JP3930786B2 - バッテリ充電状態演算方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷に電力を供給するバッテリの充電状態を示す値を演算する方法及びその装置に係り、詳しくは、基本的に、周期的に測定されるバッテリの端子電圧と放電電流とから求めた電圧−電流特性を用いてバッテリの放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧を推定し、この推定電圧を用いてバッテリの充電状態を示す値を演算するバッテリ充電状態演算方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載されるバッテリは、特にモータを唯一の推進駆動源とする電気自動車においては、一般のエンジンを推進駆動源とする車両におけるガソリンに相当するものであることから、SOC(State of charge )等、バッテリがどの程度充電されているのかを認識しておくことは、車両の正常な走行を確保する上で非常に重要である。
【0003】
また、近年、エンジンを推進動力源とする一般車や、エンジンの発生するパワーの不足分をモータによりアシストするハイブリッド車両においては、環境保護の観点から、交差点の信号待ち等による停車時にエンジンを停止させるアイドルストップ機能の搭載が進められている。
【0004】
この機能を搭載した車両においては、エンジンの再始動時に、セルモータやセルモータを兼ねたパワーアシスト用のモータに対してかなりの大電流放電を行うことから、逆に、エンジン再始動のための大電流放電に耐え得るだけの放電可能容量がバッテリに残っていないと、迂闊にアイドルストップさせるわけには行かなくなる。
【0005】
そのため、上述したSOCや、バッテリにあとどのくらい放電可能な容量が残っているかを示す放電可能容量等、車両に搭載されるバッテリの充電状態を正確に把握することは、先に述べた電気自動車では勿論のこと、一般車やハイブリッド車両においても、非常に重要となる。
【0006】
そこで、バッテリの充放電電流を時間で積算した充電電流積算値や放電電流積算値を充放電前のバッテリの放電可能容量に対して加算、減算することで、バッテリの現在の放電可能容量を求める電流積算方式や電力積算方式が、既に提案されている。
【0007】
ところが、バッテリ(乃至その周辺)の温度に変化があると、バッテリの内部抵抗が変化し、これに起因してバッテリの放電可能容量が変化してしまうし、放電電流の値によってもバッテリの内部抵抗、或は、放電によって生じる電圧降下量が変化して、これらに起因してバッテリの放電可能容量が変化してしまうので、上記した電流積算方式や電力積算方式では、バッテリの充電状態を正確に把握することができない。
【0008】
そこで注目されるのは、ほぼ直線的な相関があるバッテリの電解液比重と開回路電圧(平衡状態にあるバッテリの開回路状態における端子電圧)との関係と、同じく直線的な相関があるバッテリの電解液比重と充電状態との関係から、直線的な相関が成り立つはずの、バッテリの充電状態と開回路電圧との関係を利用する容量演算方式である。
【0009】
但し、この容量演算方式の唯一の弱点は、バッテリの開回路電圧を測定できるのが、自己放電を除くと充電状態に変化のない非放電時に限られることであり、換言すると、充電状態に変化の生じる放電時にはバッテリの開回路電圧を測定することができないことである。
【0010】
したがって、バッテリの充電状態と開回路電圧との関係を利用する容量演算方式を用いる上での最大のポイントは、バッテリの放電時に如何にして精度良く開回路電圧を推定するか、ということになる。
【0011】
ところで、バッテリの放電時に測定できるのは、バッテリの端子電圧と放電電流であるが、図6の特性図から、バッテリの充電状態が変わらなくても放電電流が上がればバッテリの端子電圧が下がるのは明らかであるから、端子電圧と放電電流との間には、負の相関を示す電圧−電流特性(I−V特性)があり、また、この負の相関を示す電圧−電流特性は、バッテリの充電状態が変わると変化することが判る。
【0012】
そこで、バッテリの電圧−電流特性をバッテリの充電状態に応じて複数求めるために、次のような測定を行う。
【0013】
まず、或る電流Ia とこの電流Ia よりも低い電流Ib とが周期的に交互に現れるパルス状の電流によるバッテリの放電を連続して行い、そのときに放電電流とは逆位相で現れるバッテリの端子電圧と放電電流との組(Ia ,V1 )、(Ib ,V2 )、(Ia ,V3 )、(Ib ,V4 ),…を、放電電流のパルス周期(例えば1ms)に同期し連続して所定数(例えば100サンプル)サンプリングする。
【0014】
そして、所定数サンプリングしたバッテリの端子電圧と放電電流との組(Ia ,V01)、(Ib ,V02)、(Ia ,V03)、(Ib ,V04),…から、最小二乗法により、V=a1 I+b1 なるバッテリの直線的な電圧−電流特性式における係数a1 ,b1 を得て、この式V=a1 I+b1 を、上記したサンプリングの間における容量に対応したバッテリの電圧−電流特性として位置づける。
【0015】
次に、上記と同様の放電によって、パルス状の電流Ia ,Ia によるバッテリの放電を連続して行い、そのときに放電電流とは逆位相で現れるバッテリの端子電圧と放電電流との組(Ia ,V11)、(Ib ,V12)、(Ia ,V13)、(Ib ,V14),…を連続して所定数サンプリングし、これらから、最小二乗法により、V=a2 I+b2 なるバッテリの直線的な電圧−電流特性式における係数a2 ,b2 を得て、この式V=a2 I+b2 を、上記したサンプリングの間における容量に対応したバッテリの電圧−電流特性として位置づける。
【0016】
以後、同様にして、V=an I+bn なるバッテリの直線的な電圧−電流特性式における係数an ,bn を得て、この式V=an I+bn を、バッテリの徐々に減少する互いに異なる容量に対応した電圧−電流特性として位置づけることで、100%から0%までの各容量に対応したバッテリの電圧−電流特性を得る。
【0017】
尚、各所定数サンプリングしたバッテリの端子電圧と放電電流との組(Ia ,Vn1)、(Ib ,Vn2)、(Ia ,Vn3)、(Ib ,Vn4),…と、これらに最小二乗法を適用して得られる直線的な電圧−電流特性式V=an I+bn との関係を、図7に模式的に示した(以上、例えば特許文献1参照。)。
【0018】
ここで、上述のようにして得た各容量に応じたバッテリの電圧−電流特性式に、仮想の電流値である仮想電流値Isを各々代入し、それによって求まるVを、バッテリの放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧Vnと定義すると、図8のグラフに示すような放電特性が得られる。
【0019】
そして、仮想電流値Isとして正のいずれの値を代入しても、その仮想電流値Isによる放電特性は、横軸に取った容量が図8中右側に進んで0に近づくにつれて推定電圧Vnが急激に低下するという、非直線的な特性となり、理論上開回路電圧を示すはずの仮想電流値Is=0Aの場合においても、放電特性は同様の特性を示すことが判る。
【0020】
但し、図8のグラフによれば、仮想電流値Isが小さければ小さいほど、容量が0に近づくにつれて推定電圧Vnが低下する度合いが小さくなっているため、あくまで仮想の領域であるが、上述のようにして得た各容量に応じたバッテリの電圧−電流特性式に仮想電流値Isとして負の値を代入して、その負の値の仮想電流値Isによる放電特性をグラフに示すと、図9に示すように、この場合においては、仮想電流値Is=−10Aを境に、容量0に近い領域の推定電圧Vnの特性変化が変極する。
【0021】
したがって、理論上では、仮想電流値Isを−10Aとすると、放電状態における推定電圧Vnがバッテリの容量に対して直線的な特性を示すことになる。
【0022】
