JP2003202008A - 合成樹脂リベットとそのかしめ方法 - Google Patents

合成樹脂リベットとそのかしめ方法

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JP2003202008A
JP2003202008A JP2001385330A JP2001385330A JP2003202008A JP 2003202008 A JP2003202008 A JP 2003202008A JP 2001385330 A JP2001385330 A JP 2001385330A JP 2001385330 A JP2001385330 A JP 2001385330A JP 2003202008 A JP2003202008 A JP 2003202008A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脚部の長さが一定した合成樹脂リベットを使
用して、被締結部材の厚さが厚くても、薄くても、確実
かつ良好なかしめ付けを行えるようにする。 【解決手段】 頭部1と円筒状の脚部2とを備え、脚部
の付け根部側には、縦穴4の底面5中央に開口した頭部
に達する深さの小径縦穴6が形成されてなる合成樹脂リ
ベットAを使用し、脚部を被締結部材Bに形成された孔
に挿通し、頭部の表面を支持した状態で、脚部の先端を
かしめパンチで軸芯方向に押圧することにより、先ず、
脚部の先端を外方へ彎曲させて折り返して、環状中空部
7を有し且つ先端が脚部の外面に当接した形状の折り返
し筒部2aを形成し、この折り返し筒部を、当該折り返
し筒部の先端が被締結部材と当接する位置まで脚部の外
面に沿わせて頭部側へ押し動かした後、折り返し筒部を
外方へ開拡しながら押し潰して塑性変形させ、高さの低
い二重構造のフランジ部2bと頭部1とで被締結部材B
を挟持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂リベット
とそのかしめ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】頭部と円筒状の脚部とからなる常温でか
しめ付けができるようにした合成樹脂リベットは、特開
平7−190028号公報や特開2000−17951
8号公報によって、既に知られている。
【0003】特開平7−190028号公報の合成樹脂
リベットは、図12の(A)に示すように、頭部aの裏
面に突設された脚部bが、先端側から所定の寸法の縦穴
cを設けることによって、円筒状に形成され、縦穴cの
底面dから頭部aまでの部分が中実に形成されている。
そして、図12の(B)に示すように、複数の被締結部
材eを重ね合わせて、それらに合成樹脂リベットを脚部
b先端側から押し込み、頭部aの表面を支持した状態
で、脚部bの先端を軸芯方向に押圧することにより、脚
部bの先端を外方へ開拡しながらカールさせて、被締結
部材eに当接した状態に塑性変形させ、加熱することな
くかしめ付けができるように構成されている。
【0004】しかしながら、上記の合成樹脂リベットに
おいては、かしめ付けを終了して押圧力を解除した際、
脚部先端側のカール部分fが、その弾性力によってやや
復元方向に戻るため、弾力性がない被締結部材eの場合
には、カール部分fが被締結部材eから浮き上って、か
しめが緩むというが問題点が指摘されている。
【0005】特開2000−179518号公報の合成
樹脂リベットは、この問題点を解決すべく提案されたも
ので、図13の(A)に示すように、脚部bに設ける縦
穴cのうち、先端から中途部までの縦穴部分の内径を、
中途部から底面までの縦穴部分の内径よりも大きくする
ことにより、頭部aから中途部にかけて部分を厚肉の補
強部gとして座屈しないようにする一方、中途部から先
