JP2003200132A - 焼却灰の無害化方法及びその装置 - Google Patents

焼却灰の無害化方法及びその装置

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JP2003200132A
JP2003200132A JP2002003395A JP2002003395A JP2003200132A JP 2003200132 A JP2003200132 A JP 2003200132A JP 2002003395 A JP2002003395 A JP 2002003395A JP 2002003395 A JP2002003395 A JP 2002003395A JP 2003200132 A JP2003200132 A JP 2003200132A
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incineration ash
ash
kneader
kneading
detoxifying
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JP2002003395A
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English (en)
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Noriaki Senba
範明 仙波
Asako Kishida
麻子 岸田
Yusuke Kawasaki
祐輔 川嵜
Kimitoshi Ose
公利 小瀬
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重金属類及び難分解性物質を同時に無害化す
ることが可能で、かつ既存の設備に容易に組み込むこと
ができ設備コスト及び処理コストを低減させることがで
きる焼却灰の無害化方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 焼却炉、溶融炉、ボイラといった燃焼装
置から排出された焼却灰に、セメントからなる固化剤及
びキレート剤からなる重金属固定剤のうち少なくとも一
方を含む安定化剤と水とを供給して混練しながら該焼却
灰に含有される重金属類を安定化する混練機12を具え
た焼却灰の無害化装置において、前記混練機12が過酸
化水素24及びオゾン25からなるヒドロキシラジカル
発生用媒体を供給する手段を具え、該混練機12内で、
前記ヒドロキシラジカル発生用媒体により発生させたヒ
ドロキシラジカル存在下にて前記焼却灰に含有されるダ
イオキシン類等の難分解性物質を酸化分解して無害化す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボイラや焼却炉若
しくは溶融炉といった燃焼装置から排出される主灰、飛
灰、ボイラ回収灰、集塵灰等の焼却灰に含有される重金
属類及びダイオキシン類等の難分解性物質の処理に係
り、特に、焼却灰をセメントからなる固化剤若しくはキ
レート剤からなる重金属固定剤と混合して安定化させる
ことにより処理する焼却灰の無害化方法及びその装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラや焼却炉若しくは溶融炉といった
燃焼装置から排出される主灰、飛灰、ボイラ回収灰、集
塵灰等の固形物には、硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水
素、重金属類、ダイオキシン類等の人体、環境に悪影響
を及ぼす有害物質が含有されている。これらの有害物質
のうち重金属類を含む焼却灰の処理方法としては、溶融
固化、セメント固化、薬剤処理等の方法があるが、処理
の簡便性等の問題からセメント固化及び薬剤固化が一般
に広く普及している。かかるセメント固化処理は、焼却
灰にセメントを添加して混練し、該焼却灰中の重金属類
を安定化して有害物質の溶出を防止することを目的と
し、また薬剤固化処理はキレート剤等の固定剤を供給し
て前記重金属類と反応させてキレート結合を有する高分
子金属錯体として安定化することを目的としている。
【0003】また、前記焼却灰中には重金属類のほかに
非常に強い毒性を有するダイオキシン類が含有されてい
る。このダイオキシン類等の難分解性物質は、発癌性、
催奇形性等の強い毒性を有するため、近年厳しい環境基
