JP2003192321A - フラーレンの製造装置 - Google Patents

フラーレンの製造装置

Info

Publication number
JP2003192321A
JP2003192321A JP2001392015A JP2001392015A JP2003192321A JP 2003192321 A JP2003192321 A JP 2003192321A JP 2001392015 A JP2001392015 A JP 2001392015A JP 2001392015 A JP2001392015 A JP 2001392015A JP 2003192321 A JP2003192321 A JP 2003192321A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fullerene
cooling
combustion
carbon
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001392015A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaharu Yamamoto
隆晴 山本
Hiroaki Takehara
弘明 武原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2001392015A priority Critical patent/JP2003192321A/ja
Publication of JP2003192321A publication Critical patent/JP2003192321A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼法によるフラーレンの製造において、フ
ラーレンの反応炉内の温度分布を制御することによりフ
ラーレン前駆体の形成と安定化を確保してフラーレンを
大量、安価、容易に製造して回収することが可能なフラ
ーレンの製造装置を提供する。 【解決手段】 炭素含有化合物供給口25、26と酸素
含有ガス供給口27、28とを有する燃焼用バーナ部1
2を備える反応炉11で、原料となる炭素含有化合物と
酸素含有ガスとを燃焼させてフラーレンを製造するフラ
ーレンの製造装置10であって、反応炉11の外側に
は、冷却能力を独立して制御可能な複数の外側冷却部1
8、19、20、21、22を、炭素含有化合物が酸素
含有ガスの下で燃焼して形成される燃焼生成ガス流の移
動方向に対して多段に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラーレンの製造
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フラーレンは、ダイヤモンド、黒鉛に次
ぐ第三の炭素同素体の総称であり、C60、C70等に代表
されるように5員環と6員環のネットワークで閉じた中
空殻状の炭素分子である。フラーレンの存在が最終的に
確認されたのは比較的最近の1990年のことであり、
比較的新しい炭素材料であるが、その特殊な分子構造ゆ
えに特異的な物理的性質を示すことが認められ、例えば
以下のような広範囲な分野に渡り、革新的な用途開発が
急速に展開されつつある。 (1)超硬材料への応用:フラーレンを前駆体とするこ
とで微細結晶粒子をもつ人工ダイヤモンドの製造が可能
なため、付加価値のある耐摩耗材料への利用が期待され
ている。 (2)医薬品への応用:C60誘導体、光デバイスを用い
ることで抗癌剤、エイズ・骨粗鬆症・アルツハイマー治
療薬、造影剤、ステント材料等の用途としての研究が進
められている。 (3)超伝導材料への応用:フラーレン薄膜に金属カリ
ウムをドープすると18Kという高い転移温度を持つ超
伝導材料をつくり出すことができることが発見され、多
方面から注目を集めている。 (4)半導体製造への応用:レジストにC60を混ぜるこ
とでレジスト構造がより一層強化されることを利用し、
次世代半導体製造への応用が期待されている。
【0003】各種炭素数のフラーレンの中でもC60及び
70は比較的合成が容易であり、それゆえ今後の需要も
爆発的に高まることが予想されている。現在知られてい
るフラーレンの製造方法としては以下に示す方法が挙げ
られる。 (1)レーザ蒸着法 希ガス中に置かれた炭素ターゲットに高エネルギー密度
のパルスレーザを照射し、炭素原子を蒸発させてフラー
レンを合成する方法。電気炉内に不活性ガスが流れる石
英管を貫通させ、グラファイト試料をその石英管の中に
置く。ガスの流れの上流側からグラファイト試料にレー
ザを照射し炭素原子を蒸発させると、電気炉出口付近の
石英管の内壁にC60やC70などのフラーレンを含む煤が
付着する。しかし、パルスレーザの1ショット当たりの
蒸発量がわずかであり、フラーレンの大量製造には不向
きである。 (2)抵抗加熱法 大気圧以下のヘリウムガス雰囲気中でグラファイト棒を
通電加熱し、炭素原子を昇華させる方法。グラファイト
棒で構成した通電回路での電気抵抗ロスが大きいので、
フラーレンの大量製造には不向きである。 (3)アーク放電法 数十kPaに保持したヘリウムガス雰囲気中で2本のグ
ラファイト電極を軽く接触させたり、あるいは1〜2m
m程度離した状態でアーク放電を起こし、陽極側の炭素
原子を昇華させる方法。現在、工場規模でのフラーレン
の大量製造に用いられている。 (4)高周波誘導加熱法 高周波誘導により原料グラファイトに渦電流を流し、発
生するジュール熱により原料グラファイトを加熱して炭
素原子を蒸発する方法。 (5)燃焼法 ヘリウム等の不活性ガスと酸素との混合ガス中でベンゼ
ン等の炭化水素原料を不完全燃焼させる方法。ベンゼン
