JP2003210905A - 各種溶液中の溶解物の結晶化方法、結晶化装置並びに結晶化物 - Google Patents

各種溶液中の溶解物の結晶化方法、結晶化装置並びに結晶化物

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JP2003210905A
JP2003210905A JP2002019281A JP2002019281A JP2003210905A JP 2003210905 A JP2003210905 A JP 2003210905A JP 2002019281 A JP2002019281 A JP 2002019281A JP 2002019281 A JP2002019281 A JP 2002019281A JP 2003210905 A JP2003210905 A JP 2003210905A
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Masakatsu Takayasu
正勝 高安
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種溶液から水分を分離処理して溶解物を結晶
化する方法および装置並びに結晶化した物に関し、高価
な設備を要せずにしかも極めて短時間に効率的に植物抽
出液や公害液等の水分を気化させて、溶解物を結晶化可
能とする。 【解決手段】各種溶液を霧化し、かつ温風を吹きつけて
水分を蒸発させて、溶解物の結晶ないし濃縮溶液を得る
方法において、蒸発水分の流れの途中に1段または複数
段に網または布の少なくとも片方を配置し、蒸発水分が
該網または布の少なくとも片方を通過する際に、溶解物
の結晶を該網または布の少なくとも片方に付着させ、捕
獲する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種溶液から水分を
分離処理して溶解物を結晶化する方法および装置並びに
結晶化した物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在は植物抽出液、例えば植物などから
採取した液汁などから水分を分離するには、例えば砂糖
きびから砂糖を生産する場合にみられるように、砂糖き
びの抽出液を釜で加熱し沸騰させているのが通例であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、長時間
釜を加熱しなければならず、エネルギー的にも、時間的
にも非効率である。
【0004】本発明の発明者は、特許第3250738
号において、常温瞬間結晶法によって、微細粒子の塩を
効率的に製造する方法を提案したが、本発明は、この製
塩法を植物抽出液や公害液などの処理にも適用すること
で、効率的に結晶化し、固液分離するものである。
【0005】すなわち、本発明の技術的課題は、このよ
うな問題に着目し、高価な設備を要せずにしかも極めて
短時間に効率的に植物抽出液や公害液等の水分を気化さ
せて、溶解物を結晶化可能とすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の技術的課題は次
のような手段によって解決される。請求項1から請求項
9の発明は、各種溶液中の溶解物の結晶化方法の発明で
あり、請求項1は、各種溶液を霧化し、かつ温風を当て
ることで、水分を蒸発させて溶解物の結晶化を促進さ
せ、溶解物の結晶物を得ることを特徴とする各種溶液中
の溶解物の結晶化方法である。
【0007】このように、各種溶液を霧化すると、無数
の各種溶液の微粒子となるので、容積に対する表面積が
大きくなり、水分の気化が容易となる。その結果、水分
と溶解物の結晶との分離が効率的に行なえる。しかも、
温風を当てるので、熱エネルギーと風によって、水分の
気化がより促進され、結晶物を安価に製造できる。ま
た、各種溶液を微細霧にするので、粒子が非常に細かい
結晶物が得られる。
【0008】請求項2は、各種溶液を霧化し、かつ水分
を蒸発させて、溶解物の結晶ないし濃縮溶液を得る方法
において、蒸発水分の流れの途中に1段または複数段に
網または布の少なくとも片方を配置し、蒸発水分が該網
または布の少なくとも片方を通過する際に、溶解物を該
網または布の少なくとも片方に付着させることを特徴と
する請求項1に記載の各種溶液中の溶解物の結晶化方法
である。
【0009】網や布を複数段にする場合は、それぞれの
網や布は直接重ねてもよく、間隔をおいて離してもよ
い。また、網と布の両方を用いる場合も、互いに重ねて
もよく、離してもよい。このとき、どちらを上にしても
よい。
【0010】このように、蒸発水分の流れの途中に、網
または布の少なくとも片方を1段または複数段配置した
ため、蒸発水分が該網または布の少なくとも片方を通過
する際に、溶解物の通過が阻止され、該網または布の少
なくとも片方に付着する。その結果、折角水分から分離
した溶解物や濃縮各種溶液が無駄に排出されるのを防止
できる。
【0011】請求項3は、前記の網または布の少なくと
も片方の下側に多数の棒状体を自立させ、溶解物の結晶
を付着させることを特徴とする請求項2に記載の各種溶
液中の溶解物の結晶化方法である。
【0012】このように、溶解物が素通りするのを阻止
するための網または布の下に、多数の棒状体を自立させ
て、溶解物の結晶を付着させると、網や布に到達する前
に溶解物の結晶を棒状体で捕獲することができる。その
結果、網や布が結晶で目詰まりするのを遅らせることが
