JP2003195268A - 表示装置用プラスチック基板及びその製造方法 - Google Patents

表示装置用プラスチック基板及びその製造方法

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JP2003195268A
JP2003195268A JP2001391718A JP2001391718A JP2003195268A JP 2003195268 A JP2003195268 A JP 2003195268A JP 2001391718 A JP2001391718 A JP 2001391718A JP 2001391718 A JP2001391718 A JP 2001391718A JP 2003195268 A JP2003195268 A JP 2003195268A
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Japan
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plastic substrate
water vapor
film
barrier film
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Application number
JP2001391718A
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English (en)
Inventor
Kohei Arakawa
公平 荒川
Keisuke Koseki
圭介 小関
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化・薄型化が容易で、衝撃に強く、平面
性、寸度安定性、及びITO電極との密着性に優れ、製
造が容易であると共に、ガスバリヤ性に優れた、高性能
な表示装置用プラスチック基板及び該基板を効率よく製
造する方法を提供。 【解決手段】 水蒸気バリヤ性フイルム間に、少なくと
も一層の低湿での酸素バリヤ性を有するフイルムを介在
させてなり、これら水蒸気バリヤ性フイルム及び酸素バ
リヤ性フイルムの少なくとも一層が、樹脂と無機物との
コンポジットから形成されることを特徴とする表示装置
用プラスチック基板及び共押出しによる製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パソコン、AV機
器、携帯電話、情報通信機器、ゲームやシミュレーショ
ン機器、及び、車載用のナビゲーションシステム等、種
々の分野の表示装置、特に、STN(スーパーツイステ
ィッドネマティック)型の液晶表示装置、2端子素子型
液晶表示装置、3端子素子型液晶表示装置等に好適な液
晶表示装置に用いられる表示装置用プラスチック基板及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、情報機器、通信機器等には、ST
N型液晶表示装置、MIN液晶表示装置、TFT液晶表
示装置等が使用されている。これらの液晶表示装置用の
基板としては、厚み1mm以下のホウケイ酸ガラス板、
ソーダライムガラス板、無アルカリガラス板等が用いら
れているが、ガラス基板は、耐衝撃性が低く、落下によ
って割れる等の問題があるため、耐衝撃性に優れたプラ
スチック基板で代替させるニーズが高い。
【0003】しかしながら、プラチック基板は、ガラス
基板に比べ、水蒸気、酸素等に対するガスバリヤ性が低
い。このため、好適に液晶の性能を維持するためには、
高いガスバリヤ性が必要とされ、プラスチック基板にガ
スバリヤ性を付与する技術が種々検討されている。
【0004】例えば、特許第3054235号公報に
は、ガスバリヤ層として、ポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリアクリロニトリル、ビニルアルコール及びその
共重合体等の樹脂で形成された層、二酸化珪素等の無機
化合物等の蒸着層等が開示されている。また、特許第3
059866号公報には、厚み0.0015〜0.25
mmの超薄ガラスをプラスチックに貼り付ける方法が開
示されている。
【0005】しかしながら、ポリビニルアルコール(P
VA)等の有機物で、所望のガスバリヤ性を有する層を
形成するには、厚い層を形成することが必要とされる。
また、湿度によってガスバリヤ特性が大きく影響を受け
る。この場合、無機化合物を用いれば、層の厚みを薄く
することはできるが、応力が加わるとひびが入ってしま
ったり、高コストになるという問題がある。更に、超薄
ガラスを用いる場合には、超薄ガラスは割れ易く、歩留
まり良く貼合せることが技術的に困難であり、高コスト
を招いてしまうという問題などがある。
【0006】一方、無機層状化合物含有膜は、ガスや低
分子化合物のバリヤ性が高く、このような無機層状化合
物含有膜の中でも、バインダーとして水溶性ポリマーを
用いた雲母/ゼラチン膜、雲母/PVA膜はガスや低分
子化合物等の透過抑制に顕著な効果を示すことが知られ
ている(特開平10−90828号公報)。
【0007】しかしながら、このような水溶性ポリマー
をバインダーとするハイブリッド膜は、高湿(80%R
H以上)下では、そのガスバリヤ効果が大きく低下して
しまうという問題がある。
【0008】このように前記ガラス基板が有する問題を
解決し得、更に、前記プラスチック性基板に比べ、平面
