JP2003195012A - 非球面ロッドレンズ及び非球面ロッドレンズの製造方法 - Google Patents

非球面ロッドレンズ及び非球面ロッドレンズの製造方法

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JP2003195012A
JP2003195012A JP2002281999A JP2002281999A JP2003195012A JP 2003195012 A JP2003195012 A JP 2003195012A JP 2002281999 A JP2002281999 A JP 2002281999A JP 2002281999 A JP2002281999 A JP 2002281999A JP 2003195012 A JP2003195012 A JP 2003195012A
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rod lens
lens
aspherical
aspherical rod
shape
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JP2002281999A
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Nobuki Ito
伸器 伊藤
Masaaki Tojo
正明 東城
Kazuo Morioka
一夫 森岡
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで良好なコリメート光や集光ビーム
を実現する光結合レンズを提供することが出来なかっ
た。このために、光結合形の結合効率が低下し、光機能
デバイスを組み立てる際の位置合わせが困難であるとい
う課題があった。 【解決手段】所定の光源から又は光ファイバ11の放射
端子から放射される光を所定の光に変換する非球面ロッ
ドレンズ12であって、前記光源又は放射端子が接触す
る、球面又は平面形状を有する第1面12aと、第1面
12aに実質上対向し、前記光源又は光ファイバからの
放射光をコリメート光に変換して透過させる非球面形状
を有する第2面12bとを備えた非球面ロッドレンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、光通信分
野や光実装回路分野において、光源や光ファイバ、光導
波路からの出射光を平行光や収束光に変換したり、或い
は、光ビームを集束して光ファイバや光導波路に入射す
る光結合系に用いる非球面ロッドレンズ、及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信や微小光学の技術分野では、レー
ザーダイオード、光ファイバ、光導波路、フォトダイオ
ード、光スイッチ等の光学素子を効率よく光結合するた
めに、微小なマイクロレンズの需要が急速に高まってい
る。
【0003】その光結合系は、主に軸上結像系について
大別すると、光源と光ファイバを結合するための光結合
系と、光ファイバと光ファイバを結合するための光結合
系の2種類に分けられる。後者の光ファイバと光ファイ
バを結合する光結合系においては、レンズを用いて光源
や光ファイバから放射された光を平行光(コリメート
光)に変換して、波長フィルタや光アイソレータ等の光
学素子を透過させ、再びレンズを介して光ファイバに集
光させるようなコリメート光学系が用いられ、光ファイ
バとコリメータレンズを組み合わせた光ファイバコリメ
ータが重要な技術となっている。
【0004】これら2つの光結合系に用いられるレンズ
としては、屈折率分布型ロッドレンズ(GRINレン
ズ)、球レンズ、非球面レンズ、先球光ファイバ、平板
屈折率分布型レンズ、フレネルレンズや、それらを複数
組み合わせたレンズ等が提案されている。
【0005】図21(a)に従来のコリメータレンズに
ついて示す。光ファイバ11から放射された光は、両凸
レンズ211の第1面(入射面)211aから入射し、
レンズ媒質を透過した後、第2面(出射面)211bで
屈折され、コリメート光13に変換される。この際、両
凸レンズ211の光学特性を考慮して、適切に光ファイ
バ端面11aと両凸レンズ211の第1面211aの距
離Zを調節しなければ、出射した光が集束したり、発散
したりして、コリメート光13が得られる距離が短くな
り、良好なコリメート光を得ることができない。
【0006】従って、平行性のよい光ビームが得られな
いと、例えばコリメート光学系(平行ビーム変換系)を
用いて、光機能デバイス、即ち光分岐器、光分波器、光
アイソレータ、光サーキュレータ、光フィルタ、光スイ
ッチ等を低損失で実現することができない。
【0007】次に、このコリメータレンズ211を用い
て構成された光ファイバコリメータを図21(b)に示
す。図21(b)に示す光ファイバコリメータは、光フ
ァイバ11を接着固定したフェルール213と両凸レン
ズ211、及びそれらを固定するコリメータケース21
4で構成されている。この従来例では、良好なコリメー
ト光を得るために、光ファイバ11が固定されたフェル
ール213の端面とレンズの入射面211aの距離zを
調節するために、フェルール213のフランジ212を
利用して、コリメータケース214にフェルール213
のフランジ212を突き当てることによって、光ファイ
バの端面11aと両凸レンズの入射面211aの距離z
が固定される。このように光ファイバとレンズの距離を
固定することによって、ある屈折率の両凸レンズに対し
てコリメート光が得られる光ファイバコリメータを実現
している。
【0008】又、従来の光ビームコリメータレンズの他
の例として、モールドレンズの凹部に一つの光ファイバ
を挿入して固定した構成のものが知られている(例え
ば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】特開平7−49432号公報
【特許文献2】特開昭63−58406号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の技術では、コリメータケースの長さのバラツ
キ、フェルール端面の研磨量の違い、レンズの固定位置
のバラツキ等によって、光ファイバ端面とレンズ入射面
の距離が必ずしも一定せずに、良好なコリメート光を得
ることができなかった。
【0011】つまり、レンズから離れるに従い光ビーム
が集束したり、発散したりして、コリメート光が得られ
る距離を長くすることができなかった。
【0012】このために、光ファイバとレンズを組み合
わせてコリメート光を形成し、その光を光機能素子等を
透過させ、再びレンズを 介して光ファイバと光結合す
る場合や、その他のコリメート光を光ファイバに結合す
る際には、前述のコリメータレンズでは、結合効率が劣
化し、光学特性に大きな問題点があった。
【0013】一方、図21(c)にはGRINレンズ
(分布屈折率レンズ)を用いた光ファイバコリメータに
ついて示している。
【0014】図21(c)に示したGRINレンズは、
光軸を中心とする径方向に屈折率分布を有するロッドレ
ンズであり、レンズ内の幾何光学的な光線の蛇行周期の
ピッチが0.25のものである。0.25ピッチのGR
INレンズは、無限遠物体の倒立実像がレンズの出射端
面上に結像する長さで、点光源を入射端面の中心におけ
ばコリメート光を取り出せる長さとなっている。光ファ
イバ11の端面から出射した光は、GRINレンズ21
2によってコリメート光に変換されて出射される。
【0015】しかしながら、LD光源や光ファイバを用
いる場合には必ずしも点光源ではないので、このような
GRINレンズでは、レンズの出射面212bから離れ
るに従ってビーム径が広がってしまい、良好なコリメー
ト光を得ることができなかった。
【0016】また、ガラス材料に対してイオン交換法に
よって屈折率分布を形成するという製造方法の点から、
低コストなロッドレンズを提供するには問題があった。
【0017】このようなレンズは、光通信のネットワー
ク各所で大量に使用されるため、その低コスト化は、光
通信ネットワーク全体に大きな割合を占め、システムコ
ストを下げるために重要となってくる。
【0018】本発明は、上記従来のコリメータレンズの
このような課題を考慮して、光通信分野や光実装回路分
野において利用可能であり、光軸調整が容易で、光ビー
ムの平行性(コリメーション)や集光性が良好、即ち、
コリメート光が長く形成できたり、容易に集光ビーム光
学系が構成でき、それにより結合効率が高く、光機能デ
バイスの低コスト化、高性能化、小型化が実現できる非
球面ロッドレンズ、及びその製造方法を提供することを
目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】第1の本発明は、所定の
光源から又は光ファイバの放射端子から放射される光を
所定の光に変換する非球面ロッドレンズであって、前記
光源又は放射端子が接触する、球面又は平面形状を有す
る第1面と、前記第1面に実質上対向し、前記光源又は
光ファイバからの放射光をコリメート光又は集光ビーム
に変換して透過させる非球面形状を有する第2面と、を
備えた非球面ロッドレンズである。
【0020】第2の本発明は、前記第1面には、前記光
ファイバの放射端子が接触されており、前記第2面から
の前記透過光が前記コリメート光であり、前記第2面
は、前記第1面上における前記放射端子が接触する位置
に焦点を有する上記第1の本発明の非球面ロッドレンズ
である。
【0021】第3の本発明は、前記第1面には、前記光
ファイバの放射端子が接触されており、前記第2面から
の前記透過光が前記集光ビームであり、前記第2面の焦
点は、前記第1面上における前記放射端子が接触する位
置よりも前記非球面ロッドレンズの内側に形成される上
記第1の本発明の非球面ロッドレンズである。
【0022】第4の本発明は、前記非球面ロッドレンズ
は、所定の外径を有する実質上円柱形状であり、前記非
球面ロッドレンズの外径が、前記光ファイバを接着固定
するためのフェルール外径と実質上同じである上記第2
又は3の本発明の非球面ロッドレンズである。
【0023】第5の本発明は、上記第1の本発明の非球
面ロッドレンズの製造方法であって、レンズ硝材が可塑
性を生じる所定温度まで加熱する第1工程と、前記加熱
したレンズ硝材をレンズ形状に成形型を用いて加圧成形
する第2工程と、前記所定温度からレンズ材質の転移点
まで前記レンズ材質を加圧、冷却しながらレンズ両面を
