JP2003202288A - 全反射減衰測定装置 - Google Patents

全反射減衰測定装置

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JP2003202288A
JP2003202288A JP2002000661A JP2002000661A JP2003202288A JP 2003202288 A JP2003202288 A JP 2003202288A JP 2002000661 A JP2002000661 A JP 2002000661A JP 2002000661 A JP2002000661 A JP 2002000661A JP 2003202288 A JP2003202288 A JP 2003202288A
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Masayuki Naya
昌之 納谷
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定チップに蓋等の蒸発防止手段が施されて
いても非接触で液体試料を撹拌でき、迅速な測定が可能
なATR測定装置を提供する。 【解決手段】 このATR測定装置は、測定対象となる
液体試料12が注入される測定チップ10と、測定チッ
プ10に注入された液体試料12を撹拌するための光透
過性を有する撹拌用誘電体13と、該撹拌用誘電体13
に入射する光を発生するスターラ光源8と、スターラ光
源8によって発生された光を撹拌用誘電体13に入射さ
せて撹拌用誘電体13を回転させるためのスターラ光学
系とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エバネッセント波
による全反射減衰を利用し、測定チップ内に注入された
液体試料中の物質を定量分析するATR(Attenuated T
otal Reflection:全反射減衰)測定装置に関し、特
に、反応速度を早め、測定にかかる時間を短縮するため
に液体試料の撹拌を行うATR測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ATR測定装置において、短時間で液体
試料の反応測定を行うためには、撹拌装置を用いて液体
試料を流動させることにより早い反応速度を得ることが
考えられる。しかしながら、精密な測定を行う場合に
は、液体試料の蒸発を防ぐために蓋等の蒸発防止手段が
必要となり、非接触で撹拌を行わなくてはならない。非
接触の撹拌装置としては磁石を用いたスターラがある
が、ATR測定装置の測定チップのような微小空間にお
ける液体試料の撹拌には適していなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記の点に鑑
み、本発明は、測定チップに蓋等の蒸発防止手段が施さ
れていても非接触で液体試料を撹拌でき、迅速な測定が
可能なATR測定装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、本発明に係るATR測定装置は、全反射減衰を利用
した測定を行う装置であって、測定対象となる液体試料
が注入される測定チップと、測定チップに注入された液
体試料を撹拌するための光透過性を有する撹拌用誘電体
と、該撹拌用誘電体に入射する光を発生するスターラ光
源と、スターラ光源によって発生された光を撹拌用誘電
体に入射させて撹拌用誘電体を回転させるためのスター
ラ光学系とを具備する。
【0005】本発明によれば、ATR測定装置におい
て、光により撹拌用誘電体を回転させる光スターラを用
いることにより、測定チップに蓋等の蒸発防止手段が施
されていても非接触で液体試料を撹拌でき、迅速な測定
が可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の
構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略す
る。図1は、本発明の第1の実施形態に係るATR測定
装置の全体構成を示している。
【0007】図1に示すように、ATR測定装置1は、
測定部3において、測定対象となる液体試料が注入され
る測定チップ(プリズムカップとも呼ばれる)10と、
ATR測定に用いる光を発生する測定光源14と、測定
光源14によって発生された光を測定チップ10に入射
させるための光学系を構成する集光レンズ15と、反射
光を検出する光検出器16とを含んでいる。測定チップ
10に注入された液体試料中には、液体試料を撹拌する
ための少なくとも1つの誘電体(以下、撹拌用誘電体と
いう)が含まれている。
【0008】また、ATR測定装置1は、撹拌部2にお
いて、撹拌用誘電体に入射する光を発生するスターラ光
