JP2003201732A - 流体噴出装置 - Google Patents

流体噴出装置

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JP2003201732A
JP2003201732A JP2002374160A JP2002374160A JP2003201732A JP 2003201732 A JP2003201732 A JP 2003201732A JP 2002374160 A JP2002374160 A JP 2002374160A JP 2002374160 A JP2002374160 A JP 2002374160A JP 2003201732 A JP2003201732 A JP 2003201732A
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chamber
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cleaning
fluid
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JP2002374160A
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Minoru Sato
稔 佐藤
Yasuo Hamada
靖夫 濱田
Makoto Hatakeyama
真 畠山
Yoshiyuki Kio
能幸 樹生
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Kyoritsu Gokin Co Ltd
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Toto Ltd
Kyoritsu Gokin Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B3/00Spraying or sprinkling apparatus with moving outlet elements or moving deflecting elements
    • B05B3/02Spraying or sprinkling apparatus with moving outlet elements or moving deflecting elements with rotating elements
    • B05B3/04Spraying or sprinkling apparatus with moving outlet elements or moving deflecting elements with rotating elements driven by the liquid or other fluent material discharged, e.g. the liquid actuating a motor before passing to the outlet
    • B05B3/0409Spraying or sprinkling apparatus with moving outlet elements or moving deflecting elements with rotating elements driven by the liquid or other fluent material discharged, e.g. the liquid actuating a motor before passing to the outlet with moving, e.g. rotating, outlet elements
    • B05B3/0463Rotor nozzles, i.e. nozzles consisting of an element having an upstream part rotated by the liquid flow, and a downstream part connected to the apparatus by a universal joint

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  • Bidet-Like Cleaning Device And Other Flush Toilet Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズル回転を流体圧力で起こす構造を採った
上で、チャンバーへの流体供給ポンプ等の駆動部の小型
化や、運転コストの低減を図る。 【解決手段】 洗浄水噴出装置40は、チャンバー2の
天井に、エッジ状に陥没形成された上側貫通孔6Aを備
え、底面に、有底丸孔形状の凹部43を有する。ノズル
4は、この上側貫通孔6Aに、ノズル先端側の縮径部7
を挿入させ、凹部43には下端部44を挿入させて組み
込まれている。ノズル4は、上側貫通孔6Aにおいて、
洗浄水噴出口5を貫通孔外部に臨ませると共に、回転自
在に、かつ、ノズル軸芯O方向へのノズル4の位置変更
が許される状態とされている。また、上側貫通孔6Aの
中心軸Pに対して傾斜した姿勢で、当該中心軸周りに公
転可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体を受け入れる
チャンバーを備え、該受け入れた流体を流体噴出口から
噴出する流体噴出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の流体噴出装置の一例として人体
の局部(肛門等)を洗浄する局部洗浄装置がよく知られ
ている。こうした局部洗浄装置では、一つの流体噴出口
から洗浄水を人体局部に向けて噴出するに当たり、通
常、噴出洗浄水が着水する範囲がある程度広い範囲とな
るようにすることが望まれている。
【0003】こうした要望を満たすには、ノズルが組み
込まれたノズルアームを円弧軌跡で回転させる手法(ノ
ズルアーム回転手法)や、ノズル自体をこれを組み込ん
だノズルアーム内で駆動する手法(ノズル回転手法)を
採ればよい(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−8453号公報
【0004】ところで、前者の手法では、ノズルアーム
を直交座標上の2軸で同時制御する必要があることか
ら、各軸ごとに駆動モータ等が必要となり装置の大型化
を招いていた。一方、後者の手法は、駆動対象がノズル
だけであることから、その分だけ、装置の小型化を図る
ことができ好ましい。こうしたノズル回転手法は、上記
特許文献1で種々のものが提案されており、ノズルを電
気的な力で駆動するものとノズルを洗浄水圧力で駆動す
るものに大別される。後者のものは、省エネルギの観点
で前者に優れる。
【0005】図1はノズルを洗浄水圧力で回転駆動する
よう従来採用されていた構成を説明する説明図であり、
図1(a)はノズルアームの概略断面を示し、図1
(b)はそのA−A線の階略断面を示す説明図である。
【0006】図1に示すように、ノズルアームには円錐
台状のノズルが回転可能にチャンバー内に組み込まれ、
ノズル周壁には曲がった溝が周壁周りに複数形成されて
いる。このノズルは、その先端側で、シール材によりチ
ャンバー内面とシールされている。こうしたノズルに洗
浄水を供給すると、洗浄水がチャンバーの内面とノズル
周壁の溝を通過する際に、その洗浄水の圧力でノズルが
回転する。よって、ノズルは、着水範囲が広がるようノ
ズル先端の噴出口から洗浄水を噴出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、ノズル先端とチャンバー内面との間にシ
ール材が介在するので、ノズルはその回転時にシール材
から比較的大きな回転抵抗を受けていた。
【0008】ノズルの回転速度は噴出口からの洗浄水の
広がりに影響し、着水範囲の広狭化にはある程度の回転
速度が必要である。この結果、ノズルの回転発現および
その維持のためには、洗浄水供給時の水圧を高くしなけ
ればならなくなり、ポンプ等の駆動部が大型化するとい
う問題や、運転コストが高くなるという問題があった。
【0009】これらの問題は局部洗浄装置で代表される
洗浄水噴出装置に特有のものではなく、他の目的で用い
られる流体噴出装置であっても、ノズル回転を流体圧力
で起こす構造上、同様の問題が生じている。
【0010】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、ノズル回転を流体圧力で起こす構造を採った上
で、チャンバーへの流体供給ポンプ等の駆動部の小型化
や、運転コストの低減を図ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の流
体噴出装置は、流体を受け入れるチャンバーを備え、該
受け入れた流体を流体噴出口から噴出する流体噴出装置
であって、前記チャンバーに組み込まれたノズルであっ
て、ノズル先端側に前記流体噴出口を有し、前記チャン
バーに受け入れた流体を前記流体噴出口に導くノズル内
管路を有する前記ノズルを備え、前記チャンバーに形成
した開口に、前記ノズルに形成したノズル先端側の縮径
部を、回転自在に、かつ、前記ノズルの軸芯方向へのノ
ズルの位置変更が許される状態に入り込ませるととも
に、前記流体噴出口の向きを前記軸芯に対して傾斜した
向きに設定し、流体が前記チャンバーに供給されると、
流体圧によって前記ノズルがノズル先端の外方側に向か
って位置変更して、前記縮径部よりも大径のノズル部分
の端面が前記開口側のチャンバー天井壁に当接するとと
もに、その当接状態で前記ノズルが流体圧によって前記
軸芯周りに回転しながら前記流体噴出口から流体を噴出
するよう構成した点に特徴がある。
【0012】上記構成を有する本発明の流体噴出装置で
は、流体がチャンバーに供給されると、流体圧によって
ノズルがノズル先端の外方側に向かって位置変更して、
ノズル先端側の縮径部よりも大径のノズル部分の端面
が、前記開口側のチャンバー天井壁に当接する。
【0013】こうした当接状態を採るノズルは、流体圧
によってノズルの軸芯周りに回転しつつ、流体を流体噴
出口から噴出する。この流体噴出口は、その向きがノズ
ル軸芯に対して傾斜していることから、流体はノズル軸
芯に対して傾斜した方向に噴出され、この傾斜で円錐状
に噴出される。
【0014】これにより、広い範囲に流体を噴出するこ
とができる。また、上記の当接でチャンバー天井壁と、
前記縮径部よりも大径のノズル部分の端面との間をシー
ルすることができる。
【0015】このようなシール状況では、僅かではある
もののチャンバー天井壁とノズル部分端面との間に流体
が浸入する余地があるので、この浸入流体は潤滑剤の役
