JP2003195801A - 表示装置及び階調表示方法 - Google Patents

表示装置及び階調表示方法

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JP2003195801A JP2001387872A JP2001387872A JP2003195801A JP 2003195801 A JP2003195801 A JP 2003195801A JP 2001387872 A JP2001387872 A JP 2001387872A JP 2001387872 A JP2001387872 A JP 2001387872A JP 2003195801 A JP2003195801 A JP 2003195801A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の画素がマトリクス上に配列され各画素
の階調表示を行うPDPにおいて低輝度部分における粒
状ノイズの発生を抑制し、画質の向上を図る。 【解決手段】 映像信号をA/D変換部12により8ビ
ットデータに変換するとともに、γ逆補正部13により
12ビットのデータに変換し、データ変換部30により
この12ビットデータを上位の8ビットの整数部データ
と、下位の4ビットの小数部データに分割し、さらにこ
の小数部データについて上位の1ビットの第1の小数部
データと、下位3ビットの第2の小数部データとに分割
し、隣接画素の一方においては第1の小数部データの値
を整数部データに加算する処理を行い、隣接画素の他方
においては第2の小数部データの誤差拡散処理に基づく
処理結果の値を整数部データに加算する処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル等の表示パネルの階調表示を行う表示装置及
び階調表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各画素がマトリクス状に形成されたプラ
ズマディスプレイパネル(以下、PDP)の階調表示を
行うPDP表示装置では、PDPの表示を行う場合、1
/60秒に相当する1フレーム表示期間(表示パネルの
1画面を表示する期間:1フィールド期間)を、画素の
点灯期間である維持発光期間(発光輝度に比例)の相対
比がそれぞれ異なる複数のサブフィールドにより構成し
ている。
【0003】図6の例は、1フレーム表示期間が8個の
サブフィールドSF1〜SF8により構成され、8個の
階調ビットにより256階調表示を行う例である。即
ち、最下位の階調ビット(1ビット目)がサブフィール
ドSF1に対応するとともに、以下順に、2ビット目の
階調ビットがサブフィールドSF2に、3ビット目の階
調ビットがサブフィールドSF3に、4ビット目の階調
ビットがサブフィールドSF4に、5ビット目の階調ビ
ットがサブフィールドSF5に、6ビット目の階調ビッ
トがサブフィールドSF6に、7ビット目の階調ビット
がサブフィールドSF7にそれぞれ対応し、最上位の階
調ビット(8ビット目)がサブフィールドSF8に対応
する。
【0004】このように各サブフィールドSF1〜SF
8では、維持発光期間がそれぞれ階調数(発光輝度の相
対比:維持発光パルス数に比例)1(=20 ),2(=
1),4(=22 ),8(=23 ),16(=2
4 ),32(=25 ),64(=26 ),128(=2
7 ) として重み付けされている。
【0005】ここで、各サブフィールドSF1〜SF8
は維持発光期間の他に走査期間を有している。サブフィ
ールドSF1の走査期間では、最下位ビット(1ビット
目)の表示データに対応するPDP1の各画素への前記
表示データの書き込みを行う。そしてPDP1の全画面
の表示データの書き込みが終了すると、維持発光期間で
はPDPの全画面に維持発光パルスを例えば1回印加し
て書き込みが行われた画素だけ発光表示させる。
【0006】次に、サブフィールドSF2の走査期間で
は、2ビット目の表示データに対応する各画素への表示
データの書き込みを行う。そしてPDP1の全画面の書
き込みが終了すると、維持発光期間ではPDP1の全画
面に維持発光パルスを例えば2回印加して、書き込みが
行われた画素だけ発光表示させる。以下、サブフィール
ドSF3,SF4,SF5,SF6,SF7,SF8に
ついても、走査期間ではそれぞれ対応するビットの表示
データに応じた各画素への表示データの書き込みを行
い、これが終了すると、次の維持発光期間では維持発光
パルスをそれぞれ4回,8回,16回,32回,64
