JP2003202046A - 衝撃吸収シリンダ - Google Patents

衝撃吸収シリンダ

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JP2003202046A
JP2003202046A JP2002000113A JP2002000113A JP2003202046A JP 2003202046 A JP2003202046 A JP 2003202046A JP 2002000113 A JP2002000113 A JP 2002000113A JP 2002000113 A JP2002000113 A JP 2002000113A JP 2003202046 A JP2003202046 A JP 2003202046A
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gas chamber
rod
cylinder
oil
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JP2002000113A
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Kisaku Hasegawa
喜作 長谷川
Fuminori Hasegawa
文典 長谷川
Takeji Tanaka
毅治 田中
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Oil Drive Kogyo Ltd
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Oil Drive Kogyo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮された気体によりピストンを元の位置に
戻すことにより簡単な構成で、安価な衝撃吸収シリンダ
を提供する。 【解決手段】 衝撃吸収シリンダ(1、1A)は、ロッド
カバー(5、5A)により摺動自在に保持されたピストン
ロッド(7、7A)の一端部に作用する衝撃を他端部で、
且つシリンダチューブ(3)に挿入されたピストン(2
1、21A)によりヘッドカバー(25、25A)側のシリンダ
チューブ(3d)内に圧油を生じさせて吸収する。この衝
撃吸収シリンダ(1、1A)は、ロッドカバー側に、ロッ
ドカバーの下端面(5f)、シリンダチューブの内周面
(3a)、ピストンロッドの外方で、且つロッドカバーに
取着されたパイプ(11)の外周面(11a)、および作動
油の油面(Ha)に囲まれ、ヘッドカバー側のシリンダチ
ューブ(3d)内からの作動油を収容する第1気体室(1
3)を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油を用いた衝撃エネ
ルギー吸収装置に係り、特に、エレベータのかごが落下
したときなどに受ける衝撃を吸収する衝撃吸収シリンダ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、衝撃エネルギー吸収装置は、シリ
ンダ内に設けられた圧力調整弁、あるいはアキュムレー
タを使用して衝撃を受ける構成が一般的に使用されてい
る。この衝撃エネルギー吸収装置は、エレベータのよう
な大きな衝撃エネルギーを受けるときには、圧力調整弁
を使用する場合に大きな構造の装置が必要になり、ま
た、アキュムレータを使用する場合に大きな容量が必要
になるとともに装置が複雑になっている。
【0003】このために、本出願人は特開2001−0
32872号公報において構成が簡単で、衝撃エネルギ
ー吸収効果が大きい図5に示す衝撃吸収シリンダを提案
している。図5において、衝撃吸収シリンダ70は、円
筒状シリンダ71(以下、シリンダ71という)の一方
の端部開口に一端面閉塞部材72を螺合させ、この端面
閉塞部材72には該シリンダ71の軸方向にピストンロ
ッド73が摺動する貫通孔を設けている。該ピストンロ
ッド73の先端には衝突板76を固定し、該衝突板76
と該端面閉塞部材72との間には復帰用コイルスプリン
グ77を介在させている。
【0004】ピストンロッド73のシリンダ内部の先端
には、シリンダ71内面を摺動する円柱形ピストン78
を設け、そして該コイルスプリング77の自由長の状態
でのピストン78の下端縁近傍から他方の端部開口側に
向かって、漸次浅くなる断面矩形溝79をシリンダ内面
に2本形成した。また該シリンダ71の他方の端部開口
には、他端面閉塞部材80を溶接することで密閉し、さ
らにシリンダ71の側面に、該シリンダ71内に作動油
を注入する油注入用L形管81を、その開口端が該断面
矩形溝79の上端よりやや上となるように固定した。
【0005】このような衝撃吸収シリンダ70は、油注
入用L形管81から作動油を該L形管81の開口端まで
供給して通常縦向き設置して使用する。そして上方から
衝突物が衝突板76に衝突した時には、ピストン78に
急激な下降する力が生じ、該ピストン78はシリンダ下
部室83内の作動油を加圧し、加圧された作動油は2本
の該断面矩形溝79を通ってシリンダ上部室84内に押
し出される。ここで該断面矩形溝79の断面積は下方程
次第に小さくなっており、また衝突後衝撃エネルギーは
次第に減少するので、油圧抵抗力がほぼ一定となり衝突
物のエネルギーを効率良く吸収できる。その後衝突物が
取り除かれた後は、復帰用コイルスプリングにより衝突
板76は元の位置に戻される。なおピストン78の待機
状態においては、該ピストンとシリンダ71の間には微
小隙間を設けておくことにより、該ピストン78の急激
な下降に対して所期の衝撃を緩和できることが記載され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記特開2001−0
32872号公報においては、構成が簡単で、衝撃エネ
ルギーの吸収が大きくなっているが、更にエレベータに
おいては昇降速度の高速化が望まれている。エレベータ