割を果たす。このため、ノズル部分端面がチャンバー天
井壁から受ける抵抗を小さくできるので、チャンバー内
の流体圧が小さくても良好なノズル回転を来すことがで
きる。つまり、チャンバーへの供給流体の流体圧が低く
ても済むようになるので、その分だけ流体供給用のポン
プ等の駆動部の小型化や、運転コストの低減を図ること
ができる。
【0016】また、次のような利点もある。ノズルを固
定式にしてノズルアームを円弧軌跡で回転させるノズル
アーム回転手法では、駆動対象物が大きいことから流体
噴出口の移動は遅くなる。また、図1に示した従来のノ
ズル回転手法であっても、供給流体の流体圧が低い場合
は、ノズル回転、延いては流体噴出口回転速度が遅くな
る。よって、こうした場合では、回転している流体噴出
口からの噴出流体の広がり程度は小さくなってしまうと
いう問題がある。しかしながら、本発明の流体噴出装置
では、供給流体の流体圧が低くてもノズル・流体噴出口
の回転をその速度が大きく低下させずに高回転に維持で
きるので、上記の問題が生じない。
【0017】上記した本発明の流体噴出装置では、前記
ノズルの周部に流体圧を受ける羽根を設けるようにする
ことができる。こうすれば、ノズルを効率よく回転させ
ることができるので、低流体圧への対応が可能となり、
一層の駆動部の小型化や運転コスト低減を図ることがで
きる。
【0018】また、上記した本発明の流体噴出装置で
は、チャンバー天井壁と、前記縮径部よりも大径のノズ
ル部分の端面との少なくとも一方を球面に形成すること
ができる。こうすれば、回転および公転するノズルがチ
ャンバー天井壁から受ける回転抵抗をより小さくするこ
とができる。よって、ノズルの回転効率が高まって低流
体圧への対応が可能となるので、一層の駆動部の小型化
や運転コスト低減を図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づき説明する。図2は本発明を適用した実施例の
洗浄水噴出装置40を有する便器30の外観を示す概略
斜視図、図3は洗浄水噴出装置40の構成を説明するた
めの概略分解斜視図、図4は洗浄水噴出装置40の鉛直
方向概略断面図、図5は洗浄水噴出装置40の水平方向
概略断面図である。
【0020】この洗浄水噴出装置40は、排便等の後に
人体の局部(肛門等)を洗浄する人体局部洗浄装置に適
用したものであり、ノズルアーム31に組み込まれてい
る。ノズルアーム31は、便器ボールに対して進退自在
とされ、局部洗浄に際して図示するように洗浄位置に進
出し、洗浄水噴出装置40からの洗浄水噴出を開始す
る。洗浄水噴出装置40は、洗浄水を受け入れるチャン
バー2を備え、受け入れた洗浄水を洗浄水噴出口5から
噴出する。以下、この洗浄水噴出装置40について詳述
する。
【0021】洗浄水噴出装置40は、直方体状の角ブロ
ック8を備え、その中央部に縦方向に貫通形成された貫
通孔をチャンバー2とする。チャンバー2は、その上下
両端側でOリング22を介在させて上蓋9と下蓋10で
塞がれ、各蓋はボルトにて角ブロック8に固定されてい
る。
【0022】図3、図4に示すように、上蓋9は、その
中央に小径の上側貫通孔6Aとこれに続く大径の下側貫
通孔6Bとを備え、上側貫通孔6Aをチャンバー2の天
井開口とする。上側貫通孔6Aと下側貫通孔6Bの段差
部Bは、後述のノズル4の受けとなる。下蓋10は、そ
の凸部中央に、ノズル4に対する受け止めとして機能す
る凹部41を備える。
【0023】図5にも示すように、角ブロック8は、そ
の長手方向の両端に有底の雌ねじ孔12と、ねじ底面か
らチャンバー2に達する連通孔13を有する。この雌ね
じ孔12には、洗浄水の給水ホース50が連結され、こ
のホースから図示しないポンプによりチャンバー2に洗
浄水が供給される。この場合、雌ねじ孔12はチャンバ
ー2に対して水平方向でオフセットして形成され、連通
孔13はチャンバー2にその外周壁で連通するよう形成
されている。また、ブロック体両端の連通孔13は、回
転対称の位置関係を採るようにされている。従って、こ
の両連通孔からチャンバー2に洗浄水が流入すると、チ
ャンバー2では、図5中に示す矢印のように旋回する旋
回流が生じる。
【0024】ノズル4は、ノズル先端側に洗浄水噴出口
5を有し、チャンバー2に受け入れた流体をこの洗浄水
噴出口5に導く流路19を有する。また、ノズル4は、
その下端側に一対の羽根15を張り出し備え、この羽根
より上方のノズル先端側を小径の縮径部7とし、羽根下
方側を、テーパ状の突起11とする。ノズル4は、この
縮径部7を上蓋9の上側貫通孔6Aに挿入して組み込ま
れ、当該貫通孔において回転自在に、かつ、ノズル軸芯
O方向へのノズル4の位置変更が許される状態に組み込
まれている。この場合、ノズル4は、下端の突起11を
下蓋10の凹部41に入り込ませた状態で、支持され
る。
【0025】ノズル4内に形成された流路19は、羽根
15の長手方向(ノズル4の径方向)に貫通形成した横
向きの流路部分19Aと、ノズル軸芯Oに対して1.4
度傾斜した縦向きの流路部分19Bとを連通させて形成
してある。
【0026】縦向きの流路部分19Bの先端開口部は、
洗浄水噴出口5とされている。よって、この洗浄水噴出
口5は、縦向きの流路部分19Bの上記した傾斜向きに
倣って、ノズル軸芯Oに対して1.4度傾斜した向きに
なっている。
【0027】洗浄水をポンプでチャンバー2に供給する
と、チャンバー2は、これに接する一対の連通孔13か
らポンプ圧で流入した洗浄水で満たされる。よって、ノ
ズル4は、この洗浄水圧(ポンプ圧)を洗浄水から受け
て、ノズル先端の外方側(上方側)に向かって位置変更
(上昇位置変位)する。これにより、縮径部7よりも大
径のノズル部分の端面Aは、上蓋9側の上側貫通孔6A
の下側の端面B(開口側のチャンバー天井壁に相当)に
当接する。このとき、ノズル4の後端側(突起11の
側)は洗浄水中に浮いた状態となる。
【0028】洗浄水はチャンバー2に継続供給されるの
で、チャンバー2では、既述したように洗浄水は上記の
ポンプ圧で旋回する。このため、ノズル4は、この旋回
流の洗浄水の洗浄水圧(ポンプ圧)によってノズル軸芯
O周りに回転(自転)する。しかも、チャンバー2の洗
浄水は横向きの流路部分19Aおよび縦向きの流路部分
19Bに導かれ洗浄水噴出口5に達する。よって、ノズ
ル4は、ノズル軸芯O周りに回転しながら洗浄水噴出口
5から洗浄水を噴出する。
【0029】洗浄水噴出口5の向きはノズル軸芯Oに対
して傾斜した向きに設定してあるから、洗浄水はノズル
軸芯Oに対して傾斜した方向に洗浄水噴出口5から噴出
され、この傾斜で円錐状に噴出される。つまり、ノズル
4は、洗浄水をノズル軸芯Oの延長部分を中心軸とする
仮想円錐の周面上に噴出し、これにより広い範囲にわた
って洗浄水を噴出することができる。
【0030】また、上記したように、ノズル4は、自身
の上記上昇位置変位により、上側貫通孔6Aの下側の端
面Bに縮径部7よりも大径のノズル部分の端面Aを当接
させて、両端面間のシールを図る。
【0031】このようなシール状況では、僅かではある
ものの上記両端面間に洗浄水が浸入する余地があるの
で、この浸入洗浄水は潤滑剤の役割を果たす。このた
め、ノズル部分の端面Aが上側貫通孔6Aの下側の端面
Bから受ける抵抗が小さくなることから、チャンバー2
内の洗浄水圧が小さくても良好なシール効果を奏しつ
つ、良好なノズル回転を来すことができる。つまり、チ
ャンバー2内の洗浄水圧、延いてはポンプ圧が小さくて
済む。
【0032】上記構造を有する洗浄水噴出装置40につ
いて、チャンバー2内の洗浄水の圧力を約0.01MP
a程度として噴出実験を行った。このような低圧給水で
あっても、本実施例の洗浄水噴出装置40によれば、ノ
ズル4を支障なく作動させて洗浄水を上記円錐状で噴出
できることが実証できた。このため、本実施例の洗浄水
噴出装置40によれば、チャンバー2への洗浄水の供給
圧が低くても済むようになるので、その分だけ洗浄水供
給用のポンプ等の駆動部の小型化や、運転コストの低減
を図ることができる。しかも、上記のような低圧給水で
あっても、ノズル4およびその洗浄水噴出口5の回転を
その速度が大きく低下させずに高回転に維持できた。よ
って、低圧給水であっても、上記した円錐状の洗浄水噴
出を確実に実現でき、洗浄範囲の狭小化を招かない。
【0033】また、洗浄水噴出装置40では、ノズル4
の周部に流体圧を受ける羽根15を設けたので、この羽
根により効率的に洗浄水を圧力を受けるようにできる。
よって、ノズル4の回転効率を高めることができるの
で、低圧給水への対応余地が拡大し、一層の駆動部の小
型化や運転コスト低減を図ることができる。
【0034】次に、上記した実施例の変形例について説
明する。図6は変形例の洗浄水噴出装置40の鉛直方向
概略断面図、図7はこの変形例の洗浄水噴出装置40の
水平方向概略断面図である。
【0035】これら図面に示すように、この変形例で
は、ノズル4内の洗浄水の流路19のうち、横向きの流
路部分19Aを閉塞流路とし、その両端側に洗浄水流入
口42を貫通形成した。こうすれば、両流入口の向きは
羽根15の羽根面と直交する向きとなるので、各流入口
から横向きの流路部分19Aへの流入洗浄水もノズル4
を上記のように回転させるように作用する。よって、駆
動部の小型化や運転コスト低減により有益である。
【0036】次に、他の実施例について説明する。図8
は他の実施例の洗浄水噴出装置40の鉛直方向概略断面
とその要部を拡大して示す説明図、図9はこの洗浄水噴
出装置40の水平方向概略断面図である。
【0037】図示するように、この実施例における洗浄
水噴出装置40は、第1実施形態における洗浄水噴出装
置とはノズル4等の構成が相違する。以下、その相違点
について説明する。
【0038】この洗浄水噴出装置40にあっても、チャ
ンバー2を備え、その天井開口である上側貫通孔6Aの
外側周囲を陥没させている。これにより、上側貫通孔6
Aは、その軸心方向寸法が小さくされたエッジ状の開口
とされている。この上側貫通孔6Aに、ノズル先端側の
縮径部7を挿入させてノズル4が組み込まれている。こ
うして組み込まれたノズル4は、上側貫通孔6Aにおい
て、洗浄水噴出口5を貫通孔外部に臨ませると共に、回
転自在に、かつ、ノズル軸芯O方向へのノズル4の位置
変更が許される状態とされている。この場合、縮径部7
よりも大径のノズル部分の端面Aは、要部拡大図示部に
示すように球面状とされている。
【0039】ノズル4は、その下端に縮径した下端部4
4を備え、下蓋10の先端(上端)側の丸穴状の凹部4
3にこの下端部44を入り込ませている。凹部43は、
その径が下端部44の径の約1.3倍の大きさに設定し
てあるので、下端部44が凹部43内で径方向に位置変
更する際のノズルのガイドとして機能する。
【0040】上記した凹部43による下端部44の径方