そこで、上述のようにして得た各容量に応じたバッテリの電圧−電流特性を、縦軸を放電電流Iとし横軸を端子電圧Vとした同一平面上に展開した、図10のグラフ上において、その放電における推定電圧Vnがバッテリの容量に対して直線的な特性を示すことを検証してみる。
【0023】
まず、各電圧−電流特性式の傾きを表す係数a1 ,a2 ,…,an が各々異なり、かつ、各電圧−電流特性式の切片を表す係数b1 ,b2 ,…,bn も各々異なることから、図10中の現実に存在する正の放電電流領域においては、バッテリ容量の変化に対して端子電圧Vが直線的に変化する放電電流値Iは存在しない。
【0024】
しかし、図10中の想像上の領域である負の放電電流領域においては、放電電流値I=−10Aの時に、バッテリの容量に対して端子電圧Vが直線的に変化する特性を示すことになり、この放電電流値I=−10Aにおける各容量に対応するバッテリの端子電圧Vが、推定電圧Vnであるということになる。
【0025】
そこで、この仮想電流値Is=−10Aにおけるバッテリの容量とこれに対して直線的な相関を有する推定電圧Vnとの関係をグラフに表すと、図11に示すように、縦軸の満充電時の開回路電圧Vsと放電終止時の開回路電圧Veとの間に推定電圧Vnが存在することになり、この推定電圧Vnに対応する横軸の容量上の値が、バッテリの残存容量、つまり、充電状態SOCということになる。
【0026】
したがって、推定電圧Vnはバッテリの開回路電圧に代わるものであるということができ、開回路電圧が測定できない放電時においても、その放電中に微妙に変動するバッテリの端子電圧と放電電流とを測定することで、放電状態におけるバッテリの端子電圧と放電電流との相関である電圧−電流特性を求めて、その特性式(V=aI+b)に仮想電流値Is=−10Aを代入して推定電圧Vnを求めることで、この推定電圧Vnからバッテリの充電状態SOCを求めることができる。
【0027】
そして、図11の縦軸上における推定電圧Vnと満充電時の開回路電圧Vsとの比に換算して、満充電容量に対する現在の充電状態SOCを求めると、
SOC={(Vn−Ve)/(Vs−Ve)}×100(%)
となる。
【0028】
しかし、正確を期して、電力(V×Ah)の比に換算して満充電容量に対する現在の充電状態SOCを求めると、
となる。
【0029】
【特許文献1】
特開平8−62310号公報
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した容量演算方式は、バッテリの放電時に周期的に測定した端子電圧と放電電流とから電圧−電流特性を求められることが前提となるが、例えば電気自動車において定速走行している場合等、負荷に対するバッテリの放電電流に時間的変動がない場合には、周期的に測定したバッテリの放電電流が一点に集中してしまうため、その周期的に測定した端子電圧と放電電流とから電圧−電流特性を求めることができなくなる。
【0031】
したがって、そのような場合には、否応なしに、電流積算方式や電力積算方式によってバッテリの現在の充電状態を割り出さざるを得ない。
【0032】
しかし、冒頭に説明したように、電流積算方式や電力積算方式では、周辺の温度や負荷に対する放電電流の大小等によってバッテリの放電可能容量が変化して、バッテリの充電状態を正確に把握することができない、という欠点があるので、容量演算方式によりバッテリの充電状態を求めることができない場合に電流積算方式や電力積算方式を採用するとなると、電流積算方式や電力積算方式の欠点に対する対策を別途講じる必要がある。
【0033】
本発明は、車載用のバッテリに見られる前記事情に代表される、負荷に電力を供給するバッテリ一般について想定される事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、放電時に測定できるバッテリの端子電圧と放電電流との相関から求められる、バッテリの放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧を用いて、バッテリのSOCや充電可能容量値、放電可能容量値といった充電状態を示す値を求めることができない場合に、電流積算方式や電力積算方式を採用しつつ、周辺の温度や負荷に対する放電電流の大小等によるバッテリの放電可能容量の変化があっても、バッテリの充電状態を示す値を正確に演算することのできるバッテリ充電状態演算方法と、この方法を実施する際に用いて好適なバッテリ充電状態演算装置とを提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する請求項1及び請求項2記載の本発明は、バッテリ充電状態演算方法に関するものであり、請求項3及び請求項4記載の本発明は、バッテリ充電状態演算装置に関するものである。
【0035】
そして、請求項1に記載した本発明のバッテリ充電状態演算方法は、バッテリの放電時に周期的に測定した端子電圧と放電電流とが、これらの相関を示す電圧−電流特性を求めるのに適した値である場合に、この電圧−電流特性を用いて前記バッテリの放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧を推定し、この推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算するバッテリ充電状態演算方法において、前記推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算する毎に、該バッテリの前記推定電圧及び前記充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、前回の放電時における値及び今回の放電時における値の差値と、今回の放電時における前記バッテリの前記周期的に測定した放電電流に該放電電流の測定周期を乗じた積算電流値との相関を求め、前記周期的に測定した前記バッテリの端子電圧と放電電流とが、前記電圧−電流特性を求めるのに適した値でない場合に、前記バッテリの積算電流値を求め、該求めた積算電流値を、直近に求めた前記差値と前記積算電流値との相関を用いて、前記バッテリの前記推定電圧及び前記現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、今回の放電時における変化量に換算し、該換算した変化量を用いて、前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算するようにしたことを特徴とする。
【0036】
また、請求項2に記載した本発明のバッテリ充電状態演算方法は、請求項1に記載した本発明のバッテリ充電状態演算方法において、直近に求めた前記差値と前記積算電流値との相関、及び、前記バッテリの満充電電圧と放電終始電圧とを用いて、前記今回の放電時における前記バッテリの積算電流値の単位電気量当たりの変化量を求め、該バッテリの積算電流値の単位電気量当たりの変化量と、前記換算した変化量とを用いて、前記バッテリの満充電状態に対する現在の充電の度合いを示す値を、該バッテリの現在の充電状態を示す値として演算するようにした。
【0037】
さらに、請求項3に記載した本発明のバッテリ充電状態演算装置は、図1の基本構成図に示すように、バッテリ13の放電時に周期的に測定した端子電圧と放電電流とが、これらの相関を示す電圧−電流特性を求めるのに適した値である場合に、この電圧−電流特性を用いて前記バッテリ13の放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧を推定し、この推定電圧を用いて前記バッテリ13の現在の充電状態を示す値を演算するバッテリ充電状態演算装置において、前記バッテリ13の放電時に周期的に測定した前記放電電流に、該放電電流の測定周期を乗じた積算電流値を求める積算電流値算出手段23Aと、前記推定電圧を用いて前記バッテリ13の現在の充電状態を示す値を演算する毎に、該バッテリ13の前記推定電圧及び前記現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、前回の放電時における値及び今回の放電時における値の差値を求める差値算出手段23Bと、前記推定電圧を用いて前記バッテリ13の現在の充電状態を示す値を演算する毎に、今回の放電時について前記積算電流値算出手段23Aが求めた前記積算電流値と、今回の放電時について前記差値算出手段23Bが求めた前記差値との相関を求める相関割出手段23Cと、前記積算電流値算出手段23Aが求めた前記積算電流値を、前記相関割出手段23Cが直近に求めた前記積算電流値と前記差値との相関を用いて、前記バッテリ13の前記推定電圧及び前記現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、今回の放電時における変化量に換算する換算手段23Dとを備えており、前記周期的に測定した前記バッテリ13の端子電圧と放電電流とが、前記電圧−電流特性を求めるのに適した値でない場合に、前記換算手段23Dが換算した変化量を用いて、前記バッテリ13の現在の充電状態を示す値を演算することを特徴とする。