性、ITO電極との密着性、強度、セル厚の均一化の容
易性等に優れ、特にガスバリヤ性に優れたガラス基板及
びプラスチック性基板に代替し得る、低コストであり、
より高性能の材料の開発が強く望まれているが、未だ十
分満足し得るものが提供されていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、軽量化・薄型化が容易で、
衝撃に強く、平面性、寸度安定性、及びITO電極との
密着性に優れ、製造が容易で、低コストであり、更に、
ガスバリヤ性に優れた、高性能な表示装置用プラスチッ
ク基板及び該基板を効率よく製造する方法を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、下記の表示装置用プラスチック基板及びそ
の製造方法を提供する。
【0011】請求項1の発明は、水蒸気バリヤ性を有す
るフイルム間に、少なくとも一層の低湿での酸素バリヤ
性を有するフイルムを介在させてなり、これら水蒸気バ
リヤ性フイルム及び酸素バリヤ性フイルムの少なくとも
一層が、樹脂と無機物とのコンポジットから形成される
ことを特徴とする表示装置用プラスチック基板である。
【0012】請求項2の発明は、無機物が、数平均粒径
(D50)が200nm以下の無機微粒子、又は、平均
厚み10nm以下で平均アスペクト比が20以上の無機
層状化合物である請求項1記載の表示装置用プラスチッ
ク基板である。
【0013】請求項3の発明は、無機層状化合物の平均
アスペクト比が、5000以下である請求項2記載の表
示装置用プラスチック基板である。
【0014】請求項4の発明は、前記水蒸気バリヤ性フ
イルムを構成する樹脂が、温度25℃、湿度90%以上
で100μm当たりの水蒸気透過率が2g/m・da
y以下である請求項1乃至3のいずれか1項記載の表示
装置用プラスチック基板である。
【0015】請求項5の発明は、前記水蒸気バリヤ性フ
イルムの樹脂がノルボルネン系樹脂である請求項1乃至
4のいずれか1項記載の表示装置用プラスチック基板で
ある。
【0016】請求項6の発明は、前記低湿での酸素バリ
ヤ性を有するフイルムを構成する樹脂が、温度25℃、
湿度60%以下で100μm当たりの酸素透過率が1c
c/m・atm・day以下である請求項1乃至5の
いずれか1項記載の表示装置用プラスチック基板であ
る。
【0017】請求項7の発明は、前記酸素バリヤ性フイ
ルムの樹脂が、ポリビニルアルコール(PVA)、エチ
レンビニルアルコール共重合体(EVA)、ポリ塩化ビ
ニリデン(PVDC)及びポリ塩化ビニル(PVC)か
ら選ばれる請求項1乃至6のいずれか1項記載の表示装
置用プラスチック基板である。
【0018】請求項8の発明は、前記水蒸気バリヤ性フ
イルム及び酸素バリヤ性フイルムが、共押出しにより形
成されたものである請求項1乃至7のいずれか1項記載
の表示装置用プラスチック基板である。
【0019】請求項9の発明は、水蒸気バリヤ性フイル
ムと酸素バリヤ性フイルムとの間に密着層を設けた請求
項1乃至8のいずれか1項記載の表示装置用プラスチッ
ク基板である。
【0020】請求項10の発明は、波長632.8nm
におけるレターデーション(Re)の値が、10nm以
下である請求項1乃至9のいずれか1項記載の表示装置
用プラスチック基板である。
【0021】請求項11の発明は、水蒸気バリヤ性を有
するフイルム材料と低湿での酸素バリヤ性を有するフイ
ルム材料とを共押出しし、前記水蒸気バリヤ性フイルム
材料からなる層の間に少なくとも一層の酸素バリヤ性フ
イルム材料からなる積層体を形成する工程を有する表示
装置用プラスチック基板の製造方法であって、前記水蒸
気バリヤ性を有するフイルム材料及び低湿での酸素バリ
ヤ性を有するフイルム材料のいずれか又はすべてが樹脂
と無機物とのコンポジット材料であることを特徴とする
表示装置用プラスチック基板の製造方法である。
【0022】本発明によれば、水蒸気バリヤ性フイルム
間に、少なくとも一層の低湿での酸素バリヤ性を有する
フイルムを介在させてなり、これら水蒸気バリヤ性フイ
ルム及び酸素バリヤ性フイルムの少なくとも一層が、樹
脂と無機物とのコンポジットから形成されことにより、
寸度安定性が向上し、優れたガスバリヤ効果を有する高
性能な表示装置用プラスチック基板が得られる。
【0023】また、本発明によれば、共押出しにより、
形成可能であるため、製造工程が簡略化できるととも
に、製造コストを軽減でき、効率よく、低コストな表示
装置用プラスチック基板が得られる。
【0024】従って、本発明によれば、ガスバリヤ性が
向上するので、別途ガスバリヤ層を設ける必要がなく、
効率よく安価に製造が容易であり、軽量化・薄型化が容
易で、ひび等の衝撃に強く、平面性、寸度安定性及びI
TO電極との密着性が高い、高性能な表示装置用プラス
チック基板の提供が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の表示装置用プラス
チック基板について詳細に説明する。本発明の表示装置
用プラスチック基板1は、図1に示したように、水蒸気
バリヤ性を有するフイルム2,2間に、少なくとも一層
の低湿での酸素バリヤ性を有するフイルム3を介在させ
てなり、これら水蒸気バリヤ性フイルム2及び酸素バリ
ヤ性フイルム3の少なくとも一層が、樹脂と無機物との
コンポジットから形成されるものである。
【0026】前記水蒸気バリヤ性フイルムとしては、温
度25℃、湿度90%以上で100μm当たりの水蒸気