向位置変更ガイド機能とエッジ状開口とされた上側貫通
孔6Aの軸心方向寸法狭小化により、ノズル4は、上側
貫通孔6Aの中心軸Pに対して約1.78度傾斜した姿
勢を採ることができる。そして、ノズル4は、この傾斜
姿勢で中心軸P周りに公転することができる。なお、こ
のノズル公転が起きる様子については、その詳細を後述
する。
【0041】この実施例では、ノズル4は、洗浄水噴出
口5に洗浄水を導く流路19を流路部分19Aと流路部
分19Bとで形成する。流路部分19Aは、ノズル軸芯
Oと直交するようノズル長手方向中央部付近に貫通形成
された十字状の横向きの流路である。流路部分19B
は、ノズル軸芯Oに沿って縦向きに形成され、流路部分
19Aに連通して先端側の洗浄水噴出口5に到ってい
る。
【0042】洗浄水を図示しないポンプでチャンバー2
に供給すると、チャンバー2は既述したように流入洗浄
水で満たされ、ノズル4は、この洗浄水圧(ポンプ圧)
を洗浄水から受けて、ノズル先端の外方側(上方側)に
向かって位置変更(上昇位置変位)する。これにより、
縮径部7よりも大径側の端面Aは、上蓋9側の上側貫通
孔6Aの下側の端面B(開口側のチャンバー天井壁に相
当)に当接する。このとき、ノズル4の下端部44は洗
浄水中に浮いた状態となり、この下端部44は凹部43
による上記のガイドを受ける。つまり、ノズル4は、既
述した傾斜姿勢を採ることができる。
【0043】そして、チャンバー2への洗浄水の継続供
給時におけるチャンバー2での旋回流の洗浄水の洗浄水
圧(ポンプ圧)により、ノズル4はノズル軸芯O周りに
回転(自転)する。この際、ノズル4は上側貫通孔6A
の中心軸Pに対して傾斜した姿勢を採ることから、この
ノズル4は上側貫通孔6Aの中心軸P周りに回転(公
転)する。しかも、チャンバー2の洗浄水は横向きの流
路部分19Aおよび縦向きの流路部分19Bに導かれ洗
浄水噴出口5に達する。よって、ノズル4は、ノズル軸
芯O周りの回転と傾斜姿勢での中心軸P周りの公転を起
こしながら、洗浄水噴出口5から洗浄水を噴出する。
【0044】これにより、洗浄水噴出口5からの洗浄水
噴出は、チャンバー2における上側貫通孔6Aの開口中
心軸Pを中心とした円錐状のものとなり、広い範囲に流
体を噴出することができる。つまり、ノズル4は、洗浄
水を上側貫通孔6Aの中心軸Pの延長部分を中心軸とす
る仮想円錐の周面上に噴出し、広い範囲に亘って洗浄水
を噴出することができる。
【0045】また、ノズル4は、自身の上記上昇位置変
位により、既述したように、上側貫通孔6Aの下側の端
面Bにノズル部分の端面Aを当接させて、両端面間のシ
ールを図る。
【0046】このようなシール状況では、僅かではある
ものの上記両端面間に洗浄水が浸入する余地があるの
で、この浸入洗浄水は潤滑剤の役割を果たす。このた
め、ノズル部分の端面Aが上側貫通孔6Aの下側の端面
Bから受ける抵抗が小さくなることから、チャンバー2
内の洗浄水圧が小さくても良好なシール効果を奏しつ
つ、良好なノズル回転を来すことができる。つまり、チ
ャンバー2内の洗浄水圧、延いてはポンプ圧が小さくて
済む。
【0047】上記構造を有する洗浄水噴出装置40につ
いても既述した低給水圧(約0.01MPa程度)での
噴出実験を行ったところ、ノズル4を支障なく作動させ
て洗浄水を上記円錐状で噴出できることが実証できた。
このため、本実施例の洗浄水噴出装置40によっても、
洗浄水供給用のポンプ等の駆動部の小型化や、運転コス
トの低減を図ることができる。しかも、上記のような低
圧給水であっても、ノズル4およびその洗浄水噴出口5
の高回転維持を達成でき、洗浄範囲の狭小化を招かな
い。
【0048】また、この実施例では、ノズル4が傾斜姿
勢を採る際に、下端部44を凹部43でガイドするの
で、開口の中心軸P周りのノズル公転の際のノズル傾斜
姿勢を安定化させる。よって、噴出洗浄水の状況の安定
化をもたらし、噴出洗浄水をその洗浄箇所に確実に着水
させて洗浄できる。
【0049】この場合、下端部44と凹部43の寸法関
係を種々調整することで、ノズル傾斜姿勢を所望の姿勢
に容易に設定できる。このため、噴出洗浄水の噴射対象
(洗浄箇所)の着水範囲(洗浄範囲)を広狭調整でき
る。
【0050】また、この実施例の洗浄水噴出装置40で
は、上記した端面間の当接を図るに当たり、縮径部7よ
りも大径のノズル部分の端面Aを球面状とした。よっ
て、回転および公転するノズル4がチャンバー2の側の
端面Bから受ける回転抵抗をより小さくすることができ
る。この結果、ノズル4の回公転の効率が高まって低給
水圧への対応性が高まるので、一層の駆動部の小型化や
運転コスト低減を図ることができる。
【0051】また、縮径部7よりも大径のノズル部分の
端面Aが球面状であることから、この端面Aと上記の端
面Bとの当接に伴う点接触の安定化や摩耗防止等により
一層有益である。特に、ノズル4が傾斜姿勢で公転して
いる場合にあっては、上側貫通孔6A周りにおける上記
両端面の点接触箇所以外の隙箇所を狭くできるので、こ
の隙箇所通過洗浄水を少なくできる。よって、洗浄水を
洗浄水噴出口5からの噴出に有効利用できる。
【0052】上記した実施例では、ノズル4を、摺動性
や耐摩耗性に優れた材料、例えば、ポリアセタール、ナ
イロン、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン、シリ
コーン、ABS、PPS等の樹脂やステンレス等の金属
とした。よって、上記した端面同士の当接および下端部
44と凹部43内壁の接触に伴う摩耗を確実に抑制でき
る。特に、ノズル4を金属製とすれば、これら接触で生
じる摩耗熱の放熱効率を高めることができる。これらの
結果、摩擦熱による部材の溶融固着を回避でき、ノズル
公転、延いては洗浄水噴出の信頼性を高めることができ
る。しかも、ノズル4を金属製とすれば、その分だけノ
ズル重量を増やすことができる。このため、ノズルの呈
する慣性が大きくなり、ノズル公転時に伴う後述の遠心
力の増大、並びに公転最中のノズル傾斜姿勢の安定化を
図ることができ好ましい。ノズル4をステンレス等の金
属製とする場合にあっては、表面粗さを小さくするなど
すればより好ましい。なお、摩耗が起きる部位を金属製
とし、その他の部位を樹脂製としたノズル4とすること
もできる。こうしたノズル4は、金属・樹脂のいわゆる
2色成形手法で容易に製造できる。
【0053】次に、上記した他の実施例の変形例につい
て説明する。この変形例は、上記の他の実施例とノズル
構成が相違する。図10は変形例の洗浄水噴出装置40
の鉛直方向概略断面とその要部を拡大して示す説明図、
図11はこの変形例の洗浄水噴出装置40の水平方向概
略断面図である。
【0054】この変形例におけるノズル4は、中空に形
成してあり、その中空部を洗浄水噴出口5への流路19
とする。この流路19は、ノズル先端側の洗浄水噴出口
5側で縮径されており、流路下端から流れ込んだ洗浄水
を、この縮径流路部分で整流した後に洗浄水噴出口5に
導く。なお、ノズル4の周壁に複数の貫通横孔を形成し
て、流路19に径方向外方側からも洗浄水を受け入れる
ように構成することもできる。
【0055】ノズル4は、その下端側開口に、下蓋10
の先端(上端)側の円錐台状の凸部45を入り込ませて
いる。凸部45は、その最大径がノズル4の下端側開口
の約1/1.3倍の大きさに設定してあるので、下端側
開口に凸部45を入り込ませた状態で下端側開口に当接
し、ノズル4が径方向に位置変更する際のガイドとして
機能する。
【0056】なお、チャンバー2の天井開口である上側
貫通孔6Aを、その軸心方向寸法が小さくされたエッジ
状の開口とした点や、ノズル4の縮径部7よりも大径の
ノズル部分の端面Aを球面に形成してある点などについ
ては、上記した他の実施例と同一である。
【0057】この変形例によっても、上記の凸部45に
よるノズル4の径方向位置ガイド機能とエッジ状開口と
された上側貫通孔6Aの軸心方向寸法狭小化により、ノ
ズル4は、上側貫通孔6Aの中心軸Pに対して約1.7
8度傾斜した姿勢を採ることができる。そして、ノズル
4は、この傾斜姿勢で中心軸P周りに公転する。
【0058】この変形例であっても、チャンバー2への
洗浄水供給により、ノズル4の既述した上昇位置変位を
起こし、縮径部7よりも大径側の端面Aを、上蓋9側の
上側貫通孔6Aの下側の端面B(開口側のチャンバー天
井壁に相当)に当接させる。このときノズル4の下端端
側は洗浄水中に浮いた状態となり、ノズル4は、ノズル
下端側開口を介した凸部45によるガイドを受けて、既
述した傾斜姿勢を採る。
【0059】そして、ノズル4は、こうした当接状態を
採って、洗浄水圧によるノズル軸芯O周りの回転と上側
貫通孔6Aの中心軸P周りの傾斜姿勢での公転とを起こ
しつつ、洗浄水噴出口5から洗浄水を噴出する。
【0060】これにより、この変形例によっても、洗浄
水噴出口5からの洗浄水噴出は、チャンバー2における
上側貫通孔6Aの開口中心軸Pを中心とした円錐状のも
のとなり、広い範囲に流体を噴出することができる。つ
まり、ノズル4は、上側貫通孔6Aの中心軸Pの延長部
分を中心軸とする仮想円錐の周面上に洗浄水を噴出し、
広い範囲に亘って洗浄水を噴出することができる。
【0061】また、この変形例では、流路19をノズル
軸心方向に貫通したものとしたので、ノズル4の軽量化
を図ることができる。よって、ノズル自体が呈する慣性
が小さくなって流体圧による傾斜姿勢化やノズルの公転
を起こしやすくでき、その始動性や回転数を高めること
ができる。
【0062】なお、ノズル側の端面Aとチャンバー側の
端面Bとの当接状態は、上記した別の実施例と同様なの
で、両端面間の抵抗低減に伴う効果、例えば、洗浄水供
給用のポンプ等の駆動部の小型化や運転コスト低減等の
既述した効果を奏することができる。
【0063】また、上記した実施例の他の変形例につい
て説明する。この他の変形例は、上記の変形例とノズル
傾斜姿勢保持の様子が相違する。図12は他の変形例の
洗浄水噴出装置40の鉛直方向概略断面とその要部を拡
大して示す説明図、図13はこの変形例の洗浄水噴出装
置40の水平方向概略断面図である。
【0064】図示するように、この変形例では、下蓋1
0はその先端(上端)側に上記の凸部45を有しない点
と、上蓋9はチャンバー2内に延び下側貫通孔6Bを深
孔状としている点で、上記の変形例と構成が相違する。
【0065】この変形例では、ノズル4が傾斜姿勢を採
って上側貫通孔6Aの中心軸P周りに公転する際、既述
した端面A、Bによる当接を引き起こすと共に、上蓋9
の下側貫通孔6Bの周壁がノズル4に接することでノズ
ル4をガイドする。この変形例であっても、上記した変
形例と同様の効果を奏することができる。
【0066】以上説明した実施例・変形例では、チャン
バー2への洗浄水給水を図るに当たり、角ブロック8に
連通孔13を対称に一対設けた。しかし、連通孔13を