【0038】
また、請求項4に記載した本発明のバッテリ充電状態演算装置は、請求項3に記載した本発明のバッテリ充電状態演算装置において、前記相関割出手段23Cが直近に求めた前記積算電流値と前記差値との相関、及び、前記バッテリ13の満充電電圧と放電終始電圧とを用いて、前記今回の放電時における前記バッテリ13の積算電流値の単位電気量当たりの変化量を求める単位変化量算出手段23Eをさらに備えており、該単位変化量算出手段23Eが求めた前記バッテリ13の積算電流値の単位電気量当たりの変化量と、前記換算手段23Dが換算した変化量とを用いて、前記バッテリ13の満充電状態に対する現在の充電の度合いを示す値を、該バッテリ13の現在の充電状態を示す値として演算するものとした。
【0039】
請求項1に記載した本発明のバッテリ充電状態演算方法によれば、バッテリの電圧−電流特性を求めるのに適した端子電圧と放電電流とがバッテリの放電時に周期的に測定されると、周期的に測定した端子電圧と放電電流とから求めた電圧−電流特性を用いて、バッテリの放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧が推定され、この推定電圧を用いて、周辺の温度や負荷に対する放電電流の大小等によるバッテリの放電可能容量の変化の影響を受けない、バッテリの現在の充電状態を示す正確な値が演算される。
【0040】
これと共に、バッテリの電圧−電流特性を求めるのに適した端子電圧と放電電流とがバッテリの放電時に周期的に測定されると、バッテリの推定電圧及び充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、前回の放電時における値及び今回の放電時における値の差値と、今回の放電時におけるバッテリの周期的に測定した放電電流にその測定周期を乗じた積算電流値との相関が、求められる。
【0041】
一方、バッテリの電圧−電流特性を求めるのに適していない端子電圧と放電電流とがバッテリの放電時に周期的に測定されると、バッテリの推定電圧及び充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、前回の放電時における値及び今回の放電時における値の差値と、バッテリの積算電流値との、過去に求められた相関のうち、周辺の温度や負荷に対する放電電流の大小等によるバッテリの放電可能容量の変化が現在と近い、直近に求められた相関を用いて、今回の放電時におけるバッテリの周期的に測定した放電電流にその測定周期を乗じた積算電流値が、バッテリの推定電圧及び現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、今回の放電時における変化量に換算される。
【0042】
そして、この換算された変化量を用いて、バッテリの現在の充電状態を示す値が、周辺の温度や負荷に対する放電電流の大小等によるバッテリの放電可能容量の変化の影響を排除した値として演算されることになる。
【0043】
また、請求項2に記載した本発明のバッテリ充電状態演算方法によれば、請求項1に記載した本発明のバッテリ充電状態演算方法において、バッテリの電圧−電流特性を求めるのに適していない端子電圧と放電電流とがバッテリの放電時に周期的に測定された場合、その周期的に測定された放電電流に測定周期を乗じた積算電流値から換算される、バッテリの推定電圧及び現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の変化量が、今回の放電時におけるバッテリの積算電流値の単位電気量当たりの変化量に達すると、バッテリの現在の充電状態を示す値として演算される、バッテリの満充電状態に対する現在の充電の度合いを示す値が、単位電気量ずつ変化することになる。
【0044】
さらに、請求項3に記載した本発明のバッテリ充電状態演算装置によれば、バッテリ13の電圧−電流特性を求めるのに適した端子電圧と放電電流とがバッテリ13の放電時に周期的に測定されると、周期的に測定した端子電圧と放電電流とから求めた電圧−電流特性を用いて、バッテリ13の放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧が推定され、この推定電圧を用いて、周辺の温度や負荷に対する放電電流の大小等によるバッテリ13の放電可能容量の変化の影響を受けない、バッテリ13の現在の充電状態を示す正確な値が演算される。
【0045】
これと共に、バッテリ13の電圧−電流特性を求めるのに適した端子電圧と放電電流とがバッテリの放電時に周期的に測定されると、今回の放電時について差値算出手段23Bが求めた、バッテリ13の推定電圧及び充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、前回の放電時における値及び今回の放電時における値の差値と、今回の放電時について積算電流値算出手段23Aが求めた、バッテリ13の周期的に測定した放電電流にその測定周期を乗じた積算電流値との相関が、相関割出手段23Cによって求められる。
【0046】
一方、バッテリ13の電圧−電流特性を求めるのに適していない端子電圧と放電電流とがバッテリ13の放電時に周期的に測定されると、相関割出手段23Cによって過去に求められた積算電流値と差値との相関のうち、周辺の温度や負荷に対する放電電流の大小等によるバッテリ13の放電可能容量の変化が現在と近い、直近に求められた相関を用いて、今回の放電時について積算電流値算出手段23Aが求めた積算電流値が、換算手段23Dによって、バッテリ13の推定電圧及び現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、今回の放電時における変化量に換算される。
【0047】
そして、この換算手段23Dによって換算された変化量を用いて、バッテリ13の現在の充電状態を示す値が、周辺の温度や負荷に対する放電電流の大小等によるバッテリ13の放電可能容量の変化の影響を排除した値として演算されることになる。
【0048】
また、請求項4に記載した本発明のバッテリ充電状態演算装置によれば、請求項3に記載した本発明のバッテリ充電状態演算装置において、バッテリ13の電圧−電流特性を求めるのに適していない端子電圧と放電電流とがバッテリ13の放電時に周期的に測定された場合、積算電流値算出手段23Aが求めた積算電流値から換算手段23Dによって換算される、バッテリ13の推定電圧及び現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の変化量が、単位変化量算出手段23Eが求めた今回の放電時におけるバッテリ13の積算電流値の単位電気量当たりの変化量に達すると、バッテリ13の現在の充電状態を示す値として演算される、バッテリ13の満充電状態に対する現在の充電の度合いを示す値が、単位電気量ずつ変化することになる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるバッテリ充電状態演算方法を、本発明によるバッテリ充電状態演算装置と共に、車両に搭載されたバッテリの場合を例に取って、図面を参照して説明する。
