JP2003205095A - 遊技機 - Google Patents

遊技機

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JP2003205095A
JP2003205095A JP2002006635A JP2002006635A JP2003205095A JP 2003205095 A JP2003205095 A JP 2003205095A JP 2002006635 A JP2002006635 A JP 2002006635A JP 2002006635 A JP2002006635 A JP 2002006635A JP 2003205095 A JP2003205095 A JP 2003205095A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遊技を継続することで興趣を得ることができ
る遊技機を提供すること。 【解決手段】 「7」のリーチ図柄によるリーチ表示が
現出した後の30回の変動表示が行われる期間をチャン
スタイムとし、そのチャンスタイム中の変動表示にリー
チ表示が3回現出する場合には、乱数カウンタに大当た
りが発生する値である「7」を書き込み、その値を変動
表示のデータとして図柄回転メモリに記憶する。このた
め、チャンスタイム中の変動表示にリーチ表示が3回現
出した場合、その3回目のリーチ表示を現出する変動表
示は大当たりとなって、遊技状態は、特別遊技状態へと
遷移する。よって、複数回の変動表示に跨った演出を行
うことができると共に、段階的な演出を行うことができ
るので、遊技者は同じパチンコ機Pでの遊技を継続する
ことで興趣を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、パチンコ機やス
ロットマシンに代表される遊技機に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来、パチンコ機等の遊技機において
は、様々なバリエーションの変動表示ゲームが行われる
ものが主流である。この変動表示ゲームは、表示装置
(例えば、LCD)に複数個の図柄を表示し、所定の遊
技条件に基づいてその複数個の図柄をスクロールして変
動させるものである。そして、図柄のスクロールが停止
した際に(所定の停止位置において)、停止図柄が予め
定められた組み合わせとなっている場合に、遊技の状態
を遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、大当たり)
とするものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、この
変動表示ゲームは、1回の変動表示でゲームが完結して
いるため、遊技性が断続的であり、例えば、大当たりに
近い図柄でスクロールが停止したとしても、次回に行わ
れる変動表示ゲームには影響しない。よって、遊技者
は、同じ遊技機において、遊技を継続して行うことによ
る興趣を得ることできないといった問題点があった。 【0004】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、遊技を継続することで興趣を得
ることができる遊技機を提供することを目的としてい
る。 【0005】 【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
めに請求項1記載の遊技機は、識別情報を表示する表示
装置と、その表示装置に識別情報の動的表示を行わせる
制御手段とを備え、前記識別情報の動的表示が予め定め
た表示結果を現出した場合に遊技者にとって有利な特別
遊技状態を付与するものであり、前記制御手段は、所定
条件の成立に基づいて開始される有利期間中の動的表示
に予め定めた特定表示が所定回数現出する場合に、遊技
状態を遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移させるもの
である。 【0006】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例
について、添付図面を参照して説明する。本実施例で
は、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチン
コ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。
なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用
いることは、当然に可能である。 【0007】図1は、本発明の第1実施例におけるパチ
ンコ機Pの遊技盤の正面図である。遊技盤1の周囲に
は、球が入賞することにより5個から15個の球が払い
出される複数の入賞口2が設けられている。また、遊技
盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄など
を表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と称
す)3が設けられている。このLCD3の表示画面は縦
方向に3分割されており、3分割された各表示領域3
a,3b,3cにおいて、それぞれ上から下へ縦方向に
スクロールしながら図柄の変動表示が行われる。 【0008】LCD3の下方には、図柄作動口(第1種
始動口)4が設けられており、球がこの図柄作動口4に
入賞することにより、前記したLCD3の変動表示が開
始される。図柄作動口4の下方には、特定入賞口(大入
賞口)5が設けられている。この特定入賞口5は、LC
D3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合
わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、球が
入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過する
まで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される入
賞口である。 【0009】この特定入賞口5内には、Vゾーン5aが
設けられており、特定入賞口5の開放中に、球がVゾー
ン5a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口
5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5が所定時間(又
は、特定入賞口5に球が所定個数入賞するまで)開放さ
れる。この特定入賞口5の開閉動作は、最高で16回
(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作
の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値が付与さ
れた状態(特別遊技状態)である。 【0010】なお、第3種パチンコ遊技機において所定
の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、L
CD3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み
合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間
開放されることをいう。この特定入賞口の開放中に、球
がその特定入賞口内へ入賞すると、特定入賞口とは別に
設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される。 【0011】図2は、パチンコ機Pの電気的構成を示し
たブロック図である。パチンコ機Pの主制御基板Cに
は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU2
1が搭載されている。このMPU21には、MPU21
により実行される各種の制御プログラムや固定値データ
を記憶したROM22と、そのROM22内に記憶され
る制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一
時的に記憶するためのメモリであるRAM23と、割込
回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が
内蔵されている。図3から図6に示すフローチャートの
プログラムは、制御プログラムの一部としてROM22
内に記憶されている。 【0012】RAM23は、乱数カウンタ23aと、ハ
ズレリーチカウンタ23bと、ハズレリーチ図柄メモリ
23cと、チャンス残数カウンタ23dと、リーチ回数
カウンタ23eと、5つの図柄回転メモリ23f〜23
jと、バックアップエリア23kとを備えている。ま
た、RAM23には、パチンコ機Pの電源のオフ後にお
いても、電源基板50からバックアップ電圧が供給され
ており、データを保持(バックアップ)できるように構
成されている。 【0013】乱数カウンタ23aは、大当たりの発生を
決定するためのカウンタであり、後述する乱数更新処理
(図4、S16参照)によって、「0〜630」の範囲
で2ms毎に1カウントずつ更新される。この乱数カウ
ンタ23aの値は、遊技盤1に打ち込まれた球が図柄作
動口4へ入賞して後述する第1種始動口スイッチ18で
検出されたとき(始動入賞時)に取得され、このとき取
得された乱数カウンタ23aの値が「7」または「31
5」であった場合には、大当たりが発生する。大当たり
が発生すると、大当たりコマンドが主制御基板Cから後
述する表示用制御基板Dへ送信され、表示用制御基板D
は、その大当たりコマンドに基づいたLCD3の変動表
示を行う。なお、始動入賞時に取得された乱数カウンタ
23aの値は、図柄回転メモリ23f〜23jの1つに
書き込まれて記憶される。 【0014】ハズレリーチカウンタ23bは、ハズレリ
ーチの発生を決定するためのカウンタである。変動表示
の途中でリーチ表示を現出させてからハズレとなるハズ
レリーチとするか、リーチ表示を現出させない通常のハ
ズレとするかは、ハズレリーチカウンタ23bの値に基
づいて決定される。このハズレリーチカウンタ23bの
値は、後述する乱数更新処理(図4、S16参照)によ
って、「0〜9」の範囲で2ms毎に1カウントずつ更
新される。かかるハズレリーチカウンタ23bの値は、
前記した乱数カウンタ23aの値と同様に始動入賞時に
取得され、このとき取得されたハズレリーチカウンタ2
3bの値が「7」であった場合には、ハズレリーチが発
生する。なお、始動入賞時に取得されたハズレリーチカ
ウンタ23bの値は、前記した乱数カウンタ23aの値
と共に、図柄回転メモリ23f〜23jの1つに書き込
まれて記憶される。 【0015】ここで、リーチ表示とは、図柄の変動表示
が開始された後、先に停止する左右の表示領域3a,3
cに表示される図柄の組み合わせが大当たりの条件を満
たしており、変動表示が続いている中央の表示領域3b
の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者
に示唆する表示である。 【0016】ハズレリーチ図柄メモリ23cは、ハズレ
リーチの発生時にLCD3の各表示領域3a,3b,3
cに表示する図柄の組み合わせを記憶するためのメモリ
である。このハズレリーチ図柄メモリ23cには、後述
する図柄カウンタ更新処理(図4、S20参照)で更新
されるカウンタの値に基づいて、図柄チェック処理(図
4、S21参照)により決定されたリーチ図柄が記憶さ
れる。始動入賞時に取得されたハズレリーチカウンタ2
3bの値が「7」であってハズレリーチが発生する場合
には、このハズレリーチ図柄メモリ23cに記憶された
図柄の組み合わせに従って変動表示が停止する。ここ
で、リーチ図柄とは、図柄の変動表示が開始された後、
先に停止してリーチ表示を構成する2つの図柄を表すも
のである。なお、本実施例においては、「7」のリーチ
図柄によるリーチ表示が現出した場合に有利期間(チャ
ンスタイム)が開始され、そのリーチ表示が現出した変
動表示の後から開始される30回の変動表示に3回のリ
