JP2003197444A - リアクトル装置及びその製造方法 - Google Patents

リアクトル装置及びその製造方法

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JP2003197444A
JP2003197444A JP2002192961A JP2002192961A JP2003197444A JP 2003197444 A JP2003197444 A JP 2003197444A JP 2002192961 A JP2002192961 A JP 2002192961A JP 2002192961 A JP2002192961 A JP 2002192961A JP 2003197444 A JP2003197444 A JP 2003197444A
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reactor
reactor device
iron core
coil
core
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JP2002192961A
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English (en)
Inventor
Michio Tatsuno
三千生 竜野
Shoji Tatsuno
昭司 辰野
Takahiko Nakamura
隆彦 中村
Masanori Kawai
正則 河合
Hiroyoshi Shinohara
宏芳 篠原
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TOKYO SEIDEN KK
Original Assignee
TOKYO SEIDEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】省エネルギ化,低損失化,低騒音化及び小型軽
量化に対する改善効果をより高めるとともに、加えて生
産性の向上及び製造コストの低減を図り、また、帯材の
無駄を排除する。 【解決手段】折曲部を有しない非多角形のリング状に形
成した鉄心2と、この鉄心2の断面形状に沿って縦形の
平角導線Wを周方向に巻回したコイル3により構成した
リアクトル4を備える。鉄心2は、同一又は複数の幅を
有する磁性帯板Pを巻くことにより製作した積層巻鉄心
を用いるとともに、複数に分割した分割鉄心部2a,2
b…2dの組合わせにより構成する。コイル3は、鉄心
2の断面に相似する断面形状を有する芯金31に巻付け
て製作する。非多角形には、円形,楕円形又は長円形が
含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インバータ回路や
コンバータ回路等に用いて好適なリアクトル装置及びそ
の製造に用いて好適な製造方法に関する。
【0002】
【従来技術及び課題】従来、積層巻鉄心とこの積層巻鉄
心に巻回したコイルとを有するリアクトルは知られてお
り、既に本出願人も、省エネルギ化,低損失化,低騒音
化及び小型軽量化を実現できる図11及び図12に示す
リアクトル50を提案した。
【0003】このリアクトル50は、帯材51pを、図
11に示すように円形のリング状に巻いて積層し、かつ
積層断面Sの形状が図12に示すように、円形(又はこ
の近似形状)となる巻鉄芯51と、この巻鉄芯51のほ
ぼ全周に亘って、縦形の平角導線52wを巻回させたコ
イル52を備えている。
【0004】ところで、リアクトル50に用いるコイル
52は、圧延ロールなどにより平角導線52wを湾曲加
工しながら巻回して製作する関係上、コイル52の曲率
をあまり小さくできないため、コイル52の端面形状
は、図12に仮想線で示すような円形となる。また、こ
のような円形のコイル52に断面四角形の巻鉄心を用い
た場合には、コイル52と巻鉄心間にかなりの隙間を生
じ、結局、低損失化及び小型化を図れないことから、巻
鉄心51の積層断面Sの形状もコイル52の端面形状に
相似する円形となるように形成している。
【0005】しかし、このようなリアクトル50では、
