JP2003187681A - ガス遮断器 - Google Patents
ガス遮断器Info
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- JP2003187681A JP2003187681A JP2001383654A JP2001383654A JP2003187681A JP 2003187681 A JP2003187681 A JP 2003187681A JP 2001383654 A JP2001383654 A JP 2001383654A JP 2001383654 A JP2001383654 A JP 2001383654A JP 2003187681 A JP2003187681 A JP 2003187681A
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- arc electrode
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- Driving Mechanisms And Operating Circuits Of Arc-Extinguishing High-Tension Switches (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 駆動エネルギーを増大させることなく効率よ
く利用して対向するアーク電極同士を高速で開離させる
と共に、動作時に生じる衝撃力を緩和させる。 【解決手段】 駆動力変換機構40は、対向アーク電極
22のリンク支持点47に連結された第1のリンク44
と容器1内に設けられたリンク支持点48に連結された
第2のリンク45との連結点に設けられたピンジョイン
ト46を、絶縁ノズル13に連結ロッド41を介して固
着された溝カム42の溝43に滑動自在に係合してお
り、ピンジョイント46の滑動に応じて対向アーク電極
22を可動アーク電極12とは反対方向に動作させるよ
うになっている。対向電極部20に制動力を与える緩衝
装置50は、対向アーク電極22に固着されたピストン
51と、容器1または通電支持部23に嵌着されたシリ
ンダ52、シリンダ52内部に配置された弾性体53、
ばね54等を備えている。
く利用して対向するアーク電極同士を高速で開離させる
と共に、動作時に生じる衝撃力を緩和させる。 【解決手段】 駆動力変換機構40は、対向アーク電極
22のリンク支持点47に連結された第1のリンク44
と容器1内に設けられたリンク支持点48に連結された
第2のリンク45との連結点に設けられたピンジョイン
ト46を、絶縁ノズル13に連結ロッド41を介して固
着された溝カム42の溝43に滑動自在に係合してお
り、ピンジョイント46の滑動に応じて対向アーク電極
22を可動アーク電極12とは反対方向に動作させるよ
うになっている。対向電極部20に制動力を与える緩衝
装置50は、対向アーク電極22に固着されたピストン
51と、容器1または通電支持部23に嵌着されたシリ
ンダ52、シリンダ52内部に配置された弾性体53、
ばね54等を備えている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統の変電所
あるいは開閉所に用いられるガス遮断器に係り、特に遮
断器の駆動エネルギーを増大させることなく遮断性能向
上を向上させるために消弧室に改良を施すと共に動作時
に生じる衝撃力を緩和させたガス遮断器に関する。
あるいは開閉所に用いられるガス遮断器に係り、特に遮
断器の駆動エネルギーを増大させることなく遮断性能向
上を向上させるために消弧室に改良を施すと共に動作時
に生じる衝撃力を緩和させたガス遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、消弧性ガスを密封した容器内
に接離自在な2つの電極を対向配置したガス遮断器が知
られている。中でも、アーク電極間に発生するアークに
対し加圧した消弧性ガスを吹付けてこれを消弧するタイ
プのガス遮断器は、優れた遮断性能を持つため、高い需
要を得ている。
に接離自在な2つの電極を対向配置したガス遮断器が知
られている。中でも、アーク電極間に発生するアークに
対し加圧した消弧性ガスを吹付けてこれを消弧するタイ
プのガス遮断器は、優れた遮断性能を持つため、高い需
要を得ている。
【0003】このタイプのガス遮断器においては、遮断
時に一方のアーク電極を動作させてアーク電極間の開離
動作を行うが、その際、電流零点直後のアーク電極間の
相対速度が小さいと、アークが再発弧して遮断性能を著
しく低下させるおそれがある。そこで、開離動作時に一
方のアーク電極のみを動作させるのではなく、他方のア
ーク電極を反対方向に移動させることにより、アーク電
極間の相対速度を高めた構成が提案されている。
時に一方のアーク電極を動作させてアーク電極間の開離
動作を行うが、その際、電流零点直後のアーク電極間の
相対速度が小さいと、アークが再発弧して遮断性能を著
しく低下させるおそれがある。そこで、開離動作時に一
方のアーク電極のみを動作させるのではなく、他方のア
ーク電極を反対方向に移動させることにより、アーク電
極間の相対速度を高めた構成が提案されている。
【0004】図9は、この種の構成を有するガス遮断器
の一例として、特許第2769702号に開示されてい
るガス遮断器を示す軸方向断面図であり、中心軸Aの上
側は閉極状態、下側は開極状態をそれぞれ示している。
この図9に示すように、消弧性ガスを密封した容器1内
には、可動電極部10と対向電極部20が動作軸(中心
軸A)に沿って接離自在に配置されている。
の一例として、特許第2769702号に開示されてい
るガス遮断器を示す軸方向断面図であり、中心軸Aの上
側は閉極状態、下側は開極状態をそれぞれ示している。
この図9に示すように、消弧性ガスを密封した容器1内
には、可動電極部10と対向電極部20が動作軸(中心
軸A)に沿って接離自在に配置されている。
【0005】ここで、可動電極部10は、図示していな
い駆動装置により往復動作するようになっており、この
可動電極部10の駆動力を駆動力変換機構30によって
方向変換することにより、対向電極部20の動作部分を
可動電極部10と反対方向に移動させるようになってい
る。以下には、各部10,20,30の構成について順
次説明する。
い駆動装置により往復動作するようになっており、この
可動電極部10の駆動力を駆動力変換機構30によって
方向変換することにより、対向電極部20の動作部分を
可動電極部10と反対方向に移動させるようになってい
る。以下には、各部10,20,30の構成について順
次説明する。
【0006】可動電極部10においては、可動通電電極
11に可動アーク電極12と絶縁ノズル13がそれぞれ
嵌着されている。可動通電電極11には消弧性ガスを加
圧するためのリング状の圧力室14が設けられている。
この圧力室14は可動アーク電極12と絶縁ノズル13
の内面との間に形成されたガス流路15とスロート部1
6を介してこのスロート部16の下流に形成された排出
室17に連通している。
11に可動アーク電極12と絶縁ノズル13がそれぞれ
嵌着されている。可動通電電極11には消弧性ガスを加
圧するためのリング状の圧力室14が設けられている。
この圧力室14は可動アーク電極12と絶縁ノズル13
の内面との間に形成されたガス流路15とスロート部1
6を介してこのスロート部16の下流に形成された排出
室17に連通している。
【0007】対向電極部20においては、対向通電電極
21に対して対向アーク電極22が相対移動可能に設け
られている。ここで、対向通電電極21は通電支持部2
3を介して容器1内の固定位置に支持されており、摺動
接触子24を介してピン状の対向アーク電極22と電気
的に導通している。この場合、摺動接触子24から対向
アーク電極22への電流の移行は接触薄板25等により
行われ、また、対向アーク電極22の案内は、例えばポ
リテトラフルオロエチレンからなる保持リング26等に
より行われている。
21に対して対向アーク電極22が相対移動可能に設け
られている。ここで、対向通電電極21は通電支持部2
3を介して容器1内の固定位置に支持されており、摺動
接触子24を介してピン状の対向アーク電極22と電気
的に導通している。この場合、摺動接触子24から対向
アーク電極22への電流の移行は接触薄板25等により
行われ、また、対向アーク電極22の案内は、例えばポ
リテトラフルオロエチレンからなる保持リング26等に
より行われている。
【0008】駆動力変換機構30として、図9に示す従
来例においては、ラック・ピニオンを用いた機構が採用
されている。すなわち、対向電極部20の内部には、回
転可能に支持された二つのピニオン31,32が配置さ
れており、一方のピニオン31に噛合う一対のラック3
3,34と他方のピニオン32に噛合う一対のラック3
5,36が、動作軸に平行に配置されている。
来例においては、ラック・ピニオンを用いた機構が採用
されている。すなわち、対向電極部20の内部には、回
転可能に支持された二つのピニオン31,32が配置さ
れており、一方のピニオン31に噛合う一対のラック3
3,34と他方のピニオン32に噛合う一対のラック3
5,36が、動作軸に平行に配置されている。
【0009】両方のピニオン31,32を挟む外側のラ