ーチ表示が現出すると、3回目にリーチ表示が現出した
変動表示が必ず大当たりとなる。 【0017】チャンス残数カウンタ23dは、チャンス
タイム中にLCD3で行われる変動表示の回数を記憶す
るメモリである。このチャンス残数カウンタ23dの値
は、「7」のリーチ図柄によるリーチ表示の現出が確定
した場合に「30」とされる(図6、S64参照)。チ
ャンス残数カウンタ23dの値が「1」以上であるとき
に変動の開始が確定した変動表示はチャンスタイム中の
ものであると判断される。かかるチャンス残数カウンタ
23dの値は、チャンスタイム中の変動表示の開始が確
定する度に「1」ずつ減算され(図6、S54参照)、
チャンスタイム中の変動表示の開始が30回確定したと
きにチャンス残数カウンタ23dの値は「0」となる。
このため、31回目以降に変動の開始が確定した変動表
示はチャンスタイムが終了した後のものと判断される。
なお、始動入賞時に取得された乱数カウンタ23aの値
が大当たりを発生する「7」または「315」の値であ
る場合には、チャンス残数カウンタ23dの値は「0」
クリアされる(図6、S59参照)。 【0018】リーチ回数カウンタ23eは、チャンスタ
イム中の変動表示に現出するリーチ表示の現出回数を記
憶するカウンタである。このリーチ回数カウンタ23e
の値は、始動入賞時の乱数カウンタ23aの値が「7」
または「315」以外のハズレ値であると共にチャンス
残数カウンタ23dの値が「1」以上であってチャンス
タイム中の変動表示であることが確認され、且つ、ハズ
レリーチカウンタ23bの値が「7」であってハズレリ
ーチの発生が確定した場合に「+1」される(図6、S
56参照)。このリーチ回数カウンタ23eの値が
「3」以上になると、乱数カウンタ23aに大当たりが
発生する値「7」が書き込まれ(図6、S58参照)、
この書き込まれた値「7」が、始動入賞時に取得される
乱数カウンタ23aの値とされて大当たりが発生する。
なお、始動入賞時に取得された乱数カウンタ23aの値
が大当たりを発生する「7」または「315」の値であ
る場合、及び、「7」のリーチ図柄によるリーチ表示の
現出によってチャンスタイムの開始が確定した場合に
は、リーチ回数カウンタ23eの値は「0」クリアされ
る(図6、S60参照)。 【0019】ここで、従来、LCD3で行われる変動表
示は、始動条件が成立(例えば、図柄作動口4への入
賞)したときに取得される乱数カウンタの値に応じて1
回毎に決定していた。そのため、変動表示が開始してか
ら停止するまでの1回の変動表示ゲームで1の遊技が完
結しており、1の遊技と、その遊技以降の変動表示によ
る他の遊技とは関連の無い独立したものとされていた。
よって、大当たりを期待することができる表示(例え
ば、リーチ表示)が連続して現出しても、次回以降の変
動表示には何ら影響がなかった。従って、遊技者は、1
のパチンコ機において、遊技を継続して行うことによる
興趣を得ることができなかった。 【0020】しかし、本実施例では、チャンスタイム中
の変動表示にリーチ表示が3回現出する場合、即ち、リ
ーチ表示の現出回数を記憶するリーチ回数カウンタ23
eの値が「3」以上となった場合には、乱数カウンタ2
3aに大当たりが発生する値「7」が書き込まれて大当
たりが発生する。よって、チャンスタイム中にリーチ表
示が現出する度に、大当たりとなり易い状態であること
を遊技者に示唆することができ、段階的に大当たりに近
づく興趣を遊技者に付与することができる。また、チャ
ンスタイム中の変動表示のみを対象としてリーチ表示の
現出回数が計数されるので、遊技者は、全ての変動表示
に対して同じ程度の期待をする必要が無く、チャンスタ
イム中の変動表示に限定してリーチ表示の現出による大
当たりの発生を期待することができる。よって、遊技者
は、チャンスタイム中には、期待感が高められた中での
リーチ表示の現出によって十分な興趣を得ることができ
ると共に、チャンスタイム中でない場合にも、チャンス
タイムの発生を期待する興趣を得ることができる。 【0021】図柄回転メモリ23f〜23jは、LCD
3の各表示領域3a,3b,3cに表示される図柄の変
動パターンや停止図柄に対応した乱数カウンタ23aや
ハズレリーチカウンタ23b等の値を変動表示のデータ
(変動表示情報)として記憶するメモリである。この図
柄回転メモリ23f〜23jへの変動表示情報の記憶
は、始動入賞時に実行される。ここで、本実施例におけ
る変動表示の最大待機回数は4回であるので、図柄回転
メモリ23f〜23jは全部で5つ設けられている。即
ち、図柄回転メモリ23f〜23jの1つには変動中の
変動表示情報が記憶され、他の4つには待機中の変動表
示情報が記憶される。この5つの図柄回転メモリ23f
〜23jのデータは、1回の変動表示毎に使用される。
なお、変動表示情報として、乱数カウンタ23aやハズ
レリーチカウンタ23bの値をそのまま使用しても良
く、又は、これらカウンタ23a,23bの値に対応づ
けた別の値や文字に変換して使用しても良い。 【0022】バックアップエリア23kは、停電などの
発生により電源が切断された場合、電源の再入時に、パ
チンコ機Pの状態を電源切断前の状態に復帰させるた
め、電源切断時(停電発生時を含む。以下、同様)のス
タックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶し
ておくためのエリアである。このバックアップエリア2
3kへの書き込みは、NMI割込処理(図3参照)によ
って電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア2
3kに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消
による電源入を含む。以下、同様)の初期化処理(図5
参照)において実行される。なお、MPU21のNMI
(Non Maskable Interrupt)端子(ノンマスカブル割込
端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する
停電監視回路50bから出力される停電信号51が入力
されるように構成されており、停電の発生により、図3
の停電時処理(NMI割込処理)が即座に実行される。 【0023】かかるROM22およびRAM23を内蔵
したMPU21は入出力ポート25と接続されており、
入出力ポート25は、電源基板50に設けられたクリア
スイッチ50cと、払出モータ26によって賞球や貸球
の払出制御を行う払出制御基板Hと、前記した図柄の変
動表示の制御を行う表示用制御基板Dと、スピーカ27
から効果音の出力制御を行う効果音制御基板Sと、LE
Dや各種ランプ28の点灯制御を行うランプ制御基板L
と、第1種始動口スイッチ18と、そのほか、他の入出
力装置29とにそれぞれ接続されている。 【0024】第1種始動口スイッチ18は、図柄作動口
(第1種始動口)4に入賞した球を検出するためのスイ
ッチであり、図柄作動口4の近傍に設けられている。第
1種始動口スイッチ18によって球が検出されると、図
示しない払出装置によって5個の賞球が払い出される。
また、第1種始動口スイッチ18によって球が検出され
た場合には、乱数カウンタ23a及びハズレリーチカウ
ンタ23bの値が取得され、その取得された値が図柄回
転メモリ23f〜23jの1つに書き込まれて記憶され
る。 【0025】電源基板50は、パチンコ機Pの各部に電
力を供給するための電源部50aと、停電監視回路50
bと、クリアスイッチ50cとを備えている。停電監視
回路50bは、停電等の発生による電源断時に、主制御
基板CのMPU21のNMI端子へ停電信号51を出力
するための回路である。停電監視回路50bは、電源部
50aから出力される最も大きい電圧である直流安定2
4ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満に
なった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信
号51を主制御基板C及び払出制御基板Hへ出力するよ
うに構成されている。この停電信号51の出力によっ
て、主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電の発生を
認識し、停電時処理(主制御基板Cの場合は図3のNM
I割込処理)を実行する。なお、電源部50aは、直流
安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後にお
いても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制
御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持す
るように構成されているので、主制御基板C及び払出制
御基板Hは、停電時処理を正常に実行することができる
のである。 【0026】クリアスイッチ50cは、主制御基板Cの
RAM23および払出制御基板HのRAM(図示せず)
にバックアップされるデータをクリアするためのスイッ
チであり、押しボタンタイプのスイッチで構成されてい
る。このクリアスイッチ50cが押下された状態でパチ
ンコ機Pの電源が投入されると(停電解消による電源入
を含む)、主制御基板Cおよび払出制御基板Hによっ
て、それぞれのRAM23のデータがクリアされる。 【0027】次に、上記のように構成されたパチンコ機
Pで実行される各処理を、図3から図6の各フローチャ
ートを参照して説明する。図3は、停電の発生等による
パチンコ機Pの電源断時に、主制御基板Cで実行される
NMI割込処理のフローチャートである。このNMI割
込処理により、停電の発生等による電源断時の主制御基
板Cの状態がバックアップエリア23kに記憶される。 【0028】停電の発生等によりパチンコ機Pの電源が
断されると、停電監視回路50bから停電信号51が主
制御基板CのMPU21のNMI(Non Maskable Inter
rupt)端子へ出力される。すると、MPU21は、実行
中の制御を中断して、図3のNMI割込処理を開始す
る。停電信号51が出力された後所定時間は、主制御基
板Cの処理が実行可能なように電源基板50の電源部5
0aから電力供給がなされており、この所定時間内にN
MI割込処理が実行される。 【0029】NMI割込処理では、まず、各レジスタお
よびI/O等の値をスタックエリアへ書き込み(S
1)、次に、スタックポインタの値をバックアップエリ
ア23kへ書き込んで退避する(S2)。更に、停電発
生情報をバックアップエリア23kへ書き込んで(S
3)、停電の発生等による電源断時の状態を記憶する。
その後、その他停電処理を実行した後(S4)、電源が
完全に断して処理が実行できなくなるまで、処理をルー
プする。 【0030】図4は、パチンコ機Pの主制御基板Cにお
いて実行されるメイン処理のフローチャートである。パ
チンコ機Pの主な制御は、このメイン処理によって実行
される。メイン処理では、まず、割込を禁止した後(S
11)、図5に示す初期化処理を実行する(S12)。
ここで、図5のフローチャートを参照して、初期化処理
について説明する。 【0031】図5は、パチンコ機Pの電源入時に主制御
基板Cのメイン処理の中で実行される初期化処理(S1
2)のフローチャートである。この処理では、バックア
ップが有効であれば、バックアップエリア23kに記憶
された各データを元の状態に戻し、遊技の制御を電源が
断される前の状態から続行する。一方、バックアップが
有効でなかったり、或いは、バックアップが有効であっ
ても電源入時にクリアスイッチ50cが押下された場合
には、RAMクリア及び初期化処理を実行する。なお、
この初期化処理(S12)は、サブルーチンの形式で記
載されているが、スタックポインタの設定前に実行され
る処理なので、実際には、サブルーチンコールされず
に、S11の処理後に順に実行される。 【0032】まず、スタックポインタを設定し(S4
1)、クリアスイッチ50cがオンされているか否かを
確認する(S42)。クリアスイッチ50cがオンされ
ていなければ(S42:No)、バックアップが有効で
