JP2003185608A - 構造物の内部欠陥検出装置 - Google Patents

構造物の内部欠陥検出装置

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JP2003185608A JP2001385776A JP2001385776A JP2003185608A JP 2003185608 A JP2003185608 A JP 2003185608A JP 2001385776 A JP2001385776 A JP 2001385776A JP 2001385776 A JP2001385776 A JP 2001385776A JP 2003185608 A JP2003185608 A JP 2003185608A
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Masao Inoue
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誠司 日浦
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信裕 宮田
Riichi Ishizaka
利一 石坂
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孝男 菅原
Junichiro Osawa
純一郎 大沢
Yuichiro Yanagisawa
有一郎 柳沢
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修 村田
Tsutomu Sato
勉 佐藤
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誠一 鳥取
Koji Yoshida
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、作業者の勘に頼らない定量的な評
価ができるとともに、検査に要するコストを大幅に低減
でき、さらに従来の赤外線カメラを用いた検査方法を含
めた非接触検査方法と比べて深い欠陥の検査ができるこ
とを課題とする。 【解決手段】 本発明の構造物の内部欠陥検出装置は、
構造物に赤外線を照射して温度分布を測定することによ
り、構造物の内部欠陥を検出する構造物の内部欠陥検出
装置において、前記構造物に前記赤外線を照射する前記
赤外線照射手段は、照射強度分布特性を均一化する赤外
線反射板と、前記赤外線反射板の角度を調整可能にする
角度調整手段とを備え、波長1μm〜50μmの赤外線
を前記構造物に均一に照射する構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にトンネルや高
架橋等のコンクリート製やモルタル製の構造物の内部欠
陥検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、トンネル等のコンクリート製やモ
ルタル製の構造物の崩壊が社会問題化しており、この対
策が急務となっている。従来、こうしたコンクリート等
の構造物の劣化の予測や検査は、主として作業者がハン
マー等を使って実施する打音検査法に頼っているのが現
状である。
【0003】このような状況下で、従来から、赤外線カ
メラを利用した非接触検査方法が知られている。赤外線
カメラを使用した方法には、検査対象に対して人工的に
光を照射して加熱することなく、例えば太陽光等の光で
自然に加熱された状態の下で赤外線カメラで観測するパ
ッシブ法がある。この方法は、赤外線カメラで検査対象
を撮影するだけで検査ができる便利な方法である。最近
はこのパッシブ法に対して、検査対象に対して人工的に
光を照射して加熱した後、赤外線カメラで観察するアク
ティブ法が用いられている。
【0004】このアクティブ法を用いて、太陽光の光が
届かないトンネル内部のコンクリート検査技術がすでに
実用化されている。この技術は、コンクリート等の構造
物に光を照射する複数の光源と、光源により照射された
構造物表面を撮影する赤外線カメラ及び可視カメラと、
前記光源及びカメラを搭載する撮影車とを備え、内壁表
面の温度差により内部の隙間つまり剥離箇所を検査する
方式を採用している。
【0005】図3及び図4は従来の非接触検査方法を採
