JP2003194954A - 荷電粒子測定装置 - Google Patents

荷電粒子測定装置

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JP2003194954A JP2001400026A JP2001400026A JP2003194954A JP 2003194954 A JP2003194954 A JP 2003194954A JP 2001400026 A JP2001400026 A JP 2001400026A JP 2001400026 A JP2001400026 A JP 2001400026A JP 2003194954 A JP2003194954 A JP 2003194954A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確な荷電粒子の種類と精度の良いエネルギ
ーの弁別を行うこと、高エネルギーの荷電粒子の精度の
良い測定を可能とすること及び測定装置の故障を検出し
て、故障に対応したモードで観測を継続することを課題
とする。 【解決手段】 第1の検出器からの出力を第1のアドレ
スとし、複数の検出器で構成する第2の検出器からの出
力を第2のアドレスとし、第3の検出器からの出力を当
該荷電粒子が上記第2の検出器を貫通したか否かの情報
として利用し、測定する荷電粒子の損失エネルギー特性
を上記2次元のアドレスで表し、該荷電粒子の損失エネ
ルギーを測定した回数を上記2次元のアドレス毎に計数
するようにし、更に、上記第1乃至第3の検出器を構成
する検出器系に故障が発生した場合、故障が発生した当
該検出器を除いた測定モードを設けて測定を継続するよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】宇宙空間や宇宙船内等の複数
の荷電粒子(例えば電子、陽子、α粒子等)が混在する
場で、その荷電粒子の種類及び該荷電粒子のエネルギー
を測定する荷電粒子測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来荷電粒子の種別及び荷電粒子のエネ
ルギーを計測する場合、複数の検出器を積層したテレス
コープ型測定装置が用いられている。また検出器に入射
してくる高エネルギー荷電粒子の全エネルギーを計測す
るには、検出器の厚さを充分厚くして、入射した荷電粒
子の全エネルギーを検出器内で吸収する事が必要である
と考えられてきた。このため、複数の検出器及び吸収材
を組み合わせて配置するΔEテレスコープ型荷電粒子測
定装置と、改良型のΔE・Eテレスコープ型荷電粒子測
定装置が開発されている。図9は、電子、陽子及びα粒
子のエネルギーを計測する従来のΔEテレスコープ型荷
電粒子測定装置のブロック図を示す。図10は図9に示
すΔEテレスコープ型荷電粒子測定装置に荷電粒子が入
射した場合に、該荷電粒子が検出器内に電子正孔対を生
成するために失うエネルギー(以下、損失エネルギーと
いう)と、該荷電粒子が入射する前に有していた全エネ
ルギー(以下、粒子エネルギーという)との関係を理論
計算によって求めたものである。図11は従来のΔE・
Eテレスコープ型荷電粒子測定装置の検出器の構成を示
す概念図、図12は従来のΔE・Eテレスコープ型荷電
粒子測定装置のブロック図を示す。最初に図9及び図1
0を用いて従来のΔEテレスコープ型測定装置について
説明する。
【0003】図9において、1は荷電粒子、201乃至
203は荷電粒子のエネルギーを吸収する吸収材で、吸
収材201は厚さ0.1mmのアルミ、吸収材202は
厚さ2mmの銅、吸収材203は厚さ2mmのタンタル
である。204乃至207は検出器で、全て厚さ0.2
mmのシリコン半導体検出器である。208は増幅部、
209はトリガ発生部、210は3チャネル波高弁別
部、211はデータ処理部である。
【0004】そこで荷電粒子1が、上記ΔEテレスコー
プ型荷電粒子測定装置に入射すると、検出器204乃至
検出器207は荷電粒子1が貫通または入射した場合に
電子正孔対を発生する。増幅部208は、この電子正孔
対を検出して、発生した電子正孔対の数に比例したアナ
ログパルス信号に変換する。
【0005】検出器204で発生した電子正孔対を増幅
部208でアナログパルス信号に変換した出力は、3チ
ャネル波高弁別部210に印加され、該3チャネル波高
弁別部210は入射した荷電粒子を電子、陽子及びα粒
子の何れかに弁別し、その結果をアドレス1としてデー
タ処理部211へ出力する。
【0006】3チャネル波高弁別部210における荷電
粒子の弁別方法を図10を用いて説明する。
【0007】図10の左側の縦軸は入射した荷電粒子1
の損失エネルギーをMeV(メガエレクトロンボルト)
単位の対数目盛で示し、横軸は入射した荷電粒子の粒子
エネルギーをMeV単位の対数目盛で示してある。
【0008】図10の右側の縦軸に示すL1、L2及び
L3は夫々0.05MeV、0.4MeV及び6MeV
で荷電粒子の種類を弁別するために予め定めた値であ
る。S1乃至S4に示す曲線は夫々検出器204乃至検
出器207で検出される荷電粒子の損失エネルギーと粒
子エネルギーの関係を理論計算によって求めた曲線で、
入射してくる荷電粒子の種類、ここでは電子、陽子及び
α粒子を示す3群の曲線群に分かれており、当該荷電粒
子の損失エネルギーがL1とL2の間であれば、入射し
た荷電粒子は電子であると弁別し、当該荷電粒子の損失
エネルギーがL2とL3の間であれば、入射した荷電粒
子は陽子であると弁別し、当該荷電粒子の損失エネルギ
ーがL3以上であれば、入射した荷電粒子はα粒子であ
ると弁別する。なお、荷電粒子が陽子の場合、S1乃至
S4の曲線の立ちあがり部分がL2より下の電子の範囲
にあり、この範囲で検出される荷電粒子は当該荷電粒子
が陽子であっても電子として弁別されるが、極めて稀な
のでそのままとする。荷電粒子がα粒子の場合もS1乃
至S4の曲線の立上がり部については同様である。
【0009】検出器204で検出した電子正孔対を増幅
部208でアナログパルス信号に変換した出力は、トリ
ガ発生部209に印加され、該印加された出力がトリガ
発生部209に設定された雑音と識別するための閾値を
超えると、トリガ発生部209はトリガ信号を発生し
て、該トリガ信号をデータ処理部211に印加する。
【0010】3チャネル波高弁別部210には上記図1
0のL1、L2及びL3に対応するアナログパルス信号
の値を設定して、該L1、L2及びL3に対応するアナ
ログパルス信号の値と、検出器204で発生した電子正
孔対を増幅部208でアナログパルス信号に変換した出
力とを比較して当該荷電粒子の種類の弁別を行い、その
結果を上記のようにアドレス1としてデータ処理部21
1へ出力する。
【0011】荷電粒子1が貫通または入射した検出器2
05乃至検出器207は電子正孔対を発生し、増幅部2
08により該電子正孔対の数に比例したアナログパルス
信号をデータ処理部211へ印加する。
【0012】データ処理部211は上記トリガ発生部2
09からのトリガ信号を受けて、上記検出器205乃至
検出器207で発生した電子正孔対の数に比例したアナ
ログパルス信号の入力から、どの検出器までアナログパ
ルス信号を発生したか判別する。例えば入射した荷電粒
子1を3チャネル波高弁別部210で弁別した結果が陽
子で、検出器204及び検出器205がアナログパルス
信号を発生し、検出器206がアナログパルス信号を発
生しない場合は、図10からこの陽子の粒子エネルギー
は、陽子の群のS2の曲線の立ちあがり部が示す6.1
MeVから、陽子の群のS3の曲線の立ちあがり部が示
す20MeVの範囲のエネルギー(以下、粒子エネルギ
ー範囲の区分をエネルギーチャネルという)であると判
別し、その判別結果をアドレス2とする。
【0013】データ処理部211は上記3チャネル波高
弁別部210の出力であるアドレス1と、検出器204
乃至検出器207の増幅部208からの出力であるアド
レス2を用いて、荷電粒子の種類毎に当該荷電粒子のエ
ネルギーチャネルを測定した事象の発生度数を、データ
処理部211に有する当該アドレスのメモリに累積加算
する処理を行う。該メモリの内容を所定の時間間隔で地
上へ送信して荷電粒子の種類別、エネルギーチャネル別
のデータを得る。
【0014】このように荷電粒子測定装置に入射する荷
電粒子の損失エネルギーを測定することによって、該荷
電粒子の種類と粒子エネルギーを測定することができ
る。
【0015】しかし、図10に示すように、検出器20
4乃至検出器207で失う荷電粒子のエネルギーは、右
肩下がりとなるため、当該荷電粒子の粒子エネルギーが
高いところでは、電子の範囲内に陽子が、陽子の範囲内
にα粒子が入り込み、当該荷電粒子の判別を間違える場
合が生ずるという問題点がある。
【0016】また本ΔEテレスコープ型荷電粒子測定装
置は上記のように、検出器の数によってエネルギーチャ
ネル数が決まるので荷電粒子のエネルギーチャネル数を
多くするには、検出器と吸収材の枚数を増す必要があ
る。
【0017】次にΔE・Eテレスコープ型荷電粒子測定
装置について図11及び図12を用いて説明する。
【0018】図11において、1は荷電粒子、301は
ΔE検出器、302はE’検出器、303はErej検
出器である。 図12において、1は荷電粒子、311
乃至315は検出器、316は増幅部、317は加算部
(A)、318は加算部(B)、319は16チャネル
波高弁別部、320は演算部、321は4チャネル粒子
弁別部、322はトリガ発生部、323は一致検出部、
324はデータ処理部である。
【0019】そこで、荷電粒子のエネルギーが比較的低
い領域で荷電粒子が物質中を微小距離dx移動したとき
に損失するエネルギーをdEとすると −dE/dx∝MZ2/E 式(1) と近似できる。ここにMは荷電粒子の質量、Zは荷電粒
子の電荷、Eは荷電粒子の粒子エネルギーである。式
(1)を変形して E×(−dE/dx)∝MZ2 式(2) とすると、右辺のMZ2の値は、陽子の場合を1とする
と、重陽子、三重陽子、3He、4Heについて夫々の比
率は2、3、12、16という値となり、式(2)の左
辺に示すE×(−dE/dx)の値を荷電粒子の損失エ
ネルギーの観測データから求めることにより、荷電粒子
の種類を弁別することが出来る。
【0020】図11及び図12に示すΔE・Eテレスコ
ープ型荷電粒子測定装置は上記原理を用いて荷電粒子の
弁別及び荷電粒子のエネルギーチャネルを計測するもの
である。
【0021】図11において、ΔE検出器301は上記
式(2)の−dE/dxを検出し(以下、−dE/dx
をΔEで示す)、E’検出器302は残りのエネルギー
E’(E’=E−ΔE)を検出するもので、荷電粒子の
入射によりΔE検出器301及びE’検出器302で出
力を生じ、Erej検出器303に出力を生じない条件
でΔE+E’が粒子エネルギーEとなり上記式(2)は (ΔE+E’)×ΔE∝MZ2 式(3) となり、上記式(3)に示す(ΔE+E’)×ΔEの値
を求めて、陽子の当該値との比率を用いて荷電粒子の種
類の弁別を行う。
【0022】図11のΔE検出器301は図12の検出
器311と対応し、図11のE’検出器302は図12
の検出器312乃至検出器314と対応し、図11のE
rej検出器303は図12の検出器315と対応す
る。図12の増幅部316及びトリガ発生部322の動
作は、図9の増幅部208及びトリガ発生部209の動
作と同様なので説明を省略する。
【0023】検出器311から増幅部316を経た出力
は、ΔEとして加算部(A)317、演算部320及び
トリガ発生部322へ印加される。検出器312乃至検
出器314から増幅部316を経た出力は、加算部
(B)318へ印加され、また検出器312から増幅部
316を経た出力はトリガ発生部322へも印加され
る。検出器315から増幅部316を経た出力はトリガ
発生部322へ印加される。加算部(B)318は、上
記3個の検出器からの入力を加算して上記E’を求め、
その出力を加算部(A)317へ印加する。加算部
(A)317は上記検出器311からの出力ΔEと加算
部(B)318からの出力E’を加算して粒子エネルギ
ーΔE+E’を求め、その出力を16チャネル波高弁別
部319及び演算部320へ印加する。16チャネル波
高弁別部は粒子エネルギーΔE+E’を16段階に弁別
して、その結果をアドレス2としてデータ処理部324
へ出力する。
【0024】演算部320は、上記検出器311からの
出力ΔEと加算部(A)317の出力ΔE+E’を演算
して(ΔE+E’)×ΔEを求め4チャネル粒子弁別部
321へ出力する。4チャネル粒子弁別部321は(Δ
E+E’)×ΔEの値と陽子の当該値との比率を用いて
電子、陽子、α粒子及びそれ以上の重粒子に弁別して、
その結果をアドレス1としてデータ処理部324へ出力
する。
【0025】上記のように、検出器311及び検出器3
12から増幅部316及びトリガ発生部322を経て一
致検出部323へアナログパルス信号が印加されると、
該一致検出部323は検出器311及び検出器312か
らの入力について同時性を判断し、該2つの入力が同一
の荷電粒子が検出器311及び検出器312に入射した
ことによって生じたトリガ信号であると判断され、か
つ、検出器315からのトリガ信号の入力がない場合に
第2のトリガ信号をデータ処理部324に出力し、デー
タ処理部324は該第2のトリガ信号の入力によりデー
タ処理を行う。
【0026】データ処理部324は、上記4チャネル粒
子弁別部321の出力であるアドレス1と、16チャネ
ル波高弁別部319の出力であるアドレス2とを用い
て、荷電粒子の種類毎に荷電粒子のエネルギーチャネル
の発生度数を、データ処理部324に有する当該アドレ
スのメモリに累積加算する処理を行う。該メモリの内容
を所定の時間間隔で地上へ送信して荷電粒子の種類別、
エネルギーチャネル別のデータを得る。
【0027】上記において、検出器315から増幅部3
16及びトリガ発生部322を経て一致検出部323へ
アナログパルス信号が印加されると、一致検出部323
は検出器311及び検出器312からの2入力に同時性
が認められた場合でもトリガ信号を出力しないが、これ
は検出器315からのアナログパルス信号がある場合
は、当該荷電粒子が検出器314まで貫通してしまい、
E’を求めることができないからである。
【0028】このように、検出器314を貫通するよう
な高エネルギーを有する荷電粒子の場合は本ΔE・Eテ
レスコープ型荷電粒子測定装置の上記原理を適用できな
い。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来のΔ
Eテレスコープ型測定装置の場合は、入射する荷電粒子
の粒子エネルギーが高い場合に荷電粒子の種類の弁別が
困難で、また弁別するエネルギーチャネルを増すために
は検出器の数を増す必要があり、ΔE・Eテレスコープ
型測定装置の場合は検出器を突き抜けるような高エネル
ギーの荷電粒子については計測が出来ないという問題
点、及び両型の測定装置とも検出器に故障が生じた場
合、測定が継続できないという問題点がある。
【0030】本発明は、上記の問題を解決するために開
発したもので、正確な荷電粒子の種類と精度の良いエネ
ルギーチャネルの弁別を行うことを第1の目的とする。
さらに荷電粒子測定装置の故障を測定を行いながら検出
して、検出器等に故障が発生した場合も、故障に対応し
たモードで測定を継続することを第2の目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記第1及び第2の目的
を達成するために、本願発明の請求項1では、荷電粒子
が入射する方向から第1の検出器、複数個の検出器から
構成する第2の検出器、及び第3の検出器を配設し、上
記第1の検出器からの出力を第1のアドレスとし、上記
第2の検出器を構成する複数個の検出器からの出力を第
2のアドレスとし、測定する荷電粒子の種類毎の損失エ
ネルギー特性を2次元のアドレスであらわし、該2次元
のアドレスと第3の検出器からの出力の有無を用いて荷
電粒子の種類毎の損失エネルギー特性を測定する荷電粒
子測定装置において、測定する荷電粒子の種類ごとの損
失エネルギー特性を上記2次元のアドレスであらわし、
該アドレスに荷電粒子の損失エネルギーを測定した回数
を計数する第2の書込み読出しメモリを設けるととも
に、上記第1の検出器、及び/又は複数個の検出器で構
成する第2の検出器、及び/又は第3の検出器の何れか
1個または複数個が故障した場合、該故障した検出器を
除いて第1の検出器乃至第3の検出器の組合せを設定し
た複数のモードを設け、測定する各荷電粒子の種類ごと
の損失エネルギー特性を上記複数のモードごとに2次元
のアドレスであらわし、該2次元のアドレスであらわさ
れた各荷電粒子の種類ごとの損失エネルギー特性に沿っ
て区分した複数の区画の夫々に与えた区画番号を記憶し
た読出し専用メモリを設け、上記モードに対応した読出
し専用メモリの区画番号の示すアドレスを用いて、各荷
電粒子の損失エネルギーを測定した回数を計数する第1
の書込み読出しメモリを設け、該第1の書込み読出しメ
モリ及び上記第2の書込み読出しメモリからの出力を用
いて荷電粒子の種類の弁別とエネルギーを測定する様に
した荷電粒子測定装置であることを特徴としている。ま
た、上記第1及び第2の目的を達成するために、本願発
明の請求項2では、請求項1に記載の荷電粒子測定装置
において、読出し専用メモリに、各モードで設定された
区画番号を有するアドレス以外の全てのアドレスに対応
する区画番号を設定し、該区画番号を用いて各荷電粒子
毎の損失エネルギーを測定した回数を計数する書込み読
出しメモリを有する荷電粒子測定装置であることを特徴
としている。また上記第1及び第2の目的を達成するた
めに、本願発明の請求項3では、請求項1に記載の荷電
粒子測定装置において、荷電粒子が、第2の検出器を貫
通する場合の区画番号と、第2の検出器を貫通しない場
合の区画番号とが同一である1乃至複数個の区画を、第
3の検出器からの出力があるか否かにより2つのアドレ
スに区分する荷電粒子測定装置であることを特徴として
いる。また上記第1及び第2の目的を達成するために、
本願発明の請求項4では、請求項1に記載の荷電粒子測
定装置において、初期設定した第2の検出器を構成する
複数の検出器の厚さ及び材質を同一にした荷電粒子測定
装置であることを特徴としている。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図1
乃至図8及び表1に基づき詳細に説明する。
【0033】図1は本発明の実施例である荷電粒子測定
装置の構成を示す概念図、図2は本発明の実施例である
荷電粒子測定装置のブロック図、図3はE1検出器にお
ける荷電粒子の損失エネルギーとE2検出器における荷
電粒子の損失エネルギーとの関係を示す特性曲線に、読
出し専用メモリ(ヒュ−ズ型の読出し専用メモリ以下、
ROMという)のアドレスを割り当てた説明図、図4は
E1検出器における荷電粒子の損失エネルギーとE2検
出器における荷電粒子の損失エネルギーとの関係を示す
特性曲線に、書込み読出しメモリ(以下、RAMとい
う)のアドレスを割り当てた説明図、図5はE1検出器
における荷電粒子の損失エネルギーとE2検出器におけ
る荷電粒子の損失エネルギーとの関係を示す特性曲線
で、荷電粒子測定装置に故障を生じた場合の説明図、図
6はE1検出器における荷電粒子の損失エネルギーとE
2検出器における荷電粒子の損失エネルギーとの関係を
示す特性曲線で、荷電粒子測定装置に図5の場合と異な
る故障が生じた場合の説明図、図7及び図8は故障モー
ドに対応した、E1検出器における荷電粒子の損失エネ
ルギーとE2検出器における荷電粒子の損失エネルギー
との関係を示す特性曲線に、ROMのアドレスを割り当
てた説明図である。
【0034】表1は故障モードに対応したE1検出器、
E2検出器、Epass検出器及びROMの組み合わせ
を示す。
【0035】先ずは、図1において、1は荷電粒子、1
01はE1検出器(第1の検出器)、102はE2検出
器(第2の検出器)、103はEpass検出器(第3
の検出器)である。
【0036】E1検出器101とE2検出器102は荷
電粒子1が当該検出器に入射したことによって発生した
電子正孔対の数から上記荷電粒子1の損失エネルギーを
知ることを目的とした検出器で、通常の場合、E2検出
器102はE1検出器101の厚さより厚い検出器で構
成し、複数の検出器を用いてE2検出器102に対応さ
せる。Epass検出器103は上記荷電粒子1がE2
検出器102を貫通したか否かを検出するためのもので
ある。
【0037】図2において、1は荷電粒子、111はD
1検出器で厚さ250μmのシリコン半導体を用い、1
12乃至116はD2検出器乃至D6検出器で何れの検
出器も厚さ1.5mmのシリコン半導体を用いて構成し
ている。117は増幅部、118はアナログディジタル
変換部(以下、A/D変換部という)、119はトリガ
発生部、120はデータ処理部、121はROM
(A)、122はROM(B)、124はRAM(A)
(第1の書込み読出しメモリ)、125はRAM(B)
(第2の書込み読出しメモリ)、126はインターフェ
ース部である。
【0038】上記のD1検出器111乃至D6検出器1
16の厚さ及び材質は一例であって、測定装置の目的に
合わせて任意に選択することができ、また検出器の数も
増減できるが、E2検出器を構成するD2検出器112
乃至D5検出器115については、同一の材質で同一の
板厚の検出器を用いると、後述するように検出器が故障
した場合の対応に有効である。
【0039】本実施例において、荷電粒子測定装置が正
常な場合は、図1のE1検出器101は図2のD1検出
器111と対応し、図1のE2検出器102は図2のD
2検出器112乃至D5検出器115と対応し、図1の
Epass検出器103は図2のD6検出器116と対
応する。本実施の形態である荷電粒子測定装置は、該荷
電粒子測定装置の一部に故障が発生した場合においても
測定を可能ならしめているが、故障が発生した場合につ
いては後述する。
【0040】図1において、E1検出器101を厚さ2
50μmのシリコン半導体検出器、E2検出器102を
厚さ6mmのシリコン半導体検出器及びEpass検出
器103を厚さ1.5mmのシリコン半導体検出器とす
ると、図1と図2に示す各検出器の対応は、 E1検出器101≡D1検出器111、 E2検出器102≡D2検出器112+D3検出器11
3+D4検出器114+D5検出器115、 Epass検出器103≡D6検出器116 となる。
【0041】次に図1及び図3を用いて本荷電粒子測定
装置の荷電粒子の種類の弁別及び粒子エネルギーの計測
方法の基本的な考え方について説明する。
【0042】図3において、左側の縦軸はE1検出器1
01で検出される荷電粒子1の損失エネルギーを示し、
下側の横軸は、E2検出器102で検出される荷電粒子
1の損失エネルギーを、夫々MeV単位で示している。
右側の縦軸は、左側の縦軸の損失エネルギーを、また上
側の横軸は、下側の横軸の損失エネルギーを夫々後述す
る方法で8ビットのアドレス値に変換した値を示してい
る。
【0043】図3に示されている特性曲線は、図1のE
1検出器101及びE2検出器102の厚さ及び材質を
上記のものを用いた場合に、粒子エネルギーが250M
eVまでの陽子とα粒子について、E1検出器101及
びE2検出器102で失う損失エネルギーをその物理的
特性から理論的に求めたものである。
【0044】また、図3の陽子及びα粒子の特性曲線上
に設けられている区画番号を付した区画は後述するRA
Mアドレスを示し、当該荷電粒子について、E1検出器
101で検出された損失エネルギーから変換したROM
アドレスY(第1のアドレス)として出力されるアドレ
ス値と、E2検出器102で検出された損失エネルギー
から変換したROMアドレスX(第2のアドレス)とし
て出力されるアドレス値の交点から、上記区画番号を求
め、該求めた区画番号のアドレスを有するRAMの内容
をカウントアップし、該RAMに一定時間内に記憶され
た内容を読み出すことによって、該荷電粒子の種類及び
エネルギーを判別するようにしたものである。
【0045】最初に、図3により荷電粒子1がα粒子の
場合について、該荷電粒子1が検出器に入射する前に持
っていた粒子エネルギーと、検出器に入射することによ
って失った損失エネルギーについて説明する。
【0046】入射した荷電粒子1の粒子エネルギーが小
さくE1検出器101を突き抜けない場合は、E2検出
器102からの出力が無いので、該荷電粒子の損失エネ
ルギーはE1検出器101の出力のみとなり、左側の縦
軸上にプロットされ、区画番号1、2及び3の一部にプ
ロットされる部分が当該荷電粒子の特性曲線で、当該特
性曲線の当該部分の粒子エネルギーと損失エネルギーは
等しい。
【0047】入射した荷電粒子1が、E1検出器101
を突き抜けE2検出器102を突き抜けない場合は、右
下がりの上に凹の曲線としてプロットされ、区画番号3
及び12の一部と区画番号4乃至11に示す部分が当該
荷電粒子の特性曲線で、当該特性曲線の当該部分は、E
1検出器101の損失エネルギーとE2検出器102の
損失エネルギーの和が粒子エネルギーとなることを示し
ている。
【0048】入射した荷電粒子1がE1検出器101及
びE2検出器102ともに突き抜ける場合は、E1検出
器101及びE2検出器102で失うエネルギーの値が
小さくなり、左下がりの下に凹の曲線としてプロットさ
れ、区画番号12の一部と区画番号13乃至16にプロ
ットされている部分が当該荷電粒子の特性曲線で、当該
特性曲線の当該部分は、E1検出器101の損失エネル
ギーとE2検出器102の損失エネルギーの和に、該荷
電粒子がE2検出器102を突き抜けたときに持ってい
るエネルギーを加えた値が粒子エネルギーとなることを
示している。上記荷電粒子がE2検出器102を突き抜
けたときに持っているエネルギーは、E1検出器101
及びE2検出器102の材質と厚さが既知であるので理
論的に求めることができる。
【0049】図3の区画番号12に示すところに示され
た特性曲線は、荷電粒子1がE2検出器102を突き抜
けるか否かにより急激に変化しており、E1検出器10
1及びE2検出器102の出力のみからはE2検出器1
02を突き抜けたか否か判別することが困難である。
【0050】上記Epass検出器103は、荷電粒子
1がE2検出器102を突き抜けたか否かを判別するた
めのもので、Epass検出器103からの出力がある
か否かにより上記区画番号12における損失エネルギー
の分解能を高めることができる。
【0051】上記E1検出器101の出力から得た損失
エネルギーをROMアドレスYに変換し、E2検出器1
02の出力から得た損失エネルギーをROMアドレスX
に変換し、上記ROMアドレスY及びROMアドレスX
の交点の区画番号をアドレスとするRAMアドレスの内
容をカウントアップする。このようにして本願実施の形
態である荷電粒子測定装置は、所定時間内に観測した荷
電粒子の種類とエネルギーチャネルを測定する。
【0052】次に図2、図3及び図4を用いて本荷電粒
子測定装置が正常な場合についてその動作を詳細に説明
する。
【0053】荷電粒子1が本荷電粒子測定装置に入射す
ると、D1検出器111乃至D6検出器116は荷電粒
子1が貫通または入射したところの検出器まで電子正孔
対を発生する。増幅部117はこの電子正孔対を検出し
て、夫々の検出器で発生した電子正孔対の数に比例した
アナログパルス信号に変換する。増幅部117でアナロ
グパルス信号に変換した出力はA/D変換部118及び
トリガ発生部119に印加され、A/D変換部118で
は上記アナログパルス信号をディジタル信号に変換して
データ処理部211へ出力する。
【0054】トリガ発生部119は、印加された上記ア
ナログパルス信号がトリガ発生部119に設定された雑
音と識別するための閾値を超えるとトリガ信号を発生し
てデータ処理部120へ出力する。
【0055】D1検出器111から増幅部117及びA
/D変換部118を経てデータ処理部120へ出力され
るディジタル信号(以下、D1検出器111からのディ
ジタル信号という。他の検出器についても同様の用語を
使用する。)を上記図1のE1検出器の損失エネルギー
に対応するものとしてデータ処理部120へ出力し、該
データ処理部120は上記D1検出器111から増幅部
117を経たアナログパルス信号によりトリガ発生部1
19からのトリガ信号が入力すると、荷電粒子1が荷電
粒子測定装置に入射したと判断しデータの処理を開始す
る。
【0056】上記D1検出器111からのディジタル信
号を8ビットのROMアドレスYに変換してROM
(A)121へ出力する。D2検出器112乃至D5検
出器115は、当該検出器に荷電粒子1が貫通または入
射すると電子正孔対を作り、該D2検出器112乃至D
5検出器115からのディジタル信号は、データ処理部
120で加算され、該加算された値は上記図1のE2検
出器の損失エネルギーに対応するものとして、8ビット
のROMアドレスXに変換してROM(A)121へ出
力する。
【0057】ROM(A)121は上記ROMアドレス
X及びROMアドレスYについて、夫々8ビットからな
る255のアドレスを有し、該アドレスを図3に示すよ
うに、α粒子の特性曲線に対応した区画1乃至区画16
及び陽子の特性曲線に対応した区画17乃至区画29を
設け、α粒子の場合は区画番号12を、図示していない
が更に上下の区画に分け、陽子の場合は区画番号25を
図示していないが更に上下の区画に分ける。上記区画の
夫々には一区画内のすべてのアドレスの内容に同一のア
ドレスを記憶している。例えば区画7内のアドレスのメ
モリはすべて7を記憶しており、該7はRAM(A)1
24のアドレス7を示す。
【0058】上記データ処理部120から出力されたR
OMアドレスYとROMアドレスXの交点が例えば区画
7にあれば、ROM(A)121はデータ処理部120
のR1端子からの読出し信号出力によりRAM(A)1
24へアドレス7を出力し、次いで、データ処理部12
0はR/W1端子から読出し信号をRAM(A)124
へ出力し、該RAM(A)124のアドレス7に記憶さ
れている値をD1端子から読込み、該D1端子から読込
んだ値に1を加え、その値を再びD1端子に出力すると
ともに、R/W1端子から書込み信号をRAM(A)1
24へ送出してRAM(A)124のアドレス7の値を
更新する。
【0059】従って、RAM(A)124の内容は、本
荷電粒子測定装置に入射した荷電粒子の各アドレスに対
応した損失エネルギーの頻度を示す(以下、荷電粒子の
各アドレスに対応した損失エネルギーの頻度を損失エネ
ルギー頻度データという)。RAM(A)124の各ア
ドレスは本実施例においては16ビットの容量を有して
いる。
【0060】また、データ処理部120は、上記のRO
MアドレスYとROMアドレスXを求める方法と同様に
して、上記D1検出器111からのディジタル信号を8
ビットのRAMアドレスYに変換し、上記D2検出器1
12乃至D5検出器115からのディジタル信号を8ビ
ットのRAMアドレスXに変換して夫々RAM(B)1
25へ出力するとともに、R/W2端子から読出し信号
をRAM(B)125へ出力して、該RAM(B)12
5の上記アドレスに記憶されている値をD2端子から読
込み、該D2端子から読込んだ値に1を加え、その値を
再びD2端子に出力するとともに、R/W2端子から書
込み信号をRAM(B)125へ送出してRAM(B)
125の上記アドレスの値を更新する。RAM(B)1
25の各アドレスは本実施例においては16ビットの容
量を有している。
【0061】本荷電粒子測定装置が正常な場合は、上記
のROMアドレスとRAMアドレスにおいて、ROMア
ドレスYとRAMアドレスYが等しく、ROMアドレス
XとRAMアドレスXが等しくなるが、後述するように
本荷電粒子測定装置の一部が故障したことによって表1
に示す故障モードの一つが選択された場合は、上記RO
MアドレスとRAMアドレスが異なることがある。
【0062】RAM(B)125は、図4に示す特性曲
線に対応するアドレスに損失エネルギー頻度データが蓄
えられることになる。
【0063】次に、図1のEpass検出器103に対
応している図2のD6検出器116からのディジタル信
号がデータ処理部120へ入力されたか否かによる処理
の相違を説明する。
【0064】上記のように、E1検出器101及びE2
検出器102の出力のみからは、荷電粒子1がE2検出
器102を突き抜けたか否か判別することが困難である
が、D6検出器116からのディジタル信号の入力の有
無をデータ処理部120で判別し、該入力が無ければ荷
電粒子1はE2検出器を突き抜けていないと判別し、該
入力が有れば荷電粒子1はE2検出器を突き抜けている
と判別できる。
【0065】具体的には、図3に示すROMアドレスに
おいて、α粒子の場合は区画番号12を、陽子の場合は
区画番号25を夫々上下の区画に分割し、D6検出器1
16からのディジタル信号の入力が無い場合は夫々の上
の区画に、D6検出器116からのディジタル信号の入
力が有る場合は夫々の下側の区画に対応する測定値とし
て処理する。
【0066】上記RAM(A)124及びRAM(B)
125に記憶されたデータは、所定の時間間隔でデータ
処理部120のD1端子またはD2端子からの読出し信
号出力によりインターフェース部126に出力され、該
インターフェース部126は、RAM(A)124から
の損失エネルギー頻度データまたはRAM(B)125
からの損失エネルギー頻度データを地上に送信する。
【0067】上記RAM(A)124は上記の例では3
1個のアドレスで、従ってエネルギー分解能は低いが、
RAM(A)124に対しては頻繁にデータ収集を行う
ように時間間隔を短くして時間分解能を高くし、RAM
(B)125は255×255のアドレスを有しエネル
ギー分解能は高く、その情報量が非常に多いので、RA
M(B)125に対してはRAM(A)124よりデー
タ収集の時間間隔を長くとって時間分解能を低くしてい
る。
【0068】本荷電粒子測定装置はこのような方法で得
た荷電粒子の損失エネルギー頻度データから荷電粒子の
種類及びその粒子エネルギーを計測するものである。
【0069】上記の説明は、本実施形態の荷電粒子測定
装置に故障が発生せず正常に動作した場合の説明で、次
に本荷電粒子測定装置の一部に故障が発生した場合につ
いて説明する。
【0070】本実施形態の荷電粒子測定装置は、その使
用目的上放射線が充満した空間で使用されることが多い
ため、放射線に直接曝されている検出器の劣化に伴なう
故障が、検出器以外の部分に比較して多く発生する。
【0071】以下に、最初如何なる故障が発生し、その
故障によって生ずる現象を図5及び図6を用いて説明
し、続いて故障が発生した場合の対応を説明する。
【0072】検出器にかかわる故障には、特定の検出器
からの信号が出力されない場合と、特定の検出器の信号
に雑音が増加する場合とがある。これら2つの故障の原
因は、殆ど何れの場合も検出器が放射線によって劣化す
ることによって発生する。このように検出器が劣化した
場合でも、当該劣化した検出器からの出力が無くなる
か、雑音が増加するのみで、当該劣化した検出器におけ
る荷電粒子の損失エネルギーに変化が生じないことが分
かっている。
【0073】図5は、図2に示す荷電粒子測定装置にお
いて、D3検出器113に故障が発生し、D3検出器1
13からのディジタル信号がデータ処理部120に入力
されなかった場合について、陽子とα粒子のE1検出器
101≡D1検出器111の損失エネルギーと、E2検
出器102≡D2検出器112+D4検出器114+D
5検出器115の損失エネルギーを理論的に求め、RA
MアドレスXとRAMアドレスYに対応させて示した図
で、上記故障が発生した場合には、図5に示す特性曲線
で表されているアドレスに陽子とα粒子の損失エネルギ
ー頻度データが加算されることを示している。
【0074】このように、ある検出器が故障し、該故障
した検出器からのディジタル信号がデータ処理部120
に入力されなくなると、検出される損失エネルギーが大
きく変化することから、RAM(B)125に書き込ま
れている損失エネルギー頻度データを確認することによ
って、故障発生の事実と、該故障が発生している検出器
を知ることができる。
【0075】しかし、いずれかの検出器が故障しても、
検出器が割れる等の機械的損傷が無い限り(このような
機械的損傷は殆ど生じない)、当該故障した検出器での
損失エネルギーも、その材質及び厚さが既知であるた
め、理論的に求めることができる。また、荷電粒子1が
当該故障した検出器を突き抜けた場合も同様に該検出器
による損失エネルギーを理論的に求めることができるの
で、測定された損失エネルギーに上記理論的に求めた故
障した検出器の損失エネルギーを加算することにより、
荷電粒子1の損失エネルギーを知ることができ、当該荷
電粒子1の粒子エネルギーを求めることができる。
【0076】図6は、図2に示す荷電粒子測定装置にお
いて、D2検出器112乃至D5検出器の何れかに故障
が発生し、エネルギー換算値で3MeVの雑音が発生し
た場合について、陽子とα粒子のE1検出器101≡D
1検出器111の損失エネルギーと、E2検出器102
≡D2検出器112+D3検出器113+D4検出器1
14+D5検出器115の損失エネルギーを理論的に求
め、RAMアドレスXとRAMアドレスYに対応させて
示した図で、上記故障が発生した場合には、RAM
(B)125には図6に示されている陽子及びα粒子に
対する夫々2本の特性曲線間のアドレスに陽子とα粒子
の損失エネルギー頻度データが加算されることを示して
いる。従って、当該荷電粒子について想定している図4
に示す損失エネルギー頻度データよりその分布が広がる
こととなり、RAM(B)125に書込まれている損失
エネルギー頻度データを確認することによって、故障の
発生を知ることができる。
【0077】RAM(B)125の損失エネルギー頻度
データから、雑音が発生していることが判明した場合
は、地上からの指示により、データ処理部120で順次
各検出器を切り離した状態で測定を行い、上記RAM
(B)125の損失エネルギー頻度データを確認するこ
とによって、雑音が発生している検出器を特定し、当該
検出器からのディジタル信号を除外してデータ処理する
ことによって測定を継続することができる。
【0078】本実施形態の荷電粒子測定装置において
は、図2に示す検出器に故障が発生した場合、RAM
(A)124に損失エネルギー頻度データを得るために
は、故障した検出器に応じて、D1検出器111乃至D
6検出器116とE1検出器、E2検出器及びEpas
s検出器との対応を設定する必要があるが、RAM
(B)125の損失エネルギー頻度データは上記図5の
例で説明したように、各検出器の状態そのものを表して
おり、検出器の状態によってE1検出器101、E2検
出器102及びEpass検出器103との対応が自動
的に変わっていく。
【0079】RAM(A)124に損失エネルギー頻度
データを得るためには、少なくとも連続した3個の正常
な検出器を必要とし、該連続した3個の検出器を夫々E
1検出器、E2検出器及びEpass検出器に対応させ
る必要があり、以下に表1、図7及び図8を用いて故障
モードと該故障モードに対応する検出器の組合せについ
て説明する。
【0080】
【表1】
【0081】表1はデータ処理部120に有するメモリ
に記憶されており、上記の条件からRAM(A)124
に損失エネルギー頻度データを得るために予め定めた故
障モードで、各故障モードにおけるE1検出器、E2検
出器及びEpass検出器と、図2に示すD1検出器1
11乃至D6検出器116との対応を示している。
【0082】表1に示すように、各故障モードに対応し
て、ROM(A)121またはROM(B)122を用
いるように設定してあるが、該ROM(A)121また
はROM(B)122に書込まれている内容についてα
粒子を例にとり、図7及び図8を用いて説明する。
【0083】図7は、ROM(A)121に書込まれて
いる内容を説明するための図で、荷電粒子測定装置が正
常な場合と、表1に示すモード1乃至モード3に対応し
ている。上記説明においては、図3を用いて荷電粒子測
定装置が正常な場合についてROM(A)121に書込
まれている内容について説明したが、以下にモード1乃
至モード3について説明する。
【0084】モード1は、D6検出器116が故障した
場合で、表1に示すように夫々、D1検出器111がE
1検出器に、D2検出器112乃至D4検出器114が
E2検出器に、D5検出器115がEpass検出器に
対応する。上記モード1に設定されている荷電粒子測定
装置にα粒子が入射すると、該α粒子の粒子エネルギー
に応じて、モード1と記載された特性曲線で表されてい
るアドレスに損失エネルギー頻度データが加算されるこ
とになる。上記モード1の特性曲線は、当該α粒子の粒
子エネルギーの大きさに応じて区画番号11の中間でD
5検出器115を突き抜けることを示しており、区画番
号11までは正常な場合と同じ特性曲線を示すが、区画
番号11の中間で正常な特性曲線と分岐して、図7に示
す特性曲線となる。上記分岐後の特性曲線に対応して点
線で示す区画を設け、該区画に適切な図示していない区
画番号を与えることは上記図3の場合と同様である。
【0085】モード2は、D5検出器115が故障した
場合で、表1の故障検出器の欄に(+D6)と記入して
あるのは、D6検出器116の故障の有無にかかわらず
モード2を選択することを示しており、他のモードの場
合も同様のことを示しており、以下の説明では省略す
る。
【0086】モード2の場合は、夫々D1検出器111
がE1検出器に、D2検出器112及びD3検出器11
3がE2検出器に、D4検出器114がEpass検出
器に対応する。モード2の特性曲線は、区画番号10ま
では正常な場合と同じ特性曲線を示すが、区画番号10
の中間で正常な特性曲線と分岐して、図7に示す特性曲
線となる。上記分岐後の特性曲線に対応して点線で示す
区画を設け、該区画に適切な図示していない区画番号を
与えることは上記図3の場合と同様である。
【0087】モード3は、D4検出器114が故障した
場合で、D5検出器115及びD6検出器116の故障
の有無にかかわらずモード3を選択することを示してい
る。
【0088】モード3の場合は、夫々D1検出器111
がE1検出器に、D2検出器112がE2検出器に、D
3検出器113がEpass検出器に対応する。モード
3の特性曲線は、区画番号8までは正常な場合と同じ特
性曲線を示すが、区画番号8の中間で正常な特性曲線と
分岐して、図7に示す特性曲線となる。上記分岐後の特
性曲線に対応して点線で示す区画を設け、該区画に適切
な図示していない区画番号を与えることは上記図3の場
合と同様である。
【0089】なお、上記各モードの区画番号において、
E2検出器を突き抜ける部分の区画、即ち正常な場合の
特性曲線から分岐する特性曲線となっている部分を含む
区画は、図3において説明した正常な場合と同様に、E
2検出器を突き抜ける前の測定値か、E2検出器を突き
抜けた後の測定値かを区分するため、上記区画を上下に
分割する。
【0090】図8は、ROM(B)122に書込まれて
いる内容を説明するための図で、表1に示すモード4乃
至モード9に対応している。以下にモード4乃至モード
9について説明する。
【0091】モード4は、D1検出器111が故障した
場合で、表1に示すように夫々、D2検出器112がE
1検出器に、D3検出器113乃至D5検出器115が
E2検出器に、D6検出器116がEpass検出器に
対応する。上記モード4に設定されている荷電粒子測定
装置にα粒子が入射すると、該α粒子の粒子エネルギー
に応じて、モード4と記載された特性曲線で表されてい
るアドレスに損失エネルギー頻度データが加算されるこ
とになる。上記モード4の特性曲線に対応した区画に区
画番号を設定することについては、上記の説明と同様で
ある。
【0092】また、他のモードについても、表1に示す
ようにD2検出器112乃至D6検出器116を夫々E
1検出器、E2検出器、Epass検出器に対応させ
て、夫々のモードの特性曲線に対応する区画に区画番号
を設定するが、上記図7の場合と同様なので説明を省略
する。
【0093】上記図7及び図8に示すように、特性曲線
上に設定されたROMアドレスXとROMアドレスYの
交点で示されるアドレスの区画番号は、ROM(A)1
21及びROM(B)122の同一区画内の全てのアド
レスに同一の区画番号が記憶されており、該アドレスが
RAM(A)124のアドレスに対応していることは上
記荷電粒子測定装置が正常な場合に図3を用いて行った
説明と同様である。ところで、図8において、例えばモ
ード5とモード7には同一の区画が割り当てられている
が、表1に示すように各モードでE1検出器として指定
されている検出器が異なっている。そのため、夫々のモ
ードでE1検出器として指定されている検出器に荷電粒
子が入射するまでの損失エネルギーが異なるが、夫々の
モードにおける粒子エネルギーは当該荷電粒子の損失エ
ネルギーを考慮した上で求めている。なお、図3、図7
及び図8に示す区画の数は一例で、測定の目的により区
画の数及び形状は任意に変更することが可能である。ま
た、上記説明においてROMアドレスX、ROMアドレ
スY、RAMアドレスX及びRAMアドレスYを8ビッ
ト、RAM(A)124及びRAM(B)125のメモ
リを16ビットとしているが、これらのビット数は一例
であって他のビット数でも良い。
【0094】上記に説明した検出器の故障に伴なう測定
モードの設定について、検出器のみの故障について説明
したが、当該故障検出器に接続された何れかの増幅部1
17、A/D変換部118及びトリガ発生部119が故
障した場合も、上記の説明と同様な測定結果を得るの
で、上記と同様な測定モードの設定を行うことが可能で
ある。
【0095】また、上記増幅部117、A/D変換部1
18及びトリガ発生部119が故障したと想定される場
合は、地上からの検査のためのコマンドにより、故障し
ていると想定した検出器と増幅部117の間で、図示し
ていない方法で検出器の出力を止め、別に設定したテス
トパルスを増幅部117へ与えてRAM(A)124ま
たはRAM(B)125の損失エネルギー頻度データを
得て、該損失エネルギー頻度データから増幅部117、
A/D変換部118及びトリガ発生部119の故障を検
出することも可能である。
【0096】上記のように本実施形態の荷電粒子測定装
置は、ROM(A)121及びROM(B)122の2
個の読出し専用メモリで荷電粒子1の粒子エネルギーの
測定を可能としているが、これは上記のように、図2に
示す荷電粒子測定装置が正常な場合に、図1のE2検出
器102に対応するD2検出器112乃至D5検出器1
15を、同一の厚さで且同一の材料を用いた検出器とし
たことによって可能となったものである。D2検出器1
12乃至D5検出器115を、異なる厚さ及び材料を用
いた検出器とした場合は、本実施形態のROM(B)1
22に相当する読出し専用メモリは表1に示すモードの
数だけ必要となる。
【0097】インターフェース部126は地上からのモ
ード設定のコマンドを受信して、当該モード情報をデー
タ処理部120に送出し、該データ処理部120は受信
したモードにより、メモリに記憶している表1から、E
1検出器、E2検出器及びEpass検出器に対応する
検出器を設定し、またデータ処理部120から出力する
ROMアドレスX及びROMアドレスYの出力をROM
(A)121に出力するか、またはROM(B)122
にするかの選択を、R1端子またはR2端子の何れを選
択するかにより行う。
【0098】例えば、地上から送られてきたコマンドが
モード4であれば、データ処理部120は、D2検出器
112をE1検出器に、D3検出器113乃至D5検出
器115をE2検出器に、D6検出器116をEpas
s検出器に対応させ、またデータ処理部120から出力
するROMアドレスX及びROMアドレスYの出力をR
OM(B)122に送出するためR2端子に出力してR
OM(B)122から当該アドレスを読出してRAM
(A)124へ出力する。
【0099】このようにして、検出器に異常が発生して
も、地上から測定モードを指示することで測定を継続す
ることが可能となる。
【0100】本実施の形態である荷電粒子測定装置は、
上記のようにRAM(B)125の損失エネルギー頻度
データから故障の有無を判別しているが、RAM(A)
124の損失エネルギー頻度データから故障の有無を判
別することも可能で、次にRAM(A)124の損失エ
ネルギー頻度データから故障の有無を判別する方法につ
いて説明する。
【0101】上記ROM(A)121及びROM(B)
122に記憶するアドレスは、図7及び図8に示すよう
に、夫々のモードに応じて測定対象粒子毎の特性曲線に
対応した区画を設定して区画番号を与えるが、該区画番
号を与えられたアドレス以外のアドレスに、例えば総て
0アドレスを与え、該0アドレスに対応するRAM
(A)124を設け、RAM(A)124の損失エネル
ギー頻度データを読み出すときに、上記0アドレスの損
失エネルギー頻度データ並びに図7及び図8に示す当該
設定モードの区画以外の区画番号のアドレスの損失エネ
ルギー頻度データが、予め想定される頻度か否かによっ
て故障の有無を判別することができる。なお、故障した
検出器等の特定は、上記RAM(B)125の損失エネ
ルギー頻度データを読み出して行うことは上記の場合と
同様である。
【0102】上記のように、RAM(A)124の損失
エネルギー頻度データの読出し周期は、RAM(B)1
25の損失エネルギー頻度データの読出し周期より短い
ため、RAM(A)124の損失エネルギー頻度データ
により故障発生の有無を判別することができるので、早
期に故障に対するモード変更が可能となる。
【0103】
【発明の効果】上記のように、本発明の荷電粒子測定装
置によれば、E1検出器の損失エネルギーとE2検出器
の損失エネルギーとの関係をROM(A)121に記憶
したRAM(A)124のアドレスにカウントアップす
ることにより、正確な荷電粒子の種類と精度の良いエネ
ルギーチャネルの弁別を可能であり、また、検出器を突
き抜ける高エネルギーの荷電粒子を、Epass検出器
で検出して、上記ROM(A)121に記憶したRAM
(A)124のアドレスにカウントアップすることによ
り検出器を突抜ける高エネルギーの荷電粒子を精度良く
測定することが可能であり、また、荷電粒子測定装置の
故障を測定を行いながら検出して、故障に対応したモー
ドを地上から指示することにより測定を継続すること可
能であるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である荷電粒子測定装置の構成
を示す概念図。
【図2】本発明の実施例である荷電粒子測定装置のブロ
ック図。
【図3】図1に示すE1検出器及びE2検出器における
夫々の荷電粒子の損失エネルギーの関係を示す特性曲線
に、ROMのアドレスを割り当てた説明図。
【図4】図1に示すE1検出器及びE2検出器における
夫々の荷電粒子の損失エネルギーの関係を示す特性曲線
に、RAMのアドレスを割り当てた説明図。
【図5】図1に示すE1検出器及びE2検出器における
夫々の荷電粒子の損失エネルギーの関係を示す特性曲線
で、荷電粒子測定装置に故障を生じた場合の説明図。
【図6】図1に示すE1検出器及びE2検出器における
夫々の荷電粒子の損失エネルギーの関係を示す特性曲線
で、荷電粒子測定装置に図5の場合と異なる故障が生じ
た場合の説明図。
【図7】ROM(A)121に書込まれている内容を説
明するための説明図。
【図8】ROM(B)122に書込まれている内容を説
明するための説明図。
【図9】従来の技術のΔEテレスコープ型荷電粒子測定
装置のブロック図。
【図10】図9に示すΔEテレスコープ型荷電粒子測定
装置に入射した荷電粒子の損失エネルギーと粒子エネル
ギーとの関係を示す特性図。
【図11】従来の技術のΔE・Eテレスコープ型荷電粒
子測定装置の構成を示す概念図。
【図12】従来の技術のΔE・Eテレスコープ型荷電粒
子測定装置のブロック図。
【符号の説明】
1 荷電粒子 101 E1検出器 102 E2検出器 103 Epass検出器 111 D1検出器 112 D2検出器 113 D3検出器 114 D4検出器 115 D5検出器 116 D6検出器 117 増幅部 118 A/D変換部 119 トリガ発生部 120 データ処理部 121 ROM(A) 122 ROM(B) 124 RAM(A) 125 RAM(B) 126 インターフェース部 201 吸収材 202 吸収材 203 吸収材 204 検出器 205 検出器 206 検出器 207 検出器 208 増幅部 209 トリガ発生部 210 3チャネル波高弁別部 211 データ処理部 301 ΔE検出器 302 E’検出器 303 Erej検出器 311 検出器 312 検出器 313 検出器 314 検出器 315 検出器 316 増幅部 317 加算部(A) 318 加算部(B) 319 16チャネル波高弁別部 320 演算部 321 4チャネル粒子弁別部 322 トリガ発生部 323 一致検出部 324 データ処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 晴久 茨城県つくば市千現2丁目1番1号 筑波 宇宙センター内 (72)発明者 越石 英樹 茨城県つくば市千現2丁目1番1号 筑波 宇宙センター内 (72)発明者 野崎 高司 茨城県北相馬郡守谷町守谷甲249−1 明 星電気株式会社守谷工場内 (72)発明者 竹久 茂 茨城県北相馬郡守谷町守谷甲249−1 明 星電気株式会社守谷工場内 Fターム(参考) 2G088 EE30 FF01 FF06 FF15 FF20 GG21 JJ03 JJ36 KK01 KK05 KK15 KK24 KK29 KK40 LL05 LL30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子が入射する方向から第1の検出
    器、複数個の検出器から構成する第2の検出器、及び第
    3の検出器を配設し、上記第1の検出器からの出力を第
    1のアドレスとし、上記第2の検出器を構成する複数個
    の検出器からの出力を第2のアドレスとし、測定する荷
    電粒子の種類毎の損失エネルギー特性を2次元のアドレ
    スであらわし、該2次元のアドレスと第3の検出器から
    の出力の有無を用いて荷電粒子の種類毎の損失エネルギ
    ー特性を測定する荷電粒子測定装置において、 測定する荷電粒子の種類ごとの損失エネルギー特性を上
    記2次元のアドレスであらわし、該アドレスに荷電粒子
    の損失エネルギーを測定した回数を計数する第2の書込
    み読出しメモリを設けるとともに、上記第1の検出器、
    及び/又は複数個の検出器で構成する第2の検出器、及
    び/又は第3の検出器の何れか1個または複数個が故障
    した場合、該故障した検出器を除いて第1の検出器乃至
    第3の検出器の組合せを設定した複数のモードを設け、
    測定する各荷電粒子の種類ごとの損失エネルギー特性を
    上記複数のモードごとに2次元のアドレスであらわし、
    該2次元のアドレスであらわされた各荷電粒子の種類ご
    との損失エネルギー特性に沿って区分した複数の区画の
    夫々に与えた区画番号を記憶した読出し専用メモリを設
    け、上記モードに対応した読出し専用メモリの区画番号
    の示すアドレスを用いて、各荷電粒子の損失エネルギー
    を測定した回数を計数する第1の書込み読出しメモリを
    設け、該第1の書込み読出しメモリ及び上記第2の書込
    み読出しメモリからの出力を用いて荷電粒子の種類の弁
    別とエネルギーを測定する様にしたことを特徴とする荷
    電粒子測定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の荷電粒子測定装置にお
    いて、読出し専用メモリに、各モードで設定された区画
    番号を有するアドレス以外の全てのアドレスに対応する
    区画番号を設定し、該区画番号を用いて各荷電粒子毎の
    損失エネルギーを測定した回数を計数する書込み読出し
    メモリを有することを特徴とする荷電粒子測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の荷電粒子測定装置にお
    いて、荷電粒子が、第2の検出器を貫通する場合の区画
    番号と、第2の検出器を貫通しない場合の区画番号とが
    同一である1乃至複数個の区画を、第3の検出器からの
    出力があるか否かにより2つの区画に区分することを特
    徴とする荷電粒子測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の荷電粒子測定装置にお
    いて、初期設定した第2の検出器を構成する複数の検出
    器の厚さ及び材質を同一にしたことを特徴とする荷電粒
    子測定装置。
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