JP2003192574A - 弱アルカリで安定化される薬剤を含む医薬用液剤 - Google Patents
弱アルカリで安定化される薬剤を含む医薬用液剤Info
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Abstract
ルカリ水溶液からなる医薬用製剤において、服用できる
味に整えた医薬用液剤を提供する。 【解決手段】弱アルカリで安定化される薬剤を含む医薬
用液剤であって、サッカリン又は薬理学上許容されるそ
の塩、及びグリチルリチン又は薬理学上許容されるその
塩から選ばれる1種又は2種以上の甘味剤を含有する、
弱アルカリ溶液からなる医薬用液剤。
Description
化される薬剤を含む弱アルカリ溶液からなる医薬用液剤
に関する。
分として含有する医薬用液剤に関する。
H環境下において変質しやすい薬物として知られてお
り、プラバスタチンナトリウムを含む医薬用組成物、特
に錠剤について、安定性にすぐれた錠剤とする技術が特
開平2−6406号や特開2000−229855号公
報に記載されている。
高脂血症治療薬として、場合によっては数ヶ月〜数年、
或いはそれ以上の長きにわたって服用される薬剤であ
る。それ故、プラバスタチンナトリウムのように長期間
服用される薬剤においては、患者が苦痛を伴わないで服
用できる剤型であることが望まれる。
リウムを含む医薬用製剤は、錠剤と細粒剤がある。錠剤
である固形剤は、服用にそれなりの慣れが必要であり、
常用剤の剤型としては患者に好まれにくい。また、加齢
を重ねるに従い、患者本人の身体的機能の変化等に応
じ、患者の望む常用剤の剤型は変化する。例えば、高齢
者用製剤としては、嚥下の問題から細粒が好まれ易いと
考えられる。しかし、細粒剤は、高齢者の場合、入れ歯
を用いている人にとっては、口の中に細粒が広がり入れ
歯に細粒が挟まって、もの食べるときに痛みの原因とな
ったりすることもあり、敬遠され易く、多用され難い。
何れの患者にとっても好まれる剤型として、液剤(水
剤)が挙げられる。特に入れ歯を用いている患者にとっ
て、経口用水剤は求められる傾向にあり、経口用水剤の
需要は、ここ数年増加している。経口用水剤の使用年齢
は、統計(IMS統計'98)によると、65歳以上が約
60%となっている。
あるだけではなく、急を要する場合の早急な対応や寝た
きりの患者、経管投与などの場合にも有効である。経管
投与の場合、患者が横になったままや眠っている状態で
も、液剤なら投与することができる。そこで、プラバス
タチンナトリウムを含む医薬用製剤において、液剤での
提供が望まれる。
なそれ自体苦みを有する薬剤を含む液剤は、苦い味がす
る。また、プラバスタチンナトリウムのような弱アルカ
リで安定化される薬剤を含む液剤において、安定化のた
めに含有させる弱アルカリ性の溶液は、塩辛い味がす
る。そこで、プラバスタチンナトリウムを含む弱アルカ
リ溶液からなる液剤は、アルカリ特有の塩辛さと主薬の
苦みが共存して、塩辛く苦い味となり、患者にとって非
常に服用し難いものとなる。
カリで安定化される薬剤を含む弱アルカリ溶液からなる
医薬用製剤において、服用できる味に整えられた医薬用
液剤は、今まで提供されていない。
あって、長期保存安定性にも優れた医薬用液剤は、全く
知られていない。
アルカリで安定化される薬剤を含む弱アルカリ溶液から
なる医薬用製剤において、服用できる味に整えた医薬用
液剤を提供することを課題とする。
て、安定して長期保存可能な医薬用液剤を提供すること
を課題とする。
リで安定化される薬剤を主薬として含む医薬用液剤の風
味改善について鋭意研究を重ねた結果、特定の甘味剤を
含有させると、液剤が変色・着色せず、主薬の安定性を
損なうことなく良好な保存安定性を示し、且つ塩辛い苦
い味が改善されることを見出し、本発明の完成に至っ
た。
る。 (1)弱アルカリで安定化される薬剤を含む医薬用液剤
であって、サッカリン又は薬理学上許容されるその塩、
及びグリチルリチン又は薬理学上許容されるその塩から
選ばれる1種又は2種以上の甘味剤を含有する、弱アル
カリ溶液からなる医薬用液剤。 (2)前記弱アルカリで安定化される薬剤が、それ自体
苦みを有する薬剤である、(1)に記載の医薬用液剤。 (3)前記弱アルカリで安定化される薬剤が、プラバス
タチンナトリウムである、(2)に記載の医薬用液剤。 (4)前記甘味剤がサッカリン又はサッカリンナトリウ
ムである、(1)〜(3)の何れかに記載の医薬用液
剤。 (5)前記甘味剤がグリチルリチン酸又はグリチルリチ
ン酸二カリウムである、(1)〜(3)の何れかに記載
の医薬用液剤。
弱アルカリで安定化される薬剤である。そして、本発明
は、このような弱アルカリで安定化される薬剤であっ
て、それ自体苦みを有するものに特に好適に適用するこ
とができる。本発明で好ましく使用できる主薬として
は、具体的には、プラバスタチンナトリウム等が挙げら
れる。
に、サッカリン又は薬理学上許容されるその塩、及びグ
リチルリチン又は薬理学上許容されるその塩から選ばれ
る1種又は2種以上の甘味剤を含有する。
は、医薬品として許容されるものであれば特に限定され
るものではないが、例えば、ナトリウム塩が好適に例示
できる。
リン又はサッカリンナトリウム、特に好ましくはサッカ
リンナトリウムが挙げられる。
塩とは、医薬品として許容されるものであれば特に限定
されるものではないが、例えば、ナトリウム塩やカリウ
ム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が好適に例
示できる。
ルリチン酸、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチル
リチン酸二アンモニウム、グリチルリチン酸二カリウ
ム、グリチルリチン酸二ナトリウム又はグリチルリチン
酸モノアンモニウム、特に好ましくはグリチルリチン酸
又はグリチルリチン酸二カリウムが挙げられる。
されるその塩の中から選ばれる1種を含有させてもよい
し、これらの中から選ばれる2種以上の化合物を組み合
わせて含有させてもよい。
れるその塩の中から選ばれる1種を含有させてもよい
し、これらの中から選ばれる2種以上の化合物を組み合
わせて含有させてもよい。
されるその塩の中から選ばれる1種又は2種以上の化合
物と、グリチルリチン又は薬理学上許容されるその塩の
中から選ばれる1種又は2種以上の化合物とを組み合わ
せて含有させてもよい。
の塩、及びグリチルリチン又は薬理学上許容されるその
塩は、本発明の効果を発揮するに有効な量を含有させ
て、甘味剤として使用する。
と甘味剤とを含有する弱アルカリ溶液からなる。
満、より好ましくはpH8〜pH9であることをいう。
を溶媒に溶かして用いることができる。
全ての含有成分を配合した結果、該医薬用液剤が弱アル
カリ性を示すようにできるものであれば、何れの種類の
ものも選択することができる。好ましくは、溶媒自身が
中性〜pH9、より好ましくはpH8〜pH9の範囲に
調整されているものを用いることができる。本発明の効
果を損なわない限り、緩衝剤を使用することが好まし
い。例えば、水と緩衝剤とを混合して本発明に使用する
溶媒を調製することができる。
ム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム
等を好ましく用いることができる。
・クエン酸の混合水溶液を溶媒として使用すると好まし
い。
含有させる上記弱アルカリで安定化される薬剤の投与量
は、薬効を期待できる量であれば特に制限はないが、例
えば、弱アルカリで安定化される薬剤がプラバスタチン
ナトリウムであれば、該プラバスタチンナトリウムを1
回量5〜10mg含む医薬用液剤を、1日1〜4回程度
投与するのが好ましい。
味剤の投与量は、食品添加物としての常用濃度、或い
は、医薬品添加物としての添加量範囲であれば、充分効
果が期待される。例えば1回当たりの服用単位毎の添加
量として示すならば、サッカリン又は薬理学上許容され
るその塩であれば、1回量0.001g〜1gの範囲の重量物
を添加すれば、充分効果は得られる。また、グリチルリ
チン又は薬理学上許容されるその塩であれば、1回量0.
001g〜0.5gの範囲の重量物を添加すれば、充分効果は
得られる。
である味の改善の面に特に着目して考慮すると、医薬用
液剤に対し、サッカリン又は薬理学上許容されるその塩
の配合濃度は、好ましくは、0.01重量%以上、より
好ましくは0.05重量%以上であるとよい。また、グ
リチルリチン又は薬理学上許容されるその塩の配合濃度
は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは
0.025重量%以上であるとよい。
ある弱アルカリで安定化される薬剤と、サッカリン又は
薬理学上許容されるその塩、及びグリチルリチン又は薬
理学上許容されるその塩から選ばれる1種又は2種以上
の甘味剤との至適配合比は、主薬の投与量によって多少
変動し、また、甘味剤がサッカリンあるいはグリチルリ
チンの何れの種類であるか、又はその何れの種類も含む
のかによっても変動するので、その都度最適な配合比を
検討し、甘味剤の含有量を決定すると、より本発明の効
果が発揮される医薬用液剤が得られる。
上述の主薬及び甘味剤を配合させる他、適宜必要に応じ
て、香料や着色剤等の各種添加剤を配合させることがで
きる。これらの種類や濃度は特に制限はなく、医薬用添
加物辞典に記載された種類や量に従って含有させること
ができる。
プの容器に一回量を充填し、服用の簡便性を考慮した製
品として提供することもできる。また、100mLや5
00mLの瓶に充填し、医療用機関や患者の必要性に応
じ、その都度必要量を小分けするタイプの製品として提
供することもできる。
説明する。尚、以下「%」とは、重量%を表している。
バスタチンナトリウム1g、リン酸水素二ナトリウム1
0gを精製水800mLに溶解し、クエン酸をもちいて
pHを8.5に調整した後、最終量を精製水で調整し、
1000mLとした。
ロール溶液ともいう)を、5mLづつ試験者3名に口に
含んでもらい、その溶液の味を評価したとろ、塩辛く苦
いとの評価であった。
に充填し、温浴にて煮沸した。
し、プラバスタチンナトリウムの含量を測定した。ここ
で、プラバスタチンナトリウムの含量はHPLCにて分
離定量し、算出した。
チンナトリウムの含量は97.4%であった。
液を調製した。具体的には、プラバスタチンナトリウム
1g、リン酸水素二ナトリウム10gを精製水800m
Lに溶解し、その液に表1に示す甘味剤の示す濃度%の
量を個々に溶解し、クエン酸をもちいてpHを8.5に
調整し、それぞれの液を1000mLに調製して試験液
を得た。
間後の色とプラバスタチンナトリウムの含量とで表され
る安定性を、上記コントロール溶液に対して行った評価
方法と同様の方法を用いて評価した。
((濃度%)で表示する)、及び各試料溶液の味、色、
プラバスタチンナトリウムの含量の結果を示す。
カリウム及びステビア以外の甘味剤の使用は、塩辛く苦
い味を改善させることはできなかった。
アは微黄色を呈したことから、安定性に問題があった。
トリウムの含量は、ステビアと糖類含有の試料溶液にお
いて、有意な含量低下が観られた。プラバスタチンナト
リウムの含量は、95%以上であれば、実用上安定性に
問題がないといえる。
ムとグリチルリチン酸二カリウムをそれぞれ甘味剤とし
て含有させたプラバスタチンナトリウム含有弱アルカリ
溶液は、味が改善され、しかも変色・着色や、主薬の含
量低下がなく保存安定性が良いことが確認できた。
討>プラバスタチンナトリウム100mg(濃度0.1
%)、リン酸水素二ナトリウム1000mg、クエン酸
4.28mg、表2に示す含有量のサッカリンナトリウ
ム、香料(微量)を精製水に添加して攪拌溶解し、最終
量を精製水で調整し、100mLとした。該プラバスタ
チンナトリウムとサッカリンナトリウム含有リン酸水素
二ナトリウム・クエン酸溶液のpHは、8.5であっ
た。
Lづつ試験者3名に口に含んでもらい、それらの試料溶
液の味を評価してもらった。その結果を表3に示す。
トリウムの配合濃度が、好ましくは0.01重量%以
上、より好ましくは0.05重量%以上であるとよいこ
とが確認できた。
量の検討>プラバスタチンナトリウム100mg(濃度
0.1%)、リン酸水素二ナトリウム1000mg、ク
エン酸4.28mg、表4に示す含有量のグリチルリチ
ン酸二カリウム、香料(微量)を精製水に添加して攪拌
溶解し、最終量を精製水で調整し、100mLとした。
該プラバスタチンナトリウムとグリチルリチン酸二カリ
ウム含有リン酸水素二ナトリウム・クエン酸溶液のpH
は、8.5であった。
Lづつ試験者3名に口に含んでもらい、それらの試料溶
液の味を評価してもらった。その結果を表5に示す。
ン酸二カリウムの配合濃度が、好ましくは0.01重量
%以上、より好ましくは0.025重量%以上であると
よいことが確認できた。
て、20代〜30代のボランティア36名による官能試
験を実施した。味はどうかの問に対する評価結果を表6
に、口当たりはどうかの問に対する評価結果を表7に示
した。
6人で除して%表示したものである。
ウムとサッカリンナトリウム含有医薬用組成物は、経口
用液剤として好適に使用できることが確認できた。
る薬剤を含む弱アルカリ水溶液からなる医薬用製剤にお
いて、服用できる味に整えた医薬用液剤であって、かつ
保存安定性の良い長期保存可能な医薬用液剤を提供する
ことができた。
Claims (5)
- 【請求項1】 弱アルカリで安定化される薬剤を含む医
薬用液剤であって、サッカリン又は薬理学上許容される
その塩、及びグリチルリチン又は薬理学上許容されるそ
の塩から選ばれる1種又は2種以上の甘味剤を含有す
る、弱アルカリ溶液からなる医薬用液剤。 - 【請求項2】 前記弱アルカリで安定化される薬剤が、
それ自体苦みを有する薬剤である、請求項1に記載の医
薬用液剤。 - 【請求項3】 前記弱アルカリで安定化される薬剤が、
プラバスタチンナトリウムである、請求項2に記載の医
薬用液剤。 - 【請求項4】 前記甘味剤がサッカリン又はサッカリン
ナトリウムである、請求項1〜3の何れかに記載の医薬
用液剤。 - 【請求項5】 前記甘味剤がグリチルリチン酸又はグリ
チルリチン酸二カリウムである、請求項1〜3の何れか
に記載の医薬用液剤。
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---|---|---|---|
JP2001396933A JP4195218B2 (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 弱アルカリで安定化される薬剤を含む医薬用液剤 |
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JP2008208457A Division JP2009001592A (ja) | 2008-08-13 | 2008-08-13 | 弱アルカリで安定化される薬剤を含む医薬用液剤 |
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Cited By (2)
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EP2400840A1 (en) * | 2009-02-24 | 2012-01-04 | Madeira Therapeutics | Liquid statin formulations |
GB2497728A (en) * | 2011-12-14 | 2013-06-26 | Londonpharma Ltd | Statin formulations for transmucosal delivery |
-
2001
- 2001-12-27 JP JP2001396933A patent/JP4195218B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2400840A1 (en) * | 2009-02-24 | 2012-01-04 | Madeira Therapeutics | Liquid statin formulations |
EP2400840A4 (en) * | 2009-02-24 | 2012-08-01 | Madeira Therapeutics | LIQUID STATINE FORMULATIONS |
GB2497728A (en) * | 2011-12-14 | 2013-06-26 | Londonpharma Ltd | Statin formulations for transmucosal delivery |
US9849083B2 (en) | 2011-12-14 | 2017-12-26 | Londonpharma Ltd. | Sublingual administration of statins |
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