JP2003211590A - 複合成形体及びその製造方法 - Google Patents

複合成形体及びその製造方法

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JP2003211590A JP2002017932A JP2002017932A JP2003211590A JP 2003211590 A JP2003211590 A JP 2003211590A JP 2002017932 A JP2002017932 A JP 2002017932A JP 2002017932 A JP2002017932 A JP 2002017932A JP 2003211590 A JP2003211590 A JP 2003211590A
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Osamu Kakigi
修 柿木
Daisuke Sanada
大輔 真田
Takao Kondo
隆夫 近藤
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    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアセタール系樹脂成形体とポリオレフィ
ン系樹脂からなる成形体とが高い接着力で接着した複合
成形体を提供する。 【解決手段】 ポリアセタール系樹脂からなるポリアセ
タール系樹脂成形体と、ポリオレフィン系樹脂からなる
ポリオレフィン系樹脂成形体とが接着した複合成形体で
あって、前記ポリアセタール系樹脂成形体は、ポリアセ
タール系樹脂と、前記ポリアセタール系樹脂100重量
部に対して0.01〜10重量部のパラフィンワックス
及び/又はポリエチレンワックスとを含有し、前記ポリ
アセタール系樹脂成形体における前記ポリオレフィン系
樹脂成形体との接着面が、表面処理されていることを特
徴とする複合成形体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアセタール系
樹脂成形体とポリオレフィン系樹脂成形体とが接着し
た、機能的で、機械的特性及び耐熱性等の性能に優れる
有用な複合成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタール樹脂は、優れた機械的強
度、摺動性、耐熱性、耐薬品性、成形性、電気的特性を
有している為、エンジニアリングプラスチックとして広
い分野で利用されている。しかし、ポリアセタール樹脂
は、耐酸性、接着性、塗装性、印刷適性、染色性或いは
耐候性などの点で必ずしも十分に満足できるものではな
い。そのため、ポリアセタール樹脂と他の熱可塑性樹脂
とを複合化した成形品、即ち、ポリアセタール樹脂の欠
点が熱可塑性樹脂によって補われるとともに、ポリアセ
タール樹脂の優れた特性をそのまま維持する、双方の樹
脂の利点を有効に発現した成形品が期待されている。し
かしながら、ポリアセタール樹脂は、他の材料との接着
性が極めて小さい為、他の熱可塑性樹脂と接着した場合
に、剥離してしまうなどの問題があり、双方の樹脂の優
れた特性を併せもつ複合品を安定的に作製することは困
難である。複合化しようとする熱可塑性樹脂成形品の接
合面に、ポリオレフィン系樹脂が露出していると、特に
接着性が低くなる。
【0003】ポリアセタール樹脂の接着性を改善するた
めには、ポリアセタールに官能基を導入して変性するの
が有効である。ポリアセタールへの官能基導入方法とし
ては、例えば、特公昭43−23467号公報には、ア
ミノアルデヒドを共重合モノマーとして用い、アミノ基
を導入する方法が提案されている。特公昭47−194
25号公報には、ニトロ基を有する環状エーテル又は環
状アセタールを共重合モノマーとして用い、還元により
ニトロ基をアミノ基に変換する方法が開示されている。
又、特開平3−21618号公報及び特開平3−216
19号公報には、共重合モノマーを用いてヒドロキシル
基などを有するポリアセタール共重合体を製造すること
が提案され、特開平5−25238号公報には、カルボ
キシル基、アミド基などを有する環状エーテル又は環状
ホルマールをトリオキサンと共重合することが提案され
ている。さらに、特開平8−127631号公報には、
ポリアセタール樹脂と重合性化合物とを溶融混練するこ
とにより変性基を導入する方法が開示されている。しか
しながら、これらの変性基が導入されたポリアセタール
樹脂(変性ポリアセタール)であっても、他の熱可塑性
樹脂に対する接着性が低く、積層等により複合化するこ
とは困難である。
【0004】さらに、特開平03−223322号公報
には、ビニル重合体基の片末端に1〜4個のヒドロキシ
ル基、カルボキシル基、アミノ基、エステル基、アルコ
キシ基のいずれかの官能基を有する特定の化合物を分子
量調整剤とし、ホルムアルデヒド又はトリオキサンを、
必要に応じて環状エーテルと共に共重合させることによ
り、塗装、印刷が良好な表面加飾性を賦与する方法が記
載されている。しかしながら、この方法では、特殊な構
造の高分子化合物を分子量調整剤として使用する為、相
対的に反応速度が下がり、生産性が低下するという問題
がある。さらに、接着性改善効果も十分ではない。一
方、特開平10−29276号公報には、ポリアセター
ル樹脂中に、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物
基、ヒドロキシル基、アミド基、アミノ基及びイソシア
ネート基よりなる群から選択された少なくとも1種の変
性基を有する重合性化合物の残基が、ポリアセタール成
分に対して導入された特殊な変性ポリアセタールを含有
させることにより、ポリオレフィン系樹脂との密着性を
改善したポリアセタール樹脂とポリオレフィン系樹脂と
の積層体及びその製造方法が開示されている。しかしな
がら、前記方法で使用される変性ポリアセタールは、官
能基を側鎖又は末端に有する重合性ポリアセタールと、
エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシ
ル基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基等の変
性基を有する重合性化合物とを、ラジカル発生剤(重合
開始剤)の存在下で加熱(溶融混練)することにより製
造するため、製造工程が煩雑であるばかりか、ラジカル
発生剤を使用するので、反応の制御が難しく、均一な製
品を提供するのが困難である。さらに、これらの方法
は、ポリアセタール樹脂を重合時に変性するものであ
り、変性のし易さという点では有利なものの、ポリアセ
タール樹脂の高い結晶性や結晶化速度の速さに基づく優
れた性能、即ち、機械的性質、耐熱性、耐薬品性或いは
易形性等を犠牲にしてしまうという問題がある。
【0005】又、別の改良手段として、ポリアセタール
樹脂にある特定の化合物を接触又は溶融混練することに
より、接着性を向上させる方法も検討されている。例え
ば、特表平03−503655号公報には、ポリオレフ
ィンやポリアセタール等のポリマーの表面に、酸化性酸
溶液による溶蝕、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理
等の表面処理を行った後に、該表面と(多)官能アジリ
ジン又はカルボジイミド化合物を液体接触させることに
より、ポリマー表面の表面エネルギー及び親水性を高め
ることが記載されている。この方法は基体の性質はその
ままに、表面性能のみを著しく向上させるという点で、
優れた方法である。しかし、一方で、液体の(多)官能
アジリジン又はカルボジイミド化合物を使用する為、廃
液処理といった環境的な問題がある。又、特開平11−
91040号公報には、ポリアセタール樹脂に1級又は
2級アミノ基を有するアルキレングリコール系重合体を
含有させることにより、接着性を改良したポリアセター
ル樹脂とポリオレフィン系樹脂との積層体及びその製造
方法が開示されている。さらに、特開平10−2314
56号公報には、ピペリジン骨格を有するヒンダードア
ミン系化合物をブレンドしたポリアセタール樹脂等の難
接着性材料を、表面処理を施すことなく、α−シアノア
クリレート系接着剤により強固に接着する方法が例示さ
れている。しかしながら、これら接着性を改善する為の
アミノ化合物は、ポリアセタール樹脂との相溶性が良く
ない為、接着力も十分でない。又、これらの方法の多く
は、接着剤としてシアノアクリレート系、エポキシ系又
はウレタン系等の熱硬化性樹脂を主体とする接着剤を用
いており、接着剤の添加により比較的高い接着力が得ら
れるものの、使用環境下における温度変化が大きい場合
や歪み量の大きい複合成形品を製造する場合には、接着
力が不十分で、剥離してしまう等の問題がある。
【0006】樹脂組成物そのものの接着性を改善するた
めの検討と同様、高い接着力で双方の成形品を接合可能
な接合方法についての検討も重要である。特開2000
−1451号公報には、ポリアセタールを含む樹脂組成
物と、酸無水物基やカルボキシル基等の酸性基を有する
熱可塑性樹脂とを加熱下に接触させることにより、ポリ
アセタール樹脂組成物と酸性基を有する熱可塑性樹脂か
らなるポリアセタール複合体の製造方法が記載されてい
る。しかしながら、このポリアセタール複合体の製造方
法においては、高い密着力を付与するために、接着時に
ポリアセタール樹脂を含む樹脂組成物を230℃以上に
加熱しなければならず、ポリアセタール樹脂の分解によ
って多量のホルムアルデヒドガスが発生する。又、接着
に要する時間も長く、生産性に問題がある。又、特開2