できる。
【0013】棒状体は、網のメッシュに比べると充分な
間隔をおいて自立させるので、通風性がよく、より長時
間にわたって、より大量の結晶を捕獲堆積できる。した
がって、棒状体と網などを交互に配置して併用すること
によって、より効率的に結晶を捕獲できる。なお、棒状
体は吊り下げるのでなく、自立させるので、捕獲堆積し
た結晶の重みに充分耐えることができ、吊り下げ構造の
ように堅牢な支持構造を必要としない。また、堅牢な支
持構造のためのスペースを、処理室として有効利用でき
る。
【0014】請求項4は、前記の網または布の少なくと
も片方に付着した溶解物を、各種溶液による洗い落とし
その他の手法で回収することを特徴とする請求項2また
は請求項3に記載の各種溶液中の溶解物の結晶化方法で
ある。
【0015】このように、網や布に通過阻止されて付着
した溶解物や濃縮各種溶液は、各種溶液をかけて洗い落
としり、振り落としたりすと、処理室内に回収できるの
で、折角水分から分離した溶解物や濃縮各種溶液を回収
して結晶化に利用でき、効率的に結晶化できる。
【0016】請求項5は、前記の網、布、多数の紐類や
棒状体に溶解物が付着した状態において、このように付
着した溶解物からの気化や霧状粒子からの気化を積極的
に抑制して、付着した溶解物に積極的に水分を含ませて
重くし、剥離落下を容易にすることを特徴とする請求項
2、請求項3または請求項4に記載の各種溶液中の溶解
物の結晶化方法である。
【0017】このように、網などに溶解物が付着した状
態において、水分の気化を積極的に抑制する手法を採る
と、付着した溶解物に積極的に水分を含ませることがで
き、その結果、水分を含んで重くなるので、容易に剥離
落下する。また、水分を含むと結晶が溶けて、網などに
対する付着力も低下するので、剥離落下が一層容易にな
る。そのため、前記のような各種溶液で洗い落とした
り、振動を加えて振り落とすなどの方法より、装置や処
理が簡易化される。
【0018】なお、このように水分の気化を抑制して水
分を増やす方法や請求項3の棒状体を自立させる方法
は、本発明の発明者が先に提案した特許第325073
8号における製塩方法にも応用できる。
【0019】請求項6は、前記のようにして各種溶液を
霧化し、かつ温風を当てて蒸発させた水分を冷却して蒸
溜液を回収することを特徴とする請求項1から請求項5
までのいずれかの項に記載の各種溶液中の溶解物の結晶
化方法である。
【0020】このように、各種溶液を霧化し、かつ温風
を当てることで蒸発させた水分を冷却して蒸溜液を回収
し、製品化すると、蒸発した水分に含まれている各種成
分をも有効利用できる。その結果、各種溶液中の結晶化
した部分も気化蒸発した部分も全部採取して製品として
活用でき、無駄が皆無となる。
【0021】請求項7は、前記の各種溶液の霧化を、各
種溶液に遠心力を与えることで行なうことを特徴とする
請求項1から請求項6までのいずれかの項に記載の各種
溶液中の溶解物の結晶化方法である。結晶物を量産する
には、各種溶液ができるだけ細かい微粒子となるよう
に、しかも大量に微粒子化することが必要となるが、本
発明の発明者が、特願平8−297129号および特願
平8−220618号で提案したような遠心力で細霧を
製造する方法によると、容易に大量の各種溶液を微細霧
化し、水分を蒸発させて、結晶化された溶解物を製造
し、製品化できる。また、蒸発した水分を集めて冷却す
ることによって、液体の製品も容易に製造できる。
【0022】請求項8は、前記の霧化を、処理室内に各
種溶液を散霧して行ない、かつ温風を当てるとともに、
蒸発した水分を処理室の外に排出し、結晶化した溶解物
を処理室内に溜めることを特徴とする請求項1から請求
項7までのいずれかの項に記載の各種溶液中の溶解物の
結晶化方法である。このように、処理室の空間内で、各
種溶液を散霧して温風を当て、しかも蒸発した水分は処
理室の外に排出する方法を採用すると、大量に結晶物を
分離できるので、結晶物の量産がより容易に行なえる。
その結果、結晶物を安価に供給できる。
【0023】請求項9は、各種溶液中の成分が変質しな
い程度の温度に予め予熱してから、前記の霧化を行なう
ことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか
の項に記載の各種溶液中の溶解物の結晶化方法である。
このように、各種溶液を微細化しかつ散霧する際に、予
め予熱することにより、熱エネルギーを加えると、各種
溶液の気化と結晶物の結晶化がより促進される。このと
き、各種溶液中の成分が変質しない程度の温度に加温す
るので、結晶物の品質が低下することはない。
【0024】請求項10は、各種溶液に遠心力を与える
などの手法で各種溶液を霧化し、かつ水分を蒸発させて
通気穴から排出し、溶解物の結晶ないし濃縮溶液を得る
装置において、蒸発水分の流れの途中に、溶解物が逃げ
るのを阻止するための網または布の少なくとも片方を1
段または複数段配設し、さらに前記の網または布の少な
くとも片方の下側に、溶解物を付着させるために多数の
紐類を吊り下げてなることを特徴とする各種溶液の処理
装置である。
【0025】このように、蒸発水分の流れの途中に、溶
解物が逃げるのを阻止するための網または布の少なくと
も片方を1段または複数段配設してあるので、各種溶液
を処理して結晶化を行なう際に、溶解物や濃縮各種溶液
は網や布に阻止され、排出が抑制されるので、水分のみ
が網や布を通過して排出される。その結果、溶解物や濃