透過率が2g/m・day以下、好ましくは1g/m
・day以下、より好ましくは0.51g/m・d
ay以下の材料を用いることが好ましい。温度25℃、
湿度90%以上で100μm当たりの水蒸気透過率が2
g/m・dayを超えると、高湿度下において液晶の
性能を維持することができなくなる場合がある。
【0027】このような材料としては、例えば、ノルボ
ルネン系樹脂が好適である。なお、ノルボルネン系樹脂
の温度25℃、湿度90%以上で100μm当たりの水
蒸気透過率は、通常、0.2g/m・day程度であ
る。
【0028】前記ノルボルネン系樹脂は、ノルボルネン
骨格を繰り返し単位として有してなり、その具体例とし
ては、特開昭62−252406号公報、特開昭62−
252407号公報、特開平2−133413号公報、
特開昭63−145324号公報、特開昭63−264
626号公報、特開平1−240517号公報、特公昭
57−8815号公報、特開平5−39403号公報、
特開平5−43663号公報、特開平5−43834号
公報、特開平5−70655号公報、特開平5−279
554号公報、特開平6−206985号公報、特開平
7−62028号公報、特開平8−176411号公
報、特開平9−241484号公報等に記載されたもの
が好適に利用できるが、これらに限定されるものではな
い。また、これらは、1種単独で使用してもよいし、2
種以上を併用してもよい。
【0029】本発明においては、前記ノルボルネン系樹
脂の中でも、下記構造式(I)〜(IV)のいずれかで
表される繰り返し単位を有するものが好ましい。
【0030】
【化1】
【0031】前記構造式(I)〜(IV)中、A、B、
C及びDは、各々独立して、水素原子又は1価の有機基
を表す。
【0032】また、前記ノルボルネン系樹脂の中でも、
下記構造式(V)又は(VI)で表される化合物の少な
くとも1種と、これと共重合可能な不飽和環状化合物と
をメタセシス重合して得られる重合体を水素添加して得
られる水添重合体も好ましい。
【0033】
【化2】
【0034】前記構造式(V),(VI)中、A、B、
C及びDは、各々独立して、水素原子又は1価の有機基
を表す。
【0035】前記ノルボルネン系樹脂の重量平均分子量
としては、5,000〜1,000,000程度であ
り、8,000〜200,000が好ましい。
【0036】このようなノルボルネン系樹脂としては、
市販品を用いることができ、例えば、JSR社製の「ア
ートン」、日本ゼオン社製の「ゼオネックス」及び「ゼ
オノア」、三井石油化学製の「APO」などが挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。
【0037】前記水蒸気バリヤ性フイルムの厚みとして
は、各々10〜300μmであることが好ましく、50
〜200μmであることがより好ましい。前記厚みが、
300μmを超えると、薄膜化・軽量化の点で、充分で
ないことがある。
【0038】前記低湿での酸素バリヤ性を有するフイル
ムとして、温度25℃、湿度60%以下で100μm当
たりの酸素透過率が1cc/m・atm・day以
下、好ましくは0.5cc/m・atm・day以
下、より好ましくは0.1cc/m・atm・day
以下の材料を用いることが好ましい。温度25℃、湿度
60%以下で100μm当たりの酸素透過率が1cc/
・atm・dayを超えると、液晶の性能を維持す
ることができなくなる場合がある。なお、前記酸素透過
率は、特に制限されないが、ガス透過率測定装置(モコ
ン社製)により求めた値である。
【0039】前記酸素バリヤ性フイルムの材料は、上記
低湿での酸素透過率を満たせば特に制限されず、例え
ば、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンビニル
アルコール共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニリデン
(PVDC)及びポリ塩化ビニル(PVC)から選ばれ
るものを用いることができる。これらの中でも、ポリビ
ニルアルコール(PVA)、エチレンビニルアルコール
共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)
が好ましい。なお、温度25℃、湿度60%以下で10
0μm当たりの酸素透過率が、ポリビニルアルコール
(PVA)が0.015cc/m・atm・day、
エチレンビニルアルコール共重合体(EVA)が0.0
75cc/m・atm・day、ポリ塩化ビニリデン
(PVDC)が0.4cc/m・atm・day程度
である。
【0040】前記酸素バリヤ性フイルムの厚みとして
は、10〜300μmであることが好ましく、50〜2
00μmであることがより好ましい。前記厚みが、30
0μmを超えると、薄膜化・軽量化の点で、充分でない
ことがある。
【0041】本発明においては、前記水蒸気バリヤ性フ
イルム及び酸素バリヤ性フイルムから選ばれる少なくと
も一層が樹脂と無機物とのコンポジットから形成され、
これにより、寸度安定性が向上し、ガスバリヤ効果が飛
躍的に高くなる。
【0042】前記無機物としては、数平均粒径
(D50)が200nm以下の無機微粒子、及び、平均
厚み10nm以下で平均アスペクト比が20以上の無機
層状化合物のいずれかが好適に用いられる。 −−無機微粒子−− 前記無機微粒子の数平均粒径(D50)としては、20
0nm以下が好ましく、80nm以下がより好ましい。
