JP2003205470A - 電鋳薄刃砥石 - Google Patents

電鋳薄刃砥石

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JP2003205470A JP2002003688A JP2002003688A JP2003205470A JP 2003205470 A JP2003205470 A JP 2003205470A JP 2002003688 A JP2002003688 A JP 2002003688A JP 2002003688 A JP2002003688 A JP 2002003688A JP 2003205470 A JP2003205470 A JP 2003205470A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 砥石本体の反りを抑制するとともに高い強度
を得ることができ、かつ、目詰まりを生じ難くする。 【解決手段】 金属めっき相11中に、超砥粒12とし
て、大粒径ダイヤ14と小粒径ダイヤ13とを分散配置
する。大粒径ダイヤ14の平均粒径aと小粒径ダイヤ1
3の平均粒径bとの比a/bを、(3/2)〜(20/
1)の範囲に設定する。大粒径ダイヤ14を、砥石本体
10における外周側部分10Aに配置する。砥石本体1
0における外周側部分10Aに、小粒径ダイヤ13も配
置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばセラミック
スコンデンサーとなる焼成前の樹脂バインダー含有状態
の積層セラミックスグリーンシートのように、樹脂を含
む電子材料からなるワークを切断するために用いられる
電鋳薄刃砥石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のセラミックスコンデンサーグリ
ーンシートのような樹脂を含む電子材料は、例えば、一
枚の大きな電子材料を、電鋳薄刃砥石を用いて切断加工
することにより、所定の大きさに成形して個々の電子部
品にすることが行われる。この切断加工に用いられる電
鋳薄刃砥石は、金属めっき相中に超砥粒が分散配置され
てなる砥石本体を有するものであるが、以前より、めっ
き後の砥石本体に反りが生じやすくワークをまっすぐに
切断できなかったり、砥石本体の強度が得られにくく破
損が生じてしまうといった問題があった。
【0003】ところで、近年では、電子部品の小型かつ
高容量化が進んできており、その原材料となる電子材料
の材料付加価値も向上してきている。そのため、材料歩
留まりの向上が熱望され、電鋳薄刃砥石による切断加工
によって除去される量、すなわち、電鋳薄刃砥石の砥石
本体の厚みに依存する切断幅を極力小さくしたいという
要求があるものの、上記のような従来の電鋳薄刃砥石で
は、その砥石本体の厚みが100〜200μmに設定さ
れたものが一般的であり、十分に小さい切断幅を得るこ
とができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような切断幅を小
さくしたいという要求をもとに、砥石本体の厚みが、例
えば60μm以下に設定されたような電鋳薄刃砥石を製
造しようとした場合に、大きな粒径の超砥粒を用いよう
とすると、上述した砥石本体の反りや強度低下の問題が
より顕著になってしまうので、必然的に、粒径が8/2
0μm(平均粒径12.5μm)より小さい粒径の超砥
粒を用いなければならない、すなわち、超砥粒の平均粒
径xと砥石本体の厚みtとの比x/tが最大でも(1/
5)とならざるを得なくなってしまう。しかしながら、
このような小粒径の超砥粒が金属めっき相中に分散配置
された電鋳薄刃砥石によって電子材料の切断加工を行う
と、電子材料に含まれる樹脂によって目詰まりが生じて
しまい、切断加工を継続することできないという状況に
陥ってしまう。
【0005】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、砥石本体の反りを抑制するとともに高い強度を得る
ことができ、かつ、目詰まりの生じ難い電着薄刃砥石を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決して、