000−108205号公報には、ポリアセタール樹脂
からなる1次成形品に熱可塑性樹脂からなる2次成形品
を2次成形する前に、2次成形品と接触する1次成形品
の表面を1.5倍以上に粗面加工するという複合成形品
の製造方法が記載されている。しかしながら、本プラス
チック複合成形品は極性官能基を多く含み、非常に接着
性に富む熱可塑エラストマーとの複合成形品であり、官
能基を含まないポリオレフィン樹脂との複合成形品に関
する記載が全くない。さらに加えて、複合成形品を製造
する方法が射出成形法によるものなので、1次成形品が
大型である場合には金型中に収納することができない、
又は1次成形品が中空形状である場合には、2次成形時
の射出圧によって変形して不具合が生じるといった、形
状的な制約が大きいという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ポリ
アセタール系樹脂成形体とポリオレフィン系樹脂成形体
とが高い密着力で接着した複合成形体、及び該複合成形
体を容易に製造可能な製造方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、ポリアセタール系樹脂の優れた特
性(例えば、機械的強度、耐薬品性、耐熱性など)を損
なうことなく、ポリオレフィン系樹脂成形体と複合化し
た複合成形体及び該複合成形体を容易に製造可能な製造
方法を提供することにある。本発明の更に他の課題は、
成形加工性の高い汎用的な複合成形体及び該成形体を容
易に製造可能な製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ポリアセター
ル系樹脂にパラフィンワックス及び/又はポリエチレン
ワックスを配合した材料を用いるとともに、ポリアセタ
ール樹脂成形品の接着面に表面処理を施すことにより、
ポリアセタール樹脂成形体のポリオレフィン系樹脂成形
体への接着性が顕著に高くなることを見出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。ポリアセタール
樹脂にパラフィンワックス及び/又はポリエチレンワッ
クスを添加することによって、無添加品に比べて接着性
が向上する理由の詳細については、明らかではないが、
パラフィンワックスやポリエチレンワックスとポリオレ
フィン系樹脂との親和性が極めて高いので、これらを配
合することによって、ポリアセタール系樹脂成形品のポ
リオレフィン系樹脂成形品に対する親和性が向上し、双
方を融着した場合に、強固に接着するものと考えられ
る。さらに、前記パラフィンワックス及びポリエチレン
ワックスは、ポリアセタール樹脂中における分散径が比
較的小さいために、相対的に界面強度が高くなっている
ことに加え、表面処理によって、前記パラフィンワック
スやポリエチレンワックスが表面局在化することと相ま
って、接着に寄与する表面積が広くなること等が接着性
向上の原因と考えられる。
【0009】即ち、前記課題を解決するため、本発明の
複合成形体は、ポリアセタール系樹脂からなるポリアセ
タール系樹脂成形体と、ポリオレフィン系樹脂組成物か
らなるポリオレフィン系樹脂成形体とが接着した複合成
形体であって、前記ポリアセタール系樹脂成形体は、ポ
リアセタール系樹脂と、前記ポリアセタール系樹脂10
0重量部に対して0.01〜10重量部のパラフィンワ
ックス及び/又はポリエチレンワックスとを含有し、前
記ポリアセタール系樹脂成形体における前記ポリオレフ
ィン系樹脂成形体との接着面が、表面処理されているこ
とを特徴とする。
【0010】本発明の好ましい態様として、前記ポリア
セタール系樹脂成形体の接着面が、酸処理、アルカリ処
理、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処
理及び電子線照射処理よりなる群から選ばれるいずれか
の表面処理を施されていることを特徴とする上記複合成
形体;前記ポリオレフィン系樹脂成形体が、未変性ポリ
オレフィン系樹脂を少なくとも含むことを特徴とする上
記複合成形体;前記ポリオレフィン系樹脂成形体が、反
応性官能基を有する変性ポリオレフィン系樹脂を含み、
前記ポリアセタール系樹脂成形体との接着面に、前記変
性ポリオレフィン系樹脂部分を少なくとも有することを
特徴とする上記複合成形体;前記ポリオレフィン系樹脂
成形体が、未変性ポリオレフィン系樹脂からなる第一の
層と、反応性官能基を有する変性ポリオレフィン系樹脂
からなる第二の層とを積層した構造を含み、前記ポリオ
レフィン系樹脂成形体における前記ポリアセタール系樹
脂成形体との接着面が前記第二の層の表面であることを
特徴とする上記複合成形体;前記変性ポリオレフィン系
樹脂の反応性官能基が、酸無水物基、エポキシ基及びカ
ルボキシル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の
反応性官能基であることを特徴とする上記複合成形体;
JIS K7210法に基づいて、シリンダー温度19
0℃、且つ負荷荷重2160gという条件にて測定され
た前記変性ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート
(MFR)が、2g/10min以下であり、さらにJ
IS 7112法に基づいて測定された常温における前
記変性ポリオレフィン系樹脂の密度が0.90g/cm
3以上であることを特徴とする上記複合成形体;が提供
される。
【0011】本発明の一態様として、前記ポリアセター
ル系樹脂成形体及び/又は前記ポリオレフィン系樹脂成
形体が中空部を有することを特徴とする上記複合成形
体;前記ポリアセタール系樹脂成形体及び/又は前記ポ
リオレフィン系樹脂成形体が中空容器であることを特徴
とする上記複合成形体;が提供される。
【0012】又、前記課題を解決するため、本発明の複
合成形品の製造方法は、ポリアセタール系樹脂からなる
ポリアセタール系樹脂成形体と、ポリオレフィン系樹脂
からなるポリオレフィン系樹脂成形体とを接着した複合
成形体の製造方法であって、ポリアセタール系樹脂と、
前記ポリアセタール系樹脂100重量部に対して0.0
1〜10重量部のパラフィンワックス及び/又はポリエ
チレンワックスとを含有する前記ポリアセタール系樹脂
成形体の表面の少なくとも一部に表面処理を施す表面処
理工程と、前記ポリアセタール系樹脂成形体の表面処理
された少なくとも一部の表面が80℃以上前記ポリアセ
タール系樹脂の融点未満の温度になるまで加熱する加熱
工程と、前記ポリアセタール系樹脂の融点以上の温度に
加熱された前記ポリオレフィン系樹脂成形体の少なくと
も一部の表面と、前記加熱工程によって加熱された前記
ポリアセタール系樹脂成形体の表面処理をされた少なく
とも一部の表面とを圧着する圧着工程とを含むことを特
徴とする。
【0013】本発明の好ましい態様として、前記表面処
理工程が、酸処理、アルカリ処理、低温プラズマ処理、
コロナ放電処理、紫外線照射処理及び電子線照射処理よ
りなる群から選ばれるいずれかの表面処理を施す工程で
あることを特徴とする上記複合成形体の製造方法;前記
ポリオレフィン系樹脂成形体が、反応性官能基を有する
変性ポリオレフィン系樹脂を含有することを特徴とする
上記複合成形体の製造方法;が提供される。
【0014】本発明の好ましい態様として、前記ポリオ
レフィン系樹脂成形体が、未変性ポリオレフィン系樹脂
及び/又は反応性官能基を有する変性ポリオレフィン系
樹脂を少なくとも含むことを特徴とする上記複合成形体
の製造方法;前記ポリオレフィン系樹脂成形体が、未変
性ポリオレフィン系樹脂を少なくとも含むことを特徴と
する上記複合成形体の製造方法;前記ポリオレフィン系
樹脂成形体が、反応性官能基を有する変性ポリオレフィ
ン系樹脂を含み、前記ポリアセタール系樹脂成形体との
接着面に、前記変性ポリオレフィン系樹脂部分を少なく
とも有することを特徴とする上記複合成形体の製造方
法;前記ポリオレフィン系樹脂成形体が、未変性ポリオ
レフィン系樹脂からなる第一の層と、反応性官能基を有
する変性ポリオレフィン系樹脂からなる第二の層とを積
層した構造を含み、前記ポリオレフィン系樹脂成形体に
おける前記ポリアセタール系樹脂成形体との接着面が前
記第二の層の表面であることを特徴とする上記複合成形
体の製造方法;前記変性ポリオレフィン系樹脂の反応性
官能基が、酸無水物基、エポキシ基及びカルボキシル基
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基
であることを特徴とする上記複合成形体の製造方法;J
IS K7210法に基づいて、シリンダー温度190
℃、且つ負荷荷重2160gという条件にて測定された
前記変性ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート
(MFR)が、2g/10min以下であり、さらにJ
IS 7112法に基づいて測定された常温における前
記変性ポリオレフィン系樹脂の密度が0.90g/cm
3以上であることを特徴とする上記複合成形体の製造方
法;が提供される。
【0015】本発明の製造方法によれば、2つの成形体
を接着する際に、射出成形圧のような高圧がかからない
ので、前記ポリアセタール系樹脂成形体及び/又は前記
ポリオレフィン系樹脂成形体が中空部を有する成形体で
ある場合、前記ポリアセタール系樹脂成形体及び/又は
前記ポリオレフィン系樹脂成形体が中空容器である場合
などに特に有効である。
【0016】なお、本明細書において、「成形体」の用
語は最も広義に解釈されるべきであり、その形状、製造
方法については限定されず、3次元形状を有する射出成
