JP2003193221A - 真空蒸着膜の形成方法 - Google Patents

真空蒸着膜の形成方法

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JP2003193221A JP2001390369A JP2001390369A JP2003193221A JP 2003193221 A JP2003193221 A JP 2003193221A JP 2001390369 A JP2001390369 A JP 2001390369A JP 2001390369 A JP2001390369 A JP 2001390369A JP 2003193221 A JP2003193221 A JP 2003193221A
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synthetic resin
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Hiroshi Takigawa
浩史 滝川
Tomonori Kubo
智範 久保
Toshio Miwa
俊夫 三輪
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子ビーム蒸着法において、合成樹脂基板上
に従来に比して、密着性の良好な真空蒸着膜を形成する
ことができる方法を提供すること。 【構成】 真空チャンバー12内で蒸発源に電子ビーム
を投入(入射)させて、合成樹脂基板28の上に真空蒸
着膜を形成する方法。ハース14の上方近傍に正のバイ
アス電圧を印加した電子捕獲箱30を配して、電子ビー
ムの反射電子の合成樹脂基板に対する到達量を低減させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、真空チャンバー内で蒸発源に電
子ビームを投入(入射)させて、合成樹脂基板上に真空
蒸着膜を形成する方法に関する。特に、有機ガラス等の
合成樹脂基板上に無機多層膜構成の光学薄膜を有する光
学要素を製造するのに好適な方法に関する。
【0002】ここでは、光学要素を例にとり説明する
が、本発明の適用分野は、光学要素に限られるものでは
なく、種々の真空蒸着膜適用製品、例えば、半導体、液
晶、自動車パネルメータ等、さまざまな分野に適用でき
るものである。
【0003】
【背景技術】光学要素における合成樹脂基板への光学薄
膜の作成は、通常、真空蒸着法、イオンプレーティン
グ、スパッタリング等、各種物理蒸着(PVD)法にて
行っている。
【0004】生産効率及び光学特性の再現性・制御性の
面から、真空チャンバー内で蒸発源に電子ビームを投入
(入射)させて蒸着膜(光学薄膜)を形成(成膜)させ
る、電子銃蒸発源を使用する真空蒸着法(以下「電子ビ
ーム蒸着法」という。)が広く普及している。
【0005】しかし、この電子ビーム蒸着法は、合成樹
脂基板への光学薄膜は密着性が悪い。特に、有機ガラス
(プラスチックレンズ)の代表的材料であるポリメチル
メタクリレート(PMMA)に対してはセロハンテープ
(粘着テープ)による剥離試験で簡単に剥がれてしまう
ほど密着力が弱い。
【0006】他方、抵抗蒸発源を用いた真空蒸着法(以
下「抵抗加熱蒸着法」という。)で合成樹脂基板上へ光
学薄膜を成膜すると、電子ビーム蒸着法より密着性の良
い膜が得られることは公知である(特開昭51−507
48号等参照)。
【0007】なお、真空蒸着工程の前処理として有機コ
ーティング材料をディッピングやスピンコーティングで
塗布するハードコーティング処理は広く行われており、
電子ビーム蒸着法による光学薄膜の密着性を高めること
ができる。
【0008】しかし、抵抗加熱蒸着法は、W・Mo等の
金属ボートの交換が定期的に必要で生産効率が悪く、ま
た膜質の制御・蒸着速度に関して不安定といった問題点
がある。また真空蒸着工程の前処理として有機コーティ
ング材料をディッピングやスピンコーティング等で塗布
するハードコーティング処理では均一な膜厚の塗膜を得
ることが困難である。このため、高い面精度が要求され
る光学レンズや液晶の前後に組みつけられる導光板、ま
た複雑な形状をしている基板に対しては適用することは
できなかった。
【0009】
【発明の開示】本発明は上記にかんがみて、電子ビーム
蒸着法において、合成樹脂基板上に従来に比して、密着
性の良好な真空蒸着膜を形成することができる方法を提
供することを目的とする。
【0010】本発明に係る真空蒸着膜の形成方法は、上
記目的を下記構成により解決するものである。
【0011】真空チャンバー内で蒸発源に電子ビームを
投入(入射)させて、合成樹脂基板上に真空蒸着膜を形
成する方法において、前記電子ビームの反射電子の合成