あるか否かを確認する(S43)。この確認は、RAM
23の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく
記憶されているか否かにより判断する。キーワードが正
しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆
に、キーワードが正しくなければバックアップデータは
破壊されているので、そのバックアップは有効ではな
い。バックアップが有効であれば(S43:Yes)、
処理をS45へ移行して、主制御基板Cの各状態を電源
断前の状態に復帰させる。一方、バックアップが有効で
なかったり(S43:No)、或いはクリアスイッチ5
0cがオンされていれば(S42:Yes)、RAMク
リア及び初期化処理を実行して(S44)、RAM23
及びI/O等の各値を初期化し、この初期化処理を終了
する。このS44の処理の終了後は、図4のS13の処
理が実行される。 【0033】S45からの復電処理では、まず、バック
アップエリア23kからスタックポインタの値を読み出
して、これをスタックポインタへ書き込み、電源断前
(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す
(S45)。次に、バックアップエリア23kへ退避し
た各レジスタやI/O等のデータをそのバックアップエ
リア23kから読み出して、これら各データを元のレジ
スタやI/O等へ書き込む(S46)。更に、割込状態
を停電発生時に実行される図3の処理で記憶しておいた
電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状
態に戻し(S47)、NMI割込リターンを実行して処
理を電源断前に実行していたところへ戻して、制御を電
源断前の状態から続行する。 【0034】図4のフローチャートに戻って説明する。
S13の処理ではタイマ割込の設定を行う(S13)。
ここで設定されるタイマ割込としては、LCD3の変動
表示を制御する制御用コマンドを表示用制御基板Dへ送
信するためのストローブ信号を発生させるタイマ割込な
どがある。タイマ割込の設定後は、各割込を許可状態と
する(S14)。割込の許可後は、特別図柄変動処理
(S25)や、表示データ作成処理(S27)、ランプ
・情報処理(S28)などにより、前回の処理で更新さ
れた出力データを一度に各ポートへ出力するポート出力
処理を実行する(S15)。 【0035】更に、大当たりを決定するための乱数カウ
ンタ23aの値及びハズレリーチカウンタ23bの値を
「+1」更新する乱数更新処理(S16)を実行し、記
憶タイマ減算処理を実行する(S17)。記憶タイマ減
算処理は、大当たり判定の保留球が所定数以上あり、且
つ、LCD3において図柄の変動表示中である場合に、
図柄の変動表示の時間短縮を行うものである。 【0036】スイッチ監視処理(S18)は、INT割
込で読み込まれた各スイッチの状態に応じて、遊技領域
へ打ち込まれた球の入賞口2や特定入賞口5、図柄作動
口4への入賞、更には賞球の払い出し等に関する処理を
行うものである。図柄カウンタ更新処理(S20)で
は、LCD3で行われる変動表示の結果、停止表示され
る図柄を決定するためのカウンタの更新処理が行われ
る。また、図柄チェック処理(S21)では、図柄カウ
ンタ更新処理(S20)で更新されたカウンタの値に基
づいて、特別図柄変動処理(S25)で使用される大当
たり図柄や、ハズレ図柄、更にはリーチ図柄などが決定
される。大当たりやハズレリーチなどの変動表示を設定
するための図6に示す変動表示設定処理は、この図柄チ
ェック処理(S21)の中で実行される。 【0037】次いで、普通図柄変動処理(S23)によ
って、7セグメントLED(図示せず)の変動表示を行
うと共に、その変動表示の結果、当たりが発生した場合
には普通電動役物(図示せず)を所定時間開放する当た
り処理を実行する。その後、状態フラグをチェックし
(S24)、LCD3において図柄の変動開始または変
動表示中であれば(S24:図柄変動中)、特別図柄変
動処理(S25)によって、球が図柄作動口4に入賞す
るタイミングで読み取った乱数カウンタ23aの値に基
づいて、大当たりか否かの判定が行われると共に、LC
D3において図柄の変動処理を実行する。一方、状態フ
ラグをチェックした結果、大当たり中であれば(S2
4:大当り中)、特定入賞口5を開放するなどの大当た
り処理(S26)を実行する。更に、状態フラグをチェ
ックした結果、図柄の変動中でも大当たり中でもなけれ
ば(S24:その他)、S25及びS26の処理をスキ
ップして、S27の表示データ作成処理へ移行する。 【0038】表示データ作成処理(S27)では、図柄
の変動表示以外にLCD3に表示されるデモデータや、
7セグメントLEDの表示データなどが作成され、ラン
プ・情報処理(S28)では、保留球のランプデータを
はじめ、各種のランプデータが作成される。効果音処理
(S29)では、遊技の状況に応じた効果音データが作
成される。なお、これらの表示データ及び効果音データ
は、前記したポート出力処理(S15)やタイマ割込処
理によって各制御基板H,D,S,Lへ出力される。 【0039】効果音処理(S29)の終了後は、次のS
15の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間
の間、大当たりを決定するための乱数カウンタ23aの
初期値を更新する乱数初期値更新処理(S30)を繰り
返し実行する。S15〜S29の各処理は定期的に実行
する必要があるので、S31の処理において前回のS1
5の処理の実行からの経過時間をチェックする(S3
1)。チェックの結果、前回のS15の処理の実行から
2ms経過していれば(S31:Yes)、処理をS1
5へ移行する。一方、2ms経過していなければ(S3
1:No)、処理をS30へ移行して、乱数初期値更新
処理(S30)の実行を繰り返す。ここで、S15〜S
29の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化す
るので、次のS15の処理の実行タイミングが到来する
までの残余時間は、一定の時間ではない。よって、かか
る残余時間を使用して乱数初期値更新処理(S30)を
繰り返し実行することにより、乱数カウンタ23aの初
期値をランダムに更新することができる。 【0040】図6は、図柄チェック処理(S21)の中
で実行される変動表示設定処理のフローチャートであ
る。この変動表示設定処理では、LCD3で行われる変
動表示に「7」のリーチ図柄によるリーチ表示が現出す
る場合、そのリーチ表示が現出した後の30回の変動表
示が行われる期間をチャンスタイムとし、そのチャンス
タイム中の変動表示にリーチ表示が3回現出する場合に
乱数カウンタ23aの値を大当たりが発生する値「7」
に書き換える。 【0041】この変動表示設定処理では、まず、第1種
始動口スイッチ18が球を検出したか否かを確認する
(S51)。第1種始動口スイッチ18が球を検出して
いれば(S51:Yes)、次に、乱数カウンタ23a
の値が大当たりが発生する値、即ち、「7」または「3
15」か否かを確認する(S52)。乱数カウンタ23
aの値が「7」または「315」でなければ(S52:
No)、チャンス残数カウンタ23dの値が「1」以上
か否かを確認する(S53)。このS53の処理におい
てチャンス残数カウンタ23dの値を確認することによ
り、チャンスタイム中の変動表示に対する始動入賞であ
るか否かを判断することができる。 【0042】S53の処理においてチャンス残数カウン
タ23dの値が「1」以上であれば(S53:Ye
s)、チャンスタイム中の変動表示に対する始動入賞で
あるので、チャンス残数カウンタ23dの値を「−1」
し(S54)、ハズレリーチカウンタ23bの値がハズ
レリーチが発生する値、即ち、「7」か否かを確認する
(S55)。ハズレリーチカウンタ23bの値が「7」
であれば(S55:Yes)、チャンスタイム中にハズ
レリーチが発生するのでチャンスタイム中の変動表示に
リーチ表示が現出する。このため、リーチ表示の現出回
数を記憶するリーチ回数カウンタ23eの値を「+1」
し(S56)、リーチ回数カウンタ23eの値が「3」
以上であるか否かを確認する(S57)。リーチ回数カ
ウンタ23eの値が「3」以上であれば(S57:Ye
s)、チャンスタイム中の変動表示にリーチ表示が3回
現出することが確定するので、乱数カウンタ23aに
「7」を書き込み(S58)、乱数カウンタ23aの値
を大当たりが発生する値に変更する。S58の処理をし
た後は、チャンス残数カウンタ23dの値を「0」クリ
アする(S59)と共に、リーチ回数カウンタ23eの
値を「0」クリアし(S60)、乱数カウンタ23a、
ハズレリーチカウンタ23b及びハズレリーチ図柄メモ
リ23cの内容を変動表示のデータとして図柄回転メモ
リ23f〜23jの1つに記憶して(S61)、この変
動表示設定処理を終了する。なお、チャンスタイム中の
変動表示にリーチ表示が3回現出する場合に、乱数カウ
ンタ23aの値を「7」にして大当たりとしているが、
これに代えて、その他の大当たり値(例えば、「31
5」)にするようにしても良い。 【0043】一方、S53の処理においてチャンス残数
カウンタ23dの値が「1」以上でなければ(S53:
No)、チャンスタイム中の変動表示に対する始動入賞
でないので、ハズレリーチカウンタ23bの値がハズレ
リーチが発生する値か否かを確認する(S62)。ハズ
レリーチが発生する値であれば(S62:Yes)、ハ
ズレリーチ図柄メモリ23cに記憶されたリーチ図柄が
「7」であるか否かを確認する(S63)。ハズレリー
チ図柄メモリ23cに記憶されたリーチ図柄が「7」で
あれば(S63:Yes)、「7」のリーチ図柄による
リーチ表示の現出が確定するので、チャンス残数カウン
タ23dに「30」を書き込み(S64)、処理をS6
0へ移行する。 【0044】S64の処理によってチャンス残数カウン
タ23dの値が変更されることにより、「7」のリーチ
図柄によるリーチ表示の現出が確定した後の始動入賞に
基づいた30回の変動表示は、S53の処理によってチ
ャンスタイム中のものと判断することができる。また、
チャンスタイムが開始される時期は、「7」のリーチ図
柄によるリーチ表示が現出した後であるので、チャンス
タイムの開始時期を遊技者に的確に認識させることがで
きる。更に、S64の処理においてチャンス残数カウン
タ23dに「30」の値を書き込んだ後は、S60の処
理によってリーチ回数カウンタ23eの値が「0」クリ
アされるので、リーチ表示の現出回数は、チャンスタイ
ムを開始する時に「0」から計数することができる。 【0045】なお、S62の処理においてハズレリーチ
カウンタ23bの値がハズレリーチが発生する値でない
場合(S62:No)、及び、S63の処理においてハ
ズレリーチ図柄メモリ23cに記憶されたリーチ図柄が
「7」でない場合には(S63:No)、S64の処理
をスキップして処理をS60へ移行する。また、S55
の処理においてハズレリーチカウンタ23bの値がハズ
レリーチが発生する値でない場合(S55:No)、及
び、S57の処理においてリーチ回数カウンタ23eの
値が「3」以上でない場合には(S57:No)、処理
をS61へ移行する。S52の処理において乱数カウン
タ23aの値が大当たりが発生する値である場合には
(S52:Yes)、処理をS59へ移行する。S51
の処理において、第1種始動口スイッチ18が球を検出
していない場合には(S51:No)、S52〜S64
の処理をスキップして、変動表示設定処理を終了する。 【0046】ここで、従来のパチンコ機には、大当たり
の発生が確定したときに図柄回転メモリの内容を書き換
えて、複数回の変動表示に跨って大当たりの発生を示唆
する演出(例えば、大当たりの発生前にハズレリーチを
連続発生させる)を行うものもあるが、この種のパチン
コ機では、待機中の変動表示が無いときには大当たりの
発生を示唆する演出を行うことができなかった。また、
その演出を行う変動表示の回数は、書き換え可能な変動
表示の回数に制限されてしまい、最長の場合でも最大待