【0050】
図2は本発明のバッテリ充電状態演算方法を適用した本発明の一実施形態に係るバッテリ充電状態演算装置の概略構成を一部ブロックにて示す説明図であり、図2中引用符号1で示す本実施形態のバッテリ充電状態演算装置は、エンジン3に加えてモータジェネレータ5を有するハイブリッド車両に搭載されている。
【0051】
そして、このハイブリッド車両は、通常時はエンジン3の出力のみをドライブシャフト7からディファレンシャルケース9を介して車輪11に伝達して走行させ、高負荷時には、バッテリ13からの電力によりモータジェネレータ5をモータとして機能させて、エンジン3の出力に加えてモータジェネレータ5の出力をドライブシャフト7から車輪11に伝達し、アシスト走行を行わせるように構成されている。
【0052】
また、このハイブリッド車両は、減速時や制動時にモータジェネレータ5をジェネレータ(発電機)として機能させ、運動エネルギを電気エネルギに変換してバッテリ13を充電させるように構成されている。
【0053】
本実施形態のバッテリ充電状態演算装置1は、上述したバッテリ13の充電状態を演算するもので、アシスト走行用のモータやセルモータとして機能するモータジェネレータ5等、電装品に対するバッテリ13の放電電流Iを検出する電流センサ15と、バッテリ13に並列接続した無限大抵抗を有し、バッテリ13の端子電圧Vを検出する電圧センサ17とを備えている。
【0054】
また、本実施形態のバッテリ充電状態演算装置1は、上述した電流センサ15及び電圧センサ17の出力がインタフェース回路(以下、「I/F」と略記する。)21におけるA/D変換後に取り込まれるマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記する。)23と、このマイコン23に接続された不揮発性メモリ(以下、「NVM」と略記する。)25,27と、不図示のコンビネーションメータ等に設けられてバッテリ13の充電状態SOCを百分率等により表示する充電状態表示部29等をさらに備えている。
【0055】
そして、前記マイコン23は、CPU23a、RAM23b、及び、ROM23cを有しており、このうち、CPU23aには、RAM23b及びROM23cの他、前記I/F21及びNVM25,27が各々接続されており、また、上述した不図示のスタータスイッチ、イグニッションスイッチやアクセサリスイッチ、モータジェネレータ5以外の電装品(負荷)のスイッチ等が、さらに接続されている。
【0056】
前記RAM23bは、各種データ記憶用のデータエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを有しており、前記ROM23cには、CPU23aに各種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納されている。
【0057】
前記NVM25には、充電状態の変化に応じて変化する前記バッテリ13の平衡状態、即ち、充放電時の分極による電圧上昇や電圧降下が解消した状態における端子電圧Vが、バッテリ13の開回路電圧OCVとして、最新値に順次更新されつつ格納、記憶される。
【0058】
尚、ハイブリッド車両が製造された当初の時点では、実装時に別途計測されたバッテリ13の端子電圧Vが、開回路電圧OCVとしてNVM25に予め格納、記憶されている。
【0059】
また、前記NVM25には、不図示のイグニッションスイッチのオンに伴って、モータジェネレータ5によりエンジン3を始動させるためにバッテリ13が瞬時的に放電を行った際に、その放電中に電流センサ15や電圧センサ17により検出されたバッテリ13の端子電圧Vと放電電流Iとの相関を基にして、後述する処理によって推定される、放電状態における推定上のバッテリ13の端子電圧Vである推定電圧Vnに基づいて、やはり後述する処理によって求められる、バッテリ13の充電状態SOC(満充電容量に対する現在の充電状態を%で示す値)が、最新値に順次更新されつつ格納、記憶される。
【0060】
前記NVM27には、バッテリ13の充電状態SOCが推定電圧Vnに基づいて求められる毎に割り出される、直前に求められた充電状態SOCとの差値ΔSOCと、直前の充電状態SOCが求められてから今回の充電状態SOCが求められるまでの間にバッテリ13から流れた電流の積算値である電流積算値Ahとが、対〔(Xn ,Yn )=(ΔSOCn ,Ahn )〕にして格納、記憶されると共に、格納、記憶された充電状態SOCの差値ΔSOCと電流積算値Ahとの対がn組(n≧2)以上集まると、それらを用いて、充電状態SOCの差値ΔSOCと電流積算値Ahとの対が格納、記憶される毎に割り出される、充電状態SOCの差値ΔSOCと電流積算値Ahとの相関を示す相関係数が、最新値に順次更新されつつ格納、記憶される。
【0061】
ちなみに、NVM27に格納、記憶される充電状態SOCの差値ΔSOCと電流積算値Ahとの相関係数は、本実施形態では、NVM25に格納、記憶されている充電状態SOCの1%(増減)当たりの電流積算値Ahの変化量である。
【0062】
尚、上述した電流センサ15及び電圧センサ17の出力は、I/F21を介して常時マイコン23のCPU23aに取り込まれる。
【0063】
次に、前記ROM23cに格納された制御プログラムに従いCPU23aが行う処理を、図3及び図4のフローチャートを参照して説明する。
【0064】
バッテリ13からの給電を受けてマイコン23が起動しプログラムがスタートすると、CPU23aは、まず、図3にメインルーチンのフローチャートで示すように、初期設定を実行する(ステップS1)。
【0065】
このステップS1における初期設定では、RAM23bのワークエリアに設けられたフラグエリアのフラグのリセット等を行う。
【0066】
ステップS1の初期設定が済んだならば、次に、I/F21からA/D変換値として取得される電流センサ15の検出したバッテリ13の放電電流Iを基に、バッテリ13が充放電中であるか否かを確認する(ステップS3)。
【0067】
バッテリ13が充放電中でない場合は(ステップS3でN)、充放電が終了してからの経過時間が、最大分極発生状態からの分極解消に必要な所定時間を超えていることを確認した上で、電圧センサ17の検出したバッテリ13の端子電圧VのA/D変換値をI/F21から取得して、NVM25に格納、記憶されているバッテリ13の開回路電圧OCVを、取得したバッテリ13の端子電圧VのA/D変換値に更新する開回路電圧更新処理を行った上で(ステップS5)、後述するステップS13に進む。
【0068】
一方、ステップS3においてバッテリ13が充放電中である場合(Y)は、I/F21からA/D変換値として取得される電流センサ15の検出したバッテリ13の放電電流Iを基に、バッテリ13が充電中であるか否かを確認する(ステップS7)。
【0069】
バッテリ13が充電中である場合は(ステップS7でY)、I/F21からA/D変換値として取得される電圧センサ17の検出したバッテリ13の端子電圧Vを基に、或は、これと、I/F21からA/D変換値として取得される電流センサ15の検出したバッテリ13の放電電流Iとを基に、充電中におけるバッテリ13の推定電圧Vn又は開回路電圧OCVを求め、さらに、これを基にしてバッテリ13の充電状態SOCを求めて、充電状態表示部29の表示を更新する充電時充電状態演算処理を行った上で(ステップS9)、ステップS13に進む。
【0070】
一方、ステップS7においてバッテリ13が充電中でない場合(N)は、放電時充電状態演算処理を行う(ステップS11)。
【0071】
このステップS11の放電時充電状態演算処理では、図4にサブルーチンのフローチャートで示すように、I/F21からA/D変換値として取得される電流センサ15の検出したバッテリ13の放電電流IのA/D変換値と、電圧センサ17の検出したバッテリ13の端子電圧VのA/D変換値とを、対にしてI/F21から取得し(ステップS11a)、バッテリ13の放電電流Iと端子電圧Vとの相関を示す、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに必要な数の放電電流IのA/D変換値と端子電圧VのA/D変換値とが収集されたか否かを確認する(ステップS11b)。
