JP2003207675A - 石英系光ファイバ及びその製造方法 - Google Patents

石英系光ファイバ及びその製造方法

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JP2003207675A
JP2003207675A JP2002004974A JP2002004974A JP2003207675A JP 2003207675 A JP2003207675 A JP 2003207675A JP 2002004974 A JP2002004974 A JP 2002004974A JP 2002004974 A JP2002004974 A JP 2002004974A JP 2003207675 A JP2003207675 A JP 2003207675A
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axial direction
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gpa
residual
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Kazuya Kuwabara
一也 桑原
Ichiro Tsuchiya
一郎 土屋
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/02Manufacture of glass fibres or filaments by drawing or extruding, e.g. direct drawing of molten glass from nozzles; Cooling fins therefor
    • C03B37/025Manufacture of glass fibres or filaments by drawing or extruding, e.g. direct drawing of molten glass from nozzles; Cooling fins therefor from reheated softened tubes, rods, fibres or filaments, e.g. drawing fibres from preforms
    • C03B37/0253Controlling or regulating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2205/00Fibre drawing or extruding details
    • C03B2205/40Monitoring or regulating the draw tension or draw rate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2205/00Fibre drawing or extruding details
    • C03B2205/44Monotoring or regulating the preform feed rate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2205/00Fibre drawing or extruding details
    • C03B2205/60Optical fibre draw furnaces
    • C03B2205/72Controlling or measuring the draw furnace temperature

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバの破断に対する高い信頼性を有す
る、疲労特性に優れた石英系光ファイバを提供する。 【解決手段】 陸上用光ファイバケーブルに用いられる
石英系光ファイバの光ファイバ断面内における軸方向の
残留応力の最大値(P)が―4×10-1(GPa)≦P
≦4×10-1(GPa)である。海底用光ファイバケー
ブルに用いられる石英系光ファイバの光ファイバ断面内
における軸方向の残留応力の最大値(P)が―2×10
-1(GPa)≦P≦2×10-1(GPa)である。光フ
ァイバのガラス最外層の軸方向の残留応力の最大値
(P)が―2.5×10-3(GPa)≦P≦1.3×1
-2(GPa)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信に用いられ
る石英系光ファイバに関し、特に、疲労特性に優れた高
信頼性を有する石英系光ファイバに関する。
【0002】
【従来技術】近年のインターネットやイントラネット等
の急速な普及によって、通信需要が増大した結果、光フ