機回数(本実施例では4回)とされていた。本実施例の
パチンコ機Pは、チャンスタイム中の変動表示に現出す
るリーチ表示の現出回数がリーチ回数カウンタ23eに
記憶され、その回数が所定回数に達したときに大当たり
を発生させるので、待機中の変動表示が無い場合にも大
当たりの発生を示唆する演出を継続することができると
共に、その演出を最大待機回数より多くの変動表示に跨
って行うことができる。 【0047】このように、変動表示設定処理を行うこと
により、チャンスタイム中の変動表示にリーチ表示が3
回現出する場合に乱数カウンタ23aの値を変更して大
当たりを発生させることができる。よって、複数回の変
動表示に跨ってパチンコ機Pの遊技状態を遊技者にとっ
て有利な状態へと遷移させることができ、遊技者は、1
のパチンコ機Pで遊技を継続することで興趣を得ること
ができる。また、乱数カウンタ23aの値を直接変更し
て大当たりを発生させるので、簡易な制御で大当たりを
発生させることができる。 【0048】次に、図7を参照して、第2実施例につい
て説明する。この第2実施例は、前記した第1実施例に
対し、チャンスタイム中の変動表示にリーチ表示が3回
現出するときに大当たりを発生させる方式を変えたもの
である。即ち、第1実施例においては、乱数カウンタ2
3aに大当たりが発生する値を直接書き込むことによっ
て大当たりを発生させたのに対し、第2実施例では、始
動入賞に基づいて乱数カウンタ23aの値を図柄回転メ
モリ23f〜23jに記憶した後、その記憶した図柄回
転メモリ23f〜23jの内容を書き換えて大当たりを
発生させるものである。また、第1実施例においては、
チャンスタイムの開始時にリーチ表示の現出回数を
「0」から計数したのに対し、第2実施例では、チャン
スタイムが開始される場合、そのチャンスタイムより前
に行われた前回のチャンスタイムの終了時におけるリー
チ表示の現出回数の計数値からリーチ表示の現出回数を
計数するものである。以下、第2実施例の説明にあた
り、前記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を
付してその説明は省略し、異なる部分のみを説明する。 【0049】図7は、第2実施例における変動表示設定
処理のフローチャートである。この処理では、第1実施
例の変動表示設定処理に対して、S71からS83の処
理の部分が変更されている。図7の変動表示設定処理
も、図柄チェック処理(S21)の中で実行される。 【0050】S51の処理で第1種始動口スイッチ18
が球を検出した場合には、乱数カウンタ23a、ハズレ
リーチカウンタ23b及びハズレリーチ図柄メモリ23
cの内容を変動表示のデータとして図柄回転メモリ23
f〜23jの1つに記憶し(S71)、その記憶した乱
数カウンタ23aの値が大当たりが発生する値か否かを
確認する(S72)。乱数カウンタ23aの値が大当た
りが発生する値でない場合には(S72:No)、チャ
ンス残数カウンタ23dの値が「1」以上か否かを確認
する(S73)。チャンス残数カウンタ23dの値が
「1」以上であれば(S73:Yes)、チャンスタイ
ム中の変動表示に対する始動入賞であるのでチャンス残
数カウンタ23dの値を「−1」し(S74)、図柄回
転メモリ23f〜23jに記憶されたハズレリーチカウ
ンタ23bの値がハズレリーチが発生する値か否かを確
認する(S75)。ハズレリーチカウンタ23bの値が
ハズレリーチが発生する値であれば(S75:Ye
s)、リーチ回数カウンタ23eの値を「+1」し(S
76)、リーチ回数カウンタ23eの値が「3」以上で
あるか否かを確認する(S77)。リーチ回数カウンタ
23eの値が「3」以上である場合には(S77:Ye
s)、チャンスタイム中の変動表示にリーチ表示が3回
現出することが確定するので、図柄回転メモリ23f〜
23jに記憶された乱数カウンタ23aの値を「7」に
書き換えて(S78)、大当たりを発生させる。S78
の処理をした後は、チャンス残数カウンタ23dの値を
「0」クリアする(S79)と共に、リーチ回数カウン
タ23eの値を「0」クリアして(S80)、この変動
表示設定処理を終了する。 【0051】一方、S73の処理においてチャンス残数
カウンタ23dの値が「1」以上でなければ(S73:
No)、チャンスタイム中の変動表示に対する始動入賞
でないので、S71の処理で図柄回転メモリ23f〜2
3jに記憶されたハズレリーチカウンタ23bの値がハ
ズレリーチが発生する値か否かを確認する(S81)。
ハズレリーチが発生する値であれば(S81:Ye
s)、S71の処理で図柄回転メモリ23f〜23jに
記憶されたリーチ図柄が「7」であるか否かを確認する
(S82)。図柄回転メモリ23f〜23jに記憶され
たリーチ図柄が「7」であれば(S82:Yes)、
「7」のリーチ図柄によるリーチ表示の現出が確定する
ので、チャンス残数カウンタ23dに「30」を書き込
み(S83)、変動表示設定処理を終了する。S83の
処理によってチャンス残数カウンタ23dに「30」の
値を書き込んだ後、リーチ回数カウンタ23eの値を
「0」クリアすることなく変動表示設定処理を終了する
ので、前回のチャンスタイムの終了時におけるリーチ表
示の現出回数がリーチ回数カウンタ23eに保持された
状態でチャンスタイムが開始される。 【0052】なお、S81の処理において図柄回転メモ
リ23f〜23jに記憶されたハズレリーチカウンタ2
3bの値がハズレリーチが発生する値でない場合(S8
1:No)、及び、S82の処理において図柄回転メモ
リ23f〜23jに記憶されたリーチ図柄が「7」でな
い場合には(S82:No)、S83の処理をスキップ
して、変動表示設定処理を終了する。また、S75の処
理において図柄回転メモリ23f〜23jに記憶された
ハズレリーチカウンタ23bの値がハズレリーチが発生
する値でない場合(S75:No)、及び、S77の処
理においてリーチ回数カウンタ23eの値が「3」以上
でない場合にも(S77:No)、変動表示設定処理を
終了する。なお、S72の処理において乱数カウンタ2
3aの値が大当たりが発生する値である場合には(S7
2:Yes)、処理をS79へ移行する。 【0053】以上説明したように、第2実施例では、チ
ャンスタイム中の変動表示にリーチ表示が3回現出する
場合に図柄回転メモリ23f〜23jの内容を書き換え
て大当たりを発生させるので、乱数カウンタ23aの値
を変更することなく大当たりを発生させることができ
る。また、前回のチャンスタイムの終了時におけるリー
チ表示の現出回数がリーチ回数カウンタ23eに保持さ
れた状態でチャンスタイムが開始されるので、チャンス
タイムの終了時にリーチ表示の現出回数が3回に近づい
て終了したとき程、次のチャンスタイムで3回に達する
迄に必要なリーチ表示の現出回数が少なくなる。よっ
て、遊技者は、チャンスタイム中の変動表示にリーチ表
示が3回現出しなかった場合であっても次のチャンスタ
イムの開始を期待して遊技を継続することができる。 【0054】次に、図8を参照して、第3実施例につい
て説明する。前記した第1実施例では、チャンスタイム
中の変動表示にリーチ表示が3回現出する場合に乱数カ
ウンタ23aの値を書き換えて、3回目のリーチ表示が
現出する変動表示を大当たりにしていた。これに対し、
第3実施例では、チャンスタイム中の変動表示にリーチ
表示が3回現出する場合に、3回目のリーチ表示が現出
する変動表示の次に開始される変動表示を大当たりにす
るものである。また、大当たりが発生する回の変動表示
は、チャンスタイム中の変動表示にリーチ表示が3回現
出して得られる大当たりと、始動入賞時に取得される乱
数カウンタ23aの値に基づいた変動表示とを比較して
決定し、遊技者にとって有利な一方の遊技状態へと遷移
させるものである。 【0055】ここで、大当たりを付与する図柄には、普
通変動図柄と、確率変動図柄との2種が定められてお
り、普通変動図柄で大当たりが発生した場合には、特別
遊技状態の終了後、通常の遊技状態に遷移する。一方、
確率変動図柄で大当たりが発生した場合には、特別遊技
状態の終了後、大当たりの発生確率が高確率とされる確
率変動状態に遷移する。この確率変動図柄で発生する大
当たりが遊技者にとって最も有利な大当たりであり、大
当たりの後に特別遊技状態と確率変動状態とが連続して
付与される遊技状態が、遊技者にとって最も有利な遊技
状態である。なお、第3実施例では、チャンスタイム中
の変動表示にリーチ表示が3回現出する場合に普通変動
図柄で大当たりが発生する。以下、第3実施例の説明に
あたり、前記した第1実施例と同一の部分には同一の符
号を付してその説明を省略する。 【0056】図8は、第3実施例における変動表示設定
処理のフローチャートである。この処理では、第1実施
例の変動表示設定処理に対して、S91からS103の
処理の部分が変更されている。図8の変動表示設定処理
も、図柄チェック処理(S21)の中で実行される。 【0057】S51の処理で第1種始動口スイッチ18
が球を検出した場合、リーチ回数カウンタ23eの値が
「3」以上であるか確認する(S91)。リーチ回数カ
ウンタ23eの値が「3」以上でなければ(S91:N
o)、乱数カウンタ23aの値が大当たりが発生する値
であるか確認する(S92)。乱数カウンタ23aの値
が大当たりが発生する値でない場合は(S92:N
o)、チャンス残数カウンタ23dの値が「1」以上か
確認する(S93)。 【0058】チャンス残数カウンタ23dの値が「1」
以上でなければ(S93:No)、チャンスタイム中の
変動表示に対する始動入賞でないので、ハズレリーチカ
ウンタ23bの値がハズレリーチが発生する値か否かを
確認する(S94)。ハズレリーチが発生する値であれ
ば(S94:Yes)、ハズレリーチ図柄メモリ23c
に記憶されたリーチ図柄が「7」であるか否かを確認す
る(S95)。ハズレリーチ図柄メモリ23cに記憶さ
れたリーチ図柄が「7」であれば(S95:Yes)、
「7」のリーチ図柄によるリーチ表示の現出が確定する
ので、チャンス残数カウンタ23dに「30」を書き込
み(S96)、リーチ回数カウンタ23eの値を「0」
クリアして(S97)、処理をS61へ移行する。な
お、S94の処理においてハズレリーチカウンタ23b
の値がハズレリーチが発生する値でない場合(S94:
No)、及び、S95の処理においてハズレリーチ図柄
メモリ23cに記憶されたリーチ図柄が「7」でない場
合には(S95:No)、SS96及びS97の処理を
スキップして処理をS61へ移行する。 【0059】一方、S93の処理においてチャンス残数
カウンタ23dの値が「1」以上であれば(S93:Y
es)、チャンスタイム中の変動表示に対する始動入賞
であるので、チャンス残数カウンタ23dの値を「−
1」し(S98)、ハズレリーチカウンタ23bの値が
ハズレリーチが発生する値であるか確認する(S9
9)。ハズレリーチカウンタ23bの値がハズレリーチ
が発生する値であれば(S99:Yes)、リーチ回数
カウンタ23eの値を「+1」し(S100)、処理を
S61へ移行する。なお、S99の処理においてハズレ
リーチカウンタ23bの値がハズレリーチが発生する値
でない場合には(S99:No)、S100の処理をス
キップして処理をS61へ移行する。 【0060】また、S91の処理においてリーチ回数カ
ウンタ23eの値が「3」以上であれば(S91:Ye
s)、前回の始動入賞によってチャンスタイム中の変動
表示にリーチ表示が3回現出することが確定しているの
で、乱数カウンタ23aの値が確率変動図柄で大当たり
が発生する値「7」であるか確認する(S101)。乱
数カウンタ23aの値が「7」でない場合には(S10
1:No)、乱数カウンタ23aに普通変動図柄で大当
たりが発生する値「315」を書き込み(S102)、
チャンス残数カウンタ23dの値を「0」クリアして
(S103)、処理をS97へ移行する。なお、S10
1の処理において乱数カウンタ23aの値が「7」であ
る場合には(S101:Yes)、S102の処理をス
キップして、処理をS103へ移行する。また、S92
の処理において、乱数カウンタ23aの値が大当たりが
発生する値である場合にも(S92:Yes)、処理を