準により規制されている。前記ダイオキシン類は、ポリ
塩化ジベンゾフラン(PCDF)とポリ塩化ジベンゾ−
パラ−ジオキシン(PCDD)等の有機塩素化合物をい
い、塩素が共存する条件で有機化合物を燃焼する過程に
て非意図的に生成される。
【0004】また、前記ダイオキシン類やPCB等の有
機塩素化合物は化学的に安定な難分解性物質であり、焼
却炉等において、250〜350℃程度の温度領域で、
クロロベンゼン等の前駆物質と飛灰などとの接触や、未
燃炭素を出発物質として無機塩素、空気、水分などと該
未燃炭素との接触により再合成される場合がある。そこ
で、難分解性物質を含有する焼却灰の処理方法として溶
融方式、高温焼却方式、気相水素還元方式、還元加熱脱
塩素方式、超臨界水酸化分解方式、金属ナトリウム分散
体方式、光化学分解方式、酸化分解方式等、様々な方法
が用いられているが、この中でも、強力な酸化力を有す
るヒドロキシラジカルを用いた酸化分解方式は難分解性
物質の除去効率が高く、コスト的にも有用な方法と考え
られる。
【0005】かかる方式を用いた技術として特開200
1−137803は、難分解性物質を含有する焼却灰を
水と混合してスラリー状にし、酸性状態での該スラリ−
化と同時若しくはスラリー化後に、中性〜アルカリ性状
態かつヒドロキシラジカル存在下で前記難分解性物質を
酸化分解処理する方法を提案している。しかしながら、
かかる方法では難分解性物質を高分解率で以って無害化
することは可能であるが、難分解性物質の処理装置を別
個に設ける必要が有り既存の設備に配設するには設置条
件が整っていなければならないという問題がある。
【0006】既存設備に具備することが出来る方法とし
ては、燃焼過程での燃焼状態の改善と前記温度領域での
難分解性物質の再合成を防ぐための燃焼制御方法等が挙
げられるが、これらの方法によっても冷却時に再合成し
てしまうなどの理由により難分解性物質の生成を皆無に
近い状態とすることは不可能であり、このような排出抑
制処理を行った焼却灰にセメント固化若しくは薬剤固化
等を施した場合、固化成形物中に難分解性物質が含有さ
れている惧れがあり、非常に危険である。
【0007】従って、前記重金属類の安定化処理と同時
にダイオキシン類等の難分解性物質を除去する処理を施
すことが必要となり、これにより焼却灰をほぼ完全に無
害化することができる。そこで、特開2001−547
73では、加熱処理灰の冷却工程を最適化してダイオキ
シン類の再合成を防止する技術として、側断面形状がレ
の字型の冷却器内に水を張り、該水の中に加熱処理灰を
投入して急速冷却しながらスラリー化し、該スラリーを
脱水しつつセメント固化させる方法を提案している。
【0008】また、図2に示す特開平8−68525号
では、ホッパ101から投入された飛灰を酸素不足の状
態で加熱する灰加熱分解装置103にて処理された飛灰
を酸素不足の状態で灰冷却装置104にて冷却し、冷却
された飛灰が貯留される灰貯留タンク105から所定量
ずつ前記飛灰を混練押出成形装置110に供給するとと
もに、セメント貯留タンク106からセメント供給装置
109を介してセメントを供給する。そして、該混練押
出成形装置110にて加湿水を供給し混練して押出し成
形する。かかる装置では、飛灰を酸素不足状態下で加熱
分解するためダイオキシン類が分解され、またセメント
中の酸素濃度を極めて低く保持するためダイオキシン類
の再生を防止することが出来る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開2001−54773に記載されるように加熱焼却灰
の冷却工程を最適化しても難分解性物質の再合成温度域
を避けて通ることは不可能であり、難分解性物質の再合
成を防止することは出来ず、また冷却するための水が多
量に必要とされ排水処理にかかるコストも増大する。ま
た、特開平8−68525号では、やはり難分解性物質
の再合成が少なからず生じてしまうという問題が残り、
さらに、飛灰の加熱分解装置等のダイオキシン類処理設
備を別個に設ける必要があり、設備が大型化してしまう
という問題がある。従って、本発明はかかる従来技術の
問題に鑑み、重金属類及び難分解性物質を同時に無害化
することが可能で、かつ既存の設備に容易に組み込むこ
とができ設備コスト及び処理コストを低減させることが
できる焼却灰の無害化方法及びその装置を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明はかかる