一体形成する第3工程と、前記成形したレンズ材質を転
移点以下に冷却する第4工程と、を備えた非球面ロッド
レンズの製造方法である。
【0024】第6の本発明は、所定の光源又は光ファイ
バの放射端子から放射される光を所定の光に変換する非
球面ロッドレンズであって、前記光源を複数挿入するた
めの、又は前記光ファイバの放射端子を複数挿入するた
めのガイド穴を有する第1面と、前記第1面に実質上対
向し、前記光源又は前記光ファイバからの放射光をコリ
メート光又は集光ビームに変換して透過させる非球面形
状を有する第2面と、を備えた非球面ロッドレンズであ
る。
【0025】第7の本発明は、前記第2面からの前記透
過光が前記コリメート光であり、前記第2面の焦点は、
前記ガイド穴の実質上底面の位置に形成される上記第6
の本発明の非球面ロッドレンズである。
【0026】第8の本発明は、前記第2面からの前記透
過光が前記集光ビームであり、前記第2面の焦点は、前
記ガイド穴の実質上底面の位置よりも前記非球面ロッド
レンズの内側に形成される上記第6の本発明の非球面ロ
ッドレンズである。
【0027】第9の本発明は、前記ガイド穴は、前記光
ファイバの放射端子を2つ並列に挿入するための穴であ
り、デュアルファイバコリメータを構成した上記第7の
本発明の非球面ロッドレンズである。
【0028】第10の本発明は、上記第6の本発明の非
球面ロッドレンズの製造方法であって、レンズ硝材が可
塑性を生じる所定温度まで加熱する第1工程と、前記加
熱したレンズ硝材をレンズ形状に成形型を用いて加圧成
形する第2工程と、前記所定温度からレンズ材質の転移
点まで前記レンズ材質を加圧、冷却しながらレンズ両面
を一体形成する第3工程と、前記成形したレンズ材質を
転移点以下に冷却する第4工程と、を備え、前記第1面
を成形する成形型の面に、前記ガイド穴を成形するため
の突起部が設けられている非球面ロッドレンズの製造方
法である。
【0029】第11の本発明は、前記非球面ロッドレン
ズの外形は、実質上円柱形状であり、その円柱形状の外
周部の一部に溝部、又は、平面部が設けられている上記
第1又は6の本発明の非球面ロッドレンズである。
【0030】第12の本発明は、前記非球面ロッドレン
ズの外周部は、実質上多角柱形状である上記第1又は6
の本発明の非球面ロッドレンズである。
【0031】第13の本発明は、前記非球面ロッドレン
ズの外周部に対応する前記成形型の面は実質上円筒面状
であり、その円筒面状の面の一部に、溝部形成用の凸部
又は平面部形成用の平面部が設けられている上記第5又
は10の本発明の非球面ロッドレンズの製造方法であ
る。
【0032】第14の本発明は、前記非球面ロッドレン
ズの外周部に対応する前記成形型の面は実質上多角柱の
筒状である上記第5又は10の本発明の非球面ロッドレ
ンズの製造方法である。
【0033】第15の本発明は、所定の光源から又は光
ファイバの放射端子から放射される光を所定の光に変換
する非球面ロッドレンズであって、前記光源又は放射端
子からの光が入射する面であって、前記入射光の光軸に
垂直な面に対して所定の傾斜角を有する第1面と、前記
第1面に入射した前記光をコリメート光又は集光ビーム
に変換して透過させる非球面形状を有する第2面と、を
備えた非球面ロッドレンズである。
【0034】第16の本発明は、前記第1面は、前記光
ファイバの放射端子と接触していない上記第15の本発
明の非球面ロッドレンズである。
【0035】第17の本発明は、前記第2面からの前記
透過光が前記コリメート光であり、前記第2面の焦点
は、前記光ファイバの放射端子面に形成される上記第1
6の本発明の非球面ロッドレンズである。
【0036】第18の本発明は、前記第1面は、前記光
ファイバの放射端子と接触している上記第15の本発明
の非球面ロッドレンズである。
【0037】第19の本発明は、前記第1面が球面又は
非球面であり、前記光ファイバの放射端子の端面が、前
記傾斜角に対応した傾斜角を有する(1)平面、(2)
球面又は(3)非球面である上記第18の本発明の非球
面ロッドレンズである。
【0038】第20の本発明は、前記第2面からの前記
透過光が前記コリメート光であり、前記第2面の焦点
は、前記第1面上における前記放射端子が接触する位置
に形成される上記第19の本発明の非球面ロッドレンズ
である。
【0039】第21の本発明は、前記第2面からの前記
透過光が前記集光ビームであり、前記第2面の焦点は、
前記第1面よりもレンズの内側に形成される上記第19
の本発明の非球面ロッドレンズである。
【0040】第22の本発明は、前記傾斜角が、6度、
8度、又は12度である上記第15の本発明の非球面ロ
ッドレンズである。
【0041】第23の本発明は、 上記第15の本発明
の非球面ロッドレンズの製造方法であって、レンズ硝材
が可塑性を生じる所定温度まで加熱する第1工程と、前
記加熱したレンズ硝材をレンズ形状に成形型を用いて加
圧成形する第2工程と、前記所定温度からレンズ材質の
転移点まで前記レンズ材質を加圧、冷却しながらレンズ
両面を一体形成する第3工程と、前記成形したレンズ材
質を転移点以下に冷却する第4工程と、を備え、前記第
1面を成形する成形型の面が、前記光軸に垂直な面に対
して傾斜している非球面ロッドレンズの製造方法であ
る。
【0042】第24の本発明は、前記非球面ロッドレン
ズのレンズ硝材が、前記光ファイバのコア屈折率に等し
いレンズ硝材である上記第1,6又は15の本発明の非
球面ロッドレンズである。
【0043】第25の本発明は、前記非球面ロッドレン
ズの前記第1面と前記第2面に無反射コートが形成され
ている上記第1,6又は15の本発明の非球面ロッドレ
ンズである。
【0044】第26の本発明は、前記非球面ロッドレン
ズの外周部に金属薄膜が形成されている上記第1,6又
は15の本発明の非球面ロッドレンズである。
【0045】第27の本発明は、前記非球面ロッドレン
ズの前記第2面の非球面部に波長フィルタが形成されて
いる上記第1,6又は15の本発明の非球面ロッドレン
ズである。
【0046】第28の本発明は、前記非球面ロッドレン
ズのレンズ材質がガラス材料又は樹脂材料である上記第
1,6又は15の本発明の非球面ロッドレンズである。
【0047】第29の本発明は、第1開口と、その第1
開口に対向した第2開口を含む胴型にレンズ硝材を配置
するA行程と、前記レンズ硝材を、可塑性を生じる温度
まで加熱するB行程と、第1形状の端部を有する第1型
を、前記胴型の前記第1開口にスライドさせるC行程
と、非球面形状の凹部を有する第2形状の端部を有する
第2型を、前記胴型の前記第2開口にスライドさせるD
行程と、前記第1型の前記第1形状の端部と前記第2型
の前記第2形状の端部との間で前記加熱されたレンズ硝
材を加圧し、非球面ロッドレンズを形成するE行程と、
前記非球面ロッドレンズを所定温度以下に冷却するF行
程とを備え、前記第1型の前記第1形状の端部が、球面
又は平面である非球面ロッドレンズの製造方法である。
【0048】第30の本発明は、第1開口と、その第1
開口に対向した第2開口を含む胴型にレンズ硝材を配置
するA行程と、前記レンズ硝材を、可塑性を生じる温度
まで加熱するB行程と、第1形状の端部を有する第1型
を、前記胴型の前記第1開口にスライドさせるC行程
と、非球面形状の凹部を有する第2形状の端部を有する
第2型を、前記胴型の前記第2開口にスライドさせるD
行程と、前記第1型の前記第1形状の端部と前記第2型
の前記第2形状の端部との間で前記加熱されたレンズ硝
材を加圧し、非球面ロッドレンズを形成するE行程と、
前記非球面ロッドレンズを所定温度以下に冷却するF行
程とを備え、前記第1型の前記第1形状の端部が、少な
くとも一つの凸部を有しており、前記E行程は、前記レ
ンズ硝剤を前記第1形状の端部に設けられた凸部に加圧
し、前記非球面ロッドレンズに少なくとも一つのガイド
穴を形成する行程を含む非球面ロッドレンズの製造方法
である。
【0049】第31の本発明は、前記胴型の内面は、前
記内面の長手部に沿って、三角形状部又は平面部を含
み、前記E行程は、前記レンズ硝剤を、前記胴型の前記
内面の前記三角形状部又は平面部に加圧し、前記非球面
ロッドレンズに所定の形状を形成する行程を含む上記第
29又は30の本発明の非球面ロッドレンズの製造方法
である。
【0050】第32の本発明は、前記胴型の内面は、そ
の断面が所定の多角形形状を有する多角柱の筒状であ
り、前記胴型の前記第1開口は、前記所定の多角形形状
を有している上記第29又は30の本発明の非球面ロッ
ドレンズの製造方法である。
【0051】第33の本発明は、第1開口と、その第1
開口に対向した第2開口を含む胴型にレンズ硝材を配置
するA行程と、前記レンズ硝材を、可塑性を生じる温度
まで加熱するB行程と、第1形状の端部を有する第1型
を、前記胴型の前記第1開口にスライドさせるC行程
と、非球面形状の凹部を有する第2形状の端部を有する
第2型を、前記胴型の前記第2開口にスライドさせるD
行程と、前記第1型の前記第1形状の端部と前記第2型
の前記第2形状の端部との間で前記加熱されたレンズ硝
材を加圧し、非球面ロッドレンズを形成するE行程と、
前記非球面ロッドレンズを所定温度以下に冷却するF行
程とを備え、前記胴型は、前記非球面ロッドレンズの光
軸に対応する長軸を有しており、前記第1型の前記第1
形状の端部が、前記胴型の前記長軸と直交する面に対し
て所定の角度を有している非球面ロッドレンズの製造方
法である。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1から図20を用いて説明する。
【0053】(実施の形態1)図1は本発明による非球
面ロッドレンズの一実施形態である。図1に示すよう
に、本発明の非球面ロッドレンズ12は、光ファイバ1
1から放射された光をコリメート光13に変換するコリ
メータレンズである。
【0054】図1において、光ファイバ11と非球面ロ
ッドレンズ12は光軸を合わせて設置している。非球面
ロッドレンズ12において、光ファイバ11側から順
に、非球面ロッドレンズ12の入射面である第1面12
aを球面とし、第2面12bを非球面形状に設計してい
る。
【0055】光ファイバ11は単一モード光ファイバや
マルチモード光ファイバ等を用いるが、図1の本実施形
態においては単一モード光ファイバを使用した。また、
一般に光ファイバを伝搬する光の波長は、850nm帯
や光通信システムで使用される1310nm帯や155
0nm帯が用いられるが、本実施形態では1550nm
の波長を用いた。
