JP2003212832A - 環状脂肪族オキシムを製造する方法 - Google Patents

環状脂肪族オキシムを製造する方法

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JP2003212832A
JP2003212832A JP2002321382A JP2002321382A JP2003212832A JP 2003212832 A JP2003212832 A JP 2003212832A JP 2002321382 A JP2002321382 A JP 2002321382A JP 2002321382 A JP2002321382 A JP 2002321382A JP 2003212832 A JP2003212832 A JP 2003212832A
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oxime
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oxygen
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Yuichi Fujii
雄一 藤井
Hajime Nagahara
肇 永原
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 タングステンの酸化物が、アルミナに坦
持および/またはこれと組み合わされている触媒の存在
下、気相で、環状脂肪族一級アミンの濃度が1〜20容
量%、かつ、(酸素/環状脂肪族一級アミン)のモル比
率が0.5〜3.5である混合ガス中で環状脂肪族一級
アミンと分子状酸素とを反応させてオキシムを製造する
に際し、数式(1)で表されるK値が0.030〜0.
080を満たす条件で反応を行うことからなるオキシム
の製造方法。 【数1】 【効果】 環状脂肪族第一級アミンと分子状酸素を気相
中で反応させて環状脂肪族オキシムを製造するに際し、
効率的に、高い選択率でオキシムを得ることが可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環状脂肪族第一級
アミンを気相中で酸化させて、環状脂肪族オキシムを製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】環状脂肪族オキシムは、有機化学工業の
分野において、医薬、農薬等の原料として有用な化合物
である。特に、環状脂肪族オキシムがシクロヘキサノン
オキシムである場合は、ナイロン−6の原料であるε―
カプロラクタムの中間体として有用な化合物である。従
来、脂環式または脂肪族第一級アミンを酸化してオキシ
ムを製造する方法としては、アミンをモリブデン、タン
グステンまたはウランを基剤とする無機塩触媒の存在下
において、過酸化水素と反応させる方法、または有機溶
媒中でチタン、モリブデン、タングステン、バナジウム
等を基剤とする触媒の存在下において、有機ヒドロペル
オキシドと反応させる方法が公知である。
【0003】しかしながら、これら過酸化水素または有
機ヒドロペルオキシドを酸化剤として用いる方法を工業
的に実施する際には、酸化剤の取扱いに関わる既知の操
作上の危険性を伴う。また、有機ヒドロペルオキシドを
用いる場合には、ヒドロペルオキシドの還元に由来する
生成物が反応液に含まれるため、分離および精製操作が
煩雑になる等の問題があった。上記の問題を解決するた
めに、空気または酸素等の分子状酸素を酸化剤として用
いる次の方法が提案されている。すなわち、(1)モリ
ブデン、タングステンまたはウランの水溶性塩を用い、
水の存在下で水銀ランプを用いて光酸化させる方法(特
許文献1に記載の方法)、(2)第三級アルコールの存
在下に、好ましくはアンモニアを存在させ、タングステ
ン酸、リンタングステン酸、モリブデン酸、セレン酸、
亜セレン酸等の触媒を用いて反応させる方法(特許文献
2に記載の方法)、(3)周期律表の4族に属する金属
を基剤とする均一または不均一触媒の存在下、液相条件
にて反応させる方法(特許文献3に記載の方法)、
(4)シリカゲルまたはγ―アルミナを基剤とし、所望
ならば、酸化タングステンと組み合わせた固体触媒の存