縮各種溶液と水分とをより効果的に分離できる。
【0026】布は、網と違って隙間(網目)が無いた
め、溶解物が素通りするのをより効果的に防止できる
が、網と併用するのも有効である。ただし、網だけで
も、それなりの効果がある。網を複数段設けた場合、そ
れぞれの網を直接重ねた構成にすると、実質的に網目を
細かくしたことになり、より確実に溶解物や濃縮各種溶
液を付着させて回収できる。また、間隔をおいて設けた
場合は、溶解物や濃縮各種溶液が複数回網を通過するこ
とになり、より効果的に溶解物や濃縮各種溶液を付着さ
せ、回収できる。
【0027】さらに、溶解物が素通りするのを阻止する
網や布の下に多数の紐類を吊り下げた構成にすると、溶
解物が網や布に到達する前に、浮遊している溶解物が多
数の紐類に付着するので、溶解物の回収が容易で量産に
適する。
【0028】請求項11は、処理室内に、各種溶液を霧
化して散霧する手段と、散霧された各種溶液の霧に温風
を当てる温風送風手段を有し、処理室の屋根部又は天井
部に、処理室内で気化した水蒸気を処理室の外に排出す
る通気穴を有していることを特徴とする各種溶液の処理
装置である。温風送風手段は、散霧手段の吸気側に暖気
を供給することによって、散霧手段が温風送風手段を兼
ねた構造も、散霧手段とは別に設けた温風送風専用の手
段も含まれるものとする。
【0029】このように、処理室内に各種溶液を霧化し
て散霧する手段を有しているので、水分の気化が容易な
ように、処理室内で各種溶液を霧化して、広い空間に散
霧できる。また、温風送風手段を有するので、熱エネル
ギーと風を、各種溶液の微粒子に加えることができる。
気化した水蒸気は、比重が軽いため上昇するが、処理室
の屋根部に排出用の通気穴が開いているので、処理室か
ら水分のみを円滑に排出して、結晶化した結晶物と分離
できる。
【0030】請求項12は、前記の通気穴の途中ないし
下側に、溶解物を付着させるための網または布の少なく
とも片方を少なくとも1段配設し、該網または布の少な
くとも片方の上側に、該網または布の少なくとも片方に
各種溶液を散水して、付着した溶解物を洗い落とす手段
を配設してなることを特徴とする請求項10または請求
項11に記載の各種溶液の処理装置である。
【0031】このように、処理室内と処理室外部との間
に開けた通気穴の途中ないし下側に、溶解物を付着させ
るための網や布を配設した構成なため、比較的面積の小
さいな網や布でも足り、また網や布に付着した溶解物や
濃縮各種溶液を洗い落とす手段も小規模で足りる。しか
も、処理室内から外部に排出された溶解物や濃縮各種溶
液は、すべて通気穴を通過するので、効率的に溶解物や
濃縮各種溶液を回収できる。
【0032】請求項13は、各種溶液を処理室内に霧化
散布し、かつ温風を当てて水分を気化させてなる結晶物
であって、処理室内で各種溶液の霧の水分が前記温風の
熱で気化し上昇する際に、処理室上方の網または布の少
なくとも片方に付着させ、その後、剥離落下させてなる
結晶化溶解物を含んでいることを特徴とする結晶物であ
る。
【0033】このように、各種溶液を霧状に微細化して
温風を当て、水分が気化し上昇する際に、処理室上方の
網や布に付着させてから、剥離落下させて採取してなる
結晶物なため、粒子が非常に細かい結晶物となる。ま
た、微粒子の状態の各種溶液に温風が当たるため、水分
の気化分離が瞬間的に効率的に行なわれるので、全ての
成分が一斉に結晶化する。しかも各種溶液を煮沸する方
法と違って、各種溶液中の溶解物が変質しない程度の温
風を当てるので、各種成分が変質せずにそのまま結晶化
物中に残存し、品質のすぐれた結晶物となる。
【0034】
【発明の実施の形態】次に本発明による各種溶液中の溶
解物の結晶化方法、結晶化装置並びに結晶化物が実際上
どのように具体化されるか実施形態を説明する。各種溶
液の一例として、例えば薬効成分を含んでいる植物から
の抽出成分を含んだ溶液などが挙げられる。抽出方法は
任意であり、例えば植物を煮沸して湯の中に抽出した
り、アルコール等に浸漬して抽出したり、植物を直接圧
搾して絞り汁を得ることもできる。
【0035】このような抽出溶液には、植物の薬効成分
が溶解しているので、溶液から水分を気化蒸発させる
と、溶解物の結晶を得ることができる。この溶解物の結
晶には、薬効成分が濃縮されていることになる。
【0036】図1は本発明による各種溶液処理装置の全
容を示す斜視図、図2はその加温部を例示する斜視図で
ある。1は各種溶液を処理する処理室であり、図示例で
は切妻屋根状の屋根2と両サイドの側壁3a、3bとで
囲まれている。また、この処理室1の天井部ないし屋根
2の上に、間隔D1をおいて切妻屋根状の外屋根4を設
け、かつ前記の処理室の側壁3a、3bの外側に間隔D
2をおいて外壁5a、5bを設けてある。
【0037】処理室1の両端および間隔D1、D2の空
間部23a、23b、23c、23dの両端、すなわち
妻側は、妻壁6、7で閉鎖されている。そして、外屋根
4の棟部上には、冷却のための散水手段として、側壁に
多数の穴のあいた散水管8を設けてある。図3は、処理
室1および側壁3a、3b、5a、5bを水平断面にし
て上から見た平面図である。
【0038】図2において、溶液タンクT2に溜められ
た溶液は、配管11で予熱部12に送られ、加温された
状態で、霧化手段13に供給される。この霧化手段13
は、本発明の発明者が、特願平8−297129号とし
て提案した発明を利用できる。例えば、図8(1)のよ
うに、円筒14の周壁に多数の穴を開け、その外側にメ