端にかけての部分を薄肉の非補強部hとして、脚部b先
端をカールさせ易くし、常温でかしめても、カール部分
fに割れが発生しにくいようにしたものであり、非補強
部hの長さK’をその外径D’と略等しくしてある。
【0006】そして、図13の(B)に示すように、か
しめ時において、非補強部hの内面が被締結部材eに当
接するように、非補強部hのみをカールさせ、カール部
分fが元の状態に復元する力が締め付け方向(図13の
Bに示す下向きの矢印方向)へと働き、時間の経過に伴
ってかしめが緩むことがないようにしたものである。
【0007】また、非補強部hの長さK’が外径D’よ
りも小さ過ぎると、かしめ時にカールされる部分が短く
なって、非補強部hの外面で被締結部材eを押えるよう
になり、非補強部hの長さK’が外径D’よりも大き過
ぎると、座屈を起こし易くなると共に、かしめ後のカー
ル部分fの山が高くなってしまうが、非補強部hの長さ
Kをその外径D’と略等しくしてあるので、このような
不都合を回避できることになる。
【0008】尚、頭部aの裏面は平坦であってもよい
が、頭部裏面に環状凹部iを形成する場合は、かしめ時
に頭部aを扁平化するように弾性変形させ、頭部aの復
元力を締め付け方向(図13のBに示す上向きの矢印方
向)に働かせて、カール部分fの復元力によって生じる
押圧力と、頭部aの復元力によって生じる押圧力とによ
って、被締結部材eを上下両面から挟み付けることによ
り、経時的なかしめの緩みをより確実に防止することが
できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図13
の合成樹脂リベットは、上述したとおり、非補強部hの
カール部分fが元の状態に復元する力を利用して、かし
めの緩み防止を行うものであるから、被締結部材eとし
て、カール部分fの復元力に対抗し得る硬さが要求され
ることになり、ボール紙やジーンズなどの布地のような
柔らかな材質の被締結部材eでは、安定したかしめ付け
が困難である。
【0010】しかも、図13の(B)に示すように、剛
性の小さい非補強部hのみをカールさせて、非補強部h
の内面を被締結部材eに当接させるものであるから、補
強部gの長さH’を、被締結部材eの厚みT’と略等し
くすることが必要である。
【0011】従って、被締結部材eの厚みに応じて補強
部gの長さH’を変更することが必要であり、厚さの異
なる被締結部材eに対処するためには、脚部bの長さ
(補強部gの長さH’+非補強部hの長さK’)が異な
る何種類もの合成樹脂リベットを用意しなければならな
いという問題点があった。
【0012】本発明は、これらの問題点を解決すべくな
されたものであって、被締結部材がボール紙やジーンズ
などの布地のような柔らかな材質であっても、安定した
かしめ付けが可能であり、しかも、脚部の長さが一定し
た合成樹脂リベットを使用して、被締結部材の厚さが厚
くても、薄くても、確実かつ良好なかしめ付けを行える
ようにすることを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明が講じた技術的手段は、次のとおりであ
る。即ち、本発明による合成樹脂リベットは、頭部と円
筒状の脚部とからなる合成樹脂リベットであって、前記
脚部の付け根部側に、縦穴の底面中央に開口した頭部に
達する深さの小径縦穴が形成され、脚部の先端を外方へ
彎曲させて折り返した状態において、脚部の縦穴開口端
に半径方向内方への弾性復元力が作用するように構成し
てあることを特徴としている。
【0014】上記の合成樹脂リベットは、頭部の表面を
支持した状態で、円筒状脚部の先端をかしめパンチで軸
芯方向に押圧することにより、脚部の先端を外方へ彎曲
させて折り返すことができる。この状態においては、脚
部の先端側が、恰もゴムホースの開口端を半径方向外方