巻鉄心51における積層断面Sの形状が円形となること
から、巻鉄心51の製作が容易でなく、製造工数の増加
による生産性の低下及び製造コストの上昇を招くととも
に、巻鉄心51の製作において帯材51pに1/4程度
の無駄を生じる問題があった。
【0006】本発明は、このようなリアクトル50に対
して、省エネルギ化,低損失化,低騒音化及び小型軽量
化に対する改善効果をより高めるとともに、加えて生産
性の向上及び製造コストの低減を図れ、しかも帯材の無
駄を排除できるリアクトル装置及びその製造方法の提供
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】本発明に
係るリアクトル装置1は、鉄心2とこの鉄心2に巻回し
たコイル3とを有するリアクトル4を備えるリアクトル
装置であって、特に、折曲部を有しない非多角形のリン
グ状に形成した鉄心2と、この鉄心2の断面形状に沿っ
て縦形の平角導線Wを周方向に巻回したコイル3により
構成したリアクトル4を備えることを特徴とする。
【0008】この場合、好適な実施の形態により、鉄心
2は、同一又は複数の幅を有する磁性帯板Pを巻くこと
により製作した積層巻鉄心を用いるとともに、複数に分
割した分割鉄心部2a,2b…2dの組合わせにより構
成する。この複数の分割鉄心部2a,2b…2d同士
は、接着剤により結合できるとともに、さらに、結合後
の鉄心2を、外周に巻付けたバンド部材15により固定
することもできる。また、コイル3は、鉄心2の断面に
相似する断面形状を有する芯金31に巻付けて製作する
ことができる。なお、非多角形には、円形,楕円形又は
長円形が含まれる。一方、リアクトル4は、放熱用ケー
ス11に収容するとともに、放熱用ケース11に収容し
たリアクトル4は、放熱用ケース11の内壁部11wと
リアクトル4間に介在させた保持部材22…,22s…
により固定することができる。また、この放熱用ケース
11の内部空間には、充填材を充填する。充填材として
は、弾性樹脂12、望ましくは、シリコン樹脂13に6
0〜90〔重量%〕の熱伝導用粉材14…を含有させた
弾性樹脂12を充填する。充填材としては、その他、絶
縁油、望ましくは、40〜90〔重量%〕の熱伝導用粉
材14…を含有させた絶縁油を用いることができるし、
セラミックス又はセメントを用いることもできる。な
お、放熱用ケース11には、コイル3の外郭形状に沿っ
て形成した内壁部11wを設けることができる。
【0009】また、本発明に係るリアクトル装置1の製
造方法は、固定盤32と、この固定盤32から垂直に突
出した棒状の芯金31と、この芯金31が貫通し、かつ
この芯金31に沿って変位可能な加圧盤33とを備え、
縦形の平角導線Wの先端側を固定盤32に対して固定
し、かつ加圧盤33により平角導線Wを加圧するととも
に、平角導線Wを引張り、この状態で芯金31を回転さ
せることによりコイル3を製作する巻線工程C1〜C5
を有することを特徴とする。
【0010】この場合、好適な実施の態様により、巻線
工程C1〜C5により得られたコイル3と複数の分割鉄
心部2a,2b…2dを組合わせてリアクトル4を製作
する第一組立工程A1、さらに、第一組立工程A1によ
り得られたリアクトル4を放熱用ケース11に収容し、
かつこの放熱用ケース11の内部空間に、シリコン樹脂
13に60〜90〔重量%〕の熱伝導用粉材14…を含
有させた弾性樹脂12を充填する第二組立工程A2,A
3を設けることができる。
【0011】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例に係るリアクト
ル装置1を挙げ、図1〜図7を参照して詳細に説明す
る。
【0012】まず、リアクトル装置1の製造方法につい
て、図3〜図6を参照して具体的に説明する。
【0013】図4及び図5は、コイル巻線機30の要部
を示す。本実施例に係るリアクトル装置1に使用するコ
イル3は、このコイル巻線機30により製作することが
できる。コイル巻線機30において、34は回転軸であ
り、回転駆動機構35により低速回転する。回転軸34
の先端には、支持盤36を一体に備え、この支持盤36
の先端面に固定盤32を固定するとともに、この固定盤
32の中央から棒状の芯金31を直角に突出させる。こ
