JP2003203933A - 封止方法および封止装置 - Google Patents

封止方法および封止装置

Info

Publication number
JP2003203933A
JP2003203933A JP2002000888A JP2002000888A JP2003203933A JP 2003203933 A JP2003203933 A JP 2003203933A JP 2002000888 A JP2002000888 A JP 2002000888A JP 2002000888 A JP2002000888 A JP 2002000888A JP 2003203933 A JP2003203933 A JP 2003203933A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
substrate
cavity
molding
degassing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002000888A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3945629B2 (ja
Inventor
Yoshiharu Fujimori
義晴 藤森
Hirosuke Sagami
洋佑 佐上
Yuuki Samejima
勇樹 鮫島
Kazuyuki Honma
和幸 本間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dekusutaa Kk
Athlete FA Corp
Original Assignee
Dekusutaa Kk
Athlete FA Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dekusutaa Kk, Athlete FA Corp filed Critical Dekusutaa Kk
Priority to JP2002000888A priority Critical patent/JP3945629B2/ja
Publication of JP2003203933A publication Critical patent/JP2003203933A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3945629B2 publication Critical patent/JP3945629B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚さが薄い基板に実装された複数の半導体チ
ップを薄い樹脂で一括して封止する封止方法と封止装置
であって、更に、樹脂封止された基板が反らない封止方
法と封止装置を提供すること。 【解決手段】基板に実装された半導体チップ上に樹脂を
塗布する工程と、実装領域に対応する第1のキャビティ
と余剰な樹脂を貯留する第2のキャビティが下面に配設
された成形ヘッドを基板に圧接して第1キャビティに樹
脂を充満させる工程と、第1キャビティから溢れた出し
た樹脂を第2キャビティに溜める工程と、成形ヘッドを
基板に圧接した状態で、樹脂を加熱硬化させる工程と、
成形ヘッドを基板に圧接した状態で、加熱硬化した樹脂
を冷却する工程とからなる樹脂封止方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板に実装された
半導体チップ等の封止方法と封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基板に実装された半導体チップの
樹脂封止方法には、ポッティング方法とトランスファモ
ールド法等が慣用されている。前者のポッティング法
は、液状の樹脂を塗布した状態で硬化させる方法であ
る。従って、半導体チップの上に塗布された樹脂の厚さ
は、表面張力等により均一にならない(特開2000−
208537号公報参照)。具体的に言及すると、ポッ
ティング法では、塗布された樹脂の中央部は、表面張力
により高くなること、又、ダムがある場合、ダムに接す
る樹脂は、メニスカス効果によりダムに這い上がること
等により塗布された樹脂は平坦にならない欠点がある。
更に大面積に塗布さらた樹脂は、波うって平坦にならな
い欠点もある。
【0003】後者のトランファモールド法は、加熱して
流動化させた熱硬化性樹脂をキャビティ内に加圧して射
出する方法である。従って、樹脂の高速流動によるワイ
ヤー配線の切断が発生し易い。特に、厚さが薄い樹脂で
は、ワイヤー配線の切断と樹脂の充填不足が生じ易くな
るので、熱硬化性樹脂の厚みは厚くならざるをえない欠
点もある(特開2000−315698号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在、携帯電話を初め
とする携帯電子機器は、構成部品を薄型化・小型化・軽
量化・高性能化することにより、新規な応用分野と需要
を開拓してきている。このように電子機器の薄型化の強
い要望に対して、ポッティング法やトランスファモール
ド法を初めとする従来の半導体封止技術は、十分に応え
ることができない。本発明は、このような従来技術の欠
点を抜本的に改良するものであり、基板に実装された半
導体チップを樹脂で薄く且つ均一な厚さに封止し、更に
樹脂封止された基板が反らない封止方法と封止装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の封止方法は、基板3に実装された半導体チ
ップ8を樹脂30で被覆して封止する封止方法であっ
て、基板3を基板支持台11に載置する工程と、基板支
持台11に載置された基板3上の半導体チップ8の周り
に樹脂30を塗布する塗布工程と、成形ヘッド16を基
板3に当接させて成形ヘッドの下面16aに設けられた
キャビティ内に樹脂30を充満させることにより、樹脂
30を所定形状に成形する成形工程と、樹脂30をキャ
ビティ内で加熱して硬化させる加熱工程と、硬化した樹
脂30をキャビティ内で基板と共に冷却する冷却工程
と、成形ヘッド16から樹脂封止された基板3を分離す
る工程と、樹脂封止された基板3を基板支持台11から
取り外し、次工程へ送る工程とからなることを特徴とす
る。このような封止方法によると、キャビティの内面形
状に従って樹脂30が成形されるので、厚さを薄く且つ
平坦にできる。塗布工程で樹脂の高速流動を伴わないの
でワイヤ配線の切断は生じない。更に、冷却してから基
板を成形型から分離するので、基板3の反りは発生しな
い。
【0006】また、本発明の封止方法は、塗布工程の後
に、塗布された樹脂30を脱ガスする工程を設けたこと
を特徴とする。この工程により、樹脂中に含まれる空気
と塗布中に巻き込まれた空気は除去され、内包された空
