JP2003207552A - バッテリ充電状態演算方法及びその装置 - Google Patents

バッテリ充電状態演算方法及びその装置

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JP2003207552A JP2002268651A JP2002268651A JP2003207552A JP 2003207552 A JP2003207552 A JP 2003207552A JP 2002268651 A JP2002268651 A JP 2002268651A JP 2002268651 A JP2002268651 A JP 2002268651A JP 2003207552 A JP2003207552 A JP 2003207552A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流積算方式や電力積算方式を採用しつつ、
バッテリの充電状態を示す値を正確に演算すること。 【解決手段】 電圧−電流特性を求めるのに適したバッ
テリ13の端子電圧と放電電流とが周期的に測定された
際に、差値算出手段23Bが求めるバッテリ13の推定
電圧及び現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方
の、前回の放電時における値及び今回の放電時における
値の差値と、積算電流値算出手段23Aが求めるバッテ
リ13の積算電流値との、相関割出手段23Cが求める
相関を、周期的に測定したバッテリ13の端子電圧と放
電電流とが電圧−電流特性を求めるのに適した値でない
場合に用いて、積算電流値算出手段23Aが求めた積算
電流値からバッテリ13の現在の充電状態を示す値を演
算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負荷に電力を供給
するバッテリの充電状態を示す値を演算する方法及びそ
の装置に係り、詳しくは、基本的に、周期的に測定され
るバッテリの端子電圧と放電電流とから求めた電圧−電
流特性を用いてバッテリの放電状態における推定上の端
子電圧である推定電圧を推定し、この推定電圧を用いて
バッテリの充電状態を示す値を演算するバッテリ充電状
態演算方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載されるバッテリは、特にモー
タを唯一の推進駆動源とする電気自動車においては、一
般のエンジンを推進駆動源とする車両におけるガソリン
に相当するものであることから、SOC(State of cha
rge )等、バッテリがどの程度充電されているのかを認
識しておくことは、車両の正常な走行を確保する上で非
常に重要である。
【0003】また、近年、エンジンを推進動力源とする
一般車や、エンジンの発生するパワーの不足分をモータ
によりアシストするハイブリッド車両においては、環境
保護の観点から、交差点の信号待ち等による停車時にエ
ンジンを停止させるアイドルストップ機能の搭載が進め
られている。
【0004】この機能を搭載した車両においては、エン
ジンの再始動時に、セルモータやセルモータを兼ねたパ
ワーアシスト用のモータに対してかなりの大電流放電を
行うことから、逆に、エンジン再始動のための大電流放
電に耐え得るだけの放電可能容量がバッテリに残ってい
ないと、迂闊にアイドルストップさせるわけには行かな
くなる。
【0005】そのため、上述したSOCや、バッテリに
あとどのくらい放電可能な容量が残っているかを示す放
電可能容量等、車両に搭載されるバッテリの充電状態を
正確に把握することは、先に述べた電気自動車では勿論
のこと、一般車やハイブリッド車両においても、非常に
重要となる。
【0006】そこで、バッテリの充放電電流を時間で積
算した充電電流積算値や放電電流積算値を充放電前のバ
ッテリの放電可能容量に対して加算、減算することで、
バッテリの現在の放電可能容量を求める電流積算方式や
電力積算方式が、既に提案されている。
【0007】ところが、バッテリ(乃至その周辺)の温
度に変化があると、バッテリの内部抵抗が変化し、これ
に起因してバッテリの放電可能容量が変化してしまう
し、放電電流の値によってもバッテリの内部抵抗、或
は、放電によって生じる電圧降下量が変化して、これら
に起因してバッテリの放電可能容量が変化してしまうの
で、上記した電流積算方式や電力積算方式では、バッテ
リの充電状態を正確に把握することができない。
【0008】そこで注目されるのは、ほぼ直線的な相関
があるバッテリの電解液比重と開回路電圧(平衡状態に
あるバッテリの開回路状態における端子電圧)との関係
と、同じく直線的な相関があるバッテリの電解液比重と
充電状態との関係から、直線的な相関が成り立つはず
の、バッテリの充電状態と開回路電圧との関係を利用す
る容量演算方式である。
【0009】但し、この容量演算方式の唯一の弱点は、
バッテリの開回路電圧を測定できるのが、自己放電を除
くと充電状態に変化のない非放電時に限られることであ
り、換言すると、充電状態に変化の生じる放電時にはバ
ッテリの開回路電圧を測定することができないことであ
る。
【0010】したがって、バッテリの充電状態と開回路
電圧との関係を利用する容量演算方式を用いる上での最
大のポイントは、バッテリの放電時に如何にして精度良
く開回路電圧を推定するか、ということになる。
【0011】ところで、バッテリの放電時に測定できる
のは、バッテリの端子電圧と放電電流であるが、図6の
特性図から、バッテリの充電状態が変わらなくても放電
電流が上がればバッテリの端子電圧が下がるのは明らか
であるから、端子電圧と放電電流との間には、負の相関
を示す電圧−電流特性(I−V特性)があり、また、こ
の負の相関を示す電圧−電流特性は、バッテリの充電状
態が変わると変化することが判る。
【0012】そこで、バッテリの電圧−電流特性をバッ
テリの充電状態に応じて複数求めるために、次のような
測定を行う。
【0013】まず、或る電流Ia とこの電流Ia よりも
低い電流Ib とが周期的に交互に現れるパルス状の電流
によるバッテリの放電を連続して行い、そのときに放電
電流とは逆位相で現れるバッテリの端子電圧と放電電流
との組(Ia ,V1 )、(I b ,V2 )、(Ia
3 )、(Ib ,V4 ),…を、放電電流のパルス周期
(例えば1ms)に同期し連続して所定数(例えば10
0サンプル)サンプリングする。
【0014】そして、所定数サンプリングしたバッテリ
の端子電圧と放電電流との組(Ia,V01)、(Ib
02)、(Ia ,V03)、(Ib ,V04),…から、最
小二乗法により、V=a1 I+b1 なるバッテリの直線
的な電圧−電流特性式における係数a1 ,b1 を得て、
この式V=a1 I+b1 を、上記したサンプリングの間
における容量に対応したバッテリの電圧−電流特性とし
て位置づける。
【0015】次に、上記と同様の放電によって、パルス
状の電流Ia ,Ia によるバッテリの放電を連続して行
い、そのときに放電電流とは逆位相で現れるバッテリの
端子電圧と放電電流との組(Ia ,V11)、(Ib ,V
12)、(Ia ,V13)、(I b ,V14),…を連続して
所定数サンプリングし、これらから、最小二乗法によ
り、V=a2 I+b2 なるバッテリの直線的な電圧−電
流特性式における係数a 2 ,b2 を得て、この式V=a
2 I+b2 を、上記したサンプリングの間における容量
に対応したバッテリの電圧−電流特性として位置づけ
る。
【0016】以後、同様にして、V=an I+bn なる
バッテリの直線的な電圧−電流特性式における係数
n ,bn を得て、この式V=an I+bn を、バッテ
リの徐々に減少する互いに異なる容量に対応した電圧−
電流特性として位置づけることで、100%から0%ま
での各容量に対応したバッテリの電圧−電流特性を得
る。
【0017】尚、各所定数サンプリングしたバッテリの
端子電圧と放電電流との組(Ia ,Vn1)、(Ib ,V
n2)、(Ia ,Vn3)、(Ib ,Vn4),…と、これら
に最小二乗法を適用して得られる直線的な電圧−電流特
性式V=an I+bn との関係を、図7に模式的に示し
た(以上、例えば特許文献1参照。)。
【0018】ここで、上述のようにして得た各容量に応
じたバッテリの電圧−電流特性式に、仮想の電流値であ