の芯金31の断面形状は、後述する積層巻鉄心(鉄心)
2の断面形状に相似し、かつ当該断面形状よりも若干大
きい断面形状を有する。この芯金31は、製作するコイ
ル3の種類に対応して交換可能である。また、この芯金
31には、この芯金31に沿って変位可能な加圧盤33
を装填する。したがって、芯金31は加圧盤33の中央
を貫通する。この加圧盤33は、加圧機構37により矢
印Fh方向、即ち、固定盤32の方向に加圧される。
【0014】次に、このコイル巻線機30を用いたコイ
ル3の製造工程について説明する。図3は、製造工程の
フローチャートであり、C1〜C5は巻線工程,Y1〜
Y3は鉄心製造工程,A1〜A5はリアクトル装置組立
工程を示す。コイル3を製作するに際しては、平角導線
Wを用意する。平角導線Wは、厚さと幅の割合が1:5
程度に形成した銅線を使用する。なお、縦形の平角導線
Wとは、コイル3の軸方向に対して平角導線Wの厚さ方
向が平行になる場合をいう。
【0015】まず、図4に示すように、平角導線Wの先
端Wfを支持盤36側に固定する(ステップC1)。そ
して、加圧機構37により加圧盤33を矢印Fh方向へ
移動させ、図4に示すように、平角導線Wを固定盤32
と加圧盤33間に挟んだ状態にして加圧する(ステップ
C2)。また、同時に平角導線Wを引張機構38により
矢印Fb方向へ引張るとともに(ステップC3)、この
状態で芯金31を回転駆動機構35により矢印Fr方向
へ低速で回転させる(ステップC4)。これにより、平
角導線Wは芯金31に巻付けられ、コイル3を製作する
ことができる(ステップC5)。なお、得られたコイル
3に対しては、絶縁被膜を塗布するなどの必要な仕上処
理を行うとともに、図2に示すように、コイル3の両端
から導出するリード部3a,3bの先端には、端子金具
20a,20bを取付ける。
【0016】他方、分割鉄心部2a,2b…2dの製作
を行う。まず、珪素鋼板を用いた磁性帯板Pを用意す
る。この場合、磁性帯板Pは、長手方向に同一幅であ
る。なお、必要により複数の幅を有する磁性帯板を用い
てもよく、これにより、分割鉄心部2a…の断面形状
を、例えば、複数の四角形の組合形状にすることが可能
である。磁性帯板Pは、断面を角の無い長円形(図1に
eで示す形状)に形成した成形治具の周面に積層巻する
(ステップY1)。これにより、折曲部を有しない長円
形のリング状となる積層巻基材が得られるため、この積
層巻基材を四つのブロックに切断分割する(ステップY
2)。図1に現れる2a,2b,2c,2dが四つの分
割鉄心部である(ステップY3)。実施例は、積層巻鉄
心の形状として長円形を例示したが、その他、円形,楕
円形など、一般的には、折曲部を有しない非多角形のリ
ング状に形成することができる。また、積層巻基材に対
する分割数は任意である。
【0017】そして、コイル3と四つの分割鉄心部2
a,2b…2dが得られたなら、リアクトル装置1の組
立を行う。まず、コイル3と四つの分割鉄心部2a,2
b…2dを組合わせてリアクトル4を製作する(ステッ
プA1(第一組立工程))。この場合、各分割鉄心部2
a,2b…2dの相互間には、図1に示す厚さ0.5
〔mm〕程度のガラスエポキシ樹脂製のセパレータシー
ト21…を介在させ、接着剤を用いて各分割鉄心部2
a,2b…2dの相互間を結合する。この際、結合と同
時に、分割鉄心部2a,2b…2dを、コイル3の内部
空間に収容するとともに、必要により分割鉄心部2a,
2b…2dとコイル3間には絶縁紙等を介在させる。こ
れにより、図6に示すリアクトル4が得られる。
【0018】このリアクトル4は、図1に示すように、
折曲部(角部)を有しない長円形のリング状となる積層
巻鉄心2を備えるとともに、コイル3を構成する一巻分
の各相互間隔は、内側が狭くなり、かつ外側が広くな
る。この態様は積層巻鉄心2の直線部分でも同様となる
ため、積層巻鉄心2の全周に沿ってコイル3を構成する
一巻分の各相互間隔には所定の間隔が生じることにな
る。
【0019】一方、ステップA1により得られたリアク
トル4は、図6に示すアルミニウムケース(放熱用ケー
ス)11の内部に収容する(ステップA2(第二組立工
程))。この際、例えば、シリコンゴム等を用いた複数
