JP2003209269A - テラヘルツ光発生素子の保護方法及びテラヘルツ光発生装置 - Google Patents

テラヘルツ光発生素子の保護方法及びテラヘルツ光発生装置

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JP2003209269A
JP2003209269A JP2002005431A JP2002005431A JP2003209269A JP 2003209269 A JP2003209269 A JP 2003209269A JP 2002005431 A JP2002005431 A JP 2002005431A JP 2002005431 A JP2002005431 A JP 2002005431A JP 2003209269 A JP2003209269 A JP 2003209269A
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Mamoru Usami
護 宇佐見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テラヘルツ光発生素子の絶縁破壊を確実に防
止し、しかも、発生するテラヘルツ光の強度を高める。 【解決手段】 テラヘルツ光発生素子1は、光伝導部と
しての基板5と、該基板5の一方の表面に形成された互
いに分離された2つの導電部としての導電膜6,7とを
備える。導電膜6,7同士が、基板5の上側の平面に沿
った方向に所定間隔gをあけるように配置される。照射
部2から、テラヘルツ光素子1の所定箇所に、励起パル
ス光が照射される。直流電源3から導電膜6,7間にバ
イアス電圧が印加される。放電部4を構成する2つの導
体としての電線4a,4bが導電膜6,7にそれぞれ電
気的に接続される。過大電圧が印加されると、電線4
a,4bの先端間に放電が起こり、テラヘルツ光発生素
子1が絶縁破壊から保護される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光スイッチ素子を
用いたテラヘルツ光発生素子の保護方法及びテラヘルツ
光発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】テラヘルツ光の発生には、光スイッチ素
子を用いたテラヘルツ光発生素子(光伝導アンテナ等)
が、多く用いられている(例えば、スミス、オーストン
及びナス(Peter.R.Smith, David.H.Auston and Marti
n.C.Nuss)の論文("Subpicosecond Photoconducting D
ipole Antennas", IEEE Journal of Quantum Electroni
cs, Vol.24, No.2, pp.255-260(1988))、ブディオル
ト、マーゴリーズ、ジェオング、ソン及びボコー(E.Bu
diarto, J.Margolies, S.Jeong, J.Son and J.Bokor)
の論文("High-Intensity Terahertz Pulses at 1-kHz
Repetition Rate",IEEE Journal of Quantum Electroni
cs, Vol.32, No.10, pp1839-1846(1996))など)。
【0003】光スイッチ素子を用いたテラヘルツ光発生
素子は、光伝導部と、該光伝導部の所定の面上に形成さ
れ互いに分離された2つの導電部としての導電膜とを有
し、前記2つの導電膜の少なくとも一部同士が前記所定
の面に沿った方向に所定間隔をあけるように配置された
素子である。この素子では、前記2つの導電膜間にバイ
アス電圧を印加しても、通常は、2つの導電膜間(ギャ
ップ部分)の抵抗値が非常に高いため電流はほとんど流
れない。そのバイアス電圧を印加した状態で、ギャップ
部分をフェムト秒パルスレーザ光等の超短パルスレーザ
光などの励起パルス光で照射して、自由キャリアを生成
すると、その瞬間だけその抵抗値が下がり電流が流れ
る。このパルス状の電流によって、テラヘルツパルス光
が発生する。
【0004】前記バイアス電圧の大きさは、電極間隔5
μm程度のいわゆるダイポールアンテナと呼ばれる光ス
イッチ素子の場合で20V程度、前述した論文(IEEE J
ournal of Quantum Electronics, Vol.32, No.10, pp18
39-1846(1996))に開示されているような、電極間隔
が数cmあるような大口径光スイッチ素子の場合は数十
kVに達することもある。どちらの場合も、電極間の電
場は非常に強く、また、電場が強いほど、発生するテラ