に用いられる衝撃吸収シリンダ70では、速度の二乗に
応じたストロークを要することが規格で設けられてお
り、高速化に伴って大きなストロークが必要となってい
る。したがって、前記図5の衝撃吸収シリンダ70にお
いては、復帰用コイルスプリングのストロークが大きく
なり取付長さが大きくなるため、スプリングの線径を太
く、かつ、バックリングを生じないようにコイル平均径
を大きくすることが必要になり、スプリングが大型化す
ることにより衝撃エネルギー吸収装置が大きくなるとと
もにコストアップになるという問題が生ずる。
【0007】また、ピストンの上側のシリンダ上部室8
4内は、衝突時にシリンダ下部室83内から押し出され
る作動油により内部の空気圧が上昇しようとするが、こ
の空気圧は端面閉塞部材72とピストンロッド73との
間から大気中に放出されており、この空気圧はあまり上
昇しないように構成されている。前記において端面閉塞
部材72とピストンロッド73との間に密封シールを挿
入すると、シリンダ上部室84内の空気圧は上昇する
が、この空気圧が密封シールに作用して摺動抵抗を増す
ため、衝突板76は元の位置に戻すために復帰用コイル
スプリングの作用力を大きくする必要が生じ、スプリン
グが大型化し前記と同様な問題が生ずる。また、スプリ
ングの作用力を大きくしないと、摺動抵抗により衝突板
76が元の位置に復帰するのにばらつきが生ずるという
問題が生ずる。また、待機状態において該ピストン78
とシリンダ71の間には微小隙間を設けておくことによ
り、該ピストン78の急激な下降に対して初期の衝撃を
緩和できるが、高速化により更に衝撃の小さい衝撃吸収
シリンダ70が望まれている。
【0008】本発明は上記の問題点に着目してなされた
もので、第1の目的は圧縮された気体によりピストンを
元の位置に戻すことにより簡単な構成で、安価な衝撃吸
収シリンダを提供する。第2の目的は、ピストンを元の
位置に戻すときばらつきが少なく確実に元の位置に戻
し、更に降下時初期に衝撃が緩和された衝撃吸収シリン
ダを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、衝撃吸収シリンダの第1発明は、ロッドカバーによ
り摺動自在に保持されたピストンロッドの一端部に作用
する衝撃を他端部で、且つシリンダチューブに挿入され
たピストンによりヘッドカバー側のシリンダチューブ内
に圧油を生じさせて吸収する衝撃吸収シリンダであっ
て、ロッドカバー側に、ロッドカバーの下端面、シリン
ダチューブの内周面、ピストンロッドの外方で、且つロ
ッドカバーに取着されたパイプの外周面、および作動油
の油面に囲まれ、ヘッドカバー側のシリンダチューブ内
からの作動油を収容する第1気体室を設けてなる構成と
している。この場合において、ピストンロッドの内径部
に、ピストンロッドの内周面およびヘッドカバーに固定
ロッドを介して取着された第1ピストンにより囲まれた
第2気体室を設けてなるようにしている。また、ピスト
ンがパイプの下方端に当接した待機状態において、ピス
トンの外方に所定の間隙を有するシリンダチューブの拡
大内径部を設けてなるようにすると良い。
【0010】衝撃吸収シリンダの第2発明は、ロッドカ
バーにより摺動自在に保持されたピストンロッドの一端
部に作用する衝撃を他端部で、且つシリンダチューブに
挿入されたピストンによりヘッドカバー側のシリンダチ
ューブ内に圧油を生じさせて吸収する衝撃吸収シリンダ
であって、ピストンロッドの内径部に、ピストンロッド
の内周面およびヘッドカバーに固定ロッドを介して取着
された第1ピストンにより囲まれた第2気体室と、ピス
トンが待機位置にあるとき、ピストンの外方に所定の間
隙を有するシリンダチューブの拡大内径部を経て接続
し、ヘッドカバー側のシリンダチューブ内からの作動油
を収容するロッドカバーの下端面、シリンダチューブの
内周面、ピストンロッドの外周面、および作動油の油面
に囲まれたロッドカバー側の第3気体室とを設けてなる
構成としている。上記第1発明あるいは第2発明におい
て、ピストンが待機位置にあるとき、第1気体室あるい
は第3気体室を形成する作動油の油面がピストンの上端
面よりもロッドカバー側に位置するようにすると良い。
また、第1気体室あるいは第3気体室を形成する作動油
の油面が油注入用L形管の開口端面に一致するようにす
ると良い。
【0011】
【作用】上記構成による衝撃吸収シリンダは、シリンダ
チューブに挿入されているピストンの上方に圧縮気体を
収容するパイプにより区画化された気体室を設けてお
り、圧縮気体により作動油を介してピストンをロッドカ
バー側に戻すのでピストンおよびピストンロッドを介し
て衝突板を元の位置に確実に復帰することができる。ま
た、ピストンロッド内に圧縮気体を収容する他の気体室
を設けており、他の気体室の圧縮気体によりピストンロ
ッドをロッドカバー側に戻すのでピストンロッドを介し
て衝突板を元の位置に確実に復帰することができる。こ
のとき、気体室を構成するパイプの下方端にピストンが
当接することによりばらつきをなくしてピストンおよび
衝突板を元の位置に確実に復帰することができる。ま
た、圧縮気体を収容する気体室は、ロッドカバー、シリ
ンダチューブ、ロッドカバーに取着されたパイプ、およ
び作動油の油面に囲まれているため、ロッドカバーとピ
ストンロッドとの間に密封シールを挿入しても圧縮気体
が作用することがなくなり、確実にピストンを元の位置
に復帰することができる。また、気体室内の圧縮気体の
圧力が増加しても、作動油が密封シールに作用する摺動
抵抗の増加が少なくなり、圧縮気体の圧力を大きくする
ことが可能になっている。
【0012】または、圧縮気体を収容する気体室は、ロ
ッドカバー、シリンダチューブ、および作動油の油面に
囲まれているおり、ロッドカバーとピストンロッドとの
間に密封シールを挿入しても圧縮気体が作用するが、気
体室が、前記ロッドカバー、シリンダチューブ、および
作動油の油面に囲まれている気体室と、ピストンロッド
内の他の気体室とを併用しているため確実にピストンを
元の位置に復帰することができる。ピストンの外方には