燃料の数%が煤となり、その内の10%程度がフラーレ
ンとなる点で製造効率は良くない。しかし、副製する煤
を液体燃料等に使用可能なこと、製造装置が単純である
こと等の点で、アーク合成法に対抗するフラーレンの大
量生産法として注目されている。 (6)ナフタレン熱分解法 ナフタレンを約1000℃で熱分解させる方法。
【0004】以上のように、現在までにさまざまなフラ
ーレンの合成法が提案されているが、いずれの方法にお
いても、これまでにフラーレンを安価に大量に製造する
方法は確立されていない。これらの方法のうち、最も安
価で、効率的な製造方法の一つと考えられるのは燃焼法
であり、特表平6−507879号公報には、炭素含有
物を火炎中で燃焼させ凝縮物を収集することによるフラ
ーレンの製造方法が記載されている。この製造方法は、
炭素含有物を火炎中で燃焼させることによりフラーレン
を製造するもので、実質的に燃焼のための燃料とフラー
レンの原料は同一の炭素含有物となっている。フラーレ
ンはすす状物質中に含まれて生成されるが、このすす状
物質の一部はいわゆるカーボンブラックである。カーボ
ンブラックの製造方法としては、ファーネス法、チャン
ネル法、サーマル法、アセチレン法などが知られてお
り、工業的な一般的製造方法としてはファーネス法が挙
げられる。この方法では、例えば、円筒状の反応炉を使
用し、第1反応帯域で炉軸に対して水平方向又は垂直方
向に空気などの酸素含有ガスと燃料を供給して燃焼ガス
流を生じさせ、得られた燃焼ガス流を炉軸方向の下流に
設置され第1反応帯域と比較して縮小された断面積を有
する第2反応帯域に移動させ、そこで燃焼ガス流中に炭
素質原料、例えば炭化水素(原料油)を供給し反応させ
てカーボンブラックを生成させる。次いで、カーボンブ
ラックを含有した燃焼ガス流を、第2反応帯域の下流に
ある第3反応帯域に移動させ、燃焼ガス流に冷却水の噴
霧などの冷却処理を行って燃焼ガスを急冷して反応を停
止させ、カーボンブラックを回収している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
通常のカーボンブラックの製造方法では、フラーレンは
ほとんど生成しない。従って、フラーレンの製造におい
ては、得られるすす状物質中に含まれるフラーレンの含
有割合をいかに高めるかが、大きな課題となっている。
フラーレンの収率を向上させるためには火炎温度を上昇
させる必要があることが特表平6−507879号公報
に記載されており、その手段として外部エネルギー源か
ら火炎に更にエネルギーを供給する方法が述べられてい
る。そして、好ましいエネルギー源としては、入力流の
電気抵抗加熱、マイクロウェーブ加熱、放電加熱及び向
流加熱が挙げられている。火炎温度を上げることによ
り、炭素質原料の熱分解が促進されると共に高温の燃焼
生成ガスが得られて、フラーレン前駆体の形成には有利
となる。しかし、火炎温度の上昇は、燃焼生成ガス中に
形成されたフラーレン前駆体の分解を促進することにも
なる。このため、形成されたフラーレン前駆体が燃焼生
成ガス中に安定して滞在できる存在時間が短くなって、
フラーレンの収率が低下する。更に、生成したフラーレ
ンを回収するためにはフラーレンを含んだ燃焼生成ガス
の温度を回収に最適な温度まで下げる必要がある。この
ため、燃焼生成ガスの温度が高過ぎると冷却装置の増強
や冷却時間が長くなり、フラーレンの製造コストを増加
させる要因となる。
【0006】フラーレンは次世代を担う新材料、新素材
として多方面から注目されており、このような燃焼生成
ガスの高温化による炭素質原料の熱分解促進、燃焼生成
ガスの温度の最適化によるフラーレン前駆体の形成と存
在時間の確保、及び生成したフラーレンを含んだ燃焼生
成ガスの冷却によるフラーレン回収の効率化を過不足な
く全て達成することが可能なフラーレンの製造装置の開
発が望まれている。本発明はかかる事情に鑑みてなされ
たもので、燃焼法によるフラーレンの製造において、フ
ラーレンの反応炉内の温度分布を制御することによりフ
ラーレン前駆体の形成と安定化を確保してフラーレンを
大量、安価、容易に製造して回収することが可能なフラ
ーレンの製造装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、燃焼法に
よるフラーレンの大量かつ安価な製造方法におけるフラ
ーレンの生成過程を種々検討した結果、フラーレンの反
応炉内の温度分布を制御することで、燃焼生成ガス中で
のフラーレン前駆体の形成と安定化を促進して、フラー
レン前駆体を効率的にフラーレンに成長させることがで
きることを見出し、本発明を完成させた。前記目的に沿
う本発明に係るフラーレンの製造装置は、炭素含有化合
物供給口と酸素含有ガス供給口とを有する燃焼用バーナ
部を備える反応炉で、原料となる炭素含有化合物と酸素
含有ガスとを燃焼させてフラーレンを製造するフラーレ
ンの製造装置であって、前記反応炉の外側には、冷却能
力を独立して制御可能な複数の外側冷却部を、前記炭素
含有化合物が前記酸素含有ガスの下で燃焼して形成され
る燃焼生成ガス流の移動方向に対して多段に設けた。
【0008】反応炉の外側に、冷却能力を独立して制御
することが可能な外側冷却部を反応炉内の燃焼生成ガス
の移動方向に対して多段に設けることによって、各外側
冷却部と対応した反応炉の内側の温度を、燃焼生成ガス
の移動方向に対してそれぞれ任意に制御することが可能
となる。その結果、反応炉の内側の温度に基づいて、燃
焼生成ガスの温度を変化させることができる。例えば、
炭素含有化合物の熱分解が促進される領域では高温の燃
焼生成ガスが得られるように、反応炉の内側温度を管理
する。その結果、反応活性の高い熱分解生成物を燃焼生
成ガス中に存在させることができる。また、フラーレン
