JP2003205213A - フィルター装置 - Google Patents

フィルター装置

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JP2003205213A JP2002006456A JP2002006456A JP2003205213A JP 2003205213 A JP2003205213 A JP 2003205213A JP 2002006456 A JP2002006456 A JP 2002006456A JP 2002006456 A JP2002006456 A JP 2002006456A JP 2003205213 A JP2003205213 A JP 2003205213A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば半導体に使用されるプロセスガスなど
の気体、その他の流体を精度よくかつ効率よく濾過しう
るフィルター装置を提供する。 【解決手段】 外側に位置する外フィルターと、その内
側に配置した内フィルターとを具え、外フィルターの一
方の端部と内フィルターの一方の端部とが接合し、かつ
この内フィルターの他方の端部を実質的に封止すること
によって、前記外フィルターと内フィルターとで囲まれ
た濾過室を形成するとともに、少なくとも前記内フィル
ターは、多孔質の支持体と、前記濾過室に面する外周面
側に積層され、かつ該支持体より微細な空孔を持つ微細
層との積層濾材からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体に使
用されるプロセスガスなどの気体、その他の流体を精度
よくかつ効率よく濾過しうるフィルター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属短繊維、金属粉末などの微細
金属体を焼結成形した多孔質金属焼結体は、各種流体内
の不純粒子を濾過により除去処理するための金属フィル
ターとして、特に近年では例えば半導体製造用のプロセ
スガス中に含まれている0.1μmという微細粒子を高
精度で除去するフィルターとして利用されている。
【0003】またこのような金属フィルターは、さらに
次のような多くの利点を有することから、前記プロセス
ガス以外にも、各種の腐食性ガスなどの気体、ポリマー
などの高粘度液体を含む流体の濾過のために幅広い用途
で使用されている。 用いる金属粉末、金属短繊維の材料の種類、大きさ
によって濾過特性の調整が可能なこと。 機械加工性に優れ、溶接、後加工ができ、ハウジン
グなど他の部品との接合が容易であること。 機械的強度が大きく、高い耐圧性と延性とを有する
こと。 耐熱性、耐食性に優れ、腐食環境や高温環境下での
使用ができ、ベーキングなどの加熱処理することができ
ること。
【0004】ところで、一般にフィルター製品は、特に
濾過精度と圧力損失、寿命特性などの濾過特性ととも
に、設置されるスペースを小としつつ濾過面積を確保す
る体積効率性も重要な因子となる。
【0005】本出願人は、濾過特性の向上を図るものと
して、例えば国際公開WO−93/06912号公報で
は、多孔質金属からなる支持体と、その表面に微細粒子
を吸引成形することで形成した微細層とからなる積層フ
ィルター、特開2000−185209号公報では、前
記支持体の表面を凹凸状に形成するとともに、その凹凸
に沿って微細層を形成することで濾過面を凹凸状とした
金属フィルターを提案している。
【0006】そして、後者の提案にかかる金属フィルタ
ーは、表面を平坦とする場合に比して、凹凸状濾過面を
有することによって1.3倍以上、例えば2.03倍に
まで濾過面積を高めうることを記載している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような金属フィル
ターにおいて、より濾過面積を増すには、凹凸、即ち起
伏の程度をさらに大きくすることが考えられるが、まず
