JP2003188410A - 発光ダイオードチップ - Google Patents

発光ダイオードチップ

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JP2003188410A JP2001385958A JP2001385958A JP2003188410A JP 2003188410 A JP2003188410 A JP 2003188410A JP 2001385958 A JP2001385958 A JP 2001385958A JP 2001385958 A JP2001385958 A JP 2001385958A JP 2003188410 A JP2003188410 A JP 2003188410A
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道雄 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的に生産でき、かつ光取り出し効率が向
上する発光ダイオードチップを提供する。 【解決手段】 透明基板3の側面1aを光射出面とし、
透明基板3の下面に発光ダイオード層2を形成して、当
該発光ダイオード層2中の、発光源たる活性層21に対
し透明基板3とは反対位置で下部電極42との間に、膜
厚が漸次変化する多層膜よりなるチャープDBRの光反
射層22を形成する。透明基板3は、縮小する上面に向
けて側面1aが傾斜する四角錐台に成形され、側面1a
を粗面にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発光ダイオードチッ
プに関し、特に光取り出し効率を向上させた発光ダイオ
ードチップに関する。
【0002】
【従来の技術】光取り出し効率を向上させた発光ダイオ
ードチップとして、例えば特開平11−68153号公
報には、図7に示すような、使用する波長光に対して透
明なGaAs半導体基板91を半球面に成形してドーム
形の光射出面としたものが提案されている。すなわち、
上記半導体基板91の下面には、発光源たる活性層92
1を含む発光ダイオード層92が、GaAsやInGa
P、InGaAs等の薄膜を積層して形成されており、
アノード電極93からカソード電極94へ通電すること
によって、多重量子井戸構造の上記活性層921から光
Lが出力される。活性層921は半球面のほぼ中心に位
置していることから、活性層921から前方へ放射状に
発する光Lは半球状の半導体基板91の表面にほぼ垂直
に入射して殆ど全反射されることなく外方へ射出され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
発光ダイオードチップでは、半導体基板91を半球面と
するのに、発光ダイオード層92側を所定の治具に固定
して、これと反対側の基板面を半球凹面のみがき皿によ
りレンズ研磨の要領で研磨している。しかし、この方法
では、0.6mm角程度の小さな上記チップをそれぞれ
治具に固定して、個別にみがき皿を当てて研磨する必要
があるため、生産効率が極めて悪いという問題があっ
た。また、活性層921から下方(後方)へ発せられる
光がアノード電極93のオーム接触部で殆ど吸収され
て、上方へ反射されないために、光取り出し効率の更な
る向上は困難であるという問題があった。
【0004】そこで、本発明はこのような課題を解決す
るもので、効率的に生産でき、かつ光取り出し効率も向
上する発光ダイオードチップを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本第1発明では、透明基板(3)の上面(5a)お
よび/または側面(1a,5b)を光射出面とし、透明
基板(3)の下面に発光ダイオード層(2)を形成し
て、当該発光ダイオード層(2)中の、発光源たる活性
層(21)に対し透明基板(3)とは反対位置で通電用
の電極(42)との間に、膜厚が漸次変化する多層膜よ
りなるチャープDBRの光反射層(22)を形成する。
【0006】本第1発明においては、活性層から電極方
向へ向かった光の大部分が当該電極のオーム接触部へ至
ることなく、その途中に介在する光反射層で反射されて
上方へ向かう。したがって、発光ダイオードチップ内部
での光吸収を小さく抑えることができ、チップ外への光
取り出し効率が向上する。
【0007】本第2発明では、上記透明基板(3)を、
縮小する上面に向けて側面(1a)が傾斜する四角錐台
に成形する。本第2発明においては、各側面が透明基板
の縮小する上面に向けて傾斜しているから、活性層から
直接出力され、あるいは光反射層で反射された光が全反
射角以下の角度で入射し易く、チップ外へ効率的に透過
し射出させられる。これにより、チップ外への光取り出
し効率が向上する。
【0008】本第3発明では、上記透明基板(3)の上
面に当該透明基板(3)内へ凹陥する凹陥部(31,3
2)を形成する。本第3発明においては、活性層から直
接出力され、あるいは光反射層で反射された光が凹陥部
の表面で多様な方向へ反射させられ、チップ外へ効率的
に透過し射出させられる。この結果、チップ外への光取
り出し効率が向上する。
【0009】本第4発明では、上記透明基板(3)の側
面(1a,5b)および/または上面(5a)を粗面に
