JP2003212779A - 抗酸化剤及び皮膚外用剤 - Google Patents

抗酸化剤及び皮膚外用剤

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JP2003212779A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた抗酸化能を有する抗酸化剤及び皮膚外用
剤を提供する。 【解決手段】 烈香杜鵑又は蔵錦鶏児の抽出物をからな
ることを特徴とする抗酸化剤及び該抽出物を含有する皮
膚外用剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗酸化剤及び皮膚
外用剤に関し、詳しくは医薬品、医薬部外品、化粧料、
食品等に添加することが可能な優れた安全性、抗酸化能
を有する抗酸化剤並びに優れた抗酸化能を有する皮膚外
用剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
化粧料、医薬品や食品等にはBHT、BHA等の合成抗
酸化剤や、α−トコフェロール、アスコルビン酸等の様
々な抗酸化剤、また種々の植物抽出物などが用いられて
いる。しかし、安全性の面において懸念されるものもあ
り、また効果の面においても未だ満足のいくものではな
かった。
【0003】本発明者等は、このような状況に鑑み、従
来技術の難点を改良せんとして鋭意研究を重ねた結果、
烈香杜鵑又は蔵錦鶏児の抽出物が優れた抗酸化効果を有
することを見出し、本発明の完成に至った。
【0004】すなわち、本発明の目的は、安全性が高
く、優れた抗酸化能を有する抗酸化剤、及び皮膚外用剤
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、烈香杜鵑又は
蔵錦鶏児の抽出物からなることを特徴とする抗酸化剤、
及び該抽出物を含有する皮膚外用剤を提供することによ
り上記目的を達成するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる烈香杜鵑は、
学名をRhododendron anthopogo
noises Maxim.といい、蔵錦鶏児(蔵錦鶏
儿とも表記される)は、学名をCaragana ju
bata Poir又はCaragana tibet
ica Kom.といい、チベットで生薬として用いら
れてきた。烈香杜鵑は皮膚につやをもたらし、蔵錦鶏児
は降脂血、溶血栓の効果があるとされてきた。
【0007】烈香杜鵑又は蔵錦鶏児の抽出物を得るため
の抽出溶媒は、例えば、水、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等の低級アルコール、1,3−ブチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジプ
ロピレングリコール等の多価アルコール類、又はこれら
の混合物等が挙げられる。これらのうち、水単独、水と
エタノールとの混液、水と1,3−ブチレングリコール
との混液が好ましく、エタノール又は1,3−ブチレン
グリコールと水との比率が1:1〜1:99(体積比)
のものが更に好ましい。抽出は、低温、常温でも加熱し
て行なっても良い。考課の面より低音での抽出が好まし
い。得られた抽出物は、適宜、精製、ろ過しても良く、
また常法により濃縮、乾固して用いても良い。
【0008】烈香杜鵑又は蔵錦鶏児の抽出物の皮膚外用
剤への配合量は、目的、対象とする部位等により千差万
別であり一概に規定できるものではないが、皮膚外用剤
の総量を基準として、一般的には0.001〜10質量
%(以下、単に%と記す)が好ましく、更に好ましくは
0.01〜3%である。
【0009】本発明に係る抗酸化剤は、上記抽出物を、
油脂や溶媒等に溶解又は分散して用いることができる。
そして、医薬品、食品等に一般に用いられる賦型剤等を
適宜用いて顆粒、粉末状とする他、適当な溶剤等を用い
液状、エマルション、クリーム、ペースト等とすること
ができる。また、必要に応じ抗酸化剤と併用することに
より相乗効果を奏することが知られているアスコルビン
酸、クエン酸、コハク酸等の相乗剤を含有すると更に好
ましい。
【0010】本発明の抗酸化剤は、口紅、乳液、クリー
ム等の化粧料や医薬品、医薬部外品等だけでなく、魚
油、ラード、大豆油、あまに油、コーン油、綿実油、パ
ーム油等の動植物を原料とする油脂類や、バター、マー
ガリン、マヨネーズ、ハム、ポテトチップ、揚げせんべ
い、魚肉等の食品等に食味、香り、感触等を損なうこと
なく広く利用できる。
【0011】本発明に係る抽出物を、化粧料に用いる場
合、皮膚化粧料、メイクアップ化粧料、頭髪化粧料、入
浴剤等種々の化粧料に配合でき、剤形としてローショ
ン、クリーム、軟膏、乳液、パップ、ジェル、粉末、顆
粒等種々のものとすることができる。特に本発明の抽出
物は、抗酸化作用を有するため、内容物の酸化を防止す
るだけではなく紫外線等による過酸化物の生成等を抑制
し、しわを始めとする皮膚の老化現象の防止効果が得ら
れる効果を奏することができる。したがって、直接皮膚
に適用される形態が好ましく、特に皮膚化粧料が好まし
い。尚。本発明においては皮膚外用剤とは、頭皮を含む
身体上の皮膚に適用されるもの全てを包含し、例えば、
化粧料、医薬品、医薬部外品等の区別無く、入浴剤をも
包含されるものである。
【0012】
【実施例】以下、実施例について説明する。また、実施
例に示す%は質量%を意味する。なお、本発明は以下の
実施例に限定されるものではない。尚、各抽出物は凍結
乾燥した固形物を用いた。
【0013】試験例1(抗酸化力試験) 0.05mol/L炭酸ナトリウム緩衝液(pH10.
