JP2003212591A - 陰極線管パネル用母材ガラス、陰極線管用パネルおよびその製造方法 - Google Patents

陰極線管パネル用母材ガラス、陰極線管用パネルおよびその製造方法

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JP2003212591A
JP2003212591A JP2002017308A JP2002017308A JP2003212591A JP 2003212591 A JP2003212591 A JP 2003212591A JP 2002017308 A JP2002017308 A JP 2002017308A JP 2002017308 A JP2002017308 A JP 2002017308A JP 2003212591 A JP2003212591 A JP 2003212591A
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glass
ray tube
panel
cathode
cathode ray
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JP2002017308A
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Yoichi Hachitani
洋一 蜂谷
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Hoya Corp
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Hoya Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/095Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing rare earths
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/062Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な溶融成形性と陰極線管パネルとして必
要な特性を備えた陰極線管パネル用母材ガラスおよび陰
極線管用パネルを提供する。 【解決手段】 化学強化して陰極線管パネルガラスに用
いられる母材ガラスであって、モル%表示で、SiO2
45〜70%、Al23 0.1〜20%、Li2
7〜20%、Na2O 0.1〜20%、SrO 1
〜13%、TiO20.1〜3%、ZrO2 0.1〜1
0%およびCeO2 0.01〜1%を含み、かつ
(1)103Pa・sの粘度を示す温度が980℃以下
である、あるいは(2)MgOおよびCaOを含まない
陰極線管パネル用母材ガラス、およびこの母材ガラスか
らなる成形体を化学強化して得られた陰極線管用パネル
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管パネル用
母材ガラス、陰極線管用パネルおよびその製造方法に関
する。さらに詳しくは、本発明は、陰極線管(以下、C
RTと略記することがある。)パネルやCRTプロジェ
クターパネルなどに用いられる母材ガラス、特に該パネ
ルを肉薄化することによって軽量化、輝度向上などを図
ることのできるパネル用母材ガラス、この母材ガラスか
らなる成形体を化学強化して得られた陰極線管用パネ
ル、およびこのものを効率よく製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】CRTパネル用母材ガラスには、電子線
照射により発生するX線を吸収遮断する性質、耐着色性
(耐ブラウニング性)などが求められている。さらに近
年、CRTの大型化によってパネルの軽量化に対する要
求も強くなっている。近年登場したパネル部分を平面ガ
ラスで作製した平面CRTなどの用途のような形状で
は、従来の湾曲したパネルとは異なり、ガラス自体によ
り高い強度が求められる。
【0003】上記の要求を満たすため、本発明者は先に
ヤング率が高いCRT用母材ガラスや、高いイオン交換
効率を有し、化学強化により優れた機械強度が得られる
CRT用母材ガラスを見出した(特願2000−390