このような目的を達成するために、本発明は、金属めっ
き相中に超砥粒が分散配置されてなる略円板状の砥石本
体を有する電鋳薄刃砥石において、前記超砥粒として、
大粒径砥粒と小粒径砥粒とが用いられ、前記大粒径砥粒
の平均粒径aと前記小粒径砥粒の平均粒径bとの比a/
bが(3/2)〜(20/1)の範囲に設定され、前記
大粒径砥粒が、前記砥石本体における外周側部分に配置
されていることを特徴とする。また、前記大粒径砥粒は
ダイヤとされていることが好ましい。このような構成と
すると、近年における砥石本体の薄型化の要求を満たし
たとしても、砥石本体の内周側部分に配置された小粒径
砥粒によって、砥石本体の反りを抑制できるとともに、
この砥石本体の強度を十分に確保することができ、か
つ、金属めっき相の耐摩耗性を向上させることができ
る。さらに、切断加工に寄与する部分、すなわち、砥石
本体の外周側部分に配置された大粒径砥粒によって、目
詰まりを生じさせることなく優れた切れ味を維持するこ
とが可能となる。ここで、大粒径砥粒の平均粒径aと小
粒径砥粒の平均粒径bとの比a/bが(3/2)より小
さくなると、目詰まりの発生を抑制できなかったり、あ
るいは、砥石本体の反りや強度低下が生じてしまうおそ
れがあり、逆に、比a/bが(20/1)より大きくな
っても、耐摩耗性の向上という効果が得られなくなって
しまうおそれがある。
【0007】また、前記砥石本体における外周側部分に
は、前記小粒径砥粒も配置されているようにすると、ワ
ークの切断加工に際に生成される切屑が、大粒径砥粒を
固定している金属めっき相を摩耗させてしまうのを抑制
する効果を得ることができ、砥石寿命の延長を図ること
が可能になる。
【0008】また、前記大粒径砥粒の平均粒径aと前記
砥石本体の厚みtとの比a/tが小さすぎると、砥石本
体の厚みtを薄くしようとするときに、目詰まりを生じ
やすくなるおそれがあり、逆に、比a/tが大きすぎて
も、砥石本体の外周側部分の強度を確保することが困難
となるおそれがあるので、この比a/tは、(1/5)
〜(1/1)の範囲に設定されていることが好ましい。
【0009】また、前記大粒径砥粒が配置された前記砥
石本体の外周側部分における前記砥石本体の径方向での
長さdと前記砥石本体の外径Dとの比d/Dが小さすぎ
ると、大粒径砥粒の配置される砥石本体の外周側部分の
領域が小さくなりすぎて、優れた切れ味を確保すること
が困難となるおそれがあり、逆に、比d/Dが大きすぎ
ても、大粒径砥粒の配置される砥石本体の外周側部分の
領域が大きくなりすぎて、砥石本体の反りや強度の低下
が生じるおそれがあるので、この比d/Dは、(1/1
00)〜(1/4)の範囲に設定されていることが好ま
しい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付し
た図面を参照しながら説明する。本実施形態による電鋳
薄刃砥石は、図1及び図2に示すように、厚みtの略円
板状(正確には略リング型薄板状)を呈するものであ
り、その全体が砥粒層とされている。この砥石本体10
は、例えばNi,Coまたはこれらの合金等からなる金
属めっき相11中に、超砥粒12として、小粒径ダイヤ
13(小粒径砥粒)と大粒径ダイヤ14(大粒径砥粒)
との混粒が分散配置されたものである。
【0011】そして、超砥粒12(小粒径ダイヤ13,
大粒径ダイヤ14)のうち、小粒径ダイヤ13は、砥石
本体10の全体(外周側部分10A及び内周側部分10
B)に亘って配置されているのに対し、大粒径ダイヤ1
4は、砥石本体10の径方向の外周側部分10A(砥石
本体10の外周側に位置するリング状をなす領域)のみ
に配置されているのである。すなわち、砥石本体10の
外周側部分10Aには、小粒径ダイヤ13と大粒径ダイ
ヤ14との混粒が金属めっき相11中に分散配置され、
また、砥石本体10の内周側部分10Bには、小粒径ダ
イヤ13のみが金属めっき相11中に分散配置された状
態となっている。
【0012】また、大粒径ダイヤ14が分散配置された
略リング状の領域をなす砥石本体10の外周側部分10
Aについて、その砥石本体10の径方向での長さdは、