2)2.4mL、3mmol/Lキサンチン0.1m
L、3mmol/L EDTA0.1mL、0.15%
牛血清アルブミン0.1mL、0.75mmol/Lニ
トロブルーテトラゾリウム0.1mLの組成中に、試料
1.5mg/mL濃度の水又は50%エタノール溶液を
0.1mL加え、25℃、10分加温する。そこにバタ
ーミルク由来の250倍希釈キサンチンオキシダーゼ
(シグマ社製)0.1mLを加え、25℃、20分間反
応する。6mmol/L塩化第二銅0.1mL加え、反
応を停止して分光光度計を用いて波長560nmにて吸
光度を測定した。試料溶液の代わりに、水又は50%エ
タノールを0.1mL加えたものの吸光度を、100と
して、抑制率(%)を求めた。
【0014】結果を表1に示す。比較例として、抗酸化
力を持つとされる大花紅景天、亜大黄、鎌形棘豆、蕨麻
の水抽出物又は50%エタノール抽出物についても試験
を行った。本発明に係る抽出物はこれらの比較例に比
べ、優れた抗酸化力を有していることが確認された。
【0015】 表1 抗酸化力試験結果 試料 濃度 阻害率 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 烈香杜鵑水抽出物 0.005% 96.1% (水溶液) 烈香杜鵑50%エタノール抽出物 0.005% 91.9% (50%エタノール抽出物) 蔵錦鶏児水抽出物 0.005% 93.9% (水溶液) 蔵錦鶏児50%エタノール抽出物 0.005% 96.2% (50%エタノール抽出物) 大花紅景天水抽出物 0.005% 55.5% (水溶液) 大花紅景天50%エタノール抽出物 0.005% 51.3% (50%エタノール抽出物) 亜大黄水抽出物 0.005% 62.9% (水溶液) 亜大黄50%エタノール抽出物 0.005% 73.7% (50%エタノール抽出物) 鎌形棘豆水抽出物 0.005% 80.8% (水溶液) 鎌形棘豆50%エタノール抽出物 0.005% 77.8% (50%エタノール抽出物) 蕨麻水抽出物 0.005% 79.0% (水溶液) 蕨麻50%エタノール抽出物 0.005% 77.6% (50%エタノール抽出物)
【0016】実施例1〜8(スキンクリーム) 表2の組成において、表3に記載のごとく抽出物を配合
し、下記の調製法に従いスキンクリームを調製した。
【0017】 (表2) 配合成分 配合量(%) (A)油相 ステアリン酸 7.0 オレイン酸 3.0 ステアリルアルコール 4.0 ステアリン酸モノグリセリンエステル 8.0 抽出物 (表3に記載) エチルパラベン 0.1 ブチルパラベン 0.1 プロピルパラベン 0.1 (B)水相 プロピレングリコール 8.0 グリセリン 2.0 水酸化カリウム 0.4 エデト酸二ナトリウム 0.05 精製水 総量を100とする残量
【0018】 (表3) 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 烈香杜鵑水抽出物 0.5% − − − 烈香杜鵑水抽出物 − 0.1% − − 烈香杜鵑50%エタノール抽出物 − − 0.5% − 烈香杜鵑50%エタノール抽出物 − − − 0.1% 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8 蔵錦鶏児水抽出物 0.5% − − − 蔵錦鶏児水抽出物 − 0.1% − − 蔵錦鶏児50%エタノール抽出物 − − 0.5% − 蔵錦鶏児50%エタノール抽出物 − − − 0.1%
【0019】(調製法)Aの油相部とBの水相部をそれ
ぞれ70℃に加熱し完全溶解した。次にA相にB相を加
えて、乳化機で乳化した。乳化物を冷却し、容器に充填
して本発明に係るスキンクリームを得た。
【0020】実施例1〜8の本発明に係るスキンクリー
ムは皮膚刺激を示さず、経日安定性に優れていることが
確認された。
【0021】実施例9〜20(スキンローション) 表4の組成において、表5に記載のごとく抽出物を配合
し、下記の調製法に従いスキンローションを調製した。
【0022】 (表4) 配合成分 配合量(%) (A) エタノール 10.0 モノラウリン酸ポリオキシエチレン(6)ソルビタン 5.0 香料 0.05 (B) 抽出物 (表5に記載) (C) グリセリン 5.0 キサンタンガム 0.1 ヒドロキシエチルセルロース 0.1 精製水 総量を100とする残量