ック33,36は、絶縁ノズル13の下流側端部に固定
されており、絶縁ノズル13と一体的に移動するように
なっている。これらのラック33,36は、その外周部
に配置された滑り軸受37,38とピニオン31、32
との間に挟まれることにより支持されている。一方、ピ
ニオン31,32の間に挟まれた内側のラック34,3
5は、対向アーク電極22の外周部に固定されており、
対向アーク電極22と一体的に移動するようになってい
る。
ック33,36は、絶縁ノズル13の下流側端部に固定
されており、絶縁ノズル13と一体的に移動するように
なっている。これらのラック33,36は、その外周部
に配置された滑り軸受37,38とピニオン31、32
との間に挟まれることにより支持されている。一方、ピ
ニオン31,32の間に挟まれた内側のラック34,3
5は、対向アーク電極22の外周部に固定されており、
対向アーク電極22と一体的に移動するようになってい
る。
【0010】以上のようなガス遮断器において、遮断時
に図示していない駆動装置により可動電極部10を駆動
すると、可動アーク電極12は、中心軸Aの上に示す閉
極位置から右方向に動作し、中心軸Aの下に示す開極位
置に移動する。この時、外側のラック33,36は、滑
り軸受37,38に支持されつつ、絶縁ノズル13と共
に図中右方向に移動する。この右方向の駆動力により、
一方のピニオン31は図中時計回転方向に回転し、他方
のピニオン32は図中反時計回転方向に回転する。この
回転力は、図中左方向に向かう駆動力となって内側のラ
ック34,35に伝達される。その結果、内側のラック
34,35と共に対向アーク電極22が図中左方向に移
動する。
に図示していない駆動装置により可動電極部10を駆動
すると、可動アーク電極12は、中心軸Aの上に示す閉
極位置から右方向に動作し、中心軸Aの下に示す開極位
置に移動する。この時、外側のラック33,36は、滑
り軸受37,38に支持されつつ、絶縁ノズル13と共
に図中右方向に移動する。この右方向の駆動力により、
一方のピニオン31は図中時計回転方向に回転し、他方
のピニオン32は図中反時計回転方向に回転する。この
回転力は、図中左方向に向かう駆動力となって内側のラ
ック34,35に伝達される。その結果、内側のラック
34,35と共に対向アーク電極22が図中左方向に移
動する。
【0011】したがって、図9に示すガス遮断器によれ
ば、中心軸Aに対するアーク電極12,22の幾何学配
置関係を保持したまま、可動アーク電極12のみを動作
させる場合の2倍の駆動速度で可動アーク電極12と対
向アーク電極22の開離動作を行うことができる。
ば、中心軸Aに対するアーク電極12,22の幾何学配
置関係を保持したまま、可動アーク電極12のみを動作
させる場合の2倍の駆動速度で可動アーク電極12と対
向アーク電極22の開離動作を行うことができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のガス遮断器には次に示す問題点がある。第1
に、図9に示すガス遮断器においては、両アーク電極の
動作速度および動作タイミングが完全に一致しているた
め、駆動エネルギーの効率的利用に限界がある。すなわ
ち、アークの再発弧を確実に防止するためには電流零点
直後にアーク電極12,22間の相対速度を大きくする
ことが重要である反面、両アーク電極12,22が開離
する前までは大きな相対速度は必要ではないので、駆動
エネルギーを効率的に利用するためには、開離前には対
向アーク電極22が静止している方が望ましい。しかし
ながら、図9に示すようなラック・ピニオンを用いた機
構では、可動アーク電極12の全動作に亘って対向アー
ク電極22も同時に動作することになる。したがって、
両アーク電極12,22が開離する前から両アーク電極
12,22は必要以上に大きな相対速度で動作している
ことになり、駆動エネルギーを効率的に利用していると
は言い難い。
た従来のガス遮断器には次に示す問題点がある。第1
に、図9に示すガス遮断器においては、両アーク電極の
動作速度および動作タイミングが完全に一致しているた
め、駆動エネルギーの効率的利用に限界がある。すなわ
ち、アークの再発弧を確実に防止するためには電流零点
直後にアーク電極12,22間の相対速度を大きくする
ことが重要である反面、両アーク電極12,22が開離
する前までは大きな相対速度は必要ではないので、駆動
エネルギーを効率的に利用するためには、開離前には対
向アーク電極22が静止している方が望ましい。しかし
ながら、図9に示すようなラック・ピニオンを用いた機
構では、可動アーク電極12の全動作に亘って対向アー
ク電極22も同時に動作することになる。したがって、
両アーク電極12,22が開離する前から両アーク電極
12,22は必要以上に大きな相対速度で動作している
ことになり、駆動エネルギーを効率的に利用していると
は言い難い。
【0013】第2に、図9に示すガス遮断器において
は、ラック・ピニオンを用いた駆動力変換機構を使用し
ているため、アーク電極間の動作速度および動作タイミ
ングを調整しようとすると構造が複雑化してコスト高に
なりやすい。すなわち、ラック・ピニオンを用いた図9
の駆動力変換機構30において、可動アーク電極12と
対向アーク電極22のストローク比は1対1となってい
るが、両アーク電極12,22間の動作速度および動作
タイミングが互いに異なるように制御するためには、ス
トローク比を変える必要がある。しかし、ラック・ピニ
オンを用いた機構においてストローク比を変えようとす
ると構造が複雑化してしまい、コストの高騰を招くおそ
れがある。
は、ラック・ピニオンを用いた駆動力変換機構を使用し
ているため、アーク電極間の動作速度および動作タイミ
ングを調整しようとすると構造が複雑化してコスト高に
なりやすい。すなわち、ラック・ピニオンを用いた図9
の駆動力変換機構30において、可動アーク電極12と
対向アーク電極22のストローク比は1対1となってい
るが、両アーク電極12,22間の動作速度および動作
タイミングが互いに異なるように制御するためには、ス
トローク比を変える必要がある。しかし、ラック・ピニ
オンを用いた機構においてストローク比を変えようとす
ると構造が複雑化してしまい、コストの高騰を招くおそ
れがある。
【0014】第3に、図9に示すガス遮断器において
は、ラック・ピニオンの強度を確保するためにラック・
ピニオンが増大し、消弧性ガスの流れを妨げる可能性が
ある上、必要な駆動エネルギーが増大する結果、機器が
大型化してコスト高になりやすい。すなわち、ガス遮断
器の動作時に生じる力は、一般的に起動時と停止時に最
も大きくなるので、ラック・ピニオンを用いた機構では
常に特定の数本の歯に対して大きな力が作用することに
なる。このことから、機構の信頼性を確保するために全
歯をサイズアップして十分な強度を確保することが考え
られるが、その場合、ラック・ピニオンが大型化し、絶
縁ノズル13から噴射される消弧性ガスの流れを妨げる
可能性がある。しかも、ラック・ピニオンの大型化に伴
って可動部分の重量が増すので、必要な駆動エネルギー
が増大し、その結果、機器が大型化してコスト高にな
る。
は、ラック・ピニオンの強度を確保するためにラック・
ピニオンが増大し、消弧性ガスの流れを妨げる可能性が
ある上、必要な駆動エネルギーが増大する結果、機器が
大型化してコスト高になりやすい。すなわち、ガス遮断
器の動作時に生じる力は、一般的に起動時と停止時に最
も大きくなるので、ラック・ピニオンを用いた機構では
常に特定の数本の歯に対して大きな力が作用することに
なる。このことから、機構の信頼性を確保するために全
歯をサイズアップして十分な強度を確保することが考え
られるが、その場合、ラック・ピニオンが大型化し、絶
縁ノズル13から噴射される消弧性ガスの流れを妨げる
可能性がある。しかも、ラック・ピニオンの大型化に伴
って可動部分の重量が増すので、必要な駆動エネルギー
が増大し、その結果、機器が大型化してコスト高にな
る。
【0015】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解消するために提案されたものであり、その目的は、
駆動エネルギーを増大させることなく効率よく利用して
対向するアーク電極同士を高速で開離させると共に、動
作時に生じる衝撃力を緩和させることにより、コンパク
ト化および低コスト化に貢献可能で、遮断性能および信
頼性に優れたガス遮断器を提供することである。
を解消するために提案されたものであり、その目的は、
駆動エネルギーを増大させることなく効率よく利用して
対向するアーク電極同士を高速で開離させると共に、動
作時に生じる衝撃力を緩和させることにより、コンパク
ト化および低コスト化に貢献可能で、遮断性能および信
頼性に優れたガス遮断器を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、対向アーク電極を可動アーク電極と反
対方向に動作させる駆動力変換機構を、リンクの連結点
に設けたピンを溝カムの溝に係合して構成すると共に、
対向アーク電極と一体的に動作する対向動作部材とそれ
に制動力を与える制動部材とを備えた緩衝装置を設ける
ことにより、駆動エネルギーを増大させることなく効率
よく利用して対向するアーク電極同士を高速で開離させ