回,128回印加して書き込みが行われた画素だけ発光
表示させる。
【0007】こうしたPDP表示装置では、CRTの発
光特性と互換性を保つために、γ逆補正と呼ばれる補正
を行っている。しかし、こうしたγ逆補正は低輝度部分
において階調の著しい低下を招くため、誤差拡散処理と
呼ばれる処理を行って低輝度部分の階調を増加させるよ
うにしている。
【0008】図7は、前述したγ逆補正を行うγ逆補正
部と誤差拡散処理を行う誤差拡散処理部とを設けたPD
P表示装置の構成を示すブロック図である。また、図8
及び図9は誤差拡散処理部の動作を説明する図である。
図7〜図9を用いて従来の誤差拡散処理を説明する。
【0009】PDP表示装置では映像信号を入力する
と、図7のレベル調整部11によりレベル調整が行わ
れ、さらにA/D変換部12により図8(a)に示すよ
うな、それぞれのビット値がa〜hの8ビットデータに
A/D変換される。図7のγ逆補正部13は、A/D変
換された8ビットデータを入力すると、γ逆補正を行っ
て図8(b)に示すような、それぞれのビット値がi〜
tの12ビットデータに変換し誤差拡散処理部20に出
力する。
【0010】誤差拡散処理部20は、γ逆補正部13か
らの12ビットデータを入力すると、このビット値i〜
tの12ビットデータを後述するビットシフト処理等を
行うために、便宜上この12ビットデータの下位にそれ
ぞれビット値が「0」の5ビットデータを付加して17
ビットデータとする。そしてこの17ビットデータを1
ビットシフトして図8(c)に示す17ビットデータを
生成する。そして、この17ビットデータについて、図
8(d)のように、上位の16〜8ビットからなる9ビ
ットデータ(実質的には、ビット値i〜pの8ビットデ
ータ)と下位の7〜0ビットからなる8ビットデータ
(実質的には、ビット値q〜tの4ビットデータ)とに
ビット分割し、かつ上位の9ビットデータを整数部(I
nteger)とし、下位の8ビットデータを小数部
(Decimal:誤差部分)とする。
【0011】ここで、誤差拡散処理部20では、図8
(e)に示すように、誤差部分である前記小数部の7〜
0ビットの値q,r,s,tをもとに誤差拡散処理を行
う。そして、この誤差拡散処理により、当該画素の誤差
と前の画素の誤差拡散処理に基づく誤差とが加算された
結果、キャリーが発生すると、整数部であるビット値i
〜pの9ビットデータに「1」を加算する加算処理を行
い、図8(f)のように、ビット値A〜Hを有する9ビ
ットデータとして出力する。なお、前記誤差拡散処理の
結果キャリーが発生しない場合は、図8(d)のビット
値i〜pの9ビットデータをそのまま、図8(f)のビ
ット値A〜Hの9ビットデータとして出力する。
【0012】ここで、図9に示すようにPDP1のライ
ンnに各画素(ドット)がP11,P12,P13のよ
うに配置され、ラインnの次のラインであるラインn+
1に各画素がP21,P22,P23のように配置され
ている場合、図8(f)でビット値A〜Hの9ビットデ
ータが値Xとして出力された画素をP12とすると、図
8(e)の誤差拡散処理の結果の値の7/16を次の画
素P13の誤差値に加算し、かつ前記誤差拡散処理の結
果の値の3/16,5/16,1/16を、それぞれ次
のラインの画素21,P22,P23の誤差値に加算す
る。このような誤差拡散処理部20の処理により、PD
P1の低輝度部分の階調が増加する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のPD
P表示装置では、誤差拡散処理を行って低輝度部分の階
調を増加させるようにしている。しかしながら、こうし
た従来の誤差拡散処理では、誤差拡散処理に基づくキャ
リーの発生に起因して低輝度部分で最小発光レベルのノ
イズが発生するという問題が生じ、これが粒状ノイズと
して目立つことから、画質の向上が期待できないという
課題があった。
【0014】したがって、本発明は、階調表示を行うP
DPにおいて低輝度部分における粒状ノイズの発生を抑
制し、画質の向上を図ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明は、複数の画素がマトリクス状に配列さ
れた表示パネルを備えるとともに、表示パネルの1フィ
ールド表示期間を発光期間がそれぞれ重み付けされた複
数のサブフィールドに分割し、映像信号を入力するとA
/D変換しかつγ逆補正を行ってnビットの表示データ
とするとともに、表示データの値に適合するサブフィー
ルドを選択して画素の発光を行う表示装置において、A
