第309,159A号、同第309,160A号、同第509,311A号、同第510,576A号、東独特許第147,009号、同第157,147号、同第159,573号、同第225,240A号、英国特許第2,091,124A号、特開昭48-47335号、同50-26530号、同51-25133号、同51-26036号、同51-27921号、同51-27922号、同51-149028号、同52-46816号、同53-1520号、同53-1521号、同53-15127号、同53-146622号、同54-91325号、同54-106228号、同54-118246号、同55-59464号、同56-64333号、同56-81836号、同59-204041号、同61-84641号、同62-118345号、同62-247364号、同63-167357号、同63-214744号、同63-301941号、同64-9452号、同64-9454号、同64-68745号、特開平1-101543号、同1-102454号、同2-792号、同2-4239号、同2-43541号、同4-29237号、同4-30165 号、同4-232946号、同4-346338号等に記載されている。
本発明では、油溶性性染料や高沸点有機溶媒は、水性媒体中に乳化分散して用いられる。乳化分散の際、乳化性の観点から場合によっては低沸点有機溶媒を併用することができる。併用することができる低沸点有機溶媒としては、常圧で沸点約30℃以上150℃以下の有機溶媒である。例えばエステル類(例えばエチルアセテート、ブチルアセテート、エチルプロピオネート、β−エトキシエチルアセテート、メチルセロソルブアセテート)、アルコール類(例えばイソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、セカンダリーブチルアルコール)、ケトン類(例えばメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン)等が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。
乳化分散は、高沸点有機溶媒と場合によっては低沸点有機溶媒の混合溶媒に染料を溶かした油相を水を主体とした水相中に分散し、油相の微小油滴を作るために行われる。この際、水相、油相のいずれかまたは両方に、後述する界面活性剤、湿潤剤、染料安定化剤、乳化安定剤、防腐剤、防黴剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
乳化法としては水相中に油相を添加する方法が一般的であるが、油相中に水相を滴下して行く、いわゆる転相乳化法も好ましく用いることができる。
本発明の乳化分散する際には、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
なお、乳化に用いられる界面活性剤は、後述するたインクジェット記録用インクの液物性を調整するために添加される界面活性剤とは目的が異なるが、同一種類のものを用いることができ、結果としてインクの物性調整の機能を果たすこともできる。
また、乳化直後の安定化を図る目的で、上記界面活性剤と併用して水溶性ポリマーを添加することもできる。水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコールポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドやこれらの共重合体が好ましく用いられる。また多糖類、カゼイン、ゼラチン等の天然水溶性ポリマーを用いるのも好ましい。
さらに染料分散物の安定化のためには実質的に水性媒体中に溶解しないアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、オレフィン類、スチレン類、ビニルエーテル類、アクリロニトリル類の重合により得られるポリビニルやポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリカーボネート等も併用することができる。これらのポリマーは−SO2-、−COO-を含有していること好ましい。これらの質的に水性媒体中に溶解しないポリマーを併用する場合、高沸点有機溶媒の20質量%以下用いられることが好ましく、10質量%以下で用いられることがより好ましい。
乳化分散により油溶性性染料や高沸点有機溶媒を分散させて水性インクとする場合、特に重要なのはその粒子サイズのコントロールである。インクジェットにより画像を形成した際の、色純度や濃度を高めるには平均粒子サイズを小さくすることが必須である。体積平均粒子サイズで好ましくは1μm以下、より好ましくは5〜100nmである。
前記分散粒子の体積平均粒径および粒度分布の測定方法には静的光散乱法、動的光散乱法、遠心沈降法のほか、実験化学講座第4版の417〜418ページに記載されている方法を用いるなど、公知の方法で容易に測定することができる。
例えば、インク中の粒子濃度が0.1〜1質量%になるように蒸留水で希釈して、市販の体積平均粒子サイズ測定機(例えば、マイクロトラックUPA(日機装(株)製))で容易に測定できる。更に、レーザードップラー効果を利用した動的光散乱法は、小サイズまで粒径測定が可能であり特に好ましい。
体積平均粒径とは粒子体積で重み付けした平均粒径であり、粒子の集合において、個々の粒子の直径にその粒子の体積を乗じたものの総和を粒子の総体積で割ったものである。体積平均粒径については「高分子ラテックスの化学」(室井 宗一著 高分子刊行会)」119ページに記載がある。
また、粗大粒子の存在も印刷性能に非常に大きな役割を示すことが明らかになった。即ち、粗大粒子がヘッドのノズルを詰まらせる、あるいは詰まらないまでも汚れを形成することによってインクの不吐出や吐出のヨレを生じ、印刷性能に重大な影響を与えることが分かった。これを防止するためには、インクにした時にインク1μL中で5μm以上の粒子を10個以下、1μm以上の粒子を1000個以下に抑えることが重要である。
これらの粗大粒子を除去する方法としては、公知の遠心分離法、精密濾過法等を用いることができる。これらの分離手段は乳化分散直後に行ってもよいし、乳化分散物に湿潤剤や界面活性剤等の各種添加剤を加えた後、インクカートリッジに充填する直前でもよい。