【0072】
必要数の放電電流IのA/D変換値と端子電圧VのA/D変換値とが収集されていない場合は(ステップS11bでN)、I/F21からA/D変換値として取得される電流センサ15の検出したバッテリ13の放電電流Iを基に、バッテリ13が放電中であるか否かを確認し(ステップS11c)、放電中でない場合は(ステップS11cでN)、放電時充電状態演算処理を終了して図3のメインルーチンにリターンし、放電中である場合は(ステップS11cでY)、ステップS11aにリターンする。
【0073】
一方、ステップS11bにおいて必要数の放電電流IのA/D変換値と端子電圧VのA/D変換値とが収集されている場合(Y)は、それまでの間にステップS11aにおいて対にして取得された、複数組のバッテリ13の端子電圧Vと放電電流IとのA/D変換値が、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適したものであるか否かを確認する(ステップS11d)。
【0074】
尚、ステップS11dにおける、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適したものであるか否かの判断は、例えば次のようにして行われる。
【0075】
即ち、ステップS11dに至るまでの間にステップS11aにおいて対にして取得された、複数組のバッテリ13の端子電圧Vと放電電流IとのA/D変換値を利用し、そのデータの相関性を確認するための相関係数rを算出してその値が−0.9≧r≧−1.0の許容範囲内にあるか否かを確認し、許容範囲内にない場合は、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適していないと判断し、許容範囲内にある場合は、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適していると判断する。
【0076】
そして、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適したものでない場合は(ステップS11dでN)、後述するステップS11kに進み、適したものである場合は(ステップS11dでY)、ステップS11dに至るまでの間にステップS11aにおいて対にして取得した、電流センサ15の検出したバッテリ13の放電電流Iと電圧センサ17の検出したバッテリ13の端子電圧VとのA/D変換値の対に、最小二乗法を適用して、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを割り出す(ステップS11e)。
【0077】
次に、放電状態における推定電圧Vnがバッテリ13の容量に対して直線的な特性を示すようになる仮想電流値Is=−10A(アンペア)を、ステップS11eで割り出した電圧−電流特性式V=aI+bに代入して、推定電圧Vnを推定した後(ステップS11f)、この推定電圧Vnに基づいてバッテリ13の充電状態SOCを求めて、NVM25に格納、記憶されているバッテリ13の充電状態SOCの値を更新する(ステップS11g)。
【0078】
ステップS11fで求めた推定電圧Vnに基づいたバッテリ13の充電状態SOCの算出は、推定電圧Vnを、電圧比による算出式、
SOC={(Vn−Ve)/(Vs−Ve)}×100(%)
又は、電力比による算出式、
(但し、Vsは満充電時の開回路電圧、Veは放電終止時の開回路電圧)
のいずれかの式に代入することで求める。
【0079】
ステップS11gにおいてバッテリ13の充電状態SOCを求めたならば、次に、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適したものであるか否かをステップS11eにおいて判断するために、ステップS11dに至るまでの間にステップS11aにおいて取得された、複数の放電電流IのA/D変換値の合計に、その複数の放電電流IのA/D変換値をI/F21により取得する間に経過した時間(A/D変換値の数×サンプリング周期)を乗じて、放電電流Iの電流積算値Ahを割り出し(ステップS11h)、この割り出した電流積算値Ahと、ステップS11gにおける更新前後の充電状態SOCの差値ΔSOCとの相関の割り出し処理を行う(ステップS11j)。
【0080】
このステップS11jにおける相関の割り出し処理では、ステップS11hにおいて割り出した電流積算値Ahと、ステップS11gにおいて更新する前と更新した後の充電状態SOCの差値ΔSOCとの対〔(Xn ,Yn )=(ΔSOCn ,Ahn )〕を、NVM27に格納、記憶し、このNVM27に格納、記憶されているn組(n≧2)以上の充電状態SOCの差値ΔSOCと電流積算値Ahとの対から、充電状態SOCの1%減少当たりの電流積算値Ahの変化量を、差値ΔSOCと電流積算値Ahとの相関係数として求めて、NVM27に格納、記憶されている差値ΔSOCと電流積算値Ahとの相関係数の値を、ここで求めた最新値に更新することが、行われる。
【0081】
このようにしてこのステップS11jにおける相関の割り出し処理が済んだならば、後述するステップS11pに進む。
【0082】
これに対して、ステップS11dにおいて、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適したものでないと判定された場合(N)に進むステップS11kでは、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適したものであるか否かをステップS11eにおいて判断するために、ステップS11dに至るまでの間にステップS11aにおいて取得された、複数の放電電流IのA/D変換値の合計に、その複数の放電電流IのA/D変換値をI/F21により取得する間に経過した時間(A/D変換値の数×サンプリング周期)を乗じて、放電電流Iの電流積算値Ahを割り出す。
【0083】
そして、ステップS11dにおいて割り出した電流積算値Ahに、NVM27に格納、記憶されている差値ΔSOCと電流積算値Ahとの相関係数の値を乗じて、ステップS11dにおいて割り出した電流積算値Ahが、充電状態SOCを何%減らすのに見合う値であるかを割り出し(ステップS11m)、この割り出した電流積算値Ahからの%換算値を、NVM25に格納、記憶されているバッテリ13の充電状態SOCの値から減じて、その減じた後の充電状態SOCの値(%)に、NVM25に格納、記憶されているバッテリ13の充電状態SOCの値を更新した後(ステップS11n)、ステップS11pに進む。
【0084】
ステップS11jにおける相関の割り出し処理が済んだ後と、ステップS11nにおけるNVM25の充電状態SOCの格納値の更新が済んだ後とに各々進むステップS11pでは、充電状態表示部29における充電状態SOCの百分率表示を、ステップS11gやステップS11nにおいて更新した後のNVM25に格納、記憶されているバッテリ13の充電状態SOCの値に更新し、この表示更新が済んだならば、放電時充電状態演算処理を終了して図3のメインルーチンにリターンする。
【0085】
ステップS1の初期設定が済んだならば、次に、図3に示すように、バッテリ13からの給電が断たれたか否かを確認し(ステップS13)、断たれていない場合は(ステップS13でN)、ステップS3にリターンし、断たれた場合は(ステップS13でY)、終了処理を行った後(ステップS15)、一連の処理を終了する。
【0086】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態のバッテリ充電状態演算装置1では、図4のフローチャートにおけるステップS11h及びステップS11mが、請求項中の積算電流値算出手段23Aに対応する処理となっており、図4中のステップS11jが、請求項中の差値算出手段23B及び相関割出手段23Cに対応する処理となっていると共に、図4中のステップS11mが、請求項中の換算手段23D及び単位変化量算出手段23Eに対応する処理となっている。