【0056】また、レンズ材質は光学ガラスであり、本
実施形態では単一モード光ファイバのコア屈折率に近
く、屈折率が低い1.46から1.48程度の光学ガラ
スを使用した。また、レンズのサイズは直径2.5m
m、長さ4.5mmであり、第1面を半径20mmの球
面に形成し、第2面を非球面レンズとしている。
【0057】この非球面ロッドレンズにおける作用は、
次のようなものである。光ファイバ11の端面から出射
された光は、非球面ロッドレンズ12の第1面12aか
らレンズに入射し、レンズ媒質を透過した後、第2面1
2bで屈折されて、コリメート光13に変換される。こ
のように、第2面12bを非球面形状で構成することに
よって、光ファイバ11が第1面に突き当てられた場合
に、コリメート光13が得られ、収差のない光ビームを
得ることが可能となる。本実施形態の非球面ロッドレン
ズによって得られたビーム径は、約340ミクロンであ
った。
【0058】このように第2面12bが非球面形状であ
って、その第2面12bの焦点が第1面12aに形成さ
れているような非球面ロッドレンズ12においては、光
ファイバ11を単純に突き当てるだけでコリメート光1
3を形成することが可能となる。さらに第2面は、透過
する光の波長に基づいて、光ファイバからの広がり角を
考慮した非球面形状に設計されており、レンズで発生す
る収差の影響を受けずに極めて良好なコリメート光を得
ることが可能となる。特に、第2面は第1面と比較して
曲率半径が小さく、通常の球面形状であれば、球面収差
の影響が大きく現れるので好ましくない。
【0059】そこで、(数1)に示したように、双曲面
形状に4乗項および6乗項等の高次項を加えた非球面形
状に設計されている。非球面形状は、(数1)に示す一
般式によって表される。
【0060】
【数1】 ここで、hはh=√(x2+y2)で与えられ、(数1)
における記号は以下のように定義される。
【0061】x,y:光軸に対し垂直方向の座標 z:光軸方向の座標 C:曲率半径 K:円錐定数(Conic Constant) A:4乗項、B:6乗項、C:8乗項 ここで、K=0であれば球面であり、K>0では短径を
光軸とする楕円体面、−1<K<0では長径を光軸とす
る楕円体面、K=−1では方物面、K<−1では双曲面
になる。これらの各パラメータを、使用する光の波長を
考慮しながら、光ファイバや光源のスポットサイズや広
がり角、レンズ硝材の屈折率や厚み(光軸方向の長
さ)、実現したい光ビームのビーム径等の条件を元に、
シミュレーション等によって決定し、最適な非球面形状
を得る。基準となる2次曲面は、曲率半径Cと円錐定数
Kで決定され、非球面の多項式係数A、B、C等が必ず
しも有限値でなくとも非球面形状を形成することができ
る。
【0062】次に、本実施形態においては第1面を球面
としたが、その効果について説明する。光ファイバは、
一般に光コネクタ内のフェルールやキャピラリに固定さ
れる。光コネクタは、光ファイバを光ファイバや機器に
簡易に接続するための部品である。そこで用いられるフ
ェルールは、光コネクタ部品の一つで、光ファイバの端
面を保持し、接続相手であるフェルールで支持された光
ファイバの端面や、レンズ等に正確に突き合わせる役割
を担っている。単一モード光ファイバの場合には、光コ
ネクタを接続した状態で、フェルールが光ファイバのコ
ア径(例えば、直径9ミクロン)同士を正確に突き合わ
せ、所定の圧力で押し付ける必要が出てくる。
【0063】光ファイバから出射された光は異なる媒質
に入射される際に端面反射を生じる。光ファイバの端面
処理によって反射して戻る光損失、つまり反射減衰量
(後方反射)が決まる。反射減衰量は、フェルールやコ
ネクタから次の媒質に伝搬する光Piと、フェルールや
光コネクタの端面で反射して光源側に戻る光Prとの
比、即ち−10×log(Pr/Pi)で定義される。例
えば、50dBでは10万分の1の光パワーしか戻らな
いことを示す。
【0064】反射減衰量を最大にすることは、高速な光
通信システムにおいて非常に重要である。そこで利用さ
れるDFBレーザのような狭帯域光源は、モードホッピ
ングや出力変動が起こりやすい性質を持っており、戻り
光をできるだけ低減することが重要である。そのため、
フェルールの端面を凸球面に加工し、光ファイバのコア
を密着させてフレネル反射を少なくするPC(Physical
Contact)接続が必要となる。
【0065】そこで、本実施形態においては、フェルー
ルに固定された光ファイバと物理接触が取り易いように
するために、第1面を半径20mmの球面形状に構成し
た。
【0066】これによって、反射戻り光を低減するとい
う格別の効果が得られた。但し、物理接触を取ることが
出来るのであれば、必ずしも半径20mmの球面である
必要はなく、半径10mmや半径30mmでも反射戻り
光を低減するという格別の効果を得ることができる。
【0067】本実施形態の非球面ロッドレンズを用いて
測定した挿入損失の測定結果を図19(a)、図19
(b)に示す。
【0068】図19(a)は測定方法を示しており、光
ファイバ11から出射された光は、非球面ロッドレンズ
191によってコリメート光に変換される。そのコリメ
ート光を、入射側の非球面ロッドレンズ191に対して
逆向きに配置された非球面ロッドレンズ192によって
受光し、出射側光ファイバ11に結合する。
【0069】この時、入射側非球面ロッドレンズ191
から出射された光パワーをP1、最後に出射された光パ
ワーをP2とすると、挿入損失は、−10×log(P1
/P2)から計算される。
【0070】つまり、挿入損失は光伝送系で光コネクタ
等の光部品や空間を挿入することにより、もとの伝送系
が受ける光損失の増加分を示し、できるだけ小さいほう
が好ましい。
【0071】図19(b)には、従来の両凸レンズを
△、GRINレンズを□、本願発明による非球面ロッド
レンズを○として測定結果を示している。
【0072】図19(b)から分かるように、本願発明
による非球面ロッドレンズが非常に平行性の良い、距離
が離れても挿入損失が増加しない優れたコリメータを提
供できることが分かる。
【0073】次に、光接続部の界面について説明する。
一般に、屈折率n1とn2の2つの物質界面における反射
率(R)は、(数2)で表される。
【0074】
【数2】 従って、屈折率差の大きい界面では、反射率が大きくな
る。そこで界面での反射率を低減するために、誘電体多
層膜による無反射コート(ARコート)を施して反射率
を低減することも考えられる。本実施形態においては、
第1面を平面にして非球面ロッドレンズを構成すること
も可能であったが、入射側光ファイバ11と第1面、さ
らには、第2面と出射側光ファイバ14に無反射コート
を施せば、反射率が低減され、反射戻り光も低減され
た。
【0075】また、本実施形態で使用したガラス材料
は、単一モード光ファイバのコア材料の屈折率に近い材
料を選択している。従って、単一モード光ファイバを本
実施形態の非球面ロッドレンズに突き当てた際には、屈
折率差による反射率Rが小さくなるという効果が得られ
る。即ち、光ファイバと接続する光学材料、ここではレ
ンズ材料の屈折率が、光ファイバのコア材料に近い場合
には、無反射コート(ARコート)を形成しなくとも反
射率の低い接続が可能となり、低コスト化できるという
大きな利点もある。
【0076】(実施の形態2)次に、上記実施の形態1
で述べた非球面ロッドレンズを作製する方法について図
面を参照しながら説明する。図2(a)、図2(b)
は、非球面ロッドレンズの作製工程を示す図である。
【0077】図2(a)、図2(b)に示すように、非
球面ロッドレンズの作製方法は、第1工程として、ガラ
スからなるレンズ硝材21の光軸を制御するタングステ
ンカーバイトからなる胴型24と、タングステンカーバ
イトからなる上金型22および下金型23とによって、
レンズ硝材21を位置決めすると共に、ガラスが可塑性
を生じる所定温度まで加熱する。第2工程として、加熱
したレンズ硝材21を上金型22と下金型23とによっ
てレンズ形状に加圧成形する。
【0078】第3工程として、ガラスが可塑性を生じる
所定温度からガラスの転移点まで、レンズ硝材21を加
圧、冷却しながら成形する。このとき、スペーサ25に
より、上金型22と下金型23の平行度およびレンズ硝
材21の厚み寸法を制御する。第4工程として、成形し
たレンズ硝材21をガラスの転移点以下に冷却する。
【0079】ここで本実施形態においては、特に非球面
ロッドレンズの第1面を形成する上金型の所定部位22
aを球面もしくは平面に、第2面を形成する下金型の所
定部位23bを非球面に設計していることに特徴があ
る。特に、第2面を形成する下金型に正確に設計した非
球面形状を形成することが重要である。
【0080】即ち、上述した様に、本発明の非球面ロッ
ドレンズの製造方法としては、例えば、図2を用いて説
明するとすると、(a)上金型22を挿入するための第
1開口と、下金型23を挿入するための、第1開口に対
向した第2開口を含む胴型24にレンズ硝材を配置する
A行程と、(b)前記レンズ硝材を、可塑性を生じる温
度まで加熱するB行程と、(c)上金型22(本発明の
第1形状の端部を有する第1型に対応する)を、前記胴
型の前記第1開口にスライドさせるC行程と、(d)下
金型23(本発明の非球面形状の凹部を有する第2形状
の端部を有する第2型に対応する)を、前記胴型の前記
第2開口にスライドさせるD行程と、(e)上金型の所
定部位22a(本発明の第1型の前記第1形状の端部に
対応する)と下金型の所定部位23a(本発明の前記第
2型の前記第2形状の端部に対応する)との間で前記加
熱されたレンズ硝材を加圧し、非球面ロッドレンズを形
成するE行程と、(f)前記非球面ロッドレンズを所定
温度以下に冷却するF行程とを備え、上金型の所定部位
22aが、球面又は平面であるという構成である。
【0081】このように本実施形態の非球面ロッドレン
ズの作製方法によれば、金型精密成形方法によって、金
型の非球面形状を再現性よく精密に転写できるので、非
常に低コストに量産性よく非球面ロッドレンズを作製す
ることが可能となる。
【0082】(実施の形態3)図3は、本発明の非球面
ロッドレンズの一実施の形態である。
【0083】同図に示す非球面ロッドレンズ31の特徴
は、光ファイバを接着固定するフェルール32のキャピ
ラリ33の直径と同じ直径に非球面ロッドレンズ31を
作製した点である。
【0084】このようにフェルール32のキャピラリ3
3と同じ直径とすることによって、光デバイスを構成す