96号および特願平2000−165917号)。しか
し、これらのガラスはヤング率、イオン交換効率の向上
に主眼が置かれており、陰極線管用パネルを高生産性の
もとに製造する際、ポイントとなるガラスの溶融成形性
については改善の余地があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、良好な溶融成形性と陰極線管パネルとし
て必要な特性を備えた陰極線管パネル用母材ガラス、こ
の母材ガラスから得られた陰極線管用パネル、およびそ
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の組成、あ
るいは特定の組成と特定の溶融粘性を有するガラスが陰
極線管パネル用母材ガラスとしてその目的に適合し得る
こと、そしてこの母材ガラスからなる成形体を化学強化
することにより、所望の陰極線管用パネルが得られるこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
【0006】すなわち、本発明は、 (1)化学強化して陰極線管パネルガラスに用いられる
母材ガラスであって、モル%表示で、SiO2 45〜
70%、Al23 0.1〜20%、Li2O 7〜2
0%、Na2O 0.1〜20%、SrO 1〜13
%、TiO2 0.1〜3%、ZrO2 0.1〜10%
およびCeO2 0.01〜1%を含み、かつ103Pa
・sの粘度を示す温度が980℃以下であることを特徴
とする陰極線管パネル用母材ガラス(以下、母材ガラス
Iと称す。)、
【0007】(2)化学強化して陰極線管パネルガラス
に用いられる母材ガラスであって、モル%表示で、Si
2 45〜70%、Al23 0.1〜20%、Li2
O 7〜20%、Na2O 0.1〜20%、SrO
1〜13%、TiO2 0.1〜3%、ZrO2 0.1
〜10%およびCeO2 0.01〜1%を含み、かつ
MgOおよびCaOを含まないことを特徴とする陰極線
管パネル用母材ガラス(以下、母材ガラスIIと称
す。)、
【0008】(3)液相温度が900℃以下である上記
(1)または(2)項に記載の陰極線管パネル用母材ガ
ラス、 (4)上記(1)、(2)または(3)項に記載の母材
ガラスからなる成形体を化学強化して得られたことを特
徴とする陰極線管用パネル、および (5)軟化状態にある上記(1)、(2)または(3)
項に記載の母材ガラスを、陰極線管用パネルの形状に成
形してガラス成形体を作製し、次いで化学強化すること
を特徴とする陰極線管用パネルの製造方法、を提供する
ものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の陰極線管パネル用母材ガ
ラスは、化学強化して陰極線管パネルガラスに用いら
れ、良好な溶融成形性を有し、かつ軽量CRTパネルと
しての特性を兼ね備えているものであって、母材ガラス
Iおよび母材ガラスIIの2つの態様がある。
【0010】まず、母材ガラスIは、モル%表示で、S
iO2 45〜70%、Al230.1〜20%、Li2
O 7〜20%、Na2O 0.1〜20%、SrO
1〜13%、TiO2 0.1〜3%、ZrO2 0.1
〜10%およびCeO20.01〜1%を含み、かつ1
3Pa・sの粘度を示す温度が980℃以下のガラス
である。
【0011】従来のCRT用母材ガラスは、プレス成形
温度が1100℃前後であり、その温度におけるガラス
の粘度は102〜103Pa・sであった。これに対し、
本発明の母材ガラスIは、103Pa・sの粘度を示す
温度が980℃以下であり、しかも失透しにくく液相温
度も低いことから成形温度を下げることができる。以下
に説明する諸特性の付与を考慮すると、103Pa・s
の粘度を示す温度は、880〜980℃が好ましく、8
90〜980℃がより好ましく、890〜960℃が特
に好ましい。
【0012】一方、母材ガラスIIは、モル%表示で、
SiO2 45〜70%、Al230.1〜20%、L
2O 7〜20%、Na2O 0.1〜20%、SrO
1〜13%、TiO2 0.1〜3%、ZrO2 0.1
〜10%およびCeO20.01〜1%を含み、かつM
gOおよびCaOを含まない組成を有するガラスであ
る。
【0013】MgOおよびCaOは、ガラスの液相温度
を上昇させる成分であり、ガラスの成形性を向上させる
