JP2003190157A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JP2003190157A
JP2003190157A JP2001400548A JP2001400548A JP2003190157A JP 2003190157 A JP2003190157 A JP 2003190157A JP 2001400548 A JP2001400548 A JP 2001400548A JP 2001400548 A JP2001400548 A JP 2001400548A JP 2003190157 A JP2003190157 A JP 2003190157A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波診断において、信号対ノイズ比を改善
する。また、そのための回路規模及びコストを低減す
る。 【解決手段】 実データを周波数領域においてフィルタ
リング(パルス圧縮)するフィルタ50は、高速フーリ
エ変換(FFT)装置52と、複素乗算器54と、フィ
ルタ特性メモリ56と、逆高速フーリエ変換(IFF
T)装置58と、を含む。FFT装置52とIFFT装
置58は、2つの入力及び2つの出力を備える。フィル
タ50は、周波数領域において2つの実信号を並列的に
フィルタリングすることにより処理速度の増大を可能に
する。すなわち、一方の実信号をFFT装置52の実部
入力に供給し、他方の実信号をFFT装置52の虚部入
力に供給する。フィルタ特性メモリ56には、複数のフ
ィルタ周波数特性が保存される。いずれかのフィルタ周
波数特性がビーム集束深度などの設定に基づき選択され
る。フィルタ50によって、符号化波形をパルス圧縮で
き、超音波画像における信号対ノイズ比が改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波診断装置に関
し、特にパルス圧縮技術に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】超音波診断では、超音波探
触子に含まれるトランスデューサにより、まず、超音波
パルスが検査対象としての媒体、例えば人体内のある領
域に送波され、その後、媒体の数々の不連続部分で反射
してきた超音波エコー(反射波)が電気信号(受信信
号)に変換される。その受信信号に対して、例えば、増
幅、フィルタリング、ビーム形成、検波などの種々の処
理が施され、最終的にデジタル値(画素値)の集合(つ
まり超音波画像)に変換される。超音波画像は陰極線管
(CRT)などの電子ディスプレイに表示することもで
きるし、あるいは超音波画像から写真を生成することも
できる。超音波診断(及び他のコヒーレント映像システ
ム)における問題点の1つとして、電気的ノイズがあ
る。信号対ノイズ比(SNR)が低い場合、ノイズが有
意な信号を完全に又は部分的に覆う場合がある(特に超
音波画像において深部において顕著となる)。そこで、
製造業者は低ノイズシステムを設計することに努力して
いるが、どんなシステムにおいても、ある程度のサーマ
ルノイズが存在する。したがって、ノイズレベルの低減
を図る一方において、SNRを改善するために信号を増
強するのが望ましい。これは、端的に言えば、送信エネ
ルギーの増加によって実現される。
【0003】信号の振幅及び存続時間の少なくともいず
れかを増加させれば、送信エネルギーが増大する。しか
し、信号の振幅を増加できる程度には限界がある。例え
ば、レーダでは、最大振幅に実際的な実施の限界があ
る。医用超音波の分野では、高い振幅の音圧が生体組織
にダメージを及ぼす可能性があるため、生体の安全性の
観点から、振幅の限界がある。そこで、振幅を増加させ
ずに、信号エネルギーを増加させるためには、存続時間
の長い波形を送信しなければならない。この長時間波形
が単純な正弦波バースト(simple sinusoidal burst)
の場合、当該信号の帯域幅が短パルス信号に比べて減少
し、距離方向の分解能が劣化する。したがって、長時間
波形信号の帯域幅が従来の短パルス信号の帯域幅と等し
いかそれ以上に維持されるように、送信された信号を周
波数変調する必要がある。この変調された送信波を「符
号化された波形(符号化波形)」と呼ぶことにする。こ
れは、大まかに言えば、各送信時期ごとに、異なる瞬時
周波数を送信することと等価である。
【0004】送信された信号が符号化波形の場合、受信
したエコー信号が「パルス圧縮フィルタ」により処理さ
れる。パルス圧縮フィルタは、各周波数成分ごとに異な
る位相遅延を与えて、振幅が増大するように全周波数成
分の位相を揃えて加算するものである。これにより、短
い且つ高振幅の「圧縮」パルスが生成される。
【0005】符号化波形を用いる方式はよく知られてお
り、数多くの通信理論及びレーダの教本で説明されてい
る。例えば、ペイトンZピーブルズジュニア、ジョンワ
イリーアンドサンズ会社(Peyton Z. Peebles,Jr.,John
Wiley & Sons,Inc.,1998)による「レーダ原理(Radar
Principles)」に記載されている。この方法を医用超音
波に適用した特定の方法については、例えば、Mオドネ
ル(M. O'Donnell)によって"Coded excitation system
s for improving the penetration of real-time phase
d-array imaging systems" (IEEE Transactions UFFC,
Vol.39,No.3,May 1992)において、発表されている。
【0006】符号化波形を用いる方式を実施する場合に
おける第1の問題は、パルス圧縮フィルタのコストであ
る。高性能装置への当該方式の適用を考えた場合、パル
ス圧縮フィルタは、デジタルFIR(有限インパルス応
答)フィルタとして実施されるが、このパルス圧縮フィ
ルタのコストは、フィルタタップ数(すなわち、フィル
タのインパルス応答におけるサンプル数)に伴い増加す
る。フィルタタップ数は、フィルタの有効時間とサンプ
リングレートとの積で規定され、医用超音波の分野では
512タップを越えるものとなる。長いデータ列をリア
ルタイムでフィルタリングしなければならない場合に
は、各フィルタタップに対して、1つずつ乗算器が必要
となり、このためパルス圧縮フィルタの回路規模は増大
し、またそのコストは非常に高くなる。
【0007】長いデータ列のフィルタリングに関して
は、周波数領域において畳込み演算を実行するのがより
効率的であることが知られている。すなわち、まずデー
タに高速フーリエ変換(FFT)を実行し、この変換さ
れたデータとフィルタ周波数特性とを乗算し、その結果
を逆フーリエ変換(IFFT)することにより、フィル
タリングされた時間領域の信号を得られる。この手法に
より計算量は低減するが、満足できるデータ処理速度で
当該処理を実現することは依然として非常に難しい状況
にある。
【0008】計算量を低減する方法として、2組のデー
タに対して並列にFFT演算を実行する方法が考えられ
る。すなわち、FFT演算器の実部入力に、あるデータ
を供給し、FFT演算器の虚部入力に、別のデータを供
給する。FFT演算器から出力された2つの信号(実部
信号、虚部信号)を分離し、その分離されたそれぞれの
信号に対して、時間領域のフィルタ特性を周波数領域に
変換したものを個別的に乗算し、更に、それらを個別的
に逆フーリエ変換するというものである。この方法によ
れば、全体の計算量が20%強減少するが、それほど大
きな改善とはいえない。
【0009】ちなみに、RF周波数をもった符号化波形
に対するパルス圧縮に必要な計算量を低減する別の方法
では、RF信号がベースバンドに復調され、これに対
し、パルス圧縮に先立って、データ間引き処理がなされ
る。これにより、サンプリングレートが低減される。し
かしながら、有効な帯域幅が中心周波数の50%を超え
る医用超音波技術の分野では、この方法による計算量低
減はあったとしてもごく僅かである。しかも適切なパル
ス圧縮フィルタの設計がさらに難しいために、距離方向
の分解能が劣る可能性がある。したがって、符号化波形
のパルス圧縮に必要な計算量を減少させることが望まれ
ている。
【0010】符号化波形システムの第2の問題は、送受
信回路及び媒体における非線形性のため、殊に、媒体に
おける周波数依存型減衰のために生じる信号の歪みに起
因する問題である。パルス圧縮フィルタは、理論上の特
定の波形形状に対して設計され、歪みのある波形を処理
する場合にはその性能が低下する。したがって、このよ
うな波形の歪みを補償する簡易な方法が望まれる。
【0011】本発明の目的は、低コストで信号対雑音比
を高めることにある。
【0012】本発明の他の目的は、浅い部位から深い部
位まで超音波画像の画質を高めることにある。
【0013】本発明の他の目的は、非符号化送信と符号
化送信の両者の利点を発揮させることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】(1)本発明において
は、送信パルスが符号化(周波数変調などを含む)さ
れ、反射波の受波により得られる受信信号に対して、周
波数領域での畳み込み演算が遂行され、つまりパルス圧
縮が施される。そして、パルス圧縮後の信号が時間領域
の受信信号に戻される。必要に応じて、そのパルス圧縮