在下、気相条件にて反応させる方法(特許文献4〜7に
記載の方法)、である。
【0004】しかしながら(1)、(2)および(3)
の方法は、液相における反応であるため、溶媒の分離工
程が煩雑であり、加えて、(1)および(2)の方法
は、均一触媒を用いるため、反応後の触媒成分の分離回
収工程が煩雑になり、(3)の方法は、オキシムの選択
率が50%以下と極めて低く、問題点があった。(4)
の方法は、気相の反応ではあるが、特許文献4の方法
は、触媒にシリカゲルを用い、一級脂肪族アミンとして
シクロヘキシルアミンを用いた場合、シクロヘキサノン
オキシムの選択率は60%程度となっている。特許文献
5〜7の方法は、タングステンの酸化物がアルミナに坦
持および/またはこれと組み合わされている触媒を用
い、飽和脂肪族アミンまたは脂環式アミンの酸化によ
り、相当するオキシムを得る技術である。脂環式アミン
として、シクロヘキシルアミンを用いた場合、選択率8
8%という、比較的高い選択率でオキシムが得られてい
る。しかしながら、比較的高い選択率でオキシムを得る
には、特許文献6に示されているように、煩雑な、高温
下における長時間の触媒の前処理を必要とするという問
題があった。
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許第1,021,358号
【特許文献2】特公昭47−25324号公報
【特許文献3】欧州特許出願公開特許第395,046
号明細書
【特許文献4】米国特許第4,337,358号明細書
【特許文献5】米国特許第第4,504,681号明細
【特許文献6】米国特許第第4,560,797号明細
【特許文献7】米国特許第第4,624,939号明細
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、環状
脂肪族一級アミンを酸化して環状脂肪族オキシムを製造
する際に、(1)酸化剤として、危険性および取扱いの
煩雑さに問題のある過酸化物を用いず、(2)溶媒を分
離する煩雑な操作を伴わない気相において分子状酸素を
用い、高温下、長時間においての煩雑な前処理を必要と
せずに反応を行い、(3)効率よく、高い選択率でオキ
シムを製造する方法、を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、環状脂肪族一級
アミンと分子状酸素を、気相下で、タングステンの酸化
物がアルミナに坦持および/またはこれと組み合わされ
ている触媒存在下で反応させてオキシムを製造するに際
し、触媒と反応ガスの接触時間、供給ガスの中の酸素の
割合および触媒中の酸化タングステン割合により規定さ
れる式の数値が特定の範囲となる条件で反応を行ったと
ころ、極めて高い選択率でオキシムが製造できることを
見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明は、タングステンの酸化
物が、アルミナに坦持および/またはこれと組み合わさ
れている触媒の存在下、気相において、環状脂肪族一級
アミンの濃度が1〜20容量%、かつ、(酸素/環状脂
肪族一級アミン)のモル比率が0.5〜3.5である混
合ガス中で、環状脂肪族一級アミンと分子状酸素とを反
応させてオキシムを製造するに際し、数式(1)で表さ
れるK値が0.030〜0.080を満たす条件で反応
を行うことを特徴とするオキシムの製造方法である。
【0009】
【数2】
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる環状脂肪族第一級アミンは、好ましくは飽和
の環状脂肪族第一級アミンであり、具体例として、シク
ロヘキシルアミン、シクロオクチルアミン、シクロペン
チルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロドデカニル
アミン等が挙げられる。環状脂肪族残基が反応条件で不
活性な置換基、例えば、アルキル基で置換された構造の
環状脂肪族第一級アミンを用いることが好ましく、中で
も、メチルシクロヘキシルアミンがより好ましい。
【0011】タングステンの酸化物としては、例えば、
WO2、W411、WO3等が挙げられ、好ましくはWO3
である。タングステンの金属酸化物の割合は、触媒に含
まれる全組成物の質量に対して、好ましくは0.1〜8