ためには、液相温度を低下させることが望まれる。した
がって、この母材ガラスIIにおいては、ガラス成分と
して、MgOおよびCaOは含まない。このように、M
gOおよびCaOを排除することにより、液相温度を下
げ得ると共に、103Pa・sの粘度を示す温度を98
0℃以下にすることが可能となる。本発明の母材ガラス
(IおよびII、以下同様)においては、液相温度を9
00℃以下とすることが好ましく、以下に説明する諸特
性の付与を考慮すると、700〜900℃とすることが
より好ましい。
【0014】本発明の母材ガラスの化学強化処理におけ
るイオン交換効率は非常に高く、例えば4時間の処理で
圧縮応力層は実質的に100μm以上であり、#150
サンドペーパーによる加傷条件下において、300MP
a以上の曲げ強度を示す。従来の物理強化ガラスは同じ
条件下での加傷強度は70MPa程度であるので、4倍
以上の強度を示す。本発明の母材ガラスの比重は2.5
〜2.8であり、従来のものと同等以下であり、薄板化
できることにも相まって軽量化に適している。より好ま
しい比重の範囲は2.5以上2.8未満である。
【0015】次に本発明のCRT用母材ガラスの好まし
い組成範囲について述べる。以下、各成分の含有量はモ
ル%表示とする。SiO2はガラスの基本成分であり、
45%未満では耐失透性、化学的耐久性が悪化する。逆
に70%を越えると溶融が困難になる。したがってSi
2の含有量は45〜70%に限定される。好ましくは
50〜60%である。
【0016】Al23はガラスの耐失透性、化学的耐久
性を向上させる成分であるが、0.1%未満ではその効
果がなく、逆に20%を越えると耐失透性が悪化する。
したがってAl23の含有量は0.1〜20%に限定さ
れる。好ましくは5〜15%である。Li2Oはガラス
表層部でイオン交換処理浴中の主としてNaイオンとイ
オン交換されることにより、ガラスを化学強化するため
の成分であるが、7%未満ではその効果が小さく、20
%を越えると耐失透性と化学的耐久性が低下する。した
がってLi2Oの含有量は7〜20%に限定される。L
2OはX線吸収係数を下げる成分でもあるので、好ま
しくは10〜15%である。
【0017】Na2Oはガラス表層部でイオン交換処理
浴中の主としてKイオンとイオン交換されることによ
り、ガラスを化学強化するための成分である。0.1%
未満ではその効果がなく、20%を越えると耐失透性と
化学的耐久性が低下する。したがってNa2Oの含有量
は0.1〜20%に限定される。またNa2OもX線吸
収係数を下げる成分でもあるので、好ましくは5〜15
%である。
【0018】SrOはX線吸収係数を高める効果が著し
い成分である。1%未満では効果が小さく、逆に15%
を越えるとヤング率が低下する。したがって、SrOの
含有量は1〜15%に限定される。好ましい含有量は5
〜10%である。TiO2はガラスの紫外線着色を防止
すると共に、ヤング率とX線吸収係数を向上させる成分
である。0.1%未満では効果がなく、逆に1%を越え
るとガラスが黄色く着色しやすい。したがってTiO2
の含有量は0.1〜3%に限定される。好ましい範囲は
0.1〜1%である。
【0019】ZrO2もガラスのヤング率とX線吸収係
数を向上させる成分である。0.1%未満では効果がな
く、逆に10%を越えると耐失透性が低下する。したが
ってZrO2の含有量は0.1〜10%に限定される。
好ましい含有量は1〜5%である。CeO2は電子線に
よる着色を防止する成分である。0.01%未満では効
果がなく、逆に1%を越えるとガラスが黄色に着色しや
すい。したがってCeO2の含有量は0.01〜1%に
限定される。
【0020】上記各成分は、本発明の母材ガラスにおけ
る必須成分である。次に任意成分について説明する。K
2OはX線による着色を防止する成分であるので添加す
ることができる。しかし8%を越えると、イオン交換の
効率が低下する傾向になるので、K2Oの含有量は8%
以下とすることが好ましく、0〜5%とすることがより
好ましい。
【0021】MgOおよびCaOは、母材ガラスIIに
おいて説明したとおりであり、母材ガラスIにおいても
含まないことが肝要である。Sb23は清澄剤として含
有することができるが、外割りで1%を越えると逆に清
澄が困難となる。したがってSb23の含有量は外割り
で0から2%とする。好ましくは0.01〜0.5%で