フィルター径が例えば20mm以下のような小径フィルタ
ーでは、周面が小さいことから形成しうる凹凸数には限
界があり、またその凹凸、起伏部の高さを増大し、又は
起伏形状を複雑にして濾過面積を増すことは、複雑な金
型を要し、かつ生産を困難にするとともに、得られる製
品の品質、特性にバラツキが生じるなどの新たな問題が
発生する。
【0008】換言すると、濾過面積を大きくする為に、
起伏の高さを大きくしかも起伏の間隔を狭くすること
は、吸引成形により微細層を形成する場合において、そ
の微細粒子が、吸引とともに起伏部の谷を橋絡して埋め
尽くしがちとなり、大して濾過面積を増加しえない。
【0009】本発明は、かかる課題を解決し、濾過面積
を増しうるフィルター装置の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に係る発明
は、外側に位置する外フィルターと、その内側に配置し
た内フィルターとを具え、外フィルターの一方の端部と
内フィルターの一方の端部とを接合し、かつこの内フィ
ルターの他方の端部を実質的に封止することによって、
前記外フィルターと内フィルターとで囲まれた濾過室を
形成するとともに、少なくとも前記内フィルターは、多
孔質の支持体と、前記濾過室に面する外周面側に積層さ
れ、かつ該支持体より微細な空孔を持つ微細層との積層
濾材からなることを特徴とするフィルター装置である。
【0011】さらに請求項2に係る発明は、前記内フィ
ルターの前記微細層は、該内フィルターの横断面におい
て、折れ曲りを繰り返す凹凸状濾過面を形成することを
特徴とし、請求項3に係る発明は、前記凹凸状濾過面
が、該内フィルターの長さ方向にのびる峰部と谷部とを
交互に設けることにより形成されたこと、請求項4に係
る発明は、前記外フィルターと内フィルターとが、多孔
質の支持体と、その外表面に積層され該支持体より微細
な空孔を持つ微細層とからなる同種の積層濾材によって
形成されたことを特徴としている。
【0012】このような構成にすることによって、フィ
ルター装置における濾過面として、外フィルターと内フ
ィルターとを活用することができ、濾過面積を拡大しう
る。しかも少なくとも、内フィルターの外周面側に微細
層、即ち実質的な濾過層を濾過室に面して形成している
ため、小径の内フィルターでありながらも、より広い濾
過面を有するフィルターとして活用できる。
【0013】また、これらフィルターには、種々な流体
を濾過処理するに際して被処理流体の濾過圧が加わるこ
とから、この濾過圧によって変形、破壊が生じない耐圧
強度を備えることが要請されるが、本発明のような2筒
式のフィルター装置の内フィルターではそれ自体の形状
は比較的小さいものであるため、支持体の外周面側に微
細層を有する積層濾材を用いることにより、全体的な耐
圧を下層側の支持体によって担持させることができ、ま
たこのように少なくとも前記内フィルターの微細層を、
比較的厚さの厚い支持体の表面、即ち外周面側に形成さ
せることとしているため、仮にその外径が例えば10mm
以下のような小径フィルターである場合にあっても、前
記凹凸の繰り返し数を増すことができ、濾過面積の増大
を図ることとなる。また内フィルターの前記微細層は、
例えば特開2000−185209号公報に記載のよう
に、それ単体では濾過圧に耐え得ない程度の比較的薄い
層状で形成した薄膜層が利用でき、低圧損で濾過特性に
すぐれたものとなる。
【0014】なお、請求項2の発明のように、支持体と
して外表面に複数の凹凸を形成した比較的肉厚の多孔質
体を用いたときには、凹凸表面上に沿って微細粒子によ
る微細層を形成するものであって、実質的な濾過は該微
細層で行うものとしており、前記微細層の形成厚さは例
えばフィルター全体厚さの1/5以下、好ましくは1/
10以下の厚さとするのがよい。
【0015】また、小径となる内フィルターの特に外周
面側にこのような凹凸状に起伏した微細層を形成するこ
とは、その内周面側に設けた場合に比して曲率径が大き