平均粒子サイズを小さくし、且つ粗大粒子を無くす有効な手段として、機械的な乳化装置を用いることができる。
乳化装置としては、簡単なスターラーやインペラー撹拌方式、インライン撹拌方式、コロイドミル等のミル方式、超音波方式など公知の装置を用いることができるが、高圧ホモジナイザーの使用は特に好ましいものである。
高圧ホモジナイザーは、米国特許4533254号明細書、特開平6−47264号公報等に詳細な機構が記載されているが、市販の装置としては、ゴーリンホモジナイザー(A.P.V GAULIN INC.)、マイクロフルイダイザー(MICROFLUIDEX INC.)、アルティマイザー(株式会社スギノマシン)等がある。
また、近年になって米国特許5720551号明細書に記載されているような、超高圧ジェット流内で微粒子化する機構を備えた高圧ホモジナイザーは本発明の乳化分散に特に有効である。この超高圧ジェット流を用いた乳化装置の例として、DeBEE2000(BEE INTERNATIONAL LTD.)が挙げられる。
高圧乳化分散装置で乳化する際の圧力は50MPa以上であり、好ましくは60MPa以上、更に好ましくは180MPa以上である。
例えば、撹拌乳化機で乳化した後、高圧ホモジナイザーを通す等の方法で2種以上の乳化装置を併用するのは特に好ましい方法である。また、一度これらの乳化装置で乳化分散した後、湿潤剤や界面活性剤等の添加剤を添加した後、カートリッジにインクを充填する間に再度高圧ホモジナイザーを通過させる方法も好ましい方法である。
高沸点有機溶媒に加えて低沸点有機溶媒を含む場合、乳化物の安定性および安全衛生上の観点から低沸点溶媒を除去するのが好ましい。低沸点溶媒を除去する方法は溶媒の種類に応じて各種の公知の方法を用いることができる。即ち、蒸発法、真空蒸発法、限外濾過法等である。この低沸点有機溶剤の除去工程は乳化直後、できるだけ速やかに行うのが好ましい。
本発明のインクジェット記録用インクに界面活性剤を含有させ、インクの液物性を調整することで、インクの吐出安定性を向上させ、画像の耐水性の向上や印字したインクの滲みの防止などに優れた効果を持たせることができる。
界面活性剤としては、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルオキシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、トリメチルセチルアンモニウムクロライド、テロラブチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。なかでも、特にノニオン系界面活性剤が好ましく使用される。
界面活性剤の含有量は、インク中、好ましくは0.001〜15質量%、より好ましくは0.005〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量である。
本発明で得られたインクジェット記録用インクには、インクの噴射口での乾操による目詰まりを防止するための乾燥防止剤、インクを紙によりよく浸透させるための浸透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、分散剤、分散安定剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、キレート剤等の添加剤を適宜選択して適量使用することができる。
本発明に使用される乾燥防止剤としては水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(またはブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。
これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
本発明に使用される浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に10〜30質量%含有すれば充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
本発明で画像の保存性を向上させるために使用される紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
本発明では、画像の保存性を向上させるために使用される酸化防止剤としては、各種の有機系および金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式および化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
本発明に使用される防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンおよびその塩等が挙げられる。これらはインク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
なお、これらの詳細については「防菌防黴剤事典」(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載されている。
また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらは、インク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
本発明に使用されるpH調整剤はpH調節、分散安定性付与などの点で好適に使用する事ができ、25℃でのインクのpHが8〜11に調整されていることが好ましい。pHが8未満である場合は染料の溶解性が低下してノズルが詰まりやすく、11を超えると耐水性が劣化する傾向がある。pH調製剤としては、塩基性のものとして有機塩基、無機アルカリ等が、酸性のものとして有機酸、無機酸等が挙げられる。