ッシュの細かい網15を配設し、円筒14中に配管16
で溶液を供給しながら、円筒14と網15を一緒に回転
させると、遠心力によって網体15から飛散した溶液は
微細な霧状になる。
【0039】また、図8(2)のように、2枚の円板1
7、18間に、円弧状の羽根19を放射状に設けてお
き、中央の孔に配管16で各種溶液を供給しながら、回
転させると、遠心力によって羽根19で各種溶液が飛散
し、霧状となる。このような霧化手段13のみでも足り
るが、さらに送風ファン20を併設することで、細霧を
処理室1の中央に送霧できる。
【0040】遠心力による霧化手段の各種構造および霧
化手段と送風手段との各種組み合わせ形態は、前記の特
願平8−297129号および特願平8−220618
号に記載されており、本発明にもこれらを利用できる。
これらの手段のほか、例えば超音波振動子を利用したり
して、各種溶液の細霧を発生させることも可能である。
【0041】図1に示す処理室1中の細霧21は、予熱
部12で40〜60℃程度に予め加温されているため、
処理室1中において水分が気化して、屋根2の棟側の開
口22から間隔D1の空間23a、23bに上昇し流出
する。次いで、外屋根4上に散水された各種溶液で冷却
されて液化し、蒸溜液となって、側壁側の間隔D2の空
間23c、23dへ流れ落ちる。
【0042】この蒸溜液を回収するために、図3のよう
に、側壁3aと5a間、側壁3bと5b間の下側に蒸溜
液回収溝24a、24bを設け、該回収溝24aの上流
側の端部24cを閉じてある。回収溝24a、24bの
右端同士は、配管24dなどで連結してあり、回収溝2
4bの下流部から蒸溜液タンクT3まで、案内溝24e
が延びている。
【0043】処理室1中における各種溶液の細霧の処理
を効率化するために、図2のような加温室25を設けて
ある。加温室25は、処理室1の妻壁6の外壁に箱状の
室を形成したもので、その内部に、前記の予熱部12を
配設してある。また、妻壁6に開口を開けて、加温室2
5と処理室1との間を連通させ、前記の送風式の霧化手
段13を挿通してある。
【0044】霧化手段13の下側にも、開口を開けて、
その中に筒体26を挿通してある。図4はこの筒体26
の部分を示す断面図であり、妻壁6の内側に暖房機27
が設置されており、逆T字状の管の交差部に発熱体31
が内蔵されており、その片側の筒体26が、加温室25
に開口しており、他方の筒体32が、処理室1中に開口
している。また、発熱体31の上側の筒体33の中に
は、吸い込み用のファン34が内蔵されている。
【0045】したがって、例えばヒータなどの発熱体3
1が作動している状態で、ファン34が回転すると、該
ファン34で吸入された空気が発熱体31で加温されて
処理室1内に送風されるとともに、加温室25中にも送
風される。その結果、処理室1中における各種溶液の微
粒子の気化が促進され、また加温室25中の空気の加温
が促進される。なお、この暖房機は、特に天候が悪く、
太陽エネルギーが期待できない場合に、威力を発揮す
る。
【0046】暖房機27は、霧化手段13の真下に設置
する必要はなく、ずらして配置してもよい。また、図示
例では、暖房機27は、処理室1内の空気を吸入するよ
うに、処理室1内に設置されているが、加温室25内に
設置して、加温室25中の空気を吸入させることもでき
る。また、外壁5a、5bや妻壁6、7の外に設置し
て、外気を吸入して加温し、暖気を処理室1や加温室2
5に供給する構造も可能である。熱源は電気に限らず、
重油などを燃焼させて得ることもできる。
【0047】予熱部12は、各種溶液中の溶解物などが
変質しない程度に、散霧前の各種溶液を加温する装置で
あるが、予熱部12の側壁などが余熱を放出して、加温
室25中も加温される。
【0048】送風式の霧化手段13には、配管16によ
って、予熱部12から加温された各種溶液が供給される
が、送風式の霧化手段13のファン20が回転すると、
加温室25中の暖気が処理室1中に送風されるので、各
種溶液の細霧の水分蒸発がより促進される。そして、水
分が気化した後に残った溶解物は、結晶となって処理室
1の内部に堆積し、あるいは溜まる。
【0049】また、送風式霧化手段13の下側に配設さ
れた暖房機27の筒体32からも、処理室1中に温風が
供給されるので、処理室1中も、各種溶液中の溶解物が
変質しない程度の温度、例えば40〜60℃程度に加温
される。このように、熱風でなく、温風を加えるので、
溶液中の有機物などの成分が変性したり、消失せず、元
のままの状態で残存できる。しかも、処理室中における
溶液の細霧の気化と結晶化が円滑に行なわれる。
【0050】各種溶液中の溶解物が変質しない程度の温
度は、溶液の種類や溶液中に溶解している物質によって
異なる。したがって、溶解物が変質しない程度の最適温
度は、溶液の種類や溶解物の種類に応じて適宜選定す
る。したがって、場合によっては、温風ではなく、熱風
を加えることもできる。また、熱風を加えても、細霧状
の溶液に達した時点では、気化熱を奪われて温風と同等
の温度に低下する。
【0051】このように、処理室1中は加温されている
ことが好ましいので、晴天時には、太陽光の熱も利用で
きるように、外屋根4および処理室の屋根2は透明体、
例えば透明の合成樹脂板やシートなどが適している。な
お、各側壁も、透光性の材料が好ましい。
【0052】次に図示の装置によって各種溶液を処理
し、溶解物の結晶および蒸溜液を製造する方法を説明す
る。まず、図1において、タンクT2に溜められた溶液
