JP2003199584A - 植物の半わい性遺伝子およびその利用 - Google Patents

植物の半わい性遺伝子およびその利用

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JP2003199584A
JP2003199584A JP2002129042A JP2002129042A JP2003199584A JP 2003199584 A JP2003199584 A JP 2003199584A JP 2002129042 A JP2002129042 A JP 2002129042A JP 2002129042 A JP2002129042 A JP 2002129042A JP 2003199584 A JP2003199584 A JP 2003199584A
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Yuzo Minobe
濃 部 侑 三 美
Risa Kadona
奈 理 佐 門
Noriyuki Kitazawa
澤 則 之 北
Rika Yoshino
野 理 香 吉
Junko Suzuki
木 淳 子 鈴
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な植物の半わい性遺伝子、特にイネ由来
の半わい性遺伝子を提供、該遺伝子を利用して植物の草
丈を改変、これにより植物の形態を改変する。さらに、
植物の半わい性の評価方法を提供する。 【解決手段】 連鎖解析によりイネの半わい性遺伝子s
d−1を単離し、該遺伝子の導入や発現制御により植物
の草丈を改変する。さらに、機能的な該遺伝子の有無を
検出することにより植物の草丈を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の草丈に関与
する遺伝子および該遺伝子を利用した植物の草丈の改変
に関する。植物の草丈の改変は、植物の品種改良などの
分野において有用である。
【0002】
【従来の技術】イネの収量は、一般的に窒素肥料を多量
に与えることにより高められる。しかしながら、草丈が
伸び、葉が茂りすぎて倒伏すると、結果的に収量を下げ
ることにつながる。また、草丈の高い品種は、出穂時期
に台風や強風といった自然環境にさらされると倒伏しや
すいため、大きな打撃を受けやすい。さらに、一般に草
丈の低い品種は、高い品種に比べて栽培がしやすく、収
穫も容易に行える。このようにイネは草丈の高低によ
り、収量や栽培方法などが大きく変化するため、イネの
草丈の改変は、イネの品種改良において重要な課題とな
っている。
【0003】従来、イネの品種改良における草丈の改変
は、交雑による半わい性系統の選抜及び放射線や化学物
質による突然変異誘起などによって行われてきた。しか
しながら、これらの作業には長期間を要し、また変異の
程度や方向性を予測できないなど多くの問題が存在して
いた。
【0004】通常イネの遺伝学の分野においては、イネ
の草丈ないしかん長を正常型より短縮する遺伝子を総称
して「わい性遺伝子」と呼んでいる。一般的に「わい
性」は、正常型の草丈50%以下程度のものを対象とし
ており、「半わい性」はわい性より草丈の短縮率の少な
いもので、正常型とわい性のほぼ中間程度の草丈をもつ
ものと解釈されている。これまで多くのわい性遺伝子と
いくつかの半わい性遺伝子の存在が、突然変異や品種に
内在する変異として見出されている。
【0005】わい性遺伝子としては、例えば、d−1座
(第2染色体;明峰 (1925)稲におけるわい性の
遺伝に就て.日本学術協会報告.1:108−31
4.,Nagao,S.(1951) Advance
s in Genetics.4:181−212.,
Nagao,S.and Takahashi,M.
(1963) Genetical studies
on rice plant,XXVII.J.Fa
c.Agr.Hokkaido Univ.Sappo
ro 53:72−130.)、d‐18座(第3染色
体;盛永俊太郎 および 福島栄二 (1943) イ
ネの形質と遺伝 I,畸形形質と遺伝.九大農学芸雑誌
10:301−339.)、d−35座( Kino
shita,T.and Shinbashi,N.
(1982) Japan.J.Breed.32:2
19−231.)、d−42座(第11染色体; Hs
ieh,S.C.and Yen,S.T.(196
6) Bot.Bull.Acad.Sinica
7:82−87.)等がある。特にsd−1は、半わい
性の形質を付与することで高収量の品種を作出すること
が可能であるため、重要な遺伝子として知られている。
sd−1は中国の品種であるDee−Geo−Woo−
gen(DGWG)に由来し、Taichun Nat
ive1、IR8、IR36など多くの高収量品種に導
入されている。
【0006】イネ半わい性遺伝子が単離されれば、これ
を形質転換法により任意の品種に導入することによっ
て、それらの系統の草丈を改変させ、これによりイネの
草丈を調節することが可能となり、該遺伝子を利用した
品種改良は、簡便性や確実性の面で、従来の方法と比し
て極めて有利であると言える。しかしながら、イネにお
いて半わい性に関与する遺伝子sd−1を単離したとい
う報告は、いまだなされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、この
ような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、
新規な植物の半わい性遺伝子、特にイネ由来の半わい性
遺伝子を提供することにある。また、該遺伝子を利用し
て植物の草丈を改変し、これにより植物の形態を改変す
る。さらに、本発明は、植物の半わい性の評価方法を提
供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、植物の中
でも、特に草丈を改変する簡便な方法の開発が望まれて
いるイネに着目し、その半わい性となる草丈に関与する
遺伝子を単離すべく鋭意研究を行った。イネにおいて
は、これまでにsd−1遺伝子座の遺伝的マッピングが
なされており、第1染色体上に座乗することが知られて
いる。またsd−1遺伝子座がSh、Estl−2およ
びいくつかの分子マーカーとリンクしていることが明ら
かになっている。そこで本発明者らは、いまだ同定され
ていない半わい性遺伝子sd−1を単離するために、ポ
ジショナルクローニングを行なった。
【0009】まず、sd−1遺伝子のポジショナルクロ
ーニングが可能であるのかを確認するため、sd−1遺
伝子座の分離集団を用いた形質調査を行った。具体的に
は、半わい性栽培品種ハバタキと正常型栽培品種ササニ
シキの交配後代にササニシキを戻し交配し、その自殖し
た個体群からsd−1遺伝子座近傍のみがヘテロで他の
領域はササニシキの染色体を持つ個体を選抜した。その
自殖後代集団(SBIL)を圃場で栽培した。登熟期に
おける各個体のかん長の長さを計測した結果をヒストグ
ラムにすると2つのピークが確認できた(図1)。その
1つ目のピーク(60〜85cm)と2つ目のピーク
(85〜120cm)に含まれる個体総数の分離比が約
1:3になっていることから、メンデルの法則に基づ
き、この半わい性形質を単因子として扱うことが可能で
あることが明らかとなった。
【0010】次にsd−1遺伝子の候補領域を絞り込む
ために、本発明者らはPCRに基づいたCAPS(Cl
eaved Amplified Polymorph
icSequence)法、dCAPS(derive
d−CAPS)法、一塩基多型(SNPs:Singl
e Nucleotide Polymorphism
s)法等を用いて、大規模分離集団の連鎖解析を行っ
た。まず、SBIL263個体を材料に用いて、sd−
1遺伝子座の周辺に位置するCAPSマーカーでジェノ
タイピングを行い、sd−1周辺で組換えが起こってい
る個体を選抜した。かん長の測定値から判定した各個体
の遺伝子型と考え合わせ、sd−1遺伝子領域がCAP
SマーカーE30867とE61578の間(約1.3
cM)に含まれることを明らかにした(図2A)。
【0011】さらにsd−1遺伝子の候補領域を絞り込
むために、本発明者らは、分離集団978個体について
上記2個のCAPSマーカーでスクリーニングしたとこ
ろ、組換え個体を38個体得た。また、この領域内に新
たに4個のCAPSマーカーおよび3個のPCRマーカ
ー(図2A、Bにおけるaからg)を作製し、ジェノタ
イピングを行った。組換え個体の後代検定の結果と考え
合わせ、sd−1遺伝子領域がマーカーdとfの間(約
43kb)に含まれることを明らかにした(図2B)。
【0012】さらにsd−1遺伝子の候補領域を絞り込
むために、本発明者らは、新たに分離集団2236個体
を材料にしてマーカーdとfの間の組換え個体を選抜し
た。それらの後代検定の結果とdとfの間に新たに設定
したマーカーh、i、j、kを用いたジェノタイピング
の結果から、sd−1遺伝子領域はマーカーhとjの間
の約6kbであることが明らかとなった(図2C、
D)。
【0013】本発明者らは、特定したsd−1遺伝子座
候補領域約6kbの塩基配列に対して遺伝子予測ならび
に類似性検索を行い、ジベレリンの生合成経路で機能し
ている酵素をコードしているgibberellin
20−oxidase(GA20−ox)と高い類似性
を示す領域を見出した。予測されたORFはこの遺伝子
一つであり、Sd−1がGA20−oxであると推測し
た。前記候補遺伝子が発現していることを確認するた
め、予測されたORF内でPCRプライマーを作製し、
正常型イネ品種日本晴のRNAを材料にRT−PCRを
行ったところ発現が確認できた。
【0014】GA20−oxをコードしている予測遺伝
子をSd−1遺伝子の候補とし、正常型イネ品種の日本
晴、ササニシキ、Calroseと、sd−1変異株で
ある半わい性イネ品種のハバタキ、IR24、密陽23
号(Milyang23)、およびCalrose76
とで塩基配列の比較を行った。具体的には、まず正常型
イネ品種日本晴のRNAを材料に3’RACE(Rap
id Amplification of cDNA
ends)および5’RACEを行い、候補領域内で発
現している遺伝子のORFを決定した。決定したcDN
AとゲノムDNAの塩基配列を比較することによりエキ
ソン、イントロンの領域を特定した(図3)。図3に示
すように、正常型Sd−1(日本晴、ササニシキ、Ca
lrose)は、3つのエキソン(e1、e2、e3)
と2つのイントロンよりなり、DGWG型のsd−1変
異株(ハバタキ、IR24、密陽23号)では、ゲノム
上での欠失(del)が第1エキソン(f1)と第2エ
キソン(f2)にまたがって生じている(配列番号:3
および4)。一方、Calrose76のsd−1変異
は、第2エキソン(g2)内に1塩基の置換が生じ、ロ
イシン(ctc)からフェニルアラニン(ttc)への
置換が起きている(配列番号:5および6)。
【0015】以上の結果から、推定されたGA20−o
xがSd−1であり、半わい性遺伝子sd−1は欠失お
よび変異によって機能が低下あるいは失われたGA20
−oxであることが判明した。また、上記の正常型品種
およびsd−1変異株の成熟葉から抽出したRNAを用
いて、RT−PCR法によりSd−1候補遺伝子の発現
解析を行った。その結果、候補遺伝子の発現は、ハバタ
キ、IR24で弱く、密陽23号では変異のために短く
なった転写産物が強く発現していた。また、Calro
seとCalrose76の間では、発現量に顕著な差
は見られなかった(図8a)。
【0016】さらに、日本晴の成長の各段階・組織にお
ける候補遺伝子の発現を調べたところ、播種後24時間
から48時間の間に発現を開始し、幼苗、成葉、開花中
の穂で発現が確認できた。最も強い発現は成葉で見ら
れ、根では発現していなかった(図8b)。
【0017】以上の結果から、候補遺伝子がsd−1遺
伝子であると考え、GA20−oxをコードしていると
判断した。また、相補性試験を実施することによって確
認した。本発明者らは、植物の半わい性に関与する遺伝
子を単離することに成功すると共に、該遺伝子を利用し
て植物の草丈を評価することが可能であることを見出
し、これにより本発明を完成した。すなわち、本発明は
以下のとおりである。
【0018】(1) 植物の草丈を変化させる機能を有
する植物由来のタンパク質をコードする下記(a)から
(c)のいずれかに記載のDNAである。 (a)配列番号:1または3に記載のアミノ酸配列から
なるタンパク質をコードするDNA。 (b)配列番号:1または3に記載のアミノ酸配列にお
いて1または複数のアミノ酸が置換、欠失、付加、およ
び/または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質
をコードするDNA。 (c)配列番号:2または4に記載の塩基配列からなる
DNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
るDNA。
【0019】(2) イネ由来である(1)に記載のD
NAである。
【0020】(3) (1)または(2)に記載のDN
Aの転写産物と相補的なアンチセンスRNAをコードす
るDNAである。
【0021】(4) (1)または(2)に記載のDN
Aの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有す
るRNAをコードするDNAである。
【0022】(5) 植物細胞における発現時に、共抑
制効果により、(1)または(2)に記載のDNAの発
現を抑制させるRNAをコードするDNAである。
【0023】(6) 植物の草丈を高くさせるために用
いる(1)または(2)に記載のDNAである。
【0024】(7) 植物の草丈を半わい化させるため
に用いる(3)から(5)のいずれかに記載のDNAで
ある。
【0025】(8) (1)から(5)のいずれかに記
載のDNAを含むベクターである。