気による硬化樹脂の膨れが生じなくなる。更に、樹脂
と、半導体チップ、リード線や基板との接着力を高める
ことができる。このようなことにより、半導体チップの
みならずリードのパッシベーション性能も、大幅に向上
する。
【0007】本発明の封止装置は、基板3に実装された
半導体チップ8を樹脂30で封止する封止装置であっ
て、基板3を固定する基板支持手段4と、基板3を移動
させる手段と、樹脂30を半導体チップ8上に塗布する
塗布手段5と、塗布手段5を移動させる手段と、樹脂3
0を所定の形状に成形するキャビティを下面16に有す
る成形手段7と、成形手段を移動させる手段と、所定の
形状に成形された樹脂30をキャビティ内で加熱する加
熱手段と、加熱された樹脂30をキャビティ内で冷却す
る冷却手段とからなることを特徴とする。このような封
止装置によれば、半導体チップに関して、薄く且つ平坦
な樹脂封止実装が可能となる。
【0008】また、本発明の封止装置は、半導体チップ
8上に塗布された樹脂30を脱ガスする脱ガス手段6を
有することを特徴とする。このような封止装置の構成に
より、樹脂に内包された空気による膨れの発生をなくす
ことができた。更に、内包された空気に起因する接着力
の低下や封止機能の低下を防止することもできる。
【0009】更に、本発明の封止装置において、キャビ
ティは、半導体チップ8を封止する樹脂30の形状に対
応した第1キャビティ31と、樹脂30を所定形状に成
形する過程で第1キャビティ31からオーバーフローす
る樹脂を貯留する第2キャビティ32とからなることを
特徴とする。封止装置をこのような構成にすると、塗布
する樹脂量を必要量より所定量多することができるの
で、塗布量不足に起因する樹脂の欠け部の発生を防止で
き、且つ過剰の樹脂を逸散させることなく所定個所(第
2キャビティ)に貯留することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る封止方法と封
止装置を2つの実施の形態にもとづき、図面を参照して
説明する。 第1の実施の形態 図1は、本発明になる第1の実施の形態に係る封止装置
の要部構成を示す要部構成図である。図中の符号1はレ
ール、2はスライドテーブル、3は基板、4は基板支持
手段、5は塗布手段、6は脱ガス手段、7は成形手段、
8は半導体チップ、9は位置決め孔、11は基板支持
台、11aは基板支持板、12は基板の位置決めピン、
15は基板支持板加熱冷却用のペルチェ素子、16は成
形ヘッド、16aは成形ヘッドの下面、17はスペー
サ、18は外側ダム、21は成形ヘッド用のエアシリン
ダ、23は成形ヘッド用のペルチェ素子、24は脱ガス
ヘッド、25は脱ガスヘッドのキャビティ、26は排気
用のパイプ、27は脱ガスヘッド用のエアシリンダ、2
8はディスペンサ、29はノズルである。
【0011】この封止装置は、レール1と、このレール
1上を往復移動するスライドテーブル2と、このスライ
ドテーブル2の上に配設された基板支持手段4と、樹脂
を基板3に塗布する塗布手段5と、基板3に塗布された
樹脂を脱ガスする脱ガス手段6と、樹脂を所定の形状に
成形する成形手段7とからなる。レール1は、基板3を
基板支持台11に搭載する工程と、樹脂を塗布する工程
と、樹脂を脱ガスする工程と、樹脂を所定の形状に成形
する工程と、樹脂を加熱硬化する工程と、加熱硬化され
た樹脂を冷却する工程と、樹脂封止された基板3を成形
手段7から分離する工程とを実行する領域に少なくとも
延在している。
【0012】スライドテーブル2は、ボールネジ軸(図
示略)に螺合されていて、サーボモータ(図示略)によ
りレール1上を直線的に往復できるようになっている。
基板支持手段4は、大別すると基板支持板11aと、基
板支持台11と、ペルチェ素子15からなっている。そ
の下端は、スライドテーブル2と連結し、その上端は、
基板支持板11aに配設された位置決めピン12を介し
て基板3を所定位置に固定する。基板支持台11には、
塗布された樹脂を加熱して熱硬化させ、その後冷却する
ための加熱冷却素子であるペルチェ素子15が配設され
ている。
【0013】塗布手段5は、ノズル29を下部に装着し
たディスペンサ28とディスペンサ28をXYZ方向に
移動させる駆動機構(図略)からなる。ノズル29は、
マルチノズルで図5(B)等に示す如く複数のノズルが
1列に配置されている。そしてノズル29を移動させな
がら樹脂30を基板3上に塗布する。脱ガス手段6は、
脱ガスキャビティ25を下部に有する脱ガスヘッド24
と、この上部に連結されたエアシリンダ27からなる。
このエアシリンダ27により、脱ガスヘッド24は、昇
降自在である。また、脱ガスヘッド24の側面には、脱
ガスキャビティ25を減圧にするための孔が明けられ、
脱ガス用のパイプ26が嵌設されている。樹脂を脱ガス
する時の真空洩れを小さくするために、脱ガスキャビテ
ィ25の側壁下面にゴム、樹脂等の弾性のあるシートを
取りつけると良い。パイプ26は、銅パイプで、ここで
は図示していなが、減圧ポンプに接続されている。
【0014】成形手段7の主な構成要素は、成形ヘッド
16とエアシリンダ21である。成形ヘッド16の下面
16aには、キャビティを形成して樹脂を所定形状に成
形するための要素(スペーサ17、外側ダム18等)が
配設され、その内部には加熱冷却要素であるペルチェ素
子23が配設されている。エアシリンダ21は、成形ヘ
ッド16を自在に昇降させる。
【0015】図2は、第1の実施の形態で使用した基板
3の一例を示したものである。図2(A)は、基板3の
平面図で、図2(B)は、基板3の正面図である。基板
3には、その4隅に位置決め孔9が設けられている。ま
た、基板3は、多層配線基板で種々の回路(図示略)が
配線されていて、半導体チップ8は、バンプ等を介して
これらの配線の端子電極と接続されている。複数の半導
体チップ8を一括して樹脂封止する実装領域10は、長
方形の破線で示され、24個の半導体チップ8が同時に
樹脂封止されるようになっている。
【0016】図3は、第1の実施の形態で使用した基板
支持手段4の一例を示したものである。図3(A)は、
基板支持手段4の平面図で、図3(B)は、図3(A)
のAA断面図である。基板支持台11は、その上部に基
板支持板11aが配設され、基板支持板11aの下方に
ペルチェ素子15と断熱材14が配置されている。基板
支持台11は、スライドテーブル2にネジ等で固定され
ている。加熱冷却要素であるペルチェ素子15は、基板
支持台11に内臓されておりスライドテーブル2と共に
移動するように据え付けられている。なお、ペルチェ素
子15の固定機構は、通常の方法と異ならないので図示
を略す。基板支持板11aには、図示していないが、基
板を吸着固定するための開口が設けられている。
【0017】基板支持板11aは、基板3と等しい大き
さか、又はそれより大きい形状をしており、4本の基板