/D変換されたnビットデータをγ逆補正してn+mビ
ットデータに変換する変換手段と、n+mビットデータ
のうち、上位ビットを表すnビットデータを整数部デー
タとして分割し、かつ下位ビットを表すmビットデータ
を小数部データとして分割するとともに、小数部データ
を、上位及び下位の各ビットデータを示す第1及び第2
の小数部データに分割するビット分割手段と、第1の小
数部データを入力してディザ処理を行うディザ処理手段
と、第2の小数部データを入力して誤差拡散処理を行う
誤差拡散処理手段と、隣接画素の一方に対しディザ処理
手段の処理モードを選択するとともに、隣接画像の他方
に対し誤差拡散処理手段の処理モードを選択する選択手
段と、整数部データに対し、選択手段により選択された
処理モードに基づく処理結果の値を加算する加算手段と
を設けたものである。
【0016】この場合、選択手段は、水平方向に隣接す
る各画素に対し互いに異なる処理モードを選択するもの
である。また、選択手段は、垂直方向に隣接する各画素
に対し互いに異なる処理モードを選択するものである。
また、選択手段は、隣接画素の一方及び他方に対し、奇
数フィールドと偶数フィールドとでそれぞれ異なる処理
モードを選択するものである。
【0017】また、本発明は、複数の画素がマトリクス
状に配列された表示パネルの1フィールド表示期間を発
光期間がそれぞれ重み付けされた複数のサブフィールド
に分割するとともに、映像信号を入力するとA/D変換
しかつγ逆補正を行ってnビットの表示データとし、か
つ表示データの値に適合するサブフィールドを選択して
画素の発光を行う階調表示方法において、映像信号を入
力するとA/D変換しnビットデータを生成するととも
にこのnビットデータをγ逆補正してn+mビットデー
タに変換する第1のステップと、第1のステップの処理
に基づき変換されたn+mビットデータのうち、上位ビ
ットを表すnビットデータを整数部データとして分割
し、かつ下位ビットを表すmビットデータを小数部デー
タとして分割するとともに、小数部データを、上位及び
下位の各ビットデータを示す第1及び第2の小数部デー
タに分割する第2のステップと、第2のステップの処理
に基づき分割された第1の小数部データを入力してディ
ザ処理を行う第3のステップと、第2のステップの処理
に基づき分割された第2の小数部データを入力して誤差
拡散処理を行う第4のステップと、隣接画素の一方に対
し第3のステップの処理を示す処理モードを選択すると
ともに、隣接画素の他方に対し第4のステップの処理を
示す処理モードを選択する第5のステップと、第2のス
テップの処理に基づき分割された整数部データに対し、
第5のステップの処理に基づき選択された処理モードに
よる処理結果の値を加算する第6のステップとを有する
方法である。
【0018】この場合、第5のステップにおける処理
は、水平方向に隣接する各画素に対し互いに異なる処理
モードを選択する第7のステップを含むものである。ま
た、第5のステップにおける処理は、垂直方向に隣接す
る各画素に対し互いに異なる処理モードを選択する第8
のステップを含むものである。また、第5のステップに
おける処理は、隣接画素の一方及び他方に対し、奇数フ
ィールドと偶数フィールドとでそれぞれ異なる処理モー
ドを選択する第9のステップを含むものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
して説明する。一般に、プラズマディスプレイパネル
(以下、PDP)の表示を行う表示装置では、1フレー
ム表示期間(1画面の表示期間である1フィールド期
間)を、維持発光期間がそれぞれ重み付けされた複数の
サブフィールドに分割するとともに、入力したアナログ
映像信号をA/D変換してサブフィールド数に応じたビ
ット数のデジタルデータとし、変換したビットデータに
応じたサブフィールドによりPDPの対応の画素を発光
させて所定の階調の画像を得るようにしている。
【0020】図1は、本発明を適用したPDPの表示装
置の構成を示すブロック図である。図1において、本P
DP表示装置は、PDP1と、レベル調整部11と、A
/D変換部12と、γ逆変換部13と、フレームメモリ
14と、出力処理部15と、同期分離部16と、タイミ
ングパルス発生部17と、メモリ制御部18と、駆動タ
イミング発生部19と、データ変換部30とからなる。
【0021】ここで、レベル調整部11は、入力映像信
号のレベルを調整するものである。A/D変換部12は
レベル調整された映像信号のレベルをA/D変換し8ビ