【0026】(9) (8)に記載のベクターが導入さ
れた植物細胞である。
【0027】(10) (9)に記載の植物細胞を含む
形質転換植物体である。
【0028】(11) イネである(10)に記載の形
質転換植物体である。
【0029】(12) (10)または(11)に記載
の形質転換植物体の子孫またはクローンである形質転換
植物体である。
【0030】(13) (10)から(12)のいずれ
かに記載の形質転換植物体の繁殖材料である。
【0031】(14) (10)または(11)に記載
の形質転換植物体の製造方法であって、(1)または
(2)に記載のDNAを植物細胞に導入し該植物細胞か
ら植物体を再生させる工程を含む方法である。
【0032】(15) (1)または(2)に記載のD
NAを植物体の細胞内で発現させることを特徴とする植
物の草丈を高くさせる方法である。
【0033】(16) 植物の草丈を高くすることによ
り植物の収量を増加させる(15)に記載の方法であ
る。
【0034】(17) 植物体の細胞内における内在性
の(1)または(2)のいずれかに記載のDNAの発現
を抑制することを特徴とする植物の草丈を半わい化させ
る方法である。
【0035】(18) (3)から(5)のいずれかに
記載のDNAを植物体の細胞内で発現させる(17)に
記載の方法である。
【0036】(19) 植物の草丈を低くすることによ
り植物の収量を増加させる(17)または(18)に記
載の方法である。
【0037】(20) 植物がイネである(15)から
(19)のいずれかに記載の方法である。
【0038】(21) 植物の草丈の高低を評価する方
法であって、該植物における(1)に記載のDNAの存
在の有無を検出することを特徴とする方法である。
【0039】(22) 植物がイネである(21)に記
載の方法である。
【0040】(23) (1)または(2)に記載のD
NAを含むベクターが導入された宿主細胞である。
【0041】(24) (1)または(2)に記載のD
NAによりコードされるタンパク質である。
【0042】(25) (23)に記載の宿主細胞を培
養し、該細胞またはその培養上清から組換えタンパク質
を回収する工程を含む(24)に記載のタンパク質の製
造方法である。
【0043】(26) (24)に記載のタンパク質に
結合する抗体である。
【0044】(27) 配列番号:2または4に記載の
塩基配列からなるDNAまたはその相補鎖に相補的な少
なくとも15ヌクレオチドからなるDNAである。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明は、イネ由来のSd−1タ
ンパク質をコードするDNAを提供する。日本晴、ササ
ニシキ、Calrose等正常型イネ品種のSd−1ゲ
ノムDNAの塩基配列を配列番号:2に、該DNAがコ
ードするタンパク質のアミノ酸配列を配列番号:1に示
す。また、ハバタキ、IR24、密陽23号等DGWG
型半わい性イネ品種のsd−1ゲノムDNAの塩基配列
を配列番号:4に、該DNAがコードするタンパク質の
アミノ酸配列を配列番号:3に示す。
【0046】sd−1は、半わい性の形質を植物体に付
与する遺伝子座の一つであり、第1染色体上に座乗する
ことが明らかとなっていた。sd−1遺伝子座は、これ
までの品種改良の歴史のなかでも、倒伏に弱い品種に耐
倒伏性を付与することで、いくつもの優れた高収量品種
の作出を可能にした。このようにsd−1遺伝子は、植
物の半わい性に関与する遺伝子として、これまでイネ第
1染色体という広大な領域のいずれかの場所に存在する
ものとして知られていたが、その同定および単離には至
っていなかった。本発明者らは、複雑なステップを経て
遂にその存在領域を解明し、単一の遺伝子として該遺伝
子を単離することに初めて成功した。
【0047】現在、イネの品種改良においては、草丈の
調節は重要な育種目標である。これまでにも、長い間の
改良の結果、草丈を調節することで多収量をあげること
ができた数多くの品種がある。草丈が低く、かんが太い
品種は倒伏しにくく、栽培に非常に有利である。一般的
に、一定の土地から多くの収量を上げるには、多量の窒
素をイネに吸収させなければならないが、たくさん与え
ると草丈が伸びる。草丈を短く抑えておく作用を持った
遺伝子を持っていると、窒素を多量に施したときにちょ
うど良い草丈となることから、その遺伝子を用いた草丈
を容易に操作する方法の開発が期待されている。
【0048】Sd−1タンパク質は、植物の草丈を変化
させる作用を有していることから、該タンパク質をコー
ドするDNAで植物を形質転換することにより、植物の
草丈を高く変えることが可能である。一方、アンチセン
ス法やリボザイム法などを利用して該DNAの発現制御
を行うことにより、正常型の草丈を短く抑え半わい性化
することが可能である。従って、Sd−1タンパク質を
コードするDNAを有していない品種には、遺伝子組換
えにより該DNAを導入し、有している品種にはアンチ
センスやリボザイムなどを利用して該DNAの発現を制
御することにより、植物の草丈の多様化を図り、植物の
新品種育成を行なうことができる。
【0049】本発明のSd−1タンパク質をコードする
DNAには、ゲノムDNA、cDNA、および化学合成
DNAが含まれる。ゲノムDNAおよびcDNAの調製
は、当業者にとって常套手段を利用して行うことが可能
である。例えばゲノムDNAは、表現型及び/又は遺伝
子型としてSd−1を有していることが確認された正常
型イネ品種(日本晴、ササニシキ、Calrose等)
についてゲノムDNAを抽出し、ゲノムライブラリー
(ベクターとしては、プラスミド、ファージ、コスミ
ド、BAC、PACなどが利用できる)を作製し、これ
を展開して、本発明のタンパク質をコードするDNA
(例えば、配列番号:2、4)を基に調製したプローブ
を用いてコロニーハイブリダイゼーションあるいはプラ
ークハイブリダイゼーションを行うことにより調製する
ことが可能である。また、本発明のタンパク質をコード
するDNA(例えば、配列番号:2、4)に特異的なプ
ライマーを作製し、これを利用したPCRを行うことに
よって調製することも可能である。また、cDNAは、
例えば、上記ゲノムDNAの場合と同様の表現型及び/
又は遺伝子型としてSd−1を有していることが確認さ
れた正常型イネ品種(日本晴、ササニシキ、Calro
se等)から抽出したmRNAを基にcDNAを合成
し、これをλZAP等のベクターに挿入してcDNAラ
イブラリーを作成し、これを展開して、上記と同様にコ
ロニーハイブリダイゼーションあるいはプラークハイブ
リダイゼーションを行うことにより、また、PCRを行
うことにより調製することが可能である。
【0050】本発明は、配列番号:1または3に記載の
Sd−1またはsd−1タンパク質と機能的に同等なタ
ンパク質をコードするDNAを包含する。ここで「Sd
−1またはsd−1タンパク質と同等の機能を有する」
とは、対象となるタンパク質が植物の草丈を変化させる
機能を有することを指す。このようなDNAは、好まし
くは単子葉植物由来であり、より好ましくはイネ科植物
由来であり、最も好ましくはイネ由来である。
【0051】このようなDNAには、例えば、配列番
号:1または3に記載のアミノ酸配列において1若しく
は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿
入されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする
変異体、誘導体、アレル、バリアントおよびホモログが
含まれる。
【0052】アミノ酸配列が改変されたタンパク質をコ
ードするDNAを調製するための当業者によく知られた
方法としては、例えば、site−directed
mutagenesis法(Kramer,W.& F
ritz,H.−J.(1987) Oligonuc
leotide−directed construc
tion of mutagenesis via g
apped duplex DNA.Methods
in Enzymology,154:350−36
7)が挙げられる。また、塩基配列の変異によりコード
するタンパク質のアミノ酸配列が変異することは、自然
界においても生じ得る。このように天然型のSd−1タ
ンパク質をコードするアミノ酸配列において1もしくは
複数のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加したアミノ酸
配列を有するタンパク質をコードするDNAであって
も、天然型のSd−1またはsd−1タンパク質(配列
番号:1または3)と同等の機能を有するタンパク質を
コードする限り、本発明のDNAに含まれる。また、た
とえ、塩基配列が変異した場合でも、それがタンパク質
中のアミノ酸の変異を伴わない場合(縮重変異)もあ
り、このような縮重変異体も本発明のDNAに含まれ
る。
【0053】あるDNAが植物の草丈を変化させるタン
パク質をコードするか否かは以下のようにして評価する
ことができる。最も一般的な方法としては、該DNAが
導入された植物を栽培し、その表現型を確認することに
よって調べる手法である。すなわち、圃場あるいは温室
で栽培し、登熟期における草丈を測定し比較する方法で
ある。該草丈が導入前と変わらないかほとんど同じ場合
は草丈を変化させる作用がないと判断する。作用がある
場合は、該DNA導入前の正常型に比べ草丈が高くなっ
たり低くなったりするため、その差の大きさを作用の程
度とみなすことができる。
【0054】配列番号:1または3に記載のSd−1ま
たはsd−1タンパク質と機能的に同等なタンパク質を
コードするDNAを調製するために、当業者によく知ら
れた他の方法としては、ハイブリダイゼーション技術
(Southern,E.M.(1975) Jour
nal of Molecular Biology,
98,503)やポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術
(Saiki,R.K.et al.(1985)Sc
ience,230,1350−1354、Saik
i,R.K.et al.(1988) Scienc
e,239,487−491)を利用する方法が挙げら
れる。即ち、Sd−1またはsd−1遺伝子の塩基配列
(配列番号:2または4)もしくはその一部をマーカー
(プローブ)として、またSd−1またはsd−1遺伝
子(配列番号:2または4)に特異的にハイブリダイズ
するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用い、イネ
や他の植物からSd−1遺伝子と高い相同性を有するD
NAを単離することは行い得ることである。プライマー
としては、例えば配列番号:15〜37に示した配列等
を有するオリゴヌクレオチドも好適に使用できる。この
ようにハイブリダイズ技術やPCR技術により単離しう
るSd−1またはsd−1タンパク質と同等の機能を有
するタンパク質をコードするDNAもまた本発明のDN
Aに含まれる。
【0055】このようなDNAを単離するためには、好
ましくはストリンジェントな条件下でハイブリダイゼー
ション反応を行う。本発明においてストリンジェントな
ハイブリダイゼーション条件とは、6M尿素、0.4%
SDS、0.5xSSCの条件またはこれと同等のスト
リンジェンシーのハイブリダイゼーション条件を指す。
よりストリンジェンシーの高い条件、例えば、6M尿
素、0.4%SDS、0.1xSSCの条件を用いれ
ば、より相同性の高いDNAの単離を期待することがで
きる。これにより単離されたDNAは、アミノ酸レベル
において、Sd−1またはsd−1タンパク質のアミノ
酸配列(配列番号:1または3)と高い相同性を有する
と考えられる。高い相同性とは、アミノ酸配列全体で、
少なくとも50%以上、さらに好ましくは70%以上、
さらに好ましくは90%以上(例えば、95%以上)の
配列の同一性を指す。アミノ酸配列や塩基配列の同一性
は、Karlin and Altschul による
アルゴリズムBLAST(Proc.Natl.Aca
d.Sei.USA 90:5873−5877,19
93)によって決定することができる。このアルゴリズ
ムに基づいて、BLASTNやBLASTXと呼ばれる
プログラムが開発されている(Altschulet
al.J.Mol.Biol.215:403−41
0,1990)。BLASTに基づいてBLASTNに
よって塩基配列を解析する場合には、パラメーターはた
とえばscore=100、wordlength=1
2とする。また、BLASTに基づいてBLASTXに
よってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメーター
はたとえばscore=50、wordlength=
3とする。BLASTとGapped BLASTプロ
グラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパ
ラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法
は公知である(http://www.ncbi.nl
m.nih.gov.)。
【0056】本発明のDNAは、例えば、組み換えタン
パク質の調製や草丈が改変された形質転換植物体の作出
などに利用することが可能である。組み換えタンパク質
を調製する場合には、通常、本発明のタンパク質をコー
ドするDNAを適当な発現ベクターに挿入し、該ベクタ
ーを適当な細胞に導入し、形質転換細胞を培養して発現
させたタンパク質を精製する。組み換えタンパク質は、
精製を容易にするなどの目的で、他のタンパク質との融
合タンパク質として発現させることも可能である。例え
ば、大腸菌を宿主としてマルトース結合タンパク質との
融合タンパク質として調製する方法(米国New En
gland BioLabs社発売のベクターpMAL
シリーズ)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ
(GST)との融合タンパク質として調製する方法(A
mersham Biosciences社販売のベク
ターpGEXシリーズ)、ヒスチジンタグを付加して調
製する方法(Qiagen社のpQEシリーズ)などを
利用することが可能である。宿主細胞としては、組み換
えタンパク質の発現に適した細胞であれば特に制限はな
く、上記の大腸菌の他、例えば、酵母、種々の動植物細
胞、昆虫細胞などを用いることが可能である。宿主細胞
へのベクターの導入には、当業者に公知の種々の方法を
用いることが可能である。
【0057】例えば、大腸菌への導入には、カルシウム
イオンを利用した導入方法(Mandel,M.&Hi
ga,A.(1970)Journal of Mol
ecular Biology,53,158−16
2、Hanahan,D.(1983)Journal
of Molecular Biology,16
6,557−580)を用いることができる。宿主細胞
内で発現させた組み換えタンパク質は、該宿主細胞また
はその培養上清から、当業者に公知の方法により精製
し、回収することが可能である。組み換えタンパク質を
上記したマルトース結合タンパク質などとの融合タンパ
ク質として発現させた場合には、容易にアフィニティー
精製を行うことが可能である。
【0058】得られた組換えタンパク質を用いれば、こ
れに結合する抗体を調製することができる。例えば、ポ
リクローナル抗体は、精製した本発明のタンパク質若し
くはその一部のペプチドをウサギなどの免疫動物に免疫
し、一定期間のちに血液を採取し、血ぺいを除去するこ
とにより調製することが可能である。また、モノクロー
ナル抗体は、上記タンパク質若しくはペプチドで免疫し
た動物の抗体産生細胞と骨腫瘍細胞とを融合させ、目的
とする抗体を産生する単一クローンの細胞(ハイブリド
ーマ)を単離し、該細胞から抗体を得ることにより調製
することができる。これにより得られた抗体は、本発明
のタンパク質の精製や検出などに利用することが可能で
ある。本発明には、本発明のタンパク質に結合する抗体
が含まれる。
【0059】本発明のDNAを利用して草丈が変化した
形質転換植物体を作製する場合には、本発明のSd−1
またはsd−1タンパク質をコードするDNAを適当な
ベクターに挿入して、これを植物細胞に導入し、これに
より得られた形質転換植物細胞を再生させる。例えば本
発明者らにより単離されたSd−1は、イネのsd−1
変異によって草丈が半わい性化した植物体を正常型の草
丈にさせる効果を有するが、この遺伝子を任意の品種に
導入し発現させることによりそれらの系統の草丈を調節
することが可能である。この形質転換に要する期間は、
従来のような交配による遺伝子移入に比較して極めて短
期間であり、また、他の形質の変化を伴わない点で有利
である。イネにおいて、栽培品種の重要形質の特徴を変
化させずに、草丈を変化させる遺伝子はこれまで単離・
同定の報告はなされておらず、このような手法は本発明
により初めて可能となった。
【0060】一方、草丈が正常型より低い形質転換植物
体を作製する場合には、例えば本発明のSd−1タンパ
ク質をコードするDNAの発現を抑制するためのDNA
を適当なベクターに挿入して、これを植物細胞に導入
し、これにより得られた形質転換植物細胞を再生させ
る。「本発明のタンパク質をコードするDNAの発現の
抑制」には、遺伝子の転写の抑制およびタンパク質への
翻訳の抑制が含まれる。また、DNAの発現の完全な停
止のみならず発現の減少も含まれる。
【0061】植物における特定の内在性遺伝子の発現を
抑制する方法としては、アンチセンス技術を利用する方
法が当業者に最もよく利用されている。植物細胞におけ
るアンチセンス効果は、エッカーらが一時的遺伝子発現
法を用いて、電気穿孔法で導入したアンチセンスRNA
が植物においてアンチセンス効果を発揮することで初め
て実証した(J.R.EckerおよびR.W.Dav
is,(1986)Proc.Natl.Acad.U
SA.83:5372)。その後、タバコやペチュニア
においても、アンチセンスRNAの発現によって標的遺
伝子の発現を低下させる例が報告されており(A.R.
van der Krolら (1988) Natu
re 333:866)、現在では植物における遺伝子
発現を抑制させる手段として確立している。
【0062】アンチセンス核酸が標的遺伝子の発現を抑
制する作用としては、以下のような複数の要因が存在す
る。すなわち、三重鎖形成による転写開始阻害、RNA
ポリメラーゼによって局部的に開状ループ構造がつくら
れた部位とのハイブリッド形成による転写抑制、合成の
進みつつあるRNAとのハイブリッド形成による転写阻
害、イントロンとエキソンとの接合点でのハイブリッド
形成によるスプライシング抑制、スプライソソーム形成
部位とのハイブリッド形成によるスプライシング抑制、
mRNAとのハイブリッド形成による核から細胞質への
移行抑制、キャッピング部位やポリ(A)付加部位との
ハイブリッド形成によるスプライシング抑制、翻訳開始
因子結合部位とのハイブリッド形成による翻訳開始抑
制、開始コドン近傍のリボソーム結合部位とのハイブリ
ッド形成による翻訳抑制、mRNAの翻訳領域やポリソ
ーム結合部位とのハイブリッド形成によるペプチド鎖の
伸長阻止、および核酸とタンパク質との相互作用部位と
のハイブリッド形成による遺伝子発現抑制などである。
これらは、転写、スプライシング、または翻訳の過程を
阻害して、標的遺伝子の発現を抑制する(平島および井
上「新生化学実験講座2 核酸IV 遺伝子の複製と発
現」,日本生化学会編,東京化学同人,pp.319−
347,1993)。
【0063】本発明で用いられるアンチセンス配列は、
上記のいずれの作用で標的遺伝子の発現を抑制してもよ
い。一つの態様としては、遺伝子のmRNAの5’端近
傍の非翻訳領域に相補的なアンチセンス配列を設計すれ
ば、遺伝子の翻訳阻害に効果的となる。しかし、コード
領域もしくは3’側の非翻訳領域に相補的な配列も使用
し得る。このように、遺伝子の翻訳領域だけでなく非翻
訳領域の配列のアンチセンス配列を含むDNAも、本発
明で利用されるアンチセンスDNAに含まれる。使用さ
れるアンチセンスDNAは、適当なプロモーターの下流
に連結され、好ましくは3’側に転写終結シグナルを含
む配列が連結される。
【0064】このようにして調製されたDNAは、公知
の方法で、所望の植物へ形質転換できる。アンチセンス
DNAの配列は、形質転換する植物が持つ内在性遺伝子
またはその一部と相補的な配列であることが好ましい
が、遺伝子の発現を有効に阻害できる限り、完全に相補
的でなくてもよい。転写されたRNAは、標的とする遺
伝子の転写産物に対して好ましくは90%以上、最も好
ましくは95%以上の相補性を有する。アンチセンス配
列を用いて、効果的に標的遺伝子の発現を阻害するに
は、アンチセンスDNAの長さは、少なくとも15塩基
以上であり、好ましくは100塩基以上であり、さらに
好ましくは500塩基以上である。通常、用いられるア
ンチセンスDNAの長さは5kbよりも短く、好ましく
は2.5kbよりも短い。
【0065】内在性遺伝子の発現の抑制は、また、リボ
ザイムをコードするDNAを利用して行うことも可能で
ある。リボザイムとは触媒活性を有するRNA分子のこ
とをいう。リボザイムには種々の活性を有するものがあ
るが、中でもRNAを切断する酵素としてのリボザイム
の研究により、RNAの部位特異的な切断を目的とする
リボザイムの設計が可能となった。リボザイムには、グ
ループIイントロン型や、RNasePに含まれるM1
RNAのように400ヌクレオチド以上の大きさのもの
もあるが、ハンマーヘッド型やヘアピン型と呼ばれる4
0ヌクレオチド程度の活性ドメインを有するものもある
(小泉誠および大塚栄子,(1990)蛋白質核酸酵
素,35:2191)。
【0066】例えば、ハンマーヘッド型リボザイムの自
己切断ドメインは、G13U14C15のC15の3’
側を切断するが、活性にはU14が9位のAと塩基対を
形成することが重要とされ、15位の塩基はCの他にA
またはUでも切断されることが示されている(M.Ko
izumiら,(1988)FEBS Lett.22
8:225)。リボザイムの基質結合部を標的部位近傍
のRNA配列と相補的になるように設計すれば、標的R
NA中のUC、UUまたはUAという配列を認識する制
限酵素的なRNA切断リボザイムを作出することが可能
である(M.Koizumiら,(1988)FEBS
Lett.239:285、小泉誠および大塚栄子,
(1990) 蛋白質核酸酵素,35:2191、M.
Koizumiら,(1989) Nucleic A
cids Res.17:7059)。例えば、Sd−
1またはsd−1遺伝子のコード領域(配列番号:2ま
たは4)中には標的となりうる部位が複数存在する。
【0067】また、ヘアピン型リボザイムも、本発明の
Sd−1またはsd−1遺伝子の発現抑制などの目的の
ために有用である。ヘアピン型リボザイムは、例えばタ
バコリングスポットウイルスのサテライトRNAのマイ
ナス鎖に見出される(J.M.Buzayan Nat
ure 323:349,1986)。このリボザイム
も、標的特異的なRNA切断を起こすように設計できる
ことが示されている(Y.Kikuchi およびN.
Sasaki (1992) NucleicAcid
s Res. 19:6751、 菊池洋,(199
2) 化学と生物 30:112)。
【0068】標的を切断できるよう設計されたリボザイ
ムは、植物細胞中で転写されるようにカリフラワーモザ
イクウイルスの35Sプロモーターなどのプロモーター
および転写終結配列に連結される。しかし、その際、転
写されたRNAの5’末端や3’末端に余分な配列が付
加されていると、リボザイムの活性が失われてしまうこ
とがある。このようなとき、転写されたリボザイムを含
むRNAからリボザイム部分だけを正確に切り出すため
に、リボザイム部分の5’側や3’側に、トリミングを
行うためのシスに働く別のトリミングリボザイムを配置
させることも可能である(K.Tairaら,(199
0)Protein Eng.3:733、A.M.D
zianottおよびJ.J.Bujarski(19
89)Proc.Natl.Acad.Sci.US
A.86:4823、C.A.Grosshansおよ
びR.T.Cech(1991)Nucleic Ac
ids Res.19:3875、K.Tairaら
(1991)NucleicAcids Res.1
9:5125)。
【0069】また、このような構成単位をタンデムに並
べ、標的遺伝子内の複数の部位を切断できるようにし
て、より効果を高めることもできる(N.Yuyama
ら Biochem.Biophys.Res.Com
mun.186:1271,1992)。このようなリ
ボザイムを用いて本発明で標的となる遺伝子の転写産物
を特異的に切断し、該遺伝子の発現を抑制することがで
きる。
【0070】内在性遺伝子の発現の抑制は、さらに、標
的遺伝子配列と同一もしくは類似した配列を有するDN
Aの形質転換によってもたらされる共抑制によっても達
成されうる。「共抑制」とは、植物に標的内在性遺伝子
と同一若しくは類似した配列を有する遺伝子を形質転換
により導入すると、導入する外来遺伝子および標的内在
性遺伝子の両方の発現が抑制される現象のことをいう。
共抑制の機構の詳細は明らかではないが、植物において
はしばしば観察される(Curr.Biol.7:R7
93,1997,Curr.Biol.6:810,1
996)。
【0071】例えば、Sd−1遺伝子が共抑制された植
物体を得るためには、Sd−1遺伝子若しくはこれと類
似した配列を有するDNAを発現できるように作製した
ベクターDNAを目的の植物へ形質転換し、得られた植
物体からSd−1変異体の形質を有する植物、草丈が低
下した植物を選択すればよい。共抑制に用いる遺伝子
は、標的遺伝子と完全に同一である必要はないが、少な
くとも70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ま
しくは90%以上(例えば、95%以上)の配列の同一
性を有する。配列の同一性は、上記した手法により決定
できる。
【0072】さらに、本発明における内在性遺伝子の発
現の抑制は、標的遺伝子のドミナントネガティブの形質
を有する遺伝子を植物へ形質転換することによっても達
成することができる。ドミナントネガティブの形質を有
する遺伝子とは、該遺伝子を発現させることによって、
植物体が本来持つ内在性の野生型遺伝子の活性を消失も
しくは低下させる機能を有する遺伝子のことをいう。
【0073】植物細胞の形質転換に用いられるベクター
としては、該細胞内で挿入遺伝子を発現させることが可
能なものであれば特に制限はない。例えば、植物細胞内
での恒常的な遺伝子発現を行うためのプロモーター(例
えば、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモー
ター)を有するベクターや外的な刺激により誘導的に活
性化されるプロモーターを有するベクターを用いること
も可能である。ここでいう「植物細胞」には、種々の形
態の植物細胞、例えば、懸濁培養細胞、プロトプラス
ト、葉の切片、カルスなどが含まれる。
【0074】植物細胞へのベクターの導入は、ポリエチ
レングリコール法(PEG法)、電気穿孔法(エレクト
ロポーレーション)、アグロバクテリウムを介する方
法、パーティクルガン法、マイクロインジェクション法
など当業者に公知の種々の方法を用いることができる。
形質転換植物細胞からの植物体の再生は、植物細胞の種
類に応じて当業者に公知の方法で行うことが可能である
(Tokiら(1995)Plant Physio
l.100:1503−1507、参照)。
【0075】例えばイネにおいては、形質転換植物体を
作出する手法として、ポリエチレングリコールによりプ
ロトプラストへ遺伝子導入し、植物体(インド型イネ品
種が適している)を再生させる方法(Datta,S.