課題を解決するために、請求項1記載の発明として、焼
却炉、溶融炉、ボイラといった燃焼装置から排出された
焼却灰を、混練機にてセメントからなる固化剤及びキレ
ート剤からなる重金属固定剤のうち少なくとも一方を含
む安定化剤と水とを供給して混練し、該焼却灰に含有さ
れる重金属類を安定化する焼却灰の無害化方法におい
て、前記混練機にて、前記焼却灰に前記安定化剤と水と
ともにヒドロキシラジカル発生用媒体を併せて供給し混
練することにより該混練機内にヒドロキシラジカルを発
生させ、混練しながら該焼却灰に含有されるダイオキシ
ン類等の難分解性物質を酸化分解して無害化することを
特徴とする焼却灰の無害化方法を提案する。
【0011】前記混練機内では、焼却灰とヒドロキシラ
ジカル発生用媒体を含有した水が混練され、焼却灰粒子
表面に均一にヒドロキシラジカルを含有する水膜が形成
され、かつ焼却灰内部まで水が浸透し、水膜及び浸透水
中のヒドロキシラジカルにより焼却灰中の難分解性物質
を分解無害化することが出来る。かかる発明によれば、
前記混練機のみで処理を行うことが出来るため、既存の
設備に組み込むことが可能で、簡易にかつ低コストで以
って焼却灰を無害化することが出来る。
【0012】また、前記重金属類の安定化処理とともに
前記難分解性物質の分解処理を同時に行うことができる
ため、設備コスト及び動力コストを削減でき効率良い処
理を行うことができる。また、かかる処理方法では、排
水が殆ど生じないか若しくは皆無であるために排水処理
設備を設ける必要がない。尚、前記安定化剤には、セメ
ント、石灰、石灰系固化剤等の固化剤、若しくはSとN
を含むキレート形成基を有する化合物又は高分子化合物
からなる固定剤を用いることが出来る。
【0013】前記ヒドロキシラジカル発生用媒体には、
過酸化水素、オゾン、光触媒若しくは紫外線照射のうち
少なくとも2以上を用いると良く、例えば過酸化水素と
オゾンとの反応、高pH下でのオゾン酸化、紫外線照射
下でのオゾン酸化、過酸化水素共存下での紫外線照射、
次亜塩素酸塩共存下での紫外線照射、光触媒共存下での
光酸化、フェントン試薬による酸化等が挙げられるが、
スラリー化した焼却灰中では紫外線が透過し難い等の理
由から、請求項3記載のように、過酸化水素及びオゾン
を用いることが好ましい。
【0014】かかる発明では、前記重金属類の溶出防止
処理と同時に、ヒドロキシラジカル発生用媒体により発
生したヒドロキシラジカルの非常に強い酸化力によって
焼却灰中の難分解性物質を酸化分解させることができ
る。また、該ヒドロキシラジカルはアルカリ性状態下で
発生し易いことが判っているが、前記セメントからなる
固化剤は高アルカリ性であるためヒドロキシラジカルの
発生効率が高い。尚、前記固定剤においても約pH10
以上のアルカリ状態下にて反応効率が高いため、難分解
性物質及び重金属類を高効率で以って無害化することが
出来る。
【0015】また、請求項2記載の発明は、焼却炉、溶
融炉、ボイラといった燃焼装置から排出された焼却灰
を、混練機にてセメントからなる固化剤及びキレート剤
からなる重金属固定剤のうち少なくとも一方を含む安定
化剤と水とを供給して混練し、該焼却灰に含有される重
金属類を安定化する焼却灰の無害化方法において、前記
混練機にて、前記焼却灰に前記安定化剤と水とを供給し
て混練した後、ヒドロキシラジカル発生用媒体を供給し
て該混練機内にヒドロキシラジカルを発生させ、混練し
ながら該焼却灰に含有されるダイオキシン類等の難分解
性物質を酸化分解して無害化することを特徴とする。か
かる発明によれば、前記請求項1記載の発明とほぼ同様
の効果を得ることができるとともに、前記焼却灰と水と
を混練させた後に酸化分解を行っているため、ヒドロキ
シラジカルが拡散し易く難分解性物質の分解率が向上す
る。この場合、請求項3に記載のように、焼却炉、溶融
炉、ボイラといった燃焼装置から排出された焼却灰を、
混練機にてセメントからなる固化剤及びキレート剤から
なる重金属固定剤のうち少なくとも一方を含む安定化剤
と水とを供給して混練し、該焼却灰に含有される重金属
類を安定化する焼却灰の無害化方法において、前記混練
機にて、前記焼却灰にヒドロキシラジカル発生用媒体を
供給して該混練機内にヒドロキシラジカルを発生させ、
混練しながら該焼却灰に含有されるダイオキシン類等の
難分解性物質を酸化分解した後、前記安定化剤と水とを
供給して混練し、無害化してもほぼ同等の効果を奏す
る。
【0016】請求項5乃至7記載の発明は焼却灰に含有