S103へ移行する。 【0061】以上説明したように、第3実施例では、前
回の始動入賞によってチャンスタイム中の変動表示にリ
ーチ表示が3回現出することが確定している場合に乱数
カウンタ23aの値を変更して大当たりを発生させるの
で、パチンコ機Pで遊技をする遊技者に3回のリーチ表
示が現出したことを確認させた後の変動表示を大当たり
とすることができる。また、チャンスタイム中にリーチ
表示が3回現出して得られる普通変動図柄での大当たり
と、始動入賞時の乱数カウンタ23aの値に基づいた変
動表示とを比較し、乱数カウンタ23aの値に基づいた
変動表示が確率変動図柄での大当たりとなった場合に
は、次回の変動表示で発生する大当たりは、始動入賞に
より取得された確率変動図柄での大当たりとされる。よ
って、遊技者には、当選した大当たりの内、最も有利な
遊技状態に遷移する大当たりを確実に提供することがで
きる。 【0062】次に、図9を参照して、第4実施例につい
て説明する。前記した第3実施例では、チャンスタイム
中の変動表示にリーチ表示が3回現出する場合に、チャ
ンスタイム中にリーチ表示が3回現出して得られる大当
たりと、始動入賞時の乱数カウンタ23aの値に基づい
た変動表示とを比較して変動表示を決定していた。これ
に対し、第4実施例では、チャンスタイム中の変動表示
にリーチ表示が3回現出する場合に、チャンスタイム中
にリーチ表示が3回現出して得られる大当たりを優先し
て変動表示を決定するものである。以下、第4実施例の
説明にあたり、前記した第3実施例と同一の部分には同
一の符号を付してその説明を省略する。 【0063】図9は、第4実施例における変動表示設定
処理のフローチャートである。この処理では、第3実施
例の変動表示設定処理に対して、S111の処理の部分
が変更されている。図9の変動表示設定処理も、図柄チ
ェック処理(S21)の中で実行される。 【0064】S91の処理でリーチ回数カウンタ23e
の値が「3」以上であると確認された場合には、乱数カ
ウンタ23aに確率変動図柄で大当たりが発生する値
「7」を書き込み(S111)、処理をS103へ移行
する。 【0065】このように、第4実施例では、リーチ回数
カウンタ23eの値が「3」以上であってチャンスタイ
ム中の変動表示にリーチ表示が3回現出することが確認
された場合に、チャンスタイム中にリーチ表示が3回現
出して得られる大当たりを優先し、乱数カウンタ23a
に確率変動図柄で大当たりが発生する値「7」を書き込
む。ここで、本実施例では、乱数カウンタ23aの値に
基づいて決定される大当たりの中で、遊技者にとって最
も有利な大当たりは、確率変動図柄での大当たりであ
る。よって、チャンスタイム中にリーチ表示が3回現出
して得られる大当たりと、乱数カウンタ23aの値に基
づく変動表示とをわざわざ比較する必要が無く、主制御
基板Cでの処理を迅速に行うことができる。 【0066】次に、図10を参照して、第5実施例につ
いて説明する。前記した第3実施例では、チャンスタイ
ム中の変動表示にリーチ表示が3回現出する場合に、チ
ャンスタイム中にリーチ表示が3回現出して得られる大
当たりと、始動入賞時の乱数カウンタ23aの値に基づ
いた変動表示とを比較して変動表示を決定した。これに
対し、第5実施例では、始動入賞時の乱数カウンタ23
aの値に基づいた変動表示が大当たりとなったときは、
乱数カウンタ23aの値を優先して変動表示を決定する
ものである。以下、第5実施例の説明にあたり、前記し
た第3実施例と同一の部分には同一の符号を付してその
説明を省略する。 【0067】図10は、第5実施例における変動表示設
定処理のフローチャートである。この処理では、第3実
施例の変動表示設定処理に対して、S121からS12
3の処理の部分が変更されている。図10の変動表示設
定処理も、図柄チェック処理(S21)の中で実行され
る。 【0068】S51の処理で第1種始動口スイッチ18
が球を検出した場合、乱数カウンタ23aの値が大当た
りが発生する値であるか確認する(S121)。確認の
結果、大当たりが発生する値であれば(S121:Ye
s)、処理をS103へ移行する。 【0069】一方、S121の処理において、乱数カウ
ンタ23aの値が大当たりが発生する値でなければ(S
121:No)、リーチ回数カウンタ23eの値が
「3」以上であるか確認し(S122)、確認の結果、
「3」以上でなければ(S122:No)、処理をS9
3へ移行する。また、S122の処理において、リーチ
回数カウンタ23eの値が「3」以上であれば(S12
2:Yes)、乱数カウンタ23aに普通変動図柄で大
当たりが発生する値「315」を書き込み(S12
3)、処理をS103へ移行する。 【0070】このように、第5実施例では、始動入賞時
の乱数カウンタ23aの値が大当たりが発生する値であ
るか確認し、大当たりが発生する値であれば、始動入賞
時の乱数カウンタ23aの値を優先して図柄回転メモリ
23f〜23jに記憶する。よって、第3実施例のよう
に、チャンスタイム中の変動表示にリーチ表示が3回現
出した場合に得られる大当たりと、乱数カウンタ23a
の値に基づく変動表示とをわざわざ比較する必要が無
く、主制御基板Cでの処理を迅速に行うことができる。 【0071】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良
が可能であることは容易に推察できるものである。 【0072】例えば、上記実施例では、チャンスタイム
中の変動表示にリーチ表示が3回現出する場合に大当た
りを発生させたが、これに代えて、変動表示の途中で表
示される「女の子」や「魚群」などの示唆表示がチャン
スタイム中に所定回数現出した場合に大当たりを発生さ
せても良い。ここで、示唆表示とは、変動表示の途中で
所定の図柄が現出して大当たりとなり易い変動表示であ
ることを遊技者に示唆するものである。また、図柄の変
動表示が開始された後、先に停止する左右の表示領域3
a,3cに表示される図柄の組み合わせが大当たりの条
件を満たさないハズレ表示がチャンスタイム中に30回
現出した場合に大当たりが発生するようにしても良い。
また、リーチ表示が現出した変動表示の表示結果であっ
て大当たりを発生させる図柄の組み合わせに対して最後
に停止する中央の変動表示領域3bの停止図柄が前また
は後に1つだけずれて停止した表示結果(表示)がチャ
ンスタイム中に所定回数現出した場合に大当たりが発生
するようにしても良い。例えば、リーチ図柄が「1」で
リーチ表示が現出した場合には、最後に停止する図柄が
「0」或いは「2」で停止した「101」或いは「12
1」の表示であり、リーチ図柄が「7」でリーチ表示が
現出した場合には最後に停止する図柄が「6」或いは
「9」で停止した「767」或いは「787」の表示で
ある。更に、リーチ表示、示唆表示若しくはハズレ表示
などの大当たりに関連した表示とは異なり、大当たりの
発生とは無関係な表示(専用表示)がチャンスタイム中
に所定回数現出した場合に大当たりが発生するようにし
ても良い。例えば、始動条件の成立によって取得された
乱数カウンタ23aの値が「100」である場合にの
み、変動表示の途中で「サメ」を表示し、「サメ」の表
示がチャンスタイム中に2回現出した場合に大当たりが
発生するようにしても良い。 【0073】また、上記実施例では、チャンスタイム中
の変動表示にリーチ表示が3回現出した場合に毎回同一
の遊技状態に遷移する大当たりを発生させたが、遊技価
値の異なる2種の遊技状態に遷移する大当たりから1の
大当たりを選定して発生させても良い。例えば、始動入
賞により取得される乱数カウンタ23aの値が奇数であ
るか偶数であるかを確認し、その値が奇数であるならば
その乱数カウンタ23aの値を確率変動図柄で大当たり
が発生する「7」に書き換え、その値が偶数であるなら
ばその乱数カウンタ23aの値を普通変動図柄で大当た
りが発生する「315」に書き換えても良い。 【0074】また、上記実施例では、チャンスタイム中
の変動表示にリーチ表示が3回現出した場合に遷移する
遊技状態は特別遊技状態であったが、これに代えて、特
別遊技状態の発生確率が通常状態より高確率とされる確
率変動状態、始動条件の成立(例えば、図柄作動口4へ
の入賞)が通常状態より容易にされると共に1回の変動
表示に要する時間が短縮されて特別遊技状態が付与され
易い時間短縮状態などとしても良い。この場合には、確
率変動状態或いは時間短縮状態であるか否かをチェック
するためのフラグをRAM23に設け、そのフラグの状
態に基づいて図4のS25で示した特別図柄変動処理に
よって遊技状態を選定するように構成し、フラグのオン
とオフとを切り替えることによって遊技状態を遷移させ
ても良い。なお、確率変動状態や時間短縮状態に遷移し
た遊技状態を通常の状態に戻すタイミングとしては、大
当たりが発生して特別遊技状態が付与されたとき、所定
回数の変動表示が終了したとき、又は、変動表示の中で
現出するリーチ表示、示唆表示若しくはハズレ表示等か
ら予め定めた表示がLCD3に所定回数現出したとき等
とすることができる。 【0075】また、上記実施例では、「7」のリーチ図
柄によるリーチ表示が現出した後に開始される30回の
変動表示が行われる期間をチャンスタイムとしたが、チ
ャンスタイムを必ずしも変動表示の回数に基づいた期間
とする必要はなく、チャンスタイム中の変動表示に予め
定めた表示(終了表示)が所定回数現出する迄の期間を
チャンスタイムとしても良い。例えば、チャンスタイム
中の変動表示に「魚群」の示唆表示が2回現出する迄の
期間をチャンスタイムとしても良い。 【0076】また、上記実施例では、「7」のリーチ図
柄によるリーチ表示は、チャンスタイム中でなければチ
ャンスタイムの開始につながる遊技者にとって特別な表
示であったが、チャンスタイム中には他のリーチ図柄に
よるリーチ表示と同等の表示でしかなかった。これに対
し、チャンスタイム中の変動表示に「7」のリーチ図柄
によるリーチ表示が現出した場合に有利期間を延長して
も良い。例えば、チャンスタイムの途中で「7」のリー
チ図柄によるリーチ表示が現出した場合には、その変動
表示から再度30回の変動表示が行われる期間をチャン
スタイムとしても良い。このチャンスタイム延長の契機
とする表示は、必ずしもチャンスタイム開始時の表示と
する必要はなく、予め定めた別の表示(例えば、リーチ
表示や示唆表示)であっても良い。チャンスタイムの延
長によってチャンスタイム中にリーチ表示の現出回数が
3回に到達し易くなり、大当たりの発生に対する遊技者
の期待感を増大させることができる。 【0077】本発明を上記実施例とは異なるタイプのパ
チンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりす
ると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当た
り状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるよ
うなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称さ
れる)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表
示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要
条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施し
ても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀
球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した
遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良
い。 【0078】なお、スロットマシンは、例えばコインを
投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバー
を操作することにより図柄が変動され、ストップボタン
を操作することにより図柄が停止されて確定される周知
のものである。従って、スロットマシンの基本概念とし
ては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に
図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手
段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が
開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の
操作に起因して、或いは、所定時間経過することによ
り、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特
定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特
別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え
たスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイ
ン、メダル等が代表例として挙げられる。 【0079】なお、パチンコ機とスロットマシンとが融
合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図
柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手
段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないも
のが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)
に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操
作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボ
タンの操作に起因して、或いは、所定時間経過すること
により、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄
がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊
技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者に
は、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。 【0080】以下に本発明の変形例を示す。請求項1記
載の遊技機において、前記制御手段は、前記有利期間中
の動的表示であるか否かを判断する第1判断手段と、そ
の第1判断手段により前記有利期間中の動的表示である
と判断された動的表示に現出する特定表示の現出回数を
記憶する回数記憶手段と、その回数記憶手段に記憶され
る現出回数が所定回数に達したか否かを判断する第2判
断手段と、その第2判断手段により前記現出回数が所定
回数に達したと判断された場合に、遊技状態を遊技者に
とって有利な遊技状態へ遷移させる遊技状態変更手段と
を備えていることを特徴とする遊技機1。特定表示が所
定回数現出する場合に遊技状態を遊技者にとって有利な
遊技状態へ遷移させる遊技機において、全ての動的表示
を対象として特定表示の現出回数を計数する場合には、
遊技者は、全ての動的表示に対して特定表示の現出を期
待する。このため、特定表示の現出に対する遊技者の期
待感が希薄になり易く、期待感が少ない中で突発的に特
定表示が現出しても、遊技者には十分な興趣を付与する
ことができない。しかし、遊技機1によれば、第1判断
手段により有利期間中の動的表示であると判断された動
的表示に現出する特定表示の現出回数が所定回数に達す
ると、遊技状態変更手段により遊技状態が遊技者にとっ
て有利な遊技状態へ遷移させられる。よって、有利期間
中の動的表示に限定して特定表示の現出を遊技者に期待
させることができるので、遊技者は、有利期間中には、
期待感が高められた中での特定表示の現出によって十分
な興趣を得ることができると共に、有利期間中でない場
合にも、有利期間の発生を期待する興趣を得ることがで
きる。 【0081】なお、遊技者にとって有利な遊技状態とし
ては、例えば、球、コイン又はメダル等の有価価値が遊
技者に付与される特別遊技状態(大当たり状態)であっ
ても良い。遊技者は、有利期間中の動的表示に特定表示
が所定回数現出することによって直接的な利益を得るこ
とができるので、動的表示の表示結果と同様に有利期間
の発生及び特定表示の現出を期待して遊技を行うことが
できる。また、遊技者にとって有利な遊技状態として、
特別遊技状態の発生確率が通常状態より高確率とされる
確率変動状態、或いは、始動条件の成立(例えば、図柄
作動口への入賞)が通常状態より容易にされると共に1
の動的表示に要する時間が短縮されて特別遊技状態が付
与され易い時間短縮状態であっても良い。特定表示の現
出によって遊技者に球、コイン又はメダル等の有価価値
が直接的に付与されないので、遊技場に直接的な損失を
与えることなく遊技者に特定表示の現出による遊技の興
趣を提供することができる。更に、遊技状態変更手段に
より遊技状態を遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移さ
せるタイミングは、表示装置に特定表示が現出する動的
表示からとしても良く、又は、特定表示が現出する動的
表示より後に開始する動的表示からとしても良い。ま
た、第1判断手段による有利期間中の動的表示であるか
否かの判断は、特定表示が現出されるか否かを判断する
前若しくは後で実行しても良く、又は、特定表示が現出
されるか否かの判断と同時に実行しても良い。 【0082】遊技機1において、前記制御手段は、所定
のタイミングで更新される乱数カウンタと、その乱数カ
ウンタの値を更新する更新手段と、前記乱数カウンタの
値に基づいた遊技情報を記憶する記憶手段と、その記憶
手段に記憶された遊技情報に基づいて遊技状態を選定す
る選定手段とを備え、前記遊技状態変更手段は、前記記
憶手段に記憶された遊技情報を所定の遊技情報に変更し
て遊技状態を遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移させ
るものであることを特徴とする遊技機2。遊技状態は、
記憶手段に記憶される遊技情報に基づいて選定手段によ
り選定されるので、その遊技情報を遊技状態変更手段に
より所定の遊技情報に変更して遊技状態を遊技者にとっ
て有利な遊技状態へ遷移させることができる。また、遊
技状態変更手段により変更される遊技情報は、記憶手段
に記憶されているので、乱数カウンタの値を乱すことな
く遊技情報を変更することができる。よって、遊技状態
に直接影響する乱数カウンタの値を更新させ続けること
ができ、遊技状態を決定する際のランダム性と公平性と
を維持することができる。 【0083】なお、乱数カウンタの値に基づいた遊技情
報としては、乱数カウンタの値をそのまま使用しても良
く、又は、乱数カウンタの値に対応させた別の値や文字
などを使用しても良い。また、遊技状態変更手段によっ
て変更される遊技情報としては、特定表示が現出して有
利な遊技状態への遷移が確定する回の動的表示に対する
ものとしても良く、又は、その遷移が確定する回の次に
開始される動的表示に対するものとしても良い。即ち、
遊技状態変更手段は、特定表示が現出して有利な遊技状
態への遷移が確定する回の動的表示に対する記憶手段に
記憶された遊技情報を所定の遊技情報に変更して遊技状
態を遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移させるもので
あっても、特定表示が現出して有利な遊技状態への遷移
が確定する回の次に開始される動的表示に対する記憶手
段に記憶された遊技情報を所定の遊技情報に変更して遊
技状態を遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移させるも
のであっても良い。 【0084】遊技機1において、前記制御手段は、所定
のタイミングで更新される乱数カウンタと、その乱数カ
ウンタの値を更新する更新手段と、前記乱数カウンタの
値に基づいて遊技状態を選定する選定手段とを備え、前
記遊技状態変更手段は、前記乱数カウンタの値を所定の
値に変更して遊技状態を遊技者にとって有利な遊技状態
へ遷移させるものであることを特徴とする遊技機3。遊
技状態は、乱数カウンタの値に基づいて選定手段に選定
されるので、遊技状態変更手段により乱数カウンタの値
を所定の値に変更して遊技状態を遊技者にとって有利な
遊技状態へ遷移させることができる。また、遊技状態変
更手段は、乱数カウンタの値を所定の値に変更するの
で、選定手段により選定される遊技状態を簡易に制御す
ることができる。 【0085】なお、遊技状態変更手段によって変更され
る乱数カウンタの値は、特定表示が現出して有利な遊技
状態への遷移が確定する回の動的表示に対するものとし
ても良く、又は、その遷移が確定する回の次に開始され
る動的表示に対するものとしても良い。即ち、遊技状態
変更手段は、特定表示が現出して有利な遊技状態への遷
移が確定する回の動的表示に対する乱数カウンタの値を
所定の値に変更して遊技状態を遊技者にとって有利な遊
技状態へ遷移させるものであっても、特定表示が現出し
て有利な遊技状態への遷移が確定する回の次に開始され
る動的表示に対する乱数カウンタの値を所定の値に変更
して遊技状態を遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移さ
せるものであっても良い。 【0086】遊技機1から3のいずれかにおいて、前記
制御手段は、遊技状態情報を記憶する遊技状態記憶手段
と、その遊技状態記憶手段に記憶された遊技状態情報に
基づいて遊技状態を選定する第2選定手段とを備えてお
り、前記遊技状態変更手段は、前記遊技状態記憶手段に
記憶された遊技状態情報を変更して遊技状態を遊技者に
とって有利な遊技状態へ遷移させるものであることを特
徴とする遊技機4。遊技状態は、遊技状態記憶手段に記
憶される遊技状態情報に基づいて第2選定手段により選
定されるので、遊技状態変更手段により遊技状態情報を
変更して遊技状態を遊技者にとって有利な遊技状態へ遷
移させることができる。なお、遊技状態記憶手段として
は、1ビットのメモリで構成されるフラグであっても、
2ビット以上のメモリで構成されるカウンタ等であって
も良い。 【0087】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
4のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記表示装置
に予め定めた開始表示が所定回数現出する場合に前記有
利期間を開始させるものであることを特徴とする遊技機
5。特別遊技状態は、動的表示の表示結果に基づいて付
与されるので、遊技者は、動的表示が行われる表示装置
に注意を払っている。遊技機5によれば、表示装置に開
始表示が所定回数現出する場合に有利期間が開始される
ので、動的表示を注視する遊技者に有利期間の開始時期
を容易に認識させることができる。なお、開始表示とし
ては、特定表示と同種のものを使用することができ、例
えば、リーチ表示や示唆表示など動的表示の中で特別遊
技状態が付与され易い動的表示であることを示唆する表
示(例えば、「7」の図柄によるリーチ表示)を使用し
ても良く、又は、動的表示が停止した後の識別情報の組
み合わせを使用しても良い。また、有利期間を開始する
タイミングは、開始表示が現出して有利期間の開始が確
定したときに行われる動的表示からとしても良く、又
は、その開始が確定する回の次に開始される動的表示か
らとしても良い。 【0088】遊技機5において、前記制御手段は、前記
有利期間中の動的表示に予め定めた延長表示が所定回数
現出する場合に前記有利期間を延長するものであること
を特徴とする遊技機6。遊技機6によれば、有利期間中
の動的表示に延長表示が所定回数現出した場合に有利期
間が延長されるので、その有利期間の延長によって有利
期間中に特定表示の現出回数が所定回数に達し易くな
り、有利な遊技状態への遷移に対する遊技者の期待感を
増大させることができる。なお、延長表示としては、特
定表示と同種のものを使用することができ、例えば、リ
ーチ表示や示唆表示など動的表示の中で特別遊技状態が
付与され易い動的表示であることを示唆する表示(例え
ば、「7」の図柄によるリーチ表示)を使用しても良
く、又は、動的表示が停止した後の識別情報の組み合わ
せを使用しても良い。また、延長表示は、有利な遊技状
態への遷移に影響する特定表示や有利期間の開始の契機
とする開始表示と同一のものとしても良い。遊技者にと
って有利な表示の増加を抑制して、遊技の規則性を解り
やすく示唆することができる。 【0089】遊技機5において、前記制御手段は、前記
有利期間を予め定めた条件の達成に基づいて終了させる
ものであることを特徴とする遊技機7。有利期間中の動
的表示の内容に関わらず、有利期間は、その途中で延長
されることなく予め定めた条件の達成に基づいて終了す
る。よって、有利期間の遊技を遊技者にとってより希少
なものとすることができる。 【0090】遊技機5から7のいずれかにおいて、制御
手段は、所定のタイミングで更新される第1カウンタ
と、その第1カウンタの値を更新する更新手段とを備
え、前記第1カウンタの値に基づいて前記表示装置に前
記開始表示を現出させるか否かを判断するものであるこ
とを特徴とする遊技機8。第1カウンタとしては、開始
表示を現出させるか否かを判断するために設けた専用の
カウンタであっても良い。特別遊技状態を付与するか否
かの抽選とは別に有利期間の開始を抽選することがで
き、1の始動条件の成立に対し、複数回の抽選に基づい
て有利な遊技状態へ遷移する複数回の機会を遊技者に付
与することができる。また、第1カウンタとして、遊技
状態を決定するための乱数カウンタや動的表示の表示結
果を決定するカウンタを使用しても良い。複数のカウン
タに基づいた抽選では1回の動的表示に対して重複して
当たりが発生すると、動的表示に反映できない無駄な当
たりが発生するが、乱数カウンタなど別の抽選に使用す
るカウンタを第1カウンタとすることにより遊技者にと
って無駄な当たりの発生を低減することができる。 【0091】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
8のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記有利期間
中に行われる動的表示の回数を記憶する動的回数記憶手
段と、その動的回数記憶手段に記憶される動的表示の回
数が所定回数に達したか否かを判断する第3判断手段と
を備えており、その第3判断手段により前記動的表示の
回数が所定回数に達したと判断された場合に前記有利期
間を終了させるものであることを特徴とする遊技機9。
動的回数記憶手段に記憶された動的表示の回数が所定回
数に達したと第3判断手段に判断されると有利期間が終
了するので、有利期間中の遊技を行う遊技者は、有利期
間中に行われた動的表示の回数に基づいて残りの動的表
示の回数を容易に認識することができる。なお、有利期
間が終了するタイミングは、必ずしも第3判断手段によ
り所定回数に達すると判断された直後に実行される動的
表示までとはならず、例えば、予め始動条件の成立を終
えて実行を待機している動的表示がある場合には、その
待機中の動的表示が行われた後に実行される動的表示ま
でとなる。 【0092】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
9のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記有利期間
中の動的表示に予め定めた終了表示が所定回数現出した
場合に前記有利期間を終了させるものであることを特徴
とする遊技機10。遊技者は、有利期間中の動的表示に
特定表示が現出することを期待する一方で、終了表示が
現出しないことを期待することができるので、動的表示
の表示結果に対する期待感が高められ、有利期間中にお
ける遊技の興趣を一層高めることができる。なお、終了
表示としては、特定表示と同種のものを使用することが
でき、例えば、リーチ表示や示唆表示など動的表示の中
で特別遊技状態が付与され易い動的表示であることを示
唆する表示を使用しても良く、又は、動的表示が停止し
た後の識別情報の組み合わせを使用しても良い。また、
有利期間を終了させるタイミングは、表示装置に終了表
示が現出して有利期間の終了が確定した回の動的表示ま
でとしても良く、又は、終了表示が現出して有利期間の
終了が確定した回の所定回数後に開始される動的表示ま
でとしても良い。 【0093】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
10のいずれかにおいて、前記制御手段は、1の有利期
間が開始される場合、その有利期間の前に行われた前回
の有利期間の終了時における前記特定表示の現出回数の
計数値に基づいた値から前記特定表示の現出回数を計数
するものであることを特徴とする遊技機11。有利期間
中に特定表示が現出して特定表示の現出回数が所定回数
に近づくほど、有利な遊技状態に対する遊技者の期待感
は増大する。しかし、特定表示の現出回数が所定回数に
達する直前で有利期間が終了すると、遊技者が落胆し、
遊技者の遊技に対する継続意欲が減衰する。遊技機11
によれば、1の有利期間が開始される場合、特定表示の
現出回数は、前回の有利期間の終了時における特定表示
の現出回数の計数値に基づいた値から計数される。よっ
て、例えば、前回の有利期間の終了時における特定表示
の現出回数の計数値を、次に開始される有利期間の開始
時における特定表示の現出回数の計数値とすることで、
有利期間の終了時に特定表示の現出回数が所定回数に近
づいたときほど、次の有利期間で所定回数に達する迄に
必要な特定表示の現出回数が少なくなり、遊技者は、次
の有利期間の開始を期待して遊技を継続することができ
る。なお、特定表示の現出回数の計数値に基づいた値と
しては、その計数値そのものを使用しても良く、又は、
その計数値から所定回数(例えば、1)を減算或いは加
算した値などを使用しても良い。 【0094】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
11のいずれかにおいて、前記制御手段は、1の有利期
間が開始される場合に、前記特定表示の現出回数を初期
値から計数するものであることを特徴とする遊技機1
2。1の有利期間が開始される場合に、特定表示の現出
回数は、初期値から計数される。よって、遊技者は、前
回の有利期間における特定表示の現出回数に関係なく、
有利期間中の特定表示の現出による有利な遊技状態への
遷移を期待して遊技を行うことができる。 【0095】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
12のいずれかにおいて、前記特定表示は、前記特別遊
技状態が付与され易い動的表示であることを、その動的
表示が表示結果を現出する前に示唆する有利表示とされ
ていることを特徴とする遊技機13。特定表示が有利表
示とされているので、有利期間中の動的表示に有利表示
が現出した場合に、遊技者に特別遊技状態を期待させる
ことができると共に、有利表示が現出した回の動的表示
が特別遊技状態を付与しない表示結果を現出しても、特
定表示の現出回数が所定回数に近づくことにより有利な
遊技状態が近づく興趣を遊技者に付与することができ
る。 【0096】ここで、有利表示とは、リーチ表示や示唆
表示など動的表示の中で特別遊技状態が付与され易い動
的表示であることを示唆する表示である。リーチ表示と
は、複数の識別情報からなる識別情報列が予め定めた識
別情報の組み合わせで確定停止して特別遊技状態が付与
される遊技機において、少なくとも1つの識別情報列を
残して他の識別情報列の動的表示が停止したとき、その
停止した識別情報が特別遊技状態を付与する組み合わせ
の1部を構成し、動的表示中の表示結果如何によって特
別遊技状態が付与されることを示唆する表示である。ま
た、示唆表示とは、動的表示の途中で予め定めた図柄や
文字などの識別情報が表示装置に現出して通常とは異な
る動的表示であることを示唆する表示である。 【0097】なお、リーチ表示が現出した動的表示の表
示結果であって特別遊技状態が付与される表示結果に対
して予め定めた関係を有するものを特定表示としても良
く、例えば、複数の識別情報からなる識別情報列の並び
順に基づいた関係を有する表示結果を特定表示としても
良い。特別遊技状態が付与される表示結果(例えば、
「111」や「777」など3つの識別情報が同一の組
み合わせ)に対して最後に停止する識別情報列が前また
は後に1つだけずれて停止した表示結果(例えば、最後
に中央の識別情報が停止する場合、「101」や「78
7」などの組み合わせ)を特定表示としても良い。特別
遊技状態が付与される表示結果に近い識別情報の組み合
わせを特定表示とすることで、従来は遊技状態に全く影
響しなかった当たりに近い識別情報の組み合わせが有利
期間中の動的表示に所定回数現出した場合に遊技状態を
遊技者にとって有利な状態に遷移させることができる。 【0098】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
13のいずれかにおいて、前記特定表示は、前記特別遊
技状態が付与され難い動的表示であることを、その動的
表示が表示結果を現出する前に示唆する不利表示とされ
ていることを特徴とする遊技機14。特別遊技状態が付
与され易い動的表示であることを示唆するリーチ表示や
示唆表示が動的表示中の所定のタイミングで現出しない
場合、その動的表示が特別遊技状態が付与され難い動的
表示(不利表示)であることが遊技者に示唆される。こ
の不利表示が繰り返し現出する場合には、遊技者は、単
調な遊技に苛立ちを感じてしまう。しかし、遊技機14
によれば、特定表示が不利表示とされているので、有利
期間中の動的表示に不利表示が現出した場合に、特定表
示の現出回数が所定回数に近づくことにより有利な遊技
状態が近づく興趣を遊技者に付与することができ、単調
な遊技に対する遊技者の苛立ちを緩和することができ
る。また、従来の遊技機においては低価値でしかなかっ
た不利表示を有利な遊技状態に遷移する契機とすること
ができ、不利表示を期待して遊技を行う新たな興趣を遊
技者に提供することができる。 【0099】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
14のいずれかにおいて、前記特定表示は、前記動的表
示の表示結果とは無関係に、その動的表示に現出する専
用表示とされていることを特徴とする遊技機15。特定
表示が、動的表示の表示結果とは無関係に現出する専用
表示であるので、遊技者は、動的表示の表示結果に基づ
いて付与される特別遊技状態と、特定表示の現出によっ
て遷移する有利な遊技状態とを、それぞれ個別に期待し
て遊技を行うことができる。なお、専用表示とは、例え
ば、始動条件の成立によって取得された乱数カウンタの
値が「100」である場合にのみ動的表示の途中で現出
させる「サメ」の表示などの偶発的な表示であり、特別
遊技状態が付与され易い又は付与され難い動的表示であ
ることを動的表示の途中で遊技者に示唆するリーチ表
示、示唆表示若しくはハズレ表示等とは異なるものであ
る。 【0100】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
15のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記有利期
間中の動的表示に前記特定表示が所定回数現出したとき
に遷移させる遊技状態を少なくとも2種以上備えてお
り、所定条件に基づいてその2種以上の遊技状態を選定
するものであることを特徴とする遊技機16。遊技状態
としては、例えば、特別遊技状態が付与される遊技状態
(普通変動図柄での大当たりによって遷移する遊技状
態)と、特別遊技状態および確率変動状態が連続して付
与される遊技状態(確率変動図柄での大当たりによって
遷移する遊技状態)等が例示される。また、2種以上の
遊技状態を選定する際の所定条件としては、例えば、乱
数カウンタの値が奇数であるか偶数であるかという条件
等が例示される。 【0101】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
16のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記有利期
間中の動的表示に前記特定表示が所定回数現出すると
き、その特定表示の現出により遷移させる遊技状態と、
動的表示毎に抽選される遊技状態とを比較して、遊技者
にとって有利な一方の遊技状態へと遷移させるものであ
ることを特徴とする遊技機17。有利期間中の動的表示
に特定表示が所定回数現出した場合に、その特定表示の
現出により遷移させる遊技状態(例えば、確率変動状
態)より、動的表示毎に抽選された遊技状態の方が有利
な遊技状態(例えば、特別遊技状態)となることが有る
が、このとき、遊技状態を特定表示の現出に従った遊技
状態に遷移させるのは遊技者に対して不当な遊技状態を
付与することとなる。しかし、遊技機17によれば、制
御手段は、特定表示の現出により遷移させる遊技状態
と、動的表示毎に抽選される遊技状態とを比較して、遊
技者にとって有利な一方の遊技状態へと遷移させるもの
であるので、公正な遊技状態を遊技者に付与することが
できる。 【0102】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
17のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記有利期
間中の動的表示に前記特定表示が所定回数現出する場合
に遷移させる遊技状態よりも、動的表示毎に抽選される
遊技状態が遊技者にとって更に有利な第1遊技状態であ
るか否かを判定する第1判定手段を備えており、その第
1判定手段により動的表示毎に抽選された遊技状態が前
記第1遊技状態であると判定された場合には、その第1
遊技状態へと遊技状態を遷移させるものであることを特
徴とする遊技機18。特定表示の現出により遷移させる
遊技状態よりも、動的表示毎に抽選される遊技状態が遊
技者にとって更に有利な第1遊技状態で有るか否かを第
1判定手段により判定することができるので、その判定
結果に基づいて遷移させる遊技状態を決定することがで
きる。よって、特定表示の現出により遷移させる遊技状
態と、動的表示毎に抽選される遊技状態との内、遊技者
にとって有利な一方の遊技状態へと確実に遷移させるこ
とができ、不当な遊技状態が抽選されることなく、公正
な遊技状態を遊技者に付与することができる。 【0103】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
18のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記有利期
間中の動的表示に前記特定表示が所定回数現出する場合
に、遊技状態を遊技者にとって最も有利な遊技状態に遷
移させるものであることを特徴とする遊技機19。2以
上の抽選に基づいた遊技状態の中から遊技者にとって一
番有利な遊技状態を選定する制御をする場合に、他の抽
選に基づいた遊技状態より、特定表示の現出により遷移
させる遊技状態を優先させて、遊技状態を決定すること
ができる。よって、制御手段で行われる処理を迅速且つ
スムースに行うことができる。 【0104】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
19のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記有利期
間中に前記特別遊技状態が付与された場合に、前記有利
期間中の動的表示に前記特定表示が現出する現出回数の
計数値を初期化することを特徴とする遊技機20。動的
表示毎の抽選によって有利期間中に特別遊技状態が付与
されても特定表示の現出回数を継続して計数すると、遊
技者にとって有利な遊技状態が従来の遊技機より頻繁に
発生してしまい、1の遊技機により得られる遊技場の利
益が減少する。一方、特定表示を現出し難くすれば、遊
技者には、特定表示の現出による遊技の興趣を堪能させ
ることができない。しかし、遊技機20によれば、有利
期間中に特別遊技状態が付与された場合には、現出回数
の計数値が初期化されるので、特別遊技状態が付与され
た直後に特定表示の現出回数が所定回数に達することが
なく、有利な遊技状態の連続発生を抑止することができ
る。よって、遊技場の利益を確保しつつ、特定表示の現
出頻度を高めることができ、遊技者には、特定表示の現
出による遊技の興趣を堪能させることができる。 【0105】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
20のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であ
ることを特徴とする遊技機21。中でも、パチンコ機の
基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンド
ルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊
技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は
作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装
置において動的表示されている識別情報が所定時間後に
確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態
の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可
変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球
を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品
球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含
む)が付与されるものが挙げられる。 【0106】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
20のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシン
であることを特徴とする遊技機22。中でも、スロット
マシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる
識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する
可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバ
ー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、
停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因
して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報
の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特
定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利
な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを
備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、
メダル等が代表例として挙げられる。 【0107】請求項1記載の遊技機または遊技機1から
20のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とス
ロットマシンとを融合させたものであることを特徴とす
る遊技機23。中でも、融合させた遊技機の基本構成と
しては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表
示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備
え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因
して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段
(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、
所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停
止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であ
ることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態
を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体
として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の
開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の
発生に際しては多くの球が払い出されるように構成され
ている遊技機」となる。 【0108】 【発明の効果】 本発明の遊技機によれば、制御手段
は、有利期間中の動的表示に予め定めた特定表示が所定
回数現出する場合に、遊技状態を遊技者にとって有利な
遊技状態へ遷移させる。よって、複数回の動的表示に跨
って遊技状態を遊技者にとって有利な状態へと遷移させ
ることができるので、遊技者は遊技を継続することで興
趣を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の第1実施例におけるパチンコ機の遊
技盤の正面図である。 【図2】 パチンコ機の電気的構成を示したブロック図
である。 【図3】 停電の発生等によるパチンコ機の電源断時
に、主制御基板で実行されるNMI割込処理のフローチ
ャートである。 【図4】 主制御基板で実行されるメイン処理のフロー
チャートである。 【図5】 パチンコ機の電源入時に主制御基板のメイン
処理の中で実行される初期化処理のフローチャートであ
る。 【図6】 メイン処理の中で実行される変動表示設定処
理のフローチャートである。 【図7】 第2実施例の変動表示設定処理のフローチャ
ートである。 【図8】 第3実施例の変動表示設定処理のフローチャ
ートである。 【図9】 第4実施例の変動表示設定処理のフローチャ
ートである。 【図10】 第5実施例の変動表示設定処理のフローチ
ャートである。 【符号の説明】 3 LCD(表示装置) C 主制御基板(制御手段の一部) D 表示用制御基板(制御手段の一部) P パチンコ機(遊技機)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 識別情報を表示する表示装置と、その表
    示装置に識別情報の動的表示を行わせる制御手段とを備
    え、前記識別情報の動的表示が予め定めた表示結果を現
    出した場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を付与
    する遊技機において、 前記制御手段は、所定条件の成立に基づいて開始される
    有利期間中の動的表示に予め定めた特定表示が所定回数
    現出する場合、遊技状態を遊技者にとって有利な遊技状
    態へ遷移させるものであることを特徴とする遊技機。
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Cited By (5)

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