K.(1995)In Gene Transfer
To Plants(Potrykus I andS
pangenberg Eds.)pp66−74)、
電気パルスによりプロトプラストへ遺伝子導入し、植物
体(日本型イネ品種が適している)を再生させる方法
(Toki et al(1992)Plant Ph
ysiol.100,1503−1507)、パーティ
クルガン法により細胞へ遺伝子を直接導入し、植物体を
再生させる方法(Christou et al.(1
991)Bio/technology,9:957−
962.)、およびバイナリーベクターを用いアグロバ
クテリウムを介して遺伝子を導入し、植物体を再生させ
る方法(Hiei et al.(1994) Pla
nt J.6:271−282.)など、いくつかの技
術が既に確立し、本発明の技術分野において広く用いら
れている。本発明においては、これらの方法を好適に用
いることができる。これらの形質転換植物体作出法のう
ち、PEG法、電気穿孔法、パーティクルガン法などの
直接的導入法では、目的遺伝子が多コピー導入されたり
断片化され易いのに対し、特別な機器を要せずに高確率
で完全長の目的遺伝子が導入される点でアグロバクテリ
ウムを介する方法がより好ましい。
【0076】一旦、ゲノム内に本発明のDNAが導入さ
れた形質転換植物体が得られれば、該植物体から有性生
殖または無性生殖により子孫を得ることが可能である。
また、該植物体やその子孫あるいはクローンから繁殖材
料(例えば、種子、果実、切穂、塊茎、塊根、株、カル
ス、プロトプラスト等)を得て、それらを基に該植物体
を量産することも可能である。本発明には、本発明のD
NAが導入された植物細胞、該細胞を含む植物体、該植
物体の子孫およびクローン、並びに該植物体、その子
孫、およびクローンの繁殖材料が含まれる。
【0077】このようにして作出された遺伝子の機能が
改変された植物体は、野生型植物体と比較して、その草
丈が変化している。例えば、Sd−1タンパク質をコー
ドするDNAが導入された植物体は、圃場条件下におい
て草丈が高くなり、一方、アンチセンスDNAなどの導
入によりSd−1タンパク質をコードするDNAの発現
が抑制された植物体は、その草丈が半わい性程度に低く
なる。このようにSd−1遺伝子の発現を制御すること
により、植物の草丈を調節することができる。
【0078】本発明の手法を用いれば、有用農作物であ
るイネにおいては、その草丈を調節することができ、生
育環境に適応したイネ品種の育成の上で非常に有益であ
る。本発明は、また、植物の草丈を評価する方法を提供
する。本発明者らは、Sd−1またはsd−1遺伝子の
転写産物と圃場での草丈との関係をみたところ、正常
(Sd−1:ササニシキ)な転写産物が認められた場合
は、草丈が高く、異常(sd−1:ハバタキ)な転写産
物が認められた場合は半わい性となった(実施例1およ
び4)。このことは、植物における草丈の程度が、機能
的なSd−1タンパク質を発現するか否かが一つの要因
となって決定されていることを示すものである。本発明
の植物の草丈を評価する方法は、この知見に基づくもの
であり、植物が機能的なSd−1またはsd−1タンパ
ク質をコードするDNAを保持しているか否かを検出す
ることを特徴とする。
【0079】植物が機能的なSd−1またはsd−1タ
ンパク質をコードするDNAを保持しているか否かは、
例えば、ゲノムDNAのSd−1またはsd−1に相当
する領域の構造上の違いを多型として検出することによ
り評価することが可能である。本発明の方法による植物
の草丈の評価は、例えば、植物の交配による品種改良を
行なう場合において利点を有する。例えば、Sd−1の
形質の導入を望まない場合に、Sd−1を有する品種と
の交配を避けることができ、逆に、sd−1による半わ
い性形質の導入を望む場合に、sd−1を有する品種と
の交配を行なうことができる。また交雑後代個体から望
ましい個体を選抜する際にも有効である。植物の草丈の
高低を、その表現型により判断することに比して、遺伝
子レベルで判断することは簡便で確実であるため、本発
明の草丈の評価方法は、植物の品種改良において大きく
貢献し得る。
【0080】また、本発明は、配列番号:2または4に
記載の塩基配列からなる本発明のDNAまたはその相補
鎖に相補的な少なくとも15ヌクレオチドからなるDN
Aを提供する。ここで「相補鎖」とは、A:T、G:C
の塩基対からなる2本鎖DNAの一方の鎖に対する他方
の鎖を指す。また、「相補的」とは、少なくとも15個
の連続したヌクレオチド領域で完全に相補配列である場
合に限られず、少なくとも70%、好ましくは少なくと
も80%、より好ましくは90%、さらに好ましくは9
5%以上の塩基配列が相補配列であればよい。少なくと
も15ヌクレオチドからなるDNAとしては、配列番号
2または4に示した塩基配列の他、例えば、配列番号:
15〜37に示した塩基配列を有するDNAも好適に使
用できる。このようなDNAは、本発明のDNAの検出
や単離を行なうためのプローブとして、また、増幅を行
うためのプライマーとして有用である。
【0081】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるもので
はない。 [実施例1] 植物材料の選定 まず、sd−1遺伝子のポジショナルクローニングが可
能であるのかを確認するため、sd−1遺伝子座の分離
集団を用いた形質評価を行った。半わい性栽培品種ハバ
タキと正常型栽培品種ササニシキの交配後代にササニシ
キを戻し交配し、その自殖した個体群からsd−1遺伝
子座近傍のみがヘテロで他の領域はササニシキの染色体
を持つ個体を選抜した。その自殖後代集団(SBIL)
を圃場で栽培した。登熟期における各個体のかん長の長
さを計測した結果をヒストグラムで表すと2つのピーク
が確認できた(図1)。その1つ目のピーク(60〜8
5cm)と2つ目のピーク(85〜120cm)に含ま
れる個体総数の分離比が約1:3になっていることか
ら、メンデルの法則に基づき、この半わい性の形質を単
因子として扱うことが可能であることが明らかとなっ
た。
【0082】[実施例2] 高精度連鎖解析 sd−1遺伝子の候補領域を絞り込むために、PCRに
基づいたCAPS法を用いて、大規模分離集団の連鎖解
析を行った。まず、SBIL263個体を材料に、sd
−1遺伝子座の周辺に位置するCAPSマーカーでジェ
ノタイピングを行い、sd−1周辺で組換えが起こって
いる個体を選抜した。本実施例において各SBILにつ
いてのDNA抽出は、次の条件によって行った。すなわ
ち、まず1〜2cmの長さの幼苗期緑葉と、直径3mm
のジルコニア球と、TPS緩衝液(10mM EDTA
及び1M KClを含む100mM トリス−塩酸緩衝
液)0.4mLとを1.2mLのマイクロチューブに採
り、各マイクロチューブを96−ウエルフォーマットの
チューブラックにセットし、30rpsにてミキサーミ
ル(Retsch社製MM300型)に1分間ずつ2回
かけて緑葉を破砕した。チューブラックを4℃で遠心し
た後、上清を96穴PCRプレートに移し、イソプロパ
ノールを等量加えて遠心しDNAを沈殿させた。さら
に、70%エタノールで沈殿を洗浄した後、55℃のイ
ンキュベーター内で乾燥させた。この乾燥物を蒸留水に
溶解してPCR増幅におけるテンプレートとして用い
た。また、各CAPS解析を行うために用いたプライマ
ー(配列番号:7〜14)及び制限酵素は、S1347
1(DDBJ Acc.No.:AU096321):
5’−ccacatactcacttctgctt−
3’;5’−aggcactacaacaatggca
c−3’及びHhaIと、E30867(DDBJ A
cc.No.:AU058082):5’−ggcaa
cggtacccgacgta−3’;5’−ttgt
aactctcccctgcgttt−3’及びFok
Iと、E61578(DDBJ Acc.No.:AU
095374):5’−gatcttctggcagc
attctccataagatagcactg−3’;
5’−tatgaccctgacccatgagc−
3’及びBtsIと、S13312(DDBJ Ac
c.No.:AU089730):5’−tccagg
ttttgatctgattggtga−3’;5’−
tcagttgcggattgatgctagcatc
ttacttctct−3’及びEarIとである。か
ん長の測定値から判定した各個体の遺伝子型と考え合わ
せ、sd−1遺伝子領域がCAPSマーカーE3086
7とE61578の間(約1.3cM)に含まれること
を明らかにした(図2A)。
【0083】sd−1遺伝子の候補領域を絞り込むため
に、分離集団978個体を上記2つのCAPSマーカー
でスクリーニングしたところ組換え体を38個体得た。
さらに、この領域内に新たに7つのCAPSマーカー又
はPCRマーカー(図2A、Bにおけるマーカーaから
g)を作製し、ジェノタイピングを行った。ここで使用
した各マーカーのプライマー(配列番号:15〜28)
及び制限酵素は、マーカーa(共優性のPCRマーカ
ー:codominant PCR marker):
5’−gagagaggaggctgatgtgg−
3’;5’−tggtctctcctcatgcttc
a−3’と、マーカーb(CAPSマーカー):5’−
agtgttggcacatgcagcta−3’;
5’−caatgaggtggttccttgct−
3’及びEcoRIと、マーカーc(共優性のPCRマ
ーカー):5’−caatcatccaactgcac
caa−3’;5’−atccctttcagggac
caatc−3’と、マーカーd(優性のPCRマーカ
ー:dominant PCR marker):5’
−tgttgggttgaaagcccatt−3’;
5’−acactcgaaggcgagctttg−
3’と、マーカーe(CAPSマーカー):5’−tt
agattccgcatcgtcctt−3’;5’−
gtgttgagcgggagtgagtt−3’及び
AseIと、マーカーf(CAPSマーカー):5’−
caatgacccttcggttgctg−3’;
5’−tggctgctgctctgcttacc−
3’及びMspIと、マーカーg(CAPSマーカ
ー):5’−ccctcgtgataagcgcgat
a−3’;5’−aggaaatgcgcaacatg
cag−3’及びRsaIとである。組換え個体の後代
検定の結果と考え合わせ、sd−1遺伝子領域がマーカ
ーdとfの間(約43kb)に含まれることを明らかに
した(図2B)。
【0084】さらにsd−1遺伝子の候補領域を絞り込
むために、分離集団2236個体を材料にしてマーカー
dとf間の組換え個体を選抜した。それらの後代検定の
結果とdとfの間に新たに設定したマーカーh、i、
j、kを用いたジェノタイピングの結果から、sd−1
遺伝子領域はマーカーhとjの間の約6kb内に存在す
ることが明らかとなった(図2C、D)。その領域(約
6kb)内および、その近傍領域で予測される遺伝子な
らびに、sd−1遺伝子候補領域内で、組換えが起って
いる個体(#2529、#3940)の染色体構成を示
した(図2D)。なお、ここでマーカーc〜gに加えて
用いた各マーカーのプライマー(配列番号:29〜3
7)は、マーカーh(共優性のPCRマーカー):5’
−gactcaacaggccctccaaa−3’;
5’−ccacgcggttattgcaagtt−
3’と、マーカーi(CAPSマーカー):5’−cg
atgcgtccagttgaggaa−3’;5’−
ctgctatgccgcagccttct−3’及び
DraIと、マーカーk(共優性のPCRマーカー):
5’−agctggacatgcccgtggtc−
3’(RT01U);5’−ttgagctgctgt
ccgcgaag−3’(RT01L)とである。ま
た、マーカーjは、ゲノムDNAからのプライマー:
5’−gaaacggaacgaacagaagc−
3’、5’−acaaaaaccatccgggatt
t−3’及びSNPプライマー:5’−tacatca
gagctactcctaa−3’を用い、OSJNB
a0029f02(DDBJ Acc.No.:AC0
90974)における81226bpの位置にある一塩
基置換(C→T)を、SNP検出システム(Perki
n Elmer社製、AcycloPrime−FP
SNP Detection System)により判
定した。
【0085】[実施例3] 候補遺伝子の塩基配列解析 特定したsd−1遺伝子座候補領域約6kbの塩基配列
に対して遺伝子予測ならびに類似性検索を行い、ジベレ
リンの生合成経路で機能している酵素をコードしている
gibberellin 20−oxidase(GA
20−ox)と高い類似性を示す領域を見出した。予測
されたORFはこの遺伝子一つであり、Sd−1がGA
20−oxであると推測した。この候補遺伝子が発現し
ていることを確認するため、予測されたORF内でPC
Rプライマーを作製し、正常型イネ品種日本晴のRNA
を材料にRT−PCRを行ったところ発現が認められ
た。
【0086】GA20−oxをコードしている予測遺伝
子をSd−1遺伝子の候補とし、正常型イネ品種日本
晴、ササニシキ、Calroseと、sd−1変異株で
ある半わい性イネ品種ハバタキ、IR24、密陽23
号、Calrose76とで塩基配列の比較を行った。
具体的には、まず正常型イネ品種日本晴のRNAを材料
に3’RACEおよび5’RACEを行い、候補領域内
で発現している遺伝子のORFを決定した。本実施例の
3’RACEおよび5’RACEにおいては、cDNA
増幅用キット(Clontech社製SMART(R)
PCR cDNAsynthesis kit)、DN
Aポリメラーゼ(QIAGEN社製HotStar T
aq)を用い、遺伝子特異的プライマー(GSP)とし
てのセンスプライマー及びアンチセンスプライマーに
は、それぞれRT01U及びRT01Lを使用してPC
R増幅産物を得た。この増幅産物についてpUC系ベク
ター(Invitrogen社製pCR2.1−TOP
O(R))でクローニングした後、DNA塩基配列を決
定した(Amersham Biosciences社
製MegaBACE1000DNA Sequenci
ng System及びDYEnamic(R)ET
Terminator)。なおここでは、PCRに由来
する読み違いなどにより誘発される誤りを避けるため、
各増幅産物についてそれぞれ少なくとも4個のクローン
を用いてDNA配列の決定を行った。この決定したcD
NAとゲノムDNAの塩基配列を比較することにより、
エキソン、イントロンの領域を特定した(図3)。正常
型Sd−1(日本晴、ササニシキ、Calrose)
は、3つのエキソン(e1、e2、e3)と2つのイン
トロンよりなり(配列番号:1および2)、DGWG型
のsd−1変異株(ハバタキ、IR24、密陽23号)
では、ゲノム上での欠失(del)が第1エキソン(f
1)と第2エキソン(f2)にまたがって生じている
(配列番号:3および4)。Calrose76のsd
−1変異は、第2エキソン(g2)内に1塩基の置換が
生じ、ロイシン(ctc)からフェニルアラニン(tt
c)への置換が起きている(配列番号:5および6)。
【0087】図4に、sd−1候補遺伝子領域(1bp
〜540bp)における日本晴、ササニシキおよびCa
lroseの塩基配列と推定されるアミノ酸配列を示
す。同図において、下線部分は、ハバタキ、IR24お
よび密陽23号(DGWG型のsd−1変異株)で欠失
している塩基配列である。図5に、sd−1候補遺伝子
領域(541bp〜876bp)における日本晴、ササ
ニシキおよびCalroseの塩基配列と推定されるア
ミノ酸配列を示す。同図において、下線部分は、ハバタ
キ、IR24および密陽23号(DGWG型のsd−1
変異株)で欠失している塩基配列である。下線部分であ
って塩基配列の下にアミノ酸配列のない領域は、欠失し
ているイントロンを示す。下線がなく塩基配列の下にア
ミノ酸配列のない領域は、欠失していないイントロンを
示す。CalはCalrose76における変異を示