ると共に、動作時に生じる衝撃力を緩和させたものであ
る。
めに、本発明は、対向アーク電極を可動アーク電極と反
対方向に動作させる駆動力変換機構を、リンクの連結点
に設けたピンを溝カムの溝に係合して構成すると共に、
対向アーク電極と一体的に動作する対向動作部材とそれ
に制動力を与える制動部材とを備えた緩衝装置を設ける
ことにより、駆動エネルギーを増大させることなく効率
よく利用して対向するアーク電極同士を高速で開離させ
ると共に、動作時に生じる衝撃力を緩和させたものであ
る。
【0017】本発明のガス遮断器は、基本的に次のよう
な構成を有する。すなわち、消弧性ガスを密封した容器
内に、駆動源に連結されて往復動作する可動アーク電極
とこれに対向する対向アーク電極が接離自在に配置され
る。可動アーク電極には駆動の際に加圧された消弧性ガ
スを蓄える圧力室が設けられると共にこの圧力室を両ア
ーク電極間の空間と連通させる絶縁ノズルが固着され
る。この絶縁ノズルと対向アーク電極の間には、絶縁ノ
ズルの動作に応じて対向アーク電極を可動アーク電極と
反対方向に動作させる駆動力変換機構が設けられる。そ
して、両アーク電極の開離動作時には、圧力室内の加圧
ガスを絶縁ノズルより高速ガス流として噴出させ、両ア
ーク電極間に発生するアークに吹付け消弧するように構
成される。本発明のガス遮断器は、このような構成を有
するガス遮断器において、次のような技術的な特徴を有
している。
な構成を有する。すなわち、消弧性ガスを密封した容器
内に、駆動源に連結されて往復動作する可動アーク電極
とこれに対向する対向アーク電極が接離自在に配置され
る。可動アーク電極には駆動の際に加圧された消弧性ガ
スを蓄える圧力室が設けられると共にこの圧力室を両ア
ーク電極間の空間と連通させる絶縁ノズルが固着され
る。この絶縁ノズルと対向アーク電極の間には、絶縁ノ
ズルの動作に応じて対向アーク電極を可動アーク電極と
反対方向に動作させる駆動力変換機構が設けられる。そ
して、両アーク電極の開離動作時には、圧力室内の加圧
ガスを絶縁ノズルより高速ガス流として噴出させ、両ア
ーク電極間に発生するアークに吹付け消弧するように構
成される。本発明のガス遮断器は、このような構成を有
するガス遮断器において、次のような技術的な特徴を有
している。
【0018】請求項1の発明は、駆動力変換機構の構成
を改良すると共に、緩衝装置を設けたことを特徴として
いる。ここで、駆動力変換機構は、絶縁ノズルに対して
連結ロッドを介して固着された溝カム、対向アーク電極
にその一端で回転自在に連結された第1のリンク、容器
内に設けられた支持点にその一端で回転自在に連結され
ると共にその他端で第1のリンクの他端に回転自在に連
結された第2のリンク、第1と第2のリンクの連結点に
設けられたピンを備える。そして、ピンが溝カムの溝に
滑動自在に係合されることにより、ピンの滑動に応じて
対向アーク電極を可動アーク電極とは反対方向に動作さ
せるように構成される。また、緩衝装置は、対向アーク
電極と一体的に動作する対向動作部材と、対向アーク電
極の開離動作時における対向動作部材の動作を利用して
対向動作部材に制動力を与える制動部材とを備える。
を改良すると共に、緩衝装置を設けたことを特徴として
いる。ここで、駆動力変換機構は、絶縁ノズルに対して
連結ロッドを介して固着された溝カム、対向アーク電極
にその一端で回転自在に連結された第1のリンク、容器
内に設けられた支持点にその一端で回転自在に連結され
ると共にその他端で第1のリンクの他端に回転自在に連
結された第2のリンク、第1と第2のリンクの連結点に
設けられたピンを備える。そして、ピンが溝カムの溝に
滑動自在に係合されることにより、ピンの滑動に応じて
対向アーク電極を可動アーク電極とは反対方向に動作さ
せるように構成される。また、緩衝装置は、対向アーク
電極と一体的に動作する対向動作部材と、対向アーク電
極の開離動作時における対向動作部材の動作を利用して
対向動作部材に制動力を与える制動部材とを備える。
【0019】この発明によれば、可動アーク電極が移動
すると、操作ロッドと共に連結ロッドと溝カムが移動
し、溝カムの溝に沿ってピンが滑動する。このピンの滑
動に伴い、第1および第2のリンクが両者のなす角度を
変化させながら回転し、第1のリンクの回転に連動して
対向アーク電極が可動アーク電極と反対方向に移動す
る。このように溝カムと2つのリンクを組み合わせた構
成によれば、溝カムの溝の寸法形状を調整することによ
り、アーク電極間の動作速度および動作タイミングを容
易に調整することができる。したがって、遮断動作時に
駆動エネルギーを増大させることなく効率よく利用し
て、対向するアーク電極同士を高速で開離させることが
できる。
すると、操作ロッドと共に連結ロッドと溝カムが移動
し、溝カムの溝に沿ってピンが滑動する。このピンの滑
動に伴い、第1および第2のリンクが両者のなす角度を
変化させながら回転し、第1のリンクの回転に連動して
対向アーク電極が可動アーク電極と反対方向に移動す
る。このように溝カムと2つのリンクを組み合わせた構
成によれば、溝カムの溝の寸法形状を調整することによ
り、アーク電極間の動作速度および動作タイミングを容
易に調整することができる。したがって、遮断動作時に
駆動エネルギーを増大させることなく効率よく利用し
て、対向するアーク電極同士を高速で開離させることが
できる。
【0020】また、このような遮断動作の完了時におい
て、溝カムの溝とピンとの間に発生する衝撃力は非常に
大きくなるが、本発明においては、緩衝装置によりその
衝撃力を緩和することができる。すなわち、対向アーク
電極の開離動作に応じて対向動作部材が同じ方向に移動
すると、この動作を利用して対向動作部材および対向ア
ーク電極に制動力を与えることができる。そのため、対
向アーク電極の慣性力の大部分は緩衝装置で吸収され、
溝カムの溝とピンとの間に発生する衝撃力が緩和され、
強固な溝カムを用いる必要がなく、遮断器の性能向上を
小型で簡素な構成で実現できる。
て、溝カムの溝とピンとの間に発生する衝撃力は非常に
大きくなるが、本発明においては、緩衝装置によりその
衝撃力を緩和することができる。すなわち、対向アーク
電極の開離動作に応じて対向動作部材が同じ方向に移動
すると、この動作を利用して対向動作部材および対向ア
ーク電極に制動力を与えることができる。そのため、対
向アーク電極の慣性力の大部分は緩衝装置で吸収され、
溝カムの溝とピンとの間に発生する衝撃力が緩和され、
強固な溝カムを用いる必要がなく、遮断器の性能向上を
小型で簡素な構成で実現できる。
【0021】請求項2の発明は、請求項1のガス遮断器
において、対向動作部材が対向アーク電極に固着されて
いることを特徴としている。この発明によれば、対向動
作部材が対向アーク電極に固着されているため、既存の
構成を利用して緩衝装置を簡略に構成することができ
る。
において、対向動作部材が対向アーク電極に固着されて
いることを特徴としている。この発明によれば、対向動
作部材が対向アーク電極に固着されているため、既存の
構成を利用して緩衝装置を簡略に構成することができ
る。
【0022】請求項3の発明は、請求項2のガス遮断器
において、対向アーク電極周辺の構成と緩衝装置の構成
に特徴を有するものである。すなわち、対向アーク電極
の外周に同心状に配置された対向通電電極が対向アーク
電極に固着されて一体的に動作するように構成される。
そして、対向動作は対向通電電極に固着され、制動部材
は対向通電電極を摺動支持する通電支持部に固着されて
いる。この発明によれば、対向電極部全体を可動電極部
に対して相対変位させることができるため、可動電極部
のストロークを短くして駆動エネルギーをさらに低減で
きる。
において、対向アーク電極周辺の構成と緩衝装置の構成
に特徴を有するものである。すなわち、対向アーク電極
の外周に同心状に配置された対向通電電極が対向アーク
電極に固着されて一体的に動作するように構成される。
そして、対向動作は対向通電電極に固着され、制動部材
は対向通電電極を摺動支持する通電支持部に固着されて
いる。この発明によれば、対向電極部全体を可動電極部
に対して相対変位させることができるため、可動電極部
のストロークを短くして駆動エネルギーをさらに低減で
きる。
【0023】請求項4の発明は、請求項1のガス遮断器
において、対向動作部材が対向アーク電極と接離可能に
設けられ、対向アーク電極の開離動作途中にその一端と
係合するように構成されていることを特徴としている。
この発明によれば、対向動作部材を対向アーク電極から
分離したことにより、対向アーク電極の重量の増加を防
止できるため、遮断器の性能向上につながる。
において、対向動作部材が対向アーク電極と接離可能に
設けられ、対向アーク電極の開離動作途中にその一端と
係合するように構成されていることを特徴としている。
この発明によれば、対向動作部材を対向アーク電極から
分離したことにより、対向アーク電極の重量の増加を防
止できるため、遮断器の性能向上につながる。
【0024】請求項5の発明は、請求項4のガス遮断器
において、対向アーク電極周辺の構成と緩衝装置の構成
に特徴を有するものである。すなわち、対向アーク電極
の外周に同心状に配置された対向通電電極が対向アーク
電極に固着されて一体的に動作するように構成される。
そして、対向動作部材は対向通電電極と接離可能に設け