る仮想電流値Isを各々代入し、それによって求まるV
を、バッテリの放電状態における推定上の端子電圧であ
る推定電圧Vnと定義すると、図8のグラフに示すよう
な放電特性が得られる。
【0019】そして、仮想電流値Isとして正のいずれ
の値を代入しても、その仮想電流値Isによる放電特性
は、横軸に取った容量が図8中右側に進んで0に近づく
につれて推定電圧Vnが急激に低下するという、非直線
的な特性となり、理論上開回路電圧を示すはずの仮想電
流値Is=0Aの場合においても、放電特性は同様の特
性を示すことが判る。
【0020】但し、図8のグラフによれば、仮想電流値
Isが小さければ小さいほど、容量が0に近づくにつれ
て推定電圧Vnが低下する度合いが小さくなっているた
め、あくまで仮想の領域であるが、上述のようにして得
た各容量に応じたバッテリの電圧−電流特性式に仮想電
流値Isとして負の値を代入して、その負の値の仮想電
流値Isによる放電特性をグラフに示すと、図9に示す
ように、この場合においては、仮想電流値Is=−10
Aを境に、容量0に近い領域の推定電圧Vnの特性変化
が変極する。
【0021】したがって、理論上では、仮想電流値Is
を−10Aとすると、放電状態における推定電圧Vnが
バッテリの容量に対して直線的な特性を示すことにな
る。
【0022】そこで、上述のようにして得た各容量に応
じたバッテリの電圧−電流特性を、縦軸を放電電流Iと
し横軸を端子電圧Vとした同一平面上に展開した、図1
0のグラフ上において、その放電における推定電圧Vn
がバッテリの容量に対して直線的な特性を示すことを検
証してみる。
【0023】まず、各電圧−電流特性式の傾きを表す係
数a1 ,a2 ,…,an が各々異なり、かつ、各電圧−
電流特性式の切片を表す係数b1 ,b2 ,…,bn も各
々異なることから、図10中の現実に存在する正の放電
電流領域においては、バッテリ容量の変化に対して端子
電圧Vが直線的に変化する放電電流値Iは存在しない。
【0024】しかし、図10中の想像上の領域である負
の放電電流領域においては、放電電流値I=−10Aの
時に、バッテリの容量に対して端子電圧Vが直線的に変
化する特性を示すことになり、この放電電流値I=−1
0Aにおける各容量に対応するバッテリの端子電圧V
が、推定電圧Vnであるということになる。
【0025】そこで、この仮想電流値Is=−10Aに
おけるバッテリの容量とこれに対して直線的な相関を有
する推定電圧Vnとの関係をグラフに表すと、図11に
示すように、縦軸の満充電時の開回路電圧Vsと放電終
止時の開回路電圧Veとの間に推定電圧Vnが存在する
ことになり、この推定電圧Vnに対応する横軸の容量上
の値が、バッテリの残存容量、つまり、充電状態SOC
ということになる。
【0026】したがって、推定電圧Vnはバッテリの開
回路電圧に代わるものであるということができ、開回路
電圧が測定できない放電時においても、その放電中に微
妙に変動するバッテリの端子電圧と放電電流とを測定す
ることで、放電状態におけるバッテリの端子電圧と放電
電流との相関である電圧−電流特性を求めて、その特性
式(V=aI+b)に仮想電流値Is=−10Aを代入
して推定電圧Vnを求めることで、この推定電圧Vnか
らバッテリの充電状態SOCを求めることができる。
【0027】そして、図11の縦軸上における推定電圧
Vnと満充電時の開回路電圧Vsとの比に換算して、満
充電容量に対する現在の充電状態SOCを求めると、 SOC={(Vn−Ve)/(Vs−Ve)}×100
(%) となる。
【0028】しかし、正確を期して、電力(V×Ah)
の比に換算して満充電容量に対する現在の充電状態SO
Cを求めると、 SOC={〔(Vn+Ve)/2〕×〔(Vn−Ve)/(Vs−Ve)〕 ×Ah}/{〔(Vs+Ve)/2〕×Ah}×100(%) ={(Vn2 −Ve2 )/(Vs2 −Ve2 )}×100(%) となる。
【0029】
【特許文献1】特開平8−62310号公報
【0030】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した容
量演算方式は、バッテリの放電時に周期的に測定した端
子電圧と放電電流とから電圧−電流特性を求められるこ
とが前提となるが、例えば電気自動車において定速走行
している場合等、負荷に対するバッテリの放電電流に時
間的変動がない場合には、周期的に測定したバッテリの
放電電流が一点に集中してしまうため、その周期的に測
定した端子電圧と放電電流とから電圧−電流特性を求め
ることができなくなる。
【0031】したがって、そのような場合には、否応な
しに、電流積算方式や電力積算方式によってバッテリの
現在の充電状態を割り出さざるを得ない。
【0032】しかし、冒頭に説明したように、電流積算
方式や電力積算方式では、周辺の温度や負荷に対する放
電電流の大小等によってバッテリの放電可能容量が変化
して、バッテリの充電状態を正確に把握することができ
ない、という欠点があるので、容量演算方式によりバッ
テリの充電状態を求めることができない場合に電流積算
方式や電力積算方式を採用するとなると、電流積算方式
や電力積算方式の欠点に対する対策を別途講じる必要が
ある。
【0033】本発明は、車載用のバッテリに見られる前
記事情に代表される、負荷に電力を供給するバッテリ一
般について想定される事情に鑑みなされたもので、本発
明の目的は、放電時に測定できるバッテリの端子電圧と
放電電流との相関から求められる、バッテリの放電状態
における推定上の端子電圧である推定電圧を用いて、バ
ッテリのSOCや充電可能容量値、放電可能容量値とい
った充電状態を示す値を求めることができない場合に、
電流積算方式や電力積算方式を採用しつつ、周辺の温度
や負荷に対する放電電流の大小等によるバッテリの放電
可能容量の変化があっても、バッテリの充電状態を示す
値を正確に演算することのできるバッテリ充電状態演算
方法と、この方法を実施する際に用いて好適なバッテリ
充電状態演算装置とを提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する請求
項1及び請求項2記載の本発明は、バッテリ充電状態演
算方法に関するものであり、請求項3及び請求項4記載
の本発明は、バッテリ充電状態演算装置に関するもので
ある。
【0035】そして、請求項1に記載した本発明のバッ
テリ充電状態演算方法は、バッテリの放電時に周期的に
測定した端子電圧と放電電流とが、これらの相関を示す
電圧−電流特性を求めるのに適した値である場合に、こ
の電圧−電流特性を用いて前記バッテリの放電状態にお
ける推定上の端子電圧である推定電圧を推定し、この推
定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値
を演算するバッテリ充電状態演算方法において、前記推
定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値
を演算する毎に、該バッテリの前記推定電圧及び前記充
電状態を示す値のうち少なくとも一方の、前回の放電時
における値及び今回の放電時における値の差値と、今回
の放電時における前記バッテリの前記周期的に測定した
放電電流に該放電電流の測定周期を乗じた積算電流値と
の相関を求め、前記周期的に測定した前記バッテリの端
子電圧と放電電流とが、前記電圧−電流特性を求めるの
に適した値でない場合に、前記バッテリの積算電流値を
求め、該求めた積算電流値を、直近に求めた前記差値と
前記積算電流値との相関を用いて、前記バッテリの前記
推定電圧及び前記現在の充電状態を示す値のうち少なく
とも一方の、今回の放電時における変化量に換算し、該
換算した変化量を用いて、前記バッテリの現在の充電状
態を示す値を演算するようにしたことを特徴とする。
【0036】また、請求項2に記載した本発明のバッテ
リ充電状態演算方法は、請求項1に記載した本発明のバ
ッテリ充電状態演算方法において、直近に求めた前記差
値と前記積算電流値との相関、及び、前記バッテリの満
充電電圧と放電終始電圧とを用いて、前記今回の放電時
における前記バッテリの積算電流値の単位電気量当たり
の変化量を求め、該バッテリの積算電流値の単位電気量
当たりの変化量と、前記換算した変化量とを用いて、前
記バッテリの満充電状態に対する現在の充電の度合いを