の保持部材22…をアルミニウムケース11の内部底面
上に敷き、この上にリアクトル4を載せる。なお、必要
により、アルミニウムケース11の内壁部11wとリア
クトル4間にも同様の保持部材22…を介在させること
が望ましい(図8参照)。そして、アルミニウムケース
11の内部には充填材、望ましくは、シリコン樹脂13
に60〜90〔重量%〕の熱伝導用粉材14…を含有さ
せた弾性樹脂12を充填する(ステップA3(第二組立
工程))。実施例は、最も効果的な75〔重量%〕の熱
伝導用粉材14…を含有させている。この場合、シリコ
ン樹脂13は、二液混合の加熱硬化型或いは一液性常温
硬化型のシリコンゴムを用いる。また、熱伝導用粉材1
4…は、粒子が0.2〔mm〕以下の酸化アルミニウム
(アルミナ)を用いる。熱伝導用粉材14…は、熱伝導
率(放熱性)をより高めるものであり、他の材料として
はボロン材等を用いることができる。
【0020】弾性樹脂12の充填が終了したなら、アル
ミニウムケース11の上に蓋23を載せ、ネジ24…に
より固定する(ステップA4)。この際、蓋23には、
図7に示す端子引出孔25が形成されているため、コイ
ル3の両端から導出されたリード部3a,3bは、端子
引出孔25の中を通して外部に突出させるとともに、弾
性樹脂12の充填量を設定することにより、蓋23をア
ルミニウムケース11の上に載せた際に、弾性樹脂12
の一部が端子引出孔25内に進入するようにする(図2
参照)。これにより、リード部3a,3bと蓋23間の
絶縁性が確保される。なお、26a,26bは、リード
部3a,3bに被覆した絶縁チューブを示す。以上の製
造工程により、図1及び図2に示すリアクトル装置1が
得られる(ステップA5)。
【0021】このようなリアクトル装置1により、次の
ような性能が得られる。まず、騒音が低減されるととも
に高い放熱性が得られる。特に、リアクトル4を固定す
る樹脂としては、従来、保持強度を考慮してエポキシ樹
脂等の硬質の合成樹脂が使用されていたが、本実施例で
は、弾性樹脂12を使用したため、リアクトル4から発
生する騒音は弾性樹脂12により吸収され、アルミニウ
ムケース11には伝達されないとともに、弾性樹脂12
が遮音材として機能する。例えば、インダクタンス0.
5〔mH〕のリアクトル装置1に、電圧500〔V〕,
周波数10〔kHz〕の電流50〔A〕を流し、水平方
向に150〔mm〕離間した位置でマイクロフォンによ
る騒音を測定した結果、エポキシ樹脂を充填した場合に
は、80.3〔dB〕,本実施例の弾性樹脂12を充填
した場合には、55.0〔dB〕であり、−25.3
〔dB〕の改善効果が認められた。しかも、弾性樹脂1
2を使用することにより、外部の衝撃等に対しても衝撃
吸収効果があるとともに、ヒビ割れ等の機械的損傷も回
避されるため、耐久性及びコイル3に対する保護効果も
高められる。
【0022】さらに、弾性樹脂12は、シリコン樹脂1
3に所定量の熱伝導用粉材14…を含有するため、熱伝
導率(放熱性)がより高められる。上記の騒音測定条件
の下でコイル3自身の上昇温度を測定した結果、エポキ
シ樹脂を充填した場合に比べ、シリコン樹脂13に75
〔重量%〕の酸化アルミニウムを含有させた弾性樹脂1
2を充填した場合には、約30〔%〕の放熱改善効果が
認められた。なお、コイルの内部寸法を同一条件とした
場合、積層断面の形状が四角形となる本実施例に係るリ
アクトル装置1におけるリアクトル4は、図11及び図
12に示した積層断面Sの形状が円形となる巻鉄心51
を有する改善前のリアクトル50に比べ、積層断面の面
積が約27〔%〕大きくなるため、磁束密度が小さくな
って鉄損が減少する。しかも、放熱効果が高められるた
め、流せる電流も大きくなり、改善前のリアクトル50
に対して実質2倍程度の電流を流すことができ、結果的
に、より省エネルギ化及び低損失化が改善される。
【0023】また、改善前のリアクトル50に対して、
より小型軽量化が実現される。リアクトル装置を同一性
能(インダクタンス0.5〔mH〕,定格電圧500
〔V〕,定格電流50〔A〕)とした場合、改善前のリ
アクトル50をアルミニウムケースに入れ、本実施例と
同様に仕上げた全体重量は、2.8〔kg〕であった