ある。
【0022】この他、BaO、ZnO、La23、B2
3、Y23、Nb25、SnO2およびFなどを、溶融
性の向上、清澄、熱膨張係数やX線吸収係数、ヤング率
の向上、イオン交換速度の調整、ブラウニングの防止な
どの目的で適宜用いることができる。さらにNi、C
o、Fe、Mn、V、Cu、Crの中から選ばれる1種
または複数種のガラス成分を透過率の調整の目的で適宜
用いることができる。
【0023】各成分について上記好ましい範囲、より好
ましい範囲の任意の組合わせによって、上述したより好
ましい性質をガラスに付与することができるが、中でも
モル%表示で、SiO2 50〜60%、Al23
〜15%、Li2O 10〜15%、Na2O 5〜15
%、SrO 5〜10%、TiO2 0.1〜1%、Z
rO2 1〜5%、CeO2 0.01〜1%およびK2
O 0〜5%を含むと共に、外割りでSb23 0.0
1〜0.5%を含むガラスが特に好ましい。
【0024】さらに、Sb23を除き、SiO2、Al2
3、Li2O、Na2O、SrO、BaO,TiO2、Z
rO2、CeO2の合計含有量が95%以上のものが好ま
しく、98%以上のものがより好ましく、100%のも
のがさらに好ましい。また、Sb23を除き、Si
2、Al23、Li2O、Na2O、SrO、TiO2
ZrO2、CeO2の合計含有量が95%以上のものも好
ましく、98%以上のものもより好ましく、100%の
ものもさらに好ましい。
【0025】本発明の母材ガラスの作製方法としては特
に制限はなく、従来慣用されている方法を用いることが
できる。例えば、ガラス原料として酸化物、水酸化物、
炭酸塩、硝酸塩、塩化物、硫化物などを適宜用い、所望
の組成になるように秤量し、混合して調合原料とする。
これを耐熱坩堝に入れ1300〜1450℃程度の温度
で溶融し、撹拌、清澄して均質な溶融ガラスとする。次
いでガラスを成形枠に鋳込み、ガラスブロックを形成す
る。あるいはCRT形状にプレス成形する。ガラスの徐
冷点近くに加熱した炉に移し、室温まで冷却する。徐冷
して得られたガラスブロックはスライス、研磨などが施
される。
【0026】本発明の陰極線管用パネルは、前述の母材
ガラスからなる成形体を化学強化して得られたものであ
って、この化学強化は、研磨を施したガラス成形体をア
ルカリ溶融塩中においてイオン交換処理することによ
り、行うことができる。このイオン交換処理について
は、従来の化学強化ガラスのイオン交換処理と同じ手法
が用いられる。溶融塩の組成は、ガラス組成に応じた公
知のものを選択する。所定時間浸漬した後、取り出して
洗浄する。
【0027】応力歪み層の厚さは精密歪み計を用いたバ
ビネ補正法または偏光顕微鏡を用いる方法などで求める
ことができる。精密歪み計を用いたバビネ補正法に関し
ては、市販されている測定装置を用いればよい。偏光顕
微鏡を用いる方法は、まずガラス試料のイオン交換表面
に垂直に切断し、その断面を厚さ0.5mm以下になる
よう薄く研磨した後、偏光顕微鏡にて研磨面に垂直に偏
光を入射し直行ニコルにて観察する。強化ガラスは表面
近傍に歪み層が形成されるため、表面から明るさや色の
変化している部分の距離を測定することによって歪み層
厚さを測定することができる。
【0028】本発明の母材ガラスは、物理強化を施さ
ず、化学強化によって強化ガラスを得るのに適してい
る。化学強化ガラスと物理強化ガラスの差異は、ガラス
パネル表面近傍に含まれる金属イオンの分布を調べれば
分かる。よりイオン半径が大きな金属イオン(例えばア
ルカリ金属イオン)とよりイオン半径が小さいな金属イ
オン(例えばアルカリ金属イオン)の深さの分布を調べ
る。(よりイオン半径が大きな金属イオンの密度)/
(よりイオン半径が小さな金属イオンの密度)が、ガラ
スの深層部(例えば、ガラスの厚みの半分の深さの部
分)よりも表面に近い部分の方が大きく、曲げ強度も本
発明の範囲に入っていれば、イオン交換による化学強化
が行われたものであることが分かる。
【0029】次に、本発明の陰極線管用パネルの製造方
法について説明する。まず、目的とするパネル形状を転
写するための一対の金型を用意し、その金型成形面に所
望量の溶融ガラス(母材ガラス)を供給する。次にこの
ガラスが軟化状態にある間に一対の金型によりガラスを
プレスして金型形状を転写し、母材ガラスを目的とする