ァイバという、高速かつ大容量の通信可能な伝送媒体の
敷設が飛躍的に増加している。光ファイバは、ガラスと
いう脆性材料であるため、大きな外力が加わると破断し
易いという問題がある。特に、敷設された光ファイバケ
ーブル内の光ファイバには、繰り返し応力や応力変動が
発生するため、光ファイバの破断に対する疲労保証(信
頼性)が高く求められてきている。そのため、疲労特性
に優れた光ファイバの研究・開発が盛んに行われてい
る。
【0003】疲労特性を改善した光ファイバの一例とし
て、従来技術である、特開平4−251809号公報に
開示されたものがある。この光ファイバは、コア層と、
クラッド層と、Ti又はZrドープ石英ガラス外層との
3層構造であり、石英ガラス外層がTi又はZrのドー
プ量を内側(クラッド層側)から外側に向かって次第に
大きくしたものである。ドーパントによる熱膨張係数の
違いから石英ガラス外層に圧縮応力を残留させることに
より、光ファイバの疲労特性が改善できるとしたもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光ファイバの疲労特性
を示す指標の一つとして、疲労係数(N値)がある。疲
労係数は光ファイバ表面におけるクラックの成長速度に
関するパラメータの1つであり、光ファイバに繰り返し
応力や応力変動が加えられた時に、光ファイバの破断に
対する信頼保証を示す指標として用いられる数値であ
る。一般的な条件として、陸上用光ファイバケーブルに
用いられる光ファイバの疲労係数は20以上、海底用光
ファイバケーブルに用いられる光ファイバの疲労係数は
23以上が好ましいとされている。
【0005】上述した従来技術では、コア−クラッド−
ガラス外層との3層がそれぞれ異なる熱膨張係数をもっ
ており、これらの熱膨張係数の差によってガラス外層に
残留圧縮応力を発生させている。しかしながら、ガラス
外層に残留圧縮応力を発生させても疲労特性が向上しな
い場合が生じた。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
繰り返し応力や応力変動が光ファイバに加えられた際
に、光ファイバの破断に対する信頼性を向上させるため
に疲労特性に優れた石英系光ファイバを提供することを
目的とする。
【0007】本出願人は、石英系光ファイバに発生する
残留応力と疲労係数について、鋭意研究した結果、光フ
ァイバの軸方向(長さ方向)に発生する引張り残留応力
及び圧縮残留応力と光ファイバの疲労係数の関係を新た
に導き出した。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の請求項1に係る石英系光ファイバは、陸上用
光ファイバケーブルに用いられる光ファイバにおいて、
光ファイバ断面内における軸方向の残留応力の最大値
(P)が、―4×10-1(GPa)≦P≦4×10
-1(GPa)、(最大値が正の値の場合は軸方向での残
留引張り応力であり、最大値が負の値の場合は軸方向で
の残留圧縮応力である)であることを特徴とするもので
ある。
【0009】この構成によれば、光ファイバの疲労係数
(N値)が確実に20以上とすることができる。尚、P
が負の値の場合は、光ファイバの軸方向の残留応力が圧
縮応力であることを示しており、Pが正の値の場合は、
残留応力が引っ張り応力であることを示している。
【0010】また、本発明の請求項2に係る石英系光フ
ァイバは、海底用光ファイバケーブルに用いられる光フ
ァイバにおいて、光ファイバ断面内における軸方向の残
留応力の最大値(P)が、―2×10-1(GPa)≦P
≦2×10-1(GPa)、(最大値が正の値の場合は軸
方向での残留引張り応力であり、最大値が負の値の場合
は軸方向での残留圧縮応力である)であることを特徴と
するものである。
【0011】この構成によれば、光ファイバの疲労係数
(N値)を確実に23以上とすることができる。
【0012】また、本発明の請求項3に係る石英系光フ
ァイバは、光ファイバのガラス最外層の軸方向の残留応
力の最大値(P)が、―2.5×10-3(GPa)≦P
≦1.3×10-2(GPa)、(最大値が正の値の場合
は軸方向での残留引張り応力であり、最大値が負の値の
場合は軸方向での残留圧縮応力である)であることを特
徴とするものである。
【0013】この構成によれば、光ファイバの疲労係数
(N値)を確実に20以上とすることができる。
【0014】更に、本発明の請求項4に係る石英系光フ
ァイバは、請求項1〜3において、光ファイバの屈折率
の調整が、フッ素又はフッ素と塩素の添加により行われ
ることを特徴とするものである。
【0015】更に、本発明の請求項5に係る石英系光フ
ァイバは、請求項1〜3において、光ファイバの屈折率
の調整が、ゲルマニウム又はゲルマニウムと塩素の添加
により行われることを特徴とするものである。
