JP2003199534A - リパーゼ活性阻害作用を有する中分子ペクチン含有飲食品 - Google Patents

リパーゼ活性阻害作用を有する中分子ペクチン含有飲食品

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JP2003199534A
JP2003199534A JP2002033225A JP2002033225A JP2003199534A JP 2003199534 A JP2003199534 A JP 2003199534A JP 2002033225 A JP2002033225 A JP 2002033225A JP 2002033225 A JP2002033225 A JP 2002033225A JP 2003199534 A JP2003199534 A JP 2003199534A
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pectin
food
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fat
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Junji Tsujita
純二 辻田
Takahiro Tsujita
隆廣 辻田
Tsutomu Fujiwara
勉 藤原
Akira Okamoto
明 岡本
Satoshi Hamada
聡 濱田
Shinya Kikuchi
伸哉 菊池
Yoshikazu Fujii
芳和 藤井
Aya Nomura
亜弥 野村
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NIHON SHOKKEN CO Ltd
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NIHON SHOKKEN CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品中の脂肪の体内への吸収を阻害するリパ
ーゼ活性阻害作用を有するペクチンを配合した飲食品を
提供することを目的とする。 【構成】 リパーゼ活性阻害作用のあるペクチンを配合
した飲食品である。 【効果】 食品中の脂肪の腸管からの吸収を遅延させる
ことにより、生活習慣病、特に肥満を予防しさらには高
脂血症の出現を阻止し動脈硬化の予防に用いることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、リパーゼ活性阻害作用
を目的とする5万から15万の中分子量ペクチンを含有
する飲食品に関する。 【0002】さらに詳述すれば、本発明は、食品中の脂
肪の腸管からの吸収を遅延させ、血液中の脂肪濃度の増
加を抑制することで肥満を予防し、さらには高脂血症お
よび動脈硬化の予防に用いることのできるだ液、膵液中
のリパーゼ活性阻害作用を目的とする中分子量ペクチン
を含有する飲食品に関するものである。 【0003】 【従来の技術】ペクチンは、ガラクツロン酸のポリマー
であるガラクツロナンを主成分とし、ラムノース、アラ
ビノース、キシロース、ガラクトースなどを微量に含む
分子量20万以上の多糖である。ペクチンは、未熟の果
実或いは植物体中でセルロースと結合して、プロトペク
チンという複合体の形で存在し、特に、柑橘類、リン
ゴ、かりん等に多量に含まれている。このプロトペクチ
ンは、不溶解性であるが、果実が成熟すると加水分解さ
れて可溶性のペクチン又はペクチン酸を生じる。 【0004】ペクチンに関しては近年、便通改善、胆石
形成の抑制効果、高血圧抑制効果、血中コレステロール
の上昇抑制効果など種々の効果があることが明らかにな
ってきている。 【0005】従って、ペクチンに肥満抑制効果があるこ
とも期待できるが、未だその予防効果があるという報告
はなされていない。 【0006】肥満は生活習慣病特に高脂血症、動脈硬化
等を誘発する危険因子であることが明らかにされてい
る。肥満は食品中の脂肪が腸管から吸収された後、脂肪