られ、対向通電電極の開離動作途中にその一端と係合す
るように構成され、制動部材は対向通電電極を摺動支持
する通電支持部に固着されている。この発明によれば、
対向電極部全体を可動電極部に対して相対変位させるこ
とができるため、可動電極部のストロークを短くして駆
動エネルギーをさらに低減できる。
において、対向アーク電極周辺の構成と緩衝装置の構成
に特徴を有するものである。すなわち、対向アーク電極
の外周に同心状に配置された対向通電電極が対向アーク
電極に固着されて一体的に動作するように構成される。
そして、対向動作部材は対向通電電極と接離可能に設け
られ、対向通電電極の開離動作途中にその一端と係合す
るように構成され、制動部材は対向通電電極を摺動支持
する通電支持部に固着されている。この発明によれば、
対向電極部全体を可動電極部に対して相対変位させるこ
とができるため、可動電極部のストロークを短くして駆
動エネルギーをさらに低減できる。
【0025】請求項6の発明は、請求項3または5のガ
ス遮断器において、対向動作部材および制動部材がリン
グ状の部材を含むことを特徴としている。この発明によ
れば、対向通電電極周辺のスペースを利用して緩衝装置
をコンパクトに構成できる。
ス遮断器において、対向動作部材および制動部材がリン
グ状の部材を含むことを特徴としている。この発明によ
れば、対向通電電極周辺のスペースを利用して緩衝装置
をコンパクトに構成できる。
【0026】請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれ
か1項のガス遮断器において、対向動作部材がピストン
を含み、制動部材がピストンが挿入されるシリンダを含
むことを特徴としている。この発明によれば、対向アー
ク電極の開離動作に応じてピストンが同じ方向に移動し
てシリンダ内に進入すると、ピストンとシリンダ間で形
成される閉空間のガス圧が上昇し、その圧力で対向アー
ク電極に制動力を加えることができる。
か1項のガス遮断器において、対向動作部材がピストン
を含み、制動部材がピストンが挿入されるシリンダを含
むことを特徴としている。この発明によれば、対向アー
ク電極の開離動作に応じてピストンが同じ方向に移動し
てシリンダ内に進入すると、ピストンとシリンダ間で形
成される閉空間のガス圧が上昇し、その圧力で対向アー
ク電極に制動力を加えることができる。
【0027】請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれ
か1項のガス遮断器において、制動部材が、対向動作部
材と係合する弾性部材を含むことを特徴としている。請
求項9の発明は、請求項8のガス遮断器において、対向
動作部材がピストンを含み、制動部材がピストンが挿入
されるシリンダとこのシリンダ内に配置された弾性部材
を含むことを特徴としている。これらの発明によれば、
弾性部材の弾性力を利用したり、ガス圧と弾性力の両方
を利用することにより、緩衝装置を大型化することなし
にその制動力を大きくすることができる。
か1項のガス遮断器において、制動部材が、対向動作部
材と係合する弾性部材を含むことを特徴としている。請
求項9の発明は、請求項8のガス遮断器において、対向
動作部材がピストンを含み、制動部材がピストンが挿入
されるシリンダとこのシリンダ内に配置された弾性部材
を含むことを特徴としている。これらの発明によれば、
弾性部材の弾性力を利用したり、ガス圧と弾性力の両方
を利用することにより、緩衝装置を大型化することなし
にその制動力を大きくすることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガス遮断器の
実施の形態について図面および図中に付した符号を引用
して具体的に説明する。なお、図9の従来例と同一また
は対応する部分に関しては同一符号を付している。
実施の形態について図面および図中に付した符号を引用
して具体的に説明する。なお、図9の従来例と同一また
は対応する部分に関しては同一符号を付している。
【0029】[1.第1の実施形態]
[構成]図1および図2は、本発明を適用したガス遮断
器の第1の実施形態を示す軸方向断面図であり、図1は
閉極状態、図2は開極状態をそれぞれ示している。図1
および図2に示すように、消弧性ガスを密封した容器1
内には、可動電極部10と対向電極部20が動作軸に沿
って接離自在に配置されている。
器の第1の実施形態を示す軸方向断面図であり、図1は
閉極状態、図2は開極状態をそれぞれ示している。図1
および図2に示すように、消弧性ガスを密封した容器1
内には、可動電極部10と対向電極部20が動作軸に沿
って接離自在に配置されている。
【0030】可動電極部10が図示していない駆動装置
により往復動作するようになっている点、およびこの可
動電極部10の駆動力を駆動力変換機構40によって方
向変換することにより、対向電極部20の動作部分を可
動電極部10と反対方向に移動させるようになっている
点は、図9の従来例と同様である。本実施形態において
は、駆動力変換機構40の構成に特徴を有すると共に、
対向電極部20に制動力を与える緩衝装置50が設けら
れている。以下には、各部10,20,40,50の構
成について順次説明する。
により往復動作するようになっている点、およびこの可
動電極部10の駆動力を駆動力変換機構40によって方
向変換することにより、対向電極部20の動作部分を可
動電極部10と反対方向に移動させるようになっている
点は、図9の従来例と同様である。本実施形態において
は、駆動力変換機構40の構成に特徴を有すると共に、
対向電極部20に制動力を与える緩衝装置50が設けら
れている。以下には、各部10,20,40,50の構
成について順次説明する。
【0031】可動電極部10においては、可動通電電極
11の内周に可動アーク電極12と絶縁ノズル13がそ
れぞれ嵌着されると共に、可動アーク電極12の内周に
操作ロッド18が嵌着されている。この操作ロッド18
は図示していない駆動装置と可動電極部10とを連結し
ている。可動通電電極11内部における操作ロッド18
の周囲には消弧性ガスを加圧するためのリング状の圧力
室14が設けられている。この圧力室14が、可動アー
ク電極12と絶縁ノズル13の内面との間に形成された
ガス流路15とスロート部16を介してこのスロート部
16の下流に形成された排出室17に連通している点
は、図9の従来例と同様である。
11の内周に可動アーク電極12と絶縁ノズル13がそ
れぞれ嵌着されると共に、可動アーク電極12の内周に
操作ロッド18が嵌着されている。この操作ロッド18
は図示していない駆動装置と可動電極部10とを連結し
ている。可動通電電極11内部における操作ロッド18
の周囲には消弧性ガスを加圧するためのリング状の圧力
室14が設けられている。この圧力室14が、可動アー
ク電極12と絶縁ノズル13の内面との間に形成された
ガス流路15とスロート部16を介してこのスロート部
16の下流に形成された排出室17に連通している点
は、図9の従来例と同様である。
【0032】対向電極部20において、対向通電電極2
1に対して対向アーク電極22が相対移動可能に設けら
れている点や、対向通電電極21が通電支持部23を介
して容器1内の固定位置に支持され、摺動接触子24を
介してピン状の対向アーク電極22と電気的に導通して
いる点は、図9の従来例と同様である。
1に対して対向アーク電極22が相対移動可能に設けら
れている点や、対向通電電極21が通電支持部23を介
して容器1内の固定位置に支持され、摺動接触子24を
介してピン状の対向アーク電極22と電気的に導通して
いる点は、図9の従来例と同様である。
【0033】駆動力変換機構40は、連結ロッド41、
溝カム42とその溝43、第1のリンク44、第2のリ
ンク45、ピンジョイント46、等を備えており、次の
ように構成されている。まず、可動電極部10の絶縁ノ
ズル13には、可動アーク電極12と平行に伸びる連結
ロッド41を介して溝カム42が固着されている。この
溝カム42には、動作軸方向に伸びる一対の溝43が動
作中心軸を挟んで対称的に形成されており、それぞれの
溝43について、2つのリンク44,45とピンジョイ
ント46からなる同一の構成のリンク機構がそれぞれ設
けられている。各リンク機構の構成は次の通りである。
溝カム42とその溝43、第1のリンク44、第2のリ
ンク45、ピンジョイント46、等を備えており、次の
ように構成されている。まず、可動電極部10の絶縁ノ
ズル13には、可動アーク電極12と平行に伸びる連結
ロッド41を介して溝カム42が固着されている。この
溝カム42には、動作軸方向に伸びる一対の溝43が動
作中心軸を挟んで対称的に形成されており、それぞれの
溝43について、2つのリンク44,45とピンジョイ
ント46からなる同一の構成のリンク機構がそれぞれ設
けられている。各リンク機構の構成は次の通りである。
【0034】すなわち、第1のリンク44は、対向アー
ク電極22のリンク支持点47にその一端で回転自在に
連結され、第2のリンク45は、容器1内に設けられた
リンク支持点48にその一端で回転自在に連結されてお
り、2つのリンク44,45の他端間は回転自在に連結
され、この連結点にピンジョイント46が設けられてい
る。そして、各リンク機構のピンジョイント46が溝カ
ム42の各溝43に滑動自在に係合されることにより、
