JP2003232505A - バーナー及びこれを用いたフラーレン類の製造装置 - Google Patents

バーナー及びこれを用いたフラーレン類の製造装置

Info

Publication number
JP2003232505A
JP2003232505A JP2002005754A JP2002005754A JP2003232505A JP 2003232505 A JP2003232505 A JP 2003232505A JP 2002005754 A JP2002005754 A JP 2002005754A JP 2002005754 A JP2002005754 A JP 2002005754A JP 2003232505 A JP2003232505 A JP 2003232505A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
burner
flame
oxygen
containing gas
supply region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002005754A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaharu Yamamoto
隆晴 山本
Hiroaki Takehara
弘明 武原
Takeshi Takakura
剛 高倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2002005754A priority Critical patent/JP2003232505A/ja
Publication of JP2003232505A publication Critical patent/JP2003232505A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02E20/344

Landscapes

  • Gas Burners (AREA)
  • Pre-Mixing And Non-Premixing Gas Burner (AREA)
  • Air Supply (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 均一且つ広面積で火焔長の短い焔を形成する
バーナー、及び経済的且つ大量生産可能なフラーレンの
製造装置を提供する。 【解決手段】 略平面上の火焔形成部に、複数の酸素含
有ガス供給領域と燃料供給領域とを有するバーナーであ
って、酸素含有ガス供給領域面積と燃料供給領域面積と
の和が火焔形成部面積の0.1%以上であることを特徴
とするバーナー。及びこのバーナーを炉底面に有し、且
つフラーレン類原料炭化水素供給口を有するフラーレン
類の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、燃焼用バーナ
ー、特に均一な火焔長が短く、広面積の火焔(ショート
フレーム)を形成するのに適したバーナー、及びこれを
用いたフラーレン類の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】 フラーレン類(以下、単に「フラーレ
ン」ということがある。)は、ダイヤモンド、黒鉛に次
ぐ第三の炭素同素体の総称であり、C60、C70、などに
代表されるように5員環と6員環のネットワークで閉じ
た中空殻状の炭素分子である。フラーレンの存在が最終
的に確認されたのは比較的最近の1990年のことであ
り、比較的新しい炭素材料であるが、その特殊な分子構
造ゆえに特異的な物理的性質を示すことが認められ、例
えば以下のような広範囲な分野に渡り、革新的な用途開
発が急速に展開されつつある。 (1) 超硬材料への応用:フラーレンを前駆体とする
ことで微細結晶粒子をもつ人工ダイヤモンドの精製が可
能なため、付加価値のある耐摩耗材料への利用が期待さ
れている。 (2) 医薬品への応用:C60誘導体、光デバイスを
用いることで抗癌剤、エイズ・骨粗鬆症・アルツハイマ
ー治療薬、造影剤、ステント材料等の用途としての研究
が進められている。 (3) 超伝導材料への応用:フラーレン薄膜に金属カ
リウムをドープすると18Kという高い転移温度を持つ
超伝導材料をつくり出すことができることが発見され、
多方面から注目を集めている。 (4) 半導体製造への応用:レジストにC60を混ぜる
ことでレジスト構造がより一層強化されることを利用