砥石本体10の外径Dに対する比d/Dが、(1/10
0)〜(1/4)の範囲となるように設定されている。
【0013】さらに、大粒径ダイヤ14の平均粒径aと
小粒径ダイヤ13の平均粒径bとの比a/bが、(3/
2)〜(20/1)の範囲に設定され、大粒径ダイヤ1
4の平均粒径aと砥石本体10の厚みtとの比a/t
が、(1/5)〜(1/1)の範囲に設定されている。
これらの比a/b及び比a/tが上記の範囲を満たすよ
うに、大粒径ダイヤ14の平均粒径aが10〜150μ
mの範囲内、小粒径ダイヤ13の平均粒径bが3〜50
μmの範囲内、砥石本体の厚みtが10〜200μmの
範囲内から適宜設定される。
【0014】なお、本実施形態においては、例えば、砥
石本体の厚みtが60μmに設定され、小粒径砥粒13
の粒径が8/16μm(平均粒径b=10μm)に設定
され、大粒径砥粒14の粒径が20/30μm(平均粒
径a=24μm)に設定されており、例えば、大粒径ダ
イヤ14は、砥石本体10の厚み方向に2個程度配置さ
れている。
【0015】また、小粒径ダイヤ13及び大粒径ダイヤ
14からなる超砥粒12は、金属めっき相11に対し
て、10〜40vol%の範囲に設定され、かつ、小粒
径ダイヤ13が超砥粒12に対して、50〜95vol
%の範囲に設定されている。
【0016】次に、上記のような構成とされた電鋳薄刃
砥石の製造方法の一例を、図3及び図4を用いて順を追
って説明する。 〔1〕 図3(a)に示すように、金属製の台金20を
用意するとともに、その平坦な台金面21に対して、上
記の砥石本体10における外周側部分10Aに相当する
形状をなす部分を露出させるようにしてマスキング22
を施す。
【0017】〔2〕 台金20を、めっき液で満たされ
ためっき槽内に配置した後、図3(b)に示すように、
台金面21におけるマスキング22が施されていない露
出した部分に対して、金属めっき相11を所定厚さに析
出させるとともに、粒径20/30μm(平均粒径a=
24μm)の大粒径ダイヤ14を電着固定する。この段
階では、金属めっき相11の厚みは5μm程度に抑え、
大粒径ダイヤ14を台金面21上に固定するだけにとど
めておく。このときのめっき条件としては、以下に示す
通りである。 ・めっき液:スルファミン酸ニッケル液 ・通電条件:5A/dm2×5分 ・金属めっき相厚み:5μm
【0018】〔3〕 大粒径ダイヤ14が電着された台
金20をめっき槽から取り出して、図3(c)に示すよ
うに、台金面21に対して施されたマスキング22を外
す。
【0019】〔4〕 台金面21からマスキング22が
外された台金20を、めっき液で満たされためっき槽内
に配置し、その後、図3(d)に示すように、マスキン
グ22が外された台金面21の全面に対して、金属めっ
き相11を所定厚さに析出させるとともに、粒径8/1
6μm(平均粒径b=10μm)の小粒径ダイヤ13を
電着固定する。このときのめっき条件としては、以下に
示す通りである。 ・めっき:スルファミン酸ニッケル液 ・通電条件:5A/dm2×60分 ・金属めっき相厚み:60μm
【0020】〔5〕 図4(e)に示すように、台金面
21上に小粒径ダイヤ13及び大粒径ダイヤ14が金属
めっき相11によって固着されてなるめっき品を台金2
0から剥離する。
【0021】〔6〕 図4(f)に示すように、台金2
0から剥離されためっき品における台金面21からの剥
離面は、小粒径ダイヤ13及び大粒径ダイヤ14が露出
していないので、この剥離面における金属めっき相11
をエッチングでわずかに溶解させる。このときのエッチ
ング条件としては、以下に示す通りである。 ・エッチング液:燐酸 ・通電条件:15A/dm2×1分
【0022】〔7〕 図4(g)に示すように、剥離面
にエッチングが施されためっき品の内外径を加工するこ
とにより、砥石本体10の外周側部分10Aには、小粒
径ダイヤ13と大粒径ダイヤ14との混粒が金属めっき
相11中に分散配置されるとともに、砥石本体10の内
周側部分10Bには、小粒径ダイヤ13が金属めっき相
11中に分散配置された電鋳薄刃砥石が製造される。
【0023】なお、〔5〕の工程の前に、〔1〕〜
〔4〕の工程を繰り返したり、また、〔5〕の工程の後