形体、押出成形等によって製造されたフィルム状、シー
ト状の成形体、及びそれらを一部に含んだ成形体等、あ
らゆる形態の成形体が含まれる。又、本明細書におい
て、「ポリアセタール系樹脂成形体」及び「熱可塑性樹
脂成形体」は、少なくとも一部にポリアセタール系樹脂
成形体及び熱可塑性樹脂成形体を各々含んでいればよ
く、他の材料からなる部分を有していてもよい。又、本
明細書において、「複合成形体」についても、ポリアセ
タール系樹脂成形体と熱可塑性樹脂成形体とが接着した
構造を含む限り、「成形体」と同様、最も広義に解釈さ
れるべきである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の複合成形体は、ポリアセ
タール系樹脂からなるポリアセタール系樹脂成形体とオ
レフィン系樹脂からなるオレフィン系樹脂成形体とが接
着した複合成形体である。本発明に用いられるポリアセ
タール系樹脂は、オキシメチレンユニット(−CH2
−)を主たる構成単位として含むポリアセタール系樹脂
である。前記ポリアセタール系樹脂は、オキシメチレン
基以外のユニットを含むポリアセタールコポリマーであ
ってもよく、オキシメチレン基以外のユニットとして
は、炭素数2〜6程度、好ましくは炭素数2〜4程度の
オキシアルキレン単位(例えば、オキシエチレン基(−
CH2CH2O−)、オキシプロピレン基、オキシテトラ
メチレン基など)を構成単位として含むポリアセタール
コポリマーが好ましい。前記ポリアセタールコポリマー
は、二成分で構成されたコポリマー、三成分で構成され
たターポリマー等の複数の成分で構成されていてもよ
い。ポリアセタールコポリマーは、一般にランダムコポ
リマーであるが、ブロックコポリマー、グラフトコポリ
マーなどであってもよい。前記ポリアセタール系樹脂
は、ホルムアルデヒドの環状オリゴマーであるトリオキ
サンやテトラオキサンとエチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタン
ジオールのホルマールなどの炭素数2〜6程度のオキシ
アルキレンユニットを有する環状エーテルとを共重合す
ることにより製造できる。
【0018】前記ポリアセタール系樹脂としては、トリ
オキサンとエチレンオキサイドもしくは1,3−ジオキ
ソランを共重合したコポリマーが好ましい。さらに、前
記ポリアセタール系樹脂のオキシメチレンユニットの重
量構成比が、ポリアセタール系樹脂全体に対して、90
〜99.5重量%であるのが好ましく、94.5〜9
9.5重量%であるのがより好ましい。ポリアセタール
系樹脂のオキシメチレンユニットの重量構成比が、9
9.5重量%を超えると、熱安定性が著しく悪化して、
ポリアセタール系樹脂成形体を作製する際に、モールド
デポジットの増大やシルバー発生等の不具合が生ずるこ
とから好ましくない。さらに、結晶化度の上昇に伴っ
て、異樹脂との親和性が低下し、パラフィンワックスや
ポリエチレンワックスを添加した際に、2次凝集等の不
具合が起こり易くなることから好ましくない。一方、前
記ポリアセタール系樹脂のオキシメチレンユニットの重
量構成比が、90重量部未満であると、ポリアセタール
系樹脂本来の優れた特性が低下してしまうことに加え、
ポリアセタール分子鎖の化学的安定性が増し、表面処理
を行ってもポリオレフィン系樹脂成形体との接着性改良
効果が不十分となり、好ましくない。
【0019】前記ポリアセタール系樹脂の重合度、分岐
度及び架橋度は特に制限はないが、メルトインデックス
(流動性)が高いほうが、ポリオレフィン系樹脂成形体
との接着性が向上するので好ましい。この理由として
は、ポリアセタール系樹脂のメルトインデックス(流動
性)が高いほど、複合成形体を作製する際の圧着工程に
おいて、ポリオレフィン系樹脂成形体との密着性が上が
ることに加え、ポリアセタール系樹脂の分子量が小さい
ので、極性末端基数が多いことに起因して、より接着力
が上がるためであると考えられる。この観点から、前記
ポリアセタール系樹脂のASTM D1238−89E
法に基づき、シリンダー温度190℃、負荷荷重216
0gという条件にて測定されたメルトインデックス(M
I値)は、5g/10min以上であるのが好ましく、
10g/10minであるのがより好ましい。
【0020】本発明におけるポリアセタール系樹脂成形
体は、ポリアセタール系樹脂100重量部に対して、
0.01〜10重量部のパラフィンワックス及び/又は
ポリエチレンワックスを含有する。即ち、前記ポリアセ
タール系樹脂成形体は、ポリアセタール系樹脂に、前記
範囲の含有量で、前記パラフィンワックス及びポリエチ
レンワックスを溶融混練させた組成物を用いて作製され
た成形体である。一般的に、ポリアセタール系樹脂は、
ポリオレフィン系樹脂との親和性に乏しく、未変性のポ
リオレフィン樹脂を大量に溶融混練することは非常に困
難である。従って、例えば、ポリオレフィン樹脂との接
着性を向上させる目的で、ポリアセタール系樹脂にポリ
オレフィン樹脂を添加しても、接着性は全く向上しない
し、逆に剥離現象やウェルド強度の低下といった不具合
が発生する。しかしながら、パラフィンワックス又はポ
リエチレンワックスは、通常のポリオレフィン系樹脂と
比較した場合、ポリアセタール系樹脂との親和性が高
く、比較的大量に添加しても表層剥離現象等の不具合が
起こり難い。さらに、前記パラフィンワックス及びポリ
エチレンワックスは、低分子量であるが故に、賦形時の
せん断力等によって成形品表面部分に偏在させ易く、少
量の添加量で、ポリアセタール系樹脂の接着性を格段に
改善させることができる。ここで、ポリアセタール系樹
脂にパラフィンワックス及び/又はポリエチレンワック
スを添加することによって、無添加品に比べて接着性が
向上する理由の詳細については明らかではないが、パラ
フィンワックス及びポリエチレンワックスは、ポリオレ
フィン系樹脂との親和性が極めて高いので、接着工程に
おいて強固に融着することができることに加え、パラフ
ィンワックス及びポリエチレンワックスは、ポリアセタ
ール系樹脂中における分散径が比較的小さいために、相
対的に界面強度が高くなっていることに加え、表面処理
による表面局在化とも相まって、接着に寄与する表面積
が広いこと等が考えられる。
【0021】本発明におけるパラフィンワックスとは、
分子量が300〜800程度の固形の炭化水素のことを
いう。厳密には、減圧蒸留抽出油より分離精製された分
子量300〜550程度の炭化水素のことをパラフィン
ワックス、減圧蒸留残査油より分離精製された分子量5
00〜800程度の炭化水素のことをマイクロクリスタ
リンワックスと呼ぶが、本発明におけるパラフィンワッ
クスは、前記双方のワックスを包含するものと定義す
る。一方、本発明におけるポリエチレンワックスとは、
合成ワックスとも呼ばれ、分子量が700〜20000
程度の低分子量ポリエチレンのことである。このポリエ
チレンワックスはその製造方法の違いにより、ポリエチ
レン製造時の副産物によるもの、ポリエチレンの熱分解
によるもの及びエチレンからの直接重合によるものに分
類できるが、いずれのポリエチレンワックスであっても
使用することができる。又、酸価変性又は酸変性によっ
て極性基を導入し、極性ポリマーとの親和性を向上させ
た変性ポリエチレンワックスであってもよい。本発明に
使用されるポリエチレンワックスの分子量に関しては、
要求される接着性能や複合成形品の用途によって適宜使
い分けることができるが、耐薬品性が要求される用途に
関しては、分子量の高いポリエチレンワックスの方が好
ましく、具体的には、分子量が4000〜20000の
ポリエチレンワックスが好ましく、8000〜2000
0のポリエチレンワックスがより好ましい。
【0022】これらパラフィンワックス及びポリエチレ
ンワックスは、溶融粘度が低いことに加えて、高い潤滑
作用を持つので、ポリアセタール系樹脂に非常に大量に
添加すると、例えば、射出成形においては、射出スクリ
ュを回転させても、スクリュが滑ってしまい、可塑化・
計量ができなくなる場合がある。従って、パラフィンワ
ックス及びポリエチレンワックスの好ましい添加量は、
0.01〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重
量部である。
【0023】本発明において、前記ポリアセタール系樹
脂成形体におけるポリオレフィン系樹脂成形体との接着
面は、表面処理を施されていることを特徴とする。これ
らの表面処理を実施することによって、ポリアセタール
系樹脂成形体の表面に存在する接着阻害層(weak
boundary layer)が除去され、及び/又
は、表層部のポリアセタール系樹脂が分解し、接着表面
がエッチングされ、物理的な凹凸が形成されることに加
えて、接着に最も寄与する最表面に、添加したパラフィ
ンワックスやポリエチレンワックスが、結果的に成形品
内部より偏析するためであると思われる。この表面偏析
は、ポリアセタール系樹脂とポリエチレンワックスやパ
ラフィンワックスが表面処理により分解する速度が異な
ることに起因する現象であり、本発明は、前記分解性の
違いを利用して接着力を向上させているという点で、従
来の接着性向上メカニズムとは異なる。さらに、その他
の接着性向上の原因としては、表面処理によるパラフィ
ンワックスやポリエチレンワックス及びポリアセタール
系樹脂それぞれの分解や、処理溶液或いは処理ガスに起
因する活性種のインプランテーションによる極性官能基
(水酸基、カルボニル基、カルボキシル基等)の生成
や、パラフィンワックス又はポリエチレンワックスとポ
リアセタール系樹脂との間の化学反応による界面強度の
