JP2003211483A - 成形方法および成形体 - Google Patents

成形方法および成形体

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JP2003211483A
JP2003211483A JP2002014410A JP2002014410A JP2003211483A JP 2003211483 A JP2003211483 A JP 2003211483A JP 2002014410 A JP2002014410 A JP 2002014410A JP 2002014410 A JP2002014410 A JP 2002014410A JP 2003211483 A JP2003211483 A JP 2003211483A
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styrene
resin
syndiotactic polystyrene
polystyrene
carbon dioxide
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JP2002014410A
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Takeshi Maeda
丈志 前田
Katsuto Otake
勝人 大竹
Kazuo Nakayama
和郎 中山
Shin Horiuchi
伸 堀内
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Sanyo Electric Co Ltd
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Sanyo Electric Co Ltd
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  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スチレン系樹脂の耐薬品性および強度を改善
する。 【解決手段】 圧力容器10において、二酸化炭素の超
臨界雰囲気でスチレン系リサイクル材に二酸化炭素を含
浸させる。そして、スチレン系リサイクル材と、シンジ
オタクチックポリスチレンのペレットを成形機14の混
練部14bで撹拌混合して、シンジオタクチックポリス
チレンをスチレン系リサイクル材中に均一に分散させ
て、成形体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シンジオタクチッ
クポリスチレンなどの結晶性樹脂とGPPS(一般ポリ
スチレン樹脂)、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)、
SBR(スチレンブタジエンゴム)、ABS(アクリロ
ニトリルブタジエンスチレン樹脂)、SAN=AS(ア
クリロニトリルスチレン樹脂)、SBS(スチレンブタ
ジエンスチレンブロックコポリマー)のうちひとつまた
は混合物からなるスチレン系樹脂などの非結晶性樹脂を
混合したアロイ樹脂の成形方法および成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂として、GPPS(一般
ポリスチレン樹脂)、HIPS(耐衝撃性ポリスチレ
ン)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、ABS(ア
クリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、SAN=A
S(アクリロニトリルスチレン樹脂)、SBS(スチレ
ンブタジエンスチレンブロックコポリマー)等種々の樹
脂、種々グレードのものが広く利用されいる。これらの
スチレン系樹脂は、安価で成形が容易であるため汎用プ
ラスチックとして各種用途に使用され、特に家電製品や
自動車の各種部品、筐体等に使用されている。
【0003】このため、これらのスチレン系樹脂の部品
が製造される段階の廃材として、または使用後に廃棄物
としてスチレン系樹脂の廃材が大量に排出される。従来
は、このスチレン系樹脂の廃材は、埋め立てあるいは焼
却という方法により処理されていた。しかし、これらを
有効に利用する方法が望まれており、例えば特開平6−
818のように粉砕後再成形する方法、特開平11−1
23751のように多層積層成形体を製造する方法等が
考案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、廃材
は、異物、染料等の混入、グレードの不均一等の問題が
あり、強度や品質が低下し、そのまま再利用できない場
合が多く、強度や耐薬品性を改善されたリサイクル品の
製造について、さらなる技術の開発が必要とされてい