示す値を、該バッテリの現在の充電状態を示す値として
演算するようにした。
【0037】さらに、請求項3に記載した本発明のバッ
テリ充電状態演算装置は、図1の基本構成図に示すよう
に、バッテリ13の放電時に周期的に測定した端子電圧
と放電電流とが、これらの相関を示す電圧−電流特性を
求めるのに適した値である場合に、この電圧−電流特性
を用いて前記バッテリ13の放電状態における推定上の
端子電圧である推定電圧を推定し、この推定電圧を用い
て前記バッテリ13の現在の充電状態を示す値を演算す
るバッテリ充電状態演算装置において、前記バッテリ1
3の放電時に周期的に測定した前記放電電流に、該放電
電流の測定周期を乗じた積算電流値を求める積算電流値
算出手段23Aと、前記推定電圧を用いて前記バッテリ
13の現在の充電状態を示す値を演算する毎に、該バッ
テリ13の前記推定電圧及び前記現在の充電状態を示す
値のうち少なくとも一方の、前回の放電時における値及
び今回の放電時における値の差値を求める差値算出手段
23Bと、前記推定電圧を用いて前記バッテリ13の現
在の充電状態を示す値を演算する毎に、今回の放電時に
ついて前記積算電流値算出手段23Aが求めた前記積算
電流値と、今回の放電時について前記差値算出手段23
Bが求めた前記差値との相関を求める相関割出手段23
Cと、前記積算電流値算出手段23Aが求めた前記積算
電流値を、前記相関割出手段23Cが直近に求めた前記
積算電流値と前記差値との相関を用いて、前記バッテリ
13の前記推定電圧及び前記現在の充電状態を示す値の
うち少なくとも一方の、今回の放電時における変化量に
換算する換算手段23Dとを備えており、前記周期的に
測定した前記バッテリ13の端子電圧と放電電流とが、
前記電圧−電流特性を求めるのに適した値でない場合
に、前記換算手段23Dが換算した変化量を用いて、前
記バッテリ13の現在の充電状態を示す値を演算するこ
とを特徴とする。
【0038】また、請求項4に記載した本発明のバッテ
リ充電状態演算装置は、請求項3に記載した本発明のバ
ッテリ充電状態演算装置において、前記相関割出手段2
3Cが直近に求めた前記積算電流値と前記差値との相
関、及び、前記バッテリ13の満充電電圧と放電終始電
圧とを用いて、前記今回の放電時における前記バッテリ
13の積算電流値の単位電気量当たりの変化量を求める
単位変化量算出手段23Eをさらに備えており、該単位
変化量算出手段23Eが求めた前記バッテリ13の積算
電流値の単位電気量当たりの変化量と、前記換算手段2
3Dが換算した変化量とを用いて、前記バッテリ13の
満充電状態に対する現在の充電の度合いを示す値を、該
バッテリ13の現在の充電状態を示す値として演算する
ものとした。
【0039】請求項1に記載した本発明のバッテリ充電
状態演算方法によれば、バッテリの電圧−電流特性を求
めるのに適した端子電圧と放電電流とがバッテリの放電
時に周期的に測定されると、周期的に測定した端子電圧
と放電電流とから求めた電圧−電流特性を用いて、バッ
テリの放電状態における推定上の端子電圧である推定電
圧が推定され、この推定電圧を用いて、周辺の温度や負
荷に対する放電電流の大小等によるバッテリの放電可能
容量の変化の影響を受けない、バッテリの現在の充電状
態を示す正確な値が演算される。
【0040】これと共に、バッテリの電圧−電流特性を
求めるのに適した端子電圧と放電電流とがバッテリの放
電時に周期的に測定されると、バッテリの推定電圧及び
充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、前回の放電
時における値及び今回の放電時における値の差値と、今
回の放電時におけるバッテリの周期的に測定した放電電
流にその測定周期を乗じた積算電流値との相関が、求め
られる。
【0041】一方、バッテリの電圧−電流特性を求める
のに適していない端子電圧と放電電流とがバッテリの放
電時に周期的に測定されると、バッテリの推定電圧及び
充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、前回の放電
時における値及び今回の放電時における値の差値と、バ
ッテリの積算電流値との、過去に求められた相関のう
ち、周辺の温度や負荷に対する放電電流の大小等による
バッテリの放電可能容量の変化が現在と近い、直近に求
められた相関を用いて、今回の放電時におけるバッテリ
の周期的に測定した放電電流にその測定周期を乗じた積
算電流値が、バッテリの推定電圧及び現在の充電状態を
示す値のうち少なくとも一方の、今回の放電時における
変化量に換算される。
【0042】そして、この換算された変化量を用いて、
バッテリの現在の充電状態を示す値が、周辺の温度や負
荷に対する放電電流の大小等によるバッテリの放電可能
容量の変化の影響を排除した値として演算されることに
なる。
【0043】また、請求項2に記載した本発明のバッテ
リ充電状態演算方法によれば、請求項1に記載した本発
明のバッテリ充電状態演算方法において、バッテリの電
圧−電流特性を求めるのに適していない端子電圧と放電
電流とがバッテリの放電時に周期的に測定された場合、
その周期的に測定された放電電流に測定周期を乗じた積
算電流値から換算される、バッテリの推定電圧及び現在
の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の変化量が、
今回の放電時におけるバッテリの積算電流値の単位電気
量当たりの変化量に達すると、バッテリの現在の充電状
態を示す値として演算される、バッテリの満充電状態に
対する現在の充電の度合いを示す値が、単位電気量ずつ
変化することになる。
【0044】さらに、請求項3に記載した本発明のバッ
テリ充電状態演算装置によれば、バッテリ13の電圧−
電流特性を求めるのに適した端子電圧と放電電流とがバ
ッテリ13の放電時に周期的に測定されると、周期的に
測定した端子電圧と放電電流とから求めた電圧−電流特
性を用いて、バッテリ13の放電状態における推定上の
端子電圧である推定電圧が推定され、この推定電圧を用
いて、周辺の温度や負荷に対する放電電流の大小等によ
るバッテリ13の放電可能容量の変化の影響を受けな
い、バッテリ13の現在の充電状態を示す正確な値が演
算される。
【0045】これと共に、バッテリ13の電圧−電流特
性を求めるのに適した端子電圧と放電電流とがバッテリ
の放電時に周期的に測定されると、今回の放電時につい
て差値算出手段23Bが求めた、バッテリ13の推定電
圧及び充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、前回
の放電時における値及び今回の放電時における値の差値
と、今回の放電時について積算電流値算出手段23Aが
求めた、バッテリ13の周期的に測定した放電電流にそ
の測定周期を乗じた積算電流値との相関が、相関割出手
段23Cによって求められる。
【0046】一方、バッテリ13の電圧−電流特性を求
めるのに適していない端子電圧と放電電流とがバッテリ
13の放電時に周期的に測定されると、相関割出手段2
3Cによって過去に求められた積算電流値と差値との相
関のうち、周辺の温度や負荷に対する放電電流の大小等
によるバッテリ13の放電可能容量の変化が現在と近
い、直近に求められた相関を用いて、今回の放電時につ
いて積算電流値算出手段23Aが求めた積算電流値が、
換算手段23Dによって、バッテリ13の推定電圧及び
現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、今回
の放電時における変化量に換算される。
【0047】そして、この換算手段23Dによって換算
された変化量を用いて、バッテリ13の現在の充電状態
を示す値が、周辺の温度や負荷に対する放電電流の大小
等によるバッテリ13の放電可能容量の変化の影響を排
除した値として演算されることになる。
【0048】また、請求項4に記載した本発明のバッテ
リ充電状態演算装置によれば、請求項3に記載した本発
明のバッテリ充電状態演算装置において、バッテリ13
の電圧−電流特性を求めるのに適していない端子電圧と
放電電流とがバッテリ13の放電時に周期的に測定され
た場合、積算電流値算出手段23Aが求めた積算電流値
から換算手段23Dによって換算される、バッテリ13
の推定電圧及び現在の充電状態を示す値のうち少なくと