向上等、様々な可能性が考えられるが、詳細については
明らかではない。
【0024】一般的に、材料の接着性能は上記のような
複数の接着因子が複雑に重なり合い、それがトータルさ
れて出現しているが、接着性向上因子同士といえども、
場合によっては、お互いに相反する傾向を示す場合もあ
り得る。従って、材料の接着性能を向上させるために
は、個々の接着性向上因子のバランスをとり、全体とし
て最適化することが重要である。例えば、ポリアセター
ル系樹脂の接着性能を向上させることを考えた場合、表
面処理による易分解性とパラフィンワックス又はポリエ
チレンワックスとの親和性は、互いに相反する接着性向
上因子である。従って、表面処理による易分解性を向上
させるためには、コモノマー量を下げ、分子鎖の化学的
安定性を下げるという改良方法が考えられるが、逆にこ
の方法は、添加剤との親和性を低下させてしまい、添加
剤との界面強度低下やWBLの生成といった点で相応し
くなく、必ずしも接着性が向上するとは限らない。これ
らの点を踏まえ、本発明におけるポリアセタール系樹脂
のコモノマー量は、適用する表面処理に対する易分解性
と、添加するワックスの親和性とのバランスを取りなが
ら、接着性が最良となるように、適宜最適化すればよ
い。これらの因子以外にも、融点、溶融粘度、分子量及
びその分布、添加剤の種類と添加量等、影響因子は多々
あり、それらの因子についても適宜調整が必要なのは勿
論である。
【0025】ポリアセタール系樹脂成形体の表面に施さ
れる表面処理は、表面性状の接着性を、上記の如く向上
させ得る処理であればいずれでもよい。又、表面処理
は、ウェットプロセスであっても、ドライプロセスであ
ってもよい。ウェットプロセスとしては、酸処理、アル
カリ処理等があり、ドライプロセスとして、低温プラズ
マ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、電子線照射
処理等がある。本発明におけるポリアセタール系樹脂の
好ましい表面処理方法としては、接着性改善効果を重視
した場合、ウェットプロセスとしては酸処理、ドライプ
ロセスとしては低温プラズマ処理であるが、酸処理の場
合には廃液処理を行う必要があり、環境負荷という観点
からは、酸処理よりも低温プラズマ処理のほうが好まし
い。表面処理の詳細については、後述の製造方法にて説
明する。
【0026】なお、本発明において、前記ポリアセター
ル系樹脂成形体には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外
線吸収剤などの安定化剤、安定剤(アミジン化合物、ア
ルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物、
有機又は無機塩類など)、耐候(光)性安定剤、可塑
剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、着色剤などの添加剤を
添加してもよい。
【0027】本発明において、ポリオレフィン系樹脂成
形体を構成する「ポリオレフィン系樹脂」は、オレフィ
ン系単量体の単独重合体及び共重合体のいずれも包含す
る意味で用い、これらのうち、反応性官能基を含有しな
い樹脂を本明細書においては「未変性ポリオレフィン樹
脂」と称し、反応性官能基を有する樹脂を「変性ポリオ
レフィン系樹脂」と称する。前記未変性ポリオレフィン
系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテ
ン、4−メチルペンテン−1、ヘキセン、オクテン、ノ
ネン、デセン、ドデセンなどのα−オレフィンの単独又
は共重合体(例えば、ランダム、ブロック又はグラフト
共重合体)、α−オレフィンと共重合性単量体との共重
合体(例えば、ランダム、ブロック又はグラフト共重合
体)が含まれる。前記共重合性単量体としては、炭化水
素系単量体、例えば、共役ジエン成分(ブタジエン、イ
ソプレン、ピペリレンなど)、非共役ジエン成分(1,
4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリ
デン−2−ノルボルネン、2,5−ノルボナジエンな
ど)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(メタクリル酸
メチル、アクリル酸エチルなど)、ビニルエステル(酢
酸ビニルなど)などが挙げられる。
【0028】前記未変性ポリオレフィン系樹脂の具体例
としては、ポリエチレン系重合体(例えば、低密度、中
密度又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オ
レフィン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アル
キルエステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体
など)、ポリプロピレン系重合体(例えば、アイソタク
チックポリプロピレンなどのポリプロピレンホモポリマ
ー、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プ
ロピレン−α−オレフィンブロック共重合体など)、ポ
リ(4−メチルペンテン−1)などが例示できる。これ
らのポリオレフィン系樹脂は単独で又は二種以上組合せ
て使用できる。なお、ポリオレフィン系樹脂の重合度、
側鎖や分岐の有無、分岐度、共重合組成割合などは、成
形性を損わない限り特に制限されない。好ましいポリオ
レフィン系重合体には、エチレン及び/又はプロピレン
を主たる構成単位とするポリエチレン系重合体、ポリプ
ロピレン系重合体が含まれる。
【0029】さて、本発明においては、ポリアセタール
系樹脂にパラフィンワックス及び/又はポリエチレンワ
ックスを添加することにより、ポリオレフィン系樹脂と
の接着性が改善されるが、ポリオレフィン系樹脂成形体
が、反応性官能基を有する変性ポリオレフィン系樹脂を
含有していると、接着性がより向上するので好ましい。
【0030】本発明において、前記反応性官能基を有す
る変性ポリオレフィン系樹脂には、ヒドロキシル基、カ
ルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基、エポキシ
基、1級又は2級アミノ基などの反応性基を有する変性
ポリオレフィン系樹脂が含まれる。ここで、「変性ポリ
オレフィン系樹脂」には、オレフィン以外の共重合成分
を含むポリオレフィン系共重合体、及び、オレフィンの
みからなるポリオレフィン又はオレフィン以外の共重合
成分を含むポリオレフィン系共重合体を変性処理したポ
リマーの双方が含まれる。前記変性ポリオレフィン系樹
脂は、種類の異なる複数の反応性基を有していてもよ
い。好ましい反応性官能基は、カルボキシル基、酸無水
物基及びエポキシ基である。前記変性ポリオレフィン系
樹脂は、これらの反応性官能基のいずれかを有する単量
体を共重合成分として用いることによって、又はポリオ
レフィン系樹脂を酸化などの変性処理することによって
得られる。前記変性ポリオレフィン系樹脂の基本となる
未変性ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィン
の単独又は共重合体(ランダム、ブロック、又はグラフ
ト共重合体)、前記α−オレフィンと共重合性単量体と
の共重合体(ランダム、ブロック、又はグラフト共重合
体)などが例示でき、前記共重合性単量体としては、共
役ジエン成分、非共役ジエン成分、(メタ)アクリル酸
エステル、ビニルエステル(酢酸ビニルなど)の他、
(メタ)アクリロニトリル、芳香族ビニル単量体(スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−
ブチルスチレンなど)、ビニルエーテル(ビニルメチル
エーテルなど)などが例示できる。変性ポリオレフィン
系樹脂は、種類の異なる複数の反応性基を有していても
よい。これらの官能基のうち、好ましい反応性基は、カ
ルボキシル基、酸無水物基及びエポキシ基である。
【0031】前記反応性基は、対応する単量体の共重
合、ポリオレフィン系樹脂の変性(例えば、酸化など)
などにより導入することができる。変性ポリオレフィン
系樹脂を構成するポリオレフィン系樹脂としては、α−
オレフィンの単独又は共重合体(ランダム、ブロック、
又はグラフト共重合体)、前記α−オレフィンと共重合
性単量体との共重合体(ランダム、ブロック、又はグラ
フト共重合体)などが例示でき、前記共重合性単量体と
しては、共役ジエン成分、非共役ジエン成分、(メタ)
アクリル酸エステル、ビニルエステル(酢酸ビニルな
ど)の他、(メタ)アクリロニトリル、芳香族ビニル単
量体(スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、p−t−ブチルスチレンなど)、ビニルエーテル
(ビニルメチルエーテルなど)などが例示できる。
【0032】前記反応性基を導入するための単量体とし
ては、例えば、ヒドロキシル基を有する単量体[例え
ば、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レートなど]、カルボキシル基又は酸無水物基を有する
単量体[例えば、(メタ)アクリル酸、プロピロール
酸、クロトン酸などの脂肪族不飽和モノカルボン酸、ケ
イ皮酸などの芳香族不飽和モノカルボン酸、無水マレイ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸などの脂肪族不飽和ジカルボン酸、マレイン酸モノエ
