JP2003206367A - 木粉高充填発泡性オレフィン系樹脂組成物及びそれよりなる木粉高充填発泡成形体 - Google Patents

木粉高充填発泡性オレフィン系樹脂組成物及びそれよりなる木粉高充填発泡成形体

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JP2003206367A
JP2003206367A JP2002005270A JP2002005270A JP2003206367A JP 2003206367 A JP2003206367 A JP 2003206367A JP 2002005270 A JP2002005270 A JP 2002005270A JP 2002005270 A JP2002005270 A JP 2002005270A JP 2003206367 A JP2003206367 A JP 2003206367A
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olefin resin
weight
wood powder
resin composition
expandable
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JP2002005270A
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Shigehiko Abe
成彦 阿部
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木粉が高濃度で充填され、木に近い風合い
と触感を有し、釘打ち、鋸などの施工が容易であり、軽
量で加工性にも優れた発泡成形体及びこの発泡成形体を
製造するためのポリオレフィン系樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】オレフィン系樹脂50〜10重量%と木粉
50〜90重量%とからなるその合計量100重量部に
対して、エチレン系不飽和シラン化合物変性オレフィン
系樹脂100重量部に対しスルホニルヒドラジド化合物
またはスルホニルヒドラジド化合物とアゾ化合物の混合
物のいずれかである熱分解型発泡剤1〜20重量部を配
合した架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子0.1〜10重
量部とからなることを特徴とする木粉高充填発泡性オレ
フィン系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木粉高充填発泡性
オレフィン系樹脂組成物及びそれよりなる木粉高充填発
泡成形体に関するものであり、より詳細には木粉が高濃
度で充填され、木に近い風合いと触感を有し、釘打ち、
鋸などの施工が容易であり、軽量で加工性にも優れた発
泡成形体及びこの発泡成形体を製造するためのオレフィ
ン系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】木粉を高充填した樹脂組成物は古くから
種々提案されている。例えば特開平9−20834号公
報には、塩化ビニル成分を主体とし、エチレン成分を2
〜20重量%含む塩化ビニル系共重合体100重量部と
木質粉末10〜175重量部を含み、該木質粉末が、上
記塩化ビニル系共重合体用安定剤及び/または熱分解型
発泡剤と予め予備混合されたものであることを特徴とす
る発泡用樹脂組成物が記載されている。また、塩化ビニ
ル系樹脂以外の熱可塑性樹脂に木粉を配合した例として
は、特開平9−40878号公報に記載された熱可塑性
樹脂組成物が知られており、スチレン系樹脂等の熱可塑
性樹脂20〜95重量%及び木粉5〜80重量%の合計
100重量部に対して、少なくとも1種の官能基を有す
る平均分子量300〜10000の化合物または重合体
1〜40重量部を配合したものが用いられている。
【0003】また、特開平8−100086号公報に
は、ポリオレフィン系樹脂に木粉を充填した組成物を使
用して樹脂成形材料を得ようとする試みも為されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来から木粉を50重
量%以上の量で高充填した発泡されていない樹脂成形体
は、さまざまな分野に使用されているが、得られる製品
は木よりも比重が高くなってしまうこと、木材のような
軽くてしなやかな感触にはならないこと、耐衝撃性に乏
しく木のように切削、切断が困難であったり、釘打ちが
できないこと等の課題を有している。このため樹脂組成
物を発泡させることが提案されているが、このような木
粉充填樹脂組成物を発泡成形させた場合、木粉の充填量
が10〜30重量%程度と低い場合には発泡倍率が1.