ヘルツ光も強くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、光スイッチ素
子を用いたテラヘルツ光発生素子では、電場が強くなり
過ぎてしまうと、前記光伝導部が絶縁破壊されて素子が
破壊されてしまうため、ある値以上のバイアス電圧を印
加してはならない。光伝導部が絶縁破壊されてしまう
と、そのテラヘルツ光発生素子は、二度とテラヘルツ光
源として機能しなくなってしまう。
【0006】そこで、従来は、光スイッチ素子を用いた
テラヘルツ光発生素子をテラヘルツ光源として用いる場
合には、素子が絶縁破壊を起こさないように、注意深く
バイアス電圧を設定する必要があり、バイアス電圧の設
定に著しく手数を要していた。ところが、定常状態でバ
イアス電圧が正しく調整されていたとしても、バイアス
電圧の印加に用いる電源によっては、電源投入時のバイ
アス電圧の立ち上がり時などには、図8に示すように、
オーバーシュートにより瞬間的に設定電圧以上の電圧が
印加されてしまい、素子が破壊されてしまう場合があっ
た。図8は、バイアス電圧印加用電源(定電圧電源)の
電源投入時からの経過時間と出力電圧(バイアス電圧)
との関係を示す図である。
【0007】このため、従来は、このような素子の絶縁
破壊を確実に防ごうとすると、バイアス電圧をかなり大
きい余裕を持って低い値に設定する必要があった。この
場合には、素子の破壊を確実に防止することができるも
のの、強度の高いテラヘルツ光を発生させることができ
なくなってしまう。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、テラヘルツ光発生素子の絶縁破壊を確実に防
止することができるとともに、発生するテラヘルツ光の
強度を高めることができる、テラヘルツ光発生素子の保
護方法及びテラヘルツ光発生装置を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様によるテラヘルツ光発生素子の
保護方法は、光伝導部と、該光伝導部の所定の面上に形
成され互いに分離された2つの導電部とを有し、前記2
つの導電部の少なくとも一部同士が前記所定の面に沿っ
た方向に所定間隔をあけるように配置されたテラヘルツ
光発生素子を、過大電圧による絶縁破壊から保護するテ
ラヘルツ光発生素子の保護方法であって、前記2つの導
電部にそれぞれ電気的に接続された2つの導体を用い、
前記2つの導電部間の電圧が所定電圧以上である場合
に、前記光伝導部から離れた位置において前記2つの導
体間で放電させるものである。
【0010】本発明の第2の態様によるテラヘルツ光発
生装置は、(a)光伝導部と、該光伝導部の所定の面上
に形成され互いに分離された2つの導電部とを有し、前
記2つの導電部の少なくとも一部同士が前記所定の面に
沿った方向に所定間隔をあけるように配置されたテラヘ
ルツ光発生素子と、(b)前記テラヘルツ光発生素子の
所定箇所に励起パルス光を照射する照射部と、(c)前
記2つの導電部間にバイアス電圧を印加する電圧印加部
と、(d)放電部と、を備えたものである。そして、前
記放電部は、前記2つの導電部にそれぞれ電気的に接続
された2つの導体を有し、前記2つの導電部間の電圧が
所定電圧以上である場合に、前記光伝導部から離れた位
置において前記2つの導体間で放電を起こすものであ
る。
【0011】本発明の第3の態様によるテラヘルツ光発
生装置は、前記第2の態様において、前記2つの導体
は、それらの先端部間で放電を起こすものである。
【0012】本発明の第4の態様によるテラヘルツ光発
生装置は、前記第2又は第3の態様において、前記2つ
の導体は、前記電圧印加部から前記2つの導電部間に前
記バイアス電圧を印加するための2本の電線で兼用され
たものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるテラヘルツ光
発生素子の保護方法及びテラヘルツ光発生装置につい
て、図面を参照して説明する。
【0014】図1は、本実施の形態の一実施の形態によ
るテラヘルツ光発生装置を示す概略構成図である。図2
は、図1中のテラヘルツ光発生素子1及び放電部4を示
す概略平面図である。図3は、図2中のA−A’線に沿
った概略断面図である。図4は、本実施の形態によるテ
ラヘルツ光発生装置の調整過程を示す概略断面図であ
り、図3に対応している。なお、図面表記の便宜上、図
1及び図2において、後述するポリテトラフルオロエチ
レンシート10,11等は省略している。
【0015】本実施の形態によるテラヘルツ光発生装置
は、図1に示すように、テラヘルツ光発生素子1と、照
射部2と、電圧印加部としての出力電圧を調整し得る直
流電源3と、放電部4とを備えている。
【0016】テラヘルツ光発生素子1は、図1乃至図3