6質量%、より好ましくは5〜50質量%の範囲であ
る。本発明のタングステンの酸化物がアルミナに坦持お
よび/またはこれと組み合わされている触媒としては、
公知の方法で製造されたものを用いることができる。タ
ングステンの酸化物とアルミナとを単純に物理的に混合
して製造されたものを用いてもよいが、好ましくは公知
の触媒調製法として知られている以下の方法で製造され
たものが用いられる。
【0012】例えば、タングステンの酸化物をアルミナ
に坦持する方法としては、タングステンを含むアンモニ
ウム塩、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、アルコキ
シド、硝酸塩、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、酸化
物炭酸塩等から選ばれる化合物を、水またはアルコール
等の適当な溶媒に溶解し、この溶液にアルミナを浸漬
し、公知の含浸法、吸着法、共沈法等の手法によりタン
グステンをアルミナに坦持させた後、室温〜150℃程
度の温度範囲で、常圧または減圧の条件下で乾燥処理を
行った後、約300〜500℃の温度範囲で加熱焼成処
理を行う方法がある。
【0013】この坦持法において、好ましく用いられる
のは、触媒の比表面積が100m2/g以上、より好ま
しくは200m2/g以上のものであり、アルミナとし
てはγ―アルミナである。タングステンの酸化物をアル
ミナと組み合わせる方法としては、触媒活性成分の水溶
液と沈殿剤を接触させて、水酸化物、炭酸塩などの沈殿
を生成し、これを分離し、加熱処理により調製する沈殿
法、触媒活性成分を含むゲルを生成させ、加熱処理によ
り調製するゾル−ゲル法等が挙げられ、好ましくはゾル
−ゲル法である。例えば、タングステンの可溶性塩類を
含む水溶液とアルミニウムアルコキシド類を混合し、加
水分解させた後、室温〜150℃程度の温度範囲で常圧
または減圧の条件下で乾燥処理を行い、水、アルコール
を除去し、この後、得られたゲル状化合物を気相下にお
いて、純酸素、空気、酸素含有ガス等の気流中に高温下
で加熱焼成処理を行う方法が挙げられる。
【0014】また、タングステンの酸化物が、アルミナ
に坦持および/またはこれと組み合わされている触媒の
調製法の具体例として、例えば、米国特許第4,62
4,939号明細書に、飽和脂肪族または脂環式アミン
の酸化を目的とした酸素含有タングステン化合物とアル
ミナを組み合わせる触媒の調製法が示されており、この
方法により調製された触媒も好ましく用いることができ
る。環状脂肪族一級アミンの濃度は1〜20容量%、好
ましくは2〜10容量%の範囲で用いられる。環状脂肪
族一級アミンの濃度が1容量%未満の場合、希釈ガスの
供給量が多くなり、経済的観点から好ましくなく、20
容量%を越えると、反応に必要な酸素の濃度を高くする
必要があり、爆発組成となる可能性がある。
【0015】反応系における(酸素/環状脂肪族一級ア
ミン)のモル比率は0.5〜3.5、好ましくは0.8
〜3の範囲で用いられる。酸素は、反応に影響を及ぼさ
ないN2、He等の不活性な混合気体で希釈して、好ま
しくは2〜23%、より好ましくは3〜11%の濃度範
囲で用いることができるが、酸素濃度は、反応系内が爆
発組成とならない範囲が好ましい。環状脂肪族アミン、
酸素および不活性ガスの厳密な濃度制御により爆発組成
の形成を回避することができるが、あらかじめ限界酸素
濃度以下に調整された酸素と不活性ガスの混合気体を用
いることができる。
【0016】タングステンの酸化物がアルミナに坦持お
よび/またはこれと組み合わされている触媒存在下で、
気相においてシクロヘキシルアミンの空気酸化によりシ
クロヘキサノンオキシムが得られる反応の副生物に関し
て、JOURNAL OFMOLECULAR CAT
ALYSIS A CHEMICAL 160,393
−402(2000)において、シクロヘキシリデンシ
クロヘキシルアミンおよびシクロヘキサノンが主な副生
物であることが述べられている。このシクロヘキサノン
は、特公昭47−25324号公報に記載されているよ
うに、シクロヘキシルアミンが酸化反応を受ける際に脱
アンモンが起こり生成したものと推察できる。また、シ
クロヘキシリデンシクロヘキシルアミンは、生成したシ