前記数平均粒径(D50)が、200nm以下であれ
ば、前記フイルムにおける樹脂中のバウンドポリマー量
が多くなる等の理由により、機械的物性が飛躍的に向上
し、ガスバリヤ性も極めて優れる。なお、本発明におい
て「バウンドポリマー」とは、分子鎖がフイルム中の無
機微粒子・無機層状化合物等の束縛を受け、拡散速度が
低下したポリマーを指す。
【0043】前記無機微粒子としては、例えば、フィラ
ー等が好適に挙げられる。該フィラーとしては、特に制
限はなく公知のフィラーが総て好適に挙げられ、例え
ば、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、窒
化物、炭素類、等が挙げられる。
【0044】前記酸化物としては、シリカ、珪藻土、ア
ルミナ(アルミナゾル等)、酸化亜鉛、酸化チタン、酸
化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化スズ、
酸化アンチモン、フェライト類等が挙げられる。前記ア
ルミナゾルは、樹脂類等の吸着性が高い、加熱乾燥後も
安定なOH基を含む、耐熱性に優れる、ポリマー強化効
果が高い、等の点で好ましい。前記水酸化物としては、
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム、塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられる。前記
炭酸塩としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタル
サイト等が挙げられる。前記硫酸塩としては、硫酸カル
シウム、硫酸バリウム、石膏繊維等が挙げられる。
【0045】前記ケイ酸塩としては、ケイ酸カルシウム
(ウォラストナイト、ゾノトライト)、タルク、クレ
ー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白
土、セピオライト、イモゴライト、セリサリト、ガラス
繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン等が挙げられる。
前記窒化物としては、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、
窒化ケイ素等が挙げられる。前記炭素類としては、カー
ボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、
木炭粉末等が挙げられる。前記フィラーとしては、その
ほか、各種金属粉、チタン酸カリウム、MOS、チタン
酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデ
ン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁
性粉、スラグ繊維等が挙げられる。これらの中でも、表
面エネルギーが高い点で、無機物フィラーが好ましい。
これらのフィラーは、1種単独で使用してもよいし、2
種以上を併用してもよい。例えば、前記アルミナゾル
は、シリカ、雲母、ガラス繊維、アルミナ等の無機物質
に対する粘結力が高いため、他の無機微粒子等と併用す
るのも好ましい。
【0046】前記フィラーの形状としては、特に制限は
ないが、例えば、繊維状、針状、板状、球状、粒状等が
挙げられる。
【0047】前記フィラーの製造方法としては、特に制
限はなく、公知のフィラーの製造方法である気相法、液
相法等が挙げられる。前記気相法としては、例えば、原
料を高温に加熱して蒸発させ、冷却して微粒子状に凝縮
させる蒸発・凝縮法、及び、金属化合物蒸気の気相での
化学反応によって粒子を合成する気相反応法等が挙げら
れる。前記液相法としては、化学的方法及び物理的方法
が挙げられる。該化学的方法としては、例えば、通常、
混合物の沈殿として得る共沈法、化学反応により溶液内
に沈殿生成の条件を均一に生成させる均一沈殿法、単一
の化合物の沈殿を利用する化合物沈殿法、金属アルコキ
シド法等が挙げられる。前記物理的方法としては、泥漿
や溶液を噴霧し、溶媒を気化して固相を析出させ、粉末
を得る噴霧法、可燃性溶媒に溶解した金属塩を溶媒と共
に燃焼させ、酸化物微粒子を合成する溶液燃焼法、液滴
の凍結により固相を固定した後、固−気変換により固相
中の液相を除去する凍結乾燥法、溶液中に作製された微
小液滴の固化により粉末を得るエマルジョン法、低温で
溶融する硝酸塩融液を利用する硝酸塩分解法等が挙げら
れる。
【0048】前記フィラーの平均径を前記数値範囲内に
制御する方法としては、例えば、粉砕・分級等が好まし
い。該粉砕に用いるミルとしては、例えば、高速回転衝
撃剪断式ミル、ロール式ミル、媒体ミル、気流粉砕式ミ
ル、剪断・摩擦式ミル等が挙げられる。
【0049】前記フィラーは、所望により、表面改質さ
れていてもよい。該表面改質としては、フィラー粒子表
面へのコーティングによる改質、フィラー粒子表面に官
能基を導入し合成反応によって改質するトポケミカル改
質(in situ重合法)、粉体を粉砕機や摩擦機で
微粒子化する際、次々と新鮮で活性な表面が表れ、周囲
の物質(改質剤)と速やかに起こすトライボケミカル反
応を利用する改質、マイクロカプセルの考え方をフィラ
ー粒子表面の改質に取り入れたカプセル化による改質、
コロナ放電、高周波放電、グロー放電等により得られる
プラズマ中の活性ラジカル、イオン、電子等を応用する
高エネルギーによる改質等が挙げられる。