がパイプ11によって予熱部12に送られ、40〜60
℃程度に加温されて熱エネルギーも伴った状態で、パイ
プ16によって霧化手段13に供給される。霧化手段1
3において遠心力で霧化されると共に、ファン20によ
る風力によって処理室1内の広い空間に散霧される。
【0053】その結果、微細化された溶液の各微粒子
は、容積に対する表面積が大きな状態となるので、温風
によって水分が容易に気化して蒸発し、水分は上側の開
口22から処理室1の外に上昇し流出する。外屋根4の
上は、通常は処理室1より温度が低いが、散水管8から
散水したりすることによって、確実に冷却できる。その
結果、外屋根4の下側の空間23a、23bは冷却され
ているので、開口22から上昇し流出した水蒸気は、空
間23a、23bで冷却されて蒸留水となり、処理室側
壁3a、3bを伝わって流下し、回収溝24a→24d
→24b→案内溝24eの順に流れ、蒸溜液タンクT3
に蒸溜液として溜められる。
【0054】結晶化する溶液の中に揮発性の成分を含ん
でいるような場合には、水分と共に気化した揮発性成分
も冷却して蒸溜液として回収することによって、結晶中
に残存できない成分を含んだ蒸溜液製品として利用でき
る。したがって、特に揮発性成分を含有している溶液を
処理する場合には、蒸溜液を回収することも有効であ
る。
【0055】前記のように、間隔D1の空間23a、2
3bに流入して来た水蒸気が、外屋根4上に散水された
冷却水で冷却されて液化する際に、この空間23a、2
3bが負圧となるので、処理室1中の水蒸気が円滑に空
間23a、23bに吸入され、溶解物の結晶との分離が
円滑に行なわれる。
【0056】処理室1内において、水分が気化して残っ
た溶解物の結晶は、処理室1内に堆積する。結晶化に至
らない場合は、溶解物の濃度の高い溶液となって、処理
室1の床部に溜まる。
【0057】霧化手段13に供給される溶液は、予熱部
12において予め加温されているので、処理室1内にお
ける水分の気化が容易に行なわれる。また、図2に示す
ように、加温室25を有し、予熱部12から発する余熱
で加温された空気を、ファン20によって処理室1内に
送風するので、この温風によっても、処理室内の溶液の
細霧の気化が促進される。
【0058】さらに、霧化手段13の下側の暖房機27
によっても、処理室1内に暖気が送風されるので、この
温風によっても、溶液の気化が促進される。このよう
に、処理室1内において、溶液が微細化されて大量の細
霧が発生し、これらに、処理室1中に供給された熱エネ
ルギーと風が加わることで、溶液が効率的に気化され、
水分は蒸溜液として回収され、処理室1内には溶解物の
結晶が残る。
【0059】図5は、外屋根4および処理室1の棟部付
近の断面図である。外屋根4の棟部の真下に、V字状の
水蒸気ガイド30を設けてあり、処理室屋根2の棟部に
設けた開口22から上昇した水蒸気が、水蒸気ガイド3
0によって、矢印のように、間隔D1の空間23a、2
3bに円滑に移動するようにガイドしている。
【0060】図6は処理室1の内部構成の他の実施形態
である。図6(1)は処理室1の屋根2の頂端の通気穴
22中に網35を水平に配置してある。なお、この網3
5は、処理室屋根2の頂端の通気穴22の下側に配置し
てもよい。
【0061】この実施形態を斜視図で見ると、図7のよ
うになる。この構成によると、処理室1の切妻屋根状の
屋根2の頂端に開けた、水蒸気を排出するための通気穴
22の下側に、網35を設置してあるので、処理室内で
水分と分離された溶解物の結晶や濃縮溶液が通気穴22
を素通りするのを阻止できる。
【0062】このように、溶解物の結晶や濃縮溶液は網
35に阻止され、該網35に付着するが、網35に付着
した溶解物の結晶や濃縮溶液を濃縮前の溶液で洗い落と
して、処理室1中に落下させるように、溶液の入る散水
管36を配設してある。この散水管36は、下側のみに
多数の孔を開けてあり、網35に向けて溶液が散水され
る構造になっている。
【0063】図6(2)は処理室屋根2の下側におい
て、広い面にわたって網35aを張ってあり、また該網
35aの両端付近から側網35bを垂らした構造になっ
ている。この側網35bは、処理室の側壁3a、3bよ
り内側に配置される。
【0064】そして、天井側の網35aの上側には、溶
液の散水管36aが、屋根の勾配と同じ向きに配設され
ている。この散水管36aは、紙面と垂直方向に多数設
けるのがよい。散水管36aの下側に多数の散水穴があ
いているので、網35aの広い領域に溶液を散水して、
網35aに付着した溶解物の結晶や濃縮溶液を洗い落と
すことができる。側網35bに付着した結晶や濃縮溶液
は、天井側網35aから流れ落ちる高濃度の溶液で洗い
落とされるが、側網35bに外側から溶液を散水しても
よい。
【0065】図6の(1)や(2)のように、通気穴2
2を有する構造の場合は、(1)図のように、通気穴2
2の下側ないし途中に網35を配設し、さらに網35
a、35bのように、処理室1内の天井下や側壁の内側
にも配設すると、より効果的である。
【0066】溶解物の結晶や濃縮溶液が通過するのを阻
止する網35、35a、35bは、例えば網目が1mm
程度のものを使用したが、これに限定されない。また、
前記のように複数の網を重ねた場合は、網目が更に細か
くなったことになる。網35、35a、35bに付着し
た結晶や濃縮溶液を落として回収するのに、濃縮前の溶
液を散水して洗い落とす手法を説明したが、振動を加え