所定の間隙を有するシリンダチューブの拡大内径部を設
けるとともに、ピストンの上方に区画化され加圧された
気体室、あるいは当該気体室とピストンロッド内に他の
気体室を設けることにより、前記加圧した気体室、ある
いは当該気体室と他の気体室でピストンの急激な下降に
対して衝撃を吸収するため、従来の衝撃エネルギー吸収
装置よりも初期の衝撃を緩和することができる。気体室
がロッドカバー、シリンダチューブ、パイプおよびパイ
プ内に入った作動油により囲まれているため、圧縮気体
を確実に気体室内に封入することが可能になり、かつ圧
縮気体の圧力を増すことが可能になっている。また、気
体室内の作動油の油面はピストンの上端面よりロッドヘ
ッド側になるようにL形管の開口端面が設定されている
ため、L形管の開口端面から作動油を供給するだけで自
動的に所定量だけ供給できる。また、待機状態におい
て、作動油の油面がピストンの上端面よりロッドカバー
側にすることにより、ピストンが降下した場合に、シリ
ンダ下部室内の作動油はピストンロッドの容積分が拡大
内径部を通って気体室内に押し出される。このとき、気
体室内に押し出される作動油量が常に一定しているた
め、衝突時の衝撃力が変動無くて順次高めることがで
き、従来に比べて衝撃を少なくできる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る衝撃エネルギ
ー吸収装置である衝撃吸収シリンダの実施形態について
図面を参照して説明する。なお、従来例と同一部品には
同一符号を付して説明は省略する。衝撃吸収シリンダの
第1実施例について図1により説明する。図1は第1実
施例の衝撃吸収シリンダ1の側面断面図で待機状態を示
し、図2は作動状態を示す側面断面図である。
【0014】図1において、衝撃吸収シリンダ1は、シ
リンダチューブ3の一方の端部開口にロッドカバー5を
螺合させ、このロッドカバー5にはシリンダチューブ3
の軸方向にピストンロッド7が摺動する貫通孔5aを設
けている。ロッドカバー5の貫通孔5aはピストンロッ
ド7を摺動自在に保持している。ロッドカバー5には内
径部と外径部にそれぞれシール溝5b、5dが形成さ
れ、内径部のシール溝5bにはピストンロッド7に接し
て作動油を密封するロッド用シール9が、また、外径部
のシール溝5dにはシリンダチューブ3に接して圧縮さ
れた気体(以下、圧縮気体という)を密封するチューブ
用シール9Aが挿入されている。上記において、ロッド
カバー5とシリンダチューブ3の間には、ゴム等からな
るチューブ用シール9Aを用いたが、液体パッキンを用
いて圧縮気体の漏れを防止するようにしても良い。
【0015】ロッドカバー5のシリンダチューブ3側に
はパイプ用ねじ5eが形成され、このパイプ用ねじ5e
にはパイプ11が螺合により取着されている。パイプ1
1は、ピストンロッド7の外方で、且つシリンダチュー
ブ3側のロッドカバー5に取着されている。このパイプ
用ねじ5eのねじ部には、液体パッキン、シールテー
プ、あるいはOリング等の気密性を保持するシール部材
が用いられている。上記において、パイプ11はロッド
カバー5に螺合したが、溶接あるいはボルト等により取
着しても良い。ロッドカバー5側には、パイプ11の外
周面11a、シリンダチューブ3の内周面3a、ロッド
カバー5の下端面5f、および作動油の油面Haで形成
される第1気体室13が設けられている。第1気体室1
3は、ロッドカバー5に設けられた気体用通路15を介
して気体供給口17に接続されている。気体供給口17
には、圧縮気体を供給可能なカプラ(ワンタッチ式流体
継手)19が取着されており、通常は第1気体室13を
密封している。この第1気体室13には、空気あるいは
窒素ガスの気体のいずれかが封入されている。
【0016】第1気体室13は、衝突物が衝突板76に
衝突してピストンロッド7、即ちテーパ付ピストン21
(以下、ピストン21という)が最大ストロークSmだ
け移動したときに、ピストン21下側のシリンダ下部室
83内からの作動油を収容する。この作動油量は、最大
ストロークSmだけ移動するピストンロッド7の体積に
相当し、第1気体室13の油面は例えばHaから最高油
面Hwmに上昇する。この油面の上昇に伴い、第1気体
室13内の気体圧力は更に圧縮されて上昇する。上記よ
り、待機状態における第1気体室13の容積は、最大ス
トロークSmだけ移動するピストンロッド7の体積と、
油面の上昇に伴ない気体圧力が所定の圧力まで上昇する
容積とを加算した当初の容積が設定されている。このた
めに、パイプ11は、その長さが待機状態における第1
気体室13の当初の容積を少なくとも有する長さに設定
されている。
【0017】パイプ11は、ピストンロッド7に接して
小さい隙間を有して配設されているが、枢密に摺動する
ようにしても良く、更に、パイプ11の下方端近傍に軸
受を設け、ピストンロッド7を支持するようにしても良
い。前記ピストンロッド7は円柱を図示しているが、パ
イプを用いて重量を軽減しても良い。ピストンロッド7
の先端には衝突板76が取着されており、エレベータに
おいては、かご等の衝撃物が落下時に当接してかご等に
かかる衝撃を緩和している。
【0018】シリンダチューブ3の内部でピストンロッ
ド7の先端には、シリンダチューブ3の内面を摺動する
ピストン21が設けられている。ピストン21は、パイ
プ11の下方端11bに当接した待機状態の位置におい
て、その外方に後述するシリンダチューブ3の拡大内径
部3bに所定の間隙を有して配設されている。この所定
の間隙は、衝突物が衝突板76に衝突した初期において
シリンダ下部室83内の加圧された作動油がピストン2
1を収容している拡大内径部3bを通って第1気体室1
3の方に押し出されたとき、圧力をそのままあるいは若
干絞って与えるように形成されている。ピストン21
は、円柱体部分21aと、円柱体部分21aに連続して
テーパを有する先端部の載頭円錐体21bにより形成さ
れている。円柱体部分21aは、後述するシリンダチュ
ーブ3の内径部3dに非常に小さい所定隙間(微小隙