る際に、組み立て作業が効率化する利点がある。フェル
ールに使用されるキャピラリとしては、SCコネクタ、
またはFCコネクタ用として直径2.5mmのキャピラ
リがあり、MUコネクタ、またはLCコネクタ用として
直径1.25mmのキャピラリがある。
【0085】本願の実施形態では、それらのサイズに合
わせて、2.5mmや1.25mmの非球面ロッドレン
ズを作製したが、割りスリーブやセラミックスリーブ等
に固定し易く組み立てコストを低減できるという格別の
効果があった。
【0086】具体的には、図4に示すように、その非球
面ロッドレンズ41の外径と、フェルール42のキャピ
ラリ43の外径を一致させた上で、割りスリーブ44を
用いて一体に固定したものである。非球面ロッドレンズ
41とフェルール42とを、割りスリーブ44を用いて
一体に固定することによって、光ファイバ11とレンズ
41の光軸を容易に調芯することが可能となり、コリメ
ート光が得られる距離が長く、良好なコリメート光を得
ることが可能となる。
【0087】ここで、非球面ロッドレンズの外径は、M
Uコネクタ用フェルール42のキャピラリ43直径、
1.25mmに合わせて作製したものである。
【0088】次に、図5を用いてコリメート光学系によ
り構成した光機能デバイスについて説明する。図5は光
ファイバ11と光機能素子57、光ファイバ14を、レ
ンズを介して結合する光機能デバイスについて示してい
る。この光機能デバイスは、入射側光ファイバ11、そ
れを固定するキャピラリ52、非球面コリメータレンズ
51、スリーブ53、光機能素子57、集光する非球面
コリメータレンズ54、キャピラリ55、スリーブ5
6、出射側光ファイバ14から構成される。
【0089】ここで、図5に示す光機能デバイスの作用
について説明する。キャピラリ52で固定された光ファ
イバ11から出射した光は、非球面ロッドレンズ51に
よってコリメート光13となり、光機能素子57を介し
て、受光側の非球面ロッドレンズ54に入射する。非球
面ロッドレンズ54に入射されたコリメート光は、出射
側のキャピラリ55に固定された光ファイバ11に結合
される。
【0090】本実施形態では、レンズ間の距離を5mm
でコリメート光結合系を構成したが、本発明の非球面ロ
ッドレンズによれば、さらに長い距離、例えば光スイッ
チ用として100mmの距離でも、結合効率が高いコリ
メート光結合系を形成することが可能であった。その時
の挿入損失の測定結果は、図19に示されており、距離
100mmでの挿入損失は、0.5dBであった。
【0091】尚、ここでは直径1.25mmのMUフェ
ルール用キャピラリに合わせた非球面ロッドレンズにつ
いて示したが、フェルール用キャピラリの外形サイズで
ある直径2.5mmや1.25mmだけでなく、例え
ば、光機能デバイスの組み立てに使用されるキャピラリ
の外形サイズ、直径1.8mmや1.4mm、さらに小
さな直径を有するマイクロキャピラリに合わせて、直径
1.0mm以下で、直径1.0mmや0.5mmに、本
願の非球面ロッドレンズを作製することも可能である。
そして、それらのキャピラリに固定された光ファイバと
組み合わせて、光結合系を形成しても、結合効率の高い
コリメート光学系を実現することが可能であった。
【0092】(実施の形態4)図6(a)〜図6(e)
は、本発明の非球面ロッドレンズの一実施の形態及び、
その変形例を説明する図である。
【0093】この非球面ロッドレンズ61は、第1面6
1a、第2面61b、光ファイバガイド穴61cからな
る。
【0094】即ち、この非球面ロッドレンズには、成形
で形成される凹部を有するガイド穴61cが設けられて
いる。この非球面ロッドレンズは、例えば、外径1mm
で長さが3mm程度と非常に小型なマイクロレンズとな
っており、光ファイバガイド穴の直径は、光ファイバの
素線が挿入可能な内径125ミクロンや250ミクロン
程度となっている。
【0095】このガイド穴61cの中心は、非球面ロッ
ドレンズ61の光軸上に設けられており、光ファイバを
挿入すれば、コリメート光が得られる構成となってい
る。即ち、光ファイバ11を伝搬してきた光は、非球面
ロッドレンズ61のガイド穴61cに固定された光ファ
イバ11の端面から出射されるが、非球面ロッドレンズ
61内を伝搬した後、第2面61bの非球面でコリメー
ト光に変換される。その結果、従来と比べて、組み立て
が容易で、コリメート光が得られる距離が長く、良好な
コリメート光が形成されることになる。
【0096】図7(a)〜図7(c)に、これらの非球
面ロッドレンズの斜視図を示す。
【0097】図7(a)が入射側から見た図であり、図
7(b)が出射側から見た図である。尚、図7(c)に
ついては、後述する。
【0098】図7(b)に示すように、ガイド穴71c
に挿入された光ファイバ11の端面から出射された光
は、非球面ロッドレンズ71により、コリメート光に変
換されることが分かる。
【0099】この様に光ファイバを固定するガイド穴を
形成することによって、光軸が無調心で組み立てが簡単
になり、低コストに非球面ロッドレンズと光ファイバを
接続することが可能となる。図6(b)は第1面から見
たガイド穴の形状を示しており、ガイド穴が円筒柱状で
あるが、光ファイバを固定することが出来れば、三角柱
状や、図6(c)に示すような四角柱状や多角柱状でも
可能である。
【0100】さらに、ガイド穴径は、必ずしも光ファイ
バの素線の外径250ミクロンでなくとも、さらに小さ
な外径の125ミクロンや大きな心線外径である0.5
mmや0.9mmでも可能である。
【0101】また、図6(d)、図6(e)に示したよ
うに、光ファイバを2本固定することができるガイド穴
を形成することも可能である。この際、図6(d)のよ
うに、2つのガイド穴63cを並列に形成することや、
図6(e)のように、2つの光ファイバを並べた時に同
時に挿入可能なガイド穴64cを形成することも可能で
ある。さらには、複数のガイド穴を形成して光ファイバ
アレイを挿入固定することも可能である。
【0102】このように2つの光ファイバを固定して、
コリメータレンズを形成したデバイスは従来は存在しな
い。この様な構成により、ハイブリッド光アイソレータ
や光サーキュレータ、光スイッチ、光ファイバアンプ、
光減衰器に適用することが可能となり、光通信システム
においては重要な光機能デバイスを形成することがで
き、本実施形態によれば、容易にDCFを作製すること
が可能となる。
【0103】尚、従来のデュアルファイバコリメータ
(DCF)は、2本の光ファイバを第1面に接触させた
構成であり、本実施の形態のように、レンズ側にガイド
穴は設けられていない。
【0104】図7(c)に、本実施の形態のDCFの非
球面ロッドレンズの斜視図を示す。
【0105】図7(c)に示す様に、ガイド穴72cに
挿入された2本の光ファイバ11xと11yの端面から
出射された光は、非球面ロッドレンズ71により、コリ
メート光13xと13yに変換されることが分かる。こ
こで、2本の光ファイバ11xと11yの間隔は、12
5ミクロンや250ミクロンのピッチ間隔で設置されて
いる。ピッチ間隔が250ミクロン以下の場合には、非
球面ロッドレンズ72の出射端面72aの非球面形状
は、シングルファイバコリメータ71の出射端面71a
の非球面形状と同じでも良好なコリメート光を得ること
が可能である。250ミクロン以上のピッチ間隔で複数
の光ファイバを並べて、非球面ロッドレンズのガイド穴
に光ファイバを挿入する場合には、非球面形状72aを
自由曲面に設計して、複数の光ファイバの光軸上にそれ
ぞれ中心軸を有する非球面マイクロレンズアレイを形成
することがより好ましい。
【0106】ここでは、ガイド穴に挿入する光の放射源
として、光ファイバを用いる場合の例について述べた
が、ガイド穴に収納可能である半導体レーザや、面発光
レーザなどの光源に対しても同様にガイド穴を有する非
球面ロッドレンズを用いて、コリメート光や集光ビーム
を形成することも可能である。
【0107】上述の様に、ガイド穴を設けることによ
り、複数の光ファイバやテープ状の多芯光ファイバを固
定する際でも光軸調整が不要となり、所定の間隔で光フ
ァイバを容易に且つ精度良く固定することが可能とな
る。これにより、低コストなDCFなどを実現すること
が出来る。
【0108】尚、ここでは、レンズの第1面にガイド穴
を設けて、複数の光ファイバを固定する方法について述
べたが、これに限らず例えば、レンズ以外のブロック状
のガラス部材に上記と同様のガイド穴を設けて、複数の
光ファイバやテープ状多芯ファイバを固定して、光ファ
イバアレイを構成することも可能である。
【0109】(実施の形態5)次に、光ファイバガイド
穴付き非球面ロッドレンズを作製する方法について図8
(a)、図8(b)を参照しながら説明する。図8
(a)、図8(b)は、非球面ロッドレンズの作製工程
を示す図である。
【0110】ここで、本実施形態による非球面ロッドレ
ンズの作製方法が、実施の形態2に示した図2(a)、
図2(b)と異なる点は、図8(a)、図8(b)に示
したように、タングステンカーバイトからなる上金型8
2に、ガイド穴を形成するための凸部82aを設けた点
である。
【0111】このようにガイド穴を形成したい面の金型
に突起部を設けることによって、ガイド穴を有する非球
面ロッドレンズを容易に一体形成することが可能とな
る。
【0112】ここで技術的に重要なことは、硬度の高い
タングステンカーバイトの金型に直径125ミクロンや
250ミクロン程度の凸部を形成する方法である。本発
明では、金型に精度の高い凸部を形成するために、マイ
クロ放電加工を用いた。
【0113】マイクロ放電加工によれば、直径125ミ
クロンや250ミクロンの凸部を金型表面に形成するこ
とが可能である。この凸部は、円筒形状が加工し易い
が、三角形状や四角形状、多角形状に加工することも可
能である。
【0114】又、1つの凸部だけではなく、複数を並列
させて加工することも可能である。
【0115】さらに、そのように複数の凸部を金型表面
に加工して、非球面ロッドレンズの第1面にガイド穴を
形成し、光ファイバアレイを作製することも可能であ
る。
【0116】例えば、非球面ロッドレンズの第1面を形
成する上金型にガイド穴用凸部を2つ並べるか、図6
(e)に示したようなガイド穴2つ分を成形できる凸部
を加工した場合には、成形された非球面ロッドレンズの
第1面に光ファイバを2つ並列固定することによって、
デュアルファイバコリメータを実現することも可能であ
る。
