JP2003197510A - 収差測定装置、収差測定方法、光学系、および、露光装置 - Google Patents

収差測定装置、収差測定方法、光学系、および、露光装置

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JP2003197510A
JP2003197510A JP2001397966A JP2001397966A JP2003197510A JP 2003197510 A JP2003197510 A JP 2003197510A JP 2001397966 A JP2001397966 A JP 2001397966A JP 2001397966 A JP2001397966 A JP 2001397966A JP 2003197510 A JP2003197510 A JP 2003197510A
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light
optical system
aberration
moving
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JP2001397966A
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Hisashi Shiozawa
久 塩澤
Mikihiko Ishii
幹彦 石井
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Nikon Corp
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学系の像面における走査対象エリアが広く
かつ走査点数が多い場合でも、短時間にかつ空気ゆらぎ
の影響を受けることもなく、光学系の歪曲収差やその他
の収差を精度良く測定できる装置などを提供する。 【解決手段】 被検光学系10aの像面において複数の
開口部の像と複数の光選択部との相対位置を変化させる
移動手段16と、複数の像のうち複数の光選択部と重な
り合う部分の光を選択し、選択された光を光選択部ごと
に同時に受光する手段15と、上記した相対位置の変化
量を非接触で測定する測定手段17とを備える。上記の
移動手段は、複数の光選択部の配列範囲より狭い範囲内
で、開口部の像と光選択部との相対位置を各々変化させ
る。上記の測定手段は、移動対象物との距離を上記の狭
い範囲に応じた微小距離以内に保ちながら測定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検光学系の収差
を測定する収差測定装置、収差測定方法、該装置または
方法を用いて収差が測定された光学系、および、該光学
系を用いた露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、半導体素子や液晶表示素
子などを製造する際のリソグラフィ工程では、露光装置
が用いられる。露光装置は、レジストが塗布されたウエ
ハまたはガラスプレートなどの基板上に、投影光学系を
介して、マスクまたはレチクルに形成されたパターンを
転写するための装置である。このような露光装置には、
いわゆるステッパなどの静止露光型の装置や、いわゆる
スキャニング・ステッパなどの走査露光型の装置があ
る。
【0003】また、露光装置の投影光学系は、レチクル
などに形成されたパターンを基板上に高い解像力で忠実
に投影するために、諸収差が十分に抑制された良好な光
学特性を持つように設計される。しかし、設計どおりに
投影光学系を製造することは困難である。このため、実
際に製造された投影光学系には、様々な要因によって諸
収差が残存してしまう。
【0004】特に、露光装置の投影光学系では、歪曲収
差(ディストーション)が残存すると、微細加工パター
ンの形状が歪んだり位置ずれを生じてしまい、精度の良
い微細パターンの転写が困難になる。一般に、投影光学
系の歪曲収差は、数nm程度に抑えることが望まれる。
そして、投影光学系の歪曲収差を調整して抑制するため
には、歪曲収差を高精度で測定することが必須である。
【0005】従来の歪曲収差の測定は、被検光学系であ
る投影光学系の像面に、レチクルなどに形成された測定
用パターンの像を形成しておき、その像を走査すること
により行われる(例えば特許1968409号公報)。
測定用パターンの像の走査には、スリットと光電変換素
子とを1つずつ備えた受光器と、この受光器を移動させ
るXYテーブルと、このXYテーブルの移動量を測定す
るレーザ測長機とが用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術では、投影光学系の像面において測定用パタ
ーンの像を1点ごとに順次に走査するため、走査対象の
エリアが広くかつ走査点数が多い場合(例えば、投影光
学系の歪曲収差を露光エリア全面で高精度に測定する場
合など)には、測定時間が非常に長く掛かってしまう。
さらに、測定時間が長いと、測定中に装置や投影光学系
がドリフトを起こしてしまい、結果として、投影光学系
の歪曲収差に関する高精度な測定結果を得ることができ
ない。
【0007】また、投影光学系の像面において測定用パ
ターンの像を1点ごとに順次に走査するためには、予
め、XYステージとレーザ測長機との間に、少なくとも
走査対象エリアと同程度の広い測長空間を確保しておか
なければならない。このため、広い測長空間における空
気ゆらぎに起因して、レーザ測長機の測定誤差が増大す
る。つまり、XYテーブルの移動量の測定誤差が増大す
る。したがって、投影光学系の歪曲収差に関する高精度
な測定結果を得ることができない。
【0008】なお、このような問題は、投影光学系の歪
曲収差を測定する場合のみに限らず、その他の一般的な
光学系の歪曲収差を測定する場合にも、同様に発生す
る。本発明の目的は、光学系の像面における走査対象エ
リアが広くかつ走査点数が多い場合でも、短時間にかつ
空気ゆらぎの影響を受けることもなく、光学系の歪曲収
差やその他の収差を精度良く測定できる収差測定装置、
収差測定方法、光学系、および露光装置を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の収差測
定装置は、2次元配列された複数の開口部を有し、前記
複数の開口部の各々から被検光学系に向けて光を射出す
る射出手段と、前記複数の開口部から射出された前記光
によって前記被検光学系の像面に形成される前記複数の
開口部の像を個別に走査する走査手段とを備える。さら
に、前記走査手段は、前記射出手段における前記複数の
開口部の配列に対応して前記像面に2次元配列された複
数の光選択部を有し、前記像面に形成された前記複数の
像のうち前記複数の光選択部と重なり合う部分の光を選
択する選択手段と、前記選択手段によって選択された前
記重なり合う部分の光を各々の光選択部ごとに同時に受
光する受光手段と、前記射出手段の複数の開口部と前記
選択手段の複数の光選択部との少なくとも一方を移動さ
せることにより、前記像面において、前記複数の像と前
記複数の光選択部との相対位置を変化させる移動手段
と、前記移動手段による移動対象物の移動量を非接触で
測定することにより、前記複数の像と前記複数の光選択
部との相対位置の変化量を求める非接触測定手段とを含
む。加えて、前記移動手段は、前記選択手段の複数の光
選択部が2次元配列された範囲より狭い範囲内で、前記
複数の像の各々と前記複数の光選択部の各々との相対位
置を変化させる手段であり、前記非接触測定手段は、前
記移動対象物の近傍において、前記移動対象物との距離
を前記狭い範囲に応じた微小距離以内に保ちながら、前
記移動対象物の移動量を測定する手段である。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の収差測定装置において、前記複数の光選択部が、光を
選択的に透過させる複数の光透過部であり、前記選択手
段が、前記複数の光透過部が前記射出手段における前記
複数の開口部に対応して形成された遮光膜であり、前記
遮光膜が、前記受光手段の受光面側に一体形成され、前
記受光手段が、前記遮光膜に形成された前記複数の光透
過部からの光を各々の光透過部ごとに同時に受光するも
のである。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の収差測定装置において、前記移動手段が、前記受光手
段と共に前記遮光膜を移動させることにより、前記像面
における前記複数の光透過部の位置を変化させるもので
ある。請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の収差
測定装置において、前記複数の光選択部が、光を選択的
に透過させる複数の光透過部であり、前記選択手段が、
前記複数の光透過部が前記射出手段における前記複数の
開口部に対応して形成されたマスク部材であり、前記受
光手段が、前記マスク部材に形成された前記複数の光透
過部からの光を再結像するリレーレンズを含み、該リレ
ーレンズからの光を各々の光透過部ごとに同時に受光す
るものである。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の収差測定装置において、前記移動手段が、前記マスク
部材を移動させることにより、前記像面における前記複
数の光透過部の位置を変化させるものである。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
の収差測定装置において、前記複数の光選択部が、光を
選択的に反射させる複数の光反射部であり、前記選択手
段が、前記複数の光反射部が前記射出手段における前記
複数の開口部に対応して形成されたマスク部材であり、
前記射出手段と前記被検光学系との間に、前記マスク部
材に形成された前記複数の光反射部から前記被検光学系
を介して得られた光を反射させると共に、前記射出手段
の複数の開口部から射出された光を透過させる光学部材
が配置され、前記受光手段が、前記マスク部材に形成さ
れた前記複数の光反射部から前記被検光学系と前記光学
部材とを介して得られた光を各々の光反射部ごとに同時
に受光するものである。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の収差測定装置において、前記移動手段が、前記マスク
部材を移動させることにより、前記像面における前記複
数の光反射部の位置を変化させるものである。請求項8
に記載の発明は、請求項1から請求項7の何れか1項に
記載した収差測定装置において、前記移動手段により前
記移動対象物を移動させながら、前記受光手段による受
光と前記非接触測定手段による測定とを同時に行い、前
記複数の像と前記複数の光選択部との相対位置の変化量
に対する前記重なり合う部分の光の受光量を求めること
で、前記複数の像の光強度分布を各々検出する分布検出
手段をさらに備えたものである。
【0015】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
の収差測定装置において、前記射出手段の複数の開口部
が、各々、孤立パターンを含み、前記被検光学系の像面
に、複数の孤立パターン像が形成され、前記分布検出手
段が、前記複数の孤立パターン像の光強度分布を各々検
出する。そしてさらに、前記分布検出手段によって検出
された前記複数の光強度分布の各々の重心位置を算出す
ると共に、得られた各々の重心位置に基づいて、前記被
検光学系の歪曲収差を算出する算出手段を備えたもので
ある。
【0016】請求項10に記載の発明は、請求項8に記
載の収差測定装置において、前記射出手段の複数の開口
部が、各々、周期パターンを含み、前記被検光学系の像
面に、複数の周期パターン像が形成され、前記選択手段
の複数の光選択部が、各々、前記周期パターン像の周期
より幅の狭い孤立パターンであり、前記移動手段が、前
記移動対象物を前記被検光学系の光軸方向に移動させる
ことにより前記周期パターン像のフォーカス状態を調整
する調整手段を含み、前記分布検出手段が、異なる複数
の前記フォーカス状態の各々において、前記複数の周期
パターン像の光強度分布を各々検出する。そしてさら
に、前記分布検出手段によって検出された前記複数の光
強度分布の各々のコントラストを算出すると共に、得ら
れた各々のコントラストに基づいて、前記被検光学系の
像面湾曲を算出する算出手段を備えたものである。
【0017】請求項11に記載の発明は、請求項8に記
載の収差測定装置において、前記射出手段の複数の開口
部が、各々、第1周期パターンと、該第1周期パターン
より周期の小さい第2周期パターンとを含み、前記被検
光学系の像面に、複数の第1周期パターン像と複数の第
2周期パターン像とが形成され、前記選択手段の複数の
光選択部が、各々、前記第2周期パターン像の周期より
幅の狭い孤立パターンであり、前記移動手段が、前記移
動対象物を前記被検光学系の光軸方向に移動させること
により前記第1周期パターン像および前記第2周期パタ
ーン像のフォーカス状態を調整する調整手段を含み、前
記分布検出手段が、異なる複数の前記フォーカス状態の
各々において、前記複数の第1周期パターン像および前
記複数の第2周期パターン像の光強度分布を各々検出す
る。そしてさらに、前記分布検出手段によって検出され
た前記複数の光強度分布の各々のコントラストを算出す