細胞に取り込まれ過剰に蓄積することが原因である。 【0007】ところで、食品中の脂肪は、そのままの形
では腸管から吸収されない。まず、胆汁中の胆汁酸やリ
ン脂質と共に小さな油滴(ミセル)を形成し、この油滴
に対してまず胃の中で消化酵素であるだ液中のリパーゼ
が働き、続いて腸の中で膵リパーゼが働き、脂肪酸とβ
−モノグリセリドあるいはグリセロールとなって初めて
カイロミクロン中に取り込まれて腸管から吸収される。
続いて脂肪酸とβ−モノグリセリドは主としてリンパ管
を通じて血液中へ運搬され、グリセロールは門脈へ移行
する。そこで、だ液リパーゼおよび膵リパーゼによる脂
肪の分解の過程を抑制することによって脂肪の分解が遅
れ、腸管からの吸収を遅延させることができるものであ
る。 【0008】また、同量の脂肪を含む食品を摂取した場
合、その腸管よりの吸収速度が血液中に出現する脂肪の
濃度を大きく左右する問題となる。例えば、脂肪が1時
間以内に吸収された場合と、3時間かけて吸収された場
合とでは、血液中に出現する脂肪の濃度は、3時間かけ
て吸収された場合において著しく低い値になり、それだ
け脂肪細胞へとりこまれる量を軽減できる。すなわち、
脂肪の腸管からの吸収をできるだけ遅らせることが肥満
予防につながり、ひいては高脂血症、動脈硬化の予防に
つながるものである。 【0009】しかしながら、こうした消化酵素であるだ
液リパーゼおよび膵リパーゼによる脂肪の分解過程でだ
液リパーゼおよび膵リパーゼの活性を抑制できる好適な
機能性物質は見出されていないのが現状である。 【0010】もちろん、今日までペクチンがだ液および
膵液中のリパーゼ活性を阻害するという報告はなされて
おらず、またその効果についてペクチンの分子量に言及
した報告はなされていない。 【0011】さらにペクチンは溶解性が低く、高粘度
で、ゲル化能が強いという性質を有しているため、ペク
チンの肥満防止効果を期待できる程度の量を飲食品に含
有させることは困難であった。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、食品中の脂
肪を胃および腸内で加水分解し、腸管からの吸収を促進
するだ液および膵液中のリパーゼの作用を抑制し、比較
的溶解性の高い中分子量ペクチンを含有する飲食品を提
供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、柑橘類やりん
ご等に含まれるペクチンが食品中の脂肪の腸管からの吸
収を阻害し、さらにそのペクチンを限定分解する事によ
り得られる比較的溶解性の高い中分子量ペクチンがより
その作用が強い事を見出した。 【0014】すなわち本発明の目的は、ペクチンを限定
分解する事により得られるだ液および膵液中のリパーゼ
活性阻害作用を有する比較的溶解性の高い中分子量ペク
チンを含有する飲食品により達成される。本発明で用い
られるリパーゼ活性阻害作用を有する中分子ペクチン含
有飲食品としては、固形(粉末や顆粒を含む)食品、半
固形(ゲルを含む)食品、ドリンク類を含む流体食品全
般を含む。さらには予め食品原料とともに食品加工の段
階で中分子量ペクチンが添加されている場合や完成食品
中に後から添加される場合など、その添加方法は任意で
ある。 【0015】 【作用】本発明のだ液および膵液中のリパーゼ活性阻害
作用を有するペクチンは、その有効な量を人または動物
に投与することで、肥満を予防し、さらには高脂血症、
動脈硬化の成因の1つである血液中の脂肪濃度の増加に
対し、こうした脂肪の腸管から体内(血液中)への吸収
を促進する消化酵素であるリパーゼの活性化を抑制ない
し阻害することにより、腸管での該脂肪の血液中への吸
収を遅延でき、血液中の脂肪濃度を安定化させることが
できるものである。 【0016】従って、本発明に用いられるペクチンとし
ては、柑橘類に広く存在することから、それらから抽
出、精製することができるものであれば特に限定される
ものではない。好ましくは、レモンやみかん、りんごな
ど天然物資源として安定して入手できる物より抽出、精
製されるものが挙げられる。 【0017】さらに、本発明で用いられるペクチンから
なる食品添加物質は各種食品、、例えば固形(粉末およ