用した検出装置を概略的に示す構成図である。図3は同
検出装置の使用例を、図4は同検出装置のブロック図を
夫々示している。図3及び図4に示すように、従来の非
接触検出装置は、コンクリート等の構造物の壁面12に
光31を照射するハロゲンランプ32と、このハロゲン
ランプ32に電気的に接続された電源33と、トンネル
の壁面12のひびや汚れ等を撮影する可視カメラ19
と、赤外線カメラ34と、これらカメラ19、34に夫
々電気的に接続された画像蓄積装置35、36とを具備
している。
【0006】また、赤外線カメラを使用した従来技術と
しては、特願平1−292255号記載の非破壊検査方
法がある。この非破壊検査方法は、検査対象である構造
部材にパルス状の熱負荷を与えて非定常温度場を測定す
る方法であり、パルス状の熱負荷の具体的な与え方とし
ては、検査対象とする金属材料や複合材料などの構造部
材に、直流、交流などのパルス状電流の通電、或いはパ
ルス状レーザ光の照射を行うことが記載されている。
【0007】さらに、別の文献(阪上 他:サーモグラ
フィによる非破壊評価技術シンポジウム講演論文集 V
ol.2 page.25−30 (1998))で
は、マイクロ波加熱やXeフラッシュランプによる加熱
により、赤外線サーモグラフィで非破壊検査を行なおう
とする試みがなされていることが記載されている。ま
た、特願平3−130040号に記載されたコンクリー
ト等の構造物の管理方法は、検査対象であるコンクリー
ト等の構造物に赤外線を照射し、コンクリート面から反
射する赤外線を検出して熱分布画像に表示してコンクリ
ート内部の欠陥を検出する方法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、打音検
査法では、劣化の定量的な評価が困難であり、検査する
作業者により評価が異なるという課題があった。また、
検査に要する時間や人件費が膨大となり非経済的である
という課題もあった。
【0009】一方、赤外線カメラを利用した従来法では
非接触検査方法では、深さが5mm程度と浅い欠陥しか
検出できないという課題があった。また、パルス状電流
の通電による方法では、検査対象が金属あるいは金属を
含む複合材料では有効であるが、電流がほとんど流れな
いコンクリート等の構造物やセラミック製の構造物に対
しては適用することは困難であるという課題があった。
また、パルス状レーザの照射やXeフラッシュランプに
よるパルス的な加熱では、コンクリート等の構造物の表
面近傍(5mm以下)に対してのみ有効であり、より深
い部分の欠陥を検出することができないという課題があ
った。
【0010】さらに、マイクロ波加熱法は、水を含んだ
亀裂に対しては有効であるが、亀裂部や剥離等の欠陥部
に水分が存在しなければ原理的に適用不可能であり、適
用対象が限定されるという課題があった。また、特願平
3−130040号には、赤外線を照射し、コンクリー
ト面から反射する赤外線を検出することを特徴とする方
法の発明が記載されているが、この方法では反射赤外線
の強度が強すぎて、赤外線加熱により生じるコンクリー
ト内部欠陥に起因する微弱な赤外線を検出することが困
難となる課題があった。さらに、従来技術の赤外線検査
法では内部欠陥画像の取得が目的となっており、最終的
な危険度評価に有効に機能していないという課題があっ
た。
【0011】本発明は上述のような課題を解決するため
になされたもので、作業者の勘に頼らない定量的な評価
ができるとともに、検査に要するコストを大幅に低減で
き、さらに従来の赤外線カメラを用いた検査方法を含め
た非接触検査方法と比べて深い欠陥の検査が可能であ
り、得られた検査結果を最終的に必要とされる構造物の
危険度評価に結びつけることが可能な構造物の内部欠陥
検出装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の構造物の内部欠
陥検出装置は、構造物に赤外線を照射して温度分布を測
定することにより、構造物の内部欠陥を検出する構造物
の内部欠陥検出装置において、前記構造物に前記赤外線
を照射する前記赤外線照射手段は、照射強度分布特性を
均一化する赤外線反射板と、前記赤外線反射板の角度を
調整可能にする角度調整手段とを備え、波長1μm〜5
0μmの赤外線を前記構造物に均一に照射する構成であ
る。