5倍程度までの発泡は可能であるが、木粉を50重量%
以上の高充填量で充填した場合には、発泡ガスが樹脂の
溶融状態で樹脂組成物中に保持されず、発泡体とするこ
とは不可能であった。
【0005】木粉充填樹脂組成物の発泡成形は、一般に
使用している樹脂の融解温度以上で押出発泡成形や圧縮
成形により行われる。ところが、木粉を50重量%以上
の高充填量とした樹脂組成物では、樹脂組成物中の樹脂
量が少ないために、溶融時の樹脂の伸びが小さく発泡セ
ルが成長できず破泡するという問題がある。更に、押出
成形の場合はダイ出口での発泡成形体表面荒れが大きな
問題となる。
【0006】従って、本発明は、オレフィン系樹脂中に
木粉を高充填量で含有しながら、優れた発泡性及び成形
性が確保できる木粉高充填発泡性オレフィン系樹脂組成
物及びそれよりなる木粉高充填発泡成形体を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、特定の架橋発泡性オ
レフィン系樹脂粒子を含んでなる発泡性オレフィン系樹
脂組成物が、木粉を高充填とした際にもその発泡成形性
に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】即ち、本発明は、オレフィン系樹脂50〜
10重量%と木粉50〜90重量%とからなるその合計
量100重量部に対して、エチレン系不飽和シラン化合
物変性オレフィン系樹脂100重量部に対しスルホニル
ヒドラジド化合物またはスルホニルヒドラジド化合物と
アゾ化合物の混合物のいずれかである熱分解型発泡剤1
〜20重量部を配合した架橋発泡性オレフィン系樹脂粒
子0.1〜10重量部とからなることを特徴とする木粉
高充填発泡性オレフィン系樹脂組成物及びそれよりなる
木粉高充填発泡成形体に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をより詳細に説明
する。
【0010】本発明の木粉高充填発泡性オレフィン系樹
脂組成物は、オレフィン系樹脂50〜10重量%と木粉
50〜90重量%とからなるその合計量100重量部に
対して、エチレン系不飽和シラン化合物変性オレフィン
系樹脂100重量部に対しスルホニルヒドラジド化合物
またはスルホニルヒドラジド化合物とアゾ化合物の混合
物のいずれかである熱分解型発泡剤1〜20重量部を配
合した架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子0.1〜10重
量部とからなるものである。
【0011】従来、熱可塑性樹脂、木粉及び発泡剤から
なり、木粉を高充填量で含有する発泡性樹脂組成物で
は、溶融発泡成形に供した際に成形の初期から成形体表
面での破泡を生じ、発泡体の成形すら困難であった。即
ち、一般的に行われている溶融発泡成形では、気体の分
散過程及び気泡の成長過程を経て発泡成形が行われる
が、木粉高充填発泡性樹脂組成物を発泡成形に供した際
には、この気体の分散すら円滑に進行せず気泡の成長、
発泡などは行なえないものであった。このような木粉高
充填樹脂組成物を発泡成形するためには、気泡の成長過
程において溶融樹脂セル中に気泡を閉じこめておくのに
十分な高い粘弾性を有する溶融樹脂が必要となるが、発
泡剤を添加するだけでは溶融樹脂の伸びが大量に充填さ
れた木粉のために低下しているため、粘度は高いものの
ガスを閉じ込めておくことができないものであった。
【0012】そこで、本発明は、木粉の充填量が多く、
樹脂の配合量が少ないにもかかわらず、高発泡倍率化が
可能となり、成形品の軽量化が可能となると伴に成形品
中の木粉の充填量が多く、しかも成形品中に微細な発泡
セルを均一に形成することができるために、成形体は木
質感に富んでおり、加えて通常の木材と同様に釘打ちが
可能となる、切断時の快削性に優れる、例えば鋸による
切断が容易に可能である、木に近い風合い、感触を有す
る、更には吸音性、保温性、吸湿性乃至保湿性等が得ら
れ、木質に近い特徴が得られる等の特徴を有すると伴
に、リサイクル性にも富んでおり、廃棄処理も容易であ
り、環境にも優しい素材であるという利点を有する木粉
高充填発泡性オレフィン系樹脂組成物及びそれよりなる
木粉高充填発泡成形体に関するものである。
【0013】本発明に用いられるオレフィン系樹脂とし
ては、オレフィン系樹脂と称されるものの範疇に属する
ものであれば如何なるものでもよく、例えばエチレン系
樹脂、プロピレン系樹脂等を挙げることができる。
【0014】そして、プロピレン系樹脂とは一般に結晶
性ポリマーに属するものが一般的であり、溶融粘度の温
度依存性が大きいため溶融発泡に用いることが難しい樹
脂ではあるが、本発明によれば特定の架橋発泡性オレフ
ィン系樹脂粒子との組み合わせにより、木粉高充填状態
においても優れた発泡成形体を製造することが可能とな
る。また、プロピレン系樹脂としては、アイソタクティ
ック構造、シンジオタクティック構造のものでも使用す
ることが可能であり、プロピレンホモポリマーの他にラ
ンダム共重合ポリプロピレンや、ブロック共重合ポリプ
ロピレンが使用可能である。
【0015】このようなプロピレン系樹脂としては、一
般に融点が140〜170℃の範囲にあり、且つメルト
フローレート(JIS K 7210を準拠。)が0.