び顆粒を含む)食品、半固形(ゲルを含む)食品、流体
食品(飲料品を含む)などに添加することができ、予め
食品原料と共に食品加工の段階で添加されてる場合や完
成食品中に後から添加される場合など、その添加方法は
任意である。 【0018】また本発明の膵液中のリパーゼ活性阻害飲
食品中の該ペクチンの添加量は、脂肪の摂取量により、
また高脂血症および動脈硬化の度合や体重、年齢、性別
等によっても異なるものであり、好ましくは使用に際し
て適当な量を対象者に応じて決めることが望ましい。 【0019】 【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。 【0020】実施例1 だ液および膵リパーゼ活性に対するペクチンの阻害作用
をみるために本発明においては分子量の異なる3種類の
ペクチンを使用した。すなわち低分子量ペクチン(分子
量約2万〜4万)、中分子量ペクチン(分子量約5万〜
15万)、高分子量ペクチン(分子量約80万)であ
る。 【0021】上記低分子量ペクチン及び中分子量ペクチ
ンは、市販ペクチンをペクチナーゼで限定分解すること
により得ることができる。 【0022】本発明に用いられるペクチンはその起源を
制限する物ではない。したがって一般に知られているレ
モンペクチンやりんごペクチンなど多くの果実由来のも
のを用いる事ができる。 【0023】ペクチンを限定分解し得られた低分子量ペ
クチン、中分子量ペクチンの分子量の測定はTSK−G
400PWによるゲル濾過によりメインピークを測定
し、プルラン(STANDARD P−82,昭和電
工)を標準試料として分子量を算出した。 【0024】これらペクチンのだ液および膵リパーゼ活
性に対する阻害作用の確認試験食品中の脂肪が胆汁酸や
リン脂質と共に形成した油滴(ミセル)に対して消化酵
素であるだ液および膵リパーゼが働くことから、該油滴
成分に相当する基質溶液として、中性脂肪の1種である
トリオレインを主成分とする下記表1に示す成分組成か
らなる溶液を超音波処理することで所望の基質溶液を調
製した。 【表1】 【0025】得られた基質溶液100μl、消化酵素で
あるだ液および膵リパーゼ0.1μgを含有してなる該
酵素溶液50μlおよびペクチンを適当に含有した溶液
50μlを混合し、37℃で30分間反応させた。この
際、ペクチン含有量を変化させた場合の豚及びラットの
膵リパーゼ活性、さらにラットのだ液リパーゼ活性を測
定した。得られた結果を、図1(豚の膵リパーゼ活
性)、図2(ラットの膵リパーゼ活性)および図3(ラ
ットのだ液リパーゼ活性)に示す。また、図4(豚の膵
リパーゼ活性)、図5(ラットの膵リパーゼ活性)およ
び図6(ラットのだ液リパーゼ活性)に、限定分解前の
ペクチンのリパーゼ活性を100としたの場合の分子量
別のリパーゼ活性を示す。 【0026】図1より、ペクチンが豚の膵リパーゼ、ラ
ットの膵リパーゼおよびだ液リパーゼの活性を抑制する
事が示された。さらに、豚の膵リパーゼ、ラットの膵リ
パーゼに対しては中分子量ペクチンがよりその活性を抑
制する事が示された。 【0027】 【発明の効果】本発明の中分子量ペクチンを含有してな
るだ液および膵液中のリパーゼ活性阻害作用を有する飲
食品においては、食品中の脂肪の胃および腸管からの吸
収を遅延させることにより、肥満の予防さらには高脂血
症、動脈硬化の予防に用いることのできるものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】豚の膵リパーゼ活性のペクチン濃度依存性を示
す図である。 【図2】ラットの膵リパーゼ活性のペクチン濃度依存性
を示す図である。 【図3】ラットのだ液リパーゼ活性のペクチン濃度依存
性を示す図である。 【図4】分子量別のペクチンに対する豚の膵リパーゼ活
性を示す図である。 【図5】分子量別のペクチンに対するラットの膵リパー
ゼ活性を示す図である。 【図6】分子量別のペクチンに対するラットのだ液リパ
ーゼ活性を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】 【提出日】平成14年4月1日(2002.4.1) 【手続補正2】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】全文 【補正方法】変更 【補正内容】 【書類名】 明細書 【発明の名称】リパーゼ活性阻害作用を有する中分子ペ