る。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、リサイクル材を使用しても強度、耐薬品性
の優れた成形体およびその成形方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
であって、結晶性樹脂と非結晶性樹脂を混合したアロイ
樹脂に、二酸化炭素を添加して可塑化し、結晶性樹脂単
体の融点より低い温度で成形すること特徴とする。結晶
性樹脂を二酸化炭素により可塑化するため、結晶性樹脂
を比較的低温で可塑化することができ、比較的低温で非
結晶性樹脂中に結晶性樹脂を分散することができる。そ
こで、低温における成形によって、結晶性樹脂により品
質が改善された成形体を得ることができる。
【0007】また、本発明は、GPPS(一般ポリスチ
レン樹脂)、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)、SB
R(スチレンブタジエンゴム)、ABS(アクリロニト
リルブタジエンスチレン樹脂)、SAN=AS(アクリ
ロニトリルスチレン樹脂)、SBS(スチレンブタジエ
ンスチレンブロックコポリマー)のうちひとつまたは混
合物からなるスチレン系樹脂の成形方法であって、前記
スチレン系樹脂85〜95重量部と、シンジオタクチッ
クポリスチレン5〜15重量部とを混合するとともに、
二酸化炭素を添加して可塑化しシンジオタクチックポリ
スチレンを均一に分散し、成形機のシリンダーが240
℃以下で成形することを特徴とする。
【0008】このように、二酸化炭素を添加することで
スチレン系樹脂とシンジオタクチックポリスチレンの混
合樹脂を240℃以下で可塑化することができる。そこ
で、スチレン系樹脂を劣化させることなく、シンジオタ
クチックポリスチレンをスチレン系樹脂中に均一に分散
させて成形することができる。
【0009】また、前記スチレン系樹脂が50重量部以
上のスチレン基を含有するリサイクル材であることが好
適である。リサイクル材から耐薬品性、強度が向上され
た成形体を得ることができる。
【0010】また、前記リサイクル材のスチレン系樹脂
は、シンジオタクチックポリスチレンの融点において熱
分解するエラストマーや特性改善のための添加剤を含ん
でいることが好適である。リサイクル材は、エラストマ
ーとしてのブタジエン成分や、難燃剤、帯電防止剤など
の添加剤を含んでいる場合が多く、これらが熱分解し品
質が劣化しやすいが、本発明によれば低温でシンジオタ
クチックポリスチレンを分散できるため、品質劣化を起
こしにくい。
【0011】また、前記二酸化炭素をスチレン系樹脂に
添加した後、シンジオタクチックポリスチレンと混合し
て可塑化することが好適である。スチレン系樹脂に二酸
化炭素を添加することで、ペレット状のシンジオタクチ
ックポリスチレンをスチレン系樹脂に混合した後、可塑
化して分散させることができる。
【0012】また、前記二酸化炭素を超臨界雰囲気下に
おいて、少なくとも前記スチレン系樹脂に含浸させる。
二酸化炭素を超臨界雰囲気とすることで、二酸化炭素を
効果的に含浸させることができる。
【0013】また、前記二酸化炭素の添加量は、前記ス
チレン系樹脂およびシンジオタクチックポリスチレンの
合計量に対し、2重量部以上であることが好適である。
【0014】また、前記スチレン系樹脂85〜95重量
部と、シンジオタクチックポリスチレン5〜15重量部
とを混合することが好適である。
【0015】また、本発明は、上述の方法により得られ
る成形体に関する。
【0016】さらに、本発明は、GPPS(一般ポリス
チレン樹脂)、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)、S
BR(スチレンブタジエンゴム)、ABS(アクリロニ
トリルブタジエンスチレン樹脂)、SAN=AS(アク
リロニトリルスチレン樹脂)、SBS(スチレンブタジ
エンスチレンブロックコポリマー)のうちひとつまたは
混合物からなるスチレン系樹脂と、シンジオタクチック
ポリスチレンと、シンジオタクチックポリスチレンの融
点より低い温度で熱分解するスチレン系樹脂の特性改善
用添加剤と、を含み、シンジオタクチックポリスチレン
がポリスチレンマトリックスに対する異物核を形成する
ことなくスチレン系樹脂中に実質的に均一に分散してい
ることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、詳しく説明する。図1は、実施形態の成形体を得る
ためのシステムの概念的構成を示す図である。
【0018】電気製品の廃材などのスチレン系リサイク
ル材は、まず粉砕器10によって粉砕する。この粉砕器
10は、5mmメッシュのふるいを有しており、粉砕さ
れたリサイクル材は、大きさ5mm以下(基本的に5m
mを若干下回る大きさ)になる。次に、粉砕されたリサ
イクル材は、圧力容器12に導入される。この圧力容器
