JP2003207507A - スクリーニング方法 - Google Patents

スクリーニング方法

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JP2003207507A
JP2003207507A JP2002313275A JP2002313275A JP2003207507A JP 2003207507 A JP2003207507 A JP 2003207507A JP 2002313275 A JP2002313275 A JP 2002313275A JP 2002313275 A JP2002313275 A JP 2002313275A JP 2003207507 A JP2003207507 A JP 2003207507A
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Japan
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group
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necrosis
cox
apoptosis
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JP2002313275A
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English (en)
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Toru Mizushima
徹 水島
Kenichi Naruo
憲一 成尾
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】消化管粘膜障害副作用のないCOX阻害作用を有
する化合物のスクリーニング方法の提供。 【解決手段】COX阻害作用を有する化合物の存在下、
消化管粘膜細胞を培養しネクローシスおよび/またはア
ポトーシス誘導活性を検出することを特徴とする、COX
阻害作用を有し、ネクローシスおよび/またはアポトー
シス誘導作用の弱い化合物のスクリーニング方法、CO
X阻害作用を有する化合物およびネクローシス誘導剤ま
たはアポトーシス誘導剤の存在下、消化管粘膜細胞を培
養しネクローシスまたはアポトーシス誘導活性を検出す
ることを特徴とする、COX阻害作用を有し、かつネクロ
ーシスおよび/またはアポトーシス誘導阻害作用を有す
る化合物のスクリーニング方法および上記または
のスクリーニング方法で得られる化合物またはその塩な
ど。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロオキシゲナ
ーゼ(COX)阻害作用を有し、消化管粘膜、特に胃粘膜細
胞におけるネクローシスおよび/またはアポトーシス誘
導作用の弱い化合物(消化管障害の少ない非ステロイド
性抗炎症化合物)またはその塩のスクリーニング方法、
COX阻害作用を有し、かつ消化管粘膜、特に胃粘膜細胞
のネクローシスおよび/またはアポトーシス誘導阻害作
用を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法等
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在において、最も主要な胃潰瘍、胃炎
の原因として、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)の使用
が挙げられる。しかしながらその一方で、高齢化社会の
進展に伴い、NSAIDsを必要とする患者は今後も増え続け
ることが予想される。従ってNSAIDsによる胃粘膜障害の
分子機構を解明し、胃粘膜障害副作用のないNSAIDsを開
発することは大変重要であると考えられる。これまでNS
AIDsによる胃粘膜障害は、NSAIDsがCOXを阻害し胃粘膜
防御因子であるプロスタグランジンを減少させることが
原因であるとされてきた。また炎症にはCOX-2が主に発
現し、胃粘膜ではCOX-1が主に発現していることからCOX
-2選択的NSAIDsが胃粘膜障害のないNSAIDsになると考え
られ、最近COX-2選択的NSAIDsが相次いで発売された。
確かに選択性のないNSAIDsに比べ、COX-2選択的NSAIDs
の胃粘膜障害は少なく、このアイデア(いわゆるCOXセ
オリー)は部分的には正しいと考えられる。しかし、
(1)生体内で、COXを阻害する濃度と胃粘膜障害を起こす
濃度には乖離がある、(2)COX-2選択的NSAIDsでも胃粘膜
障害が見られる、(3)COX-2選択性と胃粘膜障害の間に
は、完全な相関性が見られない、等から、COX阻害に加
えて、それ以外のNSAIDsによる胃粘膜障害の分子機構が
存在すると考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、消化管粘膜
障害副作用のないCOX阻害剤の開発を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、NSAIDsに
よる胃粘膜障害における、COX阻害による間接作用と、
ネクローシス・アポトーシス誘導による直接作用の位置
づけを調べるために種々検討した結果、(1)NSAIDsによ
るネクローシス・アポトーシスは、プロスタグランジン
を添加しても影響を受けないこと(ネクローシス、アポ
トーシスの原因が、COX阻害でないこと、即ち直接作用
と間接作用は独立したものであることを示している)、
(2)COX-2選択的NSAIDsでも、in vitroにおいてネクロー
シス、アポトーシスは起こり、その濃度は選択性のない
NSAIDsと大差がないこと、(3)選択性のないNSAIDsで
も、in vivoでの胃粘膜障害の程度には大きな差が見ら
れるが、その胃粘膜障害(in vivo)とin vitroでのNSA
IDsのネクローシス・アポトーシス誘導能との間には相
関性があること、以上の点から、NSAIDsによる胃粘膜障
害は、COX-1阻害によるプロスタグランジン低下を原因
とする間接作用と、ネクローシス、アポトーシス誘導に
よる直接作用(胃粘膜細胞直接障害)の両者が関与して
いることを見出し、これらの知見に基づいてさらに研究
を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、 〔1〕COX阻害作用を有する化合物の存在下、消化管粘
膜細胞を培養しネクローシスおよび/またはアポトーシ
ス誘導活性を検出することを特徴とする、COX阻害作用
を有し、ネクローシスおよび/またはアポトーシス誘導
作用の弱い化合物のスクリーニング方法(本発明のスク
リーニング方法(A)); 〔2〕COX阻害作用を有する化合物の存在下、消化管粘
膜細胞を培養しネクローシスおよび/またはアポトーシ
ス誘導活性を検出することを特徴とする、消化管障害の
少ない非ステロイド性抗炎症化合物のスクリーニング方
法; 〔3〕消化管粘膜細胞が胃粘膜細胞である前記〔1〕ま
たは〔2〕記載のスクリーニング方法; 〔4〕COX阻害作用がCOX-2選択的阻害作用である前記
〔1〕または〔2〕記載のスクリーニング方法; 〔5〕前記〔1〕ないし〔4〕記載のスクリーニング方
法で得られる、COX阻害作用を有し、ネクローシスおよ
び/またはアポトーシス誘導作用の弱い化合物またはそ
の塩; 〔6〕前記〔5〕記載の化合物またはその塩を含有して
なるCOX阻害剤; 〔7〕疼痛または炎症性疾患の予防・治療剤である前記
〔6〕記載の剤; 〔8〕COX阻害作用を有する化合物およびネクローシス
誘導剤またはアポトーシス誘導剤の存在下、消化管粘膜
細胞を培養しネクローシスまたはアポトーシス誘導活性
を検出することを特徴とする、COX阻害作用を有し、か
つネクローシスおよび/またはアポトーシス誘導阻害作
用を有する化合物のスクリーニング方法(本発明のスク
リーニング方法(B));
〔9〕消化管粘膜細胞が胃粘膜細胞である前記〔8〕記
載のスクリーニング方法; 〔10〕COX阻害作用がCOX-2選択的阻害作用である前記
〔8〕記載のスクリーニング方法; 〔11〕前記〔8〕ないし〔10〕記載のスクリーニン
グ方法で得られる、COX阻害作用を有し、かつネクロー
シスおよび/またはアポトーシス誘導阻害作用を有する
化合物またはその塩; 〔12〕前記〔11〕記載の化合物またはその塩を含有
してなる医薬組成物; 〔13〕ネクローシスおよび/またはアポトーシス誘導
阻害剤である前記〔12〕記載の医薬組成物; 〔14〕疼痛または炎症性疾患の予防・治療剤である前
記〔12〕記載の医薬組成物; 〔15〕COX阻害作用を有する化合物の存在下、胃粘膜
細胞を0.5〜2時間培養しネクローシス誘導活性を検出す
ることを特徴とする、COX阻害作用を有し、ネクローシ
ス誘導作用の弱い化合物のスクリーニング方法; 〔16〕COX阻害作用を有する化合物の存在下、胃粘膜
細胞を8〜48時間培養しアポトーシス誘導活性を検出す
ることを特徴とする、COX阻害作用を有し、アポトーシ
ス誘導作用の弱い化合物のスクリーニング方法; 〔17〕COX阻害作用を有する化合物の存在下、胃粘膜
細胞を培養しネクローシス誘導活性を検出することを特
徴とする、COX阻害作用を示すIC50値が約100μM以下で
あり、かつネクローシス誘導作用を示すED50値が約100
μM以上である化合物のスクリーニング方法; 〔18〕COX阻害作用を有する化合物の存在下、胃粘膜
細胞を培養しアポトーシス誘導活性を検出することを特
徴とする、COX阻害作用を示すIC50値が約100μM以下で
あり、かつアポトーシス誘導作用を示すED50値が約100
μM以上である化合物のスクリーニング方法等を提供す
るものである。
【0005】本発明における「COX阻害作用を有する化
合物」としては、COX阻害作用を有する限りいかなる化
合物をも用いることができる。化合物としては、合成化
合物、発酵生産物、遺伝子産物(ペプチドまたはタンパ
ク質)等何れであってもよい。COXとしては、COX-1、CO
X-2が挙げられる。「COX阻害作用を有する」とは、通常
COX作用に関する50%阻害濃度(IC50)(COX作用を50%抑
制するために必要な濃度)が約100μM以下である化合物
をいう。具体的には、「COX阻害作用を有する化合物」
としては、例えば、ジクロフェナック、インドメタシ
ン、アスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ピ
ロキシカム等のクラシカルNSAIDs、セレコキシブ、ロフ
ェコキシブ、MK-663、バルデコキシブ、SC-57666、JTE-
522、S-2474、SC-57666等のCOX-2選択的阻害薬、ML-300
0、p54 (COX inhibitor & 5-lipoxygenase inhibito
r)等のデュアルインヒビター、一酸化窒素遊離型NSAID
s、およびWO01/72749号公報記載の式(I)
【化1】 [式中、R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭化
水素基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を
有していてもよい硫黄原子またはエステル化もしくはア
ミド化されていてもよいカルボキシル基、R2は無置換、
水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基、
R3は置換基を有していてもよい複素環基、X、YおよびZ
は、各々、水素、ハロゲン、ニトリル、置換基を有して
いてもよい炭化水素基、エステル化もしくはアミド化さ
れていてもよいカルボキシル基、置換基を有していても
よいアシル基、-NR4R5、酸素原子、-OR4、硫黄原子また
は-SR4(R4およびR5は、各々、水素原子、置換基を有し
ていてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複
素環基または両方が一緒になってそれらが結合する窒素
原子と共に環状アミノ基もしくは複素環基を形成しても
よい)あるいはXとYとが一緒になってA環を、またはYと
Zとが一緒になってB環を形成してもよい、実線と破線と
で示す結合部分は単結合または二重結合のいずれか、破
線で示す結合部分は単結合または無置換のいずれか、A
環は置換基を有していてもよい5ないし7員の同素または
複素環、B環は置換基を有していてもよい5ないし7員の
同素または複素環、nは0または1の整数を示す]で表わ
される化合物またはその塩(以下、化合物(I)と略記す
ることがある)等が挙げられる。
【0006】化合物(I)のなかでも、式(Ia):
【化2】 [式中、R1aは水素原子、置換基を有していてもよい炭
化水素基またはエステル化もしくはアミド化されていて
もよいカルボキシル基、R2aは無置換、水素原子または
置換基を有していてもよい炭化水素基、R3aは置換基を
有していてもよい複素環基、Xaは水素、ハロゲン、ニト
リル、置換基を有していてもよい炭化水素基、エステル
化もしくはアミド化されていてもよいカルボキシル基、
置換基を有していてもよいアシル基、-NR4aR5a、酸素原
子、-OR4a、硫黄原子または-SR4a(R4aおよびR5aは、各
々、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基ま
たは両方が一緒になってそれらが結合する窒素原子と共
に環状アミノ基もしくは複素環基を形成してもよい)、
実線と破線とで示す結合部分は単結合または二重結合の
いずれか、破線で示す結合部分は単結合または無置換の
いずれか、Ba環は置換基を有していてもよい5ないし7員
の同素または複素環、mは0または1の整数を示す]で表
わされる化合物またはその塩(以下、化合物(Ia)と略記
することがある)等が好ましく、とりわけ式(Ia’):
【化3】 [式中、R1aは水素原子、置換基を有していてもよい炭
化水素基またはエステル化もしくはアミド化されていて
もよいカルボキシル基、R2aは無置換、水素原子または
置換基を有していてもよい炭化水素基、R3abは置換基を
有していてもよい、ヘテロ原子として2個以下の窒素原
子を含む不飽和複素環基またはヘテロ原子として1個の
窒素原子と1個の硫黄原子とを含む不飽和単環式複素環
基、Xaは水素、ハロゲン、ニトリル、置換基を有してい
てもよい炭化水素基、エステル化もしくはアミド化され
ていてもよいカルボキシル基、置換基を有していてもよ
いアシル基、-NR4aR5a、酸素原子、-OR4a、硫黄原子ま