す。図6に、sd−1候補遺伝子領域(877bp〜1
057bp)における日本晴、ササニシキおよびCal
roseの塩基配列と推定されるアミノ酸配列を示す。
塩基配列の下にアミノ酸配列のない領域は、イントロン
を示す。下線部分は、日本晴、ササニシキ、Calro
seではaであるが、変異によりハバタキ、IR24、
密陽23号ではgとなる。図7に、sd−1候補遺伝子
領域(1058bp〜1168bp)における日本晴、
ササニシキおよびCalroseの塩基配列と推定され
るアミノ酸配列を示す。これらの結果から、候補遺伝子
がSd−1遺伝子の有力な候補であると判断した。
【0088】[実施例4] Sd−1候補遺伝子の発現
解析 また、上記の正常型品種およびsd−1変異株の成熟葉
からグアニジン法により抽出したRNAを用いて、RT
−PCR法によりSd−1候補遺伝子の発現解析を行な
った。本実施例においてRT−PCR法に用いたプライ
マーは、RT01U(配列番号:36):5’−agc
tggacatgcccgtggtc−3’、RT01
L(配列番号:37):5’−ttgagctgctg
tccgcgaag−3’であり、陽性コントロールと
してのイネアクチン遺伝子のプライマーには、OsAc
tinU3(配列番号:38):5’−ctgggtt
cgccggagatgat−3’、OsActinL
3(配列番号:39):5’−tgagatcacgc
ccagcaagg−3’を使用した。その結果、候補
遺伝子の発現は、ハバタキ、IR24で弱く、密陽23
号では変異のために短くなった転写産物が強く発現して
いた。また、CalroseとCalrose76の間
では、発現量に顕著な差は見られなかった(図8a)。
さらに、日本晴の成長の各段階・組織における候補遺伝
子の発現を調べたところ、播種後24時間から48時間
の間に発現を開始し、幼苗、成葉、開花中の穂で発現が
認められた。最も強い発現は成葉で見られ、根では発現
していなかった(図8b)。以上の結果から、候補遺伝
子領域がsd−1遺伝子であると考えられ、GA20−
oxをコードしていると判断した。
【0089】[実施例5] 相補性試験 実施例1〜4により推定されたGA20−oxがsd−
1としての機能を有していることを確認するため、形質
転換イネを用い以下のA〜Cに示す相補性試験を実施し
た。 〔A.ベクターの構築〕まず、正常型の草丈品種である
ササニシキ(Sd−1/Sd−1)植物体を用い、CT
AB法(Murray,M.G.& Thompso
n,W.F.(1980)Rapid isolati
on of high molecular weig
ht plant DNA. Nucleic Aci
ds Res.,8:4321−4325)によりゲノ
ムDNAを抽出した。このDNAを鋳型にして、3’→
5’エキソヌクレアーゼ活性を有する耐熱性DNAポリ
メラーゼを利用した長鎖DNA増幅用PCR(TaKa
Ra社製LA−PCRキット)によりDNA断片を取得
した。このDNA断片は、GA20−oxの予測翻訳開
始部位の上流域約3 kbpから、mRNAにおいてポ
リAが付加される部位より下流約500 bpを含むも
のであり、GA20−oxの発現に十分であると予想し
た。増幅して得られたDNA断片をアガロースゲル電気
泳動で確認した後、切り出した単一バンドから、NaI
とガラスパウダーを利用したDNA回収試薬キット(T
aKaRa社製EasyTrap ver.2)を用い
てDNAを回収し、5’→3’ポリメラーゼ活性及び
3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を持つ耐熱性DNA
ポリメラーゼとdNTPsを含むDNA末端平滑化試薬
キット(TOYOBO社製Blunting hig
h)で平滑末端化処理した。
【0090】形質転換用のバイナリーベクターには、カ
リフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター、ハイ
グロマイシンBホスホトランスフェラーゼ遺伝子、及
び、KpnIとSacIとの制限酵素部位を両端とする
マルチクローニングサイトが挿入されたlacZ(pB
luescriptII SK(−):Stratag
ene社製由来)領域等を有するpPZP2H−lac
(Fuseら(2001)Ti−plasmid Ve
ctors Useful for Function
al Analysis of Rice Gene
s. PlantBiotechnology,18:
219−222)を使用した。このバイナリーベクター
をマルチクローニングサイトに制限酵素部位があるSm
aIで消化し、さらにアルカリフォスファターゼ処理の
後、上記の平滑末端化処理したゲノムDNA断片と混合
し、T4DNAリガーゼを含むライゲーション試薬(T
OYOBO社製Ligation high)で14
℃、一晩反応させた。そして、このライゲーション反応
液でDH5αを形質転換した。DNA断片の挿入が確認
された3クローンについては、大量プラスミド調製を行
い、発現ベクターを得た。PCRエラーによる変異の導
入を確認する為、実施例3において使用したDNAシー
クエンシングシステムを用いプライマーウォーキング法
によるシーケンスで塩基配列を決定した。その結果、得
られた発現ベクターは、配列番号:2に相当する塩基配
列を有しており、PCRエラーによる変異は導入されて
いないことが確認された。
【0091】〔B.形質転換〕構築した発現ベクター
は、アグロバクテリウムEHA101株に凍結−融解
(Freeze−Thaw)法(Holstersら
(1978)Mol.Gen.Genet.163:1
81−187,Zahmら(1984)Mol.Ge
n.Genet.194:188−194)で導入し
た。即ち、まずアグロバクテリウムEHA101株を5
00mLのLB培地に植菌して28℃でO.D.650
nmが1になるまで振とう培養し、遠心(6000gで
5分間)により集菌後、100mLのLB培地で菌体を
洗浄した。遠心(6000gで5分間)により再び集菌
し、上清廃棄後に残ったペレットを25mLのLB培地
で懸濁して1.5mLチューブに200μLずつ分注し
た後、液体窒素で凍結させ形質転換用のセルを準備し
た。このセルへの発現ベクターの導入は、まず上記のセ
ルに精製したベクターを5〜10μg及び100μLの
LB培地を加えて混合した後、液体窒素で5分間凍結さ
せた。引続き37℃で25分間静置後、LB培地を15
mL加え、28℃にて一晩静置培養した。この培養液を
4℃で遠心(1000g、10分間)して菌体を集め、
200μLのLB培地に懸濁して選択培地に播いた。2
8℃で48時間静置培養した後、形成したコロニーを発
現ベクターが導入されたクローンの候補とした。また、
コントロールとして、DNA断片を挿入していない空の
ベクターを同様の操作により導入した。
【0092】ベクターを保持するクローンを選択培地と
ダイレクトコロニーPCRで確認後、イネにおいて公知
とされているアグロバクテリウム形質転換法、ここで
は、岩渕雅樹、岡田清隆、島本功編「モデル植物ラボマ
ニュアル」(シュプリンガー・フェアラーク東京株式会
社 2000年4月発行、pp110〜121)に基づ
いてイネカルスに感染させた。形質転換にはDGWG型
のsd−1導入品種であるキヌヒカリ(sd−1/sd
−1)を使用した。キヌヒカリ完熟種子からカルス誘導
培地(2N6培地)上、28℃暗所にて培養して得た胚
盤由来カルスにつき、発現ベクターの導入が確認された
アグロバクテリウム懸濁液(アセトシリンゴンを添加し
たAAI培地中に懸濁:吸光度0.2;600nm)を
加えて3分間浸した後、アグロバクテリウム懸濁液を除
いたカルスを共存培養培地(N6CO培地)上25℃、
暗所にて培養することにより感染させた。共存培養した
カルスを、クラフォランを添加した滅菌水で洗浄除菌し
た後、選択培地(N6SE培地)上28℃、暗所で培養
し、ハイグロマイシン耐性となったカルスを選択採取
し、再分化培地(MSRE培地)上28℃、16時間明
期−8時間暗期にて培養して再分化した幼植物体を得
た。この幼植物体をハイグロマイシンを添加した発根培
地(MSRT培地)に移して育成し、充分な根の伸長が
確認された個体を選択することによって、形質転換植物
体を得た。
【0093】〔C.表現型の観察〕ハイグロマイシン耐
性を示した36個体の植物体の栽培を継続し、出穂後の
登熟期におけるかん長を測定した。4つの植物体でコン
トロール群と比較してかん長の伸長が観察され、導入遺
伝子の働きによるものと推測された。これらの個体から
実施例4の場合と同様の操作条件により全RNAを抽出
し、RT−PCRを行ったところ、欠失のない正常型の
GA20−oxの発現が確認された。OsGA20−o
xは、sd−1変異体を正常型へと回復させた。従っ
て、sd−1の原因遺伝子はGA20−ox蛋白質をコ
ードしている本発明によって単離・同定した遺伝子であ
ることが確認された。
【0094】
【発明の効果】本発明によりイネの半わい性遺伝子が提
供される。本発明の遺伝子はイネに半わい性を付与し、
これにより草丈を調節する機能を有するため、イネの品
種育成に大きく貢献し得る。半わい性のイネは倒伏抵抗
性の向上により、多肥条件下でのイネの栽培を可能にあ
るいは安定化する。本発明の遺伝子は、イネに栽培上有
利な半わい性形質を付与する遺伝子のなかで穀粒品質に
不利な影響を及ぼさないことが大きな特徴であり、19
60−1970年代、アジアを中心に食糧自給を可能に
した「緑の革命」の主要因になった農業上きわめて重要
である。
【0095】本発明の遺伝子を品種改良に利用すること
によって、イネはもちろん、他の作物の優良品質に半わ
い性形質を導入し、高収量性を付与することが可能にな
り、食料増産に貢献できる。イネの品種育成は、短期間
で高い確実性をもって目的の植物体を得ることができる
点で、従来の方法より有利である。
【0096】また、本発明により植物の半わい性の評価
方法が提供できる。従来の評価方法は、特定の遺伝子の
存在を調べるための検定系統に対象品種を交配して、そ
れらの後代の草丈の分離から、遺伝子の有無を推定する
ものであり、1品種について結論を出すために、2〜3
年と多大な労力を要した。本発明の方法では、播種後2
週間程度経過した苗の一部を採種して、DNAを抽出
し、これを解析することにより判定できる。半わい性遺
伝子をもつかどうかが判定できれば、その品種の後代に
おける半わい性の程度を交配の前に推定でき、交配母本
の選定や選抜のための有用な情報となる。また、このマ
ーカーは選抜集団の各個体の半わい性遺伝子の有無を上
記の方法で容易に判定できることから選抜マーカーとし
ても利用できる。
【0097】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Plant Genome Center <120> The semidwarfing gene and the utilization thereof <130> Sd-1/sd-1 <140> <141> <150> JP P2001-338530 <151> 2001-11-02 <160> 39 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 388 <212> PRT <213> Oryza sativa cv.Nipponbare/Sasanishiki/Calrose <400> 1 Met Val Ala Glu His Pro Thr Pro Pro Gln Pro His Gln Pro Pro Pro 1 5 10 15 Met Asp Ser Thr Ala Gly Ser Gly Ile Ala Ala Pro Ala Ala Ala Ala 20 25 30 Val Cys Asp Leu Arg Met Glu Pro Lys Ile Pro Glu Pro Phe Val Trp 35 40 45 Pro Asn Gly Asp Ala Arg Pro Ala Ser Ala Ala Glu Leu Asp Met Pro 50 55 60 Val Val Asp Val Gly Val Leu Arg Asp Gly Asp Ala Glu Gly Leu Arg 65 70 75 80 Arg Ala Ala Ala Gln Val Ala Ala Ala Cys Ala Thr His Gly Phe Phe 85 90 95 Gln Val Ser Glu His Gly Val Asp Ala Ala Leu Ala Arg Ala Ala Leu 100 105 110 Asp Gly Ala Ser Asp Phe Phe Arg Leu Pro Leu Ala Glu Lys Arg Arg 115 120 125 Ala Arg Arg Val Pro Gly Thr Val Ser Gly Tyr Thr Ser Ala His Ala 130 135 140 Asp Arg Phe Ala Ser Lys Leu Pro Trp Lys Glu Thr Leu Ser Phe Gly 145 150 155 160 Phe His Asp Arg Ala Ala Ala Pro Val Val Ala Asp Tyr Phe Ser Ser 165 170 175 Thr Leu Gly Pro Asp Phe Ala Pro Met Gly Val Tyr Gln Lys Tyr Cys 180 185 190 Glu Glu Met Lys Glu Leu Ser Leu Thr Ile Met Glu Leu Leu Glu Leu 195 200 205 Ser Leu Gly Val Glu Arg Gly Tyr Tyr Arg Glu Phe Phe Ala Asp Ser 210 215 220 Ser Ser Ile Met Arg Cys Asn Tyr Tyr Pro Pro Cys Pro Glu Pro Glu 225 230 235 240 Arg Thr Leu Gly Thr Gly Pro His Cys Asp Pro Thr Ala Leu Thr Ile 245 250 255 Leu Leu Gln Asp Asp Val Gly Gly Leu Glu Val Leu Val Asp Gly Glu 260 265 270 Trp Arg Pro Val Ser Pro Val Pro Gly Ala Met Val Ile Asn Ile Gly 275 280 285 Asp Thr Phe Met Ala Leu Ser Asn Gly Arg Tyr Lys Ser Cys Leu His 290 295 300 Arg Ala Val Val Asn Gln Arg Arg Glu Arg Arg Ser Leu Ala Phe Phe 305 310 315 320 Leu Cys Pro Arg Glu Asp Arg Val Val Arg Pro Pro Pro Ser Ala Ala 325 330 335 Thr Pro Gln His Tyr Pro Asp Phe Thr Trp Ala Asp Leu Met Arg Phe 340 345 350 Thr Gln Arg His Tyr Arg Ala Asp Thr Arg Thr Leu Asp Ala Phe Thr 355 360 365 Arg Trp Leu Ala Pro Pro Ala Ala Asp Ala Ala Ala Thr Ala Gln Val 370 375 380 Glu Ala Ala Ser 385 <210> 2 <211> 2743 <212> DNA <213> Oryza sativa cv.Nipponbare/Sasanishiki/Calrose <220> <221> exon <222> (1)..(558) <223> e1:correspond to the location from 77927 to 78484 on the sequence of Nipponbare BAC clone OSJNBa0029f02(AC090974) <220> <221> exon <222> (664)..