【0016】更に、本発明の請求項6に係る石英系光フ
ァイバは、請求項1〜3において、光ファイバの屈折率
の調整が、ゲルマニウムとフッ素又はゲルマニウムとフ
ッ素と塩素の添加により行われることを特徴とするもの
である。
【0017】更に、本発明の請求項7に係る光ファイバ
の製造方法は、陸上用光ファイバケーブルに用いられる
光ファイバの製造方法において、線引張力を制御するこ
とにより光ファイバ断面内における軸方向の残留応力の
最大値(P)が、―4×10 -1(GPa)≦P≦4×1
-1(GPa)、(最大値が正の値の場合は軸方向での
残留引張り応力であり、最大値が負の値の場合は軸方向
での残留圧縮応力である)であるように制御することを
特徴とするものである。
【0018】この製造方法によれば、光ファイバの疲労
係数(N値)が確実に20以上となる光ファイバを製造
することができる。
【0019】更に、本発明の請求項8に係る光ファイバ
の製造方法は、海底用光ファイバケーブルに用いられる
光ファイバの製造方法において、線引張力を制御するこ
とにより光ファイバ断面内における軸方向の残留応力の
最大値(P)が、―2×10 -1(GPa)≦P≦2×1
-1(GPa)、(最大値が正の値の場合は軸方向での
残留引張り応力であり、最大値が負の値の場合は軸方向
での残留圧縮応力である)であるように制御することを
特徴とするものである。
【0020】この製造方法によれば、光ファイバの疲労
係数(N値)が確実に23以上となる光ファイバを製造
することができる。
【0021】更に、本発明の請求項9に係る光ファイバ
の製造方法は、光ファイバケーブルに用いられる光ファ
イバの製造方法において、線引張力を制御することによ
り光ファイバのガラス最外層の軸方向の残留応力の最大
値が、―2.5×10-3(GPa)≦P≦1.3×10
-2(GPa)、(最大値が正の値の場合は軸方向での残
留引張り応力であり、最大値が負の値の場合は軸方向で
の残留圧縮応力である)であるように制御することを特
徴とするものである。
【0022】この製造方法によれば、光ファイバの疲労
係数(N値)が確実に20以上となる光ファイバを製造
することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る石英系光ファ
イバおよびその製造方法の好適な実施の形態を図面に基
づいて説明する。
【0024】図1は、本発明に係る石英系光ファイバの
製造装置の概略を示す模式図である。石英系光ファイバ
製造装置1は、コアとクラッドとを所定の屈折率分布を
もつガラス棒状の母材(プリフォーム)2を予め作成し
ておく。母材2は、ガラス微粒子を棒状に体積させたも
のを脱水した後、1600℃程度に加熱することで、透
明化することで作成される。光ファイバの構成によって
は、母材作成時に塩素を添加させることで、塩素を添加
した光ファイバを作成することもできる。このようにし
て作成された母材2を製造装置の上部に配置された母材
送り機構3に支持させる。母材送り機構3は、母材2を
上下方向に移動可能に母材2の上方部分を握持してい
る。
【0025】母材2の下端部2bの周囲には、加熱炉4
が配置され、母材2の下端部2bを溶融させることで、
母材2の線引きが行われて、細径の光ファイバ5とな
る。光ファイバ5は、線径測定器6により光ファイバ5
の線径(外径)が測定された後、被覆装置7に送られ
る。被覆装置7では、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂
等の樹脂材料により光ファイバ5の外周が樹脂被覆され
る。
【0026】樹脂被覆された光ファイバ5は、硬化装置
8に送られて、樹脂の硬化が行われる。硬化装置8は、
樹脂材料により異なり、例えば、熱硬化性樹脂に対して
は加熱炉であり、紫外線硬化性樹脂に対しては紫外線照
射炉である。樹脂被覆層が硬化された光ファイバ5は、
ガイドローラ9、キャプスタン10を経由して、光ファ
イバ巻き取り装置11に巻き取られていく。
【0027】また、この製造装置1には、加熱炉4の温
度を制御するための温度制御器12と、光ファイバ5の
外径を制御するための線径制御器13と、キャプスタン
10と光ファイバ巻き取り装置11の速度を制御するた
めの速度制御器14と、光ファイバ5の線引き速度を制
御するための線引制御器15とが備えられている。
【0028】光ファイバ5の線径の制御方法は、まず、
線引制御器15により設定線速(V F)と、母材径
(φP)と、光ファイバ径(φg)とが設定される。ここ
において、母材送り速度は、(φg/φP2×VFで算出
される。加熱炉4から出た光ファイバ5は、線径測定器
6により光ファイバ5の線径が測定され、その測定結果
が線径制御器13に入力される。
【0029】続いて、線径制御器13から光ファイバ5