5〜60g/10分の範囲にあることが望ましく、発泡
成形体の用途に応じて各種のものを選択すればよく、例
えば耐熱性、剛性が要求される用途にはプロピレンホモ
ポリマーを用いることが好ましく、耐衝撃性が要求され
る用途にはランダム共重合ポリプロピレンやブロック共
重合ポリプロピレンが好ましく、該共重合体におけるコ
モノマーとしては、プロピレン以外のオレフィン類、例
えばエチレン、1−ブテンの1種又は2種以上の組合せ
が挙げられる。
【0016】また、エチレン系樹脂としては、例えば高
密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン
(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチ
レン−プロピレン共重合体,エチレン−ブテン−1共重
合体,エチレン−ヘキセン−1共重合体,エチレン−オ
クテン−1共重合体等の線状低密度ポリエチレン(LL
DPE)、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、
エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アク
リル酸プロピル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル
共重合体、エチレン−アクリル酸ヘキシル共重合体、エ
チレン−アクリル酸オクチル共重合体、エチレン−メタ
クリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重
合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレ
ン−メタクリル酸プロピル共重合体、エチレン−メタク
リル酸ブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸ヘキシ
ル共重合体、エチレン−メタクリル酸オクチル共重合体
等が挙げられ、単独或いは2種以上の組合せで使用され
る。その中でも、密度が0.90〜0.97g/cm3
の範囲にあり且つJISK 7210を準拠したメルト
フローレートが0.06〜45g/10分の範囲にある
ものが好適である。
【0017】本発明における木粉としては、一般的に木
粉に属するものであれば如何なるものも用いることも可
能であり、通常木片等を粉砕されたものが使用され、例
えば針葉樹、広葉樹、ラワン材等の任意の木材の木粉を
挙げることができる。さらに該木粉としては、熱安定剤
や樹脂分散剤、ステアリン酸金属塩などの木酢酸中和剤
などが添加されている木粉を用いることも可能である。
また、該木粉には、製材の際に副生する鋸屑、鉋屑等も
ボールミル粉砕等で粉末化して用いることができる。
【0018】該木粉としては、あらかじめ十分乾燥した
ものを用いることが好ましい。また、特に発泡倍率、製
品外観に優れた発泡成形体が得られることから、木粉の
粒径としては100メッシュサイズ(150μm)以下
のものが好ましい。
【0019】本発明の木粉高充填発泡性オレフィン系樹
脂組成物は、オレフィン系樹脂50〜10重量%と木粉
50〜90重量%とを組み合わせて用いるものである。
ここで、オレフィン系樹脂が50重量%を越える場合、
得られる成形体に木質感等は付与されず、釘打ち性や切
断時の快削性は劣るものとなる。一方、オレフィン系樹
脂が10重量%未満である場合、得られる樹脂組成物を
発泡成形に供しても発泡成形体を得ることは困難であ
る。
【0020】本発明において用いられる架橋発泡性オレ
フィン系樹脂粒子とは、エチレン系不飽和シラン化合物
変性オレフィン系樹脂100重量部に対しスルホニルヒ
ドラジド化合物またはスルホニルヒドラジド化合物とア
ゾ化合物の混合物のいずれかである熱分解型発泡剤1〜
20重量部を配合してなる粒子である。
【0021】ここで、エチレン系不飽和シラン化合物変
性オレフィン系樹脂とは、エチレン系不飽和シラン化合
物により変性されたオレフィン系樹脂をいい、該エチレ
ン系不飽和シラン化合物変性オレフィン系樹脂として
は、例えば1)オレフィン系樹脂を有機過酸化物等のラ
ジカル発生剤の存在下にエチレン性不飽和シラン化合物
をグラフト反応する方法により得られるエチレン系不飽
和シラン化合物変性オレフィン系樹脂、2)オレフィン
類とエチレン性不飽和シラン化合物とをラジカル共重合
させて得らるエチレン性不飽和シラン化合物変性オレフ
ィン系樹脂、等が挙げられる。
【0022】オレフィン系樹脂を変性するエチレン系不
飽和シラン化合物としては特に制限はなく、エチレン系
不飽和シラン化合物の範疇に属するものであれば如何な
るものでもよく、例えば一般式RSiR’n3-n (こ
こで、Rはエチレン性不飽和炭化水素基又はハイドロカ
ーボンオキシ基を示し、R’は炭化水素基を示し、Yは
加水分解可能な有機基を示し、nは0〜2の整数であ
る。)で表されるエチレン系不飽和シラン化合物を挙げ
ることができ、Rとしては、例えばビニル、アリル、イ
ソプロペニル、ブテニル、シクロヘキセニル、γ−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピル等を挙げることがで
き、R’としては、例えばメチル、エチル、プロピル、
デシル、フェニル等を挙げることができ、Yとしては、
例えばメトキシ、エトキシ、ホルミルオキシ、アセトキ
シ、プロピオニルオキシ、アルキルアミノ、アリールア
ミノ等を挙げることができる。
【0023】このようなエチレン性不飽和シラン化合物
の具体的例示としては、従来公知のシラン架橋し得るも
のであればなんでも良く、例えばビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキ
シシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることがで
きる。
【0024】そして、上記1)に記載のエチレン性不飽
和シラン化合物変性オレフィン系樹脂を構成するオレフ
ィン系樹脂としては、例えばエチレン,プロピレン,ブ
テン−1等の炭素数2〜8程度のα−オレフィンの単独
重合体、該α−オレフィンとエチレン,プロピレン,ブ