に示すように、光伝導部としての基板5と、該基板5の
一方の表面に形成された互いに分離された2つの導電部
としての導電膜6,7とを備えている。導電膜6,7の
少なくとも一部同士が、基板5の上側の平面に沿った方
向に前記所定間隔gをあけるように配置されている。本
実施の形態では、導電膜6,7の全体同士が間隔gをあ
けている。この間隔gが2mm以上、例えば5mmに設
定されており、基板5及び導電膜6,7によっていわゆ
る大口径の光スイッチ素子が構成されている。
【0017】基板5の材質としては、例えば、抵抗率が
高い半導体(例えば、半絶縁性GaAs)を用いること
ができる。導電膜6,7の材質としては、例えば、金な
どを用いることができ、蒸着等により基板5の表面に形
成することができる。
【0018】本実施の形態では、前述したように基板5
自体が光伝導部として用いられているが、例えば、図5
に示すように、基板5上に光伝導部として光伝導膜8を
形成し、光伝導膜8上に導電膜6,7を形成してもよ
い。この場合、例えば、基板5の材質としてGaAsを
用いるとともに、光伝導膜8として低温成長GaAsを
用いることができる。なお、図5は、図1乃至図3に示
すテラヘルツ光発生装置の変形例の要部を示す概略断面
図であり、図3に対応している。図5において、図1乃
至図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を
付し、その重複する説明は省略する。
【0019】前記照射部2は、図1及び図2に示すよう
に、テラヘルツ光発生素子1の間隔gに相当する領域R
に、フェムト秒パルスレーザ光等の超短パルスレーザな
どを、励起パルス光として照射する。照射部2は、例え
ば、レーザ光源と、必要に応じて照射領域の大きさを調
整するレンズ等とから構成される。
【0020】前記直流電源3は、その2つの出力端子に
それぞれ接続された電線4a,4bを介して、導電膜
6,7間にバイアス電圧を印加する。直流電源3として
は、例えば、商用電源からの交流を直流に変換する電源
回路で構成することができる。
【0021】本実施の形態では、電線4a,4bにおけ
るテラヘルツ光発生素子1側の部分は、絶縁被覆が剥が
され、図3に示すように、ポリテトラフルオロエチレン
シート(他の絶縁シート等でもよい。)10,11によ
り導電膜6,7にそれぞれ圧接され、これにより、電線
4a,4bが導電膜6,7にそれぞれ電気的に接続され
ている。なお、ポリテトラフルオロエチレンシート1
0,11は、図示しないバンド等により前記圧接のため
の付勢力が付与されている。
【0022】放電部4は、2つの導電膜6,7にそれぞ
れ電気的に接続された2つの導体で構成され、これらの
2つの導体が、導電膜6,7の電圧が所定電圧以上であ
る場合に、光伝導部としての基板5から離れた位置にお
いて当該2つの導体間で放電を起こすように設けられて
いる。
【0023】本実施の形態では、放電部4を構成する前
記2つの導体として、電線4a,4bの先端側部分が兼
用されている。本実施の形態では、電線4a,4bの先
端側部分は、図1乃至図3に示すように、L字状に折り
曲げられて導電膜6,7の面からそれぞれ略垂直に立ち
上げられている。
【0024】電線4a,4bの先端のエッジは鋭くなっ
ている。鋭い部分を持つ導体を充電した場合、鋭い部分
付近の電場は他の場所の電場よりも大きくなることが知
られている。したがって、前記バイアス電圧により生ず
る電線4a,4bの先端のエッジ部分付近の電場は、他
の部分の電場と比較して強くなり、バイアス電圧が所定
電圧以上となると、電線4a,4bの先端のエッジ間で
放電が起こり、バイアス電圧が自動的に前記所定電圧に
制限される。
【0025】電線4a,4bの先端の間の間隔は、例え
ば後述する調整方法で調整することにより、前記所定電
圧(電線4a,4bの先端のエッジ間で放電を開始する
電圧)が、光伝導部としての基板5が絶縁破壊される電
圧より若干小さくなるように設定されている。
【0026】したがって、本実施の形態によれば、何ら
かの原因で直流電源3から過大な電圧が導電膜6,7間
に印加されようとしても、光伝導部としての基板5に絶
縁破壊が起こる前に、電線4a,4bの先端のエッジ間
で放電が起こり、導電膜6,7間に印加されるバイアス
電圧が自動的に制限され、テラヘルツ光発生素子1が絶
縁破壊から保護される。
【0027】ここで、電線4a,4bの先端の間の間隔
の調整方法の一例について、説明する。本実施の形態で
は、電線4a,4bは導電膜6,7にそれぞれ固着され
ているのではなく、前述したようにポリテトラフルオロ
エチレンシート10,11により圧接されているので、
電線4a,4bの先端の間隔を自由に変更して固定する
ことができる。なお、このような間隔を調整可能にする