間)を有して形成されている。ピストン21は、先端部
の載頭円錐体21bにテーパを有しているため、非常に
小さい所定隙間のシリンダチューブ3の内径部3dに容
易に挿入することが可能になっている。
【0019】このピストン21は待機状態、即ち衝撃吸
収シリンダ1の最長時において上端面がパイプ11の下
方端11bに当接しており、これにより待機状態におい
ては、衝突板76が所定の位置に確実に位置するように
している。また、待機状態におけるピストン21の上下
方向の位置は、衝突物が衝突板76に衝突してピストン
21が最大ストロークSmだけ移動したときに、ピスト
ン21と後述するヘッドカバー25とが衝突しないよう
に所定の距離Soの作動油を有した位置に配設されてい
る。即ち、ピストン21は、待機状態において、ピスト
ン21の最大ストロークSmと、ピストン21がヘッド
カバー25に衝突しない所定の距離Soとを加算した距
離Spだけヘッドカバー25から離間した位置に配設さ
れている。
【0020】シリンダチューブ3の内径部は、上方部が
第1気体室13の内周面3aを、その中間部が待機状態
時にピストン21を収容する拡大内径部3bを、また、
下方部がピストン21の円柱体部分21aに対して非常
に小さい所定隙間の内径部3dを有して形成されてい
る。この内径部3dには、ピストン21の下端縁近傍か
ら他方の端部開口側に向かって、漸次浅くなる断面矩形
溝23をシリンダチューブ内面の対称位置に2本形成し
ている。この断面矩形溝23は2本に限定することな
く、シリンダチューブ内面の円周方向で均等位置に2本
以上配設していると良い。
【0021】また、シリンダチューブ3の他方の端部開
口にはヘッドカバー25を溶接することで密閉してい
る。このヘッドカバー25は、ピストン21が最大スト
ロークSmだけ移動したときに、ピストン21と衝突し
ない位置に設けている。即ち、ヘッドカバー25はシリ
ンダチューブ3の内径部3dに設けた漸次浅くなる断面
矩形溝23の終了位置より所定の距離Soだけ離れた位
置に設けると良い。更にシリンダチューブ3の外周側面
には、シリンダチューブ3内に作動油を注入する油注入
用L形管27を、その開口端面27aがパイプ11の下
方端11bより所定量Lhだけロッドカバー5側の位置
に固定している。なお、作動油供給口28には、開口閉
鎖用プラグ29が取着されており、作動油を密封してい
る。
【0022】このような衝撃吸収シリンダ1は、油注入
用L形管27から作動油をL形管27の開口端面27a
まで供給して通常縦向き設置して使用する。衝撃吸収シ
リンダ1に作動油を供給するときには、カプラ19を装
着する前、あるいはカプラ19を開放状態にして油注入
用L形管27から作動油を供給する。このときピストン
ロッド7を吊り上げピストン21がパイプ11の下方端
11bに当接する状態にて作動油を供給すると作動油量
が一定に注入されるので良い。上記のごとく、作動油の
油面Haがパイプ11の下方端11bより所定量Lhだ
けロッドカバー5側になるようにL形管27の開口端面
27aを設定しているため、作動油を供給するだけで油
面Haが自動的に設定され、作動油の供給が容易になっ
ている。この作動油の油面Haは、待機状態において、
ピストン21の上端面21cよりもロッドカバー5側に
位置して設定されている。これにより、第1気体室13
内に押し出される作動油量が、従来のようにピストンの
容積分からロッドの容積分のように変動することがなく
常に一定しているため、第1気体室13は一定の変動で
昇圧するので、衝突時の衝撃力が変動無くて順次高める
ことができ、衝撃を少なくできる。
【0023】次に、気体供給口17に装着されたカプラ
19には気体供給用配管を接続し、気体用通路15を経
て所定圧Phに調整された気体を第1気体室13に注入
する。この第1気体室13に注入された所定圧Phの圧
縮気体は、上方がロッドカバー5の下端面5f、側方が
パイプ11の外周面11aとシリンダチューブ3の内周
面3a、および下方で作動油Haに囲まれた第1気体室
13に収容されているため、圧力を上昇しても漏れるこ
となく、また従来のようにシールにかかることがないた
め摺動抵抗を増すことがなく昇圧することができる。
【0024】この所定圧Phは、ピストン21が作動油
の圧力により上方に持ち上げられ、ピストン21の上端
面がパイプ11の下方端11bに当接する圧力になるよ
うに設定されている。また、所定圧Phはピストン21
が作動状態から待機状態に復帰するときにピストンロッ
ド7に作用する摺動力に打ち勝つ力を生ずる圧力に設定
されている。これにより、ピストン21は待機状態にお
いて確実にパイプ11の下方端11bに当接し、衝突板
76が所定の位置に確実に来るようになっている。
【0025】上記構成により、次に作動について説明す
る。上方から衝突物が衝突板76に衝突した時、衝撃吸
収シリンダ1にはピストンロッド7を介してピストン2
1に急激な下降する力が生じる。ピストン21はシリン
ダ下部室83内の作動油を加圧し、加圧された作動油は
ピストン21を収容している拡大内径部3bを通って第
1気体室13の方に押し出される。この作動油は、図2
に示すように第1気体室13内に入り、図1に示す待機
状態のパイプ11の下方端11bより所定量Lhだけロ
ッドカバー5側にある油面Haの位置から図2に示す作
動状態の油面Hwの位置(パイプ11の下方端11bよ
り距離Lw)に押し上げ、第1気体室13内の気体圧力
を更に上昇する。これにより、衝突物が衝突板76に衝
突した初期においては、作動油がピストン21とシリン
ダチューブ3の拡大内径部3bを経て第1気体室13内
に入ることにより生ずる第1気体室13内の気体圧力に
より、衝撃エネルギーを吸収するため、衝撃を従来に比
べて更に緩和することが可能になっている。
【0026】更に、ピストン21が下降すると、ピスト
ン21は、図2に示すように、その円柱体部分21aが
シリンダチューブ3の内径部3dに入る。これにより、
シリンダ下部室83内の作動油は、矢印Yに示すように