たりするなど、他の手法で落としてもよい。
【0067】図6において、37は布であり、(2)図
のように、前記の広い網35a、35bの上側ないし外
側に配置してもよく、あるい網35a、35bの下側な
いし内側に配置してもよい。また、(1)図のように、
網35a、35bを用いないで、布37のみを張ること
もでき、布37を重ねてあるいは間隔をおいて二重、三
重に張ることもできる。なお、布が垂れないように、任
意の支持手段を利用できることは言うまでもない。
【0068】網の場合は、網目の空間があるので、前記
のように重ねて使用するのが適しているが、布の場合
は、隙間の空間が存在しないので、溶解物が素通りする
のをより効果的に阻止できる。したがって、布を単体で
あるいは前記の網と併用するのが適している。しかしな
がら、網や布の場合は、結晶の付着による目詰まりが起
きやすいので、付着した結晶を頻繁に剥離落下させる必
要がある。
【0069】38は紐類、すなわち紐やロープ、縄など
であり、処理室1内において、任意の支持手段を利用し
て多数垂らしておくと、先にこの多数の紐類38に溶解
物が付着して、結晶化が促進される。このように、網や
布に到達する前に溶解物の結晶を紐類で捕獲できるの
で、網や布が結晶で目詰まりするのを遅らせることがで
きる。
【0070】そして、網や布にも、また紐類にも結晶が
堆積した時点で、叩いたり、振ったり、あるいは細霧の
気化を抑制し、水分を増やすことによって、結晶を剥離
落下させて回収すると、大量の結晶を得ることができ
る。
【0071】吊り下げた紐類38に結晶が付着すると、
重量が増すため、紐類38の支持構造体を堅牢な構造に
する必要がある。これに対し、棒状体を用い、それぞれ
の下端をコンクリート中に埋め込み固定すると、捕獲堆
積した結晶の重みに充分耐えることができ、堅牢な支持
構造を要しないので、前記の紐類38に代えて、棒状体
を立てて、自立させるのも有効である。しかも、堅牢な
支持構造のためのスペースを処理室として有効利用でき
る。
【0072】棒状体は、網のメッシュに比べると充分な
間隔をおいて自立させるので、通風性がよく、より長時
間にわたって、より大量の結晶を捕獲堆積でき、結晶を
頻繁に剥離落下させる必要がない。したがって、棒状体
と網などを交互に配置し併用することによって、より効
率的に大量の結晶を生産し捕獲できる。
【0073】なお、布37は織ったもの、あるいは不織
布などでもよく、また布37や紐類38の材料は任意で
ある。
【0074】前記のような網や布、紐類や棒状体などに
付着した結晶を剥離落下させるには、溶液を散水した
り、震動や衝撃を加えたりする方法のほかに、処理室1
内における気化を積極的に抑制する方法もある。
【0075】すなわち、前記の網、布、多数の紐類や棒
状体に溶解物の結晶が付着した状態において、散霧され
た霧状粒子からの気化を積極的に抑制する。例えば、処
理室1内への温風の送風を停止したり、送風温度を下げ
る。その結果、散霧された溶液からの気化が阻止され、
液体のままの霧状粒子が、網や布、紐類や棒状体に堆積
している結晶に付着して結晶を溶かすので、網や布など
への結晶の付着力が低下すると共に、液体の霧状粒子が
付着して次第に重くなるので、遂には剥離落下する。
【0076】あるいは、霧化手段13から散霧する溶液
の量を増やすと、液体の粒子が大きくなって、水分の気
化が円滑かつ充分に行われず、その結果、網や布などに
堆積している結晶も吸水して湿りがちとなり、付着力の
低下と重量の増加で、遂には剥離落下する。
【0077】これらの方法によると、装置や設備が複雑
化することなく、散水や加震などのような特別な操作も
必要とせず、取り扱い操作も簡便となる。その結果、製
造コストも低廉化される。
【0078】本発明が適用される各種溶液は、植物の抽
出溶液に限らず、植物以外からの抽出溶液でもよく、あ
るいは例えば畜舎などから排出される廃液などのよう
に、環境汚染をもたらすような各種の公害液や工場など
から出る産業廃棄液なども含まれるものとする。
【0079】
【発明の効果】請求項1のように、各種溶液を霧化する
と、無数の各種溶液の微粒子となるので、容積に対する
表面積が大きくなり、水分の気化が容易となる。その結
果、水分と溶解物の結晶との分離が効率的に行なえる。
しかも、温風を当てるので、熱エネルギーと風によっ
て、水分の気化がより促進され、結晶物を安価に製造で
きる。また、各種溶液を微細霧にするので、粒子が非常
に細かい結晶物が得られる。
【0080】請求項2のように、蒸発水分の流れの途中
に、網または布の少なくとも片方を1段または複数段配
置したため、蒸発水分が該網または布の少なくとも片方
を通過する際に、溶解物の通過が阻止され、該網または
布の少なくとも片方に付着する。その結果、折角水分か
ら分離した溶解物や濃縮各種溶液が無駄に排出されるの
を防止できる。
【0081】請求項3のように、溶解物が素通りするの
を阻止するための網または布の下に、多数の棒状体を自
立させて、溶解物の結晶を付着させると、網や布に到達
する前に溶解物の結晶を棒状体で捕獲することができ
る。その結果、網や布が結晶で目詰まりするのを遅らせ
ることができる。
【0082】棒状体は、網のメッシュに比べると充分な
間隔をおいて自立させるので、通風性がよく、より長時
間にわたって、より大量の結晶を捕獲堆積できる。した
がって、棒状体と網などを交互に配置して併用すること
によって、より効率的に結晶を捕獲できる。なお、棒状
体は吊り下げるのでなく、自立させるので、捕獲堆積し