も一方の変化量が、単位変化量算出手段23Eが求めた
今回の放電時におけるバッテリ13の積算電流値の単位
電気量当たりの変化量に達すると、バッテリ13の現在
の充電状態を示す値として演算される、バッテリ13の
満充電状態に対する現在の充電の度合いを示す値が、単
位電気量ずつ変化することになる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるバッテリ充電
状態演算方法を、本発明によるバッテリ充電状態演算装
置と共に、車両に搭載されたバッテリの場合を例に取っ
て、図面を参照して説明する。
【0050】図2は本発明のバッテリ充電状態演算方法
を適用した本発明の一実施形態に係るバッテリ充電状態
演算装置の概略構成を一部ブロックにて示す説明図であ
り、図2中引用符号1で示す本実施形態のバッテリ充電
状態演算装置は、エンジン3に加えてモータジェネレー
タ5を有するハイブリッド車両に搭載されている。
【0051】そして、このハイブリッド車両は、通常時
はエンジン3の出力のみをドライブシャフト7からディ
ファレンシャルケース9を介して車輪11に伝達して走
行させ、高負荷時には、バッテリ13からの電力により
モータジェネレータ5をモータとして機能させて、エン
ジン3の出力に加えてモータジェネレータ5の出力をド
ライブシャフト7から車輪11に伝達し、アシスト走行
を行わせるように構成されている。
【0052】また、このハイブリッド車両は、減速時や
制動時にモータジェネレータ5をジェネレータ(発電
機)として機能させ、運動エネルギを電気エネルギに変
換してバッテリ13を充電させるように構成されてい
る。
【0053】本実施形態のバッテリ充電状態演算装置1
は、上述したバッテリ13の充電状態を演算するもの
で、アシスト走行用のモータやセルモータとして機能す
るモータジェネレータ5等、電装品に対するバッテリ1
3の放電電流Iを検出する電流センサ15と、バッテリ
13に並列接続した無限大抵抗を有し、バッテリ13の
端子電圧Vを検出する電圧センサ17とを備えている。
【0054】また、本実施形態のバッテリ充電状態演算
装置1は、上述した電流センサ15及び電圧センサ17
の出力がインタフェース回路(以下、「I/F」と略記
する。)21におけるA/D変換後に取り込まれるマイ
クロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記する。)
23と、このマイコン23に接続された不揮発性メモリ
(以下、「NVM」と略記する。)25,27と、不図
示のコンビネーションメータ等に設けられてバッテリ1
3の充電状態SOCを百分率等により表示する充電状態
表示部29等をさらに備えている。
【0055】そして、前記マイコン23は、CPU23
a、RAM23b、及び、ROM23cを有しており、
このうち、CPU23aには、RAM23b及びROM
23cの他、前記I/F21及びNVM25,27が各
々接続されており、また、上述した不図示のスタータス
イッチ、イグニッションスイッチやアクセサリスイッ
チ、モータジェネレータ5以外の電装品(負荷)のスイ
ッチ等が、さらに接続されている。
【0056】前記RAM23bは、各種データ記憶用の
データエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを
有しており、前記ROM23cには、CPU23aに各
種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納され
ている。
【0057】前記NVM25には、充電状態の変化に応
じて変化する前記バッテリ13の平衡状態、即ち、充放
電時の分極による電圧上昇や電圧降下が解消した状態に
おける端子電圧Vが、バッテリ13の開回路電圧OCV
として、最新値に順次更新されつつ格納、記憶される。
【0058】尚、ハイブリッド車両が製造された当初の
時点では、実装時に別途計測されたバッテリ13の端子
電圧Vが、開回路電圧OCVとしてNVM25に予め格
納、記憶されている。
【0059】また、前記NVM25には、不図示のイグ
ニッションスイッチのオンに伴って、モータジェネレー
タ5によりエンジン3を始動させるためにバッテリ13
が瞬時的に放電を行った際に、その放電中に電流センサ
15や電圧センサ17により検出されたバッテリ13の
端子電圧Vと放電電流Iとの相関を基にして、後述する
処理によって推定される、放電状態における推定上のバ
ッテリ13の端子電圧Vである推定電圧Vnに基づい
て、やはり後述する処理によって求められる、バッテリ
13の充電状態SOC(満充電容量に対する現在の充電
状態を%で示す値)が、最新値に順次更新されつつ格
納、記憶される。
【0060】前記NVM27には、バッテリ13の充電
状態SOCが推定電圧Vnに基づいて求められる毎に割
り出される、直前に求められた充電状態SOCとの差値
ΔSOCと、直前の充電状態SOCが求められてから今
回の充電状態SOCが求められるまでの間にバッテリ1
3から流れた電流の積算値である電流積算値Ahとが、
対〔(Xn ,Yn )=(ΔSOCn ,Ahn )〕にして
格納、記憶されると共に、格納、記憶された充電状態S
OCの差値ΔSOCと電流積算値Ahとの対がn組(n
≧2)以上集まると、それらを用いて、充電状態SOC
の差値ΔSOCと電流積算値Ahとの対が格納、記憶さ
れる毎に割り出される、充電状態SOCの差値ΔSOC
と電流積算値Ahとの相関を示す相関係数が、最新値に
順次更新されつつ格納、記憶される。
【0061】ちなみに、NVM27に格納、記憶される
充電状態SOCの差値ΔSOCと電流積算値Ahとの相
関係数は、本実施形態では、NVM25に格納、記憶さ
れている充電状態SOCの1%(増減)当たりの電流積
算値Ahの変化量である。
【0062】尚、上述した電流センサ15及び電圧セン
サ17の出力は、I/F21を介して常時マイコン23
のCPU23aに取り込まれる。
【0063】次に、前記ROM23cに格納された制御
プログラムに従いCPU23aが行う処理を、図3及び
図4のフローチャートを参照して説明する。
【0064】バッテリ13からの給電を受けてマイコン
23が起動しプログラムがスタートすると、CPU23
aは、まず、図3にメインルーチンのフローチャートで
示すように、初期設定を実行する(ステップS1)。
【0065】このステップS1における初期設定では、
RAM23bのワークエリアに設けられたフラグエリア
のフラグのリセット等を行う。
【0066】ステップS1の初期設定が済んだならば、
次に、I/F21からA/D変換値として取得される電
流センサ15の検出したバッテリ13の放電電流Iを基
に、バッテリ13が充放電中であるか否かを確認する
(ステップS3)。
【0067】バッテリ13が充放電中でない場合は(ス
テップS3でN)、充放電が終了してからの経過時間
が、最大分極発生状態からの分極解消に必要な所定時間
を超えていることを確認した上で、電圧センサ17の検
出したバッテリ13の端子電圧VのA/D変換値をI/
F21から取得して、NVM25に格納、記憶されてい
るバッテリ13の開回路電圧OCVを、取得したバッテ
リ13の端子電圧VのA/D変換値に更新する開回路電
圧更新処理を行った上で(ステップS5)、後述するス
テップS13に進む。
【0068】一方、ステップS3においてバッテリ13
が充放電中である場合(Y)は、I/F21からA/D
変換値として取得される電流センサ15の検出したバッ
テリ13の放電電流Iを基に、バッテリ13が充電中で
あるか否かを確認する(ステップS7)。
【0069】バッテリ13が充電中である場合は(ステ
ップS7でY)、I/F21からA/D変換値として取
得される電圧センサ17の検出したバッテリ13の端子
電圧Vを基に、或は、これと、I/F21からA/D変
換値として取得される電流センサ15の検出したバッテ
リ13の放電電流Iとを基に、充電中におけるバッテリ
13の推定電圧Vn又は開回路電圧OCVを求め、さら
に、これを基にしてバッテリ13の充電状態SOCを求
めて、充電状態表示部29の表示を更新する充電時充電
状態演算処理を行った上で(ステップS9)、ステップ
S13に進む。
【0070】一方、ステップS7においてバッテリ13
が充電中でない場合(N)は、放電時充電状態演算処理
を行う(ステップS11)。