【0117】尚、ここで用いた成形金型には、光ファイ
バを挿入可能な直径125ミクロンの円柱を2つ並べた
程度の幅で、高さが500ミクロンから5mm程度の大
きさの突起部を加工する必要があり、本願では、微細加
工が可能なマイクロ放電加工を用いて金型加工を施し
た。マイクロ放電加工を用いることによって、超硬金型
を精度良く微細に加工することが出来、複数の突起部を
有する金型を実現することが可能となる。
【0118】このように本実施形態の非球面ロッドレン
ズの作製方法によれば、非常に低コストで、量産性よく
光ファイバガイド穴が形成された非球面ロッドレンズを
作製することが可能となる。
【0119】(実施の形態6)次に、図9(a)〜図9
(c)の本発明の非球面ロッドレンズの一実施の形態に
ついて説明する。
【0120】図9(a)、図9(b)は非球面ロッドレ
ンズ91を示した斜視図である。
【0121】図9(a)が入射側から見た図であり、図
9(b)が出射側から見た図である。
【0122】この非球面ロッドレンズ91が、図1に示
す非球面ロッドレンズと異なる点は、非球面ロッドレン
ズ91の側面部に一対の溝91cを設けた点である。こ
のレンズの作用は、非球面ロッドレンズ91の第1面9
1aに突き当てられた光ファイバ11から出射された光
は、非球面ロッドレンズ91を通過して、第2面91b
で屈折されてコリメート光13となる。
【0123】ここで、一対の溝は91cは、図9(c)
に示すように、例えば光機能デバイスの中で固定板92
に位置決めする際に有効であり、組み立てる際に容易に
固定することができ、低コストに非球面ロッドレンズを
位置決めすることが可能となる。
【0124】この溝付き非球面ロッドレンズを作製する
方法を図10(a)〜図10(c)に示す。
【0125】図10(a)〜図10(c)は、非球面ロ
ッドレンズの作製工程を示す図である。
【0126】ここで、本実施形態による非球面ロッドレ
ンズの作製方法が、実施の形態2に示した図2と異なる
点は、図10(b)に示したように、タングステンカー
バイトからなる胴型104の内側に、溝部を形成するた
めの三角形状部104aを設けた点である。このように
非球面ロッドレンズの外周部分を形成する金型に三角形
状部を設けることによって、溝部を有する非球面ロッド
レンズを容易に成形することが可能となる。非球面ロッ
ドレンズに溝部を形成するには、精密研削も考えられる
が、本実施形態のように成形方法によって側面部に溝を
形成すれば、非常に低コストに位置決め用の溝を形成す
ることが可能となる。
【0127】ここで、本実施形態では、金型に加工する
溝形状を三角形状部としたが、半円形状や凸形状でも可
能である。さらに、金型を成形体とうまく離すために、
長手方向の全部に溝を形成しなくとも、第1面近傍や、
第2面近傍等の外周部の一部に溝を形成することも可能
である。
【0128】(実施の形態7)次に、図11(a)、図
11(b)の本発明の非球面ロッドレンズの一実施の形
態について説明する。
【0129】本実施形態が、実施の形態1に示した図1
の非球面ロッドレンズと異なる点は、形状が円筒ではな
く、側面の一部が平面形状111cとなっている点であ
る。
【0130】図11(a)に、外形の一部が平面形状の
非球面ロッドレンズ111を示している。このレンズの
作用は、非球面ロッドレンズ111の第1面111aに
突き当てられた光ファイバ11から出射された光は、非
球面ロッドレンズ111を通過して、第2面111bで
屈折されてコリメート光13となる。
【0131】このように側面の一部を平面形状111c
とすることによって、図11(b)に示すように、例え
ば、光機能デバイスの中で固定板112に容易に固定し
て位置決めすることが可能となる。特に、高さ方向の位
置決めが容易となり、複数の非球面ロッドレンズ111
を並べることによって、容易にコリメータレンズアレイ
や光ファイバコリメータアレイを形成することが可能と
なる。
【0132】この一部に平面形状のある非球面ロッドレ
ンズを作製する方法を図12(a)〜図12(c)に示
す。
【0133】図12(a)〜図12(c)は非球面ロッ
ドレンズの作製工程を示す図である。
【0134】ここで、本実施形態による非球面ロッドレ
ンズの作製方法が、実施の形態2に示した図2と異なる
点は、図12(b)に示したように、タングステンカー
バイトからなる胴型124に、平面部124aを設けた
点である。このように非球面ロッドレンズの外周部分を
形成する金型の一部に平面部を設けることによって、平
面部を有する非球面ロッドレンズを容易に形成すること
が可能となる。
【0135】本実施の形態のように成形方法によって側
面部に平面部を形成すれば、非常に低コストに位置決め
用の面を形成することが可能となる。
【0136】(実施の形態8)次に、図13(a)、図
13(b)の本発明の非球面ロッドレンズの一実施形態
について説明する。
【0137】本実施の形態が、実施の形態1に示した図
1の非球面ロッドレンズと異なる点は、形状が円筒では
なく、多角形状の四角柱状や六角柱状となっている点で
ある。
【0138】図13(a)に、外形が四角柱状の非球面
ロッドレンズ131を示しており、図13(b)には外
形が六角柱状の非球面ロッドレンズ132を示してい
る。このレンズの作用は、非球面ロッドレンズ131、
132の第1面131a、132aに突き当てられた光
ファイバ11から出射された光は、非球面ロッドレンズ
131、132を通過して、第2面131b、132b
で屈折されてコリメート光となる。
【0139】このように四角柱状や六角柱状とすること
によって、複数の非球面ロッドレンズの側面を重ね合わ
せることによって、容易に光ファイバコリメータアレイ
を形成することが可能となる。その実施形態を図14
(a)、図14(b)に示す。
【0140】図14(a)では、四角柱状の非球面ロッ
ドレンズ131、141が、その側面を利用して、2個
並列に並べられている。また、図14(b)では、六角
柱状の非球面ロッドレンズ132、142が、その側面
を利用して、3個並列に並べられている。
【0141】このように形成した非球面ロッドレンズア
レイは、レンズの光軸の間隔を精度よく形成することが
可能となり、精度のよい光ビーム間隔を形成することが
可能となり、コリメータレンズアレイや光ファイバコリ
メータアレイを非常に容易に構成することが可能とな
る。
【0142】この多角柱状の非球面ロッドレンズを作製
する方法を図15(a)〜図15(c)に示す。ここで
は、六角柱状を成形する方法について記述する。
【0143】図15(a)〜図15(c)は非球面ロッ
ドレンズの作製工程を示す図である。
【0144】ここで、本実施形態による非球面ロッドレ
ンズの作製方法が、実施の形態2に示した図2と異なる
点は、図15(b)に示したように、タングステンカー
バイトからなる胴型154に、六角成形部154aを設
けた点である。
【0145】このように非球面ロッドレンズの外周部分
を形成する金型の一部に六角成形部を設けることによっ
て、六角柱の平面部を有する非球面ロッドレンズを容易
に形成することが可能となる。
【0146】但し、多角柱状を成形する際に、レンズ硝
材から金型をうまく離すために、側面部を成形する胴型
154を2つ割りにすることも可能である。本実施形態
のように成形方法によって側面部に多角柱状の平面部を
形成すれば、非常に低コストに位置決め用の面を形成す
ることが可能となり、レンズアレイを精度よく作製する
ことが可能となる。
【0147】尚、図6(a)〜図8(b)に示す単一又
は複数の光ファイバをガイドするためのガイド穴を、例
えば、図9〜図15(c)に示す非球面ロッドレンズに
形成した構成も本願発明の範囲に含まれることは言うま
でもない。
【0148】(実施の形態9)次に、図16(a)〜図
16(d)、図22(a)、図22(b)の本発明の非
球面ロッドレンズの一実施形態について説明する。
【0149】図16(a)に示す非球面ロッドレンズ1
61は、光軸に対して斜めに形成された第1面161a
と、非球面形状による第2面161bからなる。
【0150】この第1面161aは、光ファイバ11側
への、反射による戻り光の発生を防止するために傾斜面
となっている。この非球面ロッドレンズは、例えば、外
径1mmで長さが3mm程度や外径が2.5mmで長さ
が4.5mmと非常に小型なロッドレンズとなってい
る。
【0151】ここで、形成される第1面の角度θは6度
〜8度が一般的であるが、8度以上で、10度や12度
に設計することも可能である。従って、第1面の角度θ
は、6度、7度、8度、10度、12度等が可能であ
り、さらに大きな角度も設計可能である。
【0152】尚、図16(a)の実施形態では第1面1
61aを傾斜平面として形成した非接触タイプの非球面
ロッドレンズを示した。これに対して、図16(b)の
例では、APC(Angled Physical Contact)研磨を施
したフェルールにPC接続できるように、傾斜角度を付
けてPC形状に第1面を形成した、接触タイプの非球面
ロッドレンズを示す。
【0153】さらに、図16(c)には、第1面の一部
を傾斜面に形成した非球面ロッドレンズを示している。
図16(c)のような第1面を形成すると、図16
(d)に示したように斜め研磨を施したフェルール16
4や光ファイバと接続するのに物理接触(Physical Con
tact)が取り易く、光接続において反射損失が小さくな
り有効である。
【0154】ここで、光ファイバの端面処理について説
明する。光ファイバの端面処理は主に4種類の方法があ
り、一般にフェルールやキャピラリに固定した上で、平
面研磨、凸面研磨(PC研磨)、精密凸面研磨(精密P
C研磨)、斜め研磨等がある。コネクタ端面の平面研磨
は、後方反射を約−16dB(4%)に減らし、凸面研
磨であるPC研磨はわずかにカーブした表面を持ち、フ
ァイバコネクタ同士を繋ぐ場合には、その端面を物理的
に接触させることができる。
【0155】これによって、屈折率の異なる空気の介在
を最小にし、反射減衰量を30〜40dBに抑えること
が可能になる。
【0156】凸面(PC)研磨は、多くの用途において
最もよく用いられるコネクタ端面処理の方法である。さ
らに、精密凸面研磨(アドバンストPC研磨)は、コネ
クタ端面の品質をさらに向上させるために、研磨工程を
増やしており、後方反射は40〜55dBになる。
【0157】このような研磨は高速デジタル光通信シス
テムに用いられる。また、斜め研磨は、端面に角度をつ
けて研磨する方法で、角度付きPC研磨は、前述したよ