【0050】−−無機層状化合物−− 前記無機層状化合物は、平均厚み8nm以下であるのが
好ましく、平均アスペクト比50〜5000であるのが
好ましい。前記無機層状化合物における厚み及びアスペ
クト比が、前記数値範囲内(平均厚み10nm以下、平
均アスペクト比20以上)であれば、前記フイルムにお
ける樹脂中のバウンドポリマー量が多くなると共に、ア
スペクト比増大効果により、機械的物性・ガスバリヤ性
に極めて優れる。
【0051】前記無機層状化合物としては、例えば、前
述のフィラーに含まれるような各種無機層状化合物が挙
げられる。以下に、更に詳細に説明する。前記無機層状
化合物は、10〜15オングストロームの厚さの単位結
晶格子層を含む積層構造を有し、格子内金属原子置換が
他の粘土鉱物より著しく大きい。このため、格子層は正
電荷不足を生じ、それを補償するために層間に陽イオン
を吸着し介在させている。これら層間に介在している陽
イオン(交換性陽イオン)は、種々の陽イオンと交換さ
れる。特に、陽イオンのイオン半径が小さいと層状結晶
格子間の結合が弱いため、水等により大きく膨潤する。
膨潤した状態で無機層状化合物にシェアーをかけると容
易に劈開し、水中で安定したゾルを形成する。
【0052】前記無機層状化合物において、前記層間に
介在する陽イオン(交換性陽イオン)は、Na、Ca
2+、Mg2+等であり、該陽イオンが、Li、Na
の場合には、イオン半径が小さいため、層状結晶格子
間の結合が弱く、水中で大きく膨潤し、本発明に好まし
く用いられる。
【0053】前記無機層状化合物としては、天然スメク
タイト、合成スメクタイト等のスメクタイト、膨潤性合
成雲母、バーミキュライト等の膨潤性の無機層状化合物
が特に好適に挙げられる。
【0054】前記スメクタイトは、中心にSiが入った
Si−O四面体が平面に広がった四面体シートと、A
l、Mg等の金属原子が中心に入った八面体シートと、
が2:1で構成された構造を有する。
【0055】前記スメクタイトにおいて、四面体型では
SiがAlに置換された構造、八面体型ではAlがMg
に置換された構造となっているため、スメクタイトの結
晶層は、プラス電荷が不足し、表面荷電がマイナスとな
っている。前者の場合、四面体置換型(四面体荷電体)
であり、例えば、バイデライト、ノントロナイト、ボル
コンスコアイト、サポナイト、等が挙げられる。後者の
場合、八面体置換型(八面体荷電型)であり、例えば、
モンモリロナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等
が挙げられる。
【0056】前記スメクタイトのうち、天然スメクタイ
トとしては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトラ
イト、等が製品化されている。合成スメクタイトとして
は、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、等
が製品化されている。
【0057】前記膨潤性の無機層状化合物としては、一
般式A(B,C)2−3Si (OH,F,O)
[但し、Aは、Na及びLiの何れか、B及びCは、
Mg及びLiの何れかである]等で表される。
【0058】前記膨潤性合成雲母としては、例えば、N
aテトラシックマイカNaMg2. (Si10
、Na又はLiテニオライト(NaLi)Mg
i(Si10)F、Na又はLiヘクトライト
(NaLi)1/3Mg2/3Li1/3(Si
10)F、等が挙げられる。
【0059】前記無機層状化合物の中でも、水による膨
潤度が大きく、水中で容易に劈開し安定したゾルを形成
し易い点で、ベントナイト、膨潤性合成雲母等が好まし
く、特に、膨潤性合成雲母が好適である。
【0060】前記水蒸気バリヤ性フイルム及び/又は酸
素バリヤ性フイルムにおける、前記微粒子及び無機層状
化合物の少なくともいずれかの含有量としては、2質量
%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましい。前記
含有量が、2質量%以上であれば、前記水蒸気バリヤ性
フイルム及び/又は酸素バリヤ性フイルムにおける樹脂
中のバウンドポリマー量が多くなり、機械的物性・ガス
バリヤ性に極めて優れる。又、前記水蒸気バリヤ性フイ
ルム及び/又は酸素バリヤ性フイルムにおける、前記微
粒子及び無機層状化合物の少なくともいずれかの含有量
としては、2体積%以上が好ましく、3体積%以上がよ
り好ましい。前記含有量が、2体積%以上であれば、前
記水蒸気バリヤ性フイルム及び/又は酸素バリヤ性フイ
ルムのガスバリヤ性に極めて優れる。
【0061】前記微粒子等の数平均粒径(D50)、微
粒子等の含有量、及び、樹脂中のバウンドポリマー量の
関係を示す実験例として、無機層状化合物(雲母:平均
アスペクト比:1000)及び樹脂(ナイロン6)を含
む材料におけるバウンドポリマー量(バウンドポリマー
層の厚みは10nm)の測定結果を図2に示す。図2よ
り、1nm×1μmの大きさの雲母(数平均粒径(D
50):7nm)を含む材料、10nm×10μmの大
きさの雲母(数平均粒径(D50):50nm)を含む
材料、及び、100nm×100μmの大きさの雲母
(数平均粒径(D ):200nm)を含む材料にお
いては、共にバウンドポリマーが含まれており、バウン
ドポリマー増加による前記効果が奏されることが解る。
特に微粒子の平均径が小さい場合には、バウンドポリマ
ー量が多いことが解る。又、微粒子含有量の増加に伴