に、めっき品の剥離面に対して、〔1〕〜〔4〕の工程
を複数回繰り返すことにより、より厚みの厚い砥石本体
10を有する電鋳薄刃砥石を製造することもできる。
【0024】上記のような構成の電鋳薄刃砥石は、その
砥石本体10の内周側部分10Bの内周側が取り付け用
フランジで挟持されて砥石軸に装着されるとともにナッ
トで締め付け固定され、そして、砥石軸の軸線回りに回
転されつつ外周側部分10Aで、例えば、セラミックス
コンデンサーグリーンシートのような樹脂を含む電子材
料からなるワークを切断加工していく。
【0025】本実施形態による電鋳薄刃砥石では、砥石
本体10の内周側部分10Bの金属めっき相11中に分
散配置された小粒径ダイヤ13の存在により、この砥石
本体10の反りを抑制することができるとともに、砥石
本体10の強度を向上させることでき、さらには、金属
めっき相11の耐摩耗性を向上させることが可能とな
る。これは、近年高まっている砥石本体10の薄型化の
要求を満たすために、砥石本体10の厚みtを小さく設
定する、すなわち、砥石本体10の反りや強度低下が生
じやすい状態になればなるほど、顕著な効果を得ること
が可能となる。
【0026】しかも、この砥石本体10において、切断
加工に寄与する部分、すなわち、外周側部分10Aの金
属めっき相11中には大粒径ダイヤ14が分散配置され
ていることにより、上述したような樹脂を含む電子材料
からなるワークを切断したとしても、この樹脂による目
詰まりが生じるのを防止して優れた切れ味を維持するこ
とができる。
【0027】それゆえ、樹脂を含む電子材料からなるワ
ークをより小さい切断幅で切断加工することができて、
高い材料歩留まり率を得ることが可能となり、かつ、切
断曲がり、砥石本体10の破損や目詰まりといった不具
合が生じることがなく、良好な切断加工を維持し続ける
ことができる。
【0028】また、大粒径ダイヤ14の平均粒径aが小
粒径ダイヤ13の平均粒径bに対して小さすぎると、砥
石本体10の外周側部分10Aに配置される大粒径ダイ
ヤ14の粒径が小さくなって目詰まりを生じさせてしま
ったり、あるいは、砥石本体10の内周側部分10Bに
配置される小粒径ダイヤ13の粒径が大きくなって砥石
本体10の反りや強度低下を生じさせたりするおそれが
あり、一方、大粒径ダイヤ14の平均粒径aが小粒径ダ
イヤ13の平均粒径bに対して大きすぎると、耐摩耗性
の向上の効果が得られなくなってしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態では、大粒径ダイヤ14の平均
粒径aと小粒径ダイヤ13の平均粒径bとの比a/bを
(3/2)〜(20/1)と最適な範囲に設定したこと
により、砥石本体10の反りや強度低下を抑制し、か
つ、目詰まりの発生を抑制することができる。なお、上
述したような効果をより確実なものとするために、比a
/bは、(3/1)〜(10/1)の範囲に設定されて
いることが好ましい。
【0029】加えて、砥石本体10における外周側部分
10Aには、大粒径ダイヤ14だけでなく、小粒径ダイ
ヤ13も配置されていることにより、ワークの切断加工
に際に生成される切屑、例えばセラミックス粒子が、大
粒径ダイヤ14を固定している金属めっき相11を摩耗
させてしまうのを抑制する効果を得て、砥石寿命の延長
を図ることが可能になる。
【0030】また、大粒径ダイヤ14の平均粒径aと砥
石本体10の厚みtとの比a/tが、(1/5)〜(1
/1)と適度な範囲に設定されていることによって、目
詰まりの発生を抑制することができ、かつ、砥石本体1
0の外周側部分10Aの強度を落としてしまうこともな
い。ここで、この比a/tが(1/5)より小さくなる
と、目詰まりを生じやすくなるおそれがあり、また、比
a/tが(1/1)より大きくなっても、砥石本体10
の外周側部分の強度を確保することが困難となるおそれ
がある。なお、上述したような効果をより確実なものと
するためには、比a/tは、(1/3)〜(1/1)の
範囲に設定されていることが好ましい。
【0031】また、大粒径ダイヤ14が配置された砥石
本体10の外周側部分10Aにおける砥石本体10の径