ット表示データとして出力する。γ逆補正部13は、C
RTの発光特性と互換性を保つためにその8ビットデー
タをγ逆補正するものである。データ変換部30は、γ
逆補正された12ビットデータについて後述するデータ
変換処理を行いフレームメモリ14に格納する。出力処
理部15はフレームメモリ14内の各データをPDP1
の各画素の表示データとしてデータ電極に出力する。
【0022】同期分離部16は、入力映像信号から同期
信号を分離する。タイミングパルス発生部17は同期分
離部16により抽出された垂直同期信号をもとにA/D
変換部12及びデータ変換部30によるデータ変換の際
のタイミング等の各種タイミング信号を生成する。メモ
リ制御部18は、タイミングパルス発生部17のタイミ
ング信号に基づきフレームメモリ14内の表示データを
出力処理部15側へ出力させる。駆動タイミング発生部
19は、タイミングパルス発生部17及びメモリ制御部
18からのタイミング信号に基づき前述のサブフィール
ドのタイミングや、PDP1の各走査電極及び維持電極
を駆動するためのパルス信号などを生成する。
【0023】一般に、この種のPDP表示装置は、周知
のように、入力映像信号をA/D変換部12によりA/
D変換して8ビットの表示データにした後、この8ビッ
ト表示データをCRTの発光特性と互換性を保つために
γ逆補正部13によりγ逆補正を行い、さらにこのγ逆
補正に伴う誤差の拡散処理を行っている。本実施の形態
では、γ逆補正されたデータについて図6に示すよう
な、発光期間がそれぞれ階調数1(=20 ),2(=2
1 ),4(=22 ),8(=23 ),16(=2 4 ),
32(=25 ),64(=26 ),128(=27 )と
して重み付けされた8個のサブフィールドSF1〜SF
8によりPDP1内の各画素の階調表示を実現するもの
である。また、本実施の形態では、γ逆補正後の誤差拡
散処理に起因する低輝度部分での粒状ノイズを抑制し画
質の向上を図るものである。
【0024】図2は、このPDP表示装置の要部構成を
示す図であり、γ逆補正部13によりγ逆補正された表
示データの変換を行うデータ変換部30の構成を示すブ
ロック図である。データ変換部30は、図2に示すよう
に、データシフト部31と、誤差拡散処理部32と、加
算処理部33と、処理モード選択部34とからなる。
【0025】ここで、データシフト部31は、γ逆補正
部13によりγ逆補正された12ビットのデータを入力
すると、入力した12ビットデータに、下位ビットとし
てそれぞれ値「0」の6ビット分のデータを付加して合
計18ビットデータとし、この18ビットデータを1ビ
ット分シフトして出力する。このデータシフト部31の
出力データのうち、17〜8ビットの上位10ビットデ
ータを加算処理部33に分割出力し、7〜0ビットの下
位8ビットデータを第2の小数部(Decimal)の
データとして誤差拡散処理部32に分割出力するように
構成する。また、データシフト部31は、加算処理部3
3に出力される17〜8ビットの上位10ビットデータ
のうち、17〜9ビットの9ビットデータを整数部(I
nteger)のデータとして分割出力し、8ビット目
のビットデータを第1の小数部のデータとして分割出力
するように構成する。
【0026】誤差拡散処理部32では第2の小数部のデ
ータを入力すると誤差拡散(ErrorDiffusion)処理を行
う。この誤差拡散処理では、今回入力した当該画素の第
2の小数部のデータと、既にラインメモリ14Aに格納
され他の画素の誤差分散結果である第2の小数部のデー
タとを加算する。そして、この加算の結果を誤差拡散し
て後続の各画素への誤差としてラインメモリ14Aに格
納する。なお、前記加算の結果キャリーが発生した場合
はキャリー信号を加算処理部33に出力する。処理モー
ド選択部34は、後述するディザ処理(ディザ法(Dith
er TechniqueMethed)による処理:濃淡画像を2値に量
子化し、マクロ的にみた場合入力画像の濃淡が感じられ
るように量子化する符号化方式)による処理モードであ
る第1の処理モードと、誤差拡散処理部32の処理モー
ドである第2の処理モードの何れか一方を、PDP1の
フレームの奇偶毎、PDP1のラインの奇偶毎、及びP
DP1の各隣接画素毎に交互に選択し加算処理部33に
出力する。
【0027】加算処理部33は、処理モード選択部34
により第1の処理モードが選択された場合は、整数部の
9ビットデータに対し、ディザ処理の処理結果である第
1の小数部の値を加算して9ビットのデータとしフレー
ムメモリ14に出力する。また、加算処理部33は、処