へ折り返したように、折り返されており、脚部の縦穴開
口端は、弾性復元力に抗して押し広げられているので、
脚部の縦穴開口端には半径方向内方への弾性復元力が作
用することになる。
【0015】従って、かしめパンチによる押圧の工程が
進行することにより、脚部の折り返し部分は、脚部の外
面に沿って頭部側へと押し動かされて行き、被締結部材
と当接して、それ以上の移動が阻止された時点で、外方
へ開拡しながら押し潰されて行き、二重構造のフランジ
部を形成する状態に塑性変形して、常温でのかしめ付け
が行われることになる。また、折り返し筒部を外方へ開
拡しながら押し潰して、二重構造のフランジ部を形成す
る状態に塑性変形させることにより、折り返し筒部が扁
平化されることになり、折り返し筒部を形成する脚部の
長さが長くても、二重構造のフランジ部の山(被締結部
材からの突出高さ)を低く抑えることができる。
【0016】本発明による合成樹脂リベットのかしめ方
法は、頭部と円筒状の脚部とからなり、前記脚部の付け
根部側に、縦穴の底面中央に開口した頭部に達する深さ
の小径縦穴が形成された合成樹脂リベットの前記脚部を
被締結部材に形成された孔に挿通し、前記頭部の表面を
支持した状態で、前記脚部の先端を軸芯方向に押圧する
ことにより、先ず、脚部の先端を外方へ彎曲させて折り
返して、環状中空部を有し且つ先端が前記脚部の外面に
当接した形状の折り返し筒部を形成し、この折り返し筒
部を、当該折り返し筒部の先端が被締結部材と当接する
位置まで脚部の外面に沿わせて頭部側へ押し動かした
後、折り返し筒部を外方へ開拡しながら押し潰して塑性
変形させ、二重構造のフランジ部と頭部とで被締結部材
を挟持するようにしたことを特徴としている。
【0017】上記の構成によれば、合成樹脂リベットの
脚部を被締結部材に予め形成された孔に挿通し、頭部の
表面を支持した状態で、脚部の先端をかしめパンチで軸
芯方向に押圧することにより、恰もゴムホースの開口端
を半径方向外方へ折り返したように、円筒状脚部の先端
を外方へ彎曲させて折り返して、環状中空部を有し且つ
先端を前記脚部の外面に当接させた形状の折り返し筒部
が形成される。
【0018】そして、かしめパンチによる押圧の工程が
進行することにより、上記の折り返し筒部が、脚部の外
面に沿って頭部側へと押し動かされて行き、被締結部材
と当接し、それ以上の移動が阻止された時点で、外方へ
開拡しながら押し潰されて行き、二重構造のフランジ部
を形成する状態に塑性変形するので、常温下において、
ボール紙やジーンズなどの布地のような柔らかな材質の
被締結部材に対しても安定したかしめ付けが可能であ
る。また、折り返し筒部を外方へ開拡しながら押し潰し
て、二重構造のフランジ部を形成する状態に塑性変形さ
せるので、折り返し筒部が扁平化されることになり、折
り返し筒部を形成する脚部の長さが長くても、二重構造
のフランジ部の山(被締結部材からの突出高さ)を低く
抑えることができる。
【0019】殊に、上記の構成によれば、被締結部材の
厚さが厚い場合には、折り返し筒部が、短い距離押し動
かされて、被締結部材と当接し、それ以上の移動が阻止
された時点で、かしめ付けが行われることになり、被締
結部材の厚さが薄い場合には、折り返し筒部が、より長
い距離押し動かされてから、被締結部材と当接し、それ
以上の移動が阻止された時点で、かしめ付けが行われる
ことになる。
【0020】被締結部材の厚さが薄い場合、折り返し筒
部の移動距離が長く、かしめパンチの先端が縦穴の底面
よりも低い位置まで進入することになるが、座屈防止を
司る脚部の付け根部側には、縦穴の底面中央に開口した
頭部に達する深さの小径縦穴が形成されているので、脚
部の余分な合成樹脂部分は、かしめパンチの進入に伴
い、小径縦穴を埋めるように変形させて、小径縦穴に逃
がすことができ、被締結部材の厚さが薄いにもかかわら