一つだけ形成して、1本の給水ホース50だけから洗浄
水をチャンバー2に供給するよう構成してあってもよ
い。
【0067】また、上側貫通孔6Aの下側の端面Bを球
面状に形成してもよい。更には、上側貫通孔6Aの下側
の端面Bと、縮径部7よりも大径のノズル部分の端面A
の両者をいずれも球面状に形成することもできる。
【0068】ここで、図8〜図13に示した実施例・変
形例でチャンバー2内のノズル4が洗浄水給水により上
側貫通孔6Aの中心軸P周りの公転を起こす様子につい
て、詳細に説明する。図14はチャンバー2に洗浄水が
流入してからのノズル4の挙動とこのノズル4にかかる
力の様子を時間経過に沿って説明する説明図、図15は
ノズル4がこうした挙動を採ることで得られる洗浄水噴
出の様子を説明する説明図である。なお、説明の簡便化
を図るため、チャンバー2へは単一の連通孔13から洗
浄水を給水した場合について説明する。
【0069】この図14に示すように、今、連通孔13
からチャンバー2に洗浄水を流入させる(時刻t0)。
こうしてチャンバー2に洗浄水が流入すると、洗浄水
は、既述したようにチャンバー2内でその内壁に沿った
旋回流を生じさせる。この旋回流は、チャンバー2のほ
ぼ中央に位置するノズル4(詳しくは、ノズル4の大径
のノズル部分)周りに旋回する旋回流となる。この旋回
流における流速は、連通孔13の連通部でその流速Ui
nが最も高い。
【0070】流入洗浄水が最初に旋回を始める場所、即
ち連通孔13の開口の延長線上にある周壁部位2aと、
当該部位に対向する周壁部位2bとでは、それぞれの流
速Uaと流速Ubに差が生じ、両者の関係は、Ua>U
bとなる。つまり、周壁部位2aから周壁部位2bまで
洗浄水が行き渡る(旋回する)間に、チャンバー2内で
の流れ分散やチャンバー2内壁面との洗浄水接触、洗浄
水粘性、表面摩擦等の影響を受け、洗浄水は減速する。
よって、ノズル4周りで洗浄水の流速差が生じる。この
場合、移動するものは流体(洗浄水)であるものの、こ
の洗浄水とノズル4との相対的な関係では、流体中を物
体が移動する状況と変わるものではない。
【0071】従って、流体中を物体が移動する際に、そ
の物体を挟んだ流体の速度差に基づいて当該物体に揚力
が作用する状況が、チャンバー2における洗浄水とノズ
ル4との間で起き、ノズル4には揚力と同質の力が作用
する。この揚力は、上記実施例等で説明したようにチャ
ンバー2への流入洗浄水がノズル4に及ぼす洗浄水圧の
一態様として作用する。なお、便宜上、この力を揚力と
称するのは、既述した通りであるが、他の現象で例示す
るならば、このように流体の速度差によって揚力が発生
することは、飛行機の翼表面の速度差、すなわち圧力差
によって揚力を発生することと同様である。
【0072】図14に示すように、チャンバー2にノズ
ル4が入り込んだ時刻t0では、次のようになる。この
時刻t0で停止しているノズル4周りの旋回流が起きる
ことから、その揚力FLは、周壁部位2aの旋回流の流
速Ua[m/sec]の影響を受ける。そして、この揚力
Lは、揚力を受けるノズル4の最大射影面積をS
[m 2]、洗浄水の密度をρ[kg/m3]とすると、次式で
表される。式中のCLは揚力係数である。
【0073】FL=(ρ・V2・CL・S)/2 [N]
【0074】こうして揚力FLがノズル4に作用する
と、その結果としてノズル4には抗力FD(=(ρ・V2
・CD・S)/2 [N])も作用する。このCDは抗力係
数である。この抗力も、上記実施例等で説明したように
チャンバー2への流入洗浄水がノズル4に及ぼす洗浄水
圧の一態様として作用する。
【0075】上記の式中の最大射影面積Sは、ノズル4
の長さ(詳しくは、チャンバー2内に位置する大径のノ
ズル部分)L[m]に依存する。よって、ノズル4の長さ
Lを長くすれば、揚力・抗力を大きくできる。
【0076】図14の時刻t0に示すように、チャンバ
ー2でノズル4周りの旋回流が起きると、既述したよう
に、ノズル4には揚力が作用する。この揚力は、ノズル
4周りの旋回流の流速が大きい周壁部位2aの側に旋回
流中中央側から外向きに働く。その一方、ノズル4は、
チャンバー2において、傾斜した姿勢で上側貫通孔6A
の中心軸P周りに公転可能であることから、この揚力F
Lを受けて図中矢印FLで示す方向に傾斜する。こうし
て、ノズル4がチャンバー2の内壁側に傾くと、時刻t
1では、この揚力FLと抗力FDが共に作用しその合力方
向に動く。この合力は、抗力が旋回流の流れ方向に沿っ
たものであることから、ノズル4を旋回流の流れ方向に
沿って動かす方向に働く。
【0077】こうなると、ノズル4が傾いた側で旋回流
の通過間隔が狭小となり、この狭小で旋回流流速は高ま
る。この状況は間隔狭小箇所がノズル4周りに移動する
ように起きるので、旋回流の最も流速の大きい箇所もチ
ャンバー2の内周壁に沿って移動する。従って、流速の
最も大きい箇所の移動に伴って、揚力FLの向き並びに
抗力FDの向きも変わることから、時刻t2,t3,t
4と進むほどに、ノズル4は傾斜した姿勢のままで旋回
流の流れ方向に移動する。なお、こうして揚力・抗力の
影響を受けてノズル4が公転を始めると、チャンバー2
径方向にこのノズル4に遠心力が作用することになる。
この遠心力も、上記実施例等で説明したようにチャンバ
ー2への流入洗浄水がノズル4に及ぼす洗浄水圧の一態
様として作用する。
【0078】このため、ノズル4は、上記した端面同士
の当接状態で傾斜姿勢を採り、上側貫通孔6Aの中心軸
P周りにチャンバー2において公転する。ノズル4は、
こうして公転を起こすことから、既述したように、洗浄
水を上側貫通孔6Aの中心軸Pの延長部分を中心軸とす
る仮想円錐の周面上に噴出し、広い範囲に亘って洗浄水
を噴出するのである。
【0079】なお、このような円錐状の洗浄水噴出を行
っている間において、ノズル4は、凹部43或いは凸部
45若しくは下側貫通孔6Bの周壁によって上記の最大
傾斜角度が規制され、不用意に大きな傾斜での公転を起
こさないようにされている。
【0080】しかも、上記のようにノズル4が揚力FL
の影響を受けてチャンバー2の内壁側に傾斜すると、こ
のノズル4は、チャンバー2の旋回流に直に押される方
向に抗力FDを受ける。よって、傾斜した姿勢のノズル
4は、既述した遠心力の影響も受けて傾斜姿勢のままで
旋回流の流れ方向に移動することになり、ノズル4の公
転は促進される。
【0081】ここで、こうした公転吐水の様子を図でも
って説明する。図15に示すように、上記のようにノズ
ル4が公転を起こすと、洗浄水噴出口5は、ノズル4の
公転に伴い吐水方向を変えながら公転する。よって、洗
浄水噴出口5は、螺旋状に拡大した軌道を描きながら洗
浄水を噴出し、その結果として、既述した円錐状の洗浄
水噴出を実現する。従って、洗浄水の噴出軌跡を、洗浄
水噴出口5の軌跡よりはるかに大きい軌跡の円錐状の軌
跡とし、広範囲に亘って局部を洗浄できる。
【0082】しかも、こうした広範囲の洗浄を図る上
で、チャンバー2への洗浄水流入を図って旋回流を起こ
し、この旋回流によりノズル4に上記公転を起こせば足
りる。つまり、広範囲洗浄に際して、可動部材を、ノズ
ルアーム31に設けたチャンバー2に組み込める小さな
ノズル4だけとできる。
【0083】また、上記した円錐状の洗浄水噴出による
広範囲洗浄を、チャンバー2へのノズル4の組み込み
と、チャンバー2への洗浄水導入による旋回流生成とで
容易に実現できる。これにより、構成の簡略化、コスト
低減を図ることができると共に、構成の簡略化を通し
て、装置のコンパクト化を図ることもできる。
【0084】また、チャンバー2への洗浄水流入を図る
連通孔13を給水ホース50に比して通水断面積が小さ
なものとして、チャンバー2への流入洗浄水を流速を高
めた。チャンバー2に流入する洗浄水流速は、既述した
ように揚力FLを規定する。よって、通水断面積が種々
のものとされた連通孔13(詳しくは、種々の径の連通
孔13を有する角ブロック8)を用意し、これらを選択
的に使用すれば、ノズル4に作用する揚力FLの他、抗
力・遠心力も調整できる。これら力は、ノズル4の上記
公転の周波数も定める。よって、連通孔13の通水断面
積調整、若しくは角ブロック8の選択で、ノズル4の公
転周波数も調整できる。よって、次の利点がある。
【0085】洗浄水が人体等の被洗浄物にあたる瞬間の
力と面積をそれぞれF1、ΔSとすると、人体がある瞬
間に感じる洗浄水の強さはF1/ΔSと規定できる。ノ
ズル4のノズル公転周波数をf1とし、この周波数で吐
水が継続されている場合、周波数f1の逆数である周期
(Δt=1/f1)の時間間隔で人体等の被洗浄物にあ
たる総面積Sは、この周期Δtの間にΔSを積分した値
(S=∫ΔS)となる。
【0086】一方、人が刺激を肌等で感じる時に、刺激
を感じる受容器は、人や刺激を受ける場所によっても異
なるが数Hz〜数百Hzの範囲の刺激に対して、刺激を
連続してもしくは、連続と同様な刺激を受けている様な
錯覚を生じる。従って、ある瞬間に強さF1/ΔSの刺
激をΔtの周期である軌道で移動(移動総軌跡S=∫Δ
S)した場合、人は強さF1/ΔSの刺激を総面積Sで
受けているように錯覚を生じる。この傾向はΔtが小さ
いほど顕著に表れて、f=約3HzすなわちΔt=約
0.3秒程度から感じ始める。
【0087】従って、連通孔13の通水断面積調整や角
ブロック8の選択を行って、ノズル4の公転周波数f1
を約3Hz以上とできる。こうすれば、洗浄の刺激を損
なう(小さくする)ことなく洗浄面積を大きくすること
ができる。
【0088】また、上記の瞬間の力F1(以下、力F1
と呼ぶ)と、噴出される洗浄水量Q1の関係は、噴出口
面積をS1、洗浄水の流速をV1とすると、次式で表せ
る。
【0089】 F1=ρ・Q・V1=ρ・Q2・Q/S1
【0090】この式から明らかなように、力F1は瞬間
流量Qの2乗に比例して、噴出口面積S1に反比例す
る。よって、節水を行なって流量を減らす場合、洗浄水
噴出口5の面積S1を小さくすれば、力F1を大きくす
ることができる。従って、水量を減らして洗浄時の刺激
や洗浄力を向上もしくは保つには、噴出口面積S1を小
さく、即ち噴出される洗浄水の流速を上げればよいこと
が判る。
【0091】また、連通孔13の通水断面積調整や角ブ
ロック8の選択を行って、ノズル4の公転周波数f1を
約40Hz以上とすることもできる。こうすれば、ノズ
ル4を高速公転させ、噴出洗浄水が着水する洗浄ポイン
トを高速で移動できる。よって、人体があたかも吐水の
着水範囲(着水ポイントの集合箇所)の全体で着水を受
けているように錯覚させることができる。このため、上
記のような周波数調整を行えば、着水ポイントの高速移
動による錯覚により、ソフトで広範囲の洗浄要望を実現
でき、好ましい。具体的には、刺激に敏感な女性局部専
用の洗浄装置や通常の局部洗浄装置のビデ洗浄におい