の外径に関する情報が速度制御器14に入力されること
で、光ファイバ5の外径が所望外径となるように速度制
御器14により線速が制御される。この線速情報は線引
制御器15に送られていき、線引制御器15では設定線
速と現在の実際の線速とを比較し、設定線速値と実線速
値との差を調整するために母材送り速度が母材送り機構
3により調整される。
【0030】本発明に係る石英系光ファイバは、上述し
た光ファイバ製造装置1を用いて、母材2から細径の光
ファイバ5に線引きする際に、所望の線引張力となるよ
うに予め加熱炉4の温度を温度制御器12により制御し
ておくことで、線引きされた光ファイバ5の軸方向に発
生する残留応力を調整するものである。
【0031】上述した光ファイバ製造装置を用いて、純
シリカとフッ素をドープしたシリカとからなる光ファイ
バ(SiO2+F−SiO2系光ファイバ)、及び、ゲル
マニウムをドープしたシリカとフッ素をドープしたシリ
カと純シリカとからなる光ファイバ(Ge−SiO2
F−SiO2+SiO2系光ファイバ)、及び、ゲルマニ
ウムをドープしたシリカとシリカと純シリカとからなる
光ファイバ(Ge−SiO2+SiO2系光ファイバ)、
の製造を行った。この時得られた光ファイバのそれぞれ
の屈折率分布を図2〜図5に示す。
【0032】図2は、コアが純シリカ(直径:10μ
m)で、クラッドがフッ素をドープしたシリカ(外径:
125μm)で形成された光ファイバの屈折率分布を示
しており、コアに対するクラッドの比屈折率差は、−
0.40%であった。
【0033】図3は、コアが純シリカ(直径:10μ
m)であり、第一クラッドがフッ素をドープしたシリカ
(外径:55μm)で、第二クラッドもフッ素をドープ
したシリカ(外径:125μm)で形成された光ファイ
バの屈折率分布を示しており、コアに対する比屈折率差
は、第一クラッドが−0.35%、第二クラッドが−
0.25%である。
【0034】図4は、コアがゲルマニウムをドープした
シリカ(直径:4μm)、第一クラッドがフッ素をドー
プしたシリカ(外径:8μm)、第二クラッドが純シリ
カ(外径:125μm)で形成された光ファイバの屈折
率分布を示しており、第二クラッドに対する比屈折率差
は、コアが1.50%であり、第一クラッドが−0.4
0%である。
【0035】図5は、コアがゲルマニウムをドーパント
したシリカ(直径10μm)であり、クラッドが純シリ
カ(外径:125μm)で形成された光ファイバの屈折
率分布を示しており、クラッドに対するコアの比屈折率
差は、0.35%である。
【0036】これら図2〜図5に示す構成の光ファイバ
のそれぞれについて、異なる線引張力において線引を行
い、得られた光ファイバの軸方向の残留応力(GPa)
の最大値、ガラス最外層の軸方向の残留応力(GPa)
および静疲労試験による疲労係数(N値)について解析
した。尚、「軸方向の残留応力の最大値」と「ガラス最
外層の軸方向の残留応力」の数値の算出には、下記の手
法を利用した。
【0037】図6に示すように、n層の異なる材質から
なるファイバの熱応力を考える。各層は円筒で軸ずれが
無く、荷重も軸対称とする。この時、周方向に変位は起
こらず、また長手方向の歪みは場所によらず一定とな
り、半径方向の変位の一次元問題となる。歪みが小さく
物性値が一定の線形問題とすると、第i層での基礎方程
式は以下の式(1)〜式(7)で表される。
【0038】変位と歪みの関係式
【数1】
【数2】
【0039】歪みと応力の関係式
【数3】
【数4】
【数5】
【0040】応力のつりあいの式
【数6】
【0041】変位の連続性の式
【数7】
【0042】長手方向の歪み量εZが既知の場合の構成
方程式は以上であるが、εZが未知で長手方向のファイ
バの張力fZが既知の場合は、以下の長手方向の釣り合
いの式が加わる。
【数8】
【0043】式(1),(2),(3),(4)を式
(6)に代入し整理すると、u(r)に関するナビアの
方程式が得られる。
【数9】
【0044】第i層の内圧をPi-1,外圧をPiとして式
(9)を解くと、
【数10】 となる。
【0045】式(10)を式(1),(2),(3),
(4),(5)に代入し整理すると、
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
【数15】 となる。
【0046】ここで、第1層については、r0=0とす
ればよく、第1層の内圧P0の項は消える。また、最外
層の外圧Pnは既知とする。εZが既知の場合、式(7)
に式(10)を代入し整理すると、
【数16】
【0047】未知変数P1〜Pn-1に関するn―1個の連
立一次方程式が得られる。これを解くことで、式(1
0)〜式(15)から変位量・歪み・応力の値が求めら
れる。また、長手方向について、張力が既知で歪みが未
知の場合は、式(8)に式(15)を代入し整理した以