クチン含有飲食品 【目的】本発明は、食品中の脂肪の体内への吸収を阻害
するリパーゼ活性阻害作用を目的とするペクチンを配合
した飲食品を提供する。 【構成】リパーゼ活性阻害作用を目的とするペクチンを
配合した飲食品である。 【効果】食品中の脂肪の腸管からの吸収を遅延させるこ
とにより、生活習慣病、特に肥満を予防しさらには高脂
血症の出現を阻止し動脈硬化の予防に用いることのでき
るペクチン含有飲食品である。 【特許請求の範囲】 【請求項1】ペクチンを限定分解することによって得ら
れる5万から15万の中分子量ペクチンを用いた、リパ
ーゼ活性阻害作用を目的とする中分子ペクチン含有飲食
品。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、リパーゼ活性阻害作用
を目的とする5万から15万の中分子量ペクチンを含有
する飲食品に関する。 【0002】さらに詳述すれば、本発明は、食品中の脂
肪の腸管からの吸収を遅延させ、血液中の脂肪濃度の増
加を抑制することで肥満を予防し、さらには高脂血症お
よび動脈硬化の予防に用いることのできるだ液、膵液中
のリパーゼ活性阻害作用を目的とする中分子量ペクチン
を含有する飲食品に関するものである。 【0003】 【従来の技術】ペクチンは、ガラクツロン酸のポリマー
であるガラクツロナンを主成分とし、ラムノース、アラ
ビノース、キシロース、ガラクトースなどを微量に含む
分子量20万以上の多糖である。ペクチンは、未熟の果
実或いは植物体中でセルロースと結合して、プロトペク
チンという複合体の形で存在し、特に、柑橘類、リン
ゴ、かりん等に多量に含まれている。このプロトペクチ
ンは、不溶解性であるが、果実が成熟すると加水分解さ
れて可溶性のペクチン又はペクチン酸を生じる。 【0004】ペクチンに関しては近年、便通改善、胆石
形成の抑制効果、高血圧抑制効果、血中コレステロール
の上昇抑制効果など種々の効果があることが明らかにな
ってきている。 【0005】従って、ペクチンに肥満抑制効果があるこ
とも期待できるが、未だその予防効果があるという報告
はなされていない。 【0006】肥満は生活習慣病特に高脂血症、動脈硬化
等を誘発する危険因子であることが明らかにされてい
る。肥満は食品中の脂肪が腸管から吸収された後、脂肪
細胞に取り込まれ過剰に蓄積することが原因である。 【0007】ところで、食品中の脂肪は、そのままの形
では腸管から吸収されない。まず、胆汁中の胆汁酸やリ
ン脂質と共に小さな油滴(ミセル)を形成し、この油滴
に対してまず胃の中で消化酵素であるだ液中のリパーゼ
が働き、続いて腸の中で膵リパーゼが働き、脂肪酸とβ
−モノグリセリドあるいはグリセロールとなって初めて
カイロミクロン中に取り込まれて腸管から吸収される。
続いて脂肪酸とβ−モノグリセリドは主としてリンパ管
を通じて血液中へ運搬され、グリセロールは門脈へ移行
する。そこで、だ液リパーゼおよび膵リパーゼによる脂
肪の分解の過程を抑制することによって脂肪の分解が遅
れ、腸管からの吸収を遅延させることができるものであ
る。 【0008】また、同量の脂肪を含む食品を摂取した場
合、その腸管よりの吸収速度が血液中に出現する脂肪の
濃度を大きく左右する問題となる。例えば、脂肪が1時
間以内に吸収された場合と、3時間かけて吸収された場
合とでは、血液中に出現する脂肪の濃度は、3時間かけ
て吸収された場合において著しく低い値になり、それだ
け脂肪細胞へとりこまれる量を軽減できる。すなわち、
脂肪の腸管からの吸収をできるだけ遅らせることが肥満
予防につながり、ひいては高脂血症、動脈硬化の予防に
つながるものである。 【0009】しかしながら、こうした消化酵素であるだ
液リパーゼおよび膵リパーゼによる脂肪の分解過程でだ
液リパーゼおよび膵リパーゼの活性を抑制できる好適な
機能性物質は見出されていないのが現状である。 【0010】もちろん、今日までペクチンがだ液および
膵液中のリパーゼ活性を阻害するという報告はなされて