ステル(マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチ
ル、マレイン酸モノブチルなどのマレイン酸モノエステ
ルやこれらに対応するフマル酸モノエステル)などの不
飽和ジカルボン酸モノエステルなど]、スルホン酸基を
有する単量体[例えば、スチレンスルホン酸など]、エ
ポキシ基を有する単量体[例えば、グリシジル(メタ)
アクリレート、アリルグリシジルエーテルなど]、アミ
ノ基を有する単量体[例えば、ビニルアミン、アリルア
ミン、アミノスチレンなど]などが例示できる。
【0033】好ましい変性ポリオレフィン系樹脂には、
カルボキシル基、酸無水物基又はエポキシ基を有する単
量体で変性された変性ポリエチレン系樹脂や変性ポリプ
ロピレン系樹脂、例えば、変性ポリエチレン系樹脂(例
えば、低密度,中密度又は高密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、エチレン−(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体な
ど)、変性ポリプロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピ
レンホモポリマー、プロピレン−α−オレフィンランダ
ム共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重
合体など)などが例示できる。変性ポリオレフィン系樹
脂において、変性基はポリオレフィン系樹脂の末端又は
高分子鎖中の適当な部位に結合していてもよい。前記単
量体による変性量は、例えば、ポリオレフィン系樹脂に
対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5
重量%程度である。変性ポリオレフィン系樹脂の平均分
子量は特に限定されず、例えば、平均分子量5000〜
100000程度、特に5000〜50000程度であ
ってもよい。
【0034】本実施の形態において、前記反応性官能基
を有する変性ポリオレフィン系樹脂としては、上記した
様に、一般的な変性ポリオレフィン系樹脂を使用するこ
とができるが、その効果が最も顕著に現れるのは、比較
的密度が高く、溶融粘度の高い変性ポリオレフィン系樹
脂においてである。このような変性ポリオレフィン系樹
脂は、一般的に結晶化度が高く、流動性も劣るため、熱
板溶着法等により、パラフィンワックス等を含まないポ
リアセタール系樹脂の成形体と接着しようとしても、全
く接着しないが、本実施の形態では高い接着力で接着す
ることができる。特に、前記反応性官能基を有する変性
ポリオレフィン系樹脂として、JISK7112法に基
づいて測定された常温における密度が0.90以上、さ
らには0.93以上であり、JIS 7210法に基づ
き、シリンダー温度190℃、負荷荷重2160gとい
う条件にて測定したメルトフローレート(MFR)が
2.0以下、さらには1.0以下の樹脂を用いた場合に
も、高い接着力を賦与することができる。具体的には、
ポリオレフィンメーカー各社から市販されているブロー
成形用の接着性ポリオレフィン系樹脂[例えば、三菱化
学(株)製接着性ポリオレフィン(商品名:モディッ
ク)、三井化学(株)製接着性ポリオレフィン(商品
名:アドマー)、もしくは日本ポリオレフィン(株)製
接着性ポリオレフィン(商品名:アドテックス)等のブ
ロー成形用ブレード]を例示することができる。
【0035】前記ポリオレフィン系樹脂成形体には、必
要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定化
剤、安定剤(アミジン化合物、アルカリ金属又はアルカ
リ土類金属の酸化物や水酸化物、有機又は無機塩類な
ど)、耐候(光)性安定剤、可塑剤、帯電防止剤、滑
剤、難燃剤、着色剤などの添加剤を添加してもよい。
【0036】本発明の複合成形体の第一の実施の形態
は、未変性ポリオレフィン系樹脂を含有するポリオレフ
ィン系樹脂成形体と、前記ポリアセタール系樹脂成形体
とが接着した複合成形体である。又、本発明の第二の実
施の形態は、反応性官能基を有する変性ポリオレフィン
系樹脂を含むポリオレフィン系樹脂成形体と、前記ポリ
アセタール系樹脂成形体とが接着した複合成形体であっ
て、前記ポリオレフィン系樹脂成形体における前記ポリ
アセタール樹脂成形体との接着面に、前記変性ポリオレ
フィン系樹脂部分を少なくとも有する複合成形体であ
る。又、本発明の第三の実施の形態は、未変性ポリオレ
フィン系樹脂を含有する第一の層と反応性官能基を有す
る変性ポリオレフィン系樹脂を含有する第二の層とを積
層した積層構造を有するポリオレフィン系樹脂成形体の
前記第二の層と、前記ポリアセタール系樹脂成形体とが
接着した複合成形体である。
【0037】前記第一の実施の形態は、従来困難であっ
た、未変性ポリオレフィン系樹脂とポリアセタール系樹
脂とが直接接着した態様である。又、前記第ニ及び第一
の実施の形態では、反応性官能基を有する変性ポリオレ
フィン系樹脂を用い、前者では未変性ポリオレフィン系
樹脂に添加することにより接着剤として機能させ、後者
ではポリアセタール系樹脂成形体と未変性ポリオレフィ
ン系樹脂層との間に配置した層に含有させることによ
り、該層を接着層として機能させて、ポリオレフィン系
樹脂層とポリアセタール系樹脂成形体とのより強固な接
着性を確保している。
【0038】本発明の複合成形体は、ポリアセタール系
樹脂成形体とポリオレフィン系樹脂成形体とが接着した
構造を含む限り、その大きさ、形状等については特に制
限はない。又、本発明の複合成形体は、ポリアセタール
系樹脂成形体とポリオレフィン系樹脂成形体とが接着し
た構造を複数含んでいてもよい。
【0039】本発明の複合成形体は、種々の用途、例え
ば、容器、印刷や塗装が施される成形体(例えば、多層
パイプやチューブなど)などに利用できる。例えば、ポ
リアセタール系樹脂からなる部材を、ポリオレフィン系
樹脂からなる部材(少なくとも接着面には反応性官能基
を有するポリオレフィン系樹脂が露出しているのが好ま
しい)に取り付けた複合成形体の態様がある。特に、ブ
ロー成形にて製造された多層のポリオレフィン系樹脂製
ガソリンタンクに、燃料ポンプモジュール等のポリアセ
タール系樹脂製部品が取り付けられた複合成形体に好ま
しく適用することができる。
【0040】次に、本発明の複合成形体の製造方法につ
いて説明する。本発明の複合成形体の製造方法は、ポリ
アセタール系樹脂からなるポリアセタール系樹脂成形体
と、ポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系樹
脂成形体とを接着した複合成形体の製造方法であって、
ポリアセタール系樹脂と、前記ポリアセタール系樹脂1
00重量部に対して0.01〜10重量部のパラフィン
ワックス及び/又はポリエチレンワックスとを含有する
前記ポリアセタール系樹脂成形体の表面の少なくとも一
部に表面処理を施す表面処理工程と、前記ポリアセター
ル系樹脂成形体の表面処理された少なくとも一部の表面
が80℃以上前記ポリアセタール系樹脂の融点未満の温
度になるまで加熱する加熱工程と、前記ポリアセタール
系樹脂の融点以上の温度に加熱された前記ポリオレフィ
ン系樹脂成形体の少なくとも一部の表面と、前記加熱工
程によって加熱された前記ポリアセタール系樹脂成形体
の表面処理をされた少なくとも一部の表面とを圧着する
圧着工程とを含むことを特徴とする。
【0041】本発明の製造方法では、ポリアセタール系
樹脂成形体に、低分子量でポリオレフィン系樹脂との親
和性の高いパラフィンワックス及び/又はポリエチレン
ワックスを含有させ、さらに前記ポリアセタール系樹脂
成形体に表面処理を施すことによって、接着性向上に寄
与するパラフィンワックス及び/又はポリエチレンワッ
クスをポリアセタール系樹脂成形体の表面に偏析させ
て、ポリアセタール系樹脂成形体のポリオレフィン系樹
脂成形体に対する接着性を改良している。本発明の製造
方法では、接着する成形体の各接着面が前記温度範囲に
なるまでそれぞれ加熱すればよく、全体を加熱する必要
がないので、及び、接着時に金型などを使用する必要が
ないので、比較的大きい形状の成形体にポリアセタール
成形体を取り付けるのに、及び、比較的大きい形状のポ
リアセタール成形体をポリオレフィン系樹脂の成形体に
取り付けるのに特に有効である。又、成形体同士を接着
する際に、射出成形圧などの高圧が成形体に負荷されな
いので、形状的に変形し易い成形体、例えば、中空部を
有する成形体(タンクなどの中空容器)をポリアセター
ル系樹脂成形体と接着するのに特に有効である。特に、
前述した、ブロー成形にて製造された多層のポリオレフ
ィン系樹脂製ガソリンタンクに、燃料ポンプモジュール
等のポリアセタール系樹脂製部品が取り付けられた複合
成形体を製造するのに好適である。
【0042】前記表面処理工程では、前記ポリアセター
ル系樹脂成形体における接着面を表面処理することによ
り、成形体の表面をエッチングして、ポリアセタール系
樹脂成形体の表層部分に存在する接着阻害層(weak
boundary layer)を除去し、物理的な
凹凸を形成して、接着性を向上させることができる。加
えて、ポリアセタール系樹脂と、ポリエチレンワックス
やパラフィンワックスとの分解速度の違いから、表面処
理により、ポリエチレンワックスやパラフィンワックス
を表層部に偏析させることができるので、結果として、
ポリアセタール系樹脂成形体の表層部におけるポリオレ
フィン系樹脂成形体との親和性が高くなり、後述する圧