いことから、該凹凸部を大きくできるとともにその数を
多くすることもでき、結果的に濾過面積を高めることと
なる。このように、内フィルターに微細層を設ける場合
にはその外周面側に設けるのがよいことが判る。
【0016】さらに、このような微細層を凹凸形成した
積層濾材を前記外フィルターとして用いることも可能で
あり、このとき前記支持体は、空孔が比較的大きいこと
から濾過室の一部と見ることができるため、例えば内フ
ィルターの外径を太くし外フィルターの内径に近づけた
場合にあっても、両フィルターの微細層間には外フィル
ターの前記支持体によって十分な濾過室を確保すること
ができ、被処理流体の流過量、流出特性が低下するのを
防ぎうる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるフィルター
装置1の一実施の形態を図面に基づき説明する。図1,
2において、フィルター装置1は、外フィルター2と、
その内側に配した内フィルター3とを具え、この外フィ
ルター2と内フィルター3との一方の端部2a,3aと
を接合し、かつこの内フィルター3の他方の端部3bを
実質的に封止することによって、前記外フィルター2と
内フィルター3との間に濾過室12を形成している。
【0018】また少なくとも内フィルター3は、多孔質
の支持体4Aと、この支持体4Aの外周面側に積層した
微細な空孔を有する微細層5Aとを積層した積層濾材か
らなることにより、前記微細層5Aは濾過室12側に位
置している。
【0019】なお、本形態では、前記外フィルター2は
比較的太径の円筒体であり、また内フィルター3として
は、外フィルター2の内腔に間隙を有して挿入しうる該
外フィルター2よりもより小径かつ短寸であって,しか
も本形態ではその他端側3bは一体な底部を有すること
により他方の端部3bを実質的に封止する有底筒状体を
用いている。また外、内のフィルター2,3の前記一方
の端部2a,3aは、図1、2に示すように、中央に被
処理流体が流通する通孔10aを有する基板部10Aの
外周側に鍔10Bを形成した第1の端板10に、リーク
のない気密状態でともに固着されることにより、前記一
方の端部2a,3aとは、この第1の端板10を介して
接合されている。
【0020】前記鍔10Bは、例えば外フィルター2の
位置決めを容易にし、かつ外フィルターとの結合面積を
増して補強するが、過度に深くすることは濾過面積を減
ずることとなる。なお第1の端板10は鍔10Bを具え
ない単なる平板状とすることもできる。
【0021】さらにこの第1の端板10と、前記端部2
a,3aとの接合は、例えばろう付けや溶着などが簡易
かつ確実な方法であるが、かしめやねじ込みなどの機械
的方法によるもの、又は第1の端板10を用いることな
く両フィルターの端部同士を直接結合することも、さら
にはこのような接合によることなく外フィルター2,内
フィルター3を前記濾過室12を有する一体成形品とし
て形成することもできる。また外、内フィルター2,3
は、前記のように円筒状体とすることも、例えば角形筒
状、円錐状、角錐状などの種々な形状とすることもでき
る。
【0022】また前記外フィルター2の他端部2bは、
第2の端板11に例えばろう付けによって密に固着さ
れ、またこの第2の端板11は、基板部11Aの内向き
面外周に前記外フィルター2を嵌入しうる鍔11Bを形
成し、外向き面には取付用のボス11Cを突設するとと
もに、通孔11aを中心に透設している。又前記鍔11
Bには、該外フィルター2、及び前記第1の端板10と
間隙を有してフィルター装置1を包む主部13Aに、取
付用のボス13Bを中心に設け、かつ前記第1の端板1
0の通孔10aと同心な通孔13aを有するハウジング
13を固着しており、従ってフィルター装置1は、前記
通孔11a、13aを残して該ハウジング13によって
遮蔽されている。
【0023】なお、ハウジング13の前記ボス11C、
13Bの外面には例えばねじ部が形成され、図示しない