が、本実施例に係るリアクトル装置1の全体重量は、
2.3〔kg〕となり、約18〔%〕の軽量小型化が達
成された。特に、改善前のリアクトル50では、巻鉄心
51における積層断面Sの形状が円形となることから、
巻鉄心51の製作が容易でなく、製造工数の増加による
生産性の低下及び製造コストの上昇を招くとともに、巻
鉄心51の製作において帯材51pに1/4程度の無駄
を生じる問題があったが、本実施例に係るリアクトル装
置1では、これらの問題が全て解消され、材料コストが
低減される。
【0024】次に、本発明の変更実施例について、図8
〜図10を参照して説明する。
【0025】まず、図8は、アルミニウムケース11の
変更実施例を示す。この変更実施例は、アルミニウムケ
ース11に、コイル3の外郭形状に沿って形成した内壁
部11wを設けたものである。これにより、コイル3と
内壁部11w間の距離を全体に短くできるため、放熱性
をさらに高めることができる。なお、22…は、内壁部
(底面及び側面)11wとコイル3間に介在させた保持
部材を示す。
【0026】また、図9及び図10は、分割鉄心部2
a,2b…2dの固定方法及び保持部材の変更実施例を
示す。この変更実施例では、分割鉄心部2a,2b…2
d同士を接着剤を用いて結合するとともに、さらに、外
周に沿って巻付けたバンド部材15により固定したもの
である。これにより、分割された分割鉄心部2a,2b
…2dをより強固に固定することができる。一方、放熱
用ケース11に収容したリアクトル4は、放熱用ケース
11の内壁部11wと積層巻鉄心2間に介在させた第二
保持部材22s…により固定する。この第二保持部材2
2s…は、積層巻鉄心2の外周面における対称的となる
四個所、具体的には、各分割鉄心部2a,2b…2d同
士の結合位置に、厚さが1〜2〔mm〕程度のガラスエ
ポキシ樹脂板の小片22sp…を必要枚数だけ重ねたも
のを、放熱用ケース11の内壁部11wと積層巻鉄心2
間の隙間に挿入する。このため、コイル3を構成する平
角導線Wは、図9に示すように、第二保持部材22s…
を避けて巻回される。このような第二保持部材22s…
を用いれば、コイル3(平角導線W)は、各分割鉄心部
2a,2b…2d同士の結合部位のギャップから離され
るため、局部的な温度上昇を回避することもできる。な
お、図9及び図10において、図1及び図8と同一部分
には同一符号を付し、その構成を明確にするとともに、
その詳細な説明は省略する。
【0027】以上、実施例について詳細に説明したが、
本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、
細部の構成,形状,材料,数量,数値,手法等おいて、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,
削除することができる。
【0028】例えば、実施例は、鉄心として、珪素鋼板
を用いた磁性帯板Pを積層巻した積層巻鉄心2を例示し
たが、アモルファス,パーマロイ,ナノ結晶合金,フェ
ライト,Fe−Al−Si系合金,純鉄等を用いた焼結
タイプの鉄心又は積層タイプの鉄心の使用を排除するも
のではない。また、放熱用ケースとしてアルミニウムケ
ース11を例示したが、他の放熱用素材により形成した
放熱用ケースを排除するものではない。
【0029】一方、充填材として、弾性樹脂12、特
に、シリコン樹脂13に熱伝導用粉材14…を含有させ
た弾性樹脂12を例示したが、他の充填材としては、絶
縁油、望ましくは、上述した熱伝導用粉材14…を40
〜90〔重量%〕含有させた絶縁油を用いることもでき
るし、セラミックス又はセメントを用いることもでき
る。セラミックスを用いる場合には、アルミニウムケー
ス11の内部に粉材を充填した後、加熱することにより
固化させればよい
【0030】さらに、第二保持部材22s…の代わり
に、放熱用ケース11の側面(壁面)にネジ孔を開け、
このネジ孔に外側から固定ボルトを螺合するとともに、
固定ボルトの先端を各分割鉄心部2a,2b…2d同士
の結合部位に当接させることもでき、この場合の固定ボ
ルトも、放熱用ケース11の内壁部11wとリアクトル
4間に介在させた保持部材を構成する。
【0031】他方、実施例は、単一のリアクトル4を用