テン−1,3−メチルブテン−1,ペンテン−1,4−
メチルペンテン−1,ヘキセン−1,オクテン−1,デ
セン−1等の炭素数2〜20程度の他のα−オレフィン
や、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル
酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸プロピル,ア
クリル酸ブチル,アクリル酸ヘキシル,アクリル酸オク
チル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル,メ
タクリル酸エチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル
酸ブチル,メタクリル酸ヘキシル,メタクリル酸オクチ
ル等のメタクリル酸エステル等との共重合体等が挙げら
れ、具体的例示としては、低・中・高密度ポリエチレン
等の分岐状エチレン単独重合体又は直鎖状エチレン単独
重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブ
テン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1
共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン
−オクテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリ
ル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重
合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、エチレン
−アクリル酸ヘキシル共重合体、エチレン−アクリル酸
オクチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メ
タクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸ブ
チル共重合体、エチレン−メタクリル酸ヘキシル共重合
体、エチレン−メタクリル酸オクチル共重合体等のエチ
レン系樹脂;プロピレン単独重合体、プロピレン−エチ
レン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重
合体等のプロピレン系樹脂;ブテン−1単独重合体、ブ
テン−1−エチレン共重合体、ブテン−1−プロピレン
共重合体等のブテン−1系樹脂等が挙げられる。
【0025】また、上記2)に記載のエチレン性不飽和
シラン化合物変性オレフィン系樹脂を構成するオレフィ
ンとしては、例えばエチレン,プロピレン,ブテン−1
等の炭素数2〜8程度のα−オレフィンを挙げることが
できる。
【0026】そして、スルホニルヒドラジド化合物、又
は、スルホニルヒドラジド化合物とアゾ化合物の混合物
は加熱溶融時に分解してガスを発生し、熱分解型発泡剤
として作用すると伴に、スホニルヒドラジド化合物が熱
分解する際に発生するスルフィン酸がエチレン性不飽和
シラン化合物変性オレフィン系樹脂の脱水縮合反応を促
進するシラノール縮合触媒として作用し架橋を促進する
ものであり、このため、該架橋発泡性オレフィン系樹脂
粒子は、従来シラノール縮合触媒として使用されてたジ
ブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウテート、ジブ
チル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウテート、酢酸
第一錫、2−エチルカプロン酸鉄、カプリル酸第一錫、
カプリル酸亜鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト等
のカルボン酸金属塩、チタン酸テトラブチルエステル、
チタン酸テトラノニルエステル、ビス(アセチルアセト
ニトリル)ジ−イソプロピルチタネート等の有機金属化
合物;エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミ
ン、ピリジン等の有機塩基;酢酸、オレイン酸、フタル
酸、トルエンスルホン酸等の有機酸;硫酸、塩酸等の無
機酸等をあえて用いる必要性はない上に、シリコーンの
シラノール間の脱水縮合反応を促進するためにシラノー
ル縮合触媒の溶液に架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子を
浸漬・含浸させる工程が不要となるばかりか、水架橋法
による架橋処理には、通常、常温〜250℃程度の液状
又は蒸気状の水に1分〜1日程度にわたって接触させる
ことが必要であるが、該架橋発泡性オレフィン系樹脂粒
子では熱分解型発泡剤から大量の水が該発泡剤の分解に
より生成するためにこの工程も不要となる。
【0027】このようなスルホニルヒドラジド化合物と
しては、具体的にはベンゼンスルホニルヒドラジド、ベ
ンゼン−1,3−スルホニルヒドラジド、ジフェニルス
ルホン−3,3’−ジスルフォニルヒドラジド、ジフェ
ニルオキシド−4,4’−ジスルフォニルヒドラジド、
4,4’−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジ
ド)、パラトルエンスルフォニルヒドラジド等のスルフ
ォニルヒドラジド化合物を挙げることができる。
【0028】また、アゾ化合物としては、例えばアゾジ
カルボンアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、ジアゾアミノベ
ンゼン等のアゾ化合物を挙げることが出来る。
【0029】この中でも本発明においては、その架橋性
及び発泡性の効率に極めて優れることから、4,4’−
オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、又は、
4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)とアゾジカルボンアミドの混合物が特に好ましい。
【0030】本発明では、エチレン系不飽和シラン化合