ると共に、得られた各々のコントラストに基づいて、前
記被検光学系の球面収差を算出する算出手段を備えたも
のである。
【0018】請求項12に記載の発明は、請求項8から
請求項11の何れか1項に記載した収差測定装置におい
て、前記非接触測定手段が、前記被検光学系の光軸方向
に対して垂直な第1方向に関する前記移動対象物の移動
量を1箇所で測定する第1測定部と、前記光軸方向およ
び前記第1方向に垂直な第2方向に関する前記移動対象
物の移動量を2箇所で測定する第2測定部とを含み、前
記分布検出手段が、前記第1測定部および前記第2測定
部による測定結果を用いて前記移動対象物の前記光軸方
向を中心とした回転量を求め、得られた回転量に基づい
て前記移動対象物の移動量を補正し、補正後の移動量を
用いて前記光強度分布を検出するものである。
【0019】請求項13に記載の収差測定方法は、2次
元配列された複数の開口部の各々から被検光学系に向け
て光を射出し、該光によって前記被検光学系の像面に形
成される前記複数の開口部の像を個別に走査することに
より、前記被検光学系の収差を測定する方法であって、
前記複数の開口部の配列に対応して前記像面に2次元配
列された複数の光選択部と前記複数の開口部との少なく
とも一方を移動させることにより、前記像面において、
前記複数の像と前記複数の光選択部との相対位置を変化
させる移動工程を行いながら、前記像面に形成された前
記複数の像のうち前記複数の光選択部と重なり合う部分
の光を選択し、選択された前記重なり合う部分の光を各
々の光選択部ごとに同時に受光する受光工程と、前記移
動工程における移動対象物の移動量を非接触で測定する
ことにより、前記複数の像と前記複数の光選択部との相
対位置の変化量を求める測定工程とを同時に行うもので
ある。さらに、前記移動工程は、前記複数の光選択部が
2次元配列された範囲より狭い範囲内で、前記複数の像
の各々と前記複数の光選択部の各々との相対位置を変化
させる工程であり、前記測定工程は、前記移動対象物の
近傍において、前記移動対象物との距離を前記狭い範囲
に応じた微小距離以内に保ちながら、前記移動対象物の
移動量を測定する工程である。
【0020】請求項14に記載の発明は、請求項13に
記載の収差測定方法において、前記受光工程によって得
られる前記重なり合う部分の光の受光量と、前記測定工
程によって得られる前記複数の像と前記複数の光選択部
との相対位置の変化量とに基づいて、前記複数の像の光
強度分布を各々検出する分布検出工程をさらに備えたも
のである。
【0021】請求項15に記載の発明は、請求項14に
記載の収差測定方法において、前記複数の開口部の各々
に、孤立パターンが含まれ、前記被検光学系の像面に、
複数の孤立パターン像が形成されたとき、前記分布検出
工程では、前記複数の孤立パターン像の光強度分布を各
々検出する。そしてさらに、前記分布検出工程によって
検出された前記複数の光強度分布の各々の重心位置を算
出すると共に、得られた各々の重心位置に基づいて、前
記被検光学系の歪曲収差を算出する算出工程を備えたも
のである。
【0022】請求項16に記載の発明は、請求項14に
記載の収差測定方法において、前記複数の開口部の各々
に、周期パターンが含まれ、前記被検光学系の像面に、
複数の周期パターン像が形成されたとき、前記受光工程
では、前記周期パターン像の周期より幅の狭い孤立パタ
ーンを前記複数の光選択部の各々として用いることで、
前記重なり合う部分の光を受光し、前記移動工程は、前
記移動対象物を前記被検光学系の光軸方向に移動させる
ことにより前記周期パターン像のフォーカス状態を調整
する調整工程を含み、前記分布検出工程では、異なる複
数の前記フォーカス状態の各々において、前記複数の周
期パターン像の光強度分布を各々検出する。そしてさら
に、前記分布検出工程によって検出された前記複数の光
強度分布の各々のコントラストを算出すると共に、得ら
れた各々のコントラストに基づいて、前記被検光学系の
像面湾曲を算出する算出工程を備えたものである。
【0023】請求項17に記載の発明は、請求項14に
記載の収差測定方法において、前記複数の開口部の各々
に、第1周期パターンと、該第1周期パターンより周期
の小さい第2周期パターンとが含まれ、前記被検光学系
の像面に、複数の第1周期パターン像と複数の第2周期
パターン像とが形成されたとき、前記受光工程では、前
記第2周期パターン像の周期より幅の狭い孤立パターン
を前記複数の光選択部の各々として用いることで、前記
重なり合う部分の光を受光し、前記移動工程は、前記移
動対象物を前記被検光学系の光軸方向に移動させること
により前記第1周期パターン像および前記第2周期パタ
ーン像のフォーカス状態を調整する調整工程を含み、前
記分布検出工程では、異なる複数の前記フォーカス状態
の各々において、前記複数の第1周期パターン像および
前記複数の第2周期パターン像の光強度分布を各々検出
する。そしてさらに、前記分布検出工程によって検出さ
れた前記複数の光強度分布の各々のコントラストを算出
すると共に、得られた各々のコントラストに基づいて、
前記被検光学系の球面収差を算出する算出工程を備えた
ものである。
【0024】請求項18に記載の光学系は、請求項1か
ら請求項12の何れか1項に記載の収差測定装置により
収差が測定され、該収差を加味して製造されたものであ
る。請求項19に記載の光学系は、請求項13から請求
項17の何れか1項に記載の収差測定方法により収差が
測定され、該収差を加味して製造されたものである。請
求項20に記載の露光装置は、露光光を基板に照射する
ことにより、所定のパターンを前記基板に転写する露光
装置であって、前記露光光の光路上に配置される投影光
学系として請求項18または請求項19に記載の光学系
を用いたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
形態を詳細に説明する。 (第1実施形態)本発明の第1実施形態は、請求項1〜請
求項3,請求項8,請求項9,請求項12〜請求項15に
対応する。
【0026】第1実施形態の収差測定装置10は、図1
に示すように、被検光学系である投影光学系10aの上
方に、照明光学系11と重ね合わせ光学系12とレチク
ル13とレチクルステージ14とが配置され、投影光学
系10aの下方に、受光センサ15とスキャンステージ
16と位置センサ17とアライメントステージ18とが
配置され、投影光学系10aの評価に用いられる。ま
た、受光センサ15と位置センサ17には、信号処理装
置19が接続されている。なお、照明光学系11の前段
には、不図示の光源が配置されている。
【0027】以下の説明において、投影光学系10aの
光軸方向を「Z方向」とし、Z方向に垂直で紙面にも垂
直な方向(第1方向)を「X方向」とし、Z方向および
X方向に垂直な方向(第2方向)を「Y方向」とする。
また、Z方向を中心とした回転方向を「θ方向」とす
る。照明光学系11は、光源(不図示)から射出された光
をレチクル13に導き、このレチクル13をほぼ均一な
照度で照明するための光学系である。重ね合わせ光学系
12は、レチクル13上のアライメントマーク(不図示)
と受光センサ15上のアライメントマーク(不図示)とを
重ねて観察するための光学系である。受光センサ15上
のアライメントマークは、レチクル13と投影光学系1
0aとを介して観察される。
【0028】次に、レチクル13について説明する。レ
チクル13には、上記したアライメントマーク(不図示)
の他、図2(a)に示す矩形領域13a内に、図2(b)に
示す歪曲収差測定用パターン20が形成されている。図
2(b)は、矩形領域13a内の一部分13bを拡大した
図である。歪曲収差測定用パターン20は、XY平面内
でマトリクス状に2次元配列された多数(N個)の開口パ
ターン21,21,…からなる。多数の開口パターン2
1,21,…の配列および間隔は、予め精密に定められて
いる。開口パターン21は、請求項の「開口部」に対応
する。
【0029】さらに、各々の開口パターン21は、Y方
向に細長い矩形状の孤立パターン22と、X方向に細長
い矩形状の孤立パターン23とで構成されている。ちな
みに、Y方向に細長い孤立パターン22はX方向の測定
に用いられ、X方向に細長い孤立パターン23はY方向
の測定に用いられる(詳細は後述する)。なお、レチク
ル13の各々の開口パターン21(孤立パターン22,
23)は、照明光学系11からの光を選択的に透過させ
る光透過部であり、それ以外の領域24(図2(b)の点
ハッチング部分)は遮光部となっている。
【0030】このため、照明光学系11からの光は、レ
チクル13の多数(N個)の開口パターン21(孤立パタ
ーン22,23)を透過して、各々の開口パターン21
(孤立パターン22,23)から投影光学系10aに向
けて射出する。レチクル13と照明光学系11とは、請
求項の「射出手段」に対応する。そして、レチクル13
の開口パターン21(孤立パターン22,23)からの
光は、投影光学系10aを透過した後、投影光学系10
aの像面に集光する。その結果、投影光学系10aの像
面には、図3(a),(b)に示すように、矩形領域10b
内に多数(N個)の開口パターン21の空間像21Aが形
成される。図3(b)は、矩形領域10b内の一部分10
cを拡大した図である。また、多数の空間像21Aの各
々には、孤立パターン22の空間像22Aと孤立パター
ン23の空間像23Aとが含まれている。空間像22
A,23Aは、請求項の「孤立パターン像」に対応す
る。
【0031】なお、多数(N個)の空間像21A(空間像
22A,23A)が形成される矩形領域10bは、投影
光学系10aの露光エリアに相当する。露光エリアの大
きさは、例えば9mm×26mmである。ここで、各々
の空間像21A(空間像22A,23A)の位置は、投
影光学系10aに歪曲収差がある場合、その歪曲収差の
影響を受けて基準位置からずれている(図3(b))。各
々の空間像21A(空間像22A,23A)の基準位置
は、図3(c)に点線で示す位置であり、投影光学系10
aの歪曲収差が零の理想的な場合に形成される空間像2
2B,23Bの位置に相当する。
【0032】詳細は後述するが、第1実施形態の収差測
定装置10は、投影光学系10aの像面における空間像
22AのX方向の位置ずれΔxと、空間像23AのY方
向の位置ずれΔyとに基づいて、投影光学系10aの歪
曲収差を測定する。この測定時、レチクル13は固定さ
れるため、投影光学系10aの像面における空間像22
A,23Aの位置が変化することはない。
【0033】ちなみに、投影光学系10aの像面におけ
る空間像22A,23Aの短手方向の幅は、例えば1μ
mである。また、上記した理想的な場合に形成される空
間像22B,23Bの隣り合う間隔D1,D2(図3(b)
参照)は、例えば0.5mmである。次に、レチクルス
テージ14(図1)について説明する。レチクルステー
ジ14は、上記のレチクル13をXYθ方向に移動可能
に保持している。レチクルステージ14によるレチクル
13の移動は、重ね合わせ光学系12を用いたアライメ
ント時に行われる。
【0034】次に、受光センサ15について説明する。
受光センサ15には、上記したアライメントマーク(不
図示)の他、図4(a)に示す矩形領域15a内に、図4
(b)に示す光選択用パターン30が形成されている。図
4(b)は、矩形領域15a内の一部分15bを拡大した
図である。受光センサ15の矩形領域15aは、投影光
学系10aの露光エリア(像面の矩形領域10b(図3
(a)))とほぼ同じ大きさ(例えば9mm×26mm)
である。受光センサ15は、矩形領域15aが投影光学
系10aの露光エリア(矩形領域10b)とほぼ一致する
ように配置される。このとき、光選択用パターン30
は、投影光学系10aの露光エリア(矩形領域10b)内
に形成されている。
【0035】光選択用パターン30は、図4(a),(b)
に示すように、マトリクス状に2次元配列された多数
(N個)の開口パターン31,31,…からなる。多数の開
口パターン31,31,…の配列および間隔は、上記した
レチクル13の開口パターン21(図2(b))の配列およ
び間隔に対応するように、予め精密に定められている。
開口パターン31は、請求項の「光選択部」,「光透過
部」に対応する。
【0036】さらに、各々の開口パターン31は、Y方
向に細長い矩形状の孤立パターンである受光スリット3
2と、X方向に細長い矩形状の孤立パターンである受光
スリット33とで構成されている。ちなみに、Y方向に
細長い受光スリット32はX方向の測定に用いられ、X
方向に細長い受光スリット33はY方向の測定に用いら
れる(詳細は後述する)。
【0037】ここで、受光センサ15の矩形領域15
a、つまり、投影光学系10aの露光エリア(図3(a)
の矩形領域10b)内における開口パターン31(受光
スリット32,33)の配列および間隔について、具体
的に説明する。受光センサ15の受光スリット32,3
3は、投影光学系10aの歪曲収差が零の理想的な場合
に像面に形成される空間像22B,23B(図3(c)の
点線参照)と配列および間隔が同じである。すなわち、
受光スリット32,33の隣り合う間隔D3,D4(図4
(b))は、空間像22B,23Bの隣り合う間隔D1,D
2(図3(b))と同じであり、例えば0.5mmであ
る。
【0038】換言すると、受光センサ15の受光スリッ
ト32,33は、投影光学系10aの歪曲収差が零でな
い場合に形成される空間像22A,23A(図3(b),