12には、二酸化炭素が導入されており、二酸化炭素が
スチレン系リサイクル樹脂中に含浸分散される。例え
ば、粉砕したリサイクル材を導入した後、二酸化炭素を
導入し、40℃、二酸化炭素80気圧という超臨界雰囲
気下におくことで、二酸化炭素をリサイクル材中に二酸
化炭素を含浸する。より高温、高圧にすることにより、
処理時間を短縮できる。ここで、二酸化炭素をリサイク
ル材の重量に対し、2重量部以上含浸させる。
【0019】二酸化炭素が含浸されたリサイクル材は、
成形機14のホッパー部14aを介し、スクリューコン
ベアからなる混練部14bに導入される。この成形機1
4のホッパー部14aには、シンジオタクチックポリス
チレンも供給され、混練部14bにおいて両者が撹拌混
合される。なお、ホッパー部14aに投入する前に、簡
単に両者を撹拌しておくことも好適である。
【0020】ここで、両者の混合は、スチレン系リサイ
クル材が85〜95重量部、シンジオタクチックポリス
チレンが5〜15重量部となるように、リサイクル材に
対しシンジオタクチックポリスチレンのペレットが混合
される。また、この混練部14b内部の温度は、210
℃より高く240℃より低い温度に保たれる。シンジオ
タクチックポリスチレンの融点は、240℃以上であ
り、通常の場合であればシンジオタクチックポリスチレ
ンは溶解しないため、分散しない。ところが、スチレン
系リサイクル材に二酸化炭素が含浸されているため、混
練されている間にシンジオタクチックポリスチレンが可
塑化され、リサイクル材中に均質に分散される。
【0021】なお、圧力容器12から取り出された二酸
化炭素が含浸されたリサイクル材を大気中に放置する
と、二酸化炭素が徐々に大気中に抜ける。そこで、圧力
容器12から取り出されたリサイクル材は10分以内に
シンジオタクチックポリスチレンと混練し、成形する必
要がある。
【0022】そして、このように混練部14bにおい
て、混練された混合物は、成形部14cに導入され、成
形される。この成形部14cは、押出成形でも、射出成
形でもよい。
【0023】なお、本例では、二酸化炭素を含浸するた
めに、圧力容器10を設けたが、成形機14の混練部1
4bに二酸化炭素を導入し、スチレン系樹脂とシンジオ
タクチックポリスチレンの混合樹脂を可塑化させてもよ
い。
【0024】以上のように、本実施形態では、リサイク
ル材と、シンジオタクチックポリスチレンを混練してい
る際に二酸化炭素が存在する。これによって、スチレン
系樹脂とシンジオタクチックポリスチレンの混合樹脂が
240℃を下回る温度で可塑化され、リサイクル材中に
均一に分散される。そこで、成形体中にシンジオタクチ
ックポリスチレンが均一に分散され、成形体の耐薬品性
および強度を効果的に向上することができる。特に、リ
サイクル材を240℃より高い温度にすると、エラスト
マーや難燃剤、耐電防止剤などの添加剤が熱分解してし
まい、成形体の品質が劣化するが、本実施形態によれ
ば、低温で成形が可能であるため、成形体の品質を効果
的に向上することができる。
【0025】特に、本実施形態によれば、シンジオタク
チックポリスチレンが結晶化してポリスチレンマトリッ
クスに対して異物核を形成することなく、強度、耐薬品
性に優れた成形体を提供できる。
【0026】すなわち、シンジオタクチックポリスチレ
ンは、一般のポリスチレンと相溶性があり、耐加水分解
性や成形性に優れるだけでなく、結晶性樹脂に特徴の耐
薬品性、耐熱性にも優れている。しかし、一般ポリスチ
レン樹脂より成形温度が高く、単体での融点は270℃
と一般のポリスチレンの成形温度200℃〜220℃で
は、融解せず硬い核となって異物の働きをする。
【0027】しかし、本実施形態では、シンジオタクチ
ックポリスチレンを5〜15重量部添加し、成形溶融時
に超臨界二酸化炭素下で混練することにより低温での成
形を可能とし、シンジオタクチックポリスチレンが異物
核となることなく均一に分散できる。よって、この方法
により、リサイクル材の機械的強度を補償すると共に、
シンジオタクチックポリスチレンの溶剤結晶化による耐
薬品性の向上した成形品を提供できるという効果があ
る。
【0028】次に、具体的な例について、説明する。ま
ず、シンジオタクチックポリスチレン(sPS)として
は、市販のガラスフィラーの添加されていないシンジオ
タクチックポリスチレン樹脂を用いる。ここで、本発明
のシンジオタクチックポリスチレンは、一般にシンジオ
タクチックポリスチレンと表記されるもので、シンジオ
タクチック構造(ダイアッド;隣同士がシンジオタクチ
ック構造の関係)を75%以上有するポリスチレン、ポ
リ(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレ
ン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息
香酸エステル)およびこれらの混合物、あるいはこれら
を主成分とする共重合体であればよく、上述した市販の