ず、良好なかしめ状態が得られるのである。
【0021】従って、被締結部材の厚さが厚くても、薄
くても、脚部の長さが同一の合成樹脂リベットを用い
て、確実かつ良好なかしめ付けを行えるのであり、厚さ
の異なる被締結部材に対処するために、脚部の長さが異
なる何種類もの合成樹脂リベットを用意しておく必要が
なくなり、経済的である。
【0022】尚、円筒状の脚部のうち、脚部先端から縦
穴の底面までの間に位置する薄肉部分の長さ(縦穴の深
さ)が短すぎると、折り返し筒部を形成できず、長すぎ
る場合には、折り返し筒部を外方へ開拡しながら押し潰
して塑性変形させた状態において、二重構造のフランジ
部の直径が頭部に比して大きくなり過ぎるので、脚部先
端から縦穴の底面までの間に位置する薄肉部分の長さ
(縦穴の深さ)は、脚部の外径の略2倍であることが望
ましい(請求項2)。
【0023】縦穴の底面中央に開口する小径縦穴の内径
は、大き過ぎると、脚部の付け根部側による座屈防止の
役目を果たすことができないので、かしめ時に力の集中
する脚部の付け根部が座屈し易くなり、小さ過ぎると、
被締結部材の厚さが薄い場合に生じる付け根部側の余分
な合成樹脂部分を小径縦穴に逃がすことができないの
で、小径縦穴の内径は、縦穴の内径の1/2〜1/3で
あることが望ましい(請求項3)。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る合成樹脂リ
ベットAの一例を示す。図2〜図5は、前記合成樹脂リ
ベットAを厚さTの厚い被締結部材Bにかしめ付けるか
しめ方法を示し、図6〜図11は、前記合成樹脂リベッ
トAを厚さTの薄い被締結部材Bにかしめ付けるかしめ
方法を示す。
【0025】前記合成樹脂リベットAは、例えばポリア
セタール、ポリエステル等の合成樹脂材料の射出成形法
により製造されたもので、頭部1とその裏面に突設され
た円筒状の脚部2とからなる。頭部1の表面は、球面状
とされているが、平面状のものや他の形状でもよく、特
に限定されない。また、頭部1の裏面には、脚部2の周
囲に環状凹部3が形成されているが、平坦であってもよ
く、リブや小突起を設けてもよく、特に限定されない。
4は、脚部2の先端側から付け根部側の所定位置まで設
けられた円形の縦穴である。
【0026】前記脚部2の付け根部側には、縦穴4の底
面5中央に開口した少なくとも頭部1に達する深さの円
形の小径縦穴6が形成されている。従って、射出成形後
の温度低下による樹脂のヒケにより、頭部1の表面中央
に凹部が発生することを防止できる。円筒状の脚部2の
うち、脚部2先端から縦穴4の底面5までの間に位置す
る薄肉部分の長さ(縦穴4の深さ)Kは、脚部2の外径
Dの略2倍に設定されている。そして、後述するとお
り、脚部2の先端を外方へ彎曲させて折り返した状態に
おいて、脚部2の縦穴4開口端に半径方向内方への弾性
復元力が作用するように構成してある。
【0027】尚、縦穴4、小径縦穴6の内面には射出成
形用金型の抜き勾配が付けられている。Hは、縦穴4の
底面5から頭部1の外周部1aまでの長さである。図示
の例では、前記小径縦穴6を、縦穴4の底面5から頭部
1の外周部1aまでの長さHよりも若干深くし、環状凹
部3と略合致する深さとしてあるが、頭部1の外周部1
aまでの長さHと同じ深さでもよく、頭部1の厚みが大
きい場合には、環状凹部3よりも深く設定してもよい。
1は縦穴4の内径、L2は小径縦穴6の内径である。小
径縦穴6の内径L2は、縦穴の内径L1の1/2〜1/3
に設定されている。例えば、縦穴4の内径L1が2.5
mmである場合、小径縦穴6の内径L2は1mm程度に
設定される。
【0028】次に、上述した合成樹脂リベットAを、常
温下で、厚さTの厚い被締結部材Bにかしめ付ける場合
と、厚さTの薄い被締結部材Bにかしめ付ける場合と