い、バウンドポリマー量が増加する事が解る。なお、本
発明において、バウンドポリマー層の厚みは、Plis
kin法により溶媒に不溶部分の厚みの測定によって求
めた。
【0062】前記水蒸気バリヤ性フイルム及び/又は酸
素バリヤ性フイルムに含まれる樹脂は、前記微粒子や無
機層状化合物等の存在下、適宜重合開始剤等を用い、単
量体から重合させるのが好ましい。このように、微粒子
等の存在下で重合して得られた樹脂は、同じ組成の通常
の樹脂(バルクポリマー)と異なり、微粒子等の界面に
強固に結合するバウンドポリマー量が多いため、これら
を含有する水蒸気バリヤ性フイルム及び/又は酸素バリ
ヤ性フイルムの機械的強度・ガスバリヤ性は極めて高く
なる。
【0063】なお、水蒸気バリヤ性フイルムと酸素バリ
ヤ性フイルムとの間に双方の接着性を向上させるために
密着層を設けることもできる。このような密着層材料と
しては、特に制限されないが、ポリオレフィン系のホッ
トメルト樹脂を用いることが好ましく、各種市販品を用
いることができる。例えば、三井化学製の「アドマ
ー」、三井・デュポンポリケミカル社製の「CMP
S」、旭メルト社製の「アサヒメルト」、エイ・シー・
アイ・リミテッド社製の「ホットメルト」、住友スリー
エム社製の「ECシリーズ」、積水化学社製の「エスダ
イン」、ダイアボンド社製の「メルトロン」、新田ゼラ
チン社製の「ニッタイト」、ノガワケミカル社製の「ダ
イアボンド」、ヒロダイン工業社製の「ヒロダイン」な
どが挙げられる。
【0064】<表示装置用プラスチック基板の製造方法
>前記表示装置用プラスチック基板の製造方法として
は、水蒸気バリヤ性を有するフイルム材料と、低湿での
酸素バリヤ性を有するフイルム材料(これら材料のうち
少なくとも1種は樹脂と無機物とのコンポジットであ
る)とを共押出しし、前記水蒸気バリヤ性フイルム材料
からなる層の間に少なくとも一層の酸素バリヤ性フイル
ム材料からなる積層体を形成する工程を有する方法が採
用される。これにより、製造工程が簡略化でき、効率よ
く低コストで積層体を製造することができる。
【0065】前記共押出しにおいては、例えば、水蒸気
バリヤ性フイルム材料及び酸素バリヤ性フイルム材料等
を、押出器から押出ダイ内部に導き、該ダイ内部もしく
はダイの開口部でこれらを接触させ、一体化させて積層
体を形成することができる。
【0066】前記ダイとしては、特に制限はないが、T
ダイを好適に用いることができ、該Tダイの内部形状と
しては、特に制限はなく、種々の形状が挙げられる。所
望により、押し出された溶融状態の積層体を、複数のロ
ールに張架させ、該ロールの回転に追従させて移動させ
ることにより、積層体の厚みを所望の厚みに調整するこ
とができる。
【0067】本発明に係る位相差板の製造方法を実施可
能な製造装置の一例を示す概略斜視図を図3に示す。こ
の製造装置10は、2つの押出し機10及び14が、押
出しダイ16に一体に組み合わされている。押出し機1
2及び14から押出しダイ16内部に押出された樹脂ホ
ッパーは、積層フイルム18となり、押出しダイ16の
下部から押出される。なお、3層以上の積層体を形成す
る場合には、押出し機12及び14以外に、押出しダイ
16に通じる押出し機を更に付加してもよい。例えば、
水蒸気バリヤ性フイルム/酸素バリヤ性フイルム/水蒸
気バリヤ性フイルムの3層構成の積層体を形成する場合
には、押出器12,14のそれぞれに格納された、水蒸
気バリヤ性フイルム材料及び酸素バリヤ性フイルム材料
(これら材料のうち少なくとも1種は樹脂と無機物との
コンポジットである)を、押出ダイ16内部に導く際
に、水蒸気バリヤ性フイルム材料を押出す押出し機から
の押出し流路を分岐させ、押出ダイ16の開口部で合流
させることにより、各材料が接触し一体化されて積層体
18が形成される。
【0068】押出された積層フイルム18は、ロール2
0、22及び24の回転に対従して、順次移動する。ロ
ール20、22及び24は互いに異なる周速度で回転し
ているので、移動している間に、積層フイルム18は冷
却されるとともに、所望の厚みに調整される。続いて、
積層フイルム18は、熱ロール26及び28のニップ部
により、延伸され、延伸フイルム18’となる。延伸ロ
ール26及び28は、芯部にヒータ(図示せず)を内蔵
している。このヒータはコントローラ30によりその温
度が各々制御されていて、積層フイルム18の延伸温度
は一定に保たれている。
【0069】光学測定器32は、延伸直後の延伸フイル
ム18’のレターデーション(好ましくは、少なくとも
2波長におけるレターデーション)を測定する。測定波
長及びレターデーションの検出データは、光学測定器3
2からコントローラ30に入力される。コントローラ3
0には、予め、理想的な波長−レターデーションの相関
標準データが入力されており、この標準データからの入
力データのズレに基づき、延伸温度を上下させるように
プログラム入力されている。このように、延伸フイルム
の2以上の波長におけるレターデーションを測定して、
このデータに基づいて延伸温度を制御すると、波長分散
が均一な延伸フイルム(プラスチック基板)を安定に製
造することができる。
【0070】各層の厚み比も、レターデーションの波長
分散性に影響を与えるので、ライン上の延伸フイルムの
前記レターデーションの測定値に基づいて、押出し機か
らの単位時間当たりの各樹脂の押出し量を制御してもよ
い。
【0071】延伸フイルム18’は、その後、より下流