前記有機塩基としてはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンなどが挙げられる。前記無機アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなど)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど)、アンモニウムなどが挙げられる。また、前記有機酸としては酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、アルキルスルホン酸などが挙げられる。前記無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸などが挙げられる。
本発明では前記した界面活性剤とは別に表面張力調整剤として、ノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。例えばアニオン系界面活性剤としては脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができ、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等を挙げることができる。アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(Air Production & Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
本発明のインクの表面張力は、これらを使用してあるいは使用しないで20〜60mN/mが好ましい。さらに25〜45mN/mが好ましい。
本発明に用いられるインクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましいので、粘度を調製する目的で、粘度調整剤が使用されることがある。粘度調整剤としては、例えば、セルロース類、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーやノニオン系界面活性剤等が挙げられる。更に詳しくは、「粘度調製技術」(技術情報協会、1999年)第9章、及び「インクジェットプリンター用ケミカルズ(98増補)−材料の開発動向・展望調査−」(シーエムシー、1997年)162〜174頁に記載されている。
また本発明では分散剤、分散安定剤として上述のカチオン、アニオン、ノニオン系の各種界面活性剤、消泡剤としてフッソ系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
本発明のインクを用いる画像記録方法に用いられる記録紙及び記録フィルムについて説明する。記録紙及び記録フィルムおける支持体はLBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等をからなり、必要に応じて従来の公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。
これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚み10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。
支持体にそのまま受像層及びバックコート層を設けて受像材料としてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、受像層及びバックコート層を設けて受像材料としてもよい。さらに支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。
本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブテンおよびそれらのコポリマー)やポリエチレンテレフタレートでラミネートした紙およびプラスチックフイルムがより好ましく用いられる。
ポリオレフィン中に、白色顔料(例、酸化チタン、酸化亜鉛)または色味付け染料(例、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
支持体上に設けられる受像層には、多孔質材料や水性バインダーが含有される。また、受像層には顔料を含むのが好ましく、顔料としては、白色顔料が好ましい。白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。特に好ましくは、多孔性の白色無機顔料がよく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法(気相法)によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能である。
上記顔料を受像層に含有する記録紙としては、具体的には、特開平10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同10−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号などに開示されたものを用いることができる。
受像層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独または2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、受像層の耐剥離性の点で好適である。
受像層は、顔料及び水性バインダーの他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、耐ガス性向上剤、界面活性剤、硬膜剤その他の添加剤を含有することができる。受像層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド等が挙げられる。これらのカチオン樹脂の含有量は、受像層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
耐光性向上剤、耐ガス性向上剤としては、フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、チオエーテル化合物、チオ尿素化合物、チオシアン酸化合物、アミン化合物、ヒンダードアミン化合物、TEMPO化合物、ヒドラジン化合物、ヒドラジド化合物、アミジン化合物、ビニル基含有化合物、エステル化合物、アミド化合物、エーテル化合物、アルコール化合物、スルフィン酸化合物、糖類、水溶性還元性化合物、有機酸、無機酸、ヒドロキシ基含有有機酸、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物、ヘテロ環化合物、水溶性金属塩、有機金属化合物、金属錯体等が挙げられる。