着工程において、双方の成形体を強固に接着させること
ができる。又、接着性向上の他の因子として、表面処理
によるパラフィンワックスやポリエチレンワックス及び
ポリアセタール系樹脂それぞれの分解や、処理溶液或い
は処理ガスに起因する活性種のインプランテーションに
よる極性官能基(水酸基、カルボニル基、カルボキシル
基等)生成や、パラフィンワックス又はポリエチレンワ
ックスとポリアセタール系樹脂との間の化学反応による
界面強度の向上等、様々な因子が考えられるが、定かで
はない。
【0043】表面処理の方法については、特に制限され
ず、ポリアセタール系樹脂成形体の表面の接着性が上記
の如く向上する処理であれば、いずれの処理を用いても
よい。中でも、酸処理、アルカリ処理、低温プラズマ処
理、コロナ放電処理、紫外線照射処理及び電子線照射処
理よりなる群から選ばれるいずれかの表面処理が好まし
い。
【0044】酸処理には、塩酸、硫酸、リン酸、クロム
酸及びそれらの混合物等を、使用用途に応じて適宜使い
分けることができる。表面処理時間が短過ぎると接着性
が向上せず、一方、長過ぎるとポリアセタール系樹脂の
分解が進み過ぎて、製品の性能を損ねる。この様な観点
から、酸による表面処理時間は、通常、5〜300秒が
好ましく、15〜150秒程度がより好ましい。低温プ
ラズマ処理には、一般的に使用されている市販の低温プ
ラズマ処理装置を使用することができる。低温プラズマ
処理装置のプラズマ発生用電源としては、高周波電源、
低周波電源、RC電源或いは直流電源等、様々なものが
あるが、これらの電源を利用したすべての低温プラズマ
処理装置を適宜使用することができる。又、低温プラズ
マ処理は一般的に減圧下で実施されるが、常圧における
低温プラズマ処理装置も用いることができる。減圧下で
低温プラズマ処理を行う場合の好ましい真空度として
は、0.001〜5Torr程度であることが多い。
又、低温プラズマ処理を実施する際の雰囲気ガスとして
は、空気のみならず、酸素、窒素、希ガス、アンモニ
ア、ハロゲンガス等を適宜使い分けることができるが、
低温プラズマ処理装置の簡易性や経済性の問題等から、
空気や酸素ガスを使用することが望ましい。低温プラズ
マによる処理時間が短いと接着性改良効果が十分でな
く、一方長過ぎても接着性改善効果が若干落ちてくる。
この様な観点から、低温プラズマ処理時間は、通常、1
〜20分間が好ましく、5〜15分間がより好ましい。
【0045】なお、前記ポリアセタール系樹脂成形体の
表面の一部が接着面となる場合は、接着面以外の表面に
はマスキングテープを貼付するなどして、表面処理され
るのを防止することができる。
【0046】次に、表面処理された前記ポリアセタール
系樹脂成形体を加熱工程に供する。加熱工程では、前記
ポリアセタール系樹脂成形体の表面処理面の温度が、8
0℃以上前記ポリアセタール系樹脂の融点未満の温度領
域内になるまで加熱する。ポリアセタール系樹脂の融点
を超える温度まで加熱すると、ポリアセタール系樹脂成
形体の表面処理面が可塑化してしまい、可塑化によって
表面処理による接着性向上効果が喪失し、接着性が低下
する傾向がある。この現象の詳細については明らかでは
ないが、最表面に偏析していたパラフィンワックス又は
ポリエチレンワックスが再び成形体内部に埋没したり、
更には2次凝集したり、もしくは表面処理により生成し
た極性官能基が、ポリアセタール系樹脂成形品内部に移
動してしまったりするためであると考えられる。加熱を
前記範囲で行うと、ポリオレフィン系樹脂との接着性を
充分に確保することができる。より好ましくは、前記表
面処理面の温度が100℃〜160℃になるまで、加熱
するのが好ましい。
【0047】加熱工程の後、前記ポリアセタール系樹脂
成形体の表面処理面と、前記ポリオレフィン系樹脂成形
体の表面とを圧着する。前記ポリオレフィン系樹脂成形
体の表面(接着面)が前記ポリアセタール系樹脂の融点
以上の温度、好ましくは200℃以上になるまで加熱し
ておく。前記ポリオレフィン系樹脂成形体の接着面の温
度が、ポリアセタール系樹脂の融点未満の温度である
と、ポリアセタール系樹脂成形体を圧着した際に、前記
ポリオレフィン系樹脂成形体からの伝熱により、ポリア
セタール系樹脂成形体の接着面が溶融せず、接着できな
い。但し、前記ポリオレフィン系樹脂成形体の加熱温度
が高過ぎると、著しく軟化し、形状を維持できなくな
り、取り扱い上、好ましくない。この様な観点から、前
記ポリオレフィン系樹脂成形体は、その接着面が前記ポ
リアセタール系樹脂の融点以上260℃以下の温度、好
ましくは200〜260℃まで加熱されているのが好ま
しい。
【0048】ポリアセタール系樹脂成形体とポリオレフ
ィン系樹脂成形体とを圧着する際の負荷圧力及びその保
持時間は、形状的に、複合成形体としての機能を損なわ
ない限りは、特に限定されない。又、ポリアセタール系
樹脂成形体及びポリオレフィン系樹脂成形体を圧着して
複合成形体を製造後、さらに接着強度を向上させる為、
アニール処理を実施してもよい。
【0049】上記実施の形態の複合成形体は、本発明の
製造方法により容易に作製することができる。第一及び
第二の実施の形態の複合成形体は、本発明の製造方法に
おいて、前記ポリオレフィン系樹脂成形体として、未変
性ポリオレフィン系樹脂、又は反応性官能基を有する変
性ポリオレフィン系樹脂を含有するポリオレフィン系樹
脂層を有する成形体を用い、前記圧着工程において、前
記ポリオレフィン系樹脂層の表面と、前記ポリアセター
ル系樹脂成形体の表面処理を施された面とを圧着するこ
とにより製造することができる。第一の実施の形態で
は、ポリオレフィン系樹脂と、表面処理により表層部に
偏析させたパラフィンワックス及び/又はポリエチレン
ワックスとの親和性により、それに加えて、第ニの実施
の形態では、前記変性ポリオレフィン系樹脂が含有する
反応性官能基と、前記表面処理によってポリアセタール
系樹脂成形体の表面に生じた極性官能基との作用によ
り、前記ポリオレフィン系樹脂成形体と前記ポリアセタ
ール系樹脂成形体とが強固に接着する。
【0050】第三の実施の形態の複合成形体は、本発明
の製造方法において、前記ポリオレフィン系樹脂成形体
として、反応性官能基を有する変性ポリオレフィン系樹
脂を含有する最外層を有する成形体を用い、前記圧着工
程において、前記反応性官能基を有する変性ポリオレフ
ィン系樹脂を含有する最外層の表面と、前記ポリアセタ
ール系樹脂成形体の表面処理を施された面とを圧着し、
さらに、前記圧着工程の後に前記最外層に隣接させて未
変性ポリオレフィン系樹脂層を形成することによって製
造することができる。又は、前記ポリオレフィン系樹脂
成形体として、反応性官能基を有する変性ポリオレフィ
ン系樹脂を含有する最外層と該最外層に隣接する未変性
ポリオレフィン系樹脂を含有する層を有する成形体を用
い、記圧着工程において、前記反応性官能基を有する変
性ポリオレフィン系樹脂を含有する最外層の表面と、前
記ポリアセタール系樹脂成形体の表面処理を施された面
とを圧着することによって製造することができる。前記
変性ポリオレフィン系樹脂が含有する反応性官能基と、
前記表面処理によって前記ポリアセタール系樹脂成形体
の表面に生じた極性官能基との作用により、及びポリオ
レフィン系樹脂と、表面処理により表層部に偏析させた
パラフィンワックス及び/又はポリエチレンワックスと
の親和性により、前記ポリオレフィン系熱樹脂成形体と
ポリアセタール系樹脂成形体とが強固に接着する。前記
反応性官能基を有する変性ポリオレフィン系樹脂を含有
するポリオレフィン系樹脂成形体の最外層は、前記ポリ
アセタール系樹脂成形体と前記未変性ポリオレフィン系
樹脂層との接着性を確保する接着層として機能する。
【0051】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。 [実施例1]三菱エンジニアリングプラスチックス
(株)製ポリアセタール樹脂 「ユピタールF30−0
1」(A−1)に、三井化学(株)製ポリエチレンワッ
クス 「三井ハイワックス800P」(B−1)を、ポ
リアセタール樹脂100重量部に対して表1に示す割合
で添加し、2軸押出機を使用して、樹脂温度200℃に
て溶融混練することにより、ポリアセタール樹脂組成物
を得た。前記ポリアセタール樹脂組成物を用いて、AS
TM D256法に規定されたアイゾット衝撃試験片
(長さ:6.4cm、幅:1.3cm、厚み:0.32
cm)を射出成形により作製した。ここで、アイゾット
衝撃試験片を射出成形にて作製する際の1ショット当た
りの計量時間を測定したところ、8.0秒であった。計
量時間測定に用いた射出成形機は、日精樹脂工業(株)
製射出成形機PS−40であり、射出シリンダのスクリ
ュ径はφ26のものである。計量時間測定条件は計量値
50mm、スクリュ回転数50%、背圧3%、設定温度
はノズル部側より190℃−190℃−180℃−17
0℃であった。一方、同様にして、高密度ポリエチレン
(三菱化学(株)製高密度ポリエチレン,モディック−
HD HJ330のアイゾット衝撃試験片を射出成形に
より作製した。前記ポリアセタール樹脂製アイゾット衝
撃試験片を、(株)真空デバイス社製親水処理装置(プ
ラズマイオンボンバーダ)PIB−10を用い、処理強
度の設定をハードにして、1回につき3分間(1分間減
圧後、2分間処理)で5回処理した。尚、本機器は低温
プラズマ処理装置であり、雰囲気ガスは空気である。
【0052】上記表面処理を行った前記ポリアセタール
樹脂製アイゾット試験片を、少なくとも5分間以上、1
40℃の熱風オーブンに入れて加熱すると共に、前記高
密度ポリエチレン樹脂製アイゾット試験片を、厚み0.