に配置された切断機(図示せず)によって所望の大きさ
に切断され、プラスチック基板として種々の用途に供さ
れる。また、例えば、延伸フイルム18’を一旦ロール
に巻き取って、一時保管及び搬送することもできる。
【0072】〔その他の部材〕前記その他の部材として
は、ハードコート層、保護層、透明導電層、カラーフィ
ルター、等が挙げられる。
【0073】前記ハードコート層、保護層の材質として
は、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート、SiO
SiO、Al、Si、TiO、Al
N、ZnO、ZnS、ZrO、SiC、Si:O:
N、Si:O:H、Si:N:H、Si:O:N:H、
等の公知の材質が好適に利用できる。
【0074】前記透明導電層の材質としては、ITO
(酸化インジウムスズ)等の透明導電層の材質として公
知のものが挙げられる。該透明導電層は、前記ハードコ
ート層及び保護層の上に配されるのが好ましい。
【0075】前記カラーフィルターの材質としては、染
料系(染色:フォトリソ、染料分散:エッチング)、顔
料系(フォトリソ、エッチング、印刷、電着、蒸着)、
金属酸化物系、コレステリック液晶系、等のカラーフィ
ルターの材質として公知のものが挙げられる。該カラー
フィルターは、前記ハードコート層及び保護層等と、前
記透明導電層と、の間に配されるのが好ましい。
【0076】<表示装置用プラスチック基板の物性>得
られる表示装置用プラスチック基板の合計厚みは、10
0〜600μm、より好ましくは200〜500μmで
ある。また、本発明の表示装置用プラスチック基板は、
上記構成をとることにより、温度25℃、湿度60%以
下での酸素透過率が1cc/m・atm・day以
下、特に0.5cc/m・atm・dayであると共
に、温度25℃、湿度90%以上での水蒸気透過率が2
g/m・day以下、特に1g/m・day以下で
あることが好ましい。
【0077】本発明の表示装置用プラスチック基板の、
波長632.8nmにおけるレターデーション(Re)
の値としては、光学的等方性に優れる点で、10nm以
下であることが好ましく、5nm以下であることがより
好ましい。
【0078】本発明の表示装置用プラスチック基板は、
軽量化・薄型化が容易で、衝撃に強く、平面性、寸度安
定性、及びITO電極との密着性に優れ、製造が容易で
あり、更に、ガスバリヤ性に優れているため、種々の分
野の表示装置として利用可能な液晶表示装置に特に好適
に用いることができる。
【0079】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明につ
いて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
に何ら限定されるものではない。
【0080】〔実施例1〕ノルボルネン樹脂(日本ゼオ
ン社製;「ゼオノア Z1600」)を用意した。ま
た、膨潤性の無機層状化合物(膨潤性合成雲母:「ME
−100」コープケミカル社製)(平均厚み:8nm、
平均アスペクト比:1000)8質量部を、攪拌しなが
ら水(100質量部)に添加し充分水になじませ膨潤さ
せた後、分散機(ビスコミル:アイメックス社製)にか
けて充分分散させた。これに、アルキルアンモニウム塩
(エチルアンモニウム)をインターカレーションし有機
化させた後、ビニルアルコール単量体82質量部を混合
し重合させてポリビニルアルコール系コンポジットを合
成した。
【0081】図3に示す構成の共押出装置10を用い
た。共押出装置10において、押出器12,14のそれ
ぞれに、前記ノルボルネン樹脂及びポリビニルアルコー
ル系コンポジットを格納し、押出ダイ16内部に導き、
押出ダイ16の開口部で合流させ、各材料を接触・一体
化させて3層構造の積層体18(ノルボルネン樹脂/ポ
リビニルアルコール系コンポジット/ノルボルネン樹
脂)からなる3層構造の溶融成形フイルム(積層体)1
8を得た。積層体18の厚みについては、張架ロール2
0、22、24、26及び28の周速制御により調整を
試み、最終厚みが150μmを目標として張架ロールの
周速を決定し、158μmの厚みの積層体を得た。得ら
れた積層体について、130℃の雰囲気で、58%の延
伸処理を施し、3層構成の表示装置用プラスチック基板
を得た。延伸フイルムの厚み構成は、ノルボルネン樹脂
/ポリビニルアルコール系コンポジット/ノルボルネン
樹脂=48μm/2μm/63μmであった。このプラ
スチック基板の光学特性を、王子計測機器製 KOBR
A21ADHにて測定した結果、波長632.8nmに
おけるレターデーション(Re)の値が3nmであっ
た。
【0082】〔比較例1〕100μm厚のシクロオレフ
ィン系化合物フイルム(商品名:「ゼオノア160
0」)にポリビニルアルコールで厚さ10μmガスバリ
ヤ層を塗布形成し、比較例1の表示装置用プラスチック
基板を作製した。
【0083】得られた実施例1及び比較例1の表示装置
用プラスチック基板について、下記方法により酸素透過
率及び水蒸気透過率を測定した。結果を表1に示す。
【0084】<酸素透過率の測定>得られた表示装置用
プラスチック基板について、ガス透過率測定装置(モコ
ン社製)により温度25℃、湿度60%での酸素透過率
を求めた。
【0085】<水蒸気透過率の測定>得られた表示装置
用プラスチック基板について、LYSSY社製 L80
により温度25℃、湿度90%での水蒸気透過率を求め
た。
【0086】
【表1】