形状に成形する。成形後、該ガラスの温度がガラス転移
温度付近まで低下してから成形体を金型から取出し、徐
冷して歪みを除く。この工程において、失透させること
なく母材ガラスをプレス成形可能な状態で金型に供給す
ることが必要になるが、103Pa・sの粘度を示す温
度が980℃以下の前述した母材ガラスを用いることに
より、容易に上記目的を達成することができる。さら
に、該母材ガラスのうち液相温度が900℃以下のガラ
スを用いることにより、失透を防止しつつさらに容易な
プレス成形が可能になる。
【0030】なお、上記の成形方法は金型に溶融ガラス
を供給するものであるが、所望の量のガラスを加熱、軟
化して金型に供給し、プレス成形、徐冷してもよい。徐
冷されたガラス成形体は、前述した方法により化学強化
されて陰極線管パネルとなる。なお、徐冷されたガラス
成形体には化学強化前に必要に応じて表面に研削や研磨
加工を施してもよい。得られたパネルは公知の方法によ
り陰極線管に組立てられる。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 実施例1〜4および比較例1、2 酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、硫酸塩な
どの原料を表1の組成になるように秤量して混合した調
合原料を、白金坩堝などの耐熱容器に入れ、1400℃
に加熱、溶融、撹拌し、均質化、清澄を行った後、鋳型
に流し込んだ。ガラスが固化した後、ガラスの徐冷点近
くに加熱しておいた電気炉に移し、室温まで徐冷した。
【0032】得られたガラスブロックから、65×10
×1mmの両面研磨試料を作製し、下記のようにイオン
交換処理を行った。溶融塩として、重量比でNaN
3:KNO3=4:6の組成のものを使用し、360〜
460℃で保持した溶融塩中に、前記ガラス試料を所定
時間浸漬した後、取り出して洗浄した。
【0033】表1にガラス組成と各種測定データを示
す。なお、表1におけるSb23の含有量は外割り表示
である。また、各特性値は以下に示す方法に従って測定
した。X線吸収係数は作製したガラスに波長0.06n
mのX線を入射し、ガラス反対面から50mm離れた位
置の透過線量を測定し吸収係数を計算したものである。
【0034】加傷強度はイオン交換した試料の片面にJ
IS規格#150サンドペーパーで均一に傷を付け、加
傷した面に引っ張り応力がかかるように荷重をかけなが
らJIS−R1601の3点曲げ試験に準じて測定し
た。応力歪み層の厚さは、イオン交換した試料の断面を
研磨し、偏光顕微鏡にて測定した。
【0035】ガラスの粘度の測定は、JIS規格Z88
03、共軸二重円筒形回転粘度計による測定法を用い
た。液相温度の測定は、400〜1100℃の温度勾配
のついた失透試験炉に1時間保持し、倍率80倍の顕微
鏡により結晶の有無を確認することにより行った。
【0036】熱膨張係数の測定は、熱機械分析装置(T
MA)により行った。ヤング率の測定は、シングアラウ
ンド式音速測定装置を用いてガラス中を伝播する横波音
速と縦波音速を測定することにより行った。実施例1と
比較例1と比較例2の粘度曲線を図1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】実施例1〜4の母材ガラスはX線吸収係数
が28以上、加傷強度が300MPa以上であった。し
かも103Pa・sの粘度を示す温度は従来のガラスに
比べて50〜100℃低いため、溶融成形性に優れる。
このように、溶融成形性に優れ、陰極線管パネルとして
必要な諸特性を有するガラスを得ることができた。
【0039】実施例5 実施例1〜4の母材ガラスが得られる溶融ガラスをそれ
ぞれ用意し、パネルの重量に相当する重量の溶融ガラス
を金型成形面上に供給し、前述のように前記金型を含む
一対の金型によりプレス成形した。次いで成形体を変形
しない温度にまで冷却した後、徐冷炉へ移して徐冷し、
歪みを取除いた。除歪された成形品を上記の方法により
化学強化して、陰極線管ガラスパネルを作製した。使用
した母材ガラスは耐失透性、溶融成形性に優れているの
で、失透を防止しつつ容易にパネルを製造することがで
きるので、良品を高い生産性のもとに生産することがで
きる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、良好な溶融成形性と陰