し、次世代半導体製造への応用が期待されている。
【0003】各種炭素数のフラーレンの中でもC60、お
よびC70は比較的合成が容易であり、それゆえ今後の需
要も爆発的に高まることが予想されている。現在知られ
ているフラーレンの製造方法としては以下に示す方法が
挙げられる。 (1) レーザー蒸着法:希ガス中に置かれた炭素タ
ーゲットに高エネルギー密度のパルスレーザーを照射
し、炭素原子の蒸発により合成する方法。希ガスが流れ
る石英管を電気炉の中に置き、グラファイト試料をその
石英管の中に置く。ガスの流れの上流側からグラファイ
ト試料にレーザーを照射し、蒸発させると電気炉出口付
近の冷えた石英管の内壁にC60やC70などのフラーレン
を含む煤が付着する。ショット当たりの蒸発量がわずか
であり、大量製造には不向き。 (2) 抵抗加熱法:ヘリウムガスで満たされた真空
の容器の中でグラファイト棒を通電加熱し昇華させる方
法。回路での電気抵抗ロスが大きいので大量製造に不向
き。 (3) アーク放電法:数十kPa中のヘリウムガス
中で2本のグラファイト電極を軽く接触させたり、ある
いは1〜2mm程度離した状態でアーク放電を起こし、
陽極の炭素を昇華させる方法。現在工場規模での大量製
造に用いられている。 (4) 高周波誘導加熱法:抵抗加熱やアーク放電を
使う代わりに、高周波誘導により原料グラファイトに渦
電流を流し、これを加熱・蒸発する方法。 (5) 燃焼法:ヘリウム等の不活性ガスと酸素との
混合ガス中でベンゼン等の炭化水素原料を不完全燃焼さ
せる方法。ベンゼン燃料の数%が煤となり、その10%
程度がフラーレンとなる点で製造効率は良くないが、複
製する煤(フラーレン等)を液体燃料等に使用可能なこ
と、製造装置が単純である点で、アーク合成法に対抗す
る大量生産法として注目されている。 (6) ナフタレン熱分解法:ナフタレンを約1000
℃で熱分解させる方法。このように現在までにさまざま
なフラーレンの合成法が提案されているが、いずれの方
法によってもこれまでにフラーレンを安価に大量に製造
する方法は確立されていない。
【0004】これらの方法のうち、最も安価で、効率的
な製造方法の一つと考えられるのは燃焼法である。例え
ば特表平6−507879号公報には、フラーレンを製
造する反応炉内において、炭素含有物を火炎中で燃焼さ
せ凝縮物を収集することによるフラーレンの製造方法が
記載されている。この様な燃焼法に於いて、フラーレン
類は煤状物質等と共に混合物として生成されるので、通
常、この混合物を精製してフラーレン類を製造する。よ
ってこの煤状物質を含む混合物中におけるフラーレン類
の含有量をいかに高めるかが大きな課題となっている。
【0005】例えば上述した特表平6−507879号
公報には、フラーレン類の収率を向上させるために火炎
温度を上昇させたり、またその手段として外部エネルギ
ー源から火炎にさらにエネルギーを供給する方法等が記
載されている。この際、好ましいエネルギー源として
は、入力流の電気抵抗加熱、マイクロウェーブ加熱、放
電加熱及び向流加熱が挙げられている。
【0006】また一般的にフラーレン類の製造は減圧下
で行われ、反応炉における高温帯域中に希釈剤を導入す
る場合もある。これらの減圧度、希釈剤濃度は上記フラ
ーレンの収率に影響を及ぼすことが知られている。これ
について上述した特表平6−507879号公報には、
燃焼反応のための酸化剤として純酸素が、また希釈剤と
してはアルゴンの使用が記載されている。これは、フラ
ーレン類の収率を上げる効果があると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、フラ
ーレン類を効率的に製造するためには原料炭化水素化合
物に熱エネルギーを与え、高温・高真空下、希釈ガス中
という製造条件下で生成を行うことが、重要なポイント
となっている。また一般的に燃焼法においては、燃焼火
焔温度が高いほど、また反応炉内の希釈率が高いほど、
そして反応炉内での滞留時間が長いほど、フラーレン類
の収率が高くなる。
【0008】しかし従来の燃焼法によるフラーレン類の
製造装置では、燃焼バーナーからフラーレンの生成に必
要な高い熱エネルギーを比較的容易に得られる反面、反
応炉内のバーナー数が限られているために、バーナーか
ら生ずる火焔の長さ(火焔長)を長くして熱エネルギー
を得なければならないという問題があった。火焔長が長
いと、燃焼により生じたフラーレン類の反応炉内での滞
留時間が限られてしまい、フラーレン類の収率向上が困
難となってしまうからである。
【0009】また、更に高い熱エネルギーを得るべく火
焔を大きくする(火焔長を長くする)と、燃焼が不均一
となるだけでなく、燃焼により生ずる燃焼ガス流が増大
し、フラーレン類の生成領域である高温帯域の気流状態
を、より強い乱流へとしてしまうという問題もあった。
これは通常、フラーレン類は層流で且つ非常に希薄な気
流条件下で効率的に生成されることから、高温帯域に於
いては希薄で層流状態雰囲気であることが好ましいとさ
れているからである。
【0010】そして当然の如く、発生する燃焼排ガスも
増大するので、フラーレン生成域である高温帯域におけ
る、「高真空下、希釈ガス中」という条件を阻害すると
いう問題も引き起こしてしまう。本発明は前述した様な
事情に鑑みてなされたものであり、燃焼法によってフラ
ーレンを大量に且つ安価に、そして容易に製造する製造
装置に適したバーナー、及びこれを用いたフラーレン類
の製造装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の課題
について鋭意検討した。その結果、反応炉内で用いるバ
ーナーとして特定構造のバーナー、具体的には略平面上
の火焔形成部に、複数の酸素含有ガス供給領域と燃料供
給領域とを有するバーナーを用い、この酸素含有ガス供
給領域面積と燃料供給領域面積との和を火焔形成部面積
の0.1%以上と大きくすることによって、安定した火
焔長の短い、且つ広面積の火焔が得られることを見出し
た。更にこのバーナーを燃焼法によるフラーレン類の製
造装置における反応炉内のバーナーとして用いることに
よって、安定且つ効率的にフラーレン類を製造できる製
造装置となることをも見出し、本発明を完成させた。
【0012】即ち本発明の要旨は、略平面上の火焔形成
部に、複数の酸素含有ガス供給領域と燃料供給領域とを
有するバーナーであって、酸素含有ガス供給領域面積と
燃料供給領域面積との和が火焔形成部面積の0.1%以
上であることを特徴とするバーナーに存する。また本発
明の今ひとつの要旨は、このバーナーを炉底面に有し、
且つフラーレン類原料炭化水素供給口を有するフラーレ
ン類の製造装置に存し、好ましくは反応炉底面に占める
バーナーの火焔形成部の割合が30%以上であるフラー
レン類の製造装置に存する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を具体
的に説明する。但し、本発明は以下に用いる図面に限定
されるものではない。 (1)バーナー 本発明のバーナーは略平面上の火焔形成部に、複数の酸
素含有ガス供給領域と燃料供給領域とを有するバーナー
であって、酸素含有ガス供給領域面積と燃料供給領域面
積との和が火焔形成部面積の0.1%以上であるバーナ
ーである。
【0014】略平面上の火焔形成部とは、複数の酸素含
有ガス供給領域と燃料供給領域とを有する略平面を意味
する。これらの供給領域から各々供給される酸素含有ガ
ス及び燃料が燃焼して、火焔を形成する。酸素含有ガス
供給領域及び燃料供給領域は、上述した、略平面上にあ
る火焔形成部において各々酸素含有ガスと燃料とを供給
する構造であって、酸素含有ガス供給領域面積と燃料供
給領域面積との和が火焔形成部面積の0.1%以上であ
ればよい。火焔形成部面積に占める割合は、好ましくは
1%以上、更には10%以上、中でも30%以上、特に
70%以上とすることで、本発明の効果である、短火焔
長且つ広面積の火焔が得られる。
【0015】本発明のバーナーにおける火焔形成領域と
しては、例えば円形や多角形状の、複数の酸素含有ガス
供給口と燃料供給口との開口部を有し、これら開口部の
集合領域を火焔形成部としてもよい。火焔形成部の略平
面を構成する材料は任意だが、中でも耐熱温度が500
℃以上、そして熱伝導率が10[KCal/m・hr・
℃]以上、好ましくは150[KCal/m・hr・
℃]以上、特に好ましくは250[KCal/m・hr
・℃]以上の材料、例えば銅、耐熱性ステンレス鋼材や
ハステロイ鋼材を用いることが好ましい。
【0016】酸素含有ガス供給口、及び燃料供給口の配
置は任意であり、交互に、千鳥模様に配置してもまた図
1に示すように一定個数の開口部を交互に配置してもよ
い。尚、図1においては簡便のため一直線上にある開口
部のみを示しているが、通常、この様な開口部は図1の
上部略平面である火焔形成部全体に存在する。また該領
域が多孔質金属膜及び/又は多孔質無機物質で形成され
ており、これらの微細孔より酸素含有ガスや燃料を供給
する構造でもよい。
【0017】多孔質金属膜としては、金属メッシュ及び
これらを積層したものが挙げられるが、なかでもこの積
層体を焼結して一体化した、燒結金属メッシュが好まし
い。金属メッシュとしてはメッシュ径の異なるものを積
層しても、また同一メッシュ径のものを積層してもよ
い。酸素含有ガスまたは燃料を供給する細孔径としては
任意だが、例えば0.1〜500μm、中でも0.5〜
300μmであることが好ましい。金属の材質としては
例えば、ステンレス鋼材やハステロイ鋼材などが挙げら
れる。中でも耐熱温度が500℃以上、そして熱伝導率
が10[KCal/m・hr・℃]以上、好ましくは1
50[KCal/m・hr・℃]以上、特に好ましくは
250[KCal/m・hr・℃]以上の材料、例えば
銅、耐熱性ステンレス鋼材やハステロイ鋼材を用いるこ
とが好ましい。
【0018】多孔質無機物質としては、耐火性材料、好
ましくは耐火温度500℃以上のもので有れば任意のも
のを使用することができ、例えば各種セラミックスやシ
リカゲルなどが挙げられる。本発明のバーナーに於いて
は、上述した構造を満たしていれば、バーナー内部の構
造は任意の構造を取りうる。
【0019】例えば図1に示した本発明のバーナーの一
例の様に、内部が二段となっており、A、B、何れか一
方から酸素含有ガスを、他方から燃料を供給する。図
1、及びその断面図である図2に示されている本発明の
バーナーは、火焔形成部に酸素含有ガス供給口と燃料供
給口とが開口する構造であるが、この開口部に先述の様
な多孔質金属膜及び/又は多孔質無機物質を備えていて
もよい。
【0020】図3は本発明のバーナーの一例であり、酸
素含有ガス供給領域と燃料供給領域とが、略同心円状に
交互に設けられている構造となっている。また図4には
図3のY−Y‘断面図と、その酸素含有ガスと燃料の供
給構造(図3には図示せず)をも示したものである。図
3に示す円筒状バーナーの上面が火焔形成部であって、
酸素含有ガス供給口と燃料供給口が開口していても、ま
た図4の斜線部で示すような多孔質金属膜及び/又は多
孔質無機物質を備えていてもよい。更には、酸素含有ガ
スと燃料とが混合するように、酸素含有ガス流および燃
料流が衝突するように、開口部に角度を付けてもよい。
【0021】更に、本発明のバーナーに於いては、火焔
形成部全面を多孔質金属膜及び/又は多孔質無機物質と
してもよい。図5は火焔形成部平面を垂直方向から見た
ものである。図5にて示されている、外周円で包囲され
ている領域と、その中にある小周円で包囲されている領
域は、何れか一方が酸素含有ガス供給領域、他方が燃料
供給領域であればよい。
【0022】更に本発明のバーナーとしては、略平面上
の火焔形成部に、複数の酸素含有ガス供給領域と燃料供
給領域とを有し、何れか一方の領域が該略平面上に設け
られ、且つ他方の領域が概略平面上に凸部形状として設
けることで、酸素含有ガスと燃料とが確実に混合し、広
面積で且つ火焔長の短い、安定した焔を得ることが出来
る。具体的には図6に示した構造が挙げられる。図6
は、図5の横概略断面図である。その内部は二重構造と
なっており、A、B、何れか一方から酸素含有ガスを、
他方から燃料を供給する。
【0023】尚、図5は、この様な凸部形状を有するバ
ーナー、及び有さないバーナーの何れをも示すものであ
る。更に本発明のバーナーにおいては、燃焼に際して火
焔形成部、例えば酸素含有ガス供給領域や燃料供給領域
上に堆積する煤状物質を除去するクリ−ニング機構を有
することが好ましい。
【0024】中でも本発明のバーナーにおける略平面上
の火焔形成部を、各々独立に火焔形成可能な複数の個別
火焔形成部からなる構造とすることが好ましい。この様
な構造とすることにより、火焔形成部上に堆積した煤状
物質除去のためにバーナー燃焼を一旦停止し、高温状態
若しくは冷却してから火焔形成部上をクリーニングして
煤を取り除く必要が無くなる。つまり、クリーニングを
行う個別火焔形成部のみ燃焼を停止させてクリーニング
を行えるので、バーナーによる燃焼は継続しながらクリ
−ニングを並行して行えるので好ましい。これは長時間
の連続燃焼、とりわけ安定した火焔形成を長時間行う際
には極めて好ましい。
【0025】クリーニング機構としては例えば、バーナ
ーを振動させる振動機構や、バーナー周辺から火焔形成
部に向かってガス状物質を噴射させるガス噴射機構な
ど、任意のクリーニング機構を採用することが出来る。
また先述のように、略平面上の火焔形成部を、各々独立
に火焔形成可能な複数の個別火焔形成部からなる構造と
した際には、各々の個別火焔形成部毎にこの様なクリー
ニング機構を設けるのが好ましい。中でも火焔形成部を
この様に個別火焔形成部からなる構造とした際のクリー
ニング機構としては、酸素含有ガス供給領域及び/又は
燃料供給領域から不活性ガス等の気体(クリーニング気
体)を噴出させて該領域上やその他の火焔形成部上の煤
状堆積物質を除去する、逆洗クリ−ニング機構を採用す
ることが好ましい。これにより燃焼炉内に余計なクリー
ニング機構を配置する必要がなく、メンテナンス等が容
易になるので好ましい。
【0026】個別火焔形成部の形状は円形状、三角形
状、四角形状以上の多角形状等、任意の形状を取ること
が出来る。例えばバーナーの火焔形成部が略円形状であ
る際には、火焔形成部を放射状、同心円筒形状等に分割
して個別火焔形成部とすればよい。また個別火焔形成部
の面積は任意だが、火焔形成部を出来る限り多数の、小
面積の個別火焔形成部に分割することが好ましい。これ
はクリ−ニング、中でも逆洗クリーニングを燃焼と並行
して行う際、クリ−ニング面積が小さいので安定した火
焔形成が可能となり、安定した連続燃焼が可能となる為
である。
【0027】このような逆洗クリーニングを可能とする
バーナー内部の機構は任意であるが、例えば各々の個別
火焔形成部が有する酸素含有ガス及び燃料の供給機構に
加え、更にクリーニング気体の供給機構を設け、逆洗ク
リーニングの際にはこれらを切り替えて、酸素含有ガス
領域及び/又は燃料供給領域からクリーニング気体を噴
出させてクリーニングを行う機構が挙げられる。
【0028】またこの様なクリーニング気体の供給機構
を設けずとも、クリーニング気体として酸素含有ガスを
用いることで、燃料を酸素含有ガスに切り替える供給ガ
ス切り替え機構を有するのみとする内部構造でもよい。
逆洗に用いるクリ−ニング気体としては、先述したとお
り窒素やアルゴン等の不活性ガス、そして酸素及び空気
のような酸素含有ガス等が挙げられ、これらを単独又は
任意の割合で混合して用いることが出来る。またクリー
ニングの際には、バーナーの燃焼を安定して継続させる
為、加熱した気体を用いることが好ましい。
【0029】この様な逆洗クリーニング機構は、バーナ
ーに於ける酸素含有ガス供給領域または燃料供給領域の
何れか一方が多孔質金属膜及び/又は多孔質無機物質で
形成されている際に、特に効果が顕著である。更に、酸
素含有ガス供給領域や燃料供給領域を含む火焔形成部
が、この様に多孔質金属膜及び/又は多孔質無機物質で
形成されている際には、その表面を煤状物質が堆積し難
いような表面性状とするべく、例えばシリケートコーテ
ィング等による表面処理や、研磨等による表面粗さ低減
加工処理等を施したものであることが好ましい。 (2)フラーレンの製造装置。
【0030】本発明のフラーレン類の製造装置は、上述
したようなバーナーを用いることを特徴とする。具体的
には、原料炭化水素を燃焼及び/又は熱分解させること
によるフラーレン類の製造に用いる反応炉中のバーナー
として、上述したようなバーナーを用いる。通常、この
反応炉は略円筒状であり、略密閉構造である。具体的に
は1〜500Torr、中でも10〜300Torrと
なる構造であることが好ましい。また炉内温度は少なく
とも1400℃以上、好ましくは1800℃以上、更に
は2000℃以上に出来る構造とするのが好ましい。
【0031】本発明のフラーレン類の製造装置では、円
筒形状の長さ方向に火焔を形成し、円筒底部にバーナー
を配置する。そして円筒の側面に、フラーレン類の原料
炭化水素を供給する供給口を有する。炉底面に占めるバ
ーナーの火焔形成部の割合は任意だが、この割合は大き
い方が好ましく、30%以上であることが好ましい。
【0032】本発明のフラーレン類の製造装置は、バー
ナーが広面積且つ短火焔長の炎を形成できるので、反応
炉内でのフラーレン類の滞留時間が充分な長さとなり、
また反応炉内での燃焼ガス流が、より層流状態となるの
で、効率的にフラーレン類を製造することが出来る。こ
の他の、フラーレン類の製造装置の構成は任意であり、
例えば反応炉の下流(燃焼ガス流の下流方向)に、分離
・精製装置を設置し、ここでフラーレン類とその他の煤
状物質へ分離され、フラーレン類を製造してもよい。こ
の際の分離・精製装置は従来公知の任意のものを用いる
ことが出来る。例えば溶剤抽出によって分離・精製する
装置や、クロマト分離装置を用いる他、昇華精製装置、
つまりフラーレン類を気体状態で存在させるだけの高温
雰囲気のまま、煤状物質をフィルターを有する分離・精
製装置を通過させてフラーレン類のみフィルターを通過
させて分離・精製する装置、などが挙げられる。また、
これらを適宜組み合わせて用いてもよい。
【0033】また本発明の製造装置は、任意のフラーレ
ン類の製造に適しているが、中でもC60及び/又はC70
であるフラーレン類の製造に、特に有用である。
【0034】
【発明の効果】本発明によって、フラーレンを大量に且
つ安価に、そして容易に製造する製造装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のバーナーの一例の全体概略断面図で
ある。
【図2】 図1のY−Y‘断面図である。
【図3】 本発明のバーナーの一例の全体概略断面図で
ある。
【図4】 図3のY−Y‘断面図である。
【図5】 本発明のバーナーの一例の上部面の概略図で
ある。
【図6】 図5のバーナーの概略横断面図の一例であ
る。
【符号の説明】
AまたはB:燃料供給口、または酸素含有ガス供給口。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23L 7/00 F23L 7/00 A Z (72)発明者 高倉 剛 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社内 Fターム(参考) 3K017 CA07 CA09 CB01 CD03 CD08 CE02 CE04 CG01 CH04 DD03 DD09 3K019 AA07 BA01 BB01 BD12 CC00 3K023 JA02 JA03 JD01 4G046 CA02 CC09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略平面上の火焔形成部に、複数の酸素含
    有ガス供給領域と燃料供給領域とを有するバーナーであ
    って、酸素含有ガス供給領域面積と燃料供給領域面積と
    の和が火焔形成部面積の0.1%以上であることを特徴
    とするバーナー。
  2. 【請求項2】 酸素含有ガス供給領域と燃料供給領域と
    が、略同心円状に交互に設けられていることを特徴とす
    る請求項1に記載のバーナー。
  3. 【請求項3】 少なくとも酸素含有ガス供給領域または
    燃料供給領域の何れか一方が多孔質金属膜及び/又は多
    孔質無機物質で形成されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載のバーナー。
  4. 【請求項4】 略平面上の火焔形成部に、複数の酸素含
    有ガス供給領域と燃料供給領域とを有するバーナーであ
    って、何れか一方の領域が該略平面上に設けられ、且つ
    他方の領域が該略平面上に凸部形状として設けられてい
    ることを特徴とするバーナー。
  5. 【請求項5】 更に火焔形成部のクリーニング機構を有
    することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
    のバーナー。
  6. 【請求項6】 略平面上の火焔形成部が、各々独立に火
    焔形成可能な複数の個別火焔形成部からなることを特徴
    とする請求項5に記載のバーナー。
  7. 【請求項7】 クリーニング機構が酸素含有ガス供給領
    域及び/又は燃料供給領域の逆洗クリ−ニング機構であ
    ることを特徴とする請求項5または6に記載のバーナ
    ー。
  8. 【請求項8】 少なくとも請求項1乃至7の何れかに記
    載のバーナーを炉底面に有し、且つフラーレン類原料炭
    化水素供給口を有するフラーレン類の製造装置。
  9. 【請求項9】 炉底面に占めるバーナーの火焔形成部の
    割合が30%以上であることを特徴とする請求項8に記
    載のフラーレン類の製造装置。
JP2002005754A 2001-12-05 2002-01-15 バーナー及びこれを用いたフラーレン類の製造装置 Pending JP2003232505A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002005754A JP2003232505A (ja) 2001-12-05 2002-01-15 バーナー及びこれを用いたフラーレン類の製造装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-371919 2001-12-05
JP2001371919 2001-12-05
JP2002005754A JP2003232505A (ja) 2001-12-05 2002-01-15 バーナー及びこれを用いたフラーレン類の製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003232505A true JP2003232505A (ja) 2003-08-22

Family

ID=27790520

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002005754A Pending JP2003232505A (ja) 2001-12-05 2002-01-15 バーナー及びこれを用いたフラーレン類の製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003232505A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009192213A (ja) * 2008-01-17 2009-08-27 Chube Univ 燃焼器及び当該燃焼器を用いた発電装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009192213A (ja) * 2008-01-17 2009-08-27 Chube Univ 燃焼器及び当該燃焼器を用いた発電装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3561273B2 (ja) フラーレンを製造する方法
JP2780135B2 (ja) フラーレンを製造および分離するための方法および装置
JP2737736B2 (ja) カーボン単層ナノチューブの製造方法
EP1874685B1 (en) Method and apparatus for the continuous production and functionalization of single-waled carbon nanotubes using a high frequency plasma torch
US20120201266A1 (en) Plasma reactor for the synthesis of nanopowders and materials processing
JP2003510462A (ja) 基材上にナノチューブ層を生成する方法
JP2005515146A (ja) 中空ナノ構造のプラズマ合成
CA2505996A1 (en) Method and apparatus for producing single-wall carbon nanotubes
JP2011190172A (ja) 一次元炭素ナノ構造体の製造方法
JP4608863B2 (ja) カーボンナノチューブの製造装置および製造方法、並びにそれに用いるガス分解器
JP2001048512A (ja) 垂直配向カーボンナノチューブの作製方法
KR100658113B1 (ko) 화학기상응축법에 의한 실리카 코팅 나노철분말 합성공정
JP2003232505A (ja) バーナー及びこれを用いたフラーレン類の製造装置
JP2003171106A (ja) フラーレン類の製造方法およびフラーレン類の製造装置
JP4782504B2 (ja) 微細炭素繊維の製造装置及びその製造方法
JP2003160316A (ja) フラーレン類の製造方法およびフラーレン類の製造装置
JP3861075B2 (ja) フラーレンの製造方法及びその設備
JP2003192318A (ja) フラーレンの製造装置及びその製造方法
JP2003160317A (ja) フラーレン類の製造方法およびフラーレン類の製造装置
JP3970817B2 (ja) 粗カーボンナノチューブの精製方法
JP2021104917A (ja) 排ガスの冷却装置、フラーレンの製造装置及びフラーレンの製造方法
JPH10292126A (ja) カーボンブラックの製造方法
JP2003192321A (ja) フラーレンの製造装置
US20040124093A1 (en) Continuous production and separation of carbon-based materials
JP2003192319A (ja) フラーレンの製造装置