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、軽量化・薄型化が容易
で、衝撃に強く、平面性、寸度安定性、及びITO電極
との密着性に優れ、製造が容易であると共に、ガスバリ
ヤ性に優れた、高性能な表示装置用プラスチック基板を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施態様に係る表示装置用
プラスチック基板を示す概略断面図である。
【図2】図2は、微粒子等の数平均粒径(D50)、微
粒子等の含有量、及び、樹脂中のバウンドポリマー量の
関係を示す。
【図3】図3は、共押出しに好適に用いられる共押出装
置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 表示装置用プラスチック基板 2 水蒸気バリヤ性フイルム 3 酸素バリヤ性フイルム 10 共押出装置 12 押出器 14 押出器 16 押出ダイ 18 積層体 20 ロール 22 ロール 24 ロール 26 延伸ロール 28 延伸ロール 30 コントローラ 32 光学測定器
フロントページの続き Fターム(参考) 2H090 JB03 JB06 JB13 JC06 JD11 JD12 JD14 JD15 KA08 LA01 LA04 4F100 AC00A AC00B AC00C AK01A AK01B AK01C AK02A AK02B AK15C AK16C AK21C AK69C BA03 BA06 BA07 BA10A BA10B DE01A DE01B DE01C DE02A DE02B DE02C EH20A EH20B EH20C GB41 JD02 JD03C JD04A JD04B JK10 JL03 JL04 YY00A YY00B YY00C

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水蒸気バリヤ性を有するフイルム間に、
    少なくとも一層の低湿での酸素バリヤ性を有するフイル
    ムを介在させてなり、これら水蒸気バリヤ性フイルム及
    び酸素バリヤ性フイルムの少なくとも一層が、樹脂と無
    機物とのコンポジットから形成されることを特徴とする
    表示装置用プラスチック基板。
  2. 【請求項2】 無機物が、数平均粒径(D50)が20
    0nm以下の無機微粒子、又は、平均厚み10nm以下
    で平均アスペクト比が20以上の無機層状化合物である
    請求項1記載の表示装置用プラスチック基板。
  3. 【請求項3】 無機層状化合物の平均アスペクト比が、
    5000以下である請求項2記載の表示装置用プラスチ
    ック基板。
  4. 【請求項4】 前記水蒸気バリヤ性フイルムを構成する
    樹脂が、温度25℃、湿度90%以上で100μm当た
    りの水蒸気透過率が2g/m・day以下である請求
    項1乃至3のいずれか1項記載の表示装置用プラスチッ
    ク基板。
  5. 【請求項5】 前記水蒸気バリヤ性フイルムの樹脂がノ
    ルボルネン系樹脂である請求項1乃至4のいずれか1項
    記載の表示装置用プラスチック基板。
  6. 【請求項6】 前記低湿での酸素バリヤ性を有するフイ
    ルムを構成する樹脂が、温度25℃、湿度60%以下で
    100μm当たりの酸素透過率が1cc/m ・atm
    ・day以下である請求項1乃至5のいずれか1項記載
    の表示装置用プラスチック基板。
  7. 【請求項7】 前記酸素バリヤ性フイルムの樹脂が、ポ
    リビニルアルコール(PVA)、エチレンビニルアルコ
    ール共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVD
    C)及びポリ塩化ビニル(PVC)から選ばれる請求項
    1乃至6のいずれか1項記載の表示装置用プラスチック
    基板。
  8. 【請求項8】 前記水蒸気バリヤ性フイルム及び酸素バ
    リヤ性フイルムが、共押出しにより形成されたものであ
    る請求項1乃至7のいずれか1項記載の表示装置用プラ
    スチック基板。
  9. 【請求項9】 水蒸気バリヤ性フイルムと酸素バリヤ性
    フイルムとの間に密着層を設けた請求項1乃至8のいず
    れか1項記載の表示装置用プラスチック基板。
  10. 【請求項10】 波長632.8nmにおけるレターデ
    ーション(Re)の値が、10nm以下である請求項1
    乃至9のいずれか1項記載の表示装置用プラスチック基
    板。
  11. 【請求項11】 水蒸気バリヤ性を有するフイルム材料
    と低湿での酸素バリヤ性を有するフイルム材料とを共押
    出しし、前記水蒸気バリヤ性フイルム材料からなる層の
    間に少なくとも一層の酸素バリヤ性フイルム材料からな
    る積層体を形成する工程を有する表示装置用プラスチッ
    ク基板の製造方法であって、 前記水蒸気バリヤ性を有するフイルム材料及び低湿での
    酸素バリヤ性を有するフイルム材料のいずれか又はすべ
    てが樹脂と無機物とのコンポジット材料であることを特
    徴とする表示装置用プラスチック基板の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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