ピンジョイント46の滑動に応じて対向アーク電極22
を可動アーク電極12とは反対方向に動作させるように
なっている。
ク電極22のリンク支持点47にその一端で回転自在に
連結され、第2のリンク45は、容器1内に設けられた
リンク支持点48にその一端で回転自在に連結されてお
り、2つのリンク44,45の他端間は回転自在に連結
され、この連結点にピンジョイント46が設けられてい
る。そして、各リンク機構のピンジョイント46が溝カ
ム42の各溝43に滑動自在に係合されることにより、
ピンジョイント46の滑動に応じて対向アーク電極22
を可動アーク電極12とは反対方向に動作させるように
なっている。
【0035】緩衝装置50は、ピストン51、シリンダ
52、高分子材料製の弾性体53、金属製のばね54、
等を備えており、次のように構成されている。まず、ピ
ストン51は、対向アーク電極22の一端に固着されて
おり、シリンダ52は、容器1または通電支持部23に
嵌着されており、その内部にピストン51が挿入される
ように配置されている。このシリンダ52の内部に弾性
体53およびばね54が配置されており、弾性体53お
よびばね54の一端は容器1または通電支持部23に固
着され、他端はピストン51と係合するように配置され
ている。
52、高分子材料製の弾性体53、金属製のばね54、
等を備えており、次のように構成されている。まず、ピ
ストン51は、対向アーク電極22の一端に固着されて
おり、シリンダ52は、容器1または通電支持部23に
嵌着されており、その内部にピストン51が挿入される
ように配置されている。このシリンダ52の内部に弾性
体53およびばね54が配置されており、弾性体53お
よびばね54の一端は容器1または通電支持部23に固
着され、他端はピストン51と係合するように配置され
ている。
【0036】[作用]次に、図1と図2を用いて第1の
実施形態に係るガス遮断器の動作について説明する。本
実施形態に係るガス遮断器において、図1に示す閉極状
態から電力系統に事故が発生して開極指令が入ると、図
示していない駆動装置の駆動力により、遮断動作を開始
する。すなわち、操作ロッド18は矢印61の方向に移
動し、可動通電電極11および可動アーク電極12は対
向通電電極21および対向アーク電極22から開離す
る。
実施形態に係るガス遮断器の動作について説明する。本
実施形態に係るガス遮断器において、図1に示す閉極状
態から電力系統に事故が発生して開極指令が入ると、図
示していない駆動装置の駆動力により、遮断動作を開始
する。すなわち、操作ロッド18は矢印61の方向に移
動し、可動通電電極11および可動アーク電極12は対
向通電電極21および対向アーク電極22から開離す
る。
【0037】その際、絶縁ノズル13、連結ロッド4
1、および溝カム42は、操作ロッド18と共に同一方
向に移動するが、溝カム42の溝43に沿ってピンジョ
イント46が外側方向すなわちリンク支持点47,48
を結ぶ直線から離れる方向に移動するので、第1のリン
ク44と第2のリンク45がなす角度が狭まる。そのた
め、第1のリンク44に連結された対向アーク電極22
は可動アーク電極12と逆方向に移動する。
1、および溝カム42は、操作ロッド18と共に同一方
向に移動するが、溝カム42の溝43に沿ってピンジョ
イント46が外側方向すなわちリンク支持点47,48
を結ぶ直線から離れる方向に移動するので、第1のリン
ク44と第2のリンク45がなす角度が狭まる。そのた
め、第1のリンク44に連結された対向アーク電極22
は可動アーク電極12と逆方向に移動する。
【0038】遮断動作後期では、緩衝装置50のピスト
ン51とシリンダ52で形成された閉空間内のガスがピ
ストン51の移動に伴い圧縮され、圧力が上昇する。こ
の圧力はピストン51を押す力すなわち制動力となり、
対向アーク電極22を停止させることに使用される。ま
た、ピストン51の移動に伴いピストン51の先端に弾
性体53およびばね54が係合しこれらを圧縮すること
により弾性力が生じ、この弾性力もまた対向アーク電極
22を停止させる制動力となる。以上のような遮断動作
を終了した時点で、図2に示す開極状態となる。
ン51とシリンダ52で形成された閉空間内のガスがピ
ストン51の移動に伴い圧縮され、圧力が上昇する。こ
の圧力はピストン51を押す力すなわち制動力となり、
対向アーク電極22を停止させることに使用される。ま
た、ピストン51の移動に伴いピストン51の先端に弾
性体53およびばね54が係合しこれらを圧縮すること
により弾性力が生じ、この弾性力もまた対向アーク電極
22を停止させる制動力となる。以上のような遮断動作
を終了した時点で、図2に示す開極状態となる。
【0039】なお、投入動作は、図2に示す開極状態か
ら矢印62の方向に駆動力が作用し、遮断動作と全く逆
方向に移動する動作であり、この動作は容易に推測でき
るため、説明は省略する。
ら矢印62の方向に駆動力が作用し、遮断動作と全く逆
方向に移動する動作であり、この動作は容易に推測でき
るため、説明は省略する。
【0040】[効果]本実施形態に係るガス遮断器の効
果は次の通りである。まず、溝カム42と2つのリンク
44,45を組み合わせた駆動力変換機構40を採用し
ているため、溝カム42の溝43の寸法形状を調整する
ことにより、アーク電極12,22間の動作速度および
動作タイミングを容易に調整することができる。したが
って、遮断動作時に駆動エネルギーを増大させることな
く効率よく利用して、対向するアーク電極12,22同
士を高速で開離させることができる。
果は次の通りである。まず、溝カム42と2つのリンク
44,45を組み合わせた駆動力変換機構40を採用し
ているため、溝カム42の溝43の寸法形状を調整する
ことにより、アーク電極12,22間の動作速度および
動作タイミングを容易に調整することができる。したが
って、遮断動作時に駆動エネルギーを増大させることな
く効率よく利用して、対向するアーク電極12,22同
士を高速で開離させることができる。
【0041】また、このような駆動力変換機構40を採
用した場合、遮断動作の完了時において溝カム42の溝
43とピンジョイントとの間に発生する衝撃力は非常に
大きくなるが、本実施形態においては、緩衝装置50に
よりその衝撃力を緩和することができる。この点につい
て以下に説明する。まず、遮断動作の完了時において、
対向アーク電極22は、溝カム42の溝43内における
ピンジョイント46の位置に応じて第1および第2のリ
ンク44,45の回転が停止することにより幾何学的に
停止させられるため、絶縁ノズル13に発生する衝撃力
が小さくなる反面、溝カム42の溝43とピンジョイン
トとの間に発生する衝撃力は非常に大きくなる。
用した場合、遮断動作の完了時において溝カム42の溝
43とピンジョイントとの間に発生する衝撃力は非常に
大きくなるが、本実施形態においては、緩衝装置50に
よりその衝撃力を緩和することができる。この点につい
て以下に説明する。まず、遮断動作の完了時において、
対向アーク電極22は、溝カム42の溝43内における
ピンジョイント46の位置に応じて第1および第2のリ
ンク44,45の回転が停止することにより幾何学的に
停止させられるため、絶縁ノズル13に発生する衝撃力
が小さくなる反面、溝カム42の溝43とピンジョイン
トとの間に発生する衝撃力は非常に大きくなる。
【0042】これに対して、本実施形態においては、対
向アーク電極22と一体的に動作するピストン51をシ
リンダ52に挿入するという簡素な構造の緩衝装置50
により、対向アーク電極22の慣性力の大部分を吸収で
きるため、溝カム42の溝43とピンジョイント46間
に発生する衝撃力が緩和され、溝カムの強化による寸法
・重量増大やコスト上昇を防止することができ、機器の
信頼性向上につながる。
向アーク電極22と一体的に動作するピストン51をシ
リンダ52に挿入するという簡素な構造の緩衝装置50
により、対向アーク電極22の慣性力の大部分を吸収で
きるため、溝カム42の溝43とピンジョイント46間
に発生する衝撃力が緩和され、溝カムの強化による寸法
・重量増大やコスト上昇を防止することができ、機器の
信頼性向上につながる。
【0043】また、ピストン51とシリンダ52のガス
圧に加えて弾性体53やばね54の弾性力を利用するこ
とにより、緩衝装置50を大型化することなしにその制
動力を大きくすることができる。さらに、ピストン51
を対向アーク電極22に固着しているため、既存の構成
を利用して緩衝装置50を簡略に構成することができ
る。
圧に加えて弾性体53やばね54の弾性力を利用するこ
とにより、緩衝装置50を大型化することなしにその制
動力を大きくすることができる。さらに、ピストン51
を対向アーク電極22に固着しているため、既存の構成
を利用して緩衝装置50を簡略に構成することができ
る。
【0044】さらに、本実施形態においては、対向する
2つのアーク電極11,21を駆動する全ての部材、お
よび各アーク電極と一体的に動作する全ての部材を、各
アーク電極11,21の中心軸に対して対称に配置して
いるため、荷重伝達を均等に分散でき、偏心荷重が作用
することがない。その結果、各部材を小型・軽量化する
ことが可能となり、機械的信頼性の向上および駆動エネ
ルギーの低減が可能である。
2つのアーク電極11,21を駆動する全ての部材、お