構造として、他の構造を採用し得ることは言うまでもな
い。
【0028】光伝導部としての基板5として半絶縁性G
aAs基板等を用いた場合、GaAsウエハ等の絶縁破
壊電圧は、材料(製品仕様、ロットなど)によって異な
るので、前もって測定しておく。すなわち、同一ウエハ
内のばらつきは小さいと考えて、ウエハの一部を切り出
し、導電膜6,7に相当する電極を付けて、絶縁破壊が
実際に起こる電圧を測定する。このように測定した絶縁
破壊電圧を耐絶縁破壊限界電圧としてもよいが、前記ば
らつきを考慮して、測定値よりも数%程度小さな値を耐
絶縁破壊限界電圧とすることが、より好ましい。
【0029】このようにして決定した耐絶縁破壊限界電
圧に基づいて、電線4a,4bの先端間の距離を調整す
る。まず、当該ウエハを用いてテラヘルツ光発生素子1
を作製し、これに電線4a,4bを、ポリテトラフルオ
ロエチレンシート10,11及びバンドを用いて取り付
ける。このとき、前記耐絶縁破壊限界電圧を電線4a,
4b間に印加しても放電が起こらないように、図4に示
すように、電線4a,4bの先端間の距離Lを広めに取
っておく。次に、電線4a,4b間に徐々に電圧を印加
していき、電線4a,4b間での放電が起こらないこと
を確認しながら、印加電圧を前記耐絶縁破壊限界電圧ま
で上昇させる。その後、電線4a,4bの先端間の距離
Lを短くしていき、電線4a,4bの先端間でちょうど
放電が起こる位置で両電線4a,4bを固定する。
【0030】上記のように電線4a,4bの先端間の距
離を設定することにより、何らかの原因で前記耐絶縁破
壊限界電圧以上の電圧が印加された場合には、電線4
a,4bの先端間で放電が起こり、テラヘルツ光発生素
子1が絶縁破壊から保護される。
【0031】本実施の形態では、導電膜6,7間には、
直流電源3によりバイアス電圧が印加されているが、通
常は、2つの導電膜6,7間(ギャップ部分)の抵抗値
が非常に高いため電流はほとんど流れない。照射部2に
より、ギャップ部分を、基板5を構成する半導体等のバ
ンドギャップ以上のエネルギーを持つ超短パルスレーザ
光などを照射して励起し、自由キャリアを生成すると、
その抵抗値が下がり電流が流れる。励起レーザ光のパル
ス幅が十分に短く、かつ励起キャリアの寿命が短いた
め、この電流はごく短時間しか流れない。そして、この
とき、電流が時間変化するため電磁波が発生する。励起
レーザ光のパルス幅が十分に短ければ(例えば、100
fs以下程度)、その電磁波の振動数は数THzに達す
る。これがテラヘルツ光である。
【0032】そして、本実施の形態によれば、前述した
ように、何らかの原因で前記耐絶縁破壊限界電圧以上の
電圧が印加された場合であっても、放電部4が放電する
ことにより、テラヘルツ光発生素子1が絶縁破壊から保
護される。したがって、本実施の形態によれば、バイア
ス電圧を設定する際に従来のように格別の注意を払う必
要がなくなり、バイアス電圧の設定にさほど手数を要し
ない。また、本実施の形態によれば、電源投入時のバイ
アス電圧の立ち上がり時などであっても、確実にテラヘ
ルツ光発生素子1が保護される。さらに、本実施の形態
によれば、放電部4の放電によりテラヘルツ光発生素子
1が保護されるので、いたずらに余裕を大きくしてバイ
アス電圧を比較的低い値に設定する必要がなくなり、バ
イアス電圧を高く設定することができ、ひいては強度の
高いテラヘルツ光を発生させることができる。
【0033】ところで、図1乃至図3に示す実施の形態
では、放電部4を構成する2つの導体は、前述したよう
に電線4a,4bで兼用されているが、電線4a,4b
とは別に設けてもよい。もっとも、図1乃至図3に示す
実施の形態のように、放電部4を構成する2つの導体を
電線4a,4bで兼用すると、電気接続の手数等が低減
されるとともに、部品点数が低減されコストダウンを図
ることができ、好ましい。
【0034】また、図1乃至図3に示す実施の形態で
は、放電部4を構成する電線4a,4bの先端側部分
は、前述したように導電膜6,7の面からそれぞれ略垂
直に立ち上げられているが、これに限定されるものでは
ない。例えば、図6に示すように、放電部4を構成する
電線4a,4bの先端側部分を、導電膜6,7の面と平
行にして、側方に突出させてもよい。また、例えば、図
7に示すように、放電部4を構成する電線4a,4bの
先端側部分を、導電膜6,7の面から上方へ立ち上げつ
つ、電線4a,4bの先端間の間隔が根元部分に比べて
狭くなるように傾けてもよい。なお、図6は、図1乃至
図3に示すテラヘルツ光発生装置の変形例の要部を示す
概略斜視図である。図7は、図1乃至図3に示すテラヘ
ルツ光発生装置の他の変形例の要部を示す概略断面図で
あり、図3に対応している。図6及び図7において、図