【0013】また、前記赤外線照射手段から前記構造物
までの距離に拘わらず、前記構造物の表面の単位面積当
たりに照射する赤外線の総エネルギ量を一定にするため
に、前記赤外線照射手段から前記構造物までの距離に応
じて赤外線照射時間を制御する照射時間制御手段を備え
る構成である。
【0014】また、本発明の他の形態に係る構造物の内
部欠陥検出装置は、構造物に赤外線を照射して温度分布
を測定することにより構造物の内部欠陥を検出する構造
物の内部欠陥検出装置において、前記構造物に照射する
赤外線の照射強度分布特性を均一化する赤外線反射板
と、前記赤外線反射板の角度を調整可能にする角度調整
手段とを有し、波長1μm〜50μmの赤外線を前記構
造物に均一に照射する赤外線照射手段と、前記赤外線照
射手段に照射された構造物を撮影して赤外画像データと
して取り込む撮影手段と、前記赤外線照射手段及び前記
撮影手段を移動可能に搭載する移動手段と、前記赤外画
像データを蓄積し処理する画像データ処理手段と、前記
赤外画像データと前記赤外画像データ処理手段から出力
される欠陥規模分布データとに基づき、前記構造物の剥
落の危険度を定量的に評価する剥落評価手段とを備える
構成である。
【0015】また、前記欠陥規模分布データのうち、少
なくとも欠陥の深さ分布データを解析することにより、
前記構造物の剥落の危険度の経年変化を評価する構成で
ある。
【0016】さらに、前記撮影手段で前記構造物のひび
割れを撮影し、前記欠陥規模分布データを剥落の危険度
に応じて色分けして重ねて表示し、前記構造物のひび割
れと内部欠陥との関係を明確化することにより、剥落の
危険度を定量的に評価する構成である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構造物の内部欠陥
検出装置について更に詳しく説明する。本発明におい
て、撮影手段である赤外線カメラあるいは赤外線ライン
センサカメラによりコンクリート等の構造物の剥離を検
査できるのは次のような理由による。即ち、例えば、コ
ンクリート表面に照射された赤外線はコンクリート表面
を加熱すると共に、コンクリート内部に浸透しコンクリ
ート全体の温度を上昇させる。しかし、コンクリート内
に剥離と考えられる隙間がある場合、空気が熱を遮断
し、内部に剥離がある場合は、健全部(構造物の剥離や
空隙がない部分)に比べコンクリート内部の温度は上昇
する。この現象は、赤外線カメラで検出する場合は、赤
外線カメラの検出波長領域が重要となる。
【0018】一般に、赤外線カメラは検出波長が3μm
〜5μm領域と8μm〜12μm領域の2つの領域に大
別される。3μm〜5μm領域の波長で検出した場合
は、検出波長が短波長であるためコンクリート表面の温
度のみを検出できる。一方、8μm〜12μm領域の波
長で検出した場合は、検出波長が長波長であるため、コ
ンクリート表面からの放射だけでなくコンクリート内部
からの放射も間接的に検出するため、コンクリート内部
の温度を検出することができる。
【0019】従って、コンクリート内部に存在する剥離
を検出するための検出器として使用する赤外線カメラ
は、検出波長が8μm〜12μm領域あるいはこの検出
波長に近い波長領域例えば7μm〜16μm領域等の赤
外線カメラを使用することが必要不可欠となる。前述し
た赤外線カメラで検出することにより、コンクリート内
部に剥離や空隙がある部分は、周辺の健全部との温度差
により明確に識別することが可能となり、作業者の目で
は見ることのできない内部の隙間や空隙の非破壊検査が
可能となる。
【0020】ここで、赤外線照射装置から構造物に赤外
線を照射する際に、検査対象表面における赤外線の強度
が不均一だと欠陥部の検出に支障をきたすので、本発明
では、赤外線が検査対象である構造物に均一に照射され
るように、赤外線照射装置の周囲に鏡面仕上げのステン
レス板を設置し、検査対象の表面で赤外線が均一に加熱
されるよう、ステンレス板の角度を微調整する機能を付
加している。
【0021】また、検査時に検査対象と赤外線照射装置
との距離が一定でない場合がある。例えば、トンネルを
検査する場合に、トンネルの内壁の形状が変化すること
により、検査対象と赤外線照射装置との距離が変化す
る。このような場合は、赤外線照射装置から検査対象ま
での距離に応じて検査対象の単位面積あたりに照射され