理モード選択部34により第2の処理モードが選択され
た場合は、整数部の9ビットデータに対し、誤差拡散処
理部32による誤差拡散処理結果に基づく値を加算して
(キャリー信号の場合は「1」が加算され、それ以外は
何も加算されない)9ビットのデータとしてフレームメ
モリ14に出力する。ここで、加算処理部33から出力
される9ビットデータのうち最上位ビットである8ビッ
ト目のデータは「0」であるため、その8ビット目のデ
ータを除く8ビットデータがフレームメモリ14に格納
される。
【0028】図3は、加算処理部33の構成を示す回路
図である。加算処理部33は、図3に示すように、加算
器33Aと、インバータ回路33Bと、論理積回路33
Cと、論理和回路33Eとから構成される。図3におい
て、加算処理部33の加算器33Aには、画素Pの整数
部のデータが入力されている。このとき、処理モード選
択部34により第1の処理モードを表す「H」レベルが
選択されている場合は論理積回路33Dの一方の入力端
子は「H」レベルとなる。この場合、ディザ処理の処理
結果である第1の小数部の値が「1」となることによ
り、「H」レベル信号が論理積回路33Dの他方の入力
端子に入力されると論理積回路33Dの出力は「H」レ
ベルとなる。これにより、論理和回路33Eを介して
「H」レベル、即ち値「1」が加算器33Aに入力され
ている画素Pの整数部のデータに加算され、フレームメ
モリ14側に前記画素Pの表示データとして出力され記
憶される。
【0029】一方、加算処理部33の加算器33Aに画
素Pの整数部のデータが入力されているときに、処理モ
ード選択部34により第2の処理モードを表す「L」レ
ベルが選択されている場合は、論理積回路33Cの一方
の入力端子は「H」レベルとなる。この場合、この画素
Pまたはこの画素P以前に入力された画素データの第2
小数部についての誤差拡散処理部32による誤差拡散処
理の結果キャリーが発生し、「H」レベル信号が論理積
回路33Cの他方の入力端子に入力されると論理積回路
33Cの出力は「H」レベルとなる。これにより、論理
和回路33Eを介して「H」レベル、即ち値「1」が加
算器33Aに入力されている画素Pの整数部のデータに
加算され、フレームメモリ14側に前記画素Pの表示デ
ータとして出力され記憶される。
【0030】図4は、PDP表示装置の処理動作を示す
図である。また、図5は、データ変換部30の前記処理
モード選択部34による選択対象となる画素の配置例を
示す図である。図4を中心に、図1〜図3及び図5を用
いてPDP表示装置の処理動作をさらに詳細に説明す
る。
【0031】PDP表示装置では映像信号を入力する
と、図1のレベル調整部11によりレベル調整が行わ
れ、さらにA/D変換部12により図4(a)に示すよ
うな、それぞれのビット値がa〜hの8ビットデータに
A/D変換される。図1のγ逆補正部13は、A/D変
換された8ビットデータを入力すると、γ逆補正を行っ
て図4(b)に示すような、それぞれのビット値がi〜
tの12ビットデータに変換しデータ変換部30に出力
する。
【0032】データ変換部30は、γ逆補正部13から
の12ビットデータを入力すると、このビット値i〜t
の12ビットデータについてビットシフト等を行うため
に、便宜上この12ビットデータを上位ビットとしてそ
の下位にビット値が「0」の6ビット分を付加し18ビ
ットデータとする。そして、データシフト部31により
この18ビットデータを1ビットシフトして図4(c)
に示すような18ビットデータを生成する。
【0033】ここで、この18ビットデータについて、
データ変換部30は、図4(d)のように、上位の17
〜9ビットからなる9ビットデータ(実質的には、ビッ
ト値i〜pの8ビットデータ)と、ビット値qの8ビッ
ト目のデータと、下位の7〜0ビットからなる8ビット
データ(実質的には、ビット値r〜tの3ビットデー
タ)とにビット分割する。そして、ビット値i〜pの9
ビットデータを整数部(Integer)とし、ビット
値qの8ビット目のデータ及びビット値r〜tの8ビッ
トデータをそれぞれ第1及び第2の小数部(Decim
al)とし、第2の小数部のデータを誤差拡散処理部3
2へ与え、整数部のデータ及び第1の小数部のデータを
加算処理部33へ与える。
【0034】ここで、誤差拡散処理部32は、図4
(e)に示すように、誤差部分である第2の小数部の7
〜5ビットの3ビットデータ値r,s,tをもとに前述
した誤差拡散処理を行い、この誤差拡散処理の結果をラ
インメモリ14Aに格納するとともに、キャリーが発生