たは-SR4a(R4aおよびR5aは、各々、水素原子、置換基
を有していてもよい炭化水素基または両方が一緒になっ
てそれらが結合する窒素原子と共に環状アミノ基もしく
は複素環基を形成してもよい)、実線と破線とで示す結
合部分は単結合または二重結合のいずれか、破線で示す
結合部分は単結合または無置換のいずれか、Ba環は置換
基を有していてもよい5ないし7員の同素または複素環、
mは0または1の整数を示す]で表わされる化合物または
その塩(以下、化合物(Ia’)と略記することがある)等
が好ましい。
【0007】以下、化合物(I)について詳述する。本明
細書中で用いられる用語「置換基を有していてもよい炭
化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、脂肪族
炭化水素基、単環式飽和炭化水素基および芳香族炭化水
素基等があげられ、炭素数1ないし16個のものが好まし
い。具体的には、例えば、アルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基等が用い
られる。「アルキル基」は、例えば、低級アルキル基等
が好ましく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブ
チル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6アルキル基等が汎用
される。「アルケニル基」は、例えば、低級アルケニル
基等が好ましく、例えば、ビニル、1-プロペニル、アリ
ル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル等のC2-6
アルケニル基等が汎用される。「アルキニル基」は、例
えば、低級アルキニル基等が好ましく、例えば、エチニ
ル、プロパルギル、1-プロピニル等のC2-6アルキニル基
等が汎用される。「シクロアルキル基」は、例えば、低
級シクロアルキル基等が好ましく、例えば、シクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル
等のC3-6シクロアルキル基等が汎用される。「アリール
基」は、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、
ビフェニリル、2-インデニル、2-アンスリル等のC6-14
アリール基等が好ましく、例えば、フェニル基等が汎用
される。
【0008】「置換基を有していてもよい炭化水素基」
の「炭化水素基」が有していてもよい置換基としては、
例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、ハ
ロゲン化されていてもよい低級アルキル基(例えば、メ
チル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメ
チル、トリフルオロメチル、エチル、2-ブロモエチル、
2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プ
ロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、4,4,4
-トリフルオロブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオ
ペンチル、5,5,5-トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,
6,6-トリフルオロヘキシル等のハロゲン化されていても
よいC1-6アルキル基等)、低級アルコキシ基(例えば、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シ
クロプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、シクロブト
キシ、ペンチルオキシ、シクロペンチルオキシ、ヘキシ
ルオキシ、シクロヘキシルオキシ等のC1-6アルコキシ基
等)、アミノ基、モノ-低級アルキルアミノ基(例え
ば、メチルアミノ、エチルアミノ等のモノ-C1-6アルキ
ルアミノ基等)、ジ-低級アルキルアミノ基(例えば、
ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等のジ-C1-6アルキル
アミノ基等)、カルボキシル基、低級アルキルカルボニ
ル基(例えば、アセチル、プロピオニル等のC1-6アルキ
ルカルボニル基等)、低級アルコキシカルボニル基(例
えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロ
ポキシカルボニル、ブトキシカルボニル等のC1-6アルコ
キシカルボニル基等)、カルバモイル基、モノ-低級ア
ルキルカルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、
エチルカルバモイル等のモノ-C1-6アルキルカルバモイ
ル基等)、ジ-低級アルキルカルバモイル基(例えば、
ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル等のジ-C
1-6アルキルカルバモイル基等)、アリールカルバモイ
ル基(例えば、フェニルカルバモイル、ナフチルカルバ
モイル等のC6-10アリールカルバモイル基等)、アリー
ル基(例えば、フェニル、ナフチル等のC6-10アリール
基等)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、
ナフチルオキシ等のC6-10アリールオキシ基等)、ハロ
ゲン化されていてもよい低級アルキルカルボニルアミノ
基(例えば、アセチルアミノ、トリフルオロアセチルア
ミノ等のハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル-カ
ルボニルアミノ基等)等が用いられる。該「置換基を有
していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」は、前記
の置換基を、炭化水素基の置換可能な位置に1ないし5
個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数
が2個以上の場合は、各置換基は同一または異なってい
てもよい。
【0009】本明細書中で用いる用語「置換基を有して
いてもよい複素環基」の「複素環基」としては、例え
ば、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子
から選ばれた1種または2種1ないし4個(好ましくは1な
いし3個)のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは
5ないし10員)の(単環式ないし3環式、好ましくは単環
式または2環式)複素環基等があげられる。例えば、2-
または3-チエニル、3-フリル、1-、2-または3-ピロリ
ル、1-、2-または3-ピロリジニル、2-、4-または5-オキ
サゾリル、3-、4-または5-イソオキサゾリル、2-、4-ま
たは5-チアゾリル、3-、4-または5-イソチアゾリル、3
-、4-または5-ピラゾリル、2-、3-または4-ピラゾリジ
ニル、2-、4-または5-イミダゾリル、1,2,3-トリアゾリ
ル、1,2,4-トリアゾリル、1H-または2H-テトラゾリル等
の炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子か
ら選ばれたヘテロ原子を1ないし4個含む5員環基、例え
ば、2-、3-または4-ピリジニル、N-オキシド-2-、3-ま
たは4-ピリジニル、2-、4-または5-ピリミジニル、N-オ
キシド-2-、4-または5-ピリミジニル、チオモルホリニ
ル、モルホリニル、ピペリジノ、2-、3-または4-ピペリ
ジル、チオピラニル、1,4-オキサジニル、1,4-チアジニ
ル、1,3-チアジニル、ピペラジニル、トリアジニル、3-
または4-ピリダジニル、ピラジニル、N-オキシド-3-ま
たは4-ピリダジニル等の炭素原子以外に酸素原子、硫黄
原子および窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし4
個含む6員環基、例えば、インドリル、ベンゾフリル、
ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、キノリニ
ル、イソキノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キ
ノキサリニル、インドリジニル、キノリジニル、1,8-ナ
フチリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アク
リジニル、フェナントリジニル、クロマニル、フェノチ
アジニル、フェノキサジニル等の炭素原子以外に酸素原
子、硫黄原子および窒素原子から選ばれたヘテロ原子を
1ないし4個含む2環性または3環性縮合環基(好ましく
は、前記の5または6員環が炭素原子以外に酸素原子、硫
黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ない
し4個含んでいてもよい5または6員環基1または2個と縮
合して形成される基)等が用いられる。中でも、炭素原
子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれ
るヘテロ原子を1ないし3個含む5ないし7員(好ましくは
5または6員)の複素環基が好ましい。
【0010】該「置換基を有していてもよい複素環基」
の「複素環基」が有していてもよい置換基としては、例
えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素等)、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブ
チル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6アル
キル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等
のC3-6シクロアルキル基等)、低級アルキニル基(例え
ば、エチニル、1-プロピニル、プロパルギル等のC2-6
ルキニル基等)、低級アルケニル基(例えば、ビニル、
アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル等の
C2-6アルケニル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジ
ル、α-メチルベンジル、フェネチル等のC7-11アラルキ
ル基等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等
のC6-10アリール基等、好ましくはフェニル基)、低級
アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブ
トキシ、tert-ブトキシ等のC1-6アルコキシ基等)、ア
リールオキシ基(例えば、フェノキシ等のC6-10アリー
ルオキシ基等)、低級アルカノイル基(例えば、ホルミ
ル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル
等のC1-6アルカノイル基等)、アリールカルボニル(例
えば、ベンゾイル基、ナフトイル基等のC6-10アリール
カルボニル基等)、低級アルカノイルオキシ基(例え
ば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオ
キシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ等のC1-6
ルカノイルオキシ基等)、アリールカルボニルオキシ基
(例えば、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等のC6
-10アリールカルボニルオキシ基等)、カルボキシル
基、低級アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニ
ル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、
イソブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等
のC1-6アルコキシ-カルボニル基等)、アラルキルオキ
シカルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニル等の
C7-11アラルキルオキシカルボニル基等)、カルバモイ
ル基、モノ-、ジ-またはトリ-ハロゲノ-低級アルキル基
(例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、トリフルオ
ロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル等のモノ-、ジ-ま
たはトリ-ハロゲノ-C1-4アルキル基等)、オキソ基、ア
ミジノ基、イミノ基、アミノ基、モノ-低級アルキルア
ミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピ
ルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ等のモノ
-C1-4アルキルアミノ基等)、ジ-低級アルキルアミノ基
(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピ
ルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ等の
ジ-C1-4アルキルアミノ基等)、炭素原子と1個の窒素原
子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれ
たヘテロ原子を1ないし3個含んでいてもよい3ないし6員
の環状アミノ基(例えば、アジリジニル、アゼチジニ
ル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、イミダゾリ
ル、ピラゾリル、イミダゾリジニル、ピペリジル、モル
ホリニル、ジヒドロピリジニル、ピリジニル、N-メチル
ピペラジニル、N-エチルピペラジニル等の3ないし6員の
環状アミノ基等)、アルキレンジオキシ基(例えば、メ
チレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC1-3アルキレン