る赤外線の総エネルギを一定にするために、赤外線照射
時間を制御することが必要となる。例えば、トンネル検
査の場合には、検査車両の走行速度を検査対象までの距
離に応じて変化させることにより、検査対象の単位面積
あたりに照射される赤外線の総エネルギを一定にするこ
とが可能となる。
【0022】赤外線カメラと可視カメラの画像データは
画像データ処理装置で解析され、温度画像データは欠陥
深さ分布データとして出力され、このデータを基に深さ
分布形状や検出場所等を考慮して剥落の危険度を定量評
価する。さらに、この危険度の定量的データを過去に計
測したデータと比較することにより、剥落の危険度の予
測性能を向上させ、さらに、定量的な危険度表示方法と
して、検査対象の可視画像上に内部欠陥形状を剥落の危
険度に応じて色分けして重ねて表示し、ひび割れと内部
欠陥との関係を明確化するという表示方法を用いた。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 (実施例1)図1は本発明の実施例1に係るコンクリー
ト等の構造物検出装置を概念的に示す構成図である。図
中の符号11で示されるものは、赤外線をコンクリート
等の構造物の壁面12に照射する赤外線照射手段として
の赤外線照射装置である。この赤外線照射装置11に
は、電源13が電気的に接続されている。赤外線照射装
置11は、1μm〜20μmの波長領域で放射する光源
を使用している。赤外線照射装置11の周囲にはステン
レス製の赤外線反射板としての反射板14が設置されて
いる。
【0024】これらの反射板は、反射角度を可変調整で
きる反射板角度可変装置15と電気的に接続されてお
り、検査対象である構造物の形状や検査距離に応じて角
度を変化させることのできる角度調整手段としての調整
機構を有している。反射板14の角度を検査対象の形状
に応じて調整することにより、検査対象で赤外線照射を
均一化することができる。
【0025】検査対象の表面温度は、撮影手段としての
赤外線ラインセンサカメラ16で計測する。この赤外線
ラインセンサカメラ16には、カメラドライバー17、
画像データ蓄積装置18が電気的に接続されている。赤
外線ラインセンサカメラ16で取り込まれた赤外画像デ
ータは、画像データ蓄積装置18に記憶保持されるよう
に構成されている。ここで、赤外線カメラの検出波長は
8μm〜13μm領域である。
【0026】こうした構成の内部欠陥検出装置におい
て、赤外線を赤外線照射装置11からコンクリート等の
構造物の壁面12に照射し、赤外線照射後の画像を赤外
画像データとして赤外線ラインセンサカメラ16で検出
する。この赤外画像データを解析し、健全部との温度差
からコンクリート内部の剥離や空隙等の欠陥状況の有無
を検出する。この検出結果は後述する欠陥規模分布デー
タの作成に用いられる。
【0027】一方、赤外画像データと共に検査対象の可
視画像も可視カメラ19で計測する。可視カメラ観測部
の照明20も搭載している。可視カメラ19で得られた
可視画像データは、赤外線ラインセンサカメラ16と同
様に、電気的に接続された画像データ蓄積装置18に記
憶保持されるように構成されている。このように、赤外
画像データおよび可視画像データは、共に画像データと
して画像データ蓄積装置18に記憶保持されるものであ
る。
【0028】トンネルの形状が変化し、赤外線照射装置
と検査対象間の距離が変化した場合には、一定速度で検
査すると赤外線照射装置の検査走行方向の長さが一定で
あるため、赤外線照射装置と検査対象間の距離が長い場
合は赤外線照射装置により照射される赤外線の総エネル
ギはより低くなってしまう。そこで、赤外線照射装置と
検査対象間の距離に拘わらず、赤外線照射装置から検査
対象までの距離に応じて検査対象の単位面積あたりに照
射される赤外線の総エネルギを一定にするために、赤外
線照射時間を制御する。具体的には、検査車両の走行速
度を車両速度制御装置21で検査対象までの距離に応じ
て変化させることにより、検査対象の単位面積当たりに
照射される赤外線の総エネルギ量を一定にする。
【0029】この発明の実施例1に係る構造物の内部欠
陥検出装置によれば、赤外線を赤外線照射装置11から
コンクリート壁面12に照射し、照射後の画像を赤外線
ラインセンサカメラ16で検出する構成とすることによ
り、赤外画像データに基づいて欠陥規模分布データ(赤