2本の断面矩形溝23を通って第1気体室13内に押し
出される。ここで断面矩形溝23の断面積は下方に行く
ほど次第に小さくなっており、また衝突後衝撃エネルギ
ーは最大ストロークSmまで次第に減少するので、油圧
抵抗力がほぼ一定となり衝突物のエネルギーを効率良く
吸収できる。押し出された作動油により第1気体室13
内では、気体圧力が上昇するとともに、作動油の圧力も
また上昇している。
【0027】その後衝突物が取り除かれた後は、第1気
体室13内の高められた気体圧力により高められた作動
油の圧力が断面矩形溝23を経てピストン21に作用
し、ピストン21をロッドカバー5側に押し上げる。こ
の作用によりピストン21が上方に押上げられ、ピスト
ン21の上端面がパイプ11の下方端11bに当接す
る。これにより衝突板76は待機状態である元の位置に
ばらつきが無く戻される。このとき、第1気体室13内
の気体圧力は、注入時の所定圧Phよりも更に高い圧力
となっているためピストン21を容易に上方に押上げる
ことができる。
【0028】次に、衝撃吸収シリンダの第2実施例につ
いて図3により説明する。なお、第1実施例と同一部品
には同一符号を付して説明は省略する。図3は第2実施
例の第1衝撃吸収シリンダ1Aの側面断面図で待機状態
を示している。図3に示す第1衝撃吸収シリンダ1A
は、第1実施例の衝撃吸収シリンダ1において、主に、
ピストンロッド7、ピストン21およびヘッドカバー2
5を変更している。
【0029】第1衝撃吸収シリンダ1Aの第1ピストン
ロッド7Aは中空パイプにより形成されており、その内
径部7aに第2気体室41が設けられている。第2気体
室41は、第1ピストンロッド7Aの内径部7aに枢密
に挿入された第1ピストン43と、第1ピストンロッド
7Aに設けられたネジ孔7bに螺合して内径部7aを塞
ぐ蓋45により形成されている。この第2気体室41
は、衝突物が衝突板76に衝突して第1ピストンロッド
7A、即ち詳細は後述する第1テーパ付ピストン21A
(以下、第1ピストン21Aという)が最大ストローク
Smだけ移動したときに、内部の気体が圧縮される。待
機状態における第2気体室41の容積は、最大ストロー
クSmだけ移動することにより内部の減少する容積と、
内部の減少する容積により内部の気体圧力が所定の圧力
まで上昇する容積とを加算した当初の容積とで設定され
ている。このために、第1ピストンロッド7Aは、第1
ピストン43と内径部7aを塞ぐ蓋45との間の距離が
待機状態における第2気体室41の当初の容積を少なく
とも有する長さに設定されている。したがって、第1ピ
ストンロッド7Aは、当該長さ以上の全長に設定されて
いる。第1ピストン43にはシール溝43aが形成さ
れ、このシール溝43aには内径部7aに接して気体を
密封する気体室用シール47が挿入されている。
【0030】蓋45には第1気体供給口45aが設けら
れており、この第1気体供給口45aには圧縮気体を供
給可能なカプラ19が取着されている。第2気体室41
には、空気あるいは窒素ガスのいずれかが所定圧Phで
注入されている。この所定圧Phは第1実施例と同様に
設定されている。例えば、第1ピストン21Aが作動状
態から待機状態に復帰するときに第1ピストンロッド7
Aに作用する摺動力に打ち勝つ力を生ずる圧力、あるい
は初期の衝撃力を受ける圧力になるように設定されてい
る。第1ピストン43は固定ロッド49に連結されてお
り、固定ロッド49は第1ヘッドカバー25Aにナット
51により取着されている。第1ピストン43は待機状
態において、その下端面43bがピストン21Aに設け
られた穴部底部21fよりも上方に位置するように配設
されている。この第1ピストン43は、少なくとも第1
ピストンロッド7Aの内径部7aに収容された位置に配
設されている。
【0031】第1ヘッドカバー25Aは、シリンダチュ
ーブ3の他方の端部開口を溶接することで密閉してい
る。第1ピストン21Aは、第1ピストンロッド7Aの
先端面がピストン21Aに設けられた穴部底部21fに
当接された位置で溶接されている。この溶接は摩擦圧接
により溶着することにより第1ピストン21Aの溶接部
を加工することなくパイプ11の下方端11bに当接す
ることができ、加工が容易になるように構成しても良
い。または、第1ピストン21Aは、第1ピストンロッ
ド7Aにボルトあるいはナット等により取着するように
しても良い。第1ピストン21Aは、第1実施例と同様
に、待機状態において、第1ヘッドカバー25Aから距
離Spだけ離間した位置に配設されている。
【0032】第1ピストン21Aには、固定ロッド49
を貫通する孔21dとシール溝21eが設けられてお
り、シール溝21eには固定ロッド49に接して作動油
を密封する固定ロッド用シール53が挿入されている。
第1ピストンロッド7Aの内方で、第1ピストン43の
下端面43bおよび第1ピストン21Aの穴部底面21
fとの間には空間部55が形成されている。この空間部
55には空気が入っており、待機時には組立て時の大気
圧が、また、作動時には第1ピストン21Aの下降に伴
って負圧となっている。
【0033】このような第1衝撃吸収シリンダ1Aは、
先ず、第1気体供給口45aに装着されたカプラ19に
気体供給用配管を接続し、蓋45を経て所定圧Phに調
整された気体を第2気体室41に注入する。これによ
り、注入された圧縮気体は、第1ピストンロッド7Aを
伸長させ、第1ピストン21Aをパイプ11の下方端1
1bに当接した後に所定圧Phに上昇する。これによ
り、第1ピストン21Aは待機状態において確実にパイ
プ11の下方端11bに当接し、衝突板76が元の所定
の位置にばらつきが無く確実に戻される。
【0034】次に、第1実施例と同様に、作動油が油注
入用L形管27からシリンダ下部室83内に供給される
とともに、待機状態においてパイプ11の下方端11
b、即ち第1ピストン21Aより所定量Lhだけロッド
カバー5側になるように供給される。更に、気体供給口
17に装着されたカプラ19に気体供給用配管を接続
し、所定圧Phに調整された気体が気体用通路15を経