源8と、スターラ光源8によって発生された光を撹拌用
誘電体に入射させるための光学系を構成する集光レンズ
9とを含んでいる。さらに、ATR装置1は、複数の測
定チップ10を保持するターンテーブル4と、ターンテ
ーブル4を間欠的に回動させるモータ5と、光検出器1
6の出力信号を受けて処理する処理部7と、モータ5を
制御すると共に、ATR測定装置1における測定タイミ
ングを制御する制御部6とを含んでいる。
【0009】ターンテーブル4に保持された複数の測定
チップ10は、ターンテーブル4が1周する間に順次交
換される。測定チップ10を交換可能に保持するために
は、例えば、測定チップ10を、上底から下底に向かう
につれて徐々に断面積が小さくなるような形状にして、
ターンテーブル4の空孔によって保持すれば良い。
【0010】ターンテーブル4は、複数の測定チップ1
0を、その回動軸を中心とする円周上に等角度間隔で保
持するように構成されている。モータ5は、ステッピン
グモータ等から構成され、測定チップ10の配置角度と
等しい角度ずつターンテーブル4を間欠的に回動させ
る。
【0011】図2に、図1に示す撹拌部2と測定部3を
拡大して示す。本実施形態は、表面プラズモン共鳴(S
PR:Surface Plasmon Resonance)の測定を行う表面
プラズモンセンサに適用される。
【0012】図2に示すように、測定チップ10は、透
明誘電体11と、金属薄膜17とを含んでいる。透明誘
電体11は、上底よりも下底の面積が小さい角錐台の形
状を有しており、本実施形態においては、4角錐台とな
っている。透明誘電体11の上部には、液体試料12が
注入される空孔が形成され、液体試料12の蒸発による
温度変化等を防ぐために蓋18が被せられている。金属
薄膜17は、透明誘電体11の空孔の内底面上に形成さ
れ、検出対象である物質を含む液体試料12と直接接触
するようになっている。
【0013】透明誘電体11は、ポリメチルメタクリレ
ート(poly methyl metha cryl
ate:PMMA)、ポリカーボネート、非晶性ポリオ
レフィン、又は、シクロオレフィンを含む透明樹脂や、
ガラス等によって形成される。また、金属薄膜17は、
金、銀、銅、アルミニウム等を含み、透明誘電体11の
空孔の内底面に蒸着等によって形成される。
【0014】スターラ光源8によって発生された光は、
集光レンズ9によって集光され、蓋18を介して、液体
試料12中の撹拌用誘電体13に入射する。スターラ光
源8としては、液体試料12における光エネルギーの吸
収による温度上昇を防止するため、液体試料12の吸収
波長帯外の単波長(例えば、1,064nm)を有する
シングルモードレーザ光を発生するYAGレーザ等を用
いることができる。なお、スターラ光源8の出力光のエ
ネルギーは、50mW〜200mWとしている。
【0015】撹拌用誘電体13は、光透過性を有する誘
電体であり、例えば、透明なガラスやポリスチレン等を
用いて作製することができる。撹拌用誘電体13は、光
がその内部を透過する際に屈折することにより力を受け
る。撹拌用誘電体13を非対称形状として、光の屈折に
より受ける力を異方的にすることにより、撹拌用誘電体
13を回転させることができる。
【0016】以下に、図3を参照しながら、光の透過に
より物体に力が加わる原理について詳しく説明する。光
は波動としての性質を有する一方で、粒子としての性質
も有する。そのため、光が屈折する際には、光の粒子で
ある光子の運動量変化を補うように、光が物体に力を及
ぼす。
【0017】図3において、集光レンズを通過して焦点
fに向かう光線Aが、焦点fの手前で物体に入射してい
る。物体に入射する際の屈折による光線Aの運動量変化
により、運動量を保存するための力FAINが物体に作用
する。また、光線Aが物体から出射する際の屈折におい
ても、運動量を保存するための力FAOUTが物体に作用
する。そのため、光線Aが物体に及ぼす力は、力FAIN
と力FAOUTとの合力FAとなる。同様に光線Bが物体
に及ぼす力は、力FBINと力FBOUTとの合力FBとな
る。従って、全体として、力FAと力FBとの合力Fが
物体に及ぶことになる。
【0018】この様に、光は物体を透過することにより
物体に力を及ぼすため、撹拌用誘電体として用いる物体
は、光透過性を有する必要があり、さらには、透明であ
ることが好ましい。また、物体を非対称形状として、そ
れぞれの光線の屈折により受ける力を異方的にすること
により、物体を回転させることができる。
【0019】再び図2を参照すると、測定光源14は、
SPR測定に用いる光を発生する。集光レンズ15は、
測定光源14によって発生された光を集光して透明誘電
体11に入射させ、透明誘電体11と金属薄膜17との
界面に対して種々の入射角が得られるようにする。この