を、図面に基づいて説明する。
【0029】図2に示すように、合成樹脂リベットAの
脚部2を被締結部材Bに予め形成された孔に挿通し、頭
部1を受け台C1で支持した状態で、前記脚部2の先端
を、受け台C1に対して相対的に昇降するかしめパンチ
2で、軸芯方向に押圧することにより、前記脚部2の
先端部を外側に押し潰して、常温下で、かしめ付けを行
うにあたり、図3、図4に示すように、受け台C1に対
するかしめパンチC2の接近移動(図示の例では下降)
に伴い、先ず、脚部2の先端を、その弾性復元力に抗し
て外方へ彎曲させて折り返し、折り返し端に環状中空部
7を有し且つ先端が前記脚部2の外面に当接した形状の
折り返し筒部2aを形成する。折り返し筒部2aは、図
4に示すように、恰もゴムホースの開口端を半径方向外
方へ折り返したような状態にあり、縦穴4開口端(折り
返し筒部2aの先端)には、図3に矢印で示すように、
半径方向内方への弾性復元力が作用している。
【0030】そして、かしめパンチC2による押圧の工
程が進行することにより、折り返し筒部2aを、当該折
り返し筒部2aの先端が被締結部材Bと当接する位置ま
で脚部2の外面に沿わせて押し動かす。
【0031】この状態から、かしめパンチC2が更に受
け台C1に接近移動して、かしめパンチC2による押圧の
工程が進行すると、折り返し筒部2aのそれ以上の移動
が被締結部材Bにより阻止されるので、図5に示すよう
に、かしめパンチC2が折り返し筒部2aを外方へ開拡
しながら押し潰して塑性変形させることになり、高さの
低い二重構造のフランジ部2bと頭部1とで被締結部材
Bを挟持し、かしめ付けが完了することになる。
【0032】脚部2の付け根部側は、縦穴4と小径縦穴
6の直径差により肉厚となっているので、座屈防止の役
目を果たすことができ、かしめ時に力の集中する脚部2
の付け根部近辺での座屈が防止されることになる。
【0033】被締結部材Bの厚さTが厚い場合には、折
り返し筒部2aが短い距離下降するだけで、折り返し筒
部2aの先端が被締結部材Bと当接し、それ以上の移動
を阻止された時点で、かしめ付けが行われるが、図6に
示すように、被締結部材Bの厚さTが薄い場合には、図
7〜図11に示すように、折り返し筒部2aがより長い
距離下降してから、折り返し筒部2aの先端が被締結部
材Bと当接して、それ以上の移動を阻止された時点で、
かしめ付けが行われることになる。
【0034】即ち、図6に示すように、合成樹脂リベッ
トAの脚部2を被締結部材Bに予め形成された孔に挿通
し、頭部1を受け台C1で支持した状態で、前記脚部2
の先端を、受け台C1に対して相対的に昇降するかしめ
パンチC2で、軸芯方向に押圧することにより、前記脚
部2の先端部を外側に押し潰して、常温下で、かしめ付
けを行うにあたり、図7、図8に示すように、受け台C
1に対するかしめパンチC2の接近移動(図示の例では下
降)に伴い、先ず、脚部2の先端を、その弾性復元力に
抗して外方へ彎曲させて折り返し、折り返し端に環状中
空部7を有し且つ先端が前記脚部2の外面に当接した形
状の折り返し筒部2aを形成する。この折り返し筒部2
aは、図7、図8に示すように、恰もゴムホースの開口
端を半径方向外方へ折り返したような状態にあり、縦穴
4開口端(折り返し筒部2aの先端)には、図7に矢印
で示すように、半径方向内方への弾性復元力が作用して
いる。
【0035】そして、かしめパンチC2による押圧の工
程が進行することにより、図9、図10に示すように、
折り返し筒部2aを、当該折り返し筒部2aの先端が被
締結部材Bと当接する位置まで脚部2の外面に沿わせて
押し動かす。この状態においては、縦穴4開口端(折り
返し筒部2aの先端)には、図9に矢印で示すように、
半径方向内方への弾性復元力が作用している。
【0036】この状態から、かしめパンチC2が更に受