(981) <223> e2: correspond to the location from 78590 to 78907 on the sequence of Nipponbare BAC clone OSJNBa0029f02 <220> <221> exon <222> (2453)..(2743) <223> e3: correspond to the location from 80379 to 80669 on the sequence of Nipponbare BAC clone OSJNBa0029f02 <400> 2 atggtggccg agcaccccac gccaccacag ccgcaccaac caccgcccat ggactccacc 60 gccggctctg gcattgccgc cccggcggcg gcggcggtgt gcgacctgag gatggagccc 120 aagatcccgg agccattcgt gtggccgaac ggcgacgcga ggccggcgtc ggcggcggag 180 ctggacatgc ccgtggtcga cgtgggcgtg ctccgcgacg gcgacgccga ggggctgcgc 240 cgcgccgcgg cgcaggtggc cgccgcgtgc gccacgcacg ggttcttcca ggtgtccgag 300 cacggcgtcg acgccgctct ggcgcgcgcc gcgctcgacg gcgccagcga cttcttccgc 360 ctcccgctcg ccgagaagcg ccgcgcgcgc cgcgtcccgg gcaccgtgtc cggctacacc 420 agcgcccacg ccgaccgctt cgcctccaag ctcccatgga aggagaccct ctccttcggc 480 ttccacgacc gcgccgccgc ccccgtcgtc gccgactact tctccagcac cctcggcccc 540 gacttcgcgc caatggggta attaaaacga tggtggacga cattgcattt caaattcaaa 600 acaaattcaa aacacaccga ccgagattat gctgaattca aacgcgtttg tgcgcgcagg 660 agggtgtacc agaagtactg cgaggagatg aaggagctgt cgctgacgat catggaactc 720 ctggagctga gcctgggcgt ggagcgaggc tactacaggg agttcttcgc ggacagcagc 780 tcaatcatgc ggtgcaacta ctacccgcca tgcccggagc cggagcggac gctcggcacg 840 ggcccgcact gcgaccccac cgccctcacc atcctcctcc aggacgacgt cggcggcctc 900 gaggtcctcg tcgacggcga atggcgcccc gtcagccccg tccccggcgc catggtcatc 960 aacatcggcg acaccttcat ggtaaaccat ctcctattct cctctcctct gttctcctct 1020 gcttcgaagc aacagaacaa gtaattcaag cttttttttc tctctcgcgc gaaattgacg 1080 agaaaaataa gatcgtggta ggggcggggc tttcagctga aagcgggaag aaaccgacct 1140 gacgtgattt ctctgttcca atcacaaaca atggaatgcc ccactcctcc atgtgttatg 1200 atttatctca catcttatag ttaataggag taagtaacaa gctacttttt tcatattata 1260 gttcgtttga tttttttttt ttaaagtttt tttagtttta tccaaattta ttgaaaaact 1320 tagcaacgtt tataatacca aattagtctc atttagttta atattgtata tattttgata 1380 atatatttat gttatattaa aaatattact atatttttct ataaacatta ttaaaagcca 1440 tttataatat aaaatggaag gagtaattaa tatggatctc ccccgacatg agaatatttt 1500 ccgatggtgt gacgacgcca tgtaagcttc ggtgggcctg gacggccaga ggtgccaaca 1560 gccacgtcca acaacccctg ggtccccccc taacactcca aacagtagtg agtagtgtct 1620 cgtcgcgttt tagtatttga tgacaaacaa agtgtgagtt gagttagcca ccaccaactt 1680 gcacacgagc acatacattt gtgtccattc tcgccagtca cttccatctc tagtcctaac 1740 tcctatctag cgatgtaagc ggataatttc atcatccgta tataaacctg tttgttatag 1800 ttaatttcct atataatact ataacagtat acattttaaa agaaaacaaa attaggataa 1860 acaggccctg ctcctatcca tccatggcac ttggaaggac cagactcggt catgccatgc 1920 caagccaaga tatgggttat ggaagagtag agaagaggag agatgagaga taagcatgcg 1980 ttctcctcct cgttggatgt gtattttgga gggatttgtg tagtagtagc agcggcgccg 2040 cggggacgga tgcggatggt ggcgctttcg gtggcgtttt cccggggggg ttttggtttg 2100 gcgcttgggg gggatggcat ggcgcggcgt gcggctgcac gccacacaca cgcgcgcgca 2160 cgcacgtacg tcgtcgtcgc cgcgggcgga cggtagctta gggtggtgtg ttccgcgcgc 2220 gggcgcggat tgttccatgc cgatcgattt ggcgccaccc tcgccgcggc tcttgtcgcg 2280 tcgtgcgcct ctctcgcgcg gtttgtcctt gtcgcgttgc tcagccggcg acgggggcac 2340 ggacattggc gatgtagccc tgcacgtgtc ggcctctccg ttgatgaatg atgatgtatg 2400 tatgtatttt tttttgtctg aaggaatttg tggggaattg ttgtgtgtgc aggcgctgtc 2460 gaacgggagg tataagagct gcctgcacag ggcggtggtg aaccagcggc gggagcggcg 2520 gtcgctggcg ttcttcctgt gcccgcggga ggacagggtg gtgcggccgc cgccgagcgc 2580 cgccacgccg cagcactacc cggacttcac ctgggccgac ctcatgcgct tcacgcagcg 2640 ccactaccgc gccgacaccc gcacgctcga cgccttcacg cgctggctcg cgccgccggc 2700 cgccgacgcc gccgcgacgg cgcaggtcga ggcggccagc tga 2743 <210> 3 <211> 206 <212> PRT <213> Oryza sativa cv.Habataki/IR24/Milyang23 <400> 3 Met Val Ala Glu His Pro Thr Pro Pro Gln Pro His Gln Pro Pro Pro 1 5 10 15 Met Asp Ser Thr Ala Gly Ser Gly Ile Ala Ala Pro Ala Ala Ala Ala 20 25 30 Val Cys Asp Leu Arg Met Glu Pro Lys Ile Pro Glu Pro Phe Val Trp 35 40 45 Pro Asn Gly Asp Ala Arg Pro Ala Ser Ala Ala Glu Leu Asp Met Pro 50 55 60 Val Val Asp Val Gly Val Leu Arg Asp Gly Asp Ala Glu Gly Leu Arg 65 70 75 80 Arg Ala Ala Ala Gln Val Ala Ala Ala Cys Ala Thr His Gly Phe Phe 85 90 95 Gln Val Ser Arg Gly Asp Glu Gly Ala Val Ala Asp Asp His Gly Thr 100 105 110 Pro Gly Ala Glu Pro Gly Arg Gly Ala Arg Leu Leu Gln Gly Val Leu 115 120 125 Arg Gly Gln Gln Leu Asn His Ala Val Gln Leu Leu Pro Ala Met Pro 130 135 140 Gly Ala Gly Ala Asp Ala Arg His Gly Pro Ala Leu Arg Pro His Arg 145 150 155 160 Pro His His Pro Pro Pro Gly Arg Arg Arg Arg Pro Arg Gly Pro Arg 165 170 175 Arg Arg Arg Met Ala Pro Arg Gln Pro Arg Pro Arg Arg His Gly His 180 185 190 Gln His Arg Arg His Leu His Gly Ala Val Glu Arg Glu Val 195 200 205 <210> 4 <211> 2360 <212> DNA <213> Oryza sativa cv.Habataki/IR24/Milyang23 <220> <221> intron <222> (599)..(2069) <400> 4 atggtggccg agcaccccac gccaccacag ccgcaccaac caccgcccat ggactccacc 60 gccggctctg gcattgccgc cccggcggcg gcggcggtgt gcgacctgag gatggagccc 120 aagatcccgg agccattcgt gtggccgaac ggcgacgcga ggccggcgtc ggcggcggag 180 ctggacatgc ccgtggtcga cgtgggcgtg ctccgcgacg gcgacgccga ggggctgcgc 240 cgcgccgcgg cgcaggtggc cgccgcgtgc gccacgcacg ggttcttcca ggtgtcgcga 300 ggagatgaag gagctgtcgc tgacgatcat ggaactcctg gagctgagcc tgggcgtgga 360 gcgaggctac tacagggagt tcttcgcgga cagcagctca atcatgcggt gcaactacta 420 cccgccatgc ccggagccgg agcggacgct cggcacgggc ccgcactgcg accccaccgc 480 cctcaccatc ctcctccagg acgacgtcgg cggcctcgag gtcctcgtcg acggcgaatg 540 gcgccccgtc agccccgtcc ccggcgccat ggtcatcaac atcggcgaca ccttcatggt 600 aaaccatctc ctattctcct ctcctctgtt ctcctctgct tcgaagcaac agaacaagta 660 attcaagctt ttttttctct ctcgcgcgaa attgacgaga aaaataagat cgtggtaggg 720 gcggggcttt cagctgaaag cgggaagaaa ccgacctgac gtgatttctc tgttccaatc 780 acaaacaatg gaatgcccca ctcctccatg tgttatgatt tatctcacat cttatagtta 840 ataggagtaa gtaacaagct acttttttca tattatagtt cgtttgattt ttttttttta 900 aagttttttt agttttatcc aaatttattg aaaaacttag caacgtttat aataccaaat 960 tagtctcatt tagtttaata ttgtatatat tttgataata tatttatgtt atattaaaaa 1020 tattactata tttttctata aacattatta aaagccattt ataatataaa atggaaggag 1080 taattaatat ggatctcccc cgacatgaga atattttccg atggtgtgac gacgccatgt 1140 aagcttcggt gggcctggac ggccagaggt gccaacagcc acgtccaaca acccctgggt 1200 ccccccctaa cactccaaac agtagtgagt agtgtctcgt cgcgttttag tatttgatga 1260 caaacaaagt gtgagttgag ttagccacca ccaacttgca cacgagcaca tacatttgtg 1320 tccattctcg ccagtcactt ccatctctag tcctaactcc tatctagcga tgtaagcgga 1380 taatttcatc atccgtatat aaacctgttt gttatagtta atttcctata taatactata 1440 acagtataca ttttaaaaga aaacaaaatt aggataaaca ggccctgctc ctatccatcc 1500 atggcacttg gaaggaccag actcggtcat gccatgccaa gccaagatat gggttatgga 1560 agagtagaga agaggagaga tgagagataa gcatgcgttc tcctcctcgt tggatgtgta 1620 ttttggaggg atttgtgtag tagtagcagc ggcgccgcgg ggacggatgc ggatggtggc 1680 gctttcggtg gcgttttccc gggggggttt tggtttggcg cttggggggg atggcatggc 1740 gcggcgtgcg gctgcacgcc acacacacgc gcgcgcacgc acgtacgtcg tcgtcgccgc 1800 gggcggacgg tagcttaggg tggtgtgttc cgcgcgcggg cgcggattgt tccatgccga 1860 tcgatttggc gccaccctcg ccgcggctct tgtcgcgtcg tgcgcctctc tcgcgcggtt 1920 tgtccttgtc gcgttgctca gccggcgacg ggggcacgga cattggcgat gtagccctgc 1980 acgtgtcggc ctctccgttg