下の式(17)を、式(16)と連立させればよい。
【数17】
【0048】下記に示した表1は、図2〜図5に示す構
成の光ファイバの線引張力を変化させて製造した場合に
おいて、光ファイバの軸方向の残留応力の最大値と疲労
係数(N値)を解析した結果である。図7は、表1の軸
方向の残留応力の最大値とN値との関係をグラフに表し
たものである。
【0049】
【表1】
【0050】この結果より、図2〜図5に示す構成の光
ファイバのいずれにおいても、軸方向の残留応力の最大
値が0.42(GPa)より小さければ、陸上用の光フ
ァイバとして好ましいN値が20以上を確保することが
できる。更に、いずれの光ファイバにおいても、軸方向
の残留応力の最大値が0.22(GPa)より小さけれ
ば、N値が23以上を確保でき、信頼性の高い海底用光
ファイバとして好ましい疲労特性を実現することができ
る。この場合において、軸方向の残留応力の最大値がプ
ラスの場合は引っ張りの残留応力が作用しており、マイ
ナスの場合は圧縮の残留応力が作用している。
【0051】表2は、図2〜図5に示す構成の光ファイ
バの線引張力を変化させて製造した場合において、光フ
ァイバのガラス最外層の軸方向の残留応力の最大値と疲
労係数(N値)を解析した結果である。図7は、表2の
ガラス最外層の軸方向の残留応力の最大値とN値との関
係をグラフに表したものである。
【0052】
【表2】
【0053】この結果より、図2〜図5に示す構成の光
ファイバのいずれにおいても、ガラス最外層の軸方向の
残留応力の最大値が−0.0027(GPa)〜+0.
013(GPa)の範囲内であれば、N値が20以上を
確保した信頼性の高い光ファイバとして使用できる。こ
の場合において、ガラス最外層の軸方向の残留応力の最
大値がプラスの場合は引っ張りの残留応力が作用してお
り、マイナスの場合は圧縮の残留応力が作用している。
【0054】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
請求項1に係る石英系光ファイバの構成にすることで、
疲労係数が確実に20以上とすることができ、破断に対
する信頼性の高い陸上用石英系光ファイバを提供するこ
とができる。
【0055】また、本発明の請求項2に係る石英系光フ
ァイバの構成にすることで、疲労係数が確実に23以上
とすることができ、破断に対する信頼性の高い海底用石
英系光ファイバを提供することができる。
【0056】更に、本発明の請求項3に係る石英系光フ
ァイバの構成にすることで、疲労係数が確実に20以上
とすることができ、破断に対する信頼性の高い石英系光
ファイバを提供することができる。
【0057】更に、本発明の請求項4に係る石英系光フ
ァイバの構成とすることで、光ファイバの屈折率の調整
がフッ素又はフッ素と塩素との添加により達成されると
共に疲労係数が確実に高くできた石英系光ファバを供す
ることができる。
【0058】更に、本発明の請求項5に係る石英系光フ
ァイバの構成とすることで、光ファイバの屈折率の調整
がゲルマニウム又はゲルマニウムと塩素との添加により
達成されると共に疲労係数が確実に高くできた石英系光
ファイバを提供することができる。
【0059】更に、本発明の請求項6に係る石英系光フ
ァイバの構成とすることで、光ファイバの屈折率の調整
がゲルマニウムとフッ素又はゲルマニウムとフッ素と塩
素との添加により達成されると共に疲労係数が確実に高
くできた石英系光ファイバを提供することができる。
【0060】更に、本発明の請求項7に係る製造方法を
用いることで、疲労係数が確実に20以上とすることが
でき、破断に対する信頼性の高い陸上用石英系光ファイ
バを製造することができる。
【0061】更に、本発明の請求項8に係る製造方法を
用いることで、疲労係数が確実に23以上とすることが
でき、破断に対する信頼性の高い海底用石英系光ファイ
バを製造することができる。
【0062】更に、本発明の請求項9に係る製造方法を
用いることで、疲労係数が確実に20以上とすることが
でき、破断に対する信頼性の高い石英系光ファイバを製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る石英系光ファイバの製造
装置の概略を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明に係るSiO2+F−SiO2
らなる石英系光ファイバの屈折率の分布図である。
【図3】図3は、本発明に係るSiO2+F−SiO2
F−SiO2からなる石英系光ファイバの屈折率の分布
図である。
【図4】図4は、本発明に係るGe−SiO2+F−S
iO2+SiO2からなる石英系光ファイバの屈折率の分
布図である。
【図5】図5は、本発明に係るGe−SiO2+SiO2
からなる石英系光ファイバの屈折率の分布図である。