け台C1に接近移動して、かしめパンチC2による押圧の
工程が進行すると、折り返し筒部2aのそれ以上の移動
が被締結部材Bにより阻止されるので、図11に示すよ
うに、かしめパンチC2が折り返し筒部2aを外方へ開
拡しながら押し潰して塑性変形させることになり、折り
返し筒部2aが扁平化されて、高さの低い二重構造のフ
ランジ部2bが形成され、この二重構造のフランジ部2
bと頭部1とで被締結部材Bを挟持し、かしめ付けが完
了することになる。
【0037】以上のとおり、かしめパンチC2による押
圧の工程が進行することにより、折り返し筒部2aが、
脚部2の外面に沿って頭部1側へと押し動かされて行
き、被締結部材Bと当接し、それ以上の移動が阻止され
た時点で、外方へ開拡しながら押し潰されて行き、二重
構造のフランジ部2bを形成する状態に塑性変形するの
で、ボール紙やジーンズなどの布地のような柔らかな材
質の被締結部材Bに対しても安定したかしめ付けが可能
である。また、折り返し筒部2aを外方へ開拡しながら
押し潰して、二重構造のフランジ部2bを形成する状態
に塑性変形させるので、折り返し筒部2aが扁平化され
ることになり、折り返し筒部2aを形成する脚部2の薄
肉部分の長さ(縦穴4の深さ)Kが長くても、二重構造
のフランジ部2bの山(被締結部材Bからの突出高さ)
を低く抑えることができる。
【0038】被締結部材Bの厚さが薄い場合、折り返し
筒部2aの移動距離が長く、かしめパンチC2の先端が
縦穴4の底面5よりも低い位置まで進入することになる
が、座屈防止を司る脚部2の付け根部側には、縦穴4の
底面5中央に開口した頭部1に達する深さの小径縦穴6
が形成されているので、脚部2の余分な合成樹脂部分
は、かしめパンチC2の進入に伴い、図11に示すよう
に、小径縦穴6を埋めるように変形させて、小径縦穴6
に逃がすことができ、被締結部材Bの厚さが薄いにもか
かわらず、良好なかしめ状態が得られるのである。
【0039】従って、被締結部材Bの厚さが厚くても、
薄くても、同一寸法の合成樹脂リベットAを用いて、確
実かつ良好なかしめ付けを行えるのであり、厚さの異な
る被締結部材Bに対処するために、脚部2の長さが異な
る何種類もの合成樹脂リベットを用意しておく必要がな
くなり、経済的である。
【0040】尚、円筒状の脚部2のうち、脚部先端から
縦穴4の底面5までの間に位置する薄肉部分の長さ(縦
穴4の深さ)Kを、脚部2の外径Dの略2倍に設定した
のは、次の理由による。即ち、薄肉部分の長さ(縦穴4
の深さ)Kが短すぎると、折り返し筒部2aを形成でき
ず、長すぎる場合には、折り返し筒部2aを外方へ開拡
しながら押し潰して塑性変形させた状態において、二重
構造のフランジ部2bの直径が頭部1に比して大きくな
り過ぎるからである。
【0041】また、小径縦穴6の内径L2を、縦穴4の
内径L1の1/2〜1/3に設定したのは、次の理由に
よる。即ち、縦穴4の底面5中央に開口する小径縦穴6
の内径L2は、大き過ぎると、脚部2の付け根部側によ
る座屈防止の役目を果たすことができず、かしめ時に力
の集中する脚部2の付け根部が座屈し易くなり、小さ過
ぎると、被締結部材Bの厚さが薄い場合に生じる付け根
部側の余分な合成樹脂部分を小径縦穴6に逃がすことが
できないからである。
【0042】上述した実施の形態において、受け台C1
に対して相対的に昇降するかしめパンチC2とは、受け
台Cが固定で、かしめパンチC2のみが昇降動作する場
合と、これとは逆に、かしめパンチC2が固定で、受け
台C1のみが昇降動作する場合と、受け台C1およびかし
めパンチC2の双方が昇降動作(互いに遠近移動)する
場合とを包含する意味である。また、図示の例では、合
成樹脂リベットAの頭部1が下に来るように、受け台C
1の上方にかしめパンチC2を配置し、脚部2の先端を上
方から押圧しているが、これらの上下関係を逆にして、