入射角の範囲は、上記界面において光の全反射条件が得
られ、かつ、表面プラズモン共鳴が生じ得る角度を含む
範囲とされる。なお、表面プラズモン共鳴は、入射光が
p偏光であるときに生じるので、入射光がp偏光となる
ように測定光源14を予め設定しておく。その他、波長
板や偏光板を用いて入射光の偏光の向きを調節しても良
い。
【0020】光検出器16は、多数の受光素子が一列に
配されてなるラインセンサを用いて構成されている。測
定光源14によって発生された光は、測定チップ10の
内底面において反射され、入射した面に対向する面から
出射され、光検出器16によって検出される。その際
に、測定チップにおいて表面プラズモン共鳴が生じてい
ると、検出された光の中に暗線が観測される。光検出器
16は、検出した光を表す検出信号を、図1に示す処理
部7に出力する。
【0021】次に、表面プラズモンセンサの測定原理に
ついて説明する。光を金属薄膜17に対して全反射角以
上の入射角で入射させると、金属薄膜17に接している
液体試料12中に、電界分布を有するエバネッセント波
が生じる。このエバネッセント波により、金属薄膜17
と液体試料12との界面に、表面プラズモンが励起され
る。このとき、エバネッセント波と表面プラズモンとの
間で波数整合が成立すると共鳴状態となり、エバネッセ
ント波のエネルギーが表面プラズモンに移行する。これ
により、透明誘電体11と金属薄膜17との界面に特定
の入射角θ0で入射して全反射された光の強度が、鋭く
低下する。このような光の強度の低下は、光検出器16
により、反射光中の暗線として検出される。
【0022】表面プラズモンの波数kSPは、次の式によ
って決定される。ここで、表面プラズモンの波数を
SP、真空中での光の波数をk0、金属の誘電率をεM
試料の誘電率をεSとする。
【数1】 また、エバネッセント波の波数kEは、次の式で与えら
れる。ここで、プリズムカップの屈折率をn0、入射角
をθとする。 kE=k00sinθ ・・・(2)
【0023】エバネッセント波の波数kEと、表面プラ
ズモンの波数kSPが等しくなるような入射角θ0におい
て表面プラズモン共鳴が起こり、全反射減衰が生じる。
従って、全反射減衰が生じる入射角θ0を観測すること
により、式(1)及び式(2)に基づいて、全反射減衰
が生じるときの誘電率を算出することができる。さら
に、この誘電率εSから、較正曲線等を利用することに
より、試料中の検出対象である物質の濃度を求めること
ができる。
【0024】SPR測定をバイオセンサに適用するため
には、例えば、金属薄膜17の上に、検出対象である物
質と特定の反応を起こす媒体(以下、「センシング媒
体」という)を固定しておく。特定の反応とは、例え
ば、抗原抗体反応であり、液体試料12に含まれる抗原
を検出する場合に、その抗原に対する抗体をセンシング
媒体として用いる。センシング媒体の上に検出対象であ
る物質を含む液体試料12を注入すると、金属薄膜17
上で、液体試料12に含まれる抗原の濃度に応じた抗原
抗体反応が起こる。これにより液体試料12の屈折率が
変化するので、金属薄膜17と液体試料12との界面に
おいて生じる表面プラズモンの波数が変化する。これに
伴い、上記のような表面プラズモン共鳴が起こる入射角
θ0及びその反射角が変化する。従って、光検出器16
によって暗線の位置(角度)変化を検出することによ
り、試料中の特定物質の濃度を間接的に測定することが
できる。
【0025】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。図4に、本発明の第2の実施形態における撹拌
部と測定部を示す。本実施形態は、導波路センサに適用
される。
【0026】図4に示すように、測定チップ20は、透
明誘電体21と、導波路層としての誘電体薄膜27と、
誘電体28とを含んでいる。透明誘電体21は、上底の
面積及び下底の面積が中央部の面積よりも小さい角錐台
の結合形状を有しており、本実施形態においては8角錐
台となっている。透明誘電体21の上部には、液体試料
22が注入される空孔が形成されている。誘電体薄膜2
7と誘電体28は、透明誘電体21の空孔の内底面上
に、内底面より大きい面積で層状に形成されており、液
体試料22と直接接触する誘電体薄膜27の屈折率は、
誘電体28の屈折率よりも大きくなっている。
【0027】測定光源24は、測定に用いる光を発生す
る。集光レンズ25は、測定光源24によって発生され
た光を集光して透明誘電体21に入射させ、誘電体薄膜
27と誘電体28との界面に対して種々の入射角が得ら
れるようにする。
【0028】光検出器26は、多数の受光素子が一列に
配されてなるラインセンサを用いて構成されている。測
定光源24によって発生された光は、透明誘電体21を