うに、一般に端面に6〜8度の傾斜を与えながら、PC
研磨を施したものである。この場合も、光ファイバのコ
アは互いに接触するが、反射光はある角度をもって反射
し、もう一方の光ファイバのコアを外れるので反射減衰
量は60dB以下になる。
【0158】従って、本実施の形態の図16(a)で
は、光ファイバの端面が光軸に垂直な平面であるものに
ついて示しているが、光ファイバ端面での反射戻り光を
防止するために、図16(d)に示す様に端面165a
が、斜め研磨された光ファイバを用いて、図16(a)
に示された非球面ロッドレンズと組み合わせることも可
能である(図22(a)参照)。又、斜めPC研磨され
た光ファイバと組み合わせるために、図16(b)に示
された非球面ロッドレンズを組み合わせることも可能で
ある。その場合、特に図16(a)〜(c)に示した傾
斜角θが6〜8度の場合には、PC接続が容易で、戻り
光が低減され、前述したファイバコリメータやデュアル
ファイバコリメータ等に対しても格別の効果が得られ
た。
【0159】図22(a)は、図16(d)に示す光フ
ァイバ端面165aと図16(a)に示すレンズの第1
面161aが、共に接触しないで、所望の距離Yを隔て
て配置されている場合について示している。この場合、
その非球面形状の設計は、非球面ロッドレンズ161の
出射側から、即ち、第2面161bの右手方向からコリ
メート光が入ってきた時に、その焦点位置が、フェルー
ル165に内蔵された光ファイバの端面165aに形成
される様に設計する。即ち、非球面ロッドレンズの第2
面161bの前側焦点が、光ファイバ端面165aに形
成される様に非球面形状を設計することが重要である。
【0160】ここで、光ファイバ端面165aの傾斜角
θと、斜めに成形された非球面ロッドレンズの入射端面
161aの傾斜角θは、同じ角度である場合もあるが、
必ずしも同じ角度である必要はなく、反射戻り光が光フ
ァイバに戻らない様な関係であればよい。特に、入射側
光ファイバの端面は、一般に8度の斜め研磨を施される
ことが多いので、それに対して成形によって作製される
非球面ロッドレンズの第1面は、4度から9度に設計す
ることが好ましい。
【0161】ここで、一般に平行光とは、有限の大きさ
をもつ物体があり、その各面から出た光線が平行になっ
ている状態と、無限小の物体があり、その点から出射さ
れた光が全て平行になっている状態との2つの意味を有
している。
【0162】従って、光ファイバ端面や光源は、一般に
有限の大きさを持ち、理想的な点光源ではないので、レ
ンズからの出射光は、広がってしまうことに注意を要す
る。直径Aの光源から出る光を、焦点距離fのレンズで
平行光に変換する場合、平行光の発散角(全角)はA/
f(ラジアン)と表される。光源上の1点から出た光ビ
ームは平行にできても、その光ビームを光源の他の1点
から出た光ビームとは有限の角をなすために出射光は広
がってしまう。
【0163】従って、有限の大きさの光源からできるだ
け発散角の小さい光ビームを実現するには、焦点距離の
長いレンズを設計し、入射光が半導体レーザやシングル
モードファイバからの放射光の様にガウスビームの場合
には、ビームウェストがレンズの第2面からできるだけ
遠い距離に形成される様に第2面の非球面形状を設計す
ることが重要である。
【0164】更に、図22(b)は、図16(b)のフ
ァイバ接触部を拡大した図である。この場合には、光フ
ァイバの先端部11aが、所定の角度を有する斜めの曲
面、即ち、APC(Angled Physical Contact)研磨を
施されている。その光ファイバ端面11aが、同様に角
度θの傾斜角を有する斜め曲面状(162a)に成形さ
れた非球面ロッドレンズ162に接触している。この場
合には、非球面ロッドレンズの第2面からの透過光はコ
リメート光となっており、その第2面である出射面16
2bの非球面形状は、第2面の前側焦点が第1面(16
2a)上における光ファイバ端面が接触する位置160
1に形成される様に設計する。
【0165】この第1面が傾斜面である非球面ロッドレ
ンズを作製する方法を図17(a)、図17(b)に示
す。
【0166】図17(a)、図17(b)は、非球面ロ
ッドレンズの作製工程を示す図である。
【0167】ここで、本実施形態による非球面ロッドレ
ンズの作製方法が、実施の形態2に示した図2と異なる
点は、図17(a)に示したように、タングステンカー
バイトからなる上金型172に、傾斜面を形成するため
の斜面部172aを設けた点である。
【0168】このように斜面を形成したい面の金型に斜
面部172aを設けることによって、第1面を傾斜面と
した非球面ロッドレンズを容易に成形することが可能と
なる。非球面ロッドレンズに傾斜面を形成するには、作
製後に精密研磨も考えられるが、本実施形態のように成
形方法によって一度に成形すれば、非常に低コストに第
1面を傾斜面として非球面ロッドレンズを形成すること
が可能となる。
【0169】尚、上述した本実施の形態の非球面ロッド
レンズの製造方法において、金型に傾斜面172aを設
けた構成は、つぎの様に説明することが出来る。即ち、
胴型174は、非球面ロッドレンズの光軸に対応する長
軸(図示省略)を有しており、上金型172の傾斜面1
72a(本発明の第1型の第1形状の端部に対応する)
が、胴型174の前記長軸と直交する面に対して所定の
角度(図17に示す角度θに対応する)を有している構
成である。
【0170】尚、上金型の傾斜面は、平面に限らず、例
えば、図22(b)に示す非球面ロッドレンズを製造す
る場合は、第1面(162a)に対応した曲面形状とな
り、この場合は、上記所定の角度は、図22(b)に示
す角度θに対応する。
【0171】また、図16(b)に示した第1面が斜め
PC面や、図16(c)に示した第1面が一部斜め面に
形成された非球面ロッドレンズも、本実施形態によれば
容易に成形することが可能となり、金型の非球面形状を
再現性よく精密に転写できるので、非常に低コストに量
産性よく非球面ロッドレンズを作製することが可能とな
る。
【0172】なお、これまで述べた非球面ロッドレンズ
の成形方法において、タングステンカーバイドからなる
成形金型について述べたが、レンズ硝材によって、ガラ
ス成形が可能であれば低膨張の結晶化ガラス等別の材料
からなる成形金型を用いて非球面ロッドレンズを成形す
ることも可能である。
【0173】(実施の形態10)図18(a)は、本発
明の非球面ロッドレンズの一実施形態について示してい
る。
【0174】図18(a)に示す非球面ロッドレンズ
は、集光ビーム用非球面ロッドレンズ181である。
【0175】本実施形態がこれまでに説明した実施形態
と異なる点は、光結合系がコリメート光学系ではなく、
集光ビーム光学系、または共焦点光学系で構成されてい
る点である。光機能デバイスを構成するにはコリメート
光学系がよく適用されるが、必ずしもコリメート光学系
ではなく、集光ビーム光学系によって光結合系を構成す
ることも可能である。
【0176】図18(a)に示したように、集光ビーム
用非球面ロッドレンズ181を用いることによって、光
ファイバ11から出射された光が集光ビーム183に変
換されていることが分かる。
【0177】従って、非球面ロッドレンズにおいて、屈
折率やレンズ長さ(厚み)、非球面形状を適切に設計す
れば、これまでの実施形態で記述した非球面ロッドレン
ズを、コリメータレンズとして使用するだけでなく、集
光ビームを形成する非球面ロッドレンズとして使用する
ことも可能である。
【0178】具体的には、第2面181bの焦点が、第
1面181a上における光ファイバ11の放射端子が接
触する位置よりも非球面ロッドレンズ181の内側に形
成される様に、設計することが重要である。
【0179】図18(b)は、集光ビーム光学系で光結
合系を構成した場合を示す。このような共焦点光学系で
光機能デバイス用に光結合系を構成することも可能であ
り、その際に、屈折率やレンズ長さ(厚み)、非球面形
状を検討して、これまで詳しく述べた本発明の非球面ロ
ッドレンズを適用することも、結合効率、位置決め精
度、組み立て容易性の点から非常に有効である。
【0180】(実施の形態11)これまで述べた非球面
ロッドレンズの実施形態では、レンズ硝材として、ガラ
ス材料について述べたが、金型や加熱温度、時間、レン
ズ硝材の仕込み量や注入の仕方を工夫すれば、プラスチ
ック材料や樹脂材料等を用いることも可能である。
【0181】但し、レンズ硝材として、プラスチック材
料や樹脂材料を用いた場合には、射出成形法や射出圧縮
成形法を用いて、本実施形態に示した非球面ロッドレン
ズを作製することも可能である。
【0182】さらに、本実施形態に示した金型成形方法
によってプレスレンズを作製することも可能である。
【0183】この場合には、成形した後に、プラスチッ
クや樹脂材料が型離れし易い金型を選択する必要があ
り、例えばガラス材料を用いた金型で成形することも精
度良く非球面形状を転写するのに有効である。
【0184】(実施の形態12)実施の形態1で述べた
ように、非球面ロッドレンズのレンズ硝材の屈折率を光
ファイバのコア屈折率に等しくすれば、反射率が低減さ
れ、光ファイバと本願発明のレンズを接続する際に格別
の効果が認められた。
【0185】実施の形態1では、単一モード光ファイバ
のコア屈折率を考慮して、屈折率を1.46から1.4
8としているが、種々の光ファイバのコア屈折率に近い
値であれば、他の屈折率を有する光学ガラスでも同様に
反射率を低減することが可能である。
【0186】従って、光結合する光ファイバによって、
そのコア屈折率にほぼ等しい屈折率を選択してレンズ硝
材を決定し、容易に非球面レンズを成形することが可能
である。
【0187】また、実施の形態1で述べたように、非球
面ロッドレンズの両面に無反射コート(ARコート)を
形成しても、挿入損失を低減することができ、高性能な
光機能デバイスを構成するのに効果があった。
【0188】図20(a)にARコートを形成した非球
面ロッドレンズについて示す。
【0189】非球面ロッドレンズ201の第1面201
aと第2面201bの両面にARコート201cが形成
されている。このように非球面ロッドレンズ201にA
Rコート201cを施せば、光機能デバイスを構成する
場合に、非球面レンズ側は屈折率の異なる界面、例えば
空気層に接するので、その界面での反射損失を低減する
のに格別の効果があった。
【0190】次に、非球面ロッドレンズに対するメタラ
イズ加工について、図20(b)に示す。