方向での長さdと砥石本体10の外径Dとの比d/D
が、(1/100)〜(1/4)の範囲に設定されてい
ることにより、大粒径ダイヤ14の配置された砥石本体
10の外周側部分10Aの領域を適度な範囲に設定でき
て、良好な切れ味を維持しつつも、砥石本体10の反り
や強度の低下を生じさせてしまうことがない。ここで、
この比d/Dが(1/100)より小さくなると、優れ
た切れ味を確保することが困難となるおそれがあり、ま
た、比d/Dが(1/4)より大きくなると、砥石本体
10の反りや強度の低下が生じるおそれがあるなお、上
述したような効果をより確実なものとするためには、比
d/Dは、(1/40)〜(1/10)の範囲に設定さ
れていることが好ましい。
【0032】また、上記の実施形態で示した電鋳薄刃砥
石における数値範囲の規定について、砥石本体10の厚
みtは10〜100μmの範囲に設定され、大粒径ダイ
ヤ14の平均粒径aは10〜50μmの範囲に設定さ
れ、小粒径ダイヤ13の平均粒径bは3〜10μmの範
囲に設定され、超砥粒12の金属めっき相11に対する
割合は20〜35vol%とされ、小粒径ダイヤ13の
超砥粒12に対する割合は60〜80vol%とされて
いることが好ましい。
【0033】なお、本実施形態においては、砥石本体1
0における外周側部分10Aには、大粒径ダイヤ14だ
けでなく、小粒径ダイヤ13までも配置されているが、
これに限定されることなく、この外周側部分10Aに
は、大粒径ダイヤ14のみが配置されるようにしても構
わない。
【0034】また、本実施形態においては、大粒径砥粒
として大粒径ダイヤ14、小粒径砥粒として小粒径ダイ
ヤ13を用いているが、これに限定されることなく、こ
れら小粒径砥粒及び大粒径砥粒のうちの少なくとも一方
に、他の超砥粒、例えばcBNを用いることも可能であ
る。
【0035】さらには、砥石本体10に対して、切断加
工時に生じる切屑を取り込むとともに外部に排出しやす
くして目詰まりを生じにくくし、かつ、冷却水を切断加
工面により多く導く目的から、外周縁から径方向内周側
に向けて所定間隔で複数のスリットを形成することも可
能である。
【0036】
【実施例】以下、本発明の一例(上記の実施形態で説明
した製造方法によって製造された電鋳薄刃砥石)を実施
例とし、これに対して、粒径が20/30μm(平均粒
径24μm)の大粒径ダイヤが超砥粒として用いられた
ものを比較例1とし、さらに、粒径が8/16μm(平
均粒径10μm)の小粒径ダイヤが超砥粒として用いら
れたものを比較例2として、比較試験を行った。これら
実施例及び比較例1,2の評価としては、めっき上がり
の砥石本体の反りと、セラミックスグリーンシートの切
断特性評価という2点で行った。
【0037】〔評価1〕 めっき後の反り状態 それぞれのめっき上がりの砥石本体の反り状態を確認す
るために、セラミックス定盤の上に砥石本体を静置し、
この定盤と砥石本体の隙間を隙間ゲージで測定した。こ
の結果を以下に示す。 ・実施例 : 0.1mm ・比較例1 : 2.0mm ・比較例2 : 0.1mm
【0038】〔評価2〕 切断加工試験 切断条件 1)ワーク セラミックスグリーンシート サイズ75
×75×0.8mm 2)切断機 東京精密製ダイサーAW−100A 3)ブレード回転数 30,000回転 4)送り 100mm/sec 5)グリーンシート固定方法 テープ接着 6)テープ仕様 東洋化学製発泡剥離シート 7)切り込み 0.9mm 8)クーラント 市水1.5リッター/min 9)切断ピッチ 1.2mm この結果を以下に示す。 ・実施例 : シート10枚切断しても問題なし ・比較例1 : シート1枚目から切断曲りが発生した
ため試験中止 ・比較例2 : シート1枚を切断可能だが、2枚目途
中に目詰まりが発生して 切断加工が継続不可能
【0039】以上の評価1,2から分かるように、本発
明の一例である実施例では、砥石本体の反りを0.1m
mに抑制でき、また、切断試験においても、何の不具合
も生じることがないという優れた結果が得られた。ま
た、超砥粒として大粒径ダイヤのみが用いられた比較例
1では、砥石本体の内周側部分にもこの大粒径ダイヤが
用いられているため、砥石本体の反りが2mmとなっ