ジオキシ基等)、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ
基、メルカプト基、スルホ基、スルフィノ基、ホスホノ
基、スルファモイル基、モノアルキルスルファモイル基
(例えば、N-メチルスルファモイル、N-エチルスルファ
モイル、N-プロピルスルファモイル、N-イソプロピルス
ルファモイル、N-ブチルスルファモイル等のモノ-C1-6
アルキルスルファモイル基等)、ジアルキルスルファモ
イル基(例えば、N,N -ジメチルスルファモイル、N,N-
ジエチルスルファモイル、N,N-ジプロピルスルファモイ
ル、N,N-ジブチルスルファモイル等のジ-C1-6アルキル
スルファモイル基等)、アルキルチオ基(例えば、メチ
ルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチ
オ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等
のC1-6アルキルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、
フェニルチオ、ナフチルチオ等のC6-10アリールチオ基
等)、低級アルキルスルフィニル基(例えば、メチルス
ルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニ
ル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル等
のC1-6アルキルスルフィニル基等)、アリールスルフィ
ニル基(例えば、フェニルスルフィニル、ナフチルスル
フィニル等のC6-10アリールスルフィニル基等)、低級
アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エ
チルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルス
ルホニル、ブチルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニ
ル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルス
ルホニル、ナフチルスルホニル等のC6-10アリールスル
ホニル基等)等が用いられる。該「置換基を有していて
もよい複素環基」の「複素環基」は、前記の置換基を、
複素環基の置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1
ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合
は、各置換基は同一または異なっていてもよい。
【0011】本明細書中で用いる用語「置換基を有して
いてもよいアミノ基」は、置換基として、例えば、前記
「置換基を有していてもよい炭化水素基」等を1または2
個有していてもよいアミノ基等があげられる。この「ア
ミノ基」が有していてもよい置換基の好ましいものとし
ては、例えば、置換基を有していてもよいC1-6アルキル
基、置換基を有していてもよいC6-10アリール基等であ
る。該「C1-6アルキル基」、「C6-10アリール基」が有
していてもよい置換基としては、前記「炭化水素基」が
有していてもよい置換基と同様のものが用いられる。本
明細書中で用いる用語「置換基を有していてもよい低級
アルキル基」の「低級アルキル基」は、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec-ブチル、tert-ブチルなどのC1-6アルキル基
等を示し、置換基として、例えば、前記「炭化水素基」
が有していてもよい置換基等を1ないし3個有していても
よい。本明細書中で用いる用語「置換基を有していても
よい低級アルコキシ基」の「低級アルコキシ基」は、例
えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシおよびtert
-ブトキシ等のC1-6アルコキシ基等を示し、置換基とし
て、例えば、前記「炭化水素基」が有していてもよい置
換基等を1ないし3個有していてもよい。本明細書中で用
いる用語「置換基を有していてもよいベンゼン環」とし
ては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素等)、置換基を有していてもよい炭化水素
基、置換基を有していてもよいアミノ基、アミド基(例
えば、アセトアミド等のC1-6アシルアミノ基、好ましく
はC1-6アルカノイルアミノ基等)、置換基を有していて
もよい低級アルコキシ基、低級アルキレンジオキシ基
(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等のC
1-6アルキレンジオキシ基等)、および前記の「置換基
を有していてもよい複素環基」の「複素環基」が有して
いてもよい置換基と同様な基等から選ばれる同一または
異なった1ないし3個(好ましくは1または2個)の置換基
を置換可能な位置に有していてもよいベンゼン環を示
す。これらの「置換基を有していてもよい炭化水素
基」、「置換基を有していてもよいアミノ基」および
「置換基を有していてもよい低級アルコキシ基」として
は、例えば、前記で詳細に説明したものと同様のものが
用いられる。これらの「炭化水素基」、「アミノ基」お
よび「低級アルコキシ基」が有する置換基の数が2個以
上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
該「置換基を有していてもよいベンゼン環」は、例え
ば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素等)、C1-6
ルキル基(例えば、メチル、エチル等)、およびモノ-C
1-6アルキルアミノ基から選ばれた1ないし3個の置換基
で置換されていてもよいベンゼン環等が好ましい。本明
細書中で用いる用語「置換基を有していてもよい硫黄原
子」は、-SR4で表される基を示す。ここで、R4は水素原
子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基
を有していてもよい複素環基を示す。
【0012】本明細書中で用いる用語「エステル化され
ていてもよいカルボキシル基」は-COOR6で表わされる基
を示す。ここに、R6は水素原子または置換基を有してい
てもよい炭化水素基を示す。また、本明細書中で用いる
用語「アミド化されていてもよいカルボキシル基」は-C
ONR7R8で表わされる基を示す。ここで、R7およびR8は、
各々、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基
または両方が一緒になって、それらが結合する窒素原子
と共に環状アミノ基もしくは複素環基を形成してもよ
い。本明細書中で用いる用語「置換基を有していてもよ
いアシル基」は-COR9、-SOR9および-SO2R9で表わされる
基を示す。ここでR9は、前記した「置換基を有していて
もよい炭化水素基」、「置換基を有していてもよい複素
環基」を示す。本明細書中で、-NR4R5において、「R4
R5の両方が一緒になってそれらが結合する窒素原子と共
に形成する環状アミノ基」および-CONR7R8において、
「R7とR8の両方が一緒になってそれらが結合する窒素原
子と共に形成する環状アミノ基」としては、例えば、炭
素原子と1個の窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子およ
び窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし3個含んで
いてもよい3ないし6員の環状アミノ基(例えば、アジリ
ジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピ
ロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリジニ
ル、ピペリジル、モルホリニル、ジヒドロピリジニル、
ピリジニル、N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジ
ニル等の3ないし6員の環状アミノ基等)等を示す。好ま
しくは、R3の複素環基は含窒素芳香複素環基、特に、6
員の含窒素芳香複素環基、例えば、ピリジン環である。
その置換基としては、前記の「置換基を有していてもよ
い複素環基」についての置換基でよく、また、R3とし
て、その含窒素複素環基とベンゼン環とが縮合してキノ
リン環を形成してもよい。また、Xは水素原子、酸素原
子、-OR4(ここで、R4は水素原子または置換基を有して
いてもよい炭化水素基)または置換基を有していてもよ
い炭化水素基が好ましい。Yは水素原子、置換基を有し
ていてもよい炭化水素基、-COR9または-COOR6が好まし
く、-COR9または-COOR6がより好ましい。Zは水素原子、
酸素原子、-OR4または置換基を有していてもよい炭化水
素基(ここで、R4は水素原子または置換基を有していて
もよい炭化水素基)が好ましい。A環またはB環で表され
る「置換基を有していてもよい5ないし7員の同素または
複素環」の同素環としては、例えば、シクロペンタン、
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロペンテン、シ
クロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエ
ン、ベンゼン、シクロヘプテン、シクロヘプタンジエン
等が挙げられ、なかでもベンゼン、シクロペンタン、シ
クロヘキサン、シクロヘプタンが好ましく、とりわけベ
ンゼンが好ましい。A環またはB環で表される「置換基を
有していてもよい5ないし7員の同素または複素環」の複
素環としては、例えば、フラン、チオフェン、ピロー
ル、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イ
ソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジア
ゾール、フラザン、チアジアゾール、トリアゾール、ピ
リジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジ
ン等の芳香族複素環、アゼチジン、オキセタン、ピロリ
ジン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、モルホリン、
チオモルホリン、ピペラジン等の非芳香族複素環、ある
いは芳香族複素環の一部または全部の二重結合が飽和し
た非芳香族複素環等が挙げられる。A環またはB環で表さ
れる「置換基を有していてもよい5ないし7員の同素また
は複素環」の置換基としては、前記の「置換基を有して
いてもよい複素環基」の置換基と同様の数、同様のもの
が挙げられる。nは0が好ましい。
【0013】好ましくは、R3aの複素環基はヘテロ原子
として2個以下の窒素原子を含む不飽和複素環基または
ヘテロ原子として1個の窒素原子と1個の硫黄原子とを含
む不飽和単環式複素環基、さらに好ましくは含窒素芳香
複素環基、特に、6員の含窒素芳香複素環基、例えば、
ピリジン環である。その置換基としては、前記の「置換
基を有していてもよい複素環基」についての置換基でよ
く、また、R3aとして、その含窒素複素環基とベンゼン
環とが縮合してキノリン環を形成してもよい。R3 abのヘ
テロ原子として2個以下の窒素原子を含む不飽和複素環
基またはヘテロ原子として1個の窒素原子と1個の硫黄原
子とを含む不飽和単環式複素環基として、好ましくは含
窒素芳香複素環基、特に、6員の含窒素芳香複素環基、
例えば、ピリジン環が挙げられる。その置換基として
は、前記の「置換基を有していてもよい複素環基」につ
いての置換基でよく、また、R3abとして、その含窒素複
素環基とベンゼン環とが縮合してキノリン環を形成して
もよい。また、Xaは酸素原子または-OR4a(R4aは水素原
子または置換基を有していてもよい炭化水素基)が好ま
しく、B環およびBa環としては置換基を有していてもよ
いベンゼン環が好ましく、特に、R3aまたはR3abが置換
基を有していてもよい含窒素芳香複素環基でBa環が置換
基を有していてもよいベンゼン環の化合物(Ia)または(I
a’)が好ましい。mは0が好ましい。
【0014】化合物(I)、(Ia)または(Ia’)の好ましい
実施態様を以下に示す。 ・R2が無置換または水素原子で、XとYとが一緒になって
A環を形成していてもよい化合物(I) ・R3が置換基を有していてもよい、ヘテロ原子として1
個の窒素原子のみを含む不飽和複素環基で、nが0である
化合物(I) ・YおよびZがB環を形成し、B環が置換基を有していても
よい5ないし7員の同素または複素環である化合物(I) ・R1およびR2の炭化水素基が、各々、脂肪族炭化水素
基、単環式飽和炭化水素基または芳香族炭化水素基であ
る化合物(I) ・R1およびR2の炭化水素基が、各々、炭素数1ないし16
の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロ
アルキル基またはアリール基である化合物(I) ・A環またはB環の同素または複素環基が、単環式飽和炭
化水素、ベンゼン環、ピリジン環またはチオフェン環で
ある化合物(I) ・Xが水素原子、酸素原子、-OR4(R4は前記と同意義を
示す。)または置換基を有していてもよい炭化水素基で
ある化合物(I) ・Yが-COR9または-COOR6(R6およびR9は前記と同意義を
示す。)である化合物(I) ・Zが水素原子、酸素原子、-OR4(R4は前記と同意義を
示す。)または置換されていてもよい炭化水素基である
化合物(I) ・R1aおよびR2aの炭化水素基が、各々、脂肪族炭化水素
基、単環式飽和炭化水素基または芳香族炭化水素基であ
る化合物(Ia) ・R1aおよびR2aの炭化水素基が、各々、炭素数1ないし1
6の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シク
ロアルキル基またはアリール基である化合物(Ia) ・Ba環の同素または複素環基が、単環式飽和炭化水素、
ベンゼン環、ピリジン環またはチオフェン環である化合
物(Ia) ・Xaが水素原子、酸素原子、-OR4a(R4aは前記と同意義
を示す。)または置換基を有していてもよい炭化水素基
である化合物(Ia) ・R1aおよびR2aが、各々、炭素数1ないし16の、アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基