おらず、またその効果についてペクチンの分子量に言及
した報告はなされていない。 【0011】さらにペクチンは溶解性が低く、高粘度
で、ゲル化能が強いという性質を有しているため、ペク
チンの肥満防止効果を期待できる程度の量を飲食品に含
有させることは困難であった。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、食品中の脂
肪を胃および腸内で加水分解し、腸管からの吸収を促進
するだ液および膵液中のリパーゼの作用を抑制し、比較
的溶解性の高い中分子量ペクチンを含有する飲食品を提
供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、柑橘類やりん
ご等に含まれるペクチンが食品中の脂肪の腸管からの吸
収を阻害し、さらにそのペクチンを限定分解する事によ
り得られる比較的溶解性の高い中分子量ペクチンがより
その作用が強い事を見出した。 【0014】すなわち本発明の目的は、ペクチンを限定
分解する事により得られるだ液および膵液中のリパーゼ
活性阻害作用を有する比較的溶解性の高い中分子量ペク
チンを含有する飲食品により達成される。本発明で用い
られるリパーゼ活性阻害作用を有する中分子ペクチン含
有飲食品としては、固形(粉末や顆粒を含む)食品、半
固形(ゲルを含む)食品、ドリンク類を含む流体食品全
般を含む。さらには予め食品原料とともに食品加工の段
階で中分子量ペクチンが添加されている場合や完成食品
中に後から添加される場合など、その添加方法は任意で
ある。 【0015】 【作用】本発明のだ液および膵液中のリパーゼ活性阻害
作用を有するペクチンは、その有効な量を人または動物
に投与することで、肥満を予防し、さらには高脂血症、
動脈硬化の成因の1つである血液中の脂肪濃度の増加に
対し、こうした脂肪の腸管から体内(血液中)への吸収
を促進する消化酵素であるリパーゼの活性化を抑制ない
し阻害することにより、腸管での該脂肪の血液中への吸
収を遅延でき、血液中の脂肪濃度を安定化させることが
できるものである。 【0016】従って、本発明に用いられるペクチンとし
ては、柑橘類に広く存在することから、それらから抽
出、精製することができるものであれば特に限定される
ものではない。好ましくは、レモンやみかん、りんごな
ど天然物資源として安定して入手できる物より抽出、精
製されるものが挙げられる。 【0017】さらに、本発明で用いられるペクチンから
なる食品添加物質は各種食品、、例えば固形(粉末およ
び顆粒を含む)食品、半固形(ゲルを含む)食品、流体
食品(飲料品を含む)などに添加することができ、予め
食品原料と共に食品加工の段階で添加されてる場合や完
成食品中に後から添加される場合など、その添加方法は
任意である。 【0018】また本発明の膵液中のリパーゼ活性阻害飲
食品中の該ペクチンの添加量は、脂肪の摂取量により、
また高脂血症および動脈硬化の度合や体重、年齢、性別
等によっても異なるものであり、好ましくは使用に際し
て適当な量を対象者に応じて決めることが望ましい。 【0019】 【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。 【0020】実施例1 だ液および膵リパーゼ活性に対するペクチンの阻害作用
をみるために本発明においては分子量の異なる3種類の
ペクチンを使用した。すなわち低分子量ペクチン(分子
量約2万〜4万)、中分子量ペクチン(分子量約5万〜
15万)、高分子量ペクチン(分子量約80万)であ
る。 【0021】上記低分子量ペクチン及び中分子量ペクチ
ンは、市販ペクチンをペクチナーゼで限定分解すること
により得ることができる。 【0022】本発明に用いられるペクチンはその起源を
制限する物ではない。したがって一般に知られているレ
モンペクチンやりんごペクチンなど多くの果実由来のも
のを用いる事ができる。 【0023】ペクチンを限定分解し得られた低分子量ペ
クチン、中分子量ペクチンの分子量の測定はTSK−G
400PWによるゲル濾過によりメインピークを測定
し、プルラン(STANDARD P−82,昭和電
工)を標準試料として分子量を算出した。 【0024】これらペクチンのだ液および膵リパーゼ活