【0071】このステップS11の放電時充電状態演算
処理では、図4にサブルーチンのフローチャートで示す
ように、I/F21からA/D変換値として取得される
電流センサ15の検出したバッテリ13の放電電流Iの
A/D変換値と、電圧センサ17の検出したバッテリ1
3の端子電圧VのA/D変換値とを、対にしてI/F2
1から取得し(ステップS11a)、バッテリ13の放
電電流Iと端子電圧Vとの相関を示す、直線的な電圧−
電流特性式V=aI+bを求めるのに必要な数の放電電
流IのA/D変換値と端子電圧VのA/D変換値とが収
集されたか否かを確認する(ステップS11b)。
【0072】必要数の放電電流IのA/D変換値と端子
電圧VのA/D変換値とが収集されていない場合は(ス
テップS11bでN)、I/F21からA/D変換値と
して取得される電流センサ15の検出したバッテリ13
の放電電流Iを基に、バッテリ13が放電中であるか否
かを確認し(ステップS11c)、放電中でない場合は
(ステップS11cでN)、放電時充電状態演算処理を
終了して図3のメインルーチンにリターンし、放電中で
ある場合は(ステップS11cでY)、ステップS11
aにリターンする。
【0073】一方、ステップS11bにおいて必要数の
放電電流IのA/D変換値と端子電圧VのA/D変換値
とが収集されている場合(Y)は、それまでの間にステ
ップS11aにおいて対にして取得された、複数組のバ
ッテリ13の端子電圧Vと放電電流IとのA/D変換値
が、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるの
に適したものであるか否かを確認する(ステップS11
d)。
【0074】尚、ステップS11dにおける、直線的な
電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適したもの
であるか否かの判断は、例えば次のようにして行われ
る。
【0075】即ち、ステップS11dに至るまでの間に
ステップS11aにおいて対にして取得された、複数組
のバッテリ13の端子電圧Vと放電電流IとのA/D変
換値を利用し、そのデータの相関性を確認するための相
関係数rを算出してその値が−0.9≧r≧−1.0の
許容範囲内にあるか否かを確認し、許容範囲内にない場
合は、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求める
のに適していないと判断し、許容範囲内にある場合は、
直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適
していると判断する。
【0076】そして、直線的な電圧−電流特性式V=a
I+bを求めるのに適したものでない場合は(ステップ
S11dでN)、後述するステップS11kに進み、適
したものである場合は(ステップS11dでY)、ステ
ップS11dに至るまでの間にステップS11aにおい
て対にして取得した、電流センサ15の検出したバッテ
リ13の放電電流Iと電圧センサ17の検出したバッテ
リ13の端子電圧VとのA/D変換値の対に、最小二乗
法を適用して、直線的な電圧−電流特性式V=aI+b
を割り出す(ステップS11e)。
【0077】次に、放電状態における推定電圧Vnがバ
ッテリ13の容量に対して直線的な特性を示すようにな
る仮想電流値Is=−10A(アンペア)を、ステップ
S11eで割り出した電圧−電流特性式V=aI+bに
代入して、推定電圧Vnを推定した後(ステップS11
f)、この推定電圧Vnに基づいてバッテリ13の充電
状態SOCを求めて、NVM25に格納、記憶されてい
るバッテリ13の充電状態SOCの値を更新する(ステ
ップS11g)。
【0078】ステップS11fで求めた推定電圧Vnに
基づいたバッテリ13の充電状態SOCの算出は、推定
電圧Vnを、電圧比による算出式、 SOC={(Vn−Ve)/(Vs−Ve)}×100
(%) 又は、電力比による算出式、 SOC={〔(Vn+Ve)/2〕 ×〔(Vn−Ve)/(Vs−Ve)〕×Ah} /{〔(Vs+Ve)/2〕×Ah}×100(%) ={(Vn2 −Ve2 )/(Vs2 −Ve2 )}×100(%) (但し、Vsは満充電時の開回路電圧、Veは放電終止
時の開回路電圧)のいずれかの式に代入することで求め
る。
【0079】ステップS11gにおいてバッテリ13の
充電状態SOCを求めたならば、次に、直線的な電圧−
電流特性式V=aI+bを求めるのに適したものである
か否かをステップS11eにおいて判断するために、ス
テップS11dに至るまでの間にステップS11aにお
いて取得された、複数の放電電流IのA/D変換値の合
計に、その複数の放電電流IのA/D変換値をI/F2
1により取得する間に経過した時間(A/D変換値の数
×サンプリング周期)を乗じて、放電電流Iの電流積算
値Ahを割り出し(ステップS11h)、この割り出し
た電流積算値Ahと、ステップS11gにおける更新前
後の充電状態SOCの差値ΔSOCとの相関の割り出し
処理を行う(ステップS11j)。
【0080】このステップS11jにおける相関の割り
出し処理では、ステップS11hにおいて割り出した電
流積算値Ahと、ステップS11gにおいて更新する前
と更新した後の充電状態SOCの差値ΔSOCとの対
〔(Xn ,Yn )=(ΔSOC n ,Ahn )〕を、NV
M27に格納、記憶し、このNVM27に格納、記憶さ
れているn組(n≧2)以上の充電状態SOCの差値Δ
SOCと電流積算値Ahとの対から、充電状態SOCの
1%減少当たりの電流積算値Ahの変化量を、差値ΔS
OCと電流積算値Ahとの相関係数として求めて、NV
M27に格納、記憶されている差値ΔSOCと電流積算
値Ahとの相関係数の値を、ここで求めた最新値に更新
することが、行われる。
【0081】このようにしてこのステップS11jにお
ける相関の割り出し処理が済んだならば、後述するステ
ップS11pに進む。
【0082】これに対して、ステップS11dにおい
て、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるの
に適したものでないと判定された場合(N)に進むステ
ップS11kでは、直線的な電圧−電流特性式V=aI
+bを求めるのに適したものであるか否かをステップS
11eにおいて判断するために、ステップS11dに至
るまでの間にステップS11aにおいて取得された、複
数の放電電流IのA/D変換値の合計に、その複数の放
電電流IのA/D変換値をI/F21により取得する間
に経過した時間(A/D変換値の数×サンプリング周
期)を乗じて、放電電流Iの電流積算値Ahを割り出
す。
【0083】そして、ステップS11dにおいて割り出
した電流積算値Ahに、NVM27に格納、記憶されて
いる差値ΔSOCと電流積算値Ahとの相関係数の値を
乗じて、ステップS11dにおいて割り出した電流積算
値Ahが、充電状態SOCを何%減らすのに見合う値で
あるかを割り出し(ステップS11m)、この割り出し
た電流積算値Ahからの%換算値を、NVM25に格
納、記憶されているバッテリ13の充電状態SOCの値
から減じて、その減じた後の充電状態SOCの値(%)
に、NVM25に格納、記憶されているバッテリ13の
充電状態SOCの値を更新した後(ステップS11
n)、ステップS11pに進む。
【0084】ステップS11jにおける相関の割り出し
処理が済んだ後と、ステップS11nにおけるNVM2
5の充電状態SOCの格納値の更新が済んだ後とに各々
進むステップS11pでは、充電状態表示部29におけ
る充電状態SOCの百分率表示を、ステップS11gや
ステップS11nにおいて更新した後のNVM25に格
納、記憶されているバッテリ13の充電状態SOCの値
に更新し、この表示更新が済んだならば、放電時充電状
態演算処理を終了して図3のメインルーチンにリターン
する。
【0085】ステップS1の初期設定が済んだならば、
次に、図3に示すように、バッテリ13からの給電が断
たれたか否かを確認し(ステップS13)、断たれてい
ない場合は(ステップS13でN)、ステップS3にリ
ターンし、断たれた場合は(ステップS13でY)、終
了処理を行った後(ステップS15)、一連の処理を終
了する。
【0086】以上の説明からも明らかなように、本実施
形態のバッテリ充電状態演算装置1では、図4のフロー