配管に接続されることにより、被処理流体Aは、例えば
通孔13aからハウジング13内に送られ、通孔10
a、及び前記ハウジング13とフィルター装置1との間
の前記間隙を通り、外、内フィルター2,3で濾過され
た後、濾過室12を経て通孔11aから取り出される。
【0024】前記のごとく、内フィルター3は、多孔質
の支持体4Aと、この支持体4Aの外周面側に積層した
微細な空孔を有する微細層5Aとを積層した積層濾材か
らなり、また本形態では、図4に示すごとく、外フィル
ター2も、前記内フィルター3と同種の多孔質の支持体
43と、この支持体4Bの外側面側に積層した同種の微
細層5Bとを有し一体焼結された積層濾材を用いてい
る。なお、区別する場合を除いて、以下支持体4A、4
Bを支持体4と、微細層5A、5Bを微細層5と総称す
る。
【0025】図4に示すように、前記支持体4は、この
外フィルター2、内フィルター3の強度を保ちかつ前記
微細層5を支持するものであり、又微細層5はフィルタ
ーとしての実質的な濾過機能を発揮するものであって、
濾過に必要な微細空孔を有している。従って支持体4は
微細層5に比して肉厚で、比較的大きな径の空孔を有
し、ステンレス鋼、ニッケルなどの例えば直径10〜1
00μm程度の金属粉末の焼結体が用いられる。
【0026】また支持体4は、ともに前記微細層5を凹
凸に起伏させ濾過面積を増大するため、図1〜3に示す
ように、本形態ではその外周面を長手方向にのびる山状
の峰部6,谷部7を交互に周方向に隔設することによ
り、横断面において、外周面を、折れ曲りを繰り返す凹
凸状の起伏形状としている。なおその周方向ピッチは不
等間隔でもよいが、好ましくは等間隔とし、濾過特性の
均一性を高めるのがよい。なお内周面、乃至双方を凹凸
状とすることができる。
【0027】このような支持体4は通常、図7に示すよ
うな、内型20と外型21との間に粉末を充填し加圧成
形した型成形品を焼結することにより製造でき、例えば
外型21の内面に切り込み溝21Aを形成することによ
り峰部6を有する凹凸の前記外周面を形成する。
【0028】このような凹凸状の外周面に、前記小厚さ
の微細層5を形成することによって、微細層5はその表
面、即ち外周面に沿って凹凸状に起伏させた形状の凹凸
状濾過面5aを形成でき、これにより、単なる円筒状の
場合に比して濾過面積を増加できる。
【0029】この起伏状態としては、図5に例示するご
とく、凹凸状濾過面5aの峰部6aが周方向に隣り合う
周方向ピッチPを、前記峰部6a,6a間の谷部7a
(凹凸状濾過面5a)の谷底7a1からの該峰部6aの
山頂6a1までの隆起高さHの1.2〜4.0倍程度と
するのがよく、例えば、隆起高さHが過大、周方向ピッ
チPが相対的に過小である場合には、橋絡現象によって
高さHを減じたり、谷底7a1まで微細層5を被覆する
ことが困難となる。また好ましくは、周方向ピッチPを
例えば0.5〜10mm(好ましくは1〜8mm程度、さら
に好ましくは2〜6mm程度)とし、かつ隆起高さHも例
えば0.5〜6mm程度(好ましくは1〜3mm程度)とす
るのがよく、フィルタの使用目的に応じて、また必要と
なる濾過精度、濾過効率により適当な範囲に設定され
る。
【0030】また前記峰部6a及びその間の谷部7aで
は、山頂6a1、谷底7a1を含めて被覆面全体に亘っ
て鋭部が生じないようにその全面を滑らかな曲面状し、
しかも山頂6a1に向かって溝巾が増大する半径方向外
に拡がる末広がり状あるいは波型状に形成する。
【0031】微細層5は前記のように凹凸状濾過面5a
を具えることにより、この凹凸状濾過面5aの実濾過面
積S1と、凹凸に形成しない場合の基準濾過面積S0と
の面積比S1/S0を1.3以上とする。なお実濾過面
積S1とは、前記凹凸状濾過面5aをその起伏面に沿っ
て実際に計測した濾過面面積をいい、基準濾過面S0と
は前記の峰部6からなる凹凸を有しないときの中間高さ
(1/2・H)を通る面に前記濾過層の平均厚さの微細
層5を設けた場合の濾過面積をいう。