物変性オレフィン系樹脂100重量部に対して、熱分解
型発泡剤としてスルホニルヒドラジド化合物、又は、ス
ルホニルヒドラジド化合物とアゾ化合物の混合物のいず
れかを1〜20重量部配合して架橋発泡性オレフィン系
樹脂粒子を用いてなるものである。ここで、熱分解型発
泡剤が1重量部未満である架橋発泡性オレフィン系樹脂
粒子を用いた場合、得られる樹脂組成物を成形した際
に、気泡をほとんど含有しないものとなり木粉高充填発
泡成形体が得られない。一方、熱分解型発泡剤が20重
量部を越える架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子を用いた
場合、得られる樹脂組成物を成形した際に、発泡剤から
発生するガスを保持することができず、気泡が粗大化し
たものとなり木粉高充填発泡成形体の製品外観は劣るも
のとなる。
【0031】架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子の調整方
法としては、特に制限はなくエチレン系不飽和シラン化
合物変性オレフィン系樹脂100重量部に対して、スル
ホニルヒドラジド化合物、又は、スルホニルヒドラジド
化合物とアゾ化合物の混合物のいずれかを1〜20重量
部配合することが可能であればいかなる方法を用いるこ
とが可能であり、例えばヘンシェルミキサー、V−ブレ
ンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等の
混合機で混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、
バンバリーミキサー等の溶融混練機で溶融混練する方法
等を挙げることができる。
【0032】また、該架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子
には、加熱発泡を行う際に熱分解型発泡剤の分解温度を
低下させる目的で、発泡促進剤及び/又は発泡助剤を配
合することもできる。ここで、発泡促進剤又は発泡助剤
としては、例えば亜鉛華、硝酸亜鉛、フタル酸鉛、炭酸
鉛、三塩化リン酸塩、三塩基性硫酸鉛等の無機塩;亜鉛
脂肪酸石鹸、鉛脂肪酸石鹸、カドミウム脂肪酸石鹸等の
金属石鹸;ほう酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸等
の酸類;尿素、エタノールアミン、グルコース、グリセ
リン等が挙げられる。
【0033】一方、該架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子
には、加熱発泡を行う際に熱分解型発泡剤の分解温度を
上げる目的で発泡抑制剤を用いることもできる。発泡抑
制剤としては、例えばマレイン酸、フマル酸、フタル
酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等の有機酸;ステア
ロイルクロリド、フタロイルクロリド等のハロゲン化有
機酸;ハイドロキノン等の多価アルコール;脂肪酸アミ
ン;アミド;オキシム、イソシアネート等の含有機硫黄
化合物;亜リン酸塩化物等のリン酸塩;ジブチルスズマ
レート、塩化スズ、硫酸スズ等のスズ化合物;その他ヘ
キサクロロペンタジエン等が挙げられる。
【0034】また、該架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子
は、必要に応じて熱可塑性樹脂に通常用いられる酸化防
止剤、光安定剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、滑
剤等の添加剤等が配合されてもよい。
【0035】該架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子は、得
られる木粉高充填発泡性オレフィン系樹脂組成物を成形
加工に供した際、膨張率、膨張力が高くなると伴に、得
られる木粉高充填発泡成形体の表面性が良くなることか
ら重量平均粒子径が1〜1000μm、特に10〜30
0μmである架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子として用
いることが好ましい。
【0036】ここで、架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子
の調整方法としては、上記の架橋発泡性オレフィン系樹
脂組成物を、例えば化学粉砕法又は機械粉砕法により重
量平均粒子径1〜1000μmに粉砕する方法を挙げる
ことができ、その中でも得られる粒子の形状が規則的、
かつ、微細なものとなることから化学粉砕法によるもの
が好ましい。
【0037】尚、化学粉砕法とは、通常ペレット形状を
有している樹脂又は樹脂組成物を良溶媒に加熱溶解した
後、攪拌しながら冷却させる方法、或いは、攪拌しなが
ら貧溶媒を加えて沈殿させる方法等により、粒子として
析出させる方法である。
【0038】架橋発泡性オレフィン系樹脂組成物を化学
粉砕法により架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子とする際
の良溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン、テトラリン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサ
ン、デカリン等の脂環式炭化水素類;クロロホルム、四
塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類等を挙げることがで
き、貧溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、
イソプロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール
類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレン
グリコール等の多価アルコール類等をそれぞれ挙げるこ
とができる。
【0039】又、機械粉砕法としては、例えばターボミ
ル等の衝撃式粉砕機を挙げることができる。