【0023】 (表5) 実施例9 実施例10 実施例11 烈香杜鵑水抽出物 0.1% − − 烈香杜鵑水抽出物 − 1.0% − 烈香杜鵑水抽出物 − − 3.0% 実施例12 実施例13 実施例14 烈香杜鵑50%エタノール抽出物 0.1% − − 烈香杜鵑50%エタノール抽出物 − 1.0% − 烈香杜鵑50%エタノール抽出物 − − 3.0% 実施例15 実施例16 実施例17 蔵錦鶏児水抽出物 0.1% − − 蔵錦鶏児水抽出物 − 1.0% − 蔵錦鶏児水抽出物 − − 3.0% 実施例18 実施例19 実施例20 蔵錦鶏児50%エタノール抽出物 0.1% − − 蔵錦鶏児50%エタノール抽出物 − 1.0% − 蔵錦鶏児50%エタノール抽出物 − − 3.0%
【0024】(調製法)B成分をC成分中に、均一に溶
解した後、A成分とC成分を均一に混合攪拌、分散し次
いで容器に充填し、本発明に係るスキンローションを得
た。
【0025】実施例9〜20の本発明に係るスキンロー
ションは皮膚刺激を示さず、経日安定性に優れているこ
とが確認された。
【0026】実施例21〜32(口紅) 表6の組成において、表7に記載のごとく抽出物を配合
し、下記の調製法に従い口紅を調製した。
【0027】 (表6) 配合成分 配合量(%) (A) パラフィン 16.0 ポリブテン 10.0 ワセリン 20.0 オクチルドデカノール 10.0 流動パラフィン 総量を100とする残量 (B) 赤色201号 1.0 赤色202号 0.5 黄色4号アルミニウムレーキ 0.3 黒酸化鉄 0.1 (C) 抽出物 (表7に記載)
【0028】 (表7) 実施例21 実施例22 実施例23 烈香杜鵑水抽出物 0.01% − − 烈香杜鵑水抽出物 − 0.3% − 烈香杜鵑水抽出物 − − 3.0% 実施例24 実施例25 実施例26 烈香杜鵑50%エタノール抽出物 0.01% − − 烈香杜鵑50%エタノール抽出物 − 0.3% − 烈香杜鵑50%エタノール抽出物 − − 3.0% 実施例27 実施例28 実施例29 蔵錦鶏児水抽出物 0.01% − − 蔵錦鶏児水抽出物 − 0.3% − 蔵錦鶏児水抽出物 − − 3.0% 実施例30 実施例31 実施例32 蔵錦鶏児50%エタノール抽出物 0.01% − − 蔵錦鶏児50%エタノール抽出物 − 0.3% − 蔵錦鶏児50%エタノール抽出物 − − 3.0%
【0029】(調製法)A成分を90℃で均一に溶解
し、B成分を加えて混練りした。90℃に再び溶解し、
脱気してからC成分を加え金型に流し込み冷却成形し、
容器にさし、本発明に係る口紅を得た。
【0030】実施例21〜32の本発明に係る口紅は皮
膚刺激を示さず、経日安定性に優れていることが確認さ
れた。
【0031】
【発明の効果】本発明に係る抗酸化剤及び皮膚外用剤
は、優れた抗酸化能を有し非常に有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/00 A61K 7/00 N 7/025 7/025 A61P 17/00 A61P 17/00 39/06 39/06 (72)発明者 山口 さゆり 神奈川県小田原市寿町5丁目3番28号 カ ネボウ株式会社基礎科学研究所内 Fターム(参考) 4B021 MC03 MK05 MP01 MQ04 4C083 AA111 AA112 AB032 AB052 AB232 AC012 AC022 AC072 AC122 AC242 AC252 AC422 AC442 AC482 AC532 AC792 AC852 AC932 AD282 AD352 BB51 CC04 CC05 CC13 DD23 DD27 DD31 EE11 4C088 AB44 AB59 BA09 BA10 CA03 MA17 MA28 MA63 ZA89 ZC02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 烈香杜鵑又は蔵錦鶏児から得られる抽出
    物からなる抗酸化剤。
  2. 【請求項2】 烈香杜鵑又は蔵錦鶏児から得られる抽出
    物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7514106B2 (en) * 2006-03-30 2009-04-07 Yangsen Biotechnology Co., Ltd. Compositions and methods for uterine relaxing
JP2010083786A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Maruzen Pharmaceut Co Ltd 抗老化剤及び皮膚化粧料
CN101310705B (zh) * 2007-05-21 2011-09-28 贾磊 祛斑美白化妆品添加剂及其制备方法

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