【0087】
次に、上述のように構成された本実施形態のバッテリ充電状態演算装置1の動作(作用)について説明する。
【0088】
まず、本実施形態のバッテリ充電状態演算装置1では、バッテリ13が充放電を行っていない時間が連続して、最大分極発生状態からの分極解消に必要な所定時間Thを超えると、前回にバッテリ13が充放電を行った際に発生した分極による電圧変動(電圧上昇又は電圧降下)が完全に解消して平衡状態となっているものとして、NVM25に格納、記憶されているバッテリ13の開回路電圧OCVが、この時点で検出されたバッテリ13の端子電圧Vに更新される。
【0089】
このため、バッテリ13の充電状態変化によって開回路電圧OCVが変動しても、バッテリ13が平衡状態となる毎に、NVM25に格納、記憶される開回路電圧OCVを最新の値に更新して、バッテリ13の充電状態SOCの演算精度が高く維持される。
【0090】
次に、モータジェネレータ5以外の電装品(負荷)が作動しておらず、或は、作動しているもののその消費電力がジェネレータとして機能するモータジェネレータ5による発電電力量に満たず、バッテリ13が充電されている間は、その間に検出されたバッテリ13の端子電圧V、或は、端子電圧V及び放電電流Iから、バッテリ13の推定電圧Vn又は開回路電圧OCVが求められ、さらにこれに基づいてバッテリ13の充電状態SOCが求められて、表示部29の表示内容が、求められた充電状態SOCに更新される。
【0091】
一方、ハイブリッド車両のモータジェネレータ5以外の電装品(負荷)が作動したり、モータジェネレータ5がモータとして機能するように作動していて、それに伴いバッテリ13が放電を行っている状態では、電流センサ15及び電圧センサ17により検出されたバッテリ13の放電電流I及び端子電圧Vが、対となって周期的に収集される。
【0092】
そして、収集された複数対の放電電流I及び端子電圧Vが、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適した、一定の相関関係を満たすものであった場合には、これらに最小二乗法を適用して、バッテリ13の直線的な電圧−電流特性式V=aI+bが割り出され、放電状態における推定電圧Vnがバッテリ13の容量に対して直線的な特性を示すようになる仮想電流値Is=−10A(アンペア)を、この電圧−電流特性式V=aI+bに代入することで、推定電圧Vnが推定される。
【0093】
さらに、推定された推定電圧Vnを、電圧比又は電力比のいずれかの算出式に代入することで、バッテリ13の充電状態SOCが演算されて、充電状態表示部29の表示内容が、演算された充電状態SOCに更新される。
【0094】
これに対して、バッテリ13の放電中に収集された複数対の放電電流I及び端子電圧Vが、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適した、一定の相関関係を満たすものではない場合には、これらのうち複数の放電電流Iに収集時間間隔(電流センサ15の出力のA/D変換値のI/F21によるサンプリング周期)を乗じた積算電流値Ahが割り出される。
【0095】
そして、この積算電流値Ahが、推定電圧Vnから充電状態SOCが求められた際に併せて求められた、充電状態SOCの1%減少当たりの電流積算値Ahの変化量の最新値を、割り出された積算電流値Ahに乗じることで、電流積算値Ahが充電状態SOCの減少量(%)に換算され、換算された減少量(%)分だけ、充電状態表示部29の充電状態SOCの表示値が減少される。
【0096】
このように本実施形態のバッテリ充電状態演算装置1によれば、バッテリ13が放電を行っている状態で周期的に収集された、電流センサ15及び電圧センサ17によるバッテリ13の複数対の放電電流I及び端子電圧Vが、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適した、一定の相関関係を満たすものであった場合に、これらから割り出された電圧−電流特性式V=aI+bを用いて、バッテリ13の放電状態における推定上の端子電圧Vである推定電圧Vnを求め、この推定電圧Vnからバッテリ13の充電状態SOCを演算するのに当たり、バッテリ13の放電中に収集された複数対の放電電流I及び端子電圧Vが、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適した、一定の相関関係を満たすものではない場合に、収集された複数の放電電流Iから求めた積算電流値Ahを、推定電圧Vnを直前に求めた際に併せて求めた相関係数によって、積算電流値Ahから充電状態SOCの減少量(%)に換算する構成とした。
【0097】
このため、バッテリ13の放電電流I及び端子電圧Vの相関を示す電圧−電流特性式V=aI+bから推定電圧Vnを求めて、バッテリ13の充電状態SOCを演算することが、バッテリ13の放電中に周期的に収集された複数対の放電電流I及び端子電圧Vからでは行えない場合に、周辺の温度や負荷に対する放電電流の大小等によるバッテリの放電可能容量の変化の影響を受ける積算電流値Ahから、それらの影響を排除した正確なバッテリ13の充電状態SOCを演算することができる。
【0098】
しかも、積算電流値Ahから充電状態SOCの減少量(%)に換算するのに用いられる相関係数が、充電状態SOCの1%減少当たりの電流積算値Ahの変化量であることから、充電状態SOCを百分率表示する充電状態表示部29の表示単位に合わせて、バッテリ13の積算電流値Ahを充電状態SOCの減少量(%)に換算することができ、充電状態表示部29の表示更新処理を容易に行うことができる分だけ、他の内容の相関係数を用いる場合に比べて有利である。
【0099】
ちなみに、本実施形態では、バッテリ13の放電時に求めた複数対の放電電流I及び端子電圧Vが、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適した、一定の相関関係を満たすものではない場合に、収集された複数の放電電流Iから求めた積算電流値Ahを充電状態SOCの変化量に換算するために用いる、推定電圧Vnを直前に求めた際に併せて求めた相関係数を、バッテリ13の充電状態SOCの1%(増減)当たりの電流積算値Ahの変化量としたが、推定電圧Vnを直前に求めた際にその推定電圧Vnから割り出したバッテリ13の今回の充電状態SOCの値と前回の値との差値ΔSOCと、推定電圧Vnを直前に求めた際に併せて求めた電流積算値Ahとの相関を示すものであれば、バッテリ13の充電状態SOCの1%(増減)当たりの電流積算値Ahの変化量以外のものを相関係数としてもよい。
【0100】
また、本実施形態では、推定電圧Vnを直前に求めた際に併せて求めた電流積算値Ahに対する相関を求める相手を、その推定電圧Vnから割り出したバッテリ13の今回の充電状態SOCの値と前回の値との差値ΔSOCとしたが、この充電状態SOCを求める際の基となる推定電圧Vnの今回の値と前回の値との差値ΔVnを、推定電圧Vnを直前に求めた際に併せて求めた電流積算値Ahに対する相関を求める相手としてもよい。
【0101】
そして、そのようにする場合には、バッテリ13の充電状態SOCの最新値に代えて推定電圧Vnの最新値をNVM25に格納、記憶させ、バッテリ13の放電時に求めた複数対の放電電流I及び端子電圧Vが、直線的な電圧−電流特性式V=aI+bを求めるのに適した、一定の相関関係を満たすものではない場合に、収集された複数の放電電流Iから求めた積算電流値Ahを、相関係数により推定電圧Vnの変化量に換算し、この推定電圧Vnの変化量を、NVM25に格納、記憶された推定電圧Vnの最新値から減じて、現在の推定電圧Vnの値を求め、この推定電圧Vnの値を、段落0077において説明した電圧比又は電力比による算出式に代入して、充電状態SOCを求めるように、ROM23cに格納された制御プログラムの内容と、それに従いCPU23aが行う処理の内容とを、変更することになる。