またはアリール基である化合物(Ia’) ・R3abが(1)ハロゲン原子、(2)低級アルキル基、(3)シ
クロアルキル基、(4)低級アルキニル基、(5)低級アルケ
ニル基、(6)アラルキル基、(7)アリール基、(8)低級ア
ルコキシ基、(9)アリールオキシ基、(10)低級アルカノ
イル基、(11)アリールカルボニル、(12)低級アルカノイ
ルオキシ基、(13)アリールカルボニルオキシ基、(14)カ
ルボキシル基、(15)低級アルコキシカルボニル基、(16)
アラルキルオキシカルボニル基、(17)カルバモイル基、
(18)モノ-、ジ-またはトリ-ハロゲノ-低級アルキル基、
(19)アミジノ基、(20)アミノ基、(21)モノ-低級アルキ
ルアミノ基、(22)ジ-低級アルキルアミノ基、(23)炭素
原子と1個の窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子および
窒素原子から選ばれたヘテロ原子を1ないし3個含んでい
てもよい3ないし6員の環状アミノ基、(24)アルキレンジ
オキシ基、(25)ヒドロキシル基、(26)ニトロ基、(27)シ
アノ基、(28)メルカプト基、(29)スルホ基、(30)スルフ
ィノ基、(31)ホスホノ基、(32)スルファモイル基、(33)
モノアルキルスルファモイル基、(34)ジアルキルスルフ
ァモイル基、(35)アルキルチオ基、(36)アリールチオ
基、(37)低級アルキルスルフィニル基、(38)アリールス
ルフィニル基、(39)低級アルキルスルホニル基または(4
0)アリールスルホニル基で置換されていてもよいピリジ
ニルである化合物(Ia’) ・Xaが酸素原子または-OR4a(R4aは水素原子または(1)
ハロゲン原子、(2)ニトロ基、(3)シアノ基、(4)ヒドロ
キシル基、(5)ハロゲン化されていてもよい低級アルキ
ル基、(6)低級アルコキシ基、(7)アミノ基、(8)モノ-低
級アルキルアミノ基、(9)ジ-低級アルキルアミノ基、(1
0)カルボキシル基、(11)低級アルキル-カルボニル基、
(12)低級アルコキシ-カルボニル基、(13)カルバモイル
基、(14)モノ-低級アルキルカルバモイル基、(15)ジ-低
級アルキルカルバモイル基、(16)アリールカルバモイル
基、(17)アリール基、(18)アリールオキシ基または(19)
ハロゲン化されていてもよい低級アルキルカルボニルア
ミノ基で置換されていてもよい炭化水素基)である化合
物(Ia’) ・R3abが含窒素芳香複素環基で、Ba環が(1)ハロゲン原
子、(2)置換基を有していてもよい炭化水素基、(3)置換
基を有していてもよいアミノ基、(4)置換基を有してい
てもよい低級アルコキシ基、(5)低級アルキレンジオキ
シ基、(6)アリールオキシ基、(7)低級アルカノイル基、
(8)アリールカルボニル基、(9)低級アルカノイルオキシ
基、(10)アリールカルボニルオキシ基、(11)カルボキシ
ル基、(12)低級アルコキシカルボニル基、(13)アラルキ
ルオキシカルボニル基、(14)カルバモイル基、(15)モノ
-、ジ-またはトリ-ハロゲノ-低級アルキル基、(16)アミ
ジノ基、(17)アミノ基、(18)モノ-低級アルキルアミノ
基、(19)ジ-低級アルキルアミノ基、(20)炭素原子と1個
の窒素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子か
ら選ばれたヘテロ原子を1ないし3個含んでいてもよい3
ないし6員の環状アミノ基、(21)アルキレンジオキシ
基、(22)ヒドロキシル基、(23)ニトロ基、(24)シアノ
基、(25)メルカプト基、(26)スルホ基、(27)スルフィノ
基、(28)ホスホノ基、(29)スルファモイル基、(30)モノ
アルキルスルファモイル基、(31)ジアルキルスルファモ
イル基、(32)アルキルスルファニル基、(33)アリールス
ルファニル基、(34)低級アルキルスルフィニル基、(35)
アリールスルフィニル基、(36)低級アルキルスルホニル
基または(37)アリールスルホニル基で置換されていても
よいベンゼン環である化合物(Ia’) 特に好ましい化合物(Ia)または(Ia’)としては、例え
ば、6,7-ジフルオロ-3-メチル-1-(2-ピリニジル)-1,9-
ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-b]キノリン-4-オン、3-メチ
ル-1-(2-ピリジニル)-6-トリフルオロメチル-1,9-ジヒ
ドロ-4H-ピラゾロ[3,4-b]キノリン-4-オン、6-フルオロ
-3-メチル-1-(2-ピリジニル)-1,9-ジヒドロ-4H-ピラゾ
ロ[3,4-b]キノリン-4-オン、7-フルオロ-3-メチル-1-(2
-ピリジニル)-1,9-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-b]キノリ
ン-4-オン、3-エチル-6,7-ジフルオロ-1-(2-ピリジニ
ル)-1,9-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-b]キノリン-4-オ
ン、6,7-ジフルオロ-3-メチル-1-(3-ピリジニル)-1,9-
ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-b]キノリン-4-オン、6,7-ジ
フルオロ-3-メチル-1-(6-メチル-2-ピリジニル)-1,9-ジ
ヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-b]キノリン-4-オン、6,7-ジフ
ルオロ-3-メチル-1-(6-フェニル-2-ピリジニル)-1,9-ジ
ヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-b]キノリン-4-オン、5-フルオ
ロ-3-メチル-1-(2-ピリジニル)-1,9-ジヒドロ-4H-ピラ
ゾロ[3,4-b]キノリン-4-オンおよび1-(2-ピリジニル)-
1,9-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-b]キノリン-4-オン等が
挙げられる。
【0015】化合物(I)、(Ia)および(Ia’)の塩として
は、例えば、薬理学的に許容される塩等が用いられる。
例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との
塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等
が挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例
えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、
カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属
塩、ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩等が挙げ
られる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコ
リン、2,6-ルチジン、エタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミ
ン、ジシクロヘキシルアミン、N,N-ジベンジルエチレン
ジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な
例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、
リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例
としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フ
タル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、ク
エン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等との塩が挙げ
られる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例
えば、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げ
られ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例え
ば、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられ
る。とりわけ、薬学的に許容可能な塩が好ましく、その
例としては、化合物(I)、(Ia)および(Ia’)内に塩基性
官能基を有する場合には、例えば、塩酸、臭化水素酸、
硝酸、硫酸、リン酸等無機酸との塩、例えば、酢酸、フ
タル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コ
ハク酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等の
有機酸との塩が挙げられ、酸性官能基を有する場合に
は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金
属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類
金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
【0016】化合物(I)、(Ia)および(Ia’)は、例えばW
O01/72749号公報に記載の方法に従って製造することが
できる。
【0017】本発明で用いられる「COX阻害作用を有す
る化合物」としては、上記の例示に限られるものではな
く、例えば、以下のスクリーニングにおいてCOX阻害作
用を有すると認められる化合物も用いることができる。 (COX阻害作用のスクリーニング)COX-1またはCOX-2を
含有するミクロソーム画分、補因子(1 M Tris-HCl (pH
8.0)、50 mM EDTA、1.0 % Tween 20、50 mM ルミノー
ル、100 mM hematin)を混合後、試験化合物を添加し、3
7℃で25分間静置する。アラキドン酸(20 mM)を添加する
ことにより反応を開始させ、アラキドン酸添加直後から
10秒間の化学発光量をルミスター(Lumistar (BMG Labte
chnologies GmbH))を用いて計測する。対照化合物とし
てflurbiprofen (4 mM)を添加時の酵素活性を0 %、対照
化合物および試験化合物を無添加時の酵素活性を100%
とし、酵素活性に関する50%阻害濃度(IC50)(酵素活性
を50%抑制するために必要な濃度)が約100 μM 以下で
ある化合物を「COX阻害作用を有する化合物」とする。
【0018】また、COX阻害作用は、COX-2選択的阻害作
用であるものがより好ましい。
【0019】本発明のスクリーニング方法(A)は、消化
管粘膜細胞、特に胃粘膜細胞培養系を用いて、COX阻害
作用を有する化合物の中からネクローシスおよび/また
はアポトーシス誘導作用の弱い化合物を選択する方法で
ある。ネクローシスおよび/またはアポトーシス誘導作
用の弱い化合物とは、例えば、ネクローシスおよび/ま
たはアポトーシス誘導に関する50%有効濃度(ED50)(50
%の細胞にネクローシスおよび/またはアポトーシスを
誘導するために必要な濃度)が約100μM以上である化合
物をいう。以下に本発明のスクリーニング方法(A)につ
いて詳述する。
【0020】胃粘膜細胞の調整法 モルモット(雄四週齢)から取り出した胃を切開し、洗
浄後、胃粘膜細胞を剥離する。細胞は、アクチナーゼ、
コレゲナーゼ処理後、コラーゲンコートしたシャーレ
で、0.3%牛血清存在下で12時間培養する。浮遊細胞を
除去した後、以下のアポトーシス、ネクローシスのアッ
セイに用いる。
【0021】1.COX阻害作用を有し、ネクローシス誘
導作用の弱い化合物のスクリーニング方法 膜の透過性変化を指標に、種々のNSAIDsが胃粘膜細胞に
おいてネクローシスを誘導する条件を検討し、1時間NSA
IDs処理で見られる細胞死がネクローシスであることが
見出されている(Am. J. Physiol. Gastrointest. Live
r Physiol. 281, G1092-G1100, 2001)。検査対象のNSA
IDsの0.5〜2時間(好ましくは1時間)処理における細胞
死を、トリパンブルー染色法(Dig. Dis. Sci. 45, 167
4-1679, 2000)、及びMTT法(Biol. Pharm. Bull. 24,
887-891, 2001)で調べることにより、ネクローシスを
検出することができる。この検出方法で、試験化合物の
ネクローシス誘導に関する50%有効濃度(ED50)(50%の
細胞にネクローシスを誘導するために必要な濃度)を算
出することができる。試験化合物のネクローシス誘導作
用を示すED50値と、COX阻害作用を示すIC50値とを比較
し、(ネクローシス誘導作用を示すED50値)を(COX阻
害作用を示すIC50値)で除した値が大きければ大きいほ
ど「COX阻害作用を有し、ネクローシス誘導作用の弱い
化合物」である。該「COX阻害作用を有し、ネクローシ
ス誘導作用の弱い化合物」として好ましくは、COX阻害
作用を示すIC50値が約100μM以下かつネクローシス誘導
作用を示すED50値が約100μM以上である化合物であり、
より好ましくは、COX阻害作用を示すIC50値が約20μM以
下で、かつネクローシス誘導作用を示すED50値が約100
μM以上である化合物である。
【0022】2.COX阻害作用を有し、アポトーシス誘
導作用の弱い化合物のスクリーニング方法 DNAの断片化、クロマチンの凝集、caspaseの活性化を指
標に、種々のNSAIDsが胃粘膜細胞においてアポトーシス
を誘導する条件を検討し、16時間NSAIDs処理で見られる
細胞死がアポトーシスであることが見出されている(A
m. J. Physiol.Gastrointest. Liver Physiol. 281, G1
092-G1100, 2001)。検査対象のNSAIDsの8〜48時間(好
ましくは12〜24時間、より好ましくは16時間)処理にお
ける細胞死を、トリパンブルー染色法(Dig. Dis. Sci.