これらの具体的な化合物例としては、特開平10−182621号、特開2001−260519号、特開2000−260519号、特公平4−34953号、特公平4−34513号、特公平4−34512号、特開平11−170686号、特開昭60−67190号、特開平7−276808号、特開2000−94829号、特表平8−512258号、特開平11−321090号等に記載のものが挙げられる。
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。
界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。
硬膜剤としては特開平1−161236号公報の222頁、特開平9−263036号、特開平10−119423号、特開2001−310547号、に記載されている材料等を用いることが出来る。
その他の受像層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、受像層は1層でも2層でもよい。
記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バック層を含む)には、ポリマー微粒子分散物を添加してもよい。ポリマー微粒子分散物は、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマー微粒子分散物については、特開昭62−245258号、同62−1316648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマー微粒子分散物を媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添加しても、カールを防止できる。
本発明では、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット)方式等に用いられる。
インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
本発明のインクジェット記録用インクは、インクジェット記録以外の用途に使用することもできる。例えば、ディスプレイ画像用材料、室内装飾材料の画像形成材料および屋外装飾材料の画像形成材料などに使用が可能である。
ディスプレイ画像用材料としては、ポスター、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、商業宣伝用チラシ、包装紙、ラッピング材料、紙袋、ビニール袋、パッケージ材料、看板、交通機関(自動車、バス、電車など)の側面に描画や添付した画像、ロゴ入りの洋服、等各種の物を指す。
本発明の染料をディスプレイ画像の形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
室内装飾材料としては、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、照明器具の部材、家具の部材、床や天井のデザイン部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
屋外装飾材料としては、壁材、ルーフィング材、看板、ガーデニング材料屋装飾小物(置物や人形など)、屋外照明器具の部材等各種の物を指す。本発明の染料を画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像ののみならず、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
以上のような用途において、パターンが形成されるメディアとしては、紙、繊維、布(不織布も含む)、プラスチック、金属、セラミックス等種々の物を挙げることができる。染色形態としては、媒染、捺染、もしくは反応性基を導入した反応性染料の形で色素を固定化することもできる。この中で、好ましくは媒染形態で染色されることが好ましい。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
下記の成分に超純水(抵抗値18MΩ以上)を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してシアン(C),ライトシアン(LC),マゼンタ(M),ライトマゼンタ(LM),イエロー(Y),ダークイエロー(DY)及びブラック(Bk),の各インク液 によるインクセット101を調製した。
Figure 0004414783
BTZ:ベンゾトリアゾール
UR:尿素
DGB:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
TGB:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
DEG:ジエチレングリコール
TEG:トリエチレングリコール
GR:グリセリン
PRD: 2-ピロリドン
TEA:トリエタノールアミン)
PRX:プロキセルXL2(S) (2−ベンゾイソチアゾリンー3−オン、商品名、Avecia社製
SW:界面活性剤(サーフィノールSTG、商品名、Avecia社製)
Figure 0004414783
Figure 0004414783
インクセット101のシアンインク、ライトシアンインクに対して、下記の通りに添加物を添加した以外は、全く同じ構成のインクセット102〜109をそれぞれ作製した。
Figure 0004414783
これらのインクをEPSON社製インクジェットプリンターPM-950Cのインクカートリッジに装填し、グレーの階段状画像パターンと人物の写ったポートレート画像を印字させた。
受像シートは、富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」に画像を印刷し、画像品質ならびにインクの吐出性と画像堅牢性の評価を行った。