位置決めピン12がその上面より突出するように突設さ
れている。これらのピン12は、基板3の4隅に設けら
れた位置決め孔9に勘挿され、基板3の位置決めを行
う。基板支持台11の側面には、開口部13が形成さ
れ、その中にペルチェ素子15と耐熱繊維板からなる断
熱材14が配設される。断熱材14は、ペルチェ素子1
5の裏面から発生した発熱又は吸熱が基板支持台を通し
て基板支持板に伝導するのを防止する役割を果たしてい
る。ペルチェ素子15と断熱材14との間に放熱部材
(図示略)を設けると良い。この放熱部材は、ペルチェ
素子の裏側に発生する熱を放散させて、ペルチェ素子の
発熱・冷却効率を高める働きをする。更に、熱を放散さ
せるために、油冷、水冷又は空冷手段(図示省略)を基
板支持台11の下部またはペルチエ素子15の下面に取
り付けできるようになっている。
【0018】図4は、第1の実施の形態で使用した成形
ヘッド16の一例を示すものである。成形ヘッド16
は、下面16aに設けられたスペーサ17,外側ダム1
8と内側ダム19と、側面の開口部20から成形ヘッド
の内部に挿入されているペルチェ素子23と断熱材22
とからなる。図4(A)は、成形ヘッド16の下面図
で、成形ヘッドの下面16aの4隅にはスペーサ17
が、中央部にはダムが配設されている。スペーサ17
は、基板3上に塗布された樹脂の成形厚さを決めるもの
で、半導体チップ8と、配線と、その他マーク等と干渉
しないで基板3の上面と直接接触できるように、基板3
の外周領域に配置されている。
【0019】ダムは、外側ダム18と内側ダム19から
なる。内側ダム19は、外側ダム18の内側に設けら
れ、外側ダム18で囲まれたキャビティを2つに分割す
る。それらを第1キャビティ31と第2キャビティ32
と呼ぶ。第1キャビティ31は、樹脂封止する半導体チ
ップが配列されている領域に対応する空間で、そして第
2キャビティ32は、塗布された樹脂が成形ヘッド16
により所定の厚さに成形される時に、剰余の樹脂がオー
バーフローして、その中に溜まる空間である。外側ダム
18の高さは、スペーサ17と内側ダム19より高くな
るように設定されている。一方、内側ダム19の高さ
は、スペーサ17の高さより低く設定されている。これ
らの高さの関係により、塗布された樹脂を所定の厚さに
成形する時に、塗布された樹脂が外側ダム18より外に
流出することはなくなる。また、少々余剰に塗布された
樹脂は、成形時に内側ダムの先端と基板との間隙を通っ
て第1キャビティ31から第2キャビティ32に押し出
される。外側ダム18は、封止する半導体チップ8が配
置されている領域より大きめに設計されている。同様
に、内側ダム19も、封止される半導体チップ8が配列
されている領域の外側に設けられる。
【0020】ペルチェ素子23は、電流を流す方向によ
り加熱と冷却ができる素子であり、200ワットの素子
を使用している。断熱材22は、厚さ5mmの耐熱繊維
板を使用している。断熱材22の代わりに銅板や銅パイ
プ等からなる放熱部材を用いても良い。その場合、放熱
部材の先端には放熱フィンを設ける。
【0021】図4(B)は、図4(A)のAA断面図で
ある。基板支持台11の側面に開口部20が設けられ、
その内部にペルチェ素子23と断熱材22が配設されて
いる。図4(C)は、成形ヘッドの下面16aの部分拡
大図で、位置関係を説明するために、基板3を破線で示
してある。成形ヘッド16が下降すると、先ず外側ダム
18と基板3が接触する。塗布された樹脂は、この接触
により、外側に漏れ出ることはなくなる。引き続き成形
ヘッド16が降下した場合、スペーサ17が基板3と接
触して降下が止まるまで、外側ダム18は、押しつぶさ
れながら変形し続ける。この降下により、塗布された樹
脂の余剰分は、内側ダム19の先端と破線(基板3)の
間を通って第1キャビティ31から矢印方向に流れ、第
2キャビティ32に流れ込む。このようにして樹脂は、
第1キャビティ31内に所定の厚さに成形される。
【0022】図5および図6は、本発明になる封止方法
に係る第1の実施形態の主要な工程を説明するための工
程説明図である。第1の実施形態の製造方法について、
図1に示す封止装置を参照して説明する。図5(A)
は、工程の始まりを示し、図1における基板3と基板支
持手段4の部分図に対応している。この封止方法では、
順次、基板3をディスペンサ28の下へ、脱ガスヘッド
24の下へ更に成形ヘッド16の下へと移動させて、第
1の実施形態に係る工程が実施されるようになってい
る。以下、図1を参照しながら図5および図6を具体的
に説明する。
【0023】まず、図5(A)に示すように、基板3を
基板支持板11a上に搬送し、その後矢印の方向に降下
させて、基板の位置決め孔9をピン12に勘入して、基
板3が基板支持板11a上に位置決め載置される。基板
支持板11aには、真空吸着口(図示略)が5個配置さ
れており、これらの真空吸着口の吸着力で基板3を基板
支持板11aに更にしっかり固定する。加熱硬化工程に
おける所定の硬化温度に到達する時間を短くするため
に、この工程とこの工程の前後において、ペルテェ素子
15に通電し、基板支持板を予熱する。但し、基板支持
板11aの予熱条件は、後工程にて塗布された樹脂が成
形工程前にゲル化ない温度範囲にとどめる。
【0024】次に、基板3がディスペンサ28の下に移
動すると、ディスペンサ28が降下し所定位置に停止す
る。そして、ディスペンサ28は、配列している半導体
チップ8上をスイープしながら所定量の樹脂30を複数
のノズル29から吐出して、上昇する。この状態が図5
(B)である。ディスペンサ28自体をエアシリンダ以
外にモータ等で上下方向に移動させるようにしても良
い。また、樹脂を吐出する際にノズル29を持ち上げて
基板とノズル先端との間隔を大きくすることで、高い粘
性を有する樹脂をスムースに塗布することができる。
【0025】次に、脱ガスヘッド24の下に基板3が移
動した後、脱ガスヘッド24は、エアシリンダ27によ
り降下して、脱ガスヘッド24の下面が基板支持板11
aと圧接する。図5(C)に示すように、塗布された樹
脂30は、脱ガスキャビティ25内に密閉される。密閉
された脱ガスキャビティ25内は、真空ポンプに連結す
るパイプ26を経由して排気されて、0.5KPaに減
圧される。脱ガスキャビティ25内を減圧することによ
り、樹脂30と、基板3及び半導体チップ8との間に残
留している気泡や、樹脂内に残留している気泡やガスを
パージする。なお、この減圧の仕方として長時間連続し
て減圧を実行するようにしても良いが、間欠的に減圧を
繰り返すように脱ガスを行うようにしている。脱ガスの
効率は、後者の方が良い。他方、樹脂30中に溶存する
ガスが許容値以下で、樹脂30を塗布する時空気の巻き
込みが少ない場合は、この脱ガス工程を省略する。
【0026】次に、脱ガスヘッド24を上昇させた後、