かしめ付けを行うことも可能である。
【0043】
【発明の効果】本発明は、上述した構成よりなるから、
被締結部材がボール紙やジーンズなどの布地のような柔
らかな材質であっても、安定したかしめ付けが可能であ
り、しかも、脚部の長さが一定した合成樹脂リベットを
使用して、被締結部材の厚さが厚くても、薄くても、確
実かつ良好なかしめ付けを行え、厚さの異なる被締結部
材に対処するために、脚部の長さが異なる何種類もの合
成樹脂リベットを用意しておく必要がなくなるので、経
済的である等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る合成樹脂リベットの縦断側面図で
ある。
【図2】図1の合成樹脂リベットを厚い被締結部材にか
しめ付ける方法を説明するための縦断側面図である。
【図3】かしめ途中の状態における縦断側面図である。
【図4】図3の状態における合成樹脂リベットの側面図
である。
【図5】かしめ付けが完了した状態における縦断側面図
である。
【図6】図1の合成樹脂リベットを薄い被締結部材にか
しめ付ける方法を説明するための縦断側面図である。
【図7】かしめ途中の状態における縦断側面図である。
【図8】図7の状態における合成樹脂リベットの側面図
である。
【図9】かしめ途中の状態における縦断側面図である。
【図10】図9の状態における合成樹脂リベットの側面
図である。
【図11】かしめ付けが完了した状態における縦断側面
図である。
【図12】従来例を説明する縦断面図である。
【図13】従来例を説明する縦断面図である。
【符号の説明】
A…合成樹脂リベット、B…被締結部材、1…頭部、2
…脚部、2a…折り返し筒部、2b…二重構造のフラン
ジ部、4…縦穴、5…底面、6…小径縦穴。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頭部と円筒状の脚部とからなる合成樹脂
    リベットであって、前記脚部の付け根部側に、縦穴の底
    面中央に開口した頭部に達する深さの小径縦穴が形成さ
    れ、脚部の先端を外方へ彎曲させて折り返した状態にお
    いて、脚部の縦穴開口端に半径方向内方への弾性復元力
    が作用するように構成してあることを特徴とする合成樹
    脂リベット。
  2. 【請求項2】 円筒状の脚部のうち、脚部先端から縦穴
    の底面までの間に位置する薄肉部分の長さが、脚部の外
    径の略2倍であることを特徴とする請求項1に記載の合
    成樹脂リベット。
  3. 【請求項3】 小径縦穴の内径が、縦穴の内径の1/2
    〜1/3であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の合成樹脂リベット。
  4. 【請求項4】 頭部と円筒状の脚部とからなり、前記脚
    部の付け根部側に、縦穴の底面中央に開口した頭部に達
    する深さの小径縦穴が形成された合成樹脂リベットの前
    記脚部を被締結部材に形成された孔に挿通し、前記頭部
    の表面を支持した状態で、前記脚部の先端を軸芯方向に
    押圧することにより、先ず、脚部の先端を外方へ彎曲さ
    せて折り返して、環状中空部を有し且つ先端が前記脚部
    の外面に当接した形状の折り返し筒部を形成し、この折
    り返し筒部を、当該折り返し筒部の先端が被締結部材と
    当接する位置まで脚部の外面に沿わせて頭部側へ押し動
    かした後、折り返し筒部を外方へ開拡しながら押し潰し
    て塑性変形させ、二重構造のフランジ部と頭部とで被締
    結部材を挟持するようにしたことを特徴とする合成樹脂
    リベットのかしめ方法。
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