する。本第4発明においては、活性層から直接出力さ
れ、あるいは光反射層で反射された光が、粗面の凹凸の
いずれかへ全反射角以下の角度で入射し易く、チップ外
へ効率的に透過し射出させられる。この結果、チップ外
への光取り出し効率が向上する。
【0010】なお、上記カッコ内の符号は、後述する実
施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1に発光ダイ
オードチップの斜視図を、図2にその断面図を示す。発
光ダイオードチップ1は4つの傾斜する側面1aを有す
る四角錐台形をしており、その底部に発光ダイオード層
2が形成されている。すなわち、発光ダイオードチップ
1は底部を除く大部分がGaAs材の透明基板3よりな
り、その下面に、GaAsやInGaP、InGaAs
等の薄膜が積層されて、発光源としての活性層21を含
む公知の基本構造を有する発光ダイオード層2が形成さ
れている。このような四角錐台形の発光ダイオードチッ
プ1は、一面に発光ダイオード層2を形成したGaAs
ウエハを、楔形断面のブレードを使ってウエハ面に沿っ
て縦横方向へダイサーで切断することにより得られる。
なお、理解を容易にするために、上記各図の透明基板3
と発光ダイオード層2の厚みの比は実際のものとは異な
っている。
【0012】透明基板3の上面と発光ダイオード層2の
下面にはAu材からなる上部電極41と下部電極42が
それぞれ膜形成され、これらにリード線43,44が接
続されている。発光ダイオード層2中には、活性層21
と下部電極42との間にチャープDBR(Distributed
Bragg Reflector)の光反射層22が形成されている。
【0013】チャープDBRの光反射層22は、材料の
屈折率をn、膜厚をd、活性層21から出力される光の
波長をλとして、光学的膜厚n・dがλ/4近傍となる
ような膜厚の薄膜を、膜厚を少しづつ変化させて多数積
層したものである。チャープDBRの一例は、波長95
0nmの出力光に対して、屈折率3.45のAlGaA
s材と屈折率2.97のAlAs材をそれぞれ69nm
程度と80nm程度の膜厚を中心に、それぞれ0.71
nm程度と0.83nm程度づつ変化させて30ペア積
層する。このような光反射層22は、30°程度までの
入射角で入射する上記波長光を、殆ど減衰させることな
く良好に反射する。
【0014】四角錐台形の上記発光ダイオードチップ1
の、4つの側面1aは全て粗面としてある。この粗面
は、各側面1aの表面に異方性エッチングによって5μ
m程度の凹凸を形成したものである。
【0015】このような構造の発光ダイオードチップに
おいて、下部電極42と上部電極41間に通電すると活
性層21から前後(図2の上下)方向へ光が出力され
る。活性層21から前方(図2の上方)へ向かった光L
1は直接、発光ダイオードチップ1の側面1aに入射す
る。各側面1aは発光ダイオードチップ1の縮小する上
面に向けて傾斜している上に、凹凸を形成した粗面とな
っているから、下方から至った光L1が全反射角以下の
角度で各凹凸へ入射し易く、これら光L1の大部分は発
光ダイオードチップ1外へ効率的に透過し射出させられ
る。
【0016】活性層21から後方へ向かった光のうち、
上記入射角以内の角度で光反射層22に入射した光L2
は、図2の矢印で示すように、光反射層22で殆ど減衰
することなく反射されて上方へ向かい、傾斜する各側面
1aに入射する。各側面1aは傾斜している上に、凹凸
を形成した粗面となっているから、上述の理由で光L2
の大部分は発光ダイオードチップ1外へ効率的に透過し
射出させられる。側面1aを透過できずチップ内部の下
方へ反射された光L3は、光反射層22に入射して殆ど
減衰することなく再び上方へ反射させられ、側面1aの
別の領域に至ってここを透過し射出させられる。
【0017】上記構造の発光ダイオードチップによれ
ば、活性層21から後方(図2の下方)へ向かった光の
大部分が下部電極42のオーム接触部へ至ることなく、
その途中に介在する光反射層22で反射されて前方へ向
かう。したがって、発光ダイオードチップ1内部での光
減衰は小さく抑えられる。そして、この状態で、光反射
層22からの反射光は直接側面1aを透過して、あるい
は側面1aと光反射層22との間で多重反射を繰り返し
た後、上記側面1aから効率的に射出される。これによ
り、光取り出し効率が向上する。また、上記発光ダイオ
ードチップ1は、従来のような研磨工程を経ることなく
ダイサーによる切断とエッチングの工程のみで効率的に
生産することができる。
【0018】(第2実施形態)本実施形態では、発光ダ
イオードチップ5を第1実施形態で示した四角錐台形に
成形せず、図3、図4に示すように発光ダイオードチッ
プ5の外形は通常のダイサーでウエハを切断したままの
直方体形としてある。そして、透明基板3上面の内周部
に、ウエットエッチング等の等方性エッチングによって
半球状の凹陥部31が形成してある。発光ダイオード層
2内には第1実施形態で説明したと同様に、活性層21
とその下方に光反射層22が形成されている。上部電極
41は透明基板3上面の外周部全周に膜形成されてお
り、その一つのコーナ部にリード線43が接続されてい
る。発光ダイオード層2の下面には全面に下部電極42
が膜形成されて、ここにリード線44が接続されてい