て第1気体室13に注入される。第1気体室13に注入
される気体は、第1ピストン21Aおよび第1ピストン
ロッド7Aが第2気体室41の気体圧力で保持されてい
るために所定圧Phよりも低い圧力でも良い。この場合
に衝突物が衝突板76に衝突した初期においては、詳細
は後述するように第1気体室13内の低い圧力で衝撃エ
ネルギーを吸収できるため、衝撃を更に緩和することが
可能になっている。
【0035】また、反対に第1気体室13に注入される
気体が第2気体室41の気体圧力よりも高い圧力が注入
された場合には、衝突物が衝突板76に衝突した初期に
おいては、先ず第2気体室41内の圧力により、次に第
1気体室13により順次衝撃エネルギーを吸収できると
ともに、順次衝撃を受けるため滑らかで、かつ従来に比
べて緩和された衝撃を受けることが可能になっている。
このように、第1気体室13内に封入する圧縮気体の圧
力を適宜に選択できるとともに、増せるので初期の衝撃
を任意に設定でき、高速化に対応可能にすることが可能
となっている。
【0036】次に、第1衝撃吸収シリンダ1Aの作動に
ついて説明するが、第1実施例に対して異なることのみ
を記述する。上方から衝突物が衝突板76に衝突した時
に、第1衝撃吸収シリンダ1Aには第1ピストンロッド
7Aに急激な下降する力が生じる。第1ピストンロッド
7Aは、その内径部7aの第2気体室41の気体を圧縮
して第1ピストンロッド7Aを下降するとともに第1ピ
ストン21Aを下降させ、シリンダ下部室83内の作動
油を加圧する。加圧された作動油は第1ピストン21A
を収容している拡大内径部3bを通って第1気体室13
内に押し出される。この作動油は、第1気体室13内の
気体圧力を更に上昇する。これにより、衝突物が衝突板
76に衝突した初期においては、第2気体室41および
第1気体室13内の気体圧力により、衝撃エネルギーを
吸収するため、衝撃を従来に比べて更に緩和することが
可能になっている。
【0037】更に、第1ピストン21Aが下降すると、
その円柱体部分21aがシリンダチューブ3の内径部3
dに入り第1実施例と同様に作動し、衝突後衝撃エネル
ギーは次第に減少するので、油圧抵抗力がほぼ一定とな
り衝突物のエネルギーを効率良く吸収できる。その後衝
突物が取り除かれた後は、第2気体室41内で圧縮され
た気体の圧力により、第1ピストン21Aが上方に持ち
上げられ、第1ピストン21Aの上端面がパイプ11の
下方端11bに当接する。これにより衝突板76は待機
状態である元の位置にばらつきが無く戻される。
【0038】第2気体室41に比べて第1気体室13内
の気体圧力を低くした場合には、急激な下降する力が第
1ピストンロッド7Aを介して第1ピストン21Aに作
用してシリンダ下部室83内の作動油を加圧する。加圧
された作動油は第1ピストン21Aを収容している拡大
内径部3bを通って第1気体室13内に押し出され、第
1気体室13内の気体圧力を第2気体室41内の気体圧
力と同等に昇圧する。次に、第1ピストンロッド7Aに
作用する下降する力は、第2気体室41に作用して第1
ピストンロッド7Aを下降させるとともに、第1ピスト
ン21Aに作用してシリンダ下部室83内の作動油を加
圧し、加圧された作動油により第1気体室13内の気体
圧力を更に上昇する。これにより、衝突物が衝突板76
に衝突した初期においては、第1気体室13内の圧縮気
体により衝撃エネルギーを吸収し、その後に第1気体室
13と第2気体室41内の圧縮気体により順次衝撃エネ
ルギーを吸収するため、衝撃を第1実施例に比べて更に
緩和することが可能になっている。更に、第1ピストン
21Aが下降すると、その円柱体部分21aがシリンダ
チューブ3の内径部3dに入り第1実施例と同様に作動
し、衝突後衝撃エネルギーは次第に減少するので、油圧
抵抗力がほぼ一定となり衝突物のエネルギーを効率良く
吸収できる。
【0039】次に、衝撃吸収シリンダの第3実施例につ
いて図4により説明する。なお、第1実施例あるいは第
2実施例と同一部品には同一符号を付して説明は省略す
る。図4は第3実施例の第2衝撃吸収シリンダ1Bの側
面断面図で待機状態を示している。図4に示す第2衝撃
吸収シリンダ1Bは、図3に示す第2実施例の第1衝撃
吸収シリンダ1Aにおいて、主に、パイプ11およびロ
ッドカバー5を変更している。
【0040】第2衝撃吸収シリンダ1Bは、第1衝撃吸
収シリンダ1Aのパイプ11が廃止され、第1ロッドカ
バー5Aにはパイプ11が取着されていない。第2衝撃
吸収シリンダ1Bの第1ロッドカバー5A側には、第1
ピストン21Aが待機位置にあるとき、第1ロッドカバ
ー5Aの下端面5f、シリンダチューブ3の内周面3
a、第1ピストンロッド7Aの外周面7d、および作動
油の油面Haに囲まれた第3気体室13Aを設けてい
る。第3気体室13Aは第1ロッドカバー5Aの気体供
給口17に接続されており、気体供給口17には第1開
口閉鎖用プラグ29aが取着されている。第1開口閉鎖
用プラグ29aは第3気体室13A内の気体を密封して
いる。以下、第3実施例では第3気体室13Aおよび第
2気体室41に大気圧の空気を密封している例で説明す
る。
【0041】この第3気体室13Aは第1ピストン21
Aの外方に所定の間隙を有するシリンダチューブ3の拡
大内径部3bを経てシリンダ下部室83内に接続してい
る。第1ロッドカバー5Aは、シリンダチューブ3の一
方の端部開口に螺合している。この第1ロッドカバー5
Aはシリンダチューブ3の軸方向に第1ピストンロッド
7Aが摺動する貫通孔5aを設けている。第1ロッドカ
バー5Aの貫通孔5aは第1ピストンロッド7Aを摺動
自在に保持している。第1ロッドカバー5Aには内径部
と外径部にそれぞれシール溝5b、5dが形成され、内
径部のシール溝5bには第1ピストンロッド7Aに接し
て作動油を密封するロッド用シール9が、また、外径部
のシール溝5dにはシリンダチューブ3に接して気体を
密封するチューブ用シール9Aが挿入されている。第1
ピストンロッド7Aには、第2実施例と同様に、その内