て、刺激感を好適に緩和しつつ広範囲の吐水洗浄を実行
できる。
【0092】また、実際には洗浄ポイントへの着水の推
移を起こしていても上記の錯覚を起こすので、着水範囲
の総てに同時に洗浄水が着水するような連続的な吐水を
要しない。よって、その分、節水効果がある。
【0093】次に、図8〜図13に示した実施例・変形
例でチャンバー2内のノズル4が洗浄水給水によりノズ
ル軸芯O周りを回転(自転)を起こす様子について、詳
細に説明する。図16はノズル4の公転と自転との関係
を説明する説明図であり、図16(a)はノズル4の公
転と自転がその回転方向が同じ場合を示す説明図、図1
6(b)はノズル4の公転と自転とがその回転方向が逆
の場合を示す説明図、図17はノズル4が図16の挙動
を採ったときの洗浄水噴出の様子を説明する説明図であ
り、図17(a)はノズル公転と自転が同方向の場合の
洗浄水噴出の様子を説明する説明図、図17(b)はノ
ズル公転と自転が逆方向の場合の洗浄水噴出の様子を説
明する説明図である。
【0094】ノズル4は、チャンバー2における上記の
旋回流により、図16に示す旋回流の方向と同方向に公
転する。このノズル公転の際に、上記したようにノズル
4の当接箇所(端面A、B)では、既述した浸入洗浄水
による潤滑機能により、僅かな滑り抵抗しか作用しな
い。よって、こうした当接しか起こさない状態(例え
ば、図8において下端部44が凹部43に接触していな
い状態やこうした接触を起こさない構成)では、ノズル
4を旋回流に基づく揚力によって公転させようとする力
(公転力)が僅かな滑り抵抗に抗して、このノズル4を
自転させようとする。よって、ノズル4は、洗浄水の旋
回方向(公転方向)と同じ方向に自転回転しながら、旋
回室内部をノズル公転する。
【0095】よって、こうした同方向の公転・自転を起
こしているノズル4は、図17(a)に模式的に示す軌
跡で洗浄水を噴出する。この図17(a)は、洗浄水噴
出口5での洗浄水の自転による回転軌跡方向と、噴出方
向に垂直な任意の平面でのノズル公転による洗浄水の移
動軌跡を矢印を用いて、分かり易く示した。つまり、洗
浄水は、ノズル4の自転によって反時計周りに自転しな
がら噴出され、こうした噴出は、ノズル4の公転によっ
て反時計周りに公転するものとなる。従って、この洗浄
水の公転軌道の外周では、洗浄水の自転方向と公転方向
が一致するので、洗浄水は、この公転軌道外周で、洗浄
水自転速度と洗浄水公転速度の合計によって生じる大き
な空気抵抗を受ける。この空気抵抗によって洗浄水は、
時間とともにまとまった水流から乱れを生じて水滴状に
引きちぎられて分散していく。このため、この状況下で
ノズル4から噴出された洗浄水は、分散した水滴状で公
転軌道に沿って進んで人体に着水するので、よりやわら
かく広範囲を洗浄することができる。
【0096】その一方、図8や図10、図12に示すノ
ズル4では、ノズル公転の際に、上記端面当接の他に、
凹部43内壁や凸部45外壁或いはチャンバー2内壁に
接する。この状態では、ノズル4の公転に対する滑り抵
抗は上記の状態に比して増していることから、上記の公
転力ではノズル4を公転方向と同方向に自転させること
ができないことがある。こうなっても、ノズル4は公転
力により上記公転を起こすので、このノズル4は、上記
の接触箇所での滑り抵抗を受けて凹部43内壁や凸部4
5外壁或いはチャンバー2内壁に内接しながら自転す
る。
【0097】この場合の自転方向は、この滑り抵抗をノ
ズル4が受ける箇所によって定まる。つまり、図10に
示す凸部45外壁の場合は、ノズル4の公転方向と同じ
向きとなり、ノズル4は、公転しつつ同方向に自転して
洗浄水を吐水する。その一方、図8や図12の凹部43
内壁やチャンバー2内壁の場合は、ノズル4の公転方向
とは逆向きの自転方向となり、ノズル4は、公転しつ
つ、これとは逆向きに自転して洗浄水を吐水する。な
お、ノズルの自転方向と公転方向が同じ場合は、噴出洗
浄水の自転エネルギがノズル公転に作用することから、
ノズル公転をより効率的に起こすことができる。
【0098】こうした逆方向の公転・自転を起こしてい
るノズル4は、図17(b)に模式的に示す軌跡で洗浄
水を噴出する。つまり、洗浄水は、ノズル4の自転によ
って時計周りに自転しながら噴出され、こうした洗浄水
噴出は、ノズル4の公転によって反時計周りに公転する
ものとなる。従って、この洗浄水の公転軌道の外周で
は、洗浄水の自転方向と公転方向が逆となるので、洗浄
水は、この公転軌道外周で、洗浄水自転速度と洗浄水公
転速度の差によって生じる比較的小さな空気抵抗しか受
けない。このように空気抵抗が比較的小さいことから、
洗浄水は、それほど分散が進まずに比較的まとまった水
流状況を持続して噴出される。従って、この状況下でノ
ズル4から噴出された洗浄水は、比較的まとまった水流
の状況で人体に着水するので、より刺激のある強い洗浄
を行なうことができる。また、吐水がまとまることで飛
び散りの少ない洗浄を行なうことも可能となる。
【0099】図16に示すように、連通孔13をその径
が異なるものとすれば、チャンバー2に流入する洗浄水
流速を異なるようにできる。よって、既述した速度差を
容易に創出でき、チャンバー2での旋回流に基づく揚力
等の発生に有益である。なお、連通孔13を同一径とし
ても好いことは勿論である。
【0100】次に、ノズル4にチャンバー2の開口中心
軸に対してノズル4を傾斜姿勢とする点について詳述す
る。図18はノズル4を傾斜姿勢とする際の第1の手法
を説明する説明図である。
【0101】図示するように、この第1手法を採るため
に、チャンバー2は、その天井壁に天井開口2Aを備
え、その下方に、テーパ壁状のガイド孔部2Bと底部孔
部2Cを有する。天井開口2Aは、既述した図8等の洗
浄水噴出装置40における上側貫通孔6Aに相当する開
口であり、軸心方向寸法の小さいエッジ状の開口であ
る。
【0102】連通孔13からチャンバー2に流れ込んだ
洗浄水は、底部孔部2Cを始めとするチャンバー2にお
いて既述したような旋回流となり、ノズル4の上記した
公転をもたらす。このノズル公転に伴う上記の揚力等に
よりノズル4は傾斜姿勢を採る。この際、ノズル4は、
縮径部7と大径部4Aと段差端面7A(上記実施例の端
面A)をチャンバー2の天井壁2Dに当接させる。ノズ
ル4は、こうした縮径部7の側での当接を起こすと共
に、大径部4Aの周壁を、ガイド孔部2B下端のエッジ
部分に当接させる。つまり、ノズル4は、図示する当接
箇所T1,T2の2箇所で当接を起こし、両当接箇所で
その傾斜姿勢が規定され、その姿勢は安定化する。
【0103】しかも、この当接箇所T1,T2は、天井
壁2Dとチャンバー側壁のガイド孔部2B下端エッジ部
に離れることから、傾斜姿勢の安定化をより高めること
ができる。また、このように当接箇所が離れるので、天
井開口2Aを小径としても、ノズル傾斜姿勢の発現・再
現性に影響を与えない。しかも、天井開口2Aを小径と
すれば、天井開口周りの隙箇所も小さくなるので、漏洩
洗浄水による潤滑機能を確保したまま、この通過流体量
を少なくできる。
【0104】そして、ノズル4は、上記のように規定さ
れた傾斜姿勢で天井開口2Aの中心軸周りに公転しつ
つ、洗浄水を噴出する。この洗浄水噴出の様子は、図1
5で説明した通りである。なお、図8で説明したノズル
4は、この第1手法による傾斜姿勢規定と同様であり、
端面A、Bでの当接が当接箇所T1での当接となり、凹
部43と下端部44の当接が当接箇所T2での当接とな
る。図10で説明したノズル4にあってもこの第1手法
を採っており、端面A、Bでの当接が当接箇所T1での
当接となり、凸部45とノズル下端側開口の当接が当接
箇所T2での当接となる。
【0105】従って、この第1手法によってノズル傾斜
姿勢を規定するようにしても、ノズル4からの洗浄水噴
出は、チャンバー2における天井開口2Aの中心軸を中
心とした円錐状のものとなり、広い範囲に流体を噴出す
ることができる。
【0106】そして、こうした傾斜姿勢を採ってノズル
公転を起こしている際には、図中に示すような漏れ洗浄
水の通過により潤滑機能が発揮される。よって、既述し
た通り、ノズル4がチャンバー2の天井壁2Dから受け
る抵抗を小さくできるので、駆動部の小型化や、運転コ
ストの低減を図ることができる等の上記利点がある。な
お、洗浄水給水圧が低くてもノズルの回転を高回転に維
持できるので、噴出洗浄水の広がり程度を狭小化すると
いったことがない。
【0107】また、この第1手法では、漏れ洗浄水の潤
滑作用により天井壁2Dの当接箇所T1での回転抵抗が
小さく、しかも、当接箇所T2にあっても、点接触であ
ることから小さな回転抵抗しか作用しない。しかしなが
ら、ノズル4はチャンバー内でフリーであることから、
これらの回転抵抗は、ノズル4に対しては摩擦抵抗とし
て作用するので、図17で説明したように、ノズル4
は、自身のノズル中心軸周りに自転する。このため、天
井壁2Dに対するノズル4の当接箇所T1は、ノズル自
転により自転軸周りに変化し、一定個所が天井壁2Dに
当接したままとなるような事態を招かない。よって、ノ
ズル4の摩耗を確実に抑制できる。
【0108】また、天井開口2Aにはノズル先端の縮径
部7が挿入配設されているので、天井開口2A周りの隙
箇所を通過する洗浄水は、噴出洗浄水と干渉しない。こ
のため、円錐状の噴出洗浄水に乱れを生じさせないの
で、洗浄水噴出の安定化を図ることができる。
【0109】こうした第1手法は、次のようにしても実
現できる。図19はノズル傾斜姿勢を規定する第1手法
を採る場合の別の態様を説明する説明図、図20は第1
手法のまた他の態様を説明する説明図である。
【0110】図示するように、これら態様では、ノズル
4は、縮径部7を有せず、大径部4Aのみからなる。こ
のノズル4であっても、大径部4Aの先端部4Bを上記
の段差端面7Aに替わって天井壁2Dに当接箇所T1で
当接させ、他方を当接箇所T2で当接させる。図19で
は、先端部4Bをテーパ状とし、図20では球面状とし
た。
【0111】こうした態様では、ノズル4は、チャンバ
ー2内に総て組み込まれてチャンバー外に突出していな
いものの、洗浄水噴出口5をチャンバー2の天井開口2
Aの外部に臨ませていることに変わりはない。
【0112】この図19、図20に示す態様であって
も、ノズル4は、縮径部7を有するノズルと同様の既述
した効果を奏することができる。特に、このような態様
では、次の利点がある。
【0113】天井開口2Aに縮径部7を挿入配置する必
要がないので、その分、天井開口2Aをより小径化でき
る。よって、天井開口2A周りの隙箇所も小さくなるの
で、漏洩洗浄水による潤滑機能を確保したまま、この通
過洗浄水量をより少なくできる。
【0114】また、チャンバー2外部へのノズル飛び出
しが無いので、チャンバー2を洗浄箇所に近接しても、