2mmのテフロン(登録商標)シートを敷いたホットプ
レート上に約1分間接触させて、実測値で207℃に加
熱し、溶融した後、前記アイゾット衝撃試験片の先端部
分(長さ20mm)が積層構造となるように、被処理面
側と溶融面側を素早く重ね合わせて接着し、さらに13
50gの錘をのせたまま、約5分間放置した。その後、
23℃、50%RHという環境下にて、少なくとも24
時間以上放置した後、前記複合アイゾット衝撃試験片を
用いて、せん断剥離強度試験を実施した。前記試験方法
としては、(株)オリエンテック社製引張試験機を使用
し、前記複合アイゾット衝撃試験片の両端を両クランプ
間の距離が70mmとなるようにクランプし、10mm
/minという試験速度にて引っ張り、前記複合アイゾ
ット衝撃試験片の接着面が剥離した時の荷重を測定し
た。評価結果を表1に示す。
【0053】[実施例2]ポリエチレンワックスの添加
量を下記表1に示した添加量に変更した以外は、実施例
1と全く同様に、複合アイゾット衝撃試験片を作製し、
せん断剥離荷重を求めた。評価結果を表1に示す。 [実施例3]ポリエチレンワックスの種類を三井化学
(株)製ポリエチレンワックス 「三井ハイワックス4
00P」(B−2)に変更した以外は、実施例1と全く
同様にして、複合アイゾット衝撃試験片を作製し、せん
断剥離荷重を求めた。評価結果を表1に示す。 [実施例4]ポリエチレンワックスの種類を三井化学
(株)製ポリエチレンワックス 三井ハイワックス40
0P(B−2)に変更した以外は、実施例2と全く同様
にして、複合アイゾット衝撃試験片を作製し、せん断剥
離荷重を求めた。評価結果を表1に示す。
【0054】[比較例1]実施例1においてポリエチレ
ンワックスを添加しなかった以外は、実施例1と全く同
様にして複合アイゾット衝撃試験片を作製し、せん断剥
離荷重を求めた。評価結果を表1に示す。 [比較例2]実施例1において、表面処理を実施しなか
った以外は、実施例1と全く同様にして複合アイゾット
衝撃試験片を作製し、せん断剥離荷重を求めた。評価結
果を表1に示す。 [比較例3]ポリエチレンワックスの代わりに三井化学
(株)製超高分子量ポリエチレン「ミペロンXM−22
0」(B−3)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、複合アイゾット衝撃試験片を作製し、せん断剥離荷
重を求めた。評価結果を表2に示す。 [比較例4]ポリエチレンワックスの代わりに三井化学
(株)製超高分子量ポリエチレン「ミペロンXM−22
0」(B−3)を用いた以外は、実施例2と同様にし
て、複合アイゾット衝撃試験片を作製し、せん断剥離荷
重を求めた。評価結果を表2に示す。
【0055】[実施例5]三菱エンジニアリングプラス
チックス(株)製ポリアセタール樹脂 「ユピタールF
20−01」(A−2)に、日本精蝋(株)製パラフィ
ンワックス 「ルバックス−155」(B−4)を、ポ
リアセタール樹脂100重量部に対して表1に示す割合
で添加し、2軸押出機を使用して、樹脂温度200℃に
て溶融混練することにより、ポリアセタール樹脂組成物
を得た。前記ポリアセタール樹脂組成物を用いて、AS
TM D256法に規定されたアイゾット衝撃試験片
(長さ:6.4cm、幅:1.3cm、厚み:0.32
cm)を射出成形により作製した。同様に、変性ポリエ
チレン(三菱化学(株)製酸無水物変性線状低密度ポリ
エチレン,モディック−AP M591)のアイゾット
衝撃試験片を射出成形により作製した。前記ポリアセタ
ール樹脂製アイゾット衝撃試験片を、(株)真空デバイ
ス社製親水処理装置(プラズマイオンボンバーダ)PI
B−10を用い、処理強度の設定をハードにして、1回
につき3分間(1分間減圧後、2分間処理)で、5回処
理した。尚、本機器は低温プラズマ処理装置であり、雰
囲気ガスは空気である。上記表面処理を行った前記ポリ
アセタール樹脂製アイゾット試験片を、少なくとも5分
間以上、140℃の熱風オーブンに入れて加熱すると共
に、前記接着性ポリエチレン樹脂製アイゾット試験片
を、厚み0.2mmのテフロンシートを敷いたホットプ
レート上に約1分間接触させて、実測値で207℃に加
熱し、溶融した後、前記アイゾット衝撃試験片の先端部
分(長さ12mm)が積層構造となるように、被処理面
側と溶融面側を素早く重ね合わせて接着し、さらに13
50gの錘をのせたまま、約5分間放置した。その後、
23℃、50%RHという環境下にて、少なくとも24
時間以上放置した後、前記複合アイゾット衝撃試験片を
用いて、せん断剥離強度試験を実施した。前記試験方法
としては、(株)オリエンテック社製引張試験機を使用
し、前記複合アイゾット衝撃試験片の両端を両クランプ
間の距離が70mmとなるようにクランプし、10mm
/minという試験速度にて引っ張り、前記複合アイゾ
ット衝撃試験片の接着面が剥離した時の荷重と伸びを測
定した。評価結果を表2に示す。
【0056】[比較例5]実施例1においてポリエチレ
ンワックスを添加しないこと以外は、実施例5と全く同
様にして複合アイゾット衝撃試験片を作製し、せん断剥
離荷重を求めた。評価結果を表2に示す。 [実施例6]ポリアセタール樹脂の種類を、三菱エンジ
ニアリングプラスチックス(株)製ポリアセタール樹脂
「ユピタールF10−01」に変更した以外は、実施
例5と全く同様にして、複合アイゾット衝撃試験片を作
製し、せん断剥離荷重を求めた。評価結果を表2に示
す。
【0057】[比較例6]実施例1においてポリエチレ
ンワックスを添加しないこと以外は、実施例6と全く同
様にして複合アイゾット衝撃試験片を作製し、せん断剥
離荷重を求めた。評価結果を表2に示す。
【0058】[実施例7]三菱エンジニアリングプラス
チックス(株)製ポリアセタール樹脂 「ユピタールF
30−01」(A−1)に三井化学(株)製ポリエチレ
ンワックス 「三井ハイワックス800P」(B−1)
を、ポリアセタール樹脂100重量部に対して表3に示
す割合で添加し、2軸押出機を使用して、樹脂温度20
0℃にて溶融混練することにより、ポリアセタール樹脂
組成物を得た。前記ポリアセタール樹脂組成物を用い
て、ASTM D256法に規定されたアイゾット衝撃
試験片(長さ:6.4cm、幅:1.3cm、厚み:
0.32cm)を射出成形により作製した。一方、同様
にして、高密度ポリエチレン(三菱化学(株)製高密度
ポリエチレン,モディック−HD HJ330のアイゾ
ット衝撃試験片を射出成形により作製した。
【0059】前記ポリアセタール樹脂製アイゾット衝撃
試験片を、5Nの塩酸溶液中に60秒間浸漬した後、取
り出した試験片に付着した塩酸溶液をイオン交換水にて
洗い流した。その後、超音波洗浄機に入れて5分間洗浄
し、乾いた布で付着した水分を拭き取った。更に80℃
の熱風乾燥機に1時間程度入れて乾燥し、その後、常温
にて24時間以上放置した。上記表面処理を行った前記
ポリアセタール樹脂製アイゾット試験片を、少なくとも
5分間以上、140℃の熱風オーブンに入れて加熱する
と共に、前記変性ポリエチレン樹脂製アイゾット試験片
を、厚み0.2mmのテフロンシートを敷いたホットプ
レート上に約1分間接触させて、実測値で207℃に加
熱し、溶融した後、前記アイゾット衝撃試験片の先端部
分(長さ12mm)が積層構造となるように、被処理面
側と溶融面側を素早く重ね合わせて接着し、さらに13
50gの錘をのせたまま、約5分間放置した。その後、
23℃、50%RHという環境下にて、少なくとも24
時間以上放置した後、前記複合アイゾット衝撃試験片を
用いて、せん断剥離強度試験を実施した。前記試験方法
としては、図1に示すように、(株)オリエンテック社
製引張試験機を使用し、前記複合アイゾット衝撃試験片
の両端を両クランプ間の距離が70mmとなるようにク
ランプし、10mm/minという試験速度にて引っ張
り、前記複合アイゾット衝撃試験片の接着面が剥離した
時の荷重を測定した。評価結果を表3に示す。
【0060】[実施例8]ポリエチレンワックスの添加
量を表3に示す添加量に変更した以外は、実施例7と全
く同様に、複合アイゾット衝撃試験片を作製し、せん断
剥離荷重を求めた。評価結果を表3に示す。 [実施例9]処理溶液を、塩酸溶液から98%濃硫酸に
変更した以外は、実施例7と全く同様にして、複合アイ
ゾット衝撃試験片を作製し、せん断剥離荷重を測定し
た。測定結果を表3に示す。 [実施例10]ポリエチレンワックスの添加量を表3に
示す添加量に変更した以外は、実施例8と全く同様に、
複合アイゾット衝撃試験片を作製し、せん断剥離荷重を
求めた。評価結果を表3に示す。 [実施例11]ポリエチレンワックスの種類を三井化学
(株)製ポリエチレンワックス 「三井ハイワックス4
00P」(B−2)に変更した以外は、実施例10と全