される有害物質を無害化する装置に関する発明で、請求
項5記載の発明は、焼却炉、溶融炉、ボイラといった燃
焼装置から排出された焼却灰に、該焼却灰に含有される
重金属類を安定化するセメントからなる固化剤及びキレ
ート剤からなる重金属固定剤のうち少なくとも一方を含
む安定化剤と水とを供給して混練する混練機を具えた焼
却灰の無害化装置において、前記混練機がヒドロキシラ
ジカル発生用媒体を供給する手段を具え、該混練機内
で、前記ヒドロキシラジカル発生用媒体により発生させ
たヒドロキシラジカル存在下にて前記焼却灰に含有され
るダイオキシン類等の難分解性物質を酸化分解して無害
化することを特徴とする。
【0017】さらに、請求項6記載の発明は、前記混練
機に具えられたヒドロキシラジカル発生用媒体供給手段
が、オゾン及び過酸化水素を供給する手段であることを
特徴とする。かかる発明によれば、前記請求項1乃至4
記載の発明と同様の効果を得ることができる。また、請
求項7記載の発明は、前記混練機を並列に複数配設する
ことを特徴とし、これによれば、夫々の混練機への焼却
灰供給量及び各混練機での滞留時間を調整することによ
り、難分解性物質の分解率を容易に制御することが可能
となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例
に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相
対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明
の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に
過ぎない。本実施形態の処理装置は、ボイラや焼却炉若
しくは溶融炉等の燃焼装置から排出される主灰、飛灰、
ボイラ回収灰、集塵灰等の全ての焼却灰に適用可能であ
る。
【0019】図1は本発明の実施形態における焼却灰処
理装置の概略構成図である。かかる実施形態における焼
却灰処理装置は、図1に示されるように焼却灰貯留槽1
0と、セメント貯留層11と、混練機12と、成形機1
3とを具えている。前記混練機12は、前記焼却灰貯留
槽10から供給量を調整しながら焼却灰20を導入する
供給口と、同様に前記セメント供給口と、水22の供給
口と、ヒドロキシラジカル発生用媒体供給手段と、混練
物排出口とを有しており、その内部構造は、ケーシング
内に平行に配設された2本の軸12bに、混練物送り込
み用のフィーダ12aとパドルとが取り付けられてい
る。
【0020】前記混練機12では、前記焼却灰20、セ
メント21及び水22が該混練機12の一端上部から供
給され、前記パドルにより混練されながらフィーダ12
aによって他端まで移送され、ケーシング下部若しくは
側面から排出される。尚、該混練機12は、かかる構造
を有するものに限らず前記焼却灰とセメントとを十分に
混練する機能を有するものであれば何れでも良く、また
バッチ式、連続式、セミバッチ式の何れの方式でも良
い。前記セメントに使用される材料は、固化する焼却灰
20に含有される重金属類の含有量や、消石灰、塩類の
含有量等の条件により該セメントの主成分である酸化ケ
イ素、酸化アルミニウム、酸化カルシウム等の成分調整
を行うと良く、また一般に用いられるポルトランドセメ
ントのほかに早強セメント、特殊セメント、石灰、石灰
系固化剤等の固化剤を使用することができる。
【0021】また、前記混練機12は、ヒドロキシラジ
カル発生用媒体である過酸化水素24及びオゾン25を
供給する手段を具えており、オゾン供給手段としてはオ
ゾン25と水26とを送給するポンプ15と、バッファ
タンク14及びオゾン散気孔16を具備している。前記
オゾン散気孔16からは、前記オゾン25が直径約数1
0μm〜1mm程度の小さな気泡として供給され、これ
によりオゾンが単一気体のまま長時間存在し、浮上速度
が遅いため水平方向への分散性、拡散性に優れヒドロキ
シラジカルの発生効率が高くなる。尚、かかるオゾン供
給手段はこれに限らず、前記混練機12へオゾンを導入
する手段であれば特に限定されない。
【0022】前記ヒドロキシラジカル発生用媒体は、本
実施形態では過酸化水素及びオゾンを用いているが、例
えば過酸化水素とオゾンとの反応、高pH下でのオゾン
酸化、紫外線照射下でのオゾン酸化、過酸化水素共存下
での紫外線照射、次亜塩素酸塩共存下での紫外線照射、
光触媒共存下での光酸化、フェントン試薬による酸化等
特に限定されない。勿論、これに限らず過酸化水素、オ