外線画像データ、可視画像データ、危険度の定量的デー
タ等)を得ることができ、以下に述べる効果を奏する。 (1)従来の打音検査法と比べ、非接触で高速な検査が
可能であり、人の勘に頼らない定量的な評価ができる。 (2)従来の打音検査法と比べ、検査に要するコストを
大幅に低減できる。 (3)従来の非接触検査方法の場合、5mm程度しか検
出できなかったが、本実施例1の場合、最大50mmの
深さまで検査が可能となった。 (4)赤外線照射装置周辺に反射板を設置し、検査場所
に応じて反射板の角度を変化させて均一な加熱を実現す
ることができ、欠陥検査精度が向上した。
【0030】(実施例2)図2は、本発明の実施例2に
係る構造物の内部欠陥検出装置を概略的に示す構成図で
ある。本発明の実施例2に係る構造物の内部欠陥検出装
置は、前記実施例1で得られた欠陥規模分布データをシ
ステム化した実施例である。
【0031】画像データ蓄積装置18からオンラインま
たはオフラインで供給される温度分布データ22を、温
度分布データ処理装置23で処理することにより、内部
欠陥深さ分布データ24として出力する。この温度分布
データ処理装置23では、コンクリート等の構造物に健
全部で得られた赤外線画像の温度分布データを用いて、
健全部の平均温度を導出し、この温度を基準温度として
温度差に応じて深さを決定する手法を用いている。
【0032】この内部欠陥深さ分布データ24をさら
に、危険度評価装置25で評価する。評価は、内部欠陥
深さ分布データ24の形状と構造物における欠陥の場所
に基づいて行う。具体的には、施工時において粗骨材の
隙間にセメント等が流れ込まずに硬化したことにより発
生する空隙部が部分的に存在するジャンカ部等の不良部
については、内部欠陥深さ分布データ24にジャンカ部
特有のデータが得られるため、危険度評価が低いと判定
することができる。
【0033】本発明の実施例2に係る構造物の内部欠陥
検出装置では、こういった内部欠陥深さ分布データ24
の形状からだけでなく、過去の欠陥深さデータと危険度
との相関をまとめたデータベース26を参照することに
より、危険度評価の精度を向上させることができる。こ
のようにして、危険度評価装置25により内部欠陥深さ
分布データ24は変状展開図27として、可視画像デー
タの表示画面上に欠陥の形状を色分けして表示し、ひび
割れと内部欠陥との関係を明確化することにより危険度
を分かりやすく表示することができる。
【0034】本発明の実施例2に係る構造物の内部欠陥
検出装置は、実施例1に示した効果に加え以下の効果を
奏する。 (1)赤外線画像により温度差分布を解析し、欠陥の深
さを決定するデータ処理装置により剥落の危険度を定量
的に評価することが可能となった。 (2)さらに、この剥落の危険度の定量データを過去の
赤外線検査結果と比較することにより剥落の危険度の予
測性能が向上した。 (3)定量的な危険度表示方法として、検査対象の可視
画像上に内部欠陥形状を剥落の危険度に応じて色分けし
て表示する手法を用いることにより、従来法に比べ剥落
の危険度を分かりやすく表示することが可能となった。
【0035】
【発明の効果】本発明の構造物の内部欠陥検出装置は、
構造物に赤外線を照射して温度分布を測定することによ
り、構造物の内部欠陥を検出する構造物の内部欠陥検出
装置において、前記構造物に前記赤外線を照射する前記
赤外線照射手段は、照射強度分布特性を均一化する赤外
線反射板と、前記赤外線反射板の角度を調整可能にする
角度調整手段とを備え、波長1μm〜50μmの赤外線
を前記構造物に均一に照射するので、検査対象である構
造物に赤外線を照射して赤外画像データを検出すること
により、作業者の勘に頼らない定量的な評価ができると
ともに、検査に要するコストを大幅に低減でき、さらに
従来の非接触検査方法では深さ5mm程度が限度であっ
たが、この方法により深さ50mm程度までの深い欠陥
の検査ができる。また、トンネルや高架橋やマンション
等のコンクリート等の構造物、モルタル構造物の検査に
適した構造物の内部欠陥検出装置を提供することができ
る。また、検査対象に対して斜めから角度をつけて赤外
線を照射することが可能となり、赤外線光源を大きく移
動することなく赤外線を検査対象に均一に照射すること
が可能となる。さらに、赤外線照射装置周辺に反射板を