45, 1674-1679, 2000)、及びMTT法(Biol. Pharm. Bu
ll. 24, 887-891, 2001)で調べることにより、アポト
ーシスを検出することができる。この検出方法で、試験
化合物のアポトーシス誘導に関する50%有効濃度(ED50)
(50%の細胞にアポトーシスを誘導するために必要な濃
度)を算出することができる。試験化合物のアポトーシ
ス誘導作用を示すED50値と、COX阻害作用を示すIC50
とを比較し、(アポトーシス誘導作用を示すED50値)を
(COX阻害作用を示すIC50値)で除した値が大きければ
大きいほど「COX阻害作用を有し、アポトーシス誘導作
用の弱い化合物」である。該「COX阻害作用を有し、ア
ポトーシス誘導作用の弱い化合物」として好ましくは、
COX阻害作用を示すIC50値が約100μM以下かつアポトー
シス誘導作用を示すED50値が約100μM以上である化合物
であり、より好ましくは、COX阻害作用を示すIC50値が
約20μM以下で、かつアポトーシス誘導作用を示すED50
値が約100μM以上である化合物である。また、上記のス
クリーニング方法(A)に代えて、ネクローシスおよび/
またはアポトーシス誘導作用の弱い化合物を選択した
後、当該ネクローシスおよび/またはアポトーシス誘導
作用の弱い化合物の存在下にCOX阻害作用を検出するこ
とによっても、「COX阻害作用を有し、ネクローシスお
よび/またはアポトーシス誘導作用の弱い化合物」を選
択することができる。
【0023】また、上記のスクリーニング方法(A)にお
いて、ネクローシスおよび/またはアポトーシス誘導作
用を有する化合物と試験化合物とを共存させることによ
り、ネクローシスおよび/またはアポトーシス誘導阻害
作用を有する化合物をスクリーニングすることができ
る。すなわち、本発明のスクリーニング方法(B)は、ネ
クローシスおよび/またはアポトーシス誘導作用を有す
る化合物の存在下に、消化管粘膜細胞、特に胃粘膜細胞
培養系を用いて、COX阻害作用を有する化合物の中から
ネクローシスおよび/またはアポトーシス誘導阻害作用
を有する化合物を選択する方法である。ネクローシスお
よび/またはアポトーシス誘導阻害作用を示す化合物と
は、通常、ネクローシスおよび/またはアポトーシス誘
導阻害作用に関する50%阻害濃度(IC50)(誘導されたネ
クローシスおよび/またはアポトーシスを50%抑制する
ために必要な濃度)が約100μM以下である化合物をい
う。ここで用いられるネクローシス誘導作用を有する化
合物としては、例えばインドメタシン、アスピリン、ジ
クロフェナック等が挙げられ、なかでもインドメタシン
等が好ましく用いられる。また、アポトーシス誘導作用
を有する化合物としては、インドメタシン、アスピリ
ン、ジクロフェナック等が挙げられ、なかでもインドメ
タシン等が好ましく用いられる。以下にCOX阻害作用お
よびネクローシス誘導阻害作用を有する化合物のスクリ
ーニング方法、COX阻害作用およびアポトーシス誘導阻
害作用を有する化合物のスクリーニング方法について詳
述する。
【0024】3.COX阻害作用およびネクローシス誘導
阻害作用を有する化合物のスクリーニング方法 膜の透過性変化を指標に、種々のNSAIDsが胃粘膜細胞に
おいてネクローシスを誘導する条件を検討し、1時間NSA
IDs処理で見られる細胞死がネクローシスであることが
見出されている(Am. J. Physiol. Gastrointest. Live
r Physiol. 281, G1092-G1100, 2001)。検査対象のNSA
IDsの0.5〜2時間(好ましくは1時間)処理における細胞
死を、トリパンブルー染色法(Dig. Dis. Sci. 45, 167
4-1679, 2000)、及びMTT法(Biol. Pharm. Bull. 24,
887-891, 2001)で調べることにより、ネクローシスを
検出することができる。この0.5〜2時間(好ましくは1
時間)NSAIDs処理胃粘膜細胞においてネクローシスを誘
導する評価系に試験化合物を共存させることにより、試
験化合物のネクローシス誘導阻害作用に関する50%阻害
濃度(IC50)(誘導されたネクローシスを50%抑制するた
めに必要な濃度)を算出することができる。ネクローシ
ス誘導阻害作用を示す化合物としては、好ましくはその
IC50値が約100μM以下である化合物であり、より好まし
くは、そのIC50値が約20μM以下である化合物である。
【0025】4.COX阻害作用およびアポトーシス誘導
阻害作用を有する化合物のスクリーニング方法 DNAの断片化、クロマチンの凝集、caspaseの活性化を指
標に、種々のNSAIDsが胃粘膜細胞においてアポトーシス
を誘導する条件を検討し、16時間NSAIDs処理で見られる
細胞死がアポトーシスであることが見出されている(A
m. J. Physiol.Gastrointest. Liver Physiol. 281, G1
092-G1100, 2001)。検査対象のNSAIDsの8〜48時間(好
ましくは12〜24時間、より好ましくは16時間)処理にお
ける細胞死を、トリパンブルー染色法(Dig. Dis. Sci.
45, 1674-1679, 2000)、及びMTT法(Biol. Pharm. Bu
ll. 24, 887-891, 2001)で調べることにより、アポト
ーシスを検出することができる。この8〜24時間(好ま
しくは12〜24時間、より好ましくは16時間)NSAIDs処理
胃粘膜細胞においてアポトーシスを誘導する評価系に試
験化合物を共存させることにより、試験化合物のアポト
ーシス誘導阻害作用に関する50%阻害濃度(IC50)(誘導
されたアポトーシスを50%抑制するために必要な濃度)
を算出することができる。アポトーシス誘導阻害作用を
示す化合物としては、好ましくはそのIC50値が約100μM
以下である化合物であり、より好ましくは、そのIC50
が約20μM以下である化合物である。また、上記のスク
リーニング方法(B)に代えて、ネクローシスおよび/ま
たはアポトーシス誘導阻害作用を有する化合物を選択し
た後、当該ネクローシスおよび/またはアポトーシス誘
導阻害作用を有する化合物の存在下にCOX阻害作用を検
出することによっても、「COX阻害作用を有し、ネクロ
ーシスおよび/またはアポトーシス誘導阻害作用を有す
る化合物」を選択することができる。
【0026】上記のスクリーニング方法で得られる化合
物は、塩を形成していてもよく、かかる塩としては、例
えば、薬学的に許容可能な塩等が用いられる。例えば、
無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機
酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等があげら
れる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナト
リウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、ならびに
アルミニウム塩、アンモニウム塩等があげられる。有機
塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6-ルチ
ジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキ
シルアミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン等との
塩等があげられる。無機酸との塩の好適な例としては、
例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等との塩があげ
られる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ
酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、シュウ酸、酒石
酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸等との塩
があげられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例として
は、例えばアルギニン、リジン、オルチニン等との塩が
あげられ、酸性アミノ酸との好適な例としては、例えば
アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩があげられる。
【0027】本発明のスクリーニング方法(A)で得られ
る(1)COX阻害作用を有し、ネクローシスおよび/または
アポトーシス誘導作用の弱い化合物、および本発明のス
クリーニング方法(B)で得られる(2)COX阻害作用を有
し、かつネクローシスおよび/またはアポトーシス誘導
阻害作用を有する化合物は、消化管粘膜障害、特に胃粘
膜障害の副作用のない優れたNSAIDsとして有用であり、
ヒトおよび動物(例えば、マウス、ラット、モルモッ
ト、ネコ、イヌ、ヒツジ、ウマ、ウシ、サル等)におい
て安全に用いることができる。本発明のスクリーニング
方法(A)で得られるCOX阻害作用を有し、ネクローシスお
よび/またはアポトーシス誘導作用の弱い化合物、およ
び本発明のスクリーニング方法(B)で得られるCOX阻害作
用を有し、かつネクローシスおよび/またはアポトーシ
ス誘導阻害作用を有する化合物は、例えば、疼痛(例え
ば、癌性疼痛、炎症による急性痛、慢性炎症による痛
み、術後痛(切開創の痛み、深部痛、内臓痛、術後慢性
痛等)、筋肉痛(慢性痛疾患に伴う筋肉痛、肩こり
等)、関節痛、歯痛、顎関節痛、頭痛(偏頭痛、緊張型
頭痛、発熱に伴う頭痛、高血圧に伴う頭痛等)、内臓痛
(心臓痛、狭心痛、腹痛、腎臓の痛み、尿管の痛み、膀
胱の痛み等)、産婦人科領域の痛み(中間痛、月経困
難、陣痛等)、神経痛(椎間板ヘルニア、神経根痛、帯
状疱疹後神経痛、三叉神経痛等)等)、炎症性疾患(疼
痛発熱、網膜症、腎症、神経障害、大血管障害等の糖尿
病性合併症、リウマチ、慢性関節リウマチ、変形性関節
炎、リウマチ様脊髄炎、痛風性関節炎、骨膜炎等の関節
炎、腰痛、痛風、手術・外傷後の炎症、腫脹の緩解、神
経痛、咽頭炎、膀胱炎、慢性肝炎、急性膵炎、慢性膵
炎、クローン病、潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患、髄膜
炎、炎症性眼疾患、肺炎、珪肺、肺サルコイドーシス、
肺結核等の炎症性肺疾患等)、アレルギー性疾患(喘
息、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患等)、中枢神
経障害(脳出血および脳梗塞等の脳血管障害、頭部外
傷、脊椎損傷、脳浮腫、多発性硬化症等)、神経変性疾
患(アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索
硬化症、エイズ脳症等)、全身性エリセマトーデス、乾
癬、膀胱ガン、乳ガン、子宮頚部ガン、慢性リンパ性白
血球、慢性骨髄性白血病、大腸ガン、結腸ガン、直腸ガ
ン、ヘリコバクターピロリ感染症、ホジキン病、インス
リン依存性糖尿病、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、非ホジ
キン性リンパ腫、非小細胞肺ガン、卵巣ガン、消化性潰
瘍、前立腺ガン、不妊症、ベーチュット病、全身性真菌
感染症、急性バクテリア髄膜炎、急性心筋梗塞、急性ウ
イルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、単
純ヘルペスウイルス感染症、水痘−帯状疱疹ウイルス感
染症、AIDS、ヒトパピローマウイルス感染症、インフル
エンザ、侵襲性ブドウ状球菌感染症、敗血症、間質性肝
疾患、時局性回腸炎、循環器系疾患(狭心症、心筋梗
塞、うっ血性心不全、汎発性血管内凝固症候群、動脈硬
化、末梢血管疾患等)等の予防・治療剤として有用であ
る。
【0028】本発明のスクリーニング方法(A)で得られ
る(1)COX阻害作用を有し、ネクローシスおよび/または
アポトーシス誘導作用の弱い化合物、および本発明のス
クリーニング方法(B)で得られる(2)COX阻害作用を有
し、かつネクローシスおよび/またはアポトーシス誘導
阻害作用を有する化合物は、COX阻害活性による各種の
疾患の予防、治療において、自体公知の方法により薬理
学的に許容される担体を混合した医薬組成物として安全
に投与することができる。該投与量は、投与対象、投与
ルート、疾患等によっても異なるが、例えば成人に対
し、経口剤として投与する場合、約0.1ないし20 mg/kg
体重、好ましくは約0.2ないし10 mg/kg体重、さらに好
ましくは約0.5ないし10 mg/kg体重であって、1日1ない
し数回に分けて投与することができる。
【0029】本発明の医薬組成物の製造に用いられても
よい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材とし
て慣用の各種有機あるいは無機担体物質があげられ、例
えば、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊
剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等
張化剤、緩衝剤、無痛化剤等があげられる。また、必要
に応じて、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、
吸着剤、湿潤剤等の添加物を用いることもできる。
【0030】賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D-
マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロ
ース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。滑沢剤として
は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、結晶セルロース、白糖、D-マ
ンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が
挙げられる。崩壊剤としては、例えば、デンプン、カル
ボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキ
シメチルスターチナトリウム、L-ヒドロキシプロピルセ
ルロース等が挙げられる。溶剤としては、例えば、注射
用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴー
ル、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられ
る。溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香
酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレス
テロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、ク
エン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0031】懸濁化剤としては、例えば、ステアリルト
リエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリ
ルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン
等の界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース等の親水性高分子等が挙げられる。等張化剤
としては、例えば、ブドウ糖、 D-ソルビトール、塩化
ナトリウム、グリセリン、D-マンニトール等が挙げられ
る。緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸
塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。無痛化剤と
しては、例えば、ベンジルアルコール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル
類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチ
ルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられ
る。抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビ
ン酸、α-トコフェロール等が挙げられる。
【0032】また、本発明の医薬組成物は、糖尿病治療
剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、利
尿剤、化学療法剤、免疫療法剤などの薬剤(以下、併用
薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。
また、本発明の医薬組成物自体がこれら併用薬剤を含有
することもできる。本明細書においては、特に断りがな
い限り、単に「併用」と表現する場合には、別々の薬剤
で投与する形態および一つの薬剤として合剤にする形態
のいずれであってもよい。別々の薬剤として組み合わせ
て使用する際、本発明の剤および併用薬剤の投与時期は
限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与して
もよいし、時間差をおいて投与してもよい。さらに、併
用薬剤は、2種以上を適宜の割合で組み合わせて用いて
もよい。併用薬剤の投与量は、各薬剤の臨床上用いられ
ている用量を基準として適宜選択することができる。ま
た、本発明の剤と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与
ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選
択することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に参考例、製造例、実験例お
よび実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明するが、
これらは本発明の範囲を限定するものではない。以下の
製造例中の「室温」は、通常、約10℃から約35℃を示
す。%は特記しない限り重量パーセントを示す。シリカ
ゲルは特記しない限りKieselgel 60、0.063〜0.200mm(M
erck)を示し、塩基性シリカゲルと記載されている場合
はChromatorex NH-DM1020、0.100〜0.200mm、(富士シリ
シア化学)を示す。以下の実験例に記載の遺伝子操作法
は、マニアティス(Maniatis)ら、モレキュラー・クロ
ーニング(ColdSpring Harbor Laboratory、1989年)に
記載されている方法もしくは試薬の添付プロトコールに
記載されている方法に従った。その他の本文中で用いら
れている略号は下記の意味を示す。 s : シングレット(singlet) d : ダブレット(doublet) t : トリプレット(triplet) q : クァルテット(quartet) m : マルチプレット(multiplet) br : ブロード(broad) J : カップリング定数(coupling constant) Hz : ヘルツ(Hertz) CDCl3 : 重クロロホルム DMSO-d6 : 重ジメチルスルホキシド NMR : プロトン核磁気共鳴
【0034】
【実施例】製造例1 2-ヒドラジノピリジン ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J. M
ed. Chem.)、28巻、1394頁(1985年)に記載の方法に準
じて製造した。2-クロロピリジン(200 mL、2.1 mol)およ
びヒドラジン一水和物(400 mL、8.2 mol)を20時間加熱還
流した。反応液を室温まで冷却後、過剰の抱水ヒドラジ
ンを減圧下で濃縮留去して、残渣を水に注いだ。水酸化
ナトリウム溶液を加えて塩基性にした後、有機物をクロ
ロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水および水で洗
浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶
媒を留去して、表題化合物(収量157 g、収率68%)を得
た。本品はこれ以上精製することなく次の工程に用い
た。
【0035】製造例2 3-メチル-1-(2-ピリジニル)-1H
-ピラゾール-5-イルアミン アミノクロトノニトリル(82 g、1.0 mol)および2-ヒドラ
ジノピリジン(120 g、1.1 mol)のエタノール(300 mL)氷
冷溶液に、酢酸(132 g、2.2 mol)を加えて3.5時間加熱還
流した。反応液を室温まで冷却後、反応溶媒を減圧下で
濃縮留去し、残渣に水を加えた。さらに水酸化ナトリウ
ム水溶液を加えて塩基性にした後、有機物を酢酸エチル
で抽出した。抽出液を飽和食塩水および水で洗浄した
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留
去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(酢酸エチル)で精製することにより、表題化合
物(収量156.3 g、収率90%)を得た。 融点103-104℃(酢酸エチルから再結晶)。 NMR(CDCl3)δ: 2.25 (3H, s), 5.37 (1H, s), 5.92 (2
H, br s), 7.07 (1H, m),7.76 (1H, m), 7.94 (1H, d,
J = 7.0 Hz), 8.32 (1H, d, J = 6.0 Hz)。
【0036】製造例3 2-クロロ-5-(トリフルオロメチ
ル)安息香酸 テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.)、37
巻、2767頁(1996年)に記載の方法に準じて製造した。
アルゴン雰囲気下、1-クロロ-4-(トリフルオロメチル)
ベンゼン(25.8 g、143 mmol)およびテトラメチルエチレ
ンジアミン(16.6g、143 mmol)のテトラヒドロフラン(250
mL)溶液を-78℃まで冷却し、そこに1.6モルブチルリチ
ウムヘキサン(89.4 mL、143 mmol)溶液を滴下し、同温で
30分間攪拌した。反応液を砕いたドライアイスに注意深
く注ぎ、室温まで昇温した。溶媒を減圧下で濃縮した
後、残渣を水に注いだ。これをジエチルエーテルで洗浄
した後、濃塩酸を加えて酸性にし、有機物をジクロロメ
タンで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を濃縮留去
した。得られた残渣をヘキサンから結晶化して、表題化
合物(収率20.6 g、収率64%)を得た。 NMR(CDCl3)δ:7.65 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.75 (1H, d
d, J = 2.2 Hz, 8.4 Hz), 8.31 (1H, d, J = 2.2 Hz),
hidden(1H)。
【0037】製造例4 2-〔[3-メチル-1-(2-ピリジニ
ル)-1H-ピラゾール-5-イル]アミノ〕-5-(トリフルオロ
メチル)安息香酸 アルゴン雰囲気下、3-メチル-1-(2-ピリジニル)-1H-ピ
ラゾール-5-イルアミン(8.71 g、50.0 mmol)、2-クロロ-
5-(トリフルオロメチル)安息香酸(12.4 g、55.0mmol)、
酢酸銅(II)(1.00 g、5.50 mmol)および炭酸カリウム(7.
60 g、55.0 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(50 mL)
溶液を1.5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却
後、反応混合物を水に注いだ。酢酸溶液で弱酸性にした
後、析出した粗結晶を濾取した。これを水で洗浄後風乾
して、表題化合物(収量17.7 g、収率89%)を得た。 融点228-229℃(酢酸エチルから再結晶)。 NMR(CDCl3)δ:2.37 (3H, s), 6.19 (1H, s), 7.13 (1H,
ddd, J = 1.0 Hz, 4.8Hz, 7.4 Hz), 7.70-7.85 (3H,
m), 7.93 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.39 (1H, d, J= 1.8
Hz), 8.45 (1H, ddd, J = 0.8 Hz, 1.8 Hz, 4.8 Hz), 1
2.46 (1H, br s), hidden (1H)。 元素分析値:C17H13F3N4O2として 計算値:C,56.36; H,3.62; N,15.46。 実測値:C,56.56; H,3.52; N,15.63。
【0038】製造例5 4-クロロ-3-メチル-1-(2-ピリ
ジニル)-6-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]
キノリン 2-〔[3-メチル-1-(2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-イ
ル]アミノ〕-5-(トリフルオロメチル)安息香酸(14.0 g、
38.6 mmol)のオキシ塩化リン(27.4 mL、294 mmol)溶液を
1時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却後、反応溶
媒を減圧下で濃縮留去して、残渣を氷水に注いだ。水酸
化ナトリウム溶液を加えて中和した後、有機物をクロロ
ホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水および水で洗浄
した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒
を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン:クロロホルム=1:1〜クロロホ
ルム)で精製して、表題化合物(収量7.07 g、収率50
%)を得た。 融点206℃(酢酸エチル/メタノールから再結晶)。 NMR(CDCl3)δ:3.01 (3H, s), 7.28 (1H, ddd, J = 1.0
Hz, 4.8 Hz, 7.4 Hz), 7.91-7.99 (2H, m), 8.27 (1H,
d, J = 9.2 Hz), 8.68-8.77 (3H, m)。 元素分析値:C17H10ClF3N4として 計算値:C,56.29; H,2.78; N,15.45; Cl,9.77; F,15.7
1。 実測値:C,56.23; H,3.00; N,15.23; Cl,9.62; F,15.7
0。
【0039】製造例6 3-メチル-1-(2-ピリジニル)-6-
(トリフルオロメチル)-1,9-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-
b]キノリン-4-オン(以下、化合物Aと略記する) 4-クロロ-3-メチル-1-(2-ピリジニル)-6-(トリフルオロ
メチル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]キノリン(6.50 g、17.9 mmo
l)のエタノール(300 mL)溶液に、6規定塩酸(10mL、60 mm
ol)を加えて5時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却
後、析出した結晶を濾取した。これをエタノールで洗浄
後風乾し、得られた結晶をエタノールから再結晶して、
表題化合物(収量4.69 g、収率76%)を得た。 融点250-251℃(エタノールから再結晶)。 NMR(CDCl3)δ:2.74 (3H, s), 7.26 (1H, ddd, J = 1.2
Hz, 5.0 Hz, 7.2 Hz), 7.53 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.8
4 (1H, dd, J = 2.0 Hz, 8.8 Hz), 7.92 (1H, ddd, J =
1.8 Hz, 7.2 Hz, 8.4 Hz), 8.03 (1H, ddd, J = 1.0 H
z, 1.2 Hz, 8.4 Hz), 8.49 (1H, ddd, J = 1.0 Hz, 1.8
Hz, 5.0 Hz), 8.75 (1H, d, J = 2.0 Hz), 11.65 (1H,
br s)。 元素分析値:C17H11F3N4Oとして 計算値:C,59.31; H,3.22; N,16.27; F,16.55。 実測値:C,59.23; H,3.40; N,16.00; F,16.59。
【0040】製造例7 1-(2-ピリジニル)-1,9-ジヒド
ロ-4H-ピラゾロ[3,4-b]キノリン-4-オン(以下、化合物
Bと略記する) メタンスルホン酸(20 mL、0.31 mol)に五酸化二リン(5.0
0 g、35.2 mmol)を加えて100℃に加熱した。同温でこの
反応混合物を良く攪拌しながら、2-〔1-(2-ピリジニル)
-1H-ピラゾール-5-イル〕アミノ〕安息香酸(1.94 g、6.9
2 mmol)の粉末を少量ずつ加えた。反応混合物を同温度
下で10分間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却後、反
応混合物に氷水を加えた。さらに水酸化ナトリウム水溶
液を加えて塩基性にした後、有機物を酢酸エチルで抽出
した。抽出液を飽和食塩水および水で洗浄した後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール =99:1)で精製して、表題
化合物(収量1.35 g、収率 74%)を得た。 融点240-242℃(エタノールから再結晶)。 NMR(DMSO-d6)δ 7.32-7.40 (1H, m), 7.42-7.49 (1H,
m), 7.71-7.80 (1H, m),7.96-8.01 (1H, m), 8.07-8.15
(2H, m), 8.24-8.29 (1H, m), 8.39 (1H, s), 8.64-8.
68 (1H, m), 12.03 (1H, br s)。 元素分析値:C15H10N4Oとして 計算値:C,68.69; H,3.84; N,21.36。 実測値:C,68.68; H,3.89; N,21.36。
【0041】製造例8 4-クロロ-5-フルオロ-3-メチル
-1-(2-ピリジニル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]キノリン アルゴン雰囲気下、3-メチル-1-(2-ピリジニル)-1H-ピ
ラゾール-5-イルアミン(5.23 g、30 mmol)、2-フルオロ-
6-ヨード安息香酸(9.57 g、36 mmol)、酢酸銅(II)(0.654
g、3.6 mmol)および炭酸カリウム(4.98 g、36 mmol)のN,
N-ジメチルホルムアミド(30mL)溶液を1時間加熱還流し
た。反応液を室温まで冷却後、反応混合物を水に注い
だ。酢酸溶液で弱酸性にした後、析出した粗結晶を濾取
し、水で洗浄後風乾した。得られた粗結晶をオキシ塩化
リン(20 mL、0.21 mol)に溶解し、1時間加熱還流した。
反応液を室温まで冷却後、反応溶媒を減圧下で濃縮留去
して、残渣を氷水に注いだ。水酸化ナトリウム溶液を加
えて塩基性にした後、有機物をクロロホルムで抽出し
た。抽出液を飽和食塩水および水で洗浄した後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製して、表題化合物(収量4.78 g、収率51%)を得た。 融点160-161℃(酢酸エチルから再結晶)。 NMR(CDCl3)δ: 3.01 (3H, s), 7.14-7.29 (2H, m), 7.6
3-7.76 (1H, m), 7.88-8.01 (2H, m), 8.65-8.78 (2H,
m)。 元素分析値:C16H10ClFN4として 計算値:C,61.45; H,3.22; N,17.92; Cl,11.34; F,6.0
8。 実測値:C,61.19; H,3.43; N,17.94; Cl,11.23; F,6.0
5。
【0042】製造例9 5-フルオロ-3-メチル-1-(2-ピ
リジニル)-1,9-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[3,4-b]キノリン-
4-オン 塩酸塩(以下、化合物Cと略記する) 4-クロロ-5-フルオロ-3-メチル-1-(2-ピリジニル)-1H-
ピラゾロ[3,4-b]キノリン(4.78 g、15 mmol)のエタノー
ル(60 mL)溶液に、6規定塩酸(6.25 mL、38 mmol)を加え
て2時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却後、反応
溶媒を減圧下で濃縮留去した。残渣に水酸化ナトリウム
水溶液を加えて塩基性にした後、有機物をクロロホルム
で抽出した。抽出液を飽和食塩水および水で洗浄した
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留
去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製した後に塩酸塩に変換して、表題化合物
(収量4.04 g、収率80%)を得た。 融点>380℃ NMR(DMSO-d6)δ: 2.58 (3H, s), 6.42-6.54 (1H, m),
7.09-7.29 (3H, m), 7.84-7.95 (1H, m), 8.44 (1H, d
d, J = 1.2 Hz, 4.8 Hz), 8.95 (1H, d, J = 8.4 Hz),
hidden (1H)。 元素分析値:C16H11FN4O・HClとして 計算値:C,58.10; H,3.66; N,16.94; F,5.74。 実測値:C,58.44; H,3.32; N,16.83; F,5.75。
【0043】参考例1 ヒトCOX-1cDNA組換えバキュロ
ウイルスの調製 PCR法で取得したヒトCOX-1cDNA(FASEB J., 5 (9), 230
4-2312 (1991))を含む1.8 kbのDNA断片をプラスミドpF
ASTBAC1 (CIBCOBRL)に挿入し、プラスミドpFBCOX1を作
製した。プラスミドpFBCOX1とBAC-TO-BAC Baculovirus
Expression System (GIBCOBRL)を用いて組換えバキュロ
ウイルスのウイルスストックBAC-COX1を調製した。
【0044】参考例2 COX-1発現昆虫細胞からのミク
ロソーム画分の調製 Sf-21細胞を1×106 cells/mlとなるように125 ml Sf-
900 II SFM培地(GIBCO-BRL)に播種した後、27℃で24時
間培養した。組換えバキュロウイルスのウイルスストッ
クBAC-COX1を0.75 ml添加した後、さらに72時間培養し
た。培養液から遠心分離(3000 rpm、10分間)により、
細胞を分離した後、PBSで細胞を2回洗浄した。細胞を10
ml Lysis buffer(0.1 M Tris-HCl (pH 7.4)、 5 mM
EDTA)に懸濁した後、ホモジナイザー(POLYTRON)で20
000 rpm、20秒間処理を3回行うことで細胞を破砕した。
遠心分離(2000 rpm、10分間)して得られた上清を遠心
分離(40000 rpm、45分間)して得た沈殿をLysis buffe
r(0.1 M Tris-HCl (pH 7.4)、 5mM EDTA)に再懸濁し
て、-80℃で保存した。
【0045】参考例3 ヒトCOX-2cDNA組換えバキュロ
ウイルスの調製 PCR法で取得したヒトCOX-2cDNA(Proc. Natl. Acad. Sc
i. U. S. A., 89 (16), 7384-7388 (1992))を含む1.8
kbのDNA断片をプラスミドpFASTBAC1 (CIBCOBRL)に挿入
し、プラスミドpFBCOX2を作製した。プラスミドpFBCOX2
とBAC-TO-BAC Baculovirus Expression System (GIBCOB
RL)を用いて組換えバキュロウイルスのウイルスストッ
クBAC-COX2を調製した。
【0046】参考例4 COX-2発現昆虫細胞からのミク
ロソーム画分の調製 Sf-21細胞を1×106 cells/mlとなるように125 ml Sf-
900 II SFM培地(GIBCOBRL)に播種した後、27℃で24時間
培養した。組換えバキュロウイルスのウイルスストック
BAC-COX2を0.75 ml添加した後、さらに72時間培養し
た。培養液から遠心分離(3000 rpm、10分間)により、
細胞を分離した後、PBSで細胞を2回洗浄した。細胞を10
ml Lysis buffer(0.1 M Tris-HCl (pH 7.4)、 5mM E
DTA)に懸濁した後、ホモジナイザー(POLYTRON)で200
00 rpm、20秒間処理を3回行うことで細胞を破砕した。
遠心分離(2000 rpm、10分間)して得られた上清を遠心
分離(40000 rpm、45分間)して得た沈殿をLysis buffe
r(0.1 M Tris-HCl (pH 7.4)、 5mM EDTA)に再懸濁し
て、-80℃で保存した。
【0047】試験例1 COX-1、COX-2阻害活性の測定 10倍濃度の反応バッファー(1M Tris-HCl (pH 8.0), 50
mM EDTA, 1.0 % Tween20, 50 mM ルミノール, 100 μM
hematin)20 μlとミクロソーム画分(COX-1:40 μ
g、COX-2:20 μg)20 μlと 蒸留水55 μlを混合後、D
MFに溶解した供試化合物を5 μl添加し、37℃で 25分間
静置した。アラキドン酸(20 μM)を100 μl添加する
事により反応を開始させ、アラキドン酸添加直後から10
秒間の化学発光量をルミスター(Lumistar(BMG Labtec
hnologies GmbH))を用いて計測した。阻害率はDMF 5
μl添加時の酵素活性を100%、flurbiprofen (4 mM) 5
μl添加時の酵素活性を0%として計算した。酵素活性を5
0%阻害するのに必要な供試化合物の濃度(IC50値)をPRIS
M2.01(グラフパッド ソフトウェア社)にて算出した。
結果を表1に示す。
【表1】 表1の結果から、化合物A,BおよびCは、優れたCOX阻害
作用を有することが分かる。
【0048】実施例1 ネクローシス検出方法 試験化合物をモルモット胃粘膜初代培養細胞と、1時間
処理(Am. J. Physiol.Gastrointest. Liver Physiol.