1乃至図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符
号を付し、その重複する説明は省略する。
【0035】以上、本発明の一実施の形態及びその変形
例について説明したが、本発明はこれらの実施の形態や
変形例に限定されるものではない。
【0036】例えば、前述した実施の形態は、テラヘル
ツ光発生素子1がいわゆる大口径の光スイッチ素子で構
成されているが、本発明では、テラヘルツ光発生素子
は、例えば、いわゆるダイポールアンテナと呼ばれる光
スイッチ素子で構成してもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
テラヘルツ光発生素子の絶縁破壊を確実に防止すること
ができるとともに、発生するテラヘルツ光の強度を高め
ることができる、テラヘルツ光発生素子の保護方法及び
テラヘルツ光発生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施の形態によるテラヘルツ光発
生装置を示す概略構成図である。
【図2】図1中のテラヘルツ光発生素子及び放電部を示
す概略平面図である。
【図3】図2中のA−A’線に沿った概略断面図であ
る。
【図4】図1乃至図3に示すテラヘルツ光発生装置の調
整過程を示す概略断面図である。
【図5】図1乃至図3に示すテラヘルツ光発生装置の変
形例の要部を示す概略断面図である。
【図6】図1乃至図3に示すテラヘルツ光発生装置の他
の変形例の要部を示す概略斜視図である。
【図7】図1乃至図3に示すテラヘルツ光発生装置の更
に他の変形例の要部を示す概略断面図である。
【図8】バイアス電圧印加用電源の電源投入時からの経
過時間と出力電圧との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 テラヘルツ光発生素子 2 照射部 3 直流電源(電圧印加部) 4 放電部 4a,4b 電線 5 基板(光伝導部) 6,7 導電膜 8 光伝導膜(光伝導部) 10,11 ポリテトラフルオロエチレンシート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光伝導部と、該光伝導部の所定の面上に
    形成され互いに分離された2つの導電部とを有し、前記
    2つの導電部の少なくとも一部同士が前記所定の面に沿
    った方向に所定間隔をあけるように配置されたテラヘル
    ツ光発生素子を、過大電圧による絶縁破壊から保護する
    テラヘルツ光発生素子の保護方法であって、 前記2つの導電部にそれぞれ電気的に接続された2つの
    導体を用い、前記2つの導電部間の電圧が所定電圧以上
    である場合に、前記光伝導部から離れた位置において前
    記2つの導体間で放電させることを特徴とするテラヘル
    ツ光発生素子の保護方法。
  2. 【請求項2】 光伝導部と、該光伝導部の所定の面上に
    形成され互いに分離された2つの導電部とを有し、前記
    2つの導電部の少なくとも一部同士が前記所定の面に沿
    った方向に所定間隔をあけるように配置されたテラヘル
    ツ光発生素子と、 前記テラヘルツ光発生素子の所定箇所に励起パルス光を
    照射する照射部と、 前記2つの導電部間にバイアス電圧を印加する電圧印加
    部と、 放電部と、 を備え、 前記放電部は、前記2つの導電部にそれぞれ電気的に接
    続された2つの導体を有し、前記2つの導電部間の電圧
    が所定電圧以上である場合に、前記光伝導部から離れた
    位置において前記2つの導体間で放電を起こすことを特
    徴とするテラヘルツ光発生装置。
  3. 【請求項3】 前記2つの導体は、それらの先端部間で
    放電を起こすことを特徴とする請求項2記載のテラヘル
    ツ光発生装置。
  4. 【請求項4】 前記2つの導体は、前記電圧印加部から
    前記2つの導電部間に前記バイアス電圧を印加するため
    の2本の電線で兼用されたことを特徴とする請求項2又
    は3記載のテラヘルツ光発生装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013062658A (ja) * 2011-09-13 2013-04-04 Pioneer Electronic Corp アンテナ素子およびアンテナ素子の製造方法
WO2016088952A1 (ko) * 2014-12-02 2016-06-09 광주과학기술원 광전도 반도체 스위치 및 그 스위치의 제조방법

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