樹脂基板へ到達量を低減させるようにしたことを特徴と
する。
【0012】即ち、反射電子の到達量を低減させること
により、後述の試験例で示す如く、基板上における薄膜
の密着性が、後述の実施例・比較例に示す如く増大す
る。
【0013】具体的には、蒸発源近くに底壁と下方開口
の箱本体とからなる電子捕獲箱を配設し、箱本体と底壁
は真空蒸着室内で絶縁させた状態で正のバイアス電圧を
印加することにより、反射電子の到達量を低減させる。
通常、電子捕獲箱の底壁を、ハースカバーで形成するこ
とにより行う。
【0014】そして、電子捕獲箱にさらに磁石を配して
反射電子を磁界により捕獲効率の高い方向へ偏向させる
ことが、反射電子の合成樹脂基板に対する到達量の低減
効率を増大させることができる。
【0015】そして、上記各構成において、下記各構成
を1種又は2種以上組み合わせてさらに付加することに
より、反射電子の合成樹脂基板に対する到達量の低減効
率をさらに増大させることができる。
【0016】ドームの下方に合成樹脂基板に向かう蒸発
粒子の通過を実質的に阻害しない開口を有するバイアス
電極をさらに配し、該バイアス電極に正または負のバイ
アス電圧を印加する構成としてもよい。これにより、正
又は負のバイアス電圧の印加により、それぞれ、電子捕
獲箱で捕獲できなかった反射電子がクーロン力(引力又
は斥力)により捕獲され又は跳ね返される。
【0017】ドームに負のバイアス電圧を印加する構成
を付加してもよい。ドームに負のバイアス電圧を印加す
ることにより、基板まで到達した反射電子がクーロン力
(斥力)により跳ね返される。反射電子の合成樹脂基板
に対する到達量の低減効率をさらに増大させることがで
きる。
【0018】上記各構成において、合成樹脂基板に対し
て、前処理として、さらにプラズマ処理を行うことが、
後述の試験例で示す如く、真空蒸着膜の合成樹脂基板に
対する密着性がさらに増大する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の真空蒸着膜の形成
方法について、具体的に説明をする。
【0020】図1は本発明の真空蒸着膜の形成方法で使
用する真空蒸着装置の一例を示すモデル断面図であり、
図2は2−2線端面図を示す。
【0021】真空チャンバー12内に、チャンバー底壁
12a側からチャンバー天井壁12bに向かって、即
ち、下方から上方に向かって、ハ−ス(hearth:蒸着材
供給テーブル)14、ハ−スカバー(反射電子遮蔽板)
16及びドーム(基板取付け部材)22が配設されてい
る。さらに、ハ−ス加熱部位(蒸発源配設部位)14a
の斜め下方には、電子ビームを発生する電子銃24が配
され、電子銃近傍に配された磁石24bにより、電子ビ
ームが偏向されて蒸発源26に投入(入射)するように
なっている。すなわち、蒸発源用の電子ビームは、電子
銃24のフィラメント24aから発せられ、電子銃24
に付属した偏向磁石24bにより蒸着源26に向かうよ
うに制御される。ドーム22に対する合成樹脂基板28
の取付けは基板ホルダー治具(図示せず)を用いて行
う。
【0022】そして、本実施形態では、ハースカバー1
6の上に下方開口の箱本体17が配されて、真空チャン
バー底壁12aの上に絶縁リング15を介して、箱本体
17とハースカバー16とが蒸着室12内で絶縁されて
いる。そして箱本体17とハースカバー天井壁16bと
で電子捕獲箱30が形成されている。この電子捕獲箱3
0には、アースされた第一直流電源32が接続されて5
00V以下のバイアス電圧を常に印加可能となってい
る。また、図2に示す如くハースカバー16上に円形の
蒸着粒子通過穴16aの周縁に沿って、反射電子捕獲用
磁石(群)25が配され、磁界により電子を捕獲効率の
高い方向へ偏向可能とされている。すなわち、図2で示
すこの反射電子捕獲用磁石群25a、25a・・・は、
反射電子のみに作用するように配置及び磁力を選定す
る。
【0023】また、電子捕獲箱30の上方には、RFア
ンテナ18が配され、合成樹脂基板28をプラズマによ
り前処理(エッチング)して蒸着粒子の密着性を増大可
能とされている。このRFアンテナ18のドーム22と
の距離は、RFプラズマの出力によるが、通常、100
〜1000mmとする。RFアンテナ18はRFプラズ
マ発生器19と接続されている。
【0024】さらに、RFアンテナ18の上方でドーム
22の直下には、金網状のバイアス電極20が配されて
いる。このバイアス電極20のドーム22との距離は、
バイアス電圧の強さにもよるが、通常、10〜100m
mとする。正の電極を印加して電子を捕獲するためであ
る。負の電極を印加すれば逆に電子を跳ね返し電子の基
板への到達量を低減させることができる。このバイアス
電極20には、アースされた第二直流電源34が接続さ
れて100V以下の正又は負のバイアス電圧(図例では
正)を常に印加可能となっている。望ましいバイアス電
圧は、30〜100Vであり、密着性の見地からは高い
方がのぞましい。
【0025】また、ドーム22にも、アースされた第三
直流電源36が接続されて負のバイアス電圧を常に印加
可能となっている。これにより、ドーム22に向かって
くる電子を跳ね返し、結果的に、合成樹脂基板28に対
する電子到達量を低減させることができる。このとき、
負のバイアス電圧は、−30Vから−100Vとする。
この場合も密着性の見地から高い方が望ましい。
【0026】ここでは電源として直流電源を用いている
が、その他、直流パルス電源、RF電源についても電子
捕獲箱(電源32)、金網状バイアス電極(電源3
4)、ドーム(電源36)へのバイアス印加が可能であ
る。
【0027】電子捕獲箱30及び金網状バイアス電極2
0に正のバイアス電圧を印加する場合の電源32、34
においては、直流電源、直流パルス電源、RF電源の順
に望ましい。それらの順に、反射電子を捕獲するために
必要な保持時間を確保し易いためである。
【0028】金網状バイアス電極20に負のバイアス電
圧を印加する場合の電源34においては、直流電源、直
流パルス電源、RF電源のいずれも、金網自体が負に帯
電するため、同程度の反射電子を跳ね返すための効果が
得られる。
【0029】ドーム22に負のバイアス電圧を印加する
場合の電源36においては、直流電源が簡便であるが、
直流パルス電源、RF電源の方が、合成樹脂基板の表面
に負の電荷が誘起され易いため、同程度の反射電子を跳
ね返す効果が得やすい。
【0030】また、当然、各第一・第二・第三の各直流
電源32、34、36とそれぞれ電子捕獲箱30、バイ
アス電極20及びドーム22とを接続する各第一・第二
・第三導線33、35、37は、真空チャンバー12通
過部位において絶縁接続端子38、38、38を介して
接続されている。同様に、RFプラズマ発生器19とR
Fアンテナ18とのRF導線21も、真空チャンバー1
2通過部位において絶縁接続端子38を介して接続され
ている。
【0031】上記構成の真空蒸着装置において、電子捕
獲箱30の箱本体17に対するバイアス電圧の印加及び
電子捕獲箱30内の反射電子捕獲用磁石(群)25以外
は必須ではない。
【0032】即ち、合成樹脂基板上での反射電子が10
0μA/cm2以下、好ましくは10μA/cm2以下、
更に好ましくは限りなく0μA/cm2に制御すること
で、無機光学薄膜の密着が従来よりも向上する事実を見
出した。本発明は、蒸発源近くに設置した電子捕獲箱
(電子トラップ)30を用いて、バイアス電圧+500
V以下とした。電子トラップにバイアス電圧を与えるこ
とで電子銃により蒸発源を加熱させる際に発生する反射
電子を引き込むことができる。また電子銃付近に、すな
わち、電子捕獲箱の底壁であるハースカバー16上に磁
石25を置くことでチャンバー12内を基板28に向か
って上方へ進む反射電子を巻き込むことができ、トラッ
プ効率が向上する。
【0033】この方法で基板上の反射電子密度を測定し
た結果、200μA/cm2以上から0μA/cm2まで
に抑制することができた。これは、電子銃投入電流値に
対して90〜100%の反射電子をトラップしたことに
なる。
【0034】更に、蒸発前処理として、プラズマ処理に
よる前処理を行うことにより更に密着力を高めることが
できる。プラズマとしては、通常、RFプラズマを使用
するが、直流プラズマ、パルスプラズマ等のRFプラズ
マ以外でも同様の効果を期待できる。
【0035】RFプラズマの場合、制御圧力1.0×1
-5〜1.0×10-3Torr(1.333×10-3〜1.33
3×10-1Pa)、出力50〜1000W、処理時間1
〜15min、導入ガスはAr等不活性ガス及びO2等活性
ガスの条件で処理を行う。これにより合成樹脂基板表面
上で化学的、物理的性質が改質され、従来よりも無機光
学薄膜の密着を高めることができる。詳しくは例えばP
MMAでは導入ガスN 2についてはPMMA中にC−N
結合をもたらすように化学的に表面改質が進行し、物理
的には表面に微細な凹凸構造とし基材と無機物との接触
面積が増加することで密着性が向上する。
【0036】なお、合成樹脂基板20の成形材料は、P
MMA等のアクリル系に限られず、下記ポリエステル系
樹脂、塩化ビニル系樹脂、ふっ素系樹脂、スチレン系樹
脂、オレフィン系樹脂、セルロース系樹脂さらにはウレ
タン系樹脂等、プラズマによりエッチング効果が得られ
るものなら特に限定されない。
【0037】ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PV
C)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ
エチレンナフタレート(PEN)、アクリロニトリルブ
タジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリエチレン
(PE)、トリアセチルセルロース(TAC)等又、光
学薄膜の構造は、通常、ZrO2、TiO2、Ta25
HfO2、SiO2及びMgF2の群から選択される金属
酸化物の1種又は2種以上からなるものとする。
【0038】以下、本発明を実施例・比較例に基づい
て、さらに、詳細に説明をする。
【0039】いずれの実施例・比較例共に、真空蒸着膜
の形成は、下記仕様の電子ビーム蒸着装置を用いた。
【0040】蒸着機:「BMC1050−CP」シンク
ロン社製 電子銃:出力0.6〜1.5kW(最大出力3kW) そして、同一材からなるPMMA基板(三菱レーヨン社
製「アクリペット」の射出成形品:30mmφ×2mm
t)をドーム22の各A・B・C・Dの各ゾーン上に図
3に示す如く取付けた。そして、下記4層構造(実施例
・比較例1)および5層構造(実施例・比較例2)にお
ける各層を、順に且つ、下記条件で真空蒸着(成膜)し
ての反射防止膜を形成した。
【0041】<4層構造> 第1層・・・ZrO2(膜厚:22.5nm)、 EB条件:250mA、加速電圧:6kV 第2層・・・SiO2(膜厚:30.0nm)、 EB条件:100mA、加速電圧:6kV 第3層・・・ZrO2(膜厚:78.5nm)、 EB条件:250mA、加速電圧:6kV 第4層・・・SiO2(膜厚:92.5nm)、 EB条件:100mA、加速電圧:6kV <5層構造> 第1層・・・SiO2(膜厚:41.0nm)、 EB条件:100mA、加速電圧:6kV 第2層・・・ZrO2(膜厚:23.5nm)、 EB条件:250mA、加速電圧:6kV 第3層・・・SiO2(膜厚:32.0nm)、 EB条件:100mA、加速電圧:6kV 第4層・・・ZrO2(膜厚:75.0nm)、 EB条件:250mA、加速電圧:6kV 第5層・・・SiO2 (膜厚:93.0nm)、 EB条件:100mA、加速電圧:6kV <実施例1>複数の基板を前記の如く蒸着ドームにセッ
トし、真空ポンプにより3×10-5torrまで排気する。
【0042】次に蒸着前処理として、酸素(O2)を2
×10-4Torrの圧力になるまで導入し、RF300W
のプラズマ雰囲気に晒す処理を、無し、1分、5分、1
0分、15分の5条件で行った。その後上記構成の反射
防止膜を真空蒸着により形成した。
【0043】真空蒸着の際、電子捕獲箱の箱本体17に
100Vの正のバイアス電圧を蒸着直前から蒸着終了に
至るまでの間かけ続けた。また、反射電子トラップ効率
を高めるため、図2に示す如く複数個の反射電子捕獲用
磁石要素25aを配置した。磁石要素は、出力67mT
のフェライト磁石(40×25×10mm)を用いた。
【0044】<比較例1>実施例1において、反射防止
膜の形成のための真空蒸着を、箱本体17にバイアス電
圧をかけず、且つ、磁石25を設けずに行った。
【0045】<実施例2>実施例1において、反射防止
膜の構造を5層構造としたものである。
【0046】<比較例2>実施例2において、反射防止
膜の形成のための真空蒸着を、箱本体17にバイアス電
圧をかけず、且つ、磁石25を設けずに行った。
【0047】<密着性評価試験>上記実施例・比較例の
光学薄膜についてテープ剥離評価試験により成膜密着性
評価を行った。評価方法は、ニチバン製セロハンテープ
を15mmの長さで蒸着膜面上に貼り、素早く垂直に引
き剥がすことを10回行って、下記基準により評価し
た。
【0048】 ◎:10回目まで剥がれなし、 ○:6回目以降一部剥がれ、 △:1回目以降一部剥がれ、 ×:1回目全面剥がれ それらの結果を、表1(実施例1)、表2(比較例
1)、表3(実施例1)、表4(比較例2)に示す。
【0049】実施例1・2では、プラズマ前処理を行っ
た場合は、勿論、プラズマ前処理を行わなくてもある程
度の密着性を示すことが分かる(前処理時間が極端に短
い:1分の場合より良好である。)。それに対して、比
較例1・2では、安定した密着性を得難いことが分か
る。
【0050】上記から本発明において、プラズマ前処理
する場合は、出力にもよるが、7〜13分、特に、約1
0分が望ましいことが分かる。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】<外観評価試験>上記実施例・比較例の光
学薄膜について、外観評価を行った。なお、評価基準
は、目視により下記基準により評価をした。
【0056】OK:クラックなし、クラック:クラック
あり それらの結果を、表5(実施例1)、表6(比較例
1)、表7(実施例1)、表8(比較例2)に示す。
【0057】実施例1・2では、プラズマ前処理を行っ
た場合は、勿論、プラズマ前処理の有無に関係なくクラ
ックが発生しなかったのに対し、4層構造の比較例1で
は、前処理時間が短い(1・5分)と、ほとんどのゾー
ンにおいてクラックが発生した。5層構造の比較例2で
は、前処理時間が短い(1分)又は長い(10分、15
分)と、クラックが発生しやすいことが分かる。
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】
【表7】
【0061】
【表8】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空蒸着膜の形成方法で使用する真空
蒸着装置の一例を示すモデル断面図
【図2】図1の2−2線端面図
【図3】実施例・比較例における基板の配置状態を示す
断面図と平面図
【符号の説明】
12 真空チャンバー 16 ハースカバー 17 電子捕獲箱本体 18 RFアンテナ 19 RFプラズマ発生器 20 金網状バイアス電極 22 ドーム(基板取付け部材) 24 電子銃 25 磁石 25a 磁石要素 28 合成樹脂基板 30 電子捕獲箱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三輪 俊夫 愛知県蒲郡市宮成町3−19 伊藤光学工業 株式会社内 Fターム(参考) 2K009 BB11 CC03 DD03 DD04 DD09 4K029 AA11 AA24 BA01 BA16 BA17 BA35 BA43 BD09 CA01 DB21

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバー内で蒸発源に電子ビーム
    を投入(入射)させて、合成樹脂基板上に真空蒸着膜を
    形成する方法において、 前記電子ビームの反射電子の前記合成樹脂基板に対する
    到達量を低減させるようにしたことを特徴とする真空蒸
    着膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 蒸発源近くに底壁と下方開口の箱本体と
    からなる電子捕獲箱を配設し、前記箱体と前記底壁を真
    空蒸着室内で絶縁させた状態で正のバイアス電圧を印加
    することを特徴とする請求項1記載の真空蒸着膜の形成
    方法。
  3. 【請求項3】 前記電子捕獲箱の底壁をハースカバーで
    形成することを特徴とする請求項2記載の真空蒸着膜の
    形成方法。
  4. 【請求項4】 前記電子捕獲箱内にさらに磁石を配して
    反射電子を磁界により捕獲効率の高い方向へ偏向させる
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の真空蒸着膜の形
    成方法。
  5. 【請求項5】 ドーム(基板取付け部材)の下方に前記
    合成樹脂基板に向かう蒸発粒子の通過を実質的に阻害し
    ない開口を有するバイアス電極を配し、該バイアス電極
    に正又は負のバイアス電圧を印加することを特徴とする
    請求項2記載の真空蒸着膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記ドームに負のバイアス電圧を印加す
    ることを特徴とする請求項2記載の真空蒸着膜の形成方
    法。
  7. 【請求項7】 前記合成樹脂基板に対して、前処理とし
    て、さらにプラズマ処理を行うことを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5又は6記載の真空蒸着膜の形成方
    法。
  8. 【請求項8】 前記合成樹脂基板として有機光学基材を
    使用し、蒸発源を1種又は2種以上の金属酸化物あるい
    は金属単体とし反応ガスとして酸素を導入することによ
    り金属酸化物からなる光学薄膜を形成することを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の真空蒸
    着膜の形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007270336A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Showa Shinku:Kk 成膜装置及び成膜方法
WO2023149216A1 (ja) 2022-02-01 2023-08-10 三菱瓦斯化学株式会社 ヘッドマウントディスプレイ用部材及びそれを用いた光学レンズ

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