いたリアクトル装置1を例示したが、例えば、アルミニ
ウムケース11…を複数個分一体化構成することによ
り、複数のリアクトル4…を有するリアクトル装置1と
して構成してもよく、よりコンパクト化、部品点数の削
減及び省スペース化を図ることができる。
【0032】
【発明の効果】このように、本発明に係るリアクトル装
置は、折曲部を有しない非多角形のリング状に形成した
鉄心と、この鉄心の断面形状に沿って縦形の平角導線を
周方向に巻回したコイルにより構成したリアクトルを備
えるため、次のような顕著な効果を奏する。
【0033】(1) 改善前のリアクトル(図11及び
図12のリアクトル50)に対して、省エネルギ化,低
損失化,低騒音化及び小型軽量化に対する改善効果をよ
り高めることができるとともに、加えて生産性の向上及
び製造コストの低減を図れ、しかも帯材の無駄を排除で
きる。
【0034】(2) 好適な実施の形態により、リアク
トルを収容した放熱用ケース(アルミニウムケース)の
内部空間に、充填材を充填すれば、耐久性及びコイルに
対する保護効果を高めることができる。特に、熱伝導用
粉材を含有させることにより、熱伝導率(放熱性)をよ
り高めることができる。
【0035】また、本発明に係るリアクトル装置の製造
方法は、固定盤と、この固定盤から垂直に突出した棒状
の芯金と、この芯金が貫通し、かつこの芯金に沿って変
位可能な加圧盤とを備え、縦形の平角導線の先端側を固
定盤に対して固定し、かつ加圧盤により平角導線を加圧
するとともに、平角導線を引張り、この状態で芯金を回
転させることによりコイルを製作する巻線工程を有する
ため、本発明に係るリアクトル装置の製造を容易に実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係るリアクトル装置の
アルミニウムケース内部の一部を破断かつ省略した平面
図、
【図2】同リアクトル装置の断面側面図、
【図3】同リアクトル装置の製造方法に係る製造工程の
フローチャート、
【図4】同リアクトル装置の製造方法に用いるコイル巻
線機の要部を示す一部断面側面図、
【図5】同コイル巻線機の要部を示す斜視図、
【図6】同リアクトル装置の一部断面分解図、
【図7】同リアクトル装置の外観平面図、
【図8】本発明の変更実施例に係るリアクトル装置の断
面側面図、
【図9】本発明の他の変更実施例に係るリアクトル装置
の内部構造を示す平面図、
【図10】同リアクトル装置の断面側面図、
【図11】改善前のリアクトルの一部を省略した平面
図、
【図12】同リアクトルの一部を省略した断面側面図、
【符号の説明】
1 リアクトル装置 2 鉄心 2a… 分割鉄心部 3 コイル 4 リアクトル 11 放熱用ケース 11w 放熱用ケースの内壁部 12 弾性樹脂 13 シリコン樹脂 14… 熱伝導用粉材 15 バンド部材 22 保持部材 31 芯金 32 固定盤 33 加圧盤 P 磁性帯板 W 平角導線 C1〜C5 巻線工程 A1 第一組立工程 A2,A3 第二組立工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 37/00 H01F 37/00 S T 41/06 41/06 A 41/12 41/12 B (72)発明者 中村 隆彦 長野県上田市蒼久保1216 東京精電株式会 社内 (72)発明者 河合 正則 長野県上田市蒼久保1216 東京精電株式会 社内 (72)発明者 篠原 宏芳 長野県上田市蒼久保1216 東京精電株式会 社内 Fターム(参考) 5E002 AA11 5E044 AC04 CA02

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄心とこの鉄心に巻回したコイルとを有
    するリアクトルを備えるリアクトル装置において、折曲
    部を有しない非多角形のリング状に形成した鉄心と、こ
    の鉄心の断面形状に沿って縦形の平角導線を周方向に巻
    回したコイルにより構成したリアクトルを備えることを
    特徴とするリアクトル装置。
  2. 【請求項2】 前記鉄心は、同一又は複数の幅を有する