た結晶の重みに充分耐えることができ、吊り下げ構造の
ように堅牢な支持構造を必要としない。また、堅牢な支
持構造のためのスペースを、処理室として有効利用でき
る。
【0083】請求項4のように、網や布に通過阻止され
て付着した溶解物や濃縮各種溶液は、各種溶液をかけて
洗い落としり、振り落としたりすと、処理室内に回収で
きるので、折角水分から分離した溶解物や濃縮各種溶液
を回収して結晶化に利用でき、効率的に結晶化できる。
【0084】請求項5のように、網などに溶解物が付着
した状態において、水分の気化を積極的に抑制する手法
を採ると、付着した溶解物に積極的に水分を含ませるこ
とができ、その結果、水分を含んで重くなるので、容易
に剥離落下する。また、水分を含むと結晶が溶けて、網
などに対する付着力も低下するので、剥離落下が一層容
易になる。そのため、前記のような各種溶液で洗い落と
したり、振動を加えて振り落とすなど方法より、装置や
処理が簡易化される。
【0085】請求項6のように、各種溶液を霧化し、か
つ温風を当てることで蒸発させた水分を冷却して蒸溜液
を回収し、製品化すると、蒸発した水分に含まれている
各種成分をも有効利用できる。その結果、結晶化した製
品だけでなく、揮発性成分などのような気化蒸発した部
分も全部採取して蒸溜液製品として活用でき、無駄が皆
無となる。
【0086】請求項7のように、遠心力で細霧を製造す
る方法によると、容易に大量の各種溶液を微細霧化して
水分を蒸発させて、結晶化された溶解物を製造し、製品
化できる。また、蒸発した水分を集めて冷却することに
よって、液体の製品も容易に製造できるので、特に揮発
性の成分を含む溶液の場合に有効である。
【0087】請求項8のように、処理室の空間内で、各
種溶液を散霧して温風を当て、しかも蒸発した水分は処
理室の外に排出する方法を採用すると、大量に結晶物を
分離できるので、結晶物の量産がより容易に行なえる。
その結果、結晶物を安価に供給できる。
【0088】請求項9のように、各種溶液を微細化しか
つ散霧する際に、予熱することにより、熱エネルギーを
予め加えると、各種溶液の気化と結晶物の結晶化がより
促進される。このとき、各種溶液中の成分が変質しない
程度の温度に加温するので、結晶物の品質が低下するこ
とはない。
【0089】請求項10のように、蒸発水分の流れの途
中に、溶解物が逃げるのを阻止するための網または布の
少なくとも片方を1段または複数段配設してあるので、
各種溶液を処理して結晶化を行なう際に、溶解物や濃縮
各種溶液は網や布に阻止され、排出が抑制されるので、
水分のみが網や布を通過して排出される。その結果、溶
解物や濃縮各種溶液と水分とをより効果的に分離でき
る。
【0090】さらに、溶解物が素通りするのを阻止する
網や布の下に多数の紐類を吊り下げてあるので、溶解物
が網や布に到達する前に、浮遊している溶解物が多数の
紐類に付着するので、溶解物の回収が容易で量産に適す
る。
【0091】請求項11のように、処理室内に各種溶液
を霧化して散霧する手段を有しているので、水分の気化
が容易なように、処理室内で各種溶液を霧化して、広い
空間に散霧できる。また、温風送風手段を有するので、
熱エネルギーと風を、各種溶液の微粒子に加えることが
できる。気化した水蒸気は、比重が軽いため上昇する
が、処理室の屋根部に排出用の通気穴が開いているの
で、処理室から水分のみを円滑に排出して、結晶化した
結晶物と分離できる。
【0092】請求項12のように、処理室内と処理室外
部との間に開けた通気穴の途中ないし下側に、溶解物を
付着させるための網や布を配設した構成なため、比較的
面積の小さいな網や布でも足り、また網や布に付着した
溶解物や濃縮各種溶液を洗い落とす手段も小規模で足り
る。しかも、処理室内から外部に排出された溶解物や濃
縮各種溶液は、すべて通気穴を通過するので、効率的に
溶解物や濃縮各種溶液を回収できる。
【0093】請求項13のように、各種溶液を霧状に微
細化して温風を当て、水分が気化し上昇する際に、処理
室上方の網や布に付着させてから、剥離落下させて採取
してなる結晶物なため、粒子が非常に細かい結晶物とな
る。また、微粒子の状態の各種溶液に温風が当たり、水
分の気化分離が瞬間的に効率的に行なわれるので、全て
の成分が一斉に結晶化する。しかも各種溶液を煮沸する
方法と違って、各種溶液中の溶解物が変質しない程度の
温度の温風を当てるので、溶液中の各種成分が変質せず
そのまま残存し、品質のすぐれた結晶物となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による各種溶液処理装置の全容を示す
斜視図である。
【図2】 加温部付近を例示する斜視図である。
【図3】 処理室の側壁および外側壁を水平断面にした
平面図である。
【図4】 暖房機の付近を例示する縦断面図である。
【図5】 処理室の屋根および外屋根の付近の実施形態
を示す断面図である。
【図6】 処理室の内部構成の他の実施形態である。
【図7】 図6(1)の実施形態の要部斜視図である。
【図8】 霧化手段の各種実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1 処理室 2 屋根部(天井部) 3a、3b 側壁 4 外屋根 5a、5b 外壁 8 散水管 12 予熱部 13 霧化手段 21 細霧 22 開口 23a、23b 空間 24a、24b 蒸溜液回収溝 T2 溶液タンク T3 蒸溜液タンク 25 加温室 35 網 35a 網 35b 側網 38 紐類