樹脂に限定されるものではない。
【0029】また、本実施形態では、スチレン系リサイ
クル樹脂は、廃棄TVキャビネット由来のHIPS樹脂
とABS樹脂の混合物(ABS樹脂5重量部以下)を使
用した。しかし、本発明のスチレン系樹脂は、GPPS
(一般ポリスチレン樹脂)、HIPS(耐衝撃性ポリス
チレン)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、ABS
(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、SAN
(アクリロニトリルスチレン樹脂)、SBS(スチレン
ブタジエンスチレンブロックコポリマー)等のスチレン
基を主体として50%以上含む材料であればよく、上述
したスチレン系樹脂に限定されるものではない。
【0030】次に、これらシンジオタクチックポリスチ
レンとスチレン系リサイクル材からアロイ樹脂を成形し
た実施例について説明する。
【0031】まず、スチレン系リサイクル材(スチレン
系樹脂)を圧力容器に入れ、80気圧40℃の二酸化炭
素雰囲気下に24時間以上置いた。これによって、2重
量部以上の二酸化炭素がスチレン系樹脂内に拡散する。
この二酸化炭素が含浸されたスチレン系樹脂を圧力容器
から取り出した後、5重量部〜15重量部のシンジオタ
クチックポリスチレン樹脂ペレットを添加し1〜2分撹
拌混合した後、成形機のホッパーに供給した。スチレン
系樹脂の圧力容器からの取り出しから成形機のホッパー
への供給までの時間は10分以内であった。
【0032】成形機には、山城精機製縦型射出成形機を
使用した。シリンダー温度は入口部220℃、中央部2
30℃、射出ノズル部は230℃、金型温度は50℃と
した。成形体はJIS2号試験片とした。
【0033】ここで、成形機としては、成形体に応じて
射出成形機、押出成形機を用いることが可能である。ま
た、上述の例では、成形機とは別に設けた圧力容器にお
いて二酸化炭素を添加したが、射出成形機、押出成形機
内に圧力容器を設けてもよく、またスクリュー部へ直接
供給してもよい。さらに、二酸化炭素の供給、含浸の処
理は、バッチ的に行っても連続して行ってもよい。そし
て、いずれの場合でも、シンジオタクチックポリスチレ
ンの分散においては、二酸化炭素混合の効果を得ること
ができる。
【0034】また、比較例としてシンジオタクチックポ
リスチレンを添加しなかったもの、20重量部添加した
ものを実施例と同様にして成形した。また、二酸化炭素
の効果の比較例として、二酸化炭素を添加せずに実施例
と同様に成形した。
【0035】表1にこれらの試験片の一覧を示す。
【0036】
【表1】 また、sPSを10重量部添加し、二酸化炭素を添加し
た試験片(A−3)については、表2に示すように、成
形温度を変えて210、220、230、240、25
0℃で各試験片を調製した。
【0037】
【表2】 そして、表1、2に示される各試験片について、引張伸
び率と、耐薬品試験(23℃アセトン、1時間)の結果
を表3、4、に示す。
【0038】
【表3】
【表4】 このように、表3から、二酸化炭素による可塑化なしで
シンジオタクチックポリスチレンを添加した場合、10
重量部以上添加することで耐薬品性の向上の効果がみら
れ始めることがわかった(B−3、B−4)。しかし、
これら試験片B−3、B−4では引張伸び率が下がり十
分な成形体強度が得られないことがわかった。これは、
シンジオタクチックポリスチレンの融点が高く、十分に
マトリックス樹脂であるスチレン系リサイクル樹脂中に
分散せず、引張試験時に応力が集中し破断したためと考
えられる。
【0039】一方、二酸化炭素を添加した場合には、シ
ンジオタクチックポリスチレンの添加量5重量部(A−
2)から耐薬品性の向上がみられ、また、添加量15重
量部まで引張伸び率は下がらず、かえって上昇した。こ
れは、二酸化炭素を添加して可塑化した状態で成形する
ことで引張伸び率の低下を防ぐことができ、かつシンジ
オタクチックポリスチレンが均一に分散したためと考え
られる。しかし、シンジオタクチックポリスチレンの含
有量が高くなり、20重量部を越えると、引張伸び率が
急激に低下した。これは、二酸化炭素による可塑化効果
では均一分散できる限界に達したためと考えられる。
【0040】このことから、二酸化炭素による可塑化効
果を十分に利用するためには、シンジオタクチックポリ
スチレンは15重量部以下が好ましく、また耐薬品性の
向上のためには、5重量部以上添加することが好ましい
ことが分かった。
【0041】また、表4に示すように、成形温度210
℃では引張伸び率が非常に小さい。これは、シンジオタ
クチックポリスチレンが十分に溶解せず分散できないか
らと考えられる。一方、240℃より高い温度での成形
では引張伸び率および衝撃強度が低下する。これは、リ
サイクル材に含まれるエラストマー種々添加剤(例えば