介して誘電体薄膜27の一端に入射し、導波路層である
誘電体薄膜27内を進行して、誘電体薄膜27の他端か
ら透明誘電体21を介して出射し、光検出器26によっ
て検出される。その際に、導波路層が入射光の波長の数
分の1から数倍程度の厚みを有すると、多重反射光の干
渉による共鳴効果のため、とびとびの波数を有する光だ
けが伝搬を許される。このような動作を行う導波路セン
サは、吸収や屈折率の測定に利用される。
【0029】次に、導波路センサの測定原理について説
明する。図4に示す測定チップ20においては、液体試
料22の屈折率をn22、液体試料22と接する誘電体薄
膜27の屈折率をn27、誘電体28の屈折率をn28とす
ると、式(3)の関係がある。 n27>n22,n28 ・・・(3) これにより、屈折率n27を有する誘電体薄膜27が導波
路層となる。
【0030】透明誘電体21から所定の角度で誘電体薄
膜27に入射した光は、誘電体薄膜27と誘電体28と
の界面、及び、誘電体薄膜27と液体試料22との界面
において全反射を繰り返し、誘電体薄膜27内を進行す
る。さらに、この光は、液体試料22と誘電体薄膜27
とが接していない部分において、誘電体薄膜27から透
明誘電体21に出射する。
【0031】このような導波路センサにおいては、液体
試料22が存在する部分における導波光の波数と、透明
誘電体21が存在する部分における導波光の波数とが異
なるため、光の出射角から導波光の波数を直接的に求め
ることはできない。そのため、液体試料22と誘電体薄
膜27とが接している部分におけるエバネッセント波と
液体試料22との相互作用長と波数との積で与えられる
導波光の位相を、干渉計により測定する必要がある。
【0032】導波光の波数は、次の固有方程式を解くこ
とによって決定される。ここで、真空中における光の波
数をk0、導波路層である誘電体薄膜27の厚さをT、
誘電体薄膜内を伝搬するときの界面における光の入射角
をθとすると、TE偏光(TEモード)の固有方程式
は、次式で表される。
【数2】 また、TM偏光(TMモード)の固有方程式は、次式で
表される。
【数3】 以上において、mは整数である。TE偏光とは、電界が
誘電体薄膜27の法線と導波光の進行方向との垂直成分
のみの導波モードであり、TM偏光とは、磁界が誘電体
薄膜27の法線と導波光の進行方向との垂直成分のみの
導波モードである。式(4)及び式(5)は、θに対し
て解析的に解くことができず、数値計算またはグラフを
用いて求められる。これにより、液体試料の屈折率を求
めることができる。
【0033】次に、本発明の第3の実施形態について説
明する。図5に、本発明の第3の実施形態における撹拌
部と測定部を示す。本実施形態は、漏洩モードセンサに
適用される。
【0034】図5に示すように、測定チップ30は、透
明誘電体31と、導波路層としての誘電体薄膜37と、
クラッド層としての誘電体薄膜38とを含んでいる。透
明誘電体31は、上底よりも下底の面積が小さい角錐台
の形状を有しており、本実施形態においては4角錐台と
なっている。透明誘電体31の上部には、液体試料32
が注入される空孔が形成されている。2つの誘電体薄膜
37、38は、透明誘電体31の空孔の内底面上に層状
に形成されており、液体試料32と直接接触する誘電体
薄膜37の屈折率は、誘電体薄膜38の屈折率よりも大
きくなっている。
【0035】測定光源34は、測定に用いる光を発生す
る。集光レンズ35は、測定光源34によって発生され
た光を集光して透明誘電体31に入射させ、2つの誘電
体薄膜37、38の界面に対して種々の入射角が得られ
るようにする。
【0036】光検出器36は、多数の受光素子が一列に
配されてなるラインセンサを用いて構成されている。測
定光源34によって発生された光は、透明誘電体31を
介して誘電体薄膜37の途中に入射し、導波路層である
誘電体薄膜37内を進行して、誘電体薄膜37の途中か
ら透明誘電体31を介して出射し、光検出器36によっ
て検出される。このようにすることにより、液体試料3
2が存在する部分の導波光の波数を直接測定することが
できるので、導波路センサの欠点が解消される。その結
果、漏洩モードセンサは、表面プラズモンセンサと類似
した構造を有する。液体試料、導波路層、クラッド層の
いずれかに吸収がある場合には、表面プラズモンセンサ
と同様に、反射光の角度分布に現れる暗線から導波光の
波数を求めることができる。
【0037】次に、漏洩モードセンサの測定原理につい
て説明する。図5に示す測定チップ30においては、液
体試料32の屈折率をn32、液体試料32と接する誘電
体薄膜37の屈折率をn37、もう一方の誘電体薄膜38
の屈折率をn38とすると、式(6)の関係がある。 n37>n32,n38 ・・・(6) これにより、屈折率n37の誘電体薄膜37が導波路層と