洗浄箇所にノズルを触れさせるようなことがない。この
ため、ノズル公転が外部から止められてしまうような事
態を招くことが無く、洗浄水噴出に支障を来さない。
【0115】加えて、天井開口2Aを吐水にあたらない
程度まで、小さくすることができ、当接箇所T1の移動
軌跡の径も小さくすることができる。よって、チャンバ
ー内の水圧がかかる範囲が狭くなり、洗浄水給水圧が低
くてもノズルの回転を維持できる。
【0116】図21はノズル4を傾斜姿勢とする際の第
2の手法を説明する説明図、図22はノズル4を傾斜姿
勢とする際の第3の手法を説明する説明図である。図2
1に示すように、第2手法では、ノズル4は、当接箇所
T1での段差端面7Aの当接に加え、縮径部7の外周を
天井開口2Aの開口壁と当接箇所T3で当接させる。こ
うしても、ノズル傾斜姿勢は、この2箇所での当接によ
り規定され、その姿勢は安定する。
【0117】この図21に示す態様では、縮径部7を天
井開口2Aに挿入配設したことで、上記した効果を奏す
ることができるほか、次のような利点もある。
【0118】上記したようにノズル傾斜姿勢は、天井開
口2Aの当接箇所T3と天井壁2Dの当接箇所T1で起
き、この両当接箇所は天井開口2Aを挟んで位置する。
このため、天井開口2Aの径を調整することで、両当接
箇所を離したり近づけたりして、ノズル傾斜姿勢を調整
できる。天井開口2Aは、チャンバー2の外部から容易
に後加工できることから、ノズル傾斜姿勢を容易に調整
できる。特に、天井開口2Aやガイド孔部2Bを図8に
示すような上蓋9で形成するようにすれば、開口径やガ
イド孔部形状が種々のものとされた上蓋9の交換を経
て、ノズル傾斜姿勢を容易に調整できる。
【0119】更に、ノズル先端の小径の縮径部7で当接
を起こすので、当接箇所径が小径な分だけノズル自転の
周速度を遅くすることができる。このため、ノズル自転
が不完全なために同じ箇所が当接を起こしても、周速度
が遅いことから、開口周りの当接箇所T3の摩耗を抑制
できる。しかも、漏洩洗浄水が呈する潤滑作用により、
開口周りの当接箇所T3の摩耗はより効果的に抑制でき
る。
【0120】図22に示す態様では、上記の当接箇所T
1,T3に加え、ノズル4は、ガイド孔部2B下端のエ
ッジ部分の当接箇所T2でも当接を起こす。よって、こ
の態様では、3箇所で傾斜姿勢を規定するので、傾斜姿
勢をより安定して確保できる。しかも、傾斜姿勢を採る
際の当接箇所が増えるので、チャンバー2への洗浄水供
給が高い給水圧である場合にあっても、ノズル傾斜姿勢
をより確実に維持して、安定した円錐状での洗浄水噴出
や所望範囲への正確な洗浄水噴出を図ることができる。
【0121】ここで、上記した傾斜姿勢をとる手法の変
形について説明する。図23はノズル4を傾斜姿勢とす
る別の手法を説明する説明図、図24はこの手法の変形
例を説明する説明図である。
【0122】図23に示すように、ノズル4は、上記し
た当接箇所T1〜T3での当接を図るに当たり、当接箇
所T2を、ノズル下端開口と凸部45とする。こうして
も、ノズル傾斜姿勢の安定化を図ることができ、上記の
効果を奏することができる。また、図24に示すよう
に、ノズル下端に有底孔4Dを設け、当接箇所T2を、
この有底孔4Dと凸部45とすることもできる。この場
合、流路19は、縦横の流路部分19A、19Bとすれ
ばよい。
【0123】なお、図23と図24に示す手法では、次
のようにすることもできる。即ち、ノズル4は、天井壁
2Dの当接箇所T1と凸部45の当接箇所T2の2箇所
で当接し、これら当接箇所でノズル傾斜姿勢を規定する
ようにすることもできる。
【0124】ここで、図18〜図24に示す手法でノズ
ル傾斜姿勢を規定する上でノズル4の既述した上昇位置
変位を起こす点について、説明する。図25は洗浄水給
水に伴いノズル4が上昇位置変位を起こす様子を説明す
る説明図である。
【0125】図示するように、給水前の時刻t0では、
ノズル4は自重Mgによりチャンバー2の底部にある。
今、時刻t1で洗浄水給水が開始されたとすると、チャ
ンバー2は給水圧P1で給水された洗浄水で満たされ
る。ノズル4は、この給水圧P1を押し上げ力FUとし
て受けて上昇を開始する。こうした洗浄水給水と同時に
(時刻t2)、チャンバー2では既述したように旋回流
が生じるので、ノズル4は、既述したようにこの旋回流
に基づく揚力FLと抗力FDを受けて傾斜を始める。
【0126】なお、こうした給水状況において、ノズル
4は、洗浄水噴出による反力Fdも受けるが、給水圧に
基づく押し上げ力FUがこれに勝るため、支障はない。
また、ノズル4の段差端面7Aと天井壁2Dとの間の隙
DNから洗浄水は漏れ出るが、その洗浄水は、その後に
始まるノズル公転開始の際の潤滑作用をなす。
【0127】洗浄水の給水量は設定流量となるまで時間
経過と共に増大するので、その間にあっては、流量増に
伴い揚力FL・抗力FDは大きくなる。このため、ノズル
4は更に傾斜を強める(時刻t3)。こうした傾斜と上
記のノズル上昇は同時に起きるので、ノズル4は、やが
て天井壁2Dで制限されるまで上昇し、当接箇所T1,
T2で規定される傾斜姿勢となって(時刻t4)、この
傾斜姿勢で安定して公転する。なお、上記した時刻t1
以降で、ノズル4は揚力FL・抗力FDを受けて公転を始
めるので、ノズル傾斜には遠心力も作用する。よって、
ノズル4は速やかに傾斜する。
【0128】このように、ノズル4は、天井壁2Dでそ
の上昇が制限される以前のフリーの状態で、ノズルの傾
斜・公転をもたらす力(揚力FL・抗力FD・遠心力)を
受ける。このため、こうした力はより効果的にノズル4
に伝達作用するので、ノズル傾斜姿勢化やノズル公転を
起こしやすくでき、傾斜姿勢での公転の始動性を高める
ことができる。また、給水当初からの隙DNにおける洗
浄水による潤滑作用により、より始動性は高まる。
【0129】なお、天井壁2Dに段差端面7Aが接触し
ているノズルでは、この状態のままノズル傾斜を起こす
ので、ノズルの傾斜・公転をもたらす力(揚力FL・抗
力FD・遠心力)の伝達にはロスが生じる。よって、こ
うした場合では、上記のようにノズルの上昇位置変位を
おこすものより始動性は劣るものの、実用上は特段の支
障はない。
【0130】次に、チャンバー2の天井壁2Dにおける
ノズル当接の態様について説明する。図26はチャンバ
ー2の天井壁2Dとノズル4の段差端面7Aの当接状態
の変形例を説明するためその要部を拡大して示すもので
あり、図26(a)はノズル静止状態を示し、図26
(b)はノズル傾斜状態を示す説明図である。
【0131】図示するように、チャンバー2は、天井壁
2Dに環状隆起2Eを有する。この環状隆起2Eは、天
井開口2Aの開口壁に続いてチャンバー側に隆起してお
り、ノズル4の段差端面7Aに当接する。チャンバー2
に洗浄水が給水され既述したようにノズル4が上昇位置
変位と傾斜を起こすと、ノズル4は、環状隆起2Eの隆
起部の一点(当接箇所T1)でこの環状隆起2Eに当接
する。なお、この当接箇所T1は、ノズル公転に伴い天
井開口周りに推移する。
【0132】従って、ノズル4の当接は、環状隆起2E
でしか起きないので、この当接箇所T1での当接に伴う
点接触状態を安定させることができると共に、段差端面
7Aおよび環状隆起2Eの摩耗防止等に有益である。し
かも、摩耗が起きたとしても、その摩耗箇所が環状隆起
2Eに止まる限りにおいては、摩耗後の形状での環状隆
起2Eによりノズル4を安定した状態で点接触(当接)
させて、ノズル傾斜姿勢の安定化に有益である。
【0133】この場合、段差端面7Aを既述したように
球面形状やテーパ形状とすれば、環状隆起2Eとの当接
に伴う点接触の安定化や上記した摩耗防止等により一層
有益である。
【0134】また、チャンバー2の天井壁2Dにおける
ノズル当接を次のように変形することもできる。図27
はチャンバー2の天井壁2Dとノズル4の当接状態の変
形例を説明する説明図である。
【0135】図示するように、ノズル4は、縮径部7の
基部にスラストベアリング7Cを有し、このベアリング
で環状隆起2Eとの当接を図る。こうすれば、ノズル4
の自転効率が高まると共に、環状隆起2Eの摩耗防止を
より効果的に図ることができる。この場合、スラストベ
アリング7Cの上側プレートは、図示するようにテーパ
状であるとより好ましく、球面形状とすることもでき
る。なお、環状隆起2Eを有するものに限らず、この隆
起の無い天井壁2Dを有するチャンバー2に、上記のノ
ズル4を組み込むようにすることもできる。
【0136】次に、他の実施例について説明する。この
実施例は、上記したノズル公転に伴う洗浄水噴出を人体
局部洗浄装置以外に適用したものである。図28はノズ
ル公転に伴う洗浄水噴出を適用したシャワー装置291
を説明する説明図であり、図28(a)はシャワー装置
291の横方向断面図、図28(b)は図28(a)に
おけるシャワー装置291をA−A面で断面視した断面
図である。図29はこのシャワー装置291からの洗浄
水を吐水の様子を説明する説明図である。
【0137】図28(a)に示すように、シャワー装置
291は、通水路296と、これより通路面積が狭いバ
ッファ室流入路295とを備え、バッファ室298に洗
浄水を高い運動エネルギで(即ち、高流速で)流入す
る。バッファ室298には、複数のチャンバー294が
配設されている。それぞれのチャンバー294は、ヘッ
ドカバー299まで達する旋回ガイド294aで取り囲
まれており、当該ガイドは、その開口部からガイド内壁
に沿ってチャンバー294内に洗浄水を導き入れる。よ
って、チャンバー294は、その内部で旋回流を生じさ
せ、上記した実施例・変形例におけるチャンバー2とそ
の機能(旋回流生成)の点で全く同じである。
【0138】ヘッドカバー299は、天井開口299A
を点在配置して備え、それぞれの天井開口299Aを上
記のチャンバー294の底面ほぼ中央に位置させてい
る。なお、この天井開口299Aにあっても、その外側
は天井開口2Aと同様に陥没状とされている。
【0139】それぞれのチャンバー294には、図18
に示したようなノズル4が組み込まれている。このノズ
ル4は、その洗浄水噴出口5を天井開口299Aからそ
の外部に臨ませる。また、ノズル4は、段差端面7Aを
天井開口299A周囲のヘッドカバー裏面壁に当接さ
せ、ノズル側壁下端を旋回ガイド294aの内壁に当接
させた状態で、既述した傾斜姿勢を採る。そして、この
ノズル4は、既述したように縦横の流路19を備え、チ
ャンバー294内の洗浄水を、この流路を経てノズル先
端の洗浄水噴出口5に導いて噴出する。なお、図28に
は、図8に示した縦横の流路19を有するノズル4を描
画したが、図12のようなノズル貫通の流路19を有す
るものとすることもできる。
【0140】従って、バッファ室流入路295からバッ
ファ室298に洗浄水が流入し、当該洗浄水がそれぞれ