クロヘキサノンと、原料であるシクロヘキシルアミンの
脱水反応により生成したものと推察される。
【0017】本発明者らが、タングステンの酸化物が、
アルミナに坦持および/またはこれと組み合わされてい
る触媒存在下で、気相において分子状酸素と反応させて
オキシムを得る反応を実施したところ、主な副生物は、
シクロヘキサノンおよびシクロヘキシリデンシクロヘキ
シルアミンの他に、ニトロシクロヘキサンであることを
見出した。これら副生物の生成を抑制し、オキシムの選
択率が高まる反応条件について検討した結果、触媒と反
応ガスの接触時間、全供給ガス中の酸素容量割合、およ
び触媒に含まれるタングステン質量割合を精密に制御す
ることにより、上記副生物の副生が同時に抑制されオキ
シムの選択率が著しく高まることを見出した。
【0018】これら副生成物の生成メカニズムは、JO
URNAL OF MOLECULAR CATALY
SIS A CHEMICAL 160,393−40
2(2000)に示されるように複雑であり、明らかに
されてはいないが、触媒に含まれるタングステンの質量
に対する供給酸素量が特定の範囲において、オキシムの
選択率を著しく高める何らかの酸素活性種が選択的に生
成するものと推察される。
【0019】本発明において、環状脂肪族アミンと分子
状酸素とを、数式(1)で表されるK値が0.030〜
0.080、好ましくは0.045〜0.055を満た
す条件で反応を行う点に特徴がある。
【0020】
【数3】
【0021】数式(1)において、「触媒と反応ガスの
接触時間(秒)」とは、触媒充填層の容積を1秒当たり
の反応温度における供給ガス容積で除した値である。触
媒充填層の容積は、反応器内で触媒が占める容積であ
り、触媒の形状は粉末状で成型したもの、成型した触媒
を粉砕し、ふるいで粒径をそろえたもののいずれでもよ
い。微粒子の使用は、反応器の圧力損失を引き起こすた
め、反応管の内径の1/5以下または触媒層高の1/1
0以下の大きさの粒径にそろえた触媒の使用が好まし
い。「触媒に含まれるタングステン質量」とは、蛍光X
線分析装置により測定、定量された値である。
【0022】K値が0.030未満の場合または0.0
80を越える場合、シクロヘキサノンオキシムの選択率
が低くなる。供給する混合ガスの空間速度は、好ましく
は20〜3000h-1、より好ましくは100〜150
0h-1の範囲である。反応温度は、好ましくは50〜2
50℃、より好ましくは120〜220℃、最も好まし
くは135〜180℃である。反応温度が250℃を越
えると、生成オキシムの分解反応が促進されやすくな
り、反応温度が50℃未満では反応速度が低下しやすく
なる。
【0023】圧力は、通常、大気圧であり、必要に応じ
て加圧下または減圧下でもよい。本発明に用いられる反
応器の形式は限定されるものではなく、種々の反応器を
用いることができる。例えば、流通式の固定床反応器ま
たは流動床反応器を用いることができる。アミンは反応
器内で気体で存在し、酸素の流れに対して縦型流通式反
応器の場合、上昇併流方式、下降併流方式および向流方
式のいずれも選択することができる。これらの反応器は
単一の触媒床でもよく、多重触媒床となっていてもよ
い。また、並列や直列の複数の反応器を使用してもよ
い。
【0024】本発明によれば、触媒の前処理等の煩雑な
操作を必要とせず、通常、90%以上、好ましくは95
%以上の極めて高い選択率で環状脂肪族オキシムを製造
することができる。さらに、本発明は気相反応であるた
め液相反応で必要な溶媒分離等の煩雑な操作も必要とし
ない。
【0025】
【発明実施の形態】本発明を実施例により具体的に説明
する。
【0026】
【実施例1】1)触媒の調製 市販のアルミニウム−セカンダリー−ブトキシド10.
0gをビーカーに入れ、メタタングステン酸アンモニウ
ム水溶液(市販のメタタングステン酸アンモニウム0.
70gを10.0gの水で溶解して水溶液としたもの)
をガラス棒で激しく攪拌しながら少量ずつ滴下した。生
成したゲル状生成物を常温下で1時間乾燥した後、12
0℃において一晩真空乾燥させた。次いで、乾燥物を常
圧空気気流下、400℃で4時間焼成処理を行い、酸化
タングステンを組み合わされたアルミナ触媒を得た。こ
れを蛍光X線で分析したところ、タングステンを21.