く同様にして、複合アイゾット衝撃試験片を作製し、せ
ん断剥離荷重を求めた。評価結果を表3に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】 A−1 ポリアセタール樹脂 ユピタールF30−01
(融点166℃) A−2 ポリアセタール樹脂 ユピタールF20−01
(融点165℃) A−3 ポリアセタール樹脂 ユピタールF10−01
(融点164℃) B−1 ポリエチレンワックス 三井ハイワックス 8
00P B−2 ポリエチレンワックス 三井ハイワックス 4
00P B−3 超高分子量ポリエチレン ミペロンXM−20
0 B−4 パラフィンワックス ルバックス−155 C−1 高密度ポリエチレン モディック−HD HJ
330 C−2 変性ポリオレフィン モディック−AP M5
91
【0065】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、ポ
リアセタール系樹脂成形体とポリオレフィン系樹脂成形
体とが高い密着力で接着した複合成形体、及び該複合成
形体を容易に製造可能なの製造方法を提供することがで
きる。本発明によれば、ポリアセタール系樹脂の優れた
特性(例えば、機械的強度、耐薬品性、耐熱性など)を
損なうことなく、ポリオレフィン系樹脂成形体と複合化
した複合成形体及び該複合成形体を容易に製造可能な製
造方法を提供することができる。更に本発明によれば、
成形加工性の高い汎用的な複合成形体及び該成形体を容
易に製造可能な製造方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 59/00 C08L 59/00 //(C08L 59/00 91:06 91:06) B29K 23:00 B29K 23:00 59:00 59:00 B29L 9:00 B29L 9:00 (72)発明者 真田 大輔 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 近藤 隆夫 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 Fターム(参考) 3E033 AA01 BA14 BA30 BB07 CA03 CA07 CA11 FA03 4F073 AA01 BA34 BA52 BB08 CA01 CA21 CA42 CA45 EA01 EA31 EA41 4F100 AH02B AJ11A AK03B AK03C AK23A AL06B BA02 BA03 BA07 BA10C BA16 EJ42 EJ53 EJ54 EJ55 EJ61 EJ68 GB16 JA06B JA13B JL11 YY00A YY00B 4F211 AA03 AA23 AB01 AD32 AD33 AG01 AG03 AH05 TA03 TC01 TH02 TH03 TH21 TH24 TN02 TQ01 4J002 AE032 BB022 CB001

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアセタール系樹脂からなるポリアセ
    タール系樹脂成形体と、ポリオレフィン系樹脂からなる
    ポリオレフィン系樹脂成形体とが接着した複合成形体で
    あって、前記ポリアセタール系樹脂成形体は、ポリアセ
    タール系樹脂と、該ポリアセタール系樹脂100重量部
    に対して0.01〜10重量部のパラフィンワックス及
    び/又はポリエチレンワックスとを含有し、前記ポリア
    セタール系樹脂成形体における前記ポリオレフィン系樹
    脂成形体との接着面が、表面処理されていることを特徴
    とする複合成形体。
  2. 【請求項2】 前記ポリアセタール系樹脂成形体の接着
    面が、酸処理、アルカリ処理、低温プラズマ処理、コロ
    ナ放電処理、紫外線照射処理及び電子線照射処理よりな
    る群から選ばれるいずれかの表面処理を施されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の複合成形体。
  3. 【請求項3】 前記ポリオレフィン系樹脂成形体が、未
    変性ポリオレフィン系樹脂を少なくとも含むことを特徴
    とする請求項1又は2に記載の複合成形体。
  4. 【請求項4】 前記ポリオレフィン系樹脂成形体が、反
    応性官能基を有する変性ポリオレフィン系樹脂を含み、
    前記ポリアセタール系樹脂成形体との接着面に、前記変
    性ポリオレフィン系樹脂部分を少なくとも有することを
    特徴とする請求項1又は2に記載の複合成形体。
  5. 【請求項5】 前記ポリオレフィン系樹脂成形体が、未
    変性ポリオレフィン系樹脂からなる第一の層と、反応性
    官能基を有する変性ポリオレフィン系樹脂からなる第二
    の層とを積層した構造を含み、前記ポリオレフィン系樹
    脂成形体における前記ポリアセタール系樹脂成形体との
    接着面が前記第二の層の表面であることを特徴とする1
    又は2に記載の複合成形体。
  6. 【請求項6】 前記変性ポリオレフィン系樹脂の反応性
    官能基が、酸無水物基、エポキシ基及びカルボキシル基
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基
    であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に
    記載の複合成形体。
  7. 【請求項7】 JIS K7210法に基づいて、シリ
    ンダー温度190℃、且つ負荷荷重2160gという条
    件にて測定された前記変性ポリオレフィン系樹脂のメル
    トフローレート(MFR)が、2g/10min以下で
    あり、さらにJIS 7112法に基づいて測定された
    常温における前記変性ポリオレフィン系樹脂の密度が
    0.90g/cm3以上であることを特徴とする請求項
    3〜6のいずれか1項に記載の複合成形体。
  8. 【請求項8】 前記ポリアセタール系樹脂成形体及び/
    又は前記ポリオレフィン系樹脂成形体が少なくとも一部
    分に中空部を有することを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれか1項に記載の複合成形体。
  9. 【請求項9】 前記ポリアセタール系樹脂成形体及び/
    又は前記ポリオレフィン系樹脂成形体が中空容器である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    複合成形体。
  10. 【請求項10】 ポリアセタール系樹脂からなるポリア
    セタール系樹脂成形体と、ポリオレフィン系樹脂からな
    るポリオレフィン系樹脂成形体とを接着した複合成形体
    の製造方法であって、ポリアセタール系樹脂と、該ポリ
    アセタール系樹脂100重量部に対して0.01〜10
    重量部のパラフィンワックス及び/又はポリエチレンワ
    ックスとを含有する前記ポリアセタール系樹脂成形体の
    表面の少なくとも一部に表面処理を施す表面処理工程
    と、前記ポリアセタール系樹脂成形体の表面処理された
    少なくとも一部の表面が80℃以上前記ポリアセタール
    系樹脂の融点未満の温度になるまで加熱する加熱工程
    と、前記ポリアセタール系樹脂の融点以上の温度に加熱
    された前記ポリオレフィン系樹脂成形体の少なくとも一
    部の表面と、前記加熱工程によって加熱された前記ポリ
    アセタール系樹脂成形体の表面処理をされた少なくとも
    一部の表面とを圧着する圧着工程とを含むことを特徴と
    する複合成形体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記表面処理工程が、酸処理、アルカ
    リ処理、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照
    射処理及び電子線照射処理よりなる群から選ばれるいず
    れかの表面処理を施す工程であることを特徴とする請求
    項10に記載の複合成形体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記ポリオレフィン系樹脂成形体が、
    未変性ポリオレフィン系樹脂及び/又は反応性官能基を
    有する変性ポリオレフィン系樹脂を少なくとも含むこと
    を特徴とする請求項10又は11に記載の複合成形体の
    製造方法。
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