のチャンバー294に洗浄水が流入すると、この洗浄水
は、チャンバー294の内周壁面に沿ったノズル4周り
の旋回流を引き起こす。これにより、ノズル4には既述
したように揚力が作用し、ノズル4は、天井開口299
Aの中心軸を中心に公転する。
【0141】こうした構成を有するシャワー装置291
にあっては、それぞれのチャンバー294において、ノ
ズル4を公転させるので、それぞれのノズル4からの噴
出洗浄水を、図15で説明したような公転噴出とする。
そして、シャワー装置291全体としての吐水は、図2
9に示すように、それぞれのノズル4からの公転噴出が
集まったものとなり、それぞれのノズル4からの噴出洗
浄水は互いに独立した公転噴出となる。
【0142】従って、このシャワー装置291によって
も、これまで示した実施例やその変形例と同様の効果
(広範囲噴出、小型化等)を奏することができる。特
に、シャワー装置は洗髪等に比較的長時間使用されるこ
とから、本実施例では、低給水量での方範囲噴出を通し
て、節水効果が高まる。
【0143】また、それぞれのチャンバー294におけ
るノズル4の公転周波数を、既述したように流速調整等
で約3Hz以上とすることもできる。こうすれば、それ
ぞれのノズル4からの公転噴出が、既述したようにあた
かも均一に吐水が当たっているかのような感じを与え、
こうした公転噴出が集合していることから、シャワー吐
水全体としても、均一に当たっているような感じを与え
るものとなる。
【0144】また、ノズル公転周波数を大きくして40
Hz以上とすれば、人体の皮膚感覚が敏感な部分位や切
り傷・擦り傷部位等を洗浄しても、洗浄時の不快な感覚
を無くすことが可能である。この周波数をより大きくす
れば、人体が受ける吐水感は、着水箇所全域で均一に吐
水が当たっているという感覚により近づく。そして、ノ
ズル公転周波数が160Hz程度となれば、着水箇所全
域で均一に吐水が当たっているという感覚しか得られな
くなる。
【0145】このようにノズル公転周波数を大きくすれ
ばする程、噴出された洗浄水が受ける遠心力と空気せん
断が増加し、噴出洗浄水の分散や飛び散りを招く。よっ
て、噴出洗浄水の分散や飛び散りを制限することが所望
される場合には、ノズル公転周波数を約160Hz以下
とすれば良い。
【0146】上記したシャワー装置291では、ヘッド
カバー299でそれぞれのノズル4の当接を図ったが、
これに限るわけではない。例えば、バッファ室298を
設けることなくシャワー装置291に複数のチャンバー
294を直接形成し、各チャンバーに洗浄水を分岐流入
させるようにすることもできる。また、それぞれのチャ
ンバー294に組み込むノズル4を、図19や図20に
示したような縮径部7を有せず大径部4Aのみからなる
ノズルとすることもできる。こうすれば、ヘッドカバー
299外部へのノズル飛び出しが無いので、シャワー装
置291を洗浄箇所に近接しても、洗浄箇所にノズルを
触れさせるようなことがない。このため、ノズル公転が
外部から止められてしまうような事態を招くことが無
く、洗浄水噴出に支障を来さない。よって、シャワー飛
水時の違和感を与えることがない。
【0147】次に、ノズル公転に伴う洗浄水の公転噴出
の他の例を説明する。図30はノズル公転に伴う公転噴
出を適用した携帯型の人体局部洗浄装置300の概略斜
視図である。
【0148】図示するように、この人体局部洗浄装置3
00は、タンク301と、当該タンクに対して進退可能
とされたノズルアーム302を有する。ノズルアーム3
02は、タンク301内の洗浄水がタンク把持或いは乾
電池を駆動源とするポンプにより押し出されると、その
水圧を受けて所定の位置まで前進し、その後に、洗浄水
を噴出するように構成されている。
【0149】このノズルアーム302は、ノズル先端側
に、図示しないチャンバーと上記したノズル4を備え、
チャンバー内にこのノズル4を既述したように傾斜姿勢
で公転可能に備える。そして、チャンバーに洗浄水を給
水して旋回流を起こし、局部洗浄時の洗浄水の公転噴出
を実現する。
【0150】この人体局部洗浄装置300では、旋回流
に基づきノズル公転・噴出を起こすので、既述した通り
の節水効率向上により、タンク301内の洗浄水がすぐ
になくなるといった不満を解消できる。加えて、アクチ
ュエータ等を要しないので軽量となるので携帯に適する
と共に、携帯タイプでありながら、洗浄範囲の拡大や、
洗浄力の向上も同時に行なうことができる。
【0151】次に、洗浄水の公転噴出のまた別の例を説
明する。図31はノズル公転に伴う洗浄水の公転噴出を
適用した食器洗浄装置310の概略斜視図、図32はこ
の食器洗浄装置310が有する回転洗浄腕320を説明
するための説明図である。
【0152】図示するように、食器洗浄装置310は、
装置前面上下の扉311、312を備え、これら扉で洗
浄室313を閉鎖する。この洗浄室313には、洗浄水
を噴出しつつ回転する回転洗浄腕320を、上下2列に
備える。
【0153】回転洗浄腕320は、その中央で回転自在
に支柱321に支持されており、この支柱321を挟ん
だ左右両端に、ノズル4を2個ずつ有する。このノズル
4は、既述したチャンバー2を有するほか、それぞれの
チャンバー2に接線方向から洗浄水を給水して洗浄水の
旋回流を起こす図示しない給水管路を有する。この場
合、このチャンバー2とノズル4は、既述した実施例或
いはその変形例で説明した種々のものとできる。例え
ば、図8〜図13或いは図18〜図27に示したチャン
バー2とノズル4とすることができる。
【0154】この食器洗浄装置310は、図32に示す
それぞれのノズル4を、その洗浄水噴出の指向方向を斜
めに向けたものとし、回転洗浄腕320左右のノズルで
は、洗浄水噴出の指向方向が逆となるようにした。つま
り、図における左側のノズル4は紙面に対して奥側に洗
浄水を噴出し、右側のノズル4は紙面に対して表側に噴
出する。このため、回転洗浄腕320の左右端の各ノズ
ルから洗浄水を噴出すると、その洗浄水噴出で生じる反
力は、回転洗浄腕320に同方向にかかる。
【0155】このように洗浄水噴出の指向方向を斜めに
するには、チャンバー2における図示しない天井開口の
中心軸を、この指向方向に併せて斜めに形成すればよ
い。
【0156】この食器洗浄装置310にあっては、回転
洗浄腕左右のそれぞれのノズル4は、洗浄水給水に伴っ
て傾斜姿勢でノズル公転を起こし、図15に示したよう
に洗浄水噴出を実現する。
【0157】この食器洗浄装置310にあっても、それ
ぞれのノズル4が公転噴出を起こしていることで、既述
した通り、節水効率の向上、洗浄能力(食器類の汚れ剥
離能力)の向上、洗浄範囲(着水範囲)の拡張等を図る
ことができる。特に食器洗いという特性上、少ない洗浄
水量でありながら高い洗浄能力を発揮できるという利点
は、好ましい。
【0158】上記したノズル4を、必要に応じて、洗浄
室313の壁面に固定設置することもできる。例えば、
汚れが落ち難いとされる茶碗蒸しの食器を、洗浄室31
3の強洗浄カゴに収納し、この強洗浄カゴに壁面固定の
ノズル4から洗浄水を噴出(公転噴出)する。こうすれ
ば、茶碗蒸しの食器といったものについても、高い洗浄
能力で好適に洗浄できる。なお、こうした壁面固定のノ
ズルでは、既設の通常のノズルを取り外して、上記した
ノズル4とチャンバー2を組み込み交換すればよい。こ
うすれば、既存の食器洗浄装置を節水性に優れ、高い洗
浄能力を有するものに容易に改造できる。
【0159】また、上記の食器洗浄装置310では、次
の利点がある。上記したように回転洗浄腕320の各ノ
ズル4から吐水すると、その吐水反力により、この回転
洗浄腕320を回転させる。従って、回転洗浄腕320
を回転させつつ、各ノズル4からノズル公転による噴出
洗浄水を食器に浴びせることができる。よって、食器類
の洗浄能力をより高めることができると共に、洗浄室3
13の隅々まで洗浄水を噴出して食器をくまなく洗浄で
きる。
【0160】また、上記したように回転洗浄腕320に
おいて、チャンバー2は回転洗浄腕320に対して斜め
の姿勢を採り、このチャンバー2にノズル4が組み込ま
れる。従って、組み込み後のノズル4は、非洗浄時にお
いて、チャンバー2において傾いた状態となり、ノズル
周りにおいて、ノズル外壁面とチャンバー内壁面との間
隔の狭い箇所を形成する。
【0161】従って、この状況でチャンバー2に洗浄水
が接線方向から給水されると、上記した間隔の狭小箇所
では旋回流の流速が高まる。このため、ノズル4周りで
は、確実に既述した流速差を起こすことができる。よっ
て、上記した揚力に基づくノズル公転を確実に起こし、
公転噴出の信頼性を高めることができる。しかも、チャ
ンバー2に対してノズル4が当初から斜めであるので、
旋回流の衝突も流入当初から起き、旋回流によりノズル
4は押される。よって、ノズル4は、速やかにノズル公
転を起こし、公転噴出を洗浄水給水当初から開始するこ
とができる。
【0162】この場合、上記したように洗浄開始前でチ
ャンバー2とノズル4とが相対的に傾いた状況は、既述
した実施例やその変形例で容易に実現できる。例えば、
図2の人体局部洗浄装置では、ノズルアーム31は斜め
に進退するので、アーム先端の洗浄水噴出装置40にお
けるノズル4はそのチャンバー2に対して斜めとなるの
で、上記した利点がある。
【0163】なお、上記の食器洗浄装置310では、吐
水反力を利用して回転洗浄腕320を回転させたが、こ
れに限るわけではない。例えば、回転洗浄腕320をモ
ータ等で回転するものとし、この回転洗浄腕320にノ
ズル4を上向きに配設するものとすることもできる。
【0164】或いは、回転洗浄腕320の上面に上向き
にノズル4を設けると共に、回転洗浄腕320の側面に
もノズル4を設けてもよい。こうすれば、側面のノズル
4は、回転洗浄腕320の側方にある食器類を洗浄しつ
つ、その噴出反力で回転洗浄腕320を回転させる。そ
の一方、上面のノズル4は、回転洗浄腕320より上部
の食器類を洗浄する。
【0165】次に、洗浄水の公転噴出の別の例を説明す
る。図33はノズル公転に伴う洗浄水の公転噴出を適用
した浴槽洗浄装置350の概略構成を説明する説明図、
図34はこの浴槽洗浄装置350で採用したチャンバー
2が有するガイド孔部2Bによるノズル4の傾斜規制の
様子を説明する説明図である。
【0166】図示するように、浴槽洗浄装置350は、
浴槽352の内周壁にチャンバー2を複数箇所備え、チ
ャンバー内に組み込んだノズル4から、対向する浴槽内
周壁に向けて洗剤および洗浄水(水道水)を噴出する。
この浴槽洗浄装置350は、水道管からの洗浄水給水と
洗剤タンク354からのポンプ356の洗剤給水とを切
り換える切換弁358を有する。この切換弁358は制
御装置360で給水を切り換え制御し、この給水切換を
含む浴槽洗浄動作は、リモコン362からの指示により