(評価実験)
1)吐出安定性については、カートリッジをプリンターにセットし全ノズルからのインクの突出を確認した後機械を止め、15℃30%RHの環境、さらに35℃90%RHの環境にプリンターをそれぞれ240時間ずつ放置し、その後A4画像500枚を出力して、以下の基準で評価した。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し
B:印字の乱れのある出力が発生する
C:印刷開始から終了まで印字の乱れあり
2)画像品質については、人物のポートレート画像4種と色評価用のマクベスチャートに対応したカラーパッチ入りのチャートが入った標準チャートを作成し、その肌色印字状態やカラーパッチの全色を目視観察して、その品質を評価した。
A:全体に均質かつ良好な画像が形成されている
B:画像の一部にビーディング(インクののりの局部的な不均一)もしくはブロンズ(色のくすみ)が注視すると観察される
C:画像中のビーディングもしくはブロンズがはっきりとわかる
3)画像保存性については、印字サンプルを用いて、以下の評価を行った。
(イ)光堅牢性は印字直後の画像濃度CiをX-rite 310にて測定した後、アトラス社製耐光試験機(ウェザーオーメーター、商品名)を用い画像にキセノン光(ISO規定の室内太陽光、8万5千ルックス)を14日照射した後、再び画像濃度Cfを測定し染料残存率Cf/Ci*100を求め評価を行った。染料残像率について反射濃度が1,1.5,2の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が70%以上の場合をA、2点が70%未満の場合をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとした。
(ロ)熱堅牢性については、80℃70%RHの条件下に10日間、試料を保存する前後での濃度を、X-rite 310にて測定し染料残存率を求め評価した。染料残像率について反射濃度が1,1.5,2の3点にて評価し、いずれの濃度でも染料残存率が90%以上の場合をA、2点が90%未満の場合をB、全ての濃度で90%未満の場合をCとした。
(ハ)耐オゾン性については、前記画像を形成したフォト光沢紙を、オゾンガス濃度が5ppmに設定されたボックス内に5日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は、1、1.5及び2.0の3点で測定した。
ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
何れの濃度でも染料残存率が80%以上の場合をA、1又は2点が80%未満をB、全ての濃度で70%未満の場合をCとして、三段階で評価した。
得られた結果を下記表に示す。
Figure 0004414783
上記表の結果から、本発明のインクを使用した系では、画像堅牢性に係る光堅牢性、熱堅牢性及び耐オゾン堅牢性のすべての性能で比較例に対して勝っていて、しかも画像品質も優れていて吐出性も安定していることがわかる。
さらに、本発明のインクおよびインクセットを、サーマルインクジェット方式(加熱によるインク滴射出方式)のインクジェットプリンターに使用しても同様の効果が得られた。

Claims (4)

  1. 少なくとも1種の、ヘテロ環を有し金属イオンを含有する染料を水性媒体中に含有してなるインクジェット用インクにおいて、該インク中に該染料を溶液中で会合促進させる化合物を含有し、前記染料が下記一般式(I)で表される染料の少なくとも1種であり、前記会合促進させる化合物が、メチル基、エチル基、ヒドロキシ基が置換されていてもよいグアニジン;メチル基、エチル基、ヒドロキシ基が置換されていてもよいアミジン;ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したピラジン;ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したピリミジン;またはヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したトリアジンであることを特徴とするインクジェット用インク。
    一般式(I)
    Figure 0004414783

    上記一般式(I)中;
    1 、X 2 、X 3 およびX 4 は、それぞれ独立に、−SO 2 −Zを表す。
    上記Zは、置換基として水酸基、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基又はイオン性親水性基を有するアルキル基を表す。
    なお、X 1 〜X 4 のいずれかが複数個存在するとき、それらは、同一でも異なっていてもよい。
    Mは、水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物である。
  2. 上記Mが金属原子であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 前記ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したピラジンが、アミノ基の置換したピラジンであり、前記ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したピリミジンが、アミノ基の置換したピリミジンであり、前記ヒドロキシル基、チオール基、もしくはアミノ基の置換したトリアジンが、アミノ基の置換したトリアジンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット用インク。
  4. 前記会合促進させる化合物が、グアニジン、アミジン、ジアミノトリアジン、2,5−ジアミノピラジン又は2,5−ジアミノピリミジンであるとともに、
    前記染料が、下記式で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット用インク。
    Figure 0004414783
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