よび各アーク電極と一体的に動作する全ての部材を、各
アーク電極11,21の中心軸に対して対称に配置して
いるため、荷重伝達を均等に分散でき、偏心荷重が作用
することがない。その結果、各部材を小型・軽量化する
ことが可能となり、機械的信頼性の向上および駆動エネ
ルギーの低減が可能である。
【0045】[2.第2の実施形態]
[構成]図3および図4は、本発明を適用したガス遮断
器の第2の実施形態を示す軸方向断面図であり、図3は
閉極状態、図4は開極状態をそれぞれ示している。図3
および図4に示すように、本実施形態は、前述した第1
の実施形態における緩衝装置50の構成を部分的に変更
したものであり、同一または対応する部分は同一符号で
示している。
器の第2の実施形態を示す軸方向断面図であり、図3は
閉極状態、図4は開極状態をそれぞれ示している。図3
および図4に示すように、本実施形態は、前述した第1
の実施形態における緩衝装置50の構成を部分的に変更
したものであり、同一または対応する部分は同一符号で
示している。
【0046】本実施形態に係るガス遮断器の緩衝装置5
0においては、ピストン51は対向アーク電極22に固
着されるのではなく、対向アーク電極22と接離自在に
配置されている。そして、シリンダ52にはピストン5
1の移動を拘束する突起52aが配置されると共に、ピ
ストン51を突起52aの方向に押す復帰ばね55が設
けられている。シリンダ52の内部に弾性体53が配置
されている点は第1の実施形態と同様である。
0においては、ピストン51は対向アーク電極22に固
着されるのではなく、対向アーク電極22と接離自在に
配置されている。そして、シリンダ52にはピストン5
1の移動を拘束する突起52aが配置されると共に、ピ
ストン51を突起52aの方向に押す復帰ばね55が設
けられている。シリンダ52の内部に弾性体53が配置
されている点は第1の実施形態と同様である。
【0047】[作用]次に、図3と図4を用いて第2の
実施形態に係るガス遮断器の動作について説明する。ま
ず、図3に示す閉極状態からの遮断動作開始時の動作は
第1の実施形態に係るガス遮断器の動作と同様である
が、遮断動作後期における動作は、緩衝装置50の構成
から、次のようになる。すなわち、遮断動作後期では、
対向アーク電極22の一端がシリンダ52に挿入された
ピストン51の端部と係合し、同一方向に移動する。
実施形態に係るガス遮断器の動作について説明する。ま
ず、図3に示す閉極状態からの遮断動作開始時の動作は
第1の実施形態に係るガス遮断器の動作と同様である
が、遮断動作後期における動作は、緩衝装置50の構成
から、次のようになる。すなわち、遮断動作後期では、
対向アーク電極22の一端がシリンダ52に挿入された
ピストン51の端部と係合し、同一方向に移動する。
【0048】その後、ピストン51とシリンダ52で形
成された閉空間内のガスがピストン51の移動に伴い圧
縮され、圧力が上昇する。この圧力はピストン51を押
す力すなわち制動力となり、対向アーク電極22を停止
させることに使用される。また、ピストン51の移動に
伴いピストン51が復帰ばね55を圧縮すると共に、ピ
ストン51に弾性体53が係合してこれを圧縮すること
により弾性力が生じ、この弾性力もまた対向アーク電極
22を停止させる制動力となる。以上のような遮断動作
を終了した時点で、図4に示す開極状態となる。
成された閉空間内のガスがピストン51の移動に伴い圧
縮され、圧力が上昇する。この圧力はピストン51を押
す力すなわち制動力となり、対向アーク電極22を停止
させることに使用される。また、ピストン51の移動に
伴いピストン51が復帰ばね55を圧縮すると共に、ピ
ストン51に弾性体53が係合してこれを圧縮すること
により弾性力が生じ、この弾性力もまた対向アーク電極
22を停止させる制動力となる。以上のような遮断動作
を終了した時点で、図4に示す開極状態となる。
【0049】なお、投入動作は、図4に示す開極状態か
ら矢印62の方向に駆動力が作用し、遮断動作と全く逆
方向に移動する動作であるが、本実施形態においては、
ピストン51は対向アーク電極22から離れ、復帰ばね
55のばね力により突起52aの方向に移動して、図3
に示す位置に復帰する。
ら矢印62の方向に駆動力が作用し、遮断動作と全く逆
方向に移動する動作であるが、本実施形態においては、
ピストン51は対向アーク電極22から離れ、復帰ばね
55のばね力により突起52aの方向に移動して、図3
に示す位置に復帰する。
【0050】[効果]本実施形態に係るガス遮断器によ
れば、第1の実施形態に係るガス遮断器と同様の効果が
得られることに加えて、さらに、対向アーク電極22と
緩衝装置50のピストン51を分離したことにより、動
作部分である対向アーク電極22の重量の増加を防止で
きるため、遮断器の性能向上につながる、という効果が
得られる。
れば、第1の実施形態に係るガス遮断器と同様の効果が
得られることに加えて、さらに、対向アーク電極22と
緩衝装置50のピストン51を分離したことにより、動
作部分である対向アーク電極22の重量の増加を防止で
きるため、遮断器の性能向上につながる、という効果が
得られる。
【0051】[3.第3の実施形態]
[構成]図5および図6は、本発明を適用したガス遮断
器の第2の実施形態を示す軸方向断面図であり、図5は
閉極状態、図6は開極状態をそれぞれ示している。図5
および図6に示すように、本実施形態は、前述した第1
の実施形態における対向電極部20と緩衝装置50の構
成を部分的に変更したものであり、同一または対応する
部分は同一符号で示している。
器の第2の実施形態を示す軸方向断面図であり、図5は
閉極状態、図6は開極状態をそれぞれ示している。図5
および図6に示すように、本実施形態は、前述した第1
の実施形態における対向電極部20と緩衝装置50の構
成を部分的に変更したものであり、同一または対応する
部分は同一符号で示している。
【0052】本実施形態に係るガス遮断器においては、
対向電極部20の対向通電電極21と対向アーク電極2
2は固着されており、通電支持部23により摺動支持さ
れている。この構成に伴い、緩衝装置50は、対向通電
電極22の端部に固着されたリング状のピストン51
と、通電支持部23に固着されたリング状のシリンダ5
2とから構成されている。また、シリンダ52の内部に
は第1の実施形態と同様に弾性体53とばね54が配置
されている。
対向電極部20の対向通電電極21と対向アーク電極2
2は固着されており、通電支持部23により摺動支持さ
れている。この構成に伴い、緩衝装置50は、対向通電
電極22の端部に固着されたリング状のピストン51
と、通電支持部23に固着されたリング状のシリンダ5
2とから構成されている。また、シリンダ52の内部に
は第1の実施形態と同様に弾性体53とばね54が配置
されている。
【0053】[作用]次に、図5と図6を用いて第3の
実施形態に係るガス遮断器の動作について説明する。ま
ず、図5に示す閉極状態からの遮断動作開始時の動作
は、対向電極部20の構成から、対向通電電極21が対
向アーク電極22と一体的に動作する点を除けば、第1
の実施形態に係るガス遮断器の動作と同様である。
実施形態に係るガス遮断器の動作について説明する。ま
ず、図5に示す閉極状態からの遮断動作開始時の動作
は、対向電極部20の構成から、対向通電電極21が対
向アーク電極22と一体的に動作する点を除けば、第1
の実施形態に係るガス遮断器の動作と同様である。
【0054】また、遮断動作後期では、ピストン51と
シリンダ52で形成された閉空間内のガスがピストン5
1の移動に伴い圧縮され、圧力が上昇する。この圧力が
ピストン51を押す力すなわち制動力となり、対向通電
電極21と対向アーク電極22を停止させることに使用
される。また、ピストン51の移動に伴いピストン51
の先端に弾性体53やばね54が係合しこれらを圧縮す
ることにより弾性力が生じ、この弾性力もまた対向通電
電極21と対向アーク電極22を停止させる制動力とな
る。以上のような遮断動作を終了した時点で、図6に示
す開極状態となる。
シリンダ52で形成された閉空間内のガスがピストン5
1の移動に伴い圧縮され、圧力が上昇する。この圧力が
ピストン51を押す力すなわち制動力となり、対向通電
電極21と対向アーク電極22を停止させることに使用
される。また、ピストン51の移動に伴いピストン51
の先端に弾性体53やばね54が係合しこれらを圧縮す
ることにより弾性力が生じ、この弾性力もまた対向通電
電極21と対向アーク電極22を停止させる制動力とな
る。以上のような遮断動作を終了した時点で、図6に示
す開極状態となる。
【0055】なお、投入動作は、図6に示す開極状態か
ら矢印62の方向に駆動力が作用し、遮断動作と全く逆
方向に移動する動作であり、この動作は容易に推測でき
るため、説明は省略する。
ら矢印62の方向に駆動力が作用し、遮断動作と全く逆
方向に移動する動作であり、この動作は容易に推測でき
るため、説明は省略する。
【0056】[効果]本実施形態に係るガス遮断器によ
れば、第1の実施形態に係るガス遮断器と同様の効果が
得られることに加えて、対向電極部20全体を可動電極
部10に対して相対変位させることができるため、可動
電極部10のストロークを短くして駆動エネルギーをさ
らに低減できるという効果が得られる。この点について