するとキャリー信号を加算処理部33に出力する。ま
た、加算処理部33にはディザ処理の処理結果である第
1の小数部の値(ビット値がqである8ビット目のデー
タ値)が出力される。さらに、加算処理部33には、整
数部のデータ(ビット値i〜pの9ビットデータ)が出
力される。
【0035】加算処理部33では、処理モード選択部3
4により第1の処理モードが選択されると、図4(d)
に示す整数部データ(ビット値i〜pの9ビットデー
タ)に対して、ディザ処理に基づく第1の小数部のデー
タ値を加算し、図4(f)のように、ビット値A〜Hを
有する9ビットデータとして出力する。また、処理モー
ド選択部34により第2の処理モードが選択されると、
図4(d)に示す整数部データに対して、誤差拡散処理
部32での誤差拡散処理の結果の値を加算し、図4
(f)のように、ビット値A〜Hを有する9ビットデー
タとして出力する。なお、処理モード選択部34は、隣
接する各画素に対し異なる処理モードを選択する。
【0036】このように、映像信号をA/D変換部12
により8ビットデータに変換するとともに、γ逆補正部
13により12ビットのデータに変換し、データ変換部
30がこの12ビットデータを上位の8ビットの整数部
データと、下位の4ビットの小数部データに分割し、さ
らにこの4ビットの小数部データについて上位の1ビッ
トの第1の小数部データと、下位3ビットの第2の小数
部データとに分割し、隣接画素の一方においては第1の
小数部データの値を整数部データに加算する処理を行
い、隣接画素の他方においては第2の小数部データの誤
差拡散処理に基づく処理結果の値を整数部データに加算
する処理を行うようにしたので、従来の誤差拡散処理で
加算される最小発光レベルの半分の値のみが加算される
のみであり、かつ誤差拡散の分布密度を密にできること
から、従来の誤差拡散処理のように低輝度部分での最小
発光レベルのノイズが目立つという現象が緩和され、こ
の結果、PDP1の画質を向上させることができる。
【0037】ここで、処理モード選択部34は、図5
(a)に示す奇数フレーム2n−1においては、奇数ラ
インであるライン2n−1の隣接画素P11,P12の
表示データ(整数部データ)に対し、第1,第2の処理
モードでの処理結果をそれぞれ加算すると、次のライン
である偶数ライン2nの隣接画素P21,P22の表示
データに対しては、第2,第1の処理モードでの処理結
果をそれぞれ加算するように構成する。すなわち、水平
方向に隣接する各画素(P11とP12、P21とP2
2)毎にそれぞれ異なる処理モードでの処理結果を加算
し、かつ垂直方向に隣接する各画素(P11とP21、
P12とP22)毎にそれぞれ異なる処理モードでの処
理結果を加算する。
【0038】また、処理モード選択部34は、図5
(b)に示す偶数フレーム2nにおいては、奇数フレー
ム2n−1の場合と逆に、奇数ラインであるライン2n
−1の隣接画素P11,P12の表示データに対し、第
2,第1の処理モードでの処理結果をそれぞれ加算する
と、次のラインである偶数ライン2nの隣接画素P2
1,P22の表示データに対しては、第1,第2の処理
モードでの処理結果をそれぞれ加算するように構成す
る。
【0039】なお、本実施の形態では、映像信号をA/
D変換部12により8ビットデータに変換するととも
に、γ逆補正部13により12ビットのデータに変換
し、データ変換部30がこの12ビットデータを上位の
8ビットの整数部データと、下位の4ビットの小数部デ
ータに分割し、さらにこの4ビットの小数部データにつ
いて上位の1ビットの第1の小数部データと、下位3ビ
ットの第2の小数部データとに分割し、隣接画素の一方
においては第1の小数部データの値を整数部データに加
算する処理を行い、隣接画素の他方においては第2の小
数部データの誤差拡散処理に基づく処理結果の値を整数
部データに加算する処理を行うようにしているが、γ変
換された12ビットデータを、8ビットの整数部データ
と、下位の4ビットの小数部データに分割するととも
に、この下位4ビットの小数部データについてさらに上
位の2ビットの第1の小数部データと、下位2ビットの
第2の小数部データとに分割し、隣接画素の一方におい
て第1の小数部データのディザ処理に基づく処理結果の
値を整数部データに加算する処理を行い、隣接画素の他
方において第2の小数部データの誤差拡散処理に基づく
処理結果の値を整数部データに加算する処理を行うよう
にしても同様の効果を奏する。
【0040】また、A/D変換部12により8ビットデ
ータに変換された映像信号データを、γ逆補正部13に