【0191】固定基板等にレンズを固定するために、非
球面ロッドレンズ202の外周面(側面)に半田固定や
接合固定用にメタライズ層(金属被覆層)202cを蒸
着法等によって成膜すれば、非球面ロッドレンズを固定
し易く、製造上極めて効果があった。
【0192】ここで、金属被覆層202cとしては、N
iを標準コーティング材料として、Au、Fe、Cu、
Ag、Sn等の合金のコーティングが可能であった。特
に、半田固定を考えた場合には、Ni−Au合金や、N
i−Fe合金が効果的であり、側面全面でなくとも、側
面の一部に金属被覆を形成するだけでも組み立てが容易
となり、格別の効果が認められた。
【0193】さらに、非球面ロッドレンズに対する波長
フィルタ加工について、図20(c)に示す。
【0194】本実施形態は、図20(c)から分かるよ
うに、非球面ロッドレンズ203に対して、光ファイバ
11からの光が出射する第2面に誘電体多層膜による波
長フィルタ203cが形成されていることを特徴とす
る。
【0195】このように波長フィルタを非球面ロッドレ
ンズに形成することによって、レンズに光の波長選択機
能を付加することが可能となる。光機能デバイスとし
て、波長フィルタを作製する際に、従来1対の光ファイ
バコリメータと光フィルタを組み立てる必要があった
が、この波長フィルタを形成された非球面ロッドレンズ
を用いることによって、光フィルタを省略することが可
能となり、組み立てが非常に簡素化され、波長フィルタ
の小型化も実現できる。
【0196】波長フィルタは、通常光学特性(屈折率)
の異なる2種以上の材料を交互に周期的に積層させて構
成し、積層構造によって光波の透過特性を制御する。
【0197】各層は対象とする光波に対して光路長(=
屈折率×厚さ×cos(入射角))が4分の1波長とな
るように設定するのが一般的である。
【0198】ここでは、誘電体多層膜の材料として、高
屈折材料にTiO2、Ta25、ZrO2やNb23、低
屈折材料にSiO2等、また中間物質としてAl23
用いて波長フィルタを形成した。作製方法としては、例
えば、蒸着、スパッタ、化学気相堆積等の方法が用いら
れているが、本実施形態では、光学特性をモニターしな
がらデュアルイオンビームスパッタ(DIBS)法を用
いて波長フィルタを作製した。
【0199】また、非球面ロッドレンズに波長フィルタ
を形成する場合は、非球面ロッドレンズのレンズ長さ
(厚さ)が短く、レンズ直径の小さいレンズ、即ち直径
2mm以下の非球面ロッドレンズが、出射ビーム径が小
さくなり、近軸領域で屈折される。そのため、収差の影
響が少なく、かつ光ビームの波長フィルタへの入射角依
存性が問題とならないので、波長分割多重光通信用フィ
ルタ等に格別の効果が認められた。
【0200】(実施の形態13)また、これまで述べた
非球面ロッドの実施形態では、光の入力手段として主に
光ファイバについて記述したが、光ファイバの変わりに
半導体レーザー(LD)、LED、面発光レーザー(V
CSEL)等の光源を適用することも可能である。
【0201】但し、LD光源の場合には、光が放射する
開口数(NA)が異なるので、光ファイバの場合とは異
なる最適な非球面形状の設計が必要である。
【0202】以上に述べたように、本発明の非球面ロッ
ドレンズは、収差の影響を受けず、光軸調整が容易で、
光ビームの平行性(コリメーション)や集光性が良好、
即ち、コリメート光が長く形成でき、または容易に集光
ビーム光学系が構成できるので、光結合系において結合
効率が高いレンズを提供することが可能となる。
【0203】また、レンズアレイや光ファイバコリメー
タアレイを容易に形成することが可能となる。それによ
り、低コストで、高性能、小型な光機能デバイスが実現
できるレンズとその作製方法を提供する。
【0204】本願に記載した非球面ロッドレンズは、光
通信分野だけでなく、光実装回路基板、或いは画像情報
処理装置や液晶表示装置にも幅広く、光結合や光信号処
理用、光ビーム変換用として適用することが可能とな
る。
【0205】尚、上記実施の形態では、光ファイバから
の光を非球面ロッドレンズによりコリメート光又は集光
ビームに変換する場合を中心に説明したが、これに限ら
ず例えば、所定の光源として面発光レーザ等の光源を用
いる構成でもよい。この様な構成でも、上記と同様の効
果を発揮する。
【0206】上記構成によれば、光結合系において、結
合効率が高い非球面ロッドレンズを実現することが可能
となり、非常に容易に低コストで量産性のよい作製方法
を提供することが可能となる。また、光ファイバとの接
続も容易であるので、光機能デバイスの小型化、アレイ
化、高性能化を実現することが可能となる。
【0207】
【発明の効果】以上述べたことから明らかなように、本
発明によれば、光結合系において、結合効率が高い非球
面ロッドレンズ、及びその製造方法を提供することが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非球面ロッドレンズの一実施例を示す
【図2】(a)、(b):本発明の非球面ロッドレンズ
の作製方法の一実施例を示す図
【図3】本発明の非球面ロッドレンズの一実施例を示す
【図4】本発明の非球面ロッドレンズの一実施例を示す
【図5】本発明の非球面ロッドレンズの一実施例を示す
【図6】図6(a)〜図6(e):本発明の非球面ロッ
ドレンズの例を示す図
【図7】(a)、(b):本発明の非球面ロッドレンズ
の一実施例を示す図 (c):本発明のデュアルファイバコリメータの斜視図
【図8】(a)、(b):本発明の非球面ロッドレンズ
の作製方法の一実施例を示す図
【図9】(a)〜(c):本発明の非球面ロッドレンズ
の一実施例を示す図
【図10】(a)〜(c):本発明の非球面ロッドレン
ズの作製方法の一実施例を示す図
【図11】(a)、(b):本発明の非球面ロッドレン
ズの一実施例を示す図
【図12】(a)〜(c):本発明の非球面ロッドレン
ズの作製方法の一実施例を示す図
【図13】(a)、(b):本発明の非球面ロッドレン
ズの一実施例を示す図
【図14】(a)、(b):本発明の非球面ロッドレン
ズアレイの一実施例を示す図
【図15】(a)〜(c):本発明の非球面ロッドレン
ズの作製方法の一実施例を示す図
【図16】(a)〜(c):本発明の非球面ロッドレン
ズの一実施例を示す図
【図17】(a)、(b):本発明の非球面ロッドレン
ズの作製方法の一実施例を示す図
【図18】(a)、(b):本発明の非球面ロッドレン
ズの一実施例を示す図
【図19】(a)、(b):種々のレンズの挿入損失の
距離依存性を示す図
【図20】(a)〜(c):本発明の非球面ロッドレン
ズの一実施例を示す図
【図21】(a)〜(c):従来の非球面レンズの概略
【図22】(a):本発明の非球面ロッドレンズの一実
施例を示す図 (b):図16(b)に示す光ファイバ接触部の拡大図
【符号の説明】
11 入射側光ファイバ 12,31,41,51,54,61,71,91,1
11 非球面ロッドレンズ 12a,61a,71a,91a,111a 第1面
(入射面) 12b,61b,71b,91b,111b 第2面
(出射面) 13 コリメート光 14 出射側光ファイバ 21,81,101,121 レンズ硝材 22,82,102,122 上金型 23,83,103,123 下金型 24,84,104,124 胴型 25,85,105,125 スペーサ 32,42 フェルール 33,43,52,55,165 キャピラリ 44,53,56 スリーブ 57 光機能素子 61c,62c,63c,64c,71c 光ファイバ
ガイド穴 82a 凸部 91c 溝部 92,112 固定基板 104a 凸部 111c 平面形状 124a 平面部 131 四角柱状非球面ロッドレンズ 132 六角柱状非球面ロッドレンズ 154 六角柱状胴型 161,162,163 斜面付き非球面ロッドレンズ 164 斜め研磨フェルール 172 斜め成形上金型 181 集光ビーム用非球面ロッドレンズ 183 集光ビーム 191,192,201,202,203 非球面ロッ
ドレンズ 201c ARコート 202c 金属薄膜(メタライズ加工) 203c 波長フィルタ 211 両凸レンズ 212 フランジ 213 フェルール 214 コリメータケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森岡 一夫 京都府京田辺市大住浜55番12 松下日東電 器株式会社内 Fターム(参考) 2H037 AA01 CA12 CA15 CA18 CA19 DA04 DA06

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の光源から又は光ファイバの放射端
    子から放射される光を所定の光に変換する非球面ロッド
    レンズであって、 前記光源又は放射端子が接触する、球面又は平面形状を
    有する第1面と、 前記第1面に実質上対向し、前記光源又は光ファイバか
    らの放射光をコリメート光又は集光ビームに変換して透
    過させる非球面形状を有する第2面と、を備えた非球面
    ロッドレンズ。
  2. 【請求項2】 前記第1面には、前記光ファイバの放射
    端子が接触されており、 前記第2面からの前記透過光が前記コリメート光であ
    り、 前記第2面は、前記第1面上における前記放射端子が接
    触する位置に焦点を有する請求項1記載の非球面ロッド
    レンズ。
  3. 【請求項3】 前記第1面には、前記光ファイバの放射
    端子が接触されており、 前記第2面からの前記透過光が前記集光ビームであり、 前記第2面の焦点は、前記第1面上における前記放射端
    子が接触する位置よりも前記非球面ロッドレンズの内側
    に形成される請求項1記載の非球面ロッドレンズ。
  4. 【請求項4】 前記非球面ロッドレンズは、所定の外径
    を有する実質上円柱形状であり、 前記非球面ロッドレンズの外径が、前記光ファイバを接
    着固定するためのフェルール外径と実質上同じである請
    求項2又は3に記載の非球面ロッドレンズ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の非球面ロッドレンズの製
    造方法であって、 レンズ硝材が可塑性を生じる所定温度まで加熱する第1
    工程と、 前記加熱したレンズ硝材をレンズ形状に成形型を用いて
    加圧成形する第2工程と、 前記所定温度からレンズ材質の転移点まで前記レンズ材
    質を加圧、冷却しながらレンズ両面を一体形成する第3
    工程と、 前記成形したレンズ材質を転移点以下に冷却する第4工
    程と、を備えた非球面ロッドレンズの製造方法。
  6. 【請求項6】 所定の光源又は光ファイバの放射端子か
    ら放射される光を所定の光に変換する非球面ロッドレン
    ズであって、 前記光源を複数挿入するための、又は前記光ファイバの
    放射端子を複数挿入するためのガイド穴を有する第1面
    と、 前記第1面に実質上対向し、前記光源又は前記光ファイ
    バからの放射光をコリメート光又は集光ビームに変換し
    て透過させる非球面形状を有する第2面と、を備えた非
    球面ロッドレンズ。
  7. 【請求項7】 前記第2面からの前記透過光が前記コリ
    メート光であり、 前記第2面の焦点は、前記ガイド穴の実質上底面の位置
    に形成される請求項6記載の非球面ロッドレンズ。
  8. 【請求項8】 前記第2面からの前記透過光が前記集光
    ビームであり、 前記第2面の焦点は、前記ガイド穴の実質上底面の位置
    よりも前記非球面ロッドレンズの内側に形成される請求
    項6記載の非球面ロッドレンズ。
  9. 【請求項9】 前記ガイド穴は、前記光ファイバの放射
    端子を2つ並列に挿入するための穴であり、 デュアルファイバコリメータを構成した請求項7に記載
    の非球面ロッドレンズ。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の非球面ロッドレンズの
    製造方法であって、 レンズ硝材が可塑性を生じる所定温度まで加熱する第1
    工程と、 前記加熱したレンズ硝材をレンズ形状に成形型を用いて
    加圧成形する第2工程と、 前記所定温度からレンズ材質の転移点まで前記レンズ材
    質を加圧、冷却しながらレンズ両面を一体形成する第3
    工程と、 前記成形したレンズ材質を転移点以下に冷却する第4工
    程と、を備え、 前記第1面を成形する成形型の面に、前記ガイド穴を成
    形するための突起部が設けられている非球面ロッドレン
    ズの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記非球面ロッドレンズの外形は、実
    質上円柱形状であり、その円柱形状の外周部の一部に溝
    部、又は、平面部が設けられている請求項1又は6に記
    載の非球面ロッドレンズ。
  12. 【請求項12】 前記非球面ロッドレンズの外周部は、
    実質上多角柱形状である請求項1又は6に記載の非球面
    ロッドレンズ。
  13. 【請求項13】 前記非球面ロッドレンズの外周部に対
    応する前記成形型の面は実質上円筒面状であり、その円
    筒面状の面の一部に、溝部形成用の凸部又は平面部形成
    用の平面部が設けられている請求項5又は10記載の非
    球面ロッドレンズの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記非球面ロッドレンズの外周部に対
    応する前記成形型の面は実質上多角柱の筒状である請求
    項5又は10記載の非球面ロッドレンズの製造方法。
  15. 【請求項15】 所定の光源から又は光ファイバの放射
    端子から放射される光を所定の光に変換する非球面ロッ
    ドレンズであって、 前記光源又は放射端子からの光が入射する面であって、
    前記入射光の光軸に垂直な面に対して所定の傾斜角を有
    する第1面と、 前記第1面に入射した前記光をコリメート光又は集光ビ
    ームに変換して透過させる非球面形状を有する第2面
    と、を備えた非球面ロッドレンズ。
  16. 【請求項16】 前記第1面は、前記光ファイバの放射
    端子と接触していない請求項15に記載の非球面ロッド
    レンズ。
  17. 【請求項17】 前記第2面からの前記透過光が前記コ
    リメート光であり、前記第2面の焦点は、前記光ファイ
    バの放射端子面に形成される請求項16記載の非球面ロ
    ッドレンズ。
  18. 【請求項18】 前記第1面は、前記光ファイバの放射
    端子と接触している請求項15に記載の非球面ロッドレ
    ンズ。
  19. 【請求項19】 前記第1面が球面又は非球面であり、
    前記光ファイバの放射端子の端面が、前記傾斜角に対応
    した傾斜角を有する(1)平面、(2)球面又は(3)
    非球面である請求項18に記載の非球面ロッドレンズ。
  20. 【請求項20】 前記第2面からの前記透過光が前記コ
    リメート光であり、 前記第2面の焦点は、前記第1面上における前記放射端
    子が接触する位置に形成される請求項19記載の非球面
    ロッドレンズ。
  21. 【請求項21】 前記第2面からの前記透過光が前記集
    光ビームであり、 前記第2面の焦点は、前記第1面よりもレンズの内側に
    形成される請求項19記載の非球面ロッドレンズ。
  22. 【請求項22】 前記傾斜角が、6度、8度、又は12
    度である請求項15記載の非球面ロッドレンズ。
  23. 【請求項23】 請求項15記載の非球面ロッドレンズ
    の製造方法であって、 レンズ硝材が可塑性を生じる所定温度まで加熱する第1
    工程と、 前記加熱したレンズ硝材をレンズ形状に成形型を用いて
    加圧成形する第2工程と、 前記所定温度からレンズ材質の転移点まで前記レンズ材
    質を加圧、冷却しながらレンズ両面を一体形成する第3
    工程と、 前記成形したレンズ材質を転移点以下に冷却する第4工
    程と、を備え、 前記第1面を成形する成形型の面が、前記光軸に垂直な
    面に対して傾斜している非球面ロッドレンズの製造方
    法。
  24. 【請求項24】 前記非球面ロッドレンズのレンズ硝材
    が、前記光ファイバのコア屈折率に等しいレンズ硝材で
    ある請求項1,6又は15に記載の非球面ロッドレン
    ズ。
  25. 【請求項25】 前記非球面ロッドレンズの前記第1面
    と前記第2面に無反射コートが形成されている請求項
    1,6又は15に記載の非球面ロッドレンズ。
  26. 【請求項26】 前記非球面ロッドレンズの外周部に金
    属薄膜が形成されている請求項1,6又は15に記載の
    非球面ロッドレンズ。
  27. 【請求項27】 前記非球面ロッドレンズの前記第2面
    の非球面部に波長フィルタが形成されている請求項1,
    6又は15に記載の非球面ロッドレンズ。
  28. 【請求項28】 前記非球面ロッドレンズのレンズ材質
    がガラス材料又は樹脂材料である請求項1,6又は15
    に記載の非球面ロッドレンズ。
  29. 【請求項29】 第1開口と、その第1開口に対向した
    第2開口を含む胴型にレンズ硝材を配置するA行程と、 前記レンズ硝材を、可塑性を生じる温度まで加熱するB
    行程と、 第1形状の端部を有する第1型を、前記胴型の前記第1
    開口にスライドさせるC行程と、 非球面形状の凹部を有する第2形状の端部を有する第2
    型を、前記胴型の前記第2開口にスライドさせるD行程
    と、 前記第1型の前記第1形状の端部と前記第2型の前記第
    2形状の端部との間で前記加熱されたレンズ硝材を加圧
    し、非球面ロッドレンズを形成するE行程と、 前記非球面ロッドレンズを所定温度以下に冷却するF行
    程とを備え、 前記第1型の前記第1形状の端部が、球面又は平面であ
    る非球面ロッドレンズの製造方法。
  30. 【請求項30】 第1開口と、その第1開口に対向した
    第2開口を含む胴型にレンズ硝材を配置するA行程と、 前記レンズ硝材を、可塑性を生じる温度まで加熱するB
    行程と、 第1形状の端部を有する第1型を、前記胴型の前記第1
    開口にスライドさせるC行程と、 非球面形状の凹部を有する第2形状の端部を有する第2
    型を、前記胴型の前記第2開口にスライドさせるD行程
    と、 前記第1型の前記第1形状の端部と前記第2型の前記第
    2形状の端部との間で前記加熱されたレンズ硝材を加圧
    し、非球面ロッドレンズを形成するE行程と、 前記非球面ロッドレンズを所定温度以下に冷却するF行
    程とを備え、 前記第1型の前記第1形状の端部が、少なくとも一つの
    凸部を有しており、 前記E行程は、前記レンズ硝剤を前記第1形状の端部に
    設けられた凸部に加圧し、前記非球面ロッドレンズに少
    なくとも一つのガイド穴を形成する行程を含む非球面ロ
    ッドレンズの製造方法。
  31. 【請求項31】 前記胴型の内面は、前記内面の長手部
    に沿って、三角形状部又は平面部を含み、 前記E行程は、前記レンズ硝剤を、前記胴型の前記内面
    の前記三角形状部又は平面部に加圧し、前記非球面ロッ
    ドレンズに所定の形状を形成する行程を含む請求項29
    又は30に記載の非球面ロッドレンズの製造方法。
  32. 【請求項32】 前記胴型の内面は、その断面が所定の
    多角形形状を有する多角柱の筒状であり、 前記胴型の前記第1開口は、前記所定の多角形形状を有
    している請求項29又は30に記載の非球面ロッドレン
    ズの製造方法。
  33. 【請求項33】 第1開口と、その第1開口に対向した
    第2開口を含む胴型にレンズ硝材を配置するA行程と、 前記レンズ硝材を、可塑性を生じる温度まで加熱するB
    行程と、 第1形状の端部を有する第1型を、前記胴型の前記第1
    開口にスライドさせるC行程と、 非球面形状の凹部を有する第2形状の端部を有する第2
    型を、前記胴型の前記第2開口にスライドさせるD行程
    と、 前記第1型の前記第1形状の端部と前記第2型の前記第
    2形状の端部との間で前記加熱されたレンズ硝材を加圧
    し、非球面ロッドレンズを形成するE行程と、 前記非球面ロッドレンズを所定温度以下に冷却するF行
    程とを備え、 前記胴型は、前記非球面ロッドレンズの光軸に対応する
    長軸を有しており、 前記第1型の前記第1形状の端部が、前記胴型の前記長
    軸と直交する面に対して所定の角度を有している非球面
    ロッドレンズの製造方法。
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