ゾン等の単独の酸化作用による分解も可能ある。
【0023】かかる実施形態によれば、まず焼却灰貯留
槽10及びセメント貯留槽11に貯留されている焼却灰
20及びセメント21と、キレート剤23を添加した水
22とを前記混練機12に導入して混練するとともに、
前記ヒドロキシラジカル発生用媒体である過酸化水素2
4及びオゾン25を該混練機12に供給してこれらを同
時に混練する。そして、前記過酸化水素24及びオゾン
25により発生したヒドロキシラジカルは、前記焼却灰
20に含有されるダイオキシン類等の難分解性物質を酸
化分解して無害化し、一方、前記キレート剤23は該焼
却灰20に含有される重金属類を安定化する。
【0024】前記キレート剤23は、SとNを含むキレ
ート形成基を有する化合物または高分子化合物であり、
前記重金属類と反応してキレート結合を有する高分子金
属錯体となり安定化する。このとき、混練機12内を約
pH9〜11程度に保持することが好ましい。このよう
にして無害化された焼却灰を含む混練物27は、成形機
13に導入されて加圧成形されて成形物28として廃
棄、若しくは建築用骨材等として利用される。
【0025】尚、本実施形態では前記焼却灰20及びセ
メント21、水22、キレート剤23、過酸化水素24
及びオゾン25を同時に混練機12に供給して混練し、
重金属類の安定化と難分解性物質の分解を同時に行った
が、別の実施形態として、まず前記焼却灰20及びセメ
ント21と水22とを混練した後に過酸化水素24及び
オゾン25を供給して難分解性物質の酸化分解を行い、
次にキレート剤23を添加して重金属類を安定化する構
成としても良い。また、焼却灰中に重金属類の含有量が
少ない場合には、キレート剤23を供給せずにセメント
固化により重金属類の溶出を防止しても良いし、逆にセ
メント固化せずに前記キレート剤23の添加のみにより
重金属類を安定化しても良い。また、前記混練機12を
並列に複数段設けても良く、夫々の混練機12に供給す
る焼却灰及びセメントの量及び各混練機12での滞留時
間を調整することにより、難分解性物質の分解率を容易
に制御することが出来る。
【0026】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、前記
混練機内では、焼却灰とヒドロキシラジカル発生用媒体
を含有した水が混練され、焼却灰粒子表面に均一に該ヒ
ドロキシラジカルを含有する水膜が形成され、かつ焼却
灰中内部まで水が浸透されるため、水膜及び浸透水中の
ヒドロキシラジカルの強力な酸化力により焼却灰中の難
分解性物質を分解無害化することが出来る。また、前記
混練機のみで処理を行うことが出来るため、既存の設備
に組み込むことが可能で、簡易にかつ低コストで以って
焼却灰を無害化することが出来る。さらに、前記重金属
類の溶出防止処理とともに前記難分解性物質の分解処理
を同時に行うことができるため、設備コスト及び動力コ
ストを削減でき効率良く処理を行うことができる。
【0027】また、かかる処理方法では、排水が殆ど生
じないか若しくは皆無であるために排水処理設備を設け
る必要がない。また、前記混練機を並列に複数配設する
ことにより、夫々の混練機への焼却灰供給量及び各混練
機での滞留時間を調整することができ、難分解性物質の
分解率を容易に制御することが可能となる。さらに、前
記セメントからなる固化剤は高アルカリ性であるためヒ
ドロキシラジカルの発生効率が良く、また前記固定剤に
おいても約pH10以上のアルカリ状態下にて反応効率
が高いため、難分解性物質及び重金属類を高効率で以っ
て無害化することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態における焼却灰処理装置の
概略構成図である。
【図2】 従来の飛灰のセメント固化処理設備の全体構
成図である。
【符号の説明】