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/02 618 B01D 9/02 618Z 1/18 1/18

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各種溶液を霧化し、かつ温風を当てるこ
    とで、水分を蒸発させて溶解物の結晶化を促進させ、溶
    解物の結晶物を得ることを特徴とする各種溶液中の溶解
    物の結晶化方法。
  2. 【請求項2】 各種溶液を霧化し、かつ水分を蒸発させ
    て、溶解物の結晶ないし濃縮溶液を得る方法において、 蒸発水分の流れの途中に1段または複数段に網または布
    の少なくとも片方を配置し、蒸発水分が該網または布の
    少なくとも片方を通過する際に、溶解物を該網または布
    の少なくとも片方に付着させることを特徴とする請求項
    1に記載の各種溶液中の溶解物の結晶化方法。
  3. 【請求項3】 前記の網または布の少なくとも片方の下
    側に多数の棒状体を自立させ、溶解物の結晶を付着させ
    ることを特徴とする請求項2に記載の各種溶液中の溶解
    物の結晶化方法。
  4. 【請求項4】 前記の網または布の少なくとも片方に付
    着した溶解物を、各種溶液による洗い落としその他の手
    法で回収することを特徴とする請求項2または請求項3
    に記載の各種溶液中の溶解物の結晶化方法。
  5. 【請求項5】 前記の網、布、多数の紐類や棒状体に溶
    解物が付着した状態において、散霧された霧状粒子から
    の気化を積極的に抑制して、堆積した結晶にに積極的に
    水分を含ませて重くし、剥離落下を容易にすることを特
    徴とする請求項2、請求項3または請求項4に記載の各
    種溶液中の溶解物の結晶化方法。
  6. 【請求項6】 前記のようにして各種溶液を霧化し、か
    つ温風を当てて蒸発させた水分を冷却して蒸溜液を回収
    することを特徴とする請求項1から請求項5までのいず
    れかの項に記載の各種溶液中の溶解物の結晶化方法。
  7. 【請求項7】 前記の各種溶液の霧化を、各種溶液に遠
    心力を与えることで行なうことを特徴とする請求項1か
    ら請求項6までのいずれかの項に記載の各種溶液中の溶
    解物の結晶化方法。
  8. 【請求項8】 前記の霧化を、処理室内に各種溶液を散
    霧して行ない、かつ温風を当てるとともに、蒸発した水
    分を処理室の外に排出し、結晶化した溶解物を処理室内
    に溜めることを特徴とする請求項1から請求項7までの
    いずれかの項に記載の各種溶液中の溶解物の結晶化方
    法。
  9. 【請求項9】 各種溶液中の成分が変質しない程度の温
    度に予め予熱してから、前記の霧化を行なうことを特徴
    とする請求項1から請求項8までのいずれかの項に記載
    の各種溶液中の溶解物の結晶化方法。
  10. 【請求項10】 各種溶液に遠心力を与えるなどの手法
    で各種溶液を霧化し、かつ水分を蒸発させて通気穴から
    排出し、溶解物の結晶ないし濃縮溶液を得る装置におい
    て、 蒸発水分の流れの途中に、溶解物が逃げるのを阻止する
    ための網または布の少なくとも片方を1段または複数段
    配設し、 さらに前記の網または布の少なくとも片方の下側に、結
    晶を付着させるために多数の紐類を吊り下げてなること
    を特徴とする各種溶液の処理装置。
  11. 【請求項11】 処理室内に、各種溶液を霧化して散霧
    する手段と、 散霧された各種溶液の霧に温風を当てる温風送風手段を
    有し、 処理室の屋根部又は天井部に、処理室内で気化した水蒸
    気を処理室の外に排出する通気穴を有していることを特
    徴とする各種溶液の処理装置。
  12. 【請求項12】 前記の通気穴の途中ないし下側に、溶
    解物を付着させるための網または布の少なくとも片方を
    少なくとも1段配設し、該網または布の少なくとも片方
    の上側に、該網または布の少なくとも片方に各種溶液を
    散水して、付着した溶解物を洗い落とす手段を配設して
    なることを特徴とする請求項10または請求項11に記
    載の各種溶液の処理装置。
  13. 【請求項13】 各種溶液を処理室内に霧化散布し、か
    つ温風を当てて水分を気化させてなる結晶物であって、 処理室内で各種溶液の霧の水分が前記温風の熱で気化し
    上昇する際に、処理室上方の網または布の少なくとも片
    方に付着させ、その後、剥離落下させてなる結晶化溶解
    物を含んでいることを特徴とする結晶物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109730349A (zh) * 2019-03-05 2019-05-10 湖北中烟工业有限责任公司 一种造纸法再造烟叶中浓缩涂布装置及方法
JP2021090928A (ja) * 2019-12-12 2021-06-17 昭和電工マテリアルズ株式会社 抽出方法及び抽出装置
CN115382229A (zh) * 2022-09-26 2022-11-25 扬州永锋工业设备安装有限公司 一种蒸发结晶装置

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