基板3を成形ヘッド16の下に移動させる。図5(D)
がこの状態を示している。図5(D)の状態から、成形
ヘッドの下面16aに設けられたスペーサ17が基板3
に圧接するまで成形ヘッド16を降下させて、図6
(A)となる。成形ヘッド16が降下する過程は、ま
ず、外側ダム18が塗布された樹脂30を囲みながら基
板3と接触する。その後、外側ダム18は、スペーサ1
7が基板3と接触するまで変形させられながら基板3に
押圧される。
【0027】第1キャビティ31内にある樹脂30は、
成形ヘッド16の下面16aで押されて流動し、第1キ
ャビティ31内の空気を排除しながら第1キャビティ内
に充満するとともに、余剰の樹脂は、内側ダム19と基
板3との間隙を通って第2キャビティ32内に流出す
る。成形ヘッド16が降下して外側ダム18が基板3と
接した後更に降下すると、第1及び第2キャビティ内の
空気は逃げ場を失い第1キャビティ内に気泡となって残
る場合がある。第1キャビティ31内に空気を残留させ
ないために、第1及び第2キャビティ内の空気をパージ
するための切欠部49を外側ダム18に設ける。切り欠
き49を設ける位置は、外側ダム18から樹脂が洩れな
いように、第2キャビティを構成している外側ダム18
に設ける。このようにして、塗布された樹脂は、第1キ
ャビティ31の面とスペーサ17の高さからなる薄板形
状に成形される。
【0028】次に、成型ヘッド7と基板3とを圧接した
状態で、ペルチェ素子(15と23)に流す電流を増大
させて、樹脂30を上下の両面から所定の硬化温度まで
昇温し所定時間保持して硬化させる。基板支持台11に
設けられたペルチェ素子15には2本の導線(15aと
15b)が接続されており、レギュレータ(図示略)か
ら直流電流が矢印の方向に流される。成形ヘッド16に
設けられたペルチェ素子23についても同様である。加
熱温度と加熱時間(加熱温度に達してからの時間)は、
150℃で2分間である。この加熱温度と時間は、樹脂
の成分や温度プロファイル等によって異なるが、130
〜180℃で30秒〜4分間である。
【0029】次に、図6(B)に示すように、塗布され
た樹脂の加熱硬化が終了した後、成形ヘッド16を基板
3に圧接した状態で、加熱時と逆向きの電流をペルテェ
素子(15と23)に通電し、樹脂封止された基板3を
冷却する。この冷却工程においては、樹脂30と基板3
を室温付近まで冷却する。このことにより、離型後の基
板3の反りを効果的に抑止することと樹脂30の表面を
極めて高精度な平坦面に成形することができる。なお、
ペルチェ素子には、通電するために通常2本の導線が接
続されているが、煩雑さを避けるために、図6(A)と
図6(B)のみに導線を図示した。
【0030】そして、この冷却工程が終了すると、図6
(C)に示すように、エアシリンダ21により成形ヘッ
ド16を上昇させて、成形ヘッド16を基板3から離型
させる。基板3は、基板支持台11に設けられた位置決
めピンと嵌合し、更に真空吸着口(図示略)により吸着
されているので、基板支持台11に固定された状態を維
持する。
【0031】なお、実際には、基板3に塗布された樹脂
30を上記の加熱工程で完全に硬化させなくても良い。
この場合には、樹脂30が、変形し難い程度に硬化して
おり、且つ基板や半導体チップと剥離しない程度に硬化
していれば実用上問題はなく、その後、約160℃に加
熱された炉において二次キュア処理を行う。従来と同様
に、二次キュアはマス処理である。従って、枚葉処理で
ある一次処理を短時間のプレキュアとし、塗布した樹脂
を二次キュアで時間をかけて完全に硬化させる。
【0032】次に、基板3を吸着している真空吸着口の
真空をブレイクした後、基板3は、ノックピン(図示
略)で押し出され、図6(D)に示すように、基板支持
板11aから取り外され、次工程(図示略)に送られ
る。その後、樹脂封止された半導体チップ8群は、ダイ
シングで個々に分離され使用される。なお、基板3に塗
布された樹脂30のうち余分なものは、半導体チップ8
が実装されていない基板上に固着しているので、塵とし
て舞うこともなく、残りの基板と共に廃棄することがで
きる。なお、基板3の取り外しは、位置決めピンの先端
を基板支持板の上面より下に降下させることにより行う
ことも慣用された方法である。
【0033】ここで、スペーサ17、外側ダム18と内
側ダム19それぞれの機能について説明する。本実施例
では、図4に示すように、基板3の外形形状と略同一の
大きさである成形ヘッドの下面16a上に、スペーサ1
7と、外側ダム18と、内側ダム19とが配設されてい
る。外側ダム18に囲まれた領域は、内側ダム19によ
り2つの領域に仕切られる。実装領域を含む領域を第1
キャビティ31と、他方の余剰樹脂を貯留する領域を第
2キャビティ32と呼ぶ。
【0034】スペーサ17は、塗布された樹脂30を成
形する時、基板3と成型ヘッドの下面16との間隔を規
制するものである。上記実施例では、スペーサ17が基
板3に当接するので、スペーサ17の高さが樹脂30の
成形厚さとなる。
【0035】上記実施の形態において外側ダム18は、
シリコンゴム等の弾性材料で構成され、スペーサ17よ
り高くなるように形成されている。これにより、成型ヘ
ッド16を基板支持板11aに圧接させると、外側ダム
18は、その全周において基板3と密着するので、樹脂
30が外側ダム18と基板3との間から漏れ出してしま
うことを防止できる。
【0036】これに対し、内側ダム19は、スペーサ1
7よりも低く形成されている。これにより、基板3へ成
型ヘッド16が押圧された際に、第1キャビティ31内
の余分な樹脂30を、内側ダム19と基板3との間隙か
ら第2キャビティ32へ移動させることができる。な
お、内側ダムは、殆ど変形しないため、外側ダムに用い
た弾性部材以外に、変形し難い樹脂や金属などからある
部材であっても良い。
【0037】また、ディスペンサ28から吐出される樹
脂の容積を、第1キャビティ31の容積よりも多く且つ
第1キャビティ31と第2キャビティ32との合計容積
よりも少ない量とすることにより、樹脂30は、第1キ
ャビティ31の形状に成形される。
【0038】上記実施例では、スペーサ17が基板3に
圧接されるものとして、これを基準に外側ダム18およ
び内側ダム19の高さを説明した。しかし、基板3にス
ペーサ17を当接させるスペースがない場合、スペーサ
17を基板支持板11aに直接当接させる。この実施例
では、外側ダム18と内側ダム19nの高さは変更しな
いで、スペーサ17の高さを基板3の板厚分だけ長くな
るように変更する。この場合、樹脂の成形高さの精度
は、基板3の厚みのバラツキだけ少なくとも低下する。
【0039】また、上記実施例では、外側ダム18の一
辺のみに対応させて内側ダム19を設けているが、実装
領域10に対応する第1キャビティ31の2辺に余剰な
樹脂30を貯留する第2キャビティ32を設けても良