【0032】この面積比が1.3未満の場合には、前記
したように濾過面積の増大が充分とはいえず、起伏間隔
を広くしたものでは製品取扱い時などでの不注意による
例えば落下や打ち当てによって表面損傷を招きやすいも
のとなる。なおこの面積比が過大となると成形性に劣
り、従って5以下、好ましくは1.5〜3.0程度とす
るのがよい。
【0033】前記微細層5は、実質的に濾過機能を発揮
する部分であって、前記支持体4よりも空孔径を小とす
るため、使用する粉状体を微細としている。またこのフ
ィルタが半導体製造用のプロセスガスなどの精密濾過用
として使用される場合にあっては、0.01μm以上、
より好ましくは0.003μm以上の大きさを対象とす
る微小パーティクルを10-10 個以下乃至それ以下とす
る精度を具えるために、使用する粉状体を選択する。粉
状体として、微小な金属粒子、金属短繊維、又はその混
合体などを用いうる。
【0034】前記金属粒子としては例えば0.5μm以
下程度の直径の粉状体を使用するのがよく、またたとえ
ばステンレス鋼SUS316Lなど耐食性に優れた材料
が好ましい。
【0035】また前記金属短繊維としてアスペクト比
(L/d)の平均値が2〜20程度のものを20%〜8
0%の重量比で含ませる(100%とすることもでき
る)ことにより、焼結体は、各短繊維の絡み付きが大き
く、バインダーを要することなく保形でき、形成される
空孔も立体的な三次元空孔となって空孔率を高くするこ
とができる。更に金属短繊維の直径を例えば0.5〜5
μm程度の太さとするのがよい。またこうした金属短繊
維としては、例えば特公昭63−63645号が開示す
る結晶調整化熱処理によりえられる切断端部にダレ発生
が無いものが好適に使用できる。
【0036】また微細層5は前記のように凹凸状濾過面
5aを具えるとともに、微細層5の厚さTについて、図
5に示す如く、前記谷部7aの谷底7a1における前記
微細層5の平均厚さT7を峰部6aの山頂6a1の平均
厚さT5よりも厚くしている。
【0037】なお、前記金属短繊維を用いるときには、
例えば谷底7a1での濾過層の平均厚さT7は0.2〜
1mm、山頂6a1での平均厚さT5を0.05〜0.8
mm程度とし、実質的にはそれ単独では濾圧に耐えない程
の薄さとして濾過特性の向上を図るのがよく、又全体に
わたり厚さの急激な変化部分がなく徐々に厚さが変化す
る部分を有してなめらかに厚さが変化するようにされて
いる。
【0038】このような厚さTの分布は、支持体4の厚
さが大となる峰部6aの山頂6a1での微細層3の平均
厚さT5を減じることとなり、前記のように濾過面を滑
らかな曲面状に形成したことと相まって、支持体2の厚
さの変動を吸収して、フィルター全体における流れ特性
のバランスを図っている。
【0039】このように、峰部6a,谷部7aにおいて
微細層5の厚さTを変化させることにより支持体4の厚
さ変化による濾過抵抗を相殺し、凹凸状濾過面5aの全
体的な濾過抵抗を均一化しつつ濾過面積を増大させてい
る。なお凹凸状濾過面5aは、前記したようなフィルタ
ー中心軸方向に連なる峰部6a以外に、例えば半球状の
断続、乃至散在形状に形成したものでもよい。
【0040】また、このような微細層5は、例えば前記
した本出願人の提案にかかる国際公開W093/069
12号公報において開示した、支持体4の凹凸の外周面
に沿わせて懸濁液中の粉状体を吸引することにより積
層、成形できる懸濁浸漬法が採用できる。
【0041】なお、本形態では外フィルター2の前記支
持体4Bは、予め有底筒状に成形して懸濁浸漬成形後に
微細層5Bと一体焼結された焼結品の底部を切り落とし
て円筒状とし、また両端開口の円筒状の支持体4Bを用
いるときにはその一端を閉止して浸漬する。他方、内フ
ィルター3の支持体4Aは、前記のように、有底の筒状
体として形成することにより前記他端部3bを閉じてい
る。また、その形状については、前記筒型以外にも例え
ば円錐形などにすることもできる。