【0040】本発明でいう重量平均粒子径とは、例えば
レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定する
ことができる。
【0041】本発明の木粉高充填発泡性オレフィン系樹
脂組成物は、オレフィン系樹脂50〜10重量%と木粉
50〜90重量%とからなるその合計量100重量部に
対して、該架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子0.1〜1
0重量部とからなるものであり、架橋発泡性オレフィン
系樹脂粒子が0.1重量部未満である場合、得られる木
粉高充填オレフィン系樹脂組成物を発泡成形しても成形
体中には気泡が殆ど存在せず、発泡体とはならない。一
方、架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子が10重量部を越
える場合、得られる木粉高充填オレフィン系樹脂組成物
は粘度が高くなり、成形加工が困難となる。
【0042】本発明の木粉高充填発泡性オレフィン系樹
脂組成物には、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて
充填剤、着色剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、酸化防止
剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、金属セッケンやワックス等の滑剤、改質用樹脂、ゴ
ム等の公知の樹脂配合剤を、それ自体公知の処方に従っ
て配合することもできる。
【0043】また、発泡成形の際の気泡を調節する目的
で、無機微粉末、例えばタルク、各種クレイ、ケイ酸カ
ルシウム、ケイ酸マグネシウム等を配合することがで
き、また、加工性や成形性の向上を目的として、ステア
リン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸
金属石鹸、脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、マイ
クロクリスタリンワックス等の滑剤を配合することがで
きる。また、発泡成形体とした際の色目を調節するため
に種々の着色料を配合することができる。着色料として
は、例えば二酸化チタン、カーボンブラック、ベンガ
ラ、オーカー等の無機顔料や、有機顔料を配合すること
ができ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム
等の充填剤を配合することもできる。
【0044】本発明の木粉高充填発泡性オレフィン系樹
脂組成物の調整方法としては、特に制限はなく、該木粉
高充填発泡性オレフィン系樹脂組成物を構成する各成分
を例えばドライブレンド方式やメルトブレンド方式にて
配合を行うことにより調整をすることが可能である。ド
ライブレンド方式としては、例えばブレンダーやヘンシ
ェルミキサー等を用いる方法を挙げることができる。ま
た、メルトブレンド方式としては、例えば一軸押出機、
二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いる
方法を挙げることができる。
【0045】その際の配合順序にも特に制限はなく、全
成分を同時にブレンドしてもよいし、成分を多段階にわ
けてブレンドすることもできる。例えば予め架橋発泡性
オレフィン系樹脂粒子を除く成分を予備混合し、この予
備混合物に架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子を添加して
ブレンドを続行することもできるし、また木粉と架橋発
泡性オレフィン系樹脂粒子若しくは更に他の助剤を予備
混合することもできる。
【0046】本発明の木粉高充填発泡性オレフィン系樹
脂組成物を発泡成形する際の加工方法に特に制限はなく
いかなる方法を用いることも可能であり、その中でも操
作が簡便であることから押出機を用いて溶融発泡押出成
形を行うことが好ましい。このような溶融発泡押出成形
法としては、例えば木粉高充填発泡性オレフィン系樹脂
組成物を構成する各成分をドライブレンドした後、押出
機のホッパーにこれを供給し各樹脂成分及び架橋発泡性
オレフィン系樹脂粒子等を押出機中で機械的に溶融混練
し、ダイを経て空気中へ押し出すことにより、木粉高充
填発泡成形体を形成することができる。この際の押出機
としては、単軸スクリュー又は二軸スクリューを備えた
それ自体公知の押出機が使用でき、このような溶融発泡
押出成形においては、該木粉高充填発泡性オレフィン系
樹脂組成物を構成する各成分の混練、押出及び木粉高充
填発泡成形体の発泡成形が一台の押出機で行うことが可
能であり、操作が簡単であると共に生産性も高いという
利点を有する。また、この際ダイから押出成形される発
泡成形体は、必要によりサイジングダイを通すことによ
り、寸法及び形状を安定化させることができる。
【0047】また、上記の溶融発泡押出成形を行う際の
溶融混練時の樹脂温度(シリンダー温度)としては、該
木粉高充填発泡性オレフィン系樹脂組成物を構成する樹
脂の種類や配合比により相違するが、一般的に150〜
180℃の範囲にあるのが好ましい。
【0048】成形用ダイとしては、成形すべき木粉高充
填発泡成形体の形状に合わせて任意の成形用ダイを用い
ることができ、例えば発泡シートとする場合には、Tダ
イが使用され、発泡異形断面成形品とする場合には、対
応する断面形状の異形断面ダイが使用され、チューブ状
の発泡成形品とする場合には、リングダイが使用され
る。成形用ダイの温度としては、得られる木粉高充填発
泡成形体の表面の平滑性、その他の外観特性が優れるこ
とからシリンダー温度よりも0〜20℃低い温度に維持
することが望ましい。
【0049】本発明の木粉高充填発泡成形体の気泡構造
は、一般に独立気泡型であり、セル構造としては著しく
微細でありしかも均質である。このため、適度なクッシ
ョン性、耐衝撃性を有しており、通常の木材と同様に釘
打ちが可能であり、また鋸引きが可能であるなど快削性
に優れている。更に、樹脂マトリックス中には木粉が高
充填されているため、木材に似た風合い、触感が得ら
れ、風合い及び外観特性に優れている。