8質量%含んでいた。触媒を圧縮成型し、粉砕した後、
1.0〜1.4mmの粒径にふるい分けし、反応に用い
た。
【0027】2)シクロヘキシルアミンの酸化反応 シクロヘキシルアミンおよび酸素をそれぞれ導入できる
導入管を備え、内部に熱伝対を備え、シクロへキシルア
ミンを気化するためのSUS316製充填剤層を組み込
んだ、外径9.53mm、全長100mmのSUS31
6製のリアクターに、実施例1記載の調製触媒2.0g
を仕込み、加熱炉に組み込んだ。リアクターを窒素で置
換した後、160℃まで加熱し、組成がシクロヘキシル
アミン濃度2.6容量%、酸素濃度が6.8容量%とな
る反応ガスを、空間速度が740h-1となる条件で供給
し、反応を行った。この時の触媒充填層の容量は3.1
ml、触媒と反応ガスとの接触時間は3.1秒であり、
数式(1)で表されるK値は0.046であった。分析
は、自動的にリアクターから反応ガスをサンプリング
し、GCにより組成を分析した。反応が定常に達した
時、シクロヘキサノンオキシムの選択率(以下、転化し
たシクロヘキシルアミンを基準に算出した値を示す。)
は、97.0%、転化率は14.4%であった。
【0028】
【実施例2】触媒として、実施例1記載の触媒を用い、
シクロヘキシルアミン濃度3.4容量%、空間速度が5
60h-1とし、触媒充填層の容量が3.1ml、触媒と
反応ガスとの接触時間が4.1秒、数式(1)で表され
るK値が0.060である以外は実施例1記載の方法と
同様の実験条件で反応を行ったところ、オキシムの選択
率は95.0%、転化率は12.8%であった。
【0029】
【実施例3】1)触媒の調製 市販のアルミニウム−セカンダリー−ブトキシド10.
0gをビーカーに入れ、メタタングステン酸アンモニウ
ム水溶液(市販のメタタングステン酸アンモニウム0.
31gを5.0gの水で溶解して水溶液としたもの)を
ガラス棒で激しく攪拌しながら少量ずつ滴下した。生成
したゲル状生成物を常温下で1時間乾燥した後、120
℃において一晩真空乾燥させた。次いで、乾燥物を常圧
空気気流下、400℃で4時間焼成処理を行い、酸化タ
ングステンを組み合わされたアルミナ触媒を得た。これ
を蛍光X線で分析したところ、タングステンを9.7質
量%含んでいた。触媒を圧縮成型し、粉砕した後、1.
0〜1.4mmの粒径にふるい分けし、反応に用いた。
【0030】2)シクロヘキシルアミンの酸化反応 実施例1と同様なリアクターに実施例3記載の調製触媒
2.0gを仕込み、加熱炉に組み込んだ。リアクターを
窒素で置換した後、160℃まで加熱し、組成がシクロ
ヘキシルアミン濃度5.1容量%、酸素濃度が6.7容
量%となる反応ガスを空間速度が326h-1となる条件
で供給し、反応を行った。この時の触媒充填層の容量は
3.6ml、接触時間は7.0秒であり、数式(1)で
表されるK値は0.045であった。分析は、自動的に
リアクターから反応ガスをサンプリングし、GCにより
組成を分析した。反応が定常に達した時、シクロヘキサ
ノンオキシムの選択率(以下、転化したシクロヘキシル
アミンを基準に算出した値を示す)は、93.9%、転
化率は15.3%であった。
【0031】
【実施例4】触媒として実施例3記載の触媒を用い、シ
クロヘキシルアミン濃度3.4容量%、酸素濃度が6.