【0102】
ちなみに、本実施形態では、バッテリ13のSOCを充電状態として検出する場合について説明したが、充電可能容量値や放電可能容量値等を、バッテリ13の充電状態として検出するようにしてもよい。
【0103】
そこで、推定電圧Vnを直前に求めた際に併せて求めた電流積算値Ahに対する相関を求める相手は、バッテリ13の充電状態として検出するのを何にするのかに応じて、バッテリ13の今回の充電状態SOCの値と前回の値との差値ΔSOCと、推定電圧Vnの今回の値と前回の値との差値ΔVnとのうち都合のよいものを選択すればよく、必要に応じて電流積算値Ahに対する両方の相関を求めるものとしてもよい。
【0104】
また、本実施形態では、放電時におけるバッテリ13の電圧−電流特性を、1次の電圧−電流特性式V=aI+bに近似させているが、分極抵抗成分の非直線形の特性の影響も考慮して、1次の電圧−電流特性式V=aI+bに代えて、図5に示すように、放電時におけるバッテリ13の放電電流I及び端子電圧Vの対から最小二乗法によって得られる、V=aI2 +bI+cなる2次の曲線式に近似させるようにしてもよい。
【0105】
そして、そのようにした場合は、この近似曲線式V=aI2 +bI+cに仮想電流値Is=−10A(アンペア)を代入することで推定した推定電圧Vnを基に、バッテリ13の充電状態SOCを演算することになる。
【0106】
このように、バッテリ13の電圧−電流特性を2次の近似曲線式とすれば、放電による分極に起因してバッテリ13に生じる端子電圧Vの電圧降下量の増減のペースに対する、放電電流Iの増減のペースの鈍さが、1次の電圧−電流特性式V=aI+bよりも一層正確に反映されて、この近似曲線式V=aI2 +bI+cを用いて推定される推定電圧Vnの精度や、この推定電圧Vnを用いて演算されるバッテリ13の充電状態SOCの精度を、より高めることができるので、有利である。
【0107】
尚、発明の実施の形態の冒頭でも述べたように、本実施形態では車両に搭載されたバッテリの充電状態を演算するバッテリ充電状態演算装置1を例に取って説明したが、本発明は車両に搭載されたバッテリに限らず、負荷に電力を供給するバッテリ一般についてその充電状態を演算する際に広く適用可能であることは、言うまでもない。
【0108】
【発明の効果】
以上に説明したように請求項1に記載した本発明のバッテリ充電状態演算方法によれば、バッテリの放電時に周期的に測定した端子電圧と放電電流とが、これらの相関を示す電圧−電流特性を求めるのに適した値である場合に、この電圧−電流特性を用いて前記バッテリの放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧を推定し、この推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算するバッテリ充電状態演算方法において、前記推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算する毎に、該バッテリの前記推定電圧及び前記充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、前回の放電時における値及び今回の放電時における値の差値と、今回の放電時における前記バッテリの前記周期的に測定した放電電流に該放電電流の測定周期を乗じた積算電流値との相関を求め、前記周期的に測定した前記バッテリの端子電圧と放電電流とが、前記電圧−電流特性を求めるのに適した値でない場合に、前記バッテリの積算電流値を求め、該求めた積算電流値を、直近に求めた前記差値と前記積算電流値との相関を用いて、前記バッテリの前記推定電圧及び前記現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、今回の放電時における変化量に換算し、該換算した変化量を用いて、前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算するようにした。
【0109】
また、請求項3に記載した本発明のバッテリ充電状態演算装置によれば、バッテリの放電時に周期的に測定した端子電圧と放電電流とが、これらの相関を示す電圧−電流特性を求めるのに適した値である場合に、この電圧−電流特性を用いて前記バッテリの放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧を推定し、この推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算するバッテリ充電状態演算装置において、前記バッテリの放電時に周期的に測定した前記放電電流に該放電電流の測定周期を乗じた積算電流値を求める積算電流値算出手段と、前記推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算する毎に、該バッテリの前記推定電圧及び前記現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、前回の放電時における値及び今回の放電時における値の差値を求める差値算出手段と、前記推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算する毎に、今回の放電時について前記積算電流値算出手段が求めた前記積算電流値と、今回の放電時について前記差値算出手段が求めた前記差値との相関を求める相関割出手段と、前記積算電流値算出手段が求めた前記積算電流値を、前記相関割出手段が直近に求めた前記積算電流値と前記差値との相関を用いて、前記バッテリの前記推定電圧及び前記現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、今回の放電時における変化量に換算する換算手段とを備えており、前記周期的に測定した前記バッテリの端子電圧と放電電流とが、前記電圧−電流特性を求めるのに適した値でない場合に、前記換算手段が換算した変化量を用いて、前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算する構成とした。
【0110】
このため、請求項1に記載した本発明のバッテリ充電状態演算方法と、請求項3に記載した本発明のバッテリ充電状態演算装置のいずれによっても、バッテリの電圧−電流特性を求めるのに適していない端子電圧と放電電流とがバッテリの放電時に周期的に測定された場合に、今回の放電時におけるバッテリの積算電流値を、バッテリの推定電圧及び充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、前回の放電時における値及び今回の放電時における値の差値と、バッテリの積算電流値との最新の相関を用いて、周辺の温度や負荷に対する放電電流の大小等によるバッテリの放電可能容量の変化の影響を排除した、今回の放電時における、バッテリの推定電圧及び現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の変化量に換算して、バッテリの現在の充電状態を正確に演算することができる。
【0111】
さらに、請求項2に記載した本発明のバッテリ充電状態演算方法によれば、請求項1に記載した本発明のバッテリ充電状態演算方法において、直近に求めた前記差値と前記積算電流値との相関、及び、前記バッテリの満充電電圧と放電終始電圧とを用いて、前記今回の放電時における前記バッテリの積算電流値の単位電気量当たりの変化量を求め、該バッテリの積算電流値の単位電気量当たりの変化量と、前記換算した変化量とを用いて、前記バッテリの満充電状態に対する現在の充電の度合いを示す値を、該バッテリの現在の充電状態を示す値として演算するようにした。
【0112】