性に対する阻害作用の確認試験食品中の脂肪が胆汁酸や
リン脂質と共に形成した油滴(ミセル)に対して消化酵
素であるだ液および膵リパーゼが働くことから、該油滴
成分に相当する基質溶液として、中性脂肪の1種である
トリオレインを主成分とする下記表1に示す成分組成か
らなる溶液を超音波処理することで所望の基質溶液を調
製した。 【0025】得られた基質溶液100μl、消化酵素で
あるだ液および膵リパーゼ0.1μgを含有してなる該
酵素溶液50μlおよびペクチンを適当に含有した溶液
50μlを混合し、37℃で30分間反応させた。この
際、ペクチン含有量を変化させた場合の豚及びラットの
膵リパーゼ活性、さらにラットのだ液リパーゼ活性を測
定した。得られた結果を、図1(豚の膵リパーゼ活
性)、図2(ラットの膵リパーゼ活性)および図3(ラ
ットのだ液リパーゼ活性)に示す。また、図4(豚の膵
リパーゼ活性)、図5(ラットの膵リパーゼ活性)およ
び図6(ラットのだ液リパーゼ活性)に、限定分解前の
ペクチンのリパーゼ活性を100としたの場合の分子量
別のリパーゼ活性を示す。 【0026】図1より、ペクチンが豚の膵リパーゼ、ラ
ットの膵リパーゼおよびだ液リパーゼの活性を抑制する
事が示された。さらに、豚の膵リパーゼ、ラットの膵リ
パーゼに対しては中分子量ペクチンがよりその活性を抑
制する事が示された。 【0027】 【発明の効果】本発明の中分子量ペクチンを含有してな
るだ液および膵液中のリパーゼ活性阻害作用を有する飲
食品においては、食品中の脂肪の胃および腸管からの吸
収を遅延させることにより、肥満の予防さらには高脂血
症、動脈硬化の予防に用いることのできるものである。 【図面の簡単な説明】 【図1】豚の膵リパーゼ活性のペクチン濃度依存性を示
す図である。 【図2】ラットの膵リパーゼ活性のペクチン濃度依存性
を示す図である。 【図3】ラットのだ液リパーゼ活性のペクチン濃度依存
性を示す図である。 【図4】分子量別のペクチンに対する豚の膵リパーゼ活
性を示す図である。 【図5】分子量別のペクチンに対するラットの膵リパー
ゼ活性を示す図である。 【図6】分子量別のペクチンに対するラットのだ液リパ
ーゼ活性を示す図である。 【手続補正3】 【補正対象書類名】図面 【補正対象項目名】全図 【補正方法】変更 【補正内容】 【図1】 【図2】 【図3】 【図4】 【図5】 【図6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/10 A61P 43/00 111 43/00 111 C08B 37/06 C08B 37/06 A23L 2/00 F (72)発明者 濱田 聡 愛媛県越智郡波方町樋口甲1473−1−202 (72)発明者 菊池 伸哉 愛媛県今治市片山2丁目5−38−105 (72)発明者 藤井 芳和 愛媛県今治市南高下町3丁目3−48−211 (72)発明者 野村 亜弥 愛媛県今治市東鳥生町2丁目6−12−201 Fターム(参考) 4B017 LC03 LK13 LL09 4B018 LB08 MD39 ME01 ME14 MF12 4C086 AA01 AA02 EA20 GA17 MA01 MA04 MA52 NA11 NA14 ZA45 ZA70 ZC20 ZC33 4C090 AA09 BA50 BB32 BB36 BB52 BC08 BD37 DA23 DA27

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】ペクチンを限定分解することによって得ら
    れる5万から15万の中分子量ペクチンを用いた、リパ
    ーゼ活性阻害作用を目的とする中分子ペクチン含有飲食
    品。
JP2002033225A 2002-01-05 2002-01-05 リパーゼ活性阻害作用を有する中分子ペクチン含有飲食品 Pending JP2003199534A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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