10 焼却灰貯留槽 11 セメント貯留槽 12 混練機 12a フィーダ 13 成形機 14 バッファタンク 15 ポンプ 16 オゾン散気孔 20 焼却灰 21 セメント 22 水 23 キレート剤 24 過酸化水素 25 オゾン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07B 37/06 C07D 319/24 C07D 319/24 B09B 3/00 304G (72)発明者 川嵜 祐輔 横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重 工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 小瀬 公利 横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重 工業株式会社横浜研究所内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BA13 BB00 BC01 BC02 BD01 BD11 4D004 AA36 AA37 AB03 AB06 AB07 CA15 CA36 CA45 CB28 CC06 CC11 CC13 4H006 AA05 AC13 AC26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉、溶融炉、ボイラといった燃焼装
    置から排出された焼却灰を、混練機にてセメントからな
    る固化剤及びキレート剤からなる重金属固定剤のうち少
    なくとも一方を含む安定化剤と水とを供給して混練し、
    該焼却灰に含有される重金属類を安定化する焼却灰の無
    害化方法において、 前記混練機にて、前記焼却灰に前記安定化剤と水ととも
    にヒドロキシラジカル発生用媒体を併せて供給し混練す
    ることにより該混練機内にヒドロキシラジカルを発生さ
    せ、混練しながら該焼却灰に含有されるダイオキシン類
    等の難分解性物質を酸化分解して無害化することを特徴
    とする焼却灰の無害化方法。
  2. 【請求項2】 焼却炉、溶融炉、ボイラといった燃焼装
    置から排出された焼却灰を、混練機にてセメントからな
    る固化剤及びキレート剤からなる重金属固定剤のうち少
    なくとも一方を含む安定化剤と水とを供給して混練し、
    該焼却灰に含有される重金属類を安定化する焼却灰の無
    害化方法において、 前記混練機にて、前記焼却灰に前記安定化剤と水とを供
    給して混練した後、ヒドロキシラジカル発生用媒体を供
    給して該混練機内にヒドロキシラジカルを発生させ、混
    練しながら該焼却灰に含有されるダイオキシン類等の難
    分解性物質を酸化分解して無害化することを特徴とする
    焼却灰の無害化方法。
  3. 【請求項3】 焼却炉、溶融炉、ボイラといった燃焼装
    置から排出された焼却灰を、混練機にてセメントからな
    る固化剤及びキレート剤からなる重金属固定剤のうち少
    なくとも一方を含む安定化剤と水とを供給して混練し、
    該焼却灰に含有される重金属類を安定化する焼却灰の無
    害化方法において、 前記混練機にて、前記焼却灰にヒドロキシラジカル発生
    用媒体を供給して該混練機内にヒドロキシラジカルを発
    生させ、混練しながら該焼却灰に含有されるダイオキシ
    ン類等の難分解性物質を酸化分解した後、前記安定化剤
    と水とを供給して混練し、無害化することを特徴とする
    焼却灰の無害化方法。
  4. 【請求項4】 前記ヒドロキシラジカル発生用媒体は、
    オゾン及び過酸化水素を含む媒体であることを特徴とす
    る請求項1若しくは2記載の焼却灰の無害化方法。
  5. 【請求項5】 焼却炉、溶融炉、ボイラといった燃焼装
    置から排出された焼却灰に、該焼却灰に含有される重金
    属類を安定化するセメントからなる固化剤及びキレート
    剤からなる重金属固定剤のうち少なくとも一方を含む安
    定化剤と水とを供給して混練する混練機を具えた焼却灰
    の無害化装置において、 前記混練機がヒドロキシラジカル発生用媒体を供給する
    手段を具え、 該混練機内で、前記ヒドロキシラジカル発生用媒体によ
    り発生させたヒドロキシラジカル存在下にて前記焼却灰
    に含有されるダイオキシン類等の難分解性物質を酸化分
    解して無害化することを特徴とする焼却灰の無害化装
    置。
  6. 【請求項6】 前記混練機に具えられたヒドロキシラジ
    カル発生用媒体供給手段が、オゾン及び過酸化水素を供
    給する手段であることを特徴とする請求項5記載の焼却
    灰の無害化装置。
  7. 【請求項7】 前記混練機を並列に複数配設することを
    特徴とする請求項5若しくは6記載の焼却灰の無害化装
    置。
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