より例えば14ビットのデータに変換し、データ変換部
30がこの14ビットデータを、上位の8ビットの整数
部データと、下位の6ビットの小数部データとに分割す
るとともに、この下位6ビットデータについて例えば上
位2ビットの第1の小数部データと、下位4ビットの第
2の小数部データとに分割し、隣接画素の一方において
第1の小数部データのディザ処理に基づく処理結果の値
を整数部データに加算する処理を行い、隣接画素の他方
において第2の小数部データの誤差拡散処理に基づく処
理結果の値を整数部データに加算する処理を行うように
しても同様の効果を奏する。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数の画素がマトリクス状に配列された表示パネルを備え
るとともに、表示パネルの1フィールド表示期間を発光
期間がそれぞれ重み付けされた複数のサブフィールドに
分割し、映像信号を入力するとA/D変換しかつγ逆補
正を行ってnビットの表示データとするとともに、表示
データの値に適合するサブフィールドを選択して画素の
発光を行う表示装置において、A/D変換されたnビッ
トデータをγ逆補正してn+mビットデータに変換し、
このγ逆変換されたn+mビットデータのうち、上位ビ
ットを表すnビットデータを整数部データとして分割
し、かつ下位ビットを表すmビットデータを小数部デー
タとして分割するとともに、この小数部データを、上位
及び下位の各ビットデータを示す第1及び第2の小数部
データに分割する一方、第1の小数部データを入力して
ディザ処理を行うディザ処理手段と、第2の小数部デー
タを入力して誤差拡散処理を行う誤差拡散処理手段とを
設け、隣接画素の一方に対しディザ処理手段の処理モー
ドを選択するとともに、隣接画像の他方に対し誤差拡散
処理手段の処理モードを選択し、前記整数部データに対
し、選択された処理モードに基づく処理結果の値を加算
するようにしたので、従来の誤差拡散処理で加算される
最小発光レベルの半分の値のみが加算され、かつ誤差拡
散の分布密度を密にできることから、従来の誤差拡散処
理のように低輝度部分での最小発光レベルのノイズが目
立つという現象が緩和され、この結果、表示パネルの画
質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る表示装置の構成を示すブロック
図である。
【図2】 上記表示装置の要部であるデータ変換部の構
成を示すブロック図である。
【図3】 上記データ変換部を構成する加算処理部の回
路図である。
【図4】 データ変換部の変換処理を示す図である。
【図5】 データ変換部の変換対象となる画素の配置例
を示す図である。
【図6】 表示装置におけるサブフィールドの配列構成
を示す図である。
【図7】 従来の表示装置のブロック図である。
【図8】 従来の表示装置における誤差拡散処理を説明
する図である。
【図9】 従来の誤差拡散処理の対象となる画素の配置
例を示す図である。
【符号の説明】
1…PDP、12…A/D変換部、13…γ逆補正部、
14…フレームメモリ、14A…ラインメモリ、15…
出力処理部、16…同期分離部、17…タイミングパル
ス発生部、18…メモリ制御部、19…駆動タイミング
発生部、30…データ変換部、31…データシフト部、
32…誤差拡散処理部、33…加算処理部、34…処理
モード選択部、33A…加算器、33B…インバータ回
路、33C,33D…論理積回路、33E…論理和回
路、P11,P22,P21,P22…画素。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/66 101 G09G 3/28 K

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の画素がマトリクス状に配列された
    表示パネルを備えるとともに、前記表示パネルの1フィ
    ールド表示期間を発光期間がそれぞれ重み付けされた複
    数のサブフィールドに分割し、映像信号を入力するとA
    /D変換しかつγ逆補正を行ってnビットの表示データ
    とするとともに、前記表示データの値に適合するサブフ
    ィールドを選択して前記画素の発光を行う表示装置にお
    いて、 前記A/D変換されたnビットデータを前記γ逆補正し
    てn+mビットデータに変換する変換手段と、 前記n+mビットデータのうち、上位ビットを表すnビ
    ットデータを整数部データとして分割し、かつ下位ビッ
    トを表すmビットデータを小数部データとして分割する