後の受信信号に基づいて超音波画像が形成される。
【0015】望ましくは、パルス圧縮フィルタには、検
波(包絡検波や直交検波)前におけるRF受信信号が入
力される。また望ましくは、パルス圧縮フィルタは、複
素FFT演算器、複素乗算器、及び、複素IFFT演算
器を含む。複素FFT演算器には、2つのRF受信信号
(2つの実信号)が入力され、つまり、それら2つの実
信号が1つの複素信号に合成処理(パッキング)された
状態で、複素FFT演算器に入力される。そして、複素
FFT演算の結果としての複素信号が複素乗算器に入力
され、そこで、複素信号に対して周波数領域においてフ
ィルタリング(パルス圧縮)がなされる。フィルタリン
グ後の複素信号は複素IFFT回路に入力され、そこで
複素信号に対して分離処理(アンパッキング)がなされ
て、フィルタリングされた2つの実信号が出力される。
フィルタの周波数特性は、周波数領域においてパルス圧
縮を実現するために、時間領域における実インパルス応
答に対応したものとして設計される。上記構成によれ
ば、周波数領域において、パッキング状態でフィルタリ
ングを行えるので、演算量を半減させることができる。
なお、パッキング回路及びアンパッキング回路は、必要
に応じて、パルス圧縮フィルタの入力段及び出力段に設
けられる。
【0016】本発明において、望ましくは、深さ方向に
複数のゾーン(フィルタリング処理の単位)が設定さ
れ、各ゾーンごとにフィルタ周波数特性が適応的に選択
される。例えば、深いところの反射波ほど、歪み量が多
い傾向があるが、上記構成によれば、反射波の歪み量を
考慮しつつフィルタリングを行える。各ゾーンを部分的
にオーバーラップさせれば、より自然な超音波画像を構
成できる。
【0017】また、本発明において、望ましくは、非符
号化送信と符号化送信とが組み合わせて実施される。受
信信号の処理に当たっては、符号化送信に対応する受信
信号に対してパルス圧縮処理がなされる。この構成によ
れば、非符号化送信と符号化送信の両者の利点を享受で
きる。
【0018】(2)また、上記目的を達成するために、
本発明は、超音波の送波及び反射波の受波により得られ
た実信号に対してパルス圧縮を行う超音波診断装置にお
いて、第1の実信号を実部とし且つ第2の実信号を虚部
とする第1の複素信号を構成する手段と、前記第1の複
素信号を時間領域から周波数領域へ変換し、これにより
第1の複素信号の周波数スペクトルを生成する手段と、
前記第1の複素信号の周波数スペクトルに対して、第1
のフィルタ周波数特性を乗算し、これによりフィルタリ
ングされた第1の複素信号の周波数スペクトルを生成す
る手段と、前記フィルタリングされた第1の複素信号の
周波数スペクトルを周波数領域から時間領域へ逆変換
し、これにより、フィルタリングされた第1の実信号を
実部とし且つフィルタリングされた第2の実信号を虚部
とする、フィルタリングされた第1の複素信号を生成す
る手段と、を含むことを特徴とする。
【0019】上記構成によれば、第1及び第2の実信号
(望ましくは、第1及び第2のRF受信信号)が第1の
複素信号として構成され(パッキングされ)、その第1
の複素信号が周波数スペクトル(各周波数ごとの成分量
を表す信号)に変換される。そして、その周波数スペク
トルに対して周波数領域においてフィルタリングつまり
パルス圧縮がなされる。そして、そのフィルタリング後
の周波数スペクトルが時間領域へ変換され、これにより
パルス圧縮後の第1の複素信号が生成される。更に、必
要に応じて、パルス圧縮後の第1の複素信号を構成する
第1及び第2の実信号が分離される(アンパッキン
グ)。よって、パッキングされた一組の実信号に対し
て、周波数領域において、まとめてパルス圧縮処理を行
って、従来よりも演算量を大幅に削減できるという利点
がある。同様の理由から、2つの実信号を並列処理ある
いは一括処理できるので、リアルタイム性を向上でき
る。なお、第1及び第2の実信号は、同一のビーム方位
上又は異なるビーム方位上において取得されたものであ
る。
【0020】望ましくは、前記第1のフィルタ周波数特
性を複数のフィルタ周波数特性の中から選択する手段を
含む。例えば、深さ方向の処理範囲を規定する各ゾーン
の深度に応じて、フィルタ周波数特性を切り換えれば、
超音波画像全体として画質を向上することが可能であ
る。
【0021】望ましくは、第3の実信号を実部とし且つ
第4の実信号を虚部とする第2の複素信号を構成する手
段と、前記第2の複素信号を時間領域から周波数領域へ
変換し、これにより第2の複素信号の周波数スペクトル
を生成する手段と、前記第2の複素信号の周波数スペク
トルに対して、第2のフィルタ周波数特性を乗算し、こ
れによりフィルタリングされた第2の複素信号の周波数
スペクトルを生成する手段と、前記フィルタリングされ
た第2の複素信号の周波数スペクトルを周波数領域から
時間領域へ逆変換し、これにより、フィルタリングされ
た第3の実信号を実部とし且つフィルタリングされた第
4の実信号を虚部とする、フィルタリングされた第2の
複素信号を生成する手段と、を含む。
【0022】上記構成によれば、2つの処理部(それぞ
れの処理部が複素信号を構成する手段、周波数スペクト
ルを生成する手段、フィルタリングを行う手段を含む)
が並列して設けられることになり、2つの複素信号を並
列処理することができる。つまり、4つの実信号を同時
又は時間差をもって並列処理できる。もちろん、それ以
上の個数の実信号が並列処理されるように設計すること
もできる。
【0023】望ましくは、前記第2のフィルタ周波数特
性を複数のフィルタ周波数特性の中から選択する手段を
含む。第1の複素信号と第2の複素信号とで別々のフィ
ルタ周波数特性を用いてフィルタリングを行ってもよい
し、同一のフィルタ周波数特性を用いてフィルタリング
を行ってもよい。
【0024】望ましくは、前記第1のフィルタ周波数特
性を適応的に計算する手段を含む。望ましくは、前記第
1のフィルタ周波数特性は、ファントムからの反射波の
スペクトルを測定することによりあらかじめ計算された
ものである。実験値からフィルタ周波数特性を得れば、
それをより適切なものにできる。
【0025】(3)また、上記目的を達成するために、
本発明に係る周波数領域フィルタは、超音波の送波及び
反射波の受波により得られた実信号を処理する周波数領
域フィルタであって、第1の実信号を実部とし且つ第2
の実信号を虚部とする第1の複素信号を時間領域から周
波数領域へ変換し、これにより第1の複素信号の周波数
スペクトルを生成する第1の高速フーリエ変換器と、前
記第1の複素信号の周波数スペクトルに対して、第1の
フィルタ周波数特性を乗算し、フィルタリングされた第
1の複素信号の周波数スペクトルを生成する第1の複素
乗算器と、前記フィルタリングされた第1の複素信号の
周波数スペクトルを周波数領域から時間領域へ逆変換
し、これにより、フィルタリングされた第1の実信号を
実部とし且つフィルタリングされた第2の実信号を虚部
とする、フィルタリングされた第1の複素信号を生成す
る第1の逆高速フーリエ変換器と、を含むことを特徴と
する。
【0026】上記構成によれば、第1の実信号及び第2
の実信号を時間的に揃えて第1の複素信号を構成し、そ
の第1の複素信号の周波数スペクトルに対して第1のフ
ィルタ周波数特性を乗算してパルス圧縮のための畳み込
み演算を実行し、その演算後の周波数スペクトルから、
フィルタリング後の第2の複素信号(フィルタリングさ
れた第1及び第2の実信号)が求められる。高速フーリ
エ変換器が複素FFT演算器とも称される場合があり、
また、逆高速フーリエ変換器が複素IFFT演算器と称
される場合がある。
【0027】望ましくは、複数のフィルタ周波数特性を
格納し、その中から前記第1のフィルタ周波数特性が選
択されると、その選択された第1のフィルタ周波数特性
を前記第1の複素乗算器へ供給するメモリ装置を含む。
各フィルタ周波数特性は望ましくは複素のフィルタ係数
列として構成され、それらがメモリ装置に保有され、必
要に応じて選択的に利用される。
【0028】望ましくは、前記第1の高速フーリエ変換
器、前記第1の複素乗算器及び前記第1の逆高速フーリ
エ変換器を備えた第1の処理部を含む。
【0029】望ましくは、第2の処理部と、複素信号を
前記第1の処理部と前記第2の処理部とに交互に供給す
る手段と、を含み、前記第2の処理部は、第3の実信号
を実部とし且つ第4の実信号を虚部とする第2の複素信
号を時間領域から周波数領域へ変換し、これにより第2
の複素信号の周波数スペクトルを生成する第2の高速フ
ーリエ変換器と、前記第2の複素信号の周波数スペクト
ルに対して、第2のフィルタ周波数特性を乗算し、フィ
ルタリングされた第2の複素信号の周波数スペクトルを
生成する第2の複素乗算器と、前記フィルタリングされ
た第2の複素信号の周波数スペクトルを周波数領域から
時間領域へ変換し、これにより、フィルタリングされた
第3の実信号を実部とし且つフィルタリングされた第4
の実信号を虚部とする、フィルタリングされた第2の複
素信号を生成する第2の逆高速フーリエ変換器と、を備
える。
【0030】望ましくは、前記第1及び第2の実信号を
直列に入力し、前記第1の実信号を前記高速フーリエ変
換器の実部入力に供給し、前記第2の実信号を前記高速
フーリエ変換器の虚部入力に供給する入力バッファを含
む。この入力バッファは、第1及び第2の実信号を時間
的に揃えて、それらを複素信号として構成(パッキン
グ)するものである。
【0031】望ましくは、前記フィルタリングされた第
1の複素信号を入力し、前記フィルタリングされた第1
の実信号と前記フィルタリングされた第2の実信号とを
直列に出力する出力バッファを含む。この出力バッファ
は、フィルタリングされた第2の複素信号を構成する第
1の実信号及び第2の実信号を分離(アンパッキング)
するものである。それらのフィルタリング後の第1の実
信号及び第2の実信号は、基本的に、もとの時系列順で
直列出力される。
【0032】(4)また、上記目的を達成するために、
本発明は、送信信号を生成する送信信号生成部と、前記
送信信号により生体に対して超音波を送波し、前記送信
信号に対応する反射波を受波するトランスデューサと、
前記トランスデューサからの出力信号に対してビーム形
成処理を実行し、実信号を出力する受信部と、前記受信
部からの実信号を入力するパルス圧縮フィルタと、を有
する超音波診断装置において、前記パルス圧縮フィルタ
は、前記入力された実信号を振り分けて、一対の実信号
を実部及び虚部とする複素信号を生成する入力バッファ
と、前記複素信号を時間領域から周波数領域に変換し、
これにより前記複素信号の周波数スペクトルを生成する
高速フーリエ変換器と、前記複素信号の周波数スペクト
ルに対してフィルタ周波数特性を乗算し、パルス圧縮さ
れた複素信号の周波数スペクトルを生成する複素乗算器
と、前記パルス圧縮された複素信号の周波数スペクトル
を周波数領域から時間領域に逆変換し、パルス圧縮され
た一対の実信号を含む、パルス圧縮された複素信号を生
成する逆高速フーリエ変換器と、を含むことを特徴とす
る。
【0033】望ましくは、前記パルス圧縮フィルタは、
前記複数のフィルタ周波数特性を記憶するメモリ装置を
含み、前記複数のフィルタ周波数特性の中から選択され
たフィルタ周波数特性が前記複素乗算器に供給される。
【0034】望ましくは、深さ方向に複数のゾーンが設
定され、各ゾーンごとにフィルタ周波数特性が選択され
る。例えば、各ゾーンごとに、隣接する超音波ビーム間
で2つの受信信号(信号セグメント)を揃えて複素信号
として構成し、それをフィルタリングすることも可能で
ある。
【0035】望ましくは、前記パルス圧縮フィルタは、
重畳追加フィルタ方式及び重畳保留フィルタ方式の少な
くとも一方に従って構成される。両者は、隣接ゾーン間
での信号のオーバーラップ部分の処理に関する方式であ
るが、いずれの方式もそれ自体は公知である。そのよう
なオーバーラップを考慮し、すなわちゾーン間の重み付
け(同様に、窓関数に従う重み付け)を考慮し、フィル
タ周波数特性を設計しておくのが望ましい。
【0036】望ましくは、前記送信信号は符号化された
波形である。望ましくは、前記送信信号は線形チャープ
方式又はバーカ符号方式の一方に従って構成される。前
者は周波数変調を用いるものであり、後者は送信コード
を用いるものである。
【0037】望ましくは、前記送信信号は、非符号化波
形及び符号化波形を含む。前者によれば、パルスを構成
する波数が少ないため送信開始時から受信開始時までの
受信空白期間を削減でき、また送信フォーカスに当たっ
て方位方向の集束性を向上できる。一方、後者によれば
SNRを向上できる。よって、諸条件に応じて、それら
を組合せ利用するのが望ましい。
【0038】望ましくは、前記パルス圧縮フィルタは、
前記非符号化波形の送受信周期の間に、前記符号化波形
に対応する反射波を表す実信号に対してパルス圧縮処理
を遂行する。
【0039】望ましくは、前記フィルタ周波数特性は、
ビーム集束深度に基づき選択される。望ましくは、前記
フィルタ周波数特性は適応的に計算される。望ましく
は、前記フィルタ周波数特性はファントムからの反射波
のスペクトルを測定することによりあらかじめ計算され
る。
【0040】(5)また、上記目的を達成するために、
本発明は、符号化された送信パルスを生体に繰り返し送
波すると共に生体からの反射波を受波し、これにより受
信信号を順次出力する送受波手段と、前記受信信号を入
力し、その受信信号を時系列順で振り分ける手段であっ
て、第1受信信号を実部とし且つ第2受信信号を虚部と
する複素信号を構成する前処理手段と、前記複素信号を
時間領域から周波数領域へ変換し、前記複素信号の周波
数スペクトルを生成する手段であって、前記第1受信信
号が入力される実部入力と、前記第2受信信号が入力さ
れる虚部入力と、前記周波数スペクトルを表す実部信号
が出力される実部出力と、前記周波数スペクトルを表す
虚部信号が出力される虚部出力と、を有する複素フーリ
エ変換手段と、前記複素信号の周波数スペクトルを表す
実部信号に対してパルス圧縮のためのフィルタ周波数特
性を乗算してフィルタリングされた実部信号を出力する
第1乗算器と、前記複素信号の周波数スペクトルを表す
虚部信号に対してパルス圧縮のためのフィルタ周波数特
性を乗算してフィルタリングされた虚部信号を出力する
第2乗算器と、を有する複素乗算手段と、前記フィルタ
リングされた実部信号と前記フィルタリングされた虚部
信号とからなるフィルタリングされた複素信号の周波数
スペクトルを周波数領域から時間領域へ逆変換し、フィ
ルタリングされた第1受信信号とフィルタリングされた
第2受信信号とで構成される複素信号を生成する手段で
あって、前記フィルタリングされた実部信号を入力する
実部入力と、前記フィルタリングされた虚部信号を入力
する虚部入力と、前記フィルタリングされた第1受信信
号を出力する実部出力と、前記フィルタリングされた第
2受信信号を出力する虚部出力と、を有する複素逆フー
リエ変換手段と、前記フィルタリングされた複素信号を
入力し、前記フィルタリングされた第1受信信号と前記
フィルタリングされた第2受信信号とを時系列順で出力
する後処理手段と、前記後処理手段から順次出力される
受信信号に基づいて超音波画像を形成する画像形成手段
と、を含むことを特徴とする。
【0041】上記前処理手段はパッキング処理手段に相
当し、上記後処理手段はアンパッキング処理手段に相当
する。
【0042】望ましくは、前記フィルタ周波数特性を送
受信条件に応じて切り換える手段を含む。望ましくは、
前記送受信条件は送信ビーム集束深度である。
【0043】(6)また、上記目的を達成するために、
本発明は、符号化された超音波パルスを生体に送波する
と共に生体からの反射波を受波し、これにより受信信号
を出力する送受波手段と、前記受信信号を時間領域から
周波数領域に変換して受信信号の周波数スペクトルを求
め、その周波数スペクトルに対してパルス圧縮演算を実
行し、パルス圧縮演算がなされた周波数スペクトルを周
波数領域から時間領域へ変換し、これによりパルス圧縮
された受信信号を出力するパルス圧縮手段と、前記パル
ス圧縮された受信信号に基づいて超音波画像を形成する
画像形成手段と、を含み、前記パルス圧縮演算の条件が
送信ビーム集束深度に応じて可変されることを特徴とす
る。
【0044】上記パルス圧縮演算の条件の可変は、例え
ば、パルス圧縮のためのフィルタ周波数特性を可変する
ものである。
【0045】(7)また、上記目的を達成するために、
本発明は、所定シーケンスに従って非符号化送信パルス
及び符号化送信パルスを生体に送波すると共に生体から
の反射波を受波し、これにより前記非符号化送信パルス
に対応する非符号化受信信号及び前記符号化送信パルス
に対応する符号化受信信号を出力する送受波手段と、前
記符号化受信信号に対してパルス圧縮処理を施して圧縮
受信信号を出力するパルス圧縮処理手段と、前記非符号
化受信信号及び前記圧縮受信信号に基づいて超音波画像
を形成する画像形成手段と、を含むことを特徴とする。
【0046】上記構成によれば、非符号化送信パルスの
送波(通常送信)と符号化送信パルスの送波(符号化送
信)とが所定シーケンスにしたがって実行される。この
場合、例えば、近距離ゾーンについては、受信空白期間
の削減などの観点から、通常送信を行うのが望ましい。
遠距離(あるいは中距離及び遠距離)ゾーンについて
は、感度を向上させるために、符号化送信を行うのが望
ましい。その場合に、例えば遠距離ゾーンに対して複数
のサブゾーンを設定し、各サブゾーンごとにその深度に
応じてフィルタ周波数特性を切り換えるようにするのが
望ましい。なお、上記構成においては、2つの受信信号
をパッキングして複素信号に構成し、その複素信号に対
して周波数領域においてパルス圧縮を行うのが望ましい
が、そのような処理以外のパルス圧縮処理を行うように
してもよい。すなわち、上記構成は、通常送信と符号化
送信の組合せを特徴とするものである。
【0047】望ましくは、深さ方向に複数のゾーンが設
定され、各ゾーンごとに超音波パルスが送波され、前記
ゾーンの深さに応じて前記非符号化パルスの送波又は前
記符号化パルスの送波が選択される。望ましくは、前記
超音波画像は二次元断層画像又は二次元ドプラ画像であ
る。
【0048】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るフィルタが
使用される医用超音波システム(超音波診断装置)10
の簡略的な構成を示すブロック図である。超音波診断装
置10は、トランスデューサ12、送受信スイッチ1
4、送信部16、受信部18、パルス圧縮フィルタ2
0、信号処理部22、画像処理部24、及び、表示装置
26を含む。
【0049】トランスデューサ12は、図示されていな
い超音波探触子内に配置され、1つ又は多数の圧電素子
28によって構成される。送受信スイッチ14は、トラ
ンスデューサ12に対して、送信部16又は受信部18
を選択的に接続する。データ収集の各周期は送信トリガ
から開始され、個々のデータ収集の周期は大別して送信
期間と受信期間とからなる。なお、データ収集の各周期
は同一でなくてもよく、近距離のデータ収集に対応する
短周期と遠距離のデータ収集に対応する長周期とを交互
に繰り返すシーケンスなどを設定するようにしてもよ
い。更に、そのシーケンスとしては公知の各種の方式を
採用できる。
【0050】送信期間において、送信部16は、種々の
送信ビーム形成アルゴリズムに従って、相対遅延や振幅
調整などを行いながら、トランスデューサ12に対して
送信信号を供給する。具体例を説明すると、トランスデ
ューサ12において送信開口を構成する複数の圧電素子
に対して複数の送信信号が供給される。それらの励起に
より生体内へ超音波パルスが送波される。それらの超音
波パルスは送波ビームを構成する。ここで、送信信号
は、数個の波からなる通常のパルス、あるいは、それ以
上の波数をもって符号化されたパルスである。後者は、
例えば、線形チャープ又はバーカ符号などの符号化方式
により生成された波形形状を有する。符号化方式として
は、パルス圧縮を行える限りにおいて、各種の方式を用
いることができる。
【0051】送信期間後の受信期間では、受信部18に
おける複数のチャネルにおいて、トランスデューサ12
から出力された複数の受信信号が処理される。具体例を
説明すると、受信部18において、複数の受信信号は、
受信ビーム形成アルゴリズムにしたがって増幅され、フ
ィルタリングされ、遅延され、また重み付け加算され、
これにより、受信ビーム(走査線)に対応するRF周波
数をもった1つの受信信号が形成される。その受信信号
は、いわゆる整相加算後の信号である。ここで、トラン
スデューサ12からの各受信信号はアナログ信号である
が、各受信信号は、ビーム形成の前後いずれかの時点に
おいてデジタル信号に変換される。いずれの場合にも、
受信部18からの出力は、複数のアナログRF信号から
生成された一連のデジタルサンプルデータである。この
連続するデジタルサンプルを以後、デジタルRF信号
(あるいは単にRF信号)と呼ぶ。デジタルRF信号
は、例えば、1024個のサンプルデータによって構成
されるものである。それらのサンプルデータは、深さ方
向(ビーム方向)にゾーン設定がなされない場合には、
深さ方向の全範囲に対応し、深さ方向に複数のゾーンが
設定される場合に個々のゾーンに対応する。いずれにし
ても、デジタルRF信号は、基本的に、超音波の送受波
ごとに取得される(但し、1送信ビーム当たり複数の受
信ビームが同時に形成されるような場合には各受信ビー
ムごとにデジタルRF信号が取得される)。
【0052】次に、受信部18から順次出力されるデジ
タルRF信号は、パルス圧縮フィルタ20に入力され、
ここで周波数依存位相遅延(パルス圧縮)処理が施され
る。これについては、後に詳述する。なお、通常送信の
場合には、受信信号はパルス圧縮フィルタ20をそのま
ま通過し、あるいは、そのパルス圧縮フィルタ20をバ
イパスして、後段の信号処理部22へ出力される。
【0053】パルス圧縮フィルタ20から出力されたパ
ルス圧縮信号は、信号処理部22においてさらに処理さ
れる。すなわち、そこでは、超音波画像を構成するため
に、パルス圧縮信号に対して、復調、フィルタリング、
検波、ログ圧縮、間引き又は補間などの処理がなされ
る。なお、ドプラ情報を画像化する場合には、直交検
波、自己相関演算などがなされる。このように処理され
た信号がさらに画像処理部24に送られ、ここで、走査
変換、線形及び非線形2次元フィルタリング、グレイス
ケール処理又はカラーマッピング処理などの演算が実行
される。このように処理された超音波画像は、一般には
陰極線管である表示部26に表示される。さらに、この
超音波画像をデジタル又はアナログ媒体に記憶してもよ
いし、フィルムへの記録又は用紙への印刷などのために
用いてもよい。図1では、種々の記憶装置及びハードコ
ピー装置、タイミング信号及び制御信号、ユーザインタ
フェースなどの他の構成が図示省略されている。
【0054】図2は、デジタルRF信号に周波数依存型
の位相遅延を与える並列処理型の周波数領域フィルタ5
0のブロック図である。後述するように、この周波数領
域フィルタ50は、そのまま図1のパルス圧縮フィルタ
20として用いられてもよいし、後に図3を用いて説明
するように、周波数領域フィルタ50に前段及び後段に
入力バッファ100と出力バッファを付加した構成を図
1のパルス圧縮フィルタ20として用いるようにしても
よい。
【0055】図2において、フィルタ50は、4つのブ
ロック、すなわち、高速フーリエ変換(FFT)ブロッ
ク(高速フーリエ変換器)52、複素乗算器54、フィ
ルタ特性メモリ56、及び、逆高速フーリエ変換(IF
FT)ブロック(逆高速フーリエ変換器)58で構成さ
れている。FFTブロック52及びIFFTブロック5
8は、それぞれ2つの入力(実部入力、虚部入力)及び
2つの出力(実部出力、虚部出力)を備えている。周知
のように、フーリエ変換は、その定義及び構造から、複
素形式で処理される。したがって、ブロック52,58
のそれぞれの1入力及び1出力が複素信号の実部のため
に用いられ、ブロック52と58のそれぞれの1入力及
び1出力が複素信号の虚部のために用いられる。本実施
形態において、周波数領域フィルタ50の1つの実部入
力に実信号(デジタルRF信号)が入力され、フィルタ
50のもう1つの虚部入力にも、実信号(デジタルRF
信号)が入力がされる。これにより、2つの実信号を並
列でフィルタリング処理することが可能である。つま
り、処理速度を上げることができる。
【0056】複素信号を構成する2つの実信号は、深さ
方向の全範囲で取得されたもの、あるいは、いずれかの
ゾーンで取得されたものである。各ゾーン間で異なるフ
ィルタ周波数特性が用いられる場合には、同一深度のゾ
ーンから取得された2つの実信号によって複素信号が構
成され、各ゾーン間で同一のフィルタ周波数特性が用い
られる場合には、異なる深度のゾーンから取得された2
つの実信号によって複素信号を構成することができる。
また、複素信号を構成する2つの実信号は、同一のビー
ム上において順番に取得され、あるいは、異なるビーム
上において順番に又は同時に取得されたものである。
【0057】畳込み演算の線形性のため、複素信号が純
粋な実インパルス応答を有するフィルタによりフィルタ
リングされる場合には、複素信号の実部及び虚部が相互
作用することなく別々にフィルタリングされる。その性
質を利用して2つの実信号を並列処理することが可能と
なる。
【0058】次式に示すように、周波数領域フィルタ5
0において、実部出力には、その実部入力に入力された
実信号をフィルタリングした後の実信号が現れ、その虚
部出力には、その虚部入力に入力された実信号をフィル
タリングした後の実信号が現れる。
【0059】
【数1】 ここで、×を丸で囲んだ記号は、畳込み演算を表してい
る。Sは信号であり、wはフィルタのインパルス応答
(フィルタ特性)を表す。この結果、周波数領域フィル
タ50において、入力される2つの実信号と、それに乗
算するフィルタのインパルス応答とがいずれも実数であ
れば、周波数領域フィルタ50の有効処理速度は、1つ
の実信号を処理する場合に比べて倍増する。つまり、実
部入力に入力された第1の実信号と、虚部入力に入力さ
れた第2の実信号とを並列処理することができる。
【0060】図2を参照して動作を説明する。FFTブ
ロック52の実部入力に、デジタルRF信号を供給し、
FFTブロック52の虚部入力に、タイミングを揃えつ
つ別のデジタルRF信号を供給することにより、時間領
域の複素信号が構成される。超音波診断装置において、
各デジタルRF信号は、例えば、受信部18(図1)に
より形成される受波ビーム(の全体又は一部)に相当す
るものである。FFTブロック52は、この時間領域の
複素信号を周波数領域に変換する。変換後における複素
信号の周波数スペクトルは、実部信号及び虚部信号によ
って表され、それらが複素乗算ブロック54に供給され
る。複素乗算ブロック54は実数部の乗算器と虚数部の
乗算器とを有する。そこで、フィルタ特性メモリ56に
記憶される適当なフィルタ周波数特性が、入力された周
波数スペクトルに乗算される。複素乗算ブロック54か
ら出力された実部信号及び虚部信号は、パルス圧縮され
た複素信号の周波数スペクトルに相当し、それらがIF
FTブロック58の実部入力及び虚部入力に供給され
る。IFFTブロック58では、パルス圧縮された複素
信号の周波数スペクトルを、パルス圧縮された時間領域
の複素信号へ変換する。このIFFTブロック58から
出力される実部信号及び虚部信号がパルス圧縮された2
つの実信号である。要するに、IFFTブロック58か
ら出力された実部信号が、FFTブロック52の実部入
力に供給されたデジタルRF信号をフィルタリングした
結果であり、一方、IFFTブロック58から出力され
た虚部信号が、FFTブロック52の虚部入力に供給さ
れたデジタルRF信号をフィルタリングした結果であ
る。さらに後に詳述するが、各デジタルRF信号に対す
る適当なフィルタ周波数特性は、ビーム集束深度(beam
focus depth)などの設定に基づいて選択できる。ビー
ム集束深度は各ゾーンごとに設定され、具体的には、ゾ
ーンの中間深さとして設定されてもよい。ただし、各フ
ィルタ周波数特性が対応する時間領域のインパルス応答
は実数でなければならない。
【0061】本実施形態によれば、FFTブロック52
及びIFFTブロック58のそれぞれの1入力及び1出
力のみを用いる場合(従来技術)と比較して、それらの
ブロック52,58を最大限活用できるので、処理速度
が倍増する。例えば、従来技術においては、デジタルR
F信号は実部入力にのみ入力され、虚部入力には一定の
ゼロ値が供給されている。また、2つの実信号に対して
並列してフーリエ変換を実行し、その後、その変換後の
2つの信号を分離して別々に処理する方法とは異なり、
周波数領域フィルタ50では、一連の処理過程の全体に
おいて複素信号の形式で処理されており、フィルタ50
の実部出力及び虚部出力から、フィルタリングされた2
つの信号が直接的に得られる。
【0062】なお、周波数領域フィルタ50は、パルス
圧縮の用途以外でも、すなわち実信号を実インパルス応
答フィルタでフィルタリングしなければならない全ての
信号処理技術において同様に使用できるが、特に、超音
波診断装置におけるパルス圧縮に適用するのが好適であ
る。
【0063】周波数領域フィルタ50が搭載される装置
(例えば、超音波診断装置10)が並列システム(後
述)であれば、後述の入力バッファ100及び出力バッ
ファ104(図3)といった変換手段を用いることな
く、周波数領域フィルタ50を図1のパルス圧縮フィル
タ20としてそのまま利用することができる。ここで、
並列システムとは、受信部18が2つのデジタルRF信
号を並列的に出力し、信号処理部22がパルス圧縮され
た2つのデジタルRF信号を並列的に入力可能なシステ
ムである。このような並列方式を採用するシステムで
は、図2のフィルタ50は、システムが要求するRFサ
ンプリングレート(データ入力/出力レート)で信号を
処理する。すなわち、受信部18から一対のRF信号が
入力されると、フィルタ50は、上記の処理ステップ
(FFT、乗算及びIFFT)で要求される時間以上遅
延させることなく、フィルタリングされた一対の信号を
信号処理部22へ出力する。
【0064】図3は、直列システムにおいて使用される
パルス圧縮フィルタ20のブロック図である。
【0065】図3に示すパルス圧縮フィルタ20が図1
の超音波診断装置のパルス圧縮フィルタ20として使用
される場合、受信部18がデジタルRF信号を1つずつ
順次出力し、信号処理部22は、パルス圧縮されたデジ
タル信号を1つずつ順次受信する。パルス圧縮フィルタ
20は入力バッファ(パッキング回路)100を含み、
入力バッファ100は、受信部18(図1)からの先の
デジタルRF信号を受信し、受信した先のデジタルRF
信号を一時的に保存し、後のデジタル受信信号が入力さ
れた時点で、保存された先のデジタルRF信号を出力す
る。これにより、時間的に揃えられた2つのデジタルR
F信号として複素信号が構成される。このとき、一方の
デジタルRF信号が複素信号の実部となり、他方のデジ
タルRF信号が複素信号の虚部となる。この複素信号の
実部及び虚部が周波数領域フィルタ50に入力される。
出力バッファ(アンパッキング回路)104は、フィル
タ50から出力された複素信号を保存して、フィルタリ
ングされた2つのデジタルRF信号を分離して信号処理
部22(図1)に供給する。
【0066】図2に示される周波数領域フィルタ50
は、3つの処理部を有し、すなわちFFTブロック5
2、複素乗算器54及びIFFTブロック58を有す
る。好ましい実施形態においては、フィルタ50は、単
一のデバイスとして構成され、それは3つの機能、すな
わち、FFT演算、フィルタ伝達関数との乗算、及び、
IFFT演算のすべてを実行する。そのようなデバイス
は、例えば、汎用DSPチップ又は専用FFTチップで
ある。つまり、そのようなデバイスは、3つの処理すべ
てを順次実行するために必要な演算機能を具備し、また
メモリバッファを具備する。以後、プログラム可能な汎
用DSPチップを「DSPチップ」と呼び、専用FFT
チップを「FFTチップ」と呼ぶ。ただし、FFTチッ
プもある程度はプログラム可能であり、FFT処理以外
の例えば複素乗算を実行することもできる。
【0067】一般的な医用超音波(又はレーダシステ
ム)に必要な処理速度でフィルタ50の機能を実行する
には、1つのDSPチップでは速さが十分でない場合も
ある。そこで、複数のDSP又はFFTチップ(それぞ
れが内部バッファ又は外部バッファを備える)を並列配
置して、それらによって並列処理を遂行させることによ
り所望の処理速度を実現できる。
【0068】図4には、2つのDSP又はFFTチップ
150,152を含むフィルタ50が示されている。各
チップ150,152は、望ましくは、信号格納用及び
フィルタ周波数特性格納用の内部メモリバッファを含
む。この実施形態では、各チップ150、152は、周
波数領域フィルタ50に要求される処理速度の2分の1
の速度で、一連のフィルタ処理を実行でき、また、内部
メモリバッファのサイズは倍増されており、その内部メ
モリバッファに既にロードされたデータを処理しつつ、
そこに新しいデータがロードされる。
【0069】実際の動作では、複素信号が、受信部18
から供給され(並列システムの場合)、あるいは、入力
バッファを介して供給されると(直列システムの場
合)、スイッチ154,156,158及び160(例
えば、マルチプレクサ又は読出し/書込み可能なタイマ
制御モジュール)が同期化し、複素信号をチップ150
及び152に交互に送る。例えば、すべての偶数番目の
複素信号をチップ150にロードし、すべての奇数番目
の複素信号をチップ152にロードできる。この場合、
各チップ150、152は、1つの複素信号の処理に、
1チップだけを用いる場合に比べて、2倍の時間を利用
できる。なお、チップの処理時間と所望の処理時間との
関係に応じて、並列チップの数をさらに増加させること
ができる。例えば、各チップの処理速度が所望の処理速
度の3分の1である場合、3つのチップを同様の配置で
並列に配置できる(図示せず)。
【0070】所望の処理速度を実現するために必要な並
列設置されるDSP又はFFTチップの数は、周知の多
領域映像方法により減少させることができる。この方法
では、画像全体を深さ方向に2つ以上の深度領域(ゾー
ン)に分割し、別々の送受信周期を用いて各領域からデ
ータを取得する。この方法は、一般に、送信部16(図
1)の作用によって、各ゾーンごとに最適な送信ビーム
が形成される。例えば、送信部16は、信号の減衰が大
きく、信号対ノイズ比(SNR)が極めて劣っている遠
距離領域においては、符号化された波形をもった送信パ
ルスを生成する(符号化送信)。一方、減衰やSNRが
ほとんど問題にならない近距離領域では、受信空白期間
を削減するためにも、複数個の波で構成される単純なパ
ルス信号を生成する(通常送信)。パルス圧縮フィルタ
20は、符号化送信が適用される場合にのみ必要であ
る。したがって、符号化送信が遠距離領域でのみ使用さ
れる場合には(つまり、近距離領域については通常送信
が行われる場合には)、近距離領域の送受信期間を遠距
離領域についての受信信号処理期間の一部として用いる
ことができる。
【0071】図5には、直列システムに使用されるパル
ス圧縮フィルタ20が示されている。上述のように、直
列システムとは、受信部18が1つずつデジタルRF信
号を順次出力し、信号処理部22がパルス圧縮されたデ
ジタルRF信号を1つずつ順次受信するシステムであ
る。パルス圧縮フィルタ20は、入力バッファ100、
周波数領域フィルタ50及び出力バッファ104を含ん
でいる。
【0072】周波数領域フィルタ50は、DSPチップ
又はFFTチップ150,152を含む。図5に示され
る実施形態では、受信部18(図1)からパルス圧縮フ
ィルタ20へデジタルRF信号が送信される場合のデー
タ速度を基準として、その4分の1の速度で、チップ1
50,152が1つの複素信号を処理できる。複素信号
を2つのデジタルRF信号で構成することにより、各チ
ップ150,152の有効処理速度を所望の処理速度の
半分にすることができる。この結果、2つのチップだけ
で所望の信号処理速度が実現される。フィルタ50はさ
らにスイッチ158,160を含む。これらのスイッチ
は、図ではマルチプレクサとして示され、時分割トライ
ステート(time-shared tri-state)バスで構成しても
よい。
【0073】入力バッファ100はバッファメモリ20
2を含む。バッファメモリ202は、例えば、処理チッ
プ150,152の信号記憶容量と等しい記憶サイズを
有するFIFO又はデュアルポートRAMである。例え
ば、デジタルRF信号が1024サンプルのデータの場
合、バッファメモリ202及び処理チップ150,15
2の記憶容量は1024の整数倍である。好ましくは、
FFT演算の効率を最大化するために、デジタルRF信
号のデータ数は2の累乗又は4の累乗である。
【0074】出力バッファ104は、マルチプレクサ2
06及びバッファメモリ204を含む。バッファメモリ
204は、例えば、バッファメモリ202と等しい記憶
サイズを有するFIFO又はRAMである。マルチプレ
クサ158,160、206は、時分割トライステート
バスで構成してもよい。
【0075】図5に示したパルス圧縮フィルタ20の動
作を図6を参照しつつ説明する。
【0076】図6は、パルス圧縮フィルタ20のタイミ
ングチャートであり、各時間ステップが列1−9で示さ
れ、パルス圧縮フィルタ20の各部の処理が行(方向)
に示されている。時間ステップ1において、デジタルR
F信号「a」がメモリ202に入力される。時間ステッ
プ2において、次のデジタルRF信号「b」が受信さ
れ、デジタルRF信号「a」及び「b」が処理チップ1
50の実部入力及び虚部入力に供給される。時間ステッ
プ3において、デジタルRF信号「c」がメモリ202
に入力され、処理チップ150は「a」と「b」からな
る複素信号の処理を開始する。時間ステップ4におい
て、デジタルRF信号「d」が受信され、デジタルRF
信号「c」及び「d」が、処理チップ152の実部入力
及び虚部入力に供給される。時間ステップ5において、
デジタルRF信号「e」がメモリ202に入力され、処
理チップ152は、「c」と「d」からなる複素信号の
処理を開始する。時間ステップ6において、処理チップ
150は、「a」と「b」からなる複素信号の処理を完
了し、信号「e」と「f」が入力される。時間ステップ
7においては次の動作が発生する。すなわち、処理チッ
プ150はパルス圧縮されたRF信号「a」をマルチプ
レクサ158及び206を介して出力ライン208に出
力し、パルス圧縮されたRF信号「b」をマルチプレク
サ160を介してメモリ204に出力し、さらに「e」
と「f」から成る複素信号の処理を開始する。メモリ2
02は新しいデジタルRF信号「g」を受信する。時間
ステップ8においては、次の動作が発生する。すなわ
ち、処理チップ152は「c」と「d」からなる複素信
号の処理を完了し、信号「g」及び「h」の入力を受
け、メモリ204は、パルス圧縮された信号「b」をマ
ルチプレクサ206を介して出力208に供給する。時
間ステップ9においては、処理チップ152は、パルス
圧縮されたRF信号「c」をマルチプレクサ158及び
206を介して出力208に出力し、パルス圧縮された
RF信号「d」をマルチプレクサ160を介してメモリ
204に供給し、「g」と「h」からなる複素信号の処
理を開始する。メモリ202は新しいデジタルRF信号
「i」の入力を受ける。時間ステップ10(図示せず)
においては、メモリ204は、パルス圧縮された信号
「d」をマルチプレクサ206を介して出力ライン20
8に出力し、処理チップ150は「e」と「f」からな
る複素信号の処理を完了し、新しいデジタルRF信号を
受信する。このようにして、上記の処理を任意の時間ス
テップ数の間、継続することができる。
【0077】要約すると、図5のパルス圧縮フィルタ2
0は、各偶数番目のデジタルRF信号をメモリ202に
一時的に保存し、次に奇数番目のデジタルRF信号を処
理チップ150又は152のいずれかの虚部入力にロー
ドし、これと同時に保存された偶数番目のデジタルRF
信号をメモリ202から同じ処理チップ150又は15
2の実部入力にロードすることにより、2つのデジタル
RF信号を並列処理する。次の偶数番目及び奇数番目の
デジタルRF信号も、同様に、他方の処理チップ150
又は152にロードされる。このように、デジタルRF
信号の対が4信号周期に1回ずつ各処理チップ150又
は152にロードされることにより、処理チップ15又
は152には、フィルタリング処理を実行するための十
分な時間が与えられる。フィルタリング処理が完了する
と、チップ150,152は、フィルタリングした複素
信号を出力する。ここで、複素信号の実部は、マルチプ
レクサ158又は206を介して信号処理部22(図
1)に直接出力され、複素信号の虚部はマルチプレクサ
206を介してメモリ204にロードされる。実部の出
力後、マルチプレクサ206が切替わり、メモリ204
に保存された信号が信号処理部22に出力される。次の
RF信号処理周期においては、第2のチップ150又は
152による処理が完了し、マルチプレクサ158,1
60,206が切替えられ、フィルタリングされた次の
2つの信号が出力される。このように、パルス圧縮フィ
ルタ20は、5信号周期のパイプライン遅延で信号をリ
アルタイムに処理する。
【0078】上述したパルス圧縮フィルタ20の動作
は、各プロセッサ150、152が、パルス圧縮に必要
な全データを受け入れるのに十分な容量を備えることを
仮定している。しかしながら、例えば、各ゾーンに対応
させて、デジタルRF信号を複数のセグメントに分割
し、それらを別々に処理することが効果的な場合もあ
る。この場合、図5のフィルタ20を使用し、同一RF
信号を2つのセグメントに分割し、これらを並列処理し
てもよい。この場合の処理は、図5及び図6において上
述した処理と同様であるが、この場合、フィルタ20
は、時間的に連続するデジタルRF信号ではなく、連続
するセグメントを処理する。
【0079】RF信号を複数のセグメントで処理する場
合、既知のフィルタリング技術である「重畳加算法(ov
erlap-add)」又は好ましくは「重畳保留法(overlap-s
ave)」を適用できる。後者の重畳保留法によれば、入
力セグメントは部分的に重複する(重複の長さはインパ
ルス応答の長さマイナス1に等しい)。このような重複
は、入力バッファ100や出力バッファ104を用いて
実現できる。重畳加算法及び重畳保存法のフィルタリン
グ技術は周知であり、オッペンハイムとシェ−ファ−
(Oppenheim & Schafer)による「デジタル信号処理」
(Digital SignalProcessing,Prentice-Hall,Inc.197
5)にさらに詳細な記載がある。
【0080】超音波診断において、超音波は、媒体を伝
搬する際に周波数依存の減衰を受ける。信号が伝搬する
ほど減衰が大きくなり、各周波数成分は別々に減衰され
る。この現象により、深度が相違するとエコーのスペク
トルが異なる。このため、パルス圧縮に当たっては、深
度ごとに対応した複数のフィルタ周波数特性を用いる必
要がある。すなわち、深度によって特性が可変するパル
ス圧縮フィルタが要求される。
【0081】深度可変型のパルス圧縮フィルタを実施す
るために、重畳保留フィルタ技術が使用される。この技
術においては、減衰によって信号がそれほど大きく変形
されない、比較的小さい範囲に対応するセグメントのサ
イズが選択される。例えば、3.75MHzの中心周波
数、15MHzのRFサンプリング周波数、及び、51
3タップのフィルタインパルス応答に対する医用超音波
においては、1024サンプルのセグメントサイズが選
択される。本実施形態の方法により、2つのセグメント
が並列に処理されることを考慮すると、上記セグメント
サイズは、0.5×(1024÷15MHz)×1.5
4mm/μs=52.56mmの範囲をカバーする10
24のフィルタリングサンプルとなる。52.56mm
セグメントのそれぞれに対し、異なるフィルタ特性を使
用してもよい。図2のフィルタ特性メモリ56は複数
(通常は4つ)のフィルタ周波数特性を保存する十分な
容量を備え、各深度のセグメントに対して適当なフィル
タ周波数特性が選択される。
【0082】各深度セグメントに対する適当なフィルタ
周波数特性は、K.エック(Eck)と共著者による"D
epth-Dependent Mismatched Filtering Using Ultrason
ic Attenuation as a Filter Design Parameter", proc
eedings of the IEEE Ultrasonics Symposium, 1998.に
記載されるように、各ビーム又はビーム群からのRF信
号から、つまり信号自身から適応的に計算できる。しか
しながら、より好ましい手法は、組織の減衰特性に近い
減衰特性を有するファントムからエコーのスペクトルを
測定し、各深度におけるフィルタ周波数特性を予め計算
する方法である。
【0083】フィルタ特性の予備計算に使用されるファ
ントムは、低反射強度をもつ一様な媒質中に、例えば2
cmの深度ごとの目標深度に1つずつ配置された複数の
強力な反射体(金属又はナイロン糸)を配設したもので
ある。このようなファントムを用いれば、減衰された信
号が直接測定できる。これは、減衰されたエコー信号
が、1つの強力な反射体から完全に(一部の加法性のノ
イズ(additive noise)を除き)生成されるためであ
る。ノイズを低減するためには、各反射体からのエコー
を繰り返し測定し、複数の測定値を平均化する。これに
よって、測定数の平方根に比例して信号対ノイズ比を改
善できる。これは、測定を同一条件で所望の回数実行で
きる静止ファントムを用いて可能である。信頼できる信
号の推定値が得られれば、パルス圧縮フィルタ20のフ
ィルタ周波数特性を、公知の多数の方法のいずれかによ
り計算できる。
【0084】フィルタの周波数特性の計算は、オフライ
ンで実行するのが最適であるが、実際の動作中における
適当なフィルタの選択は、フィルタリングされた信号セ
グメントの深度だけに基づく固定的方法でもよいし、各
セグメントに対する簡略化されたリアルタイム減衰推定
を用いた適応的方法でもよい。パルス圧縮フィルタの実
行中に適当なフィルタを選択するための上記固定的方法
又は適応的方法は公知の技術である。
【0085】以上を要約すると、本実施形態の周波数領
域フィルタ50では、2つの実信号の並列処理が可能で
ある。2つの実信号の並列処理により、従来技術のフィ
ルタに比べて、フィルタの回路規模及びそのコストを大
幅に低減できる。特に超音波診断装置に使用するパルス
圧縮フィルタ20にフィルタ50を適用することによ
り、符号化送信及びパルス圧縮の利点を最大限発揮でき
る超音波診断が実現される。さらに、本実施形態におい
て、周波数領域フィルタ50では、デジタルRF信号の
セグメントの並列処理が可能である。デジタルRF信号
のセグメントの並列処理によって、重畳加算及び重畳保
留フィルタリング方法の実施が可能になる。したがっ
て、本実施形態の装置は、重畳加算法を用いて比較的短
い信号セグメントに周波数領域フィルタリングを実行す
ることにより、減衰の影響を補償することができる。さ
らに、本実施形態の装置は、フィルタ特性を記憶し、固
定方法又は適応方法のいずれかにより、異なる深度セグ
メントに対する異なるフィルタ周波数特性を選択でき
る。これらのフィルタ周波数特性は、好ましくは、ファ
ントムを用いた較正処理においてオフラインで求められ
る。
【0086】好ましい1実施形態及び種々の選択的な実
施形態に関連して本発明を説明したが、本発明の範囲を
逸脱することなく、本発明の要素に変更を行い、かつこ
れを同等物と置き換えてもよいことが当業者には理解さ
れるだろう。さらに、本発明の本質的な範囲を逸脱する
ことなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合さ
せるべく多くの修正が可能である。したがって、本発明
は、本発明を実行するための最適モードとして開示され
る特定の実施形態に限定されるものではなく、請求の範
囲に包含されるすべての実施形態を含むものである。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、信号対ノイズ比を改善
できる。また、そのための回路規模及びコストを低減で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るパルス圧縮フィルタを有する超
音波診断装置の簡略的なブロック図である。
【図2】 周波数領域フィルタのブロック図である。
【図3】 周波数領域フィルタを含むパルス圧縮フィル
タのブロック図である。
【図4】 2つの処理部を備える周波数領域フィルタの
ブロック図である。
【図5】 周波数領域フィルタを有するパルス圧縮フィ
ルタのブロック図である。
【図6】 パルス圧縮フィルタの動作を示すタイミング
チャートである。
【符号の説明】
12 トランスデューサ、16 送信部、18 受信
部、20 パルス圧縮フィルタ、22 信号処理部、2
4 画像処理部、26 表示部、50 周波数領域フィ
ルタ、52 FFTブロック、54 複素乗算器、56
フィルタ特性メモリ、58 IFFTブロック、10
0 入力バッファ、104 出力バッファ、150,1
52 プロセッサ、202,204 メモリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クリス パイン アメリカ合衆国 コネチカット州 ウォー リングフォード フェアフィールド ブル ーバード 10 アロカ ユーエス アール アンドディー センター内 (72)発明者 原田 烈光 東京都三鷹市牟礼6丁目22番1号 アロカ 株式会社内 Fターム(参考) 4C301 EE03 EE04 EE06 JB32 JB34 JB37 4C601 EE01 EE02 EE03 JB28 JB34 JB47 JB49

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波の送波及び反射波の受波により得
    られた実信号に対してパルス圧縮を行う超音波診断装置
    において、 第1の実信号を実部とし且つ第2の実信号を虚部とする
    第1の複素信号を構成する手段と、 前記第1の複素信号を時間領域から周波数領域へ変換
    し、これにより第1の複素信号の周波数スペクトルを生
    成する手段と、 前記第1の複素信号の周波数スペクトルに対して、第1
    のフィルタ周波数特性を乗算し、これによりフィルタリ
    ングされた第1の複素信号の周波数スペクトルを生成す
    る手段と、 前記フィルタリングされた第1の複素信号の周波数スペ
    クトルを周波数領域から時間領域へ逆変換し、これによ
    り、フィルタリングされた第1の実信号を実部とし且つ
    フィルタリングされた第2の実信号を虚部とする、フィ
    ルタリングされた第1の複素信号を生成する手段と、 を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、 前記第1のフィルタ周波数特性を複数のフィルタ周波数
    特性の中から選択する手段を含むことを特徴とする超音
    波診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の装置において、 第3の実信号を実部とし且つ第4の実信号を虚部とする
    第2の複素信号を構成する手段と、 前記第2の複素信号を時間領域から周波数領域へ変換
    し、これにより第2の複素信号の周波数スペクトルを生
    成する手段と、 前記第2の複素信号の周波数スペクトルに対して、第2
    のフィルタ周波数特性を乗算し、これによりフィルタリ
    ングされた第2の複素信号の周波数スペクトルを生成す
    る手段と、 前記フィルタリングされた第2の複素信号の周波数スペ
    クトルを周波数領域から時間領域へ逆変換し、これによ
    り、フィルタリングされた第3の実信号を実部とし且つ
    フィルタリングされた第4の実信号を虚部とする、フィ
    ルタリングされた第2の複素信号を生成する手段と、 を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の装置において、 前記第2のフィルタ周波数特性を複数のフィルタ周波数
    特性の中から選択する手段を含むことを特徴とする超音
    波診断装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の装置において、 前記第1のフィルタ周波数特性を適応的に計算する手段
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の装置において、 前記第1のフィルタ周波数特性は、ファントムからの反
    射波のスペクトルを測定することによりあらかじめ計算
    されたものであることを特徴とする超音波診断装置。
  7. 【請求項7】 超音波の送波及び反射波の受波により得
    られた実信号を処理する周波数領域フィルタであって、 第1の実信号を実部とし且つ第2の実信号を虚部とする
    第1の複素信号を時間領域から周波数領域へ変換し、こ
    れにより第1の複素信号の周波数スペクトルを生成する
    第1の高速フーリエ変換器と、 前記第1の複素信号の周波数スペクトルに対して、第1
    のフィルタ周波数特性を乗算し、フィルタリングされた
    第1の複素信号の周波数スペクトルを生成する第1の複
    素乗算器と、 前記フィルタリングされた第1の複素信号の周波数スペ
    クトルを周波数領域から時間領域へ逆変換し、これによ
    り、フィルタリングされた第1の実信号を実部とし且つ
    フィルタリングされた第2の実信号を虚部とする、フィ
    ルタリングされた第1の複素信号を生成する第1の逆高
    速フーリエ変換器と、 を含むことを特徴とする周波数領域フィルタ。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のフィルタにおいて、 複数のフィルタ周波数特性を格納し、その中から前記第
    1のフィルタ周波数特性が選択されると、その選択され
    た第1のフィルタ周波数特性を前記第1の複素乗算器へ
    供給するメモリ装置を含むことを特徴とする周波数領域
    フィルタ。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のフィルタにおいて、 前記第1の高速フーリエ変換器、前記第1の複素乗算器
    及び前記第1の逆高速フーリエ変換器を備えた第1の処
    理部を含むことを特徴とする周波数領域フィルタ。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のフィルタにおいて、 第2の処理部と、 複素信号を前記第1の処理部と前記第2の処理部とに交
    互に供給する手段と、を含み、 前記第2の処理部は、 第3の実信号を実部とし且つ第4の実信号を虚部とする
    第2の複素信号を時間領域から周波数領域へ変換し、こ
    れにより第2の複素信号の周波数スペクトルを生成する
    第2の高速フーリエ変換器と、 前記第2の複素信号の周波数スペクトルに対して、第2
    のフィルタ周波数特性を乗算し、フィルタリングされた
    第2の複素信号の周波数スペクトルを生成する第2の複
    素乗算器と、 前記フィルタリングされた第2の複素信号の周波数スペ
    クトルを周波数領域から時間領域へ変換し、これによ
    り、フィルタリングされた第3の実信号を実部とし且つ
    フィルタリングされた第4の実信号を虚部とする、フィ
    ルタリングされた第2の複素信号を生成する第2の逆高
    速フーリエ変換器と、 を備えたことを特徴とする並列型周波数領域フィルタ。
  11. 【請求項11】 請求項7記載のフィルタにおいて、 前記第1及び第2の実信号を直列に入力し、前記第1の
    実信号を前記高速フーリエ変換器の実部入力に供給し、
    前記第2の実信号を前記高速フーリエ変換器の虚部入力
    に供給する入力バッファを含むことを特徴とする周波数
    領域フィルタ。
  12. 【請求項12】 請求項7に記載のフィルタにおいて、 前記フィルタリングされた第1の複素信号を入力し、前
    記フィルタリングされた第1の実信号と前記フィルタリ
    ングされた第2の実信号とを直列に出力する出力バッフ
    ァを含むことを特徴とする周波数領域フィルタ。
  13. 【請求項13】 送信信号を生成する送信信号生成部
    と、 前記送信信号により生体に対して超音波を送波し、前記
    送信信号に対応する反射波を受波するトランスデューサ
    と、 前記トランスデューサからの出力信号に対してビーム形
    成処理を実行し、実信号を出力する受信部と、 前記受信部からの実信号を入力するパルス圧縮フィルタ
    と、 を有する超音波診断装置において、 前記パルス圧縮フィルタは、 前記入力された実信号を振り分けて、一対の実信号を実
    部及び虚部とする複素信号を生成する入力バッファと、 前記複素信号を時間領域から周波数領域に変換し、これ
    により前記複素信号の周波数スペクトルを生成する高速
    フーリエ変換器と、 前記複素信号の周波数スペクトルに対してフィルタ周波
    数特性を乗算し、パルス圧縮された複素信号の周波数ス
    ペクトルを生成する複素乗算器と、 前記パルス圧縮された複素信号の周波数スペクトルを周
    波数領域から時間領域に逆変換し、パルス圧縮された一
    対の実信号を含む、パルス圧縮された複素信号を生成す
    る逆高速フーリエ変換器と、 を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の装置において、 前記パルス圧縮フィルタは、前記複数のフィルタ周波数
    特性を記憶するメモリ装置を含み、 前記複数のフィルタ周波数特性の中から選択されたフィ
    ルタ周波数特性が前記複素乗算器に供給されることを特
    徴とする超音波診断装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の装置において、 深さ方向に複数のゾーンが設定され、各ゾーンごとにフ
    ィルタ周波数特性が選択されることを特徴とする超音波
    診断装置。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の装置において、 前記パルス圧縮フィルタは、重畳追加フィルタ方式及び
    重畳保留フィルタ方式の少なくとも一方に従って構成さ
    れたことを特徴とする超音波診断装置。
  17. 【請求項17】 請求項13記載の装置において、 前記送信信号は符号化された波形であることを特徴とす
    る超音波診断装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の装置において、 前記送信信号は線形チャープ方式又はバーカ符号方式の
    一方に従って構成されたことを特徴とする超音波診断装
    置。
  19. 【請求項19】 請求項13記載の装置において、 前記送信信号は、非符号化波形及び符号化波形を含むこ
    とを特徴とする超音波診断装置。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の装置において、 前記パルス圧縮フィルタは、前記非符号化波形の送受信
    周期の間に、前記符号化波形に対応する実信号に対して
    パルス圧縮処理を実行することを特徴とする超音波診断
    装置。
  21. 【請求項21】 請求項14記載の装置において、 前記フィルタ周波数特性は、ビーム集束深度に基づき選
    択されることを特徴とする超音波診断装置。
  22. 【請求項22】 請求項13記載の装置において、 前記フィルタ周波数特性は適応的に計算されることを特
    徴とする超音波診断装置。
  23. 【請求項23】 請求項17記載の装置において、 前記フィルタ周波数特性はファントムからの反射波のス
    ペクトルを測定することによりあらかじめ計算されるこ
    とを特徴とする超音波診断装置。
  24. 【請求項24】 符号化された送信パルスを生体に繰り
    返し送波すると共に生体からの反射波を受波し、これに
    より受信信号を順次出力する送受波手段と、 前記受信信号を入力し、その受信信号を時系列順で振り
    分ける手段であって、第1受信信号を実部とし且つ第2
    受信信号を虚部とする複素信号を構成する前処理手段
    と、 前記複素信号を時間領域から周波数領域へ変換し、前記
    複素信号の周波数スペクトルを生成する手段であって、
    前記第1受信信号が入力される実部入力と、前記第2受
    信信号が入力される虚部入力と、前記周波数スペクトル
    を表す実部信号が出力される実部出力と、前記周波数ス
    ペクトルを表す虚部信号が出力される虚部出力と、を有
    する複素フーリエ変換手段と、 前記複素信号の周波数スペクトルを表す実部信号に対し
    てパルス圧縮のためのフィルタ周波数特性を乗算してフ
    ィルタリングされた実部信号を出力する第1乗算器と、
    前記複素信号の周波数スペクトルを表す虚部信号に対し
    てパルス圧縮のためのフィルタ周波数特性を乗算してフ
    ィルタリングされた虚部信号を出力する第2乗算器と、
    を有する複素乗算手段と、 前記フィルタリングされた実部信号と前記フィルタリン
    グされた虚部信号とからなるフィルタリングされた複素
    信号の周波数スペクトルを周波数領域から時間領域へ逆
    変換し、フィルタリングされた第1受信信号とフィルタ
    リングされた第2受信信号とで構成される複素信号を生
    成する手段であって、前記フィルタリングされた実部信
    号を入力する実部入力と、前記フィルタリングされた虚
    部信号を入力する虚部入力と、前記フィルタリングされ
    た第1受信信号を出力する実部出力と、前記フィルタリ
    ングされた第2受信信号を出力する虚部出力と、を有す
    る複素逆フーリエ変換手段と、 前記フィルタリングされた複素信号を入力し、前記フィ
    ルタリングされた第1受信信号と前記フィルタリングさ
    れた第2受信信号とを時系列順で出力する後処理手段
    と、 前記後処理手段から順次出力される受信信号に基づいて
    超音波画像を形成する画像形成手段と、 を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の装置において、 前記フィルタ周波数特性を送受信条件に応じて切り換え
    る手段を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  26. 【請求項26】 請求項25記載の装置において、 前記送受信条件は送信ビーム集束深度であることを特徴
    とする超音波診断装置。
  27. 【請求項27】 符号化された超音波パルスを生体に送
    波すると共に生体からの反射波を受波し、これにより受
    信信号を出力する送受波手段と、 前記受信信号を時間領域から周波数領域に変換して受信
    信号の周波数スペクトルを求め、その周波数スペクトル
    に対してパルス圧縮演算を実行し、パルス圧縮演算がな
    された周波数スペクトルを周波数領域から時間領域へ変
    換し、これによりパルス圧縮された受信信号を出力する
    パルス圧縮手段と、 前記パルス圧縮された受信信号に基づいて超音波画像を
    形成する画像形成手段と、 を含み、 前記パルス圧縮演算の条件が送信ビーム集束深度に応じ
    て可変されることを特徴とする超音波診断装置。
  28. 【請求項28】 所定シーケンスに従って非符号化送信
    パルス及び符号化送信パルスを生体に送波すると共に生
    体からの反射波を受波し、これにより前記非符号化送信
    パルスに対応する非符号化受信信号及び前記符号化送信
    パルスに対応する符号化受信信号を出力する送受波手段
    と、 前記符号化受信信号に対してパルス圧縮処理を施して圧
    縮受信信号を出力するパルス圧縮処理手段と、 前記非符号化受信信号及び前記圧縮受信信号に基づいて
    超音波画像を形成する画像形成手段と、 を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  29. 【請求項29】 請求項28記載の装置において、 深さ方向に複数のゾーンが設定され、各ゾーンごとに超
    音波パルスが送波され、 前記ゾーンの深さに応じて前記非符号化パルスの送波又
    は前記符号化パルスの送波が選択されることを特徴とす
    る超音波診断装置。
  30. 【請求項30】 請求項28記載の装置において、 前記超音波画像は二次元断層画像又は二次元ドプラ画像
    であることを特徴とする超音波診断装置。
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