る。また、直方体形の上記発光ダイオードチップ5の、
凹陥部31を除く上面5aと4つの側面5bは、第1実
施形態と同様の粗面としてある。
【0019】このような構造の発光ダイオードチップ5
において、下部電極42と上部電極41間に通電する
と、活性層21から前後(図4の上下)方向へ光が出力
される。前方(上方)へ向かった光L4のうち一部L4
1は凹陥部31表面で屈折透過してそのまま前方へ射出
される。また、上記光L4のうち他の一部L42は凹陥
部31表面で反射して発光ダイオードチップ5の上面5
aに入射する。上面5aは粗面となっているから、その
凹凸のいずれかへ全反射角以下の角度で入射して、発光
ダイオードチップ5から上方へ効率的に透過し射出させ
られる。凹陥部31表面で反射させられて側面へ向かっ
た光L5は、当該側面5bが粗面となっているから、上
記と同様に発光ダイオードチップ5から側方へ効率的に
透過し射出させられる。凹陥部31表面で反射させられ
て下方へ向かった光L6は、活性層21から直接下方へ
向かった光とともに、光反射層22で殆ど減衰すること
なく反射されて上方へ向かい、発光ダイオードチップ5
の側面5bあるいは凹陥部31の表面に入射して、上述
の過程で発光ダイオードチップ5外へ効率的に透過し射
出させられる。
【0020】このように、活性層21よりも後方(下
方)へ向かう光は大部分が下部電極42のオーム接触部
へ至ることなく、その途中に介在する光反射層22で反
射されて前方へ向かうから、発光ダイオードチップ5内
部での光減衰が小さく抑えられる。そして、この状態
で、光反射層22からの反射光は直接側面5bを透過
し、あるいは光反射層22と凹陥部31表面との間で多
重反射を繰り返した後、上記上面5aないし側面5bか
ら効率的に射出される。これにより、光取り出し効率が
向上する。また、ダイサーによる切断とエッチングによ
り発光ダイオードチップ5自体を効率的に生産すること
ができる。
【0021】(その他の実施形態)図5に示すように、
直方体形の発光ダイオードチップ5の上面5aに半球状
の凹陥部32を複数(図5では4つ)形成すると、活性
層21から出力された光が発光ダイオードチップ5内で
さらに多様な方向へ反射させられて、より効率的にチッ
プ5外へ透過射出される。また、図6に示すように、直
方体形の発光ダイオードチップ5の上面5aおよび4つ
の側面5bを粗面としただけで凹陥部を形成しないよう
にしても、従来に比して光取り出し効率は十分向上す
る。なお、図5、図6中、上記各実施形態と同じ部分に
は同一符号を付してある。上記各実施形態において、発
光ダイオードチップ1,5の上面5aおよび/または側
面1a,5bを粗面とすることは必ずしも必要でない。
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明の発光ダイオード
チップは、効率的な生産が可能であるとともに、光取り
出し効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における発光ダイオード
チップの斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態における発光ダイオード
チップの断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態における発光ダイオード
チップの斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態における発光ダイオード
チップの断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態における発光ダイオード
チップの斜視図である。
【図6】本発明の他の実施形態における発光ダイオード
チップの斜視図である。
【図7】従来の発光ダイオードチップの断面図である。
【符号の説明】
1…発光ダイオードチップ、1a…側面、2…発光ダイ
オード層、21…活性層、22…光反射層、3…透明基
板、31,32…凹陥部、42…下部電極、5…発光ダ
イオードチップ、5a…上面、5b…側面。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の上面および/または側面を光
    射出面とし、透明基板の下面に発光ダイオード層を形成
    して、当該発光ダイオード層中の、発光源たる活性層に
    対し前記透明基板とは反対位置で通電用の電極との間
    に、膜厚が漸次変化する多層膜よりなるチャープDBR
    の光反射層を形成した発光ダイオードチップ。
  2. 【請求項2】 前記透明基板を、縮小する前記上面に向
    けて側面が傾斜する四角錐台に成形した請求項1に記載
    の発光ダイオードチップ。
  3. 【請求項3】 前記透明基板の上面に当該透明基板内へ
    凹陥する凹陥部を形成した請求項1に記載の発光ダイオ
    ードチップ。
  4. 【請求項4】 前記透明基板の側面および/または上面
    を粗面にしたことを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかに記載の発光ダイオードチップ。
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