い。第2キャビティ32を2個設けることにより第1キ
ャビティ31内の空気のパージが容易になる。他にも、
たとえば、内側ダム19も外側ダム18と相似な長方形
形状に形成し、内側ダム19を外側ダムの内側全周に対
応して配設されても良い。また、実装領域10の3辺に
対応する辺に第2キャビティ32を設けても良いことは
自明である。他方、圧接時に、内側ダムがそのすべての
部位において必ずしも基板3から離間している必要は無
い。少なくとも一部において基板3から離間していれ
ば、そこから余分な樹脂30を第1キャビティ31から
第2キャビティ32へ移動せることができる。このよう
なことから、内側ダム19は、少なくとも一部において
基板3から離間するように形成すれば、型締めの際に発
生する樹脂30の厚みの上昇を効果的に抑制することが
できる。
【0040】さらに、内側ダム19の幅は外側ダム18
と同じ幅であっても良いが、外側ダム18よりも薄くす
ることで、外側ダム18よりも低い圧力において内側ダ
ム19を撓ませることができるので、余分な樹脂30を
第1キャビティ31から第2キャビティ32へ移動させ
ることができる。しかし、このような内側ダムの構造に
よって、外側ダム18と基板3との間から樹脂30の漏
出が発生することは生じない。一方、樹脂の塗布量の精
度を上げると、第1キャビティ31からの洩れ量を極め
て少なくできる。この場合、第2キャビティ32を設け
なくても良い。第2キャビティを設けない場合、半導体
チップが実装されていない領域に対応する成形ヘッドの
下面に、鋳物の押し湯に類似した構造を設けて、樹脂と
空気の逃げ場とすると良い。押し湯を設ける個所は、基
板の大きさによっては複数個を設ける。
【0041】チップ厚さが0.2mmの半導体チップを
実装した厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレート
(PET)製の3層配線基板に厚さ0.2mmの樹脂3
0を被覆すると、樹脂封止された半導体チップの厚さ
は、0.4mmである。本発明の方法を用いると、実装
領域が100mm×50mm程度の大きさの基板で、離
型後の基板3の撓みを殆ど発生させることがなく、歩留
まりを悪化させることはない。
【0042】ところで、第1の実施形態のような封止装
置であったとしても、基板3の実装領域が大きくなる程
に、且つ、基板3の厚さが薄くなる程に、樹脂封止され
た基板3を離型した後に基板3の反りが大きくなり、そ
の結果、半導体チップ8の実装不良が発生し易くなる。
【0043】実装領域が200mm×50mmのように
長いと、長さ方向の彎曲が大きくなる。この場合、変形
が生じないように、基板を押さえる個所を増やし且つ冷
却を十分にする等の工夫を行う必要がある。しかし、半
導体チップ8の実装領域が200mm×50mmの大き
さの基板を樹脂封止する場合、基盤を実装領域を2つに
分割して連結した図7に例示する基板とし、成型ヘッド
を図8に例示する成型ヘッドとすることによって、厚さ
0.1mmのPET製3層配線基板に対して、厚さ0.
3mmの樹脂封止を基板の変形を抑えながら容易に行う
ことができる。本発明の封止方法は、加熱硬化工程と冷
却工程の時間が長いので、図8に示す成型ヘッドを用い
ることにより生産性が大きく向上する。なお、図7およ
び図8において、各構成要素には、図2および図4と同
一の符号を付してあるのでその説明を省略する。
【0044】第2の実施の形態 図9は、本発明になる第2の実施の形態に係る封止装置
を示す概略構成図で、図9(A)は平面図、図9(B)
は正面図である。
【0045】この封止装置は、図9(A)に示すよう
に、第1ライン47と第2ライン48の2つの封止装置
を連結したもので、タクトの短い工程に用いるディスペ
ンサ43と脱ガスヘッド45を共用化させた構造を特徴
とする。そのため、ディスペンサ43と脱ガスヘッド4
5は、ヘッドレール39に滑合され、第1ライン47と
第2ライン48の間を矢印の方向に往復可能になってい
る。また、図9(B)に示すように、基板支持台33,
34を保持するスライドテーブル35,36は、それぞ
れレール37,38上に滑合され、図1と同様に、レー
ル上を矢印の方向に往復移動する。
【0046】第1ライン47を構成する基板支持台33
は、スライドテーブル35に固定され、そして基板46
は、基板支持台33に固定される。同様に、第2ライン
48を構成する基板支持台34は、スライドテーブル3
6に固定され、そして基板46は、基板支持台34に固
定される。これらの構造は、第1の実施の形態と同様で
ある。また、ディスペンサ43と脱ガスヘッド45は、
実施の形態1と同様なものを用いている。ディスペンサ
43は、スライド治具42を介して、そして脱ガスヘッ
ド45は、スライド治具44を介してヘッドレール39
に滑合され、これらの構成により、第1ラインと第2ラ
インを往復できるようになっている。ここでは図示いて
ないが、ディスペンサ43と脱ガスヘッド45は、エア
シリンダによってそれぞれ独立して上下に移動できるよ
うになっている。成形ヘッド40、41は、第1の実施
形態と同様なものを用いている。なお、第1ラインと第
2ラインで異なる基板を樹脂封止する場合は、基板支持
台と成形ヘッドは、それぞれ異なる構造のものとなるこ
とは云うまでもないが、ディスペンサと脱ガスヘッド
は、多くの場合共用できる。
【0047】図10は、第2の実施の形態に係る封止方
法のフローチャートである。この封止方法は、第1ライ
ンと第2ラインの各工程を1個のマイクロプロセッサ
(図示略)で制御する。加熱硬化と冷却の工程の合計時
間は、樹脂の塗布と脱ガスの工程の合計時間と比較する
と著しく長い。従って、処理の定常状態において、第2
ライン48から第1ライン47へのディスペンサ43の
移動は、第2ライン48の塗布工程が終了した後で、第
1ラインでは樹脂が加熱硬化あるいは冷却されている工
程中に行われるケースが多い。同様に、第2ライン48
から第1ライン47への脱ガスヘッド45の移動は、第
2ライン48の脱ガス工程が終了した後で、第1ライン
では樹脂が加熱硬化あるいは冷却されている工程中に行
われケースが多い。
【0048】一方、加熱・硬化工程と冷却工程は、ディ
スペンサ43と脱ガスヘッド45の移動とは関係なく、
各ラインで順次進められる。第1ラインに復帰したディ
スペンサ43と脱ガスヘッド45は、第1ラインの基板
支持台33から樹脂封止された基板が取り外され、新た
な基板41がセットされ、そして樹脂を塗布する位置に
基板41が移動されるまで、所定位置に待機している。
また、第2ラインへの移動と各工程のタイミングも上述
と同様である。以下、第2の実施の形態である封止方法
について、第1ラインを主体とし、それに第2ラインを
付加して説明する。
【0049】第1ステップは、第1ラインにおいて、基
板46がマガジン(図示略)から移動させられて、基板