極線管パネルとして必要な特性を有する陰極線管パネル
用母材ガラス、および前記母材ガラスに化学強化を施す
ことにより得られる陰極線管用パネル、ならびに前記パ
ネルの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、比較例1および比較例2で得られた
母材ガラスの粘度曲線を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年1月10日(2003.1.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】SrOはX線吸収係数を高める効果が著し
い成分である。1%未満では効果が小さく、逆に15%
を越えるとヤング率が低下する。したがって、SrOの
含有量は1〜15%に限定される。好ましい含有量は5
〜10%である。TiO2はガラスの紫外線着色を防止
すると共に、ヤング率とX線吸収係数を向上させる成分
である。0.1%未満では効果がなく、逆に%を越え
るとガラスが黄色く着色しやすい。したがってTiO2
の含有量は0.1〜3%に限定される。好ましい範囲は
0.1〜1%である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G059 AA07 AB01 AC16 HB03 HB13 HB14 4G062 AA03 BB01 DA05 DA06 DB02 DB03 DB04 DC01 DD01 DE01 DF01 EA03 EA04 EB02 EB03 EB04 EC01 ED01 EE01 EF03 EF04 EG01 FA01 FB02 FB03 FC02 FC03 FD01 FE01 FF01 FF02 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL02 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH04 HH05 HH07 HH08 HH09 HH10 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ04 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 NN32 NN33 NN40 5C012 AA02 BB01 5C032 AA02 AA03 BB03 BB04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学強化して陰極線管パネルガラスに用
    いられる母材ガラスであって、モル%表示で、SiO2
    45〜70%、Al23 0.1〜20%、Li2
    7〜20%、Na2O 0.1〜20%、SrO 1
    〜13%、TiO2 0.1〜3%、ZrO2 0.1〜
    10%およびCeO2 0.01〜1%を含み、かつ1
    3Pa・sの粘度を示す温度が980℃以下であるこ
    とを特徴とする陰極線管パネル用母材ガラス。
  2. 【請求項2】 化学強化して陰極線管パネルガラスに用
    いられる母材ガラスであって、モル%表示で、SiO2
    45〜70%、Al23 0.1〜20%、Li2
    7〜20%、Na2O 0.1〜20%、SrO 1
    〜13%、TiO2 0.1〜3%、ZrO2 0.1〜
    10%およびCeO2 0.01〜1%を含み、かつM
    gOおよびCaOを含まないことを特徴とする陰極線管
    パネル用母材ガラス。
  3. 【請求項3】 液相温度が900℃以下である請求項1
    または2に記載の陰極線管パネル用母材ガラス。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載の母材ガラ
    スからなる成形体を化学強化して得られたことを特徴と
    する陰極線管用パネル。
  5. 【請求項5】 軟化状態にある請求項1、2または3に
    記載の母材ガラスを、陰極線管用パネルの形状に成形し
    てガラス成形体を作製し、次いで化学強化することを特
    徴とする陰極線管用パネルの製造方法。
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