(c))の位置ずれの基準位置と同じ配列および間隔で形
成されている。なお、受光スリット32,33の短手方
向の幅は、空間像22A,23A(22B,23B)の短手
方向の幅(例えば1μm)より狭く、例えば0.5μm
である。
【0039】上記のような多数の開口パターン31(受
光スリット32,33)は、光を選択的に透過させる光
透過部であり、図4(c)に示すように、遮光膜34に形
成されている。また、遮光膜34は、受光センサ15の
受光面15a側に、蒸着によって一体形成されている。
この遮光膜34は、請求項の「選択手段」に対応する。
さらに、受光センサ15には、その受光面15aに、多
数(N個)の受光部35,35,…が2次元配列されてい
る。多数の受光部35,35,…の各々は、遮光膜34の
多数の開口パターン31(受光スリット32,33)の
各々に対応させてある。多数の受光部35,35,…は、
請求項の「受光手段」に対応する。
【0040】上記のように構成された受光センサ15で
は、投影光学系10aからの光を遮光膜34に形成され
た多数(N個)の開口パターン31(受光スリット32,
33)によって選択的に透過し、選択された光を多数の
受光部35,35,…によって同時に受光する。受光セン
サ15の各々の受光部35,35,…における受光量は、
各々、受光量信号として信号処理装置19(図1)に出
力される。
【0041】ちなみに、受光センサ15の遮光膜34に
形成された多数の開口パターン31(受光スリット3
2,33)によって選択される光は、受光センサ15の
矩形領域15a(つまり投影光学系10aの露光エリ
ア)に形成された多数の空間像21A(空間像22A,
23A)のうち、多数の開口パターン31(受光スリッ
ト32,33)と重なり合う部分の光である。
【0042】例えば、図5に示すように、空間像22A
と受光スリット32とが部分的に重なり合っている場
合、この重なり合う部分32s(図中の斜線ハッチング
部分)の光が受光スリット32によって選択され、後段
の受光部35(図4(c))へ向けて透過することにな
る。また、空間像22Aと受光スリット32とが重なり
合う部分32s(図5の斜線ハッチング部分)の大きさ
は、空間像22Aと受光スリット32との相対位置が変
化すると、その相対位置に応じて変化する。そして、重
なり合う部分32sの大きさが変化すると、重なり合う
部分32sの光(受光部35への透過光)の光量も変化
し、結果として、受光部35から信号処理装置19(図
1)に出力される受光量信号の大きさが変化することに
なる。
【0043】詳細は後述するが、第1実施形態の収差測
定装置10では、投影光学系10aの像面に形成された
空間像22A,23A(図3(b))と受光センサ15の受
光スリット32,33(図4(b))との相対位置を変化さ
せることにより、空間像22A,23A(図3(b))を個
別に走査し、各々の空間像22A,23Aの光強度分布
を検出する。そして、各々の空間像22A,23Aの位
置ずれΔx,Δy(図3(c))に基づいて、投影光学系1
0aの歪曲収差を測定する。
【0044】次に、スキャンステージ16について説明
する。スキャンステージ16は、図6に示すように、上
記の受光センサ15を保持するセンサホルダ41と、セ
ンサホルダ41をXY方向に移動可能に支持するステー
ジベース42とで構成されている。
【0045】また、スキャンステージ16において、セ
ンサホルダ41をXY方向に駆動するアクチュエータ
(不図示)には、例えばピエゾ素子が用いられる。ピエゾ
素子を用いた場合、スキャンステージ16のスキャンス
トロークは、最大15μm程度となる。スキャンステー
ジ16は、いわゆる微動ステージであり、請求項の「移
動手段」に対応する。
【0046】このスキャンステージ16によれば、セン
サホルダ41に保持された受光センサ15が移動対象物
としてXY方向に移動することになる。ただし、受光セ
ンサ15の移動範囲は、スキャンステージ16のスキャ
ンストローク(例えば15μm)に応じた狭い範囲に限
定され、当然、受光センサ15の矩形領域15a(例え
ば9mm×26mm)より狭い範囲である。
【0047】そして、センサホルダ41と共に受光セン
サ15がXY方向に移動すると、受光センサ15の矩形
領域15a内に形成された多数の受光スリット32,3
3(図4(b))の位置がXY方向に変化し、結果とし
て、投影光学系10aの像面では、多数の空間像22
A,23Aの各々(図3(b))と多数の受光スリット3
2,33の各々との相対位置が変化することになる。
【0048】次に、位置センサ17(図6(a))につい
て説明する。位置センサ17は、上記のスキャンステー
ジ16上に取り付けられた静電容量センサであり、支持
部材43を介してセンサホルダ41側に固定された移動
電極44と、支持部材45を介してステージベース42
側に固定された固定電極46とで構成されている。移動
電極44と固定電極46とは、互いに対向するように配
置されている。
【0049】この位置センサ17では、センサホルダ4
1側に固定された移動電極44が、同じくセンサホルダ
41に保持された受光センサ15と共に、スキャンステ
ージ16の移動対象物としてXY方向に移動する。この
ため、移動電極44の移動範囲は、上記した受光センサ
15の移動範囲と一致し、スキャンステージ16のスキ
ャンストローク(例えば15μm)に応じた狭い範囲に
限定される。
【0050】そして、センサホルダ41と共に移動電極
44が移動して、固定電極46との距離が僅かに変化す
ると、その静電容量が変化する。位置センサ17では、
静電容量の変化に基づいて、移動電極44(つまりセン
サホルダ41)のXY方向の移動量を非接触で測定する
ことができる。なお、移動電極44と固定電極46との
間の距離は、常に、スキャンステージ16のスキャンス
トローク(例えば15μm)に応じた狭い範囲と同程度
の微小距離以内に保たれている。つまり、位置センサ1
7の移動電極44と固定電極46とは、常に近傍に位置
するということができる。位置センサ17は、請求項の
「非接触測定手段」に対応する。
【0051】ここで、位置センサ17によって測定され
る移動電極44(つまりセンサホルダ41)のXY方向の
移動量とは、センサホルダ41に保持された受光センサ
15のXY方向の移動量に他ならず、さらに言えば、受
光センサ15の矩形領域15a内に形成された多数の受
光スリット32,33(図4(b))のXY位置の変化量
に他ならない。
【0052】また、収差測定装置10では、投影光学系
10aの歪曲収差を測定する際、投影光学系10aの像
面に形成された多数の空間像22A,23A(図3
(b))の位置が変化しないため、上記の受光スリット3
2,33(図4(b))のXY位置の変化量は、投影光学
系10aの像面における受光スリット32,33と空間
像22A,23Aとの相対位置の変化量を表している。
【0053】つまり、位置センサ17は、投影光学系1
0aの像面における受光スリット32,33と空間像2
2A,23Aとの相対位置の変化量を測定するセンサと
いうことができる。位置センサ17によって測定された
量(受光スリット32,33と空間像22A,23Aとの
相対位置の変化量)は、相対位置信号として信号処理装
置19(図1)に出力される。
【0054】また、位置センサ17は、図6(a)の矢印
Cで示すように、移動電極44と固定電極46の中心
(センサ中心)のZ位置が受光センサ15の表面のZ位
置と一致するように配置されている。受光センサ15の
表面のZ位置は、受光スリット32,33(図4(b))
のZ位置に対応している。このような配置により、受光
スリット32,33と空間像22A,23Aとの相対位置
の変化量を測定する際のアッベ誤差を除去することがで
きる。
【0055】さらに、第1実施形態の収差測定装置10
には、図6(b)に示すように、上記した位置センサ17
(図6(a))と同じ構成の位置センサが他に2つ設けら
れている(合計3つ)。図6(b)では、3つの位置セン
サ17を区別するため、各々に(1)〜(3)の符号を追加
した。上記した図6(a)の位置センサ17は、図6(b)
の位置センサ17(1)に対応している。この位置センサ
17(1)は、移動電極44と固定電極46とがY方向に
対向配置され、受光スリット32,33(図4(b))と空
間像22A,23A(図3(b))とのY方向に関する相対
位置の変化量を測定する。
【0056】同様に、位置センサ17(2)も、移動電極
44と固定電極46とがY方向に対向配置され、上記の
位置センサ17(1)とは異なるX位置で、受光スリット
32,33と空間像22A,23AとのY方向に関する相
対位置の変化量を測定する。これら2つの位置センサ1
7(1),(2)は、請求項の「第2測定部」に対応する。
一方、位置センサ17(3)は、移動電極44と固定電極
46とがX方向に対向配置され、受光スリット32,3
3と空間像22A,23AとのX方向に関する相対位置
の変化量を測定する。この1つの位置センサ17(3)
は、請求項の「第1測定部」に対応する。
【0057】そして、位置センサ17(1),(2)によっ
て2箇所で測定されたY方向の測定値(Y方向に関する
相対位置の変化量)と、位置センサ17(3)によって1
箇所で測定されたX方向の測定値(X方向に関する相対
位置の変化量)とは、各々、相対位置信号として信号処
理装置19(図1)に出力される。これら3つの相対位
置信号は、受光センサ15(受光スリット32,33)
のθ方向の回転成分を補正するためにも用いられる(後
述する)。
【0058】次に、アライメントステージ18(図1)
について説明する。アライメントステージ18は、上記
の受光センサ15,スキャンステージ16,位置センサ1
7をXYZ方向に移動可能に保持している。アライメン
トステージ18による移動は、重ね合わせ光学系12を
用いたアライメント時に行われる。また、アライメント
ステージ18には、チルト機構も設けられている。
【0059】最後に、信号処理装置19について説明す
る。第1実施形態の収差測定装置10を用いて投影光学
系10aの歪曲収差を測定する際、信号処理装置19に
は、受光センサ15からの受光量信号と位置センサ17
(1)〜17(3)からの相対位置信号とが同時に取り込ま
れる。受光センサ15からの受光量信号は、受光センサ
15の各々の受光部35(図4(c))における受光量を
表し、受光スリット32,33(図4(b))と空間像22
A,23A(図3(b))との相対位置が変化すると、その
大きさが変化する。一方、位置センサ17(1)〜17
(3)からの相対位置信号は、受光スリット32,33と
空間像22A,23AとのXY方向に関する相対位置の
変化量を表している。
【0060】そして、信号処理装置19による受光量信
号および相対位置信号の同時取り込みは、スキャンステ
ージ16(図6)によりセンサホルダ41をX方向また
はY方向に移動させながら、つまり、受光センサ15
(受光スリット32,33)と位置センサ17(1)〜1
7(3)の移動電極44とをX方向またはY方向に移動さ
せながら行われる。
【0061】また、例えばスキャンステージ16によっ
てセンサホルダ41をX方向に移動させる場合(X方向
走査)、受光スリット32,33(図4(b))と空間像2
2A,23A(図3(b))との相対位置関係は、図7(a)
に示すように、Y方向に細長い受光スリット32の各々
は空間像22Aの各々をX方向に横切ることが可能で、
X方向に細長い受光スリット33の各々は空間像23A
の各々を横切らないように、予めアライメントされる。
【0062】同様に、スキャンステージ16によってセ
ンサホルダ41をY方向に移動させる場合(Y方向走
査)、受光スリット32,33と空間像22A,23Aと
の相対位置関係は、図7(b)に示すように、X方向に細
長い受光スリット33の各々は空間像23Aの各々をY
方向に横切ることが可能で、Y方向に細長い受光スリッ
ト32の各々は空間像22Aの各々を横切らないよう
に、予めアライメントされる。
【0063】このようなアライメントは、上記した重ね
合わせ光学系12(図1)を用いて、レチクル13上の
アライメントマーク(不図示)と受光センサ15上のアラ
イメントマーク(不図示)とを重ねて観察し、その結果に
基づいてレチクルステージ14とアライメントステージ
18との少なくとも一方を調整することにより行われる
ラフアライメントである。
【0064】さて、ラフアライメント後のX方向走査
(図7(a))と並行して、受光センサ15からの受光量
信号と位置センサ17(1)〜17(3)からの相対位置信
号とを同時に信号処理装置19に取り込む場合について
説明する。この場合、受光センサ15からの受光量信号
は、受光スリット32によって選択された光(図5の重
なり合う部分32sの光)の光量に比例し、受光スリッ
ト32と空間像22AとのX方向の相対位置に応じて、
大きさが変化する。また、位置センサ17(3)からの相
対位置信号は、受光スリット32と空間像22AとのX
方向に関する相対位置の変化を表し、位置センサ(1),
(2)からの相対位置信号は、受光スリット32のθ方向
の回転成分を表している。
【0065】したがって、信号処理装置19では、ま
ず、位置センサ17(3)からの相対位置信号に基づいて
受光スリット32と空間像22AとのX方向の相対位置
を求め、位置センサ(1),(2)からの相対位置信号に基
づいて受光スリット32のθ方向の回転量を求め、得ら