て、反りを抑制することができず、これにより、切断試
験においても、切断曲がりが生じてしまった。さらに、
超砥粒として小粒径ダイヤのみが用いられた比較例2で
は、砥石本体の反りを0.1mmに抑制することができ
たものの、切断加工に寄与する部分に小粒径ダイヤが用
いられているために、すぐに目詰まりが発生して切断加
工を継続することが不可能になってしまった。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による電鋳
薄刃砥石によれば、超砥粒として、大粒径砥粒と小粒径
砥粒とが用いられるとともに、大粒径砥粒が砥石本体に
おける外周側部分に配置されていることから、近年にお
ける砥石本体の薄型化の要求を満たしたとしても、砥石
本体の内周側部分に配置された小粒径砥粒によって、砥
石本体の反りを抑制できるとともに、この砥石本体の強
度を十分に確保することができ、さらに、切断加工に寄
与する部分、すなわち、砥石本体の外周側部分に配置さ
れた大粒径砥粒によって、目詰まりが生じるのを抑制す
ることができる。それゆえ、樹脂を含む電子材料からな
るワークをより小さい切断幅で切断加工することができ
て、高い材料歩留まり率を得ることが可能となり、か
つ、切断曲がり、砥石本体の破損や目詰まりといった不
具合が生じることがなく、良好な切断加工を維持し続け
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態による電鋳薄刃砥石の平面図で
ある。
【図2】 図1におけるX−X線断面図である。
【図3】 本実施形態による電鋳薄刃砥石の製造工程
を示す説明図である。
【図4】 本実施形態による電鋳薄刃砥石の製造工程
を示す説明図である。
【符号の説明】
10 砥石本体 10A 外周側部分 10B 内周側部分 11 金属めっき相 12 超砥粒 13 小粒径ダイヤ(小粒径砥粒) 14 大粒径ダイヤ(大粒径砥粒)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C063 AA02 AB03 BA02 BB02 BB21 BC02 CC12 EE01 EE31 FF08 FF11 FF23

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属めっき相中に超砥粒が分散配置され
    てなる略円板状の砥石本体を有する電鋳薄刃砥石におい
    て、 前記超砥粒として、大粒径砥粒と小粒径砥粒とが用いら
    れ、 前記大粒径砥粒の平均粒径aと前記小粒径砥粒の平均粒
    径bとの比a/bが、(3/2)〜(20/1)の範囲
    に設定され、 前記大粒径砥粒が、前記砥石本体における外周側部分に
    配置されていることを特徴とする電鋳薄刃砥石。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電鋳薄刃砥石におい
    て、 前記砥石本体における外周側部分には、前記小粒径砥粒
    も配置されていることを特徴とする電鋳薄刃砥石。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の電鋳薄
    刃砥石において、 前記大粒径砥粒の平均粒径aと前記砥石本体の厚みtと
    の比a/tが、(1/5)〜(1/1)の範囲に設定さ
    れていることを特徴とする電鋳薄刃砥石。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の電鋳薄刃砥石において、 前記大粒径砥粒が配置された前記砥石本体の外周側部分
    における前記砥石本体の径方向での長さdと前記砥石本
    体の外径Dとの比d/Dが、(1/100)〜(1/
    4)の範囲に設定されていることを特徴とする電鋳薄刃
    砥石。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の電鋳薄刃砥石において、 前記大粒径砥粒がダイヤとされていることを特徴とする
    電鋳薄刃砥石。
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