また、請求項4に記載した本発明のバッテリ充電状態演算装置によれば、請求項3に記載した本発明のバッテリ充電状態演算装置において、前記相関割出手段が直近に求めた前記積算電流値と前記差値との相関、及び、前記バッテリの満充電電圧と放電終始電圧とを用いて、前記今回の放電時における前記バッテリの積算電流値の単位電気量当たりの変化量を求める単位変化量算出手段をさらに備えており、該単位変化量算出手段が求めた前記バッテリの積算電流値の単位電気量当たりの変化量と、前記換算手段が換算した変化量とを用いて、前記バッテリの満充電状態に対する現在の充電の度合いを示す値を、該バッテリの現在の充電状態を示す値として演算する構成とした。
【0113】
このため、請求項2に記載した本発明のバッテリ充電状態演算方法によれば、請求項1に記載した本発明のバッテリ充電状態演算方法において、また、請求項4に記載した本発明のバッテリ充電状態演算装置によれば、請求項3に記載した本発明のバッテリ充電状態演算装置において、いずれも、バッテリの現在の充電状態を、バッテリの満充電状態に対する現在の充電の度合いによって示す場合に、今回の放電時におけるバッテリの積算電流値がバッテリの電気量の何単位分の変化量に当たるかに換算して、積算電流値を用いたバッテリの満充電状態に対する現在の充電の度合いの演算を、容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバッテリ充電状態演算装置の基本構成図である。
【図2】本発明のバッテリ充電状態演算方法を適用した本発明の一実施形態に係るバッテリ充電状態演算装置の概略構成を一部ブロックにて示す説明図である。
【図3】図2のマイクロコンピュータのROMに格納された制御プログラムに従いCPUが行う処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図4】図4の放電時充電状態演算処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図5】バッテリの放電中にサンプリングした所定数の端子電圧及び放電電流の組に最小二乗法を適用して得られる、2次近似式で表したバッテリの電圧−電流特性の一例を示すグラフである。
【図6】バッテリの放電状態における端子電圧と放電時間との相関を示すグラフである。
【図7】バッテリの放電中にサンプリングした所定数の端子電圧及び放電電流の組と、これらに最小二乗法を適用して得られる直線的な電圧−電流特性式との関係を模式的に示すグラフである。
【図8】図7に示す電圧−電流特性から推定した推定電圧により得られる複数の放電特性を示すグラフである。
【図9】図7に示す電圧−電流特性から推定した推定電圧により得られる複数の仮想上の放電特性を示すグラフである。
【図10】各容量に応じたバッテリの電圧−電流特性を同一平面上に展開したグラフである。
【図11】図9のグラフにおいて直線的特性を示す仮想上の放電電流値におけるバッテリの容量と図7に示す電圧−電流特性から推定した推定電圧との関係を示すグラフである。
【図12】バッテリの放電中に発生する電圧降下の内容を示すグラフである。
【符号の説明】
13 バッテリ
23 マイクロコンピュータ
23a CPU
23b RAM
23c ROM
23A 積算電流値算出手段
23B 差値算出手段
23C 相関割出手段
23D 換算手段
23E 単位変化量算出手段
Claims (4)
- バッテリの放電時に周期的に測定した端子電圧と放電電流とが、これらの相関を示す電圧−電流特性を求めるのに適した値である場合に、この電圧−電流特性を用いて前記バッテリの放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧を推定し、この推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算するバッテリ充電状態演算方法において、
前記推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算する毎に、該バッテリの前記推定電圧及び前記充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、前回の放電時における値及び今回の放電時における値の差値と、今回の放電時における前記バッテリの前記周期的に測定した放電電流に該放電電流の測定周期を乗じた積算電流値との相関を求め、
前記周期的に測定した前記バッテリの端子電圧と放電電流とが、前記電圧−電流特性を求めるのに適した値でない場合に、前記バッテリの積算電流値を求め、該求めた積算電流値を、直近に求めた前記差値と前記積算電流値との相関を用いて、前記バッテリの前記推定電圧及び前記現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、今回の放電時における変化量に換算し、該換算した変化量を用いて、前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算するようにした、
ことを特徴とするバッテリ充電状態演算方法。 - 直近に求めた前記差値と前記積算電流値との相関、及び、前記バッテリの満充電電圧と放電終始電圧とを用いて、前記今回の放電時における前記バッテリの積算電流値の単位電気量当たりの変化量を求め、該バッテリの積算電流値の単位電気量当たりの変化量と、前記換算した変化量とを用いて、前記バッテリの満充電状態に対する現在の充電の度合いを示す値を、該バッテリの現在の充電状態を示す値として演算するようにした請求項1記載のバッテリ充電状態演算方法。
- バッテリの放電時に周期的に測定した端子電圧と放電電流とが、これらの相関を示す電圧−電流特性を求めるのに適した値である場合に、この電圧−電流特性を用いて前記バッテリの放電状態における推定上の端子電圧である推定電圧を推定し、この推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算するバッテリ充電状態演算装置において、
前記バッテリの放電時に周期的に測定した前記放電電流に、該放電電流の測定周期を乗じた積算電流値を求める積算電流値算出手段と、
前記推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算する毎に、該バッテリの前記推定電圧及び前記現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、前回の放電時における値及び今回の放電時における値の差値を求める差値算出手段と、
前記推定電圧を用いて前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算する毎に、今回の放電時について前記積算電流値算出手段が求めた前記積算電流値と、今回の放電時について前記差値算出手段が求めた前記差値との相関を求める相関割出手段と、
前記積算電流値算出手段が求めた前記積算電流値を、前記相関割出手段が直近に求めた前記積算電流値と前記差値との相関を用いて、前記バッテリの前記推定電圧及び前記現在の充電状態を示す値のうち少なくとも一方の、今回の放電時における変化量に換算する換算手段とを備えており、
前記周期的に測定した前記バッテリの端子電圧と放電電流とが、前記電圧−電流特性を求めるのに適した値でない場合に、前記換算手段が換算した変化量を用いて、前記バッテリの現在の充電状態を示す値を演算する、
ことを特徴とするバッテリ充電状態演算装置。 - 前記相関割出手段が直近に求めた前記積算電流値と前記差値との相関、及び、前記バッテリの満充電電圧と放電終始電圧とを用いて、前記今回の放電時における前記バッテリの積算電流値の単位電気量当たりの変化量を求める単位変化量算出手段をさらに備えており、該単位変化量算出手段が求めた前記バッテリの積算電流値の単位電気量当たりの変化量と、前記換算手段が換算した変化量とを用いて、前記バッテリの満充電状態に対する現在の充電の度合いを示す値を、該バッテリの現在の充電状態を示す値として演算する請求項3記載のバッテリ充電状態演算装置。
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