【0050】本発明の木粉高充填発泡成形体は、上記特
性を利用して、種々の建材、例えば床材乃至床仕上げ
材、壁材乃至壁仕上げ材、天井材乃至天井仕上げ材、閾
い、窓枠、サッシュ等、家具などの構造材乃至パネル
材、車両用内装材、OA機器や家電製品の外装材乃至ハ
ウジングなどの分野に有用である。
【0051】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
るが、これら実施例は説明のためのものであり、いかな
る意味においても本発明を限定するものではない。ま
た、実施例で用いた機器及び得られた木粉高充填発泡性
オレフィン系樹脂組成物の測定、評価方法を以下に示
す。
【0052】〜押出し成形機〜 2mm厚×30mm幅コートハンガーダイを有するダイ
ス、50φmm,C.R=3のフルフライトスクリュー
を有するシート成形機(田辺プラスチック製、L/D=
24)を用いた。
【0053】〜発泡倍率の測定〜 JIS K 7197を準拠し、20℃における未発泡
成形体の体積と発泡成形体の体積を測定し、発泡倍率を
求めた。
【0054】〜釘打ち性の評価〜 得られた木粉高充填発泡成形体に釘打ちを行い、以下の
基準で評価した。 ○;スムースに釘打ちが可能で、シートに有効に固定さ
れる。 △;一応釘打ちが可能であるが、亀裂や割れが認められ
る。 ×;シートが破壊され、釘の固定が不可能である。
【0055】〜切断性の評価〜 得られた木粉高充填発泡成形体を丸鋸で切断し、以下の
基準で評価した。 ○;木材と同様にスムースにしかも速やかに鋸による切
断が可能である。 △;木材に比べて切断に長時間を必要とする。 ×;木材に比べて切断に著しく長時間を必要とする。
【0056】〜成形性の評価〜 得られた木粉高充填発泡成形体から、成形性を以下の基
準で評価した。 ○;発泡が有効に行われ、成形体表面が滑らかで荒れも
ない。 △;成形体の表面荒れと部分的な破泡が認められる。 ×;成形体の表面全面での破泡が認められる。
【0057】〜重量平均粒子径の測定〜 得られた架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子の重量平均粒
子径をレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作
所製、商品名LA−920)を用いて測定した。
【0058】合成例1(架橋発泡性オレフィン系樹脂粒
子の製造) 高密度ポリエチレンにグラフト反応によりビニルトリメ
トキシシラン変性を行ったエチレン性不飽和シラン化合
物変性エチレン系樹脂(三菱化学社製、商品名リンクロ
ンHF700N:ビニルトリメトキシシラン単位の含有
量1.6重量%、190℃でのメルトフローレート0.
5g/10分、密度0.955g/cm 3)100重量
部に対して、熱分解型発泡剤として4,4’−オキシビ
ス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(永和化成工業
製、商品名ネオセルボンN#5000)20重量部を配
合し、80℃でトリクロロエチレンに溶解させた後、室
温まで冷却し、攪拌下にアセトンを添加することにより
化学粉砕して粒子化し架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子
を得た。
【0059】得られた架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子
の重量平均粒子径は30μmであった。
【0060】実施例1 高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン(東ソー株式会
社製、商品名ペトロセン190;190℃でのメルトフ
ローレート4.0g/10分、密度0.921g/cm
3)40重量%と木粉(粒子径150μm以下;針葉樹
をボールミル粉砕機で粉砕し100メッシュの篩を通過
したもの)60重量%からなる合計量100重量部に対
して、合成例1により得られた架橋発泡性オレフィン系
樹脂粒子5重量部をドライブレンドにて配合し、二軸押
出機(東芝機械製、商品名TEM−50B)を用い、シ
リンダー温度100℃で混練することにより、熱分解型
発泡剤が未分解のまま配合されている木粉高充填発泡性
オレフィン系樹脂組成物を得た。
【0061】得られた木粉高充填発泡性オレフィン系樹
脂組成物を上記の押出機に供給して溶融混練し、ダイか
ら押し出して、シート状の木粉高充填発泡成形体に溶融
発泡成形した。その際のシリンダー温度は150〜18
0℃で、ダイ温度は180℃であった。
【0062】得られた木粉高充填発泡性オレフィン系樹
脂組成物は、発泡成形性に優れたものであった。また、
得られた木粉高充填発泡成形体は、発泡倍率が2.0倍
で軽量化されたものであり、外観特性に優れており、釘
打ち性、快削性にも優れると伴に、木材に似た風合い、
感触を有し、適度の保温性、吸音性、保湿性をも備えて
いた。得られた結果を表1に示す。
【0063】実施例2 合成例1により得られた架橋発泡性オレフィン系樹脂粒
子5重量部の代わりに該架橋発泡性オレフィン系樹脂粒
子8重量部とした以外は、実施例1と同様の方法により
木粉高充填発泡性オレフィン系樹脂組成物を得た。そし
て、シート状の木粉高充填発泡成形体を調整した。
【0064】得られた木粉高充填発泡性オレフィン系樹
脂組成物は、発泡成形性に優れたものであった。また、
得られた木粉高充填発泡成形体は、発泡倍率が4.0倍
で軽量化されたものであり、外観特性に優れており、釘
打ち性、快削性にも優れると伴に、木材に似た風合い、
感触を有し、適度の保温性、吸音性、保湿性をも備えて
いた。得られた結果を表1に示す。
【0065】実施例3 木粉60重量%の代わりに木粉50重量%とした以外
は、実施例1と同様の方法により木粉高充填発泡性オレ
フィン系樹脂組成物を得た。そして、シート状の木粉高
充填発泡成形体を調整した。
【0066】得られた木粉高充填発泡性オレフィン系樹
脂組成物は、発泡成形性に優れたものであった。また、
得られた木粉高充填発泡成形体は、発泡倍率が2.2倍
で軽量化されたものであり、外観特性に優れており、釘