前駆体が最初に形成される領域では、燃焼生成ガスの温
度が保持されるように反応炉の内側温度を管理する。そ
の結果、フラーレン前駆体の形成を促進することができ
る。更に、フラーレン前駆体が燃焼生成ガス流と共に移
動しながら成長してフラーレンになる領域では、形成さ
れたフラーレン前駆体が安定して存在し成長できるよう
に、反応炉の内側温度を管理する。その結果、フラーレ
ン前駆体の移動と共に周囲の燃焼生成ガスの温度を徐々
に低下させることができ、フラーレン前駆体からフラー
レンを効率的に生成させることができる。次いで、フラ
ーレンの生成が完了した領域では、燃焼生成ガスの温度
を更に低下させることができるように、反応炉の内側温
度を管理する。その結果、フラーレンを含んだ燃焼生成
ガスの温度を、フラーレンの回収に最適な温度とするこ
とができる。
【0009】本発明に係るフラーレンの製造装置におい
て、前記各外側冷却部が冷却管又は冷却ジャケットのい
ずれか1からなる構成とすることができる。冷却管を使
用することにより簡便、安価に外側冷却部を形成するこ
とができる。その際、冷却管の取付け間隔、冷却管の
径、冷却管に流す流体の種類と流量等を調整することに
より冷却能力を変化させることができる。また、水冷ジ
ャケットで外側冷却部を形成することにより、外側冷却
部の冷却能力を向上させることができる。その際、冷却
ジャケット内を流れる流体の流路、冷却ジャケットの容
積、冷却ジャケットに流す流体の種類と流量等を調整す
ることにより冷却能力を変化させることができる。更
に、冷却管で形成された外側冷却部と、冷却ジャケット
で形成された外側冷却部を併用することにより、部位毎
に広範囲の冷却能力の調整を行うことができる。すなわ
ち、大きな冷却能力を必要とする部位には冷却ジャケッ
トを設置し、冷却能力をあまり必要としない部位には冷
却管を設置して、最適な冷却を行うことができる。
【0010】本発明に係るフラーレンの製造装置におい
て、前記各外側冷却部には水又は水以外の冷媒のいずれ
か1を流通させることができる。外側冷却部に水を流通
させることにより、安価にかつ簡便に冷却を行うことが
できる。また、外側冷却部に、水以外の冷媒、例えば熱
媒油等のように沸点が異なる冷媒を使用することによ
り、冷却能力を広範囲に調整することができる。更に、
水を流通させた外側冷却部と水以外の冷媒を流通させた
外側冷却部を併用することにより、各外部冷却部の部位
毎に冷却能力を広範囲に調整することができる。
【0011】本発明に係るフラーレンの製造装置におい
て、前記反応炉の内部に、前記燃焼生成ガス流を分割す
る仕切壁を設け、しかも、該仕切壁の内側には冷却能力
が独立して制御可能な複数の内側冷却部を前記燃焼生成
ガス流の流れ方向に対して多段に設けた構成とすること
ができる。反応炉内に燃焼生成ガス流を分割する仕切壁
を設け、この仕切壁の内側に冷却能力を独立して制御す
ることが可能な内側冷却部を設けることによって、各内
側冷却部に対応した仕切壁の炉内側の表面温度を燃焼生
成ガスの移動方向に対してそれぞれ任意に制御すること
が可能となる。その結果、仕切壁の炉内側の表面温度に
基づいて、燃焼生成ガスの温度を変化させることができ
る。そして、炭素含有化合物の熱分解が促進される領域
では高温の燃焼生成ガスが得られるように、フラーレン
前駆体が最初に形成される領域では燃焼生成ガスの温度
が保持されるように、また、フラーレン前駆体が燃焼生
成ガス流と共に移動しながら成長してフラーレンになる
領域では形成されたフラーレン前駆体が安定して存在し
成長できるように、更に、フラーレンの生成が完了した
領域では燃焼生成ガスの温度を更に低下させるように温
度を制御することができる。
【0012】本発明に係るフラーレンの製造装置におい
て、前記各内側冷却部が冷却管又は冷却ジャケットのい
ずれか1からなる構成とすることができる。冷却管を使
用することにより簡便、安価に内側冷却部を形成するこ
とができる。その際、冷却管の取付け間隔、冷却管の
径、冷却管に流す流体の種類と流量等を調整することに
より冷却能力を変化させることができる。また、水冷ジ
ャケットで内側冷却部を形成することにより、内側冷却
部の冷却能力を向上させることができる。その際、冷却
ジャケット内を流れる流体の流路、冷却ジャケットの容
積、冷却ジャケットに流す流体の種類と流量等を調整す
ることにより冷却能力を変化させることができる。更
に、冷却管と冷却ジャケットを併用することにより、部
位毎における冷却能力を広範囲に調整することができ
る。すなわち、大きな冷却能力を必要とする部位には冷
却ジャケットを設置し、冷却能力をあまり必要としない
部位には冷却管を設置して、最適な冷却を行うことがで
きる。
【0013】本発明に係るフラーレンの製造装置におい
て、前記各内側冷却部には、ガス、水、水以外の冷媒の
いずれか1を流通させることができる。内側冷却部に水
を流通させることにより、安価にかつ簡便に冷却を行う
ことができる。内側冷却部に、ガス、水以外の冷媒、例
えば熱媒油等のように沸点が異なる冷媒を使用すること
により、冷却能力を広範囲に調整することができる。ガ
ス、水、水以外の冷媒を流通させた内側冷却部を併用す
ることにより、各内側冷却部の各部位毎に冷却能力を広
範囲に調整することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1(A)、(B)はそれ
ぞれ本発明の第1の実施の形態に係るフラーレンの製造
装置の全体概略断面図、炭素含有化合物と酸素含有ガス
の供給口の配置を示した燃焼用バーナ部の説明図、図2
(A)、(B)はそれぞれ本発明の第2の実施の形態に
係るフラーレンの製造装置の全体概略断面図、仕切壁の
平面図である。図1(A)に示すように、本発明の第1
の実施の形態に係るフラーレンの製造装置10は、反応