支持台33にセットされる。なお、ディスペンサ43と
脱ガスヘッド45は、所定の位置で待機している。
【0050】第2ステップは、基板46がディスペンサ
43の下方(樹脂を塗布する位置)に移動し、ディスペ
ンサ43が降下して、樹脂を基板46の所定領域に塗布
する。樹脂の塗布量は、後述の成形工程で第1キャビチ
ィ31から少量オーバーフローする量とする。このオー
バーした樹脂は、第2キャビティ32に入り、外側ダム
18の外にはこぼれない。基板46への塗布が終了後、
ディスペンサ43は、第1ラインから第2ラインへ移動
する。第2ラインに移動されたこのディスペンサ43
は、未処理の基板46が基板支持台34にセットされ、
ディスペンサ43の下にくるまで待機する。また、ディ
スペンサ43が第2ラインに移動してきた時、基板46
が基板支持台34に載置されていて且つディスペンサ4
3の下に移動している場合は、第1ラインの第1ステッ
プと同じ操作に入る。以下第2ラインにおいても、第1
ラインと同様な手順でプロセスが進行する。
【0051】第3ステップは、基板46を脱ガスヘッド
45の下に移動し、脱ガスヘッド45を降下させ、脱ガ
スヘッド45を基板46に圧接させて、第1の実施の形
態と同様にして、樹脂中の残存空気等を脱ガスする。脱
ガス後、基板46を成形ヘッド40の下(樹脂を成形す
る位置)に移動する。一方、脱ガスヘッド45を第2ラ
インへ移動させる。この移動された脱ガスヘッド45
は、第1ラインで樹脂を塗布された基板46がその下に
移動して来るまで待機するようになっている。また、脱
ガスヘッド45が第2ラインに移動してきた時、樹脂を
塗布された基板46が脱ガスヘッド45の下に移動して
いる場合は、第1ラインの第2ステップに入り、その
後、第1ラインと同様な手順でプロセスが進行する。
【0052】第4ステップは、成形ヘッド40の下面に
配設されたスペーサ17が基板46と当接するまで、成
形ヘッド40を下方に移動し、基板46に成形ヘッド4
0を押圧して、塗布した樹脂を所定の厚さに成形する。
【0053】第5ステップは、成形ヘッド40を基板4
6に押圧した状態で、基板支持板と成形ヘッドの下面を
加熱素子で昇温して、樹脂を160℃×1.5分間キュ
アして、成形した樹脂を硬化させる。
【0054】第6ステップは、成形ヘッド40を基板4
6に押圧した状態で、基板支持板と成形ヘッドの下面を
冷却し、樹脂封止された基板46の温度を室温近くまで
下げ、その後に、基板46を成形ヘッド40から分離す
る。
【0055】第7ステップは、冷却された基板46を搭
載した基板支持台33を元の位置(図10の(A))に
戻して、基板46を基板支持台33から取り外す。更
に、樹脂封止すべき基板がある場合は、第1ステップの
初めに戻り、再度、基板46を基板支持台33にセッと
して樹脂封止処理を行う。また、処理すべき基板が無い
と判断された時、この処理は終了する。
【0056】一方、第2ラインは、ディスペンサ43と
脱ガスヘッド45が第1ラインから移動してくるタイミ
ングが不確定でいろいろのケースが生じるので、それら
の移動のタイミングを除くと第1ラインと同じ工程を順
に行う。なお。第1ラインにおいても第2ラインの初期
設定とサイクルタイムによって、ディスペンサ43と脱
ガスヘッド45が第1ラインから移動してくるタイミン
グが不確定でいろいろのケースが生じることはいうまで
もない。
【0057】一方、第2ラインの工程の初回は、基板4
6が基板支持台34に載置されている状態で、ディスペ
ンサ43が第1ラインから移動してくる。そして、樹脂
の塗布が終了した後、ディスペンサ43は、第1ライン
に移動して待機する。次に、第1ラインから移動してき
た脱ガスヘッド45を用いて、塗布された樹脂を脱ガス
した後、脱ガスヘッド45は、第1ラインに移動して待
機する。封止処理の2回目以降では、ディスペンサ43
と脱ガスヘッド45が第1ライン又は第2ラインとも待
機している状態で、基板支持台(34、36)が所定の
位置に戻り、基板46が基板支持台にセットされて、新
たな封止工程に入るケースや、ディスペンサ43あるい
は脱ガスヘッド45が移動した後待機することなく処理
に入るケースのいずれでも、第1ラインと第2ラインの
サイクルタイムの差とプロセスの初期設定の設定値によ
り生じる。
【0058】この第2の実施形態の封止方法において
も、基板に樹脂を塗布する以前から昇温しておき、基板
支持板と成形ヘッドの下面を加熱して硬化温度に昇温さ
せるための時間を短縮すると良い。更に、基板支持板と
成形ヘッドの下面の加熱・冷却速度を速めるために、ペ
ルチェ素子の代わりに、銅パイプ(図示略)を配設す
る。そして、加熱する時は、銅パイプに加熱されたオイ
ル等の液体を流し、逆に、冷却する時は、冷却されたオ
イル等の液体を流す。加熱された液体と冷却された液体
は、バルブで切り替えて流す。液体に蒸気や他の気体が
混じると、熱伝導が極端に低下して、樹脂の加熱・冷却
速度が著しく低下する。この液体へ空気が混入すること
を防止するとともに、液体の沸点は、220℃より高い
ことが好ましく且つ加圧して液体を流すことが好まし
い。
【0059】半導体チップを被覆する硬化した樹脂の形
状は、高さが外周ダムの高さとほぼ同じで、縦横が実装
領域に対応する第1キャビティの大きさとほぼ同じであ
る。樹脂は、一般的に、硬化すると体積が減少するが、
減少率は、小さない。従って、本発明において、所定の
形状に成形された樹脂の平面形状とは、大略、第1キャ
ビティの平面形状に相当する。
【0060】本発明は、上記の実施の形態に限定される
ものではない。基板を基板支持台に取り付ける場所と基
板を基板支持台から取り外す場所を同一場所としたが、
別な場所としても良い。タンデム配置され且つ基板の自
動搬送機構を有する装置で半導体チップの表面実装を行
う場合、基板の取り付けと取り外しの場所を異ならせた
方が好ましい。また、樹脂は、熱硬化性の樹脂でエポキ
シ樹脂を用いたが光硬化樹脂でも良い。
【0061】本発明において、基板は、短冊状の回路基
板だけでなく、連続したテープ上の回路基板でも良い。
また、半導体チップは、シリコンチップ以外にGa−A
s等の化合物半導体チップでも良いことはいうまでもな
く、半導体チップと基板との電気的接続は、フリップチ
ップ法でもワイヤ配線法等いずれでも良い。
【0062】本発明において、多数の吐出口を有するノ
ズル29の幅は、基板の実装領域の巾で、ノズルをスイ
ープする方向の巾とほぼ等しくし、1回のパスで樹脂を
塗布することが好ましい。しかし、塗布時間は掛かる
が、1口のノズルで1筆書きにすることでも可能である
ことは云うまでもない。また、脱ガスの真空度を0.5
KPaとしたが、減圧すると程度の差はあれ脱ガスの効
果はがあらわれる。実用的には、30KPa以下であれ
ば良い。
【0063】加熱手段として、ペルチェ素子とヒートパ