径部7aに第2気体室41が設けられている。蓋45の
第1気体供給口45aには第2開口閉鎖用プラグ29b
が取着されており第2気体室41に大気圧を密封し、ま
た作動油供給口28には開口閉鎖用プラグ29が取着さ
れており作動油を密封している。
【0042】このような第2衝撃吸収シリンダ1Bは、
第1ロッドカバー5Aの第1開口閉鎖用プラグ29a、
蓋45の第2開口閉鎖用プラグ29b、および作動油供
給口28の開口閉鎖用プラグ29を取外すとともに、第
1ピストンロッド7Aを図4に示す待機状態より若干上
側に吊り上げる。例えば、第1ピストン21Aの穴部底
面21fが第1ピストン43の下端面43bに当接する
状態まで上側に吊り上げ、この状態にて作動油を注入用
L形管27から作動油を供給する。上記において、作動
油の油面Haは、待機状態にある第1ピストン21Aよ
り所定量Lhだけロッドカバー5側になるようにL形管
27の開口端面27aが設定されているため、作動油を
供給するだけで油面Haが自動的に設定され、作動油の
供給が容易になっている。作動油の油面Haが第1ピス
トン21Aより上方になるため、衝突物が衝突板76に
衝突して第1ピストン21Aが降下した場合に、シリン
ダ下部室83内の作動油は第1ピストンロッド7Aの容
積分が第1ピストン21Aを収容している拡大内径部3
bを通って第1気体室13内に押し出される。このと
き、第1気体室13内に押し出される作動油量が、従来
のようにピストンの容積分からロッドの容積分のように
変動することがなく、常に一定している。これにより、
衝突物が衝突板76に衝突したときに、第3気体室13
Aは一定の変動で昇圧するため、衝突時の衝撃力が変動
無くて順次高めることができ、衝撃を少なくできる。
【0043】次に、作動油供給口28に開口閉鎖用プラ
グ29が取着され作動油を密封する。更に、第1ロッド
カバー5Aの気体供給口17に第1開口閉鎖用プラグ2
9aを、また、蓋45の第1気体供給口45aに第2開
口閉鎖用プラグ29bを取着して、第3気体室13Aお
よび第2気体室41にそれぞれ大気圧を封入するととも
に、第1ピストンロッド7Aの吊り上げを解除する。こ
れに伴って、第1ピストンロッド7Aは、その自重が第
3気体室13Aおよび第2気体室41に作用して各気体
室内の空気圧を上昇するとともに、第1ピストンロッド
7Aが待機状態の位置に設定される。このとき、第1ピ
ストン21Aは作動油の油面Ha以下になるとともに、
シリンダチューブ3の拡大内径部3bに位置している。
上記により、第1ピストンロッド7Aは、衝突物が衝突
板76に衝突して降下し、衝突物を除去した後、第1ピ
ストンロッド7Aの自重により両気体室内に生じた上昇
した空気圧により、自重とバランスする待機状態の位置
に確実に戻ることができる。
【0044】次に、第2衝撃吸収シリンダ1Bの作動に
ついて説明する。上方から衝突物が衝突板76に衝突し
た時に、第2衝撃吸収シリンダ1Bには第1ピストンロ
ッド7Aに急激な下降する力が生じ、その内径部7aの
第2気体室41の空気を圧縮して第1ピストンロッド7
Aを下降するとともに第1ピストン21Aを下降させ、
シリンダ下部室83内の作動油を加圧する。加圧された
作動油は第1ピストン21Aを収容している拡大内径部
3bを通って第3気体室13A内に押し出される。この
作動油は、第3気体室13A内の空気圧力を更に上昇す
る。これにより、衝突物が衝突板76に衝突した初期に
おいては、第2気体室41および第3気体室13A内の
空気圧力により、衝撃エネルギーを吸収するため、衝撃
を従来に比べて更に緩和することが可能になっている。
【0045】更に、第1ピストン21Aが下降すると、
その円柱体部分21aがシリンダチューブ3の内径部3
dに入り第1実施例と同様に作動し、衝突後衝撃エネル
ギーは次第に減少するので、油圧抵抗力がほぼ一定とな
り衝突物のエネルギーを効率良く吸収できる。その後衝
突物が取り除かれた後は、第2気体室41および第3気
体室13A内の両方で圧縮された空気圧力により作動油
の圧力を上昇し、この作動油の圧力により第1ピストン
21Aが上方に持ち上げられる。その後、第1ピストン
21Aは、第1ピストンロッド7Aの自重により、第3
気体室13Aおよび第2気体室41内に生じた上昇した
空気圧により、自重とバランスする待機状態の位置にば
らつきが無く確実に戻される。
【0046】なお、第3実施例の第2衝撃吸収シリンダ
1Bでは、第3気体室13Aおよび第2気体室41には
大気圧の空気を注入した例で説明したが、第2実施例の
第1衝撃吸収シリンダ1Aと同様に、第1気体室13お
よび第2気体室41に空気あるいは窒素ガスのいずれか
を所定圧Phで注入しても良い。また、第2実施例の第
1衝撃吸収シリンダ1Aでは、第1気体室13および第
2気体室41に空気あるいは窒素ガスのいずれかを所定
圧Phで注入したが、大気圧の空気を注入しても良い。
上記で圧力を有する気体を供給するときにはカプラ19
を使用し、また第1開口閉鎖用プラグ29aおよび第2
開口閉鎖用プラグ29bは部品を同一にするとともに大
気圧の空気を封入するときに使用することができる。ま
た、パイプ11とピストン21あるいは第1ピストン2
1Aとの接着は使用箇所に合わせて溶接、摩擦圧接、ボ
ルトあるいはねじ等を適宜選択できる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、シリン
ダチューブに挿入されているピストン上方の気体室内の
圧縮気体でピストンおよび衝突板を元の位置に戻すた
め、スプリングが不要になり、簡単な構造にすることが
できる。また、気体室を構成するパイプの下端にピスト
ンを当接することによりばらつきをなくしてピストンを
元の位置に確実に復帰することができるため、衝撃エネ
ルギーをばらつきがなく吸収することができる。ピスト
ンの外方には所定の間隙を有するシリンダチューブの拡
大内径部を設けているため、シリンダ下部室内の加圧さ
れた作動油が第1気体室に迅速に押し出されるので従来
の衝撃エネルギー吸収装置よりも初期の衝撃を緩和する
ことができ、安全性が向上する。気体室がパイプおよび
パイプ内に入った作動油により囲まれているために圧縮
気体を確実に気体室内に封入することができ、圧縮気体
の圧力を適宜に増せるので初期の衝撃を任意に設定で
き、高速化に対応可能にすることが可能となっている。
作動油の油面はパイプの下方端より所定量だけ上方にな
るようにL形管の開口端面が設定されているため、L形
管の開口端面から作動油を供給するだけで自動的に所定
量だけ供給され、作動油の供給が容易になっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の衝撃吸収シリンダの
側面断面図で、待機状態を示す図である。
【図2】本発明に係る第1実施例の作動状態を示す側面
断面図である。
【図3】本発明に係る第2実施例の第1衝撃吸収シリン
ダの側面断面図で、待機状態を示す図である。
【図4】本発明に係る第3実施例の第2衝撃吸収シリン
ダの側面断面図で、待機状態を示す図である。
【図5】従来の衝撃吸収シリンダの側面断面図である。
【符号の説明】
1、1A、1B…衝撃吸収シリンダ、3…シリンダチュ
ーブ、5、5A…ロッドカバー、7、7A…ピストンロ
ッド、9,9A…シール、11…パイプ、13…第1気
体室、13A…第3気体室、17、45a…気体供給
口、19…カプラ(ワンタッチ式流体継手)、21、2
1A…テーパ付ピストン、23…断面矩形溝、25、2
5A…ヘッドカバー、27…油注入用L形管、27a…
開口端面、28…作動油供給口、29、29a、29b
…開口閉鎖用プラグ、41…第2気体室、43…第1ピ
ストン、45…蓋、47…気体室用シール、49…固定
ロッド、53…固定ロッド用シール、55…空間部、7
6…衝突板、83…シリンダ下部室、Ha、Hw…油
面。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロッドカバー(5、5A)により摺動自在
    に保持されたピストンロッド(7、7A)の一端部に作用
    する衝撃を他端部で、且つシリンダチューブ(3)に挿
    入されたピストン(21、21A)によりヘッドカバー(2
    5、25A)側のシリンダチューブ(3d)内に圧油を生じさ
    せて吸収する衝撃吸収シリンダ(1、1A)であって、ロ
    ッドカバー側に、ロッドカバーの下端面(5f)、シリン
    ダチューブの内周面(3a)、ピストンロッドの外方で、
    且つロッドカバーに取着されたパイプ(11)の外周面
    (11a)、および作動油の油面(Ha)に囲まれ、ヘッド
    カバー側のシリンダチューブ(3d)内からの作動油を収
    容する第1気体室(13)を設けたことを特徴とする衝撃
    吸収シリンダ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の衝撃吸収シリンダにおい
    て、ピストンロッド(7A)の内径部に、ピストンロッド
    の内周面(7a)およびヘッドカバー(25A)に固定ロッ
    ド(49)を介して取着された第1ピストン(43)により
    囲まれた第2気体室(41)を設けてなることを特徴とす
    る衝撃吸収シリンダ。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは請求項2記載の衝撃吸
    収シリンダにおいて、ピストン(21、21A)がパイプ(1
    1)の下方端(11b)に当接した待機状態において、ピス
    トン(21、21A)の外方に所定の間隙を有するシリンダ
    チューブ(3)の拡大内径部(3b)を設けたことを特徴
    とする衝撃吸収シリンダ。
  4. 【請求項4】 ロッドカバー(5、5A)により摺動自在
    に保持されたピストンロッド(7、7A)の一端部に作用
    する衝撃を他端部で、且つシリンダチューブ(3)に挿
    入されたピストン(21、21A)によりヘッドカバー(2
    5、25A)側のシリンダチューブ(3d)内に圧油を生じさ
    せて吸収する衝撃吸収シリンダ(1、1A)であって、ピ
    ストンロッド(7A)の内径部に、ピストンロッドの内周
    面(7a)およびヘッドカバー(25A)に固定ロッド(4
    9)を介して取着された第1ピストン(43)により囲ま
    れた第2気体室(41)と、ピストン(21、21A)が待機
    位置にあるとき、ピストン(21、21A)の外方に所定の
    間隙を有するシリンダチューブ(3)の拡大内径部(3
    b)を経て接続し、ヘッドカバー側のシリンダチューブ
    (3d)内からの作動油を収容するロッドカバーの下端面
    (5f)、シリンダチューブの内周面(3a)、ピストンロ
    ッド(7、7A)の外周面(7a)、および作動油の油面
    (Ha)に囲まれたロッドカバー側の第3気体室(13A)
    とを設けてなることを特徴とする衝撃吸収シリンダ。
  5. 【請求項5】 ピストン(21、21A)が待機位置にある
    とき、第1気体室(13)あるいは第3気体室(13A)を
    形成する作動油の油面(Ha)がピストン(21、21A)の
    上端面(21c)よりもロッドカバー(5、5A)側に位置
    することを特徴とする請求項1から請求項4記載のいず
    れかの衝撃吸収シリンダ。
  6. 【請求項6】 第1気体室(13)あるいは第3気体室
    (13A)を形成する作動油の油面(Ha)が油注入用L形
    管(27)の開口端面(27a)に一致することを特徴とす
    る請求項1から請求項5記載のいずれかの衝撃吸収シリ
    ンダ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100373058C (zh) * 2003-10-28 2008-03-05 株式会社小松制作所 油压缸

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