設置し、検査場所に応じて反射板の角度を変化させて均
一な加熱を実現することができ、欠陥検査精度が向上し
た。
【0036】また、前記赤外線照射手段から前記構造物
までの距離に拘わらず、前記構造物の表面の単位面積当
たりに照射する赤外線の総エネルギ量を一定にするため
に、前記赤外線照射手段から前記構造物までの距離に応
じて赤外線照射時間を制御する照射時間制御手段を備え
るので、前記赤外線照射手段から前記構造物までの距離
が変化しても構造物に赤外線を均一に照射することがで
き、検出精度の非常に高い構造物の内部欠陥検出装置を
提供することができる。
【0037】また、本発明の他の形態に係る構造物の内
部欠陥検出装置は、構造物に赤外線を照射して温度分布
を測定することにより構造物の内部欠陥を検出する構造
物の内部欠陥検出装置において、前記構造物に照射する
赤外線の照射強度分布特性を均一化する赤外線反射板
と、前記赤外線反射板の角度を調整可能にする角度調整
手段とを有し、波長1μm〜50μmの赤外線を前記構
造物に均一に照射する赤外線照射手段と、前記赤外線照
射手段に照射された構造物を撮影して赤外画像データと
して取り込む撮影手段と、前記赤外線照射手段及び前記
撮影手段を移動可能に搭載する移動手段と、前記赤外画
像データを蓄積し処理する画像データ処理手段と、前記
赤外画像データと前記赤外画像データ処理手段から出力
される欠陥規模分布データとに基づき、前記構造物の剥
落の危険度を定量的に評価する剥落評価手段とを備える
ので、赤外線画像により温度差分布を解析し、欠陥の深
さを決定するデータ処理装置により剥落の危険度を定量
的に評価することが可能となり、この剥落の危険度の定
量データを過去の赤外線検査結果と比較することにより
剥落の危険度の予測性能を向上させた構造物の内部欠陥
検出装置を提供することができる。また、定量的な危険
度表示方法として、検査対象の可視画像上に内部欠陥形
状を剥落の危険度に応じて色分けして表示する手法を用
いることにより、従来法に比べ剥落の危険度を分かりや
すく表示することができる構造物の内部欠陥検出装置を
提供することができる。
【0038】また、前記欠陥規模分布データのうち、少
なくとも欠陥の深さ分布データを解析することにより、
前記構造物の剥落の危険度の経年変化を評価するので、
剥落の危険度を定量評価できる構造物の内部欠陥検出装
置を提供することができる。
【0039】さらに、前記撮影手段で前記構造物のひび
割れを撮影し、前記欠陥規模分布データを剥落の危険度
に応じて色分けして重ねて表示し、前記構造物のひび割
れと内部欠陥との関係を明確化することにより、剥落の
危険度を定量的に評価するので、欠陥規模分布データを
定量化し、さらにこれを視覚的に把握することのできる
構造物の内部欠陥検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るコンクリート等の構造
物の内部欠陥の有無を検出する装置の具体的な装置構成
を示す概念図である。
【図2】本発明の実施例2に係るコンクリート等の構造
物の内部欠陥の有無及び欠陥の深さを検出する構造物内
部欠陥検出装置の危険度判定システムの具体的な装置構
成を示す概念図。
【図3】従来の構造物の内部欠陥検出装置の具体的な使
用例を示す説明図。
【図4】従来の構造物の内部欠陥検出装置のブロック
図。
【符号の説明】
11 赤外線照射装置 12 コンクリート構造物の壁面 12 壁面 13 電源 14 反射板 15 反射板角度可変装置 16 赤外線ラインセンサカメラ 17 カメラドライバー 18 画像データ蓄積装置 19 可視カメラ 20 照明 21 車両速度制御装置 22 温度分布データ 23 温度分布データ処理装置 24 内部欠陥深さ分布データ 25 危険度評価装置 26 データベース 27 変状展開図 31 光 32 ハロゲンランプ 33 電源 34 赤外線カメラ 35 画像蓄積装置(可視画像用) 36 画像蓄積装置(赤外画像用)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗田 耕一 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 岡井 隆 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 井上 政雄 