イプの手段を例示したが、加熱に電熱ヒータや光を用い
ても良いことは明かである。熱硬化性樹脂を光エネルギ
ーで加熱する場合、成形ヘッドは、透明な耐熱ガラス等
のセラミックで構成し、冷却は、成形ヘッドに設けた流
路に透明液体を流すことで行う。光硬化樹脂を光エネル
ギーで硬化させる場合、紫外線を照射して樹脂を硬化さ
せる。しかし、光硬化樹脂のみで十分なパッシベーショ
ン性能が得られないことがあり、その場合、熱硬化性樹
脂を混合させ光硬化により仮接続をした後、熱硬化させ
ると良い。紫外線は、半導体チップの裏面に届かないの
で、表と裏の両面から照射する。また、樹脂は封止後の
光を吸収するために、黒色の場合が多いので、透明なエ
ポキシ樹脂で封止した後染色で黒色にすると良い。
【0064】成形ヘッドと基板支持板の冷却は、それら
の内部に配管されパイプに液体を通して冷却する方法を
述べたが、加圧した気体を通して冷却しても良い。ま
た、加熱に関しても、液体でなく加圧した気体を流して
も良いことは自明である。
【0065】ダムに適する材料特性は、樹脂と接着し難
い化学特性が必須要件である。従って、非接着性である
フッ素樹脂やシリコン樹脂を用いることが好ましいが、
コーティング等の表面処理により粘着性を低下させたも
のでも良い。外側ダムは、弾性変形することも必須要件
で、弾性の高い樹脂以外にある程度変形する金属からな
るパイプや薄板でも良いことは明かである。なお、この
場合、金属には、樹脂との接着力を低減させる被覆をす
ることが好ましい。ダムの巾は、0.5〜2mmであれ
ば良く、より好ましくは1〜1.5mmである。
【0066】また、成形ヘッドは、ステンレス合金を用
いたが、樹脂が接着し易いので、成形ヘッドにフッ素樹
脂等の非粘着性樹脂をコーティングする。このコーティ
ングにより、硬化した樹脂が成形ヘッドに接着しなくな
ると共に、成形ヘッドの清掃が容易になる利点も生まれ
る。
【0067】
【発明の効果】本発明は、上記の実施の形態を用いるこ
とにより、実装面積の大きな基板であっても、実装され
た半導体チップを薄く且つ平坦な樹脂で封止することが
できる。また,本発明により、0.3〜1mmと極めて
薄い樹脂封止された半導体チップを供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる第1の実施の形態に係る封止装
置の主要な構成要素を示す概略構成図である。
【図2】 基板を示す図で、(A)は平面図、(B)は
正面図である。
【図3】 基板支持台を示す図で、(A)は下面図、
(B)はAA断面図である。
【図4】 成形ヘッドを示す図で、(A)は成形型の下
面図、(B)はAA断面図、(C)はスペーサ17、外
側ダム部材18と内側ダム19との高さの関係を説明す
るための(B)の部分拡大断面図である。
【図5】 第1の実施の形態である封止方法に関する前
段の主要な工程を示す工程説明図である(その1)。
【図6】 第1の実施の形態である封止方法に関する前
段の主要な工程を示す工程説明図である(その2)。
【図7】 基板の他の例を示す図で、(A)は平面図、
(B)は正面図である。
【図8】 図8に示す基板用の成形ヘッドを示す図で、
(A)は平面図、(B)は(A)のAA断面図である。
【図9】 本発明になる第2の実施の形態に係る封止装
置の主要な構成要素を示す概略構成図である。
【図10】 第2の実施の形態である封止方法に関する
主要な工程を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1 レール 2 スライドテーブル 3 基板 4 基板支持手段 5 塗布手段 6 脱ガス手段 7 成形手段 8 半導体チップ 9 位置決め孔 10 実装領域 11 基板支持台 11a 基板支持板 12 位置決めピン 13 基板支持台の開口部 14 断熱材 15 ペルチェ素子 15a,15b 導線 16 成形ヘッド 16a 成形ヘッドの下面 17 スペーサ 18 外側ダム 19 内側ダム 20 成形ヘッド側面の開口部 21 エアシリンダ 22 断熱材 23 ペルチェ素子 23a、23b 導線 24 脱ガスヘッド 25 脱ガスキャビティ 26 パイプ 27 エアシリンダ 28 ディスペンサ 29 ノズル 30 樹脂 31 第1キャビティ 32 第2キャビティ 33、34 基板支持台 35,36 スライドテーブル 37,38 レール 39 ヘッドレール 40,41 成形ヘッド 42,44 スライド治具 43 ディスペンサ 45 脱ガスヘッド 46 基板 47 第1ライン 48 第2ライン 49 切り欠き
フロントページの続き (72)発明者 佐上 洋佑 神奈川県横浜市戸塚区上矢部町2050 デク スター株式会社内 (72)発明者 鮫島 勇樹 神奈川県横浜市戸塚区上矢部町2050 デク スター株式会社内 (72)発明者 本間 和幸 神奈川県横浜市戸塚区上矢部町2050 デク スター株式会社内 Fターム(参考) 5F061 AA01 BA03 CA26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板(3)に実装された半導体チップ
    (8)を樹脂(30)で封止する封止方法において、上
    記基板(3)を基板支持台(11)に載置する工程と、
    上記基板支持台(11)に載置された上記基板(3)上
    の上記半導体チップ(8)の周りに上記樹脂(30)を
    塗布する塗布工程と、キャビティ(31)が下面(16
    a)に設けられた成形ヘッド(16)を上記基板(3)
    に当接させて上記キャビティ(31)内に上記樹脂(3
    0)を充填させることにより、上記樹脂(30)を所定
    形状に成形する成形工程と、上記樹脂を上記キャビティ
    (31)内で加熱して硬化させる加熱工程と、硬化した
    上記樹脂(30)を上記キャビティ(31)内で冷却す
    る冷却工程と、上記成形ヘッド(16)から樹脂封止さ
    れた上記基板(3)を分離する工程と、樹脂封止された
    上記基板(3)を上記基板支持台(11)から取り外し
    次工程へ送る工程と、からなることを特徴とする封止方
    法。
  2. 【請求項2】 前記塗布工程の後に、塗布された前記樹
    脂(30)を脱ガスする工程を設けたことを特徴とする
    請求項1記載の封止方法。
  3. 【請求項3】 基板(3)に実装された半導体チップ
    (8)を樹脂(30)で封止する封止装置において、上
    記基板(3)を固定する基板支持手段(4)と、上記基
    板(3)を移動させる手段と、上記樹脂(30)を上記
    半導体チップ(8)上に塗布する塗布手段(5)と、該
    塗布手段(5)を移動させる手段と、上記樹脂(30)
    を所定形状に成形するキャビティを下面(16)に有す
    る成形手段(7)と、該成形手段(7)を移動させる手