atgaatgatg atgtatgtat gtattttttt ttgtctgaag 2040 gaatttgtgg ggaattgttg tgtgtgcagg cgctgtcgaa cgggaggtat aagagctgcc 2100 tgcacagggc ggtggtgaac cagcggcggg agcggcggtc gctggcgttc ttcctgtgcc 2160 cgcgggagga cagggtggtg cggccgccgc cgagcgccgc cacgccgcgg cactacccgg 2220 acttcacctg ggccgacctc atgcgcttca cgcagcgcca ctaccgcgcc gacacccgca 2280 cgctcgacgc cttcacgcgc tggctcgcgc cgccggccgc cgacgccgcc gcgacggcgc 2340 aggtcgaggc ggccagctga 2360 <210> 5 <211> 388 <212> PRT <213> Oryza sativa cv. Calrose76 <400> 5 Met Val Ala Glu His Pro Thr Pro Pro Gln Pro His Gln Pro Pro Pro 1 5 10 15 Met Asp Ser Thr Ala Gly Ser Gly Ile Ala Ala Pro Ala Ala Ala Ala 20 25 30 Val Cys Asp Leu Arg Met Glu Pro Lys Ile Pro Glu Pro Phe Val Trp 35 40 45 Pro Asn Gly Asp Ala Arg Pro Ala Ser Ala Ala Glu Leu Asp Met Pro 50 55 60 Val Val Asp Val Gly Val Leu Arg Asp Gly Asp Ala Glu Gly Leu Arg 65 70 75 80 Arg Ala Ala Ala Gln Val Ala Ala Ala Cys Ala Thr His Gly Phe Phe 85 90 95 Gln Val Ser Glu His Gly Val Asp Ala Ala Leu Ala Arg Ala Ala Leu 100 105 110 Asp Gly Ala Ser Asp Phe Phe Arg Leu Pro Leu Ala Glu Lys Arg Arg 115 120 125 Ala Arg Arg Val Pro Gly Thr Val Ser Gly Tyr Thr Ser Ala His Ala 130 135 140 Asp Arg Phe Ala Ser Lys Leu Pro Trp Lys Glu Thr Leu Ser Phe Gly 145 150 155 160 Phe His Asp Arg Ala Ala Ala Pro Val Val Ala Asp Tyr Phe Ser Ser 165 170 175 Thr Leu Gly Pro Asp Phe Ala Pro Met Gly Val Tyr Gln Lys Tyr Lys 180 185 190 Glu Glu Met Lys Glu Leu Ser Leu Thr Ile Met Glu Leu Leu Glu Leu 195 200 205 Gly Val Glu Arg Gly Tyr Tyr Arg Glu Phe Phe Ala Asp Ser Ser Leu 210 215 220 Ser Ser Ile Met Arg Cys Asn Tyr Tyr Pro Pro Cys Pro Glu Pro Glu 225 230 235 240 Arg Thr Leu Gly Thr Gly Pro His Cys Asp Pro Thr Ala Leu Thr Ile 245 250 255 Leu Leu Gln Asp Asp Val Gly Gly Phe Glu Val Leu Val Asp Gly Glu 260 265 270 Trp Arg Pro Val Ser Pro Val Pro Gly Ala Met Val Ile Asn Ile Gly 275 280 285 Asp Thr Phe Met Ala Leu Ser Asn Gly Arg Tyr Lys Ser Cys Leu His 290 295 300 Arg Ala Val Val Asn Gln Arg Arg Glu Arg Arg Ser Leu Ala Phe Phe 305 310 315 320 Leu Cys Pro Arg Glu Asp Arg Val Val Arg Pro Pro Pro Ser Ala Ala 325 330 335 Thr Pro Gln His Tyr Pro Asp Phe Thr Trp Ala Asp Leu Met Arg Phe 340 345 350 Thr Gln Arg His Tyr Arg Ala Asp Thr Arg Thr Leu Asp Ala Phe Thr 355 360 365 Arg Trp Leu Ala Pro Pro Ala Ala Asp Ala Ala Ala Thr Ala Gln Val 370 375 380 Glu Ala Ala Ser 385 <210> 6 <211> 2743 <212> DNA <213> Oryza sativa cv. Calrose76 <400> 6 atggtggccg agcaccccac gccaccacag ccgcaccaac caccgcccat ggactccacc 60 gccggctctg gcattgccgc cccggcggcg gcggcggtgt gcgacctgag gatggagccc 120 aagatcccgg agccattcgt gtggccgaac ggcgacgcga ggccggcgtc ggcggcggag 180 ctggacatgc ccgtggtcga cgtgggcgtg ctccgcgacg gcgacgccga ggggctgcgc 240 cgcgccgcgg cgcaggtggc cgccgcgtgc gccacgcacg ggttcttcca ggtgtccgag 300 cacggcgtcg acgccgctct ggcgcgcgcc gcgctcgacg gcgccagcga cttcttccgc 360 ctcccgctcg ccgagaagcg ccgcgcgcgc cgcgtcccgg gcaccgtgtc cggctacacc 420 agcgcccacg ccgaccgctt cgcctccaag ctcccatgga aggagaccct ctccttcggc 480 ttccacgacc gcgccgccgc ccccgtcgtc gccgactact tctccagcac cctcggcccc 540 gacttcgcgc caatggggta attaaaacga tggtggacga cattgcattt caaattcaaa 600 acaaattcaa aacacaccga ccgagattat gctgaattca aacgcgtttg tgcgcgcagg 660 agggtgtacc agaagtactg cgaggagatg aaggagctgt cgctgacgat catggaactc 720 ctggagctga gcctgggcgt ggagcgaggc tactacaggg agttcttcgc ggacagcagc 780 tcaatcatgc ggtgcaacta ctacccgcca tgcccggagc cggagcggac gctcggcacg 840 ggcccgcact gcgaccccac cgccctcacc atcctcctcc aggacgacgt cggcggcttc 900 gaggtcctcg tcgacggcga atggcgcccc gtcagccccg tccccggcgc catggtcatc 960 aacatcggcg acaccttcat ggtaaaccat ctcctattct cctctcctct gttctcctct 1020 gcttcgaagc aacagaacaa gtaattcaag cttttttttc tctctcgcgc gaaattgacg 1080 agaaaaataa gatcgtggta ggggcggggc tttcagctga aagcgggaag aaaccgacct 1140 gacgtgattt ctctgttcca atcacaaaca atggaatgcc ccactcctcc atgtgttatg 1200 atttatctca catcttatag ttaataggag taagtaacaa gctacttttt tcatattata 1260 gttcgtttga tttttttttt ttaaagtttt tttagtttta tccaaattta ttgaaaaact 1320 tagcaacgtt tataatacca aattagtctc atttagttta atattgtata tattttgata 1380 atatatttat gttatattaa aaatattact atatttttct ataaacatta ttaaaagcca 1440 tttataatat aaaatggaag gagtaattaa tatggatctc ccccgacatg agaatatttt 1500 ccgatggtgt gacgacgcca tgtaagcttc ggtgggcctg gacggccaga ggtgccaaca 1560 gccacgtcca acaacccctg ggtccccccc taacactcca aacagtagtg agtagtgtct 1620 cgtcgcgttt tagtatttga tgacaaacaa agtgtgagtt gagttagcca ccaccaactt 1680 gcacacgagc acatacattt gtgtccattc tcgccagtca cttccatctc tagtcctaac 1740 tcctatctag cgatgtaagc ggataatttc atcatccgta tataaacctg tttgttatag 1800 ttaatttcct atataatact ataacagtat acattttaaa agaaaacaaa attaggataa 1860 acaggccctg ctcctatcca tccatggcac ttggaaggac cagactcggt catgccatgc 1920 caagccaaga tatgggttat ggaagagtag agaagaggag agatgagaga taagcatgcg 1980 ttctcctcct cgttggatgt gtattttgga gggatttgtg tagtagtagc agcggcgccg 2040 cggggacgga tgcggatggt ggcgctttcg gtggcgtttt cccggggggg ttttggtttg 2100 gcgcttgggg gggatggcat ggcgcggcgt gcggctgcac gccacacaca cgcgcgcgca 2160 cgcacgtacg tcgtcgtcgc cgcgggcgga cggtagctta gggtggtgtg ttccgcgcgc 2220 gggcgcggat tgttccatgc cgatcgattt ggcgccaccc tcgccgcggc tcttgtcgcg 2280 tcgtgcgcct ctctcgcgcg gtttgtcctt gtcgcgttgc tcagccggcg acgggggcac 2340 ggacattggc gatgtagccc tgcacgtgtc ggcctctccg ttgatgaatg atgatgtatg 2400 tatgtatttt tttttgtctg aaggaatttg tggggaattg ttgtgtgtgc aggcgctgtc 2460 gaacgggagg tataagagct gcctgcacag ggcggtggtg aaccagcggc gggagcggcg 2520 gtcgctggcg ttcttcctgt gcccgcggga ggacagggtg gtgcggccgc cgccgagcgc 2580 cgccacgccg cagcactacc cggacttcac ctgggccgac ctcatgcgct tcacgcagcg 2640 ccactaccgc gccgacaccc gcacgctcga cgccttcacg cgctggctcg cgccgccggc 2700 cgccgacgcc gccgcgacgg cgcaggtcga ggcggccagc tga 2743 <210> 7 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker; S13471(DDBJ Acc. No. AU096321) <400> 7 ccacatactc acttctgctt 20 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker; S13471(DDBJ Acc. No.AU096321) <400> 8 aggcactaca acaatggcac 20 <210> 9 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker; E30867(DDBJ Acc. NO.AU058082) <400> 9 ccacatactc acttctgctt 20 <210> 10 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker; E30867(DDBJ Acc.No.AU058082) <400> 10 ttgtaactct cccctgcgtt t 21 <210> 11 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for dCAPS marker; E61578(DDBJ Acc.No.AU095374) <400> 11 gatcttctgg cagcattctc cataagatag cactg 35 <210> 12 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for dCAPS marker;E61578(DDBJ Acc.NO.AU095374) <400> 12 tatgaccctg acccatgagc 20 <210> 13 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker;S13312(DDBJ Acc.No.AU089730) <400> 13 tccaggtttt gatctgattg gtga 24 <210> 14 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker;S13312(DDBJ Acc.NO.AU089730) <400> 14 tcagttgcgg attgatgcta gcatcttact tctct 35 <210> 15 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for codominant PCR marker;Marker a <400> 15 gagagaggag gctgatgtgg 20 <210> 16 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for codominant PCR marker;Marker a <400> 16 tggtctctcc tcatgcttca 20 <210> 17 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker;Marker b <400> 17 agtgttggca catgcagcta 20 <210> 18 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker;Marker b <400> 18 caatgaggtg gttccttgct 20 <210> 19 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for codominant PCR marker;Marker c <400> 19 caatcatcca actgcaccaa 20 <210> 20 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for codominant PCR marker;Marker c <400> 20 atccctttca gggaccaatc 20 <210> 21 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for dominant PCR marker;Marker d <400> 21 tgttgggttg aaagcccatt 20 <210> 22 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for dominant PCR marker;Marker d <400> 22 acactcgaag gcgagctttg 20 <210> 23 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker;Marker e <400> 23 ttagattccg catcgtcctt 20 <210> 24 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker;Marker e <400> 24 gtgttgagcg ggagtgagtt 20 <210> 25 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker;Marker f <400> 25 caatgaccct tcggttgctg 20 <210> 26 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker;Marker f <400> 26 tggctgctgc tctgcttacc 20 <210> 27 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker;Marker g <400> 27 ccctcgtgat aagcgcgata 20 <210> 28 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker;Marker g <400> 28 aggaaatgcg caacatgcag 20 <210> 29 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for codominant PCR marker;Marker h <400> 29 gactcaacag gccctccaaa 20 <210> 30 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for codominant PCR marker;Marker h <400> 30 ccacgcggtt attgcaagtt 20 <210> 31 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker;Marker i <400> 31 cgatgcgtcc agttgaggaa 20 <210> 32 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for CAPS marker;Marker i <400> 32 ctgctatgcc gcagccttct 20 <210> 33 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence(from genomicDNA) for SNP marker;Marker j <400> 33 gaaacggaac gaacagaagc 20 <210> 34 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence(from genomicDNA) for SNP marker;Marker j <400> 34 acaaaaacca tccgggattt 20 <210> 35 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence for SNP detection marker;Marker j <400> 35 tacatcagag ctactcctaa 20 <210> 36 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence(RT01U)for codominant PCR marker;Marker k <400> 36 agctggacat gcccgtggtc 20 <210> 37 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence(RT01L)for codominant PCR marker;Marker k <400> 37 ttgagctgct gtccgcgaag 20 <210> 38 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence(OsActinU3)for RT-PCR;for rice actin gene(as a positive control) <400> 38 ctgggttcgc cggagatgat 20 <210> 39 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> primer sequence(OsActinL3)for RT-PCR;for rice actin gene(as a positive control) <400> 39 tgagatcacg cccagcaagg 20
【図面の簡単な説明】
【図1】sd−1分離集団におけるかん長測定値を示し
たグラフである。
【図2】sd−1遺伝子領域の詳細な連鎖地図である。
Aは、1241個体の分離集団を利用して作成した連鎖
地図とsd−1候補領域を示したものである。Bは、a
におけるマーカーbとE61578の間のさらに詳細な
連鎖地図とsd−1候補領域を示したものである。C
は、3477個体の分離集団を利用して作成した連鎖地
図とsd−1候補領域を示したものである。Dは、sd
−1遺伝子の候補領域とその近傍領域で予測される遺伝
子を示し、また、sd−1遺伝子の候補領域内で組換え
が起こっている個体(♯2529、♯3949)の染色
体構成を示したものである。
【図3】sd−1候補遺伝子領域のエキソン、イントロ
ン領域を示す図である。日本晴、ササニシキおよびCa
lroseは機能を有するSd−1遺伝子を、ハバタ
キ、IR24および密陽23号(DGWG型のsd−1
変異株)は機能が低下したか消失したsd−1遺伝子を
もつ。Calrose76はCalroseの放射線照
射により誘発されたSd−1遺伝子座の機能を失ってい
る突然変異系統である。各sd−1候補遺伝子領域上に
記載した数字は、日本晴BACクローン(AC0909
74)の塩基配列におけるヌクレオチド位置番号に相当
する。
【図4】sd−1候補遺伝子領域(1bp〜540b
p)における日本晴、ササニシキおよびCalrose
の塩基配列と推定されるアミノ酸配列を示す図である。
下線部分は、ハバタキ、IR24および密陽23号(D
GWG型のsd−1変異株)で欠失している塩基配列を
示す。
【図5】sd−1候補遺伝子領域(541bp〜876
bp)における日本晴、ササニシキおよびCalros
eの塩基配列と推定されるアミノ酸配列を示す図であ
る。下線部分は、DGWG型のsd−1変異株で欠失し
ている塩基配列を示す。下線部分であって塩基配列の下
にアミノ酸配列のない領域は、欠失しているイントロン
を示す。下線がなく塩基配列の下にアミノ酸配列のない
領域は、欠失していないイントロンを示す。CalはC
alrose76における変異を示す。
【図6】sd−1候補遺伝子領域(877bp〜105
7bp)における日本晴、ササニシキおよびCalro
seの塩基配列と推定されるアミノ酸配列を示す図であ
る。塩基配列の下にアミノ酸配列のない領域は、イント
ロンを示す。下線部分は、日本晴、ササニシキおよびC
alroseではaであるが、変異によりDGWG型の
sd−1変異株ではgとなる。
【図7】sd−1候補遺伝子領域(1058bp〜11
68bp)における日本晴、ササニシキおよびCalr
oseの塩基配列と推定されるアミノ酸配列を示す図で
ある。
【図8】RT−PCR解析の結果を示す図である。a
は、正常型品種およびsd−1変異株の成葉における候
補遺伝子(GA20ox−sd1)の転写産物の蓄積を
示したものである。bは、イネの各発達段階・組織にお
ける候補遺伝子(GA20ox−sd1)の転写産物の
蓄積を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12N 1/21 4H045 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 1/68 A C12Q 1/02 C12N 15/00 ZNAA 1/68 5/00 A C (72)発明者 北 澤 則 之 つくば市観音台1−25−2 株式会社植物 ゲノムセンター内 (72)発明者 吉 野 理 香 つくば市観音台1−25−2 株式会社植物 ゲノムセンター内 (72)発明者 鈴 木 淳 子 つくば市観音台1−25−2 株式会社植物 ゲノムセンター内 Fターム(参考) 2B030 AB02 CA15 CA17 CA19 4B024 AA08 BA80 CA01 CA03 CA11 CA12 DA01 EA04 GA11 HA01 HA12 4B063 QA01 QQ04 QQ09 QQ42 QR32 QR55 QS34 4B064 AG01 CA01 CA11 CA19 CA20 CC24 DA13 4B065 AA88X AA88Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA46 CA53 4H045 AA10 AA11 AA20 BA10 CA31 DA75 DA86 EA50 FA72 FA74

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物の草丈を変化させる機能を有する植
    物由来のタンパク質をコードする下記(a)から(c)
    のいずれかに記載のDNA。 (a)配列番号:1または3に記載のアミノ酸配列から
    なるタンパク質をコードするDNA。 (b)配列番号:1または3に記載のアミノ酸配列にお
    いて1または複数のアミノ酸が置換、欠失、付加、およ
    び/または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質
    をコードするDNA。 (c)配列番号:2または4に記載の塩基配列からなる
    DNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
    るDNA。
  2. 【請求項2】 イネ由来である請求項1に記載のDN
    A。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のDNAの転写
    産物と相補的なアンチセンスRNAをコードするDN
    A。
  4. 【請求項4】 請求項1または2にDNAの転写産物を
    特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNAをコー
    ドするDNA。
  5. 【請求項5】 植物細胞における発現時に、共抑制効果
    により、請求項1または2に記載のDNAの発現を抑制
    させるRNAをコードするDNA。
  6. 【請求項6】 植物の草丈を高くさせるために用いる請
    求項1または2に記載のDNA。
  7. 【請求項7】 植物の草丈を半わい性化させるために用
    いる請求項3から5のいずれかに記載のDNA。
  8. 【請求項8】 請求項1から5のいずれかに記載のDN
    Aを含むベクター。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のベクターが導入された
    植物細胞。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の植物細胞を含む形質
    転換植物体。
  11. 【請求項11】 イネである請求項10に記載の形質転
    換植物体。
  12. 【請求項12】 請求項10または11に記載の形質転
    換植物体の子孫またはクローンである形質転換植物体。
  13. 【請求項13】 請求項10から12のいずれかに記載
    の形質転換植物体の繁殖材料。
  14. 【請求項14】 請求項10または11に記載の形質転
    換植物体の製造方法であって、請求項1または2に記載
    のDNAを植物細胞に導入し、該植物細胞から植物体を
    再生させる工程を含む製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1または2に記載のDNAを植
    物体の細胞内で発現させることを特徴とする、植物の草
    丈を変化させる方法。
  16. 【請求項16】 植物の草丈を高くすることにより植物
    の収量を増加させる、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 植物体の細胞内における内在性の請求
    項1または2のいずれかに記載のDNAの発現を抑制す
    ることを特徴とする植物の草丈を半わい性化させる方
    法。
  18. 【請求項18】 請求項3から5のいずれかに記載のD
    NAを植物体の細胞内で発現させる請求項17に記載の
    方法。
  19. 【請求項19】 植物の草丈を低くすることにより、植
    物の収量を増加させる請求項17または18に記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 植物がイネである請求項15から19
    のいずれかに記載の方法。
  21. 【請求項21】 植物の草丈の高低を評価する方法であ
    って、該植物における請求項1に記載のDNAの存在の
    有無を検出することを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 植物がイネである請求項21に記載の
    方法。
  23. 【請求項23】 請求項1または2に記載のDNAを含
    むベクターが導入された宿主細胞。
  24. 【請求項24】 請求項1または2に記載のDNAによ
    りコードされるタンパク質。
  25. 【請求項25】 請求項23に記載の宿主細胞を培養
    し、該細胞またはその培養上清から組換えタンパク質を
    回収する工程を含む請求項24に記載のタンパク質の製
    造方法。
  26. 【請求項26】 請求項24に記載のタンパク質に結合
    する抗体。
  27. 【請求項27】 配列番号:2または4に記載の塩基配
    列からなるDNAまたはその相補鎖に相補的な少なくと
    も15ヌクレオチドからなるDNA。
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