【図6】図6は、n層の異なる材質からなるファイバの
熱応力の模式図である。
【図7】図7は、本発明に係る石英系光ファイバの軸方
向の残留応力の最大値と疲労係数との関係を示す図であ
る。
【図8】図8は、本発明に係る石英系光ファイバのガラ
ス最外層の軸方向の残留応力と疲労係数との関係を示す
図である。
【符号の説明】
1 石英系光ファイバ製造装置 2 母材(プリフォーム) 3 母材送り機構 4 加熱炉 5 光ファイバ 6 線径測定器 7 被覆装置 8 硬化装置 9 ガイドローラ 10 キャプスタン 11 光ファイバ巻き取り装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H050 AA01 AB05X AC13 AC38 AC71 4G021 HA05 4G062 AA06 LA03 LA08 LA10 LB08 LB10 NN33 NN40

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陸上用光ファイバケーブルに用いられる
    光ファイバにおいて、光ファイバ断面内における軸方向
    の残留応力の最大値が、 ―4×10-1(GPa)≦P≦4×10-1(GPa) (最大値が正の値の場合は軸方向での残留引張り応力で
    あり、最大値が負の値の場合は軸方向での残留圧縮応力
    である)であることを特徴とする石英系光ファイバ。
  2. 【請求項2】 海底用光ファイバケーブルに用いられる
    光ファイバにおいて、光ファイバ断面内における軸方向
    の残留応力の最大値が、 ―2×10-1(GPa)≦P≦2×10-1(GPa) (最大値が正の値の場合は軸方向での残留引張り応力で
    あり、最大値が負の値の場合は軸方向での残留圧縮応力
    である)であることを特徴とする石英系光ファイバ。
  3. 【請求項3】 光ファイバのガラス最外層の軸方向の残
    留応力の最大値が、 ―2.5×10-3(GPa)≦P≦1.3×10-2(G
    Pa) (最大値が正の値の場合は軸方向での残留引張り応力で
    あり、最大値が負の値の場合は軸方向での残留圧縮応力
    である)であることを特徴とする石英系光ファイバ。
  4. 【請求項4】 光ファイバの屈折率の調整が、フッ素又
    はフッ素と塩素の添加により行われることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の石英系光ファイ
    バ。
  5. 【請求項5】 光ファイバの屈折率の調整が、ゲルマニ
    ウム又はゲルマニウムと塩素の添加により行われること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の石英
    系光ファイバ。
  6. 【請求項6】 光ファイバの屈折率の調整が、ゲルマニ
    ウムとフッ素又はゲルマニウムとフッ素と塩素の添加に
    より行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の石英系光ファイバ。
  7. 【請求項7】 陸上用光ファイバケーブルに用いられる
    光ファイバの製造方法において、線引張力を制御するこ
    とにより光ファイバ断面内における軸方向の残留応力の
    最大値が、 ―4×10-1(GPa)≦P≦4×10-1(GPa) (最大値が正の値の場合は軸方向での残留引張り応力で
    あり、最大値が負の値の場合は軸方向での残留圧縮応力
    である)であるように制御することを特徴とする光ファ
    イバの製造方法。
  8. 【請求項8】 海底用光ファイバケーブルに用いられる
    光ファイバの製造方法において、線引張力を制御するこ
    とにより光ファイバ断面内における軸方向の残留応力の
    最大値が、 ―2×10-1(GPa)≦P≦2×10-1(GPa) (最大値が正の値の場合は軸方向での残留引張り応力で
    あり、最大値が負の値の場合は軸方向での残留圧縮応力
    である)であるように制御することを特徴とする光ファ
    イバの製造方法。
  9. 【請求項9】 光ファイバケーブルに用いられる光ファ
    イバの製造方法において、線引張力を制御することによ
    り光ファイバのガラス最外層の軸方向の残留応力の最大
    値が、 ―2.5×10-3(GPa)≦P≦1.3×10-2(G
    Pa) (最大値が正の値の場合は軸方向での残留引張り応力で
    あり、最大値が負の値の場合は軸方向での残留圧縮応力
    である)であるように制御することを特徴とする光ファ
    イバの製造方法。
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