    磁性帯板を巻くことにより製作した積層巻鉄心であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のリアクトル装置。
  3. 【請求項3】 前記鉄心は、複数に分割した分割鉄心部
    の組合わせにより構成することを特徴とする請求項1記
    載のリアクトル装置。
  4. 【請求項4】 複数の分割鉄心部同士は、接着剤により
    結合することを特徴とする請求項3記載のリアクトル装
    置。
  5. 【請求項5】 複数の分割鉄心部同士は、接着剤により
    結合するとともに、結合後の鉄心を、外周に巻付けたバ
    ンド部材により固定することを特徴とする請求項3記載
    のリアクトル装置。
  6. 【請求項6】 前記コイルは、前記鉄心の断面に相似す
    る断面形状を有する芯金に巻付けて製作することを特徴
    とする請求項1記載のリアクトル装置。
  7. 【請求項7】 前記非多角形には、円形,楕円形又は長
    円形を含むことを特徴とする請求項1記載のリアクトル
    装置。
  8. 【請求項8】 前記リアクトルは、放熱用ケースに収容
    したことを特徴とする請求項1記載のリアクトル装置。
  9. 【請求項9】 前記放熱用ケースに収容した前記リアク
    トルは、前記放熱用ケースの内壁部と前記リアクトル間
    に介在させた保持部材により固定することを特徴とする
    請求項8記載のリアクトル装置。
  10. 【請求項10】 前記放熱用ケースは、前記コイルの外
    郭形状に沿って形成した内壁部を有することを特徴とす
    る請求項8記載のリアクトル装置。
  11. 【請求項11】 前記リアクトルを収容した前記放熱用
    ケースの内部空間に、充填材を充填したことを特徴とす
    る請求項8記載のリアクトル装置。
  12. 【請求項12】 前記充填材は、弾性樹脂であることを
    特徴とする請求項11記載のリアクトル装置。
  13. 【請求項13】 前記弾性樹脂は、60〜90〔重量
    %〕の熱伝導用粉材を含有させたシリコン樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項12記載のリアクトル装置。
  14. 【請求項14】 前記充填材は、絶縁油であることを特
    徴とする請求項11記載のリアクトル装置。
  15. 【請求項15】 前記絶縁油には、40〜90〔重量
    %〕の熱伝導用粉材を含有することを特徴とする請求項
    14記載のリアクトル装置。
  16. 【請求項16】 前記充填材は、セラミックス又はセメ
    ントであることを特徴とする請求項11記載のリアクト
    ル装置。
  17. 【請求項17】 固定盤と、この固定盤から垂直に突出
    した棒状の芯金と、この芯金が貫通し、かつこの芯金に
    沿って変位可能な加圧盤とを備え、縦形の平角導線の先
    端側を前記固定盤に対して固定し、かつ前記加圧盤によ
    り平角導線を加圧するとともに、前記平角導線を引張
    り、この状態で前記芯金を回転させることによりコイル
    を製作する巻線工程を有することを特徴とするリアクト
    ル装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記巻線工程により得られたコイルと
    複数の分割鉄心部を組合わせてリアクトルを製作する第
    一組立工程を有することを特徴とする請求項17記載の
    リアクトル装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記第一組立工程により得られたリア
    クトルを放熱用ケースに収容し、かつこの放熱用ケース
    の内部空間に、弾性樹脂を充填する第二組立工程を有す
    ることを特徴とする請求項18記載のリアクトル装置の
    製造方法。
  20. 【請求項20】 前記弾性樹脂は、シリコン樹脂に60
    〜90〔重量%〕の熱伝導用粉材を含有することを特徴
    とする請求項19記載のリアクトル装置の製造方法。
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