愛知県小牧市東田中1200番地 三菱重工業 株式会社名古屋誘導推進システム製作所内 (72)発明者 日浦 誠司 愛知県小牧市東田中1200番地 三菱重工業 株式会社名古屋誘導推進システム製作所内 (72)発明者 宮田 信裕 東京都台東区東上野三丁目19番6号 帝都 高速度交通営団内 (72)発明者 石坂 利一 東京都江東区新木場一丁目8番9号先 帝 都高速度交通営団内 (72)発明者 菅原 孝男 東京都台東区東上野五丁目6番3号 帝都 高速度交通営団内 (72)発明者 大沢 純一郎 東京都台東区東上野三丁目19番6号 帝都 高速度交通営団内 (72)発明者 柳沢 有一郎 東京都文京区根津二丁目4番12号 帝都高 速度交通営団内 (72)発明者 村田 修 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 佐藤 勉 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 鳥取 誠一 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 吉田 幸司 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 Fターム(参考) 2G040 AA07 AB08 BA02 BA14 BA16 BA26 CA02 CA12 CA23 DA06 DA12 DA25 EA06 EB02 HA02 HA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物に赤外線を照射して温度分布を測
    定することにより、構造物の内部欠陥を検出する構造物
    の内部欠陥検出装置において、 前記構造物に前記赤外線を照射する前記赤外線照射手段
    は、照射強度分布特性を均一化する赤外線反射板と、前
    記赤外線反射板の角度を調整可能にする角度調整手段と
    を備え、波長1μm〜50μmの赤外線を前記構造物に
    均一に照射することを特徴とする構造物の内部欠陥検出
    装置。
  2. 【請求項2】 前記赤外線照射手段から前記構造物まで
    の距離に拘わらず前記構造物の表面の単位面積当たりに
    照射する赤外線の総エネルギ量を一定にするために、前
    記赤外線照射手段から前記構造物までの距離に応じて赤
    外線照射時間を制御する照射時間制御手段を備えること
    を特徴とする請求項1記載の構造物の内部欠陥検出装
    置。
  3. 【請求項3】 構造物に赤外線を照射して温度分布を測
    定することにより構造物の内部欠陥を検出する構造物の
    内部欠陥検出装置において、 前記構造物に照射する赤外線の照射強度分布特性を均一
    化する赤外線反射板と、前記赤外線反射板の角度を調整
    可能にする角度調整手段とを有し、波長1μm〜50μ
    mの赤外線を前記構造物に均一に照射する赤外線照射手
    段と、 前記赤外線照射手段に照射された構造物を撮影して赤外
    画像データとして取り込む撮影手段と、 前記赤外線照射手段及び前記撮影手段を移動可能に搭載
    する移動手段と、 前記赤外画像データを蓄積し処理する画像データ処理手
    段と、 前記赤外画像データと前記赤外画像データ処理手段から
    出力される欠陥規模分布データとに基づき、前記構造物
    の剥落の危険度を定量的に評価する剥落評価手段とを備
    えることを特徴とするコンクリート等の構造物の内部欠
    陥検出装置。
  4. 【請求項4】 前記欠陥規模分布データのうち、少なく
    とも欠陥の深さ分布データを解析することにより、前記
    構造物の剥落の危険度の経年変化を評価することを特徴
    とする請求項3記載の構造物の内部欠陥検出装置。
  5. 【請求項5】 前記撮影手段で前記構造物のひび割れを
    撮影し、前記欠陥規模分布データを剥落の危険度に応じ
    て色分けして重ねて表示し、前記構造物のひび割れと内
    部欠陥との関係を明確化することにより、剥落の危険度
    を定量的に評価することを特徴とする請求項4記載の構
    造物の内部欠陥検出装置。
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