JP2003190792A - 触媒化されたセラミックス複合材及び合成ガス製造方法 - Google Patents

触媒化されたセラミックス複合材及び合成ガス製造方法

Info

Publication number
JP2003190792A
JP2003190792A JP2002299229A JP2002299229A JP2003190792A JP 2003190792 A JP2003190792 A JP 2003190792A JP 2002299229 A JP2002299229 A JP 2002299229A JP 2002299229 A JP2002299229 A JP 2002299229A JP 2003190792 A JP2003190792 A JP 2003190792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
less
catalyzed
composite material
methane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002299229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4430291B2 (ja
Inventor
Hideki Kurimura
英樹 栗村
Shoichi Kaganoi
彰一 加賀野井
Yohei Suzuki
洋平 鈴木
Takashi Ito
孝 伊藤
Tadashi Sakon
正 佐近
Wataru Ito
伊藤  渉
Hitoshi Donomae
等 堂野前
Toru Nagai
徹 永井
Kenji Hirano
兼次 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teikoku Oil Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Teikoku Oil Co Ltd
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teikoku Oil Co Ltd, Nippon Steel Corp filed Critical Teikoku Oil Co Ltd
Priority to JP2002299229A priority Critical patent/JP4430291B2/ja
Publication of JP2003190792A publication Critical patent/JP2003190792A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4430291B2 publication Critical patent/JP4430291B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/10Process efficiency
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 【課題】 緻密酸素選択透過セラミックス膜およびメタ
ン改質触媒層を一体化させた構造を有してなる隔膜を用
い、空気およびメタンを含有するガスを原料として、高
エネルギー効率、安価、且つ長期間安定的に合成ガスを
製造するに際し、前記隔膜に好適な触媒化されたセラミ
ックス複合材料と方法を提供する。 【解決手段】 組成が式(1)で表され、結晶構造がペ
ロブスカイト型の酸素イオン・電子混合導電性酸化物を
有してなる緻密セラミックス膜の第1表面に、触媒担体
の主成分がマグネシアであるNi含有触媒を含む触媒部
を隣接させた構造を有することを特徴とする触媒化され
たセラミックス複合材。 [Ln1-a-baBab][BxB'yB”z]O3-δ 式(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気または酸素含
有ガス中の酸素成分の分離と、メタン含有あるいは炭化
水素含有ガスの改質反応を単一装置内で行うことのでき
る、隔膜に好適な触媒化されたセラミックス複合材、お
よび隔膜を用いた合成ガス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】空気からの酸素の分離は、従来から工業
的に重要なプロセスであるが、現行の深冷蒸留方式に代
表される酸素製造技術は、資本集約型且つエネルギー多
消費型であり、プロセス形態等技術改良の進展はあるも
のの、本質的に、低沸点で沸点差の極めて小さい酸素と
窒素の沸点差に基づく分離技術である為、大幅なコスト
削減は困難である。
【0003】該状況下、酸素製造技術の新機軸として、
近年、特に欧米にて研究開発が活発化している緻密混合
導電性セラミックス膜を利用した高温(〜900℃)酸
素分離技術が、コンパクトな設備で且つ省エネルギーに
繋がる可能性を有する為、大きく注目を集めている。
【0004】緻密混合導電性セラミックス膜では、酸素
イオン及び電子が、これら以外の化学種(窒素、水、二
酸化炭素等)に対して不透質である緻密セラミック膜材
料を通して選択的に輸送される。酸素分子は、緻密セラ
ミックス膜表面(カソード側)で、膜の反対(アノード
側)から移動してきた電子と結合して酸素イオンを生成
する。酸素イオンは、緻密膜内を酸素イオンの化学ポテ
ンシャルの差に従い拡散移動し、アノード側で電子を放
出し、再び酸素分子となる。この時、電子は酸素イオン
と逆方向に移動することにより電気的中性を保つ。
【0005】メタンあるいは炭化水素を含むガスを原料
として、水素や合成ガス(一酸化炭素と水素の混合ガ
ス)に改質する技術は、石油・化学プロセスにおいて重
要な位置を占めてきたが、メタン等の炭化水素を含有す
るガスを原料として合成液体燃料を製造する技術(Ga
s−To−Liquids:GTL)や燃料電池技術の
進歩と相まって、前者は「未利用天然ガス資源等の有効
活用」と「地球環境に優しいクリーンエネルギー源の供
給」に、後者は「クリーン自動車への搭載」や「分散型
電源の普及」に繋がるとして、国内外での研究活動が近
年著しく活発化してきている。
【0006】該状況下、緻密混合導電性セラミックス膜
を、空気等酸素含有ガスからの酸素分離のみならず、改
質反応器として用いる技術の研究が最近加速されてい
る。この技術は、前記膜を隔膜として、一方に空気また
は酸素含有原料ガス、他方にメタン等の炭化水素含有原
料ガスを配し、隔膜を選択的に透過する酸素によって、
メタン等炭化水素分子の部分酸化反応(または酸化反
応)を起こさせるものである。メタン等炭化水素含有原
料ガス側(アノード側)の隔膜表面には、メタン等炭化
水素の改質触媒が隣接する。隔膜の空気または酸素含有
原料ガス側(カソード側)では、酸素分子の解離および
イオン化反応が起こり、ガス中の酸素成分は酸素イオン
となって隔膜中に取り込まれる。酸素イオンは、隔膜内
の酸素の化学ポテンシャル勾配にしたがってカソード側
からアノード側に拡散し、隔膜のアノード側で炭化水素
成分の部分酸化反応を起こす。電子は酸素イオンと逆方
向に流れ、カソード側で酸素原子をイオン化する。
【0007】通常、改質反応器の作動温度としては90
0℃程度が選ばれる。これは、緻密混合導電性セラミッ
クス材料が、酸素イオンおよび電子の両方を良く伝導す
る状態、すなわち、高い混合導電性を発現するには、通
常、800〜900℃の高温が必要なためである。
【0008】この方法では、炭化水素の部分酸化反応に
よって、膜を透過した酸素が直ちに消費されて、アノー
ド側の酸素分圧(酸素の化学ポテンシャル)が極めて小
さくなり、結果的に酸素の化学ポテンシャル差(酸素分
圧差)、即ち、隔膜における選択的酸素透過の駆動力が
非常に大きくなる。したがって、酸素透過速度、すなわ
ち、部分酸化反応速度を大きくでき、コンパクトな反応
器となる可能性を有する。また、メタン等炭化水素の部
分酸化反応を空気分離と同時に、即ち、シングルユニッ
トにて行うことができるため、高エネルギー効率で安価
な反応器となる可能性を有する。
【0009】該反応器の工業化には、その基本構成材料
である緻密混合導電性セラミックス膜とメタン(または
炭化水素)改質触媒との適切なる組合せ、および反応条
件の適正化により、高い酸素透過速度を得ながら、安定
して合成ガス製造を行うことができる基盤技術の確立が
必須条件となる。本基盤技術に関連して、WO99/2
1649には、メタン改質触媒の配置方法、同触媒材
料、さらにはセラミックス膜材料が開示されている。ま
た、米国特許6,033,632には、セラミックス膜
材料およびメタン改質触媒材料が開示されている。これ
らの技術は、緻密セラミックス膜に非常に高い耐還元性
を有する材料を用いること、および同材料と両立性の高
い触媒材料を用いることを特徴としている。
【0010】本発明者らは、本発明に先立ち、WO99
/21649あるいは米国特許6,033,632に記
載されている厚さ1mm弱の緻密セラミックス膜材料の
調製を行い、亀裂、割れが生じやすいことを確認した。
また、亀裂、割れを生じなかった緻密セラミックス膜に
メタン改質触媒を隣接させ、空気およびメタンをフィー
ドすることによる酸素透過速度測定を実施し、酸素透過
速度が低いこと、及び動作中に亀裂、割れが生じやすい
ことを実験的に明らかにした。即ち、これら特許に記載
されている材料では、緻密セラミックス膜の厚さを0.
1mm以下としなければ、実用的な酸素透過速度が得ら
れないことを実験的に確認するとともに、割れ、亀裂が
調製段階のみならず動作中においても発生しやすいこと
を確認した。厚さ0.1mm以下の緻密セラミックス膜
は、機械的強度が過小であり自立膜として使用できない
為、多孔質支持体に被覆して用いる必要がある。しかし
ながら、割れ、亀裂が生じやすい材料を用いて、十分な
機械的強度を有し、かつガス成分の孔内流動抵抗の小さ
い多孔質支持体を製造し、さらに、孔隙に富んだガス流
動抵抗の小さい多孔質支持体へ経済的に緻密セラミック
ス膜を被覆することは困難を極める。
【0011】一方、酸素透過が容易であるが耐還元性の
低い材料、例えば、一般式ABO3(A及びBは金属イ
オン)で表されるペロブスカイト構造を有する化合物の
BサイトにCoを相当量含有させたものにより、緻密セ
ラミックス膜を構成することは、古くから行われている
が、緻密セラミックス膜材料とメタン改質触媒材料との
組合せ、同触媒の配置方法については、過去に十分な検
討が行われていない。即ち、メタンを含有するガスを低
圧から高圧の条件下で、長期的に安定した高い酸素透過
速度に基づいて合成ガス製造を行うための、適正な具体
的材料の組合せ、触媒配置方法、これらに依存する反応
条件の適正化が実用的な合成ガス製造方法に必須となる
が、これらの技術は未だ開示されていない。
【0012】
【特許文献1】米国特許6,033,632号明細書
【特許文献2】国際公開 WO99/21649号パン
フレット
【0013】
【発明が解決しようとする課題】該状況下、本発明は、
緻密酸素選択透過セラミックス膜およびメタン(または
炭化水素)改質触媒層を一体化させた構造を有してなる
隔膜を用い、空気(または酸素含有ガス)およびメタン
含有ガス(または炭化水素含有ガス)を原料として、高
エネルギー効率、安価、且つ長期間安定的に、合成ガス
を製造するに際し、前記隔膜に好適な触媒化されたセラ
ミックス複合材、および合成ガス製造方法として適正な
合成ガス製造条件を具体的に提示することをその課題と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
になされた本発明の要旨は、次の通りである。
【0015】(1) 組成が式(1)で表され、結晶構
造がペロブスカイト型の酸素イオン・電子混合導電性酸
化物を有してなる緻密セラミックス膜の第1表面に、触
媒担体の主成分がマグネシアであるNi含有触媒を含む
触媒部を隣接させた構造を有することを特徴とする触媒
化されたセラミックス複合材。 [Ln1-a-baBab][BxB’yB”z]O3-δ 式(1) (ここで、Lnはランタノイド元素から選ばれる1種ま