8容量%、空間速度が481h-1とし、触媒充填層の容
量が3.6ml、触媒と反応ガスとの接触時間が4.7
秒、数式(1)で表されるK値が0.031である以外
は実施例1記載の方法と同様の実験条件で反応を行った
ところ、オキシムの選択率は91.6%、転化率は1
6.6%であった。
【0032】
【実施例5】触媒として実施例3記載の触媒を用い、触
媒量を5.3g、シクロヘキシルアミン濃度5.1容量
%、酸素濃度が6.7容量%、空間速度が245h-1
し、触媒充填層の容量が9.5ml、触媒と反応ガスと
の接触時間が9.3秒、数式(1)で表されるK値が
0.060である以外は実施例1記載の方法と同様の実
験条件で反応を行ったところ、オキシムの選択率は8
6.8%、転化率は8.6%であった。
【0033】
【比較例1】触媒として実施例1記載の触媒を用い、シ
クロヘキシルアミン濃度6.6容量%、空間速度が29
0h-1とし、触媒と反応ガスとの接触時間が7.8秒、
触媒充填層の容量が3.1ml、数式(1)で表される
K値が0.111である以外は実施例1記載の方法と同
様の実験条件で反応を行ったところオキシムの選択率は
73.7%、転化率は4.2%であった。
【0034】
【比較例2】触媒として実施例1記載の触媒を用い、シ
クロヘキシルアミン濃度5.1容量%、空間速度が38
0h-1とし、触媒と反応ガスの接触時間が6.0秒、触
媒充填層の容量が3.1ml、数式(1)で表されるK
値が0.086である以外は実施例1記載の方法と同様
の実験条件で反応を行ったところオキシムの選択率は7
6.2%、転化率は5.9%であった。
【0035】
【比較例3】触媒として実施例3記載の触媒を用い、触
媒量5.3g、酸素濃度3.0容量%、シクロヘキシル
アミン濃度1.7容量%、空間速度が355h-1とし、
触媒と反応ガスの接触時間が6.4秒、触媒充填層の容
量が9.5ml、数式(1)で表されるK値が0.01
8である以外は実施例1記載の方法と同様の実験条件で
反応を行ったところオキシムの選択率は53.1%、転
化率は3.2%であった。
【0036】
【比較例4】触媒として実施例3記載の触媒を用い、触
媒量5.3g、酸素濃度2.9容量%、シクロヘキシル
アミン濃度1.1容量%、空間速度が239h-1とし、
触媒と反応ガスの接触時間が9.5秒、触媒充填層の容
量が9.5ml、数式(1)で表されるK値が0.02
7である以外は実施例1記載の方法と同様の実験条件で
反応を行ったところオキシムの選択率は63.5%、転
化率は5.8%であった。
【0037】
【比較例5】触媒として実施例3記載の触媒を用い、触
媒量4.2g、酸素濃度を6.9容量%シクロヘキシル
アミン濃度を1.7容量%として(酸素/環状脂肪族一
級アミン)のモル比を4.0にし、空間速度が450h
-1とし、触媒と反応ガスの接触時間が5.0秒、触媒充
填層の容量が7.5ml、数式(1)で表されるK値が
0.031である以外は実施例1記載の方法と同様の実
験条件で反応を行ったところオキシムの選択率は78.
5%、転化率は17.4%であった。
【0038】以上の結果をまとめて表1および2に示
す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明により、環状脂肪族一級アミンを
酸化して環状脂肪族オキシムを製造する際に、酸化剤と
して、危険性および取扱いの煩雑さに問題のある過酸化
物を用いることなく、かつ、溶媒を分離する煩雑な操作
を伴わない気相において、高温下、長時間にわたる煩雑
な前処理を必要とせずに反応を行うことができる。そし
て、効率よく、高い選択率でオキシムを得ることが可能
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タングステンの酸化物が、アルミナに坦
    持および/またはこれと組み合わされている触媒の存在
    下、気相において、環状脂肪族一級アミンの濃度が1〜
    20容量%、かつ、(酸素/環状脂肪族一級アミン)の
    モル比率が0.5〜3.5である混合ガス中で、環状脂
    肪族一級アミンと分子状酸素とを反応させてオキシムを
    製造するに際し、数式(1)で表されるK値が0.03
    0〜0.080を満たす条件で反応を行うことを特徴と
    するオキシムの製造方法。 【数1】
  2. 【請求項2】 K値が0.045〜0.055であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のオキシムの製造方法。
  3. 【請求項3】 環状脂肪族一級アミンがシクロヘキシル
    アミンであることを特徴とする請求項1記載のオキシム
    製造方法。
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