行われる。なお、切換弁358上流の洗浄水給水配管お
よび洗剤給水配管には、それぞれ逆流防止の逆止弁が配
設されている。
【0167】本実施例のチャンバー2は、図18で説明
したように天井壁2Dの当接箇所T1と、ガイド孔部2
Bの当接箇所T2でノズル傾斜姿勢を規定するものとさ
れている。そして、図34に示すように、チャンバー2
は、当接箇所T2でのノズル当接をもたらすガイド孔部
2Bを水平断面において楕円形としており、この楕円形
のガイド孔部2Bでノズル4の傾斜を規制する。つま
り、ノズル4は、上記したチャンバー2での旋回流によ
り公転を始めるが、ガイド孔部2Bとの接触により、そ
の開口形状に倣った図中一点鎖線の軌跡で公転する。こ
のため、浴槽洗浄装置350は、それぞれのノズル4か
らの洗浄水噴出を、扁平の円錐状のものとする。この場
合、この扁平方向は浴槽内周壁において横方向とされて
おり、ノズル4並びにチャンバー2の配設箇所は、浴槽
内周壁の常用水位付近とされている。
【0168】今、リモコン362で浴槽洗浄の開始操作
がなされると、制御装置360は、その信号を受けて切
換弁358を洗剤給水に切り換えると共に、ポンプ35
6を駆動して洗剤給水を行う。これにより、浴槽内周壁
は、その常用水位付近を含む範囲で、浴槽内周壁周りに
亘ってそれぞれのノズル4から洗剤の飛水を受ける。こ
うした洗剤給水を所定時間行うと、制御装置360は、
ポンプ停止と共に、切換弁358を洗浄水給水に切り換
えて、洗浄水給水を行う。これにより、浴槽内周壁は、
その常用水位付近を含む範囲で、浴槽内周壁周りに亘っ
てそれぞれのノズル4から洗浄水の飛水を受ける。そし
て、制御装置360はこうした洗剤飛水・洗浄水飛水を
交互に繰り返し、最後の段階で入念に洗浄水給水を行
い、浴槽内周壁の洗浄動作を終える。
【0169】従って、この実施例の浴槽洗浄装置350
によれば、汚れ付着が著しい常用水位付近の浴槽内周壁
に集中して洗浄水および洗剤を飛水させるので、好適に
浴槽洗浄を行うことができる。しかも、この浴槽洗浄に
当たって、ノズル公転に伴う洗浄水噴出を行うノズル4
が備える上記効果(節水性向上、洗浄能力向上等)を発
揮することができる。
【0170】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、実
施例・変形例で挙げた数値は一例であり、こうした例示
数値に限られるものではない。また、上記した傾斜姿勢
での公転を起こすノズル4を、図4で示したようにノズ
ル中心軸に対して傾斜した洗浄水噴出口5並びに流路1
9を有するものとできる。こうすれば、ノズル公転に伴
って円錐状に噴出している洗浄水が、その円錐の周壁で
更にノズル自転に伴い円錐状の噴出を起こす。よって、
より一層の広範囲への洗浄水噴出を図ることができる。
【0171】また、上記した洗浄水噴出装置に限らず、
噴水等、別目的で用いられる流体噴出装置にも適用する
ことができる。また、流体は水に限られない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ノズルを洗浄水圧力で回転駆動するよう従来採
用されていた構成を説明する説明図である。
【図2】 本発明を適用した実施例の洗浄水噴出装置4
0を有する便器30の外観を示す概略斜視図である。
【図3】 洗浄水噴出装置40の構成を説明するための
概略分解斜視図である。
【図4】 洗浄水噴出装置40の鉛直方向概略断面図で
ある。
【図5】 洗浄水噴出装置40の水平方向概略断面図で
ある。
【図6】 変形例の洗浄水噴出装置40の鉛直方向概略
断面図である。
【図7】 この変形例の洗浄水噴出装置40の水平方向
概略断面図である。
【図8】 他の実施例の洗浄水噴出装置40の鉛直方向
概略断面とその要部を拡大して示す説明図である。
【図9】 この洗浄水噴出装置40の水平方向概略断面
図である。
【図10】 変形例の洗浄水噴出装置40の鉛直方向概
略断面とその要部を拡大して示す説明図である。
【図11】 この変形例の洗浄水噴出装置40の水平方
向概略断面図である。
【図12】 他の変形例の洗浄水噴出装置40の鉛直方
向概略断面とその要部を拡大して示す説明図である。
【図13】 この変形例の洗浄水噴出装置40の水平方
向概略断面図である。
【図14】 チャンバー2に洗浄水が流入してからのノ
ズル4の挙動とこのノズル4にかかる力の様子を時間経
過に沿って説明する説明図である。
【図15】 ノズル4が図14に示す挙動を採ることで
得られる洗浄水噴出の様子を説明する説明図である。
【図16】 ノズル4の公転と自転との関係を説明する
説明図であり、図16(a)はノズル4の公転と自転が
その回転方向が同じ場合を示す説明図、図16(b)は
ノズル4の公転と自転とがその回転方向が逆の場合を示
す説明図である。
【図17】 ノズル4が図16の挙動を採ったときの洗
浄水噴出の様子を説明する説明図であり、図17(a)
はノズル公転と自転が同方向の場合の洗浄水噴出の様子
を説明する説明図、図17(b)はノズル公転と自転が
逆方向の場合の洗浄水噴出の様子を説明する説明図であ
る。
【図18】 ノズル4を傾斜姿勢とする際の第1の手法
を説明する説明図である。
【図19】 ノズル傾斜姿勢を規定する第1手法を採る
場合の別の態様を説明する説明図である。
【図20】 第1手法のまた他の態様を説明する説明図
である。
【図21】 ノズル4を傾斜姿勢とする際の第2の手法
を説明する説明図である。
【図22】 ノズル4を傾斜姿勢とする際の第3の手法
を説明する説明図である。
【図23】 ノズル4を傾斜姿勢とする別の手法を説明
する説明図である。
【図24】 この手法の変形例を説明する説明図であ
る。
【図25】 洗浄水給水に伴いノズル4が上昇位置変位
を起こす様子を説明する説明図である。
【図26】 チャンバー2の天井壁2Dとノズル4の段
差端面7Aの当接状態の変形例を説明するためその要部
を拡大して示すものであり、図26(a)はノズル静止
状態を示し、図26(b)はノズル傾斜状態を示す説明
図である。
【図27】 チャンバー2の天井壁2Dとノズル4の当
接状態の変形例を説明する説明図である。
【図28】 ノズル公転に伴う洗浄水噴出を適用したシ
ャワー装置291を説明する説明図であり、図28
(a)はシャワー装置291の横方向断面図、図28
(b)は図28(a)におけるシャワー装置291をA
−A面で断面視した断面図である。
【図29】 このシャワー装置291からの洗浄水の吐
水の様子を説明する説明図である。
【図30】 ノズル公転に伴う公転噴出を適用した携帯
型の人体局部洗浄装置300の概略斜視図である。
【図31】 ノズル公転に伴う洗浄水の公転噴出を適用
した食器洗浄装置310の概略斜視図である。
【図32】 この食器洗浄装置310が有する回転洗浄
腕320を説明するための説明図である。
【図33】 ノズル公転に伴う洗浄水の公転噴出を適用
した浴槽洗浄装置350の概略構成を説明する説明図で
ある。
【図34】 この浴槽洗浄装置350で採用したチャン
バー2が有するガイド孔部2Bによるノズル4の傾斜規
制の様子を説明する説明図である。
【符号の説明】
2…チャンバー 2A…天井開口 2B…ガイド孔部 2C…底部孔部 2D…天井壁 2E…環状隆起 2a…周壁部位 2b…周壁部位 4…ノズル 4A…大径部 4B…先端部 4D…有底孔 5…洗浄水噴出口 6A…上側貫通孔 6B…下側貫通孔 7…縮径部 7A…段差端面 7C…スラストベアリング 8…角ブロック 9…上蓋 10…下蓋 11…突起 12…雌ねじ孔 13…連通孔 15…羽根 19…流路 19A…流路部分 19B…流路部分 30…便器 31…ノズルアーム 40…洗浄水噴出装置 41…凹部 42…洗浄水流入口 43…凹部 44…下端部 45…凸部 50…給水ホース 291…シャワー装置 294…チャンバー 294a…旋回ガイド 295…バッファ室流入路 296…通水路 298…バッファ室 299…ヘッドカバー 299A…天井開口 300…人体局部洗浄装置 301…タンク 302…ノズルアーム 310…食器洗浄装置 320…回転洗浄腕 311…扉 313…洗浄室 321…支柱 350…浴槽洗浄装置 352…浴槽 354…洗剤タンク 356…ポンプ 358…切換弁 360…制御装置 362…リモコン O…ノズル軸芯 P…開口中心軸 T1〜T3…当接箇所
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 靖夫 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 畠山 真 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 樹生 能幸 兵庫県氷上郡柏原町北山字野中130−3 株式会社共立合金製作所内 Fターム(参考) 2D038 JA07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体を受け入れるチャンバーを備え、該
    受け入れた流体を流体噴出口から噴出する流体噴出装置
    であって、 前記チャンバーに組み込まれたノズルであって、ノズル
    先端側に前記流体噴出口を有し、前記チャンバーに受け
    入れた流体を前記流体噴出口に導くノズル内管路を有す
    る前記ノズルを備え、 前記チャンバーに形成した開口に、前記ノズルに形成し
    たノズル先端側の縮径部を、回転自在に、かつ、前記ノ
    ズルの軸芯方向へのノズルの位置変更が許される状態に
    入り込ませるとともに、前記流体噴出口の向きを前記軸
    芯に対して傾斜した向きに設定し、 流体が前記チャンバーに供給されると、流体圧によって
    前記ノズルがノズル先端の外方側に向かって位置変更し
    て、前記縮径部よりも大径のノズル部分の端面が前記開
    口側のチャンバー天井壁に当接するとともに、その当接
    状態で前記ノズルが流体圧によって前記軸芯周りに回転
    しながら前記流体噴出口から流体を噴出するよう構成し
    てある流体噴出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の流体噴出装置であって、 前記ノズルの周部に流体圧を受ける羽根を設けてある、
    流体噴出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1719557A1 (de) * 2005-05-03 2006-11-08 Hans Einhell AG Rotordüse für ein Reinigungsgerät
JP7321967B2 (ja) 2015-08-31 2023-08-07 株式会社Lixil 水洗大便器

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