炉11と、反応炉11の下部に設けられた燃焼用バーナ
部12とを有している。以下、これらについて詳細に説
明する。反応炉11は、例えば、円筒形状の側壁部13
と、側壁部13の一端側に接続して徐々に外径が縮小し
て排出口14を形成している端部壁15とを備えてい
る。側壁部13と端部壁15は、例えばステンレス鋼等
の耐熱鋼で構成されている。更に、側壁部13の他端側
の内周面には耐火物16がライニングされている。耐火
物16としては、例えばアルミナ質の耐火煉瓦やアルミ
ナ質の不定形耐火物を使用することができる。また、排
出口14には排気管17の一端側が接続され、他端側は
図示しない排気ポンプに接続されている。このため、反
応炉11内を大気圧未満の減圧状態にすると共に、反応
炉11内で生成したフラーレンを含む燃焼生成ガスを反
応炉11内から排気管17を介して外部に排出すること
ができる。
【0015】側壁部13の一端側及び他端側の外周側に
は冷却ジャケットからなる外側冷却部18、19、20
が、また外側冷却部18及び外側冷却部19の間には冷
却管からなる外側冷却部21が設けられている。また、
端部壁15の外周側には、冷却ジャケットからなる外側
冷却部22が設けられている。更に、排気管17の外周
には冷却管からなる冷却部23が取付けられている。各
外側冷却部18、19、20、22には、例えば、流入
口aから水を流入させて流出口bから排出させることが
でき、流通させる水の温度、流量、圧力を調整すること
により各外側冷却部18、19、20、22の冷却能力
を調整できる。外側冷却部21及び冷却部23には、例
えば、流入口cから水を流入させて流出口dから排出さ
せることができ、冷却ジャケットの場合と同様に流通さ
せる水の温度、流量、圧力を調整することにより外側冷
却部21と冷却部23の冷却能力を調整できる。なお、
外側冷却部21を構成する冷却管の巻き間隔は、上方に
向かうにつれて徐々に小さくなるように設定されてい
る。このため、外側冷却部21は、外側冷却部18側か
ら外側冷却部19側に向かうにつれて冷却能力が徐々に
向上する構造となっている。
【0016】以上のように、各外側冷却部18、19、
20、21、22を燃焼生成ガスの移動方向に対して多
段に設けることにより、燃焼生成ガスの移動方向、すな
わち燃焼用バーナ部12側から排出口14側に向けて、
反応炉11の内側温度を徐々に低下させることがが可能
となる。従って、炭素含有化合物の燃焼と熱分解が生じ
る領域では、発生した熱が奪われ難くなって、高温の燃
焼生成ガスが得られるようになる。また、フラーレン前
駆体が最初に形成される領域でも、燃焼生成ガスの温度
が保持されるようになる。更に、フラーレン前駆体が燃
焼生成ガス流と共に移動しながら成長してフラーレンに
なる領域では、フラーレン前駆体の移動と共に周囲の燃
焼生成ガスの温度を徐々に低下させるように制御するこ
とができる。更に、フラーレンの生成が完了する領域で
は、燃焼生成ガスの温度を更に低下させることができ
る。
【0017】側壁部13の他端側に取付けられた燃焼用
バーナ部12は、例えばステンレス鋼等の耐熱鋼で形成
された基盤24と、基盤24に設けられ炭素含有化合物
を吐出する複数の供給口(炭素含有化合物供給口)2
5、26と、酸素含有ガスを吐出する複数の供給口(酸
素含有ガス供給口)27、28とを備えている。図1
(B)に示すように、炭素含有化合物の供給口25、2
6と、酸素含有ガスの供給口27、28は、各々独立に
分散して基盤24に設けられている。そして、各供給口
25、26、27、28の一方側は反応炉11の内側に
開口し、他方側は反応炉11の外側に開口していずれも
図示しない炭素含有化合物の供給管、酸素含有ガスの供
給管にそれぞれ接続されている。なお、炭素含有化合物
の供給管には加熱器が設けられており、反応炉11の内
部に吐出される際の炭素含有化合物の温度を、例えば2
00℃まで加温することができる。反応炉11の内側に
開口している各供給口25、26、27、28の形状は
任意であり、略円形、楕円状、三角形や四角形などの多
角形状、ひょうたん型などの不定形状であってもよい。
本発明者らの知見によれば、円形よりも、長円径や長方
形のように長径と短径を持つ形状の方が、酸素含有ガス
の加熱や希釈の速度がより速まる。従って、炭素含有化
合物の供給口25、26としては、楕円状や略円形が好
ましく、酸素含有ガスの供給口27、28としては、ス
リット状などの長方形状が好ましく、これらを組み合わ
せるのが特に好ましい。
【0018】炭素含有化合物の供給口25、26と、酸
素含有ガスの供給口27、28の配置は、各々独立に反
応炉11の内側に開口していれば任意とできる。炭素含
有化合物の種類や、各供給口25、26、27、28の
数などのフラーレンの製造装置10の設計条件に合わせ
ていろいろな配置を採用することができるが、例えば、
各々の供給口をフラーレンの製造装置10の軸心に対し
て同心円周上に、周方向に交互に配置するならば、反応
炉11内での燃焼状態がより均一となるので好ましい。
この際に、酸素含有ガスの供給口の形状が長径及び短径
を持つような場合には、長径から延びた直線が円の中心
を通るように配置するのが好ましい。また、反応炉11
の内側に開口しているいずれの供給口25、26、2
7、28も、その開口端部が基盤24の表面と実質的に
同一平面上にあっても、突出していてもよいが、好まし
くは実質的に同一平面上がよい。炭素含有化合物の供給
口25、26及び酸素含有ガスの供給口27、28から
反応炉11内に供給される炭素含有化合物及び酸素含有
ガスの各流は、各々の供給口25、26、27、28の
端部から反応炉11内に対して任意の角度で供給してよ
いが、好ましくは基盤24に対して実質的に垂直となる