    段と、上記所定形状に成形された上記樹脂(30)を上
    記キャビティ内で加熱する加熱手段と、上記樹脂(3
    0)を上記キャビティ内で冷却する冷却手段と、からな
    ることを特徴とする封止装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体チップ(8)上に塗布された
    前記樹脂(30)を脱ガスする脱ガス手段(6)を備え
    たことを特徴とする請求項3記載の封止装置。
  5. 【請求項5】 前記キャビティは、前記半導体チップ
    (8)を封止する前記樹脂(30)の形状に対応した第
    1キャビティ(31)と、前記樹脂(30)を上記形状
    に成形する過程で上記第1キャビティ(31)からオー
    バーフローする樹脂(30)を貯留する第2キャビティ
    (32)とからなることを特徴とする請求項3又は請求
    項4記載の封止装置。
JP2002000888A 2002-01-07 2002-01-07 封止装置 Expired - Fee Related JP3945629B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002000888A JP3945629B2 (ja) 2002-01-07 2002-01-07 封止装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002000888A JP3945629B2 (ja) 2002-01-07 2002-01-07 封止装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003203933A true JP2003203933A (ja) 2003-07-18
JP3945629B2 JP3945629B2 (ja) 2007-07-18

Family

ID=27641148

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002000888A Expired - Fee Related JP3945629B2 (ja) 2002-01-07 2002-01-07 封止装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3945629B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011200402A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Fujifilm Corp 基板保持装置及び方法、撮像装置、内視鏡

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011200402A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Fujifilm Corp 基板保持装置及び方法、撮像装置、内視鏡

Also Published As

Publication number Publication date
JP3945629B2 (ja) 2007-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6062810B2 (ja) 樹脂モールド金型及び樹脂モールド装置
US6126428A (en) Vacuum dispense apparatus for dispensing an encapsulant
US9412717B2 (en) Apparatus and methods for molded underfills in flip chip packaging
US7520052B2 (en) Method of manufacturing a semiconductor device
JP4607429B2 (ja) 半導体装置の製造方法および半導体装置
JP5497469B2 (ja) 発光装置およびその製造方法
US20080187613A1 (en) Method of manufacturing wafer-level chip-size package and molding apparatus used in the method
CN1638071A (zh) 半导体器件的制造方法
CN105762084B (zh) 倒装芯片的封装方法及封装装置
US20110147912A1 (en) Methods and apparatuses to stiffen integrated circuit package
JP2004179284A (ja) 樹脂封止方法、半導体装置の製造方法、及び樹脂材料
CN106298695B (zh) 封装模组、封装模组堆叠结构及其制作方法
JP2009528695A (ja) 発光ダイオードパッケージ及びその製造方法
JP2008060585A (ja) 半導体チップの順応性インターフェースを形成する方法
CN1674280A (zh) 叠层式电子部件
WO2017081882A1 (ja) 樹脂封止装置及び樹脂封止方法
JP5702481B2 (ja) 発光装置およびその製造方法
JP4903987B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP3945629B2 (ja) 封止装置
JP2006049697A (ja) 半導体装置の製造方法及び成形金型
JPH0661417A (ja) 半導体装置,電子回路装置,それらの製造方法および製造装置
CN110289219B (zh) 扇出型模块高压封装工艺、结构以及设备
TWI482251B (zh) Lead frame and method of manufacturing
JP3484633B2 (ja) 電子部品の製造方法
JP2007311483A (ja) 半導体装置及びその製法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20041201

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070115

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070306

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070307

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070404

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees