JP2003188483A - 配線基板用絶縁樹脂層およびそれを用いた配線基板 - Google Patents

配線基板用絶縁樹脂層およびそれを用いた配線基板

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JP2003188483A
JP2003188483A JP2001388427A JP2001388427A JP2003188483A JP 2003188483 A JP2003188483 A JP 2003188483A JP 2001388427 A JP2001388427 A JP 2001388427A JP 2001388427 A JP2001388427 A JP 2001388427A JP 2003188483 A JP2003188483 A JP 2003188483A
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weight
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insulating resin
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JP2001388427A
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English (en)
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Isamu Kirikihira
勇 桐木平
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザでの貫通孔の穿設性に優れた配線基板
用絶縁樹脂層および、反りや捩れが少なく、低熱膨張係
数で高剛性の配線基板を提供することにある。 【解決手段】 変性ポリフェニレン樹脂1が100重量部
に、架橋剤を1〜10重量部と、可撓性を付与するエラス
トマーを10〜40重量部と、平均粒径が0.1〜2μmであ
る無機絶縁性フィラー2を100〜400重量部とを添加混合
して成る熱硬化性樹脂組成物を液晶ポリマー不織布3に
含浸して硬化させて成る配線基板用絶縁樹脂層4。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザでの貫通孔
の穿設性に優れた絶縁樹脂層および、反りや捩れが少な
く、低熱膨張係数で高剛性の配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子や抵抗器等の電子部品
を搭載するために用いられる配線基板として、ガラス繊
維基材および熱硬化性樹脂から成る絶縁層と銅箔等から
成る配線導体とを交互に複数層積層して成るプリント基
板が知られている。このようなプリント基板は、表面に
配線導体が形成された絶縁層を複数層積層圧着して多層
化することにより製作されている。しかしながら、この
プリント基板は、絶縁層表面の配線導体が形成された部
分とその他の部分との段差により表面が凹凸状態となる
ことから、絶縁層に若干の可塑性を持たせた絶縁シート
を用い、絶縁シートを積層する際に絶縁シートの配線導
体に当接する部位を配線導体の厚みに対応して塑性変形
させることにより配線導体を絶縁シート中に埋入させ積
層・硬化することにより、プリント基板表面に凹凸が形
成されないようにしている。なお、プリント基板の上下
の配線導体は、絶縁層に形成された貫通導体を介して接
続されている。
【0003】このようなプリント基板は、耐熱繊維基材
に熱硬化性樹脂前駆体を含浸させた絶縁樹脂層にレーザ
で貫通孔を形成した後、この貫通孔内に金属粉末および
熱硬化性樹脂前駆体から成る導体ペーストをスクリーン
印刷(圧入)で埋め込み貫通導体を形成し、他方、耐熱
性樹脂から成る転写シートの表面に銅箔を被着させると
ともにこれを所定のパターンにエッチングして転写シー
ト上に配線導体を形成し、しかる後、貫通導体が形成さ
れた絶縁樹脂層の表面に、配線導体が形成された転写シ
ートを圧接して配線導体を絶縁樹脂層に転写埋入させる
とともに配線導体と貫通導体とを接続させ、次に、絶縁
樹脂層から転写シートを剥離した後、配線導体が埋入さ
れた複数層の絶縁樹脂層を熱プレスを用いて積層すると
ともに絶縁樹脂層および導体ペースト中の熱硬化性樹脂
前駆体を硬化させることにより製作される。
【0004】このような導体ペーストの充填によって貫
通導体を形成する方法は、貫通導体を任意の箇所に設け
ることができるために、特に高密度配線化に適した方法
として注目されている。
【0005】なお、上記の絶縁樹脂層には、ガラスクロ
ス等の無機繊維基材やアラミド不織布・液晶ポリマー不
織布等の有機繊維基材にエポキシ樹脂・ビスマレイミド
トリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸してなるものが
用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
プリント基板に用いられる絶縁樹脂層は、絶縁樹脂層に
エポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬
化性樹脂を用いているため、これらの樹脂の吸水率が高
く耐湿性に劣り、また、誘電率と誘電正接が高く高周波
用途に用いることができないという問題点を有してい
た。さらに、これがガラスクロス等の無機繊維基材に熱
硬化性樹脂を含浸させたものの場合、これにレーザによ
り貫通孔を穿孔する際にレーザでガラスクロス等の無機
繊維基材を溶融させるのに時間がかかり、貫通孔を形成
するための効率が悪いという問題点を有していた。ま
た、アラミド不織布・液晶ポリマー不織布等の有機繊維
基材に熱硬化性樹脂を含浸させたものの場合、レーザで
容易に貫通孔を形成できるが、有機繊維基材の弾性率が
低く反りや捩りが生じ易く、さらに、有機繊維基材の熱
膨張係数が高いためプリント基板に長期の熱履歴を繰返
し印可した場合、絶縁樹脂層にクラックが生じ配線導体
が断線してしまうという問題点を有していた。
【0007】本発明はかかる従来技術の問題点に鑑み完
成されたものであり、その目的は、レーザでの貫通孔の
穿設性に優れた絶縁樹脂層および、反りや捩れが少な
く、低熱膨張係数で高剛性の配線基板を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の配線基板用絶縁
樹脂層は、変性ポリフェニレン樹脂100重量部に、架橋
剤1〜10重量部と、可撓性を付与するエラストマー10〜
40重量部と、平均粒径が0.1〜2μmである無機絶縁性
フィラー100〜400重量部とを添加混合して成る熱硬化性
樹脂組成物を液晶ポリマー不織布に含浸して硬化させて
なることを特徴とするものである。
【0009】本発明の配線基板は、変性ポリフェニレン
樹脂100重量部に、架橋剤1〜10重量部と、可撓性を付
与するエラストマー10〜40重量部と、平均粒径が0.1〜
2μmである無機絶縁性フィラー100〜400重量部とを添
加混合して成る熱硬化性樹脂組成物を液晶ポリマー不織
布に含浸して硬化させてなる配線基板用絶縁樹脂層と金
属箔から成る配線導体とが交互に複数層積層されている
とともに、配線基板用絶縁樹脂層を挟んで上下に位置す
る配線導体同士が絶縁樹脂層にレーザにより穿孔された
貫通孔内に金属粉末と熱硬化性樹脂とから成る導電性材
料を充填してなる貫通導体により電気的に接続されて成
ることを特徴とするものである。
【0010】本発明の配線基板用絶縁樹脂層によれば、
絶縁樹脂層を変性ポリフェニレン樹脂を硬化してなるも
のとしたことから、吸水性が低く耐湿性に優れ、また、
低誘電率・低誘電正接のため高周波用途に用いることが
できる。また、絶縁樹脂層を液晶ポリマー不織布に熱硬
化性樹脂組成物を含浸させて形成したことから、レーザ
で貫通孔を容易に形成することができる。さらに、絶縁
樹脂層が可撓性を付与するエラストマーを10〜40重量部
含有することから、絶縁樹脂層の弾性率を適度な値とす
ることが可能となり、絶縁樹脂層に反りや捩りが発生す
ることもない。また、平均粒径が0.1〜2μmである無
機絶縁性フィラーを100〜400重量部含有することから、
絶縁樹脂層の熱膨脹係数を低いものとすることができ、
これを用いて製作したプリント基板に長期の熱履歴を印
加した場合においても、絶縁樹脂層にクラックが発生し
て配線導体が断線することもない。
【0011】また、本発明の配線基板によれば、上記の
配線基板用絶縁樹脂層と金属箔から成る配線導体とが交
互に複数層積層されているとともに、配線基板用絶縁樹
脂層を挟んで上下に位置する配線導体同士が配線基板用
絶縁樹脂層にレーザにより穿孔された貫通孔内に金属粉
末と熱硬化性樹脂とから成る導電性材料を充填してなる
貫通導体により電気的に接続したことから、配線基板用
絶縁樹脂層の剛性を向上でき、熱膨張係数も低くでき、
その結果、長期の熱履歴を繰返し印可しても、クラック
が生じ配線導体が断線しない高信頼性の配線基板とする
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の配線基板用絶縁樹
脂層およびこれを用いた配線基板を添付の図面に基づい
て詳細に説明する。図1は、本発明の配線基板用絶縁樹
脂層の実施の形態の一例を示す断面図であり、図2はそ
の配線基板用絶縁樹脂層を用いた配線基板の実施の形態
の一例を示す断面図である。これらの図において、1は
変性ポリフェニレンエーテル樹脂、2は無機絶縁性フィ
ラー、3は液晶ポリマー不織布、4は配線基板用絶縁樹
脂層、5は貫通孔、6は貫通導体、7は配線導体、8は
金属粉末である。
【0013】本発明の配線基板用絶縁樹脂層4は、変性
ポリフェニレンエーテル樹脂1が100重量部に対して、
架橋剤を1〜10重量部と、可撓性を付与するエラストマ
ーを10〜40重量部と、平均粒径が0.1〜2μmである無
機絶縁性フィラー2を100〜400重量部とを混合して成る
熱硬化性樹脂組成物を液晶ポリマー不織布3に含浸して
硬化させることにより形成されている。
【0014】変性ポリフェニレンエーテル樹脂1は、分
子量が10000〜500000であり、熱硬化するようにアリル
基を側鎖に有する。
【0015】また、架橋剤としては、トリアリルイソシ
アヌレート等のトリアジン化合物が用いられ、その含有
率が変性ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部に対し
て1〜10重量部であることが好ましい。含有率が1重量
部より少ないと架橋密度が低く吸湿し易くなる傾向にあ
り、また、10重量部より多いと絶縁層4が脆くなる傾向
にある。従って、架橋剤の含有率は1〜10重量部である
ことが好ましい。
【0016】さらに、エラストマーには、スチレン−エ
チレン−ブチレン−スチレン(SEBS)やスチレン−
エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)等の熱可
塑性エラストマーが用いられ、その含有率は変性ポリフ
ェニレンエーテル樹脂100重量部に対して10〜40重量部
が好ましい。含有率が10重量部より少ないと絶縁層4が
脆くなる傾向にあり、また、40重量部より多いと絶縁層
4の剛性が低くなる傾向にある。従って、エラストマー
の含有率は10〜40重量部が好ましい。
【0017】また、無機絶縁性フィラー2には、シリカ
・アルミナ等が用いられる。その平均粒径は、0.1〜2
μmが好ましい。平均粒径が0.1μmより小さいと熱硬
化性樹脂組成物の粘度が高くなり液晶ポリマー不織布3
に良好に含浸させることができない傾向にあり、2μm
より大きいと吸湿した時に絶縁性が低下してしまう傾向
にある。従って、無機絶縁性フィラー2の平均粒径は、
0.1〜2μmが好ましい。なお、、その含有率は、変性
ポリフェニレンエーテル樹脂100重量部に対して100〜40
0重量部が好ましい。含有率が100重量部より少ないと熱
膨張係数が高くなり長期の熱履歴を繰返し加えるとクラ
ックが生じてしまう傾向にあり、400重量部より多いと
熱硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり液晶ポリマー不織
布3に良好に含浸させることができない傾向にある。従
って、無機絶縁性フィラー2の含有率は、変性ポリフェ
ニレンエーテル樹脂100重量部に対して100〜400重量部
が好ましい。
【0018】さらに、液晶ポリマー不織布3は、融点30
0℃以上の芳香族ポリエステルの短繊維を不規則に融着
した不織布である。液晶ポリマー不織布3の含有率は、
熱硬化性樹脂組成物100重量部に対して、25〜150重量部
が好ましい。含有率が25重量部より少ないと積層・硬化
時に熱硬化性樹脂組成物が流動し、配線基板用絶縁樹脂
層4表面の配線導体7が歪んでしまい易くなる傾向にあ
り、150重量部より多いと液晶ポリマー不織布3に熱硬
化性樹脂組成物を良好に含浸することが困難となる傾向
にある。従って、液晶ポリマー不織布3の含有率は、熱
硬化性樹脂組成物100重量部に対して、25〜150重量部が
好ましい。
【0019】かくして、本発明の配線基板用絶縁樹脂層
4によれば、変性ポリフェニレンエーテル樹脂1を硬化
していることから、吸水性が低く耐湿性に優れ、また、
低誘電率・低誘電正接のため高周波用途に用いることが
できる。さらに、熱硬化性樹脂組成物が架橋剤を変性ポ
リフェニレンエーテル樹脂100重量部に対して1〜10重
量部含有していることから、変性ポリフェニレン樹脂1
を良好に硬化することができ、耐湿性に優れる配線基板
用絶縁樹脂層4とすることができる。また、配線基板用
絶縁樹脂層4を液晶ポリマー不織布3に熱硬化性樹脂組
成物を含浸させて形成したことから、レーザで貫通孔を
容易に形成するものとすることができる。さらに、エラ
ストマーを10〜40重量部含有していることから、配線基
板用絶縁樹脂層4の弾性率を適度な値とすることが可能
となり、配線基板用絶縁樹脂層4に反りや捩りが発生す
ることもなく、これを用いて形成した配線基板に電子部
品を実装する場合においても、電子部品との接続性に優
れたものとすることができる。また、平均粒径が0.1〜
2μmである無機絶縁性フィラー2を100〜400重量部含
有することから、配線基板用絶縁樹脂層4の熱膨脹係数
を低いものとすることができ、これを用いて製作したプ
リント基板に長期の熱履歴を印加した場合においても、
配線基板用絶縁樹脂層4にクラックが発生して配線導体
が断線することもない。
【0020】次に、配線基板用絶縁樹脂層4を用いた本
発明の配線基板について説明する。配線基板用絶縁樹脂
層4は、その厚みが50〜150μmであり、配線導体7を
支持するとともに上下に位置する配線導体7間の絶縁を
保持する機能を有し、液晶ポリマー不織布3に変性ポリ
フェニレンエーテル樹脂1を含浸させて成る。なお、配
線基板用絶縁樹脂層4の厚みが50μm未満であると、配
線基板の剛性が低下して配線基板が撓みやすくなる傾向
があり、150μmを超えると配線基板用絶縁樹脂層4の
厚みが不要に厚いものとなり配線基板の軽量化が困難と
なる傾向がある。従って、配線基板用絶縁樹脂層4は、
その厚みを50〜150μmとすることが好ましい。
【0021】また、各配線基板用絶縁樹脂層4の表面に
は配線導体7が埋入されている。配線導体7は、配線基
板に搭載される電子部品(図示せず)の各電極を外部電
気回路基板(図示せず)に電気的に接続する導電路の一
部としての機能を有し、幅が20〜200μm、厚みが5〜5
0μmで、銅やアルミニウム・ニッケル・銀・金等の金
属箔から成り、特に加工性および安価という観点からは
銅箔から成ることが好ましい。配線導体2の幅が20μm
未満となると配線導体7の変形や断線が発生しやすくな
る傾向があり、200μmを超えると高密度配線が形成で
きなくなる傾向がある。また、配線導体7の厚みが5μ
m未満になると配線導体7の強度が低下し変形や断線が
発生しやすくなる傾向があり、50μmを超えると配線基
板用絶縁樹脂層4への埋入が困難となる傾向がある。従
って、配線導体7は、その幅を20〜200μm、厚みを5
〜50μmとすることが好ましい。
【0022】さらに、各配線基板用絶縁樹脂層4には、
その上面から下面にかけて貫通導体6が複数個配設され
ている。これらの貫通導体6は、絶縁層1の上下に位置
する配線導体7間を電気的に接続する機能を有し、その
直径が30〜200μmであり、絶縁樹脂層4に設けた貫通
孔5に金属粉末8とトリアジン系熱硬化性樹脂等とから
成る導電性材料を埋め込み熱硬化することにより形成さ
れている。なお、貫通導体6の直径が30μm未満になる
とその加工が困難となる傾向があり、200μmを超える
と高密度配線が形成できなくなる傾向がある。従って、
貫通導体6は、その直径を30〜200μmとすることが好
ましい。
【0023】また、導電性材料の金属粉末8の含有量は
80〜95重量%が好ましい。金属粉末8の含有量が80重量
%より少ないと、トリアジン系熱硬化性樹脂により金属
粉末8同士の接続が妨げられ導通抵抗が上昇してしまう
傾向があり、95重量%を超えると導電性材料の粘度が上
がり過ぎて良好に埋め込みできない傾向がある。従っ
て、導電性材料の金属粉末8の含有量は80〜95重量%が
好ましい。なお、このような金属粉末8は、錫・銀・ビ
スマス・銅の合金から成り、錫を70〜90重量%含有して
いる。
【0024】また、金属粉末8の平均粒径は5〜10μm
が好ましい。平均粒径が5μmより小さいと導電性材料
の粘度が上がり過ぎて良好に埋め込みできない傾向があ
り、10μmより大きいと金属粉末8が高充填できず導通
抵抗が高くなってしまう傾向がある。従って、金属粉末
8の平均粒径は5〜10μmが好ましい。
【0025】また、熱硬化性樹脂は、トリアリルシアヌ
レート・トリアリルイソシアヌレート・トリスエポキシ
プロピルイソシアヌレート・トリス(2−ヒドロキシエ
チル)イソシアヌレート等のトリアジン系熱硬化性樹脂
が好ましい。
【0026】かくして、本発明の配線基板によれば、配
線基板用絶縁樹脂層4にレーザで貫通孔5を形成し、貫
通孔5に金属粉末8と熱硬化性樹脂から成る導電性材料
で充填した貫通導体6を形成するとともに、貫通導体6
を挟んで配線導体7同士を電気的に接続するように、絶
縁樹脂層4と配線導体7とを積層したことから、絶縁樹
脂層7の剛性を向上でき、熱膨張係数も低くでき、その
結果、長期の熱履歴を繰返し印可しても、クラックが生
じ配線導体が断線しない高信頼性の配線基板とすること
ができる。
【0027】このような配線基板は、以下に述べる方法
により製作される。まず、変性ポリフェニレン樹脂100
重量部と、トリアリルイソシアヌレート5重量部と、S
EBS20重量部と、平均粒径が0.5μmのシリカ200重量
部とから成る熱硬化樹脂組成物を液晶ポリマー不織布に
含浸させて半硬化することにより絶縁シートを製作し、
次に、絶縁シートの所定の位置に炭酸ガスレーザやYA
Gレーザ等の従来周知の方法を採用して直径が30〜200
μmの貫通孔5を穿設する。そして、貫通孔5に従来周
知のスクリーン印刷法を採用して金属粉末8およびトリ
アジン系樹脂等の熱硬化性樹脂前駆体を含む導電性材料
をスクリーン印刷法(圧入)で充填することによって貫
通導体6を形成する。その後、別途準備した、表面に銅
箔から成る配線導体7を絶縁シート上に所定のパターン
に被着形成した、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)樹脂等の耐熱性樹脂から成るる転写シートを絶縁シ
ートに、所定の貫通導体6と配線導体7とが接続するよ
うに位置合わせして重ね合わせ、これらを熱プレス機を
用いて100〜150℃の温度で数分間プレスすることにより
転写シートを絶縁シートに圧接して、配線導体7を絶縁
シートに転写埋入させる。しかる後、転写シートを絶縁
シートから剥離するとともに転写シートを剥離した絶縁
シートを複数枚上下に重ね合わせ、熱プレス機を用いて
150〜200℃の温度で数時間加熱プレスすることにより、
配線基板が得られる。
【0028】また、絶縁樹脂層4の一方の最外層表面に
形成された配線導体7の一部は、電子部品の各電極に導
体バンプ11を介して接合される電子部品接続用の実装用
電極7aを形成し、絶縁層1の他方の最外層表面に形成
された配線導体2の一部は、外部電気回路基板(図示せ
ず)の各電極に導体バンプ11を介して接続される外部接
続用の実装用電極7bを形成している。
【0029】なお、実装用電極7a・7bの表面には、
その酸化腐蝕を防止するとともに導体バンプ11との接続
を良好とするために、半田との濡れ性が良好で耐腐蝕性
に優れたニッケル−金等のめっき層が被着されている。
【0030】また、最外層の配線基板用絶縁樹脂層4お
よび実装用電極7a・7bには、必要に応じて実装用電
極7a・7bの中央部を露出させる開口を有する耐半田
樹脂層12が被着されている。耐半田樹脂層12は、その厚
みが10〜50μmであり、例えばアクリル変性エポキシ樹
脂等の感光性樹脂と光開始剤等とから成る混合物に30〜
70重量%のシリカやタルク等の無機粉末フィラーを含有
させた絶縁材料から成り、隣接する実装用電極7a・7
b同士が導体バンプ11により電気的に短絡することを防
止するとともに、実装用電極7a・7bと絶縁樹脂層4
との接合強度を向上させる機能を有する。
【0031】このような耐半田樹脂層12は、感光性樹脂
と光開始剤と無機粉末フィラーとから成る未硬化樹脂フ
ィルムを最外層の絶縁樹脂層4表面に被着させる、ある
いは、熱硬化性樹脂と無機粉末フィラーとから成る未硬
化樹脂ワニスを最外層の絶縁樹脂層4表面に塗布すると
ともに乾燥し、しかる後、露光・現像により開口部を形
成し、これをUV硬化および熱硬化させることにより形
成される。
【0032】かくして、本発明の配線基板によれば、上
記の配線基板用絶縁樹脂層4と金属箔から成る配線導体
7とが交互に複数層積層されているとともに、配線基板
用絶縁樹脂層4を挟んで上下に位置する配線導体7同士
が配線基板用絶縁樹脂層4にレーザにより穿孔された貫
通孔5内に金属粉末と熱硬化性樹脂とから成る導電性材
料を充填してなる貫通導体6により電気的に接続したこ
とから、配線基板用絶縁樹脂層4の剛性を向上でき、熱
膨張係数も低くでき、その結果、長期の熱履歴を繰返し
印可しても、クラックが生じ配線導体7が断線しない高
信頼性の配線基板とすることができる。
【0033】なお、本発明は上述の実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば
種々の変更は可能であり、例えば上述の実施例では絶縁
層を4層積層した場合を例示したが、5層以上であって
もかまわない。
【0034】
【発明の効果】本発明の配線基板用絶縁樹脂層によれ
ば、絶縁樹脂層を変性ポリフェニレン樹脂を硬化してな
るものとしたことから、吸水性が低く耐湿性に優れ、ま
た、低誘電率・低誘電正接のため高周波用途に用いるこ
とができる。また、絶縁樹脂層を液晶ポリマー不織布に
熱硬化性樹脂組成物を含浸させて形成したことから、レ
ーザで容易に貫通孔を形成することができる。さらに、
絶縁樹脂層に可撓性を付与するエラストマーを10〜40重
量部含有することから、絶縁樹脂層の弾性率を適度な値
とすることが可能となり、絶縁樹脂層に反りや捩りが発
生することもない。また、平均粒径が0.1〜2μmであ
る無機絶縁性フィラーを100〜400重量部含有することか
ら、絶縁樹脂層の熱膨脹係数を低いものとすることがで
き、これを用いて製作したプリント基板に長期の熱履歴
を印加した場合においても、絶縁樹脂層にクラックが発