【0042】こうして得られた成型品は各々焼結炉内に
セットして、温度1050℃程度の無酸化雰囲気中での
焼結を行ない多孔性焼結品である外フィルター2、内フ
ィルター3を形成する。この積層濾材として金属短繊維
を用いたものでは、各短繊維が三次元的にランダム配向
した微細層5となることから、例えば0.003μmの
パーティクルを10-11 個の精度で濾過でき、しかも圧
力損失を低減できる。
【0043】なお本発明の前記形態では、外フィルター
2と内フィルター3とを同種の積層濾材とし、また微細
層5を共に外周面側に位置させている。このように構成
したフィルター装置では、内フィルター3上の微細層5
Aと外フィルター2上の微細層5Bとの間に前記粗な支
持体4Bが介在しているため、この支持体4Bが抵抗の
少ない流通部材となることから実質的に濾過室12その
ものとして活用され、その結果、外、内フィルター2,
3間の間隙を減じて内フィルター3の外径を大とし濾過
面積の増大を図ることが可能となる。また本発明では例
えば外フィルター2には微細層5Bのみを有するフィル
ターを用いてもよく、また外フィルター2、又は内フィ
ルター3として支持体4と微細層5との間に数種の異な
る第2層、第3層を介在させた積層部材とすることもで
きる。さらに図4に示すように、外フィルター2の内部
に複数個、例えば2個の円形、非円形の内フィルター
2,2を挿着することもできる。
【0044】(具体例1)ステンレス鋼アトマイズド粉
末(平均粒径5μm)を図7に示す内型20、外型21
間の間隙内に充填し加圧成形するとともに焼結すること
により、比較的長い外径15mm、内径9mmの多孔性焼結
の筒状体を得た。筒状体は平均空孔率38%、空孔5μ
mであり、かつその外周には周ピッチ(本例では谷巾と
もなる)2mm、高さ2mm程度の12本の峰部が連続して
形成されている。なお成形は金型において19.6MP
aで加圧しさらに温度1150℃×30min の条件で焼
結を行った。なお、前記成形型は処理途中での任意の早
い段階で取り去ることとし、製品への型具による影響を
極力軽減した。
【0045】次にこの筒状体を長さ50mmに切断して外
フィルター用の支持体とし、その一端を閉じた。同様に
して、外方に6mmの峰部を有する外径7mm、内径3mmの
内フィルター用の有底支持体を形成した。これらをステ
ンレス鋼短繊維(繊維径2μm、平均アスペクト比8)
を純水中に所定濃度で懸濁した懸濁液中に、前記両支持
体を浸漬して真空ポンプ24によって、例えば0.1M
Paの圧力で約5秒間吸引させ、前記金属短繊維の微細
層層を支持体2の表面上に0.2mmの厚さを付与し積層
成形した。
【0046】こうして得られた2つの金属フィルタは、
その外面側を前記微細層で覆われ、かつ凹凸状濾過面を
持つ積層品であり、つぎに焼結炉内にセットして、温度
1050℃の無酸化雰囲気中での焼結を行った。図6は
この処理で得られた焼結品の断面写真(100倍)の一
例である。
【0047】またこの断面における濾過層3の厚さ分布
を調べた結果、その谷底では0.5mm、山頂では0.1
mmの厚さで、同時にその表面積は滑らかに湾曲して積層
されていることが確認され、前記面積比S1/S0は
2.03となっていた。またこのフィルターは、0.0
1μmm以下の精度を有し、また濾過層表面欠陥の有無を
調べたが、起伏構造で有りながらも亀裂や剥離などの発
生がなく、濾過層全面を有効に使用できる特性のもので
あった。
【0048】(具体例2)次に、こうして作成したフィ
ルター装置の濾過性能を評価する為、図9の流量差圧測
定装置にセットし、試験流体として窒素ガスを0〜50
SLM送給した時のフィルター前後の圧力差(圧損)を
求めた。その図8はその結果を示したもので、実線は本
発明による2筒式のもの、また破線は外フィルターのみ
用いたものの結果である。
【0049】この結果から明らかなように、本発明によ
るフィルター装置は、各流量とも圧損を3〜4割程度軽
減でき、所定容積当たりの濾過効率を高めることができ
た。
【0050】
【発明の効果】このように、請求項1に係る発明のフィ
ルター装置は、外、内フィルターを用いて濾過面積の増
加を可能とし、かつ内フィルターが支持体の外周面に微
細層を設けた構造としているため、例えば半導体製造用
ガスをはじめ、空気、水などに幅広く用い得るととも
に、高精度で高効率の濾過特性を達成することができ
る。
【0051】又請求項2に係る発明は、内フィルターの
前記微細層は、該内フィルターの長さ方向中心線と直角
な断面において、折れ曲りを繰り返す凹凸状濾過面を形
成するため濾過面積を増しうることとなる。
【0052】又請求項3に係る発明では、前記凹凸状濾
過面が、内フィルターの長さ方向にのびる峰部と谷部と
を交互に設けることにより形成されているため、形状、
品質が安定したものとなり、また請求項4の発明のごと
く、前記外フィルターをも、多孔質の支持体と、その外
表面に積層され該支持体より微細な空孔を持つ微細層と
からなる積層濾材によって形成することにより、フィル
ター装置全体としての濾過性能の向上させうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を例示する断面図であ
る。
【図2】外フィルターと、内フィルターとを分離して示
す断面図である。
【図3】前記フィルター装置の外、内フィルターの断面
図である。
【図4】フィルター装置の他の実施例を示す断面図であ
る。
【図5】支持体と微細層を例示する拡大断面図である。
【図6】外、内フィルターの切断断面図である。
【図7】成形金型を例示する断面図である。
【図8】テスト結果を例示する線図である。
【図9】フィルター装置の性能の測定する流量測定装置
のブロック図である。
【符号の説明】
1 フィルター装置 2 外フィルター 3 内フィルター 4、4A,4B 支持体 5、5A,5B 微細層 5a 凹凸状濾過面 6 峰部 7 谷部 10,11 端板 12 濾過室

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外側に位置する外フィルターと、その内側
    に配置した内フィルターとを具え、外フィルターの一方
    の端部と内フィルターの一方の端部とを接合し、かつこ
    の内フィルターの他方の端部を実質的に封止することに
    よって、前記外フィルターと内フィルターとで囲まれた
    濾過室を形成するとともに、 少なくとも前記内フィルターは、多孔質の支持体と、前
    記濾過室に面する外周面側に積層され、かつ該支持体よ
    り微細な空孔を持つ微細層との積層濾材からなることを
    特徴とするフィルター装置。
  2. 【請求項2】前記内フィルターの前記微細層は、該内フ
    ィルターの横断面において、折れ曲りを繰り返す凹凸状
    濾過面を形成することを特徴とする請求項1に記載のフ
    ィルター装置。
  3. 【請求項3】前記凹凸状濾過面は、該内フィルターの長
    さ方向にのびる峰部と谷部とを交互に設けることにより
    形成されたことを特徴とする請求項2に記載のフィルタ
    ー装置。
  4. 【請求項4】前記外フィルターと内フィルターとは、多
    孔質の支持体と、その外表面に積層され該支持体より微
    細な空孔を持つ微細層とからなる同種の積層濾材によっ
    て形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のフィルター装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010142785A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Nippon Seisen Co Ltd フィルター組立体、及びその為の金属製濾過体

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