帯電防止剤)の熱分解がはじまるためと考えられる。す
なわち、一般に使用されているスチレン系樹脂では、そ
の特性を改善するために、帯電防止剤や顔料など各種の
添加剤が添加されており、このような添加剤には240
℃より高い温度で熱分解し、樹脂の特性を低下させてし
まうものが多い。このような添加剤としては、例えば、
テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニル
エーテル、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロ
デカンに代表されるハロゲン系難燃剤や、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキル
アミン・アミド類に代表される帯電防止剤が挙げられ
る。
【0042】そこで、210℃より高く240℃以下の
成形温度で成形する必要があることがわかる。
【0043】これらの結果から、50重量部以上のスチ
レン基を含有するスチレン系樹脂(GPPS(一般ポリ
スチレン樹脂)、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)、
SBR(スチレンブタジエンゴム)、ABS(アクリロ
ニトリルブタジエンスチレン樹脂)、SAN=AS(ア
クリロニトリルスチレン樹脂)、SBS(スチレンブタ
ジエンスチレンブロックコポリマー)のうちひとつまた
は混合物)のリサイクル材に、シンジオタクチックポリ
スチレンを5〜15重量部添加し、射出成形または押出
成形のシリンダー内で混練しながら、一度二酸化炭素の
超臨界状態下におくことで240℃以下で成形、好まし
くは220℃以上240℃以下で成形することで、強
度、耐薬品性に優れた成形体を提供できることがわか
る。
【0044】また、本発明による成形体をサンドイッチ
成形のスキン材に使用することでシンジオタクチックポ
リスチレンの量をさらに減少させた成形体も可能であ
る。例えば、コア材としてスチレン系リサイクル材をそ
のまま使用、スキン材として本発明によるスチレン系リ
サイクル材をマトリックスとしたシンジオタクチックポ
リスチレンとの混合樹脂を成形することで、強度および
耐薬品性を維持しつつ、成形体におけるリサイクル材の
比率を上昇することができる。さらに、リサイクル材に
外観の点で問題がある場合、コア材にリサイクル材をそ
のまま使用、スキン材として、本発明によるスチレン系
樹脂に新材を使用したシンジオタクチックポリスチレン
との混合樹脂を成形することもできる。
【0045】本発明の成形体は、耐薬品性の必要とされ
る家電製品や日用品、例えばパッケージエアコンのパネ
ル、ドレン、化粧台、洗面台の棚、溶剤等を使用する環
境下でのパソコン筐体、周辺機器筐体、薬品等の付着す
る可能性のあるトレイなど、およそスチレン系材料が使
用されていた箇所すべてで使用可能である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、結晶性樹脂を二酸
化炭素により可塑化するため、結晶性樹脂を比較的低温
で可塑化することができ、比較的低温で非結晶性樹脂中
に結晶性樹脂を分散することができる。そこで、低温に
おける成形によって、結晶性樹脂により品質が改善され
た成形体を得ることができる。
【0047】特に、スチレン系リサイクル材に、シンジ
オタクチックポリスチレンを分散させることで、耐薬品
性および強度を向上した成形体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のシステムを示す図である。
【符号の説明】
10 粉砕器、12 圧力容器、14 成形機、14a
ホッパー部、14b混練部、14c 成形部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 25:06) B29K 25:00 B29K 25:00 105:16 105:16 (72)発明者 大竹 勝人 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所つくばセンター内 (72)発明者 中山 和郎 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所つくばセンター内 (72)発明者 堀内 伸 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所つくばセンター内 Fターム(参考) 4F071 AA12X AA22 AA22X AA34X AA75 AA77 AA89 AB17 AH07 AH12 AH19 BA01 BB05 BB06 4F206 AA13 AA47 AA50 AB07 AB11 AR062 JA07 JL02 4F207 AA13 AA47 AA50 AB07 AB11 AR06 KA01 KA17 4J002 AC081 BC031 BC032 BC041 BC061 BN141 BN151 BP011 GC00 GN00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂であって、結晶性樹脂と非