生して配線導体が断線することもない。
【0035】また、本発明の配線基板によれば、上記の
配線基板用絶縁樹脂層と金属箔から成る配線導体とが交
互に複数層積層されているとともに、配線基板用絶縁樹
脂層を挟んで上下に位置する配線導体同士が配線基板用
絶縁樹脂層にレーザにより穿孔された貫通孔内に金属粉
末と熱硬化性樹脂とから成る導電性材料を充填してなる
貫通導体により電気的に接続したことから、配線基板用
絶縁樹脂層の剛性を向上でき、熱膨張係数も低くでき、
その結果、長期の熱履歴を繰返し印可しても、クラック
が生じ配線導体が断線しない高信頼性の配線基板とする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板用絶縁樹脂層の実施の形態の
一例を示す断面図である。
【図2】本発明の配線基板用絶縁樹脂層を用いた配線基
板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・変性ポリフェニレンエーテル樹脂 2・・・・・・無機絶縁性フィラー 3・・・・・・液晶ポリマー不織布 4・・・・・・絶縁樹脂層 5・・・・・・貫通孔 6・・・・・・貫通導体 7・・・・・・配線導体 8・・・・・・金属粉末
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 5/00 5/00 C08L 21/00 C08L 21/00 71/12 71/12 H05K 3/46 H05K 3/46 T Fターム(参考) 4F072 AA02 AA07 AB05 AB29 AD02 AD42 AE00 AE01 AF03 AF32 AG03 AH21 AJ04 AL13 4F100 AA00A AA00H AA19 AA20 AB01B AB10 AB16 AB17 AB24 AB25 AB33B AK41 AK54A AK80 AL06A AL09A AS00A BA02 BA07 BA08 CA02A CA02H DC11 DE01A DE01H DG15A EJ08A EJ82A GB41 JG04A JG04H YY00A 4J002 BP012 CF163 CH071 DE146 DJ016 EU197 FD013 FD016 FD147 GQ01 5E346 AA12 AA43 CC05 CC08 CC32 CC34 CC37 CC38 CC39 DD02 DD12 DD32 DD50 EE04 FF18 GG15 GG19 GG22 GG28 HH06 HH18

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変性ポリフェニレン樹脂100重量部
    に、架橋剤1〜10重量部と、可撓性を付与するエラス
    トマー10〜40重量部と、平均粒径が0.1〜2μm
    である無機絶縁性フィラー100〜400重量部とを添
    加混合して成る熱硬化性樹脂組成物を液晶ポリマー不織
    布に含浸して硬化させて成ることを特徴とする配線基板
    用絶縁樹脂層。
  2. 【請求項2】 変性ポリフェニレン樹脂100重量部
    に、架橋剤1〜10重量部と、可撓性を付与するエラス
    トマー10〜40重量部と、平均粒径が0.1〜2μm
    である無機絶縁性フィラー100〜400重量部とを添
    加混合して成る熱硬化性樹脂組成物を液晶ポリマー不織
    布に含浸して硬化させて成る絶縁樹脂層および金属箔か
    ら成る配線導体が交互に複数層積層されているととも
    に、前記絶縁樹脂層を挟んで上下に位置する前記配線導
    体同士が前記絶縁樹脂層にレーザにより穿孔された貫通
    孔内に金属粉末と熱硬化性樹脂とから成る導電性材料を
    充填して成る貫通導体により電気的に接続されて成るこ
    とを特徴とする配線基板。
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