打ち性、快削性にも優れると伴に、木材に似た風合い、
感触を有し、適度の保温性、吸音性、保湿性をも備えて
いた。得られた結果を表1に示す。
【0067】比較例1 合成例1により得られた架橋発泡性オレフィン系樹脂粒
子5重量部の代わりに発泡剤として4,4’−オキシビ
ス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(永和化成工業
製、商品名ネオセルボンN#5000)1重量部とした
以外は、実施例1と同様の方法により木粉高充填発泡性
オレフィン系樹脂組成物を得た。そして、シート状の木
粉高充填成形体を調整した。
【0068】得られたオレフィン系樹脂組成物は、押出
成形はできるものの発泡成形体とはならず、該成形体の
外観特性も劣ると伴に成形体中には気泡が含まれていな
いことから、釘打ち性、快削性も悪いものであった。得
られた結果を表1に示す。
【0069】比較例2 合成例1により得られた架橋発泡性オレフィン系樹脂粒
子5重量部の代わりに発泡剤として4,4’−オキシビ
ス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(永和化成工業
製、商品名ネオセルボンN#5000)3重量部とした
以外は、実施例1と同様の方法により木粉高充填発泡性
オレフィン系樹脂組成物を得た。そして、シート状の木
粉高充填成形体を調整した。
【0070】得られたオレフィン系樹脂組成物は、押出
成形はできるものの発泡成形体とはならず、該成形体の
外観特性も劣ると伴に成形体中には気泡が含まれていな
いことから、釘打ち性、快削性も悪いものであった。得
られた結果を表1に示す。
【0071】比較例3 木粉60重量%の代わりに木粉95重量%とした以外
は、実施例1と同様の方法により木粉高充填発泡性オレ
フィン系樹脂組成物を得た。そして、得られた木粉高充
填発泡性オレフィン系樹脂組成物より発泡成形体の成形
を試みたが、押出し成形を行うことはできなかった。
【0072】比較例4 木粉60重量%の代わりに木粉30重量%とした以外
は、実施例1と同様の方法により木粉充填発泡性オレフ
ィン系樹脂組成物を得た。そして、シート状の木粉充填
発泡成形体を調整した。
【0073】得られた木粉充填発泡性オレフィン系樹脂
組成物は、発泡成形性に優れたものであった。また、得
られた木粉充填発泡成形体は、発泡倍率が2.4倍で軽
量化されたものであり、外観特性に優れていた。しかし
ながら、釘打ち性、快削性に劣ると伴に、触感がいかに
もプラスチックであり木材とは程遠い感触のものであっ
た。得られた結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【発明の効果】本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂
と、木粉と、架橋発泡性ポリオレフィン系樹脂とを特定
の量比で組み合わせることにより、木粉を高充填量で含
有しながら優れた発泡性、成形性を有する木粉高充填発
泡性樹脂組成物となる。また、それよりなる木粉高充填
発泡成形体は、木粉が高充填されていながら、有効に発
泡が行われ、その結果として比重が小さく抑えられて、
軽量化されており、木に近い風合いや触感、更には吸音
性、保温性、吸湿性乃至保湿性等の特性を兼ね備えてい
て、優れた釘打ち性や切断時の快削性を有している。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オレフィン系樹脂50〜10重量%と木粉
    50〜90重量%とからなるその合計量100重量部に
    対して、エチレン系不飽和シラン化合物変性オレフィン
    系樹脂100重量部に対しスルホニルヒドラジド化合物
    またはスルホニルヒドラジド化合物とアゾ化合物の混合
    物のいずれかである熱分解型発泡剤1〜20重量部を配
    合した架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子0.1〜10重
    量部とからなることを特徴とする木粉高充填発泡性オレ
    フィン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】オレフィン系樹脂がポリプロピレン及び/
    又はポリエチレンであることを特徴とする請求項1に記
    載の木粉高充填発泡性オレフィン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】架橋発泡性オレフィン系樹脂粒子が、エチ
    レン系不飽和シラン化合物変性オレフィン系樹脂100
    重量部に対しスルホニルヒドラジド化合物またはスルホ
    ニルヒドラジド化合物とアゾ化合物の混合物のいずれか
    である熱分解型発泡剤1〜20重量部を配合した後、機
    械粉砕法又は化学粉砕法により粉砕された架橋発泡性オ
    レフィン系樹脂粒子であることを特徴とする請求項1又
    は2のいずれかに記載の木粉高充填発泡性オレフィン系
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の木粉高充
    填発泡性オレフィン系樹脂組成物を発泡成形してなるこ
    とを特徴とする木粉高充填発泡成形体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005248098A (ja) * 2004-03-08 2005-09-15 Sekisui Plastics Co Ltd 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法、発泡性スチレン系樹脂粒子、スチレン系樹脂予備発泡粒子及びスチレン系樹脂発泡成形体
JP2015081395A (ja) * 2013-10-23 2015-04-27 株式会社トッパン・コスモ 発泡壁紙
JP2016060111A (ja) * 2014-09-18 2016-04-25 株式会社トッパン・コスモ 樹脂組成物、積層シート、積層体、発泡壁紙及び発泡壁紙の製造方法

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