    結晶性樹脂を混合したアロイ樹脂に、二酸化炭素を添加
    して可塑化し、結晶性樹脂単体の融点より低い温度で成
    形すること特徴とする成形方法。
  2. 【請求項2】 GPPS(一般ポリスチレン樹脂)、H
    IPS(耐衝撃性ポリスチレン)、SBR(スチレンブ
    タジエンゴム)、ABS(アクリロニトリルブタジエン
    スチレン樹脂)、SAN=AS(アクリロニトリルスチ
    レン樹脂)、SBS(スチレンブタジエンスチレンブロ
    ックコポリマー)のうちひとつまたは混合物からなるス
    チレン系樹脂の成形方法であって、 前記スチレン系樹脂85〜95重量部と、シンジオタク
    チックポリスチレン5〜15重量部とを混合するととも
    に、二酸化炭素を添加して可塑化しシンジオタクチック
    ポリスチレンを均一に分散し、成形機のシリンダー温度
    を240℃以下で成形することを特徴とする成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の成形方法において、 前記スチレン系樹脂が50重量部以上のスチレン基を含
    有するリサイクル材であることを特徴とする成形方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の成形方法において、 前記リサイクル材のスチレン系樹脂は、シンジオタクチ
    ックポリスチレンの融点において熱分解する添加剤を含
    んでいることを特徴とする成形方法。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか1つに記載の方
    法において、 前記二酸化炭素をスチレン系樹脂に添加した後、シンジ
    オタクチックポリスチレンと混合して可塑化することを
    特徴とする成形方法。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか1つに記載の方
    法において、 前記二酸化炭素を超臨界雰囲気下において、少なくとも
    前記スチレン系樹脂に含浸させることを特徴とする成形
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項2〜6のいずれか1つに記載の方
    法において、 前記二酸化炭素の添加量は、前記スチレン系樹脂および
    シンジオタクチックポリスチレンの合計量に対し、2重
    量部以上であることを特徴とする成形方法。
  8. 【請求項8】 請求項2〜7のいずれか1つに記載の方
    法において、 前記スチレン系樹脂85〜95重量部と、シンジオタク
    チックポリスチレン5〜15重量部とを混合することを
    特徴とする成形方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかの方法により得
    られる成形体。
  10. 【請求項10】 GPPS(一般ポリスチレン樹脂)、
    HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)、SBR(スチレン
    ブタジエンゴム)、ABS(アクリロニトリルブタジエ
    ンスチレン樹脂)、SAN=AS(アクリロニトリルス
    チレン樹脂)、SBS(スチレンブタジエンスチレンブ
    ロックコポリマー)のうちひとつまたは混合物からなる
    スチレン系樹脂と、シンジオタクチックポリスチレン
    と、シンジオタクチックポリスチレンの溶解温度より低
    い温度で熱分解するスチレン系樹脂の特性改善用添加剤
    と、を含み、シンジオタクチックポリスチレンがポリス
    チレンマトリックスに対する異物核を形成することなく
    スチレン系樹脂中に実質的に均一に分散していることを
    特徴とするアロイ成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007122957A1 (ja) * 2006-03-24 2007-11-01 Japan Science And Technology Agency 射出成形システム
WO2009102065A1 (ja) 2008-02-14 2009-08-20 Boron Japan Co., Ltd. 添加剤及びその製造方法並びにそれを含む組成物
CN104511999A (zh) * 2013-09-29 2015-04-15 富港电子(东莞)有限公司 用于激光直接成型技术混合材料的利用方法

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