チャートにおけるステップS11h及びステップS11
mが、請求項中の積算電流値算出手段23Aに対応する
処理となっており、図4中のステップS11jが、請求
項中の差値算出手段23B及び相関割出手段23Cに対
応する処理となっていると共に、図4中のステップS1
1mが、請求項中の換算手段23D及び単位変化量算出
手段23Eに対応する処理となっている。
【0087】次に、上述のように構成された本実施形態
のバッテリ充電状態演算装置1の動作(作用)について
説明する。
【0088】まず、本実施形態のバッテリ充電状態演算
装置1では、バッテリ13が充放電を行っていない時間
が連続して、最大分極発生状態からの分極解消に必要な
所定時間Thを超えると、前回にバッテリ13が充放電
を行った際に発生した分極による電圧変動(電圧上昇又
は電圧降下)が完全に解消して平衡状態となっているも
のとして、NVM25に格納、記憶されているバッテリ
13の開回路電圧OCVが、この時点で検出されたバッ
テリ13の端子電圧Vに更新される。
【0089】このため、バッテリ13の充電状態変化に
よって開回路電圧OCVが変動しても、バッテリ13が
平衡状態となる毎に、NVM25に格納、記憶される開
回路電圧OCVを最新の値に更新して、バッテリ13の
充電状態SOCの演算精度が高く維持される。
【0090】次に、モータジェネレータ5以外の電装品
(負荷)が作動しておらず、或は、作動しているものの
その消費電力がジェネレータとして機能するモータジェ
ネレータ5による発電電力量に満たず、バッテリ13が
充電されている間は、その間に検出されたバッテリ13
の端子電圧V、或は、端子電圧V及び放電電流Iから、
バッテリ13の推定電圧Vn又は開回路電圧OCVが求
められ、さらにこれに基づいてバッテリ13の充電状態
SOCが求められて、表示部29の表示内容が、求めら
れた充電状態SOCに更新される。
【0091】一方、ハイブリッド車両のモータジェネレ
ータ5以外の電装品(負荷)が作動したり、モータジェ
ネレータ5がモータとして機能するように作動してい
て、それに伴いバッテリ13が放電を行っている状態で
は、電流センサ15及び電圧センサ17により検出され
たバッテリ13の放電電流I及び端子電圧Vが、対とな
って周期的に収集される。
【0092】そして、収集された複数対の放電電流I及
び端子電圧Vが、直線的な電圧−電流特性式V=aI+
bを求めるのに適した、一定の相関関係を満たすもので
あった場合には、これらに最小二乗法を適用して、バッ
テリ13の直線的な電圧−電流特性式V=aI+bが割
り出され、放電状態における推定電圧Vnがバッテリ1
3の容量に対して直線的な特性を示すようになる仮想電
流値Is=−10A(アンペア)を、この電圧−電流特
性式V=aI+bに代入することで、推定電圧Vnが推
定される。
【0093】さらに、推定された推定電圧Vnを、電圧
比又は電力比のいずれかの算出式に代入することで、バ
ッテリ13の充電状態SOCが演算されて、充電状態表
示部29の表示内容が、演算された充電状態SOCに更
新される。
【0094】これに対して、バッテリ13の放電中に収
集された複数対の放電電流I及び端子電圧Vが、直線的
な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適した、
一定の相関関係を満たすものではない場合には、これら
のうち複数の放電電流Iに収集時間間隔(電流センサ1
5の出力のA/D変換値のI/F21によるサンプリン
グ周期)を乗じた積算電流値Ahが割り出される。
【0095】そして、この積算電流値Ahが、推定電圧
Vnから充電状態SOCが求められた際に併せて求めら
れた、充電状態SOCの1%減少当たりの電流積算値A
hの変化量の最新値を、割り出された積算電流値Ahに
乗じることで、電流積算値Ahが充電状態SOCの減少
量(%)に換算され、換算された減少量(%)分だけ、
充電状態表示部29の充電状態SOCの表示値が減少さ
れる。
【0096】このように本実施形態のバッテリ充電状態
演算装置1によれば、バッテリ13が放電を行っている
状態で周期的に収集された、電流センサ15及び電圧セ
ンサ17によるバッテリ13の複数対の放電電流I及び
端子電圧Vが、直線的な電圧−電流特性式V=aI+b
を求めるのに適した、一定の相関関係を満たすものであ
った場合に、これらから割り出された電圧−電流特性式
V=aI+bを用いて、バッテリ13の放電状態におけ
る推定上の端子電圧Vである推定電圧Vnを求め、この
推定電圧Vnからバッテリ13の充電状態SOCを演算
するのに当たり、バッテリ13の放電中に収集された複
数対の放電電流I及び端子電圧Vが、直線的な電圧−電
流特性式V=aI+bを求めるのに適した、一定の相関
関係を満たすものではない場合に、収集された複数の放
電電流Iから求めた積算電流値Ahを、推定電圧Vnを
直前に求めた際に併せて求めた相関係数によって、積算
電流値Ahから充電状態SOCの減少量(%)に換算す
る構成とした。
【0097】このため、バッテリ13の放電電流I及び
端子電圧Vの相関を示す電圧−電流特性式V=aI+b
から推定電圧Vnを求めて、バッテリ13の充電状態S
OCを演算することが、バッテリ13の放電中に周期的
に収集された複数対の放電電流I及び端子電圧Vからで
は行えない場合に、周辺の温度や負荷に対する放電電流
の大小等によるバッテリの放電可能容量の変化の影響を
受ける積算電流値Ahから、それらの影響を排除した正
確なバッテリ13の充電状態SOCを演算することがで
きる。
【0098】しかも、積算電流値Ahから充電状態SO
Cの減少量(%)に換算するのに用いられる相関係数
が、充電状態SOCの1%減少当たりの電流積算値Ah
の変化量であることから、充電状態SOCを百分率表示
する充電状態表示部29の表示単位に合わせて、バッテ
リ13の積算電流値Ahを充電状態SOCの減少量
(%)に換算することができ、充電状態表示部29の表
示更新処理を容易に行うことができる分だけ、他の内容
の相関係数を用いる場合に比べて有利である。
【0099】ちなみに、本実施形態では、バッテリ13
の放電時に求めた複数対の放電電流I及び端子電圧V
が、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるの
に適した、一定の相関関係を満たすものではない場合
に、収集された複数の放電電流Iから求めた積算電流値
Ahを充電状態SOCの変化量に換算するために用い
る、推定電圧Vnを直前に求めた際に併せて求めた相関
係数を、バッテリ13の充電状態SOCの1%(増減)
当たりの電流積算値Ahの変化量としたが、推定電圧V
nを直前に求めた際にその推定電圧Vnから割り出した
バッテリ13の今回の充電状態SOCの値と前回の値と
の差値ΔSOCと、推定電圧Vnを直前に求めた際に併
せて求めた電流積算値Ahとの相関を示すものであれ
ば、バッテリ13の充電状態SOCの1%(増減)当た
りの電流積算値Ahの変化量以外のものを相関係数とし
てもよい。
【0100】また、本実施形態では、推定電圧Vnを直
前に求めた際に併せて求めた電流積算値Ahに対する相
関を求める相手を、その推定電圧Vnから割り出したバ
ッテリ13の今回の充電状態SOCの値と前回の値との
差値ΔSOCとしたが、この充電状態SOCを求める際
の基となる推定電圧Vnの今回の値と前回の値との差値
ΔVnを、推定電圧Vnを直前に求めた際に併せて求め
た電流積算値Ahに対する相関を求める相手としてもよ
い。
【0101】そして、そのようにする場合には、バッテ
リ13の充電状態SOCの最新値に代えて推定電圧Vn
の最新値をNVM25に格納、記憶させ、バッテリ13
の放電時に求めた複数対の放電電流I及び端子電圧V
が、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるの
に適した、一定の相関関係を満たすものではない場合
に、収集された複数の放電電流Iから求めた積算電流値
Ahを、相関係数により推定電圧Vnの変化量に換算
し、この推定電圧Vnの変化量を、NVM25に格納、
記憶された推定電圧Vnの最新値から減じて、現在の推
定電圧Vnの値を求め、この推定電圧Vnの値を、段落
0077において説明した電圧比又は電力比による算出
式に代入して、充電状態SOCを求めるように、ROM
23cに格納された制御プログラムの内容と、それに従