    とともに、前記小数部データを、上位及び下位の各ビッ
    トデータを示す第1及び第2の小数部データに分割する
    ビット分割手段と、 前記第1の小数部データを入力してディザ処理を行うデ
    ィザ処理手段と、 前記第2の小数部データを入力して誤差拡散処理を行う
    誤差拡散処理手段と、 隣接画素の一方に対し前記ディザ処理手段の処理を示す
    第1の処理モードを選択するとともに、隣接画素の他方
    に対し前記誤差拡散処理手段の処理を示す第2の処理モ
    ードを選択する選択手段と、 前記整数部データに対し、前記選択手段により選択され
    た処理モードに基づく処理結果の値を加算する加算手段
    とを備えたことを特徴とする表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記選択手段は、水平方向に隣接する各画素に対し互い
    に異なる処理モードを選択することを特徴とする表示装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記選択手段は、垂直方向に隣接する各画素に対し互い
    に異なる処理モードを選択することを特徴とする表示装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかにおいて、 前記選択手段は、隣接画素の一方及び他方に対し、奇数
    フィールドと偶数フィールドとでそれぞれ異なる処理モ
    ードを選択することを特徴とする表示装置。
  5. 【請求項5】 複数の画素がマトリクス状に配列された
    表示パネルの1フィールド表示期間を発光期間がそれぞ
    れ重み付けされた複数のサブフィールドに分割するとと
    もに、映像信号を入力するとA/D変換しかつγ逆補正
    を行ってnビットの表示データとし、かつ前記表示デー
    タの値に適合するサブフィールドを選択して前記画素の
    発光を行う階調表示方法において、 映像信号を入力するとA/D変換しnビットデータを生
    成するとともにこのnビットデータをγ逆補正してn+
    mビットデータに変換する第1のステップと、 前記第1のステップの処理に基づき変換されたn+mビ
    ットデータのうち、上位ビットを表すnビットデータを
    整数部データとして分割し、かつ下位ビットを表すmビ
    ットデータを小数部データとして分割するとともに、前
    記小数部データを、上位及び下位の各ビットデータを示
    す第1及び第2の小数部データに分割する第2のステッ
    プと、 前記第2のステップの処理に基づき分割された第1の小
    数部データを入力してディザ処理を行う第3のステップ
    と、 前記第2のステップの処理に基づき分割された第2の小
    数部データを入力して誤差拡散処理を行う第4のステッ
    プと、 隣接画素の一方に対し前記第3のステップの処理を示す
    第1の処理モードを選択するとともに、隣接画素の他方
    に対し前記第4のステップの処理を示す第2の処理モー
    ドを選択する第5のステップと、 前記第2のステップの処理に基づき分割された整数部デ
    ータに対し、前記第5のステップの処理に基づき選択さ
    れた処理モードによる処理結果の値を加算する第6のス
    テップとを有することを特徴とする階調表示方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記第5のステップにおける処理は、水平方向に隣接す
    る各画素に対し互いに異なる処理モードを選択する第7
    のステップを含むことを特徴とする階調表示方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6において、 前記第5のステップにおける処理は、垂直方向に隣接す
    る各画素に対し互いに異なる処理モードを選択する第8
    のステップを含むことを特徴とする階調表示方法。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7の何れかにおいて、 前記第5のステップにおける処理は、隣接画素の一方及
    び他方に対し、奇数フィールドと偶数フィールドとでそ
    れぞれ異なる処理モードを選択する第9のステップを含
    むことを特徴とする階調表示方法。
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