281, G1092-G1100, 2001)したのち、細胞の生存率を、
トリパンブルー染色法(Dig. Dis. Sci. 45, 1674-167
9, 2000)、あるいはMTT法(Biol. Pharm. Bull. 24, 8
87-891, 2001)で調べることにより、ネクローシスを検
出することができる。また、ネクローシスが起きている
ことの確認は以下の方法で核膜の損傷を調べることによ
っても行うことができる。 (核膜損傷のアッセイ)細胞を 0.17 mM Hoechst 33342
と100 μg/ml propidium iodideで 20 分インキュベー
トした後、蛍光顕微鏡で観察する。ネクローシスを起こ
した細胞は、propidium iodide を排出できないため、
ピンク色に核が染まる。上記の方法によりネクローシス
を検出することにより試験化合物のED50を算出し、該化
合物のCOX阻害作用についてのIC50と比較することによ
り「COX阻害作用を有し、ネクローシス誘導作用の弱い
化合物」を得ることができる。
【0049】実施例2 アポトーシス検出方法 化合物Bまたは化合物Cをモルモット胃粘膜初代培養細胞
と、16時間処理(Am.J. Physiol. Gastrointest. Liver
Physiol. 281, G1092-G1100, 2001)したのち、MTT法
(Biol. Pharm. Bull. 24, 887-891, 2001)で細胞生存
率を測定することより、アポトーシスを検出した。結果
を表2に示す。
【表2】 また、アポトーシスが起きていることの確認は以下の方
法でDNA断片化を検出することによっても行うことがで
きる。 (DNA断片化)細胞を70μlのlysis buffer(50 mM Tris
-HCl (pH7.8), 10 mM EDTA, 0.5% sodium-N-lauroylsar
cosinate)で懸濁後、 Proteinase K を 最終濃度1 mg/
mlで50℃、2時間インキュベートする. 次にRNaseAを最
終濃度0.5 mg/mlで50℃、30分インキュベートする。サ
ンプルは2% agarose gel electrophoresis で解析す
る。上記の方法によりアポトーシスを検出することによ
り試験化合物のED50を算出し、該化合物のCOX阻害作用
についてのIC50と比較することにより「COX阻害作用を
有し、アポトーシス誘導作用の弱い化合物」を得ること
ができる。
【0050】実施例3 化合物Aのコート錠の製造 (1)化合物A 10.0 g (2)乳糖 60.0 g (3)コーンスターチ 35.0 g (4)ゼラチン 3.0 g (5)ステアリン酸マグネシウム 2.0 g 化合物A 10.0 gと乳糖60.0 gおよびコーンスターチ35.0
gの混合物を10重量%ゼラチン水溶液30 ml(ゼラチンと
して3.0 g)を用い、1 mmメッシュの篩を通して顆粒化
し、40℃で乾燥し、再び篩過する。得られる顆粒をステ
アリン酸マグネシウム2.0 gと混合し、圧縮する。得ら
れる中心錠を、蔗糖、二酸化チタン、タルクおよびアラ
ビアゴムの水懸濁液による糖衣でコーティングする。コ
ーティングが施された錠剤をミツロウで艶出して1000錠
のコート錠を得る。
【0051】実施例4 化合物Aの錠剤の製造 (1)化合物A 10.0 g (2)乳糖 70.0 g (3)コーンスターチ 50.0 g (4)可溶性デンプン 7.0 g (5)ステアリン酸マグネシウム 3.0 g 化合物A 10.0 gとステアリン酸マグネシウム3.0 gを可
溶性デンプンの水溶液70 ml(可溶性デンプンとして7.0
g)で顆粒化し、乾燥し、乳糖70.0 gおよびコーンスタ
ーチ50.0 gと混合する。混合物を圧縮して1000錠の錠剤
を得る。
【0052】実施例5 化合物Bのコート錠の製造 (1)化合物B 10.0 g (2)乳糖 60.0 g (3)コーンスターチ 35.0 g (4)ゼラチン 3.0 g (5)ステアリン酸マグネシウム 2.0 g 化合物B 10.0 gと乳糖60.0 gおよびコーンスターチ35.0
gの混合物を10重量%ゼラチン水溶液30 ml(ゼラチンと
して3.0 g)を用い、1 mmメッシュの篩を通して顆粒化
し、40℃で乾燥し、再び篩過する。得られる顆粒をステ
アリン酸マグネシウム2.0 gと混合し、圧縮する。得ら
れる中心錠を、蔗糖、二酸化チタン、タルクおよびアラ
ビアゴムの水懸濁液による糖衣でコーティングする。コ
ーティングが施された錠剤をミツロウで艶出して1000錠
のコート錠を得る。
【0053】実施例6 化合物Bの錠剤の製造 (1)化合物B 10.0 g (2)乳糖 70.0 g (3)コーンスターチ 50.0 g (4)可溶性デンプン 7.0 g (5)ステアリン酸マグネシウム 3.0 g 化合物B 10.0 gとステアリン酸マグネシウム3.0 gを可
溶性デンプンの水溶液70 ml(可溶性デンプンとして7.0
g)で顆粒化し、乾燥し、乳糖70.0 gおよびコーンスタ
ーチ50.0 gと混合する。混合物を圧縮して1000錠の錠剤
を得る。
【0054】
【発明の効果】本発明のスクリーニング方法により、
(1)COX阻害作用を有し、ネクローシスおよび/またはア
ポトーシス誘導作用の弱い化合物、および(2)COX阻害作
用を有し、かつネクローシスおよび/またはアポトーシ
ス誘導阻害作用を有する化合物を効率良く得ることがで
きる。本発明のスクリーニング方法で得られる(1)COX阻
害作用を有し、ネクローシスおよび/またはアポトーシ
ス誘導作用の弱い化合物、および(2)COX阻害作用を有
し、かつネクローシスおよび/またはアポトーシス誘導
阻害作用を有する化合物は、消化管粘膜障害、特に胃粘
膜障害のない非ステロイド性抗炎症剤等として有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 A61P 43/00 111 G01N 33/15 G01N 33/15 Z

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】COX阻害作用を有する化合物の存在下、消
    化管粘膜細胞を培養しネクローシスおよび/またはアポ
    トーシス誘導活性を検出することを特徴とする、COX阻
    害作用を有し、ネクローシスおよび/またはアポトーシ
    ス誘導作用の弱い化合物のスクリーニング方法。
  2. 【請求項2】COX阻害作用を有する化合物の存在下、消
    化管粘膜細胞を培養しネクローシスおよび/またはアポ
    トーシス誘導活性を検出することを特徴とする、消化管
    障害の少ない非ステロイド性抗炎症化合物のスクリーニ
    ング方法。
  3. 【請求項3】消化管粘膜細胞が胃粘膜細胞である請求項
    1または2記載のスクリーニング方法。
  4. 【請求項4】COX阻害作用がCOX-2選択的阻害作用である
    請求項1または2記載のスクリーニング方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4記載のスクリーニング方
    法で得られる、COX阻害作用を有し、ネクローシスおよ
    び/またはアポトーシス誘導作用の弱い化合物またはそ
    の塩。
  6. 【請求項6】請求項5記載の化合物またはその塩を含有
    してなるCOX阻害剤。
  7. 【請求項7】疼痛または炎症性疾患の予防・治療剤であ
    る請求項6記載の剤。
  8. 【請求項8】COX阻害作用を有する化合物およびネクロ
    ーシス誘導剤またはアポトーシス誘導剤の存在下、消化
    管粘膜細胞を培養しネクローシスまたはアポトーシス誘
    導活性を検出することを特徴とする、COX阻害作用を有
    し、かつネクローシスおよび/またはアポトーシス誘導
    阻害作用を有する化合物のスクリーニング方法。
  9. 【請求項9】消化管粘膜細胞が胃粘膜細胞である請求項
    8記載のスクリーニング方法。
  10. 【請求項10】COX阻害作用がCOX-2選択的阻害作用であ
    る請求項8記載のスクリーニング方法。
  11. 【請求項11】請求項8ないし10記載のスクリーニン
    グ方法で得られる、COX阻害作用を有し、かつネクロー
    シスおよび/またはアポトーシス誘導阻害作用を有する
    化合物またはその塩。
  12. 【請求項12】請求項11記載の化合物またはその塩を
    含有してなる医薬組成物。
  13. 【請求項13】ネクローシスおよび/またはアポトーシ
    ス誘導阻害剤である請求項12記載の医薬組成物。
  14. 【請求項14】疼痛または炎症性疾患の予防・治療剤で
    ある請求項12記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】COX阻害作用を有する化合物の存在下、
    胃粘膜細胞を0.5〜2時間培養しネクローシス誘導活性を
    検出することを特徴とする、COX阻害作用を有し、ネク
    ローシス誘導作用の弱い化合物のスクリーニング方法。
  16. 【請求項16】COX阻害作用を有する化合物の存在下、
    胃粘膜細胞を8〜48時間培養しアポトーシス誘導活性を
    検出することを特徴とする、COX阻害作用を有し、アポ
    トーシス誘導作用の弱い化合物のスクリーニング方法。
  17. 【請求項17】COX阻害作用を有する化合物の存在下、
    胃粘膜細胞を培養しネクローシス誘導活性を検出するこ
    とを特徴とする、COX阻害作用を示すIC50値が約100μM
    以下であり、かつネクローシス誘導作用を示すED50値が
    約100μM以上である化合物のスクリーニング方法。
  18. 【請求項18】COX阻害作用を有する化合物の存在下、
    胃粘膜細胞を培養しアポトーシス誘導活性を検出するこ
    とを特徴とする、COX阻害作用を示すIC50値が約100μM
    以下であり、かつアポトーシス誘導作用を示すED50値が
    約100μM以上である化合物のスクリーニング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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