れた回転量に基づいて上記X方向の相対位置を補正す
る。そして、補正後のX方向の相対位置と受光センサ1
5の各々の受光部35から得られる受光量信号の大きさ
(受光量)とを対応させることで、図8に示すように、
投影光学系10aの像面に形成された多数(N個)の空間
像22Aの各々の光強度分布を検出することができる
(分布検出手段)。
【0066】さらに、信号処理装置19では、多数(N
個)の空間像22Aの各々の光強度分布において重心位
置Xgを算出する(算出手段)。そして、得られた各々
の重心位置Xgと基準位置Xoとの差に基づいて、各々
の空間像22Aの位置ずれΔx(図3(c)も参照)を求
める。なお、ラフアライメント後のY方向走査(図7
(b))と並行して、受光センサ15からの受光量信号と
位置センサ17(1)〜17(3)からの相対位置信号とを
同時に信号処理装置19に取り込む場合についても同様
である。
【0067】この場合、受光センサ15からの受光量信
号は、受光スリット33によって選択された光の光量に
比例し、受光スリット33と空間像23AとのY方向の
相対位置に応じて、大きさが変化する。また、位置セン
サ(1),(2)からの相対位置信号は、受光スリット33
と空間像23AとのY方向に関する相対位置の変化を表
すと共に、受光スリット33のθ方向の回転成分を表し
ている。
【0068】したがって、信号処理装置19では、位置
センサ(1),(2)からの相対位置信号に基づいて、受光
スリット33と空間像23AとのY方向の相対位置を求
めると共に、受光スリット33のθ方向の回転量を求
め、得られた回転量に基づいて上記Y方向の相対位置を
補正する。そして、補正後のY方向の相対位置と受光セ
ンサ15の各々の受光部35から得られる受光量信号の
大きさ(受光量)とを対応させることで、投影光学系1
0aの像面に形成された多数(N個)の空間像23Aの各
々の光強度分布を検出することができる(図8参照)。
【0069】さらに、信号処理装置19では、多数(N
個)の空間像23Aの各々の光強度分布において重心位
置(Xg)を算出する。そして、得られた各々の重心位置
(Xg)と基準位置(Xo)との差に基づいて、各々の空間
像23Aの位置ずれΔy(図3(c))を求める。上記の
ように、第1実施形態の収差測定装置10では、投影光
学系10aの像面に形成された多数(N個)の空間像22
A,23Aの位置ずれΔx,Δyを各々測定することで、
各々の空間像22A,23Aの2次元的な位置ずれを測
定することができ、結果として、投影光学系10aの歪
曲収差を測定することができる。
【0070】さらに、第1実施形態の収差測定装置10
では、受光センサ15に設けられた多数(N個)の受光ス
リット32,33と受光部35とによって、投影光学系
10aの像面に形成された多数(N個)の空間像22A,
23Aを同時に走査するため、投影光学系10aの露光
エリア(図3(a)の矩形領域10b)の全面で高精度に
歪曲収差を測定する場合でも、非常に短い時間(従来の
1/N程度の時間)内に一括で測定し終えることができ
る。
【0071】したがって、第1実施形態の収差測定装置
10や投影光学系10aが測定中にドリフトすることは
なく、結果として、投影光学系10aの歪曲収差に関す
る高精度な測定結果を得ることができる。また、第1実
施形態の収差測定装置10によれば、各々の受光スリッ
ト32,33と受光部35とを用いて各々の空間像22
A,23Aを走査するため、スキャンステージ16とし
て、微小なスキャンストローク(例えば15μm)の微
動ステージを用いることができる。
【0072】これにより、受光センサ15の移動範囲だ
けでなく、位置センサ17の移動電極44の移動範囲
も、スキャンステージ16の微小なスキャンストローク
に応じた狭い範囲(当然、受光センサ15の矩形領域1
5aより狭い範囲)に限定することができる。
【0073】したがって、位置センサ17の固定電極4
6を常に移動電極44の近傍に位置させることができ、
移動電極44と固定電極46との間の距離を、スキャン
ステージ16の微小なスキャンストロークに応じた狭い
範囲と同程度の微小距離以内に保つことができる。この
ため、位置センサ17による測定時に空気ゆらぎの影響
を受けることはなく、受光スリット32,33(図4
(b))と空間像22A,23A(図3(b))との相対位置を
高精度に測定することができ、結果として、投影光学系
10aの歪曲収差に関する高精度な測定結果を得ること
ができる。
【0074】なお、上記した第1実施形態では、レチク
ル13に形成された歪曲収差測定用パターン20(図
2)の各々の開口パターン21を孤立パターン22,2
3によって構成したが、Y方向に細長い孤立パターン
(22)とX方向に細長い孤立パターン(23)とを各々2
本以上設けても良い。この場合、受光センサ15に形成
された光選択用パターン30(図4)の各々の開口パタ
ーン31においても、Y方向に細長い孤立パターン(3
2)とX方向に細長い孤立パターン(33)とを各々、レ
チクル13の孤立パターンの数に応じた数(2本以上)
だけ設ける必要がある。この構成によれば、レチクル1
3や受光センサ15の加工誤差を平均化することがで
き、測定精度がさらに向上する。
【0075】また、上記した第1実施形態では、歪曲収
差測定用パターン20(図2)の各々の開口パターン2
1をライン状の孤立パターン22,23によって構成し
たが、スポット状のパターンとすることもできる。この
場合、受光センサ15の光選択用パターン30(図4)
としてL字状のパターンを用いることもできる。さら
に、上記した第1実施形態では、投影光学系10aの像
面に形成された空間像22A,23Aの光強度分布(図
8参照)を検出するに当たって、受光スリット32,3
3と空間像22A,23AとのXY方向の相対位置を受
光スリット32,33のθ方向の回転成分によって補正
したが、さらに、レチクル13に形成された歪曲収差測
定用パターン20(図2)の開口パターン21の位置や
間隔のずれ(加工誤差)を用いて上記の相対位置を補正
することで、測定精度を向上させることができる。
【0076】また、3つの位置センサ17(1)〜(3)か
らの相対位置信号に基づいて受光スリット32,33の
θ方向の回転成分を抽出し、この結果(回転量)に基づ
いて、上記のレチクルステージ14とアライメントステ
ージ18との少なくとも一方をθ方向に調整し、ラフア
ライメントを再度行ってもよい。 (第2実施形態)次に、本発明の第2実施形態について説
明する。第2実施形態は、請求項1〜請求項3,請求項
8,請求項10,請求項12〜請求項14,請求項16に
対応する。
【0077】第2実施形態の収差測定装置は、上記した
歪曲収差測定用パターン20(図2(b))に代えて図9
に示す像面湾曲測定用パターン50を図2(a)に示すレ
チクル13の矩形領域13a内に形成し、さらに、上記
した光選択用パターン30(図4(b))に代えて図10
に示す光選択用パターン55を図4(a)に示す受光セン
サ15の矩形領域15a内に形成したものである。
【0078】第2実施形態の収差測定装置において、像
面湾曲測定用パターン50(図9)と光選択用パターン
55(図10)以外の構成は上記した第1実施形態の収
差測定装置10と同じであるため、ここでは、像面湾曲
測定用パターン50と光選択用パターン55について説
明し、その後で、第2実施形態の収差測定装置を用いた
投影光学系10aの像面湾曲の測定について説明する。
【0079】像面湾曲測定用パターン50(図9)は、
XY平面内でマトリクス状に2次元配列された多数(N
個)の周期パターン51,51,…からなる。各々の周期
パターン51は、図9(b)に示すように、Y方向に細長
い矩形状の開口パターン52がX方向に周期的に配列さ
れ、かつ、開口パターン52のX方向の線幅とピッチが
ほぼ等しいライン&スペースパターンである。多数の周
期パターン51,51,…の配列および間隔は、予め精密
に定められている。周期パターン51は、請求項の「開
口部」に対応する。
【0080】また、各々の周期パターン51(開口パタ
ーン52)は、照明光学系11からの光を選択的に透過
させる光透過部である。このため、照明光学系11から
の光は、各々の周期パターン51を透過して、投影光学
系10aに向けて射出する。そして、投影光学系10a
を透過し、投影光学系10aの像面に集光する。その結
果、投影光学系10aの像面において、露光エリアに相
当する矩形領域10b(図3(a))内には、多数(N個)
の周期パターン51の空間像53(図11)が形成され
る。この空間像53は、周期パターン51と同様のライ
ン&スペースパターンであり、線幅とピッチは共に例え
ば0.2μmである。以下、周期パターン51の空間像
53を「周期パターン像53」という。
【0081】一方、光選択用パターン55(図10)
は、XY平面内でマトリクス状に2次元配列された多数
(N個)の開口パターン56,56,…からなる。多数の開
口パターン56,56,…の配列および間隔は、上記した
周期パターン51(図9)の配列および間隔に対応するよ
うに、予め精密に定められている。なお、各々の開口パ
ターン56は、Y方向に細長い矩形状の孤立パターンで
あり、光を選択的に透過させる光透過部として遮光膜3
4(図4(c))に形成されている。開口パターン56
は、請求項の「光選択部」,「光透過部」に対応する。
【0082】上記のような光選択用パターン55が形成
された受光センサ15では、投影光学系10aからの光
を多数(N個)の開口パターン56によって選択的に透過
し、選択された光を多数の受光部35,35,…によって
同時に受光する。以下、開口パターン56を「受光スリ
ット56」という。ここで、受光スリット56のX方向
の幅は、図11に示すように、投影光学系10aの像面
に形成された周期パターン像53の周期T0(例えば
0.4μm)より狭くなるように設定されている(例え
ば0.2μm)。
【0083】次に、第2実施形態の収差測定装置を用い
た投影光学系10aの像面湾曲の測定について説明す
る。投影光学系10aの像面湾曲を測定する際にも、信
号処理装置19(図1)には、受光センサ15からの受
光量信号と、位置センサ17(1)〜17(3)からの相対
位置信号とが同時に取り込まれる。
【0084】また、信号処理装置19による受光量信号
および相対位置信号の同時取り込みは、スキャンステー
ジ16(図6)によりセンサホルダ41をX方向に移動
させながら、つまり、受光センサ15(図10の受光ス
リット56)と位置センサ17(1)〜17(3)の移動電
極44とをX方向に移動させながら行われる。この場
合、受光センサ15からの受光量信号は、受光スリット
56によって選択された光の光量に比例し、周期パター
ン像53(図11)と受光スリット56とのX方向の相
対位置に応じて、大きさが変化する。
【0085】また、位置センサ17(3)からの相対位置
信号は、受光スリット56と周期パターン像53とのX
方向に関する相対位置の変化を表し、位置センサ(1),
(2)からの相対位置信号は、受光スリット56のθ方向
の回転成分を表している。したがって、信号処理装置1
9では、まず、位置センサ17(3)からの相対位置信号
に基づいて受光スリット56と周期パターン像53との
X方向の相対位置を求め、位置センサ(1),(2)からの
相対位置信号に基づいて受光スリット56のθ方向の回
転量を求め、得られた回転量に基づいて上記X方向の相
対位置を補正する。
【0086】そして、補正後のX方向の相対位置と受光
センサ15の各々の受光部35から得られる受光量信号
の大きさ(受光量)とを対応させることで、図12に示
すように、多数(N個)の周期パターン像53の各々の光
強度分布を検出する(分布検出手段)。さらに、信号処
理装置19では、多数(N個)の周期パターン像53の各
々の光強度分布において、光強度変化の平均値C1と片
振幅値C2とを求め、周期パターン像53のコントラス
ト(=C2/C1)を算出する(算出手段)。
【0087】第2実施形態の収差測定装置を用いて、投
影光学系10aの像面湾曲を測定するに当たっては、上
記したスキャンステージ16による周期パターン像53
のX方向走査および信号処理装置19によるコントラス
ト(=C2/C1)の算出が、複数回(m回)繰り返して
行われる。また、周期パターン像53のX方向走査およ
びコントラスト(=C2/C1)の算出が1回終了するた
びに、アライメントステージ18(図1)による受光セ
ンサ15,スキャンステージ16,位置センサ17のZ方
向への移動が行われる。第2実施形態において、アライ
メントステージ18は、請求項の「調整手段」に対応す
る。
【0088】アライメントステージ18を用いたZ方向
への移動は、受光センサ15の矩形領域15a(図4
(a))内に形成された光選択用パターン55(図10)の
Z位置を変化させ、X方向走査の対象となる多数(N個)
の周期パターン像53のフォーカス状態を調整するため
に行われる。このように、第2実施形態の収差測定装置
では、受光センサ15の光選択用パターン55(図10)
のZ位置を変化させながら(Z1,Z2,…,Zm)、各
々のZ位置ごとに、多数(N個)の周期パターン像53の
X方向走査を行う(合計m回)。これにより、異なるm
種類のフォーカス状態の各々において、多数(N個)の周
期パターン像53がX方向に走査されたことになる。
【0089】そして、信号処理装置19では、m回のX
方向走査(Z1,Z2,…,Zm)の各々で得られた多数
(N個)の光強度分布(図12)において、コントラスト
(=C2/C1)を各々算出する。さらに、信号処理装置
19は、多数(N個)の周期パターン像53のうち1つに
注目し、この注目する周期パターン像53のコントラス
ト(=C2/C1)がZ位置の変化(Z1,Z2,…,Zm)
に伴って如何に変化するかを調べ、図13に示すような
コントラスト分布を検出する。なお、コントラスト分布
の検出は、多数(N個)の周期パターン像53の各々につ
いて行う。
【0090】次いで、信号処理装置19は、多数(N個)
の周期パターン像53の各々のコントラスト分布におい
て、コントラスト(=C2/C1)が最大となるZ位置
(Zc)を算出する(算出手段)。最大コントラストの
Z位置(Zc)は、ベストフォーカス位置に相当する。
ここで、Z位置(Zc)の算出は、各々のコントラスト
分布の中で、コントラスト(=C2/C1)が予め定めた
スライスレベルC3と一致するようなZ位置(Za,Z
b)を求め、得られたZ位置(Za,Zb)の中点を求
めることで行われる。つまり、この中点のZ位置を最大
コントラストのZ位置(Zc)とする。
【0091】次いで、信号処理装置19は、多数(N個)
の周期パターン像53の各々のコントラスト分布(図1
3)において求めた最大コントラストのZ位置(Zc)
を用いて、投影光学系10aの像面湾曲を算出する。つ
まり、最小二乗法でのフィッティングにより、まず、多
数(N個)の周期パターン像53の最大コントラストのZ
位置(Zc)を近似するような平面を仮想的像面として
求めて、次に、得られた仮想的像面と上記した各々のZ
位置(Zc)とのずれ量を求めることにより、得られた
各々のずれ量が投影光学系10aの像面湾曲として算出
される。なお、仮想的像面は、各々のずれ量の二乗和が
最小になる面に相当する。
【0092】上記した第2実施形態の収差測定装置で
は、受光センサ15に設けられた多数(N個)の受光スリ
ット56と受光部35とによって、投影光学系10aの
像面に形成された多数(N個)の周期パターン像53を同
時に走査するため、投影光学系10aの露光エリア(図
3(a)の矩形領域10b)の全面で高精度に像面湾曲を
測定する場合でも、非常に短い時間内に一括で測定し終
えることができる。
【0093】したがって、第2実施形態の収差測定装置
や投影光学系10aが測定中にドリフトすることはな
く、結果として、投影光学系10aの像面湾曲に関する
高精度な測定結果を得ることができる。また、第2実施
形態の収差測定装置によれば、各々の受光スリット56
と受光部35とを用いて各々の周期パターン像53を走
査するため、スキャンステージ16として、微小なスキ
ャンストローク(例えば15μm)の微動ステージを用
いることができる。
【0094】したがって、位置センサ17の固定電極4
6を常に移動電極44の近傍に位置させることができ、
移動電極44と固定電極46との間の距離を、スキャン
ステージ16の微小なスキャンストロークに応じた狭い
範囲(受光センサ15の矩形領域15aより狭い範囲)
と同程度の微小距離以内に保つことができる。このた
め、位置センサ17による測定時に空気ゆらぎの影響を
受けることはなく、受光スリット56と周期パターン像
53との相対位置を高精度に測定することができ、結果
として、投影光学系10aの像面湾曲に関する高精度な
測定結果を得ることができる。
【0095】なお、上記した第2実施形態の収差測定装
置では、投影光学系10aの像面湾曲の測定に限らず、
次のようなフォーカス調整を行うこともできる。つま
り、像面湾曲を算出する過程で求められた仮想的像面が
XY平面に対して傾いていた場合、アライメントステー
ジ18(図1)のチルト機構を用いて、受光センサ1
5,スキャンステージ16,位置センサ17を所定角度だ
けチルトさせ、図14に示す受光センサ15の表面15
c(受光スリット56の形成面)を上記の仮想的像面に
一体させることができる。
【0096】このとき、受光センサ15の表面15c
(受光スリット56の形成面)における多数(N個)の周
期パターン像53のフォーカス状態は、平均的に良好な
状態となる。したがって、第2実施形態の収差測定装置
を用いて上記のフォーカス調整を行った後で、第1実施
形態の収差測定装置10(図1)を用いて投影光学系1
0aの歪曲収差を測定することにより、歪曲収差の測定
精度をさらに向上させることができる。
【0097】(第3実施形態)次に、本発明の第3実施形
態について説明する。第3実施形態は、請求項1〜請求
項3,請求項8,請求項11〜請求項14,請求項17に
対応する。第3実施形態の収差測定装置は、上記の像面
湾曲測定用パターン50(図9)に代えて図15に示す
球面収差測定用パターン60を図2(a)に示すレチクル
13の矩形領域13a内に形成したものである。
【0098】第3実施形態の収差測定装置において、図
15に示す球面収差測定用パターン60以外の構成は上
記した第2実施形態の収差測定装置と同じであるため、
ここでは、球面収差測定用パターン60について説明
し、その後で、第3実施形態の収差測定装置を用いた投
影光学系10aの球面収差の測定について説明する。球
面収差測定用パターン60(図15)は、XY平面内で
マトリクス状に2次元配列された多数(N個)の周期パタ
ーン61,61,…と、同様に2次元配列された多数(N
個)の周期パターン62,62,…とからなる。
【0099】各々の周期パターン61は、図15(b)に
示すように、Y方向に細長い矩形状の開口パターン63
がX方向に周期的に配列され、かつ、開口パターン63
のX方向の線幅とピッチがほぼ等しいライン&スペース
パターンである。同様に、各々の周期パターン62は、
Y方向に細長い矩形状の開口パターン64がX方向に周
期的に配列され、かつ、開口パターン64のX方向の線
幅とピッチがほぼ等しいライン&スペースパターンであ
る。
【0100】また、第3実施形態では、周期パターン6
1の周期T1より周期パターン62の周期T2の方を小
さくした。これらの周期パターン61,62の配列およ
び間隔は、予め精密に定められている。周期パターン6
1は、請求項の「第1周期パターン」に対応する。周期
パターン62は「第2周期パターン」に対応する。
【0101】さらに、各々の周期パターン61(開口パ
ターン63)と周期パターン62(開口パターン64)
は、照明光学系11からの光を選択的に透過させる光透
過部である。このため、照明光学系11からの光は、各
々の周期パターン61,62を透過して、投影光学系1
0aに向けて射出する。そして、投影光学系10aを透
過し、投影光学系10aの像面に集光する。
【0102】その結果、投影光学系10aの像面におい
て、露光エリアに相当する矩形領域10b(図3(a))
内には、多数(N個)の周期パターン61の空間像65
(図16)が形成される。この空間像65は、周期パタ
ーン61と同様のライン&スペースパターンであり、線
幅とピッチは共に例えば0.5μmである。以下、周期
パターン61の空間像65を「周期パターン像65」と
いう。周期パターン像65は、請求項の「第1周期パタ
ーン像」に対応する。
【0103】また同時に、投影光学系10aの露光エリ
ア内には、多数(N個)の周期パターン62の空間像66
も形成される。この空間像66は、周期パターン62と
同様のライン&スペースパターンであり、線幅とピッチ
は共に例えば0.2μmである。以下、周期パターン6
2の空間像66を「周期パターン像66」という。周期
パターン像66は、請求項の「第2周期パターン像」に
対応する。
【0104】なお、上記の光選択用パターン55(図1
0)が形成された受光センサ15では、球面収差測定用
パターン60(図15)の周期パターン61,62の配
列および間隔に対応するように、多数(N個)の受光スリ
ット56,56,…が2次元配列されている。さらに、受
光スリット56のX方向の幅は、図16に示すように、
投影光学系10aの像面に形成された周期パターン像6
6の周期T3(例えば0.4μm)より狭くなるように
設定されている(例えば0.2μm)。
【0105】次に、第3実施形態の収差測定装置を用い
た投影光学系10aの球面収差の測定について説明す
る。第3実施形態の収差測定装置では、投影光学系10
aの球面収差を測定するに当たって、受光センサ15の
光選択用パターン55(図10)のZ位置を変化させなが
ら、各々のZ位置ごとに、多数(N個)の周期パターン像
65,66のX方向走査を行う(合計m回)。これによ
り、異なるm種類のフォーカス状態の各々において、多
数(N個)の周期パターン像65,66がX方向に走査さ
れたことになる。
【0106】さらに、信号処理装置19では、上記m回
のX方向走査の各々で得られる多数(N個)の周期パター
ン像65,66の光強度分布(図12参照)において、
コントラスト(=C2/C1)を各々算出する。そして、
信号処理装置19は、図17に示すように、多数(N個)
の周期パターン像65,66のコントラスト分布を各々
検出する。
【0107】次いで、信号処理装置19は、多数(N個)
の周期パターン像65の各々のコントラスト分布におい
て、コントラスト(=C2/C1)が最大となるZ位置(Z
c1)を算出し、多数(N個)の周期パターン像66の各々
のコントラスト分布において、コントラスト(=C2/C
1)が最大となるZ位置(Zc2)を算出する(算出手
段)。最大コントラストのZ位置(Zc1,Zc2)は、
各々、ベストフォーカス位置に相当する。
【0108】図17に例示したように、周期パターン像
65が最大コントラストとなるZ位置(Zc1)と、周期
パターン像66が最大コントラストとなるZ位置(Zc
2)とが異なる場合、信号処理装置19は、2つのZ位置
(Zc1,Zc2)の差(ΔZc)に基づいて、投影光学系1
0aの球面収差を算出する。ここで、2つのZ位置(Z
c1,Zc2)の差(ΔZc)を球面収差に換算する方法につ
いて説明する。
【0109】一般に、レチクル13に形成された細い周
期パターン(62)を透過した光は、図18に示すよう
に、回折角が大きい1次回折光a,a'と0次回折光cと
に分離され、投影光学系(不図示)の瞳面10dを通過し
た後、互いに干渉してA位置に周期パターン像(66)を
形成する。A位置は、図17のZ位置(Zc1)に対応す
る。
【0110】一方、太い周期パターン(61)を透過した
光は、回折角が小さい1次回折光b,b'と0次回折光c
とに分離され、瞳面10dを通過した後、互いに干渉し
てB位置に周期パターン像(65)を形成する。B位置
は、図17のZ位置(Zc2)に対応する。上記した2種
類の周期パターン(62,61)を透過した光の経路を比
較すると、回折角が大きい1次回折光a,a'は、瞳面1
0dの外側を通過し、回折角が小さい1次回折光b,b'
は、瞳面10dの内側を通過している。
【0111】このため、瞳面10dの位置において波面
収差に球面収差がある場合、1次回折光a,a'の屈折位
置と1次回折光b,b'の屈折位置とは、光軸方向に異な
ることになる。そして、この屈折位置の相違に起因し
て、細い周期パターン像(66)が最大コントラストとな
るA位置と、太い周期パターン像(65)が最大コントラ
ストとなるB位置とが、光軸方向にずれることになる。
【0112】すなわち、A位置とB位置の光軸方向の差
(図17の差(ΔZc)に対応)は、投影光学系10aの
瞳面10dの位置における球面収差に対応する。したが
って、予め光線追跡シミュレーションにより、レチクル
13に形成する周期パターン,球面収差と結像位置との
関係を求めておくことで、その関係式に基づいて、A位
置(Zc1)とB位置(Zc2)との差(ΔZc)から投影光学
系10aの球面収差を算出することができる。
【0113】上記した第3実施形態の収差測定装置で
は、受光センサ15に設けられた多数(N個)の受光スリ
ット56と受光部35とによって、投影光学系10aの
像面に形成された多数(N個)の周期パターン像65,6
6を同時に走査するため、投影光学系10aの露光エリ
ア(図3(a)の矩形領域10b)の全面で高精度に球面
収差を測定する場合でも、非常に短い時間内に一括で測
定し終えることができる。
【0114】したがって、第3実施形態の収差測定装置
や投影光学系10aが測定中にドリフトすることはな
く、結果として、投影光学系10aの球面収差に関する
高精度な測定結果を得ることができる。また、第3実施
形態の収差測定装置によれば、各々の受光スリット56
と受光部35とを用いて各々の周期パターン像65,6
6を走査するため、スキャンステージ16として、微小
なスキャンストローク(例えば15μm)の微動ステー
ジを用いることができる。
【0115】したがって、位置センサ17の固定電極4
6を常に移動電極44の近傍に位置させることができ、
移動電極44と固定電極46との間の距離を、スキャン
ステージ16の微小なスキャンストロークに応じた狭い
範囲(受光センサ15の矩形領域15aより狭い範囲)
と同程度の微小距離以内に保つことができる。このた
め、位置センサ17による測定時に空気ゆらぎの影響を
受けることはなく、受光スリット56と周期パターン像
53との相対位置を高精度に測定することができ、結果
として、投影光学系10aの球面収差に関する高精度な
測定結果を得ることができる。
【0116】(第4実施形態)次に、本発明の第4実施形
態について説明する。第4実施形態は、請求項1,請求
項4,請求項5,請求項8〜請求項17に対応する。第4
実施形態の収差測定装置70は、図19に示すように、
上記した収差測定装置10(図1)の受光センサ15に
代えてマスク部材71とリレーレンズ72と受光センサ
73とを設け、さらに、センサステージ74を備えたも
のである。なお、スキャンステージ16とアライメント
ステージ18の中心付近には、各々、リレーレンズ72
を配置するための開口部16a,18aが設けられてい
る。
【0117】第4実施形態の収差測定装置70におい
て、その他の構成は上記した収差測定装置10(図1)
と同じであるため、ここでは、マスク部材71とリレー
レンズ72と受光センサ73とセンサステージ74につ
いて各々説明する。なお、レチクル13(図2)の矩形
領域13aには、歪曲収差測定用パターン20が形成さ
れているとする。
【0118】マスク部材71には、図20に示す矩形領
域71a内に、上記した光選択用パターン30(図4
(b))が形成されている。マスク部材71の矩形領域7
1aは、投影光学系10aの露光エリア(図3(a)の矩
形領域10b)とほぼ同じ大きさ(例えば9mm×26
mm)である。マスク部材71は、矩形領域71aが投
影光学系10aの露光エリアとほぼ一致するように配置
される。
【0119】また、マスク部材71に形成された光選択
用パターン30(図4)の開口パターン31(受光スリ
ット32,33)は、光を選択的に透過させる光透過部
であり、遮光膜(例えばクロム膜)に形成されている。
この遮光膜は、ガラス基板上の蒸着膜である。遮光膜と
ガラス基板とで構成されたマスク部材71は、請求項の
「選択手段」に対応する。
【0120】このように構成されたマスク部材71で
は、投影光学系10aからの光を遮光膜に形成された光
選択用パターン30(図4)によって選択的に透過し、
選択された光を後段のリレーレンズ72に向けて射出す
る。リレーレンズ72は、マスク部材71の光選択用パ
ターン30(図4)から射出された光を一括でリレーし
て同じ倍率で再結像するレンズである。リレーレンズ7
2としては、単に光強度のみを伝えるような低精度で簡
単なものを用いることができる。そして、マスク部材7
1の光選択用パターン30(図4)からの光は、リレー
レンズ72を透過した後、リレーレンズ72の像面付近
に集光する。
【0121】受光センサ73は、その受光面がリレーレ
ンズ72の像面から外れるように配置されている。受光
センサ73の受光面には、多数の受光部が2次元配列さ
れている。多数の受光部の各々は、光選択用パターン3
0(図4)の各々の開口パターン31(受光スリット3
2,33)に対応させてある。
【0122】つまり、マスク部材71の各々の開口パタ
ーン31(受光スリット32,33)からリレーレンズ
72を介して得られた光が、受光センサ73の各々の受
光部に到達するようになっている。このため、受光セン
サ73では、各々の受光部において、各々の開口パター
ン31(受光スリット32,33)からの光を同時に受
光することができる。リレーレンズ72と受光センサ7
3とは、請求項の「受光手段」に対応する。
【0123】センサステージ74は、上記の受光センサ
73をXYZ方向に移動可能に保持している。センサス
テージ74による受光センサ73の移動は、重ね合わせ
光学系12を用いたアライメント時に行われる。なお、
信号処理装置19には、位置センサ17からの相対位置
信号と受光センサ73からの受光量信号とが同時に取り
込まれる。
【0124】上記のように構成された第4実施形態の収
差測定装置70では、スキャンステージ16によってマ
スク部材71をXY方向に微細に移動させながら、投影
光学系10aの像面に形成された多数(N個)の空間像2
2A,23A(図3)をXY方向に走査する。そして、
空間像22A,23Aの位置ずれΔx,Δyを各々測定す
ることにより、各々の空間像22A,23Aの2次元的
な位置ずれを測定し、結果として、投影光学系10aの
歪曲収差を一括で測定することができる。
【0125】さらに、第4実施形態の収差測定装置70
では、リレーレンズ72を介して受光センサ73とは離
れた位置にマスク部材71を配置するため、受光センサ
73の発熱によって、マスク部材71の開口パターン3
1(受光スリット32,33)が位置ずれや歪みを生じ
ることがない。また、マスク部材71の開口パターン3
1の形成面を高い平面度(例えば0.1μm以下)に維
持することもできる。したがって、投影光学系10aの
歪曲収差を精度良く測定できる。
【0126】また、受光センサ73の受光面をリレーレ
ンズ72の像面から外れた位置に配置し、この受光面
(多数の受光部)にデフォーカス状態の像を形成するた
め、受光センサ73の発熱を低減することができ、受光
センサ73の耐久性が向上する。受光センサ73として
は、各々の受光部においてデフォーカス像の光強度のみ
を検出できるような安価なものを用いることができ、受
光センサ73の開発負荷を軽減することもできる。
【0127】さらに、ガラス基板上に遮光膜(例えばク
ロム膜)を蒸着することでマスク部材71を作成するた
め、マスク部材71に形成すべき光選択用パターン30
(図4)の開口パターン31の寸法の自由度および精度
が格段に向上する。また、マスク部材71と受光センサ
73とが別体であるため、パターン寸法やパターン形状
が異なる別のマスク部材に簡単に交換することができる
という利点もある。
【0128】なお、第4実施形態の収差測定装置70に
よれば、第1実施形態の収差測定装置10と同様の効果
も得られる。つまり、投影光学系10aの露光エリアの
全面で高精度に歪曲収差を測定する場合でも、非常に短
い時間(従来の1/N程度の時間)内に測定し終えるこ
とができる。したがって、投影光学系10aの歪曲収差
に関する高精度な測定結果を得ることができる。
【0129】また、位置センサ17による測定時に空気
ゆらぎの影響を受けることはなく、マスク部材71の光
選択用パターン30(図4)と空間像22A,23A(図
3)との相対位置を高精度に測定することができ、結果
として、投影光学系10aの歪曲収差に関する高精度な
測定結果を得ることができる。さらに、第4実施形態の
収差測定装置70では、第2実施形態の収差測定装置と
同様にして、像面湾曲測定用パターン50(図9)をレ
チクル13の矩形領域13a内に形成し、かつ、光選択
用パターン55(図10)をマスク部材71の矩形領域
71a内に形成することで、投影光学系10aの像面湾
曲を精度良く測定することができ、かつ、フォーカス調
整を行うこともできる。
【0130】また、第4実施形態の収差測定装置70で
は、第3実施形態の収差測定装置と同様にして、球面収
差測定用パターン60(図15)をレチクル13の矩形
領域13a内に形成し、かつ、光選択用パターン55
(図10)をマスク部材71の矩形領域71a内に形成
することで、投影光学系10aの球面収差を精度良く測
定することができる。
【0131】なお、上記した第4実施形態では、一括リ
レー方式のリレーレンズ72を用いて、マスク部材71
の光選択用パターン30(または55)から射出された光
を一括で受光センサ73の受光面にリレーし、投影光学
系10aの露光エリア全体を一括で測定する構成を説明
したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図21
に示すように、分割リレー方式のリレーレンズ75を用
いることもできる。リレーレンズ75は、マスク部材7
1の矩形領域71aを分割した小さな領域(図21(b)
中の太線枠)の中に形成された光選択用パターン30
(または55)からの光をリレー可能なレンズである。図
21には、矩形領域71aを3分割する場合を例示し
た。リレーレンズ75を用いることで、投影光学系10
aの露光エリアの中の小さな分割領域に関する測定を行
うことができる。
【0132】このため、リレーレンズ75を不図示のス
テージによって一定量だけ移動させることで、マスク部
材71の矩形領域71aの中の異なる小さな分割領域か
らの光を順次にリレーすることができる。このようにし
て、リレーレンズ75を移動させながら上記の測定を繰
り返し行うことで、投影光学系10aの露光エリア全体
を測定することができる。
【0133】分割リレー方式の収差測定装置では、径お
よび長さの小さいリレーレンズ75を用いることができ
るので、低コスト化を図ることができる。なお、分割リ
レー方式の収差測定装置であっても、測定はマスク部材
71の光選択用パターン30(または55)を基準にして
行われるため、リレーレンズ75の移動により測定精度
が低下することはない。
【0134】また、分割リレー方式の収差測定装置で
は、図22に示すように、受光面の小さな受光センサ7
6を用いることもできる。この場合、リレーレンズ75
と受光センサ76を一体的に移動させることで、マスク
部材71の矩形領域71aの中の異なる小さな領域から
の光を順次にリレーすることができ、投影光学系10a
の露光エリア全体を測定することができる。
【0135】(第5実施形態)次に、本発明の第5実施形
態について説明する。第5実施形態は、請求項1,請求
項6〜請求項17に対応する。第5実施形態の収差測定
装置80は、図23に示すように、レチクル13と投影
光学系10aとの間にペリクルミラー81を配置し、上
記した収差測定装置10(図1)の受光センサ15に代
えてマスク部材82と受光センサ83とを設けたもので
ある。受光センサ83も、ペリクルミラー81と同様、
レチクル13と投影光学系10aとの間に配置されてい
る。
【0136】第5実施形態の収差測定装置80におい
て、その他の構成は上記した収差測定装置10(図1)
と同じであるため、ここでは、ペリクルミラー81とマ
スク部材82と受光センサ83とについて各々説明す
る。なお、レチクル13(図2)の矩形領域13aに
は、歪曲収差測定用パターン20が形成されているとす
る。図23ではレチクルステージ(14)を図示省略し
た。
【0137】収差測定装置80は、投影光学系10aの
露光エリア(図3の矩形領域10b)の中の小さな分割領
域に関する歪曲収差の測定を露光エリアの分割数に応じ
た回数だけ繰り返し行うことで、露光エリア全体につい
て測定する分割方式の装置である。ただし、1つの分割
領域に関する測定を繰り返す際には、ペリクルミラー8
1と受光センサ83とが一体的に移動される。図23に
は、露光エリアを2分割で測定する場合を例示した。
【0138】ペリクルミラー81は、ペリクル膜が蒸着
されたハーフミラーであり、投影光学系10aの光軸方
向に対して45度の角度に傾けて配置されている。この
ペリクルミラー81は、レチクル13の歪曲収差測定用
パターン20から射出された光を透過可能であり、投影
光学系10aからの戻り光(後述する)を反射可能であ
る。ペリクルミラー81は、請求項の「光学部材」に対
応する。
【0139】マスク部材82には、上記したマスク部材
71の矩形領域71a(図20)と同様の矩形領域内
に、光選択用パターン30(図4)と同様の光選択用パ
ターンが形成されている。マスク部材82の矩形領域
は、投影光学系10aの露光エリアとほぼ同じ大きさで
ある。マスク部材82は、その矩形領域が投影光学系1
0aの露光エリアとほぼ一致するように配置される。
【0140】また、マスク部材82に形成された光選択
用パターンは、マトリクス状に2次元配列された多数の
反射パターンからなる。多数の反射パターンの配列およ
び間隔は、図4に示す光選択用パターン30の開口パタ
ーン31の配列および間隔と同じである。各々の反射パ
ターンは、Y方向に細長い矩形状の孤立パターンと、X
方向に細長い矩形状の孤立パターンとで構成されてい
る。
【0141】さらに、マスク部材82に形成された光選
択用パターンの反射パターンは、光を選択的に反射させ
る光反射部であり、具体的には、ガラス基板上に蒸着さ
れた反射膜(例えばクロム膜)である。反射膜とガラス
基板とで構成されたマスク部材82は、請求項の「選択
手段」に対応する。マスク部材82の反射パターンは、
請求項の「光選択部」,「光反射部」に対応する。
【0142】このように構成されたマスク部材82で
は、投影光学系10aからの光を多数の反射パターンに
よって選択的に反射し、選択された光を再び投影光学系
10aに向けて射出する。そして、マスク部材82の光
選択用パターン(反射パターン)からの光は、再び投影
光学系10aを透過した後、投影光学系10aからの戻
り光となってペリクルミラー81に入射し、受光センサ
83に向けて反射する。投影光学系10aからの戻り光
は、レチクル13の表面(歪曲収差測定用パターン20
の形成面)と共役な面に集光する。
【0143】受光センサ83は、その受光面が上記の共
役な面から外れるように配置されている。受光センサ8
3の受光面には、多数の受光部が2次元配列されてい
る。受光センサ83における受光部の数は、マスク部材
82に形成された光選択用パターンの反射パターンの全
数Nと、上記した露光エリアの分割数Kとに応じて、ほ
ぼN/Kととなるように定められている。
【0144】また、受光センサ83における受光部の配
列は、前記マスク部材82における反射パターンの配列
に対応させてある。つまり、マスク部材82の各々の反
射パターンから投影光学系10aとペリクルミラー81
を介して得られた光が、受光センサ83の各々の受光部
に到達するようになっている。このため、受光センサ8
3では、各々の受光部において、各々の反射パターンか
らの光を同時に受光することができる。受光センサ83
は、請求項の「受光手段」に対応する。
【0145】なお、信号処理装置19には、位置センサ
17からの相対位置信号と受光センサ83からの受光量
信号とが同時に取り込まれる。上記のように構成された
第5実施形態の収差測定装置80では、スキャンステー
ジ16によってマスク部材82をXY方向に微細に移動
させながら、投影光学系10aの露光エリアの中の小さ
な分割領域に関する歪曲収差の測定を行うことができ
る。
【0146】そして、1つの分割領域に関する測定が終
了した後、ペリクルミラー81と受光センサ83とを不
図示のステージによって一定量だけ移動させることで、
投影光学系10aの露光エリアの中の異なる分割領域に
関する歪曲収差の測定を行うことができる。
【0147】このように、各々の分割領域での測定を露
光エリアの分割数Kに応じた回数(K回)だけ繰り返し
行うことで、露光エリア全体について歪曲収差を測定す
ることができる。さらに、第5実施形態の収差測定装置
80では、投影光学系10aを介して受光センサ83と
は離れた位置にマスク部材82を配置するため、受光セ
ンサ83の発熱によって、マスク部材82の反射パター
ンが位置ずれや歪みを生じることがない。また、マスク
部材82の反射パターンの形成面を高い平面度(例えば
0.1μm以下)に維持することもできる。したがっ
て、投影光学系10aの歪曲収差を精度良く測定でき
る。
【0148】また、受光センサ83の受光面を上記の共
役な面から外れた位置に配置し、この受光面(多数の受
光部)にデフォーカス状態の像を形成するため、受光セ
ンサ83の発熱を低減することができ、受光センサ83
の耐久性が向上する。受光センサ83としては、各々の
受光部においてデフォーカス像の光強度のみを検出でき
るような安価なものを用いることができ、受光センサ8
3の開発負荷を軽減することもできる。
【0149】さらに、ガラス基板上に反射膜(例えばク
ロム膜)を蒸着することでマスク部材82を作成するた
め、マスク部材82に形成すべき光選択用パターンの寸
法の自由度および精度が格段に向上する。また、マスク
部材82と受光センサ83とが別体であるため、パター
ン寸法やパターン形状が異なる別のマスク部材に簡単に
交換することができるという利点もある。
【0150】さらに、投影光学系10aを利用して、受
光センサ83とマスク部材82とを離して配置するた
め、新たな光学系(例えば第4実施形態のリレーレンズ
72,75など)を設ける必要がなく、構成が簡素化す
る。なお、第5実施形態の収差測定装置80によれば、
第1実施形態の収差測定装置10と同様の効果も得られ
る。
【0151】つまり、投影光学系10aの露光エリアの
全面で高精度に歪曲収差を測定する場合でも、非常に短
い時間内に測定し終えることができる。したがって、投
影光学系10aの歪曲収差に関する高精度な測定結果を
得ることができる。また、位置センサ17による測定時
に空気ゆらぎの影響を受けることはなく、マスク部材8
2の光選択用パターンと空間像22A,23A(図3)と
の相対位置を高精度に測定することができ、結果とし
て、投影光学系10aの歪曲収差に関する高精度な測定
結果を得ることができる。
【0152】さらに、第5実施形態の収差測定装置80
では、第2実施形態の収差測定装置と同様にして、像面
湾曲測定用パターン50(図9)をレチクル13の矩形
領域13a内に形成し、かつ、光選択用パターン55
(図10)の開口パターン56と同じ配列および間隔の
反射パターンからなる光選択用パターンをマスク部材8
2の矩形領域内に形成することで、投影光学系10aの
像面湾曲を精度良く測定することができ、かつ、フォー
カス調整を行うこともできる。
【0153】また、第5実施形態の収差測定装置80で
は、第3実施形態の収差測定装置と同様にして、球面収
差測定用パターン60(図15)をレチクル13の矩形
領域13a内に形成し、かつ、光選択用パターン55
(図10)の開口パターン56と同じ配列および間隔の
反射パターンからなる光選択用パターンをマスク部材8
2の矩形領域内に形成することで、投影光学系10aの
球面収差を精度良く測定することができる。
【0154】上記した各実施形態の収差測定装置を用い
ることにより、投影光学系10aの諸収差を精度良く、
かつ簡便に測定することができる。これにより、高精度
な投影光学系を製造することが可能である。なお、上記
した各実施形態では、スキャンステージ16の位置セン
サ17として静電容量センサを用いたが、これに代えて
レーザ測長機を用いてもよい。この場合、移動鏡をセン
サホルダ41側に固定し、干渉計本体をステージベース
42側に固定すると共に、移動鏡と干渉計本体との距離
をスキャンステージ16のスキャンストローク(例えば
15μm)に応じた狭い範囲と同程度の微小距離以内に
保つことが好ましい。
【0155】また、上記した各実施形態では、レチクル
13(収差測定用パターン)を停止させることで投影光学
系10aの像面における像の位置を固定し、この像に対
して光選択用パターンを移動させることにより像を走査
したが、本発明はこれに限定されない。逆に、光選択用
パターンを停止させておき、レチクル13(収差測定用
パターン)を移動させることで投影光学系10aの像面
における像の位置を変化させても、同様の走査が可能で
ある。また、光選択用パターンと収差測定用パターンと
を相対移動させてもよい。
【0156】さらに、1枚のレチクル13に、歪曲収差
測定用パターン20と像面湾曲測定用パターン50と球
面収差測定用パターン60とを形成しておき、アライメ
ントステージ18によって光選択用パターン30(また
は55)を移動させることで収差測定用パターン(20,
50,60)の何れかを選択し、順に切り換えて各種測定
を行っても良い。
【0157】また、上記した各実施形態では、専用の収
差測定装置を例に説明したが、露光装置のウエハステー
ジ上に光選択用パターン30(または55)を配置し、レ
チクルステージ上に収差測定用パターン(20,50,6
0)を配置した場合でも、同様の測定を行うことができ
る。 (第6実施形態)次に、本発明の第6実施形態について説
明する。第6実施形態は、請求項1〜請求項20に対応
する。
【0158】図24は、第6実施形態の投影露光装置の
概略構成図である。第6実施形態の投影露光装置は、上
記した各実施形態の収差測定装置を用いて製造された高
精度投影光学系を、投影光学系600として搭載したも
のである。
【0159】第6実施形態の投影露光装置は、少なくと
もウェハステージ401と、光を供給するための光源部
200と、投影光学系600とを含む。ここで、ウェハ
ステージ401は、感光剤を塗布した基板(ウェハ)W
を表面401a上に置くことができる。また、ステージ
制御系400は、ウェハステージ401の位置を制御す
る。
【0160】投影光学系600は、上述のように、上記
した各実施形態の収差測定測装置を用いて製造された高
精度投影光学系である。また投影光学系600は、レチ
クル(マスク)Rが配置された物体面P1と、ウェハW
の表面と一致させた像面P2との間に配置される。さら
に投影光学系600は、スキャンタイプの投影露光装置
に応用されるアライメント光学系を有する。
【0161】さらに照明光学系201は、レチクルRと
ウェハWとの間の相対位置を調節するためのアライメン
ト光学系210を含む。レチクルRは、該レチクルRの
パターンのイメージをウェハW上に投影するためのもの
であり、ウェハステージ401の表面401aに対して
平行移動が可能であるレチクルステージ301上に配置
される。そしてレチクル交換系300は、レチクルステ
ージ301上にセットされたレチクルRを交換し運搬す
る。またレチクル交換系300は、ウェハステージ40
1の表面401aに対し、レチクルステージ301を平
行移動させるためのステージドライバー(不図示)を含
む。
【0162】また、主制御部500は位置合わせから露
光までの一連の処理に関する制御を行う。以上の構成に
より、高精度投影光学系を搭載した投影露光装置を実現
することができる。
【0163】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光学系の像面における走査対象エリアが広くかつ走査点
数が多い場合でも、短時間にかつ空気ゆらぎの影響を受
けることもなく、光学系の歪曲収差やその他の収差を精
度良く測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】収差測定装置10の全体構成図である。
【図2】レチクル13に形成された歪曲収差測定用パタ
ーン20を説明する図である。
【図3】投影光学系10aの像面に形成された空間像2
2A,23Aを説明する図である。
【図4】受光センサ15に形成された光選択用パターン
30を説明する図である。
【図5】受光スリット32と空間像22Aとが重なり合
う部分32sを示す図である。
【図6】収差測定装置10のスキャンステージ16の全
体構成図である。
【図7】受光スリット32,33による空間像22A,2
3AのX方向走査(a)とY方向走査(b)とを説明する図
である。
【図8】空間像22A,23Aの光強度分布を示す図で
ある。
【図9】レチクル13に形成された像面湾曲測定用パタ
ーン50を説明する図である。
【図10】受光センサ15に形成された光選択用パター
ン55を説明する図である。
【図11】受光スリット56による周期パターン像53
のX方向走査を説明する図である。
【図12】周期パターン像53の光強度分布を示す図で
ある。
【図13】周期パターン像53のコントラスト分布を示
す図である。
【図14】フォーカス調整を説明する図である。
【図15】レチクル13に形成された球面収差測定用パ
ターン60を説明する図である。
【図16】受光スリット56による周期パターン像6
5,66のX方向走査を説明する図である。
【図17】周期パターン像65,66のコントラスト分
布を示す図である。
【図18】図17に示す最大コントラストの差(ΔZc)
と投影光学系10aの球面収差との関係を説明する図で
ある。
【図19】一括リレー方式の収差測定装置70の全体構
成図である。
【図20】収差測定装置70のスキャンステージ16の
全体構成図である。
【図21】分割リレー方式の収差測定装置の構成を説明
する図である。
【図22】分割リレー方式の収差測定装置の別の構成を
説明する図である。
【図23】分割方式の収差測定装置80の全体構成図で
ある。
【図24】投影露光装置の概略構成図である。
【符号の説明】
10,70,80 収差測定装置 10a 投影光学系 11 照明光学系 12 重ね合わせ光学系 13 レチクル 14 レチクルステージ 15,73,76,83 受光センサ 16 スキャンステージ 17 位置センサ 18 アライメントステージ 19 信号処理装置 20 歪曲収差測定用パターン 30,55 光選択用パターン 50 像面湾曲測定用パターン 60 球面収差測定用パターン 71,82 マスク部材 72,75 リレーレンズ 74 センサステージ 81 ペリクルミラー 200 光源部 300 レチクル交換系 400 ステージ制御系 500 主制御部 W 基板(ウェハ) R レチクル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G086 HH06 2H095 BE05 BE06 5F046 AA25 BA03 CB17 CC01 CC02 CC03 DA13 DB01 DB04 DC12

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元配列された複数の開口部を有し、
    前記複数の開口部の各々から被検光学系に向けて光を射
    出する射出手段と、 前記複数の開口部から射出された前記光によって前記被
    検光学系の像面に形成される前記複数の開口部の像を個
    別に走査する走査手段とを備え、 前記走査手段は、 前記射出手段における前記複数の開口部の配列に対応し
    て前記像面に2次元配列された複数の光選択部を有し、
    前記像面に形成された前記複数の像のうち前記複数の光
    選択部と重なり合う部分の光を選択する選択手段と、 前記選択手段によって選択された前記重なり合う部分の
    光を各々の光選択部ごとに同時に受光する受光手段と、 前記射出手段の複数の開口部と前記選択手段の複数の光
    選択部との少なくとも一方を移動させることにより、前
    記像面において、前記複数の像と前記複数の光選択部と
    の相対位置を変化させる移動手段と、 前記移動手段による移動対象物の移動量を非接触で測定
    することにより、前記複数の像と前記複数の光選択部と
    の相対位置の変化量を求める非接触測定手段とを含み、 前記移動手段は、前記選択手段の複数の光選択部が2次
    元配列された範囲より狭い範囲内で、前記複数の像の各
    々と前記複数の光選択部の各々との相対位置を変化させ
    る手段であり、 前記非接触測定手段は、前記移動対象物の近傍におい
    て、前記移動対象物との距離を前記狭い範囲に応じた微
    小距離以内に保ちながら、前記移動対象物の移動量を測
    定する手段であることを特徴とする収差測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の収差測定装置におい
    て、 前記複数の光選択部は、光を選択的に透過させる複数の
    光透過部であり、 前記選択手段は、前記複数の光透過部が前記射出手段に
    おける前記複数の開口部に対応して形成された遮光膜で
    あり、 前記遮光膜は、前記受光手段の受光面側に一体形成さ
    れ、 前記受光手段は、前記遮光膜に形成された前記複数の光
    透過部からの光を各々の光透過部ごとに同時に受光する
    ことを特徴とする収差測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の収差測定装置におい
    て、 前記移動手段は、前記受光手段と共に前記遮光膜を移動
    させることにより、前記像面における前記複数の光透過
    部の位置を変化させることを特徴とする収差測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の収差測定装置におい
    て、 前記複数の光選択部は、光を選択的に透過させる複数の
    光透過部であり、 前記選択手段は、前記複数の光透過部が前記射出手段に
    おける前記複数の開口部に対応して形成されたマスク部
    材であり、 前記受光手段は、前記マスク部材に形成された前記複数
    の光透過部からの光を再結像するリレーレンズを含み、
    該リレーレンズからの光を各々の光透過部ごとに同時に
    受光することを特徴とする収差測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の収差測定装置におい
    て、 前記移動手段は、前記マスク部材を移動させることによ
    り、前記像面における前記複数の光透過部の位置を変化
    させることを特徴とする収差測定装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の収差測定装置におい
    て、 前記複数の光選択部は、光を選択的に反射させる複数の
    光反射部であり、 前記選択手段は、前記複数の光反射部が前記射出手段に
    おける前記複数の開口部に対応して形成されたマスク部
    材であり、 前記射出手段と前記被検光学系との間には、前記マスク
    部材に形成された前記複数の光反射部から前記被検光学
    系を介して得られた光を反射させると共に、前記射出手
    段の複数の開口部から射出された光を透過させる光学部
    材が配置され、 前記受光手段は、前記マスク部材に形成された前記複数
    の光反射部から前記被検光学系と前記光学部材とを介し
    て得られた光を各々の光反射部ごとに同時に受光するこ
    とを特徴とする収差測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の収差測定装置におい
    て、 前記移動手段は、前記マスク部材を移動させることによ
    り、前記像面における前記複数の光反射部の位置を変化
    させることを特徴とする収差測定装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7の何れか1項に記
    載した収差測定装置において、 前記移動手段により前記移動対象物を移動させながら、
    前記受光手段による受光と前記非接触測定手段による測
    定とを同時に行い、前記複数の像と前記複数の光選択部
    との相対位置の変化量に対する前記重なり合う部分の光
    の受光量を求めることで、前記複数の像の光強度分布を
    各々検出する分布検出手段をさらに備えたことを特徴と
    する収差測定装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の収差測定装置におい
    て、 前記射出手段の複数の開口部は、各々、孤立パターンを
    含み、 前記被検光学系の像面には、複数の孤立パターン像が形
    成され、 前記分布検出手段は、前記複数の孤立パターン像の光強
    度分布を各々検出し、 前記分布検出手段によって検出された前記複数の光強度
    分布の各々の重心位置を算出すると共に、得られた各々
    の重心位置に基づいて、前記被検光学系の歪曲収差を算
    出する算出手段をさらに備えたことを特徴とする収差測
    定装置。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の収差測定装置におい
    て、 前記射出手段の複数の開口部は、各々、周期パターンを
    含み、 前記被検光学系の像面には、複数の周期パターン像が形
    成され、 前記選択手段の複数の光選択部は、各々、前記周期パタ
    ーン像の周期より幅の狭い孤立パターンであり、 前記移動手段は、前記移動対象物を前記被検光学系の光
    軸方向に移動させることにより前記周期パターン像のフ
    ォーカス状態を調整する調整手段を含み、 前記分布検出手段は、異なる複数の前記フォーカス状態
    の各々において、前記複数の周期パターン像の光強度分
    布を各々検出し、 前記分布検出手段によって検出された前記複数の光強度
    分布の各々のコントラストを算出すると共に、得られた
    各々のコントラストに基づいて、前記被検光学系の像面
    湾曲を算出する算出手段をさらに備えたことを特徴とす
    る収差測定装置。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載の収差測定装置におい
    て、 前記射出手段の複数の開口部は、各々、第1周期パター
    ンと、該第1周期パターンより周期の小さい第2周期パ
    ターンとを含み、 前記被検光学系の像面には、複数の第1周期パターン像
    と複数の第2周期パターン像とが形成され、 前記選択手段の複数の光選択部は、各々、前記第2周期
    パターン像の周期より幅の狭い孤立パターンであり、 前記移動手段は、前記移動対象物を前記被検光学系の光
    軸方向に移動させることにより前記第1周期パターン像
    および前記第2周期パターン像のフォーカス状態を調整
    する調整手段を含み、 前記分布検出手段は、異なる複数の前記フォーカス状態
    の各々において、前記複数の第1周期パターン像および
    前記複数の第2周期パターン像の光強度分布を各々検出
    し、 前記分布検出手段によって検出された前記複数の光強度
    分布の各々のコントラストを算出すると共に、得られた
    各々のコントラストに基づいて、前記被検光学系の球面
    収差を算出する算出手段をさらに備えたことを特徴とす
    る収差測定装置。
  12. 【請求項12】 請求項8から請求項11の何れか1項
    に記載した収差測定装置において、 前記非接触測定手段は、前記被検光学系の光軸方向に対
    して垂直な第1方向に関する前記移動対象物の移動量を
    1箇所で測定する第1測定部と、前記光軸方向および前
    記第1方向に垂直な第2方向に関する前記移動対象物の
    移動量を2箇所で測定する第2測定部とを含み、 前記分布検出手段は、前記第1測定部および前記第2測
    定部による測定結果を用いて前記移動対象物の前記光軸
    方向を中心とした回転量を求め、得られた回転量に基づ
    いて前記移動対象物の移動量を補正し、補正後の移動量
    を用いて前記光強度分布を検出することを特徴とする収
    差測定装置。
  13. 【請求項13】 2次元配列された複数の開口部の各々
    から被検光学系に向けて光を射出し、該光によって前記
    被検光学系の像面に形成される前記複数の開口部の像を
    個別に走査することにより、前記被検光学系の収差を測
    定する方法であって、 前記複数の開口部の配列に対応して前記像面に2次元配
    列された複数の光選択部と前記複数の開口部との少なく
    とも一方を移動させることにより、前記像面において、
    前記複数の像と前記複数の光選択部との相対位置を変化
    させる移動工程を行いながら、 前記像面に形成された前記複数の像のうち前記複数の光
    選択部と重なり合う部分の光を選択し、選択された前記
    重なり合う部分の光を各々の光選択部ごとに同時に受光
    する受光工程と、 前記移動工程における移動対象物の移動量を非接触で測
    定することにより、前記複数の像と前記複数の光選択部
    との相対位置の変化量を求める測定工程とを同時に行う
    と共に、 前記移動工程は、前記複数の光選択部が2次元配列され
    た範囲より狭い範囲内で、前記複数の像の各々と前記複
    数の光選択部の各々との相対位置を変化させる工程であ
    り、 前記測定工程は、前記移動対象物の近傍において、前記
    移動対象物との距離を前記狭い範囲に応じた微小距離以
    内に保ちながら、前記移動対象物の移動量を測定する工
    程であることを特徴とする収差測定方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の収差測定方法にお
    いて、 前記受光工程によって得られる前記重なり合う部分の光
    の受光量と、前記測定工程によって得られる前記複数の
    像と前記複数の光選択部との相対位置の変化量とに基づ
    いて、前記複数の像の光強度分布を各々検出する分布検
    出工程をさらに備えたことを特徴とする収差測定方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の収差測定方法にお
    いて、 前記複数の開口部の各々に、孤立パターンが含まれ、前
    記被検光学系の像面に、複数の孤立パターン像が形成さ
    れたとき、 前記分布検出工程は、前記複数の孤立パターン像の光強
    度分布を各々検出し、 前記分布検出工程によって検出された前記複数の光強度
    分布の各々の重心位置を算出すると共に、得られた各々
    の重心位置に基づいて、前記被検光学系の歪曲収差を算
    出する算出工程をさらに備えたことを特徴とする収差測
    定方法。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の収差測定方法にお
    いて、 前記複数の開口部の各々に、周期パターンが含まれ、前
    記被検光学系の像面に、複数の周期パターン像が形成さ
    れたとき、 前記受光工程は、前記周期パターン像の周期より幅の狭
    い孤立パターンを前記複数の光選択部の各々として用い
    ることで、前記重なり合う部分の光を受光し、 前記移動工程は、前記移動対象物を前記被検光学系の光
    軸方向に移動させることにより前記周期パターン像のフ
    ォーカス状態を調整する調整工程を含み、 前記分布検出工程は、異なる複数の前記フォーカス状態
    の各々において、前記複数の周期パターン像の光強度分
    布を各々検出し、 前記分布検出工程によって検出された前記複数の光強度
    分布の各々のコントラストを算出すると共に、得られた
    各々のコントラストに基づいて、前記被検光学系の像面
    湾曲を算出する算出工程をさらに備えたことを特徴とす
    る収差測定方法。
  17. 【請求項17】 請求項14に記載の収差測定方法にお
    いて、 前記複数の開口部の各々に、第1周期パターンと、該第
    1周期パターンより周期の小さい第2周期パターンとが
    含まれ、前記被検光学系の像面に、複数の第1周期パタ
    ーン像と複数の第2周期パターン像とが形成されたと
    き、 前記受光工程は、前記第2周期パターン像の周期より幅
    の狭い孤立パターンを前記複数の光選択部の各々として
    用いることで、前記重なり合う部分の光を受光し、 前記移動工程は、前記移動対象物を前記被検光学系の光
    軸方向に移動させることにより前記第1周期パターン像
    および前記第2周期パターン像のフォーカス状態を調整
    する調整工程を含み、 前記分布検出工程は、異なる複数の前記フォーカス状態
    の各々において、前記複数の第1周期パターン像および
    前記複数の第2周期パターン像の光強度分布を各々検出
    し、 前記分布検出工程によって検出された前記複数の光強度
    分布の各々のコントラストを算出すると共に、得られた
    各々のコントラストに基づいて、前記被検光学系の球面
    収差を算出する算出工程をさらに備えたことを特徴とす
    る収差測定方法。
  18. 【請求項18】 請求項1から請求項12の何れか1項
    に記載の収差測定装置により収差が測定され、該収差を
    加味して製造された光学系。
  19. 【請求項19】 請求項13から請求項17の何れか1
    項に記載の収差測定方法により収差が測定され、該収差
    を加味して製造された光学系。
  20. 【請求項20】 露光光を基板に照射することにより、
    所定のパターンを前記基板に転写する露光装置であっ
    て、 前記露光光の光路上に配置される投影光学系として請求
    項18または請求項19に記載の光学系を用いたことを
    特徴とする露光装置。
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