たは2種以上の元素の組み合わせ、Aは、Sr、Ca、
またはこれらの元素の組み合わせ、Bは、Co、Fe、
Cr、及びGaから選ばれる1種または2種以上の元素
の組み合わせで、CrとGaのモル数の和が、全B元素
のモル数に対し、0%以上20%以下、B’は、Nb、
Ta、Ti、Zr、In、及びYから選ばれる1種また
は2種以上の元素の組み合わせで、Nb、Ta、In、
Yの少なくとも1種を含む、B”は、Zn、Li、Mg
から選ばれる1種または2種以上の元素の組み合わせ、
0.8≦a+b≦1、bは、B’がInのみで構成され
る場合には0.4≦b≦1.0、B’がYのみで構成さ
れる場合には0.5≦b≦1.0、B’がInとYのみ
で構成される場合には0.2≦b≦1.0、B’がI
n、Y以外の元素を含む場合には0≦b≦1.0、0<
x、0<y≦0.5、0≦z≦0.2、0.98≦x+
y+z≦1.02、δは、電荷中性条件を満たすように
決まる値である。)
【0016】(2) 前記緻密セラミックス膜の組成
が、前式(1)でb=1.0であることを特徴とする前
記(1)に記載の触媒化されたセラミックス複合材。
【0017】(3) 前記緻密セラミックス膜の第2表
面に、前記緻密セラミックス膜材料と独立して選ばれ、
組成が前式(1)によって表され、結晶構造がペロブス
カイト型である酸素イオン・電子混合導電性酸化物を有
してなる多孔質層が強固に接合する構造を有することを
特徴とする前記(1)または(2)に記載の触媒化され
たセラミックス複合材。
【0018】(4) 前記多孔質層が、気孔率が20%
以上80%以下であり、肉厚が0.001mm以上5m
m以下であることを特徴とする前記(3)に記載の触媒
化されたセラミックス複合材。
【0019】(5) 前記Ni含有触媒を含む触媒部
が、平均組成として一般式NiaMnbMg1-a-bc(こ
こで、0<a≦0.4、0≦b≦0.1、cは電荷中性
条件を満たすように決まる値)で表される組成物、およ
び/または、マグネシア主体の担体にNiまたはNiと
Mnを組み合わせた元素を担持したものを有し、さら
に、組成として前式(1)で表され、前記緻密セラミッ
クス膜あるいは前記多孔質層材料と独立して選ばれる複
合酸化物を有してなることを特徴とする前記(1)〜
(4)のいずれかに記載の触媒化されたセラミックス複
合材。
【0020】(6) 前記Ni含有触媒を含む触媒部
が、平均組成として一般式NiaMnbMg1-a-bc(こ
こで、0<a≦0.4、0≦b≦0.1、cは電荷中性
条件を満たすように決まる値)で表される組成物、およ
び/または、マグネシア主体の担体にNiまたはNiと
Mnを組み合わせた元素を担持したものを有し、さら
に、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、またはPt
から選ばれる1種または2種以上の金属元素を2質量%
以下担持したものを有してなることを特徴とする前記
(1)〜(4)のいずれかに記載の触媒化されたセラミ
ックス複合材。
【0021】(7) 前記Ni含有触媒を含む触媒部
が、平均組成として一般式NiaMnbMg1-a-bc(こ
こで、0<a≦0.4、0≦b≦0.1、cは電荷中性
条件を満たすように決まる値)で表される組成物、およ
び/または、マグネシア主体の担体にNiまたはNiと
Mnを組み合わせた元素を担持したものを有し、さら
に、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、またはPt
から選ばれる1種または2種以上の金属元素を2質量%
以下担持したものを有し、さらに加えて前式(1)によ
って表され、前記緻密セラミックス膜あるいは前記多孔
質層材料と独立して選ばれる複合酸化物を有してなるこ
とを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の
触媒化されたセラミックス複合材。
【0022】(8) 前記(1)〜(7)のいずれかに
記載の触媒化されたセラミック複合材料が、被覆層とし
て多孔質支持体に接合されることを特徴とする触媒化さ
れたセラミックス複合材。
【0023】(9) 前記Ni含有触媒を含む触媒部
が、平均孔径0.1μm以上10μm以下で、厚さ0.
01mm以上1mm以下の多孔質層状構造が前記緻密セ
ラミックス膜の第1表面に強固に接合することを特徴と
する前記(1)〜(8)のいずれかに記載の触媒化され
たセラミックス複合材。
【0024】(10) 前記Ni含有触媒を含む触媒部
が、平均孔径0.1μm以上10μm以下で、厚さ0.
01mm以上1mm以下の多孔質層状構造が前記緻密セ
ラミックス膜の第1表面に強固に接合し、さらに粒径
0.5mm以上50mm以下に整粒された改質触媒部
が、前記多孔質層状構造に隣接することを特徴とする前
記(1)〜(8)のいずれかに記載の触媒化されたセラ
ミックス複合材。
【0025】(11) 前記緻密セラミックス膜の厚さ
が0.5mm以上1.5mm以下の自立膜であり、前記
Ni含有触媒を含む触媒部として、平均孔径0.1μm
以上10μm以下で厚さ0.01mm以上1mm以下の
多孔質層状構造が、前記緻密セラミックス膜の第1表面
に強固に接合することを特徴とする前記(1)〜(7)
のいずれかに記載の触媒化されたセラミックス複合材。
【0026】(12) 前記緻密セラミックス膜の厚さ
が0.5mm以上1.5mm以下の自立膜であり、前記
Ni含有触媒を含む触媒部として、平均孔径0.1μm
以上10μm以下で厚さ0.01mm以上1mm以下の
多孔質層状構造が、前記緻密セラミックス膜の第1表面
に強固に接合し、さらに粒径0.5mm以上50mm以
下に整粒された改質触媒部が、前記多孔質層状構造に隣
接することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれか
に記載の触媒化されたセラミックス複合材。
【0027】(13) 前記整粒された改質触媒部が、
前記(5)〜(7)のいずれかに記載のNi含有触媒を
含む触媒部の材料、および/または、Ni、Ru、R
h、Pd、Re、Os、Ir、またはPtから選ばれる
1種または2種以上の金属元素の組み合わせで、Niま
たはRuの1種以上を含んでなる金属元素を非マグネシ
ウム系触媒担体に担持させたものを有してなることを特
徴とする前記(10)または(12)に記載の触媒化さ
れたセラミックス複合材。
【0028】(14) 前記(1)〜(13)のいずれ
かに記載の触媒化されたセラミックス複合材を有してな
る隔膜を用い、該隔膜の触媒部側をメタン含有または炭
化水素含有ガス雰囲気、その反対側を空気または酸素含
有ガス雰囲気とすることを特徴とする合成ガス製造方
法。
【0029】(15) 前記(9)または(11)に記
載の触媒化されたセラミックス複合材を有してなる隔膜
を用い、該隔膜の触媒部側を圧力0.3MPa以上10
MPa以下のメタン含有ガス雰囲気、その反対側を空気
または酸素含有ガス雰囲気とすることを特徴とする合成
ガス製造方法。
【0030】(16) 前記(10)、(12)および
(13)のいずれかに記載の触媒化されたセラミックス
複合材を有してなる隔膜を用い、該隔膜の触媒部側を圧
力0.5MPa以下のメタン含有ガス雰囲気、その反対
側を空気または酸素含有ガス雰囲気とすることを特徴と
する合成ガス製造方法。
【0031】(17) 前記メタン含有ガス雰囲気中に
外部から水蒸気を含有させ、水蒸気とメタンとの濃度比
を2以下にすることを特徴とする前記(14)〜(1
6)のいずれかに記載の合成ガス製造方法。
【0032】(18) 前記メタン含有ガスが、天然ガ
ス、炭田ガス、コークス炉ガス、またはフィッシャート
ロプッシュ合成反応からのリサイクルガスである、また
は、天然ガス、炭田ガス、コークス炉ガス、LPG、ナ
フサ、ガソリン、または灯油の改質ガスであることを特
徴とする前記(14)〜(17)のいずれかに記載の合
成ガス製造方法。
【0033】(19) 前記(1)〜(13)のいずれ
かに記載の触媒化されたセラミック複合材を有してなる
隔膜を備えてなることを特徴とする合成ガス製造装置。
【0034】(20) 結晶構造がペロブスカイト型の
酸素イオン・電子混合導電性酸化物を有してなる緻密セ
ラミックス膜の第1表面に、平均組成として、一般式N
aMnbMg1-a-bc(ここで、0<a≦0.4、0≦
b≦0.1、cは電荷中性条件を満たすように決まる
値)によって表される組成物を含むNi含有触媒部を隣
接させた構造を有してなる触媒化されたセラミックス複
合材を有してなる隔膜に対し、該隔膜の触媒部側を圧力
0.3MPa以上10MPa以下のメタン含有ガス雰囲
気、その反対側を空気または酸素含有ガス雰囲気とする
ことを特徴とするNi含有触媒部の活性化方法。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明者らは、従来、合成ガス製
造用隔膜に用いることは難しいとされていた、耐還元性
に劣るが酸素透過速度の高い混合導電性酸化物材料を、
隔膜用途の触媒化されたセラミックス複合材における緻
密セラミックス膜に適用することを前提に、緻密セラミ
ックス膜材料とメタン改質触媒材料の具体的選択と、こ
れらの最適な組合せについてまず検討した。その結果、
一般式ABO3(A及びBは金属イオン)で表されるペ
ロブスカイト構造を有する化合物のBサイトに、Nb、
Ta、In、およびYから選ばれる1種または2種以上
の元素の組み合わせを添加した、特定組成範囲のペロブ
スカイト型混合導電性酸化物を緻密セラミックス膜材料
とし、主成分がマグネシアである担体に担持させたNi
含有触媒を、メタン改質触媒材料として組み合わせるこ
とが有効であることを見出した。より具体的に言えば、
本発明者らは、組成が下式(1)で表され、結晶構造が
ペロブスカイト型の酸素イオン・電子混合導電性酸化物
を有してなる緻密セラミックス膜の第1表面に、触媒担
体の主成分がマグネシアのNi含有触媒を含む触媒部を
隣接させた構造を有することを特徴とする触媒・セラミ
ックス複合材料が、合成ガスを製造する隔膜用の材料と
して好適であることを見出した。 [Ln1-a-baBab][BxB’yB”z]O3-δ 式(1) (ただし、Lnはランタノイド元素から選ばれる1種ま
たは2種以上の元素の組み合わせである。Aは、Sr、
Ca、またはこれらの元素の組み合わせである。Bは、
Co、Fe、Cr、及びGaから選ばれる1種または2
種以上の元素の組み合わせで、CrとGaのモル数の和
が全B元素のモル数に対し0%以上20%以下である。
B’は、Nb、Ta、Ti、Zr、In、及びYから選
ばれる1種または2種以上の元素の組み合わせで、N
b、Ta、In、Yの少なくとも1種を含む。B”は、
Zn、Li、Mgから選ばれる1種または2種以上の元
素の組み合わせである。0.8≦a+b≦1である。b
は、B’がInのみで構成される場合には0.4≦b≦
1.0、B’がYのみで構成される場合には0.5≦b
≦1.0、B’がInとYのみで構成される場合には
0.2≦b≦1.0、B’がIn、Y以外の元素を含む
場合には0≦b≦1.0である。0<x、0<y≦0.
5、0≦z≦0.2、0.98≦x+y+z≦1.02
である。δは、電荷中性条件を満たすように決まる値で
ある。)
【0036】本発明者らは、下記実施例に示したよう
に、前記複合材料によって、緻密セラミックス膜が調製
時に亀裂・割れを生じることなく、且つ、劣化したり、
還元膨張等によって破壊したりせず、高酸素透過性を維
持して、長期間安定的に合成ガスが製造できることを実
験で確認した。
【0037】本発明の触媒化されたセラミックス複合材
によって、上記が可能となる理由については、以下のよ
うに考えられる。
【0038】混合導電性酸化物である緻密セラミックス
膜のメタン含有ガス側表面では、膜中を拡散透過して来
る酸素イオンが酸素原子ないし酸素分子となった後、原
料メタン含有ガス中のメタン(及び炭化水素)成分と反
応して、反応式(2)で表されるように、完全酸化反応
によってCO2とH2Oを生成する。 CH4+4O(または2O2)→CO2+2H2O 式(2)
【0039】メタン含有ガス雰囲気の熱力学的酸素分圧
は、CO、CO2、H2、H2O、CH4、O2の間の化学