いCPU23aが行う処理の内容とを、変更することに
なる。
【0102】ちなみに、本実施形態では、バッテリ13
のSOCを充電状態として検出する場合について説明し
たが、充電可能容量値や放電可能容量値等を、バッテリ
13の充電状態として検出するようにしてもよい。
【0103】そこで、推定電圧Vnを直前に求めた際に
併せて求めた電流積算値Ahに対する相関を求める相手
は、バッテリ13の充電状態として検出するのを何にす
るのかに応じて、バッテリ13の今回の充電状態SOC
の値と前回の値との差値ΔSOCと、推定電圧Vnの今
回の値と前回の値との差値ΔVnとのうち都合のよいも
のを選択すればよく、必要に応じて電流積算値Ahに対
する両方の相関を求めるものとしてもよい。
【0104】また、本実施形態では、放電時におけるバ
ッテリ13の電圧−電流特性を、1次の電圧−電流特性
式V=aI+bに近似させているが、分極抵抗成分の非
直線形の特性の影響も考慮して、1次の電圧−電流特性
式V=aI+bに代えて、図5に示すように、放電時に
おけるバッテリ13の放電電流I及び端子電圧Vの対か
ら最小二乗法によって得られる、V=aI2 +bI+c
なる2次の曲線式に近似させるようにしてもよい。
【0105】そして、そのようにした場合は、この近似
曲線式V=aI2 +bI+cに仮想電流値Is=−10
A(アンペア)を代入することで推定した推定電圧Vn
を基に、バッテリ13の充電状態SOCを演算すること
になる。
【0106】このように、バッテリ13の電圧−電流特
性を2次の近似曲線式とすれば、放電による分極に起因
してバッテリ13に生じる端子電圧Vの電圧降下量の増
減のペースに対する、放電電流Iの増減のペースの鈍さ
が、1次の電圧−電流特性式V=aI+bよりも一層正
確に反映されて、この近似曲線式V=aI2 +bI+c
を用いて推定される推定電圧Vnの精度や、この推定電
圧Vnを用いて演算されるバッテリ13の充電状態SO
Cの精度を、より高めることができるので、有利であ
る。
【0107】尚、発明の実施の形態の冒頭でも述べたよ
うに、本実施形態では車両に搭載されたバッテリの充電
状態を演算するバッテリ充電状態演算装置1を例に取っ
て説明したが、本発明は車両に搭載されたバッテリに限
らず、負荷に電力を供給するバッテリ一般についてその
充電状態を演算する際に広く適用可能であることは、言
うまでもない。
【0108】
【発明の効果】以上に説明したように請求項1に記載し
た本発明のバッテリ充電状態演算方法によれば、バッテ
リの放電時に周期的に測定した端子電圧と放電電流と
が、これらの相関を示す電圧−電流特性を求めるのに適
した値である場合に、この電圧−電流特性を用いて前記
バッテリの放電状態における推定上の端子電圧である推
定電圧を推定し、この推定電圧を用いて前記バッテリの
現在の充電状態を示す値を演算するバッテリ充電状態演
算方法において、前記推定電圧を用いて前記バッテリの
現在の充電状態を示す値を演算する毎に、該バッテリの
前記推定電圧及び前記充電状態を示す値のうち少なくと
も一方の、前回の放電時における値及び今回の放電時に
おける値の差値と、今回の放電時における前記バッテリ
の前記周期的に測定した放電電流に該放電電流の測定周
期を乗じた積算電流値との相関を求め、前記周期的に測
定した前記バッテリの端子電圧と放電電流とが、前記電
圧−電流特性を求めるのに適した値でない場合に、前記
バッテリの積算電流値を求め、該求めた積算電流値を、
直近に求めた前記差値と前記積算電流値との相関を用い
て、前記バッテリの前記推定電圧及び前記現在の充電状
態を示す値のうち少なくとも一方の、今回の放電時にお
ける変化量に換算し、該換算した変化量を用いて、前記
バッテリの現在の充電状態を示す値を演算するようにし
た。
【0109】また、請求項3に記載した本発明のバッテ
リ充電状態演算装置によれば、バッテリの放電時に周期
的に測定した端子電圧と放電電流とが、これらの相関を
示す電圧−電流特性を求めるのに適した値である場合
に、この電圧−電流特性を用いて前記バッテリの放電状
態における推定上の端子電圧である推定電圧を推定し、
この推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を
示す値を演算するバッテリ充電状態演算装置において、
前記バッテリの放電時に周期的に測定した前記放電電流
に該放電電流の測定周期を乗じた積算電流値を求める積
算電流値算出手段と、前記推定電圧を用いて前記バッテ
リの現在の充電状態を示す値を演算する毎に、該バッテ
リの前記推定電圧及び前記現在の充電状態を示す値のう
ち少なくとも一方の、前回の放電時における値及び今回
の放電時における値の差値を求める差値算出手段と、前
記推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を示
す値を演算する毎に、今回の放電時について前記積算電
流値算出手段が求めた前記積算電流値と、今回の放電時
について前記差値算出手段が求めた前記差値との相関を
求める相関割出手段と、前記積算電流値算出手段が求め
た前記積算電流値を、前記相関割出手段が直近に求めた
前記積算電流値と前記差値との相関を用いて、前記バッ
テリの前記推定電圧及び前記現在の充電状態を示す値の
うち少なくとも一方の、今回の放電時における変化量に
換算する換算手段とを備えており、前記周期的に測定し
た前記バッテリの端子電圧と放電電流とが、前記電圧−
電流特性を求めるのに適した値でない場合に、前記換算
手段が換算した変化量を用いて、前記バッテリの現在の
充電状態を示す値を演算する構成とした。
【0110】このため、請求項1に記載した本発明のバ
ッテリ充電状態演算方法と、請求項3に記載した本発明
のバッテリ充電状態演算装置のいずれによっても、バッ
テリの電圧−電流特性を求めるのに適していない端子電
圧と放電電流とがバッテリの放電時に周期的に測定され
た場合に、今回の放電時におけるバッテリの積算電流値
を、バッテリの推定電圧及び充電状態を示す値のうち少
なくとも一方の、前回の放電時における値及び今回の放
電時における値の差値と、バッテリの積算電流値との最
新の相関を用いて、周辺の温度や負荷に対する放電電流
の大小等によるバッテリの放電可能容量の変化の影響を
排除した、今回の放電時における、バッテリの推定電圧
及び現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の変
化量に換算して、バッテリの現在の充電状態を正確に演
算することができる。
【0111】さらに、請求項2に記載した本発明のバッ
テリ充電状態演算方法によれば、請求項1に記載した本
発明のバッテリ充電状態演算方法において、直近に求め
た前記差値と前記積算電流値との相関、及び、前記バッ
テリの満充電電圧と放電終始電圧とを用いて、前記今回
の放電時における前記バッテリの積算電流値の単位電気
量当たりの変化量を求め、該バッテリの積算電流値の単
位電気量当たりの変化量と、前記換算した変化量とを用
いて、前記バッテリの満充電状態に対する現在の充電の
度合いを示す値を、該バッテリの現在の充電状態を示す
値として演算するようにした。
【0112】また、請求項4に記載した本発明のバッテ
リ充電状態演算装置によれば、請求項3に記載した本発
明のバッテリ充電状態演算装置において、前記相関割出
手段が直近に求めた前記積算電流値と前記差値との相
関、及び、前記バッテリの満充電電圧と放電終始電圧と
を用いて、前記今回の放電時における前記バッテリの積
算電流値の単位電気量当たりの変化量を求める単位変化
量算出手段をさらに備えており、該単位変化量算出手段
が求めた前記バッテリの積算電流値の単位電気量当たり
の変化量と、前記換算手段が換算した変化量とを用い
て、前記バッテリの満充電状態に対する現在の充電の度
合いを示す値を、該バッテリの現在の充電状態を示す値
として演算する構成とした。
【0113】このため、請求項2に記載した本発明のバ
ッテリ充電状態演算方法によれば、請求項1に記載した
本発明のバッテリ充電状態演算方法において、また、請
求項4に記載した本発明のバッテリ充電状態演算装置に
よれば、請求項3に記載した本発明のバッテリ充電状態
演算装置において、いずれも、バッテリの現在の充電状
態を、バッテリの満充電状態に対する現在の充電の度合
いによって示す場合に、今回の放電時におけるバッテリ
の積算電流値がバッテリの電気量の何単位分の変化量に
当たるかに換算して、積算電流値を用いたバッテリの満
充電状態に対する現在の充電の度合いの演算を、容易に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバッテリ充電状態演算装置の基本構成
図である。
【図2】本発明のバッテリ充電状態演算方法を適用した
本発明の一実施形態に係るバッテリ充電状態演算装置の
概略構成を一部ブロックにて示す説明図である。
【図3】図2のマイクロコンピュータのROMに格納さ
れた制御プログラムに従いCPUが行う処理のメインル
ーチンを示すフローチャートである。
【図4】図4の放電時充電状態演算処理を示すサブルー
チンのフローチャートである。
【図5】バッテリの放電中にサンプリングした所定数の
端子電圧及び放電電流の組に最小二乗法を適用して得ら
れる、2次近似式で表したバッテリの電圧−電流特性の
一例を示すグラフである。
【図6】バッテリの放電状態における端子電圧と放電時
間との相関を示すグラフである。
【図7】バッテリの放電中にサンプリングした所定数の
端子電圧及び放電電流の組と、これらに最小二乗法を適
用して得られる直線的な電圧−電流特性式との関係を模
式的に示すグラフである。
【図8】図7に示す電圧−電流特性から推定した推定電
圧により得られる複数の放電特性を示すグラフである。
【図9】図7に示す電圧−電流特性から推定した推定電
圧により得られる複数の仮想上の放電特性を示すグラフ
である。
【図10】各容量に応じたバッテリの電圧−電流特性を
同一平面上に展開したグラフである。
【図11】図9のグラフにおいて直線的特性を示す仮想
上の放電電流値におけるバッテリの容量と図7に示す電
圧−電流特性から推定した推定電圧との関係を示すグラ
フである。
【図12】バッテリの放電中に発生する電圧降下の内容
を示すグラフである。
【符号の説明】
13 バッテリ 23 マイクロコンピュータ 23a CPU 23b RAM 23c ROM 23A 積算電流値算出手段 23B 差値算出手段 23C 相関割出手段 23D 換算手段 23E 単位変化量算出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G016 CA03 CB01 CB12 CB22 CB23 CC01 CC04 CC06 CC12 CC16 CC24 CC27 CC28 5G003 AA07 BA01 DA07 EA05 FA06 GC05 5H030 FF41 FF42 FF44

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッテリの放電時に周期的に測定した端
    子電圧と放電電流とが、これらの相関を示す電圧−電流
    特性を求めるのに適した値である場合に、この電圧−電
    流特性を用いて前記バッテリの放電状態における推定上
    の端子電圧である推定電圧を推定し、この推定電圧を用
    いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算する
    バッテリ充電状態演算方法において、 前記推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を
    示す値を演算する毎に、該バッテリの前記推定電圧及び
    前記充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、前回の
    放電時における値及び今回の放電時における値の差値
    と、今回の放電時における前記バッテリの前記周期的に
    測定した放電電流に該放電電流の測定周期を乗じた積算
    電流値との相関を求め、 前記周期的に測定した前記バッテリの端子電圧と放電電
    流とが、前記電圧−電流特性を求めるのに適した値でな
    い場合に、前記バッテリの積算電流値を求め、該求めた
    積算電流値を、直近に求めた前記差値と前記積算電流値
    との相関を用いて、前記バッテリの前記推定電圧及び前
    記現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、今
    回の放電時における変化量に換算し、該換算した変化量
    を用いて、前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演
    算するようにした、ことを特徴とするバッテリ充電状態
    演算方法。
  2. 【請求項2】 直近に求めた前記差値と前記積算電流値
    との相関、及び、前記バッテリの満充電電圧と放電終始
    電圧とを用いて、前記今回の放電時における前記バッテ
    リの積算電流値の単位電気量当たりの変化量を求め、該
    バッテリの積算電流値の単位電気量当たりの変化量と、
    前記換算した変化量とを用いて、前記バッテリの満充電
    状態に対する現在の充電の度合いを示す値を、該バッテ
    リの現在の充電状態を示す値として演算するようにした
    請求項1記載のバッテリ充電状態演算方法。
  3. 【請求項3】 バッテリの放電時に周期的に測定した端
    子電圧と放電電流とが、これらの相関を示す電圧−電流
    特性を求めるのに適した値である場合に、この電圧−電
    流特性を用いて前記バッテリの放電状態における推定上
    の端子電圧である推定電圧を推定し、この推定電圧を用
    いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算する
    バッテリ充電状態演算装置において、 前記バッテリの放電時に周期的に測定した前記放電電流
    に、該放電電流の測定周期を乗じた積算電流値を求める
    積算電流値算出手段と、 前記推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を
    示す値を演算する毎に、該バッテリの前記推定電圧及び
    前記現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、
    前回の放電時における値及び今回の放電時における値の
    差値を求める差値算出手段と、 前記推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を
    示す値を演算する毎に、今回の放電時について前記積算
    電流値算出手段が求めた前記積算電流値と、今回の放電
    時について前記差値算出手段が求めた前記差値との相関
    を求める相関割出手段と、 前記積算電流値算出手段が求めた前記積算電流値を、前
    記相関割出手段が直近に求めた前記積算電流値と前記差
    値との相関を用いて、前記バッテリの前記推定電圧及び
    前記現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、
    今回の放電時における変化量に換算する換算手段とを備
    えており、 前記周期的に測定した前記バッテリの端子電圧と放電電
    流とが、前記電圧−電流特性を求めるのに適した値でな
    い場合に、前記換算手段が換算した変化量を用いて、前
    記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算する、こと
    を特徴とするバッテリ充電状態演算装置。
  4. 【請求項4】 前記相関割出手段が直近に求めた前記積
    算電流値と前記差値との相関、及び、前記バッテリの満
    充電電圧と放電終始電圧とを用いて、前記今回の放電時
    における前記バッテリの積算電流値の単位電気量当たり
    の変化量を求める単位変化量算出手段をさらに備えてお
    り、該単位変化量算出手段が求めた前記バッテリの積算
    電流値の単位電気量当たりの変化量と、前記換算手段が
    換算した変化量とを用いて、前記バッテリの満充電状態
    に対する現在の充電の度合いを示す値を、該バッテリの
    現在の充電状態を示す値として演算する請求項3記載の
    バッテリ充電状態演算装置。
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