以下に説明する。
れば、第1の実施形態に係るガス遮断器と同様の効果が
得られることに加えて、対向電極部20全体を可動電極
部10に対して相対変位させることができるため、可動
電極部10のストロークを短くして駆動エネルギーをさ
らに低減できるという効果が得られる。この点について
以下に説明する。
【0057】すなわち、対向電極部20全体を可動電極
部10に対して相対変位させることができるため、対向
アーク電極22だけを相対運動させる場合に比べて、可
動電極部10のストロークを短くしても、電界強度上で
必要十分な開離距離を確保することができる。一般に、
可動電極部10の可動重量は対向電極部20側に比べて
重く、そのストロークを短縮することは全体の駆動エネ
ルギー低減に有効である。したがって、本実施形態によ
れば、対向アーク電極22のみ相対動作させる方式より
も可動電極部10のストロークを短くできるため、駆動
エネルギーをさらに低減できる。
部10に対して相対変位させることができるため、対向
アーク電極22だけを相対運動させる場合に比べて、可
動電極部10のストロークを短くしても、電界強度上で
必要十分な開離距離を確保することができる。一般に、
可動電極部10の可動重量は対向電極部20側に比べて
重く、そのストロークを短縮することは全体の駆動エネ
ルギー低減に有効である。したがって、本実施形態によ
れば、対向アーク電極22のみ相対動作させる方式より
も可動電極部10のストロークを短くできるため、駆動
エネルギーをさらに低減できる。
【0058】[4.第4の実施形態]
[構成]図7および図8は、本発明を適用したガス遮断
器の第4の実施形態を示す軸方向断面図であり、図7は
閉極状態、図8は開極状態をそれぞれ示している。図7
および図8に示すように、本実施形態は、前述した第3
の実施形態における緩衝装置50の構成を部分的に変更
したものであり、同一または対応する部分は同一符号で
示している。
器の第4の実施形態を示す軸方向断面図であり、図7は
閉極状態、図8は開極状態をそれぞれ示している。図7
および図8に示すように、本実施形態は、前述した第3
の実施形態における緩衝装置50の構成を部分的に変更
したものであり、同一または対応する部分は同一符号で
示している。
【0059】本実施形態に係るガス遮断器の緩衝装置5
0においては、ピストン51は対向通電電極21に固着
されるのではなく、対向通電電極21と接離自在に配置
されている。そして、シリンダ52にはピストン51の
移動を拘束する突起52aが配置されると共に、ピスト
ン51を突起52aの方向に押す復帰ばね55が設けら
れている。シリンダ52の内部に弾性体53が配置され
ている点は第3の実施形態と同様である。
0においては、ピストン51は対向通電電極21に固着
されるのではなく、対向通電電極21と接離自在に配置
されている。そして、シリンダ52にはピストン51の
移動を拘束する突起52aが配置されると共に、ピスト
ン51を突起52aの方向に押す復帰ばね55が設けら
れている。シリンダ52の内部に弾性体53が配置され
ている点は第3の実施形態と同様である。
【0060】[作用]次に、図7と図8を用いて第2の
実施形態に係るガス遮断器の動作について説明する。ま
ず、図7に示す閉極状態からの遮断動作開始時の動作は
第3の実施形態に係るガス遮断器の動作と同様である
が、遮断動作後期における動作は、緩衝装置50の構成
から、次のようになる。すなわち、遮断動作後期では、
対向通電電極21の一端がシリンダ52に挿入されたピ
ストン51の端部と係合し、同一方向に移動する。
実施形態に係るガス遮断器の動作について説明する。ま
ず、図7に示す閉極状態からの遮断動作開始時の動作は
第3の実施形態に係るガス遮断器の動作と同様である
が、遮断動作後期における動作は、緩衝装置50の構成
から、次のようになる。すなわち、遮断動作後期では、
対向通電電極21の一端がシリンダ52に挿入されたピ
ストン51の端部と係合し、同一方向に移動する。
【0061】その後、ピストン51とシリンダ52で形
成された閉空間内のガスがピストン51の移動に伴い圧
縮され、圧力が上昇する。この圧力はピストン51を押
す力すなわち制動力となり、対向通電電極21と対向ア
ーク電極22を停止させることに使用される。また、ピ
ストン51の移動に伴いピストン51が復帰ばね55を
圧縮すると共に、ピストン51に弾性体53が係合して
これを圧縮することにより弾性力が生じ、この弾性力も
また対向通電電極21と対向アーク電極22を停止させ
る制動力となる。以上のような遮断動作を終了した時点
で、図8に示す開極状態となる。
成された閉空間内のガスがピストン51の移動に伴い圧
縮され、圧力が上昇する。この圧力はピストン51を押
す力すなわち制動力となり、対向通電電極21と対向ア
ーク電極22を停止させることに使用される。また、ピ
ストン51の移動に伴いピストン51が復帰ばね55を
圧縮すると共に、ピストン51に弾性体53が係合して
これを圧縮することにより弾性力が生じ、この弾性力も
また対向通電電極21と対向アーク電極22を停止させ
る制動力となる。以上のような遮断動作を終了した時点
で、図8に示す開極状態となる。
【0062】なお、投入動作は、図8に示す開極状態か
ら矢印62の方向に駆動力が作用し、遮断動作と全く逆
方向に移動する動作であるが、本実施形態においては、
ピストン51は対向通電電極22から離れ、復帰ばね5
5のばね力により突起52aの方向に移動して、図7に
示す位置に復帰する。
ら矢印62の方向に駆動力が作用し、遮断動作と全く逆
方向に移動する動作であるが、本実施形態においては、
ピストン51は対向通電電極22から離れ、復帰ばね5
5のばね力により突起52aの方向に移動して、図7に
示す位置に復帰する。
【0063】[効果]本実施形態に係るガス遮断器によ
れば、第3の実施形態に係るガス遮断器と同様の効果が
得られることに加えて、さらに、対向アーク電極22に
固着した対向通電電極21と緩衝装置50のピストン5
1を分離したことにより、動作部分である対向通電電極
21と対向アーク電極22の重量の増加を防止できるた
め、遮断器の性能向上につながる、という効果が得られ
る。
れば、第3の実施形態に係るガス遮断器と同様の効果が
得られることに加えて、さらに、対向アーク電極22に
固着した対向通電電極21と緩衝装置50のピストン5
1を分離したことにより、動作部分である対向通電電極
21と対向アーク電極22の重量の増加を防止できるた
め、遮断器の性能向上につながる、という効果が得られ
る。
【0064】[5.他の実施形態]なお、本発明は、前
記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内
で他にも多種多様な形態が実施可能である。
記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内
で他にも多種多様な形態が実施可能である。
【0065】例えば、前記実施形態においては、緩衝装
置の弾性部材として、高分子材料製の弾性体と金属製の
ばねとを使用したが、弾性部材の具体的な構成は自由に
変更可能である。また、弾性部材を使用せずにピストン
とシリンダのみを使用する構成も可能であり、逆に、ピ
ストンとシリンダを使用せずに、対向アーク電極と一体
的に動作する対向動作部材を弾性部材によって停止させ
るように構成することも可能である。しかしながら、一
般的には、ピストンとシリンダによる閉空間内のガス圧
と弾性部材による弾性力の両方を利用することが望まし
い。
置の弾性部材として、高分子材料製の弾性体と金属製の
ばねとを使用したが、弾性部材の具体的な構成は自由に
変更可能である。また、弾性部材を使用せずにピストン
とシリンダのみを使用する構成も可能であり、逆に、ピ
ストンとシリンダを使用せずに、対向アーク電極と一体
的に動作する対向動作部材を弾性部材によって停止させ
るように構成することも可能である。しかしながら、一
般的には、ピストンとシリンダによる閉空間内のガス圧
と弾性部材による弾性力の両方を利用することが望まし
い。
【0066】一方、溝カムやその溝の寸法形状、および
リンク機構の寸法関係やピンと溝との位置関係等は、対
向アーク電極に要求される動作速度や動作タイミングに
応じて自由に選択可能である。
リンク機構の寸法関係やピンと溝との位置関係等は、対
向アーク電極に要求される動作速度や動作タイミングに
応じて自由に選択可能である。
【0067】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
対向アーク電極を可動アーク電極と反対方向に動作させ
る駆動力変換機構を、リンクの連結点に設けたピンを溝
カムの溝に係合して構成すると共に、対向アーク電極と
一体的に動作する対向動作部材とそれに制動力を与える
制動部材とを備えた緩衝装置を設けることにより、駆動
エネルギーを増大させることなく効率よく利用して対向
するアーク電極同士を高速で開離させると共に、動作時
に生じる衝撃力を緩和させることができる。したがっ
て、コンパクト化および低コスト化に貢献可能で、遮断
性能および信頼性に優れたガス遮断器を提供することが
できる。
対向アーク電極を可動アーク電極と反対方向に動作させ
る駆動力変換機構を、リンクの連結点に設けたピンを溝
カムの溝に係合して構成すると共に、対向アーク電極と
一体的に動作する対向動作部材とそれに制動力を与える
制動部材とを備えた緩衝装置を設けることにより、駆動
エネルギーを増大させることなく効率よく利用して対向
するアーク電極同士を高速で開離させると共に、動作時
に生じる衝撃力を緩和させることができる。したがっ
て、コンパクト化および低コスト化に貢献可能で、遮断
性能および信頼性に優れたガス遮断器を提供することが
できる。
【図1】本発明を適用したガス遮断器の第1の実施形態
を示す軸方向断面図であり、閉極状態を示している。
を示す軸方向断面図であり、閉極状態を示している。
【図2】図1に示すガス遮断器の開極状態を示す軸方向
断面図である。
断面図である。
【図3】本発明を適用したガス遮断器の第2の実施形態
を示す軸方向断面図であり、閉極状態を示している。
を示す軸方向断面図であり、閉極状態を示している。
【図4】図3に示すガス遮断器の開極状態を示す軸方向
断面図である。
断面図である。
【図5】本発明を適用したガス遮断器の第3の実施形態
を示す軸方向断面図であり、閉極状態を示している。
を示す軸方向断面図であり、閉極状態を示している。
【図6】図5に示すガス遮断器の開極状態を示す軸方向
断面図である。
断面図である。
【図7】本発明を適用したガス遮断器の第4の実施形態
を示す軸方向断面図であり、閉極状態を示している。
を示す軸方向断面図であり、閉極状態を示している。
【図8】図7に示すガス遮断器の開極状態を示す軸方向
断面図である。
断面図である。
【図9】従来のガス遮断器を示す軸方向断面図であり、
中心線を挟んで閉極状態と開極状態をそれぞれ示してい
る。
中心線を挟んで閉極状態と開極状態をそれぞれ示してい
る。
1…容器
10…可動電極部
11…可動通電電極
12…可動アーク電極
13…絶縁ノズル
14…圧力室
15…ガス流路
16…スロート部
17…排出室
18…操作ロッド
20…対向電極部
21…対向通電電極
22…対向アーク電極
23…通電支持部
24…摺動接触子
40…駆動力変換機構
41…連結ロッド
42…溝カム
43…溝
44…第1のリンク
45…第2のリンク
46…ピンジョイント
47,48…リンク支持点
50…緩衝装置
51…ピストン
52…シリンダ
52a…突起
53…弾性体
54…ばね
55…復帰ばね
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 大井 雅義
神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株
式会社東芝浜川崎工場内
(72)発明者 新井 健嗣
神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株
式会社東芝浜川崎工場内
Fターム(参考) 5G001 AA08 BB03 CC03 DD03
5G028 AA06 AA08 AA17 EB11 EB12
Claims (9)
- 【請求項1】 消弧性ガスを密封した容器内に、駆動源
に連結されて往復動作する可動アーク電極とこれに対向
する対向アーク電極が接離自在に配置され、前記可動ア
ーク電極には駆動の際に加圧された消弧性ガスを蓄える
圧力室が設けられると共にこの圧力室を両アーク電極間
の空間と連通させる絶縁ノズルが固着され、この絶縁ノ
ズルと前記対向アーク電極の間には、絶縁ノズルの動作
に応じて対向アーク電極を前記可動アーク電極と反対方
向に動作させる駆動力変換機構が設けられ、両アーク電
極の開離動作時には、前記圧力室内の加圧ガスを前記絶
縁ノズルより高速ガス流として噴出させ、両アーク電極
間に発生するアークに吹付け消弧するように構成された
ガス遮断器において、 前記駆動力変換機構は、前記絶縁ノズルに対して連結ロ
ッドを介して固着された溝カム、前記対向アーク電極に
その一端で回転自在に連結された第1のリンク、前記容
器内に設けられた支持点にその一端で回転自在に連結さ
れると共にその他端で前記第1のリンクの他端に回転自
在に連結された第2のリンク、前記第1と第2のリンク
の連結点に設けられたピンを備え、このピンが前記溝カ
ムの溝に滑動自在に係合されることにより、ピンの滑動
に応じて前記対向アーク電極を前記可動アーク電極とは
反対方向に動作させるように構成され、 前記対向アーク電極と一体的に動作する対向動作部材
と、対向アーク電極の開離動作時における対向動作部材
の動作を利用して対向動作部材に制動力を与える制動部
材とを備えた緩衝装置が設けられた、ことを特徴とする
ガス遮断器。 - 【請求項2】 前記対向動作部材は前記対向アーク電極
に固着されていることを特徴とする請求項1に記載のガ
ス遮断器。 - 【請求項3】 前記対向アーク電極の外周に同心状に配
置された対向通電電極が対向アーク電極に固着されて一
体的に動作するように構成され、 前記対向動作部材は前記対向通電電極に固着され、 前記制御部材は前記対向通電電極を摺動支持する通電支
持部に固着されている、ことを特徴とする請求項2に記
載のガス遮断器。 - 【請求項4】 前記対向動作部材は前記対向アーク電極
と接離可能に設けられ、対向アーク電極の開離動作途中
にその一端と係合するように構成されていることを特徴
とする請求項1に記載のガス遮断器。 - 【請求項5】 前記対向アーク電極の外周に同心状に配
置された対向通電電極が対向アーク電極に固着されて一
体的に動作するように構成され、 前記対向動作部材は、前記対向通電電極と接離可能に設
けられ、対向通電電極の開離動作途中にその一端と係合
するように構成され、 前記制動部材は前記対向通電電極を摺動支持する通電支
持部に固着されている、ことを特徴とする請求項4に記
載のガス遮断器。 - 【請求項6】 前記対向動作部材および前記制動部材は
リング状の部材を含むことを特徴とする請求項3または
5に記載のガス遮断器。 - 【請求項7】 前記対向動作部材はピストンを含み、前
記制動部材はピストンが挿入されるシリンダを含むこと
を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス
遮断器。 - 【請求項8】 前記制動部材は、前記対向動作部材と係
合する弾性部材を含むことを特徴とする請求項1〜7の
いずれか1項に記載のガス遮断器。 - 【請求項9】 前記対向動作部材はピストンを含み、前
記制動部材はピストンが挿入されるシリンダとこのシリ
ンダ内に配置された前記弾性部材を含むことを特徴とす
る請求項8に記載のガス遮断器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001383654A JP2003187681A (ja) | 2001-12-17 | 2001-12-17 | ガス遮断器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001383654A JP2003187681A (ja) | 2001-12-17 | 2001-12-17 | ガス遮断器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003187681A true JP2003187681A (ja) | 2003-07-04 |
Family
ID=27593636
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001383654A Pending JP2003187681A (ja) | 2001-12-17 | 2001-12-17 | ガス遮断器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003187681A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017175450A1 (ja) * | 2016-04-08 | 2017-10-12 | 株式会社日立製作所 | ガス遮断器 |
WO2019106841A1 (ja) * | 2017-12-01 | 2019-06-06 | 株式会社 東芝 | ガス遮断器 |
-
2001
- 2001-12-17 JP JP2001383654A patent/JP2003187681A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017175450A1 (ja) * | 2016-04-08 | 2017-10-12 | 株式会社日立製作所 | ガス遮断器 |
WO2019106841A1 (ja) * | 2017-12-01 | 2019-06-06 | 株式会社 東芝 | ガス遮断器 |
JPWO2019106841A1 (ja) * | 2017-12-01 | 2020-11-19 | 株式会社東芝 | ガス遮断器 |
US11227735B2 (en) | 2017-12-01 | 2022-01-18 | Kabushiki Kaishatoshiba | Gas circuit breaker |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Effective date: 20040804 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 |