ように、更には、供給される炭素含有化合物及び/又は
酸素含有ガスが供給口25、26、27、28の開口端
部の中心から実質的に同心円状に拡散するように供給す
るのが好ましい。
【0019】次に、本発明の第1の実施の形態に係るフ
ラーレンの製造装置10を適用したフラーレンの製造方
法について詳細に説明する。炭素含有化合物の供給口2
5、26から供給する炭素含有化合物の量と酸素含有ガ
スの供給口27、28から供給する酸素ガス量を調整し
て炭素含有化合物が不完全燃焼する条件で反応炉11内
に供給すると共に、排気管17に接続された図示しない
排気ポンプで反応炉11内を大気圧未満、より好ましく
は10〜300torrの状態に保持して、図示しない
着火手段で炭素含有化合物の燃焼を開始する。ここで、
炭素含有化合物と酸素含有ガスは各々独立し距離を隔て
分散配置されたそれぞれ複数の供給口25、26、2
7、28から反応炉11内に吐出されるため、反応炉1
1内における燃焼状態を均一にすることができる。ま
た、炭素含有化合物の温度を、例えば、200℃に高め
ることにより、炭素含有化合物が均一に燃焼することを
助長できる。更に、酸素含有ガス中の酸素ガス濃度はア
ルゴンガス等の不活性ガスにより希釈されて低下してい
ることに加えて、反応炉11内の圧力が大気圧未満とな
っているため、反応炉11内での燃焼状態を高温空気燃
焼状態と類似した状態にすることができる。その結果、
炭素含有化合物の燃焼が均一に進行して、反応炉11内
の温度を均一かつ高温(例えば、1000〜1900
℃、好ましくは1700〜1900℃)にすることがで
きる。
【0020】酸素含有ガスとしては、酸素源である酸素
ガスにアルゴンガス等の不活性ガスを任意の割合で混合
したガス(例えば、不活性ガスの濃度を0、又は0を超
えて90モル%以下の範囲で調整できる)を使用するこ
とができる。酸素源としては、フラーレンの収率という
観点からは酸素ガスが好ましく、酸素源の入手のし易さ
等の観点からは空気が好ましい。特に燃焼温度を上げる
ため、これらの酸素含有ガスは炉内に供給される前に予
熱することが好ましい。予熱の方法としては、熱交換器
を使用した燃焼生成ガスとの熱交換、いわゆるリジェネ
レーションバーナ等、公知のいかなる方法を用いても良
い。この予熱の温度は常温以上であればいかなる温度で
も良いが、フラーレンの収率をあげるためには極力高温
度の方が好ましい。より好ましくは、炭素含有化合物の
自己着火温度以上であることが好ましい。炭素含有化合
物としては、一酸化炭素、天然ガス、石油ガス等の燃料
ガス、重油などの石油系液体燃料、クレオソート油など
の石炭系液体燃料を使用することができる。中でもこれ
らを精製した芳香族系炭化水素を用いることが好まし
く、特にベンゼンやトルエン等の芳香族系炭化水素が好
ましい。炭素含有化合物の純度は高い方が好ましく、中
でも芳香族系炭化水素を用いる際には純度が100%に
近いほど好ましい。またフラーレンの収率を上げるため
には、炭素含有化合物も不活性ガス等を用いて希釈する
ことが好ましい。
【0021】続いて、炭素含有化合物が酸素含有ガスの
下で燃焼及び熱分解して形成される燃焼生成ガス流の温
度変化について説明する。炭素含有化合物の燃焼により
反応炉11内での燃焼領域の温度は、例えば、1000
〜1900℃、好ましくは1700〜1900℃の高温
になる。このため、未燃焼の炭素含有化合物は容易に熱
分解して気化して、炭素含有化合物の燃焼により発生し
た燃焼ガス内に拡散して燃焼生成ガスを形成する。反応
炉11内の圧力が大気圧未満で酸素ガス濃度が低い希薄
状態での燃焼であること、更に、均一燃焼が促進されて
燃焼生成ガスの温度が反応炉11の軸方向に垂直な方向
では実質的に一様になっていることから、燃焼生成ガス
により形成される燃焼生成ガス流内では自己循環流が発
生しにくくなっている。そして、燃焼生成ガスは排出口
14から排気ポンプで排気されているので、燃焼生成ガ
ス流は燃焼用バーナ部12側から排出口14側に向かう
一様な流れが主体となる。
【0022】反応炉11の側壁部13と端部壁15の外
周側に設けられた外部冷却部18、19、20、21、
22の各冷却能力は、反応炉11の燃焼用バーナ部12
側から排出口14側に向かって徐々に大きくなるように
調整されている。このため、外側冷却部18、19、2
0、21、22と対向した反応炉11の内面温度を、燃
焼生成ガスの移動方向に対し徐々に低下させることが可
能となる。このため、反応炉11内を燃焼用バーナ部1
2側から排出口14側に向かって移動する燃焼生成ガス
は、移動しながら反応炉11の内面温度に基づいて冷却
されることになる。従って、炭素含有化合物の熱分解が
促進される領域では冷却能力を低くしているため、高温
の燃焼生成ガスが得られる。その結果、反応活性の高い
熱分解生成物を燃焼生成ガス中に存在させることができ
る。また、フラーレン前駆体が最初に形成される領域で
も冷却能力が低いため、燃焼生成ガスの温度が保持され
る。その結果、フラーレン前駆体の形成が促進される。
更に、フラーレン前駆体が燃焼生成ガス流と共に移動し
ながら成長してフラーレンになる領域では、冷却能力が
徐々に大きくなるので、フラーレン前駆体の移動と共に
周囲の燃焼生成ガスの温度が徐々に低下する。その結
果、フラーレン前駆体の分解が抑制されてフラーレンを
効率的に生成させることができる。更に、フラーレンの
生成が完了する領域では、燃焼生成ガスの温度を更に低
下させることができる。その結果、フラーレンを含んだ
燃焼生成ガスの温度を、フラーレンの回収に最適な温度
とすることができる。
【0023】図2(A)に示すように、本発明の第2の
実施の形態に係るフラーレンの製造装置29は、反応炉
30と、反応炉30の下部に設けられた燃焼用バーナ部
31と、反応炉30内に設けられ燃焼生成ガス流を分割
する仕切壁32とを有している。以下、これらについて
詳細に説明するが、第1の実施の形態と実質的に同一の
構成要素については同一の符号を付して詳細な説明は省
略する。
【0024】仕切壁32は、図2(B)に示すように排
気管17内を挿通したステンレス鋼等の耐熱鋼で構成さ
れた支持部材33と、一端側が支持部材33の側面に取
付けられ他端側が反応炉30の内面に当接して燃焼生成
ガス流を分割(当実施の形態では4分割)する4枚の分
割壁34とを有している。各分割壁34の内側には、支
持部材33の長手方向に、4段に積層され、それぞれ冷
却ジャケットからなる内側冷却部35、36、37、3
8が設けられている。各内側冷却部35、36、37、
38には、例えば、図示しない流入口から水を流入させ
て図示しない流出口から排出させることができ、流通さ
せる水の温度、流量、圧力を調整することにより各内側
冷却部35、36、37、38の冷却能力を独立して調
整できる。その結果、仕切壁32を構成する分割壁34
の表面温度を燃焼生成ガスの移動方向に対して徐々に低
下させることが可能となる。
【0025】次に、本発明の第2の実施の形態に係るフ
ラーレンの製造装置29を適用したフラーレンの製造方
法について説明する。燃焼用バーナ部31から反応炉3
0内に供給する炭素含有化合物と酸素含有ガスの構成及
び供給条件は、第1の実施の形態の場合と同様に設定す
ることができるので、炭素含有化合物が酸素含有ガスの
下で燃焼及び熱分解して燃焼生成ガス流を形成する過程
及び燃焼生成ガス流内でフラーレンが生成する過程は、
第1の実施の形態で説明した場合と同様となる。従っ
て、仕切壁32を設けたことによる燃焼生成ガス流の温
度変化について説明する。反応炉30の外側に設けた外
側冷却部18、19、20、21、22の冷却能力と、
仕切壁32に設けた内側冷却部35、36、37、38
の冷却能力をそれぞれ調整することにより、燃焼生成ガ
スの移動方向に対して、反応炉30の側壁部13の内面
の温度分布、及び仕切壁32の表面の温度分布を実質的
に一致させることができる。従って、反応炉30内を燃
焼用バーナ部31側から排出口14側に向かって移動す
る燃焼生成ガスに対して、側壁部13と仕切壁32は実
質的に同一の冷却を行うことができる。その結果、側壁
部13側の燃焼生成ガスも、仕切壁32側の燃焼生成ガ
スも同じように冷却されて、反応炉30内部の燃焼生成
ガスの温度を水平方向では実質的に一様にすることがで
きる。このため、反応炉30の内径が大きくなっても、
燃焼用バーナ部31側から排出口14側に向けて移動す
る燃焼生成ガスの温度を、燃焼生成ガスの移動方向に対
して厳密に制御することができる。
【0026】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、
例えば、仕切壁を耐熱鋼製の分割壁で構成したが、耐熱
鋼製の分割壁の表面に耐火物をライニングしてもよい。
耐火物をライニングすることにより、仕切壁の耐熱性を
向上させることができ、反応炉内の更に高温領域から燃
焼生成ガスの温度を制御することができる。仕切壁に設
けた各内側冷却部を全て冷却ジャケットとしたが、全
て、冷却管とすることもできる、更に、冷却管と冷却ジ
ャケットを併用することもできる。外側冷却部として冷
却ジャケットと冷却管を併用したが、冷却管でのみ、あ
るいは冷却ジャケットのみを設けることも可能である。
外側冷却部及び内側冷却部にはいずれも水を流通させた
が、全ての外側冷却部に水以外の冷媒を流通させたり、
あるいは、水及び水以外の冷媒を流通させた外側冷却部
を併用することもできる。また、全ての内側冷却部にガ
ス又は水以外の冷媒を流通させたり、あるいは、ガス、
水、水以外の冷媒から任意に選んだ2以上の冷媒を流通
させることもできる。
【0027】
【発明の効果】請求項1〜6記載のフラーレンの製造装
置においては、反応炉の外側には、冷却能力を独立して
制御可能な複数の外側冷却部を、炭素含有化合物が酸素
含有ガスの下で燃焼して形成される燃焼生成ガス流の移
動方向に対して多段に設けたので、反応炉内の燃焼生成
ガスの流れ方向に対する温度分布を制御することによ
り、燃焼生成ガスの高温化による炭素含有化合物の熱分
解促進、燃焼生成ガス中におけるフラーレン前駆体の形
成促進、フラーレン前駆体の存在時間の確保、及び生成
したフラーレンを含んだ燃焼生成ガスの冷却によるフラ
ーレン回収の効率化をそれぞれ図ることが可能となる。
その結果、フラーレンを大量、容易に製造して回収する
ことが可能となってフラーレンの製造コストを低減させ
ることが可能となる。
【0028】特に、請求項2記載のフラーレンの製造装
置においては、各外側冷却部が冷却管又は冷却ジャケッ
トのいずれか1からなるので、簡便、安価に反応炉の外
壁内側温度を制御して燃焼生成ガスの移動方向に対する
温度分布を制御することが可能となる。その結果、フラ
ーレンの生成率の向上及びフラーレン回収の効率化を図
ることが可能となる。また、冷却管と冷却ジャケットか
らなる外側冷却部を併用することで冷却能力の調整を行
うことができ、反応炉内での燃焼生成ガスの移動方向に
対する温度分布を厳密に制御することが可能となる。そ
の結果、フラーレンの生成率の向上及びフラーレン回収
の効率化を更に図ることが可能となる。
【0029】請求項3記載のフラーレンの製造装置にお
いては、各外側冷却部には水又は水以外の冷媒のいずれ
か1を流通させるので、水又は水以外の冷媒を目的に合
わせて選択することで冷却能力を変えて冷却することに
より、燃焼生成ガスの流れ方向に対する燃焼生成ガス流
の温度分布を効果的に制御することが可能となる。その
結果、フラーレンの生成率の向上及びフラーレン回収の
効率化を図ることが可能となる。また、水と水以外の冷
媒を併用することで冷却能力の調整を行うことができ、
反応炉内での燃焼生成ガスの移動方向に対する温度分布
を厳密に制御することが可能となる。その結果、フラー
レンの生成率の向上及びフラーレン回収の効率化を更に
図ることが可能となる。
【0030】請求項4記載のフラーレンの製造装置にお
いては、反応炉の内部に、燃焼生成ガス流を分割する仕
切壁が設けられ、しかも、仕切壁の内側には冷却能力が
独立して制御可能な複数の内側冷却部を燃焼生成ガス流
の流れ方向に対して多段に設けたので、反応炉内での燃
焼生成ガスの移動方向に対する温度分布を、反応炉内の
外側と中央部側で一様となるように制御することが可能
となる。その結果、大型の反応炉においても、反応炉内
での燃焼生成ガスの移動方向に対する温度分布を厳密に
制御することができ、フラーレンを大量に製造して回収
することが可能となって、フラーレンの製造コストを更
に低減させることが可能となる。
【0031】請求項5記載のフラーレンの製造装置にお
いては、各内側冷却部が冷却管又は冷却ジャケットのい
ずれか1からなるので、簡便、安価に反応炉内に設けた
仕切壁の表面温度を制御して燃焼生成ガスの移動方向に
対する温度分布を制御することが可能となる。その結
果、フラーレンの生成率の向上及びフラーレン回収の効
率化を図ることが可能となる。また、冷却管と冷却ジャ
ケットからなる内側冷却部を併用することで冷却能力の
調整を行うことができ、反応炉内での燃焼生成ガスの移
動方向に対する温度分布を厳密に制御することが可能と
なる。その結果、フラーレンの生成率の向上及びフラー
レン回収の効率化を更に図ることが可能となる。
【0032】請求項6記載のフラーレンの製造装置にお
いては、各内側冷却部には、ガス、水、水以外の冷媒の
いずれか1を流通させるので、それぞれ最適な冷却能力
を選択して燃焼生成ガスの流れ方向に対する反応炉内の
温度分布を効果的に制御することが可能になる。更に、
反応炉の外側と中央部側で温度が一様となるように制御
することが可能となる。その結果、大型の反応炉におい
ても、燃焼生成ガスの流れ方向に対する反応炉内の温度
分布を効果的に制御することができ、フラーレンを大量
に製造して回収することが可能となって、フラーレンの
製造コストを更に低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)はそれぞれ本発明の第1の実施
の形態に係るフラーレンの製造装置の全体概略断面図、
炭素含有化合物と酸素含有ガスの供給口の配置を示した
燃焼用バーナ部の説明図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ本発明の第2の実施
の形態に係るフラーレンの製造装置の全体概略断面図、
仕切壁の平面図である。
【符号の説明】
10:フラーレンの製造装置、11:反応炉、12:燃
焼用バーナ部、13:側壁部、14:排出口、15:端
部壁、16:耐火物、17:排気管、18、19、2
0、21、22:外側冷却部、23:冷却管、24:基
盤、25、26:炭素含有化合物の供給口、27、2
8:酸素含有ガスの供給口、29:フラーレンの製造装
置、30:反応炉、31:燃焼用バーナ部、32:仕切
壁、33:支持部材、34:分割壁、35、36、3
7、38:内側冷却部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素含有化合物供給口と酸素含有ガス供
    給口とを有する燃焼用バーナ部を備える反応炉で、原料
    となる炭素含有化合物と酸素含有ガスとを燃焼させてフ
    ラーレンを製造するフラーレンの製造装置であって、前
    記反応炉の外側には、冷却能力を独立して制御可能な複
    数の外側冷却部を、前記炭素含有化合物が前記酸素含有
    ガスの下で燃焼して形成される燃焼生成ガス流の移動方
    向に対して多段に設けたことを特徴とするフラーレンの
    製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフラーレンの製造装置に
    おいて、前記各外側冷却部が冷却管又は冷却ジャケット
    のいずれか1からなることを特徴とするフラーレンの製
    造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のフラーレンの製造
    装置において、前記各外側冷却部には水又は水以外の冷
    媒のいずれか1を流通させることを特徴とするフラーレ
    ンの製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフ
    ラーレンの製造装置において、前記反応炉の内部に、前
    記燃焼生成ガス流を分割する仕切壁が設けられ、しか
    も、該仕切壁の内側には冷却能力が独立して制御可能な
    複数の内側冷却部を前記燃焼生成ガス流の流れ方向に対
    して多段に設けたことを特徴とするフラーレンの製造装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のフラーレンの製造装置に
    おいて、前記各内側冷却部が冷却管又は冷却ジャケット
    のいずれか1からなることを特徴とするフラーレンの製
    造装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載のフラーレンの製造
    装置において、前記各内側冷却部には、ガス、水、水以
    外の冷媒のいずれか1を流通させることを特徴とするフ
    ラーレンの製造装置。
JP2001392015A 2001-12-25 2001-12-25 フラーレンの製造装置 Pending JP2003192321A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001392015A JP2003192321A (ja) 2001-12-25 2001-12-25 フラーレンの製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001392015A JP2003192321A (ja) 2001-12-25 2001-12-25 フラーレンの製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003192321A true JP2003192321A (ja) 2003-07-09

Family

ID=27599441

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001392015A Pending JP2003192321A (ja) 2001-12-25 2001-12-25 フラーレンの製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003192321A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7396520B2 (en) 2001-08-31 2008-07-08 Nano-C, Inc. Method for combustion synthesis of fullerenes
US7435403B2 (en) 2002-07-03 2008-10-14 Nano-C Llc Separation and purification of fullerenes

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7396520B2 (en) 2001-08-31 2008-07-08 Nano-C, Inc. Method for combustion synthesis of fullerenes
US7771692B2 (en) 2001-08-31 2010-08-10 Nano-C, Inc. Method for combustion synthesis of fullerenes
US7833493B2 (en) 2001-08-31 2010-11-16 Nano-C, Inc. Combustor for combustion synthesis of fullerenes
US7435403B2 (en) 2002-07-03 2008-10-14 Nano-C Llc Separation and purification of fullerenes
US7833497B2 (en) 2002-07-03 2010-11-16 Nano-C, Llc. Separation and purification of fullerenes

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5823375B2 (ja) プラズマ反応炉およびナノ粉末の合成プロセス
JP3984956B2 (ja) カーボンナノ材料の製造用バーナーと燃焼装置
US11919771B2 (en) Boron nitride nanotube synthesis via direct induction
EP1874685A1 (en) Method and apparatus for the continuous production and functionalization of single-waled carbon nanotubes using a high frequency plasma torch
KR100443385B1 (ko) 역 확산화염을 이용한 탄소 나노튜브의 연소합성 장치 및방법
JP2003192321A (ja) フラーレンの製造装置
US20060140845A1 (en) Method for producing fullerene
KR20030013351A (ko) 국부적 가열을 이용한 탄소나노튜브 열분해 합성법
JP2003160316A (ja) フラーレン類の製造方法およびフラーレン類の製造装置
JP2003192320A (ja) フラーレンの製造炉
JP2003192319A (ja) フラーレンの製造装置
JP2003221216A (ja) フラーレン類の製造方法及びその装置
US20040124093A1 (en) Continuous production and separation of carbon-based materials
JP2003192318A (ja) フラーレンの製造装置及びその製造方法
JP2003160317A (ja) フラーレン類の製造方法およびフラーレン類の製造装置
JP2003238132A (ja) フラーレン類の製造用バーナー及びこれを用いたフラーレン類の製造方法
JP2005008456A (ja) フラーレンの製造方法及びその設備
JPH10292126A (ja) カーボンブラックの製造方法
JP3718516B2 (ja) フラーレンの製造方法
KR100556644B1 (ko) 화염을 이용한 탄소나노물질 제조장치 및 제조방법
JP2003232505A (ja) バーナー及びこれを用いたフラーレン類の製造装置
JP2004526652A (ja) シェル形状の炭素微粒子製造方法
JPH01124626A (ja) 気相法炭素繊維の製造法
JP2004018360A (ja) フラーレン類の製造装置及び方法
JP2004051441A (ja) フラーレン類の製造用バーナー及びこれを用いたフラーレン類の製造方法