なり、屈折率n38の誘電体薄膜38がクラッド層とな
る。
【0038】導波路センサにおけるのと同様に、透明誘
電体31側から所定の角度で誘電体薄膜37に入射した
TE偏光又はTM偏光の光によって、誘電体薄膜37内
に導波光を励起することができる。ただし、導波路セン
サにおけるのと異なり、液体試料32に接していない誘
電体薄膜38も薄いので、導波光は伝搬しながら誘電体
薄膜37から漏洩し、液体試料32との相互作用長は限
られた大きさになる。そのため、導波路センサと比較し
て感度が低くなるものの、液体試料32が存在する部分
の導波光の波数を直接測定することができる。なお、誘
電体薄膜38が薄いために、導波光の波数は、透明誘電
体31の影響も受ける。そのため、漏洩モードセンサは
4層導波路として扱わなければならず、導波モードの固
有方程式が少し複雑となる。
【0039】
【発明の効果】以上述べた様に、本発明によれば、表面
プラズモンセンサ、導波路センサ、漏洩モードセンサ等
を含むATR測定装置において、光により撹拌用誘電体
を回転させる光スターラを用いることにより、測定チッ
プに蓋等の蒸発防止手段が施されていても非接触で液体
試料を撹拌でき、迅速な測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るATR測定装置
の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における撹拌部と測定
部を示す図である。
【図3】光により物体に力が加わる原理を示す図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施形態における撹拌部と測定
部を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態における撹拌部と測定
部を示す図である。
【符号の説明】
1 ATR測定装置 2 撹拌部 3 測定部 4 ターンテーブル 5 モータ 6 制御部 7 処理部 8 スターラ光源 9、15、25、35 集光レンズ 10、20、30 測定チップ 11、21、31 透明誘電体 12、22、32 液体試料 13、23、33 撹拌用誘電体 14、24、34 測定光源 16、26、36 光検出器 17 金属薄膜 18 蓋 27、37、38 誘電体薄膜 28 誘電体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全反射減衰を利用した測定を行う装置で
    あって、 測定対象となる液体試料が注入される測定チップと、 前記測定チップに注入された液体試料を撹拌するための
    光透過性を有する撹拌用誘電体と、 前記撹拌用誘電体に入射する光を発生するスターラ光源
    と、 前記スターラ光源によって発生された光を前記撹拌用誘
    電体に入射させて前記撹拌用誘電体を回転させるための
    スターラ光学系と、を具備する全反射減衰測定装置。
  2. 【請求項2】 全反射減衰測定に用いる光を発生する測
    定光源と、 前記測定光源によって発生された光を前記測定チップに
    入射させるための測定光学系と、 前記測定チップにおいて反射した反射光を検出する光検
    出器と、をさらに具備する請求項1記載の全反射減衰測
    定装置。
  3. 【請求項3】 前記測定チップが、表面プラズモン共鳴
    を利用した測定を行うために、内底面に金属薄膜を有す
    る、請求項1又は2記載の全反射減衰測定装置。
  4. 【請求項4】 前記測定チップが、光導波路又は漏洩モ
    ードを利用した測定を行うために、内底面に屈折率の異
    なる2つの誘電体層を有する、請求項1又は2記載の全
    反射減衰測定装置。
  5. 【請求項5】 前記測定チップに注入された液体試料の
    蒸発を防ぐために蒸発防止手段をさらに具備し、前記ス
    ターラ光源によって発生された光が前記蒸発防止手段を
    介して前記撹拌用誘電体に入射する、請求項1〜4のい
    ずれか1項記載の全反射減衰測定装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9555433B2 (en) 2011-09-16 2017-01-31 V Technology Co., Ltd. Deposition mask, producing method therefor and forming method for thin film pattern

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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