平衡によって定まり、CO2及びH2Oの比率が大きいほ
ど高く、逆に、CO、H2、CH4の比率が大きいほど低
くなる。例えば、900℃で、CO/CO2比及びH2
2O比が0.01以下であれば、酸素分圧は10-10
10-12atmとなる。しかし、通常のメタン改質触媒
が存在すると、以下の式(3)および式(4)の反応が
直ちに進行してCO及びH2が生成するため、酸素分圧
は極めて低くなる。通常のメタン改質触媒が緻密セラミ
ックス膜に隣接する場合には、緻密セラミックス膜/メ
タン改質触媒界面近傍でも、改質反応が進行して酸素分
圧が著しく低くなるため、耐還元性の低い混合導電性酸
化物を緻密セラミックス膜にした場合には、還元によっ
て膜の劣化や破壊を生ずる。本発明者らはこのことを実
験によって何回も経験した。 CH4+H2O→CO+3H2 式(3) CH4+CO2→2CO+2H2 式(4)
【0040】これに対し、本発明の触媒化されたセラミ
ックス複合材の必須構成要素であるNi含有触媒は、特
異な機能を発揮する。
【0041】Ni含有触媒は、Niが金属状態でのみメ
タン改質触媒として機能し、酸化物の場合には改質触媒
能がなく、逆に、触媒活性は混合導電性酸化物に劣るも
のの、酸化反応触媒として機能する。金属Niが酸化さ
れて酸化物となる条件は、熱力学によって定まり、例え
ば900℃では10-10〜10-12atmの酸素分圧で酸
化物が安定となる。したがって、高酸素透過性の混合導
電性酸化物を緻密セラミックス膜とし、これにNi含有
触媒を隣接させた場合、緻密セラミックス膜/Ni含有
触媒の界面付近の酸素分圧は、Ni含有触媒が酸化され
る程度に高く保たれ、この付近ではCO、H2がほとん
ど生成しない。
【0042】一方、Ni含有触媒が、原料のメタン含有
ガスに晒されている付近では、ガス中のCH4比率が高
いために酸素分圧が極めて低くなっており、例えば90
0℃では10-12atmよりもはるかに小さい。この状
況下、Ni含有触媒中のNiは金属状態になり、メタン
改質触媒として機能するため、式(3)および式(4)
の改質反応が進行し、結果として合成ガスが生成する。
すなわち、Ni含有触媒部の緻密セラミックス膜側では
酸素分圧が比較的高く、改質反応が抑制されるのに対
し、Ni含有触媒部の原料メタン含有ガス側では酸素分
圧が極めて低く、改質反応が進行する。式(2)の完全
酸化反応は発熱反応であるのに対し、式(3)および式
(4)の改質反応は吸熱反応であり、緻密セラミックス
膜/Ni含有触媒界面付近(完全酸化反応が起こる)で
生ずる燃焼反応熱は、Ni含有触媒部の原料メタン含有
ガス側で、改質反応を介して大部分が吸収される。すな
わち、Ni含有触媒部には、熱を原料メタン含有ガス側
に逃がし、材料劣化につながる緻密セラミックス膜の過
度の温度上昇を抑制する作用もある。熱の移動を効率的
に行うには、Ni含有触媒部と緻密セラミックス膜部が
近接している必要がある。また、完全酸化反応および改
質反応に関わるガス種の移動を効率的に行うには、触媒
部が多孔質である必要がある。尚、Niと同程度の酸素
分圧を境にして、酸化物になったり金属になったりする
金属触媒としては、Ni以外には、Co及びFeがある
が、これらは改質触媒としての活性が低いため、触媒部
における主活性金属種としては好ましくない。本発明の
触媒化されたセラミックス複合材においては、Ni含有
触媒部にCo及びFeが含まれていても構わないが、主
成分はあくまでもNiである。
【0043】前述したように、Ni含有触媒部を隣接さ
せると、緻密セラミックス膜/触媒界面近傍の酸素分圧
は適度に高く保たれる。したがって、この場合、緻密セ
ラミックス膜に用いる混合導電性酸化物は、その耐還元
性が、通常のメタン改質触媒を隣接させる場合に比較し
てそれほど高くなくても良く、中程度の耐還元性でも劣
化したり破壊したりしない。本発明の触媒化されたセラ
ミックス複合材の必須構成要素である、組成が前記の式
(1)によって表され、結晶構造がペロブスカイト型の
酸素イオン・電子混合導電性酸化物は、少なくともNi
含有触媒部が隣接する場合、合成ガス製造条件下に置か
れても還元による劣化および破壊を起こさない。また、
この材料は、カソード側の原料空気または酸素含有ガス
の酸素分圧が高い場合、例えば高圧空気に晒されても、
カソード側表面が劣化して酸素透過速度を低下させるこ
とがなく、破壊もしない。
【0044】これに対して、より還元されやすい材料、
例えば[Ba1-aSra][CoxFey]O3-δ(ここ
で、0.2≦a≦1.0、0.7≦x、0<y≦0.
3、0.98≦x+y≦1.02、δは電荷中性条件を
満たすように決まる値。)を緻密セラミックス膜に用い
た場合、Ni含有触媒部を隣接させても、合成ガス製造
速度が次第に低下し、最終的に膜が破壊されることがあ
る。前式(1)で表される材料の耐還元性が比較的高い
のは、Bサイトに少なくとも1種含まれるNb、Ta、
In、Yが、ペロブスカイト型の結晶構造を強く安定化
させる作用を持つためである。特に、Nb及びTaは酸
素イオンと強い親和性を有し、さらにNb及びTaより
効果は小さいが、Bサイトに含まれるFeも同様の効果
を有するため、ペロブスカイト型構造を安定化させるも
のと考えられる。しかも、この材料は高い酸素透過性を
有するという特徴を有するため、0.5〜1.5mmと
いった厚膜であっても、充分に高い酸素透過速度すなわ
ち合成ガス製造速度が得られる。
【0045】式(1)のBの構成元素の内、CrとGa
の含有量を全B元素のモル数に対し、20%以下に限定
するのは、CrとGaの含有量がこの範囲を超えると酸
素イオン導電性が低下するからである。B’がInの
み、Yのみ、InとYのみの場合についてbの範囲を限
定するのは、bがこの範囲外ではペロブスカイト型構造
の安定性が低下するからである。B’がIn、Y以外の
元素を含む場合には、0≦b≦1.0の範囲でペロブス
カイト型構造は安定である。a+bの範囲を限定するの
は、a+bがこの範囲を外れると、酸素イオン導電性が
低下するからである。yの範囲を0.5以下に限定する
のは、この範囲を超えてNb、Ta、Ti、Zr、I
n、Yを含有すると、酸素イオン導電性が低下するから
である。zの範囲を0.2以下に限定するのは、この範
囲を超えてZn、Li、Mgを含有すると、酸素イオン
導電性が低下したり、ペロブスカイト型構造の安定性が
低下する問題を生じるからである。さらにx+y+zの
範囲を限定するのは、x+y+zがこの範囲を外れると
酸素イオン導電性が低下する問題を生じるからである。
この材料の酸素透過性を特に高めたい場合には、前式
(1)において、b=1.0である組成が好ましい。
【0046】本発明の触媒化されたセラミックス複合材
を自立膜として利用する場合には、厚さを0.5mm以
上1.5mm以下、好ましくは0.7mm以上1.3m
m以下の範囲とする。厚さが0.5mm未満であると、
機械的強度の観点から自立膜とすることが困難である。
厚さが1.5mm超であると、酸素透過速度すなわち合
成ガス製造速度が小さくなるので好ましくない。また、
本発明の触媒化されたセラミックス複合材においては、
緻密セラミックス膜の厚さが0.5mm未満で自立膜化
が困難な場合、あるいは厚さが0.5mm以上でも隔膜
としての機械的強度を補強したい場合には、多孔質支持
体上に被覆された薄膜構造にしても良い。
【0047】この場合、多孔質支持体材料としては、本
発明の触媒化されたセラミックス複合材において緻密セ
ラミックス膜や多孔質層の材料として用いられる、組成
が前式(1)で表され、結晶構造がペロブスカイト型の
酸素イオン・電子混合導電性酸化物でも良いし、別の混
合導電性酸化物材料でも良い。これらの多孔質支持体材
料には、熱膨張係数が本発明の触媒化されたセラミック
ス複合材の被覆層と同一または同程度となるように選択
できるという利点がある。多孔質支持体材料としては、
また、熱膨張係数の異なる耐熱材料、例えば、耐熱金属
材料、安定化ジルコニア等の一般のセラミック材料も用
い得る。但し、この場合には、例えば熱膨張係数の異な
る層を積層するなどして、多孔質支持体の厚さ方向の熱
膨張係数を順次変化させ、最終的に本発明の触媒化され
たセラミックス複合材の被覆層と接合する層の熱膨張係
数を、本発明の触媒化されたセラミックス複合材の被覆
層の熱膨張係数と同一または同程度とする必要がある。
【0048】本発明の触媒化されたセラミックス複合材
料において、Ni含有触媒部に用いられる触媒担体はマ
グネシアを主成分とする。これは、マグネシアが、合成
ガス製造条件下においても空気中においても、緻密セラ
ミックス膜の混合導電性材料とほとんど固相反応しな
い、あるいは全く固相反応しない、という特性を有する
ためである。本発明者らは、このことを、充分に粉砕し
たマグネシア紛および緻密セラミックス膜材料紛を混合
して、空気中またはCO2とH2Oとの混合ガス中にて長
時間高温熱処理し、室温まで冷却後、X線回折法で熱処
理紛の結晶構造を調べることで確認した。
【0049】これ以外の触媒担体、例えばアルミナ担体
は、混合導電性材料と固相反応するため、酸素透過速度
すなわち合成ガス製造速度が低下したり、緻密セラミッ
クス膜が破壊したりすることがある。これに対し、触媒
担体の主成分がマグネシアであるNi含有触媒を用いた
場合、緻密セラミックス膜に隣接させてもそのような問
題を生じない。
【0050】以上、詳細に説明したように、本発明の触
媒化されたセラミックス複合材の根元的な構造上の特徴
は、(a) 中程度の耐還元性を有し、高酸素透過性で
ある前記特定組成範囲のペロブスカイト型混合導電性酸
化物を緻密セラミックス膜材料とし、(b) 緻密セラ
ミックス膜材料と固相反応しないマグネシアを主成分と
する触媒担体を用い、(c) 比較的高酸素分圧下では
酸化物となってメタン改質反応を起こさず、低酸素分圧
下では金属となってメタン改質反応を起こすNiを主成
分として、前記触媒担体に担持させて触媒部と成し、
(d) 前記触媒部を緻密セラミックス膜に隣接させる
ことによって、触媒部/セラミックス膜界面近傍の酸素
分圧を適度に高めて、前記緻密セラミックス膜の還元破
壊を防止すると同時に、透過酸素成分によるメタンの完
全酸化反応を進行させ、続いて触媒部の原料メタン含有
ガス側にて、メタンの改質反応を進行させて合成ガスを
生成させる、点にある。
【0051】本発明の触媒化されたセラミックス複合材
において、Ni含有触媒部が緻密セラミックス膜に隣接
することは必須な要件であって、もし両者が離れていれ
ば、緻密セラミックス膜の原料メタン含有ガス側表面付
近の酸素分圧が過度に高くなって、酸素透過速度すなわ
ち合成ガス製造速度が極端に低下すると同時に、同部に
て起こる完全酸化反応の燃焼熱が移動しにくくなり、膜
部の温度が過度に上昇して膜の劣化や破壊を生ずる。ま
た、触媒部の温度が低下して改質反応が抑制され、合成
ガス中のCO2及びH2Oの割合が増加して好ましくな
い。Ni含有触媒部と緻密セラミックス膜との距離を小
さくし、かつ改質反応を効率的に起こすには、Ni含有
触媒部を平均孔径0.1μm以上10μm以下で、厚さ
0.01mm以上1mm以下、好ましくは厚さ0.1m
m以上0.5mm以下の多孔質層状構造として緻密セラ
ミックス膜に積層し、両者を強固に接合する方法が有効
である。
【0052】また、場合によっては、さらに、粒径0.
5mm以上50mm以下に整粒された改質触媒部(以
下、整粒改質触媒部と記す)を、前記多孔質層状構造の
Ni含有触媒部(以下、多孔質Ni含有触媒層と記す)
に隣接させる方法が有効である。整粒改質触媒部の有無
は、本発明の触媒化されたセラミックス複合材を隔膜と
して合成ガスを製造するに際しての、原料メタン含有ガ
スの圧力に依存する。原料メタン含有ガスの圧力が、
0.3MPa以上10MPa以下、好ましくは0.5M
Pa以上5MPa以下の場合、比較的少量の触媒でも改
質反応が迅速に進行するため、整粒改質触媒部は必ずし
も必要ない。但し、粒径0.5mm以上50mm以下に
整粒された整粒改質触媒部は、ガス流動に対してほとん
ど抵抗にならないため、原料メタン含有ガスが0.3M
Pa以上10MPa以下の高圧の場合でも、経済的には
不利であるが利用可能である。
【0053】一方、原料メタン含有ガスの圧力が0.5
MPa以下の場合、改質反応速度が比較的遅いために、
多孔質Ni含有触媒層だけでは改質反応が充分に進まな
いことがある。このような場合には、整粒改質触媒部を
隣接させることで改質反応を完結させる。整粒改質触媒
部の触媒及び触媒担体としては、改質反応に対して活性
で、かつ、固相反応等によって多孔質Ni含有触媒に劣
化や破壊等の損傷を与えないものであれば良く、例え
ば、Ni含有触媒部と同じものを利用しても良いし、非
マグネシア系触媒担体に、Ni、Ru、Rh、Pd、R
e、Os、Ir、Ptから選ばれる1種または2種以上
の金属元素の組み合わせで、NiまたはRuの少なくと
も1種を含む金属を担持させたものでも良い。
【0054】整粒改質触媒部を隣接させた本発明の触媒
化されたセラミックス複合材の例としては、多孔質Ni
含有触媒層を内面に積層(被覆、焼成して強固に接合)
した触媒化されたセラミックス複合管の内部に整粒改質
触媒粒を充填したものが挙げられる。
【0055】多孔質Ni含有触媒層の平均孔径と厚さ、
及び整粒改質触媒部の粒径を限定した理由は、以下の通
りである。
【0056】多孔質Ni含有触媒層の平均孔径が10μ
m超であると、機械的に脆弱となり、実用し難くなる。
これに対し、平均孔径10μm以下のものは機械的に強
固である。しかし、平均孔径0.1μm未満ではガス種
の交換が迅速に行われないため好ましくない。また、多
孔質Ni含有触媒層の厚さが0.01mm未満の場合に
は、メタン含有ガスが0.5MPa以下の場合に充分な
触媒能が得られないことがあり、厚さ1mm超では剥離
することがあるので好ましくない。これに対し、厚さ
0.01mm以上1mm以下では比較的充分な触媒能が
得られ、剥離し難く、なかでも0.1mm以上0.5m
m以下では充分な触媒能が得られ、剥離は全く生じな
い。
【0057】整粒改質触媒部の粒径を0.5mm以上と
したのは、粒径が0.5mm未満であるとガス流路が狭
くなってガス流動に対して抵抗となり、整粒改質触媒部
層が厚い場合にはガス種の交換が迅速に行われなくな
る、すなわち合成ガス製造が抑制されることがあるため
である。また、50mm以下としたのは、この値を超え
ると表面積が著しく低下するためである。
【0058】本発明の触媒化されたセラミックス複合材
は、緻密セラミックス膜が還元膨張等によって破壊した
りせず、高酸素透過性を維持して、長期間安定的に合成
ガスを製造できる。酸素透過速度すなわち合成ガス製造
速度は、緻密セラミックス膜を薄くするほど増大する
が、ある程度薄くなると空気(カソード)側の界面反応
が律速に近づいて、酸素透過速度の増大が抑制されるよ
うになる。この場合には、本発明の触媒化されたセラミ
ックス複合材の緻密セラミックス膜の第2表面(空気含
有ガス側表面)に対して、緻密セラミックス膜材料と独
立して選ばれた、組成が前式(1)で表され、結晶構造
がペロブスカイト型である酸素イオン・電子混合導電性
酸化物を有してなる多孔質層を強固に接合させることが
有効である。これによって、カソード反応を起こす反応
面積が飛躍的に増大するため、カソード反応が律速する
ことを回避できる。この材料は、カソード反応に対して
高い活性を有し、さらに、高圧空気等の高酸素分圧雰囲
気に晒されても、結晶変態によって劣化することがな
く、カソード反応速度が低下しない。これは、Bサイト
に含まれるNb、Ta、InおよびYが、ペロブスカイ
ト型の結晶構造を強く安定化させる作用を持つためと考
えられる。
【0059】本発明の触媒化されたセラミックス複合材
では、前記多孔質層の気孔率を20%以上80%以下、
好ましくは30%以上70%以下とする。また、厚さに
ついては、0.001mm以上5mm以下、好ましくは
0.01mm以上1mm以下、さらに好ましくは0.0
5mm以上0.5mm以下とする。気孔率を20%未満
としたり、厚さを5mm超とすると、多孔質層内のガス
流動抵抗が大きくなり、酸素透過速度すなわち合成ガス
製造速度の増大が抑制されるので好ましくない。気孔率
を80%超とすると機械的に脆弱となり、多孔質層を緻
密セラミックス膜材料に強固に接合させることができな
くなるので好ましくない。また、厚さが0.001mm
未満の場合には、反応面積の増大が不充分であるため、
酸素透過速度すなわち合成ガス製造速度は多孔質層を接
合させない時とあまり変わらず、狙いとするカソード反
応促進効果が得られない。
【0060】本発明の触媒化されたセラミックス複合材
では、緻密セラミックス膜に隣接する触媒部として、す
でに説明したように、主成分がマグネシアの触媒担体に
活性金属種の主成分としてNiを含有したものを用い
る。前記Ni含有触媒としては、マグネシア主体の担体
に含浸担持法等の方法で、Ni、またはNiとMnを組
み合わせた元素を担持したもの、あるいは平均組成とし
て、一般式 NiaMnbMg1-a-bc (ここで、0<a≦0.4、0≦b≦0.1、cは電荷
中性条件を満たすように決まる値)によって表される組
成物を用いることができる。
【0061】前者の場合、メタン含有ガスの圧力が少な
くとも常圧から2MPaの範囲で、安定して触媒活性を
示す。後者の場合、前記組成物は、触媒調整段階で、N
iまたはNiOxをマグネシアに固溶させるいわゆる固
溶体触媒であって、還元性雰囲気に置かれることによっ
て、Ni分が金属Niに還元されて炭化水素改質触媒と
なる。
【0062】一方、外部からのメタン含有ガスへの水蒸
気投入量が過小である等、反応条件によっては、過度に
Niが還元され、Ni粒子の粒成長、結果的には炭素析
出性の増大に繋がるという問題があるが、該問題に対し
て、本発明者らは特開2000−288394号公報等
に開示しているように、マグネシア系触媒へ、酸素解離
能の高いMnを固溶させる触媒を用いるのが好適である
ことを実験で確認している。固溶体触媒は一般に難還元
性であるが、本発明者らは、前記組成物の場合、温度を
900℃程度とし、メタン含有ガスの圧力を0.5MP
a以上とすることで、また、Ru、Rh、Pd、Re、
Os、Ir、またはPtから選ばれる1種または2種以
上の金属が2質量%以下の範囲で共存する場合には、メ
タン含有ガスの圧力を0.3MPa以上とすることで、
還元が始まり、炭化水素改質触媒としての活性を発現す
ることを見出した。
【0063】NiaMnbMg1-a-bO触媒にMnが含ま
れなくても、多少長い時間を要するが、前記同様に還元
することが可能である。前記還元方法は、NiaMnb
1- a-bO触媒層を積層した本発明の触媒化されたセラ
ミックス複合材を隔膜として合成ガス製造条件下にお
き、メタン含有ガス側の圧力を上げるだけで、緻密セラ
ミックス膜を還元することなく、NiaMnbMg1-a-b
O触媒の活性化ができるという利点があり、本発明の目
的に好適である。このようにして得られる固溶体触媒
は、Niが極めて高度に分散しており、触媒活性が高
く、また炭素析出性が低い。但し、メタン含有ガスの圧
力が0.3MPa未満では触媒活性が不充分なことがあ
るので、利用に際しては注意が必要である。
【0064】Ni担持触媒の場合、5質量%以上40質
量%以下の担持量が好ましく、10質量%以上30質量
%以下の担持量がさらに好ましい。これは、担持量5質
量%未満では触媒活性が不充分であり、40質量%超で
は触媒活性が飽和するとともに炭素析出性が増大するた
めである。
【0065】また、ニッケル・マグネシア固溶体触媒N
aMnbMg1-a-bOの組成範囲は、前述の如く、0<
a≦0.4、0≦b≦0.1であるが、好ましくは0.
05≦a≦0.3、0≦b≦0.08、さらに好ましく
は0.1≦a≦0.2、0≦b≦0.06である。これ
は、a>0.4の場合、触媒活性が飽和するとともに炭
素析出性が増大するためである。また、b>0.1の場
合、固溶させるのが困難となる。
【0066】本発明の触媒化されたセラミックス複合材
では、これら以外に触媒部として、(a) 平均組成と
して、一般式NiaMnbMg1-a-bc(ここで、0<a
≦0.4、0≦b≦0.1、cは電荷中性条件を満たす
ように決まる値)で表される組成物またはマグネシア主
体の担体に、Ni、またはNiとMnを組み合わせた元
素を担持したもの、および、組成が前式(1)で表さ
れ、緻密セラミックス膜あるいは多孔質材料と独立して
選ばれる複合酸化物を有してなるもの、(b) 平均組
成として、一般式NiaMnbMg1-a-bc(ここで、0
<a≦0.4、0≦b≦0.1、cは電荷中性条件を満
たすように決まる値)によって表される組成物またはマ
グネシア主体の担体に、Ni、またはNiとMnを組み
合わせた元素を担持したものに、さらに、Ru、Rh、
Pd、Re、Os、Ir、またはPtから選ばれる1種
または2種以上の金属を2質量%以下の範囲で担持した
もの、を有してなるもの、(c) 平均組成として、一
般式NiaMnbMg1-a-bc(ここで、0<a≦0.
4、0≦b≦0.1、cは電荷中性条件を満たすように
決まる値)によって表される組成物またはマグネシア主
体の担体に、Ni、またはNiとMnを組み合わせた元
素を担持したものに、さらに、Ru、Rh、Pd、R
e、Os、Ir、またはPtから選ばれる1種または2
種以上の金属を2質量%以下の範囲で担持したもの、さ
らに加えて、組成が前式(1)で表され、緻密セラミッ
クス膜あるいは多孔質材料と独立して選ばれる複合酸化
物、を有してなるもの、を用いることができる。
【0067】前記(a)に記載の前式(1)で表される
複合酸化物は、メタン等炭化水素の酸化触媒として機能
し、CO2及びH2Oを生成するため、緻密セラミックス
膜/触媒部界面近傍の酸素分圧が適度に高くなり、緻密
セラミックス膜の劣化および破壊の防止に役立つ。ま
た、触媒担体の主成分がマグネシアのNi含有触媒は、
マグネシアが緻密セラミックス膜と固相反応を起こし難
いため、積層する(隣接させる)場合にうまく接合しな
い、あるいは強固に接合しないことがあるが、前記複合
酸化物は触媒部と緻密セラミックス膜の接合をより強固
にする機能をもあわせ持つ。前記複合酸化物はNb、T
a、In、Yの少なくとも1種を含むために耐還元性に
優れている。耐還元性を特に向上させる場合には、規定
した組成範囲のなかで、Nb、Ta、In、YおよびF
eの含有率を上げれば良く、ただし、規定した組成範囲
を超えると、酸化触媒としての機能や耐還元性が低下す
るので好ましくない。
【0068】前記(b)に記載のRu、Rh、Pd、R
e、Os、Ir、またはPtから選ばれる1種または2
種以上の金属は、炭化水素に対し高活性な改質触媒とし
て機能し、メタン等炭化水素、CO2およびH2Oから、
COおよびH2を高速度で生成するため、金属活性種が
Ni単独の場合に比較して、合成ガス製造速度を増大さ
せる。しかし、いずれも高価貴金属であるため、その担
持量を最小限とする必要があり、担持量は2質量%以
下、好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5
質量%以下とする。尚、触媒担体の主成分がマグネシア
のNi含有触媒は、マグネシアが緻密セラミックス膜と
固相反応を起こし難いため、積層する(隣接させる)場
合にうまく接合しないことがあるが、前記担持金属に
は、触媒部と緻密セラミックス膜の接合をより強固にす
る機能もある。
【0069】前記(c)に記載のものは、前記(a)と
前記(b)の組み合わせであり、合成ガス製造速度が大
きいという特徴がある。その他の特性、作用、および制
限事項等についてはすでに説明した通りである。
【0070】すでに説明したように、本発明の触媒化さ
れたセラミックス複合材を有してなる隔膜を用い、触媒
部側をメタン含有ガス雰囲気、その反対側を空気または
酸素含有ガス雰囲気とすることによって、合成ガスを高
エネルギー効率、安価、且つ長期間安定的に製造するこ
とができる。好適な製造方法は、温度を、通常850℃
以上1000℃以下、好ましくは900℃以上950℃
以下とするとともに、以下の条件とする。 (a) 本発明の触媒化されたセラミックス複合材にお
いて、Ni含有触媒部として、平均孔径0.1μm以上
10μm以下で、厚さ0.01mm以上1mm以下の多
孔質層状構造(多孔質Ni含有触媒層)が第1表面に強
固に接合する場合、触媒部側のメタン含有ガスの圧力を
0.3MPa以上10MPa以下とする。 (b) 本発明の触媒化されたセラミックス複合材料に
おいて、Ni含有触媒部として、平均孔径0.1μm以
上10μm以下で、厚さ0.01mm以上1mm以下の
多孔質層状構造(多孔質Ni含有触媒層)が第1表面に
強固に接合し、さらに粒径0.5mm以上50mm以下
に整粒された改質触媒部(整粒改質触媒部)が、前記多
孔質層状構造に隣接する場合、触媒部側のメタン含有ガ
スの圧力を0.5MPa以下とする。 (c) メタン含有ガス中に外部から水蒸気を含有さ
せ、該水蒸気とメタンとの濃度比が2以下の範囲とす
る。
【0071】前記(a)が好適な理由は、原料メタン含
有ガスの圧力が0.3MPa以上10MPa以下、好ま
しくは0.5MPa以上5MPa以下の場合、比較的少
量の触媒でも改質反応が迅速に進行するため、整粒改質
触媒部を必要としないからである。
【0072】前記(b)が好適な理由は、原料メタン含
有ガスが0.5MPa以下の場合、改質反応速度が比較
的遅く、多孔質Ni含有触媒層に加えて整粒改質触媒部
においても、改質反応を進行させて完結させる必要があ
るためである。原料メタン含有ガスが0.5MPa以下
の場合、このようにしないと、合成ガスに含まれるCO
及びH2の含有率が低下することがある。尚、原料メタ
ン含有ガスが0.5MPa以下の場合、後述する炭素析
出反応が起きにくく、それゆえ、整粒改質触媒部を隣接
させても炭素析出が顕著になることはない。
【0073】整粒改質触媒部としては、本発明の触媒化
されたセラミックス複合材の必須要素として既に説明し
た種々のNi含有触媒部材料、および/または、Ni、
Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、またはPtから
選ばれる1種または2種以上の金属の組み合わせで、N
iまたはRuの少なくとも1種を含む金属を非マグネシ
ア系触媒担体に担持させたものを用いることができる。
これらは改質触媒としての能力が高い。
【0074】前記(c)が好適な理由は、メタン等の炭
化水素改質触媒(本発明では、Ni含有触媒部、多孔質
Ni含有触媒層、整粒改質触媒部)上で、副反応として
起こり得る炭素析出反応を抑制するためである。炭素析
出反応は、メタン含有ガス圧力が高くなると起こりやす
いため、特に前記(a)の条件で合成ガスを製造するに
際して有用である。水蒸気とメタンとの濃度比が2を超
える場合、炭素析出は抑制されるが、Ni触媒がNi含
有触媒部の広い範囲で酸化されやすくなり、また緻密セ
ラミックス膜表面近傍の酸素分圧増大を招き、結果的に
酸素透過速度が低下するため好ましくない。これに対
し、水蒸気とメタンとの濃度比が2以下の場合にはその
ようなことが起こらず、炭素析出反応を抑制しつつ、合
成ガスを製造できる。
【0075】次に、本発明に関する材料の製造方法につ
いて説明する。
【0076】緻密セラミックス膜の原料は、金属酸化物
や炭酸塩を初めとする金属塩を用い、これらを混合、焼
成することにより調製する。粉体原料の調製には、共沈
法や金属アルコキシド法(ゾルゲル法)、或いはこれら
と同等の調製法を用いても構わない。
【0077】混合された原料粉体は所定の温度で仮焼さ
れ、仮焼後の試料は微細に粉砕され、均一に混合した後
に成形される。成形はCIP(冷間静水圧プレス)、H
IP(熱間静水圧プレス)、金型プレス、射出成形法、
スリップキャスト法、押し出し成型法等の任意の好適な
セラミックス製造技術を適用し、成形された試料は高温
で本焼成される。
【0078】多孔質層に関しては、原料の調製、混合、
仮焼、粉砕が行われ、緻密セラミックス膜と異なり、成
形を行うことなく高温で本焼成される。ここで、原料が
均一に混合されていれば中間の仮焼を省き、いきなり本
焼成しても構わない。本焼成時、混合導電性を発現する
ペロブスカイト型構造となる焼成温度とする必要があ
る。焼成試料はボールミル等好適な方法にて微粉砕され
る。
【0079】多孔質層は、前記の試料によって、緻密質
連続層表面を覆うように有機溶剤等を用いスラリーコー
トすることにより形成されるが、一般に塗布される粉体
の粒子径が小さく揃っている程、あるいは薄く塗布する
程、均一に膜表面に付着させることができる。それ以外
にも形成手段として、CVD(化学蒸着)法、電気泳動
法、ゾル−ゲル法、或いはそれ以外に任意の好適な方法
を用いることができる。これらの方法により形成された
多孔質層は、緻密セラミックス膜との界面において、混
合導電性に関する連続性を確保するために、多孔質層お
よび緻密セラミックス膜が強固に接合する様、焼成され
る。焼成温度は、多孔質層、緻密セラミックス膜を形成
する材料の内、低い方の融点未満で、かつ強固な接合が
得られる好適な温度を選定する。
【0080】Ni含有触媒は、共沈法、セラミックス法
等により調製され、これにRu、Rh、Pd、Re、O
s、Ir、Pt等、微量貴金属を担持する場合は、含浸
担持法、平衡吸着法等から好適な方法が選定される。
【0081】触媒を緻密セラミックス膜表面に強固に接
合するには、前記調製触媒を微粉砕したものに、前式
(1)によって表される複合酸化物の微粉末を加え、十
分に混合したものを有機溶剤等に懸濁させることにより
緻密セラミックス膜表面にスラリーコートし、実際の膜
式反応器の運転温度より少なくとも50℃高く、かつセ
ラミックス複合材料の融点より低い温度にて、空気中で
焼き付けるのが望ましい。この際、前記複合酸化物の微
粉末は、前記調製触媒に対しモル比で0.1以下、好ま
しくは0.05以下、さらに好ましくは0.03以下で
ある。また、単位膜面積当たりの焼成後の触媒質量は、
20〜50mg/cm2とするのが好適である。また、
触媒の整粒には、微粉砕されたものをプレスし、粉砕後
篩いにて粒径を揃える等、好適な方法が選定される。
【0082】以上の製造方法は本発明材料の自立膜化に
関するものであるが、本発明に関する材料を被覆層とし
て多孔質支持体に接合する場合の製造方法について説明
する。
【0083】本発明による多孔質体の製造は、セラミッ
クス多孔体を製造するために通常用いられるセラミック
ス法、共沈法、アルコキシド法等が使用可能である。多
孔質体の焼成は、仮焼と、本焼成(焼結)の2回に分け
るのが一般的である。仮焼温度範囲は、400〜100
0℃の範囲で、数時間から十数時間程度行うのが通常で
ある。この仮焼紛をそのまま成形して本焼成を行っても
良いし、仮焼紛にポリビニルアルコール(PVA)など
の樹脂を混合して成形、本焼成しても良い。
【0084】通常は本焼成の温度が多孔質体製造での最
高熱処理温度となるが、本発明の提供する多孔質体の本
焼成温度は700〜1450℃、好ましくは1000〜
1350℃の範囲である。また本焼成には通常、数時間
以上を要する。本焼成の雰囲気は、一般には大気中で十
分であるが、必要に応じて制御雰囲気下で焼成しても良
い。また、多孔質体の成形手段としては、通常のバルク
セラミックスの製造と同様に仮焼紛や混合紛をダイスに
詰めて、加圧、成型しても良いし、泥漿鋳込み法や押し
出し成型法などを用いても良い。
【0085】一方、緻密セラミックス膜は、セラミック
ス膜を製造するために通常用いられる方法により作製で
きる。真空蒸着法などのPVD法、あるいはCVD法と
いった薄膜形成手法(いわゆるドライコーティング法)
によって成膜しても良いが、より経済的には、多孔質体
の上にスラリー状にした原料紛や仮焼紛を塗布し、焼成
する方法が好ましい。この緻密セラミックス膜焼成の温
度が、通常は膜製造での最高熱処理温度になるが、これ
は膜がガスリークを起こさないように緻密化すると共
に、この焼成過程で多孔質体の気孔率が大きく低下する
ことのない条件を選択する必要がある。このため緻密セ
ラミックス膜の焼成温度は、膜を構成する材料の緻密化
温度程度が望ましく、焼成には、通常で数時間を要す
る。触媒を緻密セラミックス膜表面に強固に接合する方
法は自立膜の場合と同様である。
【0086】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 (実施例1)(材料調製) 純度99%以上のBaCO3、CoO、Fe23および
Nb25の市販パウダーを、モル比でBa:Co:F
e:Nb=1:0.7:0.2:0.1となるように秤
量し、遊星ボールミルを用いて2時間湿式混合した。得
られた原料粉末をアルミナ製のるつぼに入れて、大気中
で温度950℃において20時間仮焼し、複合酸化物を
得た。この複合酸化物を遊星ボールミルで2時間湿式粉
砕した後、粉末3gを直径20mmの金型にて、25M
Paでディスク状に成形した。
【0087】この成形体を気密性の袋に入れて脱気し、
真空にした後、これを200MPaに加圧しながらCI
Pを15分間施し、空気中、温度1130℃で5時間本
焼成し、相対密度95%以上の緻密化した焼結体を得
た。この焼結体の室温粉末X線回折測定結果は、主成分
が立方晶系ペロブスカイト型構造であることを示し、組
成がBaCo0.7Fe0.2Nb0.13-δで表される複合
酸化物であることを確認した。この焼結体の両面を研
削、研磨して、直径12mm、厚さ0.7mmのディス
ク形状とし、これを緻密セラミックス膜として用いた。
【0088】さらに、前記と同じ組成がBaCo0.7
0.2Nb0.13-δで表される焼結体を粉砕し、有機溶
剤に懸濁させスラリー状にし、前記緻密セラミックス膜
の表面に塗布した。これを120℃で5分間乾燥後、空
気中1050℃で5時間焼成することにより、緻密セラ
ミックス膜表面に強固に接合した多孔質層が付加された
緻密セラミックス膜(セラミックス膜1)を得た。
【0089】酢酸ニッケルと硝酸マグネシウムとの混合
水溶液を、モル比でNi:Mg=0.1:0.9となる
様に調製し、炭酸カリウム水溶液を加えることにより、
ニッケルおよびマグネシウム2成分からなる沈殿物を生
成させた。沈殿物を濾過し、洗浄を行った後、空気中、
120℃で12時間以上乾燥した。その後、空気中、1
000℃で20時間焼成して、Ni0.1Mg0.9Oで表さ
れるニッケル・マグネシア触媒(触媒1)を得た。
【0090】純度99%以上のSrCO3、Fe23
よびNb25の市販パウダーを、モル比でSr:Fe:
Nb=1:0.9:0.1となるように秤量し、遊星ボ
ールミルを用いて2時間湿式混合した。得られた原料粉
末をアルミナ製のるつぼに入れて、大気中で温度135
0℃において5時間仮焼し、複合酸化物を得た。この複
合酸化物の室温粉末X線回折測定結果は、主成分が立方
晶系ペロブスカイト型構造であることを示し、組成がS
rFe0.9Nb0.13-δで表される複合酸化物であるこ
とを確認した。この複合酸化物を遊星ボールミルで2時
間湿式粉砕し、メタン改質触媒積層用複合酸化物を得
た。
【0091】セラミックス膜1の多孔質層と反対側の表
面に、触媒1の微粉末にメタン改質触媒積層用複合酸化
物を触媒1に対しモル比で0.02加え、十分に混合し
た後、有機溶剤に懸濁させスラリーコートした。これを
120℃で5分間乾燥後、空気中1050℃で5時間焼
成することにより、緻密セラミックス膜表面にメタン改
質触媒が強固に接合した触媒化されたセラミックス複合
材1を得た。この時、単位セラミックス膜表面積当たり
の触媒重量は、30mg/cm2であった。
【0092】(実施例2)(材料調製) 純度99%以上のBaCO3、CoO、Fe23および
Ta25の市販パウダーを、モル比でBa:Co:F
e:Ta=1:0.7:0.2:0.1となるように秤
量し、遊星ボールミルを用いて2時間湿式混合した以外
は、実施例1と同様の方法で、組成がBaCo0.7Fe
0.2Ta0.13-δで表される緻密セラミックス膜を得、
さらに実施例1と同様の方法で組成がBaCo0.7Fe
0.2Ta0.13-δで表される緻密セラミックス膜表面に
強固に接合した多孔質層が付加された緻密セラミックス
膜(セラミックス膜2)を得た。セラミックス膜1の多
孔質層と反対側の表面に、実施例1と同様の方法を用
い、メタン改質触媒を強固に接合させ、触媒化されたセ
ラミックス複合材2を得た。
【0093】(実施例3)(材料調製) 実施例1に記載したセラミックス膜1の多孔質層と反対
側の表面(第1表面)に、メタン改質触媒積層用酸化物
(実施例1では組成がSrFe0.9Nb0.13- δで表さ
れる複合酸化物)を用いない以外は実施例1と同様の方
法により、メタン改質触媒をセラミックス膜表面に焼き
付け、Ni含有触媒部が緻密セラミックス膜に接合する
ことを確認した。但し、その接合強度は、実施例1の触
媒化されたセラミックス複合材1に比較してやや小さ
く、メタン改質触媒積層用酸化物の共存による接合強化
作用が認められた。
【0094】(実施例4)(高圧合成ガス製造実験) 金属製チューブ(インコネル600製、チューブの触媒
化されたセラミックス複合材側にスリット形状のガス排
出口を装備)およびムライト管にて、触媒化されたセラ
ミックス複合材1を挟みこみ、実験装置に設置した。こ
のとき、ムライト管と前記触媒化されたセラミックス複
合材の間には、銀製のOリングを配置し、電気炉にて約
950℃まで昇温し、両者を融着させ、ムライト管と前
記触媒化されたセラミックス複合材間の気密性を確保し
た。
【0095】合成ガス製造実験は、温度900℃、圧力
10atmの条件で、金属製チューブ内部の挿入管より
空気を200cc/minフィードし、又、ムライト管
内部の挿入管よりメタンを60cc/minフィード
し、メタン側の反応生成物をガスクロマトグラフィーに
より分析することにより実施した。
【0096】ガスクロマトグラフィーによる生成物組成
に元素バランスを適用し、空気側からメタン側への実験
開始100時間後の安定した酸素透過速度を計算した結
果、20cc/min/cm2であった。また、この
時、メタン反応転化率、CO選択率(COおよびCO2
中のCO比率)、H2/CO比は、それぞれ、54%、
80%、2.0であった。実験終了後、材料の変質、触
媒上の炭素析出は認められなかった。
【0097】(比較例1)(高圧合成ガス製造実験) 水蒸気をメタンに150cc/min混入させた以外
は、実施例4に示したものと同様の方法で、合成ガス製
造実験を実施した。実験開始100時間後の安定した酸
素透過速度を計算した結果、8cc/min/cm2
あった。実験終了後、材料の変質、有意な触媒上の炭素
析出は認められなかった。
【0098】(実施例5)(高圧合成ガス製造実験) 触媒化されたセラミックス複合材2を用いる以外は、実
施例4と同様の方法で、合成ガス製造実験を実施した。
実験開始100時間後の安定した酸素透過速度を計算し
た結果、19cc/min/cm2であった。また、こ
の時、メタン反応転化率、CO選択率(COおよびCO
2中のCO比率)、H2/CO比は、それぞれ、52%、
81%、2.0であった。実験終了後、材料の変質、触
媒上の炭素析出は認められなかった。
【0099】(比較例2)(高圧合成ガス製造実験) 純度99%以上のBaCO3、SrCO3、CoO、およ
びFe23の市販パウダーを、モル比でBa:Sr:C
o:Fe=0.5:0.5:0.8:0.2となるよう
に秤量し、実施例1と同様の方法で、組成がBa0.5
0.5Co0.8Fe0.23-δで表される緻密セラミック
ス膜を得、さらに実施例1と同様の方法で組成がBa
0.5Sr0.5Co0.8Fe0.23-δで表される緻密セラミ
ックス膜表面に強固に接合した多孔質層が付加された緻
密セラミックス膜(セラミックス膜3)を得た。
【0100】純度99%以上のSrCO3、CoO、お
よびFe23の市販パウダーを、モル比でSr:Co:
Fe=1:0.8:0.2となるように秤量し、実施例
1と同様の方法で、組成がSrCo0.8Fe0.23-δ
表される緻密セラミックス膜を得、さらに実施例1と同
様の方法で、組成がSrCo0.8Fe0.23-δで表され
る緻密セラミックス膜表面に強固に接合した多孔質層が
付加された緻密セラミックス膜(セラミックス膜4)を
得た。
【0101】純度99%以上のAl23市販パウダーを
空気中、1100℃で5時間焼成し、α−アルミナを
得、これを遊星ボールミルにて湿式粉砕し、触媒担体と
した。次に、この触媒担体を硝酸ニッケル水溶液に浸漬
し、Niを含浸担持させた。次に、Niを含む触媒担体
を空気中において十分に乾燥した後、空気中において1
000℃で5時間焼成し、Ni10質量%/Al23
表される触媒(触媒2)を得た。
【0102】硝酸マグネシウム水溶液に炭酸カリウム水
溶液を加えることにより、マグネシウム成分からなる沈
殿物を生成させた。沈殿物を濾過し、洗浄を行った後、
空気中、120℃で12時間以上乾燥した。その後、空
気中、1000℃で2時間焼成し、これを触媒担体とし
て用いた。次に、ルテニウム(III)クロライド水溶液
に、水酸化マグネシウム水溶液によりpHを一定にしつ
つ20時間浸漬し、Ruを触媒担体に平衡吸着させた
後、濾過して、Ruを吸着した触媒担体を得た。次に、
Ruを吸着した触媒担体を空気中において十分に乾燥し
た後、空気中において1000℃で5時間焼成し、Ru
2質量%/MgOで表される触媒(触媒3)を得た。
【0103】セラミックス膜1〜4および触媒1〜3に
関する表1に示す組合せについて、メタン改質触媒積層
用酸化物を用いない以外は、実施例1と同様の方法で触
媒化されたセラミックス複合体を調製し、これらを用
い、実施例4と同様の方法で合成ガス製造実験を実施し
た。その結果、いずれの場合も酸素透過速度は経時的に
減少し、実験開始後100時間以内に安定した酸素透過
速度を得ることができなかった。
【表1】
【0104】(実施例6)(中圧合成ガス製造) 触媒1の微粉末を、ロジウムアセチルアセトネートのア
セトン溶液に含浸させ、70℃でアセトンを蒸発させた
後、空気中、120℃で12時間以上乾燥し、Rh1質
量%/Ni0.1Mg0.9Oで表される触媒(触媒4)を得
た。又、触媒4を微粉砕し、2ton/cm2でプレス
した後、20/40メッシュに粒径を揃え、整粒触媒1
を得た。
【0105】触媒1の代わりに触媒4を用いる以外は、
実施例1に示したのと同様の方法で、緻密セラミックス
膜表面にメタン改質触媒が強固に接合した触媒化された
セラミックス複合材3を得た。次に、整粒触媒1を実施
例4と同様に実験装置に設置された触媒化されたセラミ
ックス複合材3のメタン改質触媒層側に950mg/c
2充填し、圧力が3atmである以外は、実施例4と
同様に合成ガス製造実験を実施した。
【0106】実験開始100時間後の安定した酸素透過
速度を計算した結果、25cc/min/cm2であっ
た。また、この時、メタン反応転化率、CO選択率(C
OおよびCO2中のCO比率)、H2/CO比は、それぞ
れ、76%、95%、2.0であった。実験終了後、材
料の変質、有意な触媒上の炭素析出は認められなかっ
た。
【0107】(実施例7)(低圧合成ガス製造) 硝酸マグネシウム水溶液に炭酸カリウム水溶液を加える
ことにより、マグネシウム成分からなる沈殿物を生成さ
せた。沈殿物を濾過し、洗浄を行った後、空気中、12
0℃で12時間以上乾燥した。その後、空気中、100
0℃で2時間焼成し、これを触媒担体として用いた。次
に、この触媒担体を硝酸ニッケル水溶液に浸漬し、Ni
を含浸担持させた。次に、Niを含む触媒担体を空気中
において十分に乾燥した後、空気中において1000℃
で5時間焼成し、Ni10質量%/MgOで表される触
媒(触媒5)を得た。又、触媒5を微粉砕し、2ton
/cm2でプレスした後、20/40メッシュに粒径を
揃え、整粒触媒2を得た。
【0108】触媒1の代わりに触媒5を用いる以外は、
実施例1に示したのと同様の方法で、緻密セラミックス
膜表面にメタン改質触媒が強固に接合した触媒化された
セラミックス複合材4を得た。次に、整粒触媒2を実施
例4と同様に実験装置に設置された触媒化されたセラミ
ックス複合材4のメタン改質触媒層側に950mg/c
2充填し、圧力が大気圧である以外は、実施例4と同
様の方法で合成ガス製造実験を実施した。
【0109】実験開始100時間後の安定した酸素透過
速度を計算した結果、22cc/min/cm2であっ
た。また、この時、メタン反応転化率、CO選択率(C
OおよびCO2中のCO比率)、H2/CO比は、それぞ
れ、77%、97%、2.0であった。実験終了後、材
料の変質、有意な触媒上の炭素析出は認められなかっ
た。
【0110】(実施例8)(低圧合成ガス製造) 実施例2に記述したものと同様の方法で、表2に示した
本発明のセラミックス材料を製造し、実施例7と同様の
方法で、緻密セラミックス膜表面にメタン改質触媒が強
固に接合した触媒化されたセラミックス複合材を得、こ
れを用い実施例7と同様の方法で合成ガス製造実験を実
施した。
【0111】実験開始100時間後の安定した酸素透過
速度を計算した結果を、表2に示す。
【表2】
【0112】(比較例3)(低圧合成ガス製造実験) セラミックス膜1の多孔質層と反対側の表面に、メタン
改質触媒をスラリーコートしないこと以外は、実施例1
と同様の方法で、多孔質層を含むセラミックス膜を得
た。このセラミックス膜を用い、実施例7と同様の方法
で、合成ガス製造実験を実施した。
【0113】実験開始100時間後の安定した酸素透過
速度を計算した結果、17cc/min/cm2であっ
た。また、この時、メタン反応転化率、CO選択率(C
OおよびCO2中のCO比率)、H2/CO比は、それぞ
れ、53%、98%、2.0であった。実験終了後、材
料の変質、有意な触媒上の炭素析出は認められなかっ
た。
【0114】(比較例4)(低圧合成ガス製造実験) 圧力が大気圧である以外は、実施例4と同様の方法で、
合成ガス製造実験を実施した。実験開始100時間後の
安定した酸素透過速度を計算した結果、8cc/min
/cm2であった。
【0115】
【発明の効果】本発明によれば、緻密酸素選択透過セラ
ミックス膜およびメタン改質触媒層を一体化させた構造
を有してなる隔膜を用い、空気(または酸素含有ガス)
およびメタンあるいは炭化水素を含有するガスを原料と
して、高エネルギー効率、安価、且つ長期間安定的に合
成ガスを製造するに際し、前記隔膜に好適な触媒化され
たセラミックス複合材と合成ガス製造方法を提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01G 49/00 C01G 49/00 C 51/00 51/00 B (72)発明者 加賀野井 彰一 東京都渋谷区幡ヶ谷1−31−10 帝国石油 株式会社内 (72)発明者 鈴木 洋平 東京都渋谷区幡ヶ谷1−31−10 帝国石油 株式会社内 (72)発明者 伊藤 孝 東京都渋谷区幡ヶ谷1−31−10 帝国石油 株式会社内 (72)発明者 佐近 正 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 伊藤 渉 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 堂野前 等 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 永井 徹 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 平野 兼次 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 Fターム(参考) 4D006 GA41 KA72 KB30 KE08R MA03 MA22 MA24 MA31 MB20 MC03X NA39 NA51 NA61 NA63 PA05 PB17 PB62 PC69 4G002 AA08 AB01 AE05 4G048 AA05 AB01 AC08 AD08 AE03 4G069 AA03 AA08 BA06A BA06B BB06A BB06B BC10A BC10B BC62A BC62B BC64A BC68A BC68B BC70A BC71A BC71B BC72A BC73A BC74A BC75A CC17 CC40 DA06 EA08 EB15X EC23 FA01 FA03 FB15 FB23 FC08 4G140 EA03 EA06 EA07 EB19 EC02 EC03 EC04

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成が式(1)で表され、結晶構造がペ
    ロブスカイト型の酸素イオン・電子混合導電性酸化物を
    有してなる緻密セラミックス膜の第1表面に、触媒担体
    の主成分がマグネシアであるNi含有触媒を含む触媒部
    を隣接させた構造を有することを特徴とする触媒化され
    たセラミックス複合材。 [Ln1-a-baBab][BxB’yB”z]O3-δ 式(1) (ここで、Lnはランタノイド元素から選ばれる1種ま
    たは2種以上の元素の組み合わせ、Aは、Sr、Ca、
    またはこれらの元素の組み合わせ、Bは、Co、Fe、
    Cr、及びGaから選ばれる1種または2種以上の元素
    の組み合わせで、CrとGaのモル数の和が、全B元素
    のモル数に対し、0%以上20%以下、B’は、Nb、
    Ta、Ti、Zr、In、及びYから選ばれる1種また
    は2種以上の元素の組み合わせで、Nb、Ta、In、
    Yの少なくとも1種を含む、B”は、Zn、Li、Mg
    から選ばれる1種または2種以上の元素の組み合わせ、
    0.8≦a+b≦1、bは、B’がInのみで構成され
    る場合には0.4≦b≦1.0、B’がYのみで構成さ
    れる場合には0.5≦b≦1.0、B’がInとYのみ
    で構成される場合には0.2≦b≦1.0、B’がI
    n、Y以外の元素を含む場合には0≦b≦1.0、0<
    x、0<y≦0.5、0≦z≦0.2、0.98≦x+
    y+z≦1.02、δは、電荷中性条件を満たすように
    決まる値である。)
  2. 【請求項2】 前記緻密セラミックス膜の組成が、前式
    (1)でb=1.0であることを特徴とする請求項1に
    記載の触媒化されたセラミックス複合材。
  3. 【請求項3】 前記緻密セラミックス膜の第2表面に、
    前記緻密セラミックス膜材料と独立して選ばれ、組成が
    前式(1)によって表され、結晶構造がペロブスカイト
    型である酸素イオン・電子混合導電性酸化物を有してな
    る多孔質層が強固に接合する構造を有することを特徴と
    する請求項1または2に記載の触媒化されたセラミック
    ス複合材。
  4. 【請求項4】 前記多孔質層が、気孔率が20%以上8
    0%以下であり、肉厚が0.001mm以上5mm以下
    であることを特徴とする請求項3に記載の触媒化された
    セラミックス複合材。
  5. 【請求項5】 前記Ni含有触媒を含む触媒部が、平均
    組成として一般式NiaMnbMg1-a-bc(ここで、0
    <a≦0.4、0≦b≦0.1、cは電荷中性条件を満
    たすように決まる値)で表される組成物、および/また
    は、マグネシア主体の担体にNiまたはNiとMnを組
    み合わせた元素を担持したものを有し、さらに、組成と
    して前式(1)で表され、前記緻密セラミックス膜ある
    いは前記多孔質層材料と独立して選ばれる複合酸化物を
    有してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の触媒化されたセラミックス複合材。
  6. 【請求項6】 前記Ni含有触媒を含む触媒部が、平均
    組成として一般式NiaMnbMg1-a-bc(ここで、0
    <a≦0.4、0≦b≦0.1、cは電荷中性条件を満
    たすように決まる値)で表される組成物、および/また
    は、マグネシア主体の担体にNiまたはNiとMnを組
    み合わせた元素を担持したものを有し、さらに、Ru、
    Rh、Pd、Re、Os、Ir、またはPtから選ばれ
    る1種または2種以上の金属元素を2質量%以下担持し
    たものを有してなることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の触媒化されたセラミックス複合材。
  7. 【請求項7】 前記Ni含有触媒を含む触媒部が、平均
    組成として一般式NiaMnbMg1-a-bOc(ここで、
    0<a≦0.4、0≦b≦0.1、cは電荷中性条件を
    満たすように決まる値)で表される組成物、および/ま
    たは、マグネシア主体の担体にNiまたはNiとMnを
    組み合わせた元素を担持したものを有し、さらに、R
    u、Rh、Pd、Re、Os、Ir、またはPtから選
    ばれる1種または2種以上の金属元素を2質量%以下担
    持したものを有し、さらに加えて前式(1)によって表
    され、前記緻密セラミックス膜あるいは前記多孔質層材
    料と独立して選ばれる複合酸化物を有してなることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の触媒化された
    セラミックス複合材。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の触媒化
    されたセラミック複合材料が、被覆層として多孔質支持
    体に接合されることを特徴とする触媒化されたセラミッ
    クス複合材。
  9. 【請求項9】 前記Ni含有触媒を含む触媒部が、平均
    孔径0.1μm以上10μm以下で、厚さ0.01mm
    以上1mm以下の多孔質層状構造が前記緻密セラミック
    ス膜の第1表面に強固に接合することを特徴とする請求
    項1〜8のいずれかに記載の触媒化されたセラミックス
    複合材。
  10. 【請求項10】 前記Ni含有触媒を含む触媒部が、平
    均孔径0.1μm以上10μm以下で、厚さ0.01m
    m以上1mm以下の多孔質層状構造が前記緻密セラミッ
    クス膜の第1表面に強固に接合し、さらに粒径0.5m
    m以上50mm以下に整粒された改質触媒部が、前記多
    孔質層状構造に隣接することを特徴とする請求項1〜8
    のいずれかに記載の触媒化されたセラミックス複合材。
  11. 【請求項11】 前記緻密セラミックス膜の厚さが0.
    5mm以上1.5mm以下の自立膜であり、前記Ni含
    有触媒を含む触媒部として、平均孔径0.1μm以上1
    0μm以下で厚さ0.01mm以上1mm以下の多孔質
    層状構造が、前記緻密セラミックス膜の第1表面に強固
    に接合することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
    記載の触媒化されたセラミックス複合材。
  12. 【請求項12】 前記緻密セラミックス膜の厚さが0.
    5mm以上1.5mm以下の自立膜であり、前記Ni含
    有触媒を含む触媒部として、平均孔径0.1μm以上1
    0μm以下で厚さ0.01mm以上1mm以下の多孔質
    層状構造が、前記緻密セラミックス膜の第1表面に強固
    に接合し、さらに粒径0.5mm以上50mm以下に整
    粒された改質触媒部が、前記多孔質層状構造に隣接する
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の触媒
    化されたセラミックス複合材。
  13. 【請求項13】 前記整粒された改質触媒部が、請求項
    5〜7のいずれかに記載のNi含有触媒を含む触媒部の
    材料、および/または、Ni、Ru、Rh、Pd、R
    e、Os、Ir、またはPtから選ばれる1種または2
    種以上の金属元素の組み合わせで、NiまたはRuの1
    種以上を含んでなる金属元素を非マグネシウム系触媒担
    体に担持させたものを有してなることを特徴とする請求
    項10または12に記載の触媒化されたセラミックス複
    合材。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の触
    媒化されたセラミックス複合材を有してなる隔膜を用
    い、該隔膜の触媒部側をメタン含有または炭化水素含有
    ガス雰囲気、その反対側を空気または酸素含有ガス雰囲
    気とすることを特徴とする合成ガス製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項9または11に記載の触媒化さ
    れたセラミックス複合材を有してなる隔膜を用い、該隔
    膜の触媒部側を圧力0.3MPa以上10MPa以下の
    メタン含有ガス雰囲気、その反対側を空気または酸素含
    有ガス雰囲気とすることを特徴とする合成ガス製造方
    法。
  16. 【請求項16】 請求項10、12および13のいずれ
    かに記載の触媒化されたセラミックス複合材を有してな
    る隔膜を用い、該隔膜の触媒部側を圧力0.5MPa以
    下のメタン含有ガス雰囲気、その反対側を空気または酸
    素含有ガス雰囲気とすることを特徴とする合成ガス製造
    方法。
  17. 【請求項17】 前記メタン含有ガス雰囲気中に外部か
    ら水蒸気を含有させ、水蒸気とメタンとの濃度比を2以
    下にすることを特徴とする請求項14〜16のいずれか
    に記載の合成ガス製造方法。
  18. 【請求項18】 前記メタン含有ガスが、天然ガス、炭
    田ガス、コークス炉ガス、またはフィッシャートロプッ
    シュ合成反応からのリサイクルガスである、または、天
    然ガス、炭田ガス、コークス炉ガス、LPG、ナフサ、
    ガソリン、または灯油の改質ガスであることを特徴とす
    る請求項14〜17のいずれかに記載の合成ガス製造方
    法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜13のいずれかに記載の触
    媒化されたセラミック複合材を有してなる隔膜を備えて
    なることを特徴とする合成ガス製造装置。
  20. 【請求項20】 結晶構造がペロブスカイト型の酸素イ
    オン・電子混合導電性酸化物を有してなる緻密セラミッ
    クス膜の第1表面に、平均組成として、一般式Nia
    bMg1-a-bc(ここで、0<a≦0.4、0≦b≦
    0.1、cは電荷中性条件を満たすように決まる値)に
    よって表される組成物を含むNi含有触媒部を隣接させ
    た構造を有してなる触媒化されたセラミックス複合材を
    有してなる隔膜に対し、該隔膜の触媒部側を圧力0.3
    MPa以上10MPa以下のメタン含有ガス雰囲気、そ
    の反対側を空気または酸素含有ガス雰囲気とすることを
    特徴とするNi含有触媒部の活性化方法。
JP2002299229A 2001-10-15 2002-10-11 合成ガス製造方法 Expired - Fee Related JP4430291B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002299229A JP4430291B2 (ja) 2001-10-15 2002-10-11 合成ガス製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001316661 2001-10-15
JP2001-316661 2001-10-15
JP2002299229A JP4430291B2 (ja) 2001-10-15 2002-10-11 合成ガス製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003190792A true JP2003190792A (ja) 2003-07-08
JP4430291B2 JP4430291B2 (ja) 2010-03-10

Family

ID=27615429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002299229A Expired - Fee Related JP4430291B2 (ja) 2001-10-15 2002-10-11 合成ガス製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4430291B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006041854A2 (en) * 2004-10-05 2006-04-20 Ctp Hydrogen Corporation Conducting ceramics for electrochemical systems
JP2006112488A (ja) * 2004-10-13 2006-04-27 Ngk Insulators Ltd 下水汚泥由来のメタン濃縮方法及びメタン貯蔵装置
WO2007004684A1 (ja) * 2005-06-30 2007-01-11 Tokyo Institute Of Technology 酸素過剰型金属酸化物及び酸素貯蔵又は酸素選択膜用セラミックスと該金属酸化物を用いる方法及び装置
JP2008189540A (ja) * 2007-01-12 2008-08-21 Tdk Corp 酸素透過膜及び水素発生装置
JP2008539783A (ja) * 2005-05-18 2008-11-20 ネーデルランドセ オルガニサティエ フォール トエゲパストナトールヴェテンシャッペリク オンデルゾエク ティエヌオー 閉じられた空間内の空気の熱およびco2濃度を調整する方法
JP2013503027A (ja) * 2009-08-31 2013-01-31 ティッセンクルップ ウーデ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 膜材料の触媒被膜
WO2021140733A1 (ja) * 2020-01-07 2021-07-15 株式会社村田製作所 炭化水素改質触媒および炭化水素改質装置
CN114405528A (zh) * 2021-12-21 2022-04-29 深圳大学 一种用于气体原位干重整的双功能陶瓷膜及其制备方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006041854A2 (en) * 2004-10-05 2006-04-20 Ctp Hydrogen Corporation Conducting ceramics for electrochemical systems
WO2006041854A3 (en) * 2004-10-05 2006-10-05 Ctp Hydrogen Corp Conducting ceramics for electrochemical systems
JP2006112488A (ja) * 2004-10-13 2006-04-27 Ngk Insulators Ltd 下水汚泥由来のメタン濃縮方法及びメタン貯蔵装置
JP2008539783A (ja) * 2005-05-18 2008-11-20 ネーデルランドセ オルガニサティエ フォール トエゲパストナトールヴェテンシャッペリク オンデルゾエク ティエヌオー 閉じられた空間内の空気の熱およびco2濃度を調整する方法
WO2007004684A1 (ja) * 2005-06-30 2007-01-11 Tokyo Institute Of Technology 酸素過剰型金属酸化物及び酸素貯蔵又は酸素選択膜用セラミックスと該金属酸化物を用いる方法及び装置
JP2008189540A (ja) * 2007-01-12 2008-08-21 Tdk Corp 酸素透過膜及び水素発生装置
JP2013503027A (ja) * 2009-08-31 2013-01-31 ティッセンクルップ ウーデ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 膜材料の触媒被膜
WO2021140733A1 (ja) * 2020-01-07 2021-07-15 株式会社村田製作所 炭化水素改質触媒および炭化水素改質装置
JPWO2021140733A1 (ja) * 2020-01-07 2021-07-15
JP7184214B2 (ja) 2020-01-07 2022-12-06 株式会社村田製作所 炭化水素改質触媒および炭化水素改質装置
CN114405528A (zh) * 2021-12-21 2022-04-29 深圳大学 一种用于气体原位干重整的双功能陶瓷膜及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4430291B2 (ja) 2010-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4272812B2 (ja) 二成分三次元触媒作用を用いる触媒膜反応器
EP1827663B1 (en) Catalytic membrane reactor
EP1224149B1 (en) Ceramic membranes for catalytic membrane reactors with high ionic conductivities and low expansion properties
US6641626B2 (en) Mixed ionic and electronic conducting ceramic membranes for hydrocarbon processing
US7151067B2 (en) Porcelain composition, composite material comprising catalyst and ceramic, film reactor, method for producing synthetic gas, apparatus for producing synthetic gas and method for activating catalyst
JP2001520931A5 (ja)
WO1997041060A1 (en) Solid state oxygen anion and electron mediating membrane and catalytic membrane reactors containing them
JP2008239353A (ja) 多孔質支持体/水素選択透過膜基板及び多孔体支持型燃料電池
EP3313557B1 (en) Dual function composite oxygen transport membrane
JP4293775B2 (ja) 触媒化されたセラミックス複合材およびその製造方法、ならびにセラミックス膜式反応器
JP4855012B2 (ja) 酸素イオン伝導体および酸素分離膜並びに炭化水素の酸化用反応装置
RU2292237C1 (ru) Катализатор, способ его приготовления и способ получения синтез-газа
JP4430291B2 (ja) 合成ガス製造方法
JP5031616B2 (ja) 酸素分離材及びその製造方法
JP2008062188A (ja) 酸素分離膜
JP3914416B2 (ja) 膜式反応器
JP2005281077A (ja) 磁器組成物、複合材料及び化学反応装置
JP6075155B2 (ja) 酸素透過膜、酸素分離方法及び燃料電池システム
JP3806298B2 (ja) 複合材料、酸素の分離装置及び化学反応装置
JP2005270895A (ja) 酸化反応装置およびその利用
JP4855013B2 (ja) 酸素分離膜および炭化水素の酸化用反応装置
JP2002097083A (ja) 多孔質体及び複合材料
JP2006082039A (ja) 酸素分離膜エレメント、その製造方法、酸素製造方法、および反応器
JP2003063808A (ja) 酸素製造方法およびガス改質方法
JP2007051032A (ja) 酸化物イオン伝導体および酸素分離膜エレメント

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050914

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080704

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080729

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080926

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20081009